説明

マニュアルフォーカス調整装置及び合焦アシスト・プログラム

【課題】被写体の焦点情報のピークが複数存在する場合であってもマニュアルフォーカス調整時に所望の主要被写体に焦点を合わせることができるようにする。
【解決手段】フォーカスリングでの操作によりフォーカスレンズを移動させると、レンズの移動位置毎に焦点情報を算出し、各レンズ位置毎に算出した焦点情報をレンズ位置に対応して表示部24上にグラフ表示する。このグラフ上には現在のレンズ位置の焦点情報25と他の焦点情報とが識別可能に表示される。このように、レンズの移動位置毎に算出した焦点情報の履歴がグラフ表示されるため、例えばグラフ上に複数の焦点情報のピークがある場合に、所望のピークが得られるレンズ位置にレンズを移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマニュアルフォーカス調整装置及び合焦アシスト・プログラムに係り、特にデジタルカメラにおけるマニュアルフォーカス調整時の合焦をアシストする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を見なくてもマニュアルでフォーカス調整を行うことができる画像入力装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この画像入力装置は、フォーカスリングによりフォーカスレンズを手動で移動させたときに、CCD等の撮像素子から出力される画像信号から画面の先鋭度を示すフォーカス合焦状態値(焦点情報)を求め、現在のフォーカスレンズのレンズ位置における焦点情報の大きさを棒グラフで表示するとともに、過去の焦点情報のうちの最大値を表示するようにしている。
【0004】
これにより、フォーカスリングによりフォーカスレンズを手動で移動させると、現在のフォーカスレンズのレンズ位置における被写体の合焦状態が棒グラフの増減により表示され、この棒グラフが最大になるようにフォーカスリングを手動で調節することにより、画像を見なくてもマニュアルでフォーカス調整を行うことができるようにしている。
【特許文献1】特開平9−322046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像入力装置は、棒グラフを見ながらフォーカスリングを操作してフォーカスレンズを移動させることで、棒グラフが最大(焦点情報が最大)になるようにフォーカス調整を行うことができるが、焦点情報のピークが複数存在するような被写体の場合に最大でないピークの位置にフォーカスレンズを移動させることができないという問題がある。
【0006】
例えば、人物撮影を行う場合に、人物の背景にコントラストの高い被写体(植物の枝葉など)があると、人物よりも背景の焦点情報の方が大きくなり、特許文献1に記載の画像入力装置では、背景側にフォーカス調整するようにフォーカスレンズを移動させることになる。
【0007】
また、特許文献1に記載の画像入力装置は、顔を撮影する場合に目、鼻、口、髪の毛等の部位のうちの所望の部位に対象を絞ってフォーカス調整を行うことができないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、被写体の焦点情報のピークが複数存在する場合であってもマニュアルフォーカス調整時に所望の主要被写体に焦点を合わせることができるマニュアルフォーカス調整装置及び合焦アシスト・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に係るマニュアルフォーカス調整装置は、被写体の像を撮像手段に結像させるレンズを手動操作により移動させる操作手段と、前記操作手段での操作により前記レンズが移動する毎に前記撮像手段から出力される画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出する焦点情報算出手段と、前記焦点情報算出手段により算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいてマニュアルフォーカス調節の開始時点から現時点までの各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応してグラフ表示する焦点情報表示手段であって、現時点の焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示する焦点情報表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
即ち、操作手段での操作によりレンズを移動させると、レンズの移動位置毎に焦点情報を算出し、各レンズ位置毎に算出した焦点情報をレンズ位置に対応してグラフ表示するようにしている。また、グラフ上には現在のレンズ位置の焦点情報と他の焦点情報とが識別可能に表示される。このように、レンズの移動位置毎に算出した焦点情報の履歴がグラフ表示されるため、例えば、グラフ上に複数の焦点情報のピークがある場合に、所望のピークが得られるレンズ位置にレンズを移動させることができる。
【0011】
請求項2に示すように請求項1に記載のマニュアルフォーカス調整装置において、前記撮像手段から出力される画像信号に基づいて画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段に表示された全画像の中から焦点を合わせたい焦点調節エリアを指示する指示手段とを有し、前記焦点情報算出手段は、前記指示手段によって指示された焦点調節エリア内の画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出することを特徴としている。
