説明

マイクロ波を援用した回転可能なPVD

開示された発明は、PVD又はIPVDにおいてイオン化を高めるために同軸マイクロ波アンテナを使用する。同軸マイクロ波アンテナは、電源に従属しているスパッタリングカソード又はターゲットに隣接するプラズマ密度を均一に増加させる。同軸マイクロ波源は電磁波を横電磁波(TEM)モードで生成する。また、本発明はスパッタリングを更に高めるためにスパッタリングカソード又はターゲットの近傍にマグネトロンを使用する。更に、高価なターゲット材料の高い収率を得るために、ターゲットは収率を改善するために回転可能とする。ターゲットは誘電体材料、金属、又は半導体を含む。またターゲットは、ターゲットが回転する中心軸周りに実質的に対称な断面を有する。ターゲットは実質的に円形又は環状の断面を有していてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
グロー放電薄膜成膜プロセスは産業アプリケーション及び材料研究用に広範囲で使用されており、特に新規先進材料の創成において使用されている。化学気相成長法(CVD)は一般的に溝又は穴に材料を堆積させる際により優れた性能を示すが、物理気相成長法(PVD)がその単純性とよりコストが安いことからより好まれる。PVDにおいては、マグネトロンスパッタリングが、非マグネトロンスパッタリングよりも成膜速度が約100倍増加し、必要とされる放電圧力が約100倍低いので、しばしば好まれる。不活性ガス、特にアルゴンが、ターゲット材料と反応しないのでスパッタリング剤として通常使用される。負電圧がターゲットに印加されると、例えば正に帯電したアルゴンイオンのような正イオンが、ターゲットに衝突し原子を叩き出す。二次電子もターゲット表面から放出される。磁場によってターゲット近くの二次電子は捕獲でき、二次電子は不活性ガスとより多くのイオン化衝突を引き起こすことが可能である。これはターゲット近傍のプラズマのイオン化を高め、高いスパッタリングレートをもたらす。それはまたプラズマがより低い圧力でも維持できることを意味している。従来のマグネトロンスパッタリングでは、より高い成膜速度はターゲットへの電力を上げる、又はターゲットからの距離を縮小することによって実現できる。しかしながら、磁場の強度が距離でかなり変化するので、磁化したプラズマはプラズマが密集した中でより大きな変動を起こす傾向にあることが欠点である。この不均一性によって大面積の成膜は複雑となるかもしれない。また、従来のマグネトロンスパッタリングは比較的成膜速度が低い。
【0002】
蒸着技術とは異なり、PVDにおけるイオン又は原子のエネルギーは典型的な表面の結合エネルギーと同程度である。これはまた原子の移動度及び表面化学反応速度の増加を助長するので、エピタキシャル成長が低い温度で起こり、また化学的に準安定の材料の合成が可能となる。エネルギーの高い原子又はイオンを用いることで、化合物の組成もより容易になる。もし成膜材料がイオン化するならば、より一層大きな利点が得られる。この場合、イオンは所望のエネルギーに加速され、電場又は磁場を使用することによって膜の混合、微細構造のナノ又はマイクロスケールの修正、そして準安定状態の創成を制御する方向へと導かれる。中性よりもむしろイオンの形で成膜フラックスを実現することの利益のために、スパッタリングされる材料をイオン化し、続いて基板上にRFバイアスを使用することによって生成されるプラズマシースを用いてイオンを基板へ向けるいくつかの新たなイオン化物理気相成長(IPVD)技術が開発されている。
【0003】
原子のイオン化は高密度プラズマを必要とし、このため成膜原子が高エネルギー電子によってイオン化されること無しに逃れるのは困難である。容量生成プラズマは通常非常にわずかにイオン化し、低い成膜速度をもたらす。より高濃度のプラズマは誘導放電を利用して生成することができる。誘導結合プラズマは1011ions/cm、同等の容量生成プラズマのおよそ100倍よりも高いプラズマ密度が可能である。典型的な誘導イオン化PVDでは、13.56MHzのRF源をもつ内部コイルを使用することによって生成される誘導結合プラズマを使用する。この技術の欠点は、エネルギーが約100eVのイオンがコイルに衝撃を与え、コイルをむしばみ、そしてその後成膜に不利な影響を与える可能性のあるスパッタリングされた不純物を生成することである。また、イオンのもつ高いエネルギーは基板に損傷を引き起こす可能性もある。内部のICPコイルに関連する問題を解決するために外部のコイルを使用することによりいくつかの改善がなされてきている。
【0004】
プラズマ密度を高めるもう1つの技術は、マイクロ波周波数源を用いることである。低い周波数で電磁波はプラズマ中を伝搬せず、その代わりに反射してしまう。しかしながら、典型的なマイクロ波の周波数のような高い周波数で、電磁波はプラズマ電子の効果的な直接加熱が可能である。マイクロ波はプラズマにエネルギーを入力するので、プラズマをイオン化するために衝突が起こり、これによってより高いプラズマ密度が実現できる。典型的には、マイクロ波を入射するのにホーンを使用するか、又はマイクロ波をチャンバ内に入力するためにスパッタリングカソードと隣接して小型のスタブアンテナを真空チャンバ内に設置する。しかしながら、この技術はプラズマの生成を高めるための均一な援助を提供しない。それはまた、スパッタリングカソードの援助無しでそれ自身の放電を維持するのに十分なプラズマ密度を提供しない。更に、そのようなシステムの大面積成膜への拡大は、非線形性のために1メートルのオーダー以下の長さに制限される。
