メイクアップおよび/またはケアキット
【課題】睫をメイクアップする、又はケアするためのキットの新規な効果を得る。
【解決手段】睫をメイクアップする、又はケアするためのキットにおいて、キットが、組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1つの組成物(i)、組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1つの組成物(ii)を含み、上記組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1つの列の形態で支持部5の上に配置された複数の施与部材6を含み、該列の長さは、施与部材6が睫の房の4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキットに関する。
【解決手段】睫をメイクアップする、又はケアするためのキットにおいて、キットが、組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1つの組成物(i)、組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1つの組成物(ii)を含み、上記組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1つの列の形態で支持部5の上に配置された複数の施与部材6を含み、該列の長さは、施与部材6が睫の房の4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキットに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、睫をメイクアップする及び/又はケアするための少なくとも1の化粧料組成物及び睫をメイクアップする及び/又はケアするための少なくとも1のチャージング化粧料組成物を含み、該チャージング化粧料組成物を睫の房の一部、特に睫の房の外側せいぜい3分の1以下にのみ施与するための手段を含むキットに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
睫上の新規なメイクアップ効果を得ること、特に睫の房のより実質的に一部の上にのみマスカラを堆積させる必要性がある。
【0003】
標準的なブラシ又は櫛タイプのアプリケーターを使用して、だまの形成を回避しながら、睫の一部にのみ、物質の正確な堆積物を置くことは困難であることが分かっている可能性がある。
【0004】
特定のメイクアップ効果を得るために、睫の房の連続していない領域の、対比される物質の堆積物に働きかけることは、実際興味深い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、睫の一部に大量のメイクアップを、特に睫の房のせいぜい3分の1以下に、より特に睫の房の外側部分に大量の物質の堆積物を施与することにより、目線(gaze)を開き、目を拡大し、場合によって目の形状の知覚を変更する特定のメイクアップ結果が得られることを見出した。房のせいぜい3分の1以下、房の外側上への大量の物質の堆積物を含むそのようなメイクアップは、その外側の隅が吊り上げられたアーモンド型及び長くされた目の印象を与える(目の「リフティング」効果)。
【0006】
すなわち本発明は、この特定のメイクアップの目的を容易に達成するための手段に向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
すなわち本発明の一つの側面に従うと、本発明の一つの課題は睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(i)、
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(ii)
を含むキットであって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、該キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含み、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキットである。
【0008】
発明者らは、組成物(i)及び(ii)(その少なくとも1つがこの特定の施与手段を使用して施与される)、より好ましくは組成物(ii)の睫への施与が、より体積を増加させる又はチャージングする堆積物を睫の房の一部にのみ、例えば睫の房の外側せいぜい3分の1以下に作ることを容易に可能にすることを観察した。
【0009】
特に、組成物(i)は、滑らかで均一な堆積物であって、施与しやすく、睫を被覆し、分離し、及び/又は長くする堆積物を得ることを可能にする堆積物を得ることを可能にする。組成物(i)は、控えめにチャージングするメイクアップを得ることを可能にする、すなわちそれは睫を濃くしない。すなわち自然なメイクアップが得られる。すなわち、ワックス及び親水性ポリマーの合計含有量のために、物質のより多い堆積物を作ることを可能にする組成物(ii)を施与することにより、メイクアップのこの第一フィルム上で、睫の房の一部のみに、例えば睫の房の外側せいぜい3分の1以下に、よりボリュームを与える又はチャージングする堆積物を容易に作ることを可能にする。
【0010】
すなわち、このキットは、組成物(i)の堆積物により付与されるメイクアップと組成物(ii)の堆積物により付与されるものとの対比を強調し、同時に審美的ではないと考えられる「だま」の形成を回避することを可能にする。
【0011】
第二の側面に従うと、本発明は睫をメイクアップする及び/又は非治療的にケアするための方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程が、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含む施与手段であって、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を使用して行われることを特徴とする方法である。
【0012】
第三の側面に従うと、本発明の課題は、メイクアップされた基体、例えばつけ睫であって、上で定義された方法に従って得られる得るメイクアップを含む基体である。
【0013】
本発明に従うメイクアップキットは、生理学的に許容される媒体、特に化粧的に許容される媒体、すなわち特に睫及び目の領域と両立する媒体を含む。
【0014】
ユーザーは、少なくとも2の施与作用により、物質の対比される堆積物によるメイクアップ効果を得ることができる。
【0015】
組成物(i)及び組成物(ii)の施与の順序は変わることができる。しかし、組成物(ii)の前に組成物(i)を施与することが好ましい。
【0016】
施与の順序に依存して、化粧料組成物の一方又は他方は、「ベースコート」又は「トップコート」と称され得る。
【0017】
本発明の文脈において、用語「化粧的に許容される」とは、その使用が睫への施与と両立する化合物を意味する。
【0018】
本発明の目的のために、用語「房」は、瞼の内側の隅から瞼の外側の隅までの、上瞼の睫又は下瞼の睫の、又はユーザーの目の一方又は他方の眉弓の眉毛を意味する。
【0019】
用語「1の〜を含む」とは、表現「少なくとも1の〜を含む」と同義であると、そして用語「〜の間」とは、他に明記されない限り限界を含むと理解されるべきである。
【0020】
成分のすべての含有量は固体として表現される。
【0021】
用語「施与手段」及び「アプリケーター」は、詳細な説明の残部においては優先なしに使用される。
【0022】
用語「水性連続相を有する組成物」とは、組成物が25℃において測定されて23μS/cm(マイクロシーメンス/cm)超の電導度を有し、電導度は、例えばメトラートレド製のMPC227電導計及びInlab730電導度測定セルを使用して測定される。測定セルは、セルの2つの電極の間に形成される可能性のある空気の泡を除去するために組成物に浸漬される。電導度の読み取は電導計の値が安定したら直ちに行われる。少なくとも3の連続測定において平均が決定される。
【0023】
一つの好ましい実施態様に従うと、2つの組成物(i)及び(ii)は、水性連続相を含む。
【0024】
本発明に従う組成物(i)は、組成物の合計重量に対して26重量%以下、好ましくは24重量%以下、より良くは23.5重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する。
【0025】
本発明に従う組成物(i)は、組成物(i)の合計重量に対して10重量%以上、好ましくは15重量%以上の合計含有量のワックス及び親水性ポリマーを含む。
【0026】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う組成物(ii)は、好ましくは水性連続相と共に、組成物の合計重量に対して26重量%超、好ましくは27重量%以上、より良くは28重量%以上の合計含有量のワックス及び親水性ポリマーを有する。
【0027】
それらは、組成物(ii)の合計重量に対して50重量%までの範囲のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有し得る。
【0028】
本発明の一つの特定の実施態様に従うと、キットは、組成物(ii)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量と組成物(i)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量の差が、絶対値として2%以上、又は3%以上でさえ、より良くは4%以上であるようなものである。
【0029】
ワックス
本発明の目的のために、用語「ワックス」は、親油性化合物であって、室温(25℃)において固体であり、可逆の固体/液体の状態変化を有し、30℃以上であって、120℃までであり得る融点を有するものを意味する。
【0030】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばメトラー社によりDSC30の名前で販売されている熱量計を使用して測定され得る。
【0031】
ワックスは、炭化水素に基づくワックス、フルオロワックス及び/又はシリコーンであってもよく、植物、鉱物、動物、及び/又は合成起源であってもよい。特にワックスは25℃超、より良くは45℃超の融点を有していてもよい。
【0032】
ワックスは、各組成物(i)及び(ii)の合計重量に対して、0.1重量%〜50重量%,よりよくは1重量%〜40重量%、さらによりよくは5重量%〜30重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0033】
本発明の一つの好ましい実施態様に従うと、組成物(i)中のワックスの含有量は組成物の合計重量に対して1重量%〜40重量%,好ましくは5重量%〜30重量%,よりよくは8重量%〜25重量%の範囲である。
【0034】
本発明の一つの好ましい実施態様に従うと、組成物(ii)中のワックスの含有量は組成物の合計重量に対して5重量%〜40重量%,好ましくは15重量%〜30重量%、よりよくは18重量%〜25重量%の範囲である。
【0035】
すなわち、最も特に好ましい態様において、キットは、その合計重量に対して8重量%〜25重量%のワックスの含有量を有する組成物(i)、及びその合計重量に対して18重量%〜25重量%のワックスの含有量を有する組成物(ii)を含む。
【0036】
炭化水素をベースとするワックス、例えばビーズワックス、ラノリンワックス又はイボタロウ、米ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オウリキュリーワックス、エスパルト草ワックス、コルクファイバーワックス、サトウキビワックス、木蝋及びハゼロウ;モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュ合成により得られるワックス及びワックス状コポリマー、及びそれらのエステルが特に使用され得る。
【0037】
直鎖又は分岐状のC8〜C32脂肪鎖を含む動物又は植物油の触媒水素化により得られるワックスもまた挙げられ得る。
【0038】
特に挙げられ得るこれらのワックスの中に、水素化ホホバオイル、異性化ホホバオイル、例えばデザートホエール社により商業参照イソ−ホホバ−50(商標)で製造又は販売されているトランス異性化され、部分的に水素化されたホホバオイル、水素化サンフラワーオイル、水素化ヒマシ油、水素化ココナッツオイル、水素化ラノリンオイル及びヘテレーン(Heterene)社によりヘスト2T−4Sの名前で販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート、ヘテレーン社によりヘスト2T−4Bの名前で販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラベヘネートがある。
【0039】
シリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシジメチコーン及びフルオロワックスもまた挙げられ得る。
【0040】
ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブオイルの水素化により得られるワックス(名前フィトワックスオリーブ18 L57で販売されている)又はセチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化により得られたワックス(ソフィム(Sophim)社により名前フィトワックスリシン16L64及び22L73で販売されている)もまた使用され得る。そのようなワックスは仏国特許出願公開第2792190号に記載されている。
【0041】
一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物(i)又は(ii)は、少なくとも1の「粘着性」ワックス、すなわち0.7N.s以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスを含み得る。
【0042】
粘着性のワックスの使用は、睫に施与しやすく、睫によく付着し、滑らかで、均一で、濃くするメイクアップの形成をもたらす化粧料組成物の製造を特に許し得る。
【0043】
使用される粘着性ワックスは、特に0.7N.s〜30N.s、特に1N.s以上特に1N.s〜20N.sの範囲,特に2N.s以上,特に2N.s〜10N.sの範囲、特に2N.s〜5N.sの範囲の粘着性を有し得る。
【0044】
ワックスの粘着性は、Rheo社によりTA−TX2i(商標)の商品名の下に販売されるテクスチュロメーター(45度の角度を形成する円錐形のアクリルポリマーのスピンドルが装備されている)を用いて、時間の関数として、力(圧縮力又は延伸力)の変化を20℃において測定することにより決定される。
【0045】
測定プロトコルは以下のとおりである:
【0046】
ワックスはワックスの融点+10℃に等しい温度において溶融される。溶融されたワックスは直径25mm、深さ20mmの容器に注がれる。ワックスの表面が平らでかつ滑らかになるように、ワックスは室温(25℃)において24時間再結晶化され、次に粘着度の測定の前に20℃において少なくとも1時間貯蔵される。
【0047】
テクスチュロメーターのスピンドルは0.5mm/秒の速度で移動され、次に2mmの浸透深さまでワックスに浸透する。スピンドルが2mmの深さまで浸透したとき、スピンドルは1秒間(緩和時間に相当する)静かに保たれ、次に0.5mm/秒の速度で引き抜かれる。
【0048】
緩和時間の間、力(圧縮力)はそれがゼロになるまで大きく減少し、そして次にスピンドルの引き抜きの間に力(延伸力)が負になり、次に0の値に再び上昇する。粘着度は、力の負の値(延伸力)に対応する曲線の部分に対する時間の関数としての力の曲線の積分に相当する。粘着度の値はN.sで表される。
【0049】
使用され得る粘着性ワックスは、一般的に3.5MPa以下、特に0.01MPa〜3.5MPaの範囲、とりわけ0.05MPa〜3Mpa、あるいは0.1MPa〜2.5MPaの範囲さえ、の硬度を有する。
【0050】
硬度は前に記載されたプロトコルに従って測定される。
【0051】
使用され得る粘着性ワックスは、単独で又は混合物としてのC20〜C40のアルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(20〜40の炭素原子を含むアルキル基)、特に式(II)のC20〜C40のアルキル12−(12’−ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート、
【0052】
【化1】
【0053】
ここで、mは18〜38の範囲の整数である、又は式(II)の化合物の混合物である。
【0054】
そのようなワックスは特にコスターコイネン社によりケスターワックスK82P(商標)及びケスターワックスK80P(商標)の名前で特に販売されている。
【0055】
上に記載されたワックスは、一般的に45℃未満の溶融開始温度を有する。
【0056】
Strahl&Pitsch社により参照SP18で販売され、約0.46MPaの硬度及び約1N.sの粘着値を有するマイクロクリスタリンワックスもまた使用され得る。
【0057】
ワックスは、ワックスの水性マイクロ分散物の形態であってもよい。表現「ワックスの水性マイクロ分散物」は、該ワックスの粒子のサイズが約1μm以下であるワックス粒子の水性分散物を意味する。
【0058】
ワックスのマイクロ分散物は、コロイド状ワックス粒子の安定な分散物であり、特にL.M.Prince編集「マイクロエマルジョンの理論と操作」、アカデミックプレス(1977年)21〜32ページに記載されている。
【0059】
特に、これらのワックスのマイクロ分散物は、界面活性剤、及び場合によって少量の水、の存在下でワックスを溶融させ、続いて攪拌しながら熱湯を徐々に添加することにより得られ得る。油中水型のエマルジョンの中間体の形成が観察され、続いて相の転換が起こり、水中油型のマイクロエマルジョンが最終的に生成される。冷却すると、固体ワックスのコロイド状粒子の安定なマイクロ分散物が得られる。
【0060】
ワックスのマイクロ分散物はワックス、界面活性剤及び水の混合物を攪拌手段、例えば超音波、高圧ホモジェナイザー又はターボミキサーを使用して攪拌することによってもまた得られ得る。
【0061】
ワックスのマイクロ分散物の粒子は、好ましくは1μm未満の平均サイズ(特に0.02μm〜0.99μmの範囲)及び好ましくは0.5μm(特に0.06μm〜0.5μmの範囲)を有する。
【0062】
これらの粒子は、基本的にワックス又はワックスの混合物からなる。しかし、これらの粒子は少量の油状及び/又はペースト状脂肪性添加物、界面活性剤、及び/又は一般的な脂溶性添加剤及び/又は活性剤を含み得る。
【0063】
親水性ポリマー
親水性ポリマーは、特に親水性フィルム形成性ポリマー及び親水性ゲル化剤及びそれらの混合物から選択され得、ある親水性フィルム形成性ポリマーは、ゲル化剤としてもまた機能する。
【0064】
組成物(i)において、親水性ポリマー固体の合計含有量は、組成物の合計重量に対して0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%であり得る。
【0065】
組成物(ii)において、親水性ポリマー固体の合計含有量は組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%であり得る。
【0066】
組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%の親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(i)及び組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%の親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)を含むキットが本発明の文脈において最も特に好ましい。
【0067】
I)フィルム形成性ポリマー
本発明において、用語「フィルム形成性ポリマー」は、自分自身で、又はフィルム形成助剤の存在下、睫に接着する巨視的連続フィルム、好ましくは粘着性フィルム、よりよくは、例えば上記フィルムが非粘着性の表面、例えばテフロン(登録商標)で被覆された若しくはシリコーンで被覆された表面の上に注ぐことにより製造されるときに、フィルムの粘着性及び機械的特性は、フィルムが単離され得、分離して操作され得るようなものであるフィルムを形成できるポリマーを意味する。
【0068】
。
一般的に、組成物(i)又は(ii)のそれぞれにおけるフィルム形成性ポリマー固体の含有量は組成物の合計重量に対して0.1重量%〜40重量%,好ましくは0.5重量%〜30重量%、よりよくは1重量%〜20重量%の範囲であり得る。親水性フィルム形成性ポリマーは、水溶性ポリマーであり得るか、又は水性媒体中における分散物であり得る。
【0069】
本発明の組成物において使用され得るフィルム形成性ポリマーの中で、フリーラジカルタイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー及び天然起源のポリマー及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0070】
挙げられ得る水溶性フィルム形成性ポリマーの例は、
たんぱく質、例えば植物起源のたんぱく質、例えば小麦タンパク又は大豆タンパク;動物起源のたんぱく質、例えばケラチン、例えばケラチン加水分解物、及びスルホンケラチン;
セルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、及びそれらの4級化されたセルロース誘導体;
アクリルポリマー又はコポリマー、例えばポリアクリレート又はポリメタクリレート;
ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル及びマレイン酸無水物のコポリマー、ビニルアセテート及びクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマー;ビニルピロリドン及びカプロラクタムのコポリマー;ポリビニルアルコール;
アニオン性、カチオン性、両性又はノニオン性キチン又はキトサンポリマー;
アラビアガム、グアーガム、キサンタン誘導体、及びカラヤガム;
アルギネート及びカラギーナン;
グリコアミノグリカン、及びヒアルロン酸、及びその誘導体;
シェラック樹脂、サンダラックガム、ダマール樹脂、エレミガム、及びコーパル樹脂;
デオキシリボ核酸;
ムコ多糖類例えば硫酸コンドロイチン、
及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0071】
フィルム形成性ポリマーは、水性相に分散された粒子の形態(一般的にラテックス、又は擬似ラテックスとして公知である)で組成物中に存在してもよい。これらの分散物を製造する技術は当業者に周知である。
【0072】
