説明

マグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置及びマグネシウムストリップの製造方法

【課題】マグネシウムストリップを最終圧延装置の範囲内でより効果的に加熱する。
【解決手段】薄いマグネシウムストリップ30を製造するための最終圧延装置10に、ロールギャップ31を定義する2つの加工ロール32,33を収容するロール架台11と、コイル29を収容してロールギャップ31にマグネシウムストリップ30を供給するための第1コイラー13と、マグネシウムストリップ30がロールギャップ31を貫通した後、マグネシウムストリップ30を巻くための第2コイラー12とを設ける。予熱炉15による予熱プロセスの後、第1コイラー13及びロール架台11に熱放射からコイル29又はマグネシウムストリップ30を守るフード装置21,22と加熱装置27,37とを設ける。第1コイラー13のフード装置21がコイル29をロール架台11の外方を向くそのハウジング側上のフード装置21に導入するためのコイル通過孔23の役割をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールギャップを定義する少なくとも2つの加工ロールを収容するロール架台と、コイルを収容して上記ロールギャップにマグネシウムストリップを供給するための第1コイラーと、マグネシウムストリップが上記ロールギャップを貫通した後、該マグネシウムストリップを巻くための第2コイラーとを有し、特に予熱炉による予熱プロセスの後、最終圧延工場に供給されるコイルの基礎をなす薄いマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置に関し、更に、この種の最終圧延装置を用いた薄いマグネシウムストリップを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
増加する需要により、薄いマグネシウムシートの製造は、ますます顕著になっている。特に、マグネシウムシートが、車体の製造に適し、アルミニウムシートの強度特性と同等の強度特性を有するものの、より軽量であり、新規な運転構想の開発の他に、自動車の動作中にエネルギーを節約するためのオプションを潜在的に実現することができる。
【0003】
しかしながら、鋼又はアルミニウムシートの製造と比較すると、マグネシウムが通常その六方格子構造のため冷間圧延工程の間に存在する処理温度においてもろいので、マグネシウムシートの製造が、マグネシウムシートをうまく加工するための温度域において達成することができる材料の相対的な延性を利用するために、230℃から450℃の間にほぼ位置する所定の温度域の観察を必要とするように、マグネシウムシートの製造は比較的難しくなることがわかっている。
【0004】
特許文献1は、マグネシウムストリップを製造するための生産ラインの一部を形成する最終圧延装置を開示し、その工程において、マグネシウムストリップが最終圧延装置に導入された後、マグネシウムストリップの温度を上げるように維持するために、異なる処置が行われる。例えば、コイラーマンドレルに配置されるマグネシウムストリップがコイラーの温度損失を最低限に維持するために曲がった管によって覆われるように、曲がった管は反転している最終圧延装置のコイラーに設けられ、コイラーマンドレルの外側のカプセル化を形成する。加えて、連続炉は、公知の最終圧延装置の搬送側上のロール架台とコイラーとの間に配置され、反転モードにおいてマグネシウムストリップを加熱することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願10 2006 036 224号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、公知の最終圧延装置において、ストリップ面がコイラー間で増加するので、連続炉の中間装置がコイラー間のより長いストリップ搬送距離を結果として生み、据付支出及び最終圧延装置のスペース要求が増加する付加的連続炉は、生産ラインの相互補間的構成部分となる。したがって、連続炉において実現されるマグネシウムストリップの温度増加は、少なくとも高い温度損失で部分的に埋め合わせられる。
【0007】
本発明は、上述した問題点を除去し、マグネシウムストリップが最終圧延装置の範囲内でより効果的に加熱されることができるような最終圧延装置及びそれを用いて薄いマグネシウムストリップを製造する方法を提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、最終圧延装置は、請求項1の特徴に従って実現される。
【0009】
