マグネットローラ
【課題】 2つ割りのマグネットローラにおいて、ローラ周囲に形成される磁力パターンの変更を容易に行う。
【解決手段】 半円筒状部材50,60を組み合わせて、円筒状のローラ本体9を構成する。ローラ本体9の長手方向(ローラ軸C0方向)に沿って溝状又は透孔状の取付け部A〜Gのいずれかを形成し、形成した取付け部に対応する磁力調整部材を取り付ける。ローラ本体9を樹脂磁石で形成し、磁力調整部材を磁石体で形成する。取付け部の位置や磁力調整部材の磁力の大きさを調整することで、ローラ本体9の周囲に形成される磁力パターンを適宜に変更することが可能となる。
【解決手段】 半円筒状部材50,60を組み合わせて、円筒状のローラ本体9を構成する。ローラ本体9の長手方向(ローラ軸C0方向)に沿って溝状又は透孔状の取付け部A〜Gのいずれかを形成し、形成した取付け部に対応する磁力調整部材を取り付ける。ローラ本体9を樹脂磁石で形成し、磁力調整部材を磁石体で形成する。取付け部の位置や磁力調整部材の磁力の大きさを調整することで、ローラ本体9の周囲に形成される磁力パターンを適宜に変更することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トナーを使用して画像を形成するプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置において、現像装置やクリーニング装置に使用されるマグネットローラに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、粉体からなるトナーによって画像を形成するプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置において、現像装置やクリーニング装置に、周方向に複数の磁極を有するマグネットローラが使用される。現像装置に使用されるマグネットローラは、感光ドラム表面に形成された静電潜像を帯電トナーによって現像するものであり、クリーニング装置に使用されるマグネットローラは、感光ドラム表面に残った帯電トナーを除去するものである。
【0003】
このようなマグネットローラのうち、特許文献1,2には、ローラ部と、その長手方向(ローラ軸方向)両端部に突設された軸部とからなるローラ本体を、2つに分割された細長い半円筒状部材を組み合わせて構成する例が記載されている。
【0004】
このうち特許文献1に記載されたものは、一方の半割り部材1の長手方向両端部に軸支持壁3,4を設け、これら軸支持壁3,4からそれぞれ軸部5,6を突設させるとともに、軸支持壁3,4の内面に嵌合受け凹部7,7を形成している。一方、この半割り部材1に組み合わされる他方の半割り部材2には、その長手方向両端部に結合壁8,8を設け、これら結合壁8,8から嵌合突起9,9を突設させている。そして、他方の半割り部材2のこれら嵌合突起9,9を、一方の半割り部材1の嵌合受け凹部7,7に嵌合させることで半割り部材1,2を組み合わせてローラ本体を構成するようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載されたものは、上述の特許文献1の構成とほぼ同様であるが、さらに一方の半割り部材の長手方向両端部にそれぞれ軸部を設け、他方の半割り部材の両端部には軸部を設けない例も記載されている。なお、特許文献2に記載されたものも、上述の特許文献1のものと同様にして、2個の半割り部材を組み合わせるものである。
【0006】
【特許文献1】特開平9−179408号公報
【特許文献2】特許第3061361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1によると、2個の半割り部材1,2を嵌合する際、ローラ軸に対して交差する方向(径方向)から嵌合させるため、一方の半割り部材1に対して他方の半割り部材2を湾曲させることが必要となり、嵌合作業が煩雑になるという問題があった。また、2個の半割り部材1,2を精度よく嵌合させるのが困難であるといった問題があった。すなわち、一方の半割り部材1の2個の嵌合受け凹部7,7間の距離と、他方の半割り部材2の2個の嵌合突起9,9間の距離を精度よく合わせるのが困難である。例えば、前者の嵌合受け凹部7,7に対して、後者の嵌合突起9,9間の距離が短すぎる場合には、嵌合後の半割り部材1,2に軸方向のガタが発生し、逆に後者の嵌合突起9,9間の距離が長すぎる場合には、嵌合後の半割り部材2がその長手方向の中央部に湾曲が発生してしまう。
【0008】
以上のような特許文献1のマグネットローラの問題点は、上述の特許文献2の問題点でもある。
【0009】
また、これら特許文献1,2に記載されているマグネットローラは、ローラ周囲に形成される磁力パターンを容易には変更することができないという問題点もある。
【0010】
そこで、本発明は、2個の半円筒状部材の嵌合作業が容易で、しかも嵌合精度の高いマグネットローラを提供することを目的とするものである。また、2つ割りのマグネットローラにおいて、ローラ周囲の磁極パターンを比較的容易に変更できるマグネットローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、ローラ周囲に磁力パターンを形成し、前記磁力パターンに基づいて帯電物質を処理するマグネットローラにおいて、一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、一方の前記半円筒状部材の前記軸部を他方の前記半円筒状部材の前記環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマグネットローラにおいて、前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径とほぼ同じに設定されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のマグネットローラにおいて、前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径よりも小さく設定されていて前記ローラ本体の内側に入り込む、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記ローラ本体に対してローラ軸に沿って取り付けられて前記磁力パターンを変化させる磁力調整部材を備え、前記ローラ本体は、前記磁力調整部材を位置決め固定するための取付け部を有する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記磁力調整部材が磁石体によって形成されている、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記磁力調整部材が磁性体によって形成されている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体の外周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、ことを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体の内周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体に、前記ローラ軸に沿って形成された透孔である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記ローラ本体は、外周面のうちの少なくとも一部が熱収縮性フィルムによって被覆されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によると、一方の半円筒状部材の軸部を他方の半円筒状部材の環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに軸部を有する円筒状のローラ本体を構成している、このため、例えば、両半円筒状部材をローラ軸に交差する方向から嵌合させる場合(背景技術参照)と異なり、環状部に対して軸部をローラ軸に沿った方向に移動させることで挿入するができるので、嵌合作業が簡単なものとなる。また、その構造上、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成されたローラ本体において、一方の半円筒状部材が他方の半円筒状部材に対してガタついたり、湾曲したりすることがない。
【0022】
請求項2の発明によると、環状部の外径がローラ本体の外径とほぼ同じに設定されているので、比較的外径の小さいマグネットローラを形成する際に、環状部を大きく形成して十分な強度を確保することができる。
【0023】
請求項3の発明によると、環状部は、その外径がローラ本体の外径よりも小さく設定されていてローラ本体の内側に入り込むので、ローラ本体の外周面に、環状部の外周面による隙間が形成されることを防止することができる。
【0024】
請求項4の発明によると、ローラ本体の取付け部によって、磁力調整部材を位置決め固定することができるので、ローラ周囲に形成される磁力パターンをこの位置決め固体された磁力調整部材によって変化させることができる。例えば、磁力調整部材としては、磁石体や磁性体を使用することができ、これらをローラ本体に取り付けることにより、ローラ本体だけでは、達成することが困難な磁力パターンを比較的容易に形成することができる。
【0025】
請求項5の発明によると、磁力調整部材が磁石体によって形成されていて、磁力調整部材自体が磁力を発生することができるので、ローラ本体を磁石体以外の材質、例えば、磁性体、合成樹脂、セラミック等の材質で構成することが可能である。
【0026】
請求項6の発明によると、磁力調整部材が磁性体によって構成されていて、磁力調整部材自体では磁力を発生させることができないので、この場合には、ローラ本体を磁石体によって構成する必要はあるが、磁力調整部材自体の材質の選択肢は、大幅に向上する。この場合には、磁力調整部材の材質としては、原理的には、任意の磁性体(例えば、任意の金属)を使用することが可能である。
【0027】
請求項7の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体の外周面に形成された溝部に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部がローラ本体の外周面に形成された溝部であるので、ローラ本体に対する磁力調整部材の取付け作業が容易なものとなる。