【0005】
局所的なイオン化効率と大面積における成膜を増大させるために、スパッタリングカソードに隣接して高密度均一放電を提供することへの必要性が依然として残っている。また、基板への表面ダメージを削減し、それによって欠陥密度を削減するためにイオンのエネルギーを下げる必要性もある。例えば狭い溝のギャップフィルのような微細構造の成長と成膜の適用範囲に作用し、バルクプラズマ内と基板表面近傍のイオン密度とイオンエネルギーの制御を通して膜の化学的性質を高める更なる必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態ではPVD又はIPVDにおいてイオン化を高めるために同軸マイクロ波アンテナを使用する。同軸マイクロ波アンテナは、電源に従属しているスパッタリングカソード又はターゲットに隣接するプラズマ密度を均一に増加させる。同軸マイクロ波源は横電磁波(TEM)モードで電磁波を生成する。本発明の実施形態では、更にスパッタリングを高めるためにスパッタリングカソード又はターゲットの近傍にマグネトロンも使用する。更に、高価なターゲット材料の高収率な利用を目的として、利用効率を改善するためにターゲットは回転可能とする。ターゲットは誘電体材料、金属、又は半導体を含む。ターゲットはまた、ターゲットが回転する中心軸周りに実質的に対称な断面を有している。特定の実施形態においては、ターゲットは実質的に円形又は環状の断面を有していてもよい。
【0007】
本発明の1組の実施形態において、同軸マイクロ波源はPVD又はIPVDを補助するためにターゲットの外側に配置してもよい。もしターゲットが誘電体材料又は半導体でできているならば、それがカソードとして機能するようにターゲットに対してAC、RF、又はパルス電力を印加してもよい。もしターゲットが金属でできているならば、それがカソードとして機能するようにターゲットに対してDC電圧を印加してもよい。同軸マイクロ波源は線形であり、横電磁波(TEM)モードで電磁波を生成する。平面マイクロ波源は複数の平行な同軸マイクロ波線源を含んでいてもよい。
【0008】
本発明の別の1組の実施形態によると、1つのマグネトロン又は複数のマグネトロンが、より高収率の材料使用のために回転するように構成されたターゲットの近傍に付け加えられてもよい。ターゲットに対してはDC、AC、RF、又はパルス電力のうちの少なくとも1つが使用される。同軸マイクロ波源がイオン化を高めるために二次的なマイクロ波源としてターゲットの外側に配置される。マグネトロンは二次電子を閉じ込めるのを助長し、更にイオン化を高める。ターゲット内部に1つのマグネトロンをもつ特別な場合においては、マグネトロンは基板の上方の局所的なイオン化を高めるために水平な位置でターゲットの底部近傍にあるのが好ましい。更に、ターゲット内側に、例えば2つのマグネトロンような複数のマグネトロンを有する場合は、マグネトロンは水平位置に対してある角度で設置されるのが好ましい。2つのマグネトロンはターゲットの鉛直中心軸周りに対称に配置されてもよい。更に、ターゲット表面に隣接してイオン化を高めるための磁場を提供するためにマグネトロンをターゲットの外側に配置してもよい。イオン化を更に高めるためにマグネトロン間に電気ポテンシャルを形成してもよい。
【0009】
本発明の実施形態は、基板上に膜を成膜するための2つの回転可能なターゲットの構成を更に含んでおり、このときアンテナは2つのターゲットの外側にある。2つのターゲットはアンテナの周りに実質的に対称に配置されている。それぞれのターゲットの近傍に、1つのマグネトロン又は複数のマグネトロンが局所的にイオン化を高めるために付け加えられてもよい。
【0010】
追加的な実施形態及び構成は、一部は以下の記述で詳しく説明され、また一部は当業者が本明細書の試験を行うことで明白となり、又は本発明の実施によって得ることができる。本明細書及び図面の残りの部分を参照することで、本発明の特性及び利点の更なる理解が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】同軸マイクロ波源を回転可能なターゲットの外側にもつマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜の概略図である。
【図2】同軸マイクロ波源を回転可能なターゲットの外側にもつマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜のツイン・コンフィギュレーションの概略図である。
【図3】2つの回転可能なターゲットとそれぞれのターゲットの内側にマグネトロンをもつマイクロ波を援用した回転可能なマグネトロンスパッタリング成膜の1つの構成の概略図である。
【図4】2つの回転可能なターゲットとそれぞれのターゲットの内側に2つのマグネトロンをもつマイクロ波を援用した回転可能なマグネトロンスパッタリング成膜の代替概略図である。
【図5】ターゲットの外側にマイクロ波源とターゲットの内側に2つのマグネトロンをもつマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜の1つの構成を示す図である。
【図6】マイクロ波源とマグネトロンがターゲットの外側に配置されている、マイクロ波を援用した回転可能な同軸マグネトロンスパッタリング成膜の別の概略図である。
【図7】マイクロ波を援用した回転可能なPVD成膜システムの概略の例を示す図である。
【図8】基板上に膜を形成する概略成膜ステップを示すフローチャートである。
