ミラー駆動装置及び撮影装置
【課題】 駆動源をモータ一つとし、モータの一方向の回転によって、バネの付勢力によるミラーの高速駆動が可能であり、機械的負担の少ない、安価なミラー駆動機構を提供する。
【解決手段】 撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラー(2)と、前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材(15)と、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材(3)と、前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材(7)と、前記第2の付勢手段をチャージするチャージ部および該第2の付勢手段のチャージを解放する解放部を有する第1のカム(12a)と、前記保持部材による前記保持を解除する第2のカム(12b)と、前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータ(17)とを有し、前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【解決手段】 撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラー(2)と、前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材(15)と、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材(3)と、前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材(7)と、前記第2の付勢手段をチャージするチャージ部および該第2の付勢手段のチャージを解放する解放部を有する第1のカム(12a)と、前記保持部材による前記保持を解除する第2のカム(12b)と、前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータ(17)とを有し、前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光路に対して進退可能なミラーを駆動するミラー駆動装置及び撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータと、カム部を有するミラー駆動カムギアと、このミラー駆動カムギアのカム部リフトにより可動ミラーを回転駆動するミラー駆動レバーと、カム部を有するシャッタ駆動カムギアと、シャッタ駆動カムギアのカム部のリフトによりシャッタをチャージ駆動するシャッタ駆動レバーとを有する駆動機構が組み込まれたカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、この駆動機構では、ミラー駆動カムギアとシャッタ駆動カムギアとが直接係合し、これらのカムギアのうち一方のカムギアに対してモータの一方向回りの回転力を伝達する伝達ギアが係合している。
【0003】
しかしながら、ミラー駆動カムギア、シャッタ駆動カムギア及びこれらのカムギアのうち一方のカムギアに係合する伝達ギアが直列に係合するように配置されているので、他方のカムギアに着目すると、該一方のカムギアと比較して、モータ駆動力が伝達されるギア段数が一段多くなるため、駆動効率がよくない。
【0004】
また、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアが直接係合しているため、これらのカムギアは互いに逆方向に回転する。このため、ミラー駆動レバーやシャッタ駆動レバーの回転軸の配置を、駆動効率を考慮した理想的な配置にすることができない。
【0005】
さらに、ミラー駆動カムギアとシャッタ駆動カムギアは直接係合しており、これらのカムギアの回転軸方向視において、瓢箪型にスペースを占領してしまうので、ミラー駆動レバーやシャッタ駆動レバーの配置を、それぞれの駆動効率を考慮した理想的な配置にすることができず、駆動効率の面で不利となり、また、カメラの大型化を招く恐れもある。
【0006】
これに対して、同軸上にミラー駆動カムギアに係合するミラー伝達ギアおよびシャッタ駆動カムギアに係合するシャッタ伝達ギアを配置するとともに、モータにより駆動される伝達ギア軸を有する駆動機構が開示されている(例えば、特許文献2参照)。上述の構成によれば、ミラー駆動カムギアもシャッタ駆動カムギアもそれぞれに対応する伝達ギアから直接モータの駆動力が伝達されるため、一方のカムギアに伝達ギアが係合し、この一方のカムギアに他方のカムギアが係合する構成に比べて、ギアの段数による駆動効率の差を少なくすることができる。また、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアを同一方向に回転させることにより、ミラー駆動レバーとシャッタ駆動レバーの回転軸の配置を、駆動効率を考慮した理想の配置にすることが可能となる。
【0007】
しかしながら上記機構では、部品点数の増加を招き、また組み立て作業上、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアの位相がずれてしまう可能性がある。さらには、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアは、伝達ギアによって連結されているために、歯車のバックラッシュによる位相のズレが生じてしまい、どちらか一方のカムギアの回転をフィードバック制御するため、ミラー駆動及びシャッタ駆動の連動駆動を高精度に行うことができない。
【0008】
また、上記に示した2つの駆動機構では、ミラーを撮影光路内から撮影光路外へ退避させる場合、もしくは撮影光路外から撮影光路内へ進入させる場合において、ミラーをカムリフトによって駆動するため、電圧の変化などによってミラー駆動時間が遅くなってしまう。
【0009】
また、特許文献3には、ミラーを高速で駆動するミラー駆動機構が開示されている。このミラー駆動機構は、ミラーを撮影光路内に位置決めする第1の係合部と、ミラーを撮影光路外に退避させる方向に付勢する第1のバネと、ミラーを撮影光路外に位置決めする第2の係合部と、ミラーを撮影光路内に進入させる方向に付勢する第2のバネと、第1及び第2の係合部における係合を解除する電磁マグネットと、第1及び第2のバネをチャージするモータとで構成されている。
【0010】
しかしながらこのミラー駆動機構は、ミラーの高速駆動は可能なものの、複数の駆動源を必要とし、また構成する部品点数も多く非常に高価な機構となってしまう。また、係合部による係合を解除する電磁マグネットの解除力には限界があり、係合部による位置決め力を大きくすることができなかった。
【0011】
また、チャージされた駆動バネの付勢力によってミラーを撮影光路に対して進退可能としたミラー駆動機構を有し、駆動源を1つのモータでまかなう撮影装置が開示されている(特許文献4参照)。
【特許文献1】特公平7−27156号公報(第3図)
【特許文献2】特開2002−23221号公報(第2図)
【特許文献3】特開平1−134443号公報(第2図〜第5図)
【特許文献4】特開2002−174850号公報(第1図及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記機構では、ミラーを撮影光路外から撮影光路内に駆動するときに、上昇レバーの係合を解除する必要があるが、係合解除のためにモータを駆動するとミラーを撮影光路外に向けて付勢するバネのチャージ駆動も同時に行うため、モータに加わる負荷が増大して、係合解除に時間がかかってしまう。
【0013】
また、ミラーを撮影光路外に退避させる場合と、ミラーを撮影光路内に進入させる場合とでモータの回転方向が異なり、モータの回転を止めるために機構的にロックをかけて強制的にカムギアを停止させるため、機械的負担が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本願発明のミラー駆動装置の第1の構成は、撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラーと、前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材と、前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材と、前記第2の付勢部材をチャージするチャージ部および該第2の付勢部材のチャージを解放する解放部を有する第1のカムと、前記保持部材による前記保持を解除する第2のカムと、前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願発明のミラー駆動装置の第1の構成によれば、モータによって、第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することにより、ミラーを第1及び第2の位置に移動させることができる。したがって、他方向に回転するモータの駆動力を、他の駆動機構(例えば、ストロボ駆動・フィルムカートリッジや記録メディア挿入駆動・フィルム給送駆動など)の駆動に割り当てることができる。その結果、該他の駆動機構を駆動するために、別のモータを用いる必要がなくなるため、構成部品が少なく、組立も容易で、安価なミラー駆動装置を提供することができる。
【0016】
ここで、ミラー駆動装置の第1の構成において、シャッタを有し、前記第1のカムに、前記チャージ部によって前記第2の付勢部材をチャージする際に、前記シャッタをチャージさせるようにしてもよい。これにより、ミラー及びシャッタを第1及び第2のカムが一方向に回転するようにモータを駆動することによって、移動させることができる。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
【0018】
ここで、図1および図2は、本実施例のカメラにおけるミラーボックス及びその周辺の構成を示す斜視図であり、図3はミラーボックス及びその周辺の構成を示す分解斜視図である。
【0019】
