説明

マイクロホンユニット及びそれを備えた音声入力装置

【課題】作業効率良く組み立てることが可能なマイクロホンユニットを提供する。
【解決手段】マイクロホンユニット1は、MEMSチップ14に含まれる振動板の振動に基づいて音声を電気信号に変換する。マイクロホンユニット1は、前記振動板が搭載される(MEMSチップ14が実装される)基板12と、音孔132、133を有し、基板12と間に形成される内部空間に前記振動板が収まるように基板12上に配置されるカバー部材13と、基板12とカバー部材13とのうち、少なくとも基板12を保持する保持部材11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を電気信号に変換するマイクロホンユニット、及び、マイクロホンユニットを備える音声入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、携帯電話やトランシーバ等の音声通信機器、又は音声認証システム等の入力された音声を解析する技術を利用した情報処理システム、或いは録音機器、といった音声入力装置にマイクロホンユニットが適用されている。近年においては、電子機器の小型化が進んでおり、小型・薄型化等が可能なマイクロホンユニットの開発が盛んである。
【0003】
小型・薄型化が可能なマイクロホンユニットとして、半導体製造技術を用いて作製されるMEMS(Micro Electro Mechanical System)マイクロホン装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。ここで、従来のマイクロホンユニットの構成例について説明する。
【0004】
図12は、従来のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図である。図12に示すように、従来のマイクロホンユニット100は、入力された音波を電気信号に変換するMEMSチップ101と、MEMSチップ101が実装される基板102と、MEMSチップ101を覆うシールドケース103と、を備える。シールドケース103には外部からの音波を入力するための音孔103aが形成されている。
【0005】
シールドケース103の下端103bは、基板102に形成されるグランド用の回路パターン(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、マイクロホンユニット100は、シールドケース103によって電磁波ノイズをシールドできるようになっている。
【特許文献1】特開2007−150514号公報
【特許文献2】特開2008−72580号公報
【特許文献3】特開2008−199353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のマイクロホンユニット100においては、組み立て時に、シールドケース103の下端103bがグランド用の回路パターンに接続されるように位置を調整する必要がある。また、音孔103aとMEMSチップ101との位置関係についても所定の位置関係となるように調整する必要がある。このため、マイクロホンユニット100を大量に製造しようとすると、このような位置合わせ作業は作業効率を低下させ、問題であった。
【0007】
また、上述した従来のマイクロホンユニット100は、音声入力装置の実装基板に実装される際にリフロー実装される。このため、マイクロホンユニット100は、実装基板に実装するに際して、200℃を超える高温下に晒され、その後冷却されるという工程を経ることになる。また、上記のようなマイクロホンユニット100は、一般的に実装基板に表面実装されるが、実装基板への表面実装時においても、200℃を超える高温下に晒され、その後冷却されることになる。
【0008】
通常、シールドケース103は金属で形成されるが、基板102は非金属(ガラエポ等)で形成される。このため、リフロー実装時に、基板102と、それに接合されるシールドケース103と、の間の熱膨張係数の大きな違いが原因となって、MEMSチップ101に応力が加わり易い。そして、このことが原因となってMEMSチップ101の特性が変化し、リフロー実装後のマイクロホンユニット100には特性不良が生じることがあった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、作業効率良く組み立てることが可能なマイクロホンユニットを提供することである。また、本発明の他の目的は、実装基板への実装時に特性不良が発生する可能性を低減できるマイクロホンユニットを提供することである。また、本発明の更なる目的は、以上のようなマイクロホンユニットを備え、歩留まり良く製造できる音声入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、振動板の振動に基づいて音声を電気信号に変換するマイクロホンユニットであって、前記振動板が搭載される基板と、音孔を有し、前記基板と間に形成される内部空間に前記振動板が収まるように前記基板上に配置されるカバー部材と、前記基板と前記カバー部材とのうち、少なくとも前記基板を保持する保持部材と、を備えることを特徴としている。
【0011】
