説明

マーク付けされたハニカム構造

【課題】濾過体を製作、再生またはリサイクルする場合に、濾過体の上流および下流面を迅速に識別できること、したがってハニカム構造に対するこの識別が必要である。
【解決手段】本発明は、隣接チャネルの組みを含むハニカム構造に関しており、各チャネルは上流および下流チャネルのそれぞれの表面でそれぞれの開口部を介して連絡しており、前記チャネルの組みは上流および下流面上に断面上流および下流パターンを形成する。本発明に従うと、上流および下流面の少なくとも1つは、50未満のチャネルにわたり延在する誤り防止マークを有し、上流および下流パターンのいずれかが他方の上に完全に重ね合わされることを不可能にする。上流および下流パターンの外周囲は対称的であるかまたは10未満のチャネルにわたり延在する非対称性を有する。発明は、内燃機関とりわけディーゼル機関の排気ガス中の微粒子の濾過に使われうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造に関し、特に、内燃機関、とりわけディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる微粒子を濾過(フィルタリング)するためのハニカム構造に関する。本発明は、本発明に従う少なくとも1つのハニカム構造を備えている、一体型(モノリシック)または組み立てられた(アセンブルされた)濾過体、およびそのような濾過体を製造する方法に関する。
【0002】
本発明はまた、本発明に従うハニカム構造を押し出すためのダイスおよび本発明に従うハニカム構造を製作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
排気ガスは、外気に排出される前に、濾過体、例えば図1、3および4に示された従来技術から既知である濾過体によって浄化されうる。
【0004】
微粒子濾過器(1)は、従来から、長さL(典型的には10〜30cmの間)の長手方向軸C−Cを有する一般的に円柱状の濾過体(3)を少なくとも1つ備えており、該濾過体(3)は金属缶(5)内に挿入されている。
【0005】
良好な熱機械抵抗のおかげで、特に再生フェーズの間、継ぎ手(12)によって複数の「単位」濾過ブロック(11)と呼ばれているものをアセンブルし、続いて機械加工されることによって、この濾過体を製造することは有利である。濾過体は、したがって図1に示すように「組み立てられた」濾過体である。図2は、軸D−Dに沿う長さL、幅l、高さhの単位濾過ブロックの例を示している。
【0006】
濾過体(3)はまた、一体型でありえて、すなわち図3に示されるように継ぎ目のない単一体として作られている。
【0007】
従来は、単位濾過ブロックまたは一体型濾過体を製造するために、セラミック(菫青石、炭化ケイ素、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、ケイ素/炭化ケイ素混合物など)が、ハニカム構造プリフォームを形成するように押し出しダイスを通して押し出される。
【0008】
単位濾過ブロック(11)を製造するために、押し出しダイスは、プリフォームの側面(13)が4つのほぼ等しい側面(14a−d)を有するように従来は形付けられており、例えば、正方形、長方形または六角形の断面の並列パイプ状プリフォームを規定している。そのようなプリフォームの側面の幅lは、典型的には30mmから100mmの間である。
【0009】
一体型濾過体を製造するために、押出ダイスは、プリフォームが円形または楕円形断面の筒状の形状を有するように従来は形付けられている。
【0010】
そして、プリフォームは焼結されて、ハニカム構造を形成する。
【0011】
「ハニカム」構成は、プリフォームおよび多孔質構造が、隣接チャネル(18)の1組または「ダクト」を備えて、断面で市松模様を形成することを意味する。
【0012】
その各々は側壁(22)によって境界を画された複数のチャネル(18)は、一般にはぼ正方形断面を有し、真っ直ぐであり、かつ互いに並列に延在する。一つの断面では、複数のチャネルは行(19)と列(20)を形成する。側壁の厚さは特に180〜500μmの間でありうる。チャネルの断面は特に0.4〜9mmの間でありうる。
【0013】
プリフォームの各チャネルは、上流面(26e)上の上流開口部(24e)すなわち「流入面」を介して、およびを下流面(26s)上の下流開口部(24s)すなわち「流出面」を介して現れる。
【0014】
用語「上流パターン」および「下流パターン」は、夫々上流および下流面に垂直な観測方向において見られる上流および下流面のイメージへを言う。図2においては、観測者(Oe)は上流パターンを観測し、観測者(Os)は下流パターンを観測する。
【0015】
全チャネルが同じ長さを有し、かつ上流および下流面が該上流および下流面でのチャネルの方向に垂直であるとき、かつチャネルが閉塞される前には、上流および下流パターンはそれ故にそれぞれ上流および下流面でチャネルの方向に垂直である断面に対応する。
【0016】
内側チャネル(18i)を周辺チャネル(18p)から区別することは従来からなされている。
【0017】
内側チャネル(18i)と違って、周辺チャネル(18p)の側壁は、ハニカム構造の外側に部分的に露出されている。長手方向エッジ(29)を有するハニカム構造において、および特に並列パイプ状ハニカム構造において、周辺チャネル(18p)の間において、隅チャネル(18p”)と側方チャネル(18p’)との間で、違いが作られる。隅チャネル(18p”)は上記長手方向エッジに沿って延在する。側方チャネル(18p’)は、隅チャネル(18p”)と違って、ハニカム構造の側壁(14a−d)のうち1つだけに沿って配置される。
【0018】
濾過体の製作を予定されるハニカム構造は、公知のように、上流プラグ(30s)と下流プラグ(30e)によって、それぞれ上流面(24e)にまたは下流面(24s)で交互に閉塞されて、「出口チャネル(18s)」および「入口チャネル(18e)」と呼ばれものをそれぞれ形成する(図4参照)。そして、得られたものは「濾過」ブロックである。
【0019】
出口チャネル(18s)と入口チャネル(18e)の上流プラグ(30s)と下流プラグ(30e)に対するそれぞれの反対端部で、出口チャネル(18s)および入口チャネル(18e)は、それぞれ「出口開口部(32s)」と呼ばれる下流開口部、および「入口開口部(32e)」と呼ばれる上流開口部を介して外部に開いており、それぞれ下流面(26s)および上流面(26e)にわたり延在している。
【0020】
それゆえに、入口チャネルおよび出口チャネルは、それぞれ入口室(34e)および出口室(34s)を規定し、各室は側壁(22)、閉塞プラグおよび外部に開く開口部によって境界を画されている。2つの隣接する入口および出口チャネルは、それらに共通の側壁を介して流体連絡状態にある。
【0021】
組み立てられた濾過体を製作するためには、一体型濾過ブロック(11)は、ブロックの向かい合う隣接面の間に入れられたセラミック接合セメントで作られた継ぎ手(12)によって該ブロックを結合することによって一緒に組み立てられる。該接合セメントは、一般には、シリカ及び/又は炭化ケイ素及び/又は窒化アルミニウムから成っている。好ましくは、接合セメントは、濾過されるべき排気ガスに対して実質的に不透過である。接合セメントは、熱機械応力を制限するために、20℃〜800℃の間において少なくとも0.1W/m.Kの熱伝導性を有しうる。典型的には、接合部(12)の平均厚さは0.3〜4mmの間である。
【0022】
接合セメントは、単位濾過ブロックの側面の全領域にわたって、またはこの側面の一部分にのみ施与されうる。特に後者の場合、単位濾過ブロックの全ての側面が、別の単位濾過ブロックの任意の側面へ常に見境なく組み立てられうるわけではない。換言すれば、側面が適切に対応した側面に互いに接着されることを確実にするために、単位濾過ブロックの1以上の側面を識別することが必要であろう。この目的のために、マークは、単位濾過ブロックの側面上にプリントされうる。