これらの図において、1はミラーボックス、2は可動ミラー、3は可動ミラー駆動バネ(第2の付勢部材)、4はミラー駆動レバー(ミラー駆動部材)、5はミラー駆動レバー戻しバネ、6はチャージレバー(被駆動部材、シャッタ駆動部材)、7は保持レバー、8は保持レバー戻しバネ、9はチャージアーム、10は保持解除アーム、11は保持解除アーム戻しバネ、12はカムギア、13は位相検出接片、14は位相検出基板、15は第1可動ミラー戻しバネ(第1の付勢部材)、16は第2可動ミラー戻しバネ、17はモータ、18は減速遊星機構、19はストロボ駆動ギア、20はシャッタセット部材、22は可動ミラー駆動バネ取り付ける固定部材、23は保持レバー軸である。
【0020】
ここで、上記各部品の配置および組み立て方法を説明する。
【0021】
可動ミラー2はミラーボックス1の内部に上下方向に回転可能に収容される。2aは可動ミラー2に一体的に形成され、ミラーボックス1の側面内側から外側に突出するミラー駆動ピンである。2bは可動ミラー2に一体的に形成され、ミラーボックス1の側面内側から外側に突出するミラー戻しピンである。
1aはミラーボックス1の側面に形成された開口部であり、軸部1bの軸方向視において、ミラー駆動ピン2aとミラー戻しピン2bの作動範囲よりも大きな開口面積を有している。1bはチャージレバー6を回転可能に保持する軸部である。1c及び1dは、第1可動ミラー戻しバネ15及び第2可動ミラー戻しバネ16を取り付ける取付部である。
【0022】
また、1pはミラーアップするミラー駆動レバー4に当接して位置決めするミラーアップ位置決め部であり、1qはミラーダウンするミラー駆動レバー4に当接して位置決めするミラーダウン位置決め部である。これらの軸部1b、取付け部1c、1d及び位置決め部1p、1qは、ミラーボックスの外側側面から突出しており、ミラーボックスに対して一体形成されている。
【0023】
6aはチャージレバー6に設けられた軸部であり、ミラー駆動レバー4を回転可能に保持するとともに、ミラー駆動レバー戻しバネ5のコイル部が組みつけられている。5aはミラー駆動レバー戻しバネ5の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1eに引っ掛けられている。また、5bはミラー駆動レバー戻しバネ5の可動端であり、ミラー駆動レバー4に設けられたバネ受け部4aに引っ掛けられている。これにより、ミラー駆動レバー4は、ミラー駆動レバー戻しバネ5から弾性力を受けて、反時計回り方向に付勢される。
【0024】
ミラーボックス1の取付部1cには、第1可動ミラー戻しバネ15のコイル部が取り付けられている。15a及び15bは第1可動ミラー戻しバネ15の固定端及び可動端でありそれぞれ、ミラーボックス1に設けられた支柱1f及び可動ミラー2に設けられたミラー戻しピン2bに引っ掛けられている。これにより、可動ミラー2は、第1可動ミラー戻しバネ15から弾性力を受けて、ファインダー観察位置に駆動される。
【0025】
ミラーボックスに対するミラー駆動レバー4及びチャージレバー6の取付作業が終了したら、軸部1bの端面に、固定部材22を取り付ける。この固定部材22には、可動ミラー駆動バネ3が組み付けられている。
【0026】
3aは可動ミラー駆動バネ3の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1gに引っ掛けられている。3bは可動ミラー駆動バネ3の可動端であり、チャージレバー6に設けられたバネ受け部6bに引っ掛けられている。これにより、チャージレバー6は、可動ミラー駆動バネ3から弾性力を受けて、時計回り方向(上方)に付勢される。
【0027】
可動ミラー2は、ミラーボックス1の前面に取り付けられる不図示のマウントに装着される撮影レンズからミラーボックス1の後方に配置される撮像素子(例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ)に至る撮影光路に対して進退可能である。
【0028】
すなわち、可動ミラー2は、撮影光路内に斜設され、被写体光をミラーボックス1の上方に配置された不図示のファインダー光学系へ反射するファインダー観察位置と、撮影光路外に退避して被写体光を撮像素子に結像させる撮影位置との間で移動可能である。
【0029】
ミラー駆動レバー4に設けられた駆動ピン当接部4bは、可動ミラー2に設けられたミラー駆動ピン2aに当接している。4cは保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aに係合するミラー駆動レバー係合部である。4dはミラーボックス1に設けられた当接部1qに突き当たる突き当て部である。
【0030】
チャージレバー6に設けられた凹形状のシャッタチャージ部6cは、後述のシャッタセット部材20に一体的に設けられた駆動ピン20aを挟み込んで支持する。6dは後述するチャージアーム9のチャージアーム係合部9aに係合するチャージレバー係合部である。
【0031】
保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8が組み付けられた状態で、保持レバー軸23を介して、チャージレバー6に設けられた保持レバー取り付け部6eに回転可能に支持されている。8aは保持レバー戻しバネの固定端であり、チャージレバー6に設けられたバネ受け部6fに引っ掛けられている。8bは保持レバー戻しバネの可動端であり、保持レバー7に設けられたバネ受け部7bに引っ掛けられている。これにより、保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8からの弾性力を受けて、時計回り方向に付勢される。7cは後述する保持解除アーム10に設けられた保持解除アーム係合部10aに係合する第2の保持レバー係合部である。
【0032】
チャージアーム9は、ミラーボックス1に設けられた軸部1hに回転可能に支持されている。9bは後述する保持解除アーム10を回転可能に保持する軸部であり、この軸部9bには保持解除アーム戻しバネ11のコイル部が組みつけられている。11aは保持解除アーム戻しバネ11の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1iに引っ掛けられている。11bは保持解除アーム戻しバネ11の可動端であり、保持解除アーム10に設けられたバネ受け部10bに引っ掛けられている。これにより、保持解除アーム10は、保持解除アーム戻しバネ11から受ける弾性力により、ミラーボックス1の上方から見て反時計回り方向に付勢される。
【0033】
9cはチャージアーム9に設けられたカムピンであり、カムギア12に設けられたチャージカム12a(第1のカム)に当接している。10cは保持解除アームに設けられたカムピンであり、カムギア12に設けられた保持解除カム12b(第2のカム)と当接する。
【0034】
カムギア12は、ミラーボックス1に設けられた軸部1jに回転可能に保持されている。したがって、チャージカム12a及び保持解除カム12bは、軸部1jを中心として回転する。カムギア12に設けられたギア部12cは、後述する減速遊星機構18の動力伝達歯車18aに係合し、ミラーボックス1の上方から見て反時計回りの方向に回転する。
【0035】
カムギア12が回転動作を開始すると、カムギア12に設けられたチャージカム12aの外形に沿ってカムピン9cが移動するため、これに応じてチャージアーム9は、軸部1h回りの回転往復運動を開始する。
【0036】
同様に、カムギア12に設けられた保持解除カム12bの外形に沿ってカムピン10cが移動するため、これに応じて保持解除アーム10は、軸部9b回りの回転往復運動を開始する。
【0037】
なお、カムギア12には、位相検出接片13が所定の位相関係を保って固定されており、後述の位相検出基板14のパターンに接触している。
【0038】
位相検出基板14は、ミラーボックス1に取り付けられたギアやアーム等の各部品を押さえてミラーボックス1からの脱落を防止する不図示のギア押さえカバーに所定の位相関係を保って固定されている。
【0039】
減速遊星機構18は、ミラーボックス1に設けられた軸部1nに回転可能に取り付けられ、モータ17の駆動力を減速して伝達するとともに、モータ17の回転方向に応じて、駆動力の伝達を、カムギア12もしくは後述のストロボ駆動ギア19に切り替える。18cはモータ17がミラー駆動時とは反対方向に駆動された場合に、この駆動力を後述するストロボ駆動ギア19に伝達する動力伝達歯車である。
【0040】
ストロボ駆動ギア19は、ミラーボックス1に設けられた穴部1oに回転可能に挿入されている。ストロボ駆動ギア19は、不図示のストロボユニットの開閉駆動やズーム駆動のための動力を伝達する。またストロボ以外の機構への駆動力の伝達も可能である。
【0041】
シャッタセット部材20は、ミラーボックス1の後端フランジ部に回転可能に組みつけられており、下方に回転することによって、不図示のフォーカルプレーンシャッタの先幕ユニットおよび後幕ユニットをチャージ方向に移動させる。また、このチャージ完了状態から先幕ユニットおよび後幕ユニットのチャージの解放が可能なチャージ解除状態まで上方に回転することによって、先幕および後幕は不図示の電磁マグネットによってチャージ状態を保持した状態から、不図示の制御回路によって所定のシャッタ秒時を得られるように、上記電磁マグネットの出力を制御して、先幕および後幕駆動バネのチャージ解放により、先幕および後幕の走行が完了する。
【0042】
次に、図4〜図11を用いて、ミラー駆動機構の動作および制御方法について説明する。ここで、図4はカムギア12の回転位置を検出する位相検出基板14のパターン図である。図5はカムギア12のチャージカム12aと保持解除カム12bとの位相関係を示した図である。図6は可動ミラー2がファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ完了位置にあるとき、つまり撮影待機状態の図である。図7は可動ミラー2が撮影位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ解除位置にあるとき、つまりミラーアップ状態の図である。図8は可動ミラー2がファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20はチャージ解除位置にあるとき、つまりミラーダウン状態の図である。