【0028】
請求項8の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体の内周面に形成された溝部に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部がローラ本体の内周面に形成された溝部であるので、ローラ本体の外周面に、磁力調整部材を取り付けることに起因する隙間や段差が形成されることがない。また、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成しているため、例えば、2個の半円筒状部材を組み合わせる前に、内周面の溝部に磁力調整部材を取り付けることが可能であり、ローラ本体が一体的に円筒状の部材によって形成されている場合に比べて、磁力調整部材の取付け作業が容易となる。
【0029】
請求項9の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体に、ローラ軸に沿って形成された透孔に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部が透孔によって形成された溝部であるので、ローラ本体の内周面や外周面に、磁力調整部材を取り付けることに起因する隙間や段差が形成されることがない。
【0030】
上述の請求項7の外周面の溝部、請求項8の内周面の溝部、請求項9の透孔については、本発明のローラ本体が、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成することに起因して、例えば、溝部や透孔の一部を一方の半円筒状部材に形成し、残りを他方の半円筒状部材に形成し、2個の半円筒状部材を組み合わせたときに、溝部や透孔の全体が構成されるようにすることが可能である。このことにより、半円筒状部材を成形する際(例えば射出成形する際)の型の形状を簡素化したり、成形作業を容易にしたりすることができる。また、溝部や透孔の断面形状、すなわちローラ軸に直交する方向(長手方向に直交する方向)の縦断面の形状を複雑なものとすることができる。このため、溝部や透孔の断面形状を適宜なものとすることにより、磁力調整部材の取付け作業を容易にしたり、磁力調整部材の取付け精度を向上させたりすることができる。
【0031】
請求項10の発明によると、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成された円筒状のローラ本体を熱収縮性のフィルムによって被覆することにより、組み合わせ後の2個の半円筒状部材の相対位置のずれを防止したり、両者の合わせ面に形成される隙間をなくしたりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。
【0033】
<実施の形態1>
図1は、本発明を適用することができるマグネットローラを斜め上方から見た斜視図である。
【0034】
同図に示すように、マグネットローラ全体は、円筒状のローラ部2と、このローラ部2の長手方向(ローラ軸C0に沿った方向:以下同じ)の両端部からそれぞれ外側に向かって突出された軸部3,4とを備えたローラ本体1によって構成されている。これらローラ部2と、軸部3,4とは、ローラ軸C0に対して同心状に構成されている。
【0035】
なお、本実施の形態では、マグネットローラとローラ本体1とは同一のものである。後に、マグネットローラが、ローラ本体とは別に磁力調整部材を備えた例を説明する。
【0036】
図2は、上述のローラ本体1の分解斜視図である。同図及び図1に示すように、ローラ本体1は、2個の半円筒状部材10,20を組み合わせることによって構成されている。
【0037】
なお、以下の説明では、2個の半円筒状部材10,20が同形である場合を例に説明するが、両者を特に区別する必要がある場合には、一方の半円筒状部材10,他方の半円筒状部材20というものとする。
【0038】
図1,図2に示すように、一方の半円筒状部材10は、細長い半円筒状の半割り部11と、この半割り部11の長手方向(図1中のローラ軸C0に沿った方向)の一方の端部に設けられた環状部12と、他方の端部に設けられた軸部13とが、一体に構成されている。半割り部11は、長手方向に直交する方向の断面がほぼ半円形に形成されている。この半割り部11の内周面11aのうちの少なくとも環状部12の内周面12aに連続する部分には、スライドガイド11cが形成されている。このスライドガイド11cは、その内径が環状部12の内周面12aの内径及び軸部13の外周面13aの外径とほぼ同じに設定されている。スライドガイド11cの長手方向の長さは、少なくとも軸部13の長さよりも長く設定されている。これは、後に詳述するように、半割り部材10,20を組み合わせる際に軸部のガイドとして使用するためである。半割り部11の開口部には、帯状に長い2本の平行な合わせ面11d,11dが形成されている。
【0039】
環状部12は、上述のように半割り部11の一方の端部に、半割り部11と一体的に形成されている。環状部12は、その内周面12aの内径が、上述の半割り部11の内周面11aのスライドガイド11cの内径、及び軸部13の外周面13aの外径とほぼ同じに設定されている。また、本実施の形態においては、環状部12は、その外周面12bの外径が、半割り部11の外周面11bの外径と同じに設定されている。すなわち、半円筒状部材10,20の組み合わせ後には、環状部12の外周面12bは、半割り部11の外周面11bとともに、ローラ部2の外周面を構成することになる。
【0040】
軸部13は、上述のように半割り部11の他方の端部に一体的に形成されている。軸部13は、その外周面13aの外径が上述の半割り部11の内周面11aのスライドガイド11cとほぼ同じに設定されている。軸部13は、半割り部11の端部に対して、基端側が半割り部11の内側に、また先端側が端部から突出するように形成されている。この先端側の突出部が、他方の半円筒状部材20の環状部22に挿入されることになる。なお、軸部13の先端には、挿入動作を容易にすべく面取り13cが施されている。
【0041】
本実施の形態では、上述構成の一方の半円筒状部材10に対し、他方の半円筒状部材20も同形に形成されている。
【0042】
すなわち、他方の円筒状部材20は、細長い半円筒状の半割り部21とその一方の端部に設けられた環状部22と他方の端部に設けられた軸部23とが一体に構成されている。半割り部21は、内周面21aの一部に環状部22の内周面22aに連続するスライドガイド21cを有している。スライドガイド21cの内径は、環状部22の内周面22aの内径及び軸部23の外周面23aの外径とほぼ同じに設定されている。また環状部22の外周面22bの外径は、半割り部21の外周面21bの外径と同じに設定されている。なお、図2中の符号21dは上述の一方の半割り部11の合わせ面11d,11dに合わせられる合わせ面を示し、また符号23cは、軸部23の先端の面取りである。
【0043】
本実施の形態のローラ本体1は、上述の一方の半円筒状部材10及び他方の半円筒状部材20を次のように組み合わせることによって構成されている。
【0044】
まず、図3(a)に示すように、一方の半円筒状部材10と他方の半円筒状部材20とを少し離して平行に配置する。このとき、一方の半円筒状部材10の合わせ面11d,11dを上方に向け、他方の半円筒状部材20の合わせ面21dを下方に向けて、合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとが対面するようにする。さらに、このとき、それぞれの半円筒状部材10,20の長手方向の位置については、一方の半円筒状部材10の半割り部11のスライドガイド11cと、他方の半円筒状部材20の軸部23とがほぼ一致するようにし、また、他方の半円筒状部材20の半割り部21のスライドガイド21cと、他方の半円筒状部材10の軸部13とがほぼ一致するようにする。この状態で、両半円筒状部材10,20を長手方向に交差する方向(図3(a)中の矢印方向)に近接させ、さらに(b)に示すように、それぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを当接させて合わせる。これにより、一方の半円筒状部材10のスライドガイド11cに他方の半円筒状部材20の軸部23が、また他方の半円筒状部材20のスライドガイド21cに一方の半円筒状部材10の軸部13がちょうど嵌まり込む。(b)はこうして、2個の半円筒状部材10,20が長手方向に交差する方向に位置決めされた状態を示している。ただし、この段階では、まだ2個の半円筒状部材10,20の長手方向に位置決めはなされていない。
【0045】
つづいて、上述のように、2個の半円筒状部材10,20を、それぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを接触させた状態と維持しつつ、図3(b)に示す矢印方向に相対的に移動させる。このとき、他方の半円筒状部材20の軸部22は、一方の半円筒状部材10のスライドガイド11cに沿って、また一方の半円筒状部材10の軸部13は、他方の半円筒状部材20のスライドガイド21cに沿って長手方向に円滑に移動する。さらに、両半円筒状部材10,20の軸部13,23の外周面13a,23aの外径が、それぞれのスライドガイド11c,21cの内径、及び環状部12,13の内周面12a,22aの内径とほぼ同じに設定されていることから、一方の半円筒状部材10の軸部13は、他方の半円筒状部材20の環状部22に、また他方の半円筒状部材20の軸部23は、一方の半円筒状部材10の環状部12にそれぞれ簡単に挿入することができる。この挿入動作は、一方が他方に対して相対移動できなくなるまで行う。これにより、図1に示すローラ本体1を構成することができる。
【0046】
このように、本実施の形態においては、まず半円筒状部材10,20を、長手方向の位置を軸部13,23に相当する長さだけずらした状態で、長手方向に直交する方向に移動させてそれぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを合わせ、次に、長手方向にスライドさせることにより、それぞれの軸部13,23をそれぞれの環状部22,12に挿入し、2個の半円筒状部材10,20を組み合わせて、ローラ本体1を構成することができる。組み合わせ時に、両半円筒状部材10,20に対して、これらを不要に湾曲させるような作業を伴わないので、組み合わせ作業が容易なものとなる。また長手方向及びこれに直交する方向にガタのない、精度のより組み合わせ作業が可能となる。また、本実施の形態によると、それぞれの環状部12,22の外周面12b,22bの外径を、半割り部11,21の外周面11b,21bの外径と同じ、すなわち最大限に設定しているので、比較的細いマグネットローラを形成する際にも、環状部12,22の強度を十分に確保することが可能となる。