本発明の最終圧延装置では、第1コイラー及びロール架台(特に加工ロール又は加工ロールをサポートするバックアップロール)の少なくとも一方において、熱放射からコイル又はマグネシウムストリップを守るフード装置と加熱装置とが設けられ、少なくとも第1コイラーのフード装置は、コイルをロール架台の外方を向くハウジング側上のフード装置に導入するためのコイル通過孔の役割をする。
【0010】
本発明によれば、第1コイラー及びロール架台の少なくとも一方は加熱装置と結合され、コイラーの領域の熱放射からコイルを守り、ロール架台の領域の熱放射からマグネシウムストリップを守るフード装置により効率が改善される。すなわち、この方法では、マグネシウムストリップをコイラーの間の搬送距離に影響を及ぼして不利を受けることなく最終圧延装置の領域において加熱することができる。すなわちマグネシウムストリップを、拡張した搬送距離のためのより高い温度損失への可能性なしで加熱することができる。従来の最終圧延装置と比較すると、本発明の最終圧延装置は、据付のためのいかなる付加的な空間も必要としない。
【0011】
少なくとも第1コイラーのフード装置が、コイルをロール架台の外方を向くそのハウジング側上のフード装置に導入するためのコイル通過孔の役割をするので、防止できる温度損失が積載プロセスの間にコイラーの領域に起こらないように、コイルがコイラーに入れられるときに、コイラーからフード装置を取り除く必要はない。コイルが、そこに載せられた後コイラーの動作の間、熱損失に対するさらにより良好なシールドを成し遂げるために閉じることができるようにコイル通過孔が形成されるのが望ましい。
【0012】
フード装置がモジュール的に改造されることができ、現存のコイラーと結合されることができる装置の形で実現されるように、特に加熱装置をフード装置に配置することが有利である。その場合、コイラー又はロール架台に対する加熱装置の据付が別途必要でないように、フード装置はすでに加熱装置の役割をする。
【0013】
特にロール架台に関し、フード装置と独立して加工ロール又はバックアップロールの領域に配置される例えば熱ラジエータの形の加熱装置を実現し、及び/又はロール架台又は最終圧延装置の全てを保護する煙フードの形でフード装置を実現することができる。
【0014】
コイラーのフード装置がコイルを収容するためのスプールを導入し、そして、取り外すために最終圧延装置の床スペースに対向するハウジング側のスプール通過孔の役割をすることは、特に有利である。マグネシウムストリップがコイラーに収容されたスプールから繰り出された後、例えば、マグネシウムストリップがスプールに伝熱により冷やされず、予熱されたスプールによって熱をむしろ供給されるように、フード装置を分離しなくてもよいコイラーからスプールを取り外し、次のロールパスの間、マグネシウムストリップを巻く前に、新規な予熱されたスプールをコイラーに導入することもできる。
【0015】
スプールの速い交換と、スプールのための最小ハンドリング及び搬送距離とに関し、床下装置の形で床スペースの下に少なくとも1つのスプールをスプール供給装置に設けることは、特に有利であり、このスプール供給装置には、スプールをフード装置に位置したコイラーのスプールレセプタクル装置へ導入し、又はスプールレセプタクル装置から取り除くのに役立つスプールハンドリング装置が設けられる。
【0016】
スプールを予熱するためにスプール供給装置に加熱装置を設けることも、特に有利である。
【0017】
複数のスプールを供給するために、スプール供給手段が、移送位置にある複数のスプールを装填するための水平コンベヤと、スプールレセプタクル装置の移送位置と巻上位置との間にスプールを運搬するための垂直コンベヤの役割をするスプールハンドリング装置とを含むことは、特に有利である。
【0018】
最終圧延装置を加熱するための更に有利な方法は、他の従属クレームの目的を形成する。
【0019】
本発明の目的を遂げるために、発明の方法は、請求項10の特性に従って実施される。
【0020】
本発明の方法において、第1コイラー及びロール架台の少なくとも一方は、最終圧延装置の動作中、ロールギャップを通って搬送されるコイラーに収容されたコイルとマグネシウムストリップとを熱放射からそれぞれ保護するフード装置を備え、コイル又はマグネシウムストリップは、ロール架台の外方を向くフード装置側の加熱装置によって、コイルのフード装置への導入の後、熱が加えられる。
【0021】
フード装置の領域の加熱装置によってマグネシウムストリップに導入される熱エネルギーが不必要な温度損失の補償によって部分的に消費されないように、急速にコイルをロール架台の入口側上のコイラーに移動させることによって、不必要な温度損失を圧延過程の初めの段階で防止することができる。
【0022】
