マルチビュー表示器等の指向性光出力装置
発光装置が、基板61と、該基板上に設けられた発光素子62の配列とを有する。上記基板は輪郭付けされた表面を有し、該表面は異なる方向に向いた法線方向を有するような少なくとも第1及び第2の領域60a、60b、60cを定める。上記発光素子62は、指向性発光素子を有すると共に、上記第1及び第2の領域60b、60c上に設けられ、これにより第1及び第2の光放出方向を定める。この構成は、当該装置により放出される光の角度分布を発光領域当たりの発光を制御することにより電子的に調整することができるような、装置の構造化された(微細構造的に非平坦な)基板上の光源素子を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば異なる空間的位置に複数のビューを提供するように構成されたマルチビュー表示装置等の指向性光出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチビュー表示器は、3D表示器、デュアルビュー車載表示器又はマルチビュー提示表示器等の種々の目的にとり有用である。3D表示器は、益々、表示器における次の主要な革新と見られている。3D画像を生成する通常の技術は、LCD又はプラズマ表示器等の既存の表示器を、異なるピクセルを異なる観察角(viewing angle)に結像させる付加的光学構成部品と組み合わせることによるものである。
【0003】
図1は、この方法を概念的に示すもので、ピクセルの列からの光出力10が異なる横方向観察位置に向けられることがわかる。この場合、ユーザ12は左及び右の目で異なる画像を見ることができ、これが画像の3D又は深度効果として体験される。異なる横方向位置に対して異なるビューの方向を提供するような異なる方法が存在し、最も普通の方法は垂直方向(又は実質的に垂直方向)のレンチキュラレンズエレメントのアレイを使用することである。
【0004】
非立体表示器の場合、デュアルビュー表示器が他の例のマルチビュー表示器であり、例えば自動車用途に使用することができる。立体画像を得るために複数のビューを表示する代わりに、異なる画像が異なる方向に表示される。この技術の1つの応用例は、表示器が運転者に対して経路計画を表示する一方、搭乗者がeメイルを読み、映画を鑑賞し又はゲームを楽しむのを可能にするものである。安全性の理由で、運転者は搭乗者に提供される情報を見ることができてはならない。
【0005】
典型的な自動車用途において、運転者及び搭乗者のための観察ゾーンは図2を参照して説明されるような要件を満たさねばならない。図2の左のグラフは所望の光出力を示し、該所望の光出力は中央のデッドゾーン20と2つの横方向の観察ゾーン22とを有している。例えば、角度αは約14度であることを要し得る。図2の右のグラフは、通常の表示器に関するプロット26と比較して、所望の放射プロファイル(輪郭)をどの様に実現することができるかをプロット24として示している。透過の急激な変化は現実的ではなく、図示のように正弦関数形状が適切であり得る。
【0006】
表示器法線に近い方向では、可視画像は存在してはならず(好ましくは、暗い出力)、左及び右への斜めの角度(例示のみとして、+/−30度)では画像が見えなければならない。
【0007】
デュアルビュー表示器は多数の方法で構築することができる。1つの既知の方法は、図3に示すように、通常の表示器(例えば、LCD)上に障壁層を設けることである。
【0008】
障壁層30は、垂直方向に整列されたスリット32の水平方向のアレイからなる。これらのスリットにより定められる開口は、或る表示ピクセル34からの光が当該表示器法線の左側の観察角から見えるようにすると共に、該ピクセルに隣接するピクセルからの光は反対側の観察角からだけ見えるようにする。このようにして、2つの独立した画像、即ち左側のもの及び右側のもの、を表示させることができる。
【0009】
これは、2つのビュー34及び36並びに表示器法線に近い方向のデッドゾーン38を生じさせる。
【0010】
しかしながら、図3から分かるように、上記デッドゾーン38においては両方のビューが見え、これは暗い領域というよりはクロストークの領域を示すことになる。この位置に座る観察者は、1つの画像に併合された第1ビュー34及び第2ビュー36を見ることになるであろう。勿論、これは望ましものではなく、自動車用途においては危険でさえあり得る。何故なら、運転者の気をそらさせ得るからである。
【0011】
この問題に対処することを狙いとする1つの方法は、バックライトの面に垂直ではなく斜めの角度でのみ光を放出するようなバックライトを設けることであると認識されている。
【0012】
バックライトの設計は特注可能な光源(例えば、選択可能な輝度、カラー及び/又は光分布を備える)を提供するように進んでおり、これらは、機能的な使用及び設計の柔軟性を提供する。
【0013】
この分野における適用が可能な技術の一例は、有機固体照明である。
【0014】
専門的用途の場合、効率が最も重要である。固体照明における発展は、これら目標を達成するための2つの汎用的光源技術、即ち無機発光ダイオード(LED)及び有機発光ダイオード(OLED)を提供している。OLEDは、大面積照明にとり理想的な光源である。これらの光源は、ロール・ツー・ロール処理により製造することができ、提供可能な光源がロール上で利用可能であり、且つ、形状、色及び寸法が特注可能であることが期待される。
【0015】
OLEDは、典型的には、基板上の電極(陽極及び陰極)の間に挟まれた例えば半導体共役ポリマの形態の1以上の有機層(小さな分子及び/又はポリマに基づく)からなる。一方の電極は透明であり、他方は上記ポリマ層にホール又は電子を注入するのに適した材料である。OLEDなる用語は、上記のようなポリマ材料(PLED)又はその他では他のタイプの発光ダイオード(LED)を含むものである。
【0016】
図4は、OLED光源の基本構造を示し、該光源は基板40、下側電極層42、有機積層体の形態のエレクトロルミネッセント層44、及び上部電極46を有している。
【0017】
例えば当該OLEDを封入するための追加の層を使用することもできる。上記有機積層体で発生された光は、当該装置から観察者に向かって上記基板を介して(底部放射型OLED)又は上部を介して(上部放射型OLED)離れることができる。底部放射型装置は透明な基板40及び透明な下側電極42の使用を必要とする一方、上部放射型装置は透明な上部電極46の使用を必要とする。
【0018】
マルチビュー(例えば、デュアルビュー)表示器を、光が前側方向にではなく斜めの角度でのみ放出されるように設計されたOLEDバックライトを使用して構成することが望ましいと認識されている。しかしながら、既存の方法は障壁の使用を必要とする。
【0019】
障壁は、原理的に、各OLED素子は光を全ての斜めの方向(例えば、+30度及び−30度)に放出する一方、ピクセル当たりに1つのビューしか放出されてはならない故に、必要とされる。
【0020】
低い電力消費及び寸法的自由度も、OLED発光装置を多くの一般的照明用途の候補にさせる。一般的照明目的に対する有機固体照明の障害の1つは、光の無指向的な出力であり、拡散された光を生じる。このような理由で、通常の(即ち、薄く平らな)OLEDを、局部照明、スポット照明、天井照明、テーブル照明、車内照明、デスク照明、作業照明等の多くの用途に使用するのは効率的でない。
【0021】
OLEDによる指向的光放出は、マイクロキャビティ(微小共振器)光学系用いて実現することができる。OLEDの光放出に対する光学キャビティの主たる効果は、状態の光子密度を、許されたキャビティモードに対応する特定の波長だけが所与の方向に放出されるように再分布させることである。
【0022】
例えば、文献EP1154676は、或る範囲の視野角にわたり色純度を改善するために共振キャビティを使用するような有機EL装置を開示している。該光学的キャビティは共振を発生するために多重反射を使用する。
【0023】
図5は、光学的キャビティを有する種々の基本的OLEDアーキテクチャを示している。
【0024】
図5aにおいて、下側電極42は半透明であり、上側電極は反射性である(底部放射型)。図5bにおいては、上側電極46が半透明であり、底部電極は反射性である(上部放射型)。図5cにおいては、両電極が半透明である。
【0025】
これらのアーキテクチャにおいては、光が発生される電極の間に相対的に小さな距離(放出される波長の程度の)が設けられる。この寸法は、許されるキャビティモードを制御する。斯かる電極の反射特性は、オプションとして誘電体被覆との組み合わせで、金属又は半透明導電膜を用いることにより得ることができる。