【0047】
本実施の形態における半円筒状部材10,20は、例えば、射出成形された樹脂磁石によって構成することができる。図4に、磁極の一例を示す。同図は、図1のX−X線矢視図、すなわちローラ本体1の長手方向に直交する方向の縦断面図を示している。同図に示すように、一方の半円筒状部材10には、磁極N1,S1が設けられ、また他方の半円筒状部材20には、磁極N2,S2が設けられている。ローラ本体1全体としては、ローラ部2を周方向に4等分するように、4個の磁極、すなわち磁極N1,S1,N1,N2が配置されることになる。なお、これら周方向に沿って形成された磁極N1,S1,N2,S2は、長手方向のいずれの位置においてもほぼ同じとなるようになっている。
【0048】
ところで、上述のように、半円筒状部材10,20を射出成形した場合には、半円筒状部材10,20に反りが発生する。例えば図3(a)中の姿勢では、下側の半円筒状部材10は、長手方向の中央部が上方に、また上側の半円筒状部材20は、同じく長手方向の中央部が下方に湾曲することになる。射出成形によってこのような反りが発生した場合でも、上述のような構成で、半円筒状部材10,20を組み合わせてローラ本体1を構成することにより、半円筒状部材10,20双方の反りを矯正した状態で、ローラ本体1を構成することができる。
【0049】
なお、上述では、一方の半円筒状部材10と他方の半円筒状部材20とが同一形状である場合を例に説明したが、必ずしも同一である必要はない。例えば、必要に応じて、軸部13と軸部23との長さが異なるように構成してもよい。
【0050】
<実施の形態2>
図5は、本実施の形態に係るマグネットローラ(ローラ本体5)を斜め上方から見た斜視図である。なお、同図に示すマグネットローラにおいても、上述の実施の形態1と同様に、マグネットローラとローラ本体5とが同一のものである。図6は、ローラ本体5の分解斜視図である。図7は半円筒状部材40を図6中の矢印Y方向から見た図である。そして、図8はローラ本体6を図5中の矢印Z方向から見た図である。
【0051】
本実施の形態においては、一方の半円筒状部材30と他方の半円筒状部材40とを組み合わせて、ローラ部6と軸部7,8とを備えるローラ本体5を構成している。なお、本実施の形態では、半円筒状部材30,40は、例えば樹脂磁石によって形成されているものとする。
【0052】
本実施の形態では、一方の半円筒状部材30は、半割り部31と、その一方の端部に設けられた環状部32と、他方の端部にフランジ部34を介して設けられた軸部33とが一体に形成されている。また他方の半円筒状部材40は、半割り部41と、その一方の端部に設けられた環状部42と、他方の端部にフランジ部44を介して設けられた軸部43とが一体に形成されている。
【0053】
本実施の形態においては、環状部32,42の外周面32a,42aの外径が、半割り部31,41の外周面31a,41aの外径よりも小さく設定されている。そして、これら環状部32,42に挿入されることになる軸部43,33の基端部には、これらが嵌合される溝部45,35が形成されている。すなわち、他方の半円筒状部材40の一方の端部に設けられたフランジ部44は、半割り部41の端部よりも少し内側に配置されていて、このフランジ部44の中心から半割り部41の内周面の内径よりも細い軸部43が突設されている。したがって、この軸部43の基端部には、その外周面43aと、半割り部41の内周面41bと、フランジ部44の外側の端面44aとの間には、軸部43の中心を通る平面で切ったときの断面形状(矢印Y方向から見た形状)が四角形の半環状の溝部45が形成される。そして、上述の実施の形態1とほぼ同様にして、2個の半円筒状部材30,40を組み合わせてローラ本体5を構成する際には、一方の半円筒状部材30の環状部32が、他方の半円筒状部材40の溝部45に嵌合されることになり、同様に、他方の半円筒状部材40の環状部42が、他方の半円筒状部材30の溝部35に嵌合されることになる。
【0054】
本実施の形態によると、上述の実施の形態1の効果に加えて、さらに2個の半円筒状部材30,40を組み合わせてローラ本体5を構成した際に、環状部32,42の外周面32a,42aが、ローラ本体5の外周面に露出することがない。すなわち、ローラ本体5の外周面に、環状部32,42の外周面32a,42aが露出することに起因する間隙が形成されることを有効に防止することができる。
【0055】
<実施の形態3>
本実施の形態では、マグネットローラをローラ本体と、磁力調整部材によって構成する場合を説明する。なお、この場合のローラ本体としては、上述の実施の形態1,2で例示したローラ本体、すなわち、一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、一方の半円筒状部材の軸部を他方の半円筒状部材の環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成するものであれば、上述の実施の形態1,2以外の構成のものであってもよい。以下では、半円筒状部材50と半円筒状部材60とを組み合わせてローラ本体9を構成する場合を例に説明する。
【0056】
図9は、ローラ本体9を、その長手方向のほぼ中央部において、ローラ軸C0に直交する方向で接断した断面を模式的に示す図である。同図には、磁力調整部材a〜g(図9中の斜線で図示)と、これら磁力調整部材a〜gを位置決め固定するための取付け部A〜Gを示している。ただし、これら磁力調整部材a〜g及び取付け部A〜Gは、種々の変形例を1つの図に図示するものであって、実際には、1つのローラ本体に対して、これらのうちの任意の種類のものを1つ、又は同種(同形)のものを複数、又は複数種(異形)のものを適宜に組み合わせて、設けるものとする。
【0057】
上述の取付け部A〜G及び磁力調整部材a〜gは、ローラ本体9のローラ軸C0に沿って長く形成されていて、ローラ本体9のローラ部のほぼ全長にわたって形成されている。ここでほぼ全長という意味は、前述のように環状部が設けてある場合には、この環状部に相当する部分は除き、また後述の取付け部B,Eのように、ローラ本体9の外周面9aと内周面9bとを貫通するように形成されている場合には、ローラ部の長手方向両端部近傍には形成されないという意味である。
【0058】
取付け部A,Cは、ローラ本体9の外周面9aに形成された溝部であり、それぞれ円弧上の底面A1,C1と、側面A2,A3、C2,C3とによって形成されている。なお、同図に示すものでは、底面A1,C1は、円弧状に形成されているが、平面状に形成してもよい。また、側面A2,A3、C2,C3は、その内側への延長がローラ軸C0を通る方向に形成されているが、これに代えて、周方向の中心とローラ軸C0とを結ぶ線(例えば、同図中の一点鎖線H)に平行に形成するようにしてもよい。取付け部Aに取り付けられる磁力調整部材aは、その全体が取付け部Aにちょうど嵌合されるように形成されている。すなわち、磁力調整部材aは、取付け部Aと同形に形成されていて、その外側面a1がローラ本体9の外周面9aと一致するようになっている。これに対して、取付け部Cに嵌合される磁力調整部材cは、その内側の部分が取付け部Cに嵌合されるとともに、外側の部分c1が外周面9aから突出するように形成されている。
【0059】
取付け部D,Fは、ローラ本体9の内周面9bに形成された溝部であり、それぞれ円弧上の底面D1,F1と、側面D2,D3、F2,F3とによって形成されている。なお、同図に示すものでは、底面D1,F1は、円弧状に形成されているが、平面状に形成してもよい。また、側面D2,D3、F2,F3は、その内側への延長がローラ軸C0を通る方向に形成されているが、これに代えて、周方向の中心とローラ軸C0とを結ぶ線(例えば、同図中の一点鎖線H)に平行に形成するようにしてもよい。このように、平行に形成した場合には、磁力調整部材d,fの嵌合に際して、ローラ本体9の内周面9b側から嵌合することが可能となる。なお、内周面9b側から嵌合する場合には、半円筒状部材を組み合わせる前に嵌合することになる。取付け部Fに取り付けられる磁力調整部材fは、その全体が取付け部Fにちょうど嵌合されるように形成されている。すなわち、磁力調整部材fは、取付け部Fと同形に形成されていて、その内側面f1がローラ本体9の内周面9bと一致するようになっている。これに対して、取付け部Dに嵌合される磁力調整部材dは、その外側の部分が取付け部Dに嵌合されるとともに、内側の部分d1が内周面9bから突出するように形成されている。
【0060】
取付け部B,Eは、ローラ本体9を、その外周面9a側と内周面9b側とを貫通するように形成された溝部であり、それぞれ長手方向に沿った側面B1,B2、E1,E2と長手方向の両端部の側面(不図示)によって窓状に形成されている。これら側面のうち長手方向の側面B1,B2、E1,E2は、その内側への延長がローラ軸C0を通るようになっている。これら取付け部B,Eに嵌合される磁力調整部材b,eは、長手方向に直交する方向の断面が図示のように、扇形となっている。このうち磁力調整部材bは、取付け部Bに嵌合された状態において、外側の部分b1がローラ本体9の外周面9aから突出し、また内側の部分b2が内周面9bから突出するようになっている。一方、磁力調整部材eは、外側の面e1が外周面9aと一致し、内側の部分e2が内周面9bから突出するようになっている。
【0061】
取付け部Gは、ローラ本体9に、そのローラ軸Sに沿って形成された透孔である。この取付け部Gには、例えば、棒状の磁力調整部材gが嵌合される。
【0062】
上述の取付け部A〜Gに対する磁力調整部材a〜gの嵌合方法は、磁力調整部材a,b,c,eについては、外周面9a側から、また磁力調整部材d,f,gについては、ローラ本体9の長手方向端部側から挿入するようになる。ただし、上述のように、取付け部Dの側面D2,D3を平行に、また取付け部Fの側面F2,F3を平行に形成した場合には、内周面9b側からの嵌合が可能となる。
【0063】