【0043】
図9は図6で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。図10は図7で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。図11は図8で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。
【0044】
まず、図4の位相検出基板14のパターン図を用いて、カムギア12の駆動制御方法を説明する。所定方向(たとえば、正回転)にモータ17を回転させたとき、その駆動力は、減速遊星機構18を介してカムギア12のギア部12cに伝達され、カムギア12を該所定方向に応じた一方向に回転させる。このとき、カムギア12に固定された位相検出接片13は、位相検出基板14のパターン上を、図4において反時計回り方向に移動する。
【0045】
位相検出基板14には、信号1に応じたパターン1、信号2に応じたパターン2及びGNDの3つの導電パターンが形成されており、位相検出接片13がパターン2をGNDパターンに接続し、パターン1とは非接触となるθ1の範囲にあるときは、図6に示す状態、すなわち可動ミラー2は撮影光路内に配置されるファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ完了位置にセットされた状態となる。
【0046】
また、位相検出接片13がパターン1をGNDパターンに接続し、パターン2とは非接触となるθ2の範囲にあるとき、可動ミラー2はファインダー観察位置から撮影光路外の撮影位置に向けて駆動され、かつシャッタセット部材20は、チャージ完了位置からチャージ解除位置に向けて駆動される。これにより、図7に示す状態、すなわち可動ミラー2及びシャッタセット部材20はそれぞれ、撮影位置及びチャージ解除位置にセットされた状態となる。
【0047】
さらに、位相検出接片13が、パターン1及びパターン2の双方ともGNDパターンと非接触となるθ3の範囲にあるとき、可動ミラー2は撮影位置からファインダー観察位置に向けて駆動される。これにより、図8に示す状態、すなわち可動ミラー2がファインダー観察位置にセットされ、シャッタセット部材20がチャージ解除位置に留まっている状態となる。さらに、カムギア12は回転動作を継続し、ミラー駆動機構は図8に示す状態から、図6に示す状態に復帰する。
【0048】
なお、位相検出基板14からの出力信号は、不図示の制御回路に入力され、制御回路は、不図示のレリーズスイッチのON動作に応じてモータ17を、カムギア12がθ1の範囲に対応する回転位置から、θ2の範囲に対応する回転位置に回転するように作動し、θ2の範囲に対応する位置にカムギア12が移動したと同時にモータ17の回転を停止させる。
【0049】
その後、制御回路は所定のシャッタ秒時が得られるように、不図示の電磁マグネットを制御して不図示の先幕および後幕を走行させる。シャッタの露光シーケンスが終了した後、モータ17を、カムギア12がθ2の範囲に対応する回転位置から、θ3の範囲に対応する回転位置へ、さらにθ1の範囲に対応する回転位置に回転するように作動し、次の撮影に備える。
【0050】
次に、図5のカムギア12のカムリフト配置図を用いて、カムギア12のチャージカム12aと保持解除カム12bの位相関係を説明する。
【0051】
同図において、上段のカムがチャージカム12aで、下段のカムが保持解除カム12bである。カムギア12はモータ17の駆動力を受けて一方向(反時計回り方向)に回転する。
【0052】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ1の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ4の範囲に位置する。
【0053】
チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接しており、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接しており、チャージアーム9と保持解除アーム10は図9に示す状態となっており、ミラー駆動機構は図6に示す状態にとなっている。
【0054】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ2の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ5の範囲に位置する。
【0055】
チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接しており、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接しており、チャージアーム9と保持解除アーム10は図10に示す状態となっており、ミラー駆動機構は図7に示す状態にとなっている。
【0056】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ3の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ6の範囲である。
【0057】
また、保持解除アーム10のカムピン10cがカムギア12の保持解除カム12bのリフトボトム面12b2からリフトトップ面12b1に当接しながら移動するところまでカムギア12が回転しても、チャージアーム9のカムピン9cは、チャージカム12aのリフトボトム面12a2と当接したままの状態であり、チャージアーム9と保持解除アーム10は図11の状態となり、ミラー駆動機構は図8の状態となる。
【0058】
カムギア12がさらにθ1の範囲まで回転すると、チャージアーム9と保持解除アーム10は図9の状態に復帰し、ミラー駆動機構は図6の状態に復帰して次の撮影に備える。
【0059】
次に、駆動機構が図6および図9に示す状態から図7および図10に示す状態に移行する際の駆動機構の動作について説明する。
【0060】
図6に示す状態では、チャージアーム9のチャージアーム係合部9aによってシャッタ部材20を駆動するチャージレバー6が、反時計回り方向に駆動されるため、チャージレバー6のバネ受け部6bによって、可動ミラー駆動バネ3の可動端3bが右側に押し込まれる。これにより、可動ミラー駆動バネ3は、チャージレバー6を時計回り方向に駆動できるようにチャージされ、シャッタ部材20をチャージ完了位置にセットすることができる。このとき、第1可動ミラー戻しバネ15は、まだチャージされていない。
【0061】
この状態から、図9において、カムギア12が反時計回りの方向に回転すると、チャージアーム9のカムピン9cと当接しているチャージカム12aのリフトトップ面12a1が途切れ、チャージされた可動ミラー駆動バネ3の付勢力によってチャージレバー6が図6において時計回り方向に駆動される。このときチャージレバー6のチャージレバー係合部6dとチャージアーム9のチャージアーム係合部9aとが係合しているために、図10のようにチャージアーム9はミラーボックス1の軸部1hを回転中心として反時計回り方向に回転し、チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接する。
【0062】
図6に示す状態から図7に示す状態にチャージレバー6が駆動されることにより、チャージレバー6のシャッタチャージ部6cは、挟み込んだシャッタセット部材20の駆動ピン20aを上方に回転させ、シャッタセット部材20を図6のチャージ完了位置から、図7のチャージ解除位置に回転させる。
【0063】
また、シャッタセット部材20をチャージ完了位置からチャージ解除位置に回転させると同時に、保持レバー7に形成された第1の保持レバー係合部7aが、ミラー駆動レバー4に設けられたミラー駆動レバー係合部4cと係合することで、ミラー駆動レバー4は、チャージレバー6に連結されてミラー駆動レバー戻しバネ5のバネ力に抗して、チャージレバー6とともに時計回り方向に駆動される。
【0064】
ミラー駆動レバー4が時計回り方向に回転することによって、ミラー駆動レバー4の駆動ピン当接部4bは可動ミラー2のミラー駆動ピン2aに当接する。これにより、ミラー駆動レバー4はミラー駆動ピン2aを介して可動ミラー2をファインダー観察位置から図7に示す撮影位置に向けて回転させる。そして、チャージレバー6の突き当て部6gがミラーボックス1のミラーアップ位置決部1pに当接した時点で、図7に示すように、可動ミラー2が撮影位置に、シャッタセット部材20がチャージ解除位置に移動する。図6に示す状態において、可動ミラー2のミラー戻しピン2b及び第1可動ミラー戻しバネ15の可動端15bが当接しているため、可動ミラー2が撮影位置に移動する(上動する)ことにより、第1可動ミラー戻しバネ15はチャージされる。ここで、図7に示す状態では、保持レバー7の保持レバー係合部7aがミラー駆動レバー4のミラレー駆動レバー係合部4cに対して係合しているため、ミラー駆動レバー4がミラー駆動レバー戻しバネ5の付勢力によって反時計回り方向に回転するのを防止することができる。その結果、第1可動ミラー戻しバネ15をチャージした状態で保持することができる。
【0065】
次に、図7および図10に示す状態から図8および図11に示す状態に移行する際のミラー駆動機構の動作について説明する。
【0066】
図10に示す状態からカムギア12が反時計回り方向に回転すると、図7においてカムギア12の保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接している保持解除アーム10のカムピン10cは、保持解除カム12bのリフトトップ面12b1に乗り上げて当接する。保持解除アーム10のカムピン10cが保持解除カム12bのリフトボトム面12b2からリフトトップ面12b1に移動することによって、保持解除アーム10はミラーボックス1の軸部1hを回転中心として、時計回り方向に回転し、保持解除アーム戻しバネ11の付勢力に抗して、図11に示す状態に移動する。
【0067】
保持解除アーム10が時計回り方向に回転することによって、保持解除アーム10の保持解除アーム係合部10aは保持レバー7の第2の保持レバー係合部7cを図11において下方に移動させる。
