説明

ポンプシステム

【課題】複数のターボ分子ポンプを同時に駆動する際に電力供給手段からの電力を効率よく最大限に利用する。
【解決手段】電力供給手段1からの電力によって駆動する複数のターボ分子ポンプT1〜T4と、複数のターボ分子ポンプT1〜T4が消費している電力総消費量Wtを求める電力量取得手段6と、電力量取得手段6により求められた電力総消費量Wtが予め定めた設定値Wsを超えないように各ターボ分子ポンプT1〜T4への供給電力を制御する電力制御手段4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のターボ分子ポンプを有するポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置などには、複数のターボ分子ポンプが用いられる。これら複数のターボ分子ポンプの起動開始時刻を互いにずらしたり、起動動作時間を長くしたりすることによって、起動時の最大消費電力を所定値以下に抑えるようにしたポンプシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−28072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のシステムは、予め電力の消費パターンを設定し、このパターンにしたがってポンプの駆動を制御するものであり、電力を効率よく最大限に利用することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるポンプシステムは、電力供給手段からの電力によって駆動する複数のターボ分子ポンプと、複数のターボ分子ポンプが消費している電力総消費量を求める電力量取得手段と、電力量取得手段により求められた電力総消費量が予め定めた設定値を超えないように各ターボ分子ポンプへの供給電力を制御する電力制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電力総消費量が設定値を超えないようにターボ分子ポンプへの供給電力を制御するので、電源装置からの電力を効率よく最大限に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るポンプシステムの構成を示す図である。なお、以下では4台のターボ分子ポンプを用いる場合について説明する。ターボ分子ポンプは、例えば半導体製造装置に用いられる真空ポンプであり、各ポンプ本体T1〜T4は、図示しない半導体製造装置の複数の真空チャンバにそれぞれ接続されている。
【0008】
ポンプ本体T1〜T4にはそれぞれコントローラC1〜C4(制御ユニット)が接続され、コントローラC1〜C4からの信号により各ポンプ本体T1〜T4の駆動が制御される。また、コントローラC1〜C4には電力供給部1が接続され、コントローラC1〜C4からの信号により電力供給部1からポンプ本体T1〜T4への電力の供給が制御される。
【0009】
コントローラC1〜C4にはそれぞれシリアル通信ポートSPが設けられ、このシリアル通信ポートSPを介して各コントローラC1〜C4は通信ライン2により接続されている。すなわちマルチドロップ接続されている。コントローラC1〜C4には図示のようにID番号(1〜4)が付与され、ID=1のコントローラC1には通信ライン2を介してPC(パーソナルコンピュータ)3が接続されている。
【0010】
図2は、コントローラC1の内部構成を示す図である。なお、他のコントローラC2〜C4の構成も図2と同一である。コントローラC1は電力変換部40と制御部4と入力部5と消費電力演算部6とを有する。ポンプ本体T1内にはロータの回転軸(不図示)を回転するモータ7と、ロータの回転軸を非接触支持する磁気軸受8とが設けられている。
【0011】
電力変換部40は、交流電力をモータ駆動用および磁気浮上用の直流電力に変換する。制御部4は、CPU,ROM,RAM等を含んで構成され、モータ7と磁気軸受8にそれぞれ制御信号を出力してこれらの駆動を制御するとともに、各コントローラC2〜C4やPC3との間の通信を制御する。
【0012】
モータ7は、例えばDCブラシレスモータであり、電力供給部1から供給されるモータ電流によりロータ回転軸を駆動する。ロータの回転軸の位置はギャップセンサにより検出される。磁気軸受け8には、このギャップ検出値に基づいて電力供給部1から磁気軸受電流が供給され、磁気軸受け8はロータの回転軸を磁気支承する。
【0013】
入力部5は、例えば制御ユニットの正面に設けられた操作パネルにより構成され、ユーザの操作によりポンプ本体毎にポンプ制御に係わる各種設定値を入力する。シリアル通信ポートSPは、例えば制御ユニットの背面に設けられ、ポンプ電力制御に係わる信号が入出力される。
【0014】