使用され得るフィルム形成性ポリマーの水性分散物は、Avecia Neoresins社によりネオクリルXK−90(商標)、ネオクリルA−1070(商標)、ネオクリルA−1090(商標)、ネオクリルBT−62(商標)、ネオクリルA−1079(商標)及びネオクリルA−523(商標)の名前で、ダウケミカル社によりダウラテックス432(商標)の名前で、又は大東化成工業社によりダイトゾール5000 AD(商標)又はダイトゾール5000 SJ(商標)名前で販売されているアクリル分散物;インターポリマー社によるSyntran 5760(商標)、ロームアンドハース社によるAllianz Opt(商標)、あるいはAvecia Neoresins社によりNeorez R−981(商標)及びNeorez R−974(商標)の名前で販売されている水性ポリウレタン分散物、Noveon社によるAvalure UR−405(商標)、Avalure UR−410(商標)、Avalure UR−425(商標)、Avalure UR−450(商標)、Sancure 875(商標)、Avalure UR−445(商標)及びSancure 2060(商標)、バイエル社によるImpranil 85(商標)、ハイドロマー社によるAquamere H−1511(商標);イーストマンケミカルプロダクツ社によりイーストマンAQ(商標)の名前で販売されているスルホポリエステル、ビニル分散物、例えばMexomere PAM(商標)、水性ポリビニルアセテート分散物、例えばNisshin Chemical社製のVinybran(商標)又はユニオンカーバイド社により販売されている製品、ビニルピロリドンの水性分散物、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びラウリルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウムクロリドターポリマー例えば、ISP製のStyleze W、ポリウレタン/ポリアクリルハイブリッドポリマーの水性分散物、例えばAir Products社によりHybridur(商標)の参照で販売されているもの、又はナショナルスターチ社製のDuromer(商標)、及びコア/シェルタイプの分散物:例えばAtofina社によりKynar(コア:フルオロ−シェル:アクリル)の参照で販売されているもの、又は米国特許第5188899号に記載されているもの(コア;シリカーシェル:シリコーン)、及びそれらの混合物を含む。
【0073】
一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物(i)又は(ii)は、親水性フィルム形成性ポリマーとして少なくともカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの組み合わせを含む。
【0074】
カチオン性ポリマーは、4級セルロースエーテル誘導体、セルロースと水溶性4級アンモニウムモノマーとのコポリマー、シクロポリマー、カチオン性多糖類、カチオン性シリコーンポリマー、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートで4級化された若しくは4級化されていないコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールの4級ポリマー、及びポリアミノアミド及びそれらの混合物から選択され得る。
【0075】
好ましくは、カチオン性ポリマーは4級アンモニウム基を含むヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースである。
【0076】
アニオン性ポリマーは以下から有利に選択される:
A) アクリル又はメタクリル酸又はそれらの塩のホモポリマー又はコポリマー、アクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー及びそれらの塩、及びポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、例えばHercules社によりReten(商標)の名前でナトリウム塩の形で販売されているアクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー、バンダービルト社によりDarvan No.7の名前で販売されているポリメタクリレートナトリウム、及びHenkel社によりHydagen F(商標)の名前で販売されているポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩;
B) アクリル酸又はメタクリル酸とモノエチレン性モノマー、例えばエチレン、スチレン、ビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸エステルとのコポリマー、場合によってポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール上にグラフト化されていてもよい;このタイプのコポリマーは、その鎖中に、場合によってN−アルキル化及び/又はヒドロキシアルキル化されていてもよいアクリルアミド単位を含む、アクリル酸及びC1〜C4アルキルメタクリレートのコポリマー、及びビニルピロリドン、アクリル酸、及びC1〜C20アルキルメタクリレートのターポリマー;
C) クロトン酸から誘導されたコポリマー、例えばその鎖の中に、ビニルアセテート又はプロピオネート単位を含み、場合によって他のモノマー例えばアリル又はメタアリルエステルを含んでいてもよいもの、長い炭化水素に基づく鎖、例えば少なくとも5の炭素原子を含む鎖を有する、直鎖又は分岐状の飽和カルボン酸のビニルエーテル又はビニルエステル(これらのポリマーはグラフト化されていてもよい);
D) マレイン酸、フマール酸、又はイタコン酸、又は無水物と、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体又はアクリル酸及びそのエステルとから誘導されたポリマー;マレイン酸、シトラコン酸、又はイタコン酸無水物、及び、場合によってアクリルアミド若しくはメタクリルアミド基、α−オレフィン、アクリル若しくはメタクリルエステル、アクリル若しくはメタクリル酸又はビニルピロリドンをその鎖の中に含んでいてもよいアリル又はメタリルエステルとのコポリマー、(無水物官能基はモノエステル化又はモノアミド化されている)、
E) カルボキシレート基を含むポリアクリルアミド;
F) デオキシリボ核酸;
G) 少なくとも1のジカルボン酸、少なくとも1のジオール及び少なくとも1の二官能性芳香族モノマーであって、基−SO3M(Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+又は金属イオンを表す)を有する芳香族モノマーのコポリマー;
及びそれらの混合物。
【0077】
より特に好ましいアニオン性ポリマーは、架橋されていないアニオン性ポリマー、例えばメチルビニルエーテル/モノエステル化されたマレイン酸無水物のコポリマー(ISP社によりGantrez ES425の名前で販売されている)、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー(BASF社によりウルトラホールドストロングの名前で販売されている)、メタクリル酸及びメチルメタクリレートのコポリマー(ロームアンドファーマ社によりEudragit Lの名前で販売されている)、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸のターポリマー及びクロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマー(National Starch社によりResin 28−29−30の名前で販売されている)、メタクリル酸及びエチルアクリレートのコポリマー(BASF社によりLuvimer MAEX又はMAEの名前で販売されている)、ビニルピロリドン/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのターポリマー(ISP社によりアクリドンLMの名前で販売されている)、及び例えばVersicol E 5の名前で販売されているアクリル若しくはメタクリル酸のホモポリマー、又はバンダービルト社によりDarvan 7の名前で販売されている(ポリ(メタクリレートナトリウム)、及びそれらの混合物から選択される。
【0078】
アニオン性ポリマーは好ましくはポリメタクリル酸ナトリウムである。
【0079】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、フィルム形成性ポリマーによるフィルムの形成を促進する可塑剤を含む。そのような可塑剤は所望される機能を達成することのできるとして当業者に公知の任意の化合物から選択され得る。
【0080】
II)親水性ゲル化剤
本発明に従う組成物において使用され得る親水性ゲル化剤は、以下から選択され得る:
アクリル又はメタクリル酸ホモポリマー若しくはコポリマー又はその塩若しくはエステル、特にAllied Colloid社によりVersicol F(商標)又は Versicol Kの名前で販売されている製品、チバガイギー社によるウルトラホールド8(商標)、及びSynthalen Kタイプのポリアクリル酸、
アクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー(そのナトリウム塩の形態でHercules社によりReten(商標)の名前で販売されている)及びポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩(ヘンケル社によりHydagen F(商標)の名前で販売されている)、
Pemulenタイプのポリアクリル酸/アルキルアクリレートのコポリマー、
Clariant社により販売されているAMPS(部分的に水性アンモニアで中和され、高度に架橋されたポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、
セピック社により販売されているSepigel(商標)又はSimulgel(商標)タイプのAMPS/アクリルアミドのコポリマー、及び
AMPS/ポリオキシエチレン化されたアルキルメタクリレートのコポリマー(架橋されている又は架橋されていない)、及びそれらの混合物。
【0081】
上述されたある水溶性のフィルム形成性ポリマーは、水溶性ゲル化剤としてもまた作用し得る:
会合性ポリウレタン、例えばServo Delden製のポリマーC16−OE120−C16(SER AD FX1100の名前で販売されており、ウレタン官能基を含み、1300の重量平均分子量を有する)、OEは、オキシエチレン単位である、Rheox社により販売されているウレア官能基を含むRheolate 205又はRheolate 208又は204(これらのポリマーは純粋な形で販売されている)又はロームアンドハース社製DW 1206B、これはC20のアルキル鎖及びウレタン結合を有し、水中において20%の活性物質において販売されている。これらの会合性ポリウレタンの特に水又は水性アルコール媒体中の溶液又は分散物もまた使用され得る。挙げられ得るそのようなポリマーの例は、Servo Delden社製のSER AD FX1010,SER AD FX 1035及びSER AD 1070、及びRheox社により販売されているRheolate 255,Rheolate 278及びRheolate 244を含む。ロームアンドハース社製の製品DW 11206F及びDW 1206J,及びAcrysol RM 184又はAcrysol 44又はBorchers社製のBorchigel LW 44もまた使用され得る。
及びそれらの混合物。
【0082】
親水性ゲル化剤は、組成物の合計重量に対して0.05重量%〜40重量%,好ましくは0.5重量%〜20重量%、よりよくは1重量%〜15重量%の範囲の含有量で本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれに存在し得る。
【0083】
追加のフィルム形成性ポリマー
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、非水性の溶媒相に可溶であり得る、又は非水性溶媒相に分散され得る少なくとも1の追加の親油性ポリマーをもまた含み得る。
【0084】
一つの特定の実施態様に従うと、組成物は追加のフィルム形成性ポリマーとして特定のアクリルターポリマーを含む。このターポリマーは長くする効果を得、睫に施与されたときに、物質の滑らかで均一な堆積を許するように、施与の間に睫に良好な接着、特に睫の末端に物質の堆積を与えるという利点を有する。
【0085】
一つの特定の実施態様に従うと、キットはこのターポリマーを含む組成物(i)及びそのようなターポリマーなしの組成物(ii)を含む。
【0086】
そのようなタイプのポリマー及びそれを含むマスカラはより特に公報欧州特許出願公開第1647268号に記載されている。
【0087】
該公報の教示は、本特許出願に参照することにより取り込まれる。
【0088】
しかし、特定のターポリマーは、以下に詳細に説明される。
【0089】
ターポリマーは、
(メタ)アクリル酸と2〜20の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択された少なくとも1のモノマーA、
(メタ)アクリル酸と1〜10の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択された少なくとも1のモノマーB、
N−ビニルラクタムから選択された少なくとも1のモノマーC
の共重合化から得られるポリマーである。
【0090】
モノマーA
モノマーAは(メタ)アクリル酸と2〜20の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択される。
【0091】
一つの実施態様に従うと、コポリマーは、メタクリル酸と5〜20の炭素原子、好ましくは7〜18の炭素原子、よりよくは10〜18の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られる少なくとも1のモノマーAを含む。
【0092】
特に、モノアルコールは、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール及び1−オクタデカノール及びそれらの混合物から選択され得る。
【0093】
本発明に従うポリマーは、アクリル酸と2〜15の炭素原子、好ましくは4〜14の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られる少なくとも1のモノマーAをもまた含み得る。
【0094】
特にC2〜C15のモノアルコールは、エタノール,1−ブタノール,2−ブタノール,1−ペンタノール,2−ペンタノール,3−ペンタノール,2−メチル−1−ブタノール,1−ヘキサノール,2−ヘキサノール,2−メチル−1−ペンタノール,3−メチル−1−ペンタノール,2−エチル−1−ブタノール,3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール,3−ヘプタノール,1−オクタノール,2−オクタノール,イソオクチルアルコール,2−エチル−1−ヘキサノール,1−デカノール,1−ドデカノール,1−トリデカノール及び1−テトラデカノール,及びそれらの混合物から選択され得る。
【0095】
有利に、モノマーAはn−ブチルアクリレート,イソオクチルアクリレート及びラウリルメタクリレート(メタクリル酸と1−ドデカノールとの反応から誘導される),及びそれらの混合物から選択される。
【0096】
有利に、モノマーAは、ポリマーのモノマーの合計数に対して15重量%〜80重量%、よりよくは40重量%〜60重量%の範囲の数的な割合で存在する。
【0097】
モノマーB
モノマーBは、メタクリル酸と、1〜10の炭素原子,好ましくは1〜6、よりよくは1〜4の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から誘導されたエステルから選択される。
【0098】
特にモノアルコールはメタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール,1−ペンタノール,2−ペンタノール及び3−ペンタノール,及びそれらの混合物から選択され得る。
【0099】
好ましくは、モノマーBは、メチルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレート,及びそれらの混合物から選択される。
【0100】
有利に、モノマーBはポリマーのモノマーの合計数に対して20重量%〜70重量%、よりよくは25重量%〜50重量%の範囲の数的割合で存在する。
【0101】
モノマーC
モノマーCは、有利にN−ビニルラクタム(N−置換ラクタム誘導体)、例えば米国特許第3907720号に記載されたもの、特に以下の式を有するN−ビニルラクタムから選択される。
【0102】
【化2】
【0103】
ここで
R1及びR2は独立して水素原子、C1〜C5アルキル基例えばメチル,エチル又はプロピル、又はアリール基を表し、
【0104】
【化2】
【0105】
そしてn及びn1は0〜5の範囲である,但しn及びn1は同時にゼロではない。
【0106】
好ましくはR1及びR2は、独立して水素原子、又はC1〜C5アルキル基、例えば、メチル,エチル又はプロピルを表し、
【0107】
【化3】
【0108】
モノマーCとして使用され得るN−ビニルラクタムとして,以下のラクタムのN−ビニルピロリドン、及びN−ビニル−置換された誘導体が挙げられ得る:3,3−ジメチル−1−ピロリドン,4,4−ジメチル−2−ピロリドン,3,4−ジメチル−2−ピロリドン,3−エチル−2−ピロリドン及び3,5−ジメチル−2−ピロリドン。好ましくはモノマーCはN−ビニルピロリドンである。
【0109】
有利にモノマーCは、ポリマーのモノマーの合計数に対して1重量%〜15重量%、よりよくは5重量%〜15重量%の範囲の数的割合で存在する。
【0110】
有利にポリマーは、有機溶媒中の溶液又は分散物中にあり、該有機溶媒は好ましくは本発明に従う組成物(i)の有機溶媒相の「第一有機溶媒」である。
【0111】
本発明に従う組成物のコポリマーは、特にモノマーが溶解している溶媒中でのフリーラジカル重合化という慣用の方法で製造され得る。
【0112】
そのようなコポリマー及びそれらを含む抗菌性組成物が特に米国特許第4584192号に記載されている。
【0113】
追加のフィルム形成性ポリマーは、組成物(i)又は(ii)の合計重量に対して固体(又は活性物質)の0.01重量%〜20重量%,好ましくは0.05重量%〜15重量%、よりよくは0.05重量%〜10重量%であり得る。
【0114】
水性相
本発明に従う組成物(i)又は(ii)の少なくとも1、好ましくは各組成物(i)及び(ii)は、水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む連続的水性相を含む。
【0115】
連続的水性相は、組成物の連続相を形成し得る水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む。
【0116】
本発明において、用語「水溶性溶媒」は、室温において液状であり、水と混和性である化合物を意味する(25℃及び大気圧において50重量%超の水における混和性)。
【0117】
本発明に従う組成物において使用され得る水溶性溶媒は、揮発性であってもよい。
【0118】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)において使用され得る水溶性溶媒の中で、1〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、2〜8の炭素原子を有するグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコール、C3及びC4ケトン及びC2〜C4アルデヒドが挙げられ得る。
【0119】
水性相(水及び水と混和する任意的な有機溶媒)は該組成物の合計重量に関して1〜95重量%、好ましくは3〜80重量%、優先的に5〜60重量%の範囲の含有量において、組成物(i)及び(ii)のそれぞれに存在することができる。
【0120】
組成物(i)及び(ii)に含まれる他の成分
乳化システム
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、組成物の合計重量に対して特に0.1重量%〜30重量%,よりよくは1重量%〜15重量%、よりよくは2重量%〜10重量%の範囲の割合で存在する乳化界面活性剤を含み得る。
【0121】
本発明に従うと、水中油型エマルジョンを得るために適切に選択される乳化剤が一般的に使用される。特に25℃においてグリフィンの意味において8以上のHLB(疎水性−親水性−バランス)を有する乳化剤が使用される。
【0122】
グリフィンによるHLB値は、J.Soc.Cosm.Chem.,1954年(第5巻)、249〜256ページに記載されている。
【0123】
これらの界面活性剤はノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤又は乳化界面活性剤から選択され得る。界面活性剤の性質と(乳化)機能の定義については、書類「化学技術の百科事典、カークオスマー(Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer)」第22巻、333〜432ページ、第3版、1979年、ワイリーを参照されたい。特にアニオン性、両性、及びノニオン性界面活性剤の場合、この参考文献の特に347〜377ページを参照されたい。
【0124】
本発明に従う組成物中で好ましく使用される界面活性剤は以下から選択される。
a)単独で又は混合物として使用される、25℃において8以上のHLBを有するノニオン性界面活性剤;以下のものが特に挙げられ得る:
グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る);
脂肪族アルコール(特にC8〜C24、好ましくはC12〜C18アルコール)のオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)、例えば30のオキシエチレン基を含むオキシエチレン化セタリールアルコールエーテル(CTFA名「Ceteareth−30」)及び7のオキシエチレン基を含むC12〜C15の脂肪族アルコールの混合物のオキシエチレン化エーテル(シェルケミカルズによりNeodol 25−7(商標)の名前で販売されているCTFA名「C12〜15のPareth−7」);
ポリエチレングリコール(1〜150のエチレングリコールユニットを含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24酸及び好ましくはC16〜C22酸)、例えばICI ユニケマ社によりMyrj 52P(商標)の名前で販売されているPEG−50ステアレート及びPEG−40モノステアレート;
オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたグリセリルエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24、好ましくはC16〜C22酸)、例えば、セピック社によりSimulsol 220 TM(商標)の名前で販売されているPEG−200グリセリルモノステアレート;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルステアレート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat S(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルオレエート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat O(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルココエート、例えばSherex社により販売されている製品Varionic LI 13(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルイソステアレート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat L(商標)、及び30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルラウレート、例えばゴールドシュミット社製の製品Tagat I(商標);
オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたソルビトールエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24、好ましくはC16〜C22酸)、例えばユニケマ社によりTween 60(商標)の名前で販売されているポリソルベート60、
ジメチコンコポリオール、例えばダウコーニング社によりQ2−5220(商標)の名前で販売されているもの;
ジメチコンコポリオールベンゾエート(Fintex社によるFinsolv SLB 101(商標)及び201(商標));
プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマー、EO/PO重縮合体としてもまた公知である;
及びそれらの混合物。
【0125】
EO/PO重縮合体は、より特に、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールブロックからなるコポリマーであり、例えばポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールのトリブロック重縮合体である。これらのトリブロック重縮合体は、例えば以下の化学構造を有する:
ここでaは2〜120であり、bは1〜100である。
【0126】
EO/PO重縮合体は好ましくは1000〜15000、さらによりよく2000〜13000の範囲の重量平均分子量を有する。有利には、該EO/PO重縮合体は、20℃以上、好ましくは、60℃以上の、10g/蒸留水1Lにおける曇り点を有する。曇り点は、ISO標準1065に従って測定される。本発明に従って使用され得るEO/PO重縮合体としてICI社によりSynperonic(商標)、例えばSynperonic PE/L44(商標)及びSynperonic PE/E127(商標)の名前で販売されているポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック重縮合体が挙げられ得る。
【0127】
b)25℃において8未満のHLBを有するノニオン性界面活性剤(場合によって25℃において8超のHLBを有する1以上のノニオン性界面活性剤、例えば上述されたもの、と組み合わせられてもよい)、例えば
糖類のエステル及びエーテル、例えばスクロースステアレート、スクロースココエート、ソルビタンステアレート及びそれらの混合物、例えばICI社により販売されているArlatone 2121(商標);
ポリオール、特にグリセロール、又はソルビトールの脂肪酸エステル(特にC8〜C24及び好ましくはC16〜C22の酸)、例えばグリセリルステアレート、例えばゴールドシュミット社によりTegin M(商標)の名前で販売されているグリセリルステアレート、グリセリルラウレート、例えばHuls社によりImwitor 312(商標)の名前で販売されている製品、ポリグリセリル−2ステアレート、ソルビタントリステアレート又はグリセリルリシノレート;
ダウコーニング社によりQ2−3225C(商標)の名前で販売されているシクロメチコン/ジメチコンコポリオールの混合物;
【0128】
c)アニオン性界面活性剤、例えば
C16〜C30脂肪酸の塩,特にアミン、例えばトリエタノールアミンステアレート及び/又は2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオールステアレートから誘導されるもの;
ポリオキシエチレン化された脂肪酸塩、特にアミン又はアルカリ金属塩から誘導されたもの、及びそれらの混合物;
リン酸エステル及びその塩、例えば「オレス−10リン酸DEA」(Croda社製のCrodafos N 10N(商標))又はリン酸モノセチルモノカリウム(Givaudan製Amphisol K);
スルホスクシネート例えば「PEG−5クエン酸ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム」及び「リシノールアミドMEAスルホコハク酸2ナトリウム」;
アルキルエーテルサルフェート、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
イセチオネート、
アシルグルタメート例えば「水添された獣脂グルタメート2ナトリウム」(味の素社により販売されているアミソフトHS−21 R(商標))、及びそれらの混合物。
【0129】
トリエタノールアミンステアレートが本発明における使用のために最も適する。このアミンは、一般的にステアリン酸とトリエタノールアミンを単純に混合することにより得られる。
【0130】
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは1以上の両性界面活性剤、例えばN−アシルアミノ酸、例えばN−アルキルアミノアセテート及びココアンホジアセテート二ナトリウム、及びアミンオキサイド、例えばステアラミンオキサイド、又はシリコーン界面活性剤、例えばジメチコーンコポリオールホスフェート、例えばフェニックスケミカル社によりPecosil PS 100(商標)の名前で販売されている製品をもまた含む。
【0131】
オイル
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは、1以上のオイル又は有機溶媒を含み得る。
【0132】
用語「オイル又は有機溶媒」は、室温及び大気圧において液状である非水性物質を意味する。オイルは揮発性又は非揮発性であり得る。
【0133】
本発明の目的のために、用語「揮発性オイル又は有機溶媒」は、皮膚又は睫と接触したとき、環境温度及び大気圧において1時間未満内に蒸発できる任意の非水性媒体を意味する。揮発性有機溶媒及び本発明の揮発性オイルは、室温において液状であり、環境温度及び大気圧においてゼロではない蒸気圧、特に0.13Pa〜40000Pa(10−3〜300mmHg)、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)、より特に1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性の有機溶媒及び化粧料オイルである。用語「非揮発性オイル」は、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン繊維上に少なくとも数時間残り、特に10−3 mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有するオイルを意味する。
【0134】
オイルは組成物の合計重量に対して1重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量%の範囲の含有量で存在し得る。組成物(i)又は(ii)は、揮発性オイル又は非揮発性オイル、及びそれらの混合物を含み得る。
【0135】
揮発性オイル(又は有機溶媒)は、炭化水素をベースとするオイル、シリコーンオイル、又はフルオロオイル、又はそれらの混合物であり得る。
【0136】
用語「炭化水素をベースとするオイル」とは主に水素及び炭素原子を含み酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を含んでいてもよいオイルを意味する。揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、8〜16の炭素原子を含む炭化水素をベースとするオイル、特に分岐状のC8〜C16アルカン、例えば石油起源のC8〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、そして例えば商標名Isopar(商標)又はPermethyls(商標)の下で販売されているオイル、分岐状のC8〜C16エステル、及びネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物から選択され得る。他の揮発性の炭化水素をベースとするオイル、例えば石油の留出物、特にシェル社によりShell Solt(商標)の名前の下に販売されているものもまた使用され得る。
【0137】
また使用され得る揮発性オイルは、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環状シリコーンオイル、特に≦6センチストーク(6×10−6m2/s)の粘度を有し、特に3〜6の珪素原子を含むもの、これらのシリコーンは任意的に1〜2の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい、を含む。本発明において使用され得る揮発性シリコーンオイルとして特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物を含む。
【0138】
揮発性フルオロ溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタンもまた使用され得る。
【0139】
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは、少なくとも1の非揮発性のオイル又は有機溶媒をもまた含み得、それらは特に非揮発性の炭化水素をベースとするオイル及び/又はシリコーンオイル及び/又はフルオロオイルから選択され得る。
【0140】
特に挙げられ得る非揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、
植物起源の炭化水素をベースとするオイル、例えばグリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、その脂肪酸はC4〜C24の変化する鎖の長さを有し得、これらの鎖は直鎖又は分岐状であってもよく、そして飽和又は不飽和であってもよい;これらのオイルは特に小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ種油、トウモロコシ油、アプリコット油、ひまし油、シア油、アボガド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシの実油、かぼちゃ油、胡麻種油、髄油(marrow oil)、菜種油、黒スグリ油、月見草油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、又はジャコウバラ油;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、またダイナミットノーベル社によりMiglyol 810(商標)、812(商標)、及び818(商標)の名前の下に販売されているものである;
10〜40の炭素原子を含む合成エーテル;
鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化されたポリイソブテン例えばパーレアム、及びスクワラン、及びそれらの混合物、
合成エステル、例えば式R1COOR2のオイル(R1は1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐の脂肪酸残基を表し、R2は特に1〜40の炭素原子を含む分岐状の炭化水素をベースとする鎖を表す、ただしR1+R2≧10である)、例えばプルセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸のC12〜C15のアルキルエステル、ラウリル酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸、又はリシノール酸のアルキル又はポリアルキルエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、水素化されたエステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル及びペンタエリスリトールエステル;
12〜26の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和の炭素をベースとする鎖を含む、室温において液体であるところの脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール又は2−ウンデシルペンタデカノール;
高級脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;
及びそれらの混合物、
を含む。
【0141】
本発明の組成物(i)又は(ii)のいずれかにおいて使用され得るところの非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS),ペンダント状である及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン(該基はそれぞれ2〜24の炭素原子を含む)、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートであり得る。
【0142】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のいずれかにおいて使用され得るフルオロオイルは、特にフルオロシリコーンオイル、フルオロポリエーテル又はフルオロシリコーンであり得、欧州特許出願公開第847752号に記載されている通りである。
【0143】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のいずれかにおける非揮発性オイル又は有機溶媒の含有量は、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜30重量%,特に0.1重量%〜25重量%、よりよくは0.1重量%〜20重量%の範囲であり得る。
【0144】
染料
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、少なくとも1の染料、例えば粉体染料、脂溶性染料、及び水溶性染料をもまた含み得る。
【0145】
一つの実施態様に従うと、組成物(i)及び(ii)は同じ色調を有する。
別の実施態様に従うと、組成物(i)及び(ii)は、得られるメイクアップ効果を強化するために、異なる色調を有する。
【0146】
例えば、明るい色の組成物を睫の房全体又は睫の房の内側部分に、そして睫の房の外側部分に濃い色の組成物を施与することが可能である。
【0147】
粉体染料は、顔料及び真珠層から選択され得る。
【0148】
顔料は、白色又は着色の、鉱物の及び/又は有機の、及び被覆された又は被覆されていないものであり得る。挙げられうる鉱物顔料の中には、二酸化チタン、場合によって表面処理されていてもよい、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、又は酸化セリウム、及びまた酸化鉄、又は酸化クロム、マンガン紫、群青、クロム水和物、及び第二鉄青がある。挙げられ得る有機顔料の中に、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーミンまたはバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムとベースとするレーキがある。
【0149】
真珠光沢剤は、白色真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化チタン又はビスマスで被覆されたマイカ、着色された真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上述のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料から選ばれることができる。
【0150】
脂溶性の染料は、例えばスーダンレッド、D&Cレッド17、D&Cグリーン6、β−カロチン、大豆油、スーダンブラウン、D&Cイエロー11、D&Cバイオレット2、D&Cオレンジ5及びキノリンイエロー、及びアナートである。
【0151】
これらの染料は、組成物(i)及び(ii)それぞれの総重量に対して、0.01〜30重量%の含有量で存在することができる。
【0152】
フィラー
本発明の組成物(i)又は(ii)のそれぞれは少なくとも1のフィラーをもまた含み得る。
【0153】
フィラーは、当業者に周知であり、化粧料組成物において一般的に使用されるものから選択されることができる。フィラーは鉱物性又は有機性、ラメラ状又は球状であることができる。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド粉末、例えばOrgasol(商標)の名前でアトケム社により販売されているナイロン(商標)、ポリ−β−アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマーの粉末、例えばTeflon(商標)、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、膨張されたポリマー状の中空微小球、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルの微小球、例えばノーベルインダストリーズ社によりExpancel(商標)の名前で販売されている製品、アクリル粉末、例えばダウコーニング社によりPolytrap(商標)の名前で販売されているもの、ポリメチルメタクリレート粒子及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば東芝製のTospearls(商標))、沈殿した炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸水素マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(Maprecos製シリカビーズ(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛及びミリスチン酸マグネシウムが挙げられ得る。
【0154】
加熱すると熱膨張することのできる化合物、特に熱膨張可能な粒子、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートのコポリマー又はアクリロニトリルのホモポリマーコポリマーの膨張されていない微小球、例えばアクゾーノーベル社によりExpancel(商標)820 DU 40及びExpancel(商標)007WUの製品番号でそれぞれ販売されているものを使用することもまた可能である。
【0155】
フィラーは組成物の合計重量に対して0.1〜25重量%、特に1〜20重量%に相当し得る。
【0156】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、化粧料において通常使用される任意の成分、例えば、抗酸化剤、保存剤、ファイバー、香料、中和剤、ゲル化剤、増粘剤、ビタミン、コアレッサー、及び可塑剤、及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0157】
ファイバー
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、長くする効果の改善を許すファイバーをもまた含み得る。
【0158】
用語「ファイバー」は、長さL及び直径Dの物体であって、LがDよりずっと大きいような物体を意味すると理解されるべきである、ここでDはファイバーの断面が収まる円の直径である。特に、L/Dの比(または形状因子)は、3.5〜2500、特に5〜500、及びより特に5〜150の範囲で選ばれる。
【0159】
本発明の組成物に使用することができるファイバーは、合成または天然起源の、鉱物質または有機物のファイバーであり得る。それらは、短いか又は長く、個別であるかまたは組織されており、例えば編まれており、及び中空又は中実であり得る。それらは、意図されている特定の用途に応じて、いかなる形状を有していてもよく、特に、円形又は多角形(四角形、六角形又は八角形)の断面を有していてよい。特に、それらの端部は、怪我を防止するために、鈍角にされている及び/又は研磨されている。
【0160】
特に、1μm〜10mmの長さ、好ましくは0.1mm〜5mm、及びより好ましくは0.3mm〜3.5mmの範囲の長さを有する。それらの断面は、2nm〜500μm、好ましくは100nm〜100μm、及びより特に1μm〜50μmの範囲の直径の円内であり得る。ファイバーの重量または番手は、しばしばデニールまたはデシテックスで与えられ、9kmのヤーン当たりのグラムによる重さを示す。特に、本発明に従うファイバーは、0.15〜30デニール、よりよくは0.18〜18デニールの範囲で選択される番手を有し得る。
【0161】
本発明の組成物において使用され得るファイバーは、硬いファイバー又は硬くないファイバーから選択され得、合成又は天然、鉱物又は有機源のものであり得る。
【0162】
さらに、ファイバーは、表面処理されていてもいなくてもよく、被覆されていてもいなくてもよく、着色されていてもいなくてもよい。
【0163】
本発明に従う組成物に使用され得るファイバーとして、硬くないファイバー、例えばポリアミド(ナイロン(商標))ファイバー、又は硬いファイバー、例えばポリイミドアミドファイバー、例えばRhodia社によりKermel(商標)及びKermel Tech(商標)の名前で販売されているもの、又は特にデュポンドヌムール社によりケフラー(商標)の名前で販売されているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(又はアラミド)ファイバーが挙げられ得る。
【0164】
ファイバーは本発明に従う組成物中に、組成物の総重量に対して0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、より特に0.3〜3重量%の範囲の含有量で存在することができる。
【0165】
化粧活性剤
本発明に従う組成物(i)又は(ii)において使用され得る化粧的に活性な成分として、特に抗酸化剤、保存剤、香料、中和剤、柔軟剤、保湿剤、ビタミン、及びスクリーニング剤、特にサンスクリーンが挙げられ得る。
【0166】
言うまでもないが、本発明に従う組成物の有利な性質が、想定される添加により悪影響を受けない、又は実質的に受けないように当業者は任意の添加剤及び/又はそれらの量を選択するように注意する。
【0167】
本発明の特定の実施態様に従うと、
組成物(i)は、連続性の水性相、0.7Ns以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有する少なくとも1の粘着性ワックス、カチオン性親水性ポリマー及びアニオン性親水性ポリマーの少なくとも1の組合せ及び少なくとも1の上述のアクリルターポリマーを含み、