【0068】
保持レバー7の第2の保持レバー係合部7cが図11において下方に移動することによって、保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8の付勢力に抗して、チャージレバー6の保持レバー取り付け部6eを回転軸として反時計回り方向に回転する。カムギア12が図11に示す状態まで回転すると、保持レバー7は図8に示す状態まで回転する。
【0069】
このように保持レバー7が図8に示す状態まで回転すると、保持レバー7のミラー駆動レバー4に対する係合が絶たれるため、ミラー駆動レバー4は、ミラー駆動レバー戻しバネ5の付勢力によって、ミラーボックス1の軸部1bを中心に反時計回り方向に回転する。この回転動作を開始したミラー駆動レバー4は、突き当て部4dがミラーボックス1のミラーダウン位置決部1qに突き当たることにより停止する、図8の状態まで回転する。
【0070】
また、ミラー駆動レバー4が反時計回りの方向に回転すると、ミラー駆動ピン2aに当接しているミラー駆動ピン当接部4bがそこから離脱するため、チャージされた第1可動ミラー戻しバネ15及び第2可動ミラー戻しバネ16の付勢力によって、可動ミラー2は、時計回りの方向に回転し、図7の撮影位置から図8のファインダー観察位置へ移動する。
【0071】
次に、図8および図11に示す状態から、図6および図9に示す状態に移行する際のミラー駆動機構の動作について説明する。
【0072】
図11に示す状態からカムギア12が反時計回りの方向に回転すると、カムギア12の保持解除カム12bのリフトトップ面12b1が途切れ、保持解除アーム戻しバネ11によって付勢されることにより、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接する。保持解除アーム10のカムピン10cが保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接すると、保持解除アーム10は図9の位置に移動する。
【0073】
また、図11に示す状態からカムギア12が反時計回り方向に回転すると、カムギア12のチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接しているチャージアーム9のカムピン9cは、チャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接する。チャージアーム9のカムピン9cがチャージカム12aのリフトトップ面12a1に進入すると、チャージアーム9は図9の位置に回転して移動する。
【0074】
チャージアーム9が反時計回り方向に回転すると、チャージアーム9のチャージアーム係合部9aはチャージレバー6のチャージレバー係合部6dと係合し、チャージレバー6を反時計回りの方向に回転する。チャージレバー6が反時計回り方向に回転することによって、チャージレバー6のバネ受け部6bとミラーボックス1の支柱1gにそれぞれ可動端3bと固定端3aが掛けられている可動ミラー駆動バネ3はチャージされる。
【0075】
同時に、チャージレバー6のシャッタチャージ部6cが、シャッタセット部材20の駆動ピン20aを押し下げるため、シャッタセット部材20は図6に示すチャージ完了状態に向かって回転する。チャージアーム9のカムピン9cがカムギア12のチャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接した時点で、シャッタセット部材20はチャージ完了位置に到達し、不図示の先幕および後幕ユニットを不図示の電磁マグネットが、その吸着力によってチャージ完了状態に保持する。
【0076】
また、保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aはミラー駆動レバー4のミラー駆動レバー係合部4cと摺接し、第1の保持レバー係合部7aがミラー駆動レバー係合部4cの右側に出た瞬間に、保持レバー戻しバネ8の付勢力によって保持レバー7は時計回りの方向に回転する。これにより、第1の保持レバー係合部7aが押し下げられ、図6に示すように、保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aはミラー駆動レバー4のミラー駆動レバー係合部4cを係止可能な位置に移動する。
【0077】
こうして、図6の状態から図7の状態に移行し、さらに図8の状態に移行して、図6の状態に戻ることにより、換言すればカムギア12を1回転させることにより、1回の撮影動作が終了する。
【0078】
また、カムギア12を一方向に回転させることにより、可動ミラー2及びシャッタ部材20を駆動することができるため、モータ17の駆動制御を簡素化でき、負荷の分散を考慮に入れたミラー駆動機構を実現できる。
【0079】
さらに、負荷の分散を考慮しているため、ミラーの駆動とシャッタ駆動を同一の駆動力で行っても消費電力が少ないミラー駆動装置を提供することができる。
【0080】
また、チャージカム12a及び保持解除カム12bを一つの部材で構成するとともに、これらを同軸回り一方向に駆動することにより、ミラー及びシャッタ駆動機構を駆動できるようにしているため、駆動効率が高く、また組み立てミスによる2つのカムの位相のずれを防止することができる。その結果、消費電力が少なく、かつ高精度なミラー駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例であるカメラにおけるミラーボックス周辺の斜視図
【図2】本発明の実施例であるカメラにおけるミラーボックス周辺の斜視図。
【図3】ミラーボックス周辺の分解斜視図。
【図4】実施例におけるカムギアの回転位相を検出するための位相検出基盤のパターン図。
【図5】実施例におけるカムギアのミラー駆動カムと保持解除カムを示した図。
【図6】実施例における可動ミラーがファインダー観察位置にあり、シャ
【図7】実施例における可動ミラーが撮影位置にあり、シャッタセット部材がャージ解除位置にあるときの側面図。
【図8】実施例における可動ミラーがファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材がチャージ解除位置にあるときの側面図。
【図9】図6の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【図10】図7の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【図11】図8の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【符号の説明】
【0082】
1:ミラーボックス
2:可動ミラー
3:可動ミラー駆動バネ
4:ミラー駆動レバー
5:ミラー駆動レバー戻しバネ
6:チャージレバー
7:保持レバー
8:保持レバー戻しバネ
9:チャージアーム
10:保持解除アーム
11:保持解除アーム戻しバネ
12:カムギア
13:位相検出接片
14:位相検出基板
15:第1可動ミラー戻しバネ
16:第2可動ミラー戻しバネ
17:モータ
18:減速遊星機構
19:ストロボ駆動ギア
20:シャッタセット部材
22:固定部材
23:保持レバー軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光路に対して進退可能なミラーを駆動するミラー駆動装置及び撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータと、カム部を有するミラー駆動カムギアと、このミラー駆動カムギアのカム部リフトにより可動ミラーを回転駆動するミラー駆動レバーと、カム部を有するシャッタ駆動カムギアと、シャッタ駆動カムギアのカム部のリフトによりシャッタをチャージ駆動するシャッタ駆動レバーとを有する駆動機構が組み込まれたカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、この駆動機構では、ミラー駆動カムギアとシャッタ駆動カムギアとが直接係合し、これらのカムギアのうち一方のカムギアに対してモータの一方向回りの回転力を伝達する伝達ギアが係合している。
【0003】
しかしながら、ミラー駆動カムギア、シャッタ駆動カムギア及びこれらのカムギアのうち一方のカムギアに係合する伝達ギアが直列に係合するように配置されているので、他方のカムギアに着目すると、該一方のカムギアと比較して、モータ駆動力が伝達されるギア段数が一段多くなるため、駆動効率がよくない。
【0004】
また、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアが直接係合しているため、これらのカムギアは互いに逆方向に回転する。このため、ミラー駆動レバーやシャッタ駆動レバーの回転軸の配置を、駆動効率を考慮した理想的な配置にすることができない。
【0005】
さらに、ミラー駆動カムギアとシャッタ駆動カムギアは直接係合しており、これらのカムギアの回転軸方向視において、瓢箪型にスペースを占領してしまうので、ミラー駆動レバーやシャッタ駆動レバーの配置を、それぞれの駆動効率を考慮した理想的な配置にすることができず、駆動効率の面で不利となり、また、カメラの大型化を招く恐れもある。
【0006】
これに対して、同軸上にミラー駆動カムギアに係合するミラー伝達ギアおよびシャッタ駆動カムギアに係合するシャッタ伝達ギアを配置するとともに、モータにより駆動される伝達ギア軸を有する駆動機構が開示されている(例えば、特許文献2参照)。上述の構成によれば、ミラー駆動カムギアもシャッタ駆動カムギアもそれぞれに対応する伝達ギアから直接モータの駆動力が伝達されるため、一方のカムギアに伝達ギアが係合し、この一方のカムギアに他方のカムギアが係合する構成に比べて、ギアの段数による駆動効率の差を少なくすることができる。また、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアを同一方向に回転させることにより、ミラー駆動レバーとシャッタ駆動レバーの回転軸の配置を、駆動効率を考慮した理想の配置にすることが可能となる。
【0007】
