説明

マルチ・モード・トランシーバ及び動作回路

マルチ・モード・トランシーバ(205)及びマルチ・モード・トランシーバを動作させるための回路(220)が開示される。マルチ・モード・トランシーバは、第1のモードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作するように構成され得る第1の回路(225)及び第2のモードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作するように構成され得る第2の回路(230)を含む。マルチ・モード・トランシーバは、第1の回路に結合される第1の要素を含む。マルチ・モード・トランシーバは、第1の要素及び一つ又は複数のポート(250)に結合される第2の要素を含む。マルチ・モード・トランシーバは更に、第2の要素と第2の回路とに結合され、第1の要素及び第2の要素に関連して第1のモード及び第2のモードの少なくとも一方でトランシーバを動作させるように構成され得る第1のスイッチ(325)を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例はマルチ・モード・トランシーバに関連する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RF)トランシーバは、典型的に、信号を送信するためのトランスミッタ・セクション内の高電力増幅器と、信号を受信するためのレシーバ・セクション内の低雑音増幅器を含む。RFトランシーバは、例えば30MHzから300MHzなどの、類似の周波数帯で信号を送信及び受信することができる。電力レベル、帯域幅、及び変調が異なる、異なるモードを有する多数の周波数帯又は類似の周波数帯で、信号を送信及び受信することが望ましいことがよくある。一例において、30MHzから300MHzの周波数範囲を有する第1の帯域で、及び300MHzから3000MHzの周波数範囲を有する第2の帯域で、RFトランシーバを動作させることが望ましい場合がある。別の例では、異なる電力レベル、帯域幅、及び変調を有する、例えば、ブルートゥース・モード及び無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)モードなどの、異なるモードで、例えば、2.4GHzから2.5GHzなどの、同じRF帯域でRFトランシーバを動作させることが望ましい。
【0003】
図1は、先行技術に従ったRFトランシーバ105を図示する。RFトランシーバ105は、電力レベル、帯域幅、及び変調が異なる、異なるモードを有する多数の周波数帯で又は類似の周波数帯でRFトランシーバ105を動作させることができるフロントエンド・モジュール120に結合される。フロントエンド・モジュール120は、例えばバンドパス・フィルタ(BPF)などのフィルタ115を介して、アンテナ110に結合される。RFトランシーバ105は、WLANモードに対応する部分125とブルートゥース・モードに対応する部分130を含む。部分125は、例えばプリ・パワーアンプ(PPA)などの送信回路140Aと、例えば低雑音増幅器(LNA)などの受信回路150Aを含み、部分130は、例えばPPAなどの送信回路140Bと、例えばLNAなどの受信回路150Bを含む。フロントエンド・モジュール120は、マッチング回路145を用いて多数の周波数帯内の信号をマッチング及び分離する。マッチング回路145は、パワーアンプ(PA)に結合されるマッチング・ネットワークを含む。フロントエンド・モジュール120内の、例えば送信/受信/ブルートゥーススイッチ(T/R/BTスイッチ)などの、スイッチ135は、RFトランシーバ105をWLANモード及びブルートゥース・モードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作させるために用いられる。フロントエンド・モジュール120は、RFトランシーバ105がWLANモードの受信モードで機能するときアクティブであるバルン155も含む。しかし、フロントエンド・モジュール120を備えるとコストがかさみ、集積回路の領域も増大する。
【発明の概要】
【0004】
マルチ・モード・トランシーバの一例は、第1のモードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作するように構成され得る第1の回路を含む。このマルチ・モード・トランシーバは更に、第2のモードで前記トランスミッタ及び前記レシーバの一方として動作するように構成され得る第2の回路を含む。更に、このマルチ・モード・トランシーバは、前記第1の回路に結合される第1の要素を含む。また、このマルチ・モード・トランシーバは、前記第1の要素及び一つ又は複数のポートに結合される第2の要素を含む。このマルチ・モード・トランシーバは更に、前記第2の要素と前記第2の回路とに結合され、前記第1の要素及び前記第2の要素に関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記マルチ・モード・トランシーバを動作させるように構成され得る、第1のスイッチを含む。
【0005】
マルチ・モード・トランスミッタの一例は、第1のモードで動作するように構成され得る第1の回路を含む。このマルチ・モード・トランスミッタは、第2のモードで動作するように構成され得る第2の回路を含む。このマルチ・モード・トランスミッタは更に、前記第1の回路及び前記第2の回路に結合される変圧器を含む。変圧器は、スイッチとして機能して、前記マルチ・モード・トランスミッタを前記第1のモード及び前記第2のモードの一方で動作させる。更に、このマルチ・モード・トランスミッタは、前記変圧器に結合される複数のスイッチを含む。前記複数のスイッチは、バイアス電圧に応答して前記変圧器に関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの一方で前記マルチ・モード・トランスミッタを動作させる。このバイアス電圧は、前記マルチ・モード・トランスミッタの動作の所望のモードに基づいて生成される。
【0006】