この速い移送を実現するために、コイルバギーに配置されるコイルが、コイラーに収容されるためにコイルバギーによって、ロール架台の外方を向くコイル通過孔を通ってフード装置に導入されるというような方法で、コイルと共にロール架台の入口側に配置されるコイラーを積むことは特に有利である。
【0023】
例えば、コイルが、入口側上のコイラーに詰められる前に予熱炉において予熱されるようにしてもよい。これは予熱炉とコイラーとの間の運搬セクション上の温度損失を最低限に減らすことを可能にする。
【0024】
スプールからマグネシウムストリップを繰り出した後に、最終圧延装置の床スペースの下に配置されるスプールハンドリング装置によって、コイラーのスプールレセプタクル装置からフード装置の中に配置されるスプールを取り外し、同時にコイルバギーによって、出口側上のコイラーからコイル堆積ステーションまで巻上げられたマグネシウムストリップを移送することも、特に有利である。
【0025】
入口側上のコイラーがコイルを装填される間に、出口側上のスプールレセプタクル装置において収容されるスプールを交換することによって、出口側上のコイラーの領域において、熱だめの形成を概ね防止することができる。
【0026】
圧延過程の初めに及び最終圧延装置の動作の間の少なくとも一方で必要なロール交換の後、ロール架台の外側で前もって予熱されたロールを利用することは、更に有利である。
【0027】
最終圧延装置の薄いマグネシウムストリップを製造する方法の好ましいバリエーションを解明するために、最終圧延装置の好ましい実施形態が図面を参照して更に詳細に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】最終圧延装置の全体を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1に示すように、最終圧延装置10の基本的構成要素は、ロール架台11と、互いの間にロール架台11を収容し、ロール架台11と共に一般の床面14に配置される2つの第1コイラー13及び第2コイラー12とからなる。図1に示すように、本実施形態では、更に最終圧延装置10に、床面14の上方に離れて置かれる頭上の炉の形で予熱炉15が設けられている。水平コンベヤ16を有するスプール供給装置17は、床面14の下に配置され、そして、それぞれが垂直コンベヤ20の役割をする2台のスプールハンドリング装置18,19は、第2コイラー12及び第1コイラー13の下にそれぞれ配置され、スプール供給装置に割り当てられている。
【0031】
図1に示される最終圧延装置10の例示的実施形態によれば、第1コイラー13及び第2コイラー12は、フード装置21をそれぞれ備え、ロール架台11は、フード装置22を備えている。この場合、第1コイラー13のフード装置21は、ロール架台11の入口側24上の第1コイラー13上の予熱炉15に向かい合うように配置されたコイル通過孔23の役割を果たし、第2コイラー12のフード装置21は、ロール架台11の出口側25上の第2コイラー12上のコイル堆積ステーション26に向かい合うように配置されたコイル通過孔23の役割を果たす。両方のフード装置21は、それぞれ床面14に対向するスプール通過孔40,41の役割も果たす。すなわち、コイル29が第1コイラー13及び第2コイラー12のスプールレセプタクル装置28にそれぞれ配置されるときに、フード装置21の中のスプールレセプタクル装置28と同様に、コイル29に巻装されるマグネシウムストリップ30に熱エネルギーが加えられるというような方法で、フード装置21の内部は、例えば、熱ラジエータの形で実現され、スプールレセプタクル装置28の方向に熱エネルギーを放射するように、正しい位置に置かれる加熱装置27が設けられている。
【0032】
ロール架台11に設けられたフード装置22は、この場合煙フードに類似し、このフード装置22は、ロール架台11の領域において、発される熱エネルギーのシールド又は反射装置を形成し、ロール架台11の上端部に配置される。図1によれば、ロール架台11はロールギャップ31を定める2つの加工ロール32,33及びそれぞれが一方の加工ロール32,33をサポートする2つのバックアップロール34,35の役割をする。この場合、加熱装置37は、ロール架台11のフレーム36において対となり、互いに反対側に配置され、バックアップロール34,35は、加熱装置37の間に配置され、その結果、加熱装置37によって、熱エネルギーが加えられ得る。フレーム36上の加熱装置37の配置に代わるものとして、これらの加熱装置37をロール架台11のフード装置22と統合することもできる。
【0033】