【0012】
前記指示手段によって焦点調節エリアの位置や大きさを指定することができ、この指定された焦点調節エリア内の画像信号から焦点情報を算出することができる。これにより、例えば、焦点調節エリアとして目を指定することで、正確に目に焦点を合わせることが可能になる。
【0013】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載のマニュアルフォーカス調整装置において、被写体の明るさを検出する明るさ検出手段を有し、前記焦点情報算出手段は、前記撮像手段から出力される画像信号から被写体のコントラスト成分を抽出するための通過帯域の異なる複数のハイパスフィルタと、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに低周波成分を通過させるハイパスフィルタを選択するフィルタ選択手段とを有し、該フィルタ選択手段によって選択されたハイパスフィルタを通過したコントラスト成分を積算して前記焦点情報を算出することを特徴としている。
【0014】
前記ハイパスフィルタの通過帯域を高くすると、焦点情報のピークが急峻となるが、被写体が暗い場合には、焦点情報が極端に小さくなる。そこで、被写体の明るさが暗い場合には、通常よりも低周波成分を通過させるハイパスフィルタを選択し、焦点情報が極端に小さくならないようにし、フォーカス調整をしやすくしている。
【0015】
請求項4に示すように請求項1乃至3のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置において、被写体の明るさを検出する明るさ検出手段を有し、前記焦点情報算出手段は、前記撮像手段から出力される画像信号の隣接する複数の画素の画像信号を混合する画素混合手段を有し、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに前記画素混合手段によって混合された画像信号を使用して前記焦点情報を算出することを特徴としている。
【0016】
請求項5に示すように請求項1乃至4のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置において、被写体の明るさを検出する明るさ検出手段と、前記撮像手段から出力される画像信号の感度を切り替える感度切替手段とを有し、前記焦点情報算出手段は、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに前記感度切替手段の感度を高感度に切り替え、該高感度に切り替えられた画像信号を使用して前記焦点情報を算出することを特徴としている。
【0017】
請求項4、5に記載の発明によれば、請求項3に係る発明と同様に、被写体の明るさが暗い場合に焦点情報が極端に小さくならないようにすることができ、これによりフォーカス調整をしやすくしている。
【0018】
請求項6に示すように請求項1乃至5のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置において、マニュアルフォーカス調整の開始前に前記レンズを所要のレンズ移動範囲にわたって自動的に移動させるサーチ手段を有し、前記焦点情報算出手段は、前記サーチ手段により前記レンズが所定量移動する毎に前記撮像手段から出力される画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出し、前記焦点情報表示手段は、前記焦点情報算出手段により算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいて前記レンズ移動範囲の各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応してグラフ表示するとともに、現時点のレンズ位置における焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示することを特徴としている。
【0019】
即ち、マニュアルフォーカス調整の開始前にレンズを所要のレンズ移動範囲(至近から無限遠に対応するレンズ移動範囲)にわたって自動的に移動させることにより、各レンズ位置と焦点情報との関係を示すグラフを事前に表示することができる。これにより、撮影者はマニュアルフォーカス調整時に事前に表示されたグラフを見ながら操作部材を操作することが可能になる。
【0020】
請求項7に示すように請求項6に記載のマニュアルフォーカス調整装置において、前記サーチ手段によるレンズ移動時に前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報のうちの極大値を求め、該極大値が得られるレンズ位置に前記レンズを移動させて待機させるオートフォーカス調整手段を有することを特徴としている。
【0021】
これにより、マニュアルフォーカス調整前にレンズを被写体にほぼ焦点が合う位置(合焦位置)に移動させることができるため、マニュアルフォーカス調整時における操作部材での調整量が少なくて済む。尚、極大値が複数ある場合には、至近側の極大値が得られるレンズ位置にレンズを移動させる。これは、人物等の主要被写体は、前側に位置するのが普通だからである。
【0022】