マルチ・モード・トランシーバの別の例は、第1のモードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作するように構成され得る第1の回路を含む。このマルチ・モード・トランシーバは、第2のモードで前記トランスミッタ及び前記レシーバの一方として動作するように構成され得る第2の回路を含む。このマルチ・モード・トランシーバは更に、一つ又は複数のポート及び前記第1の回路に結合される第1のキャパシタを含む。このマルチ・モード・トランシーバは更に、前記一つ又は複数のポート、前記第1のキャパシタ、及び前記第2の回路に結合される第2のキャパシタを含む。更に、前記マルチ・モード・トランシーバは、前記第2のキャパシタに結合されるスイッチを含む。このスイッチは、制御信号に応答して前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタに関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記マルチ・モード・トランシーバを動作させる。この制御信号は、前記マルチ・モード・トランシーバの動作の所望のモードに基づいて生成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、先行技術に従った無線周波数トランシーバのブロック図である。
【0008】
【図2】図2は、一実施例に従ったマルチ・モード・トランシーバのブロック図である。
【0009】
【図3】図3は、一実施例に従ったマルチ・モード・トランシーバの一部の概念図である。
【0010】
【図4A】図4Aは、一実施例に従った種々のモードのマルチ・モード・トランシーバの一部の概念図である。
【図4B】図4Bは、一実施例に従った種々のモードのマルチ・モード・トランシーバの一部の概念図である。
【0011】
【図5A】図5Aは、別の実施例に従ったマルチ・モード・トランシーバの一部の概念図である。
【図5B】図5Bは、別の実施例に従ったマルチ・モード・トランシーバの一部の概念図である。
【0012】
【図6】図6は、更に別の実施例に従ったマルチ・モード・トランスミッタの概念図である。
【0013】
【図7A】図7Aは、一実施例に従って、マルチ・モード・トランスミッタの多数のモードで信号を送信するための概念図である。
【図7B】図7Bは、一実施例に従って、マルチ・モード・トランスミッタの多数のモードで信号を送信するための概念図である。
【図7C】図7Cは、一実施例に従って、マルチ・モード・トランスミッタの多数のモードで信号を送信するための概念図である。
【図7D】図7Dは、一実施例に従って、マルチ・モード・トランスミッタの多数のモードで信号を送信するための概念図である。
【図7E】図7Eは、一実施例に従って、マルチ・モード・トランスミッタの多数のモードで信号を送信するための概念図である。
【0014】
【図8】図8は、一実施例に従ってマルチ・モード・トランシーバを動作させるための方法を説明するフローチャートである。
【0015】
【図9A】図9Aは、一実施例に従って、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。
【0016】
【図9B】図9Bは、一実施例に従って、ブルートゥース・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。
【0017】
【図9C】図9Cは、一実施例に従って、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード及びブルートゥース・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。
【0018】
【図10】図10は、別の実施例に従って、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード及びブルートゥース・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。
【0019】
【図11A】図11Aは、一実施例に従って、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの散乱パラメータ分析を図示するグラフである。
【0020】
【図11B】図11Bは、一実施例に従って、ブルートゥース・モードで動作するマルチ・モード・トランシーバの散乱パラメータ分析を図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
マルチ・モード・トランシーバは、多数のモードで信号を送信及び受信することができる。このようなモードの例は、これらに限らないが、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)モード、ブルートゥース・モード、ZigBeeモード、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)モード、EDGE(enhanced data rates for global system mobile communication evolution)モード、3Gモード、2.5Gモード、及び2Gモードを含む。前記マルチ・モード・トランシーバを用いるデバイスの一例は携帯電話である。種々の要素を含むマルチ・モード・トランシーバを図2に関連して説明する。
【0022】
図2はマルチ・モード・トランシーバ205を図示する。トランシーバ205は、アンテナ210を介して信号を受信及び送信する。トランシーバ205は、例えばバンドパス・フィルタ(BPF)などのフィルタ215を介して、前記アンテナ210に結合される。
【0023】
前記トランシーバ205は、第1のモードに対応する第1の回路225と第2のモードに対応する第2の回路230を含む。一例において、前記第1のモードは前記WLANモードに対応し、前記第2のモードは前記ブルートゥース・モードに対応する。各回路は、送信部と受信部を含む。前記送信部は、回路220をトランスミッタとして動作させるように構成され得、前記受信部は、前記回路220をレシーバとして動作させるように構成され得る。前記第1の回路225は、前記送信部内のパワーアンプ(PA)240に結合されるプリ・パワーアンプ(PPA)回路235Aと、前記受信部内の、例えば低雑音増幅器(LNA)などの増幅器245Aを含む。前記PA240及び前記増幅器245Aは前記回路220に結合される。前記第2の回路230は、前記送信部内のPPA235Bと、前記受信部内の、例えば前記LNAなどの増幅器245Bを含む。前記PPA235B及び前記増幅器245Bは前記回路220に結合される。
【0024】