【0023】
それ故に、形成されたアセンブリは、缶(5)、例えば円形断面の円柱状濾過体を製作するための缶に整合された形状を得るために、機械加工されうる。
【0024】
一般に、周辺コーティング(36)、熱的に絶縁されかつ排気ガスに対して不透過であるコーティング要素から作られた「外部コーティング」または「コーティング」とも呼ばれる周辺コーティング(36)は、一体型または組み立てられた濾過体の側表面(38)に施与される。
【0025】
そして、組み立てられたまたは一体型の濾過体(3)は、缶(5)および周辺継ぎ手(40)に挿入されえ、該周辺継ぎ手(40)は、排気ガスに対して不透過性を有し、濾過体の側表面(38)と缶(5)との間に置かれる。
【0026】
入口チャネルの入口開口部を介する濾過体(3)間の排気ガスの流れ(F)は、出口チャネルで再結合される前に、これらのチャネルの側面濾過壁を通り過ぎ、そして出口開口部を介して外部に逃れる。
【0027】
使用の一定期間後には、濾過体(3)の入口チャネル内に蓄積されている微粒子または「煤粒子」は、濾過体(3)による圧力低下を増大させ、その結果エンジンの性能を損なう。この理由のために、濾過体は定期的に、例えば500km毎に再生されなければならない。
【0028】
再生または「閉塞解除」操作は、煤粒子を燃焼させうる温度まで煤粒子を加熱することによって、煤粒子を酸化することから成る。
【0029】
再生フェーズの間、温度は濾過体(3)の領域に沿って異なり、一様には変化しない。これは、排気ガスが、煤の燃焼により放出された熱エネルギーを下流端へ転送するからである。さらに、煤は様々なチャネル中に一様に堆積されず、煤は、例えば好ましく濾過体の長手方向軸(また濾過体の「中心部」と呼ばれる)に近い領域内に蓄積される。燃焼領域は、したがって濾過体(3)内に一様に分布させられるものではない。煤の燃焼は、したがって周辺部での温度上昇よりも大きな温度上昇を濾過体の中心部で起こす。最後に、濾過体(3)の周辺領域は、周りの空気によって、金属缶(5)を通して冷却される。
【0030】
濾過体(3)内の温度の不均一性は、局所的な破断またはひび割れを起こし得るところの、大きな振幅の局所的な応力を発生する。したがって、濾過体(3)は、交換されねばならず、使用済みの濾過体は、好ましくはリサイクルされる。
【0031】
濾過体の寿命を延ばすために、入口チャネルから残灰を取除くために徹底した清掃を実行することも可能である。従来から「灰除去」と呼ばれたこの清掃作業は、重量運搬の車両向けの濾過体のために特に実行される。この作業は、濾過体を排気ラインから取除くことおよび濾過体から残存物を除去するために車両の外部の清掃装置を使うことを従来から含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
外部での再生またはリサイクル作業のどちらのためであろうと、濾過体の上流および下流面が迅速に識別されうることが必要である。
【0033】
したがって、ハニカム構造に対してこの識別が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、側面並びに上流および下流面によって境界を画されたハニカム構造を提案しており、上記ハニカム構造は隣接チャネルの1組みを備えており、各チャネルは上流および下流面上に、それぞれ上記上流および下流開口部を介して現れて、チャネルの上記組みは、上流および下流面上にそれぞれ上流および下流パターンを形成する。
【0035】
本発明によれば、該上流面および下流面の少なくとも1つは、上流および下流パターンのいずれかが他方の上に完全に重ね合わされることを不可能にする極性付与マーク(M)を有しており、該上流及び/又は下流パターンの外周囲は対称であるかまたは10未満、または5未満または3未満のチャネルにわたり延在する非対称性を有している。
【0036】
言い換えれば、もし上流パターンと下流パターンとを重ね合わせることが試みられても、以下のようになるこれらのパターンの位置を見つけることは不可能である:
該上流パターンは、如何なる点でも、該下流パターンを超えて突出(project)しない、および、
該下流パターンは、如何なる点でも、該上流パターンを超えて突出(project)しない。
【0037】
本記載の残りにおいて詳細が分かるように、上流および下流面の簡単な1つの観察が、極性付与マークの存在または非存在を検出することを可能にし、したがって、観察された面を素早く確実に識別することを可能にする。
【0038】
加えるに、極性付与マークは、規定によって、ハニカム構造の形状の特徴から生じる。したがって、極性付与マークが、例えばインクの場合のように消去されるリスクはない。
【0039】
上流及び/又は下流パターンの外周囲は、それが非対称のとき、10未満、5未満または3未満のチャネルにわたって延在するところの非対称性を有するという特徴は、もし上記チャネルによって境界を画された外周囲のその部分が考慮されなければ、該外周囲は対称であることを意味している。
【0040】
本発明に従うハニカム構造は、以下の任意的な特徴の1以上を備えうる:
-上流および下流パターンの少なくとも1つは対称軸を有さない。好ましくは、これらのパターンのいずれも対称軸を有さない;
-該極性付与マークは、50未満、30未満、20未満、15未満、10未満、5未満のチャネルまたは単一チャネルにわたって延在する。上記上流及び/又は下流面上の少なくとも1つの極性付与マークの面積は、上記面の面積の10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満を示す;
-該極性付与マークは、ハニカム構造の周辺部上に延在し、またはハニカム構造の周辺部上にもっぱら延在する;
-該極性付与マークは、上記上流および下流面の少なくとも1つから、ハニカム構造の長さ(L)の10%未満、5%未満、2%未満または1%未満、及び/又は0.1%超、0.3%超、0.5%超の深さにわたって延在する;
-該極性付与マークは維持される、すなわち、ハニカム構造が焼結される間、特に後に記載される焼結条件の下で焼結される間に、該極性付与マークは見うるままである;
-該極性付与マークは、1以上のチャネルの特定の形状から生じる。特に、極性付与マークは、特定のアスペクト比から、および特にこれら以外のチャネルのアスペクト比の平均から少なくとも5%、または少なくとも8%、または少なくとも12%異なっているアスペクト比から生じる;
-該極性付与マークは、1以上の開口部の特定の配置、例えば厚さの変化からまたはこの(これら複数の)開口部の端の変形からから生じる;好ましくは、該極性付与マークは、問題のチャネルまたは複数チャネルの開口部内に隅若しくは追加の壁を創り出さない;
-該極性付与マークを形成する該チャネルまたは複数チャネルは、上流及び/又は下流面で、これら以外のチャネルの平均壁厚から少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%違っている平均壁厚を有している;
-該極性付与マークを形成する該チャネルまたは複数チャネルは、上流及び/又は下流面で、これ以外のチャネルの平均開口部面積から少なくとも1%、好ましくは少なくとも20%、少なくとも30%違っている平均開口部面積を有している;
-該極性付与マークを形成する該チャネルまたは複数チャネルは、上流及び/又は下流面で、これ以外のチャネルの外及び/又は内周囲とは異なる外及び/又は内周囲を有する。特に、該チャネル、または極性付与マークを形成しているチャネルのグループのチャネルの少なくとも1つは、これ以外のチャネルとは異なる非対称性を有する;
