説明

マイナスイオンの発生装置とその拡散方法。

【課題】 発生したマイナスイオンを瞬時に大気中に、無駄なくに放射させること。
【解決手段】マイナスイオン発生装置の電極とランプ、ヒータ等の熱源を同一の筐体で構成する。熱源によって空気は暖められて対流現象を起こす。筐体内にある発生したマイナスイオンは、対流現象によって瞬時に外部に放射する。熱源にはヒータの他に、照明器具、温風暖房機とマイナスイオン発生装置を併用して部屋、オフィスの環境を向上させる。光源調光制御装置を筐体内に備えて、照度を環境に適応させる事が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイナスイオン(negative ion)を効果的にかつ、簡便に瞬時に放射する装置と、その方法に関するものでる。
【背景技術】
【0002】
近年、環境の汚染が深刻になってきた。それと伴に人々の健康増進に関する関心は高まっている。環境汚染を排除して、気分をリフレッシュして健康を高めるには、周囲の空気の浄化が手っ取り早い。そこで、マイナスイオンがにわかに注目をあびてきた。
【0003】
マイナスイオンの定義は、大気概念の一種である。大気イオンには、正も負もある。マイナスイオンは、負の電荷をもったものの方とされる。この電荷をもつ物質は、酸素イオンの水和物、O(HO)もしくは、硝酸イオンや硫酸イオンの水和物と考えられている。
【0004】
人工空間のような非自然的環境では、プラスイオンが多く存在しており、これが様々な環境への悪影響を及ぼすとされている。これらのイオンのバランスを改善して大量のマイナスイオンを発生させれば、環境の浄化と人の精神を壮快にさせることが可能になる。
【0005】
マイナスイオンの発生装置は、コロナ放電方式、電子放射方式、プラズマ、レオナード方式、天然鉱石の利用(例えば、トルマン鉱石等)、木炭、竹炭などがある。前記3つは、いずれも放電による大気の電離をねらう。多くの提案されているマイナスイオン発生装置は、放電現象を使ったものである。第2電極を設置すれば、マイナスイオンと伴にコロナ放電によってオゾンが発生する。オゾンは、脱臭効果がある。
【0006】
典型的な放電は、低圧の気体中では低い電位差でおこる。電流を伝えるものは、電極から供給される電子、空気中にある宇宙線により電離されていたイオン、電界中で加速された電子が気体分子に衝突して新たに電離されて出来た気体イオンである。
【0007】
マイナスイオン発生装置に利用されている放電の持続装置は、コロナ放電と沿面放電が多い。コロナ放電は、尖った電極(針電極)の周りに不均一な電界が生じることにより起こる持続的な放電である。
【0008】
本発明は、マイナスイオン及びオゾンが効率よく大気中に発散するように、マイナスイオン発生装置に熱源を併設して、熱による対流を起こして室内及び、大気中に拡散させる事を目的にしている。
【特許文献1】 特開 2005−13831
【特許文献2】 特開 2002−373761
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点の一つは、設置場所、特別な装置を問わないでマイナスイオン発生装置と熱源を併設して、これらの機器から効率よくマイナスイオンを拡散する方法を提供することにある。
【0010】
室内、公共の場所にマイナスイオンだけの発生装置、機器を置くのは、効率的でない。他の機器、例えば、照明器具、ヒーター、温風ストーブ等にマイナスイオン発生装置を併設すれば効果的である。熱源と一緒であるからマイナスイオンの拡散に役立つ。
【0011】
さらに本発明では、これらの熱源、家庭用の機器にマイナスイオン発生装置を取り込んだ機器を置く事によって、多大なる効果が期待できる。森林浴に行ったのと同じ効果をもたらして、心身伴に壮快になる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため例えば、電灯照明器具にマイナスイオン発生層置を設置する。照明器具は、一般に閉鎖された円筒状、球状の形状をしている。特許公開2002−373761の空気清浄装置においては、電球型の方式が開示されている。
【0013】
例えば、公開特許2005−13831、のマイナスイオン・オゾン発生装置においては、イオンを効果的に発生させる電極の構造が開示されている。しかしこれらは、マイナスイオンの発生を即しても、発生したイオンが周囲に付着して、滞留るだけで容易に大気中、室内に効果的に拡散しない。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマイナスイオン発生装置は、熱源となる汎用機器に併設する。室内、オフィスであれば、照明灯に併設しておくだけで照明灯からの熱発散がマイナスイオンを室内、大気中に対流を起こして効率よく放出する。
