説明

ポーリング監視システム、ポーリング監視サーバ、ポーリング監視方法、およびその監視プログラム

【課題】優先度の高い監視対象マシンに対してはなるべく設定に近い間隔でポーリングを実行しつつ、優先度の低いものを含めた全ての監視対象マシンに対して漏れなくポーリングを実行することを可能とするポーリング監視システム等を提供する。
【解決手段】ポーリング監視サーバ10が、グループ別割当て時間内にポーリングが実行可能な場合に各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリングを行うと共にグループ別割当て時間内にポーリングが実行不可能となった場合に余ったグループ別割当て時間をプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部102と、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能な場合に過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポーリング監視システム、ポーリング監視サーバ、ポーリング監視方法、およびその監視プログラムに関し、特に全ての監視対象マシンに対して漏れなくポーリングを実行することを可能とするポーリング監視システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワークで相互に接続された各々のコンピュータの動作を確認するために、監視専用のサーバを接続して、このサーバが各々のコンピュータに対して1台ずつ、一定の周期で(処理要求の有無などのような)動作について照会するというものがある。このようなサーバを、本明細書ではポーリング監視サーバという。また、このようなポーリング監視サーバを導入したネットワークを、本明細書ではポーリング監視システムという。
【0003】
図9は、既存技術に係るポーリング監視システム901のネットワーク構成について示す説明図である。ポーリング監視システム901は、ポーリング監視サーバ910と、監視対象マシン920a〜920eとが、ネットワーク930を介して相互に接続されて構成される。監視対象マシン920a〜920eは全て同じ構成を有するので、以後総称して監視対象マシン920という。監視対象マシン920の台数には特に制限はないが、図9では例として5台の監視対象マシン920a〜920eを示している。これら5台は、各々A〜Eという識別子を持つ。
【0004】
ポーリング監視サーバ910は、各々の監視対象マシン920a〜920eに対して、ポーリングを行うことによってこれらの監視対象マシン920の動作の確認および記録を行う。その際、ポーリングを行う間隔(周期)および各監視対象マシン920の優先度についてあらかじめ与えられた設定データを持ち、その設定データでの指定に基づいてポーリングを行う。
【0005】
これに関連する特許文献として、以下の各々がある。その中でも特許文献1には、各監視対象マシンに対してあらかじめ優先度を設定して、優先度の低い監視対象マシンをポーリングの対象から除外して、優先度の高い監視対象マシンに対して設定通りの周期でポーリングを行うというポーリング遅延回避方式が記載されている。特許文献2には、受信したデータ量に応じてポーリングの優先度を変更するという情報収集装置について記載されている。
【0006】
特許文献3には、周期的なコマンドの送信周期を調整して、そのコマンドの空き時間に他のデータやコマンドを送信するというポーリング方法について記載されている。特許文献4には、写真データに付属する音声データの録音で、変更の要求が最も少ないターゲット(画素)を変更するというデジタルカメラについて記載されている。
【0007】
特許文献5には、過去のポーリング回数に応じてポーリングの優先度を更新するというネットワークシステムについて記載されている。特許文献6には、周期的に実行されるプロセスに対して、これらのプロセスの実行のためのCPU割り当て時間が互いに衝突しないように調整するというスケジューリング方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−294049号公報(特許第3104221号)
【特許文献2】特開2001−333071号公報
【特許文献3】特開2006−340207号公報
【特許文献4】特開2009−081842号公報
【特許文献5】特開平08−037540号公報
【特許文献6】特開平09−319597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図9に示した既存技術のポーリング監視システム901では、ポーリング監視サーバ910は、ポーリングを行う間隔(周期)および各監視対象マシン920の優先度についてあらかじめ与えられた設定データに基づいてポーリングの動作を行う。しかしながら、この設定が必ずしも適切に行われているとは限らない。
【0010】
たとえば、全ての監視対象マシン920に対してポーリングを行うための所要時間より短い周期が設定されている場合もありうる。これは単なる設定ミスであるとは限らず、ネットワーク管理の都合などでそのような設定が必要とされる場合がある。
【0011】
図10は、図9に示したポーリング監視システム901で、1台だけの監視対象マシン920a(A)に対してポーリングを行った状態について示す説明図である。図11は、5台の監視対象マシン920a〜920eに対して同時にポーリングを行った状態について示す説明図である。ちなみに図10〜12は、いずれも、その時間で行われるポーリングの対象となる監視対象マシン920の識別子(A〜E)を四角の中に示している。
【0012】
図10〜11では、ポーリング監視サーバ910が1台の監視対象マシン920にポーリングを実行したときのポーリング処理時間を2とし、ポーリング間隔を6とし、全体の周期を8としたという例について説明している。5台の監視対象マシン920a〜920eの全てに対してポーリングを行うには、1台あたりのポーリング処理時間2×5台=10の処理時間が必要である。即ち、この所要時間よりも短い8という周期を設定した例を、図10〜11では示している。
【0013】
この状態でこれらの監視対象マシンに対してポーリングを行うと、図11に示すように、監視対象マシンA,B,C,Dに対するポーリングが完了した時点で周期8は経過する。次に監視対象マシンEに対してポーリングを行うと、その次に監視対象マシンAに対してポーリングを開始する時点で遅延時間2が発生する。このようなポーリングの動作を繰り返して続けると、その遅延時間は拡大していく。
【0014】
図12は、図9に示したポーリング監視システム901に特許文献1に記載の技術を適用した場合に、図11と同様に5台の監視対象マシン920a〜920eに対して同時にポーリングを行った状態の動作について示す説明図である。特許文献1に記載の技術では、各々の監視対象マシンに対して「優先度」を設定し、優先度の低い監視対象マシンをポーリングの対象から除外し、優先度の高い順に各監視対象マシンに対して設定通りの間隔(周期)でポーリングを行う。しかしながら、この技術では、設定が変更されない限り、低い優先度に設定された監視対象マシンに対してポーリングは実行されない。