【0026】
この形態のマイクロキャビティは、放出される光の方向を変更すべく電子的に切り換えることはできず、従ってユーザに角度分布の所望の制御を提供するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従って、OLED型装置により放出される光の角度分布を制御する必要性が残存している。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明によれば、
基板と、
該基板上に設けられた発光素子の配列と、
を有する発光装置であって、前記基板が、異なる方向に向いた法線方向を有する少なくとも第1及び第2の領域を定めるような輪郭付けされた表面を有し、前記発光素子が指向性発光素子を有し、これら発光素子が前記第1及び第2の領域上に設けられ、これにより第1及び第2の光放出方向を定めるような発光装置が提供される。
【0029】
この構成は、装置の構造化された(微細構造的に非平坦な)基板上の、当該装置により放出される光の角度分布を発光領域毎の発光を制御することにより電子的に調整することができるような光源エレメントを提供する。
【0030】
上記発光素子は、例えば、有機発光ダイオード装置(OLED)を有することができる。OLEDの特性は、光放射プロファイル(断面形状)が指向性(即ち、非ランバート的)となるようなものである。これは、例えば、マイクロキャビティを有するOLEDを使用することにより、又は当該OLEDに追加の光学構造を組み込むことにより、又は当該OLED装置の外側における例えばプリズム若しくは箔等の光学エレメントの適用により実現することができる。
【0031】
このようにして、放出される光の角度分布を、機械的に運動する部品の必要性なしに、電子的に調整することができるようなOLED型装置を実現することができる。異なる指向性出力の間のクロストークは、障壁を必要とせずに回避することができる。
【0032】
上記指向性発光素子は、好ましくは、当該発光素子が取り付けられた基板に対する法線方向の周辺に集中された光出力を有するものとする。例えば、該出力は当該発光素子が取り付けられた基板の法線方向において最大輝度を有することができ、該輝度が最大値の50%となる全角度は、5度から50度の範囲、より好ましくは10度から35度の範囲とすることができる。
【0033】
前記有機発光ダイオード装置は電極の間に挟まれたエレクトロルミネッセント材料を有することができ、その場合、斯かる電極は前記指向性出力を提供するための光学キャビティを定める。これは、指向性出力を定めるための追加のエレメントの必要性を回避することになる。
【0034】
前記基板は畝付き表面を有することができ、各畝の1つの表面は前記第1領域の部分を画定し、各畝の他の表面は前記第2の領域の部分を画定する。複数の畝が存在し得る。
【0035】
上記畝は三角状凸部を有することができ、該凸部は上記基板の全体的面の法線から対応する側に向かって各々面するような2つの非垂直な(当該基板の全体的面に対して)面を定める。
【0036】
上記第1及び第2の領域は、各々、当該基板の互いに平行な複数の部分を有し得る。これら部分は、一緒になって、組み合わされた光出力表面を定めることができる。
【0037】
当該装置は、表示装置のためのバックライトを有することができる。その場合、前記領域は、各々、特定の方向に又は方向の範囲内に表示されるべき1つの表示画像のためのピクセルに関連付けられる。
【0038】
この場合、前記第1及び第2領域は、各々、前記基板における互いに平行な複数の連続的部分を有することができ、各部分は赤色、緑色又は青色のサブピクセルに関連づけられる。他の例として、各部分は赤色、緑色又は青色の各々のサブピクセルに関連づけることもできる。斯かる部分を定めるために畝形状が使用される場合、各色のサブピクセルは斯かる畝の長さに整列させることができるか、又は斯かる畝の長さに沿って交互に位置することができる。これは、同一の表示画像に対する同じ色のサブピクセル間の距離が最小に維持されて、知覚される解像度を改善するのを可能にする。
【0039】
また、本発明は、本発明のバックライトを使用した表示装置も提供する。該表示装置は、使用時に、前記第1及び第2領域上に設けられた発光素子を使用して第1及び第2画像を表示するように動作することができる。これは、レンチキュラレンズ等の追加の光学エレメントを必要とすることなく、マルチビュー(例えば、裸眼立体:autostereoscopic)表示の実現を可能にする。
【0040】
他の構成では、当該装置は制御可能な光源を有する。これは、光分布を電子的に制御することが可能なOLED型の照明エレメントの実現を可能にする。これは、照明エレメントの使用に対して自由度を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。
【0042】
図6は、本発明の指向性光源の第1例を示し、該光源はマルチビュー指向性表示装置のためのバックライトとして使用することができる。この例は、当該光源の異なる部分に異なる垂直放出角度を付与するために平らでない基板を使用し、光源エレメントは自体が指向性のものである。
【0043】
図6は、基板のための1つの可能性のある形状を示し、該基板において第1の組の面60aは法線(垂直)方向外側に面し、第2の組の面60bは一方の側に面し、第3の組の面60cは他方の側に面している。
【0044】
放出される光の角度分布を制御するために、このように構造化された(微細構造的に非平坦な)基板上で指向性OLEDが使用される。光源62は指向性のもので、従って、全ての角度に対しては等しくはない輝度(即ち、非ランバート出力)を有する。該指向性出力は楕円により表されている。
【0045】
上記基板は剛性、可撓性又は順応性であり得る。順応性基板は、積層される他の基板/装置に対して順応することができる。このようにして、該基板は、所望の構造に整形されてしまうまでは初期的には可撓的であり得、次いで該形状は固定され、最早、繰り返し変化させることはできない。
【0046】
光源62は、該光源により照明されるべき表示器の通常の観察の向きに対して、例えば上から下に走る棒状部分(バー)として配列される。
【0047】
基板の上記構造化により、当該OLEDのバーは光を異なる方向に放出する。バー毎の輝度を制御することにより、当該OLED装置の結果的放射プロファイルは電子的に調整することができる。斯様な構造化されたOLED装置は、従って、マルチビュー表示器に又は一般的照明目的の固体照明装置に適用することができる。
【0048】
勿論、多くの好適な表面輪郭が存在する。好適な表面輪郭の重要な見地は、異なる基板領域の法線方向の間に差が存在するということである。表面輪郭は、1Dの微細構造パターン(例えば、棒のような直線構造)又は2Dの微細構造パターンを含むことができる。
【0049】
他の好適な構造の一例は、種々の傾斜を持つバー又は角錐等の三角形状型構造である。
【0050】
図7は、指向性出力又は一連の異なる指向性出力を提供することが可能な種々の基板形状を示す。図7の幾つかの例は、2つの面、即ち当該光源の全体的面に対する法線の各側に1つずつの面を提供するために三角形突起を使用している。
【0051】
OLED素子は、これら面の一方又は両方上にあるようにすることができ、三角形突起は当該光源の全体的面に対して平行な部分により離隔され得る。ここでも、指向性OLED出力は楕円により表され、発光するバー又は領域毎の輝度を制御することにより、当該OLED装置の放射プロファイルを電子的に調整することができる。
【0052】
指向性OLEDは、マイクロキャビティを既知の態様で使用することにより得ることができる。もっとも、例えばOLEDへの追加の光学構造の組み込み又はプリズム及び箔等の光学素子の適用を用いる等の他の技術も等しく可能である。しかしながら、各OLED素子の指向性光出力は中央のデッドゾーンは必要とせず、従って障壁層の使用は回避することができる。
【0053】
前記基板は、OLEDの被着前に又はOLEDの被着後に構造化することができる。例えば、構造化された担体上への可撓性/順応性基板上の指向性OLEDの積層を実行することができる。
【0054】
パターン化する凹凸は、マイクロスケール又はそれより大きいものであり得る。一般的に、当該パターン化は、OLED表示素子の分解能又は元となる表示器の分解能と同様の又はそれより大きなスケールのものである。例えば、表示器用途の場合、基板の構造化寸法は(サブ)ピクセルのサイズと等しいか又はそれより大きくなる。
【0055】