組成物(ii)は、連続性水性相、0.7N.s以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有する少なくとも1の粘着性ワックス、カチオン性親水性ポリマー及びアニオン性親水性ポリマーの少なくとも組み合わせ、及び水性相に分散された少なくとも1のフィルム形成性ポリマーを含む。
【0168】
2つの組成物(i)及び(ii)は、染料の存在により与えられる色相以外の肉眼に視認可能である少なくとも1の光学的性質において異なっていてもよい。それは特に光沢であってもよい。
【0169】
キット
本発明に従うキットは、本発明に従う化粧料組成物(i)及び(ii)を施与するための1以上の手段を有利に含み得る。
【0170】
組成物(ii)は、以下に、より詳細に記載される施与手段を使用して施与される。
【0171】
組成物(i)は、睫及び/又は眉毛をメイクアップするために一般的に使用される任意のブラシ又は任意の櫛を使用して施与され得る。
【0172】
本願の場合、仏国特許第2701198号、仏国特許第2605505号、欧州特許第792603号及び欧州特許第663161号に記載されているようなメイクアップブラシで組成物(i)を施与することが特に有利である。
【0173】
本発明に従うメイクアップキットは、一つの特定の実施態様に従うと、少なくとも2の独立したパッケージング、1つは上で定義された組成物(i)を含み、他は、やはり上で定義された組成物(ii)を含み、上述されたように施与の順序に依存して、優先なしに、いずれか一方が「トップコート」又は「ベースコート」である。
【0174】
本発明に従うキットは、掃拭するための部材を含み得る。この掃拭部材は、例えば胞状物質(alveolar material)、例えばフロッキングあり又はなしの開放セル又は閉鎖されたセルのフォーム、のブロックを含み得る。変形として、掃拭部材は、場合によってフロックされていてもよい非胞状物質、例えばエラストマー又はポリオレフィンを含み得る。この場合特に、掃拭部材は、例えば少なくとも1のスリットを含み得、及び/又は柄を掃拭するようにアレンジされたリップを含み得る。
【0175】
睫又は眉毛へのメイクアップの施与は、ユーザーによる多くの動作、すなわち少なくとも2の工程、第一工程は「ベースコート」組成物を施与することからなり、第二工程は前記化粧料組成物の上全体に又は部分的に「トップコート」組成物を施与することからなる動作により行われるので、同一のパッケージング中に用意されたメイクアップキットが特に適する。この選択は、本発明の好ましい実施態様を構成する。
【0176】
キットが同一のパッケージングの形態であるとき、キットは、組成物(i)を含む少なくとも1のコンパートメント又は貯留部(該コンパートメントは閉鎖部材により閉鎖される)、及び組成物(ii)を含む少なくとも1のコンパートメント又は貯留部(やはり閉鎖部材により閉鎖される)の限界を画する容器として提示され得る。
【0177】
繰り返しになるが、キットが同一のパッケージングの形態であるとき、このパッケージングは、組成物(i)のための少なくとも1の施与手段又はアプリケーター、特に撚回されたワイヤーにより保持された歯の列を含むブラシの形態であるアプリケーターを好ましくは含む。そのような撚回されたブラシは、特に米国特許第4887622号に記載されている。それは、特に成型により得られる、複数の施与部材を含む櫛の形態であってもよい。そのような櫛は、例えば仏国特許第2796529号に記載されている。アプリケーターは、例えば仏国特許第2761959号に記載されているように、容器にしっかりと接続されていてもよい。有利に、アプリケーターは、柄にしっかりと接続されており、柄自身は、閉鎖部材にしっかりと接続されている。
【0178】
閉鎖部材は、螺挿することにより容器に結合され得る。あるいは、閉鎖部材と容器の結合は螺挿以外、特にベイヨネット(bayonet)機構、クリック締め(click−fastening)又は締め付けによっても行われる。用語「クリック締め」は特に、ある部分、特に閉鎖部材の弾性的な変形による物質の縁又は玉の通過、続いて、該縁又は玉が通過した後に該部分の弾性的に歪んでいない位置への戻りを含む任意のシステムを意味する。
【0179】
有利に、2つのコンパートメント又は貯留部を含む容器は、少なくとも部分的に熱可塑性物質で作られていてもよい。挙げられ得る熱可塑性物質の例はポリプロピレン及びポリエチレンを含む。
【0180】
あるいは、容器は非熱可塑性物質、特にガラス又は金属(又は合金)で作られている。
【0181】
容器は好ましくは、容器の少なくとも1の開口部の領域に位置されたドレーナーを備えられている。そのようなドレーナーは、アプリケーター、場合によってアプリケーターがしっかり結合されている柄、を掃拭することを可能にする。そのようなドレーナーは、特に仏国特許第 2 792 618号に記載されている。
【0182】
前述された特許又は特許出願の内容は参照することにより、本特許出願に取り込まれる。
【0183】
一つの特に好ましい実施態様に従うと、メイクアップキットは、「ベースコート」及び「トップコート」組成物の中の1つをそれぞれ含む2つの貯留部を含み、貯留部の1つはメイクアップブラシ、特に上述されたマスカラブラシタイプのメイクアップブラシを備えられており、他は下に記載される組成物(ii)を施与するための手段を備えられている。
【0184】
施与手段
本発明に従うキットに含まれる施与手段は、その長さが、施与部材が睫の房のせいぜい4分の1以下に同時に接触することができるようなものである少なくとも1の列の形態で支持部の上に配置されている複数の施与部材を含む。
【0185】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従うキットに含まれる施与手段は、
柄、
該柄に接続され、長手軸にそって延びる支持部、及び
該支持部上に配置され、支持部の長手軸に対して実質的に横方向に延びる複数の施与部材、適切であれば2つのみであり得る、
を含む。
【0186】
すなわち、一つの最も特に好ましい実施態様に従うと、施与手段は、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置されている複数の施与部材(6;60)であって、その列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下に同時に接触することができるようなものであるところの手段を含む。
【0187】
施与部材が、せいぜい睫又は眉毛の房の4分の1以下、又は5分の1以下でさえ、又は6分の1以下と同時に接触することができるような距離だけ支持部の長手軸に沿って施与部材は延びていることができ、支持部の長手軸は房に対して実質的に接線方向に向けられている。
【0188】
メークアップされた睫又は眉毛の部分は、例えば房の長さのせいぜい4分の1、又は5分の1又は6分の1以下にさえ相当し得る。
【0189】
施与部材は、歯及び/又は剛毛を含む。
【0190】
このアプリケーターは、可能な梳く作用を実行すると同時に便利に睫をチャージすることを可能にする。
【0191】
施与部材は、一本又は複数本の睫をメークアップすることができるのに十分短い長さに渡って支持部上に延び、このことは、新しいメークアップ効果が得られることを可能にする。
【0192】
このアプリケーターは、支持された様式で、物質を、メイクアップされるべき睫の房のせいぜい3分の1以下又は4分の1以下さえにのみ堆積させることを可能にする。その部分は好ましくは睫の房の外側である。
【0193】
施与部材は、例えば0.1cm〜1.5cmの距離、例えば8mm以下、又は7mm以下又は6mm以下、例えば約2mm〜5mm、例えば2mm〜3mmの範囲の距離に渡って支持部上で延びていてもよい。
【0194】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、
柄、
該柄に接続され、長手軸に沿って延びている支持部、及び
特に歯により構成され、該支持部上に配置された少なくとも1列の施与部材を含み得、該列の施与部材それぞれは支持部の長手軸に対して実質的に横方向に延び、列の両末端の施与部材の間を動くと長手軸への距離が単調でなく変化する自由端を有する。
【0195】
施与部材の列における最大値の存在は、施与部材が睫に累進的に侵入し、すなわち本発明に従う睫の房の部分のメークアップを容易にすることを許す。
【0196】
列中の施与部材の数、特に歯の数は、例えば3〜9、好ましくは3〜8、特に3〜7であり得る。
【0197】
一つの実施態様に従うと、支持部及び施与部材は、特に成形又はマシンニングにより単一部品として製造される。変形として、施与部材は支持部に接続されていてもよい。
【0198】
支持部及び柄は、特に成形により単一部品として製造され得、又は変形として、支持部は柄にはめ込まれてもよい。この場合、支持部は柄のためのハウジング部に嵌合するようにアレンジされたチップを含んでいてもよい。又は柄は支持部のためのハウジングに嵌合するようにアレンジされたチップを含んでいてもよい。
【0199】
柄は、支持部の長手軸とは異なる長手軸に沿って延びていてもよい。この場合、柄の長手軸は支持部の長手軸と、特に施与部材を有するそれらの部分について、5°〜45°、特に15°〜25°の角度、例えば約20°の角度をなし得る。この配置は、睫への本発明に従うメイクアップ組成物の施与の間に、アプリケーターのより快適な取り扱いを許し得る。支持部の長手軸は、例えば曲線又は直線であってもよい。
【0200】
変形として、柄は支持部の長手軸と一致する長手軸に沿って延びていてもよい。
【0201】
アプリケーター及び/又は支持部は、少なくとも部分的には、柔軟な又は剛直である物質、特に少なくとも部分的には、熱可塑性、弾性、又は弾性−熱可塑性物質から、特に成形により製造されていてもよい。もしアプリケーターが少なくとも部分的に、木、金属、又は他の物質から、特にマシンニングにより製造されていたならば、それは本発明の文脈からの逸脱を構成しない。
【0202】
支持部が弾性的に変形可能な物質からできているとき、これは支持部の一方の側の優先的な掃拭を行うことを可能にし得る
【0203】
柄及び支持部は場合により異なる物質から製造されていてもよい。
【0204】
アプリケーターが側面から観察されたとき、施与部材の自由端を連結する線は、少なくとも1の極点、特に最大値を通過する、支持部の長手軸からの距離を有してもよく、それはアプリケーターが睫の中に累進的に侵入することを可能にする。
【0205】
上述した線は、特に少なくとも部分的に、尖っている形、特に三角形、又は丸みを帯びた形、特に円形又は尖塔アーチ形(ogival)を有してもよい。
【0206】
上述した線のプロフィールに関わらず、最大値又は最小値があるとき、第一に、該最大値にかかる最も長い施与部材、及び最も長い施与部材に最も近いものにかかる最も短い施与部材の自由端を連結する直線と、第二に、支持部の長手軸に対する法線、該法線は最も長い施与部材の自由端を通過する、との間に形成される角度は、例えば、約25°〜約60°、特に25°〜50°、特に25°〜45°の範囲、例えば30°〜45°の範囲、例えば約43°である。
【0207】
支持部の長手軸からの上述した線の距離は、2以上の極点を通過してもよい。
【0208】
施与部材は、1列又は少なくとも2列に配列され得る。後者の場合、1列目の施与部材、及び2列目の施与部材は、異なる方向に延びていてもよく、あるいは変形として、平行に延びていてもよい。2つの列は例えば支持部に対して互いに実質的に反対に配置され得る。
【0209】
施与部材の高さは例えば約0.5mm〜約10mm、特に、例えば、約1mm〜約3mmの範囲であり得る。
【0210】
これらの施与部材が少なくとも1列に配置されているときに、この列は、幾何学的分離面のどちらかの側で少なくとも部分的に交互に延びている一続きの施与部材を含んでいてもよい。
【0211】
施与部材は、整列された基部を有していてもいなくてもよい。
【0212】
施与部材が少なくとも1列に配置されているとき、該列は非直線的である軸に沿って延びていてもよい。施与部材は、中央のコアのいずれかの側で交互されていてもよい。
【0213】
繰り返しになるが、施与部材が少なくとも1列に配置されているとき、この列は、少なくとも一部が、幾何学的分離面のいずれかの側に交互に配置されている一連の施与部材を含んでいてもよく、2つの隣り合う施与部材は、側面から観察されたとき、接続されている又は重なる隣接する部分を有し、それらの間に睫を受け入れるのに適する溝を形成する。
【0214】
アプリケーターは櫛まブラシを含み得る。
【0215】
アプリケーターがブラシを含むとき、支持部は、小さな直径、特に0.7mm未満、例えば0.2〜0.6mm、よりよくは0.35〜0.50mmの撚回された2つのワイヤを含み得る。
【0216】
アプリケーターがブラシを含む場合もまた、施与部材は、小さな直径、例えば8/100mm以下、よりよくは6/100mm以下の歯であってもよい。
【0217】
ブラシが撚回されたコアを含むとき、ブラシの螺旋の数は、例えば3〜6であり得る。撚回されたコアを有するブラシの場合、剛毛はコアから2つの螺旋状のコースで延びていてもよい。ブラシの螺旋の数は、2つのコースのコアの周りの回転の合計に相当する。撚回されたコアの部分は、特に支持部及び柄の間の結合部の近辺において剛毛を有しなくてもよい。
【0218】
ブラシの外皮表面(envelope surface)の断面は、円形、四角形、又は他の形状であり得る。
【0219】
ブラシは2つの円錐を合わせた形の外皮表面を有し得る。外皮表面は、円錐の底部がブラシの遠末端又は近末端の側に位置されている円錐形、又は円錐形台であり得る。
【0220】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、撚回されたコア及び該コアから延びている歯を含み、螺旋の数は6以下である、睫への製品の施与のためのブラシの形態をとり得る。
【0221】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、該ブラシはコア及び該コアから延びている剛毛を含み、剛毛を有するブラシの部分の長さが8mm以下、よりよくは7mm以下、又は6mm以下でさえある、睫への製品の施与のためのブラシの形態をとり得る。
【0222】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは本発明に従う組成物の形態をもまたとり得、コア及び該コアから延びる剛毛を含み、実質的に円錐台形、円錐形、又は2つの円錐を合わせた形状の外皮表面に含まれ、該形状においてブラシの最大断面積を含む面及びこの面との交点におけるブラシの外皮表面に対する接線の間に形成される最小の角度が、20°〜60°、特に25°〜50°、例えば30°〜35°の範囲である。
【0223】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、本発明に従う睫への組成物の形態をとり得、コア及び該コアから延びる剛毛を含み、該形状においてブラシの外皮表面は実質的に円錐形を2つ合わせた形状を有し、120°以下、又はさらに90°以下である円錐台間の接続部における頂角を有する。
【0224】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、支持部及び支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、長手軸に沿う最も端の歯の間の距離は、8mm以下、よりよくは7mm以下、また6mm以下でさえある櫛の形態をとり得る。
【0225】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、該櫛は、支持部及び該支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、第一の長さを有する最長の歯、及び第二の長さを有する最短の歯を有し、該櫛において第一の長さ:第二の長さは1.3以上である櫛の形態をもまたとり得る。
【0226】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、該櫛は、支持部及び支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、最短の長さの歯の自由端及び最長の長さの歯の自由端を連結する直線と、最長の長さの歯の自由端を通過する支持部の長手軸に対する垂線との間に形成される角度が20°〜60°である櫛の形態をもまたとり得る。
【0227】
キットが掃拭部材を含むとき、アプリケーター支持部は、掃拭部材への通過を容易にするような外形にされ、この目的のために、例えば丸くされた鼻を正面に、及び背面にバンプを含んでいてもよい。
【0228】
アプリケーターの柄は、ハンドル部材としてもまた機能し得る容器を閉鎖するためのキャップに接続されていてもよく、アプリケーターは、閉じられた位置にあるときは、容器の中に収容され得る。
【0229】
本発明は、キット及びキット自体に含まれる施与部材の実施の非制限的な実施例の以下の詳細な説明を読み、及び添付の図面を調べると、よりよく理解され得る。
【実施例】
【0230】
図1に示された装置1は、このキットが2つの独立したパッケージング中に用意されるときにはキットの一部に相当し、装置1は化粧料製品P、この場合組成物(i)又は(ii)の一方、の貯留部を含む容器2、及び長手軸Xの柄4を含むアプリケーター3を含む。本発明に従う施与手段を含む装置のみ及び本発明に従う組成物の一つがその中に示されている。
【0231】
柄4は、複数の施与部材6を含む支持部5と1つの末端において嵌合されており、柄4は、反対の末端において容器2を閉め、またハンドル部を構成する閉じ蓋7に連結されている。
【0232】
閉鎖キャップ7は、容器2の外側に螺刻された首11に螺挿するための内側の螺刻(示されていない)を含んでいる。
【0233】
容器2は、記載された実施例において、首11に嵌合され、柄4及び施与部材6を備えられた支持部5を掃拭するように配置された掃拭するためのリップ9を含む掃拭部材8を含む。
【0234】
掃拭部材8は、適切な場合には、施与部材6の通過のときに、変形されることができるようにアレンジされていることができる。
【0235】
掃拭部材8は、例えばポリオレフィンの射出成形により作られ得る。
【0236】
容器2は、使用されないときは、閉鎖キャップ7を首11に螺挿することにより密閉される。
【0237】
示された実施例において、アプリケーター3は、櫛、歯からなる施与部材6を含む。支持部5は特に図3に例示されるように、長手軸Yに沿って延び、柄4の長手軸Xとゼロではない角αを形成する。この角αは、例えば5°〜45°であり得る。
【0238】
例えば、6つある施与部材6は、考慮下の実施例においては、列10に配置されている。
【0239】
施与部材6は、種々の配置で支持部5上に配置され得る。
【0240】
例示された実施例において、列10は、歯6aの第一シリーズ及び歯6bの第二シリーズを含み、それらはそれぞれ幾何学的な分離面Sの両側にそれぞれ位置されている。該面Sは、この場合、櫛の対称の中央平面であり、図3の平面に対して平行であり、櫛の成形のための接合面(joint plane)をもまた構成する。
【0241】
例示された実施例において、歯6a及び6bは、底において歯が接続されているところの骨格として基本的に機能する支持部5の共通のコア15の両側に交互に作られる。
【0242】
支持部5は、容器2への戻りを容易にするために、丸みを付けられた鼻17を正面において付与されている。
【0243】
支持部5は、容器2からの移動の間の掃拭部材8の横断を容易するために、バンプ18を後部に含む。
【0244】
各施与部材6は、自由端30で終わるトップ部分20及び支持部5のコア15に接続された底部22を含む。
【0245】
考慮下の実施例において、施与部材6は、支持部5の軸Yに実質的に直角に延びる。
【0246】
施与部材の自由端30は、列10の両末端の施与部材間で、すなわち図3において左から右に移動するときに単調ではなく変化する長手軸Yからのある距離にある。
【0247】
本発明の目的のために、用語「単調でなく変化する」は、施与部材の自由端を連結する線が、少なくとも1の極点、例えば最大値を通過する、支持部の長手軸からの距離を有することを意味すると理解されるべきである。
【0248】
例示された実施例において、自由端30を結ぶ線Lは、アプリケーターが横から観察されるとき、柄4の長手軸及び上記の幾何学的分離面に垂直な方向において、図3に示されるように実質的に三角形を有し、2つの直線部分はそれらの間で図面において実質的に90°に等しい角を形成する。
【0249】
考慮下の実施例において、施与部材6の連続は、同じ長さの2つのより大きい歯6a及び6bを含む。
【0250】
アプリケーターの遠末端から出発する最も短い部材の自由端を通過し、最も長い部材に最も近い最も長い部材の自由端を通過する直線D1は、考慮下の実施例における線Lの第一の直線部分と同一である。
【0251】
直線D1と上述の最も長い施与部材の自由端を通過する軸Yに垂直なN1との間に形成される角γ1は、例えば25°〜60°、例えば約43°である。
【0252】
支持部5の近末端から最も短い施与部材を通過し、そしてこの部材に最も近い最も長い施与部材を通過する直線D2は、線Lの第二の直線部分と同一である。
【0253】
直線D2及びこの最も長い施与部材の自由端を通過する軸Yに垂直なN2との間に形成される角γ2は、角γ1と同じ範囲の値内であり得、例えば実質的にγ1と等しくてもよい。直線Lの部分間の頂角は、例えば120°以下、又は90°以下でさえある。
【0254】
施与部材6は、相対的に短い距離d、特におよそ0.1〜1cmの距離dに渡って支持部5上で延びている。すなわち、図2に例示されるように、アプリケーター3を使用して、瞼の睫の全部に一度に接触することなく睫の一部のみをメイクアップすることが可能である。例えば、示されるように、施与部材は上瞼の睫の4分の1未満に同時に接触することができる。
【0255】
支持部5及び施与部材6は、例示された実施例においては単独の物として、プラスチックを成形することにより製造される。支持部5は、図10及び11について、後で詳細に説明される様式で柄4に接続される。
【0256】
記載された実施例において、2つの連続した施与部材6のトップ部分20は、図3におけるように、櫛が横から観察されたときに、コア15に対して実質的に下向きに延びる溝21をそれらの間に形成する。溝21は、例えば睫を分離し、睫を梳かし又はその表面に堆積される製品を広げるために睫がより容易に捕捉されることを許す。
【0257】
施与部材の長さ及び間隔を変更することにより、アプリケーターが取り上げる製品の量を容易に変更することが可能であることが理解される。
【0258】
幾何学的な分離面の同じ側に位置する、2つの連続する施与部材6a及び6bのピークの間の隙間は、考慮下の実施例においては、支持部5の軸Yに平行である、アプリケーター3のおよそ中間の高さにおいて測定されて、施与部材の幅より著しく大きい。
【0259】
アプリケーター3が横から観察されるときに、各施与部材6aは2つの隣接する施与部材6bから実質的に中間の距離において延び、またその逆である。
【0260】
考慮下の実施例において、施与部材6のトップ部分20はすべて、実質的に同じ方向を指す。
【0261】
コア15の同じ側に位置する2つの連続する施与部材の底部22は、それらの間で、及びコア15と共に、製品貯留部を構成することのできる空洞23を形成する。
【0262】
施与部材の互い違いの配置のおかげで、及び施与部材のトップ部分20により形成される溝21が十分に真っ直ぐである事実により、施与部材6a及び6bの間の空間は相対的に大きく、アプリケーターが睫を掴む容量を失なうことなくアプリケーターが取り上げる製品の量を改善する。
【0263】