【図9A】4つの同軸マイクロ波線源を含む平面プラズマ源の概略図である。
【図9B】8つの平行同軸マイクロ波プラズマ源を含む平面マイクロ波源の光学イメージを示す図である。
【図10】連続マイクロ波電力と比較してパルスマイクロ波電力の使用時に改善されたプラズマ効率を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0012】
1.マイクロ波を援用したPVDの概要
マイクロ波を援用したPVDは、典型的な13.56MHzで高周波(RF)カップリングされたプラズマ源と比べて2.45GHzでの電力カップリングと吸収を改善する結果として、より高いプラズマ密度(例えば、〜1012ions/cm)とより高い成膜速度を達成するために開発された。RFプラズマの1つの欠点は、入力電力の大部分がプラズマシース(暗部)全域で落ち込むことである。マイクロ波プラズマを使用することによって、狭いプラズマシースが形成され、ラジカルとイオン種の生成のためにプラズマによってより多くの電力が吸収可能となり、これによってプラズマ密度を増大させ、狭いエネルギー分散を実現するための、イオンエネルギー分散の衝突による広がりを削減する。
【0013】
マイクロ波プラズマは、例えば狭いエネルギー分散をもつ、より低いイオンエネルギーのような他の利点も持っている。例えば、マイクロ波プラズマは1−25eVの低いイオンエネルギーを持っており、これによってRFプラズマと比較してダメージをより低くすることができる。対照的に、標準的な平面放電はより幅広いイオンエネルギー分散とともに100eVの高いイオンエネルギーとなっている。興味対象の多くの材料においてイオンエネルギーが結合エネルギーを超えるので、これはより大きなダメージにつながるだろう。最終的にこれは内在性の欠陥が入ってしまうため高品質の結晶性薄膜の形成を抑制する。低いイオンエネルギーと狭いエネルギー分散によって、マイクロ波プラズマは表面改質を助長し、コーティング特性を改善する。
【0014】
更に、より低いイオンエネルギーでプラズマ密度が増すことによって膜の欠陥密度を減少させるのに役立つので、マイクロ波プラズマ源を使用する結果として、より低い基板温度(例えば200℃未満、例えば100℃)が達成される。このようなより低い温度によって、運動学的に制限のある条件においてより良好な微細結晶成長が可能となる。また、マグネトロン無しの標準的な平面放電は、プラズマが約50mtorrを下回る圧力では不安定になるので、自律放電を維持するために通常約50mtorrを超える圧力が必要である。ここに記載されるマイクロ波プラズマ技術によって、圧力は約10−6torrから1気圧の範囲が可能となる。従って、マイクロ波プラズマ源の利用によって、加工域(例えば、温度や圧力)が広がる。
【0015】
過去において、真空コーティング産業におけるマイクロ波源技術に関する1つの欠点として、小さなウェハの加工から規模を大きくしてとても大きな面積の加工を行っている間、均一性の維持が困難であることが言われてきた。本発明の実施形態によるマイクロ波リアクターの設計は、これらの問題に取り組んでいる。同軸プラズマ線源のアレイが、高い成膜速度で超大面積(1mを超える)の実質的な均一コーティングを行い、高密度で厚い膜(例えば、厚さ5−10μm)を形成するために開発されてきた。
【0016】
プラズマ生成用マイクロ波電力を制御するために、そしてそれによってプラズマ密度とプラズマ温度を制御するために、先進のパルス技術が開発されてきた。この先進のパルス技術は、基板上に形成される熱負荷を削減するかもしれない。基板が低融点又は低ガラス転移温度を有しているとき、例えば高分子基板の場合、この構成は有意義となる。先進のパルス技術によって、パルス間にオフ時間を有する高出力パルスをプラズマに使用することが可能となる。これは基板の連続加熱の必要性を削減する。パルス技術の別の態様としては、連続マイクロ波電力と比較してプラズマ効率における大きな改善が挙げられる。
【0017】
2.マイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜の例
図1はマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム100の概略をターゲットと共に示している。円筒管形状のターゲット106は、しばしばとても高価なターゲット材料のより高い使用収率を提供するためにターゲットの中心周りに回転できる。アンテナ110は同軸マイクロ波プラズマ線源であり、中心軸118上のターゲット106の外側に位置している。ターゲット106の上方で中心軸118上に位置するガス供給口112は、スパッタリング剤として振舞う、例えばアルゴン、ヘリウム、キセノン、そしてこれらの混合物のような不活性ガスの連続的な流れを提供する。ガス供給口112はターゲット106と基板102(図示されず)の間に配置されてもよい。プラズマ104はターゲット106の外側表面近傍に形成される。ターゲット材料の膜がターゲット106の下方に位置する基板102上に形成されてもよい。基板102上に膜を形成するためのイオンを引き付けるために基板102はバイアスを掛けてもよい。
【0018】
