説明

ミシンの糸巻き装置

【課題】 ミシンの糸巻き装置における部品点数の低減を図り簡易な構成とする
【解決手段】 ミシンの糸巻き装置は、ミシンモータ35により回転する駆動プーリ27と、この駆動プーリ27から動力を受けて回転する主軸14と、駆動プーリ27が正転する際にのみ主軸14に回転力を伝達するワンウェイクラッチ機構Cと、下糸ボビンbを回転方向において係止し得るように保持する保持部を上端部に備えると共に下端部に駆動車輪7を固定して成り、該駆動車輪7が駆動プーリ27に当接される糸巻き位置と駆動プーリ27より離間する初期位置との間を移動可能に設けられた糸巻き軸6と、この糸巻き軸6が初期位置にあるか否かに応じて所定の電気信号を送出するマイクロスイッチ23と、糸巻き軸6が糸巻き位置にある際にミシン1を起動したときに、ミシンモータ35を逆転させる正逆回転制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシン主軸を回転させるミシン駆動源の駆動力を用いてミシンの下糸ボビンに下糸を捲装させるミシンの糸巻き装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ミシン主軸の回転力を駆動源としてボビンに下糸を巻くミシンの下糸巻装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このミシンの下糸巻装置は、ミシンモータの駆動により回転する駆動プーリと、該駆動プーリを正転させたときはミシン主軸に回転を伝達し逆転させたときにはミシン主軸に回転を伝達しないワンウェイクラッチ機構と、ボビンを回転方向において係止し得るように保持する保持部を上端部に備えると共に下端部に駆動車輪を固定して成り、前記駆動車輪が駆動プーリに当接する糸巻き位置と駆動プーリより離間する初期位置との間を移動可能に設けられた糸巻き軸と、この糸巻き軸が初期位置にあるか否かに応じて所定の電気信号を送出する検出センサと、糸巻き軸が糸巻き位置から初期位置に達した時点で前記検出センサからの電気信号を受けてミシンモータを停止すると共に、このミシンモータの停止に同期してワンウェイクラッチ機構を作動させて駆動プーリとミシン主軸とを連結させる制御手段とを備えている。
上記ワンウェイクラッチ機構には、駆動プーリの一端面の中央部から突出する第一ボス部に一端が外挿され他端がミシン主軸の一端に固定されたはずみ車から前記第一ボス部に対向するように突出された第二ボス部に外挿されるコイルばねと、該コイルばねを内部に遊挿する筒状のばね受けとが設けられている。そして、コイルばねの一端は外側に折り返されてばね受けの内周側に設けられた係止部に係止され、コイルばねの他端は内側に折り返されて第二ボス部の外周に設けられた係止部に係止されている。
【0003】
上記構成において、ミシンモータが駆動されると、タイミングベルトを介して駆動プーリが回転し、第一ボス部の外周に密接されたコイルばねが該第一ボス部との摩擦により捻られ、巻き方向に対してさらに緊縛されることとなる。これにより、駆動プーリと共にコイルばね及びばね受けが回転することとなり、コイルばねの他端側を介してはずみ車及びミシン主軸に回転が伝達される。
また、糸巻きを行う際は、糸巻き軸にボビンを装着した状態で該糸巻き軸を糸巻き位置に移動させる。これに伴い、検出センサのスイッチがONとなり、ソレノイドが駆動されてばね受けの外周に設けられた爪部の回転軌道上に係止部材が係合される。この状態でミシンモータを駆動すると、タイミングベルト、駆動プーリ及びコイルばねを介してばね受けが回転することとなるが、上述した係止部材が爪部に係止される位置まで回転するとばね受けの回転が規制される。すると、一端が当該ばね受けによって係止されているコイルばねには捻り方向とは逆向きすなわち当該コイルばねの径が拡開する方向に力が作用する。これに伴い、コイルばねに対して駆動プーリの第一ボス部が空転し始め、ミシン主軸には回転が伝達されず駆動プーリのみが空転する。そして、該駆動プーリに当接する駆動車輪から糸巻き軸に回転が伝達され、ボビンに糸が巻きつけられるようになっている。
【特許文献1】特公平7−32830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるミシンでは、糸巻きに際して上軸の回転を防止するための複雑なクラッチ機構が必要となり、部品点数の増加を招くと共にコスト高であるという問題があった。
