説明

マスキング物品及びコーティングされるべき基材をマスクする方法

本開示は、外形を定められた(profiled)マスキング物品と、塗装領域と非塗装領域との間にフェザーエッジ又はソフトエッジを提供する、処理又は塗装されるべき基材をマスクする方法とに関する。本明細書に記載のマスキング物品は、単一のストリップとして使用することもでき、又は、異なる種類の処理と処理との間に1つのストリップが除去される、横に並べて置かれた多数のストリップとして使用することもできる。これによって、連続した処理層が前の層を完全に被覆することができ、したがって露出した材料層に起因する欠陥が回避される。
一実施形態では、本開示は、
少なくとも1つの細長い本体(12)を含んでおり、前記本体(12)が、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体の少なくとも一部分が接着剤物質を含んでおり、さらに、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された概ね平面的な最上部分(14)を含んでおり、前記最上部分(14)が微細構造表面を有する、マスキング物品を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、マスキング物品と、基材をマスクする方法とに関する。本発明は、特に、自動車用途における、マスキング物品と、基材をマスクする方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の塗装作業時に表面をマスク又は被覆するために使用される、様々なマスキング材料が知られている。例えば、ある領域に塗料を適用するときに、従来のマスキングテープ又は粘着性発泡体を使用して、隣接領域をマスクすることができる。
【0003】
典型的な自動車の再塗装作業では、修理された車の表面を仕上げるために、しばしば、塗料及び他の材料の多重コーティングが使用される。例えば、車の仕上げの際に使用される一般的な処理は、最初にシーラー(又はプライマー)材料のコーティング、続いて色彩塗料を含む第2の材料層、続いて透明塗料を含む第3の材料層を含む。最終的な塗面に、ぼんやりして、変色した材料の帯が現れるのを避けるために、プライマー又はシーラー材料を含む最初のコーティング層が、連続したコーティングによって完全に被覆されることが望ましい場合が多い。そのような欠陥を含んだ塗面は、紙やすりで磨き、且つ/又はスポット塗装しなければならず、それが修理の仕事の時間及びコストを増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、外形を定められた(profiled)マスキング物品と、塗装領域と非塗装領域との間にフェザーエッジ又はソフトエッジを提供する、処理又は塗装されるべき基材をマスクする方法とに関する。本明細書に記載のマスキング物品は、単一のストリップとして使用することもでき、又は、異なる種類の処理と処理との間に1つのストリップが除去される、横に並べて置かれた多数のストリップとして使用することもできる。これによって、連続した処理層が前の層を完全に被覆することができ、したがって露出した材料層に起因する欠陥が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本開示は、
少なくとも1つの細長い本体を含んでおり、前記本体が、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体の少なくとも一部分が接着剤物質を含んでおり、さらに、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された概ね平面的な最上部分を含んでおり、前記最上部分が微細構造表面を有する、マスキング物品を目的とする。
【0006】
他の実施形態では、本開示は、細長い本体を含んでおり、前記本体が、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体の少なくとも一部分が、キャスティングプロセスによって作製された接着剤物質を含んでおり、さらに、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された最上部分を含む、マスキング物品を目的とする。
【0007】
さらに他の実施形態では、本開示は、マスクされるべき表面と処理されるべき表面とを有する基材をマスクする方法であって、少なくとも1つのマスキング物品を基材に適用する工程を含んでおり、前記物品が細長い本体を含んでおり、前記本体が、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体がさらに、接着剤と、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された概ね平面的な最上部分とを含んでおり、前記方法がさらに、第1の材料のコーティングを基材に適用する工程と、前記少なくとも1つのマスキング物品を基材から除去する工程と、第2の材料のコーティングを基材に適用する工程とを含む方法を目的とする。
【0008】
他の実施形態では、本開示は、マスキング物品を作製する方法であって、(a)接着剤物質をキャスティング用治工具のキャビティに適用する工程と、(b)接着剤物質を覆って材料シートを適用する工程と、(c)キャスティング用治工具から前記材料シートとともに接着剤物質を除去して、前記材料シートに付着した少なくとも1つの前記接着剤物質の断片を有するマスキング材料を形成する工程とを含む方法を目的とする。
【0009】
本明細書で使用するとき、「感圧性接着剤(PSA)」は、積極的且つ永久的に粘着性があり、単に接触させるだけで、指又は手の圧力以外の必要なしに、多種多様な異種表面にしっかりと接着することになる接着剤である。PSAは、紙、ガラス、プラスチック、木材、セメント、及び金属のような材料に対して強い接着保持力を発揮するために、水、溶媒、又は熱による活性化を必要としない。
【0010】