本構成のマイクロホンユニットは、少なくとも基板を保持する保持部材を有する。このように基板を保持する保持部材を備える構成とすると、保持部材によって基板とカバー部材との位置関係が一定の位置関係となるようにしつつ、カバー部材を容易に取り付けることが可能である。すなわち、本構成によればマイクロホンユニットの組み立て作業を容易として、組み立て時の作業効率を向上できる。
【0012】
また、本構成によれば、電磁波ノイズをシールドするためにカバー部材の上からシールドカバーを被せる構成とする場合に、基板とシールドカバーとの間に保持部材が介在する構成とできる。このため、マイクロホンユニットを音声入力装置の実装基板にリフロー実装する場合に、基板(マイクロホンユニットの基板)とシールドカバーとの間に大きな熱膨張係数の差があっても、間に介在する保持部材を緩衝材として機能させて基板に発生する歪みを抑制することが可能である。すなわち、マイクロホンユニットを音声入力装置に実装する場合に特性不良が発生する可能性を低減できる。
【0013】
上記構成のマイクロホンユニットの具体的な構成として、前記保持部材は底面と側面とで形成される空間部を有し、前記基板と前記カバー部材とが前記空間部に収容保持されることとしても良い。このように構成することにより、基板とカバー部材を保持部材に嵌め込むだけで両者の位置合わせができ、マイクロホンユニットの組み立て作業が非常に容易なものとなる。
【0014】
また、上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記底面に溝部が形成されることとしても良い。更に具体的には、前記カバー部材に形成される前記音孔は、第1音孔と第2音孔とから成り、前記第1音孔から前記振動板の第1の面へと至る第1の音道と、前記第2音孔から前記溝部を経て前記振動板の前記第1の面の裏面である第2の面へと至る第2の音道と、が形成されることとしても良い。
【0015】
このように構成とすることにより、マイクロホンユニットの振動板は、振動板の第1の面と第2の面との間に発生する音圧の差によって振動することになる。そして、このような構成とすると、背景雑音が除去されたユーザの音声を示す電気信号を取得し易く、高性能のマイクロホンユニットを提供可能である。
【0016】
また、上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記振動板はMEMSチップに含まれ、前記MEMSチップが前記基板に搭載されることとしても良い。本構成によれば、マイクロホンユニットの小型・薄型化が図りやすく、また、音声入力装置にリフロー実装可能である。
【0017】
また、上記構成のマイクロホンユニットにおいて、音孔を有する導電性のシールドカバーを更に備え、前記カバー部材の音孔と前記シールドカバーの音孔とが重なると共に、前記保持部材が前記シールドカバー内に収まるように、前記カバー部材の上から前記シールドカバーが被せられることとしても良い。シールドカバーは音声入力装置に実装される段階で取り付けてもよいが、シールドカバーを取り付けたものをマイクロホンユニットとして取引する場合もある。本発明には、このようなマイクロホンユニットも含む趣旨である。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明は、上記構成のマイクロホンユニットを備える音声入力装置であることを特徴としている。
【0019】
また、上記目的を達成するために本発明は、マイクロホンユニットを実装する実装基板と、上記構成のマイクロホンユニットと、を備える音声入力装置であって、前記シールドカバーが前記実装基板に形成されるグランドと電気的に接続されることを特徴としている。
【0020】
以上のように、上記構成のマイクロホンユニットを備える音声入力装置は、マイクロホンユニットを作業効率良く製造できるために、音声入力装置に要するコストを低減可能である。また、シールドカバーが被せられたマイクロホンユニットを音声入力装置にリフロー実装する場合でも特性不良が発生する可能性が低く、音声入力装置を歩留まり良く製造できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、作業効率良く組み立てることが可能なマイクロホンユニットを提供できる。また、本発明によれば、実装基板への実装時に特性不良が発生する可能性を低減したマイクロホンユニットを提供できる。また、本発明によれば、以上のようなマイクロホンユニットを備え、歩留まり良く製造できる音声入力装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を適用したマイクロホンユニット及び音声入力装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(マイクロホンユニット)