しかしながら上記機構では、部品点数の増加を招き、また組み立て作業上、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアの位相がずれてしまう可能性がある。さらには、ミラー駆動カムギア及びシャッタ駆動カムギアは、伝達ギアによって連結されているために、歯車のバックラッシュによる位相のズレが生じてしまい、どちらか一方のカムギアの回転をフィードバック制御するため、ミラー駆動及びシャッタ駆動の連動駆動を高精度に行うことができない。
【0008】
また、上記に示した2つの駆動機構では、ミラーを撮影光路内から撮影光路外へ退避させる場合、もしくは撮影光路外から撮影光路内へ進入させる場合において、ミラーをカムリフトによって駆動するため、電圧の変化などによってミラー駆動時間が遅くなってしまう。
【0009】
また、特許文献3には、ミラーを高速で駆動するミラー駆動機構が開示されている。このミラー駆動機構は、ミラーを撮影光路内に位置決めする第1の係合部と、ミラーを撮影光路外に退避させる方向に付勢する第1のバネと、ミラーを撮影光路外に位置決めする第2の係合部と、ミラーを撮影光路内に進入させる方向に付勢する第2のバネと、第1及び第2の係合部における係合を解除する電磁マグネットと、第1及び第2のバネをチャージするモータとで構成されている。
【0010】
しかしながらこのミラー駆動機構は、ミラーの高速駆動は可能なものの、複数の駆動源を必要とし、また構成する部品点数も多く非常に高価な機構となってしまう。また、係合部による係合を解除する電磁マグネットの解除力には限界があり、係合部による位置決め力を大きくすることができなかった。
【0011】
また、チャージされた駆動バネの付勢力によってミラーを撮影光路に対して進退可能としたミラー駆動機構を有し、駆動源を1つのモータでまかなう撮影装置が開示されている(特許文献4参照)。
【特許文献1】特公平7−27156号公報(第3図)
【特許文献2】特開2002−23221号公報(第2図)
【特許文献3】特開平1−134443号公報(第2図〜第5図)
【特許文献4】特開2002−174850号公報(第1図及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記機構では、ミラーを撮影光路外から撮影光路内に駆動するときに、上昇レバーの係合を解除する必要があるが、係合解除のためにモータを駆動するとミラーを撮影光路外に向けて付勢するバネのチャージ駆動も同時に行うため、モータに加わる負荷が増大して、係合解除に時間がかかってしまう。
【0013】
また、ミラーを撮影光路外に退避させる場合と、ミラーを撮影光路内に進入させる場合とでモータの回転方向が異なり、モータの回転を止めるために機構的にロックをかけて強制的にカムギアを停止させるため、機械的負担が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本願発明のミラー駆動装置の第1の構成は、撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラーと、前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材と、前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材と、前記第2の付勢部材をチャージするチャージ部および該第2の付勢部材のチャージを解放する解放部を有する第1のカムと、前記保持部材による前記保持を解除する第2のカムと、前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願発明のミラー駆動装置の第1の構成によれば、モータによって、第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することにより、ミラーを第1及び第2の位置に移動させることができる。したがって、他方向に回転するモータの駆動力を、他の駆動機構(例えば、ストロボ駆動・フィルムカートリッジや記録メディア挿入駆動・フィルム給送駆動など)の駆動に割り当てることができる。その結果、該他の駆動機構を駆動するために、別のモータを用いる必要がなくなるため、構成部品が少なく、組立も容易で、安価なミラー駆動装置を提供することができる。
【0016】
ここで、ミラー駆動装置の第1の構成において、シャッタを有し、前記第1のカムに、前記チャージ部によって前記第2の付勢部材をチャージする際に、前記シャッタをチャージさせるようにしてもよい。これにより、ミラー及びシャッタを第1及び第2のカムが一方向に回転するようにモータを駆動することによって、移動させることができる。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
【0018】
ここで、図1および図2は、本実施例のカメラにおけるミラーボックス及びその周辺の構成を示す斜視図であり、図3はミラーボックス及びその周辺の構成を示す分解斜視図である。
【0019】
これらの図において、1はミラーボックス、2は可動ミラー、3は可動ミラー駆動バネ(第2の付勢部材)、4はミラー駆動レバー(ミラー駆動部材)、5はミラー駆動レバー戻しバネ、6はチャージレバー(被駆動部材、シャッタ駆動部材)、7は保持レバー、8は保持レバー戻しバネ、9はチャージアーム、10は保持解除アーム、11は保持解除アーム戻しバネ、12はカムギア、13は位相検出接片、14は位相検出基板、15は第1可動ミラー戻しバネ(第1の付勢部材)、16は第2可動ミラー戻しバネ、17はモータ、18は減速遊星機構、19はストロボ駆動ギア、20はシャッタセット部材、22は可動ミラー駆動バネ取り付ける固定部材、23は保持レバー軸である。
【0020】
ここで、上記各部品の配置および組み立て方法を説明する。
【0021】
可動ミラー2はミラーボックス1の内部に上下方向に回転可能に収容される。2aは可動ミラー2に一体的に形成され、ミラーボックス1の側面内側から外側に突出するミラー駆動ピンである。2bは可動ミラー2に一体的に形成され、ミラーボックス1の側面内側から外側に突出するミラー戻しピンである。
1aはミラーボックス1の側面に形成された開口部であり、軸部1bの軸方向視において、ミラー駆動ピン2aとミラー戻しピン2bの作動範囲よりも大きな開口面積を有している。1bはチャージレバー6を回転可能に保持する軸部である。1c及び1dは、第1可動ミラー戻しバネ15及び第2可動ミラー戻しバネ16を取り付ける取付部である。
【0022】
また、1pはミラーアップするミラー駆動レバー4に当接して位置決めするミラーアップ位置決め部であり、1qはミラーダウンするミラー駆動レバー4に当接して位置決めするミラーダウン位置決め部である。これらの軸部1b、取付け部1c、1d及び位置決め部1p、1qは、ミラーボックスの外側側面から突出しており、ミラーボックスに対して一体形成されている。
【0023】
6aはチャージレバー6に設けられた軸部であり、ミラー駆動レバー4を回転可能に保持するとともに、ミラー駆動レバー戻しバネ5のコイル部が組みつけられている。5aはミラー駆動レバー戻しバネ5の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1eに引っ掛けられている。また、5bはミラー駆動レバー戻しバネ5の可動端であり、ミラー駆動レバー4に設けられたバネ受け部4aに引っ掛けられている。これにより、ミラー駆動レバー4は、ミラー駆動レバー戻しバネ5から弾性力を受けて、反時計回り方向に付勢される。
【0024】
ミラーボックス1の取付部1cには、第1可動ミラー戻しバネ15のコイル部が取り付けられている。15a及び15bは第1可動ミラー戻しバネ15の固定端及び可動端でありそれぞれ、ミラーボックス1に設けられた支柱1f及び可動ミラー2に設けられたミラー戻しピン2bに引っ掛けられている。これにより、可動ミラー2は、第1可動ミラー戻しバネ15から弾性力を受けて、ファインダー観察位置に駆動される。
【0025】
ミラーボックスに対するミラー駆動レバー4及びチャージレバー6の取付作業が終了したら、軸部1bの端面に、固定部材22を取り付ける。この固定部材22には、可動ミラー駆動バネ3が組み付けられている。
【0026】
3aは可動ミラー駆動バネ3の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1gに引っ掛けられている。3bは可動ミラー駆動バネ3の可動端であり、チャージレバー6に設けられたバネ受け部6bに引っ掛けられている。これにより、チャージレバー6は、可動ミラー駆動バネ3から弾性力を受けて、時計回り方向(上方)に付勢される。
【0027】
可動ミラー2は、ミラーボックス1の前面に取り付けられる不図示のマウントに装着される撮影レンズからミラーボックス1の後方に配置される撮像素子(例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ)に至る撮影光路に対して進退可能である。
【0028】
すなわち、可動ミラー2は、撮影光路内に斜設され、被写体光をミラーボックス1の上方に配置された不図示のファインダー光学系へ反射するファインダー観察位置と、撮影光路外に退避して被写体光を撮像素子に結像させる撮影位置との間で移動可能である。
【0029】
ミラー駆動レバー4に設けられた駆動ピン当接部4bは、可動ミラー2に設けられたミラー駆動ピン2aに当接している。4cは保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aに係合するミラー駆動レバー係合部である。4dはミラーボックス1に設けられた当接部1qに突き当たる突き当て部である。
【0030】
チャージレバー6に設けられた凹形状のシャッタチャージ部6cは、後述のシャッタセット部材20に一体的に設けられた駆動ピン20aを挟み込んで支持する。6dは後述するチャージアーム9のチャージアーム係合部9aに係合するチャージレバー係合部である。
【0031】