図2に示される代替実施形態において、構成200はマイクロ波源又はアンテナの周りに実質的に対称に位置する2つの回転可能なターゲットを含んでいる。更に、ターゲット206はターゲット材料のより高い使用収率を提供するために回転するように構成されている。アンテナ210は同軸マイクロ波線源を含み、中心線218にあるターゲットの外側に位置している。2つのターゲットの上方の中心軸218に沿って位置するガス供給口212は、スパッタリング剤として振舞う、例えばアルゴン、ヘリウム、キセノン、そしてこれらの混合物のような不活性ガスの連続的な流れを提供する。しかしながら、ガス供給口212はターゲット206と基板202の間のどの位置にあってもよい。プラズマ204はターゲット206の外側表面近傍に形成される。ターゲット材料の膜がターゲット206の下方に位置する基板202上に形成される。基板202上に膜を形成するためのイオンを引き付けるために基板202はバイアスを掛けてもよい。
【0019】
図3に示される別の実施形態において、構成300は2つの回転可能なターゲットを含んでおり、それぞれのターゲットには1つのマグネトロンを有している。更に、2つのターゲットはマイクロ波源又はアンテナの周りに実質的に対称に位置している。ターゲット306はターゲット材料のより高い使用収率を提供するために回転可能である。アンテナ310は同軸マイクロ波源を含み、中心線318にあるターゲット306の外側に位置している。マグネトロン314は水平位置でターゲットの底部近傍にあってもよい。図3に磁場線316によって示されているように、磁場はターゲット306の外側に生成され、基板302の上方に局在化している。この磁場はターゲット表面近傍の二次電子を閉じ込めるのを助長し、衝突そしてつまりイオン化を高める。
【0020】
発明者らはマグネトロンスパッタリングにおいて補助を行うための二次的なマイクロ波源を使用することによって成膜効率が約60倍増加することを示す実験を行った。マイクロ波導入の結果としてプラズマの均一性も大きく改善されている。
【0021】
中心軸318に沿って2つのターゲットの上方に設置されているガス供給口312は、スパッタリング剤として振舞う例えばアルゴンのような不活性ガスの連続的な流れを提供する。プラズマ304はターゲット306の外側表面近傍に形成される。ターゲット材料の膜がターゲット306の下方に位置する基板302上に形成される。基板302上に膜を形成するためのイオンを引き付けるために基板302はバイアスを掛けてもよい。
【0022】
図4は2つの回転可能なターゲットをもつ別の構成400を提供しており、そこでは2つの回転可能なターゲット406はマイクロ波源(アンテナ)410周りに実質的に対称に位置している。2つのマグネトロン414は2つの回転可能なターゲット406のそれぞれの内側に配置されている。この2つのマグネトロン414は垂直中心軸418からある角度傾斜しており、中心軸418に対して実質的に対称位置にある。磁場線416は磁場がターゲット406の下方及び外側へ伸びていることを示している。電子ポテンシャル422が2つのマグネトロン間に存在し、そのために更にイオン化を高めるかもしれない。ガス供給ライン412はターゲット406上方の中心軸420上に配置されている。プラズマ404はターゲット406の外側及び基板402の上方に生成される。
【0023】
図5は1つの回転可能なターゲット506とマグネトロン514をもつ異なる構成500を示している。図4と同様に、アンテナ510は中心軸518上のターゲット506の外側にある。2つのマグネトロン514はターゲット506の内側に中心軸518に対して実質的に対称位置にある。磁場線516は磁場がターゲット506の下方及び外側へ伸びていることを示している。電子ポテンシャル520が2つのマグネトロン間に存在し、更にイオン化を高めるかもしれない。ガス供給ライン512は中心軸518に配置されている。プラズマ504はターゲット506の外側に形成される。図6はマグネトロンがターゲット606の外側にあることを除いて図5に示した構成500と同様な構成600を示している。
【0024】
3.プラズマ放電を維持するためのスパッタリングカソード及び条件
例えばアルミニウム、銅、チタン、又はタンタルなどの金属を含むターゲットに対しては、ターゲットをカソードとして機能させ、基板をアノードとして機能させるために、DC電圧をターゲットに印加してもよい。DC電圧は自由電子を加速させるのを助ける。自由電子は、例えばアルゴンガスから得られるアルゴン(Ar)原子のようなスパッタリング剤に衝突し、Ar原子の励起とイオン化を引き起こす。Arの励起によってガスグローが発生する。Arのイオン化によってArと二次電子を生成する。二次電子はプラズマ放電を維持するための励起及びイオン化プロセスを繰り返す。
【0025】
電子はより小さな質量によってイオンよりもはるかに速く移動するので、カソード近傍には正電荷が蓄積する。従って、ほとんどの電子はArに衝突しないので、高エネルギー電子との衝突がほとんど無いことから主に励起よりもイオン化が起きる。クルックス暗部と呼ばれるカソード暗部(プラズマシース)がカソード近傍に形成される。暗部に侵入する正イオンは、カソード又はターゲットに向かって加速し、ターゲットに衝突するので、原子がターゲットから叩き出され、その後基板へと移動する。また、プラズマ放電を維持するための二次電子が生成される。もしカソードとアノード間の距離が暗部を下回るならば、励起はほとんど発生せず、放電は維持されない。一方、もしチャンバ内のArの圧力があまりにも低いならば、電子の平均自由行程はより大きくなり、二次電子はAr原子と衝突する前にアノードへ到達する。この場合も、放電を維持することはできない。従って、プラズマを維持するための条件は、以下の通りである。
L*P>0.5(cm−torr)
