説明

マイクロ振動装置のための接続構造

【課題】接続構造に接続されたマイクロ振動装置の現在の姿勢を雑音なしに高い正確度で検知することができるようにする。
【解決手段】マイクロ振動装置のための接続構造において、接続構造の一端はマイクロ振動構造に、他端はバネ部材に少なくとも間接的に接続可能であり、接続構造はマイクロ振動構造の回転軸に対して平行に配置された少なくとも1つの脚部と、回転軸に対して垂直に配置された少なくとも1つの別の脚部と、接続構造の捩れを測定する少なくとも1つの抵抗素子とを含んでおり、回転軸に平行な方向における接続構造の広がりは、回転軸に対して垂直な方向における接続構造の広がりの少なくとも2.5倍であり、抵抗素子は接続構造が捩れたときに比較的大きな機械的応力が生じる領域に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ振動装置のための、特にマイクロ振動ミラーのための接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ振動装置は特許文献1から公知である。このマイクロ振動装置は長方形プレート上に振動構造を有している。振動構造は接続構造を介して捩りバネ部材の形態のバネ構造に接続されている。一方で、捩りバネ部材はマイクロ振動装置の支持構造に接続されている。接続構造は実質的にU字形に形成されている。接続構造は、トーション軸に対して実質的に垂直な向きで捩りバネ部材に作用する外力を、トーション軸に対して少なくとも部分的に平行な向きで捩りバネ部材に作用する力に変換する。
【0003】
マイクロ振動装置を、特にマイクロ振動ミラーをきちんと駆動制御するためには、マイクロ振動装置の現在の姿勢を検知することが必要である。
【0004】
マイクロ振動構造の姿勢が変化すると、マイクロ振動構造が支持構造と接続されている部分に機械的応力が生じる。この機械的応力は抵抗器を用いて圧電抵抗的に電気信号に変換することができる。マイクロ振動構造の姿勢の検知はこの信号に基づいて可能になる。
【0005】
このような圧電抵抗装置は特許文献2から公知である。この回転可能なマイクロ電気機械装置は4つの抵抗器を含んでおり、これら4つの抵抗器はそれぞれトーション軸に対して45°の角度で配置されている。マイクロ振動構造の姿勢が変化すると、マイクロ振動構造が支持構造と接続されている部分に機械的応力が生じ、この機械的応力が抵抗器によって圧電抵抗的に電気信号に変換される。マイクロ振動構造の姿勢の検知はこの信号に基づいて可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 1 212 650 B1
【特許文献2】EP 1 944 596 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、接続構造に接続されたマイクロ振動装置の現在の姿勢を雑音なしに高い正確度で検知することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明に従い、マイクロ振動装置のための、特にマイクロ振動ミラーのための、接続構造において、該接続構造の一端はマイクロ振動構造に、他端はバネ部材に少なくとも間接的に接続可能であり、前記接続構造は、前記マイクロ振動構造の回転軸に対して平行に配置された少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、有利には3つの脚部と、前記回転軸に対して垂直に配置された少なくとも1つの別の脚部と、前記接続構造の捩れを測定する少なくとも1つの抵抗素子とを含んでおり、前記回転軸に平行な方向における前記接続構造の広がりは、前記回転軸に対して垂直な方向における前記接続構造の広がりの少なくとも2.5倍、特に少なくとも3倍であり、前記抵抗素子は前記接続構造が捩れたときに比較的大きな機械的応力が生じる領域に配置されているように構成することより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態による接続構造の透視図を示す。
【図2】それぞれ抵抗器の配置の異なる本発明の第2及び第3の実施形態による接続構造を示す。
【図3】本発明の第4及び第5の実施形態による接続構造を示す。
【図4】本発明による接続構造の第5及び第6の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の有利な実施形態によれば、抵抗素子は接続構造とマイクロ振動構造との接続部及び/又は接続構造とバネ部材との接続部にホイートストンブリッジとして配置された4つの抵抗器を含んでいる。この実施形態の利点は、このように抵抗素子の抵抗器が接続構造の部分に配置されていることにより、回転軸回りの捩れが生じたときに接続構造を可能な限り大きく変形させることができ、接続構造に接続されたマイクロ振動構造の姿勢変化に基づいて、正確度の高い捩れ検知が可能となることにある。