図1は、本実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す分解斜視図である。図3は、図1におけるA−A位置の概略断面図である。図4は、図2におけるB−B位置の概略断面図である。図5は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるMEMS(Micro Electro Mechanical System)チップの構成を示す概略断面図である。図6は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路構成を説明するための図である。図7は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるトップケースを裏面側から見た場合の構成を示す概略平面図である。以下、図1〜図7を参照しながら本実施形態のマイクロホンユニット1について説明する。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施形態のマイクロホンユニット1は、箱状のボトムケース11と、MEMSチップ14とASIC15とが搭載される基板12と、基板12を覆うように配置されるトップケース13と、から成る。なお、ボトムケース11は、本発明の保持部材の実施形態である。また、トップケース13は、本発明のカバー部材の実施形態である。
【0025】
図2に示すように、ボトムケース11は、底面111と4つの側面112とに囲まれた略直方体状の空間部113を有する。空間部113の幅(X方向の長さ)と奥行き(Y方向の長さ)は、基板12のサイズ(X方向及びY方向のサイズ)とほぼ等しく形成されている。ボトムケース11は樹脂で形成するのが好ましい。また、マイクロホンユニット1を音声入力装置の実装基板(図示せず)にリフロー実装する場合を想定して、例えばLCP(Liquid Crystal Polymer;液晶ポリマ)やPPS(Polyphenylene sulfide;ポリフェニレンスルファイド)等の耐熱性を有する樹脂で形成するのがより好ましい。
【0026】
ボトムケース11の底面111には、平面視略矩形状に形成される溝部114が形成されている。また、図2及び図4に示すように、ボトムケース11の底面111の内部側と外部側には、各々電極端子115、116が複数形成されている。これらの電極端子115、116には、マイクロホンユニット1に電力を供給する電源用の電極端子、マイクロホンユニット1で発生した電気信号を出力する出力用の電極端子、グランド接続用の電極端子が含まれる。
【0027】
なお、これらの電極端子115、116を含むボトムケース11は、リードフレーム117(図4参照)と樹脂とを用いて、例えばインサート成形により一体的に形成するのが好ましい。
【0028】
基板12の上下両面には回路パターン121が形成され、上下の回路パターンは図示しないビアによって電気的に接続される。上面の回路パターンは、例えばMEMSチップ14とASIC15との接続や、電源電力の入力、電気信号の出力等が可能となるように形成されている。下面の回路パターンは、基板12がボトムケース12に収容された状態で、ボトムケース11に形成される電極端子115と電気的に接続するために設けられる。これにより、基板12に搭載される電子部品(MEMSチップ14やASIC15)は、電力の供給を受けたり、発生した電気信号を外部に出力したりすることが可能となっている。
【0029】
なお、基板12は絶縁性の材質で形成され、具体的な材質は特に限定されるものではないが、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、シリコン基板、ガラス基板等から成る。ここで、基板12の線膨張係数は、MEMSチップ14の線膨張係数に近いものが好ましい。MEMSチップ14がシリコンで形成される場合は、基板12の線膨張係数は2.8ppm/℃程度であることが好ましい。これにより、リフロー時の加熱冷却によるMEMSチップ14への残留応力の発生を低減することができる。
【0030】
また、図2及び図3に示すように、基板12には第1の開口122と第2の開口123とが形成されている。これらは、外部からの音波をMEMSチップ14が有する振動板へと導くための音道を形成するために設けられるものである。音道に関する詳細は後述する。
【0031】
基板12に搭載されるMEMSチップ14について図5を参照して説明する。MEMSチップ14は、絶縁性のベース基板141と、振動膜142と、絶縁膜143と、固定電極144と、を有し、コンデンサ型のマイクロホンを形成している。なお、このMEMSチップ14は半導体製造技術を用いて製造される。
【0032】
ベース基板141には平面視略円形状の開口141aが形成され、これにより振動膜142の下部側から来る音波は振動膜142に到達するようになっている。ベース基板141の上に形成される振動膜142は、音波を受けて振動(上下方向に振動)する薄膜で、導電性を有し、電極の一端を形成している。
【0033】
固定電極144は、絶縁膜143を挟んで振動膜142と対向するように配置されている。これにより、振動膜142と固定電極144とは容量を形成する。なお、固定電極144には音波が通過できるように複数の音孔144aが形成されており、振動膜142の上部側から来る音波が振動膜142に到達するようになっている。
【0034】
このようなMEMSチップ14においては、MEMSチップ14に音波が入射すると、振動膜142の上面142aに音圧pf、下面142bに音圧pbが各々加わる。その結果、音圧pfと音圧pbとの差に応じて振動膜142が振動して振動膜142と固定電極144との間隔Gpが変化し、振動膜142と固定電極144との間の静電容量が変化する。すなわち、コンデンサ型のマイクロホンとして機能するMEMSチップ14によって、入射した音波を電気信号として取り出せるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態では振動膜142の方が固定電極144よりも下となっているが、これとは逆の関係(振動膜が上で、固定電極が下となる関係)となるように構成しても構わない。