以上の説明では、取付け部A〜Gがいずれも半円筒状部材の一方又は他方に形成されている場合を例に説明したが、これに代えて、取付け部の一部を一方の半円筒状部材の合わせ面に形成し、取付け部の残りの部分を他方の半円筒状部材の合わせ面に形成し、両合わせ面を合わせたときに、取付け部が完成するようにすることも可能である。特に、図9中の透孔からなる取付け部Gを形成する場合には、それぞれの合わせ面に半円柱状の凹部を形成すれば、これらを合わせたときに透孔からなる取付け部Gを構成することができる。このような構成にすると、射出成形が容易となる。
【0064】
上述のローラ本体9を磁石体によって形成した場合には、磁力調整部材としては、磁石体と磁性体とのいずれをも使用することが可能である。ローラ本体9の所定の位置に、上述の取付け部A〜Gのうちのいずれかを1つ、又は同じものを複数、又は適宜に組み合わせて形成する。こうして形成された取付け部に、それぞれに対応する磁力調整部材を取り付ける。すなわち磁力調整部材は、取付け部に嵌合するだけで、ローラ本体9の周方向に対する位置決めがなされるようになっている。このとき、形成された取付け部に磁性体を嵌合したり、適宜な大きさの磁力を有する磁力調整部材を嵌合したりすることにより、ローラ本体9の周囲に形成される磁力パターンを簡単に変更することができる。
【0065】
すなわち、例えば、ローラ本体9を、射出成形によって形成した樹脂磁石からなる2個の半円筒状部材を組み合わせて構成する場合、射出成形時に着磁することになるが、この際、各ローラ本体9ごとに磁力パターンを変更することは困難である。
【0066】
このような場合、射出成形時にローラ本体9に取付け部を形成する。そして、この取付け部に、例えば、適宜な磁力を有する磁力調整部材を取り付けるようにする。これにより、ローラ本体9の単独で周囲に形成される磁力パターンに対して、ローラ本体9に磁力調整部材を取り付けることにより、その磁力パターンを適宜に変更することが可能となり、複雑な磁力パターンを形成することが可能となる。
【0067】
ここで、本発明においては、2個の半円筒状部材を組み合わせて、ローラ本体を構成するようにしているので、特に、内周面に取付け部を設け、組み合わせ前にこの取付け部に磁力調整部材を取り付ける場合に有効である。この場合には、磁力調整部材が外周面側に露出しないので、ローラ本体外周面の平滑度を保持することができる。
【0068】
<実施の形態4>
本実施の形態は、ローラ本体の外周面を熱収縮性のフィルムで被覆するものである。
【0069】
マグネットローラがローラ本体のみによって構成されている場合には、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成した後、またマグネットローラがローラ本体と磁力調整部材とによって構成されている場合には、ローラ本体に磁力調整部材を組み合わせた後、ローラ本体表面に、例えば、チューブ状の熱収縮性フィルムを被せ、その後、加熱して熱収縮性フィルムを収縮させてローラ本体表面に密着させる。これにより、ローラ本体構成後の、2個の半円筒状部材の不要な動きを防止して、位置ずれを防止するとともに、マグネットローラ表面の平滑度を向上させることができる。また、磁力調整部材をローラ本体の外周面側から嵌合させている場合には、この熱収縮性フィルムの被覆によって磁力調整部材の脱落を防止することができる。
【0070】
以上の実施の形態においては、ローラ本体を樹脂磁石によって形成する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ローラ本体を一般的なフェライト磁石によって形成する場合にも適用することができる。
【0071】
また上述では、ローラ本体に対して磁力調整部材を嵌合させて取り付ける場合を例に説明したが、接着剤を利用して接着するようにしてもよい。
【0072】
次に、図10〜図13を参照して、本発明に係るマグネットローラによってローラ周辺の磁極パターンを変更させた例を説明する。なお、磁力パターンは、ローラの外周に形成される磁力パターンを磁極解析によって示したものである。
【0073】
図10〜図13に示すマグネットローラは、いずれも半円筒状部材をそれぞれ接合面Ra,Rbで上下方向に重ねて形成したものであり、また各図の磁極解析の結果を示すグラフは、横軸に、マグネットローラの一方の接合面Raを基準にして反時計回りに測った角度位置(°)をとり、縦軸は、表面磁束密度(G:ガウス)をとっている。
【0074】
図10は、比較のために、本発明を適用していないマグネットローラ、及びその磁力パターンの解析結果を示している。同図に示すマグネットローラは、5極の磁極が、反時計回りに磁極S1,S2,N1,S3,N2の順に配置されている。このマグネットローラによると、同図のグラフに示すような磁力パターンが形成されている。
【0075】
図11に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、ヨーク(強磁性体)h1を取り付け、また磁極S3と磁極N3との内周側に、同じく磁性調整部材としてヨークh2を取り付けたものである。この図11のマグネットローラによると、ヨークh1により、反転極N3が形成され、またヨークh2によって、磁極S3、磁極N2の磁極がそれぞれアップする。
【0076】
図12に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、磁極S1及び磁極S2よりも磁力の強いS極の磁石体h3を取り付けたものである。同図のマグネットローラによると、磁極S1及び磁極S2の磁力は低下し、これらの磁極S1と磁極S2との間にこれらよりも磁力の強い磁極S4が形成される。
【0077】
図13に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、磁極S1及び磁極S2よりも磁力の強いN極の磁石体h4を取り付けたものである。同図のマグネットローラによると、磁極S1及び磁極S2の磁力は増加し、これらの磁極S1と磁極S2との間に磁極N3が形成される。図13のマグネットローラによると、磁力がほぼ等しい磁極S1,S2,S3、及び同じく磁力がほぼ等しい磁極N1,N2,N3を形成することができる。
【0078】
このように、本発明によると、磁力調整部材を取り付けることにより、比較的容易に、所望の磁力パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施の形態1のローラ本体の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1のローラ本体の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1において、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成する動作を説明する図である。
【図4】図1のX―X線矢視図である。
【図5】実施の形態2のローラ本体の全体構成を示す斜視図である。
【図6】実施の形態2のローラ本体の分解斜視図である。
【図7】図6のY矢視図である。
【図8】図5のZ矢視図である。
【図9】種々の取付け部及び磁力調整部材を形状及び位置を説明する図である。
【図10】本発明が適用されないマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図11】磁力調整部材として2個の磁性体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図12】磁力調整部材としてS極の磁石体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図13】磁力調整部材としてN極の磁石体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1,5 ローラ本体
2,6 ローラ部
3,4,7,8,13,23,33,43
軸部
10,20,30,40,50,60
半円筒状部材
12,22,32,42
環状部
A〜G 取付け部
a〜g 磁力調整部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トナーを使用して画像を形成するプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置において、現像装置やクリーニング装置に使用されるマグネットローラに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、粉体からなるトナーによって画像を形成するプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置において、現像装置やクリーニング装置に、周方向に複数の磁極を有するマグネットローラが使用される。現像装置に使用されるマグネットローラは、感光ドラム表面に形成された静電潜像を帯電トナーによって現像するものであり、クリーニング装置に使用されるマグネットローラは、感光ドラム表面に残った帯電トナーを除去するものである。
【0003】
このようなマグネットローラのうち、特許文献1,2には、ローラ部と、その長手方向(ローラ軸方向)両端部に突設された軸部とからなるローラ本体を、2つに分割された細長い半円筒状部材を組み合わせて構成する例が記載されている。
【0004】
このうち特許文献1に記載されたものは、一方の半割り部材1の長手方向両端部に軸支持壁3,4を設け、これら軸支持壁3,4からそれぞれ軸部5,6を突設させるとともに、軸支持壁3,4の内面に嵌合受け凹部7,7を形成している。一方、この半割り部材1に組み合わされる他方の半割り部材2には、その長手方向両端部に結合壁8,8を設け、これら結合壁8,8から嵌合突起9,9を突設させている。そして、他方の半割り部材2のこれら嵌合突起9,9を、一方の半割り部材1の嵌合受け凹部7,7に嵌合させることで半割り部材1,2を組み合わせてローラ本体を構成するようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載されたものは、上述の特許文献1の構成とほぼ同様であるが、さらに一方の半割り部材の長手方向両端部にそれぞれ軸部を設け、他方の半割り部材の両端部には軸部を設けない例も記載されている。なお、特許文献2に記載されたものも、上述の特許文献1のものと同様にして、2個の半割り部材を組み合わせるものである。