消費電力演算部6は、ポンプ本体T1の消費電力を演算する。図3(a)はポンプ回転数を一定としたときのモータ電流と消費電力との関係を示す図であり、図3(b)はモータ電流を一定としたときのポンプ回転数と消費電力との関係を示す図である。図3に示すように消費電力は、モータ電流が増加するほど、およびポンプ回転数が増加するほど大きくなる。消費電力演算部6では、この関係に基づいてモータ電流とポンプ回転数に対応した消費電力を演算する。
【0015】
本実施の形態では、複数のコントローラC1〜C4のうち、コントローラC1をマスタ用コントローラとして用い、コントローラC2〜C3をそれぞれスレーブ用コントローラとして用いる。すなわちマスタ用コントローラC1からの信号によりポンプ本体T1を制御するとともに、スレーブ用コントローラC2〜C4を介してポンプ本体T2〜T4を制御する。なお、PC3は、例えばポンプ本体T1〜T4の状態を監視したりデータを処理するために用いられる。
【0016】
PC3には警報装置9が接続されている。警報装置9は、例えば表示モニタに所定のメッセージを出力するものであり、これにより後述するようにポンプ本体T1〜T4への供給電力を制限している状態がユーザに報知される。警報装置9はマスタ用コントローラC1に接続することもできる。
【0017】
図4は、マスタ用コントローラC1の制御部4における処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば入力部5の電源スイッチのオンにより開始される。
【0018】
ステップS1では、シリアル通信ポートSPを介して他のコントローラCkに消費電力確認コマンドを送信する。なお、kは変数であり、初期状ではk=2に設定されている。ステップS2では、シリアル通信ポートSPを介して他のコントローラCkに運転状態確認コマンドを送信する。ステップS3では、kが4に達したか否か、すなわち全てのコントローラC2〜C4に消費電力確認コマンドと運転状態確認コマンドが送信されたか否かを判定する。ステップS3が否定されるとステップS4に進み、kに1を加算してステップS1に戻る。ステップS3が肯定されるとステップS5に進む。
【0019】
ステップS5では、後述する図5の処理によってコントローラC2〜C4から送信された各ポンプ本体T2〜T4の消費電力W2〜W4および運転状態の信号を取り込む。この際、コントローラC1の消費電力演算部6で演算されたポンプ本体T1の消費電力W1を同時に取り込むとともに、ポンプ本体T1の運転状態を判定する。
【0020】
ステップS6では、各ポンプ本体T1〜T4の消費電力W1〜W4を加算して消費電力の合計値(総消費電力)Wt(=W1+W2+W3+W4)を求める。そして、この総消費電力Wtが予め設定した設定値Wsから所定のマージンWmを減算した値(Ws−Wm)よりも大きいか否かを判定する。設定値Wsは、電力供給部1の電力容量を考慮して設定され、例えば電力供給部1の電力容量に等しく設定される。この設定値Wsは入力部5での操作により変更可能であり、電力供給部1の電力容量が異なる設備においても同一のシステムを用いることができる。なお、マージンWmは、総消費電力Wtが所定値Ws−Wmを超えた後に、設定値Wsを超えないようにするために設定される。
【0021】
ステップS6が肯定されるとステップS7に進み、他のコントローラCnがポンプの加速運転または定常運転を指令しているか否かを判定する。なお、nは変数であり、初期状態ではn=4に設定されている。ステップS7が否定、つまり減速運転中と判定されるとステップS8に進む。この場合は、このコントローラCnによる減速運転を維持して別のコントローラの運転状態を判定する。このため、ステップS8では、nから1を減算してステップS7に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0022】
ステップS7が肯定されるとステップS9に進み、シリアル通信ポートSPを介してコントローラCnにフリーランコマンドを送信するとともに、フリーラン送信フラグをオンする。フリーランコマンドはモータ7への電力供給を遮断してポンプをフリーランさせるためのコマンドであり、これによりシステム全体の消費電力を低減できる。フリーランコマンドを送信した後は、所定時間待機してからステップS10に進む。ステップS10では、このときのID番号nをメモリに記憶し、ステップS1に戻る。
【0023】
一方、ステップS6が否定されると、ステップS11に進み、フリーラン送信フラグがオンであるか否か、つまりいずれかのポンプT1〜T4のフリーランが行われているか否かを判定する。ステップS11が肯定されるとステップS12に進み、否定されるとステップS1に戻る。ステップS12では、ステップS10で記憶したID番号nのコントローラCnに加速要求コマンドを送信する。加速要求コマンドを送信した後は、所定時間待機してからステップS13に進む。ステップS13では、フリーランフラグをオフし、ステップS1に戻る。