請求項8に示すように請求項1乃至7のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置において、マニュアルフォーカス調整の開始前に前記レンズを所要のレンズ移動範囲にわたって自動的に移動させるサーチ手段と、前記サーチ手段によるレンズ移動時に前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報のうちの最大値を求め、該最大値に基づいて前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報を規格化する規格化手段とを有し、前記焦点情報表示手段は、前記規格化手段によって規格化された焦点情報をグラフ表示することを特徴としている。
【0023】
これにより、撮影シーンにかかわらず、焦点情報の最大値をグラフ上で同じ大きさで表示することができ、操作性が向上する。
【0024】
請求項9に係る発明は、被写体の像を撮像手段に結像させるレンズを手動操作により移動させる操作手段を有する撮像装置が接続され、該撮像装置から出力される画像信号を入力するコンピュータ用の合焦アシスト・プログラムであって、前記撮像装置から画像信号とともに前記操作手段の操作に伴うレンズの位置を示す情報を入力させる機能と、前記レンズが移動する毎に前記入力する画像信号から被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出する機能と、前記算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいてマニュアルフォーカス調節の開始時点から現時点までの各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応して前記コンピュータのモニタ上にグラフ表示させる機能であって、現時点の焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示させる機能と、を前記コンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
上記構成の本発明によれば、操作手段での操作によりレンズを移動させると、レンズの移動位置毎に算出された焦点情報を、レンズ位置に対応してグラフ表示することができるとともに、現在のレンズ位置の焦点情報と他の焦点情報とを識別可能に表示することができ、これによりグラフを見ながらマニュアルフォーカス調整を行うことができる。特に、レンズの移動位置毎に算出した焦点情報の履歴がグラフ表示されるため、例えば、グラフ上に複数の焦点情報のピークがある場合に、所望のピークが得られるレンズ位置にレンズを移動させることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下添付図面に従って本発明に係るマニュアルフォーカス調整装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0027】
図1は本発明に係るマニュアルフォーカス調整装置を備えたデジタルカメラ10の実施の形態を示すブロック図である。
【0028】
同図において、撮影部12は、撮影レンズ、絞り、CCD等の撮像素子等を含み、撮影レンズ及び絞りを介して撮像素子の受光面に結像された被写体像は、各センサで光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。このようにして蓄積された信号電荷は、信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。尚、撮像素子は、蓄積した信号電荷をシャッタゲートパルスによって掃き出すことができ、これにより電荷の蓄積時間(シャッタスピード)を制御する、いわゆる電子シャッタ機能を有している。
【0029】
フォーカスリング14は、マニュアルフォーカス(MF)調整時に撮影者によって回転操作されるもので、フォーカスリング14の回転位置に応じて撮影部12内のフォーカスレンズを至近から無限遠に対応するレンズ移動範囲内の任意の位置に移動させることができる。尚、MF調整時にフォーカスレンズを移動させる手段としては、フォーカスリング14の回転力を機械的にフォーカスレンズに伝達してフォーカスレンズを移動させるものに限らず、フォーカスリング14の回転量や回転方向を電気的に検出して電動でフォーカスレンズを速度制御するもの、あるいはフォーカスリング14の回転位置を検出して電動でフォーカスレンズを位置制御するものであってもよい。
【0030】
撮像部12から順次読み出された電圧信号は、アナログ・フロント・エンド(AFE)16に加えられる。AFE16は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)、アンプ、A/Dコンバータ等を有し、CDS回路はタイミング信号発生回路18から加えられるCDSパルスに基づいて入力する電圧信号を相関二重サンプリング処理する。CDS回路によって処理された信号は、アンプによってゲインコントロールされたのち、A/Dコンバータに加えられる。A/Dコンバータは、タイミング信号発生回路18から加えられるADパルスに基づいて入力信号を画素ごとにデジタルのR、G、B信号に変換して出力する。尚、撮像部12の撮像素子及びAFE16は、タイミング信号発生回路18から加えられるタイミング信号によって同期して駆動されるようになっている。
【0031】