ここで、Lは電極間隔、Pはチャンバ圧を示す。例えば、もしターゲットと基板間の間隔が10cmならば、Pは50mtorrを超える必要がある。
【0026】
ガス中のある原子の平均自由行程λは以下によって与えられる。
λ(cm)〜5×10−3/P(torr)
もしPが50mtorrならば、λは約0.1cmとなる。これは、スパッタリングされた原子又はイオンは、典型的には基板へ到達する前に数百回もの衝突をすることを意味している。これは成膜速度を著しく低下させる。実際、スパッタリング速度Rはチャンバ圧及びターゲットと基板間の間隔に反比例する。従って、放電の維持のために要求されるチャンバ圧を下げることによって、成膜速度が増加する。
【0027】
二次的なマイクロ波源をスパッタリングカソード近傍に設けることによって、スパッタリングシステムはより低圧力、低電圧、そしておそらく高成膜速度でカソードを動作させることができる。動作電圧を下げることによって、原子又はイオンはより低いエネルギーを持つので、基板へのダメージが軽減する。マイクロ波の援用からもたらされる高いプラズマ密度とより低いエネルギープラズマによって、基板へのダメージをより低く抑えられるとともに高い成膜速度が達成できる。
【0028】
再び図1〜6を参照すると、ターゲット106、206、306、406、506、606は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、又は酸化チタンのような誘電体材料でできている。ターゲットには自由電子を加速するためにAC、RF、又はパルス電力を印加してもよい。
4.マイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜の例
図7はマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム700の概略断面図を示している。このシステムは本発明の実施形態を実施するために使用されてもよい。システム700は真空チャンバ748と、2つの回転可能なターゲット716と、2つのターゲット716間に位置する同軸マイクロ波アンテナ710と、マグネトロン714と、基板支持部材724と、真空ポンプシステム726と、コントローラ728と、ガス供給システム740と、チャンバ壁及び基板支持部材724の側面をスパッタリング成膜から保護するためのシールド754を含んでいる。以下の参考文献、つまり米国特許第6,620,296B2号、米国特許出願公開第2007/0045103A1号、米国特許出願公開第US2003/0209422A1号を、アプライドマテリアルズ社他によって使用される物理気相成長(PVD)マグネトロンスパッタリングシステムの例としてここに引用する。上述の各特許の全内容は、全目的のために参照として本明細書に組み込まれる。
【0029】
ターゲット716は基板上720に膜718を形成するように成膜される誘電体材料又は金属を含んでいる。ターゲット716はターゲット材料の使用収率を最大限にするために回転するように構成されている。ターゲット716は典型的にはスパッタリングシステム700内に取り外し可能に挿入できるように作られている。ターゲット716はPVDプロセスによって各ターゲットの成膜材料が減耗すると定期的に新しいターゲットに交換される。
【0030】
DC電源738及び高周波又はパルス電源732の両方が装置を介してターゲット716に結合している。その装置はスイッチ736であってもよい。スイッチ736はDC電源738からの電力、又はAC、RF又はパルス電源732からの電力のいずれかを選択する。相対的な負電圧源738は数百ボルトのDCカソード電圧を供給する。特定のカソード電圧は設計により変更される。ターゲットが負の荷電粒子源として振舞うことができるとき、ターゲットはカソードとして参照されてもよい。この機能を満たすDC及びRF電力を切り替えるための多くの方法があることを当業者は認めるだろう。更に、いくつかの実施形態においては、ターゲットに接続されたDC及びRF電源の両方を同時に有することが有利であるかもしれない。
【0031】
マイクロ波の援用に加えて、図7に示されるようにマグネトロンを使用することによって、スパッタリング速度を更に改善してもよい。マグネトロン714は一般的にターゲット716の近傍に、例えば図7に示されるようにターゲットの内側に配置される。マグネトロン714の近くのチャンバ内に磁場を生成するために、マグネトロン714は反対極の磁石(S、N)を有している。磁場は電荷の中和のために二次電子を閉じ込めるので、マグネトロン714に隣接するチャンバ内に高密度プラズマ750を形成するようにイオン密度が増加する。ターゲット716のスパッタリングの間、マグネトロン714は完全なる密閉を実現するためにターゲット716の中心軸の周りに固定されている。マグネトロン714はプラズマのイオン化度を制御するために、可変のサイズ、位置、及び多くの形状を有していてもよい。マグネトロン714はどんな形状を有していてもよく、特に楕円形、三角形、円形、そして平らな腎臓のような形であってもよい。またマグネトロン714はアンバランスなデザインであってもよく、つまり外部極の磁束が内部極によって生成される磁束よりも大きくてもよい。ここで参考文献を少し提供する。例えば、平らな腎臓のような形状のマグネトロンに対する米国特許第5,242,566号、三角形状外部極に対する米国特許第6,306,265号、マグネトロンの異なる形状に対する米国特許第6,290,825号。上述の各特許は、全ての目的のために参照として本明細書に組み込まれる。