【0015】
図12に示した動作の例では、監視対象マシンA,B,C,Dまでポーリングを行った時点で周期8が経過したので、優先度の最も低い監視対象マシンEに対するポーリングを省略して、監視対象マシンAに戻ってそこからまた順番にポーリングを継続している。この動作では、設定が変更されない限り、監視対象マシンEに対するポーリングが実行されないまま動作が継続されることになる。
【0016】
従って、全ての監視対象マシンに対して確実にポーリングを実行することが必要となる場合には、この技術では対応できない。たとえば、当該ネットワークにワームが侵入した場合などでは、ポーリングを行った際のログを全ての監視対象マシンに対して調査して、優先度などに関係なく、全ての監視対象マシンの正常な動作を確認する必要がある。しかしながら、優先度についての設定を変更しない限り、この技術ではポーリングが実行されない監視対象マシンが出現する危険性がある。
【0017】
特に、ポーリングの対象となる監視対象マシンの台数が多くなると、ポーリング間隔の設定が難しくなり、全ての監視対象マシンに対して設定通りのポーリング間隔でポーリングを行うこと自体が事実上不可能な場合もある。このような場合でも、優先度の高い監視対象マシンに対してなるべく設定に近い間隔でポーリングを行いつつ、優先度の低い監視対象マシンに対してもポーリングが実行されないものが出現しないようにすることが望ましいが、特許文献1に記載の技術ではそのようなポーリングを行うことが不可能である。
【0018】
残る特許文献2〜6に記載の技術は、そもそもこの問題を解決することを目的とはしておらず、またその目的に利用可能なものでもない。特許文献2および5には「場合に応じて優先度を変更する」という技術は記載されているが、優先度についての設定を変更することなくこの問題を解決するものではない。即ち、特許文献1〜6に記載の技術を全て組み合わせても、この問題は解決されない。
【0019】
本発明の目的は、優先度の高い監視対象マシンに対してはなるべく設定に近い間隔でポーリングを実行しつつ、優先度の低いものを含めた全ての監視対象マシンに対して漏れなくポーリングを実行することを可能とするポーリング監視システム、ポーリング監視サーバ、ポーリング監視方法、およびその監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係るポーリング監視システムは、複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムであって、ポーリング監視サーバが、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行可能な場合に各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリングを行うと共に、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余ったグループ別割当て時間を記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、ポーリングがプール時間内に実行可能な場合に、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部とを備えることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明に係るポーリング監視サーバは、複数の監視対象マシンと相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視サーバであって、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行可能な場合に各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリングを行うと共に、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余ったグループ別割当て時間を記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能な場合に、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部とを備えることを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明に係るポーリング監視方法は、複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめポーリング監視サーバの記憶手段に記憶し、グループ別割当て時間内にポーリングが実行可能か否かをポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が判断し、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行可能である場合、各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部がポーリングを行い、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を、ポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が記憶手段に記憶されたプール時間に加算し、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能か否かを、ポーリング監視サーバのプール時間確認部が判断し、ポーリングがプール時間内に実行可能である場合、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリング監視サーバのプール時間確認部がポーリングを行うことを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明に係るポーリング監視プログラムは、複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、ポーリング監視サーバが備える、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶したコンピュータに、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行可能か否かを判断する手順、ポーリングがグループ別割当て時間内に実行可能である場合、各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリングを行う手順、グループ別割当て時間内にポーリングが実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を記憶されたプール時間に加算する手順、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能か否かを判断する手順、およびポーリングがプール時間内に実行可能である場合、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行う手順を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上述したように、優先度の高い順に各監視対象マシンに対してポーリングを行って余った時間をプール時間として蓄積し、このプール時間でポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行うように構成したので、ポーリングが実行されていない監視対象マシンが発生することがなくなる。