PSAとしては、通常、もともと粘着性のある材料、又は粘着付与樹脂の添加によって粘着性の高められた材料(例えば、エラストマー)が挙げられる。それらは、感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)、D.サタス(D. Satas)、第2版、172ページ(1989)に記載されているダルキスト(Dahlquist)基準によって、使用温度において定義することができる。この基準は、優れたPSAを、0.1cm2/N(1×10-6cm2/ダイン)を超える1秒クリープコンプライアンスを有するものとして定義する。或いは、弾性率が第1近似まではコンプライアンスの逆数であるので、PSAを、0.1MPa(1×106ダイン/cm2)未満の弾性率を有する接着剤として定義することもできる。
【0011】
PSAの他の好適な定義は、25℃において周波数に対する弾性率のグラフにプロットされたときに以下の点によって定義される範囲内の室温貯蔵弾性率を有する接着剤である。
【0012】
約0.1ラジアン/秒(0.017Hz)の周波数において約0.02MPa(2×105ダイン/cm2)〜0.04MPa(4×105ダイン/cm2)の弾性率範囲、及び約100ラジアン/秒(17Hz)の周波数において約0.2MPa(2×106ダイン/cm2)〜0.8MPa(8×106ダイン/cm2)の弾性率範囲(例えば、感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)、D.サタス(D. Satas)、第2版(1989)、173ページの図8〜16参照)。
【0013】
また、感圧性接着剤を識別する他の方法も知られている。本開示の好適な感圧性接着剤を識別するために、感圧性接着剤を識別するこれらの方法のいずれも使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本開示は、外形を定められた(profiled)マスキング物品及び、塗装領域と非塗装領域との間にフェザーエッジ又はソフトエッジを提供する、処理又は塗装されるべき基材をマスクする方法とに関する。本明細書に記載のマスキング物品は、単一のストリップとして使用することもでき、又は、異なる種類の処理と処理との間に1つのストリップが除去される、横に並べて置かれた多数のストリップとして使用することもできる。これによって、連続した処理層が前の層を完全に被覆することができる。
【0015】
本明細書に記載のマスキング物品は、いずれのマスキング作業でも使用できるが、このマスキング物品は、ドア枠のような、自動車の隣接パネル間の隙間をマスクするのに特に適している。
【0016】
部分的に塗装されるべき車の表面のような基材を処理するために、自動車修理作業で使用される典型的な手順は、初めにプライマー/シーラーのコーティング、続いて色彩塗料(又は塗料層)、続いて透明塗料層を基材に適用する工程を含む。ここで図1aを見ると、従来技術のマスキング方法が描かれており、その際、基材28をマスクするために使用される単一片のマスキング材料17を使用する結果、第1のプライマー/シーラー層22がマスキング材料に向かって最も深くまで浸透することになり、続いて適用される各層(24及び26)の浸透の程度はそれよりも小さくなる。その結果、プライマー/シーラー層の周縁部21が後続の処理層によって被覆されないままとなり、ぼんやりした、欠陥のある外観となる。滑らかに仕上げられた又は「フェザー(feathered)」エッジを得るためには、表面を紙やすりで磨き、且つ/又は再塗装しなければならず、それが修理時間及び労働を大幅に増加させる。
【0017】
図1bは、従来のマスキングテープ19でマスクされたとき、プライマー/シーラー層22、色彩塗料層24、及び透明塗料層26が塗装されるべき基材28に適用されたときに得られるコーティングプロファイルを示す。従来のマスキングテープ19の使用は、縁部の高いプロファイル又はメニスカス18を引き起こし、滑らかな仕上げを達成するには、通常、それを紙やすりで磨いて再塗装しなければならない。
【0018】
ここで図2を見ると、本開示の一実施形態によるマスキング物品の斜視図が示されている。マスキング物品10は、通常細長い本体部分12と、該本体部分12の表面に取り付けられた最上部分14とを有する。
【0019】
一実施形態では、マスキング物品の本体部分12は、少なくとも一部が接着剤物質で作製される。他の実施形態では、本体部分12は、完全に接着剤物質で作製され、キャスティングプロセスやホットメルトプロセスなどを含めた任意の数の好適なプロセスによって形成される。
【0020】
当業者には理解されるように、マスキング物品の本体部分は、これらに限定するものではないが、正方形、長方形、三角形、及び五角形のような多角形を含めた様々な好適な形状を呈することができる。好適な形状には、また、これらに限定するものではないが、円形、卵形、及び楕円形を含め、曲面又は弓状表面を有する形状も含まれる。好適な形状には、さらに、弓状部分と非弓状部分の両方を有する形状が含まれ、その非限定例としては放物線状又は長円(obround)形などがある。
【0021】
ここで図3を見ると、マスキング物品の代替的な実施形態が示されている。図3aは、正方形断面をもつ本体部分42を有するマスキング物品30を示す。図3bでは、本体部分44が台形断面を有するマスキング物品32が示されている。図3cは、放物線状断面形状をもつ本体部分46を有する、最上部分のないマスキング物品34を示す。さらに、細長いマスキング物品の断面形状が、その長さに沿って1つよりも多くの断面形状を有していてもよいことを理解すべきである。
【0022】
一実施形態では、マスキング物品の最上部分14は、概ね平面的であるが、最上部分が任意の数の好適な形状の形態を呈することができることを理解すべきであり、例えば、最上部分を本体部分の輪郭に従うように形成することもでき、又は最上部分が任意の好適な形状の形態をとることもでき、そのような任意の好適な形状の非限定例は、凹形、凸形、又は波形である。
【0023】