【0032】
同軸マイクロ波アンテナ710はマイクロ波を放射するためにパルス又は連続電力752に従属してもよい。マイクロ波はエネルギーをプラズマ中へ入力し、プラズマはイオン化を促進するために加熱され、それによってプラズマ密度が増す。同軸マイクロ波アンテナ710は、複数の同軸マイクロ波アンテナを含んでいてもよい。同軸アンテナ710の長さは、いくつかの実施形態においては約3mまであってもよい。同軸マイクロ波アンテナ710の1つの態様は、スパッタリングカソード又はターゲット716に隣接して均一な放電を提供できる。これによって、基板720を覆う大面積の一様な成膜が可能となる。
【0033】
基板720上のスパッタリングされる膜718の成膜を制御する目的のために、中央下方にターゲット716から間隔を置いて設置され、通常シールド754の内部にある基板支持部材724と接続されたRF電源830によって、基板720にバイアスを掛けてもよい。このバイアス電力は典型的な13.56MHzの周波数、又はより一般的には400kHzと約500MHzの間の周波数であってもよい。支持部材は導電性を有し、ターゲット716と支持部材724の間のさらなる電場を画定するように、概して接地されているか、又は別の相対正参照電圧に接続されている。基板720はシリコンウェハなどのウェハ、又は高分子基板であってもよい。特定のアプリケーションが要求する際には、スパッタリング中に基板720を加熱又は冷却してもよい。電源762は基板支持部材724内に埋め込まれた抵抗ヒーター764に電流を供給してもよく、これによって基板720を加熱するための台としてよく引合いに出される。制御可能なチラー760によって、台の中に形成された冷却チャネルに冷却水又は他のクーラントを循環させてもよい。膜718の成膜は、基板720の上面全域に亘って一様であるのが望ましい。
【0034】
真空ポンプ726は10−8torrの範囲内の極めて低いベース圧力にチャンバ748の空気を引くことができる。マスフローコントローラ742を介してチャンバ748に接続されたガス源740は、例えばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)、及び/又はこれらの混合物のような不活性ガスを供給する。図7に示されるようにターゲット716の上方チャンバ上部近く、又は基板720とターゲット716の間のチャンバ中央(図示されず)において、ガスはチャンバ内へ流されてもよい。チャンバ内部のガスの圧力は、典型的には0.2mtorrから100mtorrの間に維持される。
【0035】
マイクロプロセッサコントローラ728は、マスフローコントローラ742と、高周波電源732と、DC電源738と、マイクロ波電源752と、バイアス電源730と、抵抗ヒーター764と、チラー760を制御する。コントローラ728は、例えばランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリのようなメモリ、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、その他の形態のデジタルストーレッジ、ローカル又はリモート、汎用コンピュータプロセッサ(CPU)に接続されたカードラックを含んでもよい。ハードディスクに記憶されているコンピュータプログラムの制御のもと、又はリムーバブルディスクなどに記憶された他のコンピュータプログラムを介してコントローラは動作する。コンピュータプログラムは、例えば、タイミング、ガスの混合、ターゲットに印加されたDC又はRF電力、基板に対してバイアスを掛けたRF電力、マイクロ波源へ供給するパルス電力又は連続電力、基板温度、及びある特定のプロセスにおける他のパラメータに命令を与える。
【0036】
5.成膜プロセスの例
例証の目的のために、図8は基板上に膜を形成するために使用されるかもしれないプロセスのフローダイアグラムを提供している。まず、ブロック804において、スパッタリングターゲットが処理チャンバ内へロードされる。ブロック806において、同軸マイクロ波アンテナがマイクロ波を生成するためにスパッタリングターゲットの内側に設置される。ブロック808において、ある電圧が電源によってスパッタリングカソードターゲットに印加される。電源はDC、AC、RF又はパルス電源のうちの少なくとも1つである。ブロック810において、例えばパルス電力又は連続電力を用いた電源によってマイクロ波の電力は変調されてもよい。その後、ブロック812において、スパッタリング剤のようなガスが処理チャンバ内へ流される。
【0037】
キャリアガスはスパッタリング剤として振舞ってもよい。例えば、キャリアガスはHの流れと共に、又は不活性ガスの流れと共に提供されてもよく、不活性ガスの流れはHeの流れ又はArのようなより重い不活性ガスの流れさえも含んでいてもよい。異なるキャリアガスによって提供されるスパッタリングレベルは、それらの原子質量と逆相関の関係にある。流れは時には多数のガスを提供し、例えばHの流れとHeの流れの両方を提供し、処理チャンバ内で混合される。それに代わるものとしては、例えばH/Heの流れが処理チャンバ内に提供されるときのように、時には多数のガスがキャリアガスを提供するために使用される。
【0038】
