説明

ミラクルフルーツから錠剤を製造する方法

【課題】ミラクルフルーツの重要な成分から携帯の利便性が高い錠剤を製造する方法を提供する。
【解決手段】新鮮なミラクルフルーツの果実を水で洗浄した後、そのまま放置することにより乾燥させ、乾燥後の果実が高速遠心回転機で果肉と種を分離し、分離した果肉から新鮮な果汁を製造し、新鮮な果実の採集から果汁の搾りまで5時間内で完成しなければならない果汁の搾り工程と、新鮮な果汁に澱粉を混ぜ込んだ後、高さが0.5cm以下の容器に放置し、零下25℃で急速に冷凍させ、冷凍後の固体を乾燥機によって真空のような状態で乾燥させ、乾燥したブロック状の乾燥物質を粉末に研磨する果汁の乾燥工程と、前記工程からの粉末に熟澱粉を混ぜ込んで、フィルターによってろ過した後、顆粒製造機によって顆粒を製造し、50℃の温度で、10wt%以下の含水量を含む顆粒を所定の形状を有するモールドで高圧によって錠剤を製造する錠剤製造工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にミラクルフルーツの重要な成分から携帯の利便性が高い錠剤を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミラクルフルーツの学名は、Synsepalm dulcificum(Schum. &. Thonn) Daniellであり、欧米では“ミラクルベリー”(Miraculous Berry)又は神秘な果実と呼ばれている。元々西アフリカ原産のアカテツ科の小さな赤い果実であり、そこの原住民はこの果実により口に合わせなく酸っぱい食べ物を食べれるようにする。 ミラクルフルーツの果肉にミラクリンという物質を大量に含み、該ミラクリンは酸っぱいフルーツの酸味を口に合わせる甘い味に転換させる不思議な効果を有するので、益々注目されている。故に、ミラクルフルーツの果肉に含まれるミラクリンを精練して、糖尿病患者の飲食制御に応用しようとする研究が、急速に進んでいる。
【0003】
完熟のミラクルフルーツの実は、直径約1cm、長さ約2cmであり、皮が赤く、白い果肉の中に茶色の種を有し、その白い果肉に主な成分のミラクリンやレモン酸やアップル酸や琥珀酸などを含み、このミラクリンは酸味を甘い味に変える効果を有する。尚、ミラクルフルーツから錠剤を製造する方法について記載した特許文献又は非特許文献は無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ミラクルフルーツは、酸味を甘い味に変える不思議な効果を有するが、ミラクリン(又は味覚修飾タンパク質と称す(Taste−modifying protein))は、pH値が2.5以下又は12.0以上の範囲で、又は沸騰させて、又は高濃度の有機溶液を添加することにより、その活性を喪失してしまう問題を有するので、今まで携帯の利便性が高い錠剤を製造することができなかった。
【0005】
そこで、出願されたのが本発明であって、ミラクルフルーツの重要な成分から携帯の利便性が高い錠剤を製造する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1の発明は、新鮮なミラクルフルーツの果実を水で洗浄した後、そのまま放置することにより乾燥させ、乾燥後の果実が高速遠心回転機で果肉と種を分離し、分離した果肉から新鮮な果汁を製造し、新鮮な果実の採集から果汁の搾りまで5時間内で完成しなければならない果汁の搾り工程と、
新鮮な果汁に澱粉を混ぜ込んだ後、高さが0.5cm以下の容器に放置し、零下25℃で急速に冷凍させ、冷凍後の固体を乾燥機によって真空のような状態で乾燥させ、乾燥したブロック状の乾燥物質を粉末に研磨する果汁の乾燥工程と、
前記工程からの粉末に熟澱粉を混ぜ込んで、フィルターによってろ過した後、顆粒製造機によって顆粒を製造し、50℃の温度で、10wt%以下の含水量を含む顆粒を所定の形状を有するモールドで高圧によって錠剤を製造する錠剤製造工程とを有する、ミラクルフルーツから錠剤を製造する方法を提供する。
【0007】
本願の請求項2の発明は、前記果汁の搾り工程に使用される高速遠心回転機の回転速度は3600rpm/minであり、果汁の乾燥工程に使用される澱粉は、薬品レベルのコーン澱粉であり、果汁とコーン澱粉の比率は、9:1であり、錠剤製造工程に使用される熟澱粉は、1wt%の熟コーン澱粉であることを特徴とする請求項1に記載のミラクルフルーツから錠剤を製造する方法、を提供する。
【0008】
