説明

ミスト及び粉塵の捕集装置

【課題】ミストや粉塵の捕集に適すると共に捕集された粉塵の回収処理が容易なミスト及び粉塵の捕集装置を提供すること。
【解決手段】吸込口から吸引される空気中のミスト及び粉塵を分離させる分離タンク5と、分離タンクの下部に配置された回収タンク40と、分離タンクから排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンク32と、デミスタタンクの排気側に連結されるターボファン35とからなり、分離タンクは、モータ装置により駆動回転される主軸16に、多数のブラシ片が放射状に突設された円盤型回転ブラシ20と振り切り用部材25とを順に取り付けて固定を施し、振り切り用部材の下方に設けたラッパ形部材30の排気側をデミスタタンクの吸気側に接続するように設け、回収タンク40に、分離タンク5で分離されて排出される粉塵中の鉄系微粉塵をマグネットにより吸着して除去するマグネットセパレータ41を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品等の洗浄の際に発生するミスト、機械部品等の加工時に発生する切粉や研磨屑等の微粉塵、木工粉・プラスチック粉等の微粉塵を周囲に飛散させないように捕集する捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミストや粉塵の捕集装置として、フィルタ方式、デミスタ方式、サイクロン方式、衝突板方式、電気集塵方式等の各種構造のものが知られている。例えば、本件出願人にかかる特許文献1のミスト及び粉塵の捕集装置は、空気中のミスト及び粉塵を除去する分離タンクと、分離タンク内の空気を吸引して大気へ排出するターボファンのケーシングを縦向きに配置し、分離タンクに内蔵されたモータの出力軸に円盤型回転ブラシと振り切り用部材を取り付けると共に該ケーシング内に配置されるインペラーを取付け、回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用によってミスト及び粉塵を分離させ、その分離されたミスト及び粉塵をタンクの下部から排出管を介して工作機械の洗浄タンク等の所定箇所に排出させる構造とされている。
【0003】
また、特許文献2は、空気中のミスト及び粉塵を除去する分離タンク内の上方に配置したモータの出力軸に円盤型回転ブラシと振り切り用部材を取り付け、分離タンク内の下方に底部に向かって拡がるラッパ形部材を設け、そのラッパ形部材の排気側にターボファンを連結し、回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用と、ラッパ形部材の空気流速の低下作用によってミスト及び粉塵を分離させ、その分離されたミスト及び粉塵をタンクの下部から排出管を介して所定箇所に排出させる構造とされている。
【0004】
上記文献に記載された装置において、分離タンク内に吸い込まれた空気中から分離される粉塵が少ない場合にはミストと一緒に排出管から排出され易いが、分離される粉塵が多い場合には排出管から排出されにくく回収がしにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4087377号公報
【特許文献2】特許第4118851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ミストや粉塵の捕集に適すると共に捕集された粉塵の回収処理が容易なミスト及び粉塵の捕集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、吸込口から吸引される空気中のミスト及び粉塵を分離させる分離タンクと、その分離タンクの下部に配置された回収タンクと、その分離タンクから排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンクと、そのデミスタタンクの排気側に連結される吸入手段とからなり、
前記分離タンクは、モータ装置により駆動回転される当該タンク内に設けられた主軸に、多数のブラシ片が放射状に突設された少なくとも一つの円盤型回転ブラシと振り切り用部材とを順に取り付けて固定を施し、その振り切り用部材の下方に、底部に向かって拡がるように形成されたラッパ形部材を設け、そのラッパ形部材の排気側を前記デミスタタンクの吸気側に接続するように設け、
前記回収タンクには、前記分離タンクで分離されて排出される粉塵中の鉄系微粉塵をマグネットにより吸着して除去するマグネットセパレータを設け、
前記吸入手段の作動によって負圧に保持される前記分離タンク内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、前記モータ装置により回転作動する回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共にラッパ形部材の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の鉄系微粉塵を前記マグネットセパレータにより除去し、さらに前記デミスタタンクにて前記ラッパ形部材から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するように構成したことを特徴とする。