ブロック814に示されるように、プラズマがスパッタリングカソードによってガスから形成され、更に1GHz〜10GHzの範囲の周波数、例えば一般に2.45GHz(12.24cmの波長)のマイクロ波によって増強される。また、電力要求がさほど厳しくないときは、より高い5.8GHzの周波数がしばしば使用される。より高い周波数源を使用する利点は、2.45GHzのより低い周波数源のサイズよりも小さいこと(約半分のサイズ)である。
【0039】
いくつかの実施形態においては、プラズマは1012ions/cmを超えるイオン密度を有する高密度プラズマであってもよい。また、いくつかの例において、電気バイアスを基板に印加することによって成膜特性に影響を与えてもよい。このようなバイアスの印加によって、プラズマのイオン種は基板に引き付けられ、時にはスパッタリングの増加をもたらす。処理チャンバ内の雰囲気は、いくつかの実施形態において他の方法で調節されてもよく、例えば、処理チャンバ内の圧力を制御する、ガスの流速とガスが処理チャンバへ入る場所を制御する、プラズマを生成する際に使用される電力を制御する、基板にバイアスを掛ける際に使用される電力を制御する等である。ある特定の基板を処理するために画定される条件の下、このようにして材料はブロック816に示されるように基板上に成膜される。
【0040】
6.同軸マイクロ波源及び構成の例
図9Aは、4つの同軸マイクロ波線源910と、基板904と、同軸電力提供装置908と、インピーダンスマッチングされた矩形導波管906を含む平面同軸マイクロ波源902を含む概略システムを示している。同軸マイクロ波線源は、導電プラズマの使用を通して外側導体層を同軸ケーブルに取り替えて形成してもよい。同軸マイクロ波線源に沿ったマイクロ波の伝播は、電磁波エネルギーをプラズマ加熱へ変換することによって大きく減衰する。
【0041】
同軸ケーブルは、誘電体のスペーサーと外側円筒導電体層によって取り巻かれている実質的に円筒形の内側中心導線を含む導電ケーブルである。内側中心導線と外側円筒導電体層の間の誘電体スペーサー内に実質的に電磁場が存在してもよい。
【0042】
同軸マイクロ波線源910において、マイクロ波が横電磁波(TEM)モードでチャンバ内に放射され、そこには軸方向又は縦方向に沿った電場又は磁場のいずれも存在しない。これは、電磁波が横電場(TE)モード又は横磁場(TM)モードで伝播する導波管とは異なる。TEモードにおいて、電場は完全に横電場となるが、磁場は縦成分も持っている。一方、TMモードでは、磁場は完全に横磁場となるが、電場は縦成分も持っている。
【0043】
例えば水晶又はアルミナのような耐熱性が高く誘電損失の低い誘電体材料でできた管は、導波管と真空チャンバの間のインターフェイスとして振舞う。誘電体層と導波管の間において、導波管を冷却するのを助けるために、例えば空気又は窒素のようなガスを用いることで大気圧が維持される。マイクロ波は誘電体材料を通してリークし、処理チャンバ内でプラズマ放電を点火させることが可能である。
【0044】
図9Bは、8つの平行同軸マイクロ波線源を含む平面同軸マイクロ波源の光学イメージを示している。各同軸マイクロ波線の長さは、いくつかの実施形態においては約3mまであってもよい。
【0045】
典型的には、マイクロ波プラズマ線の均一性は約±15%である。発明者らは、1mに対して約±1.5%の均一性を動的アレイ構成で実現でき、1mに対して2%を静的アレイ構成で実現できることを実証する実験を遂行してきた。この均一性は大面積に対して±1%を下回るまで更に改善されてもよい。
【0046】
更に、プラズマ密度が2.2×1011/cmを超えて増加するとき、プラズマ密度は増加しているマイクロ波電力によって飽和し始める。この飽和の理由は、一旦プラズマ密度が濃くなるとマイクロ波放射はより反射されるからである。入手可能なマイクロ波源における限られた電力のために、実質的にどんな長さのマイクロ波プラズマ線源も最適プラズマ条件、つまり非常に濃いプラズマを実現することはないかもしれない。マイクロ波電力をマグネトロン中へパルス化して送ることによって、連続マイクロ波よりもはるかに高いピークエネルギーをアンテナ内へ送ることが可能となり、これによって最適プラズマ条件に近づけることができる。
【0047】
図10は、パルスマイクロ波が連続マイクロ波と同じ平均電力を有していると仮定した場合の、連続プラズマ波に対するパルスプラズマ波のプラズマ効率の改善を示すグラフである。なお、中性のNに対する窒素ラジカルNの割合によって測定されているように連続マイクロ波は電離をより引き起こさない。パルスマイクロ波電力を用いることでプラズマ効率の31%の向上が達成できる。
【0048】
上記は本発明の特定の実施形態を全面的に記述したものであるが、多様な修正形態、変形形態、代替形態が用いられてもよい。更に、成膜パラメータを変化させるための他の技術を同軸マイクロ波源と共に用いることもできる。可能な変形形態の例としては、マグネトロンを有する又は有さない同軸マイクロ波アンテナを援用した回転可能なターゲット、異なる形状のマグネトロン、ターゲットへ送るDC、RF又はパルス電力、マイクロ波源が直線型又は平面型、マイクロ波源へ送るパルス又は連続電力、基板用RFバイアス条件、基板温度、成膜圧力、不活性ガスの流速他の様々な構成を含むがこれらに限定されることは無い。
【0049】
いくつかの実施形態を記述してきたが、多様な修正形態、代替構成、そして均等物が本発明の趣旨を逸脱することなく使用されてもよいことを、当業者は認めるだろう。また、本発明を不必要に曖昧にすることを避けるために、多くの既知のプロセスや要素は説明されていない。従って、上記の説明は本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システムであって、前記システムは、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内部に配置される回転可能なターゲットと、