前記回路220は、例えばRFポートなどのポート250と、前記増幅器245A、前記増幅器245B、前記PA240、及び前記PPA235Bの一つ又は複数との間に結合され得る。幾つかの実施例において、前記回路220は、前記トランシーバ205の前記PPA235Aと前記PA240との間に結合されてもよい。
【0025】
前記回路220は、前記トランシーバ205を前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で動作させるように構成され得る。前記回路220は、一つ又は複数のポート、例えば、前記ポート250、ブルートゥース・ポート、WLANポート、ZigBeeポート、2Gポート、2.5Gポート、及び3Gポート、に結合され得る。前記ポート250及び前記一つ又は複数のポートは、前記フィルタ215に結合され得る。種々の要素を含む前記回路220を図3、図4A、図4B、図5A、図5B、図6、及び図7A〜図7Eに関連して説明する。
【0026】
次に図3を参照すると、前記回路220は、WLANポート310に結合される第1のキャパシタ305(第1の要素)を含み、後述ではこれを前記キャパシタ305と呼ぶ。前記回路220は更に、前記キャパシタ305、前記ポート250、前記WLANポート310、及びブルートゥース・ポート320に結合される第2のキャパシタ315(第2の要素)を含み、後述ではこれを前記キャパシタ315と呼ぶ。前記回路220は更に、前記キャパシタ315に結合されるスイッチ325(第1のスイッチ)を含む。
【0027】
前記キャパシタ305は、バルン330を用いてWLANモードの送信部391及び受信部392に結合される。一実施例において、前記バルン330は、前記トランシーバ205の、異なるインピーダンスを有する部分を結合するために用いられる。キャパシタ335が前記送信部391を前記受信部392から分離する。前記送信部391は、スイッチ340、スイッチ345、及びスイッチ350を用いて、前記第1の回路225を前記WLANモードのトランスミッタとして動作させるように構成され得る。前記受信部392は、前記スイッチ340、スイッチ355、及びスイッチ360を用いて、前記回路225を前記WLANモードのレシーバとして動作させるように構成され得る。前記スイッチ345及び前記スイッチ350は、前記PAとして機能し得るトランジスタ395に結合される。前記スイッチ355及び前記スイッチ360は、前記LNAとして機能し得るトランジスタ396に結合される。
【0028】
前記キャパシタ315は、チューニング回路365を用いて前記回路230の送信部393及び受信部394に結合される。前記送信部393は、スイッチ370、スイッチ375、及びスイッチ380を用いて、前記回路230をブルートゥース・モードのトランスミッタとして動作させるように構成され得る。前記受信部394は、前記スイッチ370、スイッチ385、及びスイッチ390を用いて、前記回路230を前記ブルートゥース・モードのレシーバとして動作させるように構成され得る。前記スイッチ375及び前記スイッチ380は、前記PAとして機能し得るトランジスタ397に結合される。前記スイッチ385及び前記スイッチ390は、前記LNAとして機能し得るトランジスタ398に結合される。
【0029】
前記回路225及び前記回路230は、上記したものより多くの要素を含んでいてもよいことに注意されたい。また、前記回路225及び前記回路230、及び前記回路225及び前記回路230の機能は、米国特許公開番号2009−0289721A1、発明の名称「RFパワーアンプを含むRFフロントエンド・モジュールのフルインテグレーションのための回路、プロセス、デバイス、及びシステム」に詳細に説明されている。
【0030】
前記スイッチ325は、制御信号に応答して前記キャパシタ305及び前記キャパシタ315に関連して前記トランシーバ205を前記WLANモード及び前記ブルートゥース・モードの一方で動作させる金属酸化物半導体スイッチであってよい。前記制御信号は、前記トランシーバ205の動作の所望のモードに基づいて生成される。動作の所望のモードは、前記トランシーバ205を含む電子デバイスのユーザが選択することができる。例えば、所望のモードが前記WLANモードである場合、正のイネーブル信号が前記制御信号として生成され得、所望のモードが前記ブルートゥース・モードである場合、負のイネーブル信号が前記制御信号として生成され得る。前記正のイネーブル信号は前記スイッチ325を閉じ、前記負のイネーブル信号は前記スイッチ325を開かせる。前記制御信号は前記トランシーバ205内で生成されてもよく、或いは、前記トランシーバ205の外で生成されてもよい。
【0031】
前記WLANモードでは前記スイッチ325は閉じている。前記スイッチ325が閉じているとき、前記キャパシタ305及び前記キャパシタ315は経路を提供する。前記WLANモードで信号を送信又は受信するための等価静電容量は、下記の数式に示すように前記キャパシタ305(C1)と前記キャパシタ315(C2)の静電容量の合計に等しい。
等価静電容量(C)=C1+C2
【0032】
前記WLANモードの前記トランシーバ205の等価回路を図4Aで説明する。前記等価回路は、前記WLANモードで前記トランシーバ205の高電力差動出力を前記ポート250に結合する前記バルン330を含む。一例において、前記バルン330は低電圧金属酸化物半導体スイッチを用いて構成され得る。等価静電容量はキャパシタ405で表す。
【0033】
前記ブルートゥース・モードでは前記スイッチ325は開いている。この等価静電容量は、前記キャパシタ305の静電容量に等しい。
等価静電容量(C)=C1
【0034】
前記ブルートゥース・モードの前記トランシーバ205の等価回路を図4Bで説明する。前記等価回路は、2つの共振子を有する結合されたRFフィルタを表す。一例において、第1の共振子は前記チューニング回路365を含み、第2の共振子は前記キャパシタ305に関連する前記バルン330を含む。前記2つの共振子を有する前記RFフィルタは、前記ブルートゥース・モードで前記トランシーバ205の低電力シングルエンド出力を前記ポート250に結合する。
【0035】