-該極性付与マークは、ハニカム構造の側面に排他的には備えられないか、または上記側面には備えられない;
-少なくとも1つの断面において、好ましくは任意の断面において、該チャネルは行と列の形に配列され、各中間壁は、波打つ形状を有するチャネルの2つの行または2つの列を分離し、上記断面で測られた非対称度は、好ましくは40%未満、好ましくは30%未満である;
-該ハニカム構造は、一定の断面を有している、すなわち、断面は問題の断面平面が何であろうとも全く同一である。
-単一の極性付与マークが、上流面または下流面に置かれうる。また、2つの異なる極性付与マークが、またそれぞれ上流面および下流面に置かれうる;
-極性付与マークは意味を示す標識、例えば矢印または文字、例えば上流面を示すために文字「E」を形成しうる。
-ハニカム構造の外側へ曝されないチャネルのいずれも、それらは「内部チャネル」と呼ばれるが、上流面または下流面上のどちらでも、これ以外の任意の内部チャネルの開口面積の7%を超え、好ましくは15%を超え、より好ましくは20%を超えて異なる開口面積をもたない。該極性付与マークは、内部チャネルの全てがほぼ同じ面積の開口部を有する場合に特に有用である。開口部の間の小さな差異は、実際には第1チャネルを第2チャネルから区別することを困難にする;
-該ハニカム構造のチャネルのいずれも、上流面または下流面上で、それ以外のチャネルの任意の1つの開口面積の7%を超え、好ましくは15%を超え、より好ましくは20%を超えて異なる開口面積をもたない。
-該チャネル密度は、7.75を超え、15を超え,及び/又は100チャネル未満、または60チャネル未満である(横断領域の毎cm当たり、すなわち上流面または下流面でのcm当たり);
-ハニカム構造中のチャネル数は100を超え及び/又は2000未満である;
-該ハニカム構造は、直通チャネル、すなわち流体の流れを妨げがちなプラグを持たないチャネルのみを備える;
-該ハニカム構造は、柱状外形を有し、その断面は5cmを超え及び/又は40cm未満の面積をもつ;
-該ハニカム構造は、多角形の柱状外形を有し、特に方形または六角形の断面を有し、上記多角形断面の片側の幅は30mmを超え、及び/又は100mm未満である;
-該ハニカム構造は、長手方向対称性を有する少なくとも1つの平面を備える外形を有する。該ハニカム構造は、従来技術の特定の一体型濾過体のハニカム構造の場合のように、丸いまたは楕円形断面の柱状形を特に有し、あるいは、従来技術の特定の単位濾過ブロックのハニカム構造の場合のように、方形断面の柱状形を有する。このタイプのハニカム構造にとって、該上流および下流面の区別は、実際のところ一般的には特につけにくいものである;
-該ハニカム構造は、焼結材料を備え、または焼結材料から構成される;
-該ハニカム構造の材料はセラミックである;
-該ハニカム構造は単一の材料から成る(例えば、組み立てられた単位濾過ブロックの材料とは違った性質の接合セメントによって組み立てられた濾過体とは異なり);
-該極性付与マークは、該ハニカム構造の残りと同じ材料から作られる;
-該ハニカム構造は押し出された構造体である;および
-該ハニカム構造の材料は、10%を超える、好ましくは30%を超える、さらに40%を超える、さらに50%を超える、及び/又は80%未満、または70%未満の総多孔率を有する。
【0041】
1実施態様においては、本発明に従うハニカム構造は、第1と第2の隣接チャネルの瓦状に重なった複数の組を備え、これらチャネルは、断面において、好ましくは規則的なパターン、一層好ましくは市松模様を形成するように配列されている:
-上記第1チャネルの累積総容積は、上記第2チャネルの累積総容積よりも大きい、及び/又は
-該上流および下流面の少なくとも1つの面上の該第1チャネルの開口部の累積総面積は、上記上流および下流面のもう他方の面上の該第2チャネルの開口部の累積した総面積よりも大きい;
-該第1チャネルは、好ましくは一定の第1断面を有し、該第2チャネルは、
好ましくは一定の第2断面を有し、そして該第1断面は該第2断面とは異なっている。
【0042】
「規則的なパターン」は、例え極性付与マークを形成するパターンの領域が他のチャネルとは異なる対称性を有していても、該第1および第2チャネルがお互いに対して同じように常に配置されているパターンである。濾過要素の高さと幅にわたる、該第1と第2チャネルの交互の配列は、それ故に市松模様の形の規則的なパターンを形成する。
【0043】
本発明に従うそのようなハニカム構造は、また1以上の以下の任意的な特徴を有しうる:
-該第1チャネル及び/又は第2チャネルの断面は、上記チャネルに沿って一定である;
-上記第1および第2チャネルは一直線で平行である;
-該第1チャネルの累積総容積Veの該第2チャネルの累積総容積Vsに対する比rは、1.03より大きく、1.10より大きく、1.15より大きく及び/又は3未満、2.5未満、好ましくは2未満である;
-該第1チャネルの累積総内面積の該第2チャネルの累積内面積に対する比r’は、1.03より大きく、1.10より大きく、1.15より大きく及び/又は3未満、2.5未満、好ましくは2未満である;
-該第1チャネルの平均水力直径(すなわち、これらのチャネルの全てにわたる)の該第2チャネルの平均水力直径に対する比は、1.03より大きく、1.10より大きく、1.15より大きく及び/又は1.8未満、1.3未満、好ましくは1.2未満である;
-好ましくは、上流および下流面の少なくとも1つの面上で測られる非対称度は、30%未満、好ましくは20%以下、および一層好ましくは15%以下である;
-上流および下流面の少なくとも1つ、好ましくは上流および下流面の各々は、平坦で一般的な形状を有している。それゆえに、例えば、チャネルは、これらの面の1つに備えられるであろうスロットの底へ開いていない。極性付与マークの存在は、10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満で、該第2チャネルから該第1チャネルを分離している総壁領域を変更する。この領域は、濾過を予定された構造の場合、その領域が第1と第2チャネルとの間であるときは、濾過されるべき流体がそこを通過する領域に対応している。
【0044】
本発明に従うそのようなハニカム構造は、一体型濾過体、または組み立てられた濾過体を形成するように、組み立てられることが予定された単位濾過ブロックの製作に特に使われうる。該第1および第2チャネルは、下流および上流面上でそれぞれ塞がれ、それ故に、それぞれ入口および出口チャネルに成る。「濾過要素」は、一般に本発明に従えば、一体型濾過体または単位濾過ブロックである。
【0045】
本発明に従う濾過要素は、隣接する第1および第2チャネルの、瓦のように部分的に重ねられた組を特に備えることができ、該チャネルは上記濾過要素の上流面から下流面へ延在し、各第1チャネルは上流開口部を介して上流面へ開き且つ下流面で閉塞され、そして各第2チャネルは下流開口部を介して下流面へ開き且つ上流面で閉塞されている。
【0046】
以下に示されるように、プラグは、上流面を下流面から区別するのを容易にするために有利に使われうる。
【0047】
1の特別な実施態様においては、濾過要素の第1チャネルの数は第2チャネルの数とは異なっている。
【0048】
好ましくは、第1チャネルの数は、第2チャネルの数の20%未満、10%未満、5%未満、1%未満だけ異なっている。
【0049】
1の特別な実施態様においては、隣接する第1および第2チャネルの瓦のように部分的に重ねられた組は、上流および下流面の少なくとも1つに、好ましくは上流および下流面に、「不規則」領域と呼ばれる少なくとも1つの領域を除いて、規則的なパターン、好ましくは市松模様を形成する。したがって、この不規則領域においては、該第1および第2チャネルの配列の規則性は中断される。