従って、限界において、1つの指向性出力のための当該装置の部分を形成する部分は、ピクセル又はサブピクセルピッチに対応するような最小の寸法(例えば、前記畝の幅)を有するであろう。他の例として、各部分が、ピクセル又はサブピクセルの部分集合の寸法に対応するような最小の寸法を有することもできる。
【0056】
図8は、上述した原理の、デュアルビュー表示器用の指向性バックライトを構成するための適用例を示す。
【0057】
図8は、構造化された(非平坦な)基板上の指向性(即ち、非ランバート的)OLEDの棒状体(バー)80を示す。当該基板は、互いに隣接する一連の三角形突起の形態である。この構造は、当該表示装置の面の全体的法線方向からオフセットされた第1の法線方向を持つような第1の群の面と、これも当該表示装置の面の全体的法線方向からオフセットされた別の第2の法線方向を持つような第2の群の面とを呈する。これは、断面で規則的な三角形振動パターンを示す。
【0058】
上記OLEDは、例えばLCD表示器等の表示装置用のバックライトを形成する。
【0059】
図8Aに示される例では、OLED素子の各バー80は、上に重なる表示器の赤、緑及び青の(サブ)ピクセルR、G、Bを当該バーに沿って順に照明するためのものである。図8Bに示される例では、OLED素子の各バーは、連続した列を定める赤、緑及び青の(サブ)ピクセルR、G、Bの3つの副バーを照明するためのものである。図8Cに示される例では、OLED素子の各バーは1つの色の(サブ)ピクセルのみを照明するためのものである。
【0060】
図8における異なるオプションは、バックライトに対する異なる設計(サブピクセルのサイズのものであるか又はピクセルの3つ組のサイズのものであるかであるので、特に畝のサイズ)を表すのみならず、上に重なる表示器の設計及び制御をも決定する。かくして、バックライト及び照明されるべき表示器は、システムとして設計され且つ制御される(即ち、電子的にアドレス指定される)。
【0061】
バー毎のピクセル出力を制御することにより、種々のビューにおける放出が制御され、従ってビュー毎に表示される画像を制御することができる。
【0062】
知覚される解像度の点で、図8に示される異なる実施例は異なる性能を有する。図8Cでは、同一の色の、且つ、同一の表面法線(即ち、同一の放出方向)を持つサブピクセル間の距離は、図8A及び8Bにおけるよりも大幅に大きい。その結果は、図8Cの実施例は、より"粒状"に又は一層粗い解像度を有するように知覚されるであろう。一般的に、好ましい構成は、同一の傾斜の有色サブピクセル(一緒に単一ピクセルを形成する)が可能な限り接近して隔てられるような色及び/又は傾斜面のシーケンスの組み合わせを有する。
【0063】
これは、ビュー当たりの画像の最適な解像度を保証する。最適でない構成が用いられた場合(例えば、製造容易性の点で利点を有する場合)、重ねられる表示器の駆動/レンダリングアルゴリズムは、これらの影響を考慮に入れることができる。
【0064】
デュアルビュー(即ち、マルチビュー)表示用途においては、基板構造のパターンスケールは、ピクセル又はサブピクセルと同様の寸法のものとなる。かくして、各バーは、寸法的が単一のサブピクセル幅(図8Aの例の場合)又は単一のピクセル三つ組(図8Bの例の場合)に相当し得る。勿論、基板形状が一層粗い分解能を有し、各バーが少数のピクセル又はサブピクセルの列を照明するためのものとなり得ることも可能である。もっとも、これは画像品質も悪化させることになる。基板のパターンは、勿論、ピクセルのアレイに整列される。
【0065】
好ましくは、複数のビューが単一のピクセルにより放出されるのを防止するために、前記指向性OLEDは発光領域の法線の周辺に中心を合わされた円錐内で光を放出するようにする。該円錐の角度幅は好ましくは5度ないし50度である。この幅は、出力強度が最大出力強度の50%又はそれ以上となるような全角度幅として定義される。この定義は、放出角を当該光出力の主要部に対して測定するもので、法線から遠い角度における不可避的低強度漏れ光放出は無視する。
【0066】
垂直なバーの場合、当該基板構造は、基板傾斜面の法線に対して中心を合わされた水平方向にデュアルビューを生じさせる。垂直方向では、視野角は各発光素子の円錐の幅により制限される。垂直方向に一層広い視野角を持つ水平方向のデュアルビュー表示器を得るために、非対称拡散器(diffuser)を使用することができる。該非対称拡散器は、発光素子と観察者との間に配置される。
【0067】
勿論、有効な多くの表面プロファイルが存在する。下記は、特に好適なプロファイルの例である:
− デュアルビュー表示器用の三角形突起。当該光源の全体的面に対する傾斜角度は、表示器が自動車の中間コンソールに装着されるような自動車用途に対しては15から50度の範囲にすることができる。
− 鋸歯状突起。図9に示すように、大きな三角形状を置換するために、一群の鋸歯状突起を使用することができる。
− 図10に示すように、マルチビュー又は3D表示器用として、異なる傾斜角度を持つ一群の突起を備える三角形状又は鋸歯状の突起。
【0068】
LCD又は面内スイッチング電気泳動表示装置等の減衰型表示装置用のバックライトを形成するためのOLED指向性発光装置の使用を上に概説した。
【0069】
OLED発光素子は、代わりに、指向性エレクトロルミネッセント発光性表示装置のピクセルを直接的に形成してもよい。非平坦な又は可撓性基板上のアクティブマトリクス表示装置の作製に対する多くの成果が存在している。
【0070】
この場合、指向性発光素子は、指向性マルチビュー表示器装置を追加の表示効果を必要とせずに形成するために使用することができる。これは、非平坦基板形状を持つアクティブマトリクスアレイを必要とし、これは標準的でない表示器製造技術を必要とする。
【0071】
しかしながら、シリコンに基づくアクティブマトリクス装置は可撓性基板上に形成することができ、例えば、可撓性ポリイミドフィルムの表示器基板としての使用に関するかなりの研究が存在している。このような基板は、所望の放射プロファイルを得るための表面微細構造を持つ一層剛性のある非平坦基板上に積層することができる。
【0072】
また、スチール箔上でのアクティブマトリクスポリLEDの作製、及び有機電子回路を用いた巻取可能(rollable)なアクティブマトリクス装置(例えば、電気泳動装置用の)の使用に関する幾らかの研究も存在する。
【0073】
本発明は、もっと広範囲の用途のために光源全般に適用することもできる。
【0074】
図11は、本発明による固体照明装置を用いて得ることが可能な照明プロファイルの例を示している。
【0075】
異なる発光素子の光出力を(上に重なる表示パネルを介しての減衰を制御するというよりは)直接的に制御する能力は、法線方向のスポットライト出力(図11A)、拡散光出力(図11B)、主に周辺照明を行う指向性出力(図11C)及び選択された側の照明を行う指向性出力(図11D)等の複数の異なる照明効果を達成するために単一の光源構成が電気的に制御されるのを可能にする。
【0076】
当該構造のバー毎の発光領域の輝度を調整することにより、放射プロファイルを制御することができる。
【0077】
角度分布も、角度分布に対する制御が空間色分布を制御するために使用され得るように、特定の色の指向性OLEDと組み合わせることができる。
【0078】
使用される傾斜角度及び/又は放射円錐の幅は、照明される面積内の暗い(少なく照明される)領域の出現を防止するために、放出される方向の間に幾らかの重なりが存在するように選択することができる。
【0079】
上に詳述した例は、一次元で構造化された(平行に走る棒状の基板領域を設ける)基板を使用している。しかしながら、有機固体照明装置においては二次元構造も使用することができる。例えば、照明方向の更なる空間的制御を提供するために、角錐のアレイを使用することができる。
【0080】
上述した例では、指向性光出力はキャビティを用いて達成することができる。しかしながら、指向性光出力は、表示素子上に、1つの発光素子からの光出力は1つの開口のみしか通過することができないと共に、該開口が光出力の角度的広がりを制限するように重なる開口アレイを用いて達成することもできる。
【0081】
本発明の装置がバックライトとして又は汎用照明目的で用いられる例の場合、例えばアクティブマトリクスを用いて個々にアドレス指定可能なピクセルを作製する必要性はない。そのような場合、指向性発光素子のバーは、同時にアドレス指定されるように製造することができる。斯かるバーは、平行に(左から右へ、上から下に)又は同心円で又は他の構造で延在することができる。これは、電子バックプレーンの費用を低減する。というのは、1つの電極層(例えば、OLEDの陽極又は陰極)の簡単なパターニングしか必要としないからである。