【0036】
基板12に搭載されるASIC15について図6を参照して説明する。ASIC15は、MEMSチップ14の振動膜142の振動に基づいて電気信号を出力する集積回路である。本実施形態のASIC15は、MEMSチップ14によって形成されるコンデンサの容量の変化に基づく電気信号を信号増幅回路153で増幅して出力するように構成されている。また、コンデンサ(MEMSチップ14)の静電容量の変化を精密に取得できるように、チャージポンプ回路151とオペアンプ152とを含む構成としている。また、信号増幅回路153の増幅率(ゲイン)を調整できるようにゲイン調整回路154を含む構成としている。ASIC15で増幅処理された電気信号は、例えばマイクロホンユニット1が実装される図示しない実装基板の音声処理部に出力されて処理される。
【0037】
なお、本実施形態においては、MEMSチップ14及びASIC15は、いずれも基板12にフリップチップ実装される。そして、MEMS14とASIC15とは基板12に形成される配線パターン121によって電気的に接続されている。なお、本実施形態においては、MEMSチップ14及びASIC15をフリップチップ実装する構成としているがこの構成に限られる趣旨ではなく、例えばワイヤボンディングを用いて実装する構成等としても構わない。
【0038】
トップケース13は、図2に示すように平面視略矩形状の外形をしており、その天板131には平面視略楕円形状の2つの音孔132、133が形成されている。図7(トップケース13を裏側から見た図)に示すように、トップケース13の内部側には、略直方体状の第1空間部134と、略楕円柱形状の第2空間部135とが形成されている。
【0039】
なお、トップケース13の幅(X方向の長さ)と奥行き(Y方向の長さ)とは基板12のサイズ(X方向及びY方向のサイズ)とほぼ等しく形成されている。すなわち、トップケース13の外形は、ボトムケース11の空間部113の幅及び奥行きとほぼ等しくなっている。
【0040】
また、トップケース13は樹脂で形成するのが好ましい。更には、マイクロホンユニット1を音声入力装置の実装基板(図示せず)にリフロー実装する場合を想定して、例えばLCP(Liquid Crystal Polymer;液晶ポリマ)やPPS(Polyphenylene sulfide;ポリフェニレンスルファイド)等の耐熱性を有する樹脂で形成するのがより好ましい。
【0041】
ボトムケース11に、MEMSチップ14及びASIC15が搭載された基板12を嵌め込み、次いで、トップケース13を基板12に被せるようにボトムケース11に嵌め込むとマイクロホンユニット1が得られる。
【0042】
なお、本実施形態においては、ボトムケース11の電極端子115と基板12の裏面側に形成される回路パターン(電極端子)とは半田接合もしくは導電ペースト等により電気接合されている。基板12の上面側に形成される回路パターンと裏面側に形成される回路パターンとは基板12の中を通る貫通配線(図示せず)により電気的に接続されている。また、基板12とトップケース13とは接着剤によって接合されている。更に、マイクロホンユニット1における音漏れを防止するために、ボトムケース11にトップケース13を嵌め込んだ後、ボトムケース11とトップケース13の間の隙間を覆うように、ボトムケース13の側面上部には図1に示すように封止樹脂18が接着される。封止樹脂としては、例えばエポキシ系の樹脂等が使用される。
【0043】
次に、主に図3を参照して、本実施形態のマイクロホンユニット1の構成について更に詳しく説明する。図3に示すように、基板12上にトップケース13が載置されることによって、トップケース13と基板12との間に内部空間134(上述のトップケース13の第1空間部と同じ符号としている)が形成される。そして、この内部空間134には、MEMSチップ14とASIC15とが配置されている。
【0044】
内部空間134は、トップケース13の天板131(図2参照)に形成される第1音孔132を介して外部空間とつながっている。すなわち、マイクロホンユニット1の外部で発生した音声は、第1音孔132及び内部空間134を経てMEMSチップ14が有する振動膜142の上面(第1の面)142a(図5参照)に到達するようになっている。この意味で、内部空間134と第1音孔132とは音道(第1の音道16)を形成していると言える。
【0045】
上述のように、基板12には2つの開口122、123が形成される。このうち、第1の開口122は、トップケース13を基板12に被せた場合に、トップケース13の第2空間部135とボトムケース11に形成される溝部114とが連通するように設けられている。第1の開口122は、トップケース13の第2音孔133と同一形状、同一サイズとされている。そして、トップケース13が基板12に被せられた場合に、第1空間部135の側面と、第1の開口122の側面とが面一となって溝部114へと連通するようになっている。
【0046】