最上部分は、任意の好適な材料で作製されてよい。一実施形態では、最上部分14は、積層された、又は本体部分12とともに一体品として形成された、熱可塑性材料で作製される。一部の実施形態では、最上部分14は微細構造表面を含む。或いは、マスキング物品は、最上部分なしで構成されてもよい(図3c参照)。そのような構成では、本体部分の表面は、ユーザーが物品を、処理されるべき表面に接着できるようにするための接着剤なしで提供される。
【0024】
微細構造表面を有する最上部分14を含む一実施形態では、微細構造表面の存在によって、剥離ライナーを用いずに、保管及び輸送のためにマスキング物品を直接それだけで巻くことができるようになる。
【0025】
本明細書で使用するとき、微細構造表面は、三次元の表面特徴を有する表面として定義される。本明細書で使用するとき、微細複製表面は、微細複製パターンの陰型を有する型彫りされた(tooled)表面を用いて表面特徴を型押し又は成型する(casting)ことによって作製されるタイプの微細構造表面として定義される。微細構造表面は、米国特許第6,824,378号(キング(King)ら)に記載されるような治工具によって作製され得る。微細構造表面の種類としては、ピラミッド、溝、錐体、角柱、球体、及び楕円体が挙げられるが、これらに限定されない。様々な微細構造表面が米国特許第6,315,851号(マズレク(Mazurek)ら)に記載されている。一実施形態では、マスキング物品の上面は、溝のクロスハッチパターンを含む。
【0026】
マスキング物品の最上部分を作製するのに好適な材料としては、広範な天然材料及び合成材料が挙げられる。そのような材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、又はポリペンテンのようなポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリエチレンナフタレートのようなポリエステル類、ポリアミド類、ポリチオエーテル類、ポリスルホン類、ポリウレタン類、ポリエーテルスルホン類、ポリイミド類、ポリビニルアルコール類、ポリ塩化ビニル、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
一実施形態では、マスキング物品の寸法は、幅約4.76mm(3/16インチ)、厚さ約0.64mm(25mil)である。物品の長さは、用途に応じて変化してもよく、脆弱線、ミシン目、又は他の好適な手段によって分離可能なプレカット片で提供されてよい。
【0028】
本明細書に記載のマスキング物品の本体部分を作製するのに好適な材料としては、広範な天然材料及び合成材料が挙げられる。一部の実施形態では、マスキング材料の本体部分は、完全に感圧性接着剤物質で作製される。他の実施形態では、本体部分は、主に非接着剤物質から構成され、物品を基材に接着させるためにPSA物質の層を備える。好適な感圧性接着剤物質の例としては、ポリオレフィン類、アクリレートポリマー類、天然及び合成ゴム類、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、ポリ(ビニルエーテル類)、及びスチレンブロックコポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。PSA物質は、もともと粘着性のあるものであってもよく、又は粘着付与剤を原料物質に添加してPSAを形成してもよい。有用な粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル樹脂類、芳香族炭化水素樹脂類、脂肪族炭化水素樹脂類、及びテルペン樹脂類が挙げられる。例えば、油類、可塑剤類、酸化防止剤類、紫外線(「UV」)安定剤類、水素添加ブチルゴム、顔料類、及び硬化剤類を含めた他の材料を、特殊な目的で添加することができる。有用なPSA類のさらなる開示は、国際公開第2003017899号及び米国特許第5,654,387号に見出すことができ、それらの開示全体を本明細書に参考として組み込む。
【0029】
PSA物質は、さらに、国際公開第00/06637号に記載されているような弾性又は剛性の微小球を含有してよい。
【0030】
様々なPSA物質類が本発明で使用するのに適しているが、使用されるPSA物質が、高温に曝された後でさえ、基材に適用された後で最小限の接着性蓄積物しか生み出さないことが好ましい。使用される接着剤物質が、基材を層間剥離させることも接着剤の残留物を残すこともなく、基材からきれいに剥がれることが望ましい。また、この特徴は、剥離ライナーの必要なしにマスキング材料がそれだけで巻かれる能力を補助する。そのような接着剤を作製する一方法は、接着剤物質を、それが使用される前に硬化又は架橋させることであり、これについては以下でさらに説明する。他の方法は、米国特許第4,599,265号に記載されており、その開示全体を本明細書に参考として組み込む。
【0031】
本明細書に記載のマスキング物品は、押出成形、射出成形、ダイカスト、又は物品を成形若しくは形成する他の好適なプロセスのような、任意の数のプロセスによって作製されてよい。一実施形態では、本明細書に記載のマスキング物品は、マスキング物品の最上部分を形成する材料のウェブ上に本体部分を押し出すことによって作製される。この実施形態では、いくつかの本体部分を材料のウェブ上に平行に押し出すことができ、その後個々の物品が、例えばロール転換プロセス(roll converting process)によって、より大きなウェブから切断される。或いは、マスキング物品の最上部分と本体部分との両方を、押出成形又は共押出成形プロセスによって同時に形成することもできる。他の実施形態では、マスキング物品の最上部分を、マスキング物品の押し出された本体部分の上に積層させることができる。
【0032】