【0082】
バックライトがLCDと組み合わされる例の場合、LCDパネル内の素子のアドレス指定が光出力の所望の制御を果たし、これもバックライトの設計に対する付加的複雑さを必要としない。
【0083】
図12は本発明の表示装置を示し、該表示装置においてバックライト120は上述したような発光装置の形態であり、表示制御装置122が該バックライト上に重なる。この制御装置は、本質的に自身のバックライトを持たないLCD表示器であるようなLCD光変調器を有することができる。
【0084】
可能性のある製造技術の一例は、後に変形される平坦なOLEDシートを、例えば可撓性/順応性OLEDシートを一層剛性のある事前形成された基板上に積層することにより形成することである。使用することが可能な基板は、プラスチック(例えば、ポリイミド)又は金属箔である。
【0085】
OLEDを事前成型された基板上に、特に蒸着により堆積することも可能である。原理的に、OLEDを有する機能有機層は、例えば100nm程度の全厚さのように、極端に薄い。従って、必要とされる表面微細構造は限られたもので、従来の蒸着技術、及び恐らくは従来のスピンコーティング技術も適用することができる。
【0086】
幾つかの応用例では、個々の光素子は独立した制御を必要としない。例えば、バックライトの場合、出力は、連続した輝度のもので、全OLED素子からのものであり得る。他の応用例では、少なくとも異なる指向性領域の独立した制御が望まれる。前記照明装置が表示器を直接形成する場合、ピクセル又はサブピクセルとして機能する各光源の独立したアドレス指定を行うためにアクティブマトリクスアレイが必要である。
【0087】
指向性OLEDは小分子OLED(smOLED)及びポリマOLED(pLED)装置に基づくものとすることができる。
【0088】
当業者にとり、種々の変形例が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、マルチビュー表示器の動作原理を説明するために使用される。
【図2】図2は、自動車用途に使用するためのマルチビュー表示器の所望の光強度出力を示す。
【図3】図3は、図2を参照して説明した所望の指向性出力を得るための障壁層の使用を示す。
【図4】図4は、従来のOLED表示装置の構造を概念的に示す。
【図5A】図5Aは、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図5B】図5Bも、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図5C】図5Cも、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図6】図6は、本発明の第1の発光装置を示す。
【図7】図7は、本発明の発光装置の他の例を示す。
【図8A】図8Aは、本発明のマルチビュー表示装置の或る例を示す。
【図8B】図8Bは、本発明のマルチビュー表示装置の他の例を示す。
【図8C】図8Cは、本発明のマルチビュー表示装置の更に他の例を示す。
【図9】図9は、基板のための可能な畝形状を示す。
【図10】図10は、基板のための他の可能な畝形状を示す。
【図11A】図11Aは、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11B】図11Bも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11C】図11Cも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11D】図11Dも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図12】図12は、本発明の表示装置を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば異なる空間的位置に複数のビューを提供するように構成されたマルチビュー表示装置等の指向性光出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチビュー表示器は、3D表示器、デュアルビュー車載表示器又はマルチビュー提示表示器等の種々の目的にとり有用である。3D表示器は、益々、表示器における次の主要な革新と見られている。3D画像を生成する通常の技術は、LCD又はプラズマ表示器等の既存の表示器を、異なるピクセルを異なる観察角(viewing angle)に結像させる付加的光学構成部品と組み合わせることによるものである。
【0003】
図1は、この方法を概念的に示すもので、ピクセルの列からの光出力10が異なる横方向観察位置に向けられることがわかる。この場合、ユーザ12は左及び右の目で異なる画像を見ることができ、これが画像の3D又は深度効果として体験される。異なる横方向位置に対して異なるビューの方向を提供するような異なる方法が存在し、最も普通の方法は垂直方向(又は実質的に垂直方向)のレンチキュラレンズエレメントのアレイを使用することである。
【0004】
非立体表示器の場合、デュアルビュー表示器が他の例のマルチビュー表示器であり、例えば自動車用途に使用することができる。立体画像を得るために複数のビューを表示する代わりに、異なる画像が異なる方向に表示される。この技術の1つの応用例は、表示器が運転者に対して経路計画を表示する一方、搭乗者がeメイルを読み、映画を鑑賞し又はゲームを楽しむのを可能にするものである。安全性の理由で、運転者は搭乗者に提供される情報を見ることができてはならない。
【0005】
典型的な自動車用途において、運転者及び搭乗者のための観察ゾーンは図2を参照して説明されるような要件を満たさねばならない。図2の左のグラフは所望の光出力を示し、該所望の光出力は中央のデッドゾーン20と2つの横方向の観察ゾーン22とを有している。例えば、角度αは約14度であることを要し得る。図2の右のグラフは、通常の表示器に関するプロット26と比較して、所望の放射プロファイル(輪郭)をどの様に実現することができるかをプロット24として示している。透過の急激な変化は現実的ではなく、図示のように正弦関数形状が適切であり得る。
【0006】
表示器法線に近い方向では、可視画像は存在してはならず(好ましくは、暗い出力)、左及び右への斜めの角度(例示のみとして、+/−30度)では画像が見えなければならない。
【0007】
デュアルビュー表示器は多数の方法で構築することができる。1つの既知の方法は、図3に示すように、通常の表示器(例えば、LCD)上に障壁層を設けることである。
【0008】
障壁層30は、垂直方向に整列されたスリット32の水平方向のアレイからなる。これらのスリットにより定められる開口は、或る表示ピクセル34からの光が当該表示器法線の左側の観察角から見えるようにすると共に、該ピクセルに隣接するピクセルからの光は反対側の観察角からだけ見えるようにする。このようにして、2つの独立した画像、即ち左側のもの及び右側のもの、を表示させることができる。
【0009】
これは、2つのビュー34及び36並びに表示器法線に近い方向のデッドゾーン38を生じさせる。
【0010】
しかしながら、図3から分かるように、上記デッドゾーン38においては両方のビューが見え、これは暗い領域というよりはクロストークの領域を示すことになる。この位置に座る観察者は、1つの画像に併合された第1ビュー34及び第2ビュー36を見ることになるであろう。勿論、これは望ましものではなく、自動車用途においては危険でさえあり得る。何故なら、運転者の気をそらさせ得るからである。
【0011】
この問題に対処することを狙いとする1つの方法は、バックライトの面に垂直ではなく斜めの角度でのみ光を放出するようなバックライトを設けることであると認識されている。
【0012】
バックライトの設計は特注可能な光源(例えば、選択可能な輝度、カラー及び/又は光分布を備える)を提供するように進んでおり、これらは、機能的な使用及び設計の柔軟性を提供する。
【0013】
この分野における適用が可能な技術の一例は、有機固体照明である。
【0014】
専門的用途の場合、効率が最も重要である。固体照明における発展は、これら目標を達成するための2つの汎用的光源技術、即ち無機発光ダイオード(LED)及び有機発光ダイオード(OLED)を提供している。OLEDは、大面積照明にとり理想的な光源である。これらの光源は、ロール・ツー・ロール処理により製造することができ、提供可能な光源がロール上で利用可能であり、且つ、形状、色及び寸法が特注可能であることが期待される。