【0008】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、吸込口から吸引される空気中のミスト及び粉塵を分離させる分離タンクと、その分離タンクの下部に配置された回収タンクと、その分離タンクから排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンクと、そのデミスタタンクの排気側に連結される吸入手段とからなり、
前記分離タンクは、モータ装置により駆動回転される当該タンク内に設けられた主軸に、多数のブラシ片が放射状に突設された少なくとも一つの円盤型回転ブラシと振り切り用部材とを順に取り付けて固定を施し、その振り切り用部材の下方に、底部に向かって拡がるように形成されたラッパ形部材を設け、そのラッパ形部材の排気側を前記デミスタタンクの吸気側に接続するように設け、
前記回収タンクには、前記分離タンクで分離されて排出される粉塵をモータ装置により駆動されるコンベヤベルト上に落下させ、そのコンベヤベルト上に落下した粉塵中の非鉄系微粉塵を掻き揚げて回収箱へ投入するスクレーパ装置を設け、
前記吸入手段によって負圧に保持される前記分離タンク内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、前記モータ装置により回転作動する回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共に前記ラッパ形部材の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の非鉄系微粉塵を前記スクレーパ装置により除去し、さらに前記デミスタタンクにて前記ラッパ形部材から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するように構成したことを特徴とする。
【0009】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載のミスト及び粉塵の捕集装置において、前記吸入手段をターボファンとしたことを特徴とするものである。
【0010】
同様の目的を達成するために請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れかに記載のミスト及び粉塵の捕集装置において、前記分離タンクの吸込口側に注水装置のノズルを配置し、前記回収タンク内に貯留された水又は洗浄液を当該注水装置に設けられたポンプにより汲み上げて該ノズルから前記回転ブラシに吹き付けるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1の発明)
このミスト及び粉塵の捕集装置は、機械部品等の洗浄の際に発生するミスト、機械部品等の加工時に発生する切粉等の粉塵の捕集に適する構造としており、円盤型回転ブラシの遠心力による叩き落し作用、振り切り用部材の遠心力による振り切り作用、ラッパ形部材による空気流速の低下作用及びデミスタタンクによるろ過との相乗作用により、ミスト及び粉塵を効率的に捕集することができる。さらには、分離タンクで分離された粉塵中の鉄系微粉塵をマグネットセパレータにより除去して円滑に回収処理することができる。
【0012】
(請求項2の発明)
このミスト及び粉塵の捕集装置は、木工粉・プラスチック粉等の粉塵の捕集に適する構造としており、円盤型回転ブラシの遠心力による叩き落し作用、振り切り用部材の遠心力による振り切り作用、ラッパ形部材による空気流速の低下作用及びデミスタタンクによるろ過との相乗作用により、ミスト及び粉塵を効率的に捕集することができる。さらには、分離タンクで分離された粉塵中の非鉄系微粉塵をスクレーパ装置により掻き揚げて回収箱へ円滑に回収処理することができる。
【0013】
(請求項4の発明)
このミスト及び粉塵の捕集装置は、分離タンクの吸込口側に配置した注水装置のノズルから、回収タンク内に貯留された水又は洗浄液をポンプにより汲み上げて回転ブラシに吹き付ける構成としており、その水又は洗浄液によって回転ブラシに付着する微粉塵やウォータミストが除去されると共に分離タンクに流入する空気の温度が低下するので、特にウォータミストの捕集効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置の正面図
【図2】同、側面図
【図3】分離タンクの拡大図
【図4】第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置を工作機械に適用した状態を示す説明図
【図5】第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置を洗浄機に適用した状態を示す説明図
【図6】本発明に係る第2実施例のミスト及び粉塵の捕集装置の正面図
【図7】同、側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の最良の形態例を図面に基づいて説明する。
【0016】
(実施例1)