一実施形態では、マスキング物品の本体部分は、米国特許出願公開第2003/0194526号に記載のようなキャスティングプロセスによって作製され、その開示全体を本明細書に参考として組み込む。そのプロセスは、感圧性接着剤のような粘弾性物品の連続生産をもたらし、その際、粘弾性材料に対して硬化可能な組成物が、生産用治工具の第1の剥離面上にコーティングされており、その第1の剥離面は、再利用可能で、材料の連続生産を可能にするように構成されている。第2の剥離面を含む基材は、第1の剥離面上にコーティングされた粘弾性材料と接触している。粘弾性材料は、第1及び第2の剥離面と接触した状態で、部分的に又は完全に硬化させることができる。一実施形態では、第2の剥離面は、マスキング物品の最上部分を構成する材料シートである。
【0033】
生産用治工具に好適な構成としては、例えば、ベルト、ドラム、又はローラが挙げられる。生産用治工具は、該治工具からの材料の剥離を促進できるような十分な剥離特性を提供するために、剥離材料から構築されてよい。好適な剥離材料としては、シリコーン及びフルオロカーボンポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。或いは、治工具が、適切に支持する任意の材料から構築され、次いで、第1の剥離面を提供するために剥離コーティングでコーティングされてもよい。好適な剥離コーティングとしては、シリコーン及びフルオロカーボンポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
生産用治工具の剥離面は、滑らかなものであってもよく、又は微細若しくはマクロ複製パターンのような構造化表面を含んでもよい。その表面には、パターンあり又はパターンなしの、任意の好適な構造化表面を含めることができる。好適な構造化表面としては、ウェル、ポケット、隆起部、チャネルなどが挙げられるが、これらに限定されない。表面のいずれの構造も、物品上で望まれる構造化表面の陰像となる。例えば、再利用可能な表面上の隆起部は、物品の表面ではチャネルとして現れることになる。
【0035】
他の好適な製造プロセスは、多孔質型が作り出される場合である。型は、ガラスビーズと粉末エポキシ樹脂との混合物から作り出される。ガラスビーズ及びエポキシは、混合され、雄型治工具の上に置かれる。エポキシ樹脂を流動させ、硬化させるために、熱及び圧力が適用される。エポキシとガラスビーズとの比は、得られる型が寸法安定性であるが、それでもなお多孔質であるように選択される。剥離フィルムが型の表面に(任意で熱を用いて)適用され、型内に真空が適用され、剥離シートが型のキャビティに共形となる。剥離シートは、シリコーンのように、剥離層でコーティングされた成形可能なシートであることができる。PSA組成物が、型内の成形された剥離シートに適用される。マスキング物品の最上部分がPSAに適用され、PSAが熱的プロセスを通じて又は化学線によって硬化される。
【0036】
一実施形態では、マスキング物品の本体部分を構成する粘弾性材料が、第1の剥離面と接触した状態で部分的に硬化され、続いて、マスキング物品の最上部分を含む材料シートと接触させられる。次いで、本体部分を完全に硬化させることができる。接着剤物質の硬化を促進するために、材料シートは、透明又は半透明であってよい。この組立方法は、部分的に硬化された材料が、粘着性であり、粘弾性材料とマスキング物品の最上部分を含む材料シートとの間の接着を促進するので、有利である。この方法では、マスキング物品の最上部分を含む材料シートを本体部分に接着させるために追加の接着剤を使用する必要がない。
【0037】
この実施形態では、マスキング物品の最上部分を含む材料シートは、第2の剥離面の働きをする。マスキング物品の最上部分を含む材料の上への本体部分の移動を確実に成功させるために、第1の剥離面(又は生産用治工具)は、第2の剥離面の表面エネルギーよりも小さい表面エネルギーを有する。したがって、材料シートが第1の剥離面から引き離されるときには、硬化された組成物は、材料シートに優先的に接着する。
【0038】
硬化可能な組成物は、これらに限定するものではないが、熱、赤外線、紫外線、可視線又は電子ビーム線を含め、いずれか好適な硬化手段を使用するエネルギー源によって硬化され得る。本明細書で使用するとき、赤外線は、約800ナノメートル〜約3ミリメートルの範囲内の波長を有する非微粒子放射線を指す。本明細書で使用するとき、紫外線は、約200〜約400ナノメートルの範囲内の波長を有する非微粒子放射線を指す。本明細書で使用するとき、可視線は、約400〜約800ナノメートルの範囲内の波長を有する非微粒子放射線を指す。電子ビーム線は、約1kGy(0.1Mrad)〜約100kGy(10Mrad)の範囲内の線量を有する。
【0039】
所与の放射線レベルにおける硬化速度は、マスキング物品の最上部分を含む材料の透過特性、並びに硬化可能な組成物の密度、温度、及び性質によって変化する場合がある。マスキング物品の最上部分を含む材料と接触している硬化可能な組成物の表面が、生産用治工具と接触している硬化可能な組成物よりも著しく硬化されるように、硬化を制御することが可能な場合がある。一般に、完全に硬化された組成物よりも部分的に硬化された組成物は、より容易に剥離面から除去できるので、そのような硬化の制御は、特定の用途に望ましい剥離特性をもつ硬化された組成物をもたらすことができる。
【0040】
ここで図4を見ると、いくつかのマスキング物品20が製造用治工具の第1の剥離面から出てくるときの斜視図で示されており、各物品の隣接した最上部分14が、ミシン目16又は当該技術分野において既知の他の手段によって取り付けられている。使用時には、マスクされるべき物品上での適正な位置合わせを保証するために、マスキング材料の1以上のストリップをミシン目又は他の手段16によって合わせて保持することができる。
【0041】
或いは、個々のマスキング物品10がプレマスクテープ52によって合わせて保持された、図11に図示されるようなマスキング物品を提供することもできる。プレマスクテープは、マスキング物品の本体部分が基材に接着されたときに該プレマスクテープが容易に除去されるように、非常に接着性の低い材料である。
【0042】