【0015】
OLEDは、典型的には、基板上の電極(陽極及び陰極)の間に挟まれた例えば半導体共役ポリマの形態の1以上の有機層(小さな分子及び/又はポリマに基づく)からなる。一方の電極は透明であり、他方は上記ポリマ層にホール又は電子を注入するのに適した材料である。OLEDなる用語は、上記のようなポリマ材料(PLED)又はその他では他のタイプの発光ダイオード(LED)を含むものである。
【0016】
図4は、OLED光源の基本構造を示し、該光源は基板40、下側電極層42、有機積層体の形態のエレクトロルミネッセント層44、及び上部電極46を有している。
【0017】
例えば当該OLEDを封入するための追加の層を使用することもできる。上記有機積層体で発生された光は、当該装置から観察者に向かって上記基板を介して(底部放射型OLED)又は上部を介して(上部放射型OLED)離れることができる。底部放射型装置は透明な基板40及び透明な下側電極42の使用を必要とする一方、上部放射型装置は透明な上部電極46の使用を必要とする。
【0018】
マルチビュー(例えば、デュアルビュー)表示器を、光が前側方向にではなく斜めの角度でのみ放出されるように設計されたOLEDバックライトを使用して構成することが望ましいと認識されている。しかしながら、既存の方法は障壁の使用を必要とする。
【0019】
障壁は、原理的に、各OLED素子は光を全ての斜めの方向(例えば、+30度及び−30度)に放出する一方、ピクセル当たりに1つのビューしか放出されてはならない故に、必要とされる。
【0020】
低い電力消費及び寸法的自由度も、OLED発光装置を多くの一般的照明用途の候補にさせる。一般的照明目的に対する有機固体照明の障害の1つは、光の無指向的な出力であり、拡散された光を生じる。このような理由で、通常の(即ち、薄く平らな)OLEDを、局部照明、スポット照明、天井照明、テーブル照明、車内照明、デスク照明、作業照明等の多くの用途に使用するのは効率的でない。
【0021】
OLEDによる指向的光放出は、マイクロキャビティ(微小共振器)光学系用いて実現することができる。OLEDの光放出に対する光学キャビティの主たる効果は、状態の光子密度を、許されたキャビティモードに対応する特定の波長だけが所与の方向に放出されるように再分布させることである。
【0022】
例えば、文献EP1154676は、或る範囲の視野角にわたり色純度を改善するために共振キャビティを使用するような有機EL装置を開示している。該光学的キャビティは共振を発生するために多重反射を使用する。
【0023】
図5は、光学的キャビティを有する種々の基本的OLEDアーキテクチャを示している。
【0024】
図5aにおいて、下側電極42は半透明であり、上側電極は反射性である(底部放射型)。図5bにおいては、上側電極46が半透明であり、底部電極は反射性である(上部放射型)。図5cにおいては、両電極が半透明である。
【0025】
これらのアーキテクチャにおいては、光が発生される電極の間に相対的に小さな距離(放出される波長の程度の)が設けられる。この寸法は、許されるキャビティモードを制御する。斯かる電極の反射特性は、オプションとして誘電体被覆との組み合わせで、金属又は半透明導電膜を用いることにより得ることができる。
【0026】
この形態のマイクロキャビティは、放出される光の方向を変更すべく電子的に切り換えることはできず、従ってユーザに角度分布の所望の制御を提供するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従って、OLED型装置により放出される光の角度分布を制御する必要性が残存している。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明によれば、
基板と、
該基板上に設けられた発光素子の配列と、
を有する発光装置であって、前記基板が、異なる方向に向いた法線方向を有する少なくとも第1及び第2の領域を定めるような輪郭付けされた表面を有し、前記発光素子が指向性発光素子を有し、これら発光素子が前記第1及び第2の領域上に設けられ、これにより第1及び第2の光放出方向を定めるような発光装置が提供される。
【0029】
この構成は、装置の構造化された(微細構造的に非平坦な)基板上の、当該装置により放出される光の角度分布を発光領域毎の発光を制御することにより電子的に調整することができるような光源エレメントを提供する。
【0030】
上記発光素子は、例えば、有機発光ダイオード装置(OLED)を有することができる。OLEDの特性は、光放射プロファイル(断面形状)が指向性(即ち、非ランバート的)となるようなものである。これは、例えば、マイクロキャビティを有するOLEDを使用することにより、又は当該OLEDに追加の光学構造を組み込むことにより、又は当該OLED装置の外側における例えばプリズム若しくは箔等の光学エレメントの適用により実現することができる。
【0031】
このようにして、放出される光の角度分布を、機械的に運動する部品の必要性なしに、電子的に調整することができるようなOLED型装置を実現することができる。異なる指向性出力の間のクロストークは、障壁を必要とせずに回避することができる。
【0032】
上記指向性発光素子は、好ましくは、当該発光素子が取り付けられた基板に対する法線方向の周辺に集中された光出力を有するものとする。例えば、該出力は当該発光素子が取り付けられた基板の法線方向において最大輝度を有することができ、該輝度が最大値の50%となる全角度は、5度から50度の範囲、より好ましくは10度から35度の範囲とすることができる。
【0033】
前記有機発光ダイオード装置は電極の間に挟まれたエレクトロルミネッセント材料を有することができ、その場合、斯かる電極は前記指向性出力を提供するための光学キャビティを定める。これは、指向性出力を定めるための追加のエレメントの必要性を回避することになる。
【0034】
前記基板は畝付き表面を有することができ、各畝の1つの表面は前記第1領域の部分を画定し、各畝の他の表面は前記第2の領域の部分を画定する。複数の畝が存在し得る。
【0035】
上記畝は三角状凸部を有することができ、該凸部は上記基板の全体的面の法線から対応する側に向かって各々面するような2つの非垂直な(当該基板の全体的面に対して)面を定める。
【0036】
上記第1及び第2の領域は、各々、当該基板の互いに平行な複数の部分を有し得る。これら部分は、一緒になって、組み合わされた光出力表面を定めることができる。
【0037】
当該装置は、表示装置のためのバックライトを有することができる。その場合、前記領域は、各々、特定の方向に又は方向の範囲内に表示されるべき1つの表示画像のためのピクセルに関連付けられる。
【0038】
この場合、前記第1及び第2領域は、各々、前記基板における互いに平行な複数の連続的部分を有することができ、各部分は赤色、緑色又は青色のサブピクセルに関連づけられる。他の例として、各部分は赤色、緑色又は青色の各々のサブピクセルに関連づけることもできる。斯かる部分を定めるために畝形状が使用される場合、各色のサブピクセルは斯かる畝の長さに整列させることができるか、又は斯かる畝の長さに沿って交互に位置することができる。これは、同一の表示画像に対する同じ色のサブピクセル間の距離が最小に維持されて、知覚される解像度を改善するのを可能にする。
【0039】
また、本発明は、本発明のバックライトを使用した表示装置も提供する。該表示装置は、使用時に、前記第1及び第2領域上に設けられた発光素子を使用して第1及び第2画像を表示するように動作することができる。これは、レンチキュラレンズ等の追加の光学エレメントを必要とすることなく、マルチビュー(例えば、裸眼立体:autostereoscopic)表示の実現を可能にする。
【0040】
他の構成では、当該装置は制御可能な光源を有する。これは、光分布を電子的に制御することが可能なOLED型の照明エレメントの実現を可能にする。これは、照明エレメントの使用に対して自由度を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。
【0042】
図6は、本発明の指向性光源の第1例を示し、該光源はマルチビュー指向性表示装置のためのバックライトとして使用することができる。この例は、当該光源の異なる部分に異なる垂直放出角度を付与するために平らでない基板を使用し、光源エレメントは自体が指向性のものである。
【0043】
図6は、基板のための1つの可能性のある形状を示し、該基板において第1の組の面60aは法線(垂直)方向外側に面し、第2の組の面60bは一方の側に面し、第3の組の面60cは他方の側に面している。