上記AFE16から出力されるR、G、B信号は、信号処理部20を介して一旦DRAM等のメモリ22に格納され、その後、メモリ22に格納されたR、G、B信号は、信号処理部20にてホワイトバランス調整、ガンマ補正、及びYC処理等の信号処理が施される。このYC処理された輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(YC信号)は、液晶モニタ等の表示部24に出力される。これにより、スルー画像や撮影された静止画等を表示部24に表示させることができる。
【0032】
また、撮影後のYC信号は、圧縮/伸長部26によって所定のフォーマットに圧縮されたのち、記録装置28にてメモリカードなどの記録メディアに記録される。更に、再生モード時にはメモリカードなどに記録されている画像データが圧縮/伸長部26によって伸長処理された後、表示部24に出力され、表示部24に再生画像が表示されるようになっている。
【0033】
中央処理装置(CPU)30は、操作部32(シャッタボタン、モードダイヤル、十字キー等を含む)からの入力に基づいて各回路を統括制御するとともに、オートフォーカス(AF)調整、自動露光(AE)調整、及びオートホワイトバランス(AWB)補正、並びに本発明に係るMF調整時の合焦アシスト等を行う。
【0034】
尚、AF制御は、R、G、B信号の高周波成分が最大になるようにフォーカスレンズを移動させるコントラストAFであり、シャッタボタンの半押し時にR、G、B信号の高周波成分が最大になるようにフォーカスレンズを合焦位置に移動させる。
【0035】
また、AE制御は、R、G、B信号を取り込み、これらのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV値)を求め、この撮影EV値に基づいて撮影時の絞り値とシャッタスピードを決定する。そして、シャッタボタンの全押し時に前記決定した絞り値になるように絞りを駆動し、また、決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御して1コマ分の画像データを取り込み、所要の信号処理をした後、記録メディアに記録する。
【0036】
次に、本発明に係るMF調整時の合焦アシスト方法について説明する。
【0037】
図2は本発明に係るMF調整時の処理内容を含む全体のフローチャートである。
【0038】
まず、操作部32中のフォーカスモード切替スイッチ(図示せず)をAFからMFに切り替えると、MF調整モードがONとなり(ステップS10)、以下の処理を行う。
【0039】
フォーカス用のAE調整を行う(ステップS12)。そして、フォーカス用のAEが確定すると(ステップS14)、被写体のコントラスト成分を抽出するためのハイパスフィルタ(HPF)を自動設定する(ステップS16)。
【0040】
図3(A)及び(B)はそれぞれ被写体の明るさと、使用するHPFとの関係を示している。即ち、被写体の明るさに応じてHPF1〜HPF4のうちのいずれかが設定され、被写体の明るさが暗くなる程、低周波成分を通過させるHPFが設定される。
【0041】
図4は被写体の明るさが0EV〜4EVのときに設定されるHPF1と、15EV〜17EVのときに設定されるHPF4の特性を示しており、HPF1は、HPF4よりも低周波成分を通過させる。
【0042】
このように、被写体の明るさが暗いときに低周波成分を通過させるHPFを設定する理由は、被写体の明るさが暗いと、高周波成分が少なくなり、この高周波成分を積算することにより算出される焦点情報の値が小さくなるからである。
【0043】
また、図3(C)に示すように被写体の明るさに応じてR、G、B信号の画素混合を行う。即ち、被写体の明るさが暗い程、混合する画素数を増やし、得られる信号レベルを大きくする。
【0044】
図5(A)及び(B)はそれぞれRGBの各色ごとに2画素混合、及び4画素混合する場合の混合する画素の組み合わせを示している。
【0045】
即ち、混合する画素数を増やすことで、被写体の明るさが暗い場合でも所望の信号レベルが得られるようにしている。
【0046】
尚、図5(B)に示すようにRGBの4画素混合の場合の各R、G、B信号は、次式のようになる。
[数1]
R=R1+R2+R3+R4
G=G1+G2+G3+G4
B=B1+B2+B3+B4
また、図3(C)に示すように被写体の明るさが明るい場合(15EV〜17EV)には、画素混合をせずにG信号のみを使用する。
【0047】
尚、図3及び図5に示した実施の形態では、RGBの2画素混合、RGBの4画素混合について説明したが、これに限らず、Gの1画素、Gの2画素混合、Gの4画素混合を使用してもよい。
【0048】
更に、図3(D)に示すように被写体の明るさが所定の明るさ(4EV)以下になると、被写体の明るさが暗くなる程、AFE16におけるアンプのゲインを上げるようにゲインコントロールする。例えば、被写体の明るさが4EVのときは、絞りが開放となり、かつシャッタスピードも最長となるため、4EVよりも暗い被写体の場合には、撮像部12から出力される画像信号のレベルが低くなる。この画像信号の低下を抑制するために画像信号を増幅するゲインを大きくし(感度を上げ)、所望のレベルの画像信号が得られるようにする。
【0049】
尚、図3(B)、(C)及び(D)に示したHPFの設定、画素混合、及び感度の切替え制御は、それぞれ独立して行ってもよいし、適宜組み合わせて行ってもよい。
【0050】
図2に戻って、上記HPFの設定後、続いて焦点情報の算出を行う(ステップS18)。
【0051】
この焦点情報の算出は、図6に示すように、まず撮像部12にてフォーカス用画像の撮像を行い(ステップS181)、1画面分の画像信号のうちの焦点調節エリアの画像信号を取得する(ステップS182)。