【0011】
本発明の別の有利な実施形態によれば、抵抗素子は少なくとも1つの圧電結晶を含んでいる。なお、この圧電結晶の<110>方向は回転軸に平行である。この実施形態の利点は、シリコンを使用して接続構造を製造する場合に水酸化カリウムで確実かつ簡単にエッチングができることにある。
【0012】
本発明の別の有利な実施形態によれば、抵抗素子は少なくとも1つの外脚部に配置されており、及び/又は、脚部上の抵抗素子に給電する給電線が配置されている。この実施形態の利点は、外脚部上の抵抗素子への給電線を内脚部に、つまり2つの外脚部の間に配置された脚部に配置することができるので、給電線を余分に外脚部に配置しなくてもよいということにある。
【0013】
外脚部の幅、つまりトーション軸に垂直な方向における外脚部の広がりは相応に狭くしてよい。このことが全体として抵抗器による捩れ検知の感度をさらに上げる。抵抗素子を2つの外脚部に配置する場合には、2つの外脚部とも相応に幅狭にしてよい。その場合、捩れ測定の感度をさらに上げるために、内脚部の幅を、特に少なくとも1つの外脚部の最小幅よりも大きくしてよい。
【0014】
本発明の別の有利な実施形態によれば、給電線は比較的深い拡散によって、特に1マイクロメートルよりも深い、有利には8マイクロメートルよりも深い拡散によって形成され、及び/又は、抵抗素子は比較的浅い拡散によって、特に1マイクロメートルよりも浅い拡散によって形成される。この実施形態の利点は、給電線の電気抵抗をさらに下げると同時に抵抗素子の抵抗を上げるので、電圧降下が主に抵抗素子において生じることである。これにより、捩れ測定の感度がさらに上がる。
【0015】
本発明の別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの脚部が内部において拡幅部分を有しており、特に、抵抗素子の少なくとも1つの抵抗器が導電路の形態で少なくとも1つの脚部の内部において拡幅部分を有している。この実施形態の利点は、比較的大きな機械的応力、特に引張力及び/又は圧縮力が、比較的幅狭に形成された抵抗素子の領域に、特に抵抗器の領域に生じることにある。これらの抵抗器では大きな電圧降下が生じるので、捩れ測定の感度がさらに向上する。明細書全体及び特に特許請求の範囲において、導電路は拡散領域または拡散層抵抗器をも意味する。
【0016】
本発明の別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの抵抗器は導電路の形態で脚部の少なくとも一方の端部において2μm未満の幅、特に1.5μm未満の幅を有している。この実施形態の利点は、マイクロ振動構造の捩れを検知する際に非常に高い感度が保証されることである。
【0017】
本発明の別の有利な実施形態によれば、外脚部の少なくとも1つに、少なくとも1つの抵抗器の電圧をタップするためのタップ構造が配置されている。特に、電圧タップは、拡幅部分にホイートストンブリッジを形成するために、外脚部の半分の長さのところで行われる。この実施形態の利点は、ホイートストンブリッジのタップが実質的に各抵抗器の半分の長さのところで行われるので、導電路付きの付加的なタップを各脚部に配置する必要がなく、脚部の脇から実質的に脚部に対して直角に電圧タップを行うことができることにある。脚部の幅、つまり、回転軸に対して垂直な方向における脚部の広がりはさらに小さくされ、抵抗素子による捩れ検知の感度がさらに向上する。
【0018】
本発明の別の有利な実施形態によれば、タップ構造は特に少なくとも3重の曲折模様として形成されている。この実施形態の利点は、タップ構造が、捩れを少なくとも部分的に増大させる接続構造の脚部に接続されているため、マイクロ振動構造による接続構造の捩れをできるだけ妨害しないということにある。これにより、接続構造の捩れからマイクロ振動構造の姿勢を検知する際の正確度がさらに向上する。
【0019】
本発明の別の有利な実施形態によれば、トーション軸に平行な2つの脚部の間に、回転軸に対して垂直な方向における脚部の長さの半分の距離がある。この実施形態の利点は、捩れの測定感度がさらに向上することにある。
【0020】
本発明では、ホイートストンブリッジの電圧にタップを介して電圧を印加し、これを抵抗素子の抵抗器の相応する給電線においてタップすることも可能である。その際、抵抗器の給電線での電圧降下はできるだけ小さくすべきである。給電線での電圧降下が小さければ小さいほど、残りのより大きな電圧降下は抵抗素子で生じるので、捩れ検知の正確度が高くなる。抵抗器をホイートストンブリッジの形に配置する場合、抵抗器は全体で約1kΩに制限される。というのも、抵抗器の長さ、つまりトーション軸に平行な方向における抵抗器の広がりが、機械的応力の大きな領域に限定されるからである。さらに、機械的応力または捩れの大きな領域に金属は配置されない。そうすると、金属の機械的変形が生じて、長い間に捩れによる負荷によって金属が少なくとも部分的に破壊されてしまうからである。