基板12に形成される第2の開口123は、基板12上に実装されるMEMSチップ14の振動膜142と、ボトムケース11の溝部114とが連通するように形成されている。第2の開口123は、振動膜142の振動部分に合わせたサイズ及び形状(平面視略円形状)とされている。
【0047】
なお、ボトムケース11の溝部114は、基板12がボトムケース11に収容保持された時点で、基板12の第1の開口122及び第2の開口123と連通するように、その幅(X方向の長さ;図2参照))が決められている。また、ボトムケース11の溝部114の奥行き(Y方向の長さ;図2参照)は、振動膜142の振動部分の直径よりも大きくなるように形成されている。
【0048】
以上より、マイクロホンユニット1の外部で発生した音声は、第2音孔133、第2空間部135、第1の開口122、溝部114及び第2の開口123を経てMEMSチップ14が有する振動膜142の下面(第2の面)142b(図5参照)に到達するようになっている。この意味で、第2音孔133、第2空間部135、第1の開口122、溝部114及び第2の開口123は、音道(第2の音道17)を形成していると言える。
【0049】
なお、音波が第1音孔132から振動膜142の上面142aへと至る時間と、音波が第2音孔133から振動膜142の下面142bへと至る時間と、が同じとなるように第1の音道16と第2の音道17とは形成されている。第1の音道16と第2の音道17とを形成する空間の容積は30mm3以下が好ましく、更には10mm3以下(例えば7〜8mm3程度)が好ましい。また、第1の音道16と第2の音道17とを形成する空間の容積は、両者の容積が±30%以内の差で等しくなるように形成されることが好ましい。
【0050】
また、第1音孔132及び第2音孔133はφ0.5mmの円の面積以上で、かつ、両者は同一形状で形成されることが好ましく、そのように楕円の長手方向の長さ(図2のY方向)と短手方向の長さ(図2のX方向)が決められている。音響特性の劣化を防止するために、音道の幅は0.1mm以上とするのが好ましく、前述の短手方向の長さは0.1mm以上とするのが好ましい。なお、同様の意味で、ボトムケース11に設ける溝部114の深さd(図3参照)は0.1mm以上とするのが好ましい。
【0051】
ところで、第1音孔132及び第2音孔133は必ずしも平面視略楕円形状(長孔形状)である必要はなく、その構成は変更可能であり、例えば略円形状等としても構わない。ただし、本実施例のように長軸が、第1音孔132及び第2音孔133の並び方向に対して垂直となるような長孔形状とした方がマイクロホンユニット1のサイズを小型化しやすく、音響特性的にも有利であるために、長孔形状とするのが好ましい。
【0052】
第1音孔132と第2音孔133との中心間距離Lについて述べておく。第1音孔132と第2音孔133との距離が近すぎると振動膜142の上面142aと下面142bに加わる音圧の差が小さくなって振動膜142の振幅が小さくなり、ASIC15から出力される電気信号のSNR(S/N比)が悪くなる。このため、第1音孔132と第2音孔132との間の距離はある程度大きいのが好ましい。一方で、第1音孔132と第2音孔133との中心間距離Lが大きく成りすぎると、音源から発せられた音波が、第1音孔132及び第2音孔133を通って振動膜142に到達するまでの時間差すなわち位相差が大きくなり、雑音除去性能が低下してしまう。このため、第1音孔132と第2音孔133との中心間距離Lは、4mm以上6mm以下とするのが好ましく、更には5mm程度が好ましい。
【0053】
次に、マイクロホンユニット1の動作について説明する。動作の説明に先立って音波の性質について述べておく。音波の音圧(音波の振幅)は、音源からの距離に反比例する。そして、音圧は、音源に近い位置では急激に減衰し、音源から離れる程、なだらかに減衰する。
【0054】
例えば、マイクロホンユニット1を接話型の音声入力装置に適用する場合、ユーザの音声はマイクロホンユニット1の近傍で発生する。そのため、ユーザの音声は、第1音孔132と第2音孔133との間で大きく減衰し、振動膜142の上面142aに入射する音圧と、振動膜142の下面142bに入射する音圧との間には、大きな差が現れる。
【0055】
一方、背景雑音等の雑音成分は、ユーザの音声に比べて音源がマイクロホンユニット1から遠い位置に存在する。そのため、雑音の音圧は、第1音孔132と第2音孔133との間でほとんど減衰せず、振動膜142の上面142aに入射する音圧と、振動膜142の下面142bに入射する音圧との間には、ほとんど差が現れない。
【0056】
マイクロホンユニット1の振動膜142は、第1音孔132と第2音孔133に同時に入射する音波の音圧差によって振動する。上述のように、振動膜142の上面142aと下面142bに入射する雑音の音圧の差は非常に小さいために、振動膜142で打ち消される。これに対して、振動膜142の上面142aと下面142bに入射するユーザ音声の音圧の差は大きいために、ユーザ音声は振動膜142で打ち消されずに振動膜142を振動させる。
【0057】
このことから、マイクロホンユニット1によると、振動膜142はユーザの音声のみによって振動しているとみなすことができる。そのため、マイクロホンユニット1のASIC15から出力される電気信号は、雑音(背景雑音等)が除去された、ユーザ音声のみを示す信号とみなすことができる。すなわち、本実施形態のマイクロホンユニット1によると、簡易な構成で、雑音が除去されたユーザ音声のみを示す電気信号を取得することが可能である。