本願の請求項3の発明は、前記錠剤製造工程は、80meshのフィルターによってろ過を行うことを特徴とする請求項1に記載のミラクルフルーツから錠剤を製造する方法、を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記の課題を解決するものであり、新鮮なミラクルフルーツの果実を採取した後の5時間内で搾り、乾燥、研磨及び顆粒製造により、ミラクリンの活性を維持する状態で携帯の利便性が高い錠剤を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係るミラクルフルーツから錠剤を製造する方法は、以下の工程を有する。果汁の搾り工程:新鮮なミラクルフルーツの果実を水で洗浄した後、そのまま放置することにより乾燥させ、乾燥後の果実が高速遠心回転機で果肉と種を分離し、分離した果肉から新鮮な果汁を製造し、新鮮な果実の採集から果汁の搾りまで5時間内で完成しなければならない。
果汁の乾燥工程:新鮮な果汁に澱粉を混ぜ込んだ後、高さが0.5cm以下の容器に放置し、零下25℃で急速に冷凍させ、冷凍後の固体を乾燥機によって真空のような状態で乾燥させ、乾燥したブロック状の乾燥物質を粉末に研磨する。
錠剤製造工程:前記工程からの粉末に熟澱粉を混ぜ込んで、フィルターによってろ過した後、顆粒製造機によって顆粒を製造し、50℃の温度で、10wt%以下の含水量を含む顆粒を所定の形状を有するモールドで高圧によって錠剤を製造する。
【0011】
上記の方法によれば、ミラクルフルーツに含むミラクリン成分携帯の利便性が高い錠剤を製造することができる。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
果汁の搾り工程:新鮮なミラクルフルーツの果実を水で洗浄した後、そのまま放置することにより乾燥させ、乾燥後の果実が、回転速度が3600rpm/minである高速遠心回転機で果肉と種を分離し、分離した果肉から新鮮な果汁を製造し、新鮮な果実の採集から果汁の搾りまで5時間内で完成しなければならない。
果汁の乾燥工程:新鮮な果汁に薬品レベルのコーン澱粉(果汁:コーン澱粉=9:1)を混ぜ込んだ後、高さが0.5cm以下の容器に放置し、零下25℃で急速に冷凍させ、冷凍後の固体を乾燥機によって真空のような状態で24〜30時間乾燥させ、乾燥したブロック状の乾燥物質を20度の温度で粉末に研磨する。
錠剤製造工程:前記工程からの粉末に1wt%の熟コーン澱粉を混ぜ込んで、80meshのフィルターによってろ過した後、顆粒製造機によって顆粒を製造し、50℃の温度で、10wt%以下の含水量を含む顆粒を所定の形状を有するモールドで高圧によって錠剤を製造する。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明によれば、新鮮なミラクルフルーツの果実を採取した後の5時間内で搾り、乾燥、研磨及び顆粒製造により、ミラクリンの活性を維持する状態で携帯の利便性が高い錠剤を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新鮮なミラクルフルーツの果実を水で洗浄した後、そのまま放置することにより乾燥させ、乾燥後の果実が高速遠心回転機で果肉と種を分離し、分離した果肉から新鮮な果汁を製造し、新鮮な果実の採集から果汁の搾りまで5時間内で完成しなければならない果汁の搾り工程と、
新鮮な果汁に澱粉を混ぜ込んだ後、高さが0.5cm以下の容器に放置し、零下25℃で急速に冷凍させ、冷凍後の固体を乾燥機によって真空のような状態で乾燥させ、乾燥したブロック状の乾燥物質を粉末に研磨する果汁の乾燥工程と、
前記工程からの粉末に熟澱粉を混ぜ込んで、フィルターによってろ過した後、顆粒製造機によって顆粒を製造し、50℃の温度で、10wt%以下の含水量を含む顆粒を所定の形状を有するモールドで高圧によって錠剤を製造する錠剤製造工程とを有する、ミラクルフルーツから錠剤を製造する方法。
【請求項2】
前記果汁の搾り工程に使用される高速遠心回転機の回転速度は3600rpm/minであり、果汁の乾燥工程に使用される澱粉は、薬品レベルのコーン澱粉であり、果汁とコーン澱粉の比率は、9:1であり、錠剤製造工程に使用される熟澱粉は、1wt%の熟コーン澱粉であることを特徴とする請求項1に記載のミラクルフルーツから錠剤を製造する方法。
【請求項3】
前記錠剤製造工程は、80meshのフィルターによってろ過を行うことを特徴とする請求項1に記載のミラクルフルーツから錠剤を製造する方法。

【公開番号】特開2007−143503(P2007−143503A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344251(P2005−344251)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(505441719)森郁農業科技股▲分▼有限公司 (2)
【出願人】(505441720)
【Fターム(参考)】