一実施形態では、材料シート15は、本体部分12を構成する材料の断片の表面上に積層される。理想的には、本体部分12を構成する材料の断片は、それらが材料シート15と接触させられるときには部分的に硬化されている。一旦材料シート15がマスキング物品の本体部分12を構成する材料の断片上に積層されると、本体部分は、完全に硬化される。硬化すると、マスキング物品の本体部分12は、材料シート15に接着される。この時点で、材料シート15を線16に沿って切断して又は切れ目を入れて、最上部分14と本体部分12とを備えた個々のマスキング物品10を作り出すことができる。或いは、材料シートを、2以上の本体部分12が合わせて保持されるように切断することもできる。
【0043】
本開示は、また、マスクされるべき表面と処理又は塗装されるべき表面とを有する基材をマスクする方法も目的とする。ここで図5を見ると、マスクされるべき表面27と処理されるべき表面29とを有する基材28が示されている。本体部分12がマスクされるべき基材の表面27に接着された、いくつかのマスキング物品10a、10b、及び10cが、側面図で示されている。マスキング物品10a、10b、及び10cの最上部分14は、ミシン目16、脆弱線、又は当該技術分野において既知の他の好適な手段によって合わせて保持される。塗料又は他の処理の第1の層22が、処理されるべき基材の表面29に適用される。一実施形態では、第1の処理層は、プライマー又はシーラント物質である。適用されたとき、第1の処理層22は、第1のマスキング物品10aの本体部分12の前縁に浸透する。第1の層22及び後続の処理層(24、26)は、次の層を適用する前に必要に応じて乾燥させてよい。
【0044】
第1の処理層22が適用された後、第1のマスキング物品10aが、マスキング物品10aと10bとを連結する第1のミシン目線16(又は脆弱線)に沿って除去される。次に、第2の処理層24が、第1の処理層22を覆って基材28に適用される。第2の処理層24は、第2のマスキング物品10bの本体部分12の前縁に浸透し、したがって第1の処理層22を完全に被覆する。一実施形態では、第2の処理層24は、塗料物質である。
【0045】
第2の処理層24が適用された後、第2のマスキング物品10bが、マスキング物品10bと10cとを連結する第2のミシン目線16(又は脆弱線)に沿って除去される。次に、第3の処理層26が、第2の処理層24を覆って基材に適用される。第3の処理層26は、第2のマスキング物品10cの本体部分12の前縁に浸透し、したがって第2の処理層24を完全に被覆する。一実施形態では、第3の処理層24は、透明塗料物質である。
【0046】
当業者には理解されるように、平行に設置され、各処理層が適用された後に順次除去される1以上のマスキング物品を使用して、任意の数の処理層を本明細書に記載の方法に従って基材に適用することができる。
【0047】
図8及び9は、結合されていない最上部分14が設けられた、基材28に適用された個々のマスキング物品10e及び10dを図示する。このように提供されるマスキング物品は、脆弱線又はミシン目線によって連結された物品と同じ方式で使用することができる。或いは、ユーザがマスキング物品を基材上に位置決めできるようにするプレマスクテープによっていくつかのマスキング物品10が合わせて保持された、図11に示したようなマスキング物品を提供することもできる。一旦プレマスクが除去されると、個々のマスキング物品は基材から容易に除去することができる。
【0048】
当業者には理解されるように、本開示のマスキング物品10は、図10に図示されるように、他のマスキング物品と併せて使用されてよい。図10は、他のマスキング物品35とともに基材28に適用されたマスキング物品10を示す。追加のマスキング物品35は、塗料又は他の処理が、処理されるべき領域を越えて基材をコーティングするのを防ぐのに役立つことができる。
【実施例】
【0049】
特に記載しない限り、以下の実施例で報告されるすべての割合、百分率、及び比率は、重量基準であり、実施例で使用されるすべての試薬は、ミズーリ州セントルイス(Saint Louis)のシグマ・アルドリッチ・ケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Company)などの一般的な化学薬品供給元から得られ、若しくは入手可能であり、又は従来の技術によって合成されてもよい。
【0050】
以下の実施例では、以下の略号が使用される。
【0051】
「PEF1」:高さ約51μm(2mil)、間隔203μm(8mil)、高さ76μm(3mil)の、隆起部の微細複製クロスハッチパターンを片側に有する、キャスト127μm(5mil)の低密度ポリエチレンフィルム、
「PEM1」:予備拡張された微小球、ジョージア州ダルース(Duluth)のエクスパンセル社(Expancel, Inc.)から商標名「エクスパンセルDE091(Expancel DE 091)」として市販、
「PPF1」:PEF1と同じ微細複製表面を有する、キャスト127μm(5mil)のポリプロピレンフィルム、
「PI1」:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ニューヨーク州ホーソーン(Hawthorne)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名「イルガキュア651(Irgacure 651)」として市販、
「PI2」:2,6−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、CAS番号3584−23−4、
「SIL1」:2液型シリコーン樹脂、ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)から商標名「シラスティックJ(Silastic J)」として市販、
「MON1」:イソオクチルアクリレートモノマー、アクリル酸によるイソオクチルアルコールのエステル化によって作製、
「MON2」:アクリル酸、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Company)から市販、
「SIL2」:溶媒系スズ触媒シリコーン、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)から商標名「シロフ292(Syloff 292)」として市販。