【0058】
以上に示したように、本実施形態のマイクロホンユニット1は、従来にない構成としてボトムケース11を用意して、基板12とトップケース13をボトムケース13に収容保持する構成となっている。この構成の場合、基板12とトップケース13をボトムケース11に嵌め込むだけで両者の位置関係を所望の関係とすることができる。このため、マイクロホンユニット1を組み立てる際の作業効率を向上できる。
【0059】
(音声入力装置)
図8は、本実施形態のマイクロホンユニットが適用される音声入力装置の実施形態の概略構成を示す図である。図9は、図8のC−C位置における概略断面図である。図8及び図9を参照して、マイクロホンユニット1が適用される音声入力装置2の構成について説明する。ここでは、音声入力装置2が携帯電話である場合を例に説明するが、音声入力装置が携帯電話に限られないのは勿論である。
【0060】
図8に示すように、音声入力装置2の筐体21の下部側には2つの音孔211、212が設けられており、この音孔211、212を介してユーザの音声が筐体21内部に配置されるマイクロホンユニット1に入力されるようになっている。音声入力装置2に配置されるマイクロホンユニット1は、図8及び図9に示されるように、電磁波ノイズによる影響を抑制するための導電性のシールドカバー19が被された状態となっている。ここでは、シールドカバー19が被せられた状態のマイクロホンユニットを符号1で示している。
【0061】
なお、シールドカバー19は電磁的シールド機能を有する材料で形成されれば良く、例えば、コバール(鉄にニッケル、コバルトを配合した合金;成分例は重量%で、Ni29%、Co17%、Si0.2%、Mn0.3%、Fe53.5%)、42アロイ(Fe−42%Ni合金)などの金属材料で形成される。
【0062】
シールドカバー19は、天板191と4つの側壁192で囲まれた空間を内側に有する。そして、トップケース13の上から被せられて、基板12及びトップケース13を収容保持するボトムケース11ごとまとめてシールドカバー19内側の空間に収容している。本実施形態では、シールドケース19の内側空間の幅(図9の左右方向の長さ)と奥行き(図9の紙面と垂直な方向の長さ)は、ボトムケース11の幅と奥行きと略同一とされている。このため、シールドケース19をトップケース13の上から嵌め込むだけでシールドケース19は保持されるようになっている。また、シールドケース19は、トップケース13に被せられた状態で側壁192の下端192aがボトムケース11の下面11aと略同一となるように形成されている。
【0063】
シールドカバー19には、2つの音孔193、194が形成されている。詳細には、この2つの音孔193、194はそれぞれトップケース13に形成される2つの音孔132、133と重なるように形成されている。また、マイクロホンユニット1は、シールドカバー19に形成される2つの音孔193、194が、それぞれ筐体21に形成される2つの音孔211、212と重なるように配置されている。このため、筐体21の外部で発生した音声が、マイクロホンユニット1が備える2つの音道16、17を通って振動膜142の上面142a及び下面142b(いずれも図5参照)に到達するようになっている。
【0064】
なお、本実施形態の音声入力装置2においては、筐体21とマイクロホンユニット1との間には弾性体22が配置されている。弾性体22には、筐体21の外部で発生した音声が、マイクロホンユニット1が備える2つの音道16、17を通って振動膜142の上面142a及び下面142bに到達するように、開口221、222が形成されている。この弾性体22は必ずしも設ける必要はない。しかし、弾性体22を介してマイクロホンユニット1を筐体21に配置することにより、筐体21の振動がマイクロホンユニット1に伝わり難くなって、マイクロホンユニット1の動作精度を高められる。このため、本実施形態のように弾性体22を設けるのが好ましい。
【0065】
図9に示すように、筐体21内に配置されるマイクロホンユニット1は、筐体21内に設けられる実装基板23に実装される。実装基板23は、マイクロホンユニット1に電力を供給したり、マイクロホンユニット1から出力される電気信号を処理したりするように構成されている。
【0066】
マイクロホンユニット1は、実装基板23にリフロー実装(例えば250℃等で処理)される。これにより、マイクロホンユニット1のボトムケース11に形成される電極端子16(図4参照)と実装基板23に形成される回路パターンとは半田接合もしくは導電性ペースト等により接合されて、電気的に接続されている。また、シールドケース19の側面下端192aと実装基板23に形成されるグランド(GND)とは半田接合されて、電気的に接続されている。これにより、シールドカバー19は電磁波ノイズをシールドする。
【0067】
本実施形態のマイクロホンユニット1が適用される音声入力装置2の概略構成は以上のようであるが、以下、このような構成とすることによる効果を説明する。
【0068】