【0015】
一例として電球のような照明灯をあげているが、照明器具は、一般に球状、円筒状のような閉じられた系のなかにある。電球が熱源になり時間の経過と伴に、系内の温度は上昇して、マイナスイオンの拡散に程よい対流現象を起こす。
【0016】
公共の施設においては、手洗い場に設置してある手の熱風乾燥機にマイナスイオン発生装置を装着してトイレの嫌な悪臭の除去に効果がある。さらに屋外の広告塔、ショーウインドウー等の照明灯に設置すれば、都会の中で森林浴と同じ効果が得られて、人の集まる場として有効である。かつ、照明灯に調光機能を備えて適宜明るさを調整して、環境にやさしい照度に保つ事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態について図面により説明する。
【第1実施形態】
【0018】
図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明する。図1は、本発明による原理を示すブロック構成図である。
【0019】
図1において符号11は、電源であってこの場合一般商用電源である。12は、閉鎖された系であって、本実施形態では、照明器具の灯体を示す。13はAC/AC昇圧用高周波トランスと整流器を含む電源部である。14は電子放射、放電に必要な高圧電源部である。
【0020】
図1の14は、約数KV〜数10KV程度の高電圧であって、電流値は、数十μA程度である。15は電子放射電極16の支持導体である。16は電子放射の針電極である。電子放射は16のように針状電極を集束したものとか、この他に板状、棒状、極状のものが効果的である。
【0021】
17は、12の内部の空気を暖めて、マイナスイオンの放射を促すための熱源である。熱源には、ヒーター、ランプ等がある。本例では、照明灯である電球のフィラメント、蛍光放電管を示している。
【0022】
18は電子放射針電極より放射されたマイナスイオンを示す。図1の状態では、マイナスイオン18は17の内壁に付着している。12の空間には、図示していないマイナスイオン18が浮遊して一杯になっている。
【0023】
19は12の開口部である。12の空間に浮遊している又は、内壁に付着しているマイナスイオン18が21の熱サイクルで膨張した空気が対流を起こして、19の開口部からいきよいよく外部に放射される。Δeは、外部に吹き出たマイナスイオンである。ΔQは12の内部に発生した熱容量である。これによって対流が発生する。
【0024】
20は12への空気の吸入口である。12の閉じた系に、熱源17によって対流21が発生する。この対流によって、12の内部に充満したマイナスイオンは、19の開口部よりΔeとなって大気中に放射される。12の内壁に付着しているマイナスイオンは、対流ΔQによって押し出される。
【0025】
図1においては、電子放射によって発生したマイナスイオンが熱源17による対流現象を引き起こす。ΔQは、12の内部、内壁にあるマイナスイオン18がΔeをとなって大気中に放射する模式を示している。
【0026】
図2は、熱拡散方程式を示す。熱の発生によって対流ΔQを引き起こし、マイナスイオンを閉じた系12から大気中にΔe放射する模式を図1で説明した。熱は温度の変化として捉えられる。ある部分の熱容量がCであり、温度がΔT変化した時、熱はΔQ=CΔTだけ変化する。
【0027】
熱の伝導には、熱の移動がともなわない熱伝導、流体の流れをともなう対流、そして放射がある。熱の移動に関してはフーリェの法則として、
J=−k▽T がある。
つまり温度勾配に比例する熱流Jが起きることが経験的に知られている。
【0028】
初期条件として熱が一点に集中している場合、方程式は以下のように示される。
T(x,t)=√1/2πDt*e−x/(2Dt) であり、
熱は拡散的であって広がる速さが時間に比例しない。広がりの2乗が時間に比例して、
=Dt として広がる。
図2(a)は、この解を示したものである。
【0029】
また、境界の温度を時間によらない一定値に決めると直線的な勾配をもつ温度分布が得られる。図2(b)は、定常的な熱伝導、
j=x−x で示される。
すなわち、
T(x)=T+(T−T/l)*x となる。
このとき、

【0030】