保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8が組み付けられた状態で、保持レバー軸23を介して、チャージレバー6に設けられた保持レバー取り付け部6eに回転可能に支持されている。8aは保持レバー戻しバネの固定端であり、チャージレバー6に設けられたバネ受け部6fに引っ掛けられている。8bは保持レバー戻しバネの可動端であり、保持レバー7に設けられたバネ受け部7bに引っ掛けられている。これにより、保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8からの弾性力を受けて、時計回り方向に付勢される。7cは後述する保持解除アーム10に設けられた保持解除アーム係合部10aに係合する第2の保持レバー係合部である。
【0032】
チャージアーム9は、ミラーボックス1に設けられた軸部1hに回転可能に支持されている。9bは後述する保持解除アーム10を回転可能に保持する軸部であり、この軸部9bには保持解除アーム戻しバネ11のコイル部が組みつけられている。11aは保持解除アーム戻しバネ11の固定端であり、ミラーボックス1に設けられた支柱1iに引っ掛けられている。11bは保持解除アーム戻しバネ11の可動端であり、保持解除アーム10に設けられたバネ受け部10bに引っ掛けられている。これにより、保持解除アーム10は、保持解除アーム戻しバネ11から受ける弾性力により、ミラーボックス1の上方から見て反時計回り方向に付勢される。
【0033】
9cはチャージアーム9に設けられたカムピンであり、カムギア12に設けられたチャージカム12a(第1のカム)に当接している。10cは保持解除アームに設けられたカムピンであり、カムギア12に設けられた保持解除カム12b(第2のカム)と当接する。
【0034】
カムギア12は、ミラーボックス1に設けられた軸部1jに回転可能に保持されている。したがって、チャージカム12a及び保持解除カム12bは、軸部1jを中心として回転する。カムギア12に設けられたギア部12cは、後述する減速遊星機構18の動力伝達歯車18aに係合し、ミラーボックス1の上方から見て反時計回りの方向に回転する。
【0035】
カムギア12が回転動作を開始すると、カムギア12に設けられたチャージカム12aの外形に沿ってカムピン9cが移動するため、これに応じてチャージアーム9は、軸部1h回りの回転往復運動を開始する。
【0036】
同様に、カムギア12に設けられた保持解除カム12bの外形に沿ってカムピン10cが移動するため、これに応じて保持解除アーム10は、軸部9b回りの回転往復運動を開始する。
【0037】
なお、カムギア12には、位相検出接片13が所定の位相関係を保って固定されており、後述の位相検出基板14のパターンに接触している。
【0038】
位相検出基板14は、ミラーボックス1に取り付けられたギアやアーム等の各部品を押さえてミラーボックス1からの脱落を防止する不図示のギア押さえカバーに所定の位相関係を保って固定されている。
【0039】
減速遊星機構18は、ミラーボックス1に設けられた軸部1nに回転可能に取り付けられ、モータ17の駆動力を減速して伝達するとともに、モータ17の回転方向に応じて、駆動力の伝達を、カムギア12もしくは後述のストロボ駆動ギア19に切り替える。18cはモータ17がミラー駆動時とは反対方向に駆動された場合に、この駆動力を後述するストロボ駆動ギア19に伝達する動力伝達歯車である。
【0040】
ストロボ駆動ギア19は、ミラーボックス1に設けられた穴部1oに回転可能に挿入されている。ストロボ駆動ギア19は、不図示のストロボユニットの開閉駆動やズーム駆動のための動力を伝達する。またストロボ以外の機構への駆動力の伝達も可能である。
【0041】
シャッタセット部材20は、ミラーボックス1の後端フランジ部に回転可能に組みつけられており、下方に回転することによって、不図示のフォーカルプレーンシャッタの先幕ユニットおよび後幕ユニットをチャージ方向に移動させる。また、このチャージ完了状態から先幕ユニットおよび後幕ユニットのチャージの解放が可能なチャージ解除状態まで上方に回転することによって、先幕および後幕は不図示の電磁マグネットによってチャージ状態を保持した状態から、不図示の制御回路によって所定のシャッタ秒時を得られるように、上記電磁マグネットの出力を制御して、先幕および後幕駆動バネのチャージ解放により、先幕および後幕の走行が完了する。
【0042】
次に、図4〜図11を用いて、ミラー駆動機構の動作および制御方法について説明する。ここで、図4はカムギア12の回転位置を検出する位相検出基板14のパターン図である。図5はカムギア12のチャージカム12aと保持解除カム12bとの位相関係を示した図である。図6は可動ミラー2がファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ完了位置にあるとき、つまり撮影待機状態の図である。図7は可動ミラー2が撮影位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ解除位置にあるとき、つまりミラーアップ状態の図である。図8は可動ミラー2がファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20はチャージ解除位置にあるとき、つまりミラーダウン状態の図である。
【0043】
図9は図6で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。図10は図7で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。図11は図8で示した状態のときの、カムギア12、チャージアーム9及び保持解除アーム10の状態をミラーボックス1の上方から見た図である。
【0044】
まず、図4の位相検出基板14のパターン図を用いて、カムギア12の駆動制御方法を説明する。所定方向(たとえば、正回転)にモータ17を回転させたとき、その駆動力は、減速遊星機構18を介してカムギア12のギア部12cに伝達され、カムギア12を該所定方向に応じた一方向に回転させる。このとき、カムギア12に固定された位相検出接片13は、位相検出基板14のパターン上を、図4において反時計回り方向に移動する。
【0045】
位相検出基板14には、信号1に応じたパターン1、信号2に応じたパターン2及びGNDの3つの導電パターンが形成されており、位相検出接片13がパターン2をGNDパターンに接続し、パターン1とは非接触となるθ1の範囲にあるときは、図6に示す状態、すなわち可動ミラー2は撮影光路内に配置されるファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材20がチャージ完了位置にセットされた状態となる。
【0046】
また、位相検出接片13がパターン1をGNDパターンに接続し、パターン2とは非接触となるθ2の範囲にあるとき、可動ミラー2はファインダー観察位置から撮影光路外の撮影位置に向けて駆動され、かつシャッタセット部材20は、チャージ完了位置からチャージ解除位置に向けて駆動される。これにより、図7に示す状態、すなわち可動ミラー2及びシャッタセット部材20はそれぞれ、撮影位置及びチャージ解除位置にセットされた状態となる。
【0047】
さらに、位相検出接片13が、パターン1及びパターン2の双方ともGNDパターンと非接触となるθ3の範囲にあるとき、可動ミラー2は撮影位置からファインダー観察位置に向けて駆動される。これにより、図8に示す状態、すなわち可動ミラー2がファインダー観察位置にセットされ、シャッタセット部材20がチャージ解除位置に留まっている状態となる。さらに、カムギア12は回転動作を継続し、ミラー駆動機構は図8に示す状態から、図6に示す状態に復帰する。
【0048】
なお、位相検出基板14からの出力信号は、不図示の制御回路に入力され、制御回路は、不図示のレリーズスイッチのON動作に応じてモータ17を、カムギア12がθ1の範囲に対応する回転位置から、θ2の範囲に対応する回転位置に回転するように作動し、θ2の範囲に対応する位置にカムギア12が移動したと同時にモータ17の回転を停止させる。
【0049】
その後、制御回路は所定のシャッタ秒時が得られるように、不図示の電磁マグネットを制御して不図示の先幕および後幕を走行させる。シャッタの露光シーケンスが終了した後、モータ17を、カムギア12がθ2の範囲に対応する回転位置から、θ3の範囲に対応する回転位置へ、さらにθ1の範囲に対応する回転位置に回転するように作動し、次の撮影に備える。
【0050】
次に、図5のカムギア12のカムリフト配置図を用いて、カムギア12のチャージカム12aと保持解除カム12bの位相関係を説明する。
【0051】
同図において、上段のカムがチャージカム12aで、下段のカムが保持解除カム12bである。カムギア12はモータ17の駆動力を受けて一方向(反時計回り方向)に回転する。
【0052】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ1の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ4の範囲に位置する。
【0053】
チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接しており、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接しており、チャージアーム9と保持解除アーム10は図9に示す状態となっており、ミラー駆動機構は図6に示す状態にとなっている。
【0054】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ2の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ5の範囲に位置する。
【0055】
チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接しており、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接しており、チャージアーム9と保持解除アーム10は図10に示す状態となっており、ミラー駆動機構は図7に示す状態にとなっている。
【0056】
位相検出接片13が位相検出基板14のパターン上のθ3の範囲に位置するとき、チャージアーム9のカムピン9cとチャージカム12aとの当接箇所と、保持解除アーム10のカムピン10cと保持解除カム12bとの当接箇所はθ6の範囲である。