マイクロホンユニット1を実装基板23に実装する場合、上述のように高温(例えば200〜250℃程度)でリフロー実装する。このような高温で処理する場合、マイクロホンユニット1を構成する各部は熱膨張する。この点、上述のように、従来のマイクロホンユニット100(図11参照)においては、金属で形成されるシールドカバーと非金属で形成される基板(MEMSチップが実装される基板)との熱膨張係数が大きく異なるために、基板に歪みが生じてMEMSチップに応力が加わる場合があった。そして、この応力によってMEMSチップが破損する場合があった。
【0069】
しかしながら、本実施形態のマイクロホンユニット1では、基板12が例えばLCP等の樹脂で形成されるボトムケース11で保持されている。この場合、ボトムケース11が緩衝材として機能して、シールドカバー19が金属、基板12が非金属で形成されているにもかかわらず、リフロー実装時に基板12に歪みが生じにくくなる。このため、本実施形態の音声入力装置2では、リフロー実装時に、基板12に実装されるMEMSチップ14に加わる応力を低減でき、組み立て時に特性不良が発生する可能性を低減できる。すなわち、本実施形態の音声入力装置2は歩留まり良く製造できると言える。
【0070】
(その他)
以上に示した実施形態は一例であり、本発明のマイクロホンユニット及び音声入力装置は以上に示した実施形態の構成に限定されるものではない。本発明の目的を逸脱しない範囲で、以上に示した実施形態の構成について種々の変更を行っても構わない。
【0071】
例えば、以上に示した実施形態では、トップケース13をLCP等の樹脂で形成し、その上からシールドカバー19を被せて電磁波ノイズをシールドする構成とした。しかし、この構成に限定されない。トップケース13を導電性の電磁波シールド特性を有する部材を含んで形成し、トップケース13を基板12に形成されるGNDと電気的に接続する構成としても良い。この場合、トップケース13の上から更にシールドカバー19を被せる必要がない。そして、この場合でも、上述したマイクロホンユニットの組み立て時の作業効率を向上できるという効果を得られる。
【0072】
しかし、この構成の場合には、音声入力装置の実装基板にマイクロホンユニットを実装する場合にMEMSチップに応力が加わって特性不良が生じる可能性が高くなる。このため、本実施形態のように、トップケース13とは別にシールドカバー19を設けて、基板12とシールドカバー19とが直接接続されない(両者が離れている)構成とするのが好ましい。
【0073】
また、以上に示した実施形態では、振動膜(振動板)142が、その上面142aと下面142bとに加わる音圧の差で振動する構成のマイクロユニットである場合を示した。しかし、本発明が適用されるマイクロホンユニットの構成は、本実施形態の構成に限定されない。例えば、図10に示すように、振動板(MEMSチップ14に備えられる)が振動板の片面にのみ加わる音圧で振動する構成のマイクロホンユニットであっても構わない。この構成の場合には、ボトムケース11に、本実施形態のような溝部114を設ける必要がなく、音道も1つで良い。
【0074】
また、以上に示した実施形態では、マイクロホンユニット1がボトムケース11を備える構成とした。しかし、基板12とトップケース13のうち、少なくとも基板12を保持する保持部材を備える構成とすれば、組み立て時の作業効率を向上でき、例えば図11に示すような構成等としても構わない。
【0075】
図11では、ボトムケース11の代わりに基板12を挟み込んで保持する保持部材11´を設ける構成としている。この場合でも、トップケース13は保持部材11´によって嵌め込み位置をガイドされ、面倒な位置調整を行うことなくトップケース13の取り付けができる。すなわち、マイクロホンユニットの組み立て時の作業効率を従来に比べて向上できる。そして、保持部材11´を設けているために、シールドカバー19をトップケース13の上から被せる場合に、図11に示すように基板12とシールドカバー19(マイクロホンユニットが実装される実装基板のGNDと接続される)とが接続されない構成とし易い。そして、この構成であれば、マイクロホンユニットの音声入力装置へのリフロー実装時において、保持部材11´が緩衝材として作用するために、MEMSチップ14の特性不良が生じる可能性を低減できる。
【0076】
また、以上に示した実施形態では、MEMSチップ14とASIC15とは別チップで構成したが、ASIC15に搭載される集積回路はMEMSチップ14を形成するシリコン基板上にモノリシックで形成するものであっても構わない。
【0077】
また、以上に示した実施形態では、音声を電気信号に変換するためのマイクロホンチップが、半導体製造技術を利用して形成されるMEMSチップ14である構成としたが、本実施形態の構成に限定される趣旨ではない。また、以上の実施形態では、マイクロホンユニット1が備えるマイクロホンチップ(本実施形態のMEMSチップ14が該当)の構成として、いわゆるコンデンサ型マイクロホンを採用した。しかし、本発明はコンデンサ型マイクロホン以外の構成を採用したマイクロホンユニットにも適用できる。例えば、動電型(ダイナミック型)、電磁型(マグネティック型)、圧電型等のマイクロホン等が採用されたマイクロホンユニットにも本発明は適用できる。
【0078】