【0025】
これによって、優先度の高い監視対象マシンに対してはなるべく設定に近い間隔でポーリングを実行しつつ、優先度の低いものを含めた全ての監視対象マシンに対して漏れなくポーリングを実行することが可能であるという優れた特徴を持つポーリング監視システム、ポーリング監視サーバ、ポーリング監視方法、およびその監視プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図2で示したポーリング監視サーバの構成をより詳しく示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るポーリング監視システムの構成を示す説明図である。
【図3】図1に示した全体処理実行部の動作について示すフローチャートである。
【図4】図1に示したグループ内ポーリング実行部の、図3のステップS202として示した動作について示すフローチャートである。
【図5】図1に示したプール時間確認部の、図3のステップS205として示した動作について示すフローチャートである。
【図6】本実行例で図1に示した外部記憶手段に記憶された各データの記憶内容の一例について示す説明図である。
【図7】本実行例で図2および図6に示した5台の監視対象マシンに対して1周期目のポーリングを行った時の状態について示す説明図である。
【図8】本実行例で図2および図6に示した5台の監視対象マシンに対して2周期目までのポーリングを行った時の状態について示す説明図である。
【図9】既存技術に係るポーリング監視システムのネットワーク構成について示す説明図である。
【図10】図9に示したポーリング監視システムで、1台だけの監視対象マシンに対してポーリングを行った状態の動作について示す説明図である。
【図11】図9に示したポーリング監視システムで、5台の監視対象マシンに対して同時にポーリングを行った状態の動作について示す説明図である。
【図12】図9に示したポーリング監視システムに特許文献1に記載の技術を適用した場合に、図11と同様に5台の監視対象マシンに対して同時にポーリングを行った状態の動作について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態の構成について添付図1〜2に基づいて説明する。
最初に、本実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
本実施形態に係るポーリング監視システム1は、複数の監視対象マシン20とポーリング監視サーバ10とが相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムである。ポーリング監視サーバ10は、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータ123およびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間(グループ別割当て時間データ125)をあらかじめ記憶する記憶手段(外部記憶手段13)と、グループ別割当て時間内にポーリングが実行可能な場合に各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリングを行うと共にグループ別割当て時間内にポーリングが実行不可能となった場合に余ったグループ別割当て時間を記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部102と、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能な場合に過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない各監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部103とを備える。
【0028】
また、記憶手段13が、各監視対象マシンの過去におけるポーリングの実行回数を示すポーリング実行回数(ポーリング実行回数データ122)を記憶し、グループ内ポーリング実行部102およびプール時間確認部103が、ポーリングを実行した直後にその対象の監視対象マシンに対してポーリング実行回数を加算する。
【0029】
さらに、プール時間確認部103が、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンが複数台存在する場合に、監視対象マシンデータに設定された優先度の高い順にポーリングの実行対象となる監視対象マシンを決定する。
【0030】
そして、グループ内ポーリング実行部102およびプール時間確認部103が、ポーリングを実行した直後にその対象の監視対象マシンに対する次回のポーリングの実行時刻を算出してこれを記憶手段に記憶する。
【0031】
以上の構成を備えることにより、ポーリング監視システム1は、優先度の高い監視対象マシンに対してはなるべく設定に近い間隔でポーリングを実行しつつ、優先度の低いものを含めた全ての監視対象マシンに対して漏れなくポーリングを実行することが可能となる。
以下、これをより詳細に説明する。
【0032】
図2は、本発明の実施形態に係るポーリング監視システム1の構成を示す説明図である。ポーリング監視システム1は、ポーリング監視サーバ10と、監視対象マシン20a〜20eとが、ネットワーク30を介して相互に接続されて構成される。監視対象マシン20a〜20eは全て共通した構成を有するので、以後総称して監視対象マシン20という。監視対象マシン20の台数には特に制限はないが、図2では例として5台の監視対象マシン20a〜20eを示している。これら5台は、各々A〜Eという識別子を持つ。
【0033】
図1は、図2で示したポーリング監視サーバ10の構成をより詳しく示す説明図である。ポーリング監視サーバ10は、ネットワーク30を介して監視対象マシン20にポーリングを行うことによってこれらの監視対象マシン20の動作の確認および記録を行うコンピュータ装置であり、一般的なコンピュータとしての構成を備えるものである。
【0034】