【0050】
好ましくは、本発明に従う濾過要素は、30未満、20未満、10未満、5未満または2未満、好ましくは唯一の不規則領域を備えている。好ましくは、不規則領域は、30未満、20未満、10未満、5未満または2未満、好ましくは唯一のチャネルを占める。
【0051】
1実施態様においては、不規則領域の創出は1つのチャネルのタイプの反転を引き起こす。規則的なパターンに依存して、その1つのチャネルは、「第2」チャネルである「第1」チャネルでなければならない。市松模様においては、そのような不規則領域は、プラグによって上流および下流面の1つに形成された十字形の、および開口部によって上流および下流面の他方の面に形成された十字形の出現に導きうる。
【0052】
本実施態様においては、不規則領域は、単一チャネル上にのみ延在し、したがって有利には濾過要素の働きを実質的に乱すことはできない。
【0053】
濾過要素は、多角形または丸められた、例えば円形または楕円断面の柱状外形を有しうる。
【0054】
1実施態様においては、不規則領域は、1の内部チャネルを占めうる。
【0055】
濾過要素が、単位濾過ブロックであるときは、不規則領域が周辺チャネルだけに広がることは、しかしながら好ましい。組み立て後にセメントと接触する周辺チャネルは、したがって、内部チャネルの濾過効率よりも低い濾過効率を有する。1以上の周辺チャネルを占める不規則領域を創り出すことは、したがって、組み立てられた濾過体の濾過効率のより小さい低下をもたらす。
【0056】
1の特別な実施態様においては、濾過要素は多角形断面の柱状外形を有し、
かつハニカム構造の側面の少なくとも1つにおいて、周辺チャネルの数は奇数である。
【0057】
したがって、チャネルの交互の閉塞は、2つの上流および下流面の一方のみに、この側面の端での2つの周辺チャネル、すなわちこの側面の2つの隅チャネルの閉塞を生じる。それ故に、上流面を下流面と区別することは容易になる。
【0058】
側面に沿う奇数個の周辺チャネルは、出口チャネルまたは入口チャネルの数よりもそれぞれ大きな数の入口チャネルまたは出口チャネルを生じうる。そのような特徴は、したがって、性能最適化に反すると考えられるであろう。しかし、発明者は、入口および出口チャネルの数の差が、重要ではなく有意な効果を持たないことを発見した。
【0059】
1実施態様においては、ハニカム構造の少なくとも2つの側面にわたって、好ましくはハニカム構造の全ての側面上で、周辺チャネルの数は奇数である。
【0060】
ハニカム構造は、特に、矩形、方形または六角形断面の柱状外形を有しうる。上記断面の1つの側の幅は、特に30mmを超え、及び/又は100mm未満でありうる。
【0061】
本発明はまた、対称軸を有しない市松模様の流れ断面を有する押し出しダイスに関する。
【0062】
市松模様にすることは、ハニカム構造が押し出しによって製造されることを可能にする。そのような市松模様にすることで、対称軸の無いことが、単純な押し出しによって本発明に従うハニカム構造を得ることを可能にする。
【0063】
押し出しダイスはまた、本発明に従うハニカム構造の任意的な1以上の特徴を簡単な押し出しにより得ることができるようにデザインされうる。
【0064】
本発明はまた、本発明に従うハニカム構造の位置決めの工程を含む方法に関しており、本方法においては、上流及び/又は下流面は上記ハニカム構造上の極性付与マークを観察することによって識別され、そして該ハニカム構造は上記識別に従って位置決めされる。
【0065】
位置決めは、ハニカム構造を長手方向に沿って及び/又は該長手方向の周りに配位するように実行されうる。
【0066】
本方法は、特に
-上記ハニカム構造のチャネルを閉塞する方法;
-上記ハニカム構造を清掃する方法、特に残留灰を部分的にまたは完全に除去するために清掃する方法;
-上記ハニカム構造に触媒コーティングを施与する方法;
-周辺コーティング、特に排気ガスに対して不透過性である断熱的コーティングセメントからつくられた周辺コーティングを施与する方法;
-本発明に従うハニカム構造を備えている濾過体を自動車の排気ラインまたはそのような排気ラインとして予定されたケーシングに搭載する方法;
-組み立てられた濾過体を構成するように、本発明に従うハニカム構造を備える複数の単位濾過ブロックを組み立てる方法; 上流及び/又は下流面の識別は、特に大規模工業生産のために、有利には自動化される、
から選択されうる。
【0067】
本発明はまた、排気ガス、特に自動車の内燃エンジンからの排気ガスの汚染制御のための本発明に従うハニカム構造の使用、および熱交換器におけるそのような構造の使用に関する。
【0068】
本発明はまた、次の連続する工程;
a)ハニカムプリフォームを形成するようにダイスを通してセラミックを押し出すこと、および
b)焼結されたハニカム構造を得るために上記プリフォームを乾燥させかつ焼結させること、
を含む、ハニカム構造の製造のための過程に関する。
【0069】
1実施態様においては、ダイスは、本発明に従う押し出しダイスである。この場合、プリフォームは、本発明に従うハニカム構造を構成する。
【0070】
1実施態様においては、焼結前または後に、好ましくは焼結前に、極性付与マークは、材料の変形及び/又は除去及び/又は追加によって備えられる。
【0071】
本発明に従う押し出しダイスの使用は、特定の形成用具、例えばチャネルまたはチャネルのグループを局所的に変形するための用具を使用せねばならないことを避けるので好ましい。さらに、製造工程において追加の工程を要しない。
【0072】
ダイスは、押し出し中に極性付与マークを作り出すようにデザインされた一片のダイスでありうる。
【0073】
1実施態様においては、穴を塞ぐダイス用のフレームまたはクサビは、押し出しの間に極性付与マークを作り出すために、ダイスの下流に配置される。有利には、同じダイスが、それ故に上記穴を塞ぐフレームまたはクサビを備えるか否かに依存して、本発明に従うハニカム構造、または本発明に従わないハニカム構造を製作するために役立つ。
【0074】
本発明に従う方法に従って、本発明に従うダイスによって製作された、焼結されていたハニカム構造のプリフォームは、本発明に従うハニカム構造そのものである。
【0075】
本発明は、濾過要素を製作するための工程に関し、次の連続する工程:
a’)ダイスを通してセラミックを押し出してハニカム構造を形成すること、
b’)上記プリフォームを乾燥および焼結して焼結されたハニカム構造を得ること、
c’)上記焼結されたハニカム構造のチャネルを閉塞して本発明に従う濾過要素をシステム的に得ること、
を備えている。
工程a’)およびb’)は、特にそれぞれ工程a)およびb)でありうる。
【0076】
1実施態様においては、チャネルは焼結工程の前に閉塞されている。
【0077】
本発明に従うハニカム構造は、好ましくは本発明に従う濾過要素の形において、組み立てられた体を製造するために、好ましくは本発明に従う別のハニカム構造と、例えば連続するまたは連続しない継ぎ手を間に入れることによって、組み立てられうる。
【0078】
本発明は、したがってまた、組み立てられた濾過体に関しており、該体は本発明に従う少なくとも1つのハニカム構造を備えることは注目すべきことである。
【0079】
最後に、本発明は、熱交換器、単位濾過ブロック、組み立てられた濾過体および一体型濾過体、特に特別な濾過器をのために意図された一体型濾過体に関連し、これらが、その中に本発明に従う少なくとも1つのハニカム構造を備えることは注目すべきことである。
【0080】
好ましくは、本発明に従う単位濾過ブロック、組み立てられた濾過体または一体型濾過体のチャネルは、上流面でおよび下流面で交互に閉塞されている。
【0081】
1実施形態においては、チャネルは、上流面を介して1つのチャネルに流入してきた流体全体が上記チャネルに隣接するチャネルを介し下流面に流れ去るように、相互に配列されている。