【0024】
図5は、スレーブ用コントローラC2〜C4の各制御部4における処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば入力部5の電源スイッチのオンにより開始される。
【0025】
ステップS51では、コントローラC1から消費電力確認コマンド(ステップS1)を受信したか否かを判定する。ステップS51が肯定されるとステップS52に進み、消費電力演算部6で演算された各ポンプ本体T2〜T4の消費電力W2〜W4をそれぞれシリアル通信ポートSPを介してコントローラC1に送信する。
【0026】
ステップS53では、コントローラC1から運転状態確認コマンド(ステップS2)を受信したか否かを判定する。ステップS53が肯定されるとステップS54に進み、ポンプ本体T2〜T4が加速、減速、定常のいずれの状態にあるかを判定し、この運転状態をシリアル通信ポートSPを介してコントローラC1に送信する。
【0027】
ステップS55では、コントローラC1からフリーランコマンド(ステップS9)を受信したか否かを判定する。ステップS55が肯定されるとステップS56に進み、モータ7への駆動電流の供給を遮断し、モータ駆動をオフする。これによりロータは慣性力により回転し、フリーラン(自由回転)状態となる。
【0028】
ステップS57では、コントローラC1から加速要求コマンド(ステップS12)が送信されたか否かを判定する。ステップS57が肯定されるとステップS58に進み、モータ7へ再び駆動電流を供給し、ロータの回転を加速させる。
【0029】
本実施の形態の主要な動作を説明する。
(1)起動時
図6は、ポンプ起動時の動作特性の一例を示す図である。図中、特性f1はポンプ本体T1〜T3の回転数の特性を、特性f2はポンプ本体T4の回転数の特性を、特性f3はポンプ本体T1〜T4の消費電力の合計値Wt(電力総消費量)の特性をそれぞれ示す。
【0030】
例えばPC3に設けられた起動スイッチをオンすると、各ポンプ本体T1〜T4のモータ7に同時にモータ電流が流れ、ポンプ本体T1〜T4が同時に起動を開始する。これにより図6に示すように各ポンプ本体T1〜T4の回転数は定格回転数Naに向けて徐々に増加し、これに伴い電力総消費量Wtも増加する。
【0031】
時点t1で、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えると、最も優先順位の低いポンプ駆動用のコントローラC4にフリーランコマンドが送信される(ステップS9)。このフリーランコマンドの送信によりポンプ本体T4がフリーランし(ステップS56)、特性f2に示すようにポンプ本体T4の回転数の上昇が止まる。このときポンプ本体t4のフリーランによりモータ電流は減少するが、その後、ポンプ本体T1〜T3の加速によってモータ電流が増加する。仮に電力総消費量Wtが再び所定値Ws−Wmを超えると、次に優先順位の低いポンプ本体T3がフリーランする。これにより電力総消費量Wtの最大値を設定値Ws以下とすることができる。この場合、警報装置9が作動し、ユーザはモータ電流の制限状態を認識できる。
【0032】
ポンプ本体T1〜T3の回転数が定格回転数Naに達すると、ポンプ本体T1〜T3へのモータ電流の供給量が減少する。その後、時点t2で、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wm以下になると、フリーラン中のポンプ駆動を制御するコントローラC4に対し加速要求コマンドが送信される(ステップS12)。これによりポンプ本体T4が加速され(ステップS58)、特性f2に示すようにポンプ回転数が定格回転数Naまで上昇する。
【0033】
(2)定常時
図7は、定常運転時の動作特性の一例を示す図である。図中、特性g1はポンプ本体T4の回転数の特性を、特性g2は電量総消費量Wtの特性を、特性g3はガス流量の特性をそれぞれ示す。
【0034】
ポンプ本体T1〜T4が定格回転数で回転している状態において、時点t11で、ガス流量が増加すると、ポンプ本体T1〜T4に作用する負荷が増大し、電力総消費量Wtが増加する。電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えると、優先順位の低いポンプ駆動用のコントローラC4にフリーランコマンドが送信される(ステップS9)。これによりポンプ本体T4がフリーランし、ポンプ回転数が低下するとともに、電力総消費量Wtが減少し、電力総消費量Wtの最大値が設定値Ws以下に抑えられる。この場合、警報装置9が作動し、ユーザはモータ電流の制限状態を認識できる。