【0052】
ここで、焦点調節エリアについて説明する。図7に示すように1画面を64(=8×8)分割し、これらの分割エリアから1乃至複数の分割エリアの集合である焦点調節エリアを設定する。図7に示す例では、焦点調節エリアとして分割エリア26〜29が設定されている場合に関して示している。
【0053】
また、この焦点調節エリアは、1画面内の任意の位置及び任意の大きさに設定することができる。
【0054】
図8はデジタルカメラ10の要部背面図であり、デジタルカメラ10の背面には、表示部24、操作部32としての十字キー32A、「MENU/ 実行」キー32B、「キャンセル」キー32Cが設けられている。
【0055】
焦点調節エリアを変更する場合には、「MENU/ 実行」キー32B及び十字キー32Aを操作して焦点調節エリアの変更メニューを選択し、移動/拡縮モードのうちのいずれかを選択する。
【0056】
図8(A)に示すように焦点調節エリアの移動モードを選択し、十字キー32Aの上下左右キーを操作すると、焦点調節エリアを示す枠24Aが表示部24の画面内で上下左右に移動する。枠24Aを所望の位置に移動させた後、「MENU/ 実行」キー32Bを押すと、焦点調節エリアが確定して撮影モードに戻る。
【0057】
また、図8(B)に示すように焦点調節エリアの拡縮モードを選択し、十字キー32Aの右キー又は左キーを押すと、枠24Aが左右方向に拡大又は縮小する。同様に、十字キー32Aの上キー又は下キーを押すと、枠24Aが上下方向に拡大又は縮小する。このようにして枠24Aを所望の大きさに拡縮させた後、「MENU/ 実行」キー32Bを押すと、焦点調節エリアが確定して撮影モードに戻る。
【0058】
尚、図9に示すように表示部24をタッチパネル付きの表示部とし、タッチした部分を中心に焦点調節エリアを移動させるようにしてもよい。また、枠24Aの移動、拡縮は、図7に示した分割エリア単位で移動、拡縮することが信号処理上好ましい。
【0059】
図6に戻って、焦点調節エリアが設定されると、その焦点調節エリア内の各分割エリアの画像信号の高周波成分を、図2のステップS16で設定したHPFにより抽出し、各分割エリアのHPF出力を積算し、各積算値を取得する(ステップS183、S184)。そして、焦点調節エリア内の各分割エリア内の積算値を合計して焦点情報を算出する(ステップS185)。
【0060】
図10はフォーカスレンズの位置毎に算出された分割エリア26〜29(図7参照)別のHPF出力の積算値を示すグラフであり、図11はこれらの積算値を合計した焦点情報を示すグラフである。尚、図11に示すように、フォーカスレンズの位置に応じて焦点情報の値が変動するが、この焦点情報がピークになるレンズ位置が被写体のコントラストが最大になり、通常、焦点が合った状態となる。
【0061】
図2に戻って、焦点情報の算出が行われると、その焦点情報を表示部24に表示する(ステップS20)。続いて、MF調整のためにフォーカスリング14が変更されたか否かを判別し(ステップS22)、変更された場合にはステップS18に戻り、フォーカスリング14の変更に伴って移動したフォーカスレンズ位置での焦点情報が再び検出され、その検出された焦点情報が表示される。
【0062】
図12はフォーカスレンズを至近から無限遠に対応するレンズ移動範囲にわたって移動させた場合に表示部24に表示される各レンズ位置と焦点情報との関係を示すグラフである。
【0063】
同グラフに示すように現在のレンズ位置の焦点情報25は、他のレンズ位置の焦点情報とは、色や明るさを変えて識別可能に表示される。尚、このグラフは、表示部24に表示される被写体のスルー画像上にオーバーレイ表示されるが、これに限らず、表示部24の画面を2分割してスルー画像とグラフとを別々に表示してもよいし、グラフを別の表示部に表示するようにしてもよい。
【0064】
図12に示す例では、焦点情報のピークが2つ存在している場合に関して示している。例えば、人物等の主要被写体の後方にコントラストの高い背景が存在するようなシーンに対してMF調整を行う場合には、図12に示すようなグラフが表示される。また、金網越しに人物を撮影する場合にも金網に合焦するレンズ位置と人物に合焦するレンズ位置の2箇所でピークが存在する。
【0065】
撮影者は、焦点情報のピークが複数存在する場合には表示部24に表示されるスルー画像からいずれの被写体に焦点を合わせるべきかを判断し、焦点情報のグラフを見ながら現在のレンズ位置の焦点情報25が所望の焦点情報のピークと一致するようにフォーカスリング14を操作することによりMF調整を行う。尚、同じレンズ位置の焦点情報が異なる場合には、最新の焦点情報に更新する。
【0066】
図2のステップS22において、フォーカスリング14を変更しない場合には、ステップS24に進み、ここで焦点調節エリアが変更されたか否かを判別する。焦点調節エリアが変更された場合には、過去に算出した焦点情報を全て消去し、焦点情報の表示をリセットした後(ステップS26)、ステップS18に戻って新たに設定された焦点調節エリアの焦点情報の算出を行う。
【0067】
また、ステップS24において、焦点調節エリアの変更がない場合には、ステップS28に進み、ここでシャッタボタンの操作による撮影が指示されたか否かが判別される。撮影が指示された場合には、撮影用AEを行ったのち本撮像を行い、本撮像によって取得した画像信号の各種の信号処理、及び記録メディアへの画像の記録が行われる(ステップS30)。