【0082】
組み立てられた濾過体は、本発明に従う1以上の単位濾過ブロックを備えうる。これら単位濾過ブロックの極性付与マークは、同じであっても異なっていてもよい。1実施形態においては、唯一の単位濾過ブロックのみが極性付与マークを有し、そのことによって圧力低下を制限している。
定義
【0083】
チャネルの断面の「水力直径」という用語は、該チャネルの断面積の4倍の、チャネル周囲長に対する比を意味すると理解される。
【0084】
第1及び第2チャネルを備えているハニカム構造の「非対称度」という用語は、該第1チャネルの体積の該第2チャネルの体積に対する比を意味すると理解される。一体型濾過体または組み立てられた濾過体を形成するように組み立てられることが予定された単位濾過ブロックにおいては、該第1および第2チャネルは、特にそれぞれ入口チャネルおよび出口チャネルに対応しうる。
【0085】
「アスペクト比」という用語は、4π×断面積/(周囲長)の平方根を意味すると理解される。
【0086】
「チャネルの外周」という用語は、ある断面において、このチャネルの外側境界(該チャネルの軸に相対的な)を規定する線を意味すると理解される。「チャネルの内周」という用語は、ある断面において、このチャネルの内容積の境界を規定する線を意味すると理解される。
【0087】
同様に「ハニカム構造の外周」という用語は、ある断面において、この構造の外境界を規定する線を意味すると理解される。
【0088】
チャネルの集合の「平均開口部面積」という用語は、この集合のチャネルの開口部面積の平均を意味すると理解される。
【0089】
別に指示されない限り、全ての平均は算術平均である。
【0090】
切断平面は、ある構造の長手方向に垂直な平面である。ハニカム構造においては、そのチャネルは全て平行であり、切断平面はこれらチャネルの方向に垂直な平面である。
【0091】
長手方向平面は、長手方向(図におけるC−CまたはD−D)を含む平面である。
【0092】
「備える」という表現は、別の指示がなければ「少なくとも1つ備える」を含んでいると理解されるべきである。
【0093】
添付した図面を参照して与えられた以下の記載は、本発明の利点がより良く理解され評価されることを可能にするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】組み立てられた濾過体の概略の斜視図である。
【図2】図1に示された組み立てられた濾過体の単位濾過ブロックの概略の斜視図である。
【図3】一体型濾過体の概略の斜視図である。
【図4】図1に示された組み立てられた濾過体の缶詰め後の、断面Pにおける長手方向中央断面の概略図である。
【図5】従来技術に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図6】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図7】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図8】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図9】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図10】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図11】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図12】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図13】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図14】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図15】本発明に従う上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の一部分の概略図である。本パターンのこれらの部分の位置は、図2の符号a、bで参照されている。
【図16】本発明以外のハニカム構造の上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の概略図である。
【図17】本発明に従うハニカム構造の上流パターン(添字aのある図)および下流パターン(添字bのある図)の概略図である。
【0095】
これら限定する意図のない図面においては、様々な要素が必ずしも同一のスケールでは描かれていない。参照符号は様々な図面において同一または類似の要素を指すために使われている。
【0096】
図面を明確にするために、表示されたチャネルの数は、商用で入手しうる従来の濾過ブロックまたは濾過体のチャネル数に比べて非常に少ない。
【発明を実施するための形態】
【0097】
ハニカム構造
【0098】
ハニカム構造の極性付与マークは、その前方から見られる上流または下流面の1つを観測することによって、すなわち、図1および3においては、ハニカム構造の長手方向軸C−Cに沿う(または図2の軸D−Dに沿う)これらの面を観察することによって見ることが可能である。
【0099】
図1から4までは、前置きとして記載されてきた。これ以下の図は、単位濾過ブロックの上流または下流パターンの様々な例を提供しており、ここで説明される。これらの例は、「並列パイプブロック」と呼ばれる四角形ベースの柱状単位濾過ブロックに関しており、該ブロックは上述したように濾過体を形成するように組み立てられることが予定されている。しかし、本発明はそのようなブロックに限定されるものではない。
【0100】
図5から15は、図2に示されるような単位濾過ブロック(11)に関する。該単位濾過ブロックは、隣接した入口チャネル(18e)および出口チャネルの(18s)の集合を備えており、該チャネルは任意の入口チャネルによって濾過されたガスの全体が上記入口チャネルに隣接する出口チャネルに入っていくように、相互に対して配置されている。それ故に、別の入口チャネルに開いている1以上の入口チャネルの領域はなく、そのような領域は濾過のためには使用できない。ハニカム構造の所与の体積に対する利用可能な濾過領域(すなわち、入口チャネルの壁の使用できる領域)は、それによって最適化される。
【0101】
入口チャネル(18e)および出口チャネル(18s)は、単位濾過ブロックの長さLにわたって並列かつ真っ直ぐである。それらは全てこの長さLにわたって一定の断面を有している。有利には、単位濾過ブロック(11)を製造するのに適したハニカム構造体を押し出しによって製造することが可能である。したがって、上流および下流パターンは、ここでは単位濾過ブロック(11)の断面に対応し、観察者はこれら断面のそれぞれ上流または下流側から観察している。
【0102】
入口チャネルおよび出口チャネルの集合は、断面において市松模様を形成するように相互に瓦のように重ねられ、この市松模様においては、ページの高さ方向において、かつページの幅方向において、上記入口チャネルは上記出口チャネルと交互になっている。
【0103】
入口チャネルは、残留物を貯めるのに利用可能な容積を増やすために、出口チャネルよりも大きな断面を有している。有利には、このことによって濾過器の清掃の頻度が下げられる。
【0104】
この目的のために、入口チャネルの壁は、出口チャネルの総容積の犠牲において入口チャネルの総容積を増やすために「変形」される。例えば、これらの壁は、入口チャネルに面する側で凹にされ、入口チャネルに隣接する出口チャネルに面する側で凸にされうる。
【0105】