【0035】
時点t12で、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wm以下になると、コントローラC4に加速要求コマンドが送信される(ステップS12)。これによりポンプ本体T4へのモータ電流の供給量が増加し、電力総消費量Wtが増加する。なお、ここではポンプ本体T4の回転数を即座に定格回転数Naまで上昇させるのではなく、ポンプ回転数を一定に維持するようにポンプ本体T4にモータ電流を供給している。
【0036】
時点t13で、電力総消費量Wtが再び所定値Ws−Wmを超えると、コントローラC4にフリーランコマンドが送信される。これによりポンプ本体T4がフリーランし、ポンプ回転数が低下して、電力総消費量wtが減少する。
【0037】
時点t14で、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wm以下になると、コントローラC4に加速要求コマンドが送信される。これによりポンプ本体T4へのモータ電流の供給量が増加し、ポンプ回転数が維持される。なお、仮に時点t14で電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えている場合には、コントローラC4にフリーランコマンドが送信されたまま、次に優先順位の低いコントローラC3にもフリーランコマンドが送信される。
【0038】
時点t14〜時点t15にかけては、電力総消費量Wtが設定値Wsを超えないように所定値Ws−Wmを閾値として、フリーランコマンドの送信と加速要求コマンドの送信が繰り返される。時点t15で、ガス流量が減少すると、ポンプ本体T1〜T4に作用する負荷が減少し、電力総消費量Wtが減少する。時点t16で、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wm以下になると、コントローラC4に加速要求コマンドが送信され、ポンプ本体T4へのモータ電流量が増加する。これによりポンプ回転数が増加し、時点t17でポンプ回転数が定格回転数Naとなる。
【0039】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)消費電力演算部6にて各ポンプ本体T1〜T4の電力消費量を求め、これら電力消費量の合計値Wtが所定値Ws−Wmを超えると、優先順位の低いポンプ本体T4へのモータ電流の供給を遮断するようにした。すなわち、電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えるまではモータ電流を制限せず、所定値Ws−Wmを超えると必要最小限のモータ電流を制限するようにした。これにより電力供給部1からの電力を効率よく最大限に利用することができ、ポンプ起動時に複数のポンプ本体T1〜T4の回転数を短時間で定格回転数Naまで上昇させることができる。これに対し、例えば予め起動時の電力の消費パターンを設定し、このパターンにしたがってポンプ本体の駆動を制御するものでは、電力容量に余裕が生じているとしてもそれを用いることができず、電力容量を最大限に利用することはできない。
【0040】
(2)電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えることを条件にモータ電流を制限するので、起動時だけでなく定格定常運転時にも電力供給部1の電力容量を最大限に利用することができる。
(3)電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えると、優先順位の低いポンプ本体T4をフリーランさせて供給電力を制限するようにしたので、優先順位の高いポンプについてはその回転状態が維持され、電力制限量を最小限に抑えることができる。
(4)ユーザの操作により設定値Wsを変更可能としたので、電力容量の異なる設備においても同一のシステムを用いることができる。
【0041】
(5)モータ電流が制限されている状態を警報装置9によって報知するようにしたので、ユーザはモータ電流の制限状態を認識することができ、起動指令時に全てのポンプ本体が即座に動作しなくてもユーザは混乱することがない。
(6)ポンプ駆動用の複数のコントローラC1〜C4をマルチドロップ接続するようにしたので、配線ラインの取り回しが容易である。
(7)コントローラC1をマスタ用コントローラとして用い、コントローラC2〜C4をスレーブ用コントローラとして用いるので、構成を簡素化できる。
【0042】