【0021】
さらに、接続構造ができるだけ脚部の捩れによって影響されない又は損なわれないように、タップ構造を接続構造に比べてできるだけ軟らかく又は曲げやすく形成してもよい。タップ構造がそのように形成されていれば、タップ構造上の給電線の抵抗をできる限り低くするために給電線として金属を用いることが可能である。
【実施例】
【0022】
図中、同一の参照番号は同一の構成部材または機能的に等しい構成部材を表す。
【0023】
図1には、本発明の第1の実施形態による接続構造の透視図が示されている。
【0024】
図1において、参照番号1は本発明の第1の実施形態によるマイクロ振動装置のための接続構造を表している。接続構造1は実質的にU字形に形成されており、マイクロ振動構造4の回転軸Tに対して平行に延びる2つの脚部2a、2bを含んでいる。接続構造1は、2つの脚部2a、2bによって、回転軸Tを中心として回転可能なマイクロ振動構造4に接続されており、回転軸Tに対して垂直に延びる、2つの脚部2a、2bを繋ぐ脚部2’を介して、バネ部材3と接続されている。図1には主に、接続構造1の回転軸Tを中心とした反時計回りの捩れが示されている。U字形接続構造1は、トーション軸Tに対して平行に延びる脚部2a、2bが脚部2’の3倍の長さとなるように形成されている。脚部2a、2b上に配置されている平面的な導電路の形態の抵抗器は図示されていないが、これら抵抗器の幅は各脚部の幅よりも小さい。脚部2a、2bの間の距離は、回転軸Tに対して垂直な方向における脚部2’の広がりの半分である。
【0025】
図2には、それぞれ抵抗素子5a、5b、5c、5dの配置の異なる、本発明の第2及び第3の実施形態による接続構造が示されている。
【0026】
図2には、接続構造1における抵抗器5a、5b、5c、5dの配置が概略的に示されている。平面的な導電路として形成された抵抗器5a、5cは脚部2a上に配置されており、抵抗器5b、5dは脚部2b上に配置されている。抵抗器5a、5b、5c、5dは各脚部2a、2bと平行に延びている。抵抗器5a、5bは、横脚部2’の部分と、接続構造1とバネ部材3との間の接続部とに形成されている。これに対して、抵抗器5c、5dは脚部2a、2bの間の接続部とマイクロ振動構造4の部分に形成されている。つまり、抵抗器5a、5b、5c、5dは、マイクロ振動構造4が捩れたときに、できるだけ機械的応力が大きくなる領域に、とりわけ引張力及び/又は圧縮力が大きくなる領域に配置されている。
【0027】
図2bには、接続構造1の別の実施形態が示されている。接続構造1は、図2aと同様に横脚部2’に接続された互いに平行な3つの脚部2a、2b、2cを含んでいる。抵抗器5a、5b、5c、5dの各2つずつが2つの外脚部2a、2bに配置されている。2つの脚部2a、2bの間に配置された内脚部2cには、平面的に形成された給電路(図示せず)が抵抗器5a、5b、5c、5dへの給電のために配置されている。この給電路は、それぞれ異なる脚部2a、2bに配置された抵抗器5a、5c及び5b、5dに電圧を印加するために、横脚部2’の領域で分岐している。
【0028】
図3には、本発明の第4及び第5の実施形態による接続構造が示されている。図3aには、平面的に形成された導電路を備えた、図2aの実施形態が示されている。ここでは、導電路は部分的に抵抗器として形成されている。以下に、脚部2a上の導電路の配置について説明する。脚部2bも同様に形成されており、導電路Lbとタップ線路A3、A4を有している。
【0029】
図3aの平面図には、脚部2aの左側に平面的な導電路の形の給電線Zが示されている。給電線Zは脚部2a上でマイクロ振動構造4と平行に横脚部2’の領域まで延びている。そこで給電線Zは導電路Laと電気的に接続されている。抵抗器5a、5cは、脚部2a上で給電線Zと平行に延びる導電路Laの一部として形成されている。導電路Laは脚部2aの中央に拡幅部Vを有している。図3aによれば、この拡幅部Vの中央から左横へタップ線路A1が配置されている。タップ線路A1は拡幅部Vの中央に接続されており、それからさらに脚部2a上で導電路Laと平行にマイクロ振動構造4の方向に伸びている。拡幅部Vとマイクロ振動構造4との間の導電路Laのさらなる延長部分は、別のタップ線路A2に接続された第2の抵抗器5cを形成している。抵抗器5a、5cは、全体で4つの抵抗器から成るホイートストンブリッジの中の2つの抵抗を形成している。ホイートストンブリッジ(A1、A2、A3、A4、5a、5b、5c、5d)の他の2つの抵抗器5b、5dは、脚部2b上に導電路Lbによる抵抗器5b、5dによって相応に形成されている、つまり抵抗器5a、5cと同様に配置ないし形成されている。
