説明

マルチホーンアンテナ用の自動追尾装置

【課題】 アナログ波又はデジタル波を使用したマイクロ波通信においてホーンアンテナの自動追尾が可能な装置を提供すること。
【解決手段】 マルチホーンアンテナから出力される複数の信号のうち、アンテナ入力切換スイッチ105により選択された出力信号を増幅および周波数変換するLNA及び周波数変換器106と、その出力信号からIF信号を復調するIF復調器107と、IF復調器107の出力信号とタイミング発生器109からの信号を基にして前記マルチホーンアンテナの方位角制御電圧及び俯仰角制御電圧を出力する制御電圧作成部108を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリコプターなどから送られてくるマイクロ波を受信するときに、基地局において当該マイクロ波の到来方向を追尾する自動追尾装置の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプター又は移動中継車等を追尾する技術として、本出願人は、特許文献1に記載されているような追尾用マルチホーンアンテナに係る発明について既に提案している。当該特許文献1には、一次放射器をパラボラ反射鏡の前面中央の焦点近くに配置し、一対の方位角検出用ホーンを垂直面内においてそれぞれ上方及び下方に傾け、一対の俯仰角検出用ホーンを水平面内においてそれぞれ左方及び右方に傾けた追尾マルチホーンアンテナが開示されている。当該追尾マルチホーンアンテナは広い引込角を有し、さらに高い引込感度を有するため、現在の追尾システムでも有用なものである。これら通信には、マルチホーンを使用しているため追尾に使用する電波は、主となるホーンと同じ方式の電波を使用することになる。
【0003】
従来のアナログ波による追尾装置は、各ホーンアンテナで得られる電波から入力電界強度を求め、その電界強度からアンテナを駆動する駆動部の制御電圧を求めて、左右及び上下で互いに等しくなるように制御している。例えば、左右二つのホーンアンテナより得た電界強度が左の方が右よりも大きい場合には
、アンテナを回転することにより左右電界強度が等しくなるように制御する。
従って、電界強度が極端に劣化してしまうと、電界強度を求めることができなくなり、追尾の限界値に達し、追尾することができなくなってしまう。
【0004】
また、近年マイクロ波通信分野でもデジタル化が進み、従来のアナログのFM(Frequency Modulation)波等と異なるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などのデジタル変調を使用した通信が盛んである。
【0005】
デジタル通信装置の場合、アナログ通信装置と異なり伝送中の誤りを修復する訂正機能を有するため、入力電界強度はアナログ通信装置よりも遙かに低くても良く、雑音レベルが信号レベルより大きくとも受信可能である。このような状態の場合に、従来のアナログ通信装置におけるマルチホーンアンテナの自動追尾装置を用いてもホーンアンテナを追尾させることができない。
【0006】
そこで、これらのデジタル通信装置に関して、本出願人は、特許文献2に記載されている発明を既に提案している。特許文献2には、信号成分がノイズ成分より小さい場合でも入力電界強度を推定できる回路が開示されており、これによると、信号成分に含まれる同一データの相関値を算出し、相関値の最大値から入力電界強度を算出することができ、この結果従来よりも幅の広い入力電界強度の検知が可能となっている。
【0007】
【特許文献1】特公平5−45081号公報
【特許文献2】特開2006−13591公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デジタル波による通信の場合には、伝送中の誤りを訂正することができるため、特許文献2に開示されている発明によって、入力電界強度が従来のアナログ波による通信に比べて遙かに低くても良く、雑音レベルが信号レベルよりも大きくても受信が可能となる。
【0009】
しかしながら、デジタル波による通信の場合には、多少の劣化があっても主ホーンアンテナによって復調することが可能ではあるが、従来のアナログ波による追尾回路を使用していると電界強度が限界値となっている場合には、追尾装置のみが追尾の限界値に達してしまい、追尾機能自体が動作しないという問題が生じることになり、結果としてシステム全体の評価が低いものとなってしまう。
【0010】
本発明の課題は、アナログ波、デジタル波の両通信装置に用いることができるマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、