即ち、ポーリング監視サーバ10は、コンピュータプログラムとして記述された各種処理を実行する主体である主演算制御手段(CPU: Central Processing Unit)11と、主演算制御手段11によって処理中のデータを一時的に記憶する一時記憶手段(RAM: Random Access Memory)12と、多量のデータを記憶する外部記憶手段13(ハードディスクなど)と、ネットワーク30に接続して他のコンピュータとの間でデータ通信を行う通信手段14とを有する。
【0035】
主演算制御手段11は、ポーリング監視プログラムが動作することにより、全体処理実行部101、グループ内ポーリング実行部102、プール時間確認部103の各々の機能部として動作する。これらの機能部の各々の動作内容については後述する。
【0036】
また、一時記憶手段12にはスケジュールデータ111が記憶されており、外部記憶手段13にはポーリング間隔データ121、ポーリング実行回数データ122、監視対象マシンデータ123、次回ポーリング実行時間データ124、グループ別割当て時間データ125、プール時間データ126の各々が記憶されている。これらのデータの各々の記憶内容についても後述する。
【0037】
ポーリング間隔データ121には、ポーリング監視サーバ10が各々の監視対象マシン20にポーリングを実行するポーリング間隔と、1回のポーリングの所要時間(ポーリング処理時間)とが記憶される。ポーリング間隔+ポーリング処理時間=ポーリング周期となる。即ち、各々の監視対象マシン20に対してのポーリング間隔は、ユーザ(システム管理者)があらかじめ設定する。
【0038】
ポーリング実行回数データ122には、ポーリング監視サーバ10が各々の監視対象マシン20に対してポーリングを実行した回数が、監視対象マシン20の識別子ごとに記憶される。
【0039】
監視対象マシンデータ123には、ポーリング監視サーバ10がポーリングを実行する対象である監視対象マシン20を判別する識別子が優先度に応じてN個のグループごとに分けられ、各グループは優先度の高いものから順に並べて記憶される。グループの数、そして各々のグループにどの監視対象マシン20を含めるかは、ユーザが優先度に応じあらかじめ設定する。
【0040】
次回ポーリング実行時間データ124には、各監視対象マシン20の識別子ごとに次回ポーリングを実行する予定の時間が格納される。1回目は全ての監視対象マシン20に対して「0」が初期値として設定され、監視対象マシンのポーリングを実行した後に次回ポーリング実行時間を計算した値が格納される。
【0041】
グループ別割当て時間データ125には、各グループに割当られたポーリングを実行する時間が格納される。時間の設定はユーザが行うが、優先度の高い監視対象マシンを含むグループがポーリングを実行する機会が多くなるよう割当てるように設定する。
【0042】
プール時間データ126には、後述するグループ内ポーリング実行部102の処理において、グループ別割当て時間のうちポーリング実行の処理で使用されなかった時間をプール時間として追加する。プール時間はプール時間確認部103内の処理でポーリング処理時間を満たした場合に、ポーリング実行の処理で使用される。
【0043】
スケジュールデータ111には、全体処理実行部101内の処理でグループに含まれる監視対象マシンの識別子と対応する次回ポーリング実行時間が一時的に記憶される。スケジュールデータ111に記憶されるデータは、次回ポーリング実行時間データ124と同一である。
【0044】
図3は、図1に示した全体処理実行部101の動作について示すフローチャートである。全体処理実行部101は、監視対象マシンデータ123で設定された各グループに対して後述するグループ内ポーリング実行部102およびプール時間確認部103を動作させる処理を繰り返す動作を行う。
【0045】
より具体的には、動作を開始した全体処理実行部101は、まずカウンタiに初期値「1」を設定し(ステップS201)、設定されたN個のグループのうち、監視対象マシンデータ123に指定された優先度の高いものからi番目のグループNiに含まれる監視対象マシンの識別子を監視対象マシンデータ123から取得し、取得した監視対象マシンの識別子に対応する次回ポーリング実行時間を次回ポーリング実行時間データ124より取得して、このグループNiに対してグループ内ポーリング実行部102を動作させる(ステップS202)。
【0046】
この時、全体処理実行部101は、次回ポーリング実行時間が早い監視対象マシンから順に識別子と対応する次回ポーリング実行時間と合わせてスケジュールデータ111に記憶させる。
【0047】
続いて全体処理実行部101は、カウンタiの値を1つ増加させ(ステップS203)、カウンタの値iがグループ数Nを超えるかを判定する(ステップS204)。カウンタの値iがグループ数Nを越えなければ(ステップS204がノー)ステップS202〜204の処理をくり返す。カウンタの値iがグループ数Nを超えれば(ステップS204がイエス)、プール時間確認部103を動作させて(ステップS205)、ステップS201からまた処理を繰り返す。
【0048】
図4は、図1に示したグループ内ポーリング実行部102の、図3のステップS202として示した動作について示すフローチャートである。グループ内ポーリング実行部102は、全体処理実行部101から指定されたi番目のグループNiに対し、グループNiに割当られたポーリングを実行する時間内で、まずポーリングを実行する残り時間がポーリング処理時間以上であるか否かを確認する。
【0049】
そして、ポーリングを実行する残り時間がポーリング処理時間以上である場合には、現在時刻が監視対象マシン20の次回ポーリング実行時間を過ぎているかをチェックし、過ぎていたときはポーリングを実行する。全ての監視対象マシン20に対するこのチェックを完了するか、ポーリング処理時間がポーリングを実行する残り時間を超える場合、監視対象マシン20のポーリングを実行せず、ポーリングを実行する残り時間をプール時間として記憶する。
【0050】
より具体的には、図3のステップS202で全体処理実行部101からグループNiを指定されて動作を開始したグループ内ポーリング実行部102は、グループ別割当て時間データ125よりi番目のグループNiに設定されたグループ別割り当て時間をポーリング実行残り時間Tとして(ステップS301)、グループNiに含まれる監視対象マシン20の数をカウントするカウンタjに初期値「1」を設定する(ステップS302)。
【0051】
次にグループ内ポーリング実行部102は、ポーリング実行残り時間Tがポーリング処理時間以上であるか否かを判定し(ステップS303)、ポーリング実行残り時間Tがポーリング処理時間以下(ステップS303がノー)なら後述のステップS310に進む。ポーリング実行残り時間Tがポーリング処理時間以上(ステップS303がイエス)であれば、引き続いて現在時刻がj番目の監視対象マシン20の次回ポーリング実行時間を過ぎているか否かを判定する(ステップS304)。過ぎていなければ(ステップS304がノー)後述のステップS308に進む。
【0052】