【0030】
図3bには、3つの脚部2a、2b、2cを有する、図2bの実施形態と同様の実施形態が示されている。図3aとの違いは、給電線Zが内脚部2cに配置されている点にある。このため、脚部2a、2bを幅狭にしてよい。なぜならば、電圧タップのためには、脚部2aに給電線A1、A2を配置し、脚部2bに給電線A3、A4を配置するだけでよいからである。さらに、外脚部2bの内側領域には、すなわち、マイクロ構造4側の端部とバネ部材3側の端部の両方から離れた部分には、拡幅部VSが設けられている。拡幅部VSは脚部2bの外側に配置されている。しかし、本発明では、拡幅部VSを脚部の内側にも、あるいは脚部の内側だけに配置してもよい。もちろん、他方の外脚部2aにも1つまたは複数の拡幅部VSが設けられていてよい。
【0031】
図4には、本発明による接続構造の第5及び第6の実施形態が平面図で示されている。図4aには、図3aとは異なり、接続構造1上に配置された5重の曲折模様Mの形態のタップ構造が示されている。以下では、脚部2aの構造とそのタップ構造だけを説明する。タップ構造を有する脚部2bとそのタップARは脚部2aとそのタップALと同様に形成されている。
【0032】
図3aと異なり、給電線Zは脚部2aの内側に、つまり、脚部2aの脚部2b側に配置されており、図3aと同様に、脚部2a上でマイクロ振動構造4から横脚部2’の方まで延びている。脚部2aの外側には、下から上に抵抗器5a、拡幅部V、抵抗器5c及びタップ線路A2が示されている。この場合、図3aのタップ線路A1を有する中央のタップALは脚部2a上に配置されたタップ線路A1を介して行われるのではなく、脚部2aに対して垂直に拡幅部Vの中央領域に配置されたタップ構造Mを介して行われる。タップALを有するタップ構造Mは5重の曲折模様Mに形成されており、拡幅部Vの中央と導電路Laとに導電接続されたタップ線路A1ないしA4を含んでいる。
【0033】
図4bには、図3bの3つの脚部2a、2b、2cから成る装置が示されている。ここでも、図4aに従って、タップ構造Mは脚部2a、2bに対して垂直にタップAL、ARを有して配置されている。以下では、脚部2aの構造についてのみ説明する。脚部2bとそれに配置されたタップ構造Mは同様に形成されている。真ん中の脚部2cには、脚部2a上の抵抗器5a、5cと脚部2b上の抵抗器5b、5dとに給電するための給電線Zが配置されている。脚部2aには、タップ線路A2、抵抗器5a、5c及び拡幅部Vのみが配置されている。拡幅部Vには垂直にタップALが配置されている。したがって、脚部2a、2bはタップ線路A2をその上に配置できる幅にするだけでよい。
【0034】
本発明の接続構造1は、マイクロ振動構造4が捩れたときに、各抵抗器5a、5b、5c、5dの箇所に非常に大きな機械的応力を生じさせるので、接続構造1の捩れを0.05fsの正確度で測定することができる。ホイートストンブリッジ5a、5b、5c、5dへの入力電圧は通常は最大で3Vである。この電圧の一部は抵抗器5a、5b、5c、5dの給電線Zで降下するので、抵抗器5a、5b、5c、5dは給電線Zの内部抵抗に比べてできるだけ大きく選定すべきである。例を挙げれば、ホイートストンブリッジの測定値を評価して捩れを求めるためには、ホイートストン測定ブリッジは、例えば捩れが7.5°、分解能が0.05%、ホイートストン測定ブリッジでの電圧降下が1V、検知装置の分解能が10μVであると仮定した場合、2.6mV/°の感度を有していなければならない。この場合、検知装置は特定用途向け集積回路として形成されている。
【0035】
給電線及び戻り線のための通常のメタライゼーションのシート抵抗はおよそ0.05Ω/μm2であり、通常の拡散のシート抵抗はおよそ50Ω/μm2である。タップAL、ARの曲折模様は通常はおよそ10mmの長さと、およそ10μmの幅を有する。タップ線路A1、A4として金属を使用すれば、曲折模様の全抵抗はおよそ50Ωであり、拡散の場合にはおよそ50kΩである。
【0036】
