説明

マスター画像選択方法

【課題】パターンマッチングによる複数種類の組付部品の合否判定に共通に使用でき、かつ信頼性の高い合否判定ができるマスター画像の選択を可能とする。
【解決手段】1つの種類の撮影画像(組付部品)のグループにおける各撮影画像の相関値を算出してその相関値の平均値X、分散値σx及び相関値の最下限値Xmin(=X−3*σx)を算出し、他の種類の部品グループ対しても同様に相関値の平均値Y、分散値σyを算出し、また最上限値Ymax(=Y−3*σy)を算出する。そして、各々最下限値Xminと最上限値Ymaxとの差(=Xmin−Ymax)を算出し、その差が最大となるときの画像をマスター画像に選択するようにした。最下限値Xminと最上限値Ymaxの算出に3σの考え方を導入して組付部品のばらつきが考慮された信頼性の高い合否判定を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の組付異常の有無をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択するマスター画像選択方法に関するものである。
被検査物の組付異常の有無とは、例えば組付位置に対する組付部品(品種)の合否、あるいは同部品の組付位置や組付状態の適否等を指す。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、最適な基準パターン・基準画像(マスター画像)を、撮影画像間の一致度合いを求める演算の繰り返しによって選択したり(特許文献1参照)、基準画像を、複数のパターン画像に対して重ね合わせ処理を行って選択する技術(特許文献2参照)があった。
【0003】
【特許文献1】特開平9−251536号公報
【特許文献2】特開2006−329679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、いずれも単一種類(ICのリード等)の部品間の検査における最適なマスター画像の選択には有効であるが、複数種類の部品間の検査における最適なマスター画像の選択はできなかった。
例えば、自動車の組付ラインに代表される多品種混合ラインにおいては、同一の画像検査装置で多品種の部品間の検査が必要となるが、このような場合に、多品種間で共通のマスター画像を選択することができなかった。
【0005】
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたもので、複数種類の被検査物の組付異常の有無の判定に共通に使用できる上に、特定の1種類内の被検査物について高精度に正常(良品)判定可能であると共に、その1種類以外の品種の被検査物に対しては確実に異常(誤品)判定可能なマスター画像を選択できるマスター画像選択方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、マスター画像選択方法を下記各態様の構成とすることによって解決される。
各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴及びそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0007】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に、(2)項が請求項2に、各々対応する。
(3)項は請求項に係る発明ではない。
【0008】
(1)被検査物の組付異常の有無を、組み付けられている被検査物の撮影画像をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択するマスター画像選択方法において、前記被検査物の撮影画像が各々複数枚ある複数種類の撮影画像グループにおける特定の撮影画像グループ内の特定の撮影画像を仮マスター画像としてパターンマッチングを実行して他の撮影画像との相関値を算出し、その平均値、分散値及び相関値の最下限値を算出し、かつ、前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の各撮影画像との相関値を前記仮マスター画像を用いてパターンマッチングを実行して各撮影画像との相関値を算出し、その平均値、分散値及び相関値の最上限値を算出し、前記仮マスター画像として用いる前記特定の撮影画像グループ内の撮影画像を順次変えて前記両パターンマッチングを実行して相関値の最下限値及び最上限値を各々算出すると共に、各仮マスター画像を用いた際の相関値の最下限値及び最上限値の差を各々算出し、この差が最大となる前記両パターンマッチングの実行時に用いた仮マスター画像をマスター画像として決定することを特徴とするマスター画像選択方法。
「被検査物の組付異常」とは、被検査物の品種の異常、例えば組み付けられている部品が予め定められた部品と違う部品であること等を指し、また、被検査物の取付位置や取付状態の異常、例えば部品が定まった位置とは違う位置に取り付けられていたり、緩んだ状態で取り付けられていること等を指す。
本項の発明により選択(決定)されるマスター画像は、1の撮影画像グループ(特定の撮影画像グループ)内においては同グループ内の全撮影画像との相関が強く、かつ、その1の撮影画像グループ以外においては同グループ内の全撮影画像との相関が弱い、撮影画像の判定(被検査物の組付異常の有無判定)に適合する前記1の撮影画像グループ内の撮影画像となる。要するに、本項の発明により選択されるマスター画像は、複数の撮影画像グループ内の全撮影画像とのパターンマッチングによる被検査物の組付異常の有無を、1の撮影画像グループ内の撮影画像を用いて判定する場合に最適な1の撮影画像グループ内の1の撮影画像である。