太陽熱が途中の空気を熱せずに地面を直接熱するのは、放射によるものである。また、ストーブの熱も放射によって伝わる。また、物を熱していくと赤くなりその後黄色、白色に変わっていく。これは、高温で短い波長の光放射の割合が多くなっていくためである。熱を伝える効率のよい波長は、おもに不可視光の赤外線、波長0,75μmから数ミリメートルである。
【0031】
一定温度に保たれた壁で囲まれた空洞内で熱平衡状態にある電磁波が、小さい穴から放射する様子は、黒体放射という。そのスペクトル(振動数νの分布)が壁、形、大きさのよらず温度だけできまることがキルヒホッフの放射法則として示されている。
【0032】
真空中での電磁波のエネルギー密度u(λ,T)(λは波長、Tは温度)に関しては、気体とのアナロジーによるウイーンの公式等を経てブランクの放射公式に導かれる。この解を示したのが図3である。即ち、
u(λ,T)dλ=(8πhuV/λ)−(dλ/eβhc/λ−1)となる。
この公式では、光のエネルギーがhc/λ(−hν)の整数倍の値しかとれないことを意味しており、エネルギーの量子量を明らかにしたものである。ここで出てきた定数hは、ブランク定数とよばれる。
【0033】
図4は、温度境界層を示したものである。一般に、固体と流体が接しているとき、固体表面とそこに接している流体間に熱交換(熱伝導)がおこる。その部分の流体に流れ(対流)が生じる。図4はこれを示しており、この領域は温度境界層とよばれる。
【0034】
図に示すように、固体表面とバルクの流体の温度差は、ほとんどこの薄い領域で変化する。温度境界層を通して熱の流れは、熱伝達率hで与えられ、単位はW/mある。熱伝達の大きさqは、固体表面の温度Tと流体のバルクの温度Tを用いて、
【0035】
【数1】

と表現される。
【0036】
以下の式は、拡散方程式と、呼ばれ、物質が拡散していく様子を示す。
【0037】
【数2】

前記図2(a)は、一点に集中していた分布が拡散していく様子を示すと考える
【0038】
空気の密度は温度が低いと大きく、高温になると小さくなって激しく移動するようになって、対流現象を起こす。気体分子は、固体のように繋がっていなから熱運動によって自由に動く。この熱運動によって、気体分子は互いに衝突しながら乱雑に動きまわる。この動きは、高温になるほど激しくなる。
【0039】
次に、熱力学の第1法則によって熱の変化量の説明をする。熱は、エネルギーの一形態である。系の全エネルギーの変化量は、巨視的に把握できる過程による仕事と、把握できない熱の移動で与えられる。ジュールの実験によって明らかになった熱と仕事の等価性により、全エネルギーの変化はその和によって与えられる。
【0040】
系の内部の全エネルギーをUとすると、その変化分は仕事による部分と熱による部分の和として、
【0041】
【数3】

で示される。ここで、Uは内部エネルギーと呼ばれる。Uの変化が仕事ΔQである。このように、全エネルギーの変化が仕事と熱の移動で表される。
【0042】
また、状態量という考え方がある。熱平衡状態を与えると、その状態の量として一意的に決まる量のことを状態量という。体積や圧力、内部エネルギー、系に含まれる粒子数など普通の量である。2つの異なる状態でこのような量の差を考えると、差自身も2つの状態だけの関数である。
【0043】
とくに、無限小の差のことを全微分といい、普通dをつけて表す。たとえば、内部エネルギーUの全微分は、dUである。また、状態Aと状態Bでの内部エネルギーの差は、
【0044】
【数4】

で与えられる。
【0045】
例えば、図5に示す気体サイクルで考えと、最初、a点で示される(Va,)の状態であったとする。この状態の体積を一定に保って外界から熱を吸収させると、系の圧力が高まり、点bに移る。そこで熱の出入りを断ち、断熱的にピストンを動かすと体積が大きくなり、点cに移る。
【0046】
この過程で気体は外界に、
【0047】
【数5】

の仕事をする。このサイクル1周(a→b→c→a)で系が外界にした仕事は、
ΔW=ΔWbc−ΔWcaである。
図の斜線部分の面積で与えられる。
【0048】
ここでいう系は、図1の模式図の12を示す。即ち、図2〜図5の説明は、熱の移動によって対流が起きて、系の外界への流れの変化につき表したものである。系、即ち球状体に開口部、図1の19を設ければマイナスイオンΔeは、外に向って放射する。開口部の効果は、熱源を系内に設けてあれば、熱力学理論によって外界に拡散する様子が証明できる。
【第2実施形態】
【0049】