【0005】
本発明は、ミシンの糸巻き装置における部品点数の低減を図り簡易な構成とすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ミシンの駆動源により回転する回転体と、前記回転体から動力を受けて回転し針を上下に移動する主軸と、前記回転体が所定方向に回転する際にのみ主軸に回転力を伝達するワンウェイクラッチ機構と、ボビンを回転方向において係止し得るように保持する保持部を上端部に備えると共に下端部に駆動車輪を固定して成り、前記駆動車輪が前記回転体に当接される糸巻き位置と回転体より離間する初期位置との間を移動可能に設けられた回転軸とを備えるミシンの糸巻き装置において、前記回転軸が初期位置にあるか否かに応じて所定の電気信号を送出する検出手段と、前記回転軸が糸巻き位置にある際にミシンを起動したときに、前記駆動源を逆転させる正逆回転制御手段とを備えることを特徴とするミシンの糸巻き装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ワンウェイクラッチ機構は、一端が前記回転体の一端面から突出する第一ボス部に外挿され他端が前記主軸の一端に固定されたはずみ車から前記第一ボス部に対向するように突出された第二ボス部に外挿される伝達部材を備え、前記伝達部材は、前記回転体が前記所定方向に回転する際の回転力により小径となる方向に巻かれたコイルばねを備えることを特徴する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ワンウェイクラッチ機構により、回転体が逆方向に回転する際には該回転体と主軸との連結が解除され、主軸には回転が伝達されない。また、正逆回転制御手段により、回転軸が糸巻き位置にある際にミシンが起動されたときには、ミシンの駆動源を逆転させるように切換える制御が行われる。そして、駆動源が逆転する際には回転体もまた逆方向に回転される。つまり、正逆回転制御手段を設けたことにより、回転体と主軸との連結を解除するために他の特別な部材を必要とすることが無く、ワンウェイクラッチ機構の部品点数を従来よりも減少させることができる。これにより、ミシンの糸巻き装置を従来よりも簡易な構成とすることができ、コストの低減が図られる。
さらに、回転軸が糸巻き位置に配置されると、逆回転する回転体に駆動車輪が当接されることでボビンが回転して糸巻きが行われるが、かかる糸巻きの際には回転体と主軸との連結が解除されているため、糸巻き開始の時点から主軸を一切回転することなく糸巻きを実行することができる。すなわち、ミシンの駆動源を用いて糸巻きのみを実行することが可能となる。これにより、ユーザが意図した動作のみを実現させることができるため、ミシンの操作性の向上が図られるという効果も得ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、ワンウェイクラッチ機構は、所定方向に回転する回転体の回転力により小径となる方向に巻かれた伝達部材としてのコイルばねにより回転体から主軸に動力を伝達する。また、回転体が逆転した際には、コイルばねの径が拡大する方向に力が作用することにより回転体が空転するため、主軸に動力が伝達されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1から図7を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、本実施形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてミシン1の各部の方向を定めるものとする。ミシン1を水平面に設置した状態において、Z軸方向は鉛直方向となる上下方向を示し、Y軸方向はミシンアーム部11の長手方向と一致する左右方向を示し、X軸方向は水平且つY軸方向に直交する前後方向を示す。
【0011】
(全体構成)