複数のチャネルの2つの水平行(行19)または2つの垂直行(列20)をそれぞれ分離している中間壁(42,44)は、(垂直方向はシートの側端によって規定されている)それ故に、断面において揺れているまたは「波状の」形を有し、中間壁は、チャネル幅にわたりほぼ半波長で揺れている。波の「長さ」という用語は、スロープの変動と同じ意味で、同一の高さに位置する、この波の2つの点を分離している間隔をいう。周期的な波の場合には、この波の「長さ」は「周期」と呼ばれる。
【0106】
好ましくは、波は周期的であるけれども、波の振幅は一定または変化しうる。好ましくは、この振幅は一定である。また、好ましくは、波は正弦的形状を有し、その半周期は、チャネルの配列のピッチ「p」(図5b参照)または隣接する円弧の連続(各弧はピッチ「p」に等しい長さを有している)に等しい。
【0107】
最後の好ましいこととして、水平にまたは垂直に延在している単位濾過ブロックの全ての中間壁(42)が、断面において同じ波の形を有している。
【0108】
波状の構造の「非対称度」は、その波の振幅「h」のその波の半波長に対する比を示す。すなわち、周期的波の場合、振幅「h」の半周期に対する比である。好ましくは、非対称度は、40%未満、好ましくは30%未満、好ましくは20%未満、さらに好ましくは10%以下である。有利には、煤の蓄積後の単位濾過ブロックによって誘起された圧力低下は、それ故に実質的に低減され、したがって濾過体の再生の頻度は小さくされる。
【0109】
チャネルのこの非対称構成によって、入口チャネルの累積総容積は、出口チャネルの累積総容積よりも大きく、そして上流面での入口チャネルの開口部の累積総面積、すなわちこれらの開口部の面積の総計は、下流面上の出口チャネルの開口部の面積の総計よりも大きい。
【0110】
しかし、最適効率のためには、入口チャネルの累積総容積Veの出口チャネルの累積総容積Vsに対する比r、または入口チャネルの累積総内面積の出口チャネルの累積内面積に対する比r’は、好ましくは1.03より大きく、1.10より大きく、1.15より大きく及び/又は3未満、2.5未満、好ましくは2未満である。
【0111】
図5aおよび5bのように、入口チャネルの開口部形状が出口チャネルの開口部形状に近いとき、上流および下流面を識別することは困難であろう。その場合、極性付与マークMは特に有用である。
【0112】
示された多様な実施態様において、いかなる上流パターンも下流パターンも対称軸をもたない。したがって、上流および下流パターンが重ね合わされることは不可能である。
【0113】
極性付与マークMは、1以上のチャネルにわたって延在しうる。特に、極性付与マークMは、50を超えない、30を超えない、20を超えない、10を超えない、または5をこえないチャネルにわたって、または単一チャネルにわたってさえ延在しうる。したがって、有利には、該マークは、濾過体を通るガスの流れおよび特に濾過体を通りぬけることによって引き起こされる圧力低下に、影響を与えないかまたは実質的に影響を与えない。
【0114】
極性付与マークMは、周辺チャネルのグループから、隅チャネルのグループからおよび内部チャネルのグループから、排他的に選ばれた1以上のチャネルにわたって延在しうる。1実施態様においては、極性付与マークは、周辺チャネルのグループから排他的に、または隅チャネルのグループから排他的に、選択された1以上のチャネルにわたって延在している。好ましくは、極性付与マークは、単一の周辺チャネルまたは隅チャネルにわたって延在している。
【0115】
もし極性付与マークが1つの隅チャネル上に備えられるときは、単位濾過ブロックがこの隅の二等分線に対してそれ自身対称であるならば、極性付与マークはこの隅の二等分線に対して対称であってはならない。このことが、示された実施態様(これは方形断面の単位濾過ブロックに関するものである)において、該極性付与マークが隅チャネルになぜ備えられなかったかの理由である。
【0116】
極性付与マークMをハニカム構造の周辺部および特にこの構造の1の隅チャネルに置くことは、有利にこの構造の製作を容易にする。穴を塞ぐクサビまたはフレームは実際に、押し出し中に極性付与マークを創るために押し出しダイス上に容易に配置されうる。
【0117】
図16aおよび16bは、本発明に従うハニカム構造の下流面を示している。このハニカム構造の外周は非対称であるので、確かにこの構造は極性付与マークを有している。しかし、この極性付与マークは10を超えるチャネルにわたって延在している。
【0118】
対照的に、図17aおよび17bにおいては、極性付与マークは10未満のチャネルにわたって延在している。これらの図においては、問題のチャネルは破線で囲まれている(囲みC)。
【0119】
極性付与マークは、1以上のチャネルの特別な形状から導かれうる。特に、それは特別なアスペクト比から、中でも、他のチャネルのアスペクト比の平均と少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも8%、または少なくとも12%は異なるアスペクト比から導かれうる。
【0120】
極性付与マークは、1以上の入口開口部及び/又は出口開口部の特別な構成、例えば厚さの変化から、または特にこの若しくはこれらの開口部を狭くし若しくは広げることによるプリフォームの変形から導かれうる。
【0121】
好ましくは、極性付与マークを創り出することは、問題の1チャネルまたは複数チャネルの開口部に追加の隅を創り出すことではない。それとは反対に、極性付与マークは、問題の1チャネルまたは複数チャネルの開口部の隅を、例えばこの開口部を環状化することによって取り除くことから導かれうる。図6aおよび6bに示されるように、円形開口部または少なくとも部分的に丸められた端は、特に極性付与マークを構成しうる。有利には自動車用濾過器のための応用においては、この構成は使用中に濾過体の受ける熱機械応力を変更しないまたは低減さえもしない。
【0122】
1実施形態においては、極性付与マークを形成するチャネルまたはチャネルの集合は、上流面及び/又は下流面で、それ以外のチャネルの平均壁厚と少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%違う平均壁厚を有している。
【0123】
1実施形態においては、極性付与マークを形成するチャネルまたはチャネルの集合は、上流面及び/又は下流面上に、それ以外のチャネルの平均開口部面積と少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、または少なくとも30%違う平均開口部面積を有している(図8aおよび8bを見よ)。
【0124】
1実施形態においては、1チャネルの開口部の変形は、図8aおよび8bまたは図14aおよび14bのように、隣接チャネルの開口部の変形に対応している。断面が一定であるとき、2つ(上流および下流)のパターンは、極性付与マークの提供によって影響される。同じことがハニカム構造の側壁上に備えられた極性付与マークに対しても妥当する(図7aおよび7b)。
【0125】
極性付与マークは、問題のチャネルに、材料を加えること(例えば図9aおよび9bを見よ)、例えば仕切りを追加することによって(図10aおよび10b)、または材料を取り除くことから導かれうる。
【0126】
極性付与マークは、図7aおよび7bに示されるように、ハニカム構造の外周囲の変更からも導かれうる。しかし、極性付与マークは、この周辺の変更から導かれない、または、その変更のみによっては導かれないことが好ましい。換言すれば、極性付与マークは、ハニカム構造の側面(13)上に排他的には与えられない。
それ故に、もしこの側面が変更され、特に周辺コーティングまたは接合セメントを施与することによって変更されるときは、極性付与マークは可視のままである。
【0127】