図6は、本発明による代2実施形態を示す図である。ここでは、マイナスイオン発生装置と熱源であるヒーターを組み合わせて温風効果と、マイナスイオンの放射効率を上げている。図において、62はマイナスイオン発生装置、ヒーター本体を示す。61は、電源部であって、AC/AC昇圧トランス、DC変換清流回路とヒーターに給電する商用電源である。
【0050】
63は65の電極の支持導体とヒーターとを兼ねた部材である。ヒーターは、ハロゲンランプを使用したもの、ヘアードライヤであればニクロム線等の熱源である。64は電極65の支持体であって、65はマイナスイオン電子放射用の電極である。電極の形状は、細い線状のものを束ねて、針状、球状、板状のもので良好な効果が期待できる。
【0051】
66は、63からの温風、65からのマイナスイオンを放射する開口部である。ヒーターを主体にする場合は、この開口部を用途に応じて大きくして、又は開口部を設けないで円筒状にしてもよい。63をハロゲンランプを使ったヒーターであれば、照明にもつかえる。室内、公共施設の天井、床上に設置すれば照明、暖房、マイナスイオンの効果が得られる。前記説明したように熱エネルギーは、赤外線より長い波長ほど効果がある。
【0052】
68は、空気の吸入口である。外気の温度の低い空気が入ってくる。69は、熱の移動によって62の系内に対流が起る。この対流によって、温風とマイナスイオンは外部に放射される。70のΔheは、外部に放出されたマイナスイオンと温風を示す。
【0053】
なお、66の開口部の近辺に第二電極を設ければ、65との間でコロナ放電が発生してオゾンとマイナスイオンを生成する。オゾンは、脱臭効果があるから、室内、公共における環境の浄化に効果を発揮する。
【第3実施形態】
【0054】
図7は、電球型マイナスイオン発生装置を示す。図7(a)は、平面図であって71はランプ、照明器具のケース、外枠である。72は、マイナスイオン放射用の開口部である。図7(b)は、断面を示す。73は蛍光灯であって、左右に設けている。この蛍光管は、熱源になって71の灯体内部に時間の経過とともに、温度が上昇して対流現象を促してマイナスイオンを外部に放射する。
【0055】
74は、電極支持導体であって、75はマイナスイオン発生の電極を示す。前記説明したように、75の近傍に第二電極を設置すれば、コロナ放電が発生して、オゾンを放出する。マイナスイオンとオゾンの相乗効果によって環境浄化に一層の効果がある。本実施例では、一般家庭、オフィスで使用している電球、ランプにマイナスイオン発生器とマイナスイオンの放射効果を促す熱源に、ランプを使用している。特別にマイナスイオン発生装置、コロナ放電装置を用意しなくても環境の浄化と照明器具の一石二鳥の効果を生み出す。
【第4実施形態】
【0056】
第4図は第4実施形態の原理を示すブロック図である。二つのインバータを備えている。83はマイナスイオン発生用の高圧電源用であって、102は調光用のインバータである。102のインバータの出力端に光源制御部92があってパルス幅変調を行って(PWM:pulse width modulation)91の光源の調光をおこなう。PWMによって光源の明るさは人の好み、使用環境に応じて自在に変えられる。92に接続している93はフォトセンサであって、周囲の明るさに応じて室内、環境を一定の照度を保ちたい場合の自動調光制御のための周囲光を入力する照度センサ、フォトセンサである。
【0057】
照度センサ93は、分光感度特性をいかに人間の視感度に近づけたものを使う事が重要である。多くのフォトダイオードやフォトトランジスタは価格の安いSi(シリコン)が使われる。Siフォトダイオードの分光感度は赤外線領域である800〜900nmにピークがある。赤外線領域に感度があると、光源が白熱灯か蛍光灯によって出力に大きな差がある。このため人間の目には、暗い照明でも明るいセンサが誤った判定をするという恐れがある。このため本案では分光感度が人間の視感度を一致するように、ソフトウエアによってフィルタを構成して補正する。図9の115のDSPによって人間の視感度と同じにするデジタルフイルタを構成している。
【0058】
図8において83のインバータは高圧電源生成用であって、おおよそ周波数20Kz程度である。102の光源調光用のインバータは500Hz〜50KHz程度である。したがって20Kz固定で調光を行う場合には、102を設けないで83だけでよい。光源の調光範囲は多少狭くなるが、部品点数が少なくなってコストダウンになる。
【0059】