【0006】
【特許文献1】特開平9−179408号公報
【特許文献2】特許第3061361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1によると、2個の半割り部材1,2を嵌合する際、ローラ軸に対して交差する方向(径方向)から嵌合させるため、一方の半割り部材1に対して他方の半割り部材2を湾曲させることが必要となり、嵌合作業が煩雑になるという問題があった。また、2個の半割り部材1,2を精度よく嵌合させるのが困難であるといった問題があった。すなわち、一方の半割り部材1の2個の嵌合受け凹部7,7間の距離と、他方の半割り部材2の2個の嵌合突起9,9間の距離を精度よく合わせるのが困難である。例えば、前者の嵌合受け凹部7,7に対して、後者の嵌合突起9,9間の距離が短すぎる場合には、嵌合後の半割り部材1,2に軸方向のガタが発生し、逆に後者の嵌合突起9,9間の距離が長すぎる場合には、嵌合後の半割り部材2がその長手方向の中央部に湾曲が発生してしまう。
【0008】
以上のような特許文献1のマグネットローラの問題点は、上述の特許文献2の問題点でもある。
【0009】
また、これら特許文献1,2に記載されているマグネットローラは、ローラ周囲に形成される磁力パターンを容易には変更することができないという問題点もある。
【0010】
そこで、本発明は、2個の半円筒状部材の嵌合作業が容易で、しかも嵌合精度の高いマグネットローラを提供することを目的とするものである。また、2つ割りのマグネットローラにおいて、ローラ周囲の磁極パターンを比較的容易に変更できるマグネットローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、ローラ周囲に磁力パターンを形成し、前記磁力パターンに基づいて帯電物質を処理するマグネットローラにおいて、一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、一方の前記半円筒状部材の前記軸部を他方の前記半円筒状部材の前記環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマグネットローラにおいて、前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径とほぼ同じに設定されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のマグネットローラにおいて、前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径よりも小さく設定されていて前記ローラ本体の内側に入り込む、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記ローラ本体に対してローラ軸に沿って取り付けられて前記磁力パターンを変化させる磁力調整部材を備え、前記ローラ本体は、前記磁力調整部材を位置決め固定するための取付け部を有する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記磁力調整部材が磁石体によって形成されている、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記磁力調整部材が磁性体によって形成されている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体の外周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、ことを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体の内周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記取付け部が前記ローラ本体に、前記ローラ軸に沿って形成された透孔である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマグネットローラにおいて、前記ローラ本体は、外周面のうちの少なくとも一部が熱収縮性フィルムによって被覆されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によると、一方の半円筒状部材の軸部を他方の半円筒状部材の環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに軸部を有する円筒状のローラ本体を構成している、このため、例えば、両半円筒状部材をローラ軸に交差する方向から嵌合させる場合(背景技術参照)と異なり、環状部に対して軸部をローラ軸に沿った方向に移動させることで挿入するができるので、嵌合作業が簡単なものとなる。また、その構造上、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成されたローラ本体において、一方の半円筒状部材が他方の半円筒状部材に対してガタついたり、湾曲したりすることがない。
【0022】
請求項2の発明によると、環状部の外径がローラ本体の外径とほぼ同じに設定されているので、比較的外径の小さいマグネットローラを形成する際に、環状部を大きく形成して十分な強度を確保することができる。
【0023】
請求項3の発明によると、環状部は、その外径がローラ本体の外径よりも小さく設定されていてローラ本体の内側に入り込むので、ローラ本体の外周面に、環状部の外周面による隙間が形成されることを防止することができる。
【0024】
請求項4の発明によると、ローラ本体の取付け部によって、磁力調整部材を位置決め固定することができるので、ローラ周囲に形成される磁力パターンをこの位置決め固体された磁力調整部材によって変化させることができる。例えば、磁力調整部材としては、磁石体や磁性体を使用することができ、これらをローラ本体に取り付けることにより、ローラ本体だけでは、達成することが困難な磁力パターンを比較的容易に形成することができる。
【0025】
請求項5の発明によると、磁力調整部材が磁石体によって形成されていて、磁力調整部材自体が磁力を発生することができるので、ローラ本体を磁石体以外の材質、例えば、磁性体、合成樹脂、セラミック等の材質で構成することが可能である。
【0026】
請求項6の発明によると、磁力調整部材が磁性体によって構成されていて、磁力調整部材自体では磁力を発生させることができないので、この場合には、ローラ本体を磁石体によって構成する必要はあるが、磁力調整部材自体の材質の選択肢は、大幅に向上する。この場合には、磁力調整部材の材質としては、原理的には、任意の磁性体(例えば、任意の金属)を使用することが可能である。
【0027】
請求項7の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体の外周面に形成された溝部に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部がローラ本体の外周面に形成された溝部であるので、ローラ本体に対する磁力調整部材の取付け作業が容易なものとなる。
【0028】
請求項8の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体の内周面に形成された溝部に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部がローラ本体の内周面に形成された溝部であるので、ローラ本体の外周面に、磁力調整部材を取り付けることに起因する隙間や段差が形成されることがない。また、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成しているため、例えば、2個の半円筒状部材を組み合わせる前に、内周面の溝部に磁力調整部材を取り付けることが可能であり、ローラ本体が一体的に円筒状の部材によって形成されている場合に比べて、磁力調整部材の取付け作業が容易となる。
【0029】
請求項9の発明によると、ローラ本体内側の中空部が開放されたオープンな磁界であることから、ローラ本体に、ローラ軸に沿って形成された透孔に磁力調整部材を取り付けることにより、ローラ本体の周囲に形成される磁力パターンを適宜にコントロールすることができる。さらに、取付け部が透孔によって形成された溝部であるので、ローラ本体の内周面や外周面に、磁力調整部材を取り付けることに起因する隙間や段差が形成されることがない。
【0030】
上述の請求項7の外周面の溝部、請求項8の内周面の溝部、請求項9の透孔については、本発明のローラ本体が、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成することに起因して、例えば、溝部や透孔の一部を一方の半円筒状部材に形成し、残りを他方の半円筒状部材に形成し、2個の半円筒状部材を組み合わせたときに、溝部や透孔の全体が構成されるようにすることが可能である。このことにより、半円筒状部材を成形する際(例えば射出成形する際)の型の形状を簡素化したり、成形作業を容易にしたりすることができる。また、溝部や透孔の断面形状、すなわちローラ軸に直交する方向(長手方向に直交する方向)の縦断面の形状を複雑なものとすることができる。このため、溝部や透孔の断面形状を適宜なものとすることにより、磁力調整部材の取付け作業を容易にしたり、磁力調整部材の取付け精度を向上させたりすることができる。
【0031】
請求項10の発明によると、2個の半円筒状部材を組み合わせて構成された円筒状のローラ本体を熱収縮性のフィルムによって被覆することにより、組み合わせ後の2個の半円筒状部材の相対位置のずれを防止したり、両者の合わせ面に形成される隙間をなくしたりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。
【0033】
<実施の形態1>
図1は、本発明を適用することができるマグネットローラを斜め上方から見た斜視図である。
【0034】
同図に示すように、マグネットローラ全体は、円筒状のローラ部2と、このローラ部2の長手方向(ローラ軸C0に沿った方向:以下同じ)の両端部からそれぞれ外側に向かって突出された軸部3,4とを備えたローラ本体1によって構成されている。これらローラ部2と、軸部3,4とは、ローラ軸C0に対して同心状に構成されている。
【0035】
なお、本実施の形態では、マグネットローラとローラ本体1とは同一のものである。後に、マグネットローラが、ローラ本体とは別に磁力調整部材を備えた例を説明する。