【0057】
また、保持解除アーム10のカムピン10cがカムギア12の保持解除カム12bのリフトボトム面12b2からリフトトップ面12b1に当接しながら移動するところまでカムギア12が回転しても、チャージアーム9のカムピン9cは、チャージカム12aのリフトボトム面12a2と当接したままの状態であり、チャージアーム9と保持解除アーム10は図11の状態となり、ミラー駆動機構は図8の状態となる。
【0058】
カムギア12がさらにθ1の範囲まで回転すると、チャージアーム9と保持解除アーム10は図9の状態に復帰し、ミラー駆動機構は図6の状態に復帰して次の撮影に備える。
【0059】
次に、駆動機構が図6および図9に示す状態から図7および図10に示す状態に移行する際の駆動機構の動作について説明する。
【0060】
図6に示す状態では、チャージアーム9のチャージアーム係合部9aによってシャッタ部材20を駆動するチャージレバー6が、反時計回り方向に駆動されるため、チャージレバー6のバネ受け部6bによって、可動ミラー駆動バネ3の可動端3bが右側に押し込まれる。これにより、可動ミラー駆動バネ3は、チャージレバー6を時計回り方向に駆動できるようにチャージされ、シャッタ部材20をチャージ完了位置にセットすることができる。このとき、第1可動ミラー戻しバネ15は、まだチャージされていない。
【0061】
この状態から、図9において、カムギア12が反時計回りの方向に回転すると、チャージアーム9のカムピン9cと当接しているチャージカム12aのリフトトップ面12a1が途切れ、チャージされた可動ミラー駆動バネ3の付勢力によってチャージレバー6が図6において時計回り方向に駆動される。このときチャージレバー6のチャージレバー係合部6dとチャージアーム9のチャージアーム係合部9aとが係合しているために、図10のようにチャージアーム9はミラーボックス1の軸部1hを回転中心として反時計回り方向に回転し、チャージアーム9のカムピン9cはチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接する。
【0062】
図6に示す状態から図7に示す状態にチャージレバー6が駆動されることにより、チャージレバー6のシャッタチャージ部6cは、挟み込んだシャッタセット部材20の駆動ピン20aを上方に回転させ、シャッタセット部材20を図6のチャージ完了位置から、図7のチャージ解除位置に回転させる。
【0063】
また、シャッタセット部材20をチャージ完了位置からチャージ解除位置に回転させると同時に、保持レバー7に形成された第1の保持レバー係合部7aが、ミラー駆動レバー4に設けられたミラー駆動レバー係合部4cと係合することで、ミラー駆動レバー4は、チャージレバー6に連結されてミラー駆動レバー戻しバネ5のバネ力に抗して、チャージレバー6とともに時計回り方向に駆動される。
【0064】
ミラー駆動レバー4が時計回り方向に回転することによって、ミラー駆動レバー4の駆動ピン当接部4bは可動ミラー2のミラー駆動ピン2aに当接する。これにより、ミラー駆動レバー4はミラー駆動ピン2aを介して可動ミラー2をファインダー観察位置から図7に示す撮影位置に向けて回転させる。そして、チャージレバー6の突き当て部6gがミラーボックス1のミラーアップ位置決部1pに当接した時点で、図7に示すように、可動ミラー2が撮影位置に、シャッタセット部材20がチャージ解除位置に移動する。図6に示す状態において、可動ミラー2のミラー戻しピン2b及び第1可動ミラー戻しバネ15の可動端15bが当接しているため、可動ミラー2が撮影位置に移動する(上動する)ことにより、第1可動ミラー戻しバネ15はチャージされる。ここで、図7に示す状態では、保持レバー7の保持レバー係合部7aがミラー駆動レバー4のミラレー駆動レバー係合部4cに対して係合しているため、ミラー駆動レバー4がミラー駆動レバー戻しバネ5の付勢力によって反時計回り方向に回転するのを防止することができる。その結果、第1可動ミラー戻しバネ15をチャージした状態で保持することができる。
【0065】
次に、図7および図10に示す状態から図8および図11に示す状態に移行する際のミラー駆動機構の動作について説明する。
【0066】
図10に示す状態からカムギア12が反時計回り方向に回転すると、図7においてカムギア12の保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接している保持解除アーム10のカムピン10cは、保持解除カム12bのリフトトップ面12b1に乗り上げて当接する。保持解除アーム10のカムピン10cが保持解除カム12bのリフトボトム面12b2からリフトトップ面12b1に移動することによって、保持解除アーム10はミラーボックス1の軸部1hを回転中心として、時計回り方向に回転し、保持解除アーム戻しバネ11の付勢力に抗して、図11に示す状態に移動する。
【0067】
保持解除アーム10が時計回り方向に回転することによって、保持解除アーム10の保持解除アーム係合部10aは保持レバー7の第2の保持レバー係合部7cを図11において下方に移動させる。
【0068】
保持レバー7の第2の保持レバー係合部7cが図11において下方に移動することによって、保持レバー7は、保持レバー戻しバネ8の付勢力に抗して、チャージレバー6の保持レバー取り付け部6eを回転軸として反時計回り方向に回転する。カムギア12が図11に示す状態まで回転すると、保持レバー7は図8に示す状態まで回転する。
【0069】
このように保持レバー7が図8に示す状態まで回転すると、保持レバー7のミラー駆動レバー4に対する係合が絶たれるため、ミラー駆動レバー4は、ミラー駆動レバー戻しバネ5の付勢力によって、ミラーボックス1の軸部1bを中心に反時計回り方向に回転する。この回転動作を開始したミラー駆動レバー4は、突き当て部4dがミラーボックス1のミラーダウン位置決部1qに突き当たることにより停止する、図8の状態まで回転する。
【0070】
また、ミラー駆動レバー4が反時計回りの方向に回転すると、ミラー駆動ピン2aに当接しているミラー駆動ピン当接部4bがそこから離脱するため、チャージされた第1可動ミラー戻しバネ15及び第2可動ミラー戻しバネ16の付勢力によって、可動ミラー2は、時計回りの方向に回転し、図7の撮影位置から図8のファインダー観察位置へ移動する。
【0071】
次に、図8および図11に示す状態から、図6および図9に示す状態に移行する際のミラー駆動機構の動作について説明する。
【0072】
図11に示す状態からカムギア12が反時計回りの方向に回転すると、カムギア12の保持解除カム12bのリフトトップ面12b1が途切れ、保持解除アーム戻しバネ11によって付勢されることにより、保持解除アーム10のカムピン10cは保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接する。保持解除アーム10のカムピン10cが保持解除カム12bのリフトボトム面12b2に当接すると、保持解除アーム10は図9の位置に移動する。
【0073】
また、図11に示す状態からカムギア12が反時計回り方向に回転すると、カムギア12のチャージカム12aのリフトボトム面12a2に当接しているチャージアーム9のカムピン9cは、チャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接する。チャージアーム9のカムピン9cがチャージカム12aのリフトトップ面12a1に進入すると、チャージアーム9は図9の位置に回転して移動する。
【0074】
チャージアーム9が反時計回り方向に回転すると、チャージアーム9のチャージアーム係合部9aはチャージレバー6のチャージレバー係合部6dと係合し、チャージレバー6を反時計回りの方向に回転する。チャージレバー6が反時計回り方向に回転することによって、チャージレバー6のバネ受け部6bとミラーボックス1の支柱1gにそれぞれ可動端3bと固定端3aが掛けられている可動ミラー駆動バネ3はチャージされる。
【0075】
同時に、チャージレバー6のシャッタチャージ部6cが、シャッタセット部材20の駆動ピン20aを押し下げるため、シャッタセット部材20は図6に示すチャージ完了状態に向かって回転する。チャージアーム9のカムピン9cがカムギア12のチャージカム12aのリフトトップ面12a1に当接した時点で、シャッタセット部材20はチャージ完了位置に到達し、不図示の先幕および後幕ユニットを不図示の電磁マグネットが、その吸着力によってチャージ完了状態に保持する。
【0076】
また、保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aはミラー駆動レバー4のミラー駆動レバー係合部4cと摺接し、第1の保持レバー係合部7aがミラー駆動レバー係合部4cの右側に出た瞬間に、保持レバー戻しバネ8の付勢力によって保持レバー7は時計回りの方向に回転する。これにより、第1の保持レバー係合部7aが押し下げられ、図6に示すように、保持レバー7の第1の保持レバー係合部7aはミラー駆動レバー4のミラー駆動レバー係合部4cを係止可能な位置に移動する。
【0077】
こうして、図6の状態から図7の状態に移行し、さらに図8の状態に移行して、図6の状態に戻ることにより、換言すればカムギア12を1回転させることにより、1回の撮影動作が終了する。
【0078】
また、カムギア12を一方向に回転させることにより、可動ミラー2及びシャッタ部材20を駆動することができるため、モータ17の駆動制御を簡素化でき、負荷の分散を考慮に入れたミラー駆動機構を実現できる。
【0079】
さらに、負荷の分散を考慮しているため、ミラーの駆動とシャッタ駆動を同一の駆動力で行っても消費電力が少ないミラー駆動装置を提供することができる。
【0080】
また、チャージカム12a及び保持解除カム12bを一つの部材で構成するとともに、これらを同軸回り一方向に駆動することにより、ミラー及びシャッタ駆動機構を駆動できるようにしているため、駆動効率が高く、また組み立てミスによる2つのカムの位相のずれを防止することができる。その結果、消費電力が少なく、かつ高精度なミラー駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例であるカメラにおけるミラーボックス周辺の斜視図