図1〜図7に示すように、本実施形態におけるミシン1は、該ミシン1の駆動源たるミシンモータ35(図3及び図6参照)により回転する回転体である駆動プーリ27と、この駆動プーリ27から動力を受けて回転する主軸14と、前記駆動プーリ27が所定方向に回転する際にのみ主軸14に回転力を伝達するワンウェイクラッチ機構Cと、下糸ボビンb(ボビン)を回転方向において係止し得るように保持する保持部を上端部に備えると共に下端部に駆動車輪7を固定して成り、この駆動車輪7が駆動プーリ27に当接される糸巻き位置と回転体より離間する初期位置との間を移動可能に設けられた回転軸たる糸巻き軸6と、この糸巻き軸6が初期位置にあるか否かに応じて所定の電気信号を送出する検出手段たるマイクロスイッチ23と、糸巻き軸6が糸巻き位置にある際にミシン1を起動したときに、ミシンモータ35を逆転させる正逆回転制御手段たる制御部30(図6参照)とを備えている。以下、各部を詳しく説明する。
【0012】
図1及び図2は本実施形態における各動作機構を示す図である。
図において、Aは下糸ボビンbを回転させる回転軸6を図7(a)に示す初期位置から図7(b)に示す糸巻き位置まで移動させる回転軸移動機構を示す。
かかる回転軸移動機構Aにおいて、1はミシンアームMの上方にねじ2,3にて着脱可能に取り付けられる基台、4はこの基台1の下面に軸ねじ5にて回動可能に取り付けられた回動腕で、この回動腕4の一端部に形成された軸受部4aには回転軸6が回動自在に嵌挿・保持されている。
【0013】
回転軸6は前記基台1に形成された長孔1aに遊挿されており、この長孔1aより上方へ突出する部分には、図1に示す下糸ボビンbを回転方向において係止し得るよう保持する保持部6aが形成される一方、回動腕4より下方へ突出する部分には外周部を環状のゴムにて形成した駆動車輪7が固着されている。また、8は前記基台1の下面に前記軸ねじ5にて回動自在に支持された係止板であり、この係止板8はその先端部と基台1との間に介在させた圧縮ばね9により図7(底面図)中、時計方向に付勢されている。
【0014】
また、10は前記基台1に回動可能に嵌挿された軸11の上端に固着した糸巻きレバー、12は前記軸11の下端に取り付けられ、前記糸巻きレバー10と一体に回動する回動体である。この回動体12には、その係合凸部12aが前記係止板8と常時当接しており、所定の回動位置において係止板8に形成された切欠溝8aと嵌合するようになっている。なお、13は前記回動腕4と係止板8との間に介在させた圧縮ばねであり、回動腕4のがたつきを防止し得るようになっている。
【0015】
20は軸11を介して糸巻きレバー10と一体に回転する回動体12に、ねじ21,22により固着したスイッチ作動部材であり、外方へ突出する押圧部20aを有する。23は基台1の下面に固着したマイクロスイッチであり、前記糸巻きレバー10が所期位置にあるとき作動部23aが前記スイッチ作動部材20の押圧部20aに押圧されてONとなり、所定の電気信号を送出する一方、糸巻きレバー10が糸巻き位置にあるときOFFとなるものであり、このマイクロスイッチ23とスイッチ作動部材20とにより検出手段Bが構成されている。
【0016】
24は主軸14にストップモーションねじ16にて固着されるはずみ車である。このはずみ車24には、ミシンフレームの内部側に面した端部のほぼ中央部から突出する円筒状の第二ボス部たるボス24aが設けられている。25はボス24aの外周面に遊挿(外挿)される円筒状のばね受けである。このばね受け25の内周面と前記ボス24aの外周面との間隙には本実施形態における伝達部材たるコイルばね26が挿入されており、コイルばね26の両端部は、それぞればね受け25とボス24aとに係止されている(図4及び図5参照)。27は主軸14に回動自在に挿通した前記はずみ車24とは別体の駆動プーリであり、タイミングベルト28を介して駆動源としてのミシンモータ35(図3及び図6参照)に連結されている。なお、縫製時には、ミシンモータ35の正方向への駆動により図2に示す矢印F方向にタイミングベルト28及び駆動プーリ27が回転するようになっている。
【0017】
また、駆動プーリ27の中央には、前記ボス24aに対向するように突出した円筒状の第一ボス部たるボス27aが形成されている。このボス27aは、前記コイルばね26内に挿入されており、常にはコイルばね26と密接している。このため、ミシンモータ35の駆動により駆動プーリ27が正方向すなわち図4に示す矢印F方向に回転(正転)すると、常には、その回転力が、コイルばね26を介してはずみ車24に伝達され、はずみ車24と共に主軸14が回転するようになっている。つまり、上記コイルばね26は、駆動プーリ27が所定方向すなわち上記正方向(矢印F方向)に回転する際の回転力により小径となる方向に巻かれている。
【0018】