請求項1に記載の発明は、マルチホーンアンテナにより電波到来方向の追尾を行うマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、前記マルチホーンアンテナから出力される複数の信号をアンテナ切換信号により切り換えて出力するアンテナ出力切換手段と、前記アンテナ出力切換手段の出力信号を増幅および周波数変換してIF信号を得る周波数変換手段と、前記IF信号を復調するIF信号復調手段と、前記IF信号復調手段の出力信号をもとに受信電界強度を算出する電界強度算出手段と、前記受信電界強度より前記マルチホーンアンテナの駆動手段を制御する制御電圧を算出する第1の制御電圧算出手段と、前記IF復調手段の出力信号を直交復調する直交復調手段と、前記直交復調手段の出力信号に対して所定期間の相関を演算する相関演算手段と、前記相関演算手段の出力信号の最大値を検出する最大値検出手段と、前記最大値検出手段の出力信号に基づいて前記制御電圧を算出する第2の制御電圧算出手段と、前記第1及び前記第2の制御電圧算出手段の出力信号を加算する加算器と、前記加算器の出力信号に基づいた所定演算により前記マルチホーンアンテナの方位角制御電圧及び俯仰角制御電圧を出力する制御電圧作成手段を備えることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、前記相関演算手段は、QAM/OFDM切換スイッチを有するとともに、前記所定期間は、前記QAM/OFDM切換スイッチがQAM側の場合には、前記直交復調手段の出力信号の同期部分の期間であり、前記QAM/OFDM切換スイッチがOFDM側の場合は、前記直交復調手段の出力信号のガードインターバル期間であることを特徴としている。
【0013】
またさらに、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、前記所定演算は、前記加算器の出力信号を前記アンテナ切換信号に同期した信号によりサンプルホールドし、当該サンプルホールドされた出力信号を演算することを特徴としている。
【0014】
そして、請求項4記載の発明は、請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、前記相関演算は、デジタル演算であることを特徴としている。
【0015】
またさらに、請求項5記載の発明は、請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、前記マルチホーンアンテナは、左右及び上下の4つのホーンアンテナからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、従来のアナログ波による追尾で使用した回路による第1の制御電圧と、相関演算の最大値による第2の制御電圧との加算結果から制御電圧を作成したことにより、従来のアナログ波による追尾に加えて、デジタル波の追尾も可能となり、システム全体としての信頼性が向上する。
また、従来のアナログ波だけの場合には相関演算部が動作しないが、加算しているために従来のアナログ波のシステムにも対応可能となる。
【0017】
また、請求項2記載の発明によれば、所定期間をデジタル波に含まれる同一部分としたことにより、実際の演算回路ではシフトレジスタ等の遅延素子で実現することができ、回路規模が大きくならず、好適なものとなる。
【0018】
さらに、請求項3記載の発明によれば、アンテナ切換信号に同期した信号によりサンプルホールドするようにしたことにより、選択されて処理された信号をサンプルホールドすることができ、リアルタイム処理が可能となり、追尾装置として好適なものとなる。
【0019】
また、請求項4記載の発明によれば、相関演算をデジタル演算でき、その結果、1チップで構成することも可能となり、回路規模が大きく成らず、好適なものとなる。
【0020】
そして、請求項5記載の発明によれば、前記マルチホーンアンテナは、左右及び上下の4つのホーンアンテナを使用することができ、方位角制御及び俯仰角制御が行いやすく、その結果、追尾装置として好適なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照し詳しく説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の形態であるブロック図である。本実施にの形態に係るマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置は、図に示すように、ホーンアンテナ入力端子101(RIGHT)、102(LEFT)、103(UPPER)及び104(LOWER)と、アンテナ入力切換スイッチ105と、LNA及び周波数変換器106と、IF(Intermediate Frequency)復調器107と、制御電圧作成部108と、アンテナ切換信号を発生させるタイミング発生器109と、出力端子110及び111から構成されている。