【0036】
図2は、上述のローラ本体1の分解斜視図である。同図及び図1に示すように、ローラ本体1は、2個の半円筒状部材10,20を組み合わせることによって構成されている。
【0037】
なお、以下の説明では、2個の半円筒状部材10,20が同形である場合を例に説明するが、両者を特に区別する必要がある場合には、一方の半円筒状部材10,他方の半円筒状部材20というものとする。
【0038】
図1,図2に示すように、一方の半円筒状部材10は、細長い半円筒状の半割り部11と、この半割り部11の長手方向(図1中のローラ軸C0に沿った方向)の一方の端部に設けられた環状部12と、他方の端部に設けられた軸部13とが、一体に構成されている。半割り部11は、長手方向に直交する方向の断面がほぼ半円形に形成されている。この半割り部11の内周面11aのうちの少なくとも環状部12の内周面12aに連続する部分には、スライドガイド11cが形成されている。このスライドガイド11cは、その内径が環状部12の内周面12aの内径及び軸部13の外周面13aの外径とほぼ同じに設定されている。スライドガイド11cの長手方向の長さは、少なくとも軸部13の長さよりも長く設定されている。これは、後に詳述するように、半割り部材10,20を組み合わせる際に軸部のガイドとして使用するためである。半割り部11の開口部には、帯状に長い2本の平行な合わせ面11d,11dが形成されている。
【0039】
環状部12は、上述のように半割り部11の一方の端部に、半割り部11と一体的に形成されている。環状部12は、その内周面12aの内径が、上述の半割り部11の内周面11aのスライドガイド11cの内径、及び軸部13の外周面13aの外径とほぼ同じに設定されている。また、本実施の形態においては、環状部12は、その外周面12bの外径が、半割り部11の外周面11bの外径と同じに設定されている。すなわち、半円筒状部材10,20の組み合わせ後には、環状部12の外周面12bは、半割り部11の外周面11bとともに、ローラ部2の外周面を構成することになる。
【0040】
軸部13は、上述のように半割り部11の他方の端部に一体的に形成されている。軸部13は、その外周面13aの外径が上述の半割り部11の内周面11aのスライドガイド11cとほぼ同じに設定されている。軸部13は、半割り部11の端部に対して、基端側が半割り部11の内側に、また先端側が端部から突出するように形成されている。この先端側の突出部が、他方の半円筒状部材20の環状部22に挿入されることになる。なお、軸部13の先端には、挿入動作を容易にすべく面取り13cが施されている。
【0041】
本実施の形態では、上述構成の一方の半円筒状部材10に対し、他方の半円筒状部材20も同形に形成されている。
【0042】
すなわち、他方の円筒状部材20は、細長い半円筒状の半割り部21とその一方の端部に設けられた環状部22と他方の端部に設けられた軸部23とが一体に構成されている。半割り部21は、内周面21aの一部に環状部22の内周面22aに連続するスライドガイド21cを有している。スライドガイド21cの内径は、環状部22の内周面22aの内径及び軸部23の外周面23aの外径とほぼ同じに設定されている。また環状部22の外周面22bの外径は、半割り部21の外周面21bの外径と同じに設定されている。なお、図2中の符号21dは上述の一方の半割り部11の合わせ面11d,11dに合わせられる合わせ面を示し、また符号23cは、軸部23の先端の面取りである。
【0043】
本実施の形態のローラ本体1は、上述の一方の半円筒状部材10及び他方の半円筒状部材20を次のように組み合わせることによって構成されている。
【0044】
まず、図3(a)に示すように、一方の半円筒状部材10と他方の半円筒状部材20とを少し離して平行に配置する。このとき、一方の半円筒状部材10の合わせ面11d,11dを上方に向け、他方の半円筒状部材20の合わせ面21dを下方に向けて、合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとが対面するようにする。さらに、このとき、それぞれの半円筒状部材10,20の長手方向の位置については、一方の半円筒状部材10の半割り部11のスライドガイド11cと、他方の半円筒状部材20の軸部23とがほぼ一致するようにし、また、他方の半円筒状部材20の半割り部21のスライドガイド21cと、他方の半円筒状部材10の軸部13とがほぼ一致するようにする。この状態で、両半円筒状部材10,20を長手方向に交差する方向(図3(a)中の矢印方向)に近接させ、さらに(b)に示すように、それぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを当接させて合わせる。これにより、一方の半円筒状部材10のスライドガイド11cに他方の半円筒状部材20の軸部23が、また他方の半円筒状部材20のスライドガイド21cに一方の半円筒状部材10の軸部13がちょうど嵌まり込む。(b)はこうして、2個の半円筒状部材10,20が長手方向に交差する方向に位置決めされた状態を示している。ただし、この段階では、まだ2個の半円筒状部材10,20の長手方向に位置決めはなされていない。
【0045】
つづいて、上述のように、2個の半円筒状部材10,20を、それぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを接触させた状態と維持しつつ、図3(b)に示す矢印方向に相対的に移動させる。このとき、他方の半円筒状部材20の軸部22は、一方の半円筒状部材10のスライドガイド11cに沿って、また一方の半円筒状部材10の軸部13は、他方の半円筒状部材20のスライドガイド21cに沿って長手方向に円滑に移動する。さらに、両半円筒状部材10,20の軸部13,23の外周面13a,23aの外径が、それぞれのスライドガイド11c,21cの内径、及び環状部12,13の内周面12a,22aの内径とほぼ同じに設定されていることから、一方の半円筒状部材10の軸部13は、他方の半円筒状部材20の環状部22に、また他方の半円筒状部材20の軸部23は、一方の半円筒状部材10の環状部12にそれぞれ簡単に挿入することができる。この挿入動作は、一方が他方に対して相対移動できなくなるまで行う。これにより、図1に示すローラ本体1を構成することができる。
【0046】
このように、本実施の形態においては、まず半円筒状部材10,20を、長手方向の位置を軸部13,23に相当する長さだけずらした状態で、長手方向に直交する方向に移動させてそれぞれの合わせ面11d,11dと合わせ面21d,21dとを合わせ、次に、長手方向にスライドさせることにより、それぞれの軸部13,23をそれぞれの環状部22,12に挿入し、2個の半円筒状部材10,20を組み合わせて、ローラ本体1を構成することができる。組み合わせ時に、両半円筒状部材10,20に対して、これらを不要に湾曲させるような作業を伴わないので、組み合わせ作業が容易なものとなる。また長手方向及びこれに直交する方向にガタのない、精度のより組み合わせ作業が可能となる。また、本実施の形態によると、それぞれの環状部12,22の外周面12b,22bの外径を、半割り部11,21の外周面11b,21bの外径と同じ、すなわち最大限に設定しているので、比較的細いマグネットローラを形成する際にも、環状部12,22の強度を十分に確保することが可能となる。
【0047】
本実施の形態における半円筒状部材10,20は、例えば、射出成形された樹脂磁石によって構成することができる。図4に、磁極の一例を示す。同図は、図1のX−X線矢視図、すなわちローラ本体1の長手方向に直交する方向の縦断面図を示している。同図に示すように、一方の半円筒状部材10には、磁極N1,S1が設けられ、また他方の半円筒状部材20には、磁極N2,S2が設けられている。ローラ本体1全体としては、ローラ部2を周方向に4等分するように、4個の磁極、すなわち磁極N1,S1,N1,N2が配置されることになる。なお、これら周方向に沿って形成された磁極N1,S1,N2,S2は、長手方向のいずれの位置においてもほぼ同じとなるようになっている。
【0048】
ところで、上述のように、半円筒状部材10,20を射出成形した場合には、半円筒状部材10,20に反りが発生する。例えば図3(a)中の姿勢では、下側の半円筒状部材10は、長手方向の中央部が上方に、また上側の半円筒状部材20は、同じく長手方向の中央部が下方に湾曲することになる。射出成形によってこのような反りが発生した場合でも、上述のような構成で、半円筒状部材10,20を組み合わせてローラ本体1を構成することにより、半円筒状部材10,20双方の反りを矯正した状態で、ローラ本体1を構成することができる。
【0049】
なお、上述では、一方の半円筒状部材10と他方の半円筒状部材20とが同一形状である場合を例に説明したが、必ずしも同一である必要はない。例えば、必要に応じて、軸部13と軸部23との長さが異なるように構成してもよい。
【0050】
<実施の形態2>
図5は、本実施の形態に係るマグネットローラ(ローラ本体5)を斜め上方から見た斜視図である。なお、同図に示すマグネットローラにおいても、上述の実施の形態1と同様に、マグネットローラとローラ本体5とが同一のものである。図6は、ローラ本体5の分解斜視図である。図7は半円筒状部材40を図6中の矢印Y方向から見た図である。そして、図8はローラ本体6を図5中の矢印Z方向から見た図である。
【0051】
本実施の形態においては、一方の半円筒状部材30と他方の半円筒状部材40とを組み合わせて、ローラ部6と軸部7,8とを備えるローラ本体5を構成している。なお、本実施の形態では、半円筒状部材30,40は、例えば樹脂磁石によって形成されているものとする。
【0052】
本実施の形態では、一方の半円筒状部材30は、半割り部31と、その一方の端部に設けられた環状部32と、他方の端部にフランジ部34を介して設けられた軸部33とが一体に形成されている。また他方の半円筒状部材40は、半割り部41と、その一方の端部に設けられた環状部42と、他方の端部にフランジ部44を介して設けられた軸部43とが一体に形成されている。
【0053】