施与部材6は、本発明の文脈から離脱することなく、多くの構成、特に異なる方向を向いたトップ部分を有し得る。
【0264】
もし施与部材6が支持部5の上で異なって配置されているとしても、それは本発明の文脈からの逸脱を構成しない。
【0265】
図5及び6は、複数の歯6、例えば列10において延びている7本の歯、を含むアプリケーターの別の例を示す。歯6は、図6においてみられるように、整列された底部22を有するが、2つの連続する歯6a及び6bの上部20は発散している。
【0266】
図7は、支持部5のあの軸Yと一致する長手軸Xを有する柄4を製造することが可能であることを示す。
【0267】
図8において、柄4の長手軸Xとゼロでない角度αをなす長手軸Yを有する支持部5が示され、図8における支持部の傾きの方向は、図1〜4の支持部の傾きと反対である。
【0268】
支持部5は、図9において示されるように例えばプラスチックを成形することにより柄4と一体品として製造され得る。しかし支持部5は、柄4に嵌め込まれることもできる。
【0269】
図10に示された実施例において、支持部5は、環状のチャンネル36を含む実質的に円筒状のチップ35を含む。柄4は、チャンネル36にカチッとはまるようにアレンジされた環状の縁38と嵌合された対応するハウジング37を含む。
【0270】
チップ35は柄4に強制的に嵌合されるように構成されることもできる。
【0271】
図11の実施例において、柄4は、支持部5の対応するハウジング41に格納されるようにアレンジされた、実質的に円筒形のチップ40を含む。
【0272】
アプリケーター3は、6又は7未満の数の歯を含み、図12に示されたように、特に2本だけの歯6を含み得る。歯は同じ幅を有していてもいなくてもよい。
【0273】
施与部材6の自由端30を連結する線Lは、図13〜17に示されるように、図1〜11もの以外の種々の形状を有しうる。
【0274】
特に、線Lは、丸みを帯びた形状を有し得、図13に示されるように特に実質的に円形の形状又は図14に示されるように尖塔アーチの形状であってもよい。極点は、前に示されたように支持部5の実質的に中央に据えられていてもよいし、又は図15に示されるように柄4のより近くであってもよく、又は図16に示されるようにアプリケーターの遠末端により近くてもよい。線Lから支持部5の長手軸Yへの距離は、図17において示されるように、2つの極点を通過してもよい。
【0275】
図13において、支持部は丸みを帯びた鼻17及び/又はバンプ18なしであってもよいことが見られる。
【0276】
この図は、直線D1及びD2,並びに考慮下の実施例においては唯一つである最長の施与部材の自由端を通る支持部5の長手軸Yに対する垂線Nをもまた示す。
【0277】
直線D1及びこの法線Nの間に形成される角度γ1、及び直線D2及びこの法線Nの間に形成される角度γ2は、同じであっても異なっていてもよく、例えば前に与えられた値の範囲である。
【0278】
図17の例において、第一の相対的な極点にかかる施与部材の自由端を通る法線Nに対する角度γ1及びγ2、及び第二の相対的な極点に対応する施与部材の自由端を通る法線N’に対する角度γ’1及びγ’2が定義され得、これらの角度も例えば前に与えられた値の範囲である。
【0279】
図18は、2列、例えば支持部5のコア15について互いに反対に据えられた2列、の施与部材を支持部5の上に作る可能性を示す。施与部材は、列ごとに異なって延びていてもよく、特に図18において示されるように、アプリケーター3が側面から観察されるとき、異なるプロフィールを有してもよい。
【0280】
断面図において、コア15は、図19、20、及び22において示されるように、円形の形状、又は何か他の形状、例えば平らにされた形状、図21に示されるように特に実質的に長方形を有してもよい。
【0281】
支持部5は、図19に示されるように整列された1列の歯を含み得、又は異なる方向、例えば図20に示されるように発散する方向、又は図21に示されるように平行な方向に延びる複数の列の歯を含み得る。
【0282】
支持部5のコア15の周囲全体にアレンジされた複数の列10を含むアプリケーターが、図22に示される。
【0283】
アプリケーターが側面から観察されたとき、施与部材6は、図1〜22において示されるように、その長さの少なくとも一部に渡って、実質的に一定である幅のプロフィールを有し得る。施与部材6は異なるプロフィールをもまた有し得、図23において示されるように、特に実質的に三角形であるプロフィール、又はさらに他のプロフィールをもまた有し得る。
【0284】
図24に示されるように、施与部材はジグザグ型に配置され得る。
【0285】
掃拭部材8は、本発明の範囲を離れることなしに、図1に示されたものと異なり得る。掃拭部材8が胞状物質、特に開放型セル又は閉鎖されたセルのフォームからなる装置が図25に例として示されている。
【0286】
変形として、掃拭部材8は弾性体から作られていてもよく、図26において示されるように少なくとも1のスリット50を含み得る。掃拭部材8は、図27に示されるように、その底の下方末端において以外に環状のリップ51を含み得る。
【0287】
施与部材は、歯以外であってもよく、図28に示されるように、支持部に例えば接続された剛毛を含み得る。そうすると、アプリケーター3は例えば、その剛毛60が支持部の長手軸Yに対して実質的に横向きに延びているブラシをふくみ、該軸は示されているように、柄4の長手軸Xと同一であってもよい。
【0288】
考慮下の実施例において、剛毛は支持部の長手軸Yに沿って距離dに渡って延び、該支持部は、剛毛が、メークアップされることが所望されている睫又は眉毛の房の睫又は眉毛の4分の1超と同時に接触することができないようなものである。距離dは例えば約2mm〜約3mmであり得、螺旋の数は例えば3〜6の範囲であり得る。
【0289】
図28に示されるようにアプリケーター3が側面から観察されたとき、剛毛の自由端を連結する線Lは、少なくとも1の極点を通る軸Yからの距離を有し得る。
【0290】
アプリケーター3がブラシを含むとき、使用される剛毛60は好ましくは相対的に細く、例えば約6/100mmの直径を有する。
【0291】
剛毛60は、中実であって、実質的に円形である断面を有し得る。
【0292】
コア61は、U字型に折り曲げられ、その腕が一緒に撚回されて、剛毛をそれらの間に掴むことができるようにされた金属ワイヤにより形成され得る。
【0293】
使用される金属ワイヤは、好ましくは相対的に細く、例えば0.7mm未満、特に0.35〜0.5mmの範囲の直径を有する。
【0294】
図29〜35は、変形のアプリケーターを示す。
【0295】
図29において、アプリケーター3は、最長の剛毛が柄4の側にあり、実質的に円錐形、又は円錐台形である外皮表面を有するブラシを含む。
【0296】
最大断面積を通過するブラシの長手軸Yに対する垂線と、外皮表面に対する接線との間に形成される角度δは、例えば20°〜60°である。
【0297】
図30のアプリケーター3は、実質的にバイコニカル形である外皮表面を有するブラシを含むのに対し、図31のアプリケーターは、実質的に円錐形又は円錐台形である外皮表面を含み、最短の剛毛は柄4の側にある。
【0298】
ブラシの長手軸Yは、柄の軸Xと一直線になっていてもいなくてもよい。
【0299】
軸Yは、図32〜35に示されるように、柄の軸Xと角度αをなし得る。例えば、角度αは、約5°〜約45°の範囲であり得、例えば約20°であり得る。
【0300】
ブラシの外皮表面Eは、図36に示されるように円形の断面、又は他の断面、特に多角形又は長方形であり得、又は刻み目又は切れ目がついていてもよい。
【0301】
撚回されたコアが曲げられているとき、該曲げは、図32〜35に示されるように、多かれ少なかれ柄4の近くであり得る。
【0302】
示されていない他の変形において、コアは曲げられている。
【0303】
図37は、本発明の他の実施変形を示す。
【0304】
図37は、本発明に従う組成物の一つが、可撓性のあるチューブの形態における容器2に含まれている本発明に従うキットの一部を示す。
【0305】
アプリケーター3の上に該組成物を堆積させるために他の分配方法、例えばポンプ分配器が使用され得、それは、本発明の範囲を離れない。
【0306】
図38は、同一のパッケージングングの形態における本発明に従うキットであって、本発明に従う組成物を含む容器2及びアプリケーター3を含む容器2、及び本発明に従う第二組成物を含む第二容器70及びアプリケーター3と異なっていてもよい第二アプリケーター71を含むキットを示す。
【0307】
図38に例示された実施例において、容器2は、螺挿で嵌合され、容器70のための閉鎖キャップを構成する下方のスカート部72を含む。
【0308】
アプリケーター71は、例えば睫に第一組成物を施与することを可能にすることができ、ユーザーは次に睫の房の一部のみ、有利に該房のせいぜい3分の1以下に、より好ましくは睫の房の外側部分を、睫の房のせいぜい3分の1以下をメイクアップするためにアプリケーター3を使用することができる。
【0309】
2つの容器及び2つのアプリケーターを含む装置の他の例は、図39〜42に示された。
【0310】
これらの例におけるアプリケーターは、各容器が他方の容器に関するアプリケーターの握り部材として機能することができるように反対方向を向いている。
【0311】
図39において、装置はマスカラブラシ及び、櫛を含む、本発明に従うアプリケーター3を含むのに対して、図40の装置のアプリケーター3はブラシを含む。マスカラブラシは、例えば米国特許第5937870号、又はフランス国特許出願公開第2605505号において記載されたものから選択され得、それらの内要は参照することにより本出願に取り込まれる。
【0312】
図41の装置は、櫛及びやはり櫛からなる本発明に従うアプリケーター3を含む。図42のアプリケーターは、櫛及びブラシにより構成された本発明に従うアプリケーターを含む。図41及び42のアプリケーター71の櫛は、例えば米国特許第6581610号、国際公開第01/05271号、又は米国特許第6539950号に記載されたものから選択され、それらの内要は、参照することにより本出願に取り込まれる。
【0313】
図39〜42の装置は、それぞれ容器70及び2と結合される閉鎖キャップ82及び7を連結するチューブ状のスリーブ80を含む。例えば、閉鎖キャップ82及び7は、スリーブ80の中で例えば摩擦、接着、又はクリック締め(click−fastening)により保持され得る。
【0314】
図43は、本発明の方法に従って、本発明に従うキットを使用してメイクアップされた目を示す。睫の房の外側部分はより堆積された物質を含むことが観察される。嘆かわしい塊の形成はなく、特別なメイクアップ効果が得られる。
【0315】
言うまでもなく、本発明は丁度記載された実施の例に制限されない。種々の実施態様の特徴は特に組み合わせられ得る。
【0316】
本発明の実施の例において、施与部材は柄又は掃拭部材に対して横方向に延びていてもよい。
【0317】
方法
本発明の課題は、睫をメイクアップする及び/又はケアするための非治療的方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程は、上述の施与手段を使用して行われる、
を含むことを特徴とする方法である。
【0318】
好ましい実施態様に従うと、組成物(i)は、組成物(ii)の前に施与される。有利に、組成物(ii)は、さらに睫の房の一部にのみさらに施与される。このようにして、異なるチャージングに関して対照を作ることが最適である。
【0319】
すなわち、メイクアップ方法は、
本発明に従う第一組成物(i)を睫の房の実質的全部に施与して、第一堆積物を形成すること、及び
睫の房の外側せいぜい3分の1以下により構成される部分の第一堆積物上に、本発明に従う一つの第二組成物(ii)により第二堆積物を形成すること
からなる工程を含み得る。
【0320】
例えば、第一組成物が完全に乾燥してしまう前に第二堆積物を形成することが可能である。
【0321】
第二部分は、睫の房の全長の少なくとも6分の1に渡って延びていてもよい。
【0322】
メイクアップされた房は、上瞼の睫の房であり得る。
【0323】
別の特定の実施態様に従うと、組成物(i)は、睫の房の全体に施与され、組成物(ii)は睫の房のせいぜい3分の1以下、好ましくは睫の房の外側のせいぜい3分の1以下に、又は該房のせいぜい4分の1以下さえにのみ施与される。組成物(i)が堆積され得る睫の房の部分は、睫の房の全長の8分の1から3分の1、好ましくは4分の1から3分の1であり得る。
【0324】
本発明は、以下の実施例により説明される。別に述べられない限り、示される量は組成物の合計重量に対する質量百分率として表される。
【0325】
親水性ポリマーは以下の実施例においてそのまま示される。
【0326】
実施例1〜4:組成物(i)
【0327】
【表1】
【0328】
実施例5〜7:組成物(ii)
【0329】
【表2】
【0330】
上述の組成物(i)及び(ii)のすべての組み合わせが想定され得る。
【0331】
一つの特定の実施態様に従うと、実施例2に記載された組成物は、組成物(i)として施与され、実施例7に記載された組成物が組成物(ii)として施与される。組成物(ii)が睫の房の外側のせいぜい3分の1に施与されたとき特に、図43に示された本発明に従う特定のメイクアップ効果、すなわち目線を開き、目を拡大し、場合によって目の形状の知覚を変化させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0332】
【図1】キットが2つの独立したパッケージングの形態、すなわちパッケージングが本発明に従う施与手段、及び本発明に従う2つの組成物の1つをもまた含むパッケージングの形態にあるときのキットの一部の部分切断を伴う正面における概略図である。
【図2】本発明に従うアプリケーターの使用を説明する。
【図3】図1のアプリケーターの概略的及び部分的側面図である。
【図4】図1のアプリケーターの図式的かつ部分俯瞰図である。
【図5】変形のアプリケーターの図3の図に類似するものある。
【図6】図5のアプリケーターを示す図4の図に類似するものである。
【図7】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図8】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図9】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図10】アプリケーターの柄への支持部の付属品の実施例を、部分的に切断して図式的に示す。
【図11】アプリケーターの柄への支持部の付属品の実施例を、部分的に切断して図式的に示す。
【図12】アプリケーターの実施態様の変形を、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図13】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図14】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図15】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図16】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図17】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図18】2列の施与部材を含むアプリケーターの変形を、図式的かつ部分的側面図において示す。
【図19】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図20】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図21】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図22】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図23】施与部材の種々の構成を側面図において示す。
【図24】施与部材の種々の構成を側面図において示す。
【図25】別の掃拭部材を含む図1のキットの部分の変形を示す。
【図26】本発明に従うキットにおいて使用され得る掃拭部材の他の実施例を図式的かつ部分的軸断面図において示す。
【図27】本発明に従うキットにおいて使用され得る掃拭部材の他の実施例を図式的かつ部分的軸断面図において示す。
【図28】ブラシを含む変形の図1の図に類似する図である。
【図29】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図30】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図31】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図32】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図33】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図34】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図35】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図36】図28のブラシの図式的断面図である。
【図37】本発明に従う組成物が苛撓性のあるチューブを使用して施与部材上に堆積されるところの実施例の部分的俯瞰図である。
【図38】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図39】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図40】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図41】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図42】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図43】本発明のメイクアップ方法に従って得られ得るメイクアップのタイプを例示する。
【符号の説明】
【0333】
E 外皮表面
L 直線
N 法線
P 化粧料製品
S 分離面
X 長手軸
Y 長手軸
d 距離
α 角度
γ 角度
γ1 角度
γ2 角度
δ 角度
1 装置
2 容器
3 アプリケーター
4 柄
5 支持部
6 施与部材
6a 歯
6b 歯
7 閉鎖キャップ
8 掃拭部材
9 リップ
10 列
11 首
15 コア
17 鼻
18 バンプ
20 トップ部分
21 溝
22 底部
23 空洞
30 自由端
35 チップ
36 チャンネル
37 ハウジング
38 縁
40 チップ
41 ハウジング
50 スリット
51 リップ
60 剛毛
61 コア
70 第二容器
70 容器
71 第二アプリケーター
72 スカート部
80 スリーブ
82 閉鎖キャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、睫をメイクアップする及び/又はケアするための少なくとも1の化粧料組成物及び睫をメイクアップする及び/又はケアするための少なくとも1のチャージング化粧料組成物を含み、該チャージング化粧料組成物を睫の房の一部、特に睫の房の外側せいぜい3分の1以下にのみ施与するための手段を含むキットに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
睫上の新規なメイクアップ効果を得ること、特に睫の房のより実質的に一部の上にのみマスカラを堆積させる必要性がある。
【0003】
標準的なブラシ又は櫛タイプのアプリケーターを使用して、だまの形成を回避しながら、睫の一部にのみ、物質の正確な堆積物を置くことは困難であることが分かっている可能性がある。
【0004】
特定のメイクアップ効果を得るために、睫の房の連続していない領域の、対比される物質の堆積物に働きかけることは、実際興味深い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、睫の一部に大量のメイクアップを、特に睫の房のせいぜい3分の1以下に、より特に睫の房の外側部分に大量の物質の堆積物を施与することにより、目線(gaze)を開き、目を拡大し、場合によって目の形状の知覚を変更する特定のメイクアップ結果が得られることを見出した。房のせいぜい3分の1以下、房の外側上への大量の物質の堆積物を含むそのようなメイクアップは、その外側の隅が吊り上げられたアーモンド型及び長くされた目の印象を与える(目の「リフティング」効果)。
【0006】
すなわち本発明は、この特定のメイクアップの目的を容易に達成するための手段に向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
すなわち本発明の一つの側面に従うと、本発明の一つの課題は睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(i)、
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(ii)
を含むキットであって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、該キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含み、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキットである。
【0008】
発明者らは、組成物(i)及び(ii)(その少なくとも1つがこの特定の施与手段を使用して施与される)、より好ましくは組成物(ii)の睫への施与が、より体積を増加させる又はチャージングする堆積物を睫の房の一部にのみ、例えば睫の房の外側せいぜい3分の1以下に作ることを容易に可能にすることを観察した。
【0009】
特に、組成物(i)は、滑らかで均一な堆積物であって、施与しやすく、睫を被覆し、分離し、及び/又は長くする堆積物を得ることを可能にする堆積物を得ることを可能にする。組成物(i)は、控えめにチャージングするメイクアップを得ることを可能にする、すなわちそれは睫を濃くしない。すなわち自然なメイクアップが得られる。すなわち、ワックス及び親水性ポリマーの合計含有量のために、物質のより多い堆積物を作ることを可能にする組成物(ii)を施与することにより、メイクアップのこの第一フィルム上で、睫の房の一部のみに、例えば睫の房の外側せいぜい3分の1以下に、よりボリュームを与える又はチャージングする堆積物を容易に作ることを可能にする。
【0010】
すなわち、このキットは、組成物(i)の堆積物により付与されるメイクアップと組成物(ii)の堆積物により付与されるものとの対比を強調し、同時に審美的ではないと考えられる「だま」の形成を回避することを可能にする。
【0011】
第二の側面に従うと、本発明は睫をメイクアップする及び/又は非治療的にケアするための方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程が、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含む施与手段であって、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を使用して行われることを特徴とする方法である。