【0068】
一方、撮影が指示されない場合には、ステップS14でのAE確定後にフォーカス用AEが変化したか否かを判別し、フォーカス用AEが変化していない場合には撮影シーンの変化がないと見なし、ステップS18に戻る。一方、フォーカス用AEが変化した場合には、撮影シーンが変化したと見なして過去に算出した焦点情報を全て消去し、焦点情報の表示をリセットした後(ステップS34)、ステップS12に戻る。
【0069】
次に、本発明に係るMF調整時の合焦アシスト方法の他の実施の形態について説明する。
【0070】
図13は本発明に係るMF調整時の他の実施の形態の処理内容を含む全体のフローチャートである。尚、図2と共通する処理には、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図13に示す実施の形態は、図2に示したものと比較して主としてMF調整前にフォーカスレンズのラフサーチによるAF調整を行う点で相違する。
【0072】
即ち、ステップS40において、焦点情報を求めるためのラフサーチを実施する。このラフサーチでは、フォーカスレンズを至近から無限遠までのレンズ移動範囲にわたってステッピングモータ等により自動的に移動させ、フォーカスレンズが所定量移動するごとに焦点情報を算出する。そして、ラフサーチによって算出した焦点情報のうちの最大値を検出する(ステップS42)。
【0073】
ラフサーチ時の焦点調節エリアは、例えば、デフォルトで設定された画面中央の所定のエリアとする。また、ラフサーチ中には、表示部24に表示されるスルー画像が変化しないように、ラフサーチ直前のスルー画像を保持する。
【0074】
ラフサーチによって現在の撮影シーンの焦点情報の最大値が検出されると、図14に示すようにラフサーチして得た各レンズ位置の焦点情報の値を最大値で除算して規格化するとともに、焦点情報が最大となるレンズ位置にフォーカスレンズを移動させて待機させる。
【0075】
図14はラフサーチ終了後、MF調整前の表示部24に表示された各レンズ位置に応じた焦点情報の一例を示すグラフである。尚、ラフサーチによって焦点情報のピークが複数検出された場合には、至近側のピークにフォーカスレンズを移動させて待機させる。通常、至近側に主要被写体が位置する場合が多いからである。
【0076】
その後、MF調整のためにフォーカスリング14が変更されたか否かを判別し(ステップS22)、変更された場合にはステップS44に戻り、フォーカスリング14の変更に伴って移動したフォーカスレンズ位置での焦点情報が検出され、その検出された焦点情報が規格化されて表示される。
【0077】
即ち、ラフサーチでは全てのレンズ位置における焦点情報の算出を行っていないため、より精度の高い焦点合わせを行う場合には、フォーカスリング14を操作してMF調整を行う。
【0078】
これにより、ラフサーチ時には算出されていないレンズ位置の焦点情報が算出され、その焦点情報がグラフ上に追加される。尚、同じレンズ位置における焦点情報が異なる場合には、最新の焦点情報に更新される。また、ラフサーチ時に算出された焦点情報の最大値よりも大きな焦点情報がMF調整時に得られると、その焦点情報の規格化された値は、1よりも大きくなる。
【0079】
このようにラフサーチによって得られた焦点情報のうちの最大値によって各焦点情報を規格化するようにしたため、表示部24に表示される焦点情報のグラフ上の最大値の値をほぼ一定にすることができ、MF調整時の操作性を向上させることができる。
【0080】
また、MF調整前にラフサーチ時に取得した焦点情報を表示するようにしたため、フォーカスリングを操作するときの目安となり、速やかにMF調整に移行することができ、更にラフサーチ時に焦点情報が最大となるレンズ位置にフォーカスレンズを移動させて待機させることで、MF調整時の調整量を最小限にすることができる。
【0081】
図15は本発明に係るMF調整時の合焦アシスト機能を備えたパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0082】
図15に示すようにパソコン100は、主として各構成要素の動作を制御する中央処理装置(CPU)102と、装置の制御プログラムが格納されたり、プログラム実行時の作業領域となる主メモリ104と、パソコン100のオペレーティングシステム(OS)、パソコン100に接続された周辺機器のデバイスドライバ、本発明に係る合焦アシスト・プログラムを含む各種のアプリケーションソフト、ユーザの画像等が格納されるハードディスク装置106と、CD−ROM装置108と、表示用データを一時記憶する表示メモリ110と、この表示メモリ110からの画像データ、文字データ等により画像や文字等を表示するCRTモニタや液晶モニタ等のモニタ装置112と、キーボード114と、位置入力装置としてのマウス116、マウス116の状態を検出してモニタ装置112上のマウスポインタの位置やマウス116の状態等の信号をCPU102に出力するマウスコントローラ118と、デジタルカメラ10と接続して画像データ等の入力が可能なUSB(Universal Serial Bus)などのインターフェース120と、上記各構成要素を接続するバス122とから構成されている。
【0083】
尚、上記構成のパソコン100は、ハードディスク装置106に格納されている、本発明に係る合焦アシスト・プログラムを除いて周知のものであるため、各構成要素の詳細な説明については省略する。この合焦アシスト・プログラムは、該プログラムが記録されたCD−ROMをCD−ROM装置108にセットすることにより、パソコン100にインストールすることができる。