前記WLANモードでは、前記スイッチ325は、前記キャパシタ315に関連して低電力トランシーバを高電力トランシーバのPAに起因する高電圧振幅から分離する。一例において、前記低電力トランシーバは、前記送信部393及び前記受信部394を含み、前記高電力トランシーバは、前記送信部391及び前記受信部392を含む。前記キャパシタ315に関連する前記スイッチ325は更に、前記低電力トランシーバのマッチング・ネットワークを分離することにより、WLANモードの間、前記高電力トランシーバの信号損失を最小化する。一例において、前記低電力トランシーバのマッチング・ネットワークは、前記チューニング回路365であってよい。
【0036】
一実施例において、前記トランシーバ205は、前記バルン330を用いて前記ポート250の50オームのインピーダンスを一層低い値に変換することによって前記WLANモードで、例えば24デシベル・ミリワット(dBm)より大きい出力電力を有する信号を送信することができる。前記トランシーバ205は更に、最小インピーダンス変換の前記ブルートゥース・モードで、例えば、12dBmより低い出力電力を有する信号を送信することもできる。
【0037】
別の実施例において、前記キャパシタ315が存在しない場合、前記WLANポート310、前記ブルートゥース・ポート320、及び前記ポート250は独立して機能することができる。
【0038】
前記トランシーバ205の種々のモードを可能にする前記スイッチの種々の構成を表1に示す。
【表1】

【0039】
表1を参照すると、D/Cは、スイッチ構成が前記トランシーバ205の機能に影響を与えない「Do Not Care」状態を表し、GNDは電気的接地接続を表し、VDDは電源を表し、BIASはバイアス電圧を表し、PAN RF INPUTは、前記パワーアンプからのRF信号を表す。
【0040】
次に図5Aを参照すると、前記回路220は、変圧器510(第2の要素)に結合されるスイッチ505(第2のスイッチと呼ぶこともある第1の要素)を含む。前記変圧器510はスイッチ515(第1のスイッチ)に結合され、後述ではこれを前記スイッチ515と呼ぶ。前記変圧器510はポート520に結合される。前記ポート520の例は、これらに限らないが、前記RFポート、前記ブルートゥース・ポート、前記ZigBeeポート、前記WLANポート、前記2Gポート、前記2.5Gポート、及び前記3Gポートを含む。
【0041】
前記スイッチ505及び前記スイッチ515は、前記変圧器510を用いて、前記WLANモードの送信部530及び前記ブルートゥース・モードの送信部535に結合される。前記送信部530は、スイッチ580、スイッチ540、及びスイッチ545を用いて、前記WLANモードのトランスミッタとして構成され得る。前記送信部535は、前記スイッチ580、スイッチ550、及びスイッチ555を用いて、前記ブルートゥース・モードのトランスミッタとして構成され得る。前記スイッチ580は、前記WLANモードの前記送信部530と前記ブルートゥース・モードの前記送信部535の間の分離を制御する。前記スイッチ580は更に、前記WLANモードの受信部585と前記ブルートゥース・モードの受信部590の間の分離も制御する。前記WLANモードの前記受信部585と前記ブルートゥース・モードの前記受信部590は、前記変圧器510を用いて前記スイッチ505及び前記スイッチ515に結合される。前記受信部585は、前記スイッチ580、スイッチ560、及びスイッチ565を用いて、前記WLANモードのレシーバとして構成され得る。前記受信部590は、前記スイッチ580、スイッチ570、及びスイッチ575を用いて、前記ブルートゥース・モードのレシーバとして構成され得る。キャパシタ525は、前記変圧器510に関連して前記WLANモード及び前記ブルートゥース・モードに対しフィルタリング及びマッチングする信号を提供する。
【0042】
前記スイッチ540及び前記スイッチ545は、前記WLANモードの前記送信部530内のPA及びPPAの少なくとも一つとして機能し得るトランジスタ591に結合される。前記スイッチ560及び前記スイッチ565は、前記WLANモードの前記受信部585内のLNAへの経路として機能し得るトランジスタ593に結合される。前記スイッチ550及び前記スイッチ555は、前記ブルートゥース・モードの前記送信部535内のPA及びPPAの少なくとも一つとして機能し得るトランジスタ592に結合される。前記スイッチ570及び前記スイッチ575は、前記ブルートゥース・モードの前記受信部590内のLNAへの経路として機能し得るトランジスタ594に結合される。前記WLANモードの前記受信部585は、ノードN1及びN2を介して前記キャパシタ525に結合され得る。前記ブルートゥース・モードの前記受信部590は、ノードN1を介して前記キャパシタ525に結合され得る。
【0043】
前記スイッチ540及び前記スイッチ545は、制御信号に応答して、前記変圧器510に関連して前記WLANモード及び前記ブルートゥース・モードの少なくとも一方で前記トランシーバ205を動作させる金属酸化物半導体スイッチであってよい。前記制御信号は、一つ又は複数の信号の組み合わせであってよく、前記トランシーバ205の動作の所望のモードに基づいて生成され得る。
【0044】
種々のモードの前記トランシーバ205内のスイッチの種々の構成を表2に示す。
【表2】

【0045】
表2を参照すると、GNDは電気的接地接続を表し、VDDは電源を表し、BIASはバイアス電圧を表し、PAN RF INPUTは前記パワーアンプからのRF信号を表す。
【0046】
次に図5Bを参照すると、前記回路220は、変圧器510(第2の要素)に結合されるスイッチ505(第1の要素)を含む。前記変圧器510はスイッチ515(第1のスイッチ)に結合される。前記変圧器510は、ポート595及びポート596に結合される。一例において、前記ポート595は前記WLANポートであり得、前記ポート596は前記ブルートゥース・ポートであり得る。前記ポート595及び前記ポート596の例は、これらに限らないが、前記RFポート、前記ZigBeeポート、前記2Gポート、前記2.5Gポート、及び前記3Gポートを含み得る。
【0047】