【0044】
放出される光の角度分布を制御するために、このように構造化された(微細構造的に非平坦な)基板上で指向性OLEDが使用される。光源62は指向性のもので、従って、全ての角度に対しては等しくはない輝度(即ち、非ランバート出力)を有する。該指向性出力は楕円により表されている。
【0045】
上記基板は剛性、可撓性又は順応性であり得る。順応性基板は、積層される他の基板/装置に対して順応することができる。このようにして、該基板は、所望の構造に整形されてしまうまでは初期的には可撓的であり得、次いで該形状は固定され、最早、繰り返し変化させることはできない。
【0046】
光源62は、該光源により照明されるべき表示器の通常の観察の向きに対して、例えば上から下に走る棒状部分(バー)として配列される。
【0047】
基板の上記構造化により、当該OLEDのバーは光を異なる方向に放出する。バー毎の輝度を制御することにより、当該OLED装置の結果的放射プロファイルは電子的に調整することができる。斯様な構造化されたOLED装置は、従って、マルチビュー表示器に又は一般的照明目的の固体照明装置に適用することができる。
【0048】
勿論、多くの好適な表面輪郭が存在する。好適な表面輪郭の重要な見地は、異なる基板領域の法線方向の間に差が存在するということである。表面輪郭は、1Dの微細構造パターン(例えば、棒のような直線構造)又は2Dの微細構造パターンを含むことができる。
【0049】
他の好適な構造の一例は、種々の傾斜を持つバー又は角錐等の三角形状型構造である。
【0050】
図7は、指向性出力又は一連の異なる指向性出力を提供することが可能な種々の基板形状を示す。図7の幾つかの例は、2つの面、即ち当該光源の全体的面に対する法線の各側に1つずつの面を提供するために三角形突起を使用している。
【0051】
OLED素子は、これら面の一方又は両方上にあるようにすることができ、三角形突起は当該光源の全体的面に対して平行な部分により離隔され得る。ここでも、指向性OLED出力は楕円により表され、発光するバー又は領域毎の輝度を制御することにより、当該OLED装置の放射プロファイルを電子的に調整することができる。
【0052】
指向性OLEDは、マイクロキャビティを既知の態様で使用することにより得ることができる。もっとも、例えばOLEDへの追加の光学構造の組み込み又はプリズム及び箔等の光学素子の適用を用いる等の他の技術も等しく可能である。しかしながら、各OLED素子の指向性光出力は中央のデッドゾーンは必要とせず、従って障壁層の使用は回避することができる。
【0053】
前記基板は、OLEDの被着前に又はOLEDの被着後に構造化することができる。例えば、構造化された担体上への可撓性/順応性基板上の指向性OLEDの積層を実行することができる。
【0054】
パターン化する凹凸は、マイクロスケール又はそれより大きいものであり得る。一般的に、当該パターン化は、OLED表示素子の分解能又は元となる表示器の分解能と同様の又はそれより大きなスケールのものである。例えば、表示器用途の場合、基板の構造化寸法は(サブ)ピクセルのサイズと等しいか又はそれより大きくなる。
【0055】
従って、限界において、1つの指向性出力のための当該装置の部分を形成する部分は、ピクセル又はサブピクセルピッチに対応するような最小の寸法(例えば、前記畝の幅)を有するであろう。他の例として、各部分が、ピクセル又はサブピクセルの部分集合の寸法に対応するような最小の寸法を有することもできる。
【0056】
図8は、上述した原理の、デュアルビュー表示器用の指向性バックライトを構成するための適用例を示す。
【0057】
図8は、構造化された(非平坦な)基板上の指向性(即ち、非ランバート的)OLEDの棒状体(バー)80を示す。当該基板は、互いに隣接する一連の三角形突起の形態である。この構造は、当該表示装置の面の全体的法線方向からオフセットされた第1の法線方向を持つような第1の群の面と、これも当該表示装置の面の全体的法線方向からオフセットされた別の第2の法線方向を持つような第2の群の面とを呈する。これは、断面で規則的な三角形振動パターンを示す。
【0058】
上記OLEDは、例えばLCD表示器等の表示装置用のバックライトを形成する。
【0059】
図8Aに示される例では、OLED素子の各バー80は、上に重なる表示器の赤、緑及び青の(サブ)ピクセルR、G、Bを当該バーに沿って順に照明するためのものである。図8Bに示される例では、OLED素子の各バーは、連続した列を定める赤、緑及び青の(サブ)ピクセルR、G、Bの3つの副バーを照明するためのものである。図8Cに示される例では、OLED素子の各バーは1つの色の(サブ)ピクセルのみを照明するためのものである。
【0060】
図8における異なるオプションは、バックライトに対する異なる設計(サブピクセルのサイズのものであるか又はピクセルの3つ組のサイズのものであるかであるので、特に畝のサイズ)を表すのみならず、上に重なる表示器の設計及び制御をも決定する。かくして、バックライト及び照明されるべき表示器は、システムとして設計され且つ制御される(即ち、電子的にアドレス指定される)。
【0061】
バー毎のピクセル出力を制御することにより、種々のビューにおける放出が制御され、従ってビュー毎に表示される画像を制御することができる。
【0062】
知覚される解像度の点で、図8に示される異なる実施例は異なる性能を有する。図8Cでは、同一の色の、且つ、同一の表面法線(即ち、同一の放出方向)を持つサブピクセル間の距離は、図8A及び8Bにおけるよりも大幅に大きい。その結果は、図8Cの実施例は、より"粒状"に又は一層粗い解像度を有するように知覚されるであろう。一般的に、好ましい構成は、同一の傾斜の有色サブピクセル(一緒に単一ピクセルを形成する)が可能な限り接近して隔てられるような色及び/又は傾斜面のシーケンスの組み合わせを有する。
【0063】
これは、ビュー当たりの画像の最適な解像度を保証する。最適でない構成が用いられた場合(例えば、製造容易性の点で利点を有する場合)、重ねられる表示器の駆動/レンダリングアルゴリズムは、これらの影響を考慮に入れることができる。
【0064】
デュアルビュー(即ち、マルチビュー)表示用途においては、基板構造のパターンスケールは、ピクセル又はサブピクセルと同様の寸法のものとなる。かくして、各バーは、寸法的が単一のサブピクセル幅(図8Aの例の場合)又は単一のピクセル三つ組(図8Bの例の場合)に相当し得る。勿論、基板形状が一層粗い分解能を有し、各バーが少数のピクセル又はサブピクセルの列を照明するためのものとなり得ることも可能である。もっとも、これは画像品質も悪化させることになる。基板のパターンは、勿論、ピクセルのアレイに整列される。
【0065】
好ましくは、複数のビューが単一のピクセルにより放出されるのを防止するために、前記指向性OLEDは発光領域の法線の周辺に中心を合わされた円錐内で光を放出するようにする。該円錐の角度幅は好ましくは5度ないし50度である。この幅は、出力強度が最大出力強度の50%又はそれ以上となるような全角度幅として定義される。この定義は、放出角を当該光出力の主要部に対して測定するもので、法線から遠い角度における不可避的低強度漏れ光放出は無視する。
【0066】
垂直なバーの場合、当該基板構造は、基板傾斜面の法線に対して中心を合わされた水平方向にデュアルビューを生じさせる。垂直方向では、視野角は各発光素子の円錐の幅により制限される。垂直方向に一層広い視野角を持つ水平方向のデュアルビュー表示器を得るために、非対称拡散器(diffuser)を使用することができる。該非対称拡散器は、発光素子と観察者との間に配置される。
【0067】
勿論、有効な多くの表面プロファイルが存在する。下記は、特に好適なプロファイルの例である:
− デュアルビュー表示器用の三角形突起。当該光源の全体的面に対する傾斜角度は、表示器が自動車の中間コンソールに装着されるような自動車用途に対しては15から50度の範囲にすることができる。
− 鋸歯状突起。図9に示すように、大きな三角形状を置換するために、一群の鋸歯状突起を使用することができる。
− 図10に示すように、マルチビュー又は3D表示器用として、異なる傾斜角度を持つ一群の突起を備える三角形状又は鋸歯状の突起。
【0068】
LCD又は面内スイッチング電気泳動表示装置等の減衰型表示装置用のバックライトを形成するためのOLED指向性発光装置の使用を上に概説した。
【0069】
OLED発光素子は、代わりに、指向性エレクトロルミネッセント発光性表示装置のピクセルを直接的に形成してもよい。非平坦な又は可撓性基板上のアクティブマトリクス表示装置の作製に対する多くの成果が存在している。