【0022】
アンテナ入力切換スイッチ105は、ホーンアンテナ入力端子101,102,103及び104から入力するマルチホーンアンテナの出力をタイミング発生器109から発生する切換信号SEL(SELECT)に基づいて切り換える。そして、アンテナ入力切換スイッチ105の出力は、LNA(Low Noise Amp.)及び周波数変換器106で低ノイズ増幅される。
【0023】
ホーンアンテナの出力は主ホーンで受信する電波と同じ周波数である。即ち、SHF(Super High Frequency)帯の信号であり、このSHF波をUHF(Ultra High Frequency)波に変換し、さらにVHF(Very High Frequency)波へ周波数変換(ダウンコンバート)する。
【0024】
VHF帯に変換された信号は、IF復調器107で中間周波数に変換され、IF帯の信号に復調された信号は、制御電圧作成部108でアンテナ駆動部のモータ(図示は省略)を制御する電圧を作成して出力端子110にて方位角の制御電圧、出力端子111にて俯仰角の制御電圧を出力する。タイミング発生器109は、後述する図3に基づく各タイミング信号を発生させる。
【0025】
図2は、制御電圧作成部108の詳細な構成を示したブロック図である。
制御電圧作成部108は、図に示すように、入力端子201、AGC増幅器202、復調器203、電界強度算出部204、制御電圧算出部A205、直交復調部206、同期検出部207、QAM/OFDM切換スイッチ208、相関演算部209、ピーク値検出部210、制御電圧算出部B211、加算器212、サンプルホールド回路213、214、215及び216、そして、演算器217及び218、出力端子110及び111から構成されている。
なお、QAMとは直交振幅変調の略で、OFDMとは直交周波数分割多重の略である。
【0026】
次に動作について説明する。入力端子201から入力したIF信号は、AGC増幅器202で一定の出力が得られるように増幅される。AGC増幅器202の出力は復調器203により検波され、AGC増幅器の出力が一定となるような利得制御信号を発生する。そして、この利得制御信号を基に電界強度算出部204で受信電界強度が算出され、この受信電界強度から制御電圧算出部A205がアンテナ駆動電圧を算出する。
【0027】
AGC増幅器202の出力は、直交復調器206に入力し、直交復調され、IQ信号となる。なお、この直交復調器206以降の処理は、全てデジタルで行うものである。
【0028】
IQ信号は、同期検出部207とQAM/OFDM切換スイッチ208に入力する。QAM/OFDM切換スイッチ208がQAM側の場合には、同期検出部207でQAM信号の同期部分が検出され、その出力が選択されて相関演算部209で同期部分に関して自己相関演算が行われる。
また、QAM/OFDM切換スイッチ208がOFDM側の場合には、相関演算部209でガードインターバル部分に関して自己相関演算が行われる。なお、QAM/OFDM切換スイッチ208は、デジタル波の種類が前もって分かることから、受信する前に設定しておいても良い。
【0029】
ピーク値検出部210は、相関演算部209の出力に関して所定周期毎のピーク値を検出し、制御電圧算出部B211では当該ピーク値に基づいた制御電圧を算出する。そして、制御電圧算出部A205と制御電圧算出部B211の出力は、加算器212で加算され、加算された制御電圧は、サンプルホールド回路213〜216に供給され、図1に示す、タイミング発生器109からのサンプリング信号S/Hにより一つのサンプルホールド回路のみサンプリングされる。なお、その他のサンプルホールド回路は、そのままホールド状態となる。
【0030】
このようにして各ホーンアンテナに対する制御電圧が求まり、この制御電圧を基に左右及び上下で一つの制御信号となるように演算器217及び218で演算し、方位角制御電圧信号のAZ信号及び俯仰角制御電圧信号のEL信号として出力端子から出力する。
【0031】