【0084】
次に、インターフェース120を介して接続されているデジタルカメラ10のMF調整時の合焦アシストについて説明する。
【0085】
まず、デジタルカメラ10は、MF調整モード時にフォーカス用画像の撮像を行い、その撮像によって取得した画像信号をパソコン100に出力するとともに、フォーカスレンズの位置(又はフォーカスリングの回転位置がフォーカスレンズの位置と対応している場合にはフォーカスリングの回転位置)の情報をパソコン100に出力するものとする。
【0086】
パソコン100は、デジタルカメラ10のMF調整モード時の合焦アシスト処理を行う場合には、図2に示した合焦アシストを含む処理フローのうちデジタルカメラ特有の処理(図2のステップS12、S14、S16、S30)を除いた処理を実行する。
【0087】
即ち、パソコン100は、デジタルカメラ10から入力するフォーカス用画像の画像信号に基づいて図2のステップS18で説明した焦点情報を算出し、その焦点情報をフォーカスレンズのレンズ位置に応じてモニタ装置112にグラフ表示する(図12参照)。
【0088】
これにより、撮影者は、パソコン100のモニタ装置112に表示された焦点情報のグラフを見ながらフォーカスリングを操作し、フォーカスレンズを焦点情報がピークとなる位置に移動させることができる。
【0089】
尚、パソコン100のモニタ装置112は、デジタルカメラ10の表示部24よりも大きいため、スルー画像の表示とグラフ表示とを画面上に並べて表示することができる。
【0090】
また、この実施の形態では、各レンズ位置ごとの焦点情報を棒グラフで表示するようにしたが、これに限らず、折れ線グラフ等の他のグラフで表示するようにしてもよく、要は焦点情報の各レンズ位置ごとの焦点情報の履歴を表示することができるとともに、現在のレンズ位置での焦点情報が他の焦点情報と識別可能に表示できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係るマニュアルフォーカス調整装置を備えたデジタルカメラの実施の形態を示すブロック図
【図2】本発明に係るMF調整時の処理内容を含む全体のフローチャート
【図3】被写体の明るさと使用するHPF、画素混合及び感度の関係を示す図
【図4】HPF1とHPF4の振幅特性を示すグラフ
【図5】RGBの2画素混合及びRGBの4画素混合を説明するために用いた図
【図6】焦点情報の算出を説明するために用いたフローチャート
【図7】焦点調節エリアを説明するために用いた画面全体の分割エリアを示す図
【図8】焦点調節エリアの移動/拡縮を説明するために用いた図
【図9】焦点調節エリアの移動の他の実施の形態を説明するために用いた図
【図10】フォーカスレンズの位置毎に算出された焦点調節エリアの各分割エリア別のHPF出力の積算値を示すグラフ
【図11】図10に示した各分割エリア別のHPF出力の積算値を合計した焦点情報を示すグラフ
【図12】デジタルカメラの表示部に表示される各レンズ位置に対応した焦点情報の一例を示すグラフ
【図13】本発明に係るMF調整時の処理内容の他の実施の形態を含む全体のフローチャート
【図14】ラフスキャンによって得られた焦点情報に基づいて規格化された各焦点情報の一例を示すグラフ
【図15】本発明に係るMF調整時の合焦アシスト機能を備えたパーソナルコンピュータのハードウエア構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0092】
10…デジタルカメラ、12…撮像部、14…フォーカスリング、16…アナログ・フロント・エンド(AFE)、20…信号処理部、22…メモリ、24…表示部、26…圧縮/伸長部、28…記録装置、30…中央処理装置(CPU)、32…操作部、100…パーソナルコンピュータ(パソコン)、102…CPU、104…主メモリ、106…ハードディスク装置、108…CD−ROM装置、112…モニタ装置、120…インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の像を撮像手段に結像させるレンズを手動操作により移動させる操作手段と、
前記操作手段での操作により前記レンズが移動する毎に前記撮像手段から出力される画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出する焦点情報算出手段と、
前記焦点情報算出手段により算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいてマニュアルフォーカス調節の開始時点から現時点までの各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応してグラフ表示する焦点情報表示手段であって、現時点の焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示する焦点情報表示手段と、
を備えたことを特徴とするマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項2】
前記撮像手段から出力される画像信号に基づいて画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段に表示された全画像の中から焦点を合わせたい焦点調節エリアを指示する指示手段とを有し、