なお、上記実施の形態では、消費電力演算部6で各ポンプ本体T1〜T4の消費電力を求め、これを加算して電力総消費量Wtを求めるようにしたが、電力量取得手段の構成はこれに限らない。電力総消費量Wtが所定値Ws−Wmを超えると優先順位の低いポンプ本体T4をフリーランさせるようにしたが、電力総消費量が予め定めた設定値Wsを超えないように供給電力を制御するのであれば、電力制御手段としての制御部4の構成はいかなるものでもよい。モータ電流を遮断するのではなく、モータ電流の供給量を低減するだけでもよい。電力供給部1からの電力によってポンプ本体T1〜T4を駆動するようにしたが、電力供給手段の構成はいかなるものでもよい。
【0043】
入力部5の操作により設定値Wsを変更するようにしたが、設定値変更手段はこれに限らない。電力制御手段の制御状態を警報装置9によりユーザに報知するようにしたが、報知手段の構成はいかなるものでもよい。複数の制御部としてのコントローラC1〜C4をシリアル通信ポートSPを介してマルチドロップ接続するようにしたが、他の接続としてもよい。例えばPC3と各コントローラC1〜C4とを通信ライン2で各々接続するようにしてもよい。コントローラC1をマスタ用コントローラとして用い、コントローラC2〜C4をスレーブ用コントローラとして用いたが、コントローラの構成はこれに限らない。
【0044】
上記実施の形態では4台のポンプ本体T1〜T4とこれらを制御するコントローラC1〜C4を用いたが、これは一例であり、ターボ分子ポンプの数はこれより多くても少なくてもよい。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のポンプシステムに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るポンプシステムの構成を示す図。
【図2】図1のコントローラの内部構成を示す図。
【図3】(a)はポンプ回転数を一定としたときのモータ電流と消費電力との関係を示す図、(b)はモータ電流を一定としたときのポンプ回転数と消費電力との関係を示す図。
【図4】図1のコントローラC1における処理の一例を示すフローチャート。
【図5】図1のコントローラC2〜C4における処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本実施の形態に係る起動時の動作特性の一例を示す図。
【図7】本実施の形態に係る定常運転時の動作特性の一例を示す図。
【符号の説明】
【0046】
1 電力供給部
4 制御部
5 入力部
6 消費電力演算部
9 警報装置
T1〜T4 ポンプ本体
C1〜C4 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給手段からの電力によって駆動する複数のターボ分子ポンプと、
前記複数のターボ分子ポンプが消費している電力総消費量を求める電力量取得手段と、
前記電力量取得手段により求められた電力総消費量が予め定めた設定値を超えないように前記各ターボ分子ポンプへの供給電力を制御する電力制御手段とを備えることを特徴とするポンプシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のポンプシステムにおいて、
前記複数のターボ分子ポンプには予め優先順位が付与され、
前記電力制御手段は、前記電力総消費量が所定値を超えると、優先順位の低いターボ分子ポンプへの供給電力を制限することを特徴とするポンプシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポンプシステムにおいて、
前記設定値を変更する設定値変更手段をさらに備えることを特徴とするポンプシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポンプシステムにおいて、
前記電力制御手段の制御状態をユーザに報知する報知手段をさらに備えることを特徴とするポンプシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプシステムにおいて、
前記複数のターボ分子ポンプには、各ポンプ本体の駆動を制御するとともに、通信を制御する制御部がそれぞれ設けられ、
これら制御部は、互いにマルチドロップ接続されていることを特徴とするポンプシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のポンプシステムにおいて、
前記電力制御手段は、一の前記制御部からの信号により他の前記制御部を介して各ポンプ本体への供給電力をそれぞれ制御することを特徴とするポンプシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−31679(P2010−31679A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192336(P2008−192336)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】