その他、マイクロホンユニットの形状は本実施形態の形状に限定される趣旨ではなく、種々の形状に変更可能性あるのは勿論である。また、本発明が適用される音声入力装置として、携帯電話以外に、例えば、トランシーバ等の音声通信機器や、入力された音声を解析する技術を採用した音声処理システム(音声認証システム、音声認識システム、コマンド生成システム、電子辞書、翻訳機、音声入力方式のリモートコントローラ等)、或いは録音機器やアンプシステム(拡声器)、マイクシステムなどが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、例えば携帯電話やトランシーバ等の音声通信機器、音声認証システム等の入力された音声を解析する技術を利用した情報処理システム、録音機器等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】は、本実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図2】は、本実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図3】は、図1におけるA−A位置の概略断面図である。
【図4】は、図2におけるB−B位置の概略断面図である。
【図5】は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるMEMSチップの構成を示す概略断面図である。
【図6】は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるASICの回路構成を説明するための図である。
【図7】は、本実施形態のマイクロホンユニットが備えるトップケースを裏面側から見た場合の構成を示す概略平面図である。
【図8】は、本実施形態のマイクロホンユニットが適用される音声入力装置の実施形態の概略構成を示す図である。
【図9】は、図8のC−C位置における概略断面図である。
【図10】は、本発明が適用されるマイクロホンユニットの別形態を説明するための概略断面図である。
【図11】は、本発明が適用されるマイクロホンユニットの別形態を説明するための概略断面図である。
【図12】は、従来のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 マイクロホンユニット
2 音声入力装置
11 トップケース(保持部材)
11´ 保持部材
12 基板
13 トップケース(カバー部材)
14 MEMSチップ
16 第1の音道
17 第2の音道
19 シールドカバー
23 実装基板
111 底面
112 側面
113 空間部
114 溝部
132 第1音孔
133 第2音孔
134 内部空間
142 振動膜(振動板)
142a 振動膜の上面(第1の面)
142b 振動膜の下面(第2の面)
193、194 シールドカバーの音孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板の振動に基づいて音声を電気信号に変換するマイクロホンユニットであって、
前記振動板が搭載される基板と、
音孔を有し、前記基板と間に形成される内部空間に前記振動板が収まるように前記基板上に配置されるカバー部材と、
前記基板と前記カバー部材とのうち、少なくとも前記基板を保持する保持部材と、
を備えることを特徴とするマイクロホンユニット。
【請求項2】
前記保持部材は底面と側面とで形成される空間部を有し、
前記基板と前記カバー部材とが前記空間部に収容保持されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロホンユニット。
【請求項3】
前記底面に溝部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロホンユニット。
【請求項4】
前記カバー部材に形成される前記音孔は、第1音孔と第2音孔とから成り、
前記第1音孔から前記振動板の第1の面へと至る第1の音道と、前記第2音孔から前記溝部を経て前記振動板の前記第1の面の裏面である第2の面へと至る第2の音道と、が形成されることを特徴とする請求項3に記載のマイクロホンユニット。
【請求項5】
前記振動板はMEMSチップに含まれ、前記MEMSチップが前記基板に搭載されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項6】
音孔を有する導電性のシールドカバーを更に備え、
前記カバー部材の音孔と前記シールドカバーの音孔とが重なると共に、前記保持部材が前記シールドカバー内に収まるように、前記カバー部材の上から前記シールドカバーが被せられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のマイクロホンユニットを備えることを特徴とする音声入力装置。
【請求項8】
マイクロホンユニットを実装する実装基板と、
請求項6に記載のマイクロホンユニットと、を備える音声入力装置であって、
前記シールドカバーが前記実装基板に形成されるグランドと電気的に接続されることを特徴とする音声入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−141720(P2010−141720A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317297(P2008−317297)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】