次に、各ホーンの制御電圧について説明する。各ホーンアンテナの検出レベルは、引込角に関して図4のようになり、交点となるとき対となるホーンアンテナの出力レベルが一定となる。即ち、ホーンアンテナ出力のピーク値となるように制御するのではなく、左右或いは上下のホーンアンテナレベルが等しくなるように制御する。
【0032】
この図4に示す引込み角度と駆動部分の制御電圧の関係を前もって求めておけば、検出レベルにより制御電圧を求めることができる。方位角については、左右のホーンアンテナ、俯仰角については、上下のホーンアンテナとなる。
【0033】
例えば、右ホーンアンテナの検出レベルから制御電圧が2V、左ホーンアンテナの検出レベルから制御電圧が5Vのようなデータを得た場合は、検出レベルの値が同じになるように制御電圧の演算を行って角度制御を行う。この場合、制御電圧としては差をとり3Vとして、この差に向きを表す符号を付けて駆動部分に供給することにより左右の検出レベルが同じになるように制御する。
【0034】
図4に示すように検出レベルで角度が二つある場合には、小さい角度を採用して制御を行い、左右同じレベルにならない場合には、大きい角度を採用して制御を行うものとする。なお、上下についても左右と同様である。
【0035】
次に、アンテナ切換スイッチ105と制御電圧作成部108で使用するタイミングを作成するタイミング発生器109の動作について、図3を用いて説明する。
【0036】
CLOCK信号は、1周期を0.22msecとするパルス列である。QA、QB、QC及びQDは、CLOCK信号をカウンタでカウントしたときの出力信号である。QAはCLOCK信号をカウントダウンしたもので、QBはQAをカウントダウンしたもの、QCはQBをカウントダウンしたもの、そしてQDはQCをカウントダウンしたものである。これら4つのカウント信号により、アンテナ切換信号であるSEL(RI)、SEL(LE)、SEL(UP)及びSEL(LO)を作成し、1ホーンあたり切換時間を0.88msecとして切り換える。
【0037】
SEL(RI)は、QCとQDのAND(論理積)をとり反転したものであり、SEL(LE)は、QCの反転したものとQDとのAND(論理積)をとり反転したもので、SEL(UP)は、QCとQDの反転したものとのAND(論理積)をとり反転したもので、SEL(LO)は、QCの反転したものとQDの反転したものとのAND(論理積)をとり反転したものである。なお、アンテナ選択信号は、アクティブロウとする。
【0038】
誤差電圧サンプリング信号についても同様である。即ち、S/H(RI)は、QAの反転したものとQBの反転したものと、QC及びQDとAND(論理積)をとったもので、S/H(LE)は、QAの反転したものとQBの反転したものと、QCの反転したもの及びQDとAND(論理積)をとったものである。
また、S/H(UP)は、QAの反転したものとQBの反転したものと、QC及びQDの反転したものとAND(論理積)をとったもので、S/H(LO)は、QAの反転したものとQBの反転したものと、QCの反転したもの及びQDの反転したものとAND(論理積)をとったものである。
なお、何れも最後の1クロック分がサンプル期間となる。
このようにしてアンテナ選択信号と誤差電圧サンプリング信号を作成し、アンテナ切換スイッチ105と制御電圧作成部108に供給する。
【0039】
本発明の実施形態については、上記の実施形態に限られるものではない。例えば、電界強度算出部204で受信電界強度が限界値に達した場合には、制御電圧を0として相関演算による結果に加算するようにしてもよい。
また、図2の説明においては、A/D変換器及びD/A変換器等は省略しているが、デジタル処理するときには必要とされるものであり、適当な箇所に挿入する必要がある。さらに、デジタル波通信としてQAMとOFDMとしたが、他のデジタル通信であるBPSKやQPSK等でも同期部分を含むものであれば有用である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、マルチホーンアンテナ用の自動追尾装置に関して、特に移動体による通信に対して好適なものとなる。実際には、追尾を必要とするのは、ヘリコプターと基地局間の通信または移動中継車と基地局間の通信である。さらに本発明は、従来のアナログ波によるものと最近のデジタル波による演算によるものとを混合した結果に基づいて制御する構成としたことにより、デジタル波による部分を非動作とする簡単な改造により、アナログ波のみの追尾システムでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施に関する最良の形態を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施に関する最良の形態の制御電圧作成部の詳細ブロック図である。