【0052】
実施例1
シリコーンキャスティング用治工具を、以下のように準備した。幅3.2mm(1/8インチ)、深さ0.64mm(25mil)、中心間間隔4.8mm(3/16インチ)の平行な台形溝を下ウェブ方向(down web direction)に有する、側壁が15°の角度で外側にテーパ付された、15.2×30.5cm(6インチ×12インチ)のフレキソ印刷板を、支持ガラス板にテープで留めた。SIL1を20℃で印刷板に適用し、スパチュラを使用して平らにし、その組立品を真空槽内に10分間置くことによって脱気した。SIL1が印刷板を越えて横方向に流れるのを防ぐためにエッジダムを使用した。次いで、組立品を真空槽から取り出し、シリコーンを20℃で24時間にわたって硬化させた。得られたシリコーンキャスティング用治工具を印刷板から取り外し、SIL2の剥離コーティングに浸漬させ、過剰な剥離コーティングを振り落とし、その後、キャスティング用治工具を121℃(250°F)に設定されたオーブン内で3分間にわたって乾燥させた。
【0053】
0.04重量%のPI1を含有する重量比96/4のMON1/MON2混合物を、窒素流によって脱気し、次いで、マサチューセッツ州ダンバース(Danvers)のオスラム・シルバニア社(Osram Sylvania Company)から得られるブラックライト「F20T8 350 BLB」型を使用して、20℃で粘度4.1Pa.s(4100cps)まで部分的に硬化させた。追加の0.16重量%PI1及び0.15重量%PI2を添加し、均質になるまで手で混合し、部分的に硬化された組成物をシリコーンキャスティング用治工具の表面に適用した。次いで、PPF1のシートを、滑らかな側を下にして、部分的に硬化された組成物に被せて置いた。フィルムの上からスキージをかけて、部分的に硬化された組成物を広げ、空泡を除去し、部分的に硬化された組成物をシリコーンキャスティング用治工具内に押し込んだ。次いで、厚さ5mmの石英ガラス板をPPF1に被せて置き、組成物を、ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)から得られる2つのブラックライト「F15T8BL」型に距離5cmのところで20分間曝した。得られたゲル化した接着剤を、支持フィルムとともにシリコーンキャスティング用治工具から取り外し、接着剤側を上にして窒素パージ槽内で同一のブラックライト条件下に曝すことによってさらに硬化させた。得られたキャスト接着剤を、接着剤バンド間で切り裂いて個々の細長いストリップにし、次いでそれらのストリップを継ぎ合わせ、巻いて、7.6cm(3インチ)芯上のロールにした。したがって、支持ポリプロピレンフィルムの微細複製表面は、剥離面として機能した。
【0054】
実施例2
継ぎ合わせの前に、ミネソタ州セントポール(St. Paul)の3M社(3M Company)から商標名「SCPAプレマスキング・テープ(SCPA Premasking Tape)」として市販されているプレマスクテープを、キャスト接着剤の切り裂かれたストリップの裏側に積層させたことを除いて、実施例1に記載した方法に従って、キャスト接着剤のシートを作製した。次いで、まだ見当合わせされた状態で、プレマスクテープをその下に存在するキャスト接着剤のストリップ3つずつに切り裂いた。3ストリップのマスキング材料を、ミシガン州ヒルズデール(Hillsdale)のACTラボラトリーズ(ACT Laboratories)から得られる、垂直に位置決めされた冷延鋼ドア枠試験パネルの内側に適用し、プレマスクテープを除去した。ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)のPPGインダストリーズ(PPG Industries)から得られるシーラー「デルトロンNCS2004グレー・シーラー(Deltron NCS 2004 Gray Sealer)」をドア枠試験パネル内にスプレーし、30分間乾燥させた。第1の細長いストリップを除去し、PPGインダストリーズ(PPG Industries)から得られるベースコート「デルトロンDBUピューター・ベースコート(Deltron DBU Pewter Basecoat)」2層をドア枠パネル内に10分間おきにスプレーし、15分間にわたって乾燥させた。次いで、やはりPPGインダストリーズ(PPG Industries)から得られる透明塗料「コンセプトDCU2021透明塗料(Concept DCU 2021 Clearcoat)」をドア枠試験パネル内にスプレーし、15分間乾燥させた。第2の細長いストリップを除去し、第2の透明塗料層をドア枠パネル内にスプレーした。パネルを2時間にわたって乾燥させ、その後、第3の細長いストリップを除去して、滑らかな、境界ぼかしされた(feathered)塗装ドア枠を露出させた。
【0055】
実施例3
支持フィルムPPF1をPEF1に置き換えたことを除いて、実施例1に記載した方法に従ってキャスト接着剤のロールを作製した。
【0056】
実施例4
フレキソ印刷板の台形プロファイルを、4.76mm(3/16インチ)中心上、半径1.6mm(1/16インチ)、円筒縁部から弦1.02mm(40mil)によって定義される円筒断面の溝を機械加工されたアルミニウム板に置き換えたことを除いて、実施例1に記載した方法に従って、キャスト接着剤のロールを作製した。シリコーンキャスティング用治工具上に適切な表面トポグラフィーを得るには、キャストウレタン(テネシー州チャタヌーガ(Chattanooga)のシネア(Synair)から得られるデュロサンS−800(Durothane S-800))による中間複製工程が必要であった。この材料の3つのストリップを、実施例2に記載した方法に従ってマスキングテープとして使用して、滑らかな、境界ぼかしされた(feathered)塗装ドア枠を得た。
【0057】
実施例5
円筒断面が半径3.2mm(1/8インチ)を有し、切片(弧)間にランド領域をもたないということを除いて、実施例4に記載した方法に従ってキャスト接着剤のロールを作製した。この材料の3つのストリップを、実施例2に記載した方法に従ってマスキングテープとして使用して、滑らかな、境界ぼかしされた(feathered)塗装ドア枠を得た。