94は調光器リモコン96より調光信号が入力する。ユーザは明るさを変えたい時に、96にある照明を明るくするボタン99を好みに応じて押せば、98より発生するIrDA(遠赤外線)、LED(発光ダイオード)、超音波信号等を94の入力センサに発信すれば91の光源は、より明るくなる。
【0060】
調光リモコン96のボタン100を押せば、暗くなる。92のPWMはパルス幅制御によって91の光源に送るエネルギーを少なくする。
97のボタンは、オンオフ機能であって照明を点灯、消灯する。92の変調器の動作を止めれば、光源91には電力は供給されない。97のボタンは、光源のオン、オフ機能であって89のマイナスイオンを止めるわけではない。従って、マイナスイオンは放出して照明のみ消したりつけたい時に使う。マイナスイオンの発生と照明の制御は、別系統で個別に制御できる。
【0061】
95は外部スイッチであって、リモコン96を介さないで光源91をオン、オフするときに使う。部屋の壁、机にまたはベットライトの一端において制御できる。PWM制御は光源の明暗の制御と伴に、オン、オフもできるから照明灯91のスイッチとして使用できる。かつ、90のマイナスイオンの放出に関係なく制御できるから目的に応じて利便性が享受できる。寝室での使用には最適である。寝る前に読書をして、睡眠に入ったとき96の図示していないタイマースイッチをセットしておけば一定時間後に照明灯は消えて、マイナスイオンのみ放出されて快適に安眠できる。
【0062】
図8において、81は一般商用電源、82は整流回路、83はインバータで高周波に変換する回路である。84は高周波トランスであって、コロナ放電、マイナスイオン発生に必要な高電圧に変換する。85は高電圧整流回路であって、他端87をアースにおとして86に導かれた88の電極からマイナスイオン90を放出する。89はマイナスイオンの放出方向を示す。なお、81の商用電源と82の整流回路の間には図示していないスイッチを設けている。このスイッチは電源の供給を遮断するから91の光源、90のマイナスイオンともに、オン、オフできる。
【0063】
図9は調光用の内部回路構成を示すブロック図である。図において、123は内部システムバスであって各種機能部位と連結している。111はCPUで、演算処理をおこなう。112はCPUの実行処理を行うためのプログラムメモリであり、113はプログラム処理時のランダムアクセスメモリである。114はデータメモリであって、外部93、94,95のセンサから取り込んたデータやCPUの演算時に発生したデータを格納するメモリである。
【0064】
115はDSP(digital signal processor)、演算計算専用の高速プロッセッサである。本案のようにパルス幅制御、位相制御を高速で行う場合CPUだけの処理では時間的に間に合わない。そこでCPU111はこの演算、計算処理を115のDSPに処理させて、演算結果を113のRAMにデータを格納する。このデータにもとづいてPWM制御をおこなう。124はタイマーであってユーザの好みに応じて所定時間後、所定時間に照明灯をオン、オフしたり、時限を設けて明るくしたり暗くできる。又、マイナスイオンの発生も時限的にオン、オフできる。
【0065】
116、117は外部素子との接続をおこなうインタフェース部である。116のI/01は外部のセンサに接続している。93はフォトセンサであって、周囲の明るさ検知する。そして予め設定してある照度に保つように光源ランプ91を安定して発光させる。93の周囲光センサは、部屋の片隅、寝室のベットの一端、天井に備える。93からの出力はCPUによって演算処理して適正な明るさに91を調光する。
【0066】
94、95はリモコン96から発生する制御信号受光用のフォトセンサである。94は96のリモコンからの調光信号をうけてPWM制御する。96の99の明、100の暗信号を受信する。95はオン、オフ信号を受信するフォトセンサである。96から97のボタンを押圧して変調のオン、オフを行えば光源91は明滅する。120は外部センサ93,94,95との接続線である。95は光源の点灯、消灯信号受光センサである。
【0067】
117のI/02はインバータからの入力である。このインバータはコロナ放電、マイナスイオン発生用の高電圧を得るための高周波である。本案の特徴は、この高周波電源を利用するところにある。少なくともI/02は二つの機能をもっている。外部から高周波電源を入力して、111のCPU,115のDSPが演算、計算してPWM値を決定する。その結果をPWM制御、位相制御、PPM(pulse position modulation)制御として91の光源を調光制御する。即ちインバータを利用して118の出力部から91の光源に調光フィードバックする。