【0012】
第三の側面に従うと、本発明の課題は、メイクアップされた基体、例えばつけ睫であって、上で定義された方法に従って得られる得るメイクアップを含む基体である。
【0013】
本発明に従うメイクアップキットは、生理学的に許容される媒体、特に化粧的に許容される媒体、すなわち特に睫及び目の領域と両立する媒体を含む。
【0014】
ユーザーは、少なくとも2の施与作用により、物質の対比される堆積物によるメイクアップ効果を得ることができる。
【0015】
組成物(i)及び組成物(ii)の施与の順序は変わることができる。しかし、組成物(ii)の前に組成物(i)を施与することが好ましい。
【0016】
施与の順序に依存して、化粧料組成物の一方又は他方は、「ベースコート」又は「トップコート」と称され得る。
【0017】
本発明の文脈において、用語「化粧的に許容される」とは、その使用が睫への施与と両立する化合物を意味する。
【0018】
本発明の目的のために、用語「房」は、瞼の内側の隅から瞼の外側の隅までの、上瞼の睫又は下瞼の睫の、又はユーザーの目の一方又は他方の眉弓の眉毛を意味する。
【0019】
用語「1の〜を含む」とは、表現「少なくとも1の〜を含む」と同義であると、そして用語「〜の間」とは、他に明記されない限り限界を含むと理解されるべきである。
【0020】
成分のすべての含有量は固体として表現される。
【0021】
用語「施与手段」及び「アプリケーター」は、詳細な説明の残部においては優先なしに使用される。
【0022】
用語「水性連続相を有する組成物」とは、組成物が25℃において測定されて23μS/cm(マイクロシーメンス/cm)超の電導度を有し、電導度は、例えばメトラートレド製のMPC227電導計及びInlab730電導度測定セルを使用して測定される。測定セルは、セルの2つの電極の間に形成される可能性のある空気の泡を除去するために組成物に浸漬される。電導度の読み取は電導計の値が安定したら直ちに行われる。少なくとも3の連続測定において平均が決定される。
【0023】
一つの好ましい実施態様に従うと、2つの組成物(i)及び(ii)は、水性連続相を含む。
【0024】
本発明に従う組成物(i)は、組成物の合計重量に対して26重量%以下、好ましくは24重量%以下、より良くは23.5重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する。
【0025】
本発明に従う組成物(i)は、組成物(i)の合計重量に対して10重量%以上、好ましくは15重量%以上の合計含有量のワックス及び親水性ポリマーを含む。
【0026】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う組成物(ii)は、好ましくは水性連続相と共に、組成物の合計重量に対して26重量%超、好ましくは27重量%以上、より良くは28重量%以上の合計含有量のワックス及び親水性ポリマーを有する。
【0027】
それらは、組成物(ii)の合計重量に対して50重量%までの範囲のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有し得る。
【0028】
本発明の一つの特定の実施態様に従うと、キットは、組成物(ii)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量と組成物(i)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量の差が、絶対値として2%以上、又は3%以上でさえ、より良くは4%以上であるようなものである。
【0029】
ワックス
本発明の目的のために、用語「ワックス」は、親油性化合物であって、室温(25℃)において固体であり、可逆の固体/液体の状態変化を有し、30℃以上であって、120℃までであり得る融点を有するものを意味する。
【0030】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばメトラー社によりDSC30の名前で販売されている熱量計を使用して測定され得る。
【0031】
ワックスは、炭化水素に基づくワックス、フルオロワックス及び/又はシリコーンであってもよく、植物、鉱物、動物、及び/又は合成起源であってもよい。特にワックスは25℃超、より良くは45℃超の融点を有していてもよい。
【0032】
ワックスは、各組成物(i)及び(ii)の合計重量に対して、0.1重量%〜50重量%,よりよくは1重量%〜40重量%、さらによりよくは5重量%〜30重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0033】
本発明の一つの好ましい実施態様に従うと、組成物(i)中のワックスの含有量は組成物の合計重量に対して1重量%〜40重量%,好ましくは5重量%〜30重量%,よりよくは8重量%〜25重量%の範囲である。
【0034】
本発明の一つの好ましい実施態様に従うと、組成物(ii)中のワックスの含有量は組成物の合計重量に対して5重量%〜40重量%,好ましくは15重量%〜30重量%、よりよくは18重量%〜25重量%の範囲である。
【0035】
すなわち、最も特に好ましい態様において、キットは、その合計重量に対して8重量%〜25重量%のワックスの含有量を有する組成物(i)、及びその合計重量に対して18重量%〜25重量%のワックスの含有量を有する組成物(ii)を含む。
【0036】
炭化水素をベースとするワックス、例えばビーズワックス、ラノリンワックス又はイボタロウ、米ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オウリキュリーワックス、エスパルト草ワックス、コルクファイバーワックス、サトウキビワックス、木蝋及びハゼロウ;モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュ合成により得られるワックス及びワックス状コポリマー、及びそれらのエステルが特に使用され得る。
【0037】
直鎖又は分岐状のC8〜C32脂肪鎖を含む動物又は植物油の触媒水素化により得られるワックスもまた挙げられ得る。
【0038】
特に挙げられ得るこれらのワックスの中に、水素化ホホバオイル、異性化ホホバオイル、例えばデザートホエール社により商業参照イソ−ホホバ−50(商標)で製造又は販売されているトランス異性化され、部分的に水素化されたホホバオイル、水素化サンフラワーオイル、水素化ヒマシ油、水素化ココナッツオイル、水素化ラノリンオイル及びヘテレーン(Heterene)社によりヘスト2T−4Sの名前で販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート、ヘテレーン社によりヘスト2T−4Bの名前で販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラベヘネートがある。
【0039】
シリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシジメチコーン及びフルオロワックスもまた挙げられ得る。
【0040】
ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブオイルの水素化により得られるワックス(名前フィトワックスオリーブ18 L57で販売されている)又はセチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化により得られたワックス(ソフィム(Sophim)社により名前フィトワックスリシン16L64及び22L73で販売されている)もまた使用され得る。そのようなワックスは仏国特許出願公開第2792190号に記載されている。
【0041】
一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物(i)又は(ii)は、少なくとも1の「粘着性」ワックス、すなわち0.7N.s以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスを含み得る。
【0042】
粘着性のワックスの使用は、睫に施与しやすく、睫によく付着し、滑らかで、均一で、濃くするメイクアップの形成をもたらす化粧料組成物の製造を特に許し得る。
【0043】
使用される粘着性ワックスは、特に0.7N.s〜30N.s、特に1N.s以上特に1N.s〜20N.sの範囲,特に2N.s以上,特に2N.s〜10N.sの範囲、特に2N.s〜5N.sの範囲の粘着性を有し得る。
【0044】
ワックスの粘着性は、Rheo社によりTA−TX2i(商標)の商品名の下に販売されるテクスチュロメーター(45度の角度を形成する円錐形のアクリルポリマーのスピンドルが装備されている)を用いて、時間の関数として、力(圧縮力又は延伸力)の変化を20℃において測定することにより決定される。
【0045】
測定プロトコルは以下のとおりである:
【0046】
ワックスはワックスの融点+10℃に等しい温度において溶融される。溶融されたワックスは直径25mm、深さ20mmの容器に注がれる。ワックスの表面が平らでかつ滑らかになるように、ワックスは室温(25℃)において24時間再結晶化され、次に粘着度の測定の前に20℃において少なくとも1時間貯蔵される。
【0047】
テクスチュロメーターのスピンドルは0.5mm/秒の速度で移動され、次に2mmの浸透深さまでワックスに浸透する。スピンドルが2mmの深さまで浸透したとき、スピンドルは1秒間(緩和時間に相当する)静かに保たれ、次に0.5mm/秒の速度で引き抜かれる。
【0048】
緩和時間の間、力(圧縮力)はそれがゼロになるまで大きく減少し、そして次にスピンドルの引き抜きの間に力(延伸力)が負になり、次に0の値に再び上昇する。粘着度は、力の負の値(延伸力)に対応する曲線の部分に対する時間の関数としての力の曲線の積分に相当する。粘着度の値はN.sで表される。
【0049】
使用され得る粘着性ワックスは、一般的に3.5MPa以下、特に0.01MPa〜3.5MPaの範囲、とりわけ0.05MPa〜3Mpa、あるいは0.1MPa〜2.5MPaの範囲さえ、の硬度を有する。
【0050】
硬度は前に記載されたプロトコルに従って測定される。
【0051】
使用され得る粘着性ワックスは、単独で又は混合物としてのC20〜C40のアルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(20〜40の炭素原子を含むアルキル基)、特に式(II)のC20〜C40のアルキル12−(12’−ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート、
【0052】
【化1】
【0053】
ここで、mは18〜38の範囲の整数である、又は式(II)の化合物の混合物である。
【0054】
そのようなワックスは特にコスターコイネン社によりケスターワックスK82P(商標)及びケスターワックスK80P(商標)の名前で特に販売されている。
【0055】
上に記載されたワックスは、一般的に45℃未満の溶融開始温度を有する。
【0056】
Strahl&Pitsch社により参照SP18で販売され、約0.46MPaの硬度及び約1N.sの粘着値を有するマイクロクリスタリンワックスもまた使用され得る。
【0057】
ワックスは、ワックスの水性マイクロ分散物の形態であってもよい。表現「ワックスの水性マイクロ分散物」は、該ワックスの粒子のサイズが約1μm以下であるワックス粒子の水性分散物を意味する。
【0058】
ワックスのマイクロ分散物は、コロイド状ワックス粒子の安定な分散物であり、特にL.M.Prince編集「マイクロエマルジョンの理論と操作」、アカデミックプレス(1977年)21〜32ページに記載されている。
【0059】
特に、これらのワックスのマイクロ分散物は、界面活性剤、及び場合によって少量の水、の存在下でワックスを溶融させ、続いて攪拌しながら熱湯を徐々に添加することにより得られ得る。油中水型のエマルジョンの中間体の形成が観察され、続いて相の転換が起こり、水中油型のマイクロエマルジョンが最終的に生成される。冷却すると、固体ワックスのコロイド状粒子の安定なマイクロ分散物が得られる。
【0060】
ワックスのマイクロ分散物はワックス、界面活性剤及び水の混合物を攪拌手段、例えば超音波、高圧ホモジェナイザー又はターボミキサーを使用して攪拌することによってもまた得られ得る。
【0061】
ワックスのマイクロ分散物の粒子は、好ましくは1μm未満の平均サイズ(特に0.02μm〜0.99μmの範囲)及び好ましくは0.5μm(特に0.06μm〜0.5μmの範囲)を有する。
【0062】
これらの粒子は、基本的にワックス又はワックスの混合物からなる。しかし、これらの粒子は少量の油状及び/又はペースト状脂肪性添加物、界面活性剤、及び/又は一般的な脂溶性添加剤及び/又は活性剤を含み得る。
【0063】
親水性ポリマー
親水性ポリマーは、特に親水性フィルム形成性ポリマー及び親水性ゲル化剤及びそれらの混合物から選択され得、ある親水性フィルム形成性ポリマーは、ゲル化剤としてもまた機能する。
【0064】
組成物(i)において、親水性ポリマー固体の合計含有量は、組成物の合計重量に対して0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%であり得る。
【0065】
組成物(ii)において、親水性ポリマー固体の合計含有量は組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%であり得る。
【0066】
組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%の親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(i)及び組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%の親水性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)を含むキットが本発明の文脈において最も特に好ましい。
【0067】
I)フィルム形成性ポリマー
本発明において、用語「フィルム形成性ポリマー」は、自分自身で、又はフィルム形成助剤の存在下、睫に接着する巨視的連続フィルム、好ましくは粘着性フィルム、よりよくは、例えば上記フィルムが非粘着性の表面、例えばテフロン(登録商標)で被覆された若しくはシリコーンで被覆された表面の上に注ぐことにより製造されるときに、フィルムの粘着性及び機械的特性は、フィルムが単離され得、分離して操作され得るようなものであるフィルムを形成できるポリマーを意味する。
【0068】
。
一般的に、組成物(i)又は(ii)のそれぞれにおけるフィルム形成性ポリマー固体の含有量は組成物の合計重量に対して0.1重量%〜40重量%,好ましくは0.5重量%〜30重量%、よりよくは1重量%〜20重量%の範囲であり得る。親水性フィルム形成性ポリマーは、水溶性ポリマーであり得るか、又は水性媒体中における分散物であり得る。
【0069】
本発明の組成物において使用され得るフィルム形成性ポリマーの中で、フリーラジカルタイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー及び天然起源のポリマー及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0070】
挙げられ得る水溶性フィルム形成性ポリマーの例は、
たんぱく質、例えば植物起源のたんぱく質、例えば小麦タンパク又は大豆タンパク;動物起源のたんぱく質、例えばケラチン、例えばケラチン加水分解物、及びスルホンケラチン;
セルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、及びそれらの4級化されたセルロース誘導体;
アクリルポリマー又はコポリマー、例えばポリアクリレート又はポリメタクリレート;
ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル及びマレイン酸無水物のコポリマー、ビニルアセテート及びクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマー;ビニルピロリドン及びカプロラクタムのコポリマー;ポリビニルアルコール;
アニオン性、カチオン性、両性又はノニオン性キチン又はキトサンポリマー;
アラビアガム、グアーガム、キサンタン誘導体、及びカラヤガム;
アルギネート及びカラギーナン;
グリコアミノグリカン、及びヒアルロン酸、及びその誘導体;
シェラック樹脂、サンダラックガム、ダマール樹脂、エレミガム、及びコーパル樹脂;
デオキシリボ核酸;
ムコ多糖類例えば硫酸コンドロイチン、
及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0071】
フィルム形成性ポリマーは、水性相に分散された粒子の形態(一般的にラテックス、又は擬似ラテックスとして公知である)で組成物中に存在してもよい。これらの分散物を製造する技術は当業者に周知である。
【0072】
使用され得るフィルム形成性ポリマーの水性分散物は、Avecia Neoresins社によりネオクリルXK−90(商標)、ネオクリルA−1070(商標)、ネオクリルA−1090(商標)、ネオクリルBT−62(商標)、ネオクリルA−1079(商標)及びネオクリルA−523(商標)の名前で、ダウケミカル社によりダウラテックス432(商標)の名前で、又は大東化成工業社によりダイトゾール5000 AD(商標)又はダイトゾール5000 SJ(商標)名前で販売されているアクリル分散物;インターポリマー社によるSyntran 5760(商標)、ロームアンドハース社によるAllianz Opt(商標)、あるいはAvecia Neoresins社によりNeorez R−981(商標)及びNeorez R−974(商標)の名前で販売されている水性ポリウレタン分散物、Noveon社によるAvalure UR−405(商標)、Avalure UR−410(商標)、Avalure UR−425(商標)、Avalure UR−450(商標)、Sancure 875(商標)、Avalure UR−445(商標)及びSancure 2060(商標)、バイエル社によるImpranil 85(商標)、ハイドロマー社によるAquamere H−1511(商標);イーストマンケミカルプロダクツ社によりイーストマンAQ(商標)の名前で販売されているスルホポリエステル、ビニル分散物、例えばMexomere PAM(商標)、水性ポリビニルアセテート分散物、例えばNisshin Chemical社製のVinybran(商標)又はユニオンカーバイド社により販売されている製品、ビニルピロリドンの水性分散物、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びラウリルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウムクロリドターポリマー例えば、ISP製のStyleze W、ポリウレタン/ポリアクリルハイブリッドポリマーの水性分散物、例えばAir Products社によりHybridur(商標)の参照で販売されているもの、又はナショナルスターチ社製のDuromer(商標)、及びコア/シェルタイプの分散物:例えばAtofina社によりKynar(コア:フルオロ−シェル:アクリル)の参照で販売されているもの、又は米国特許第5188899号に記載されているもの(コア;シリカーシェル:シリコーン)、及びそれらの混合物を含む。
【0073】
一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物(i)又は(ii)は、親水性フィルム形成性ポリマーとして少なくともカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの組み合わせを含む。
【0074】
カチオン性ポリマーは、4級セルロースエーテル誘導体、セルロースと水溶性4級アンモニウムモノマーとのコポリマー、シクロポリマー、カチオン性多糖類、カチオン性シリコーンポリマー、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートで4級化された若しくは4級化されていないコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールの4級ポリマー、及びポリアミノアミド及びそれらの混合物から選択され得る。
【0075】
好ましくは、カチオン性ポリマーは4級アンモニウム基を含むヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースである。
【0076】
アニオン性ポリマーは以下から有利に選択される:
A) アクリル又はメタクリル酸又はそれらの塩のホモポリマー又はコポリマー、アクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー及びそれらの塩、及びポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、例えばHercules社によりReten(商標)の名前でナトリウム塩の形で販売されているアクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー、バンダービルト社によりDarvan No.7の名前で販売されているポリメタクリレートナトリウム、及びHenkel社によりHydagen F(商標)の名前で販売されているポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩;
B) アクリル酸又はメタクリル酸とモノエチレン性モノマー、例えばエチレン、スチレン、ビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸エステルとのコポリマー、場合によってポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール上にグラフト化されていてもよい;このタイプのコポリマーは、その鎖中に、場合によってN−アルキル化及び/又はヒドロキシアルキル化されていてもよいアクリルアミド単位を含む、アクリル酸及びC1〜C4アルキルメタクリレートのコポリマー、及びビニルピロリドン、アクリル酸、及びC1〜C20アルキルメタクリレートのターポリマー;
C) クロトン酸から誘導されたコポリマー、例えばその鎖の中に、ビニルアセテート又はプロピオネート単位を含み、場合によって他のモノマー例えばアリル又はメタアリルエステルを含んでいてもよいもの、長い炭化水素に基づく鎖、例えば少なくとも5の炭素原子を含む鎖を有する、直鎖又は分岐状の飽和カルボン酸のビニルエーテル又はビニルエステル(これらのポリマーはグラフト化されていてもよい);
D) マレイン酸、フマール酸、又はイタコン酸、又は無水物と、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体又はアクリル酸及びそのエステルとから誘導されたポリマー;マレイン酸、シトラコン酸、又はイタコン酸無水物、及び、場合によってアクリルアミド若しくはメタクリルアミド基、α−オレフィン、アクリル若しくはメタクリルエステル、アクリル若しくはメタクリル酸又はビニルピロリドンをその鎖の中に含んでいてもよいアリル又はメタリルエステルとのコポリマー、(無水物官能基はモノエステル化又はモノアミド化されている)、
E) カルボキシレート基を含むポリアクリルアミド;
F) デオキシリボ核酸;