現在時刻がj番目の監視対象マシンの次回ポーリング実行時間を過ぎていれば(ステップS304がイエス)、グループ内ポーリング実行部102はその監視対象マシン20にポーリングを実行して(ステップS305)、ステップS305で実行したポーリングの所要時間とポーリング間隔データ121から取得したj番目の監視対象マシンのポーリング間隔とを現在時刻に加算して、その監視対象マシン20の次回ポーリング実行時間を算出し(ステップS306)、そしてポーリング実行残り時間Tから監視対象マシン20のポーリングの所要時間を減算する(ステップS307)。
【0053】
そしてグループ内ポーリング実行部102は、カウンタjの値を1つ増加させ(ステップS308)、このカウンタjの値がグループNiの監視対象マシン数Miを超えるか否かを判定する(ステップS309)。カウンタjの値がMiを超えていなければ(ステップS309がノー)、ステップS303に戻って処理を繰り返す。カウンタjの値がMiを超えていれば(ステップS309がイエス)、プール時間データ126に記憶されたプール時間データ126に余ったポーリング実行残り時間Tの値を加算して(ステップS310)処理を終了する。
【0054】
図5は、図1に示したプール時間確認部103の、図3のステップS205として示した動作について示すフローチャートである。プール時間確認部103は、全体処理実行部101から呼び出されて動作し、蓄積されたプール時間がポーリング処理時間以上の場合、現在時刻が次回ポーリング実行時間を過ぎている監視対象マシン20のうち、ポーリング実行回数が最も少ない監視対象マシン20を選択してポーリングを実行する。ポーリングを実行した後はプール時間からポーリング処理にかかった時間を減算した後、最初に戻ってポーリング処理時間がプール時間を超える場合まで処理を繰り返す。
【0055】
より具体的には、図3のステップS205で全体処理実行部101から呼び出されたプール時間確認部103は、まずプール時間データ126に記憶されたプール時間がポーリング処理にかかる時間以上であるか否か、即ちこのプール時間でポーリング処理を行うことが可能であるかについて判定する(ステップS401)。記憶されたプール時間でポーリング処理を行うことが不可能なら(ステップS401がノー)、そこで処理を終了する。
【0056】
記憶されたプール時間でポーリング処理を行うことが可能であれば(ステップS401がイエス)、プール時間確認部103は監視対象マシン20の中で現在時刻が次回ポーリング実行時間を過ぎているものを次回ポーリング実行時間データ124から抽出し(ステップS402)、そこで抽出した監視対象マシン20の各々についてポーリング実行回数データ122からポーリング実行回数を確認して、これらの監視対象マシン20の中でポーリング実行回数が最も少ないものに対してポーリングを実行する(ステップS403)。ここで、ポーリング実行回数が同じ監視対象マシン20が複数存在した場合、監視対象マシンが属しているグループで優先度が高い方を選択してポーリングを実行する。
【0057】
そしてプール時間確認部103は、ポーリング実行回数データ122で、ポーリングを実行したその監視対象マシン20のポーリング実行回数を1つ増加する(ステップS404)。そしてプール時間確認部103はステップS403でポーリングを実行した監視対象マシン20の次回ポーリング実行時間を、ポーリング間隔データ121から取得した該監視対象マシンのポーリング間隔と該監視対象マシンのポーリングの実際の所要時間との合計から計算し(ステップS405)、プール時間からステップS403のポーリング処理の実際の所要時間を減算する(ステップS406)。この後はステップS401に戻って判断を繰り返す。
【0058】
(本実施形態の具体的な実行例)
以上で説明した本実施形態を具体的に実行した例について、以下に示す。
【0059】
図6は、本実行例で図1に示した外部記憶手段13に記憶された各データの記憶内容の一例について示す説明図である。ポーリング間隔データ121には、図10〜12と同様に、1台の監視対象マシン20にポーリングを実行したときのポーリング処理時間を2とし、ポーリング間隔を6とし、合わせたポーリング周期を8とするという旨のデータがあらかじめ記憶されている。
【0060】
監視対象マシンデータ123にあらかじめ記憶されたデータでは、5台の監視対象マシン20a〜20eを各々A〜Eの識別子でいい、監視対象マシンAおよびBを「グループ1」、CおよびDを「グループ2」、Eを「グループ3」という3つのグループに分け、「グループ1」に最も高い優先度「3」、「グループ2」に優先度「2」、「グループ3」最も低い優先度「1」が設定されている。
【0061】
そして、グループ別割当て時間データ125にあらかじめ記憶されたデータでは、このグループ1〜3の各々に対して4、3、1というポーリング実行時間を割り当てている。ポーリング間隔データ121、監視対象マシンデータ123、およびグループ別割当て時間データ125は、あらかじめ与えられた設定を示す固定値であり、設定の変更がない限りこれらの値は保持される。
【0062】
ポーリング実行回数データ122は、監視対象マシン20a〜20e(A〜E)の全てに対して「0」の初期値が定義されている。次回ポーリング実行時間データ124およびスケジュールデータ111の初期値は、監視対象マシン20a〜20e(A〜E)の全てに対して空欄である。プール時間データ126の初期値も「0」である。
【0063】
ポーリングが実行されるたびに、その対象となった監視対象マシン20a〜20e(A〜E)で、ポーリング実行回数データ122の実行回数が1ずつ増加され、また次回ポーリング実行時間データ124の次回ポーリング実行時間が算出される。プール時間データ126も、後述するように実行状況に応じて増減される値である。
【0064】
図7は、本実行例で図2および図6に示した5台の監視対象マシン20a〜20e(A〜E)に対して1周期目のポーリングを行った時の状態について示す説明図である。まずは、全体処理実行部101が、グループ1に属する監視対象マシンAおよびBに対してグループ内ポーリング実行部102を動作させる(図3・ステップS202)。
【0065】
グループ内ポーリング実行部102は、このグループ1のグループ別割当て時間が4であり、監視対象マシン1台あたりのポーリングの所要時間が2であるので、監視対象マシンAおよびBに対してそのままポーリングを実行し、それら監視対象マシンAおよびBのポーリング実行回数データ122の値を1だけ増加させて「1」とする(図4・ステップS301〜309)。
【0066】
監視対象マシンAおよびBに対してポーリングを実行するとグループ別割当て時間と同じ4だけ時間が経過するので、プール時間データ126に記憶されたプール時間に加算される時間の値は0である(図4・ステップS310)。
【0067】
続いて、全体処理実行部101が、グループ2に属する監視対象マシンCおよびDに対してグループ内ポーリング実行部102を動作させる(図3・ステップS202)。
【0068】