また、駆動プーリ27が逆方向すなわち図4に示す矢印R方向に回転(逆転)すると、ばね受け25の内部に挿入されているコイルばね26の径が拡大し、駆動プーリ27のボス27aとの間に隙間が発生するため、主軸14と駆動プーリ27との連結状態は解除され、駆動プーリ27が回転してもその回転力が主軸14に伝達されないようになっている。上記25,26,27,28により駆動プーリ27が所定方向すなわち正方向(矢印F方向)に回転する際にのみ主軸14に回転力を伝達する本実施形態のワンウェイクラッチ機構Cが構成されている。
【0019】
図6は本実施形態における制御系回路を示すブロック図である。図6中、30は制御手段としてのCPU31及びROM32、RAM33等を備えた周知のマイクロコンピュータであって、前記CPU31にはキーボード34からの種々のデーチに加え、前記マイクロスイッチ23からの出力信号等が入力されている。また、CPU31の出力側にはミシン1の駆動源であるミシンモータ35の駆動回路36と、ミシンモータ5への電流を切換えることで該ミシンモータ35の回転方向の正逆を切換える正逆回転切換回路39が接続されている。そして、CPU31は、糸巻き軸6が糸巻き位置にある際にミシン1を起動したときに、ミシンモータ35を逆転させる制御処理を行う。すなわち、CPU31は本実施形態の正逆回転制御手段として機能するようになっている。
【0020】
(実施形態の動作説明)
以上の構成に基づき作用を説明する。
まず、糸巻き動作を行わない場合、糸巻きレバー10を図7(a)に示すように糸巻き軸6から離れた位置(初期位置)に設定しておく。この時、回転体4の係合凸部4aは係止板8の切欠溝8aに係合しており(図2参照)、駆動車輪7は駆動プーリ27から離間した位置に保持されている。また、この状態において、マイクロスイッチ23はスイッチ作動部材20の押圧部20aと非接触状態にあり、OFFとなっているため、CPU31は、正反転切換回路39が正転となるように信号を出力する。従って、主軸14と駆動プーリ27とは連結状態にあり、ミシンモータ35を駆動すれば主軸14が回転し針が上下に昇降される。
【0021】
次に、糸巻き動作を行う際には、糸巻き軸6に下糸ボビンbを装着し、糸巻きレバー10を図7(b)に示すように糸巻き位置まで回転させる。これにより、回動体12と共にスイッチ作動部材20が回転し、その押圧部20aがマイクロスイッチ23の作動部23aを押圧するため、同スイッチ23はONとなり、所定の電気信号を送出する。
この電気信号を受けてCPU31は、正反転切換回路39を反転とする信号を出力する。また、この時、糸巻きレバー10の回転に伴って、回転体4の係合凸部4aは係止板8の切欠溝8aから脱するため、駆動車輪7は従来の装置と同様にして駆動プーリ27の一側面に接合する。
【0022】
この状態でミシンモータ35を駆動させると、当該ミシンモータ35が逆方向(矢印R方向)に回転するため駆動プーリ27もまた逆方向に回転される。これに伴い、コイルばね26の径が拡大するため主軸14と駆動プーリ27との連結が解除される。また、駆動プーリ27の回転に伴い駆動車輪7が回転し、回転軸6と共に下糸ボビンbが回転して、巻き付け部b1に糸が捲装されてゆく。なお、この糸巻き動作において、主軸14は駆動プーリ27との連結を解除されているため回転せず、針は昇降しない。
【0023】
その後、糸が下糸ボビンbに一定量巻き付けられ、その糸により糸巻きレバー10が所定の満量位置まで移動すると、糸巻きレバー10は圧縮ばね9の付勢力によって所期位置へ復帰し、それに伴って駆動車輪7は駆動プーリ27から離れ、糸巻き動作は自動的に停止する。また、糸巻きレバー10が所期位置へ復帰することにより、スイッチ作動部材20の作動部20aはマイクロスイッチ23から離れ、マイクロスイッチ23はONからOFFに切換る。これを受けてCPU31は、ミシンモータ駆動回路36にミシンモータ35の停止信号を送出する。そして、ミシンモータ35及び駆動プーリ27が完全に停止した後、正反転切換回路39に信号を送出し、該正反転切換回路39を正転とする制御処理を行う。
なお、上記実施例において、CPU31が停止信号を送出した後、ミシンモータ35及び駆動プーリ27が完全に停止したか否かの判断は、これらが停止信号を受けてから完全に停止するまでの時間を予め測定しておき、その時間が経過したか否かによって行うようにしても良いし、あるいは、駆動プーリ27等にその回転を検出するセンサ等を設け、その出力によって行うようにしても良い。