前記焦点情報算出手段は、前記指示手段によって指示された焦点調節エリア内の画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出することを特徴とする請求項1に記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項3】
被写体の明るさを検出する明るさ検出手段を有し、
前記焦点情報算出手段は、前記撮像手段から出力される画像信号から被写体のコントラスト成分を抽出するための通過帯域の異なる複数のハイパスフィルタと、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに低周波成分を通過させるハイパスフィルタを選択するフィルタ選択手段とを有し、該フィルタ選択手段によって選択されたハイパスフィルタを通過したコントラスト成分を積算して前記焦点情報を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項4】
被写体の明るさを検出する明るさ検出手段を有し、
前記焦点情報算出手段は、前記撮像手段から出力される画像信号の隣接する複数の画素の画像信号を混合する画素混合手段を有し、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに前記画素混合手段によって混合された画像信号を使用して前記焦点情報を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項5】
被写体の明るさを検出する明るさ検出手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号の感度を切り替える感度切替手段とを有し、
前記焦点情報算出手段は、前記明るさ検出手段によって検出された被写体の明るさが暗いときに前記感度切替手段の感度を高感度に切り替え、該高感度に切り替えられた画像信号を使用して前記焦点情報を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項6】
マニュアルフォーカス調整の開始前に前記レンズを所要のレンズ移動範囲にわたって自動的に移動させるサーチ手段を有し、
前記焦点情報算出手段は、前記サーチ手段により前記レンズが所定量移動する毎に前記撮像手段から出力される画像信号から前記被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出し、
前記焦点情報表示手段は、前記焦点情報算出手段により算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいて前記レンズ移動範囲の各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応してグラフ表示するとともに、現時点のレンズ位置における焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項7】
前記サーチ手段によるレンズ移動時に前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報のうちの極大値を求め、該極大値が得られるレンズ位置に前記レンズを移動させて待機させるオートフォーカス調整手段を有することを特徴とする請求項6に記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項8】
マニュアルフォーカス調整の開始前に前記レンズを所要のレンズ移動範囲にわたって自動的に移動させるサーチ手段と、
前記サーチ手段によるレンズ移動時に前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報のうちの最大値を求め、該最大値に基づいて前記焦点情報算出手段によって算出された各焦点情報を規格化する規格化手段とを有し、
前記焦点情報表示手段は、前記規格化手段によって規格化された焦点情報をグラフ表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のマニュアルフォーカス調整装置。
【請求項9】
被写体の像を撮像手段に結像させるレンズを手動操作により移動させる操作手段を有する撮像装置が接続され、該撮像装置から出力される画像信号を入力するコンピュータ用の合焦アシスト・プログラムであって、
前記撮像装置から画像信号とともに前記操作手段の操作に伴うレンズの位置を示す情報を入力させる機能と、前記レンズが移動する毎に前記入力する画像信号から被写体のコントラストに応じた焦点情報を算出する機能と、前記算出された各レンズ位置毎の焦点情報に基づいてマニュアルフォーカス調節の開始時点から現時点までの各レンズ位置の焦点情報をレンズ位置に対応して前記コンピュータのモニタ上にグラフ表示させる機能であって、現時点の焦点情報と他の焦点情報とを前記グラフ上で識別可能に表示させる機能と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする合焦アシスト・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2005−284155(P2005−284155A)
【公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−100853(P2004−100853)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】