前記スイッチ505及び前記スイッチ515は、前記変圧器510を用いて、前記WLANモードの送信部530と前記ブルートゥース・モードの送信部535に結合される。前記送信部530は、スイッチ580、スイッチ540、及びスイッチ545を用いて前記WLANモードのトランスミッタとして構成され得る。前記送信部535は、前記スイッチ580、スイッチ550、及びスイッチ555を用いて前記ブルートゥース・モードのトランスミッタとして構成され得る。前記スイッチ580は、前記WLANモードの前記送信部530と前記ブルートゥース・モードの前記送信部535の間の分離を制御する。前記スイッチ580は更に、前記WLANモードの受信部585と前記ブルートゥース・モードの受信部590の間の分離も制御する。前記WLANモードの前記受信部585と前記ブルートゥース・モードの前記受信部590は、前記変圧器510を用いて前記スイッチ505及び前記スイッチ515に結合される。前記受信部585は、前記スイッチ580、スイッチ560、及びスイッチ565を用いて前記WLANモードのレシーバとして構成され得る。前記受信部590は、前記スイッチ580、スイッチ570、及びスイッチ575を用いて前記ブルートゥース・モードのレシーバとして構成され得る。前記キャパシタ525は、前記変圧器510に関連して、前記WLANモード及び前記ブルートゥース・モードに対しフィルタリング及びマッチングする信号を提供する。
【0048】
前記スイッチ540及び前記スイッチ545は、前記WLANモードの前記送信部530内のPA及びPPAの少なくとも一つとして機能し得るトランジスタ591に結合される。前記スイッチ560及び前記スイッチ565は、前記WLANモードの前記受信部585内のLNAへの経路として機能し得るトランジスタ593に結合される。前記スイッチ550及び前記スイッチ555は、前記ブルートゥース・モードの前記送信部535内のPA及びPPAの少なくとも一つとして機能し得るトランジスタ592に結合される。前記スイッチ570及び前記スイッチ575は、前記ブルートゥース・モードの前記受信部590内のLNAへの経路として機能し得るトランジスタ594に結合される。前記WLANモードの前記受信部585は、ノードN1及びN2を介して前記キャパシタ525に結合され得る。前記ブルートゥース・モードの前記受信部590は、ノードN1を介して前記キャパシタ525に結合され得る。
【0049】
種々のモードの前記トランシーバ205内のスイッチの各々の種々の位置を表3に示す。
【表3】

【0050】
表3を参照すると、GNDは電気的接地接続を表し、VDDは電源を表し、BIASはバイアス電圧を表し、PAN RF INPUTは前記パワーアンプからのRF信号を表す。
【0051】
図5A及び5Bは、前記第1のモード及び前記第2のモードの2つのモードを用いて説明しており、前記トランシーバ205は幾つかのモードを選択する能力を有し得ること注意されたい。例えば、前記変圧器510は、2つ以上のモードを選択する能力を有するスイッチとして機能する、更に多くの数のコイルを含み得る。
【0052】
異なるモードに対し多数のRF出力を選択する前記変圧器510の能力を説明するため、これらのモードに対応する送信部を有する前記回路220の簡略化した形式を図6で説明する。ここで図6を参照すると、前記回路220は、第1のスイッチ610(第1の要素、SW1)、後述ではこれを前記スイッチ610と呼ぶ、に結合される第1のバイアス回路605(VBIAS1)を含み、後述ではこれを前記バイアス回路605と呼ぶ。前記スイッチ610は、変圧器615(第2の要素、SW2)に結合される。前記回路220は、第2のスイッチ625(第1のスイッチ)、後述ではこれを前記スイッチ625と呼ぶ、に結合される第2のバイアス回路620(VBIAS2)を含み、後述ではこれを前記バイアス回路620と呼ぶ。前記第2のスイッチ625は前記変圧器615に結合される。前記変圧器615は、一つ又は複数のポートに結合され得、前記一つ又は複数のポートのうち或るポートからの信号を選択するスイッチとして機能する。
【0053】
前記回路220は、前記第1のモード、例えば前記3Gモードで、トランスミッタとして動作するように構成され得る回路635(第1の回路)に結合される。前記回路220は、前記第2のモード、例えば2Gモード及び2.5Gモードで、トランスミッタとして動作するように構成され得る回路640(第2の回路)に結合される。前記変圧器615と前記3GモードのPA655との間にネットワーク645が結合され、信号をマッチング及び分離する。前記変圧器615と前記2Gモード及び2.5GモードのPA660との間にネットワーク650が結合され、前記信号をマッチング及び分離する。
【0054】
一実施例において、前記回路220は、PPA630(3G PPA)と前記3Gモードの前記PA655との間、及び前記PPA630と前記2Gモード及び2.5GモードのPA660との間に結合される。前記PPA630は、信号生成器(W−CDMA/EDGE)に結合される。前記PPA630はイネーブル信号(EN_3GPPA)を受信することができる。
【0055】
前記スイッチ610及び前記スイッチ625は、バイアス電圧に応答して、前記変圧器615に関連して、前記3Gモードと、前記2Gモード及び前記2.5Gモードの少なくとも一方とのうち一つで前記トランシーバ205を動作させる金属酸化物半導体スイッチであってよい。バイアス電圧は、前記バイアス回路605及び前記バイアス回路620によって生成され得る。前記バイアス回路605及び前記バイアス回路620を併せてバイアス回路と呼ぶこともできる。一実施例において、前記バイアス回路605及び前記バイアス回路620は、前記3Gモード、前記2Gモード及び2.5Gモードに特定のバイアス電圧を生成するようにプログラムが書き換えられてもよい。前記バイアス電圧は、前記トランシーバ205の動作の所望のモードに基づいて生成され得る。
【0056】
一例において、前記スイッチ610及び前記スイッチ625は、相補型金属酸化物半導体スイッチであってよい。
【0057】
前記回路220は、非収束構成及び収束構成で用いることができる。非収束構成は、個別のPA及びマッチング回路を用いる、前記3Gモードと前記2G及び2.5Gモードとの間の送信を指すことができる。収束構成は、単一のPA及び単一のマッチング回路を用いる、前記3Gモード及び2G及び2.5Gモードでの送信を指すことができる。
【0058】
図6は2つのモードを用いて説明していることに注意されたい。しかし、前記変圧器615は、2つ以上のモードを選択する能力を有するスイッチとして機能する、更に多くの数のコイルを含み得る。
【0059】
EDGE非収束モード及びW−CDMA収束モードを用いる前記3Gモードでの信号送信を図7A及び7Bに関連して説明する。
【0060】
図7Aを参照すると、前記回路220は、前記非収束EDGEモードで一端のPPA630からのEDGE信号を他方の端のPA660に結合する。