【0058】
実施例6
剪断刃型のミキサーを使用して、0.5重量%のPEM1を部分的に硬化された組成物に分散させてからそれをシリコーンキャスティング用治工具に適用したということを除いて、実施例1に記載した方法に従ってキャスト接着剤のロールを作製した。部分的に硬化された組成物は、シリコーンキャスティング用治工具に適用される前に、連行空気を除去するためにデシケータ内で真空に曝した。
【0059】
実施例7
ポリプロピレンフィルムの裏側を、ウィスコンシン州メノモニーフォールズ(Menomonee Falls)のエネルコン・インダストリーズ社(Enercon Industries Corporation)から得られるハンドヘルド・ワンド(hand-held wand)、モデル「ダイナ−A−マイト(Dyna-A-Mite)」を使用してコロナ処理したということを除いて、実施例1に記載した方法に従ってキャスト接着剤のシートを作製した。2シートのキャスト接着剤ストリップを2枚の平板の間に積み重ね、20℃で4週間にわたって50g/cm2で加重した。この擬似保管レジメンの後、キャスト接着剤の2つの層は、容易に引き剥がされた。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1a】従来技術のマスキング材料の側面図。
【図1b】従来技術のマスキング材料の側面図。
【図2】本開示のマスキング物品の斜視図。
【図3a】本開示のマスキング物品の斜視図。
【図3b】本開示のマスキング物品の斜視図。
【図3c】本開示のマスキング物品の斜視図。
【図4】本開示のいくつかのマスキング物品の斜視図。
【図5】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図6】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図7】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図8】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図9】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図10】基材をマスクする様々なマスキング物品を図示する。
【図11】本開示のいくつかのマスキング物品の側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの細長い本体を含んでおり、前記本体は、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体の少なくとも一部分は接着剤物質を含んでおり、さらに、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された概ね平面的な最上部分を含んでおり、前記最上部分は微細構造表面を有する、マスキング物品。
【請求項2】
本体が弓状表面をもつ断面形状を有する、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項3】
本体が放物線断面を有する、請求項2に記載のマスキング物品。
【請求項4】
前記本体が完全に接着剤で作製される、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項5】
前記最上部分がポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドから成る群から得られる材料で作製される、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項6】
前記最上部分がポリプロピレンから作製される、請求項5に記載のマスキング物品。
【請求項7】
前記本体がアクリレートポリマー類、天然及び合成ゴム類、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、並びにポリ(ビニルエーテル類)から成る群から得られる材料で作製される、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項8】
前記本体がアクリレートポリマーから作製される、請求項7に記載のマスキング物品。
【請求項9】
前記本体が硬化されている、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項10】
接着剤が感圧性接着剤である、請求項1に記載のマスキング物品。
【請求項11】
細長い本体を含んでおり、前記本体は、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体の少なくとも一部分は、キャスティングプロセスによって作製された接着剤物質を含んでおり、さらに、
少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された最上部分を含む、マスキング物品。
【請求項12】
前記最上部分が微細構造化表面をさらに含む、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項13】
本体が弓状表面をもつ断面形状を有する、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項14】
本体が放物線断面を有する、請求項13に記載のマスキング物品。
【請求項15】
微細構造表面がクロスハッチパターンを含む、請求項12に記載のマスキング物品。
【請求項16】
前記最上部分がポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドから成る群から得られる材料で作製される、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項17】