図1に示す本発明に係る第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Aは、機械部品等の洗浄の際に発生するミスト、機械部品等の加工時に発生する切粉等の粉塵、特に鉄系微粉塵の捕集に適する構造とされている。この捕集装置Aの概要構成は、ミスト及び粉塵を分離させる分離タンク5と、その分離タンク5の下部に配置された回収タンク40と、分離タンク5から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンク32と、そのデミスタタンク32の排気側に連結される吸入手段としてのターボファン35と、操作盤50とからなる。
【0017】
図1において、分離タンク5は、キャスターを備えたフレーム1の天部1aに円筒形状のタンク本体6を縦向きに設け、タンク本体6の内部を上方の導入室8と下方の分離室28とに区画されている。導入室8と分離室28とは中間胴13を介して連結されていて、ボルト(図示せず)を外すことにより両者を分離可能に設けている。図3に示すように、導入室8の底部中心には、導入室8に吸い込まれる空気を中心部に向かって流入させるために、後記円盤型回転ブラシ20の外径寸法よりもやや小さい寸法の開口部9を形成している。10は導入室8の胴部に設けられた吸込口、11は吸込口10に連接された接続管、12は導入室8の上口に取り付けられた蓋である。
【0018】
なお、上記タンク本体6の導入室8、分離室28及び中間胴13については、半割り型構造とすることもできる。
【0019】
導入室8の中心部には、蓋12の下面に取り付けた軸受け部材15に主軸16を挿入して当該主軸16を鉛直状に支持するように設けている。その主軸16は、蓋12の上に設置したモータ装置17の出力軸を兼用する構造とされている。その主軸16には、5個の円盤型回転ブラシ20とスペーサー23を奥から順に挿入し、最下部の円盤型回転ブラシ20から突出するネジ部16aに深皿形状の振り切り用部材25を下向きにして嵌め、ネジ部16aに螺合したナット26を締付けることにより、それらの固定を施している。振り切り用部材25は、モータ装置17により回転する際に生ずる遠心力作用によりミスト及び粉塵を振り切ってタンク本体6の内面に付着させ易くするために設けられている。
【0020】
上記円盤型回転ブラシ20は、本件出願人にかかる特許第4118851号公報中に記載された円盤型回転ブラシと同様構造とされている。即ち、この回転ブラシ20は、前記主軸16に装着するための軸穴(図示せず)を形成した固定部21の外周に多数のブラシ片22を放射状に突設し、外径寸法:約250mm、厚さ寸法:約30mmに設けられている。ブラシ片22については、線径:約0.3mm、長さ:約60mmの硬質スチール又はステンレスを用いている。
【0021】
分離室28の中心部には、下方に向かって拡がるように形成されたラッパ形部材30を設けている。ラッパ形部材30の排気口30bには、デミスタタンク32の吸気管32aが接続されている。デミスタタンク32には、前記分離タンク5から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集する公知のデミスタ部材(図示せず)が収められている。このデミスタタンク32により最終的に除去されるミスト及び粉塵は、ドレンパイプ33により後記回収タンク40へ排出されるように設けられている。
【0022】
デミスタ部材については、本件出願人にかかる特許第4112588号公報中に記載されたものと同様のものを用いることもできる。そのデミスタ部材は、電石不織布片と電石不織布片との間に網目状の補強板を介在させて多層構造とし、これをデミスタタンク32内に収めると共に当該デミスタ部材の面方向に沿って濾過する空気を通過させるように設けられている。
【0023】
デミスタタンク32の排気管32bには、ターボファン35が連結されている。36はターボファン35の駆動モータである。37はターボファン35の排気管35aに取付けられたサイレンサである。38は排気管35aに溜まる分離液を回収タンクへ排出するドレンパイプである。
【0024】
40は分離タンク5の下部に配置されてフレーム1に設けられた回収タンクである。回収タンク40には、分離タンク5で分離されて排出管29から排出される粉塵を流入部42に受け入れてマグネット(図示せず)により当該粉塵中の鉄系微粉塵を吸着して除去する公知構造のマグネットセパレータ41を設けている。43はマグネットセパレータ41により除去されて排出される鉄系微粉塵を貯留する回収箱である。
【0025】
また、前記導入室8の吸込口10側には、注水装置45のノズル(図示せず)を配置する。そして、回収タンク40内に貯留された水又は洗浄液を注水装置45に設けられたポンプ46により汲み上げて供給パイプ47から供給する水又は洗浄液をノズルから円盤型回転ブラシ20のブラシ片22に吹き付けることにより、回転ブラシ20にミスト及び粉塵を付着させて分離・除去を促進させると共に導入室8に流入する空気の温度を低下させるように設けられている。
【0026】
以上により、ターボファン35の作動によって負圧に保持される分離タンク5内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、モータ装置17により回転作動する回転ブラシ20及び振り切り用部材25の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共にラッパ形部材30の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の鉄系微粉塵をマグネットセパレータ41により除去し、さらにデミスタタンク32にてラッパ形部材30から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集する第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Aが構成される。