【0061】
スイッチ610は閉じており、スイッチ625は開いている。バイアス回路605は、電圧VDDでバイアスが掛けられる。PPA705(2/2.5G PPA)のトゥルー(true)及び相補出力は、高インピーダンス状態に構成される。前記スイッチ610及び前記スイッチ625、及び前記バイアス回路605は、PPA630からの前記EDGE信号をイネーブルにし、変圧器615を介して回路640に結合するように構成される。
【0062】
前記PPA705は、信号生成器(GSM/GPRS)に結合される。前記PPA705は信号EN_OUT+及びEN_OUT−を受信し、信号2/2.5GOUT+及び2/2.5 GOUT−を出力することができる。
【0063】
次に図7Bを参照すると、前記回路220は、前記W−CDMA収束モードにおいて、一端のPPA630からのW−CDMA信号を他方の端のPA655に結合する。
【0064】
スイッチ610は開いており、スイッチ625は閉じている。バイアス回路620は、VDDの半分に等しい電圧でバイアスが掛けられる。一例において、前記VDD=5Vであり、前記バイアス回路620は2.5Vでバイアスが掛けられる。前記PPA705のトゥルー及び相補出力は、前記高インピーダンス状態に構成される。前記スイッチ610及び前記スイッチ625及び前記バイアス回路620は、前記PPA630からの信号をイネーブルにし、変圧器615を介して回路635に結合するように構成される。
【0065】
GSM(global system for mobile communication)及びGPRS(general packet radio service)を用いる前記2Gモードの信号送信を図7Cに関連して説明する。
【0066】
ここで図7Cを参照すると、前記GSM及び前記GPRSを用いる前記2Gモードにおいて、PPA630のトゥルー及び相補出力は、前記高インピーダンス状態に構成され、PPA705を介して2G信号が駆動される。
【0067】
前記2G収束モードでは、バイアス回路620はVDDにバイアスされ、スイッチ625は閉じており、スイッチ610は開いている。前記PPA705のトゥルー出力は、前記高インピーダンス状態に構成され、前記PPA705の相補出力は、2G信号を提供するように構成される。前記2G信号は、前記PPA705を介して前記収束回路635に結合される。前記変圧器615は、前記バイアス回路620からDCバイアスを供給しつつ、RFチョークとして機能する。
【0068】
前記2G非収束モードでは、前記バイアス回路605はVDDにバイアスされ、前記スイッチ610は閉じており、前記スイッチ625は開いている。前記PPA705のトゥルー出力は前記高インピーダンス状態に構成され、前記PPA705の相補出力は前記2G信号を提供するように構成される。前記2G信号は、前記PPA705を介して非収束回路640に結合される。前記変圧器615は、前記回路605から前記DCバイアスを供給しつつ、RFチョークとして機能する。
【0069】
図7Dは、単一のPAを用いる2G収束モードの信号送信を示す一例である。
【0070】
PPA630のトゥルー及び相補出力は、前記高インピーダンス状態に構成され、PPA705を介して2G信号が駆動される。
【0071】
前記2G収束モードでは、バイアス回路620はVDDにバイアスされ、スイッチ625は閉じており、スイッチ610は開いている。前記PPA705の相補出力は、前記高インピーダンス状態に構成され、前記PPA705のトゥルー出力は2G信号を提供するように構成される。前記2G信号は、前記PPA705からマッチング・ネットワーク715を介してPA710に結合される。前記PA710は、3G、2G、及び2.5G収束PAであってよい。前記マッチング・ネットワーク715は、例えば3Gマッチング・ネットワークであってよい。前記変圧器615は、前記回路620からDCバイアスを供給しつつ、RFチョークとして機能する。
【0072】
図7Eは、単一のPAを用いる3G収束モードの信号送信を示す一例である。
【0073】
PPA705のトゥルー及び相補出力は、前記高インピーダンス状態に構成され、PPA630を介して3G信号が駆動される。
【0074】
前記3G収束モードにおいて、回路620はVDDに駆動され、スイッチ625は閉じており、スイッチ610は開いている。前記3G信号は、前記PPA630からマッチング・ネットワーク715を介してPA710に結合される。変圧器615は、前記回路620からDCバイアスを供給しつつ、RFチョークとして機能する。
【0075】
一実施例において、前記回路220、前記回路635、及び前記回路640は、前記トランシーバ205内に存在し得る。前記変圧器615、前記スイッチ610、及び前記スイッチ625を有することにより、個別のトランシーバ及びフロントエンド・モジュールを有するコストが低減される。
【0076】
幾つかの実施例において、前記キャパシタ315、前記キャパシタ305、及び前記スイッチ325は、個別のトランシーバ及びフロントエンド・モジュールを有するコストを低減する。
【0077】
図8は、例えば前記トランシーバ205などのマルチ・モード・トランシーバを動作させるための方法を説明するフローチャートである。前記マルチ・モード・トランシーバは、第1のモード及び第2のモードの少なくとも一方で動作し得る。前記第1のモードは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)・モード、ブルートゥース・モード、ZigBeeモード、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)モード、EDGE(enhanced data rates for global system mobile communication evolution)モード、3Gモード、2.5Gモード、及び2Gモードの一つであってよい。前記第2のモードは前記WLANモード、前記ブルートゥース・モード、前記ZigBeeモード、前記W−CDMAモード、前記EDGEモード、前記3Gモード、前記2.5Gモード、及び前記2Gモードの一つであってよい。
【0078】
工程805において、前記マルチ・モード・トランシーバの動作の所望のモードに応答して制御信号が生成される。この所望のモードは、前記マルチ・モード・トランシーバを含む電子デバイスのユーザの入力に基づいて選択され得る。