【0070】
この場合、指向性発光素子は、指向性マルチビュー表示器装置を追加の表示効果を必要とせずに形成するために使用することができる。これは、非平坦基板形状を持つアクティブマトリクスアレイを必要とし、これは標準的でない表示器製造技術を必要とする。
【0071】
しかしながら、シリコンに基づくアクティブマトリクス装置は可撓性基板上に形成することができ、例えば、可撓性ポリイミドフィルムの表示器基板としての使用に関するかなりの研究が存在している。このような基板は、所望の放射プロファイルを得るための表面微細構造を持つ一層剛性のある非平坦基板上に積層することができる。
【0072】
また、スチール箔上でのアクティブマトリクスポリLEDの作製、及び有機電子回路を用いた巻取可能(rollable)なアクティブマトリクス装置(例えば、電気泳動装置用の)の使用に関する幾らかの研究も存在する。
【0073】
本発明は、もっと広範囲の用途のために光源全般に適用することもできる。
【0074】
図11は、本発明による固体照明装置を用いて得ることが可能な照明プロファイルの例を示している。
【0075】
異なる発光素子の光出力を(上に重なる表示パネルを介しての減衰を制御するというよりは)直接的に制御する能力は、法線方向のスポットライト出力(図11A)、拡散光出力(図11B)、主に周辺照明を行う指向性出力(図11C)及び選択された側の照明を行う指向性出力(図11D)等の複数の異なる照明効果を達成するために単一の光源構成が電気的に制御されるのを可能にする。
【0076】
当該構造のバー毎の発光領域の輝度を調整することにより、放射プロファイルを制御することができる。
【0077】
角度分布も、角度分布に対する制御が空間色分布を制御するために使用され得るように、特定の色の指向性OLEDと組み合わせることができる。
【0078】
使用される傾斜角度及び/又は放射円錐の幅は、照明される面積内の暗い(少なく照明される)領域の出現を防止するために、放出される方向の間に幾らかの重なりが存在するように選択することができる。
【0079】
上に詳述した例は、一次元で構造化された(平行に走る棒状の基板領域を設ける)基板を使用している。しかしながら、有機固体照明装置においては二次元構造も使用することができる。例えば、照明方向の更なる空間的制御を提供するために、角錐のアレイを使用することができる。
【0080】
上述した例では、指向性光出力はキャビティを用いて達成することができる。しかしながら、指向性光出力は、表示素子上に、1つの発光素子からの光出力は1つの開口のみしか通過することができないと共に、該開口が光出力の角度的広がりを制限するように重なる開口アレイを用いて達成することもできる。
【0081】
本発明の装置がバックライトとして又は汎用照明目的で用いられる例の場合、例えばアクティブマトリクスを用いて個々にアドレス指定可能なピクセルを作製する必要性はない。そのような場合、指向性発光素子のバーは、同時にアドレス指定されるように製造することができる。斯かるバーは、平行に(左から右へ、上から下に)又は同心円で又は他の構造で延在することができる。これは、電子バックプレーンの費用を低減する。というのは、1つの電極層(例えば、OLEDの陽極又は陰極)の簡単なパターニングしか必要としないからである。
【0082】
バックライトがLCDと組み合わされる例の場合、LCDパネル内の素子のアドレス指定が光出力の所望の制御を果たし、これもバックライトの設計に対する付加的複雑さを必要としない。
【0083】
図12は本発明の表示装置を示し、該表示装置においてバックライト120は上述したような発光装置の形態であり、表示制御装置122が該バックライト上に重なる。この制御装置は、本質的に自身のバックライトを持たないLCD表示器であるようなLCD光変調器を有することができる。
【0084】
可能性のある製造技術の一例は、後に変形される平坦なOLEDシートを、例えば可撓性/順応性OLEDシートを一層剛性のある事前形成された基板上に積層することにより形成することである。使用することが可能な基板は、プラスチック(例えば、ポリイミド)又は金属箔である。
【0085】
OLEDを事前成型された基板上に、特に蒸着により堆積することも可能である。原理的に、OLEDを有する機能有機層は、例えば100nm程度の全厚さのように、極端に薄い。従って、必要とされる表面微細構造は限られたもので、従来の蒸着技術、及び恐らくは従来のスピンコーティング技術も適用することができる。
【0086】
幾つかの応用例では、個々の光素子は独立した制御を必要としない。例えば、バックライトの場合、出力は、連続した輝度のもので、全OLED素子からのものであり得る。他の応用例では、少なくとも異なる指向性領域の独立した制御が望まれる。前記照明装置が表示器を直接形成する場合、ピクセル又はサブピクセルとして機能する各光源の独立したアドレス指定を行うためにアクティブマトリクスアレイが必要である。
【0087】
指向性OLEDは小分子OLED(smOLED)及びポリマOLED(pLED)装置に基づくものとすることができる。
【0088】
当業者にとり、種々の変形例が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、マルチビュー表示器の動作原理を説明するために使用される。
【図2】図2は、自動車用途に使用するためのマルチビュー表示器の所望の光強度出力を示す。
【図3】図3は、図2を参照して説明した所望の指向性出力を得るための障壁層の使用を示す。
【図4】図4は、従来のOLED表示装置の構造を概念的に示す。
【図5A】図5Aは、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図5B】図5Bも、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図5C】図5Cも、光出力方向を制御するために光学キャビティを使用したOLED表示装置の既知の構造を概念的に示す。
【図6】図6は、本発明の第1の発光装置を示す。
【図7】図7は、本発明の発光装置の他の例を示す。
【図8A】図8Aは、本発明のマルチビュー表示装置の或る例を示す。
【図8B】図8Bは、本発明のマルチビュー表示装置の他の例を示す。
【図8C】図8Cは、本発明のマルチビュー表示装置の更に他の例を示す。
【図9】図9は、基板のための可能な畝形状を示す。
【図10】図10は、基板のための他の可能な畝形状を示す。
【図11A】図11Aは、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11B】図11Bも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11C】図11Cも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図11D】図11Dも、本発明の制御可能な照明装置を示す。
【図12】図12は、本発明の表示装置を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
該基板上に設けられた発光素子の配列と、
を有する発光装置であって、前記基板が、異なる方向に向いた法線方向を有する少なくとも第1及び第2の領域を定めるような輪郭付けされた表面を有し、前記発光素子が指向性発光素子を有し、これら発光素子が前記第1及び第2の領域上に設けられ、これにより第1及び第2の光放出方向を定めるような発光装置。
【請求項2】
前記指向性発光素子の各々が、当該発光素子が取り付けられた前記基板の法線方向の周辺に集中された光出力を有するような請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記指向性発光素子が、当該発光素子が取り付けられた前記基板の法線方向において又は実質的に該法線方向において最大の輝度を有するような出力を有し、前記輝度が最大値の50%となる全角度が5度から50度の範囲内であるような請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記輝度が最大値の50%となる前記全角度が10度から35度の範囲内であるような請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光素子が有機発光ダイオード装置を有するような請求項1ないし4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光素子が光学キャビティ内に位置するエレクトロルミネッセント材料を有するような請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記基板は畝が形成された表面を有し、各畝の1つの表面が前記第1の領域の部分を定める一方、各畝の他の表面が前記第2の領域の部分を定めるような請求項1ないし6の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記畝が三角形状突起を有するような請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の部分を有し、これら部分が互いに平行であるような請求項1ないし8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の発光装置を有するバックライトと、