【0068】
図10はパルス幅制御(PWM)、位相制御の模式を示した図である。図10(a)はパルス幅制御の原理図を示す。130、131、132はパルス幅を調光の程度の応じて推移(shift)していく図であって、光源への供給電力はそれぞれ133、134、135のような波形になる。133は2サイクル、134は1サイクル、135は1.5サイクルであるから電力の光源への供給は周波数のサイクルに応じて加減される。
【0069】
図10(b)は位相制御を説明する原理を示す模式図である。図において141は交流の波形の半波長(180°)を示し142は非導通角であって、143は導通角である。図の例では、40°が非導通部で140°の導通部である。従って78%の電力が光源に供給される。θtは半波長180°であって、θ1は140°の導通角を示す。
【0070】
図11は連続的に位相制御する模式を周波数毎に示したものである。図11(a)は一般商用電源50Hz時の連続的位相制御の変位を示している。151の50Hz全波長は時間軸において20mmsecである。T1は全波長を示し、θ1、θ2、θ3、θ4は導通角を示す。図の模式は光源の照度が漸減していく様子を示している。
【0071】
図11(b)は電源周波数50KHzの模式を示した。高周波になるほど光源のチラツキは少なく安定している。蛍光灯の場合は、一般商用周波数より50KHzでは、理論上100倍の安定性がある。図の模式は図11(a)と同様に光源の照度を漸減させているが、152の波形は50Hz電源より安定して暗くなっていく。図においてt2は周波数50KHzの時間軸、20nsecである。θ’1,θ’2,θ’3,θ’4は50KHzのときの導通角を示す。
【0072】
図12は可変周波数制御(PPM)によって調光をおこなう模式図を示である。153の交流波形は10KHz〜50KHzまで連続的に可変させている。この波形を位相制御する。したがって微細に光源の調光が可能である。安定して光源の照度は漸増、漸減する。可変調整スイッチはスムースに変化して調光範囲も大きい。波形153の周波数は、nm1〜nm4まで変化することを図の例で示している。θnl〜θnmは位相制御の導通角を示している。
【0073】
図12(b)はパルス幅制御(PWM)と周波数制御(PPM)を併用した模式図である。この方法だとより繊細に光源の調光が行える。154の波形は周波数が連続的に変化して、かつパルス幅制御を行う。図においてt1,t2では周波数が異なっていて、かつパルス幅制御であるから154の周波数波形の個数は制御される。光源への電力供給は、この周波数の個数に依存するから調光をよりスムースに行えるという特徴がある。
【0074】
図13の曲線155は、位相制御の導通角度と光源の照度の関係を示した図である。横軸は導通角θ°、縦軸は照度lxを示す。この図から一般の白熱灯と蛍光放電管の差は多少あるが、角度40°にならないと発光しない。位相制御だけでは、図からも判るように40°〜120°までは急激に調光する。調光の範囲は少ないから、調光スイッチを加減したとき照度は暗から明に又、明から暗に急激に変わってしまい使い勝手はよくない。従って、図12に示したように可変周波数制御、パルス幅制御を併用すると調光幅は大きくなって使い勝手は良くなる。
【0075】
図14は光源に供給する電源周波数と照度の関係を示した図である。曲線156はこれを示す。横軸は周波数であってKHzで縦軸は、照度lxを示す。図より判るように周波数が上がっていくとチラツキを少なくなって、蛍光放電管の場合には照度は明るくなっていく。これより図12の可変周波数制御(PPM)、パルス幅制御(PWM)、位相角制御を適度に組み合わせて行けば有効な使い勝手のよい光源の調光が行える。
【0076】
以上説明したように白熱電球、蛍光灯、LED光源を問わず位相制御、周波数制御、パルス幅制御を組み合わせて調光をおこなえば、スムースな照度の調節が可能になる。図13に示したように従来の位相制御だけでは、照度の可変範囲が狭くて使い勝手が良くない。本案によれば、可変領域は広く取れて容易に好みの明るさに調整できる。タイマーを使えば時間と伴に照度は漸減して眠りを誘引する。マイナスイオン効果も重畳する。逆に、照度を漸増させていけば目覚めの効果を増長させる。
【第5実施形態】
【0077】