G) 少なくとも1のジカルボン酸、少なくとも1のジオール及び少なくとも1の二官能性芳香族モノマーであって、基−SO3M(Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+又は金属イオンを表す)を有する芳香族モノマーのコポリマー;
及びそれらの混合物。
【0077】
より特に好ましいアニオン性ポリマーは、架橋されていないアニオン性ポリマー、例えばメチルビニルエーテル/モノエステル化されたマレイン酸無水物のコポリマー(ISP社によりGantrez ES425の名前で販売されている)、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー(BASF社によりウルトラホールドストロングの名前で販売されている)、メタクリル酸及びメチルメタクリレートのコポリマー(ロームアンドファーマ社によりEudragit Lの名前で販売されている)、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸のターポリマー及びクロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマー(National Starch社によりResin 28−29−30の名前で販売されている)、メタクリル酸及びエチルアクリレートのコポリマー(BASF社によりLuvimer MAEX又はMAEの名前で販売されている)、ビニルピロリドン/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのターポリマー(ISP社によりアクリドンLMの名前で販売されている)、及び例えばVersicol E 5の名前で販売されているアクリル若しくはメタクリル酸のホモポリマー、又はバンダービルト社によりDarvan 7の名前で販売されている(ポリ(メタクリレートナトリウム)、及びそれらの混合物から選択される。
【0078】
アニオン性ポリマーは好ましくはポリメタクリル酸ナトリウムである。
【0079】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、フィルム形成性ポリマーによるフィルムの形成を促進する可塑剤を含む。そのような可塑剤は所望される機能を達成することのできるとして当業者に公知の任意の化合物から選択され得る。
【0080】
II)親水性ゲル化剤
本発明に従う組成物において使用され得る親水性ゲル化剤は、以下から選択され得る:
アクリル又はメタクリル酸ホモポリマー若しくはコポリマー又はその塩若しくはエステル、特にAllied Colloid社によりVersicol F(商標)又は Versicol Kの名前で販売されている製品、チバガイギー社によるウルトラホールド8(商標)、及びSynthalen Kタイプのポリアクリル酸、
アクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー(そのナトリウム塩の形態でHercules社によりReten(商標)の名前で販売されている)及びポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩(ヘンケル社によりHydagen F(商標)の名前で販売されている)、
Pemulenタイプのポリアクリル酸/アルキルアクリレートのコポリマー、
Clariant社により販売されているAMPS(部分的に水性アンモニアで中和され、高度に架橋されたポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、
セピック社により販売されているSepigel(商標)又はSimulgel(商標)タイプのAMPS/アクリルアミドのコポリマー、及び
AMPS/ポリオキシエチレン化されたアルキルメタクリレートのコポリマー(架橋されている又は架橋されていない)、及びそれらの混合物。
【0081】
上述されたある水溶性のフィルム形成性ポリマーは、水溶性ゲル化剤としてもまた作用し得る:
会合性ポリウレタン、例えばServo Delden製のポリマーC16−OE120−C16(SER AD FX1100の名前で販売されており、ウレタン官能基を含み、1300の重量平均分子量を有する)、OEは、オキシエチレン単位である、Rheox社により販売されているウレア官能基を含むRheolate 205又はRheolate 208又は204(これらのポリマーは純粋な形で販売されている)又はロームアンドハース社製DW 1206B、これはC20のアルキル鎖及びウレタン結合を有し、水中において20%の活性物質において販売されている。これらの会合性ポリウレタンの特に水又は水性アルコール媒体中の溶液又は分散物もまた使用され得る。挙げられ得るそのようなポリマーの例は、Servo Delden社製のSER AD FX1010,SER AD FX 1035及びSER AD 1070、及びRheox社により販売されているRheolate 255,Rheolate 278及びRheolate 244を含む。ロームアンドハース社製の製品DW 11206F及びDW 1206J,及びAcrysol RM 184又はAcrysol 44又はBorchers社製のBorchigel LW 44もまた使用され得る。
及びそれらの混合物。
【0082】
親水性ゲル化剤は、組成物の合計重量に対して0.05重量%〜40重量%,好ましくは0.5重量%〜20重量%、よりよくは1重量%〜15重量%の範囲の含有量で本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれに存在し得る。
【0083】
追加のフィルム形成性ポリマー
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、非水性の溶媒相に可溶であり得る、又は非水性溶媒相に分散され得る少なくとも1の追加の親油性ポリマーをもまた含み得る。
【0084】
一つの特定の実施態様に従うと、組成物は追加のフィルム形成性ポリマーとして特定のアクリルターポリマーを含む。このターポリマーは長くする効果を得、睫に施与されたときに、物質の滑らかで均一な堆積を許するように、施与の間に睫に良好な接着、特に睫の末端に物質の堆積を与えるという利点を有する。
【0085】
一つの特定の実施態様に従うと、キットはこのターポリマーを含む組成物(i)及びそのようなターポリマーなしの組成物(ii)を含む。
【0086】
そのようなタイプのポリマー及びそれを含むマスカラはより特に公報欧州特許出願公開第1647268号に記載されている。
【0087】
該公報の教示は、本特許出願に参照することにより取り込まれる。
【0088】
しかし、特定のターポリマーは、以下に詳細に説明される。
【0089】
ターポリマーは、
(メタ)アクリル酸と2〜20の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択された少なくとも1のモノマーA、
(メタ)アクリル酸と1〜10の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択された少なくとも1のモノマーB、
N−ビニルラクタムから選択された少なくとも1のモノマーC
の共重合化から得られるポリマーである。
【0090】
モノマーA
モノマーAは(メタ)アクリル酸と2〜20の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られるエステルから選択される。
【0091】
一つの実施態様に従うと、コポリマーは、メタクリル酸と5〜20の炭素原子、好ましくは7〜18の炭素原子、よりよくは10〜18の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られる少なくとも1のモノマーAを含む。
【0092】
特に、モノアルコールは、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール及び1−オクタデカノール及びそれらの混合物から選択され得る。
【0093】
本発明に従うポリマーは、アクリル酸と2〜15の炭素原子、好ましくは4〜14の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から得られる少なくとも1のモノマーAをもまた含み得る。
【0094】
特にC2〜C15のモノアルコールは、エタノール,1−ブタノール,2−ブタノール,1−ペンタノール,2−ペンタノール,3−ペンタノール,2−メチル−1−ブタノール,1−ヘキサノール,2−ヘキサノール,2−メチル−1−ペンタノール,3−メチル−1−ペンタノール,2−エチル−1−ブタノール,3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール,3−ヘプタノール,1−オクタノール,2−オクタノール,イソオクチルアルコール,2−エチル−1−ヘキサノール,1−デカノール,1−ドデカノール,1−トリデカノール及び1−テトラデカノール,及びそれらの混合物から選択され得る。
【0095】
有利に、モノマーAはn−ブチルアクリレート,イソオクチルアクリレート及びラウリルメタクリレート(メタクリル酸と1−ドデカノールとの反応から誘導される),及びそれらの混合物から選択される。
【0096】
有利に、モノマーAは、ポリマーのモノマーの合計数に対して15重量%〜80重量%、よりよくは40重量%〜60重量%の範囲の数的な割合で存在する。
【0097】
モノマーB
モノマーBは、メタクリル酸と、1〜10の炭素原子,好ましくは1〜6、よりよくは1〜4の炭素原子を含むモノアルコールとの反応から誘導されたエステルから選択される。
【0098】
特にモノアルコールはメタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール,1−ペンタノール,2−ペンタノール及び3−ペンタノール,及びそれらの混合物から選択され得る。
【0099】
好ましくは、モノマーBは、メチルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレート,及びそれらの混合物から選択される。
【0100】
有利に、モノマーBはポリマーのモノマーの合計数に対して20重量%〜70重量%、よりよくは25重量%〜50重量%の範囲の数的割合で存在する。
【0101】
モノマーC
モノマーCは、有利にN−ビニルラクタム(N−置換ラクタム誘導体)、例えば米国特許第3907720号に記載されたもの、特に以下の式を有するN−ビニルラクタムから選択される。
【0102】
【化2】
【0103】
ここで
R1及びR2は独立して水素原子、C1〜C5アルキル基例えばメチル,エチル又はプロピル、又はアリール基を表し、
【0104】
【化2】
【0105】
そしてn及びn1は0〜5の範囲である,但しn及びn1は同時にゼロではない。
【0106】
好ましくはR1及びR2は、独立して水素原子、又はC1〜C5アルキル基、例えば、メチル,エチル又はプロピルを表し、
【0107】
【化3】
【0108】
モノマーCとして使用され得るN−ビニルラクタムとして,以下のラクタムのN−ビニルピロリドン、及びN−ビニル−置換された誘導体が挙げられ得る:3,3−ジメチル−1−ピロリドン,4,4−ジメチル−2−ピロリドン,3,4−ジメチル−2−ピロリドン,3−エチル−2−ピロリドン及び3,5−ジメチル−2−ピロリドン。好ましくはモノマーCはN−ビニルピロリドンである。
【0109】
有利にモノマーCは、ポリマーのモノマーの合計数に対して1重量%〜15重量%、よりよくは5重量%〜15重量%の範囲の数的割合で存在する。
【0110】
有利にポリマーは、有機溶媒中の溶液又は分散物中にあり、該有機溶媒は好ましくは本発明に従う組成物(i)の有機溶媒相の「第一有機溶媒」である。
【0111】
本発明に従う組成物のコポリマーは、特にモノマーが溶解している溶媒中でのフリーラジカル重合化という慣用の方法で製造され得る。
【0112】
そのようなコポリマー及びそれらを含む抗菌性組成物が特に米国特許第4584192号に記載されている。
【0113】
追加のフィルム形成性ポリマーは、組成物(i)又は(ii)の合計重量に対して固体(又は活性物質)の0.01重量%〜20重量%,好ましくは0.05重量%〜15重量%、よりよくは0.05重量%〜10重量%であり得る。
【0114】
水性相
本発明に従う組成物(i)又は(ii)の少なくとも1、好ましくは各組成物(i)及び(ii)は、水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む連続的水性相を含む。
【0115】
連続的水性相は、組成物の連続相を形成し得る水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む。
【0116】
本発明において、用語「水溶性溶媒」は、室温において液状であり、水と混和性である化合物を意味する(25℃及び大気圧において50重量%超の水における混和性)。
【0117】
本発明に従う組成物において使用され得る水溶性溶媒は、揮発性であってもよい。
【0118】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)において使用され得る水溶性溶媒の中で、1〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、2〜8の炭素原子を有するグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコール、C3及びC4ケトン及びC2〜C4アルデヒドが挙げられ得る。
【0119】
水性相(水及び水と混和する任意的な有機溶媒)は該組成物の合計重量に関して1〜95重量%、好ましくは3〜80重量%、優先的に5〜60重量%の範囲の含有量において、組成物(i)及び(ii)のそれぞれに存在することができる。
【0120】
組成物(i)及び(ii)に含まれる他の成分
乳化システム
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、組成物の合計重量に対して特に0.1重量%〜30重量%,よりよくは1重量%〜15重量%、よりよくは2重量%〜10重量%の範囲の割合で存在する乳化界面活性剤を含み得る。
【0121】
本発明に従うと、水中油型エマルジョンを得るために適切に選択される乳化剤が一般的に使用される。特に25℃においてグリフィンの意味において8以上のHLB(疎水性−親水性−バランス)を有する乳化剤が使用される。
【0122】
グリフィンによるHLB値は、J.Soc.Cosm.Chem.,1954年(第5巻)、249〜256ページに記載されている。
【0123】
これらの界面活性剤はノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤又は乳化界面活性剤から選択され得る。界面活性剤の性質と(乳化)機能の定義については、書類「化学技術の百科事典、カークオスマー(Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer)」第22巻、333〜432ページ、第3版、1979年、ワイリーを参照されたい。特にアニオン性、両性、及びノニオン性界面活性剤の場合、この参考文献の特に347〜377ページを参照されたい。
【0124】
本発明に従う組成物中で好ましく使用される界面活性剤は以下から選択される。
a)単独で又は混合物として使用される、25℃において8以上のHLBを有するノニオン性界面活性剤;以下のものが特に挙げられ得る:
グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る);
脂肪族アルコール(特にC8〜C24、好ましくはC12〜C18アルコール)のオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)、例えば30のオキシエチレン基を含むオキシエチレン化セタリールアルコールエーテル(CTFA名「Ceteareth−30」)及び7のオキシエチレン基を含むC12〜C15の脂肪族アルコールの混合物のオキシエチレン化エーテル(シェルケミカルズによりNeodol 25−7(商標)の名前で販売されているCTFA名「C12〜15のPareth−7」);
ポリエチレングリコール(1〜150のエチレングリコールユニットを含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24酸及び好ましくはC16〜C22酸)、例えばICI ユニケマ社によりMyrj 52P(商標)の名前で販売されているPEG−50ステアレート及びPEG−40モノステアレート;
オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたグリセリルエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24、好ましくはC16〜C22酸)、例えば、セピック社によりSimulsol 220 TM(商標)の名前で販売されているPEG−200グリセリルモノステアレート;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルステアレート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat S(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルオレエート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat O(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルココエート、例えばSherex社により販売されている製品Varionic LI 13(商標)、30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルイソステアレート、例えばゴールドシュミット社により販売されている製品Tagat L(商標)、及び30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルラウレート、例えばゴールドシュミット社製の製品Tagat I(商標);
オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたソルビトールエーテル(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8〜C24、好ましくはC16〜C22酸)、例えばユニケマ社によりTween 60(商標)の名前で販売されているポリソルベート60、
ジメチコンコポリオール、例えばダウコーニング社によりQ2−5220(商標)の名前で販売されているもの;
ジメチコンコポリオールベンゾエート(Fintex社によるFinsolv SLB 101(商標)及び201(商標));
プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマー、EO/PO重縮合体としてもまた公知である;
及びそれらの混合物。
【0125】
EO/PO重縮合体は、より特に、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールブロックからなるコポリマーであり、例えばポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールのトリブロック重縮合体である。これらのトリブロック重縮合体は、例えば以下の化学構造を有する:
ここでaは2〜120であり、bは1〜100である。
【0126】
EO/PO重縮合体は好ましくは1000〜15000、さらによりよく2000〜13000の範囲の重量平均分子量を有する。有利には、該EO/PO重縮合体は、20℃以上、好ましくは、60℃以上の、10g/蒸留水1Lにおける曇り点を有する。曇り点は、ISO標準1065に従って測定される。本発明に従って使用され得るEO/PO重縮合体としてICI社によりSynperonic(商標)、例えばSynperonic PE/L44(商標)及びSynperonic PE/E127(商標)の名前で販売されているポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック重縮合体が挙げられ得る。
【0127】
b)25℃において8未満のHLBを有するノニオン性界面活性剤(場合によって25℃において8超のHLBを有する1以上のノニオン性界面活性剤、例えば上述されたもの、と組み合わせられてもよい)、例えば
糖類のエステル及びエーテル、例えばスクロースステアレート、スクロースココエート、ソルビタンステアレート及びそれらの混合物、例えばICI社により販売されているArlatone 2121(商標);
ポリオール、特にグリセロール、又はソルビトールの脂肪酸エステル(特にC8〜C24及び好ましくはC16〜C22の酸)、例えばグリセリルステアレート、例えばゴールドシュミット社によりTegin M(商標)の名前で販売されているグリセリルステアレート、グリセリルラウレート、例えばHuls社によりImwitor 312(商標)の名前で販売されている製品、ポリグリセリル−2ステアレート、ソルビタントリステアレート又はグリセリルリシノレート;
ダウコーニング社によりQ2−3225C(商標)の名前で販売されているシクロメチコン/ジメチコンコポリオールの混合物;
【0128】
c)アニオン性界面活性剤、例えば
C16〜C30脂肪酸の塩,特にアミン、例えばトリエタノールアミンステアレート及び/又は2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオールステアレートから誘導されるもの;
ポリオキシエチレン化された脂肪酸塩、特にアミン又はアルカリ金属塩から誘導されたもの、及びそれらの混合物;
リン酸エステル及びその塩、例えば「オレス−10リン酸DEA」(Croda社製のCrodafos N 10N(商標))又はリン酸モノセチルモノカリウム(Givaudan製Amphisol K);
スルホスクシネート例えば「PEG−5クエン酸ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム」及び「リシノールアミドMEAスルホコハク酸2ナトリウム」;
アルキルエーテルサルフェート、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
イセチオネート、
アシルグルタメート例えば「水添された獣脂グルタメート2ナトリウム」(味の素社により販売されているアミソフトHS−21 R(商標))、及びそれらの混合物。
【0129】
トリエタノールアミンステアレートが本発明における使用のために最も適する。このアミンは、一般的にステアリン酸とトリエタノールアミンを単純に混合することにより得られる。
【0130】
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは1以上の両性界面活性剤、例えばN−アシルアミノ酸、例えばN−アルキルアミノアセテート及びココアンホジアセテート二ナトリウム、及びアミンオキサイド、例えばステアラミンオキサイド、又はシリコーン界面活性剤、例えばジメチコーンコポリオールホスフェート、例えばフェニックスケミカル社によりPecosil PS 100(商標)の名前で販売されている製品をもまた含む。
【0131】
オイル
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは、1以上のオイル又は有機溶媒を含み得る。
【0132】
用語「オイル又は有機溶媒」は、室温及び大気圧において液状である非水性物質を意味する。オイルは揮発性又は非揮発性であり得る。