前記バックライトに重なる表示制御装置と、
を有する表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の連続した部分を有し、これら連続した部分が互いに平行であり、各部分が赤、緑又は青色のサブピクセルに関連付けられているような請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の連続した部分を有し、これら連続した部分が互いに平行であり、各部分が赤、緑及び青色の各々のサブピクセルに関連付けられているような請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記各部分が畝の表面を有し、前記各色のサブピクセルが当該畝の長さに整列されているような請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記各部分が畝の表面を有し、前記各色のサブピクセルが当該畝の長さに沿って交互に位置するような請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
マルチビュー表示装置を有し、当該表示装置が前記少なくとも第1及び第2の領域上に設けられた前記発光素子を使用して少なくとも第1及び第2の画像を表示するように作用する請求項10ないし14の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
裸眼立体表示装置を有し、当該表示装置が使用時に前記第1及び第2の領域上に設けられた前記発光素子を使用してユーザの異なる目に対し第1及び第2の単眼画像を表示するように作用する請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
角度分布及び/又は空間色分布を電子的に制御することができるような制御可能な光源を有する請求項1ないし9の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項18】
前記少なくとも第1及び第2の光放出方向に対する光出力の間に幾らかの重なりが存在するような請求項17に記載の発光装置。
【請求項1】
基板と、
該基板上に設けられた発光素子の配列と、
を有する発光装置であって、前記基板が、異なる方向に向いた法線方向を有する少なくとも第1及び第2の領域を定めるような輪郭付けされた表面を有し、前記発光素子が指向性発光素子を有し、これら発光素子が前記第1及び第2の領域上に設けられ、これにより第1及び第2の光放出方向を定めるような発光装置。
【請求項2】
前記指向性発光素子の各々が、当該発光素子が取り付けられた前記基板の法線方向の周辺に集中された光出力を有するような請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記指向性発光素子が、当該発光素子が取り付けられた前記基板の法線方向において又は実質的に該法線方向において最大の輝度を有するような出力を有し、前記輝度が最大値の50%となる全角度が5度から50度の範囲内であるような請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記輝度が最大値の50%となる前記全角度が10度から35度の範囲内であるような請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光素子が有機発光ダイオード装置を有するような請求項1ないし4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光素子が光学キャビティ内に位置するエレクトロルミネッセント材料を有するような請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記基板は畝が形成された表面を有し、各畝の1つの表面が前記第1の領域の部分を定める一方、各畝の他の表面が前記第2の領域の部分を定めるような請求項1ないし6の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記畝が三角形状突起を有するような請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の部分を有し、これら部分が互いに平行であるような請求項1ないし8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の発光装置を有するバックライトと、
前記バックライトに重なる表示制御装置と、
を有する表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の連続した部分を有し、これら連続した部分が互いに平行であり、各部分が赤、緑又は青色のサブピクセルに関連付けられているような請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の領域の各々が前記基板の複数の連続した部分を有し、これら連続した部分が互いに平行であり、各部分が赤、緑及び青色の各々のサブピクセルに関連付けられているような請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記各部分が畝の表面を有し、前記各色のサブピクセルが当該畝の長さに整列されているような請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記各部分が畝の表面を有し、前記各色のサブピクセルが当該畝の長さに沿って交互に位置するような請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
マルチビュー表示装置を有し、当該表示装置が前記少なくとも第1及び第2の領域上に設けられた前記発光素子を使用して少なくとも第1及び第2の画像を表示するように作用する請求項10ないし14の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
裸眼立体表示装置を有し、当該表示装置が使用時に前記第1及び第2の領域上に設けられた前記発光素子を使用してユーザの異なる目に対し第1及び第2の単眼画像を表示するように作用する請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
角度分布及び/又は空間色分布を電子的に制御することができるような制御可能な光源を有する請求項1ないし9の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項18】
前記少なくとも第1及び第2の光放出方向に対する光出力の間に幾らかの重なりが存在するような請求項17に記載の発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【公表番号】特表2009−514157(P2009−514157A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537273(P2008−537273)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053887
【国際公開番号】WO2007/049213
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053887
【国際公開番号】WO2007/049213
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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