図15は本調光装置を備えたマイナスイオン発生器付照明灯の実装形態である。照度調整用のリモコン96は好みに応じた明るさに調光する。先に図13にて説明したように導通角40°以内か、パルス幅制御ではパルスを消滅させれば光源は発光しない。したがって光源のオンオフ、スイッチになる。リモコン96にある97のスイッチをオン又は、オフさせれば光源の明滅スイッチになる。
【0078】
図15において、161はマイナスイオン発生用の高電圧電源と、図8に示した光源調光用の電源部と制御装置を備えている。いずれも高周波トランス、マイクロコンピュータ、電子部品にて構成されていて超小型ユニットである。161は図示していない商用電源との接続部、例えばエジソン型ねじ込みソケットを設けている。162は調光用リモコン96からの信号を受信するフォトトランジスタ、フォトダイオードである。162は電源部の一端に設けてあって実装上突出していない。
【0079】
163は光源より発生する光である。図の例では光源、白熱灯、蛍光灯は63の中に格納されている。63は対流を起こしてマイナスイオンを62の筐体から66の開口部から放出する光源、熱源である。本案は、このようにマイナスイオン、光源、調光制御装置をランプ形状の筐体のなかに一体化したところに特徴がある。
【0080】
本案による光源の照明制御は、ヒータ等の暖房器具に使うこともできる。天井、足元から寒い季節に暖風を吹き込めば快適である。かつマイナスイオン効果によって、効果は重畳する。位相制御、周波数変調、パルス幅変調方式を熱源に採用すれば適度な温度に保てる。暖房の制御に使う場合は、図9の93のフォトセンサの他に周囲温度を検知するサーミスタ等の温度センサを設けてフィードバックすればよい。光源と暖房の双方に使えてマイナスイオンの発生から放出まで一層の効果があげられる。
【0081】
以上説明したように、マイナスイオン、コロナ放電装置を光源と組み合わせて、マイナスイオン、オゾンの放射を効果的に行って、かつ光源の調光を幅広くスムースに行える。コンピュータ制御を駆使して調光の使い勝手がよくなって利便性を良好にできる。さらに光源をランプと伴に、ヒータを使えば照明器具、暖房器具として普通に使え、かつ気分を壮快にさせるという一挙両得の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同、熱拡散方程式の解を示す図である。
【図3】同、熱放射公式の解を示す図である。
【図4】同、温度境界層を示す図である。
【図5】同、熱サイクルを示す図である。
【図6】第2実施形態の構成を示す図である。
【図7】第3実施形態の構成を示す図である。
【図8】第4実施形態のブロック構成を示す図である。
【図9】同、調光制御部を示すブロック図である。
【図10】同、パルス幅変調、位相制御の原理を示す模式図である。
【図11】同、位相制御を示す模式図である。
【図12】同、周波数変調を示す模式図である。
【図13】同、導通角度と照度の関係を示す曲線である。
【図14】同、周波数と照度の関係を示す曲線である。
【図15】第5実施形態の実装を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
11、81 商用電源
12 ケース、外枠
13 交流・直流変換器、高圧トランス
14 高電圧発生器
15,64,74 電極支持導体
16、65,75 電極
17、63 熱源、ランプ、ヒータ
18 マイナスイオン
19、66,72 筐体開口部
20、67,68,78、 空気吸入口
21 対流熱
22 放射マイナスイオン
61,76 電源部
62 側壁、筐体
69 対流
70 マイナスイオン、温風
71 ランプケース、筐体
73 ランプ
77 ソケット
82 交流・直流変換部
83,102 インバータ、高周波トランス
85 高電圧発生器
86 引出部、リード線
87 アース設置部位
88 マイナスイオン放射部
89 マイナスイオン放出方向
90 マイナスイオン
91 光源、ランプ
92 調光制御部
93 周囲光検知フォトセンサ
94 信号受信センサ
95 明滅スイッチ
96 調光用リモートコントローラ
97 光源明滅ボタン
98 調光発信用フォトダイオード、超音波素子
99 調光用明るさ漸増ボタン
100 調光用明るさ漸減ボタン
101 調光制御信号
111 CPU,演算部
112 ROM,プログラムメモリ
113 RAM
114 データメモリ
115 DSP,演算計算専用プロッセサ
116、117 IO部、入出力部
118 光源変調出力部
120,121,122 入出力ライン
123 システムバス
124 タイマ
130,131,132 パルス幅
133,134,135 変調波
141 交流半波長
142 非導通角