【0027】
つぎに、第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Aを図4に示す加工機械に適用した場合の作用について説明する。
最初に、加工機械Mについて概要構成を述べる。
加工室80には、コラム81に上下及び左右方向へ自動位置制御されるクイル82に主軸83を設け、その主軸83にドリル等の切削工具84が装着される。被加工物wを固定するイケール86はキャリッジ85により前後方向に移動自在に設けられている。87は加工室81の天部に配置された捕集部である。この捕集部87と捕集装置Aの接続管11は、ダクト88により連結されている。
(1)加工機械Mでは、鉄系や非鉄系のワークwが切削工具84によって切削加工されるときに、図示しないフラッシングノズルから水溶性切削液が被加工物w及び切削工具84に向けて噴射されるようにされている。これにより、切削液の一部が水溶性オイルミストとなり、切削加工時に発生して空気中に浮遊する微粉塵と混じって周囲に飛散する。
(2)そこで、捕集装置Aの運転がされると、ターボファン35の作動によって分離タンク5内が負圧に保持されるので、(1)で発生したミストや粉塵は、周囲の空気と一緒に捕集部87から分離タンク5の導入室8に吸い込まれる。
(3)分離タンク5では、モータ装置17により円盤型回転ブラシ20が毎分100〜1000回転の範囲内の回転数で回転作動している。導入室8に吸い込まれた空気は開口部9によって円盤型回転ブラシ20の中心部に向かって流入し、回転ブラシ20及び振り切り用部材30の遠心力作用によってタンク本体6の内面に叩きつけられるようにされ、ミストや粉塵が分離されて降下する。
(4)ついで、分離室28に流入した空気は、ラッパ形部材30によって一旦流速を低下させて排気口30bから流出する。
(5)吸入された空気から分離された粉塵混じりのミストは液状化し、その液はマグネットセパレータ41の流入部42に排出される。
(6)マグネットセパレータ41において、粉塵中の鉄系微粉塵がマグネットの吸着作用により除去されて回収箱43に排出される。
(7)分離室15から流出する空気はデミスタタンク32に流入し、その空気中に残存するミスト及び粉塵がデミスタ部材により除去される。そして、デミスタタンク32を通過した空気は、ターボファン35からサイレンサ37を通って大気へ排出される。
【0028】
第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Aを図5に示す洗浄機Sに適用した場合について説明する。
(1)洗浄機Sのシャワー室90において、洗浄液タンク92内の洗浄液がポンプ93により吸い込まれてシャワーノズル94から被加工物wに噴射される。ついで、乾燥室91において、エアブロー手段のノズル95から被加工物wに圧縮空気を吹き付けることにより、被加工物wの乾燥が施される。このときに、被加工物wに付着した洗浄液がミストとなって周囲に飛散する。
(2)(1)で発生したミストは、周囲の空気と一緒に捕集部97a,97bからダクト98を通って捕集装置Aの分離タンク5の導入室8に吸い込まれる。
以下に続く作用については、上述した加工機械に適用した場合の説明に準ずるため、説明を省略する。
【0029】
(第2実施例)
図6に示す本発明に係る第2実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Bは、非鉄系微粉塵である木工粉・プラスチック粉等の粉塵に適する構造とされている。この捕集装置Bは、上述した第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Aの構成に準じた構成とされ、前記マグネットセパレータ41をスクレーパ装置61とする点が異なる。よって、それと同一構成部分については、前記捕集装置Aの説明に用いた符号を流用して図面に記載し、その説明を省略する。
【0030】
図6に示すように、スクレーパ装置61は、前記分離タンク5で分離されて排出される粉塵をモータ装置63により駆動されるコンベヤベルト62上に落下させ、そのコンベヤベルト62上に落下した粉塵中の非鉄系微粉塵を掻き揚げて回収箱65へ投入するという公知構造とされている。コンベヤベルト62の下方部分は、回収タンク60に貯留される洗浄液に浸るように設けられる。
【0031】
以上により、ターボファン35によって負圧に保持される分離タンク5内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、モータ装置17により回転作動する回転ブラシ20及び振り切り用部材25の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共にラッパ形部材30の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の非鉄系微粉塵をスクレーパ装置61により除去し、さらにデミスタタンク32にてラッパ形部材30から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集する第2実施例のミスト及び粉塵の捕集装置Bが構成される。