(2)被検査物の組付異常の有無を、組み付けられている被検査物の撮影画像をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択するマスター画像選択方法において、前記被検査物の撮影画像が各々複数枚ある複数種類の撮影画像グループにおける特定の撮影画像グループ内の全撮影画像について、この全撮影画像中の特定の撮影画像を仮マスター画像としてパターンマッチングを実行し、前記仮マスター画像との相関値を算出する第1工程と、この第1工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第2工程と、前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の全撮影画像について、前記仮マスター画像とのパターンマッチングを実行し、前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の各撮影画像と前記仮マスター画像との相関値を算出する第3工程と、この第3工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第4工程と、前記仮マスター画像を、前記特定の撮影画像グループ内の前記特定の画像以外の撮影画像に順次代えながら前記第1工程ないし第4工程を繰り返し実行し、各撮影画像グループ内の各撮影画像と前記仮マスター画像の各々との相関値を算出する第5工程と、この第5工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第6工程と、前記第2工程、第4工程及び第6工程により各々算出された平均値及び分散値から、前記特定の撮影画像グループ内で組付異常の有無を判定するための相関値の最下限値と、前記特定の撮影画像グループ及びそれ以外の撮影画像グループ間で組付異常の有無を判定するための相関値の最上限値とを算出すると共にそれらの差を各々算出し、この差が最大となる前記パターンマッチングの実行時に用いた仮マスター画像をマスター画像として決定する第7工程とを、具備することを特徴とするマスター画像選択方法。
本項の発明は、(1)項の発明を具体化したものである。
「被検査物の組付異常」が、被検査物の品種の異常あるいは被検査物の取付位置や取付状態の異常を指すこと等は(1)項の発明と同様である。
(3)前記相関値の最下限値は、その相関値の平均値をXとし分散値をσxとしたときにX−3*σxにより算出し、前記相関値の最上限値は、その相関値の平均値をYとし分散値をσyとしたときにY−3*σyにより算出することを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のマスター画像選択方法。
なお、「*」は掛け算を表す(以下同様)。
本項の発明によれば、組付部品の合否等をパターンマッチングによって判定する際に、その部品のばらつき(3σ)が考慮され、特定の1種類内の部品について高精度に良品判定できると共に、その1種類以外の品種の部品に対しては確実に誤品判定できるマスター画像が選択可能であり、良品、誤品判定(検査)に用いて、その信頼性を高めることができる。またこのようなマスター画像の選択に要する時間も短時間で済む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パターンマッチングによる複数種類の被検査物(部品)の組付異常の有無の判定に共通に使用できる上に、特定の1種類内の被検査物について高精度に正常(良品)判定可能であると共に、その1種類以外の品種の被検査物に対しては確実に異常(誤品)判定可能なマスター画像を選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明によるマスター画像選択方法が適用された装置の一実施形態を示す構成図である。
この図において、11は被検査物10を撮影するカラー又はモノクロのCCD(Charge Coupled Device)カメラ等からなるデジタルカメラ(以下、カメラと略記する。)で、撮影画像は画像データとして出力される。
パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略記する。)12は、カメラ11からの撮影画像(画像データ)を取り込んで記憶装置13に記憶する機能、撮影画像に対してパターンマッチングを実行するパターンマッチング処理機能、及び最適なマスター画像を選択するためのマスター画像選択処理機能等を備えている。ここで、パターンマッチングとは被検査物10の撮影画像中に予め用意したマスター画像(基準画像)と同じ物があるか、あるいは近いものがあるかを両画像を比較して検出する方法である。
【0011】
本実施形態において、パソコン12は撮影方向等のばらつきによる撮影画像の位置ずれを補正する機能も備える。
また上記パターンマッチング処理機能は、マッチング処理対象とするパターンの指定と、同処理領域を設定する機能を有する。
上記マスター画像選択処理機能は、少なくとも以下の機能を有する。
(1) 各品種(グループ)における被検査物のばらつきや、被検査物の撮影環境(条件)のばらつきを持っていても予め許容する範囲内にある撮影画像であればその全てをマスター画像選択のための処理対象として取り込む機能
(2) 取り込んだ撮影画像を品種(グループ)別に仕分けする機能
(3) 指定した1枚の撮影画像を仮マスター画像として登録し、同品種だけでなく他品種の撮影画像に対してもパターンマッチング処理を実行してその相関値を算出する機能
(4) 算出した相関値の平均値と分散値を算出し比較する機能