143 導通角
151,152 交流波形
153、154 変調波形
155,156 照度曲線
161 光源調光、マイナスイオン発生電源部
162 光源調光変調信号受光素子
163 光源からの光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子放射によるマイナスイオン発生装置と一方に照明灯等の熱源とを設けて同一の筐体に収納する手段と、
発生したマイナスイオンは、熱源を手段にして熱対流を起こし、効率よく筐体外に放射する手段、
該筐体に開口部を設けて前記発生したマイナスイオンを放射して、熱対流現象によって筐体壁面に付着したマイナスイオンを瞬時に外部に放出する事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の熱源は、暖房機器、照明灯、温風機である事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項3】
マイナスイオン発生装置の電極の近傍に第二電極を設けて、コロナ放電を起こす手段を設けて、オゾンを発生して環境浄化装置を備えた事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項4】
マイナスイオン発生用の電源部に、ランプ等の電源を備えて外部のスイッチ等の手段によって、明暗の調節を可能にした事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項5】
前記請求項4の光源の電源は、商用電源からマイナスイオン発生用の電源部と同様に直流に変換して、直流より高周波を生成するインバータを備えて、パルス幅変調、可変周波数変調、位相制御等の手段によって安定したランプ発光を得る手段と、
該手段によってランプ照度の調光を可能にした事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項6】
前記ランプの調光は、パルス幅変調、可変周波数変調、位相制御を適宜組み合わせて電源の制御をおこなって、調光範囲を広範囲にした事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項7】
前記記載のパルス幅変調、可変周波数変調、位相制御方法は電源部に備えた制御装置によって可能にしたこと、該制御装置はCPU,演算専用プロセッサDSPによって構成した事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項8】
ランプ等の調光は、外部のリモートコントローラによって照度を設定する手段と、該リモートコントローラ上に明、暗ボタンを設けて押圧することによって暗から明に、明から暗にスムースに調光できること、光源の点滅ボタンを設けてあって点灯時は前記請求項5に記載の変調を行う事によってランプは点灯して、再度点滅ボタンを押圧すれば変調を停止してランプが消灯する手段を設けた事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項9】
施設、部屋等周囲の明るさを検出するフォトセンサを室内の一端に設けて、周囲の照度を検知して常時適正な照度を得る事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項10】
前記請求項8に記載のリモートコントローラと、室内等の一端に備えたボタンによって、照度が明から暗、暗から明に遷移するタイマを設けて安眠、覚醒を促す事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項11】
前記請求項5に記載の光源、熱源用の電源インバータは、マイナスイオン発生用電源部と併用可能である事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。
【請求項12】
前記記載の光源調光装置は、ヒータ等の熱源の温度制御に適用できる事を特徴とするマイナスイオンの発生装置とその拡散方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−141837(P2007−141837A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302092(P2006−302092)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(596098645)
【Fターム(参考)】