以上、本発明を特定の実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、多様に変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ振動装置のための、特にマイクロ振動ミラーのための、接続構造(1)であって、該接続構造(1)の一端はマイクロ振動構造(4)に、他端はバネ部材(3)に少なくとも間接的に接続可能であり、前記接続構造は、前記マイクロ振動構造(4)の回転軸(T)に対して平行に配置された少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、有利には3つの脚部(2a、2b、2c)と、前記回転軸(T)に対して垂直に配置された少なくとも1つの別の脚部(2’)と、前記接続構造(1)の捩れを測定する少なくとも1つの抵抗素子(5a、5b、5c、5d)とを含んでおり、前記回転軸(T)に平行な方向における前記接続構造(1)の広がりは、前記回転軸(T)に対して垂直な方向における前記接続構造(1)の広がりの少なくとも2.5倍、特に少なくとも3倍であり、前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)は前記接続構造(1)が捩れたときに比較的大きな機械的応力が生じる領域に配置されている、ことを特徴とするマイクロ振動装置のための接続構造。
【請求項2】
前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)は、前記接続構造(1)と前記マイクロ振動構造(4)との間及び/又は前記接続構造(1)と前記バネ部材(3)との間の接続部にホイートストンブリッジ(A1、A2、A3、A4、5a、5b、5c、5d)の形態で配置された少なくとも4つの抵抗器(5a、5b、5c、5d)を含んでいる、請求項1記載の接続構造。
【請求項3】
前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)は少なくとも1つの圧電結晶(K)を含んでおり、当該圧電結晶(K)の<110>方向は前記回転軸(T)に平行である、請求項1記載の接続構造。
【請求項4】
前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)は少なくとも1つの外脚部(2a、2b)に配置されており、及び/又は、前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)に給電するための給電線(Z)が内脚部(2c)に配置されている、請求項1又は2記載の接続構造。
【請求項5】
前記給電線(Z)は深い拡散によって、特に1μmよりも深い、有利には8μmよりも深い拡散によって製造されており、及び/又は、前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)は浅い拡散によって、特に1μm未満の深さの拡散によって製造されている、請求項4記載の接続構造。
【請求項6】
少なくとも1つの外脚部(2a、2b)が内部に拡幅部(VS)を有しており、特に前記抵抗素子(5a、5b、5c、5d)の少なくとも1つの抵抗器(5a、5b、5c、5d)が少なくとも1つの脚部(2a、2b)の内部に導電路(La、Lb)の形態で拡幅部(V)を有している、請求項4記載の接続構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つの抵抗器(5a、5b、5c、5d)は前記脚部(2a、2b)の少なくとも一方の端部に導電路(La、Lb)の形態で2マイクロメートル未満の幅、特に1.5マイクロメートル未満の幅を有する、請求項6記載の接続構造。
【請求項8】
前記外脚部(2a、2b)の少なくとも1つに、少なくとも1つの抵抗器(5a、5b、5c、5d)の電圧をタップするタップ(AL、AR)を有するタップ構造(M)が配置されており、ここで特に前記電圧のタップ(AL、AR)は前記脚部(2a、2b)の拡幅部(VS)の領域及び/又は前記抵抗器(5a、5b、5c、5d)の拡幅部(V)の領域にホイートストンブリッジ(5a、5b、5c、5d)を形成するために前記外脚部(2a、2b)の半分の長さの箇所において行われる、請求項1記載の接続構造。
【請求項9】
前記タップ(A、AR)付きタップ構造(M)は少なくとも3重の曲折模様(M)として形成されている、請求項8記載の接続構造。
【請求項10】
前記脚部(2a、2b、2c)はトーション軸(T)に平行に互いに距離を持っており、当該距離は特に、前記回転軸(T)に対して垂直な方向における前記脚部(2c)の長さの半分である、請求項1記載の接続構造。
【請求項11】
請求項1−10のいずれか1項記載の接続構造(1)を少なくとも1つ含むマイクロ振動装置、特にマイクロ振動ミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−242780(P2011−242780A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111704(P2011−111704)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】