ここでグループ内ポーリング実行部102は、このグループ2のグループ別割当て時間が3であり、監視対象マシン1台あたりのポーリングの所要時間が2であるので、監視対象マシンCに対してポーリングを実行してポーリング実行回数データ122の値を1だけ増加させて「1」とすると、グループ別割当て時間の残りが「1」となる(図4・ステップS301〜309)。
【0069】
そのため、監視対象マシンDに対するポーリングを実行することはできないので、この残り時間=「1」をプール時間に加算し、プール時間=「1」をプール時間データ126として記憶する(図4・ステップS310)。
【0070】
さらに引き続いて、全体処理実行部101が、グループ3に属する監視対象マシンEに対してグループ内ポーリング実行部102を動作させる(図3・ステップS202)。ここでグループ内ポーリング実行部102は、このグループ3のグループ別割当て時間が1であり、監視対象マシン1台あたりのポーリングの所要時間が2であるので、監視対象マシンEに対するポーリングを実行せずに(図4・ステップS301〜309)、この残り時間=「1」をプール時間に加算し、プール時間=「2」をプール時間データ126として記憶する(ステップS310)。
【0071】
これでプール時間=2となり、監視対象マシン1台分のポーリングが可能な時間となる。と同時に、全てのグループに対してグループ内ポーリング実行部102の動作が終了したので、プール時間確認部103による動作が開始される(図3・ステップS205)。プール時間確認部103は、現在のプール時間(=2)でポーリングが可能であることを確認してから(図5・ステップS401)、現在時刻が次回ポーリング実行時間を過ぎているものを次回ポーリング実行時間データ124から抽出して、監視対象マシンDおよびEに対してまだポーリングが実行されていないことを確認する(図5・ステップS402)。
【0072】
そしてプール時間確認部103は、これらの監視対象マシンDおよびEはいずれもポーリング実行回数データ122に登録されたポーリング実行回数が「0」であることを確認するが、優先度は監視対象マシンデータ123でグループ2に属する監視対象マシンDの方が高いので、監視対象マシンDに対してポーリングを実行する(図5・ステップS403)。これでプール時間は0となる(図5・ステップS406)ので、プール時間確認部103による処理は終了する。
【0073】
以上で1周期目の処理が終了し、2周期目も同様に処理が実行される。監視対象マシンA,B,Cに対するポーリングは1周期目と同様に実行されるが、プール時間=「2」となってプール時間確認部103が監視対象マシン1台分のポーリングを行う段階で、今度は監視対象マシンEだけがまだポーリング実行回数が「0」である、即ちポーリングが実行されていないので、プール時間確認部103は監視対象マシンEに対してポーリングを実行する(図5・ステップS402〜403)。
【0074】
図8は、本実行例で図2および図6に示した5台の監視対象マシン20a〜20e(A〜E)に対して2周期目までのポーリングを行った時の状態について示す説明図である。以上で説明したように、本実行例では監視対象マシンA→B→C→D→A→B→C→Eの順でポーリングが実行されている。3周期目以降も、1〜2周期目の動作が継続される。
【0075】
即ち、優先度の高いグループ1に属する監視対象マシンAおよびBについては、設定した周期=8から遅れることなくポーリングが実行されている。また、その他の監視対象マシンC〜Eについても、漏れることなくポーリングが実行されている。
【0076】
(実施形態の全体的な動作)
次に、上記の実施形態の全体的な動作について説明する。本実施形態に係るポーリング監視方法は、複数の監視対象マシン20とポーリング監視サーバ10とが相互に接続され、各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システム1にあって、各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよびグループごとに各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめポーリング監視サーバの記憶手段に記憶し、グループ別割当て時間内にポーリングが実行可能か否かをポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が判断し(図4・ステップS303)、グループ別割当て時間内にポーリングが実行可能である場合、各監視対象マシンに対して優先度の高い順にポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部がポーリングを行い(図4・ステップS304〜309)、グループ別割当て時間内にポーリングが実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間をポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が記憶手段に記憶されたプール時間に加算し(図4・ステップS310)、グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、プール時間内にポーリングが実行可能か否かをポーリング監視サーバのプール時間確認部が判断し(図5・ステップS401)、プール時間内にポーリングが実行可能である場合、過去におけるポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリング監視サーバのプール時間確認部がポーリングを行う(図5・ステップS403)。
【0077】
ここで、上記各動作ステップについては、これをコンピュータで実行可能にプログラム化し、これらを前記各ステップを直接実行するコンピュータであるポーリング監視サーバ10に実行させるようにしてもよい。本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリ等に記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
この動作により、本実施形態は以下のような効果を奏する。
【0078】
本実施形態によれば、優先度の高い監視対象マシンに対しては、その優先度の順にポーリングを行うので、設定通りの間隔、もしくはそれに近い間隔でポーリングを実行可能である。その一方で、優先度の高い監視対象マシンに対するポーリングの実行で余った時間をプール時間として蓄積し、このプール時間でポーリングの実行回数の最も少ない監視対象マシンに対してポーリングを行うので、優先度の低い監視対象マシンについてもポーリングが実行される。
【0079】
その際、ポーリング実行回数データを基準とし、過去における実行回数の最も少ない監視対象マシンから順にポーリングを実行するので、この動作を繰り返し継続することにより、ポーリングが行われない監視対象マシンが発生することがなくなる。
【0080】
これまで本発明について図面に示した特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
【0081】