前記回転可能なターゲットと電気的に連通し、前記回転可能なターゲットに電圧を印加するために適用される電源と、
前記回転可能なターゲットの外側に配置されるマイクロ波を生成するための同軸マイクロ波アンテナと、
ガスを前記処理チャンバ内へ供給するために構成されたガスシステムと、
前記基板を把持するために前記処理チャンバ内に構成された基板支持部材とを含むシステム。
【請求項2】
前記回転可能なターゲットは、誘電体材料、金属、又は半導体を含む請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項3】
前記電源は、DC、AC、RF又はパルス電源のうち少なくとも1つを含む請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項4】
前記回転可能なターゲットは、前記同軸マイクロ波アンテナの周りに実質的に対称に配置された複数の回転可能なターゲットを含む請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項5】
前記回転可能なターゲットは、前記回転可能なターゲットの中心軸の周りに実質的に対称な断面を有している請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項6】
前記断面は、実質的に円形又は環状である請求項5記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項7】
前記マイクロ波は、横電磁波(TEM)モードである請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項8】
前記回転可能なターゲットの近傍にマグネトロンが配置されている前記請求項1記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項9】
前記回転可能なターゲットは少なくとも2つのターゲットを含み、前記マグネトロンは前記ターゲットの近傍に少なくとも2つのマグネトロンを含み、前記2つの前記ターゲットは前記同軸マイクロ波アンテナの周りに実質的に対称に配置されている請求項8記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項10】
前記回転可能なターゲットは、誘電体材料、金属、又は半導体を含む請求項8記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項11】
前記回転可能なターゲットは、前記回転可能なターゲットの中心軸の周りに実質的に対称な断面を有している請求項8記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項12】
前記断面は、実質的に円形又は環状である請求項8記載のマイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜システム。
【請求項13】
マイクロ波を援用した回転可能なスパッタリング成膜方法であって、前記方法は、
処理チャンバ内でターゲットを回転させ、
DC、AC、RF又はパルス電源のうちの少なくとも1つを前記ターゲットに印加させ、
前記ターゲットの外側に配置された同軸マイクロ波アンテナからマイクロ波を発生させ、
前記発生させたマイクロ波の電力を変調させ、
前記処理チャンバ内へガスを流し、
前記発生させたマイクロ波によって前記ガスからプラズマを形成し、
前記プラズマから基板上に膜を形成することを含む方法。
【請求項14】
前記マイクロ波は、横電磁波(TEM)モードである請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲットの近傍にマグネトロンを配置することを更に含む請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記同軸マイクロ波アンテナは複数の平行同軸マイクロ波アンテナを含む請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記回転可能なターゲットは、誘電体材料、金属、又は半導体を含む請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記回転可能なターゲットは、前記回転可能なターゲットの中心軸の周りに実質的に対称な断面を有している請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記基板支持部材はRF電源によってバイアスを掛けることを更に含む請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−521107(P2011−521107A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509708(P2011−509708)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/043986
【国際公開番号】WO2009/140518
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】