図示される典型的な最終圧延装置10の動作中に、予熱炉15において焼き戻されたか又は予熱されたコイル29は、予熱炉15の下に配置されるコイルバギー38へ移される。その後、コイルバギー38は、床面14上の入口側24に配置された第1コイラー13のスプールレセプタクル装置28の下に位置決めされ、コイル29のスプール39をスプールレセプタクル装置28に挿入することによって、第1コイラー13に移す。この移動の間、コイル29を運んでいるコイルバギー38は、コイル通過孔23及びフード装置21のスプール通過孔41を通ってフード装置21へ移動する。コイル29が第1コイラー13に収容された後、第1コイラー13に配置されるコイルオープナ42又はフード装置21は、図示しない、入口側24からロールギャップ31に挿入されたストリップの先端にアクセスに可能となり、その後、ストリップの先端はロール架台11の出口側25に配置された第2コイラー12に送られる。その後、マグネシウムストリップ30が第1コイラー13のマグネシウムストリップ30を巻戻すことに従って第2コイラー12のスプール39に巻かれることができるように、図示しないストリップの先端が、例えば、巻上装置のような従来の手段を有する第2コイラー12のスプールレセプタクル装置28において収容されるスプール39に固定される。図1は、ロールパスのコースの間の工程を示し、そこでは、予めコイル29に配列されたマグネシウムストリップ30の約半分は、第2コイラー12に配置されてマグネシウムストリップ30を巻く役割をするスプール39へ移される。最終圧延装置10において処理されているマグネシウムストリップ30の所望の最終的な厚み幅に応じ、第2コイラー12と第1コイラー13とが、巻戻し装置及び巻上装置のいずれか一方ずつとして作動されるように、所定数のロールパスが後退モードで実施される。
【0034】
最後のロールパスが行われた後、第2コイラー12に配置されるコイル29を第2コイラー12のスプールレセプタクル装置28から取り外すことができ、出口側25に配置されるコイルバギー43へ移すことができるように、マグネシウムストリップ30の全体は、第2コイラー12のスプール39に位置している。このコイルバギー43は、コイルバギー43からコイル堆積ステーション26へコイル29を移すために、コイル通過孔23を通ってコイル29と共に、その後フード装置21から移動する。
【0035】
コイル29がコイル堆積ステーション26へ移動される間に、新規なコイル29をコイルバギー38によって、予熱炉15から入口側24上の第1コイラー13へ移すことができる。
【0036】
最後のそれぞれのロールパスの完成の後、すなわち、一旦マグネシウムストリップ30が巻戻しコイラー(第1コイラー13)から巻上コイラー(第2コイラー12)へ移された後、コイル29をハンドリング装置19によって第1コイラー13から取り外された空のスプール39は、スプール供給装置17に届けられる。出口側25において、最終圧延されたコイル29は、コイルバギー43によって、コイル堆積ステーション26に同時に移送される。そして、スプール供給装置17において準備ができている状態に保たれてスプール供給装置17に設けられた加熱装置44により予熱されたスプール39は、第2コイラー12のスプールレセプタクル装置28に挿入される。スプール39は、スプール供給装置17の水平コンベヤ16によって移送位置45に移動された後、前もってスプールハンドリング装置18,19によって第2コイラー12に配置されたスプール39と交換される。この交換運動を実現するために、スプールハンドリング装置18,19は、それぞれ、第1コイラー13及び第2コイラー12のスプールレセプタクル装置28の下に配置される垂直コンベヤ20の役割をする。
【0037】
マグネシウムストリップ30がロールギャップ31を通って運搬される間に、熱が第1コイラー13と第2コイラー12との間の運搬セクションに沿ってマグネシウムストリップ30により発される。一方では、マグネシウムストリップ30は、ロール架台11のフード装置22の中で加熱装置37によって熱が加えられ、フード装置21の中で加熱装置27によって熱が加えられる。図1に示される例示的実施形態において、ロール架台11のフード装置22が第1コイラー13と第2コイラー12との間の運搬セクションを覆い、すなわち、ロール架台11の領域だけでなく、最終圧延装置10の全領域においても熱放射に対してシールドを形成するように実現されている。
【0038】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0039】
10 最終圧延装置
11 ロール架台
12 巻上コイラー(第2コイラー)
13 巻戻しコイラー(第1コイラー)
14 床面
15 予熱炉
16 水平コンベヤ
17 スプール供給装置
18,19 スプールハンドリング装置
19 ハンドリング装置
20 垂直コンベヤ
21,22 フード装置
23 コイル通過孔