【0079】
幾つかの実施例において、工程805は、前記マルチ・モード・トランシーバによって又は前記マルチ・モード・トランシーバの外部の回路によって実行され得る。
【0080】
工程810において、前記制御信号に基づいて、前記マルチ・モード・トランシーバの一つ又は複数のスイッチが構成される。前記制御信号はバイアス電圧を含み得る。一例において、図3の前記トランシーバ205の前記スイッチ325、又は図5A及び図5Bの前記トランシーバ205の前記スイッチ505及び前記スイッチ515は、前記制御信号を用いて構成され得る。別の例では、図6の前記スイッチ610及び前記スイッチ625は、前記バイアス電圧を用いて構成され得る。
【0081】
工程815において、前記マルチ・モード・トランシーバは、前記制御信号に応答して、前記マルチ・モード・トランシーバの前記一つ又は複数のスイッチ、一つ又は複数の要素、及び一つ又は複数の回路を用いて、前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方でトランスミッタ及びレシーバの少なくとも一つとして動作される。一例において、前記マルチ・モード・トランシーバは、図3の前記トランシーバ205の前記スイッチ325、前記キャパシタ305、及び前記キャパシタ315を用いて前記WLANモード又は前記ブルートゥース・モードの少なくとも一方で動作される。別の例では、前記マルチ・モード・トランシーバは、図5A及び図5Bの前記スイッチ505、前記スイッチ515、及び前記変圧器510を用いて前記WLANモード又は前記ブルートゥース・モードの少なくとも一方で動作される。前記スイッチ505、前記スイッチ515、及び前記変圧器510は、前記マルチ・モード・トランシーバを前記3Gモード又は前記2G/2.5Gモードで動作させるために用いることもできる。更に別の例において、前記マルチ・モード・トランシーバは、図6の前記スイッチ610、前記スイッチ625、及び前記変圧器615を用いて前記3Gモード又は前記2G/2.5Gモードで動作される。
【0082】
図9Aは、WLANモードで動作する、例えば図3の前記トランシーバ205などの、マルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。挿入損失は、或るネットワーク内に、例えば前記マルチ・モード・トランシーバなどの或るデバイスを挿入することに起因する信号電力の損失である。一例において、前記挿入損失は、前記WLANモードでの信号の送信及び受信の一つに対しマイナス1.45デシベル(−1.45dB)である。前記挿入損失は散乱パラメータ分析から判定することができる。散乱パラメータ分析は、或るシステム内の種々のパラメータを判定するために用いられる。前記パラメータの例は、これらに限らないが、システムの損失、利得、及び安定性を含む。前記WLANモードの散乱パラメータ分析を図11Aに示す。
【0083】
図9Bは、ブルートゥース・モードで動作する、例えば図3の前記トランシーバ205などの、マルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。一例において、前記挿入損失は、前記ブルートゥース・モードでの信号の送信及び受信の一つに対しマイナス1.45dB(−1.45dB)である。前記ブルートゥース・モードの散乱パラメータ分析を図11Bに示す。
【0084】
図9Cは、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード及びブルートゥース・モードで動作する、例えば図3の前記トランシーバ205などの、マルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。前記マルチ・モード・トランシーバは、前記無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード及び前記ブルートゥース・モードで信号を受信するよう動作する。前記挿入損失は、前記WLANモードでの前記信号の受信に対しマイナス2.5dB(−2.5dB)であり、前記挿入損失は、前記ブルートゥース・モードでの前記信号の受信に対しマイナス5.7dB(−5.7dB)である。前記WLANモード及び前記ブルートゥース・モードでの前記挿入損失は、非対称な損失であり、図3に示した前記キャパシタ305の及び前記キャパシタ315の静電容量に基づいて制御され得る。
【0085】
図10は、無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード及びブルートゥース・モードで動作する、例えば図3の前記トランシーバ205などの、マルチ・モード・トランシーバの挿入損失を図示するグラフである。ブルートゥース送信モードにおいてブルートゥース・ポートからWLANポートまで分離した場合の挿入損失をグラフ1001に示す。WLAN送信モードにおいてWLANポートからブルートゥース・ポートまで分離した場合の挿入損失をグラフ1002に示す。前記マルチ・モード・トランシーバ内の前記分離は、低電力スイッチを用いて達成される。
【0086】
前述の説明において、「結合される」という用語は、接続されるデバイス間の直接の電気的接続、又は媒介デバイスを介する間接的接続のいずれかを指す。「信号」という用語は、電流、電圧、チャージ、データ、又は他の信号の少なくとも1つを指す。
【0087】
例示の実施例の文脈で説明したような特徴又は工程のすべて又はその幾つかを有する例示の実施例の文脈で説明した1つ又はそれ以上の特徴又は工程の異なる組み合わせを有する実施例も、本明細書に包含されることも意図している。当業者であれば、他の多くの実施例及び変形も特許請求の範囲に包含されることが理解されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1のモードでトランスミッタ又はレシーバとして動作するように構成され得る第1の回路、
第2のモードで前記トランスミッタ又は前記レシーバとして動作するように構成され得る第2の回路、
前記第1の回路に結合される第1の要素、
前記第1の要素及び一つ又は複数のポートに結合される第2の要素、及び
前記第2の要素と前記第2の回路とに結合され、前記第1の要素及び前記第2の要素に関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記装置を動作させるように構成され得る、第1のスイッチ、