上述した実施形態について、その新規な技術内容の要点をまとめると、以下のようになる。なお、上記実施形態の一部または全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0082】
(付記1) 複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムであって、
前記ポーリング監視サーバが、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能な場合に前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行うと共に、前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余った前記グループ別割当て時間を前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能な場合に、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部と
を備えることを特徴とするポーリング監視システム。
【0083】
(付記2) 前記記憶手段が、前記各監視対象マシンの過去における前記ポーリングの実行回数を示すポーリング実行回数を記憶していると共に、
前記グループ内ポーリング実行部および前記プール時間確認部が、前記ポーリングを実行した直後にその対象の前記監視対象マシンに対して前記ポーリング実行回数を加算する機能を有することを特徴とする、付記1に記載のポーリング監視システム。
【0084】
(付記3) 前記プール時間確認部が、前記過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンが複数台存在する場合に、前記監視対象マシンデータに設定された前記優先度の高い順に前記ポーリングの実行対象となる前記監視対象マシンを決定する機能を有することを特徴とする、付記1に記載のポーリング監視システム。
【0085】
(付記4) 前記グループ内ポーリング実行部および前記プール時間確認部が、前記ポーリングを実行した直後にその対象の前記監視対象マシンに対する次回のポーリングの実行時刻を算出してこれを前記記憶手段に記憶する機能を有することを特徴とする、付記1に記載のポーリング監視システム。
【0086】
(付記5) 複数の監視対象マシンと相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視サーバであって、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能な場合に前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行うと共に、前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余った前記グループ別割当て時間を前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能な場合に、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部と
を備えることを特徴とするポーリング監視サーバ。
【0087】
(付記6) 複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ前記ポーリング監視サーバの記憶手段に記憶し、
前記グループ別割当て時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを前記ポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が判断し、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能である場合、前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順に前記ポーリング監視サーバの前記グループ内ポーリング実行部がポーリングを行い、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を、前記ポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算し、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを、前記ポーリング監視サーバのプール時間確認部が判断し、
前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能である場合、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対して前記ポーリング監視サーバの前記プール時間確認部がポーリングを行う
ことを特徴とするポーリング監視方法。
【0088】
(付記7) 複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、
前記ポーリング監視サーバが備える、前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶したコンピュータに、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能か否かを判断する手順、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能である場合、前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行う手順、
前記グループ別割当て時間内に前記ポーリングが実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を記憶されたプール時間に加算する手順、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを判断する手順、
および前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能である場合、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行う手順
を実行させることを特徴とするポーリング監視プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、コンピュータネットワークに対して適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 ポーリング監視システム
10 ポーリング監視サーバ
11 主演算制御手段
12 一時記憶手段
13 外部記憶手段
14 通信手段
20、20a〜e、A〜E 監視対象マシン
30 ネットワーク
101 全体処理実行部
102 グループ内ポーリング実行部
103 プール時間確認部
111 スケジュールデータ
121 ポーリング間隔データ