24 入口側
25 出口側
26 コイル堆積ステーション
27 加熱装置
28 スプールレセプタクル装置
29 コイル
30 マグネシウムストリップ
31 ロールギャップ
32,33 加工ロール
34,35 バックアップロール
36 フレーム
37 加熱装置
38 コイルバギー
39 スプール
40,41 スプール通過孔
42 コイルオープナ
43 コイルバギー
44 加熱装置
45 移送位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールギャップ(31)を定義する少なくとも2つの加工ロール(32,33)を収容するロール架台(11)と、
コイル(29)を収容して上記ロールギャップ(31)にマグネシウムストリップ(30)を供給するための第1コイラー(13)と、
上記マグネシウムストリップ(30)が上記ロールギャップ(31)を貫通した後、該マグネシウムストリップ(30)を巻くための第2コイラー(12)とを有し、
予熱炉(15)による予熱プロセスの後、最終圧延工場に供給される上記コイル(29)の基礎をなす薄いマグネシウムストリップ(30)を製造するための最終圧延装置(10)であって、
上記第1コイラー(13)及びロール架台(11)の少なくとも一方に熱放射から上記コイル(29)又はマグネシウムストリップ(30)を守るフード装置(21,22)と、加熱装置(27,37)とが設けられ、
少なくとも上記第1コイラー(13)のフード装置(21)が上記コイル(29)を上記ロール架台(11)の外方を向くそのハウジング側上のフード装置(21)に導入するためのコイル通過孔(23)の役割をする
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
上記加熱装置(27)は、上記フード装置(21)に配置されている
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
上記フード装置(21)が、上記コイル(29)を収容するためのスプール(39)を導入し、そして、取り外すために、上記マグネシウムストリップ(30)を製造するための最終圧延装置(10)の床スペースに対向するハウジング側上のスプール通過孔(40,41)の役割をする
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項4】
請求項3に記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
少なくとも1つのスプール(39)を供給するためのスプール供給装置(17)が、床下装置の形で床スペースの下に提供され、
上記スプール供給装置(17)は、上記スプール(39)を、上記フード装置(21)に位置するスプールレセプタクル装置(28)へ導入し、そして、該スプールレセプタクル装置(28)から取り除くのに役に立つハンドリング装置(18,19)の役割を果たす
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項5】
請求項4に記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
上記スプール供給装置(17)には、上記スプール(39)を加熱する加熱装置(44)が設けられている
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
上記スプール供給装置(17)が、複数のスプール(39)を装填し、移送位置(45)に上記スプール(39)を運搬するための水平コンベヤ(16)を含み、
上記スプールハンドリング装置(18,19)が、上記移送位置(45)と上記スプールレセプタクル装置(28)の巻上位置との間に上記スプール(39)を運搬するための垂直コンベヤ(20)の役割を果たす
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1つに記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
上記加工ロール(32,33)及び該加工ロール(32,33)をサポートするバックアップロール(34,35)の少なくとも一方は、加熱可能なロールで構成されている
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
少なくとも上記第2コイラー(12)は、加熱可能なスプールレセプタクル装置(28)の役割を果たす
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載のマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置において、