【0024】
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態たるミシン1によれば、正逆回転制御手段たる制御部30(マイクロコンピュータ)により、駆動プーリ27と主軸14との連結を解除するために特別な部材を必要とすることが無く、ワンウェイクラッチ機構Cの部品点数を従来よりも減少させることができる。これにより、ミシン1の糸巻き装置を従来よりも簡易な構成とすることができ、コストの低減が図られる。また、糸巻き開始の時点から主軸14を一切回転することなく糸巻きを実行することができる。すなわち、ミシンモータ35を用いて糸巻きのみを実行することが可能となるため、ユーザが意図した動作のみを実現させることができ、ミシンの操作性の向上が図られるという効果も得ることができる。
【0025】
(その他)
なお、ワンウェイクラッチ機構Cは、本実施形態ではコイルばね26を用いた構成を例に説明したが、駆動プーリ27が所定方向に回転(正転)する際にのみ主軸14に動力を伝達することができればよく、例えば、周知のラッチ機構により構成されたワンウェイクラッチ機構を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態における糸巻き装置及びワンウェイクラッチ機構を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における糸巻き装置及びワンウェイクラッチ機構を示す分解斜視図である。
【図3】本実施形態におけるワンウェイクラッチ機構の断面図である。
【図4】図3におけるI−I矢視から見た断面図である。
【図5】図3におけるII−II矢視から見た断面図である。
【図6】本実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態における糸巻き装置を示す底面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 基台
6 糸巻き軸(回転軸)
7 駆動車輪
10 糸巻きレバー
14 主軸
24 はずみ車
26 コイルばね(伝達部材)
27 駆動プーリ(回転体)
28 タイミングベルト
23 マイクロスイッチ
30 制御部
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 キーボード
35 ミシンモータ(駆動源)
36 ミシンモータ駆動回路
39 正反転切換回路
A 回転軸移動機構
B 検出手段
C ワンウェイクラッチ機構
M ミシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンの駆動源により回転する回転体と、
前記回転体から動力を受けて回転し針を上下に移動する主軸と、
前記回転体が所定方向に回転する際にのみ主軸に回転力を伝達するワンウェイクラッチ機構と、
ボビンを回転方向において係止し得るように保持する保持部を上端部に備えると共に下端部に駆動車輪を固定して成り、前記駆動車輪が前記回転体に当接される糸巻き位置と回転体より離間する初期位置との間を移動可能に設けられた回転軸とを備えるミシンの糸巻き装置において、
前記回転軸が初期位置にあるか否かに応じて所定の電気信号を送出する検出手段と、
前記回転軸が糸巻き位置にある際にミシンを起動したときに、前記駆動源を逆転させる正逆回転制御手段とを備えることを特徴とするミシンの糸巻き装置。
【請求項2】
前記ワンウェイクラッチ機構は、一端が前記回転体の一端面から突出する第一ボス部に外挿され他端が前記主軸の一端に固定されたはずみ車から前記第一ボス部に対向するように突出された第二ボス部に外挿される伝達部材を備え、
前記伝達部材は、前記回転体が前記所定方向に回転する際の回転力により小径となる方向に巻かれたコイルばねを備えることを特徴する請求項1記載のミシンの糸巻き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−29381(P2008−29381A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203094(P2006−203094)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】