122 ポーリング実行回数データ
123 監視対象マシンデータ
124 次回ポーリング実行時間データ
125 グループ別割当て時間データ
126 プール時間データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムであって、
前記ポーリング監視サーバが、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能な場合に前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行うと共に、前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余った前記グループ別割当て時間を前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能な場合に、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部と
を備えることを特徴とするポーリング監視システム。
【請求項2】
前記記憶手段が、前記各監視対象マシンの過去における前記ポーリングの実行回数を示すポーリング実行回数を記憶していると共に、
前記グループ内ポーリング実行部および前記プール時間確認部が、前記ポーリングを実行した直後にその対象の前記監視対象マシンに対して前記ポーリング実行回数を加算する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のポーリング監視システム。
【請求項3】
前記プール時間確認部が、前記過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンが複数台存在する場合に、前記監視対象マシンデータに設定された前記優先度の高い順に前記ポーリングの実行対象となる前記監視対象マシンを決定する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のポーリング監視システム。
【請求項4】
前記グループ内ポーリング実行部および前記プール時間確認部が、前記ポーリングを実行した直後にその対象の前記監視対象マシンに対する次回のポーリングの実行時刻を算出してこれを前記記憶手段に記憶する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のポーリング監視システム。
【請求項5】
複数の監視対象マシンと相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視サーバであって、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能な場合に前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行うと共に、前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合には余った前記グループ別割当て時間を前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算するグループ内ポーリング実行部と、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能な場合に、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行うプール時間確認部と
を備えることを特徴とするポーリング監視サーバ。
【請求項6】
複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、
前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ前記ポーリング監視サーバの記憶手段に記憶し、
前記グループ別割当て時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを前記ポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が判断し、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能である場合、前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順に前記ポーリング監視サーバの前記グループ内ポーリング実行部がポーリングを行い、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を、前記ポーリング監視サーバのグループ内ポーリング実行部が前記記憶手段に記憶されたプール時間に加算し、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを、前記ポーリング監視サーバのプール時間確認部が判断し、
前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能である場合、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対して前記ポーリング監視サーバの前記プール時間確認部がポーリングを行う
ことを特徴とするポーリング監視方法。
【請求項7】
複数の監視対象マシンとポーリング監視サーバとが相互に接続され、前記各監視対象マシンの動作の確認および記録を行うポーリング監視システムにあって、
前記ポーリング監視サーバが備える、前記各監視対象マシンの属するグループと該グループごとの優先度を示す監視対象マシンデータおよび前記グループごとに前記各監視対象マシンに対するポーリングのために与えられたグループ別割当て時間をあらかじめ記憶したコンピュータに、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能か否かを判断する手順、
前記ポーリングが前記グループ別割当て時間内に実行可能である場合、前記各監視対象マシンに対して前記優先度の高い順にポーリングを行う手順、
前記グループ別割当て時間内に前記ポーリングが実行不可能となった場合、余ったグループ別割当て時間を記憶されたプール時間に加算する手順、
前記グループ別割当て時間内のポーリングの終了後、前記プール時間内に前記ポーリングが実行可能か否かを判断する手順、
および前記ポーリングが前記プール時間内に実行可能である場合、過去における前記ポーリングの実行回数の最も少ない前記監視対象マシンに対してポーリングを行う手順
を実行させることを特徴とするポーリング監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−212341(P2012−212341A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77998(P2011−77998)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】