(5) 算出した相関値の平均値と分散値から、同品種に対しては良品判定(品種の合否判定)ができ、他品種に対しては誤品判定(品種の誤判定)ができる最適なマスター画像を選択する機能
以上の機能は、パソコン12の記憶装置13内に格納されたプログラムの実行によって作動する。
なお、パソコン12に取り込まれた撮影画像、仮マスター画像、マスター画像等は適時ディスプレイ14に表示可能である。
【0012】
次に、上述した装置の動作について図2〜図4を併用して説明する。
本装置は、被検査物10の組付異常の有無を、組み付けられた被検査物10の撮影画像をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択する装置である。
ここで、被検査物10の組付異常の有無とは、例えば組付位置に対する組付部品(品種)の合否、あるいは同部品の組付位置や組付状態の適否等を指す。本実施形態では、組付位置に対する組付部品の品種の合否、つまり、組付位置に組み付けられた部品が正しい部品(組付異常無し)か誤った部品(組付異常有り)かを指す。
また本装置は、被検査物10の撮影画像が各々ばらつきを持った複数n枚ある複数m種類の撮影画像グループ内の各被検査物10について、それらの組付異常の有無を判定する際に用いられるマスター画像を選択する装置である。
図示例では、被検査物10の撮影画像は各々ばらつきを持ったn枚ある、製造会社を異にするAからCの3種類のタイヤの撮影画像グループから成り立っていて(図2参照)、図示装置は、これら3種類のタイヤのうち、正しい種類のタイヤが車両に取り付けられているか否かの判定に用いられるマスター画像の選択装置である。
【0013】
図3に示すように、まずステップ101では、撮影画像グループ(以下、単にグループと記す。)Aの第1番目の撮影画像A1を仮のマスター画像(仮マスター画像)に設定する。
ステップ102では、第1番目に処理をするグループ(処理対象グループ)をAにセツトする。
ステップ103では、仮マスター画像A1を用いて処理対象グループA内の全ての撮影画像A1〜Anに対して各々パターンマッチングを実行して相関値を算出し、相関値全体の平均値(X)と分散値(σx)を算出する。
【0014】
ステップ104では、相関値全体(相関値分布)の最下限値Xmin=X−3*σxを算出する。この最下限値Xminは、自グループA内の各撮影画像A1〜Anについて良品判定できる下限相関値の推定値である。
ステップ105では、処理対象外のグループB,Cの撮影画像B1〜Bn,C1〜Cnに対して各々パターンマッチングを実行して相関値を算出し、相関値全体の平均値(Y)と分散値(σy)を算出する。他のグループB,Cの撮影画像B1〜Bn,C1〜Cnとの関係を見るためである。
【0015】
ステップ106では、相関値全体(相関値分布)の最上限値Ymax=Y−3*σyを算出する。この最上限値Ymaxは、他のグループB,C内の各撮影画像B1〜Bn,C1〜Cnに対して誤品判定できる上限相関値の推定値である。
上記ステップ103〜106において算出された値の一例を示せば図4の通りである。
ステップ107では、上記仮マスター画像(撮影画像A1)を用いた際の相関値の最下限値及び最上限値の差(Z=Xmin−Ymax)を算出する。このステップ107で算出されるXmin、Ymaxの差Zが大きければ大きいほど、良品・誤品判定の精度が高くなるため、最適なマスター画像となり得る。したがって、新たに算出された差Zがそれまでの差の最大値Zmaxよりも大きければ最大値Zmaxを新たに算出された差Zに更新する(Z>ZmaxならばZをZmaxに更新する)。
ステップ108では、上記更新を行い、このときの仮マスター画像を最適なマスター画像候補として記憶装置13(図1参照)に記憶する。
【0016】
ステップ109では、処理対象グループA内の全ての撮影画像A1〜Anを仮マスター画像に設定したかの判定を行う。判定結果がYESであれば処理をステップ110に移し、NOであればステップ111を実行してステップ103に処理を移す。すなわち、上記ステップ103〜109を、仮マスター画像に第n番目(最終番目)の撮影画像Anが設定されるまで繰り返し、Z及び仮マスター画像(最適なマスター画像候補)を更新する。
ステップ110では、この時点で記憶装置13(図1参照)に記憶されている仮マスター画像を処理対象グループA内の撮影画像A1〜Anから選択された最適なマスター画像として保持する。
【0017】
ステップ112では、全グループA〜Cを処理対象にしたかの判定を行う。判定結果がYESであれば全処理を終了し、NOであればステップ113を実行してステップ103に処理を移す。すなわち、上記ステップ103〜112を、仮マスター画像にグループC(最終番目の処理対象グループ)の第n番目(最終番目)の撮影画像Cnが設定されるまで繰り返し、Z及び仮マスター画像(最適なマスター画像候補)を更新する。
なお、グループA以降に処理対象となるのはグループB→グループCの順である。また、グループB,Cにおいて、仮マスター画像として第1番目に設定されるのは撮影画像B1,C1であり、最終番目に設定されるのは撮影画像Bn,Cnである。
全処理の最終時点で記憶装置13(図1参照)に記憶、保持されている各仮マスター画像(3つの仮マスター画像)が各処理対象グループA〜C内の撮影画像A1〜An,B1〜Bn,C1〜Cnから各々選択された、処理対象グループA〜C別の良品・誤品判定に用いられる最適なマスター画像である。
【0018】