前記最上部分がポリプロピレンから作製される、請求項16に記載のマスキング物品。
【請求項18】
前記本体がアクリレートポリマー類、天然及び合成ゴム類、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、並びにポリ(ビニルエーテル類)から成る群から得られる材料で作製される、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項19】
前記本体がアクリレートポリマーから作製される、請求項18に記載のマスキング物品。
【請求項20】
前記本体が硬化されている、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項21】
接着剤が感圧性接着剤である、請求項11に記載のマスキング物品。
【請求項22】
マスクされるべき表面と処理されるべき表面とを有する基材をマスクする方法であって、
少なくとも1つのマスキング物品を基材に適用する工程を含んでおり、前記物品は、細長い本体を含んでおり、前記本体は、上面と、底面と、少なくとも2つの側面とを有しており、前記本体は、さらに、接着剤と、少なくとも1つの表面に沿って本体に連結された概ね平面的な最上部分とを含んでおり、前記方法は、さらに、
第1の材料のコーティングを基材に適用する工程と、
前記少なくとも1つのマスキング物品を基材から除去する工程と、
第2の材料のコーティングを基材に適用する工程とを含む方法。
【請求項23】
第1のマスキング物品に隣接して、第2のマスキング物品を基材に適用する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(i)第2の材料のコーティングを基材に適用した後で第2のマスキング物品を除去する工程と、(ii)第3の材料のコーティングを基材に適用する工程とをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記本体が完全に接着剤で作製される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記本体がアクリレートポリマー類、天然及び合成ゴム類、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、並びにポリ(ビニルエーテル類)から成る群から得られる材料で作製される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記本体がアクリレートポリマーで作製される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
マスキング物品を作製する方法であって、
a.接着剤物質をキャスティング用治工具のキャビティに適用する工程と;
b.接着剤物質を覆って材料シートを適用する工程と;
c.キャスティング用治工具から前記材料シートとともに接着剤物質を除去して、前記材料シートに付着した少なくとも1つの前記接着剤物質の断片を有するマスキング材料を形成する工程とを含む方法。
【請求項29】
接着剤物質が、前記材料シートが前記接着剤物質を覆って適用された後で完全に硬化される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記接着剤がアクリレートポリマー類、天然及び合成ゴム類、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、並びにポリ(ビニルエーテル類)から成る群から得られる材料から作製される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記材料シートがポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドから成る群から得られる材料から作製される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記材料シートが半透明である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記キャスティング用治工具が前記接着剤物質を成形する少なくとも2つのキャビティを備えて構成される、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも2つのキャビティは、平行に変位され、前記接着剤物質で満たされ、前記材料シートに接着され、それによって接着剤の少なくとも2つの断片が前記材料シートに接着したマスキング材料を形成する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記材料シートが前記接着剤の少なくとも2つの断片間で穿孔される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記材料シートが前記接着剤の少なくとも2つの断片間に脆弱線を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記材料が化学線を使用して硬化される、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記マスキング物品が、巻かれてロールにされる、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
請求項28に記載の方法によって作製されたマスキング物品。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−538590(P2008−538590A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507800(P2008−507800)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/014536
【国際公開番号】WO2006/115900
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】