本実施の形態においては、環状部32,42の外周面32a,42aの外径が、半割り部31,41の外周面31a,41aの外径よりも小さく設定されている。そして、これら環状部32,42に挿入されることになる軸部43,33の基端部には、これらが嵌合される溝部45,35が形成されている。すなわち、他方の半円筒状部材40の一方の端部に設けられたフランジ部44は、半割り部41の端部よりも少し内側に配置されていて、このフランジ部44の中心から半割り部41の内周面の内径よりも細い軸部43が突設されている。したがって、この軸部43の基端部には、その外周面43aと、半割り部41の内周面41bと、フランジ部44の外側の端面44aとの間には、軸部43の中心を通る平面で切ったときの断面形状(矢印Y方向から見た形状)が四角形の半環状の溝部45が形成される。そして、上述の実施の形態1とほぼ同様にして、2個の半円筒状部材30,40を組み合わせてローラ本体5を構成する際には、一方の半円筒状部材30の環状部32が、他方の半円筒状部材40の溝部45に嵌合されることになり、同様に、他方の半円筒状部材40の環状部42が、他方の半円筒状部材30の溝部35に嵌合されることになる。
【0054】
本実施の形態によると、上述の実施の形態1の効果に加えて、さらに2個の半円筒状部材30,40を組み合わせてローラ本体5を構成した際に、環状部32,42の外周面32a,42aが、ローラ本体5の外周面に露出することがない。すなわち、ローラ本体5の外周面に、環状部32,42の外周面32a,42aが露出することに起因する間隙が形成されることを有効に防止することができる。
【0055】
<実施の形態3>
本実施の形態では、マグネットローラをローラ本体と、磁力調整部材によって構成する場合を説明する。なお、この場合のローラ本体としては、上述の実施の形態1,2で例示したローラ本体、すなわち、一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、一方の半円筒状部材の軸部を他方の半円筒状部材の環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成するものであれば、上述の実施の形態1,2以外の構成のものであってもよい。以下では、半円筒状部材50と半円筒状部材60とを組み合わせてローラ本体9を構成する場合を例に説明する。
【0056】
図9は、ローラ本体9を、その長手方向のほぼ中央部において、ローラ軸C0に直交する方向で接断した断面を模式的に示す図である。同図には、磁力調整部材a〜g(図9中の斜線で図示)と、これら磁力調整部材a〜gを位置決め固定するための取付け部A〜Gを示している。ただし、これら磁力調整部材a〜g及び取付け部A〜Gは、種々の変形例を1つの図に図示するものであって、実際には、1つのローラ本体に対して、これらのうちの任意の種類のものを1つ、又は同種(同形)のものを複数、又は複数種(異形)のものを適宜に組み合わせて、設けるものとする。
【0057】
上述の取付け部A〜G及び磁力調整部材a〜gは、ローラ本体9のローラ軸C0に沿って長く形成されていて、ローラ本体9のローラ部のほぼ全長にわたって形成されている。ここでほぼ全長という意味は、前述のように環状部が設けてある場合には、この環状部に相当する部分は除き、また後述の取付け部B,Eのように、ローラ本体9の外周面9aと内周面9bとを貫通するように形成されている場合には、ローラ部の長手方向両端部近傍には形成されないという意味である。
【0058】
取付け部A,Cは、ローラ本体9の外周面9aに形成された溝部であり、それぞれ円弧上の底面A1,C1と、側面A2,A3、C2,C3とによって形成されている。なお、同図に示すものでは、底面A1,C1は、円弧状に形成されているが、平面状に形成してもよい。また、側面A2,A3、C2,C3は、その内側への延長がローラ軸C0を通る方向に形成されているが、これに代えて、周方向の中心とローラ軸C0とを結ぶ線(例えば、同図中の一点鎖線H)に平行に形成するようにしてもよい。取付け部Aに取り付けられる磁力調整部材aは、その全体が取付け部Aにちょうど嵌合されるように形成されている。すなわち、磁力調整部材aは、取付け部Aと同形に形成されていて、その外側面a1がローラ本体9の外周面9aと一致するようになっている。これに対して、取付け部Cに嵌合される磁力調整部材cは、その内側の部分が取付け部Cに嵌合されるとともに、外側の部分c1が外周面9aから突出するように形成されている。
【0059】
取付け部D,Fは、ローラ本体9の内周面9bに形成された溝部であり、それぞれ円弧上の底面D1,F1と、側面D2,D3、F2,F3とによって形成されている。なお、同図に示すものでは、底面D1,F1は、円弧状に形成されているが、平面状に形成してもよい。また、側面D2,D3、F2,F3は、その内側への延長がローラ軸C0を通る方向に形成されているが、これに代えて、周方向の中心とローラ軸C0とを結ぶ線(例えば、同図中の一点鎖線H)に平行に形成するようにしてもよい。このように、平行に形成した場合には、磁力調整部材d,fの嵌合に際して、ローラ本体9の内周面9b側から嵌合することが可能となる。なお、内周面9b側から嵌合する場合には、半円筒状部材を組み合わせる前に嵌合することになる。取付け部Fに取り付けられる磁力調整部材fは、その全体が取付け部Fにちょうど嵌合されるように形成されている。すなわち、磁力調整部材fは、取付け部Fと同形に形成されていて、その内側面f1がローラ本体9の内周面9bと一致するようになっている。これに対して、取付け部Dに嵌合される磁力調整部材dは、その外側の部分が取付け部Dに嵌合されるとともに、内側の部分d1が内周面9bから突出するように形成されている。
【0060】
取付け部B,Eは、ローラ本体9を、その外周面9a側と内周面9b側とを貫通するように形成された溝部であり、それぞれ長手方向に沿った側面B1,B2、E1,E2と長手方向の両端部の側面(不図示)によって窓状に形成されている。これら側面のうち長手方向の側面B1,B2、E1,E2は、その内側への延長がローラ軸C0を通るようになっている。これら取付け部B,Eに嵌合される磁力調整部材b,eは、長手方向に直交する方向の断面が図示のように、扇形となっている。このうち磁力調整部材bは、取付け部Bに嵌合された状態において、外側の部分b1がローラ本体9の外周面9aから突出し、また内側の部分b2が内周面9bから突出するようになっている。一方、磁力調整部材eは、外側の面e1が外周面9aと一致し、内側の部分e2が内周面9bから突出するようになっている。
【0061】
取付け部Gは、ローラ本体9に、そのローラ軸Sに沿って形成された透孔である。この取付け部Gには、例えば、棒状の磁力調整部材gが嵌合される。
【0062】
上述の取付け部A〜Gに対する磁力調整部材a〜gの嵌合方法は、磁力調整部材a,b,c,eについては、外周面9a側から、また磁力調整部材d,f,gについては、ローラ本体9の長手方向端部側から挿入するようになる。ただし、上述のように、取付け部Dの側面D2,D3を平行に、また取付け部Fの側面F2,F3を平行に形成した場合には、内周面9b側からの嵌合が可能となる。
【0063】
以上の説明では、取付け部A〜Gがいずれも半円筒状部材の一方又は他方に形成されている場合を例に説明したが、これに代えて、取付け部の一部を一方の半円筒状部材の合わせ面に形成し、取付け部の残りの部分を他方の半円筒状部材の合わせ面に形成し、両合わせ面を合わせたときに、取付け部が完成するようにすることも可能である。特に、図9中の透孔からなる取付け部Gを形成する場合には、それぞれの合わせ面に半円柱状の凹部を形成すれば、これらを合わせたときに透孔からなる取付け部Gを構成することができる。このような構成にすると、射出成形が容易となる。
【0064】
上述のローラ本体9を磁石体によって形成した場合には、磁力調整部材としては、磁石体と磁性体とのいずれをも使用することが可能である。ローラ本体9の所定の位置に、上述の取付け部A〜Gのうちのいずれかを1つ、又は同じものを複数、又は適宜に組み合わせて形成する。こうして形成された取付け部に、それぞれに対応する磁力調整部材を取り付ける。すなわち磁力調整部材は、取付け部に嵌合するだけで、ローラ本体9の周方向に対する位置決めがなされるようになっている。このとき、形成された取付け部に磁性体を嵌合したり、適宜な大きさの磁力を有する磁力調整部材を嵌合したりすることにより、ローラ本体9の周囲に形成される磁力パターンを簡単に変更することができる。
【0065】
すなわち、例えば、ローラ本体9を、射出成形によって形成した樹脂磁石からなる2個の半円筒状部材を組み合わせて構成する場合、射出成形時に着磁することになるが、この際、各ローラ本体9ごとに磁力パターンを変更することは困難である。
【0066】
このような場合、射出成形時にローラ本体9に取付け部を形成する。そして、この取付け部に、例えば、適宜な磁力を有する磁力調整部材を取り付けるようにする。これにより、ローラ本体9の単独で周囲に形成される磁力パターンに対して、ローラ本体9に磁力調整部材を取り付けることにより、その磁力パターンを適宜に変更することが可能となり、複雑な磁力パターンを形成することが可能となる。
【0067】
ここで、本発明においては、2個の半円筒状部材を組み合わせて、ローラ本体を構成するようにしているので、特に、内周面に取付け部を設け、組み合わせ前にこの取付け部に磁力調整部材を取り付ける場合に有効である。この場合には、磁力調整部材が外周面側に露出しないので、ローラ本体外周面の平滑度を保持することができる。
【0068】
<実施の形態4>
本実施の形態は、ローラ本体の外周面を熱収縮性のフィルムで被覆するものである。
【0069】
マグネットローラがローラ本体のみによって構成されている場合には、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成した後、またマグネットローラがローラ本体と磁力調整部材とによって構成されている場合には、ローラ本体に磁力調整部材を組み合わせた後、ローラ本体表面に、例えば、チューブ状の熱収縮性フィルムを被せ、その後、加熱して熱収縮性フィルムを収縮させてローラ本体表面に密着させる。これにより、ローラ本体構成後の、2個の半円筒状部材の不要な動きを防止して、位置ずれを防止するとともに、マグネットローラ表面の平滑度を向上させることができる。また、磁力調整部材をローラ本体の外周面側から嵌合させている場合には、この熱収縮性フィルムの被覆によって磁力調整部材の脱落を防止することができる。
【0070】
以上の実施の形態においては、ローラ本体を樹脂磁石によって形成する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ローラ本体を一般的なフェライト磁石によって形成する場合にも適用することができる。