1実施形態においては、極性付与マークを形成するチャネルまたはチャネルの集合は、上流面及び/又は下流面上に、これ以外のチャネルの外周囲及び/又は内周囲とは異なる外周囲及び/又は内周囲を有している。特に、チャネル、または極性付与マークを形成するチャネルの集合の少なくとも1つのチャネルは、非対称性またはそれ以外のチャネルからそのチャネルを区別する形状を有している。図15aおよび15bは、ハニカム構造の方形断面のチャネルの形状で極性付与マークを備える説明的な例、(ハニカム構造は波打つチャネルのみを備える)を示している。
【0128】
勿論、ここで記載した様々な実施態様は、任意的に組合せられうる。
製作過程
【0129】
本発明に従うハニカム構造は、現在採用されている全ての技術によって製作されうる。
【0130】
1実施形態においては、ハニカムプリフォームは、押し出し後、特定の工程の間にマーク付けされる。例えば、プリフォームの1以上のチャネルは、局所的に押し潰され、締め付けられまたは大きくされうる。有利には、極性付与マークの付加は、追加的な材料の消費を要しない。さらに、極性付与マークは局所的でありえて、例えば1以上の入口チャネルの開口部にわたってのみ延在しうる。極性付与マークをハニカム構造に付加するために、その全長にわたってハニカム構造を変更することは必要ではない。
【0131】
1実施形態においては、極性付与マークは、プリフォームが焼結された後に、例えば、機械加工によって創り出される。特に、ハニカム構造の隅または縁を面取りすることが可能である。
【0132】
好ましくは、上記の工程a)およびb)は、本発明に従う押し出しダイスを使って実行されうる。ハニカム構造は一定断面を有し、そして極性付与マークは、プリフォームと同じ材料から作られる。有利には、このことはそれ故に、特定の成形道具を使わねばならないことを回避する。さらに、この過程は、製造過程において追加的な工程を必要とせず、このことは特にレーザー切除による模様付けを含む過程に関して特に有利である。さらにレーザー切除の技術は高価である。
【0133】
最後に、押し出しダイスは、押し出しの間に極性付与マークを作るために、従来のダイスを使って、ダイスの下流に、穴を塞ぐフレームまたはクサビを置くことによって、有利に容易に製作されうる。
【0134】
ステップa)およびb)は、従来のハニカム構造を製造するために通常実行される。これらのステップは、例えば、特許出願、欧州特許第816065、欧州特許第1142619、欧州特許第1455923、国際公開公報2004/090294または国際公開公報2005/063462に記載されている。焼結条件は使用された材料によって適合化せられる。
【0135】
焼結温度は、好ましくは1300℃を超え、好ましくは1600℃を超え、好ましくは1800℃を超え及び/又は2400℃未満、好ましくは2350℃未満である。
濾過体への適用
【0136】
本発明に従うハニカム構造は、特に、一体型濾過体、または組み立てられた濾過体を形成するために組み立てられることが予定された濾過ブロック、を製造するのに有用である。
【0137】
この目的のために、特定チャネルの開口部は、入口チャネルを構成するために下流面上で閉塞されねばならず、そしてそれ以外のチャネルの開口部は、出口チャネルを構成するために上流面上で閉塞されねばならない。閉塞する操作は、閉塞されるべきチャネルの種類に従って、特にその断面またはその形状に依存して、過程を変更する必要がありうる。その結果、上流および下流面を識別できることが必要である。
【0138】
この識別は、入口チャネルの開口部が出口チャネルの開口部に似ているときは、困難でありうる。
【0139】
濾過体の大量生産のための現代的過程においては、カメラがこの識別のために使われている。そのような識別器具は、しかしながら高価であり追加のステップを要する。
【0140】
さらに、もし入口チャネルの開口部形状と出口チャネルのそれとの間の違いが辛うじて認知可能であるときは、識別エラーが生じうる。
【0141】
最後に、押し出し工程の可変性は、識別エラーをも生み出しうるチャネルの形状における変化を導く。このような識別エラーは、チャネルの間違った開口部が閉塞されることを結果し、または低品質のプラグが製造されることになる。したがって濾過体はスクラップにされなければならない。本発明に従うハニカム構造の極性付与マークは、したがって特に有用である。
【0142】
1実施形態においては、ハニカム構造体の一部分は、例えば、一酸化炭素(CO)、HCまたはNOxタイプの汚染ガスの取り扱いに適合した触媒コーティングまたは洗浄被膜で被覆される。例えば、最適な性能のために、洗浄被膜は、チャネルの部分を規定する表面に対してのみ、例えば濾過体の入口チャネルを規定する表面にのみ施与されうる。洗浄被膜の施与の間に、ハニカム構造の面を識別することは、したがって必要である。本発明に従うハニカム構造は、この目的のためによく適合する。
【0143】
濾過体が排気ライン上に搭載されねばならないとき、該濾過体は、濾過されるべき若しくは汚染制御されるべきガスの流れに対して、適切に配向されることもまた重要である。不適合な圧力低下または蓄積煤および残留物の不適合な体積のリスクはそれ故に制限させる。再生制御誤差および燃料の過剰消費のリスクもまた制限される。
【0144】
上で説明したように、極性付与マークは、好ましくは、濾過体の外周囲の変更のみから導かれるのではない。それは、濾過体の側面にのみ施与されたマークと異なり、周辺コーティングをこの側面へ施与することによって消去されまたは見えなくされたりするリスクがない。
【0145】
この特徴は、缶が排気ライン上に搭載される前に濾過体が缶内に置かれるときに、特にその缶が濾過体を通る排気ガスの流れの方向を識別出来うる指示物も持たないときに、また有利である。
【0146】
本発明に従う濾過体の極性付与マークは、それ故に、洗浄被覆、周辺コーティングまたは缶による濾過体の側面のマーク付けを有利に許容する。極性付与マークはそれ故に、下流面から上流面を識別するための信頼しうる手段を構成する。
【0147】
本発明に従うハニカム構造は、組み立てられた濾過体の製造を行うという場合には、また特定の優位性を有している。
【0148】
好ましくは、極性付与マークは、組み立てられた濾過体の単位濾過ブロックの外周囲を変更することからだけでは、生じるのではない。したがって、接合セメントの施与による組み立て作業の間にマスクされるリスクはない。単位濾過ブロックを接合している間、単位濾過ブロックの全ての入口面は、同じ側に置かれねばならない。極性付与マークは、位置決め誤差のリスクを効率的に減らすこと可能にする。
【0149】
1実施形態においては、極性付与マークは、ハニカム構造の特定の領域、例えば単位濾過ブロックの1以上の面が識別されるのをまた許すようにデザインされる。この実施態様は、単位濾過ブロックが長手方向に沿うのではなく、それ以外の他の方向に沿うように向けられねばならないとき、特に有用である。何故なら、例えば、単位濾過ブロックの1の特定の側面が、他の単位濾過ブロックの別の特定の側面へ接合されるために識別されねばならないからであり、また、接合されるべき単位濾過ブロックの側面の領域のみを区別する必要があるためだからである。この実施態様においては、極性付与マークは、長手方向軸の周りの角度位置が識別されることを可能にする。
【0150】
好ましくは、単位濾過ブロックの組み立ての間、チャネルが接合セメントによって閉塞されることを防止するために、一方それでも極性付与マークは観察されうるために、透明なマスクがこれらのブロックの上流および下流面へ施与される。
【0151】
今や明確に明らかなように、本発明に従うハニカム構造は、極性付与マークを有しており、該極性付与マークは、濾過体への適用においては、使用にあたって消えることはない。外部での洗浄作業、特に部分的または完璧に残留灰を除去するための作業およびリサイクル作業はこの極性付与マークによって容易にされる。