【図3】本発明の実施に関する最良の形態のタイミング発生器のタイミングチャートを示した図である。
【図4】アンテナ角度と方位角および俯仰角検出用各ホーンの出力レベルとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0042】
101 ホーンアンテナ入力端子(RIGHT)
102 ホーンアンテナ入力端子(LEFT)
103 ホーンアンテナ入力端子(UPPER)
104 ホーンアンテナ入力端子(LOWER)
105 アンテナ入力切換スイッチ
106 LNA及び周波数変換器
107 IF復調器
108 制御電圧作成部
109 タイミング発生器
110、111 出力端子
201 入力端子
202 AGC増幅器
203 復調器
204 電界強度算出部
205 制御電圧算出部A
206 直交復調部
207 同期検出部
208 QAM/OFDM切換スイッチ
209 相関演算部
210 ピーク値検出部
211 制御電圧算出部B
212 加算器
213、214、215、216 サンプルホールド回路
217、218 演算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチホーンアンテナにより電波到来方向の追尾を行うマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置において、
前記マルチホーンアンテナから出力される複数の信号をアンテナ切換信号により切り換えて出力するアンテナ出力切換手段と、
前記アンテナ出力切換手段の出力信号を増幅および周波数変換してIF信号を得る周波数変換手段と、
前記IF信号を復調するIF信号復調手段と、
前記IF信号復調手段の出力信号をもとに受信電界強度を算出する電界強度算出手段と、
前記受信電界強度より前記マルチホーンアンテナの駆動手段を制御する制御電圧を算出する第1の制御電圧算出手段と、
前記IF復調手段の出力信号を直交復調する直交復調手段と、
前記直交復調手段の出力信号に対して所定期間の相関を演算する相関演算手段と、
前記相関演算手段の出力信号の最大値を検出する最大値検出手段と、
前記最大値検出手段の出力信号に基づいて前記制御電圧を算出する第2の制御電圧算出手段と、
前記第1及び前記第2の制御電圧算出手段の出力信号を加算する加算器と、
前記加算器の出力信号に基づいた所定演算により前記マルチホーンアンテナの方位角制御電圧及び俯仰角制御電圧を出力する制御電圧作成手段を備えること
を特徴とするマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置。
【請求項2】
前記相関演算手段は、QAM/OFDM切換スイッチを有するとともに、
前記所定期間は、前記QAM/OFDM切換スイッチがQAM側の場合には、前記直交復調手段の出力信号の同期部分の期間であり、前記QAM/OFDM切換スイッチがOFDM側の場合は、前記直交復調手段の出力信号のガードインターバル期間であることを特徴とする請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置。
【請求項3】
前記所定演算は、前記加算器の出力信号を前記アンテナ切換信号に同期した信号によりサンプルホールドし、当該サンプルホールドされた出力信号の演算であることを特徴とする請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置。
【請求項4】
前記相関演算は、デジタル演算であることを特徴とする請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置。
【請求項5】
前記マルチホーンアンテナは、左右及び上下の4つのホーンアンテナからなることを特徴とする請求項1に記載のマルチホーンアンテナ用の自動追尾装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−193311(P2008−193311A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24260(P2007−24260)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【出願人】(391004104)株式会社毎日放送 (4)
【Fターム(参考)】