を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の要素が第2のスイッチを含み、前記第2の要素がスイッチとして機能する変圧器を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、制御信号に応答して、前記変圧器に関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記マルチ・モード・トランシーバを動作させる金属酸化物半導体スイッチであり、前記制御信号が前記マルチ・モード・トランシーバの動作の所望のモードに基づいて生成される、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記変圧器が、
前記マルチ・モード・トランシーバのパワーアンプと前記一つ又は複数のポートとの間、又は
前記一つ又は複数のポートと前記マルチ・モード・トランシーバの低雑音増幅器との間、
のうち少なくとも一方で結合される、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の要素が第1のキャパシタを含み、前記第2の要素が第2のキャパシタを含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記第1のスイッチが、制御信号に応答して前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタに関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記マルチ・モード・トランシーバを動作させる金属酸化物半導体スイッチであり、前記制御信号が前記マルチ・モード・トランシーバの動作の所望のモードに基づいて生成される、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記第1のキャパシタ、前記第2のキャパシタ、及び前記第1のスイッチが、
前記マルチ・モード・トランシーバのパワーアンプと前記一つ又は複数のポートとの間、又は
前記一つ又は複数のポートと前記マルチ・モード・トランシーバの低雑音増幅器との間、
のうち少なくとも一方で結合される、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記第1のモードが無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード、ブルートゥース・モード、ZigBeeモード、3Gモード、2.5Gモード又は2Gモードの少なくとも一つである、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の前記トランシーバであって、前記第2のモードが前記無線ローカル・エリア・ネットワーク・モード、ブルートゥース・モード、ZigBeeモード、3Gモード、2.5Gモード又は2Gモードの少なくとも別の1つである、装置。
【請求項10】
マルチ・モード・トランスミッタであって、
第1のモードで動作するように構成され得る第1の回路、
第2のモードで動作するように構成され得る第2の回路、
前記第1の回路及び前記第2の回路に結合され、前記第1のモード及び前記第2のモードの一つで前記マルチ・モード・トランスミッタを動作させるスイッチとして機能する変圧器、及び、
前記変圧器に結合され、バイアス電圧に応答して前記変圧器に関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの一つで前記マルチ・モード・トランスミッタを動作させる複数のスイッチであって、前記バイアス電圧が前記マルチ・モード・トランスミッタの動作の所望のモードに基づいて生成される、前記複数のスイッチ、
を含む、マルチ・モード・トランスミッタ。
【請求項11】
請求項10に記載の前記トランスミッタであって、前記複数のスイッチに結合され、前記マルチ・モード・トランスミッタの動作の所望のモードに基づいて前記バイアス電圧を生成する、バイアス回路を更に含む、マルチ・モード・トランスミッタ。
【請求項12】
請求項11に記載の前記トランスミッタであって、前記複数のスイッチ及び前記変圧器が、前記マルチ・モード・トランスミッタのプリ・パワーアンプとパワーアンプとの間に結合される、マルチ・モード・トランスミッタ。
【請求項13】
請求項12に記載の前記トランスミッタであって、前記第1のモードが2Gモード及び2.5Gモードの少なくとも一方であり、前記第2のモードが3Gモードである、マルチ・モード・トランスミッタ。
【請求項14】
マルチ・モード・トランシーバであって、
第1のモードでトランスミッタ及びレシーバの一方として動作するように構成され得る第1の回路、
第2のモードで前記トランスミッタ及び前記レシーバの一方として動作するように構成され得る第2の回路、
一つ又は複数のポート及び前記第1の回路に結合される第1のキャパシタ、
前記一つ又は複数のポート、前記第1のキャパシタ、及び前記第2の回路に結合される第2のキャパシタ、及び、
前記第2のキャパシタに結合され、制御信号に応答して前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタに関連して前記第1のモード及び前記第2のモードの少なくとも一方で前記マルチ・モード・トランシーバを動作させる、スイッチであって、前記制御信号が前記マルチ・モード・トランシーバの動作の所望のモードに基づいて生成される、前記スイッチ、
を含む、マルチ・モード・トランシーバ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2013−516897(P2013−516897A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548018(P2012−548018)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060529
【国際公開番号】WO2011/084494
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.GSM
3.EDGE
4.WCDMA
5.BLUETOOTH
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】