【符号の説明】
【0032】
A・・・第1実施例のミスト及び粉塵の捕集装置
5・・・分離タンク
10・・・吸込口
16・・・主軸
17・・・モータ装置
20・・・円盤型回転ブラシ
25・・・振り切り用部材
30・・・ラッパ形部材
32・・・デミスタタンク32
35・・・ターボファン(吸入手段)
40・・・回収タンク
41・・・マグネットセパレータ
45・・・注水装置
46・・・ポンプ
B・・・第2実施例のミスト及び粉塵の捕集装置
60・・・回収タンク
61・・・スクレーパ装置
62・・・コンベヤベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口から吸引される空気中のミスト及び粉塵を分離させる分離タンクと、その分離タンクの下部に配置された回収タンクと、その分離タンクから排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンクと、そのデミスタタンクの排気側に連結される吸入手段とからなり、
前記分離タンクは、モータ装置により駆動回転される当該タンク内に設けられた主軸に、多数のブラシ片が放射状に突設された少なくとも一つの円盤型回転ブラシと振り切り用部材とを順に取り付けて固定を施し、その振り切り用部材の下方に、底部に向かって拡がるように形成されたラッパ形部材を設け、そのラッパ形部材の排気側を前記デミスタタンクの吸気側に接続するように設け、
前記回収タンクには、前記分離タンクで分離されて排出される粉塵中の鉄系微粉塵をマグネットにより吸着して除去するマグネットセパレータを設け、
前記吸入手段の作動によって負圧に保持される前記分離タンク内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、前記モータ装置により回転作動する回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共にラッパ形部材の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の鉄系微粉塵を前記マグネットセパレータにより除去し、さらに前記デミスタタンクにて前記ラッパ形部材から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するように構成したことを特徴とするミスト及び粉塵の捕集装置。
【請求項2】
吸込口から吸引される空気中のミスト及び粉塵を分離させる分離タンクと、その分離タンクの下部に配置された回収タンクと、その分離タンクから排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するデミスタタンクと、そのデミスタタンクの排気側に連結される吸入手段とからなり、
前記分離タンクは、モータ装置により駆動回転される当該タンク内に設けられた主軸に、多数のブラシ片が放射状に突設された少なくとも一つの円盤型回転ブラシと振り切り用部材とを順に取り付けて固定を施し、その振り切り用部材の下方に、底部に向かって拡がるように形成されたラッパ形部材を設け、そのラッパ形部材の排気側を前記デミスタタンクの吸気側に接続するように設け、
前記回収タンクには、前記分離タンクで分離されて排出される粉塵をモータ装置により駆動されるコンベヤベルト上に落下させ、そのコンベヤベルト上に落下した粉塵中の非鉄系微粉塵を掻き揚げて回収箱へ投入するスクレーパ装置を設け、
前記吸入手段によって負圧に保持される前記分離タンク内にミスト及び粉塵を含む空気を吸い込み、前記モータ装置により回転作動する回転ブラシ及び振り切り用部材の遠心力作用によって該空気中のミスト及び粉塵を振り切って分離させると共に前記ラッパ形部材の空気流速の低下作用によりミスト及び粉塵を分離させ、その分離された粉塵中の非鉄系微粉塵を前記スクレーパ装置により除去し、さらに前記デミスタタンクにて前記ラッパ形部材から排出される空気中に残存するミスト及び粉塵を捕集するように構成したことを特徴とするミスト及び粉塵の捕集装置。
【請求項3】
前記吸入手段をターボファンとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミスト及び粉塵の捕集装置。
【請求項4】
前記分離タンクの吸込口側に注水装置のノズルを配置し、前記回収タンク内に貯留された水又は洗浄液を当該注水装置に設けられたポンプにより汲み上げて該ノズルから前記回転ブラシに吹き付けるように構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミスト及び粉塵の捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−67740(P2011−67740A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219887(P2009−219887)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000127123)株式会社アンレット (41)
【Fターム(参考)】