【図2】本発明の実施例であるカメラにおけるミラーボックス周辺の斜視図。
【図3】ミラーボックス周辺の分解斜視図。
【図4】実施例におけるカムギアの回転位相を検出するための位相検出基盤のパターン図。
【図5】実施例におけるカムギアのミラー駆動カムと保持解除カムを示した図。
【図6】実施例における可動ミラーがファインダー観察位置にあり、シャ
【図7】実施例における可動ミラーが撮影位置にあり、シャッタセット部材がャージ解除位置にあるときの側面図。
【図8】実施例における可動ミラーがファインダー観察位置にあり、シャッタセット部材がチャージ解除位置にあるときの側面図。
【図9】図6の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【図10】図7の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【図11】図8の状態におけるカムギアとチャージアームと保持解除アームの位置をミラーボックス上方から示した図。
【符号の説明】
【0082】
1:ミラーボックス
2:可動ミラー
3:可動ミラー駆動バネ
4:ミラー駆動レバー
5:ミラー駆動レバー戻しバネ
6:チャージレバー
7:保持レバー
8:保持レバー戻しバネ
9:チャージアーム
10:保持解除アーム
11:保持解除アーム戻しバネ
12:カムギア
13:位相検出接片
14:位相検出基板
15:第1可動ミラー戻しバネ
16:第2可動ミラー戻しバネ
17:モータ
18:減速遊星機構
19:ストロボ駆動ギア
20:シャッタセット部材
22:固定部材
23:保持レバー軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラーと、
前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、
前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材と、
前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材と、
前記第2の付勢部材をチャージするチャージ部および該第2の付勢部材のチャージを解放する解放部を有する第1のカムと、
前記保持部材による前記保持を解除する第2のカムと、
前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、
前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【請求項2】
前記第2の付勢部材は、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する際に、前記第1の付勢部材をチャージすることを特徴とする請求項1に記載のミラー駆動装置。
【請求項3】
シャッタを有し、
前記第1のカムは、前記チャージ部によって前記第2の付勢部材をチャージする際に、前記シャッタをチャージすることを特徴とする請求項1又は2に記載のミラー駆動装置。
【請求項4】
シャッタを有し、
前記第2の付勢部材は、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する際に、前記シャッタをチャージ状態からチャージ解放を許容する状態に駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項5】
前記保持部材を備え、該保持部材により前記ミラーと連結された状態で前記第2の付勢部材により駆動される被駆動部材を有することを特徴する請求項1から4のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項6】
シャッタを有し、
前記被駆動部材は、前記シャッタを駆動することを特徴とする請求項5に記載のミラー駆動装置。
【請求項7】
前記第1および第2のカムは、同一方向に駆動されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項8】
前記第1および第2のカムは、同一軸を中心に回転駆動されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項9】
撮影光路に対して移動可能なミラーと、
該ミラーを前記撮影光路内に配置する第1の位置と前記ミラーを前記撮影光路外に退避させる第2の位置とに移動可能なミラー駆動部材と、
該ミラー駆動部材を前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、
シャッタと、
該シャッタを駆動するシャッタ駆動部材と、
該シャッタ駆動部材に備えられ、該シャッタ駆動部材に対して前記ミラー駆動部材を連結する連結部材と、
該シャッタ駆動部材を駆動する付勢力を発生し、該シャッタ駆動部材および前記連結部材を介して前記ミラー駆動部材を前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する第2の付勢部材と、
前記第2の付勢部材をチャージする方向に前記シャッタ駆動部材を駆動するチャージ部および該シャッタ駆動部材の前記第2の付勢部材による駆動を許容する解放部を有する第1のカムと、
前記第2の位置において前記連結部材による前記ミラー駆動部材の連結を解除する第2のカムと、
前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、
前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一つに記載のミラー駆動装置を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項1】
撮影光路内に配置される第1の位置と前記撮影光路外に退避する第2の位置とに移動可能なミラーと、
前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、
前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する付勢力を発生する第2の付勢部材と、
前記第1の付勢部材のチャージ状態での保持が可能な保持部材と、
前記第2の付勢部材をチャージするチャージ部および該第2の付勢部材のチャージを解放する解放部を有する第1のカムと、
前記保持部材による前記保持を解除する第2のカムと、
前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、
前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【請求項2】
前記第2の付勢部材は、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する際に、前記第1の付勢部材をチャージすることを特徴とする請求項1に記載のミラー駆動装置。
【請求項3】
シャッタを有し、
前記第1のカムは、前記チャージ部によって前記第2の付勢部材をチャージする際に、前記シャッタをチャージすることを特徴とする請求項1又は2に記載のミラー駆動装置。
【請求項4】
シャッタを有し、
前記第2の付勢部材は、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する際に、前記シャッタをチャージ状態からチャージ解放を許容する状態に駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項5】
前記保持部材を備え、該保持部材により前記ミラーと連結された状態で前記第2の付勢部材により駆動される被駆動部材を有することを特徴する請求項1から4のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項6】
シャッタを有し、
前記被駆動部材は、前記シャッタを駆動することを特徴とする請求項5に記載のミラー駆動装置。
【請求項7】
前記第1および第2のカムは、同一方向に駆動されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項8】
前記第1および第2のカムは、同一軸を中心に回転駆動されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
【請求項9】
撮影光路に対して移動可能なミラーと、
該ミラーを前記撮影光路内に配置する第1の位置と前記ミラーを前記撮影光路外に退避させる第2の位置とに移動可能なミラー駆動部材と、
該ミラー駆動部材を前記第2の位置から前記第1の位置に駆動する付勢力を発生する第1の付勢部材と、
シャッタと、
該シャッタを駆動するシャッタ駆動部材と、
該シャッタ駆動部材に備えられ、該シャッタ駆動部材に対して前記ミラー駆動部材を連結する連結部材と、
該シャッタ駆動部材を駆動する付勢力を発生し、該シャッタ駆動部材および前記連結部材を介して前記ミラー駆動部材を前記第1の位置から前記第2の位置に駆動する第2の付勢部材と、
前記第2の付勢部材をチャージする方向に前記シャッタ駆動部材を駆動するチャージ部および該シャッタ駆動部材の前記第2の付勢部材による駆動を許容する解放部を有する第1のカムと、
前記第2の位置において前記連結部材による前記ミラー駆動部材の連結を解除する第2のカムと、
前記第1および第2のカムの双方を駆動するモータとを有し、
前記モータは、前記第1および第2のカムを一方向にのみ駆動することを特徴とするミラー駆動装置。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一つに記載のミラー駆動装置を有することを特徴とする撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−3463(P2006−3463A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177543(P2004−177543)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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