【0152】
さらに、好ましい実施態様においては、濾過体の側面への接合セメントのまたは周辺コーティングの施与の場合に、または濾過体の缶との一体化、特に自動車の排気ライン上に搭載される場合にも、極性付与マークは見え続ける。
【0153】
勿論、本発明は、例として記載されかつ与えられた実施態様に限定されない。特に、チャネルは必ずしも方形断面をもつ必要はない。
【0154】
別の実施態様においては、隣接する入口チャネルおよび出口チャネルは、任意の1の入口チャネルによって濾過されたガスの全てが、上記入口チャネルに隣接する出口チャネルを通過するように、お互いに対して配列されない。
【符号の説明】
【0155】
1 微粒子濾過器
3 一般的な(円柱状)濾過体
5 金属缶
11 単位濾過ブロック
12 継ぎ手
13 ハニカム構造の側面
14 プリフォームの側面(側壁)
18 隣接チャネル
18e 入口チャネル
18s 出口チャネル
18i 内側チャネル
18p 周辺チャネル
18p’ 側方チャネル
18p” 隅チャネル
22 隣接チャネルの側壁
24e 上流開口部
24s 下流開口部
26e 上流面
26s 下流面
30s 上流プラグ
30e 下流プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する複数のチャネルの1組を備えるハニカム構造(3;11)であって、各チャネルは上流面(26e)と下流面(26s)とにそれぞれ上流開口部(32e)と下流開口部(32s)とを介して現れて、前記チャネルの1組は前記上流面と下流面とにおいてそれぞれ上流パターンと下流パターンとを形成している該ハニカム構造において、
該上流面および下流面の少なくとも1つは、50未満のチャネルにわたり延在しかつ上流および下流パターンのいずれかが他方の上に完全に重ね合わされることを不可能にする極性付与マーク(M)を有しており、該上流及び/又は下流パターンの外周囲は対称であるかまたは10未満のチャネルにわたり延在する非対称性を持っていることを特徴とする、ハニカム構造。
【請求項2】
該上流および下流パターンの少なくとも1つは対称軸を持たない、請求項1に記載のハニカム構造。
【請求項3】
該誤り防止マーク(M)は10未満のチャネルにわたり延在している、請求項1または2のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項4】
該誤り防止マーク(M)はハニカム構造の周辺部へ延在している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項5】
該誤り防止マーク(M)は、該複数チャネルの1または1を超える開口部の特定の配置から生じる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項6】
該誤り防止マークを形成している該チャネルまたは複数チャネルは、
それ以外のチャネルのアスペクト比の平均から少なくとも5%違うアスペクト比、及び/又は、
該上流及び/又は下流面で、それ以外のチャネルの平均壁厚から少なくとも10%違う平均壁厚、及び/又は、
該上流及び/又は下流面で、それ以外のチャネルの平均開口部面積と少なくとも10%違う平均開口部面積、及び/又は、
該上流及び/又は下流面で、区別しうる非対称性
を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項7】
前記ハニカム構造は、1の側表面(13)を有し、且つ該誤り防止マークは前記側表面に以外にも備えられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項8】
焼結された材料を備え且つ長手方向対称性をもつ少なくとも1つの平面をもつ外形を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項9】
方形断面の柱状外形を有するハニカム構造であって、前記断面の幅は30mmを超えるが100mm未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項10】
第1および第2の隣接チャネルが瓦のように部分的に重ねられた組みを成して、断面において市松模様を形成するように交互に配列されており、
該第1チャネルの累積総容積Veの該第2チャネルの累積総容積Vsに対する比rは、1.03より大きく、しかし3未満である、及び/又は、
該第1チャネルの累積総内部面積の該第2チャネルの累積内部面積に対する比r’は、1.03より大きく、しかし3未満である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項11】
該チャネルの該壁は、該第1チャネルの側で凹であり、該第2チャネルの側で凸である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項12】
いずれかの断面において、チャネルの2つの行または2つの列を分離している各中間壁は、前記断面において計測された該非対称度が30%未満である、波立つ形状を有している、請求項1〜11のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項13】
多角形断面の柱状外形を有し、かつ前記ハニカム構造の側面の少なくとも1つの上で、周辺チャネルの数は奇数であるような、請求項1〜12のいずれか1項に記載のハニカム構造。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のハニカム構造の位置を決定するステップを含む方法であって、該方法が
前記ハニカム構造の該チャネルを閉塞する方法、
部分的にまたは完全に残留灰を除去するように前記ハニカム構造を清掃する方法、
前記ハニカム構造に触媒コーティングを施与する方法、
周辺コーティング、特に排気ガスに対して非透過性の断熱コーティングセメントで作られた周辺コーティングを施与する方法、
自動車の排気ラインにまたはそのような排気ラインのために予定された濾過体のケーシングに、前記ハニカム構造を備える濾過体を搭載する方法、
複数の単位濾過ブロックを組み立てる方法、ここで前記単位濾過ブロックの少なくとも1つは、組み立てられた濾過体を構成するように、前記ハニカム構造を備えている、
から選択され、
入口及び/又は出口面は、該ハニカム構造上の誤り防止マークを観察することおよび前記識別に従い前記ハニカム構造の位置決めを行うことによって識別される、前記方法。
【請求項15】
熱交換器、単位濾過ブロック、組み立てられた濾過体および一体型濾過体から選択されたデバイスであって、該デバイスは請求項1〜13のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの焼結されたハニカム構造を備えることを特徴とする、前記デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17a】
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【図17b】
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【公表番号】特表2012−532742(P2012−532742A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519113(P2012−519113)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053160
【国際公開番号】WO2011/004351
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511104875)
【Fターム(参考)】