以上述べた本実施形態では、1つの種類の撮影画像(被検査物10)のグループにおける各撮影画像の相関値を算出してその相関値の平均値X、分散値σx及び相関値の最下限値Xmin(=X−3*σx)を算出し、他の種類の部品グループ対しても同様に相関値の平均値Y、分散値σyを算出し、また最上限値Ymax(=Y−3*σy)を算出する。そして、各々最下限値Xminと最上限値Ymaxとの差(=Xmin−Ymax)を求め、その差が最大となるときの画像をマスター画像とするようにした。
これによれば、パターンマッチングによる複数種類の被検査物10の組付異常の有無(組付部品の合否等)の判定に共通に使用できるマスター画像を選択できる。しかも上記判定の際に被検査物10のばらつき(3σ)が考慮され、特定の1種類内の被検査物10について高精度に良品判定可能でり、かつ、その1種類以外の品種の被検査物10に対しては確実に誤品判定可能なマスター画像を選択できる。したがって、良品、誤品判定に本実施形態によるマスター画像を用いれば良品、誤品判定の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態におけるマスター画像はパソコン12を用いた演算によって容易に選択できるので、マスター画像の選択に要する時間が短時間で済むという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明によるマスター画像選択方法が適用された装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】同上装置の記憶装置内にグループ別に記憶された被検査物の撮影画像の一覧を表形式で例示する図である。
【図3】同上装置における最適なマスター画像の選択処理を示すフローチャートである。
【図4】同上処理において算出された値の一例を表形式で示す図である。
【符号の説明】
【0020】
10:被検査物、11:デジタルカメラ、12:パーソナルコンピュータ(パソコン)、13:記憶装置。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の組付異常の有無を、組み付けられている被検査物の撮影画像をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択するマスター画像選択方法において、
前記被検査物の撮影画像が各々複数枚ある複数種類の撮影画像グループにおける特定の撮影画像グループ内の特定の撮影画像を仮マスター画像としてパターンマッチングを実行して他の撮影画像との相関値を算出し、その平均値、分散値及び相関値の最下限値を算出し、かつ、前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の各撮影画像との相関値を前記仮マスター画像を用いてパターンマッチングを実行して各撮影画像との相関値を算出し、その平均値、分散値及び相関値の最上限値を算出し、
前記仮マスター画像として用いる前記特定の撮影画像グループ内の撮影画像を順次変えて前記両パターンマッチングを実行して相関値の最下限値及び最上限値を各々算出すると共に、各仮マスター画像を用いた際の相関値の最下限値及び最上限値の差を各々算出し、この差が最大となる前記両パターンマッチングの実行時に用いた仮マスター画像をマスター画像として決定することを特徴とするマスター画像選択方法。
【請求項2】
被検査物の組付異常の有無を、組み付けられている被検査物の撮影画像をパターンマッチングによって判定する際に基準画像として用いられるマスター画像を選択するマスター画像選択方法において、
前記被検査物の撮影画像が各々複数枚ある複数種類の撮影画像グループにおける特定の撮影画像グループ内の全撮影画像について、この全撮影画像中の特定の撮影画像を仮マスター画像としてパターンマッチングを実行し、前記仮マスター画像との相関値を算出する第1工程と、
この第1工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第2工程と、
前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の全撮影画像について、前記仮マスター画像とのパターンマッチングを実行し、前記特定の撮影画像グループ以外の各撮影画像グループ内の各撮影画像と前記仮マスター画像との相関値を算出する第3工程と、
この第3工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第4工程と、
前記仮マスター画像を、前記特定の撮影画像グループ内の前記特定の画像以外の撮影画像に順次代えながら前記第1工程ないし第4工程を繰り返し実行し、各撮影画像グループ内の各撮影画像と前記仮マスター画像の各々との相関値を算出する第5工程と、
この第5工程により得られた相関値全体の平均値及び分散値を算出する第6工程と、
前記第2工程、第4工程及び第6工程により各々算出された平均値及び分散値から、前記特定の撮影画像グループ内で組付異常の有無を判定するための相関値の最下限値と、前記特定の撮影画像グループ及びそれ以外の撮影画像グループ間で組付異常の有無を判定するための相関値の最上限値とを算出すると共にそれらの差を各々算出し、この差が最大となる前記パターンマッチングの実行時に用いた仮マスター画像をマスター画像として決定する第7工程とを、
具備することを特徴とするマスター画像選択方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−250707(P2009−250707A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97063(P2008−97063)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】