少なくとも上記第2コイラー(12)には、加熱可能な巻上装置が設けられている
ことを特徴とするマグネシウムストリップを製造するための最終圧延装置。
【請求項10】
互いの間にロール架台(11)が収容される第1コイラー(13)及び第2コイラー(12)が巻戻し装置及び巻上装置のいずれか一方ずつとして作動する反転モードにおいて、マグネシウムストリップ(30)は、2つの加工コイル(32,33)の間の上記ロール架台(11)において形成されるロールギャップ(31)を通して搬送される、予熱炉(15)の予熱プロセスの後、最終圧延装置(10)の中で最終圧延工場に供給されるコイル(29)の基礎をなす薄いマグネシウムストリップ(30)を製造する方法であって、
上記第1コイラー(13)及びロール架台(11)の少なくとも一方が、それぞれ、第1コイラー(13)及び第2コイラー(12)に収容されるコイル(29)を保護するフード装置(21,22)と共に提供され、上記マグネシウムストリップ(30)が上記最終圧延装置(10)の動作の間、熱放射に逆らって上記ロールギャップ(31)を通って搬送され、
上記コイル(29)又は上記マグネシウムストリップ(30)が、上記ロール架台(11)の外方を向く上記第1コイラー(13)のフード装置(21)のハウジング側上のコイル通過孔(23)を通って上記フード装置(21)に上記コイル(29)を導入した後、加熱装置(27)によって熱が加えられる
ことを特徴とするマグネシウムストリップの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載のマグネシウムストリップの製造方法において、
上記ロール架台(11)の入口側(24)に配置された上記第1コイラー(13)は、予熱炉(15)で加熱されたコイル(29)を積み、
上記コイル(29)が、上記予熱炉(15)から上記コイルバギー(38)へ移されるというような方法で、スプール(39)に配置され、上記コイルバギー(38)によって、上記ロール架台(11)の外方を向く上記コイル通過孔(23)を通し、上記第1コイラー(13)に載せるために、上記フード装置(21)に導かれる
ことを特徴とするマグネシウムストリップの製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のマグネシウムストリップの製造方法において、
上記フード装置(21)の中に置かれるスプール(39)は、上記マグネシウムストリップ(30)が上記スプール(39)から巻戻された後、上記最終圧延装置(10)の床スペースの下に配置されるスプールハンドリング装置(18,19)によって、上記第1コイラー(13)のスプールレセプタクル装置(28)から取り外され、
同時に上記マグネシウムストリップ(30)は、コイルバギー(43)によって上記第2コイラー(12)からコイル堆積ステーション(26)に移送される
ことを特徴とするマグネシウムストリップの製造方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか1つに記載のマグネシウムストリップの製造方法において、
コイル(29)が上記ロール架台(11)の入口側(24)上の上記第1コイラー(13)に積み込まれる間に上記スプールハンドリング装置(18)によって、上記ロール架台(11)の出口側(25)上の上記第2コイラー(12)の上記スプールレセプタクル装置(28)が、上記スプール供給装置(17)において予熱されたスプール(39)と共に積まれる
ことを特徴とするマグネシウムストリップの製造方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか1つに記載のマグネシウムストリップの製造方法において、
上記加工ロール(32,33)及び上記ロール架台(11)で使用される該加工ロール(32,33)の少なくとも一方をサポートするバックアップロール(34,35)が上記マグネシウムストリップ(30)を製造するための上記ロール架台(11)の動作の前に、該ロール架台(11)の外側で予熱される
ことを特徴とするマグネシウムストリップの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−152824(P2012−152824A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11256(P2012−11256)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【出願人】(398070052)アッヘンバッハ ブッシュヒュッテン ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】