【0071】
また上述では、ローラ本体に対して磁力調整部材を嵌合させて取り付ける場合を例に説明したが、接着剤を利用して接着するようにしてもよい。
【0072】
次に、図10〜図13を参照して、本発明に係るマグネットローラによってローラ周辺の磁極パターンを変更させた例を説明する。なお、磁力パターンは、ローラの外周に形成される磁力パターンを磁極解析によって示したものである。
【0073】
図10〜図13に示すマグネットローラは、いずれも半円筒状部材をそれぞれ接合面Ra,Rbで上下方向に重ねて形成したものであり、また各図の磁極解析の結果を示すグラフは、横軸に、マグネットローラの一方の接合面Raを基準にして反時計回りに測った角度位置(°)をとり、縦軸は、表面磁束密度(G:ガウス)をとっている。
【0074】
図10は、比較のために、本発明を適用していないマグネットローラ、及びその磁力パターンの解析結果を示している。同図に示すマグネットローラは、5極の磁極が、反時計回りに磁極S1,S2,N1,S3,N2の順に配置されている。このマグネットローラによると、同図のグラフに示すような磁力パターンが形成されている。
【0075】
図11に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、ヨーク(強磁性体)h1を取り付け、また磁極S3と磁極N3との内周側に、同じく磁性調整部材としてヨークh2を取り付けたものである。この図11のマグネットローラによると、ヨークh1により、反転極N3が形成され、またヨークh2によって、磁極S3、磁極N2の磁極がそれぞれアップする。
【0076】
図12に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、磁極S1及び磁極S2よりも磁力の強いS極の磁石体h3を取り付けたものである。同図のマグネットローラによると、磁極S1及び磁極S2の磁力は低下し、これらの磁極S1と磁極S2との間にこれらよりも磁力の強い磁極S4が形成される。
【0077】
図13に示すマグネットローラは、図10のマグネットローラに対し、磁極S1と磁極S2との間に、磁力調整部材として、磁極S1及び磁極S2よりも磁力の強いN極の磁石体h4を取り付けたものである。同図のマグネットローラによると、磁極S1及び磁極S2の磁力は増加し、これらの磁極S1と磁極S2との間に磁極N3が形成される。図13のマグネットローラによると、磁力がほぼ等しい磁極S1,S2,S3、及び同じく磁力がほぼ等しい磁極N1,N2,N3を形成することができる。
【0078】
このように、本発明によると、磁力調整部材を取り付けることにより、比較的容易に、所望の磁力パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施の形態1のローラ本体の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1のローラ本体の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1において、2個の半円筒状部材を組み合わせてローラ本体を構成する動作を説明する図である。
【図4】図1のX―X線矢視図である。
【図5】実施の形態2のローラ本体の全体構成を示す斜視図である。
【図6】実施の形態2のローラ本体の分解斜視図である。
【図7】図6のY矢視図である。
【図8】図5のZ矢視図である。
【図9】種々の取付け部及び磁力調整部材を形状及び位置を説明する図である。
【図10】本発明が適用されないマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図11】磁力調整部材として2個の磁性体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図12】磁力調整部材としてS極の磁石体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【図13】磁力調整部材としてN極の磁石体を取り付けたマグネットローラ及びその磁力パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1,5 ローラ本体
2,6 ローラ部
3,4,7,8,13,23,33,43
軸部
10,20,30,40,50,60
半円筒状部材
12,22,32,42
環状部
A〜G 取付け部
a〜g 磁力調整部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ周囲に磁力パターンを形成し、前記磁力パターンに基づいて帯電物質を処理するマグネットローラにおいて、
一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、
一方の前記半円筒状部材の前記軸部を他方の前記半円筒状部材の前記環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成する、
ことを特徴とするマグネットローラ。
【請求項2】
前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径とほぼ同じに設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
【請求項3】
前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径よりも小さく設定されていて前記ローラ本体の内側に入り込む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
【請求項4】
前記ローラ本体に対してローラ軸に沿って取り付けられて前記磁力パターンを変化させる磁力調整部材を備え、
前記ローラ本体は、前記磁力調整部材を位置決め固定するための取付け部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項5】
前記磁力調整部材が磁石体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項6】
前記磁力調整部材が磁性体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項7】
前記取付け部が前記ローラ本体の外周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項8】
前記取付け部が前記ローラ本体の内周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項9】
前記取付け部が前記ローラ本体に、前記ローラ軸に沿って形成された透孔である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項10】
前記ローラ本体は、外周面のうちの少なくとも一部が熱収縮性フィルムによって被覆されている、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項1】
ローラ周囲に磁力パターンを形成し、前記磁力パターンに基づいて帯電物質を処理するマグネットローラにおいて、
一方の端部に環状部を有し、他方の端部に軸部を有する2個の半円筒状部材を備え、
一方の前記半円筒状部材の前記軸部を他方の前記半円筒状部材の前記環状部に挿入することによって両端部のそれぞれに前記軸部を有する円筒状のローラ本体を構成する、
ことを特徴とするマグネットローラ。
【請求項2】
前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径とほぼ同じに設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
【請求項3】
前記環状部は、その内径が前記軸部の外径とほぼ同じに設定され、その外径が前記ローラ本体の外径よりも小さく設定されていて前記ローラ本体の内側に入り込む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
【請求項4】
前記ローラ本体に対してローラ軸に沿って取り付けられて前記磁力パターンを変化させる磁力調整部材を備え、
前記ローラ本体は、前記磁力調整部材を位置決め固定するための取付け部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項5】
前記磁力調整部材が磁石体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項6】
前記磁力調整部材が磁性体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項7】
前記取付け部が前記ローラ本体の外周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項8】
前記取付け部が前記ローラ本体の内周面に、前記ローラ軸に沿って形成された溝部である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項9】
前記取付け部が前記ローラ本体に、前記ローラ軸に沿って形成された透孔である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【請求項10】
前記ローラ本体は、外周面のうちの少なくとも一部が熱収縮性フィルムによって被覆されている、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−18189(P2006−18189A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198412(P2004−198412)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(593123373)ピーエム技研株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(593123373)ピーエム技研株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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