【0133】
本発明の目的のために、用語「揮発性オイル又は有機溶媒」は、皮膚又は睫と接触したとき、環境温度及び大気圧において1時間未満内に蒸発できる任意の非水性媒体を意味する。揮発性有機溶媒及び本発明の揮発性オイルは、室温において液状であり、環境温度及び大気圧においてゼロではない蒸気圧、特に0.13Pa〜40000Pa(10−3〜300mmHg)、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)、より特に1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性の有機溶媒及び化粧料オイルである。用語「非揮発性オイル」は、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン繊維上に少なくとも数時間残り、特に10−3 mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有するオイルを意味する。
【0134】
オイルは組成物の合計重量に対して1重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量%の範囲の含有量で存在し得る。組成物(i)又は(ii)は、揮発性オイル又は非揮発性オイル、及びそれらの混合物を含み得る。
【0135】
揮発性オイル(又は有機溶媒)は、炭化水素をベースとするオイル、シリコーンオイル、又はフルオロオイル、又はそれらの混合物であり得る。
【0136】
用語「炭化水素をベースとするオイル」とは主に水素及び炭素原子を含み酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を含んでいてもよいオイルを意味する。揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、8〜16の炭素原子を含む炭化水素をベースとするオイル、特に分岐状のC8〜C16アルカン、例えば石油起源のC8〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、そして例えば商標名Isopar(商標)又はPermethyls(商標)の下で販売されているオイル、分岐状のC8〜C16エステル、及びネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物から選択され得る。他の揮発性の炭化水素をベースとするオイル、例えば石油の留出物、特にシェル社によりShell Solt(商標)の名前の下に販売されているものもまた使用され得る。
【0137】
また使用され得る揮発性オイルは、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環状シリコーンオイル、特に≦6センチストーク(6×10−6m2/s)の粘度を有し、特に3〜6の珪素原子を含むもの、これらのシリコーンは任意的に1〜2の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい、を含む。本発明において使用され得る揮発性シリコーンオイルとして特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物を含む。
【0138】
揮発性フルオロ溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタンもまた使用され得る。
【0139】
本発明に従う組成物(i)及び(ii)のそれぞれは、少なくとも1の非揮発性のオイル又は有機溶媒をもまた含み得、それらは特に非揮発性の炭化水素をベースとするオイル及び/又はシリコーンオイル及び/又はフルオロオイルから選択され得る。
【0140】
特に挙げられ得る非揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、
植物起源の炭化水素をベースとするオイル、例えばグリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、その脂肪酸はC4〜C24の変化する鎖の長さを有し得、これらの鎖は直鎖又は分岐状であってもよく、そして飽和又は不飽和であってもよい;これらのオイルは特に小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ種油、トウモロコシ油、アプリコット油、ひまし油、シア油、アボガド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシの実油、かぼちゃ油、胡麻種油、髄油(marrow oil)、菜種油、黒スグリ油、月見草油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、又はジャコウバラ油;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、またダイナミットノーベル社によりMiglyol 810(商標)、812(商標)、及び818(商標)の名前の下に販売されているものである;
10〜40の炭素原子を含む合成エーテル;
鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化されたポリイソブテン例えばパーレアム、及びスクワラン、及びそれらの混合物、
合成エステル、例えば式R1COOR2のオイル(R1は1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐の脂肪酸残基を表し、R2は特に1〜40の炭素原子を含む分岐状の炭化水素をベースとする鎖を表す、ただしR1+R2≧10である)、例えばプルセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸のC12〜C15のアルキルエステル、ラウリル酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸、又はリシノール酸のアルキル又はポリアルキルエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、水素化されたエステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル及びペンタエリスリトールエステル;
12〜26の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和の炭素をベースとする鎖を含む、室温において液体であるところの脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール又は2−ウンデシルペンタデカノール;
高級脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;
及びそれらの混合物、
を含む。
【0141】
本発明の組成物(i)又は(ii)のいずれかにおいて使用され得るところの非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS),ペンダント状である及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン(該基はそれぞれ2〜24の炭素原子を含む)、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートであり得る。
【0142】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のいずれかにおいて使用され得るフルオロオイルは、特にフルオロシリコーンオイル、フルオロポリエーテル又はフルオロシリコーンであり得、欧州特許出願公開第847752号に記載されている通りである。
【0143】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のいずれかにおける非揮発性オイル又は有機溶媒の含有量は、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜30重量%,特に0.1重量%〜25重量%、よりよくは0.1重量%〜20重量%の範囲であり得る。
【0144】
染料
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、少なくとも1の染料、例えば粉体染料、脂溶性染料、及び水溶性染料をもまた含み得る。
【0145】
一つの実施態様に従うと、組成物(i)及び(ii)は同じ色調を有する。
別の実施態様に従うと、組成物(i)及び(ii)は、得られるメイクアップ効果を強化するために、異なる色調を有する。
【0146】
例えば、明るい色の組成物を睫の房全体又は睫の房の内側部分に、そして睫の房の外側部分に濃い色の組成物を施与することが可能である。
【0147】
粉体染料は、顔料及び真珠層から選択され得る。
【0148】
顔料は、白色又は着色の、鉱物の及び/又は有機の、及び被覆された又は被覆されていないものであり得る。挙げられうる鉱物顔料の中には、二酸化チタン、場合によって表面処理されていてもよい、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、又は酸化セリウム、及びまた酸化鉄、又は酸化クロム、マンガン紫、群青、クロム水和物、及び第二鉄青がある。挙げられ得る有機顔料の中に、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーミンまたはバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムとベースとするレーキがある。
【0149】
真珠光沢剤は、白色真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化チタン又はビスマスで被覆されたマイカ、着色された真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上述のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料から選ばれることができる。
【0150】
脂溶性の染料は、例えばスーダンレッド、D&Cレッド17、D&Cグリーン6、β−カロチン、大豆油、スーダンブラウン、D&Cイエロー11、D&Cバイオレット2、D&Cオレンジ5及びキノリンイエロー、及びアナートである。
【0151】
これらの染料は、組成物(i)及び(ii)それぞれの総重量に対して、0.01〜30重量%の含有量で存在することができる。
【0152】
フィラー
本発明の組成物(i)又は(ii)のそれぞれは少なくとも1のフィラーをもまた含み得る。
【0153】
フィラーは、当業者に周知であり、化粧料組成物において一般的に使用されるものから選択されることができる。フィラーは鉱物性又は有機性、ラメラ状又は球状であることができる。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド粉末、例えばOrgasol(商標)の名前でアトケム社により販売されているナイロン(商標)、ポリ−β−アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマーの粉末、例えばTeflon(商標)、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、膨張されたポリマー状の中空微小球、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルの微小球、例えばノーベルインダストリーズ社によりExpancel(商標)の名前で販売されている製品、アクリル粉末、例えばダウコーニング社によりPolytrap(商標)の名前で販売されているもの、ポリメチルメタクリレート粒子及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば東芝製のTospearls(商標))、沈殿した炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸水素マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(Maprecos製シリカビーズ(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛及びミリスチン酸マグネシウムが挙げられ得る。
【0154】
加熱すると熱膨張することのできる化合物、特に熱膨張可能な粒子、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートのコポリマー又はアクリロニトリルのホモポリマーコポリマーの膨張されていない微小球、例えばアクゾーノーベル社によりExpancel(商標)820 DU 40及びExpancel(商標)007WUの製品番号でそれぞれ販売されているものを使用することもまた可能である。
【0155】
フィラーは組成物の合計重量に対して0.1〜25重量%、特に1〜20重量%に相当し得る。
【0156】
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、化粧料において通常使用される任意の成分、例えば、抗酸化剤、保存剤、ファイバー、香料、中和剤、ゲル化剤、増粘剤、ビタミン、コアレッサー、及び可塑剤、及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0157】
ファイバー
本発明に従う組成物(i)又は(ii)のそれぞれは、長くする効果の改善を許すファイバーをもまた含み得る。
【0158】
用語「ファイバー」は、長さL及び直径Dの物体であって、LがDよりずっと大きいような物体を意味すると理解されるべきである、ここでDはファイバーの断面が収まる円の直径である。特に、L/Dの比(または形状因子)は、3.5〜2500、特に5〜500、及びより特に5〜150の範囲で選ばれる。
【0159】
本発明の組成物に使用することができるファイバーは、合成または天然起源の、鉱物質または有機物のファイバーであり得る。それらは、短いか又は長く、個別であるかまたは組織されており、例えば編まれており、及び中空又は中実であり得る。それらは、意図されている特定の用途に応じて、いかなる形状を有していてもよく、特に、円形又は多角形(四角形、六角形又は八角形)の断面を有していてよい。特に、それらの端部は、怪我を防止するために、鈍角にされている及び/又は研磨されている。
【0160】
特に、1μm〜10mmの長さ、好ましくは0.1mm〜5mm、及びより好ましくは0.3mm〜3.5mmの範囲の長さを有する。それらの断面は、2nm〜500μm、好ましくは100nm〜100μm、及びより特に1μm〜50μmの範囲の直径の円内であり得る。ファイバーの重量または番手は、しばしばデニールまたはデシテックスで与えられ、9kmのヤーン当たりのグラムによる重さを示す。特に、本発明に従うファイバーは、0.15〜30デニール、よりよくは0.18〜18デニールの範囲で選択される番手を有し得る。
【0161】
本発明の組成物において使用され得るファイバーは、硬いファイバー又は硬くないファイバーから選択され得、合成又は天然、鉱物又は有機源のものであり得る。
【0162】
さらに、ファイバーは、表面処理されていてもいなくてもよく、被覆されていてもいなくてもよく、着色されていてもいなくてもよい。
【0163】
本発明に従う組成物に使用され得るファイバーとして、硬くないファイバー、例えばポリアミド(ナイロン(商標))ファイバー、又は硬いファイバー、例えばポリイミドアミドファイバー、例えばRhodia社によりKermel(商標)及びKermel Tech(商標)の名前で販売されているもの、又は特にデュポンドヌムール社によりケフラー(商標)の名前で販売されているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(又はアラミド)ファイバーが挙げられ得る。
【0164】
ファイバーは本発明に従う組成物中に、組成物の総重量に対して0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、より特に0.3〜3重量%の範囲の含有量で存在することができる。
【0165】
化粧活性剤
本発明に従う組成物(i)又は(ii)において使用され得る化粧的に活性な成分として、特に抗酸化剤、保存剤、香料、中和剤、柔軟剤、保湿剤、ビタミン、及びスクリーニング剤、特にサンスクリーンが挙げられ得る。
【0166】
言うまでもないが、本発明に従う組成物の有利な性質が、想定される添加により悪影響を受けない、又は実質的に受けないように当業者は任意の添加剤及び/又はそれらの量を選択するように注意する。
【0167】
本発明の特定の実施態様に従うと、
組成物(i)は、連続性の水性相、0.7Ns以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有する少なくとも1の粘着性ワックス、カチオン性親水性ポリマー及びアニオン性親水性ポリマーの少なくとも1の組合せ及び少なくとも1の上述のアクリルターポリマーを含み、
組成物(ii)は、連続性水性相、0.7N.s以上の粘着性及び3.5MPa以下の硬度を有する少なくとも1の粘着性ワックス、カチオン性親水性ポリマー及びアニオン性親水性ポリマーの少なくとも組み合わせ、及び水性相に分散された少なくとも1のフィルム形成性ポリマーを含む。
【0168】
2つの組成物(i)及び(ii)は、染料の存在により与えられる色相以外の肉眼に視認可能である少なくとも1の光学的性質において異なっていてもよい。それは特に光沢であってもよい。
【0169】
キット
本発明に従うキットは、本発明に従う化粧料組成物(i)及び(ii)を施与するための1以上の手段を有利に含み得る。
【0170】
組成物(ii)は、以下に、より詳細に記載される施与手段を使用して施与される。
【0171】
組成物(i)は、睫及び/又は眉毛をメイクアップするために一般的に使用される任意のブラシ又は任意の櫛を使用して施与され得る。
【0172】
本願の場合、仏国特許第2701198号、仏国特許第2605505号、欧州特許第792603号及び欧州特許第663161号に記載されているようなメイクアップブラシで組成物(i)を施与することが特に有利である。
【0173】
本発明に従うメイクアップキットは、一つの特定の実施態様に従うと、少なくとも2の独立したパッケージング、1つは上で定義された組成物(i)を含み、他は、やはり上で定義された組成物(ii)を含み、上述されたように施与の順序に依存して、優先なしに、いずれか一方が「トップコート」又は「ベースコート」である。
【0174】
本発明に従うキットは、掃拭するための部材を含み得る。この掃拭部材は、例えば胞状物質(alveolar material)、例えばフロッキングあり又はなしの開放セル又は閉鎖されたセルのフォーム、のブロックを含み得る。変形として、掃拭部材は、場合によってフロックされていてもよい非胞状物質、例えばエラストマー又はポリオレフィンを含み得る。この場合特に、掃拭部材は、例えば少なくとも1のスリットを含み得、及び/又は柄を掃拭するようにアレンジされたリップを含み得る。
【0175】
睫又は眉毛へのメイクアップの施与は、ユーザーによる多くの動作、すなわち少なくとも2の工程、第一工程は「ベースコート」組成物を施与することからなり、第二工程は前記化粧料組成物の上全体に又は部分的に「トップコート」組成物を施与することからなる動作により行われるので、同一のパッケージング中に用意されたメイクアップキットが特に適する。この選択は、本発明の好ましい実施態様を構成する。
【0176】
キットが同一のパッケージングの形態であるとき、キットは、組成物(i)を含む少なくとも1のコンパートメント又は貯留部(該コンパートメントは閉鎖部材により閉鎖される)、及び組成物(ii)を含む少なくとも1のコンパートメント又は貯留部(やはり閉鎖部材により閉鎖される)の限界を画する容器として提示され得る。
【0177】
繰り返しになるが、キットが同一のパッケージングの形態であるとき、このパッケージングは、組成物(i)のための少なくとも1の施与手段又はアプリケーター、特に撚回されたワイヤーにより保持された歯の列を含むブラシの形態であるアプリケーターを好ましくは含む。そのような撚回されたブラシは、特に米国特許第4887622号に記載されている。それは、特に成型により得られる、複数の施与部材を含む櫛の形態であってもよい。そのような櫛は、例えば仏国特許第2796529号に記載されている。アプリケーターは、例えば仏国特許第2761959号に記載されているように、容器にしっかりと接続されていてもよい。有利に、アプリケーターは、柄にしっかりと接続されており、柄自身は、閉鎖部材にしっかりと接続されている。
【0178】
閉鎖部材は、螺挿することにより容器に結合され得る。あるいは、閉鎖部材と容器の結合は螺挿以外、特にベイヨネット(bayonet)機構、クリック締め(click−fastening)又は締め付けによっても行われる。用語「クリック締め」は特に、ある部分、特に閉鎖部材の弾性的な変形による物質の縁又は玉の通過、続いて、該縁又は玉が通過した後に該部分の弾性的に歪んでいない位置への戻りを含む任意のシステムを意味する。
【0179】
有利に、2つのコンパートメント又は貯留部を含む容器は、少なくとも部分的に熱可塑性物質で作られていてもよい。挙げられ得る熱可塑性物質の例はポリプロピレン及びポリエチレンを含む。
【0180】
あるいは、容器は非熱可塑性物質、特にガラス又は金属(又は合金)で作られている。
【0181】
容器は好ましくは、容器の少なくとも1の開口部の領域に位置されたドレーナーを備えられている。そのようなドレーナーは、アプリケーター、場合によってアプリケーターがしっかり結合されている柄、を掃拭することを可能にする。そのようなドレーナーは、特に仏国特許第 2 792 618号に記載されている。
【0182】
前述された特許又は特許出願の内容は参照することにより、本特許出願に取り込まれる。
【0183】
一つの特に好ましい実施態様に従うと、メイクアップキットは、「ベースコート」及び「トップコート」組成物の中の1つをそれぞれ含む2つの貯留部を含み、貯留部の1つはメイクアップブラシ、特に上述されたマスカラブラシタイプのメイクアップブラシを備えられており、他は下に記載される組成物(ii)を施与するための手段を備えられている。
【0184】
施与手段
本発明に従うキットに含まれる施与手段は、その長さが、施与部材が睫の房のせいぜい4分の1以下に同時に接触することができるようなものである少なくとも1の列の形態で支持部の上に配置されている複数の施与部材を含む。
【0185】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従うキットに含まれる施与手段は、
柄、
該柄に接続され、長手軸にそって延びる支持部、及び
該支持部上に配置され、支持部の長手軸に対して実質的に横方向に延びる複数の施与部材、適切であれば2つのみであり得る、
を含む。
【0186】
すなわち、一つの最も特に好ましい実施態様に従うと、施与手段は、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置されている複数の施与部材(6;60)であって、その列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房のせいぜい4分の1以下に同時に接触することができるようなものであるところの手段を含む。
【0187】
施与部材が、せいぜい睫又は眉毛の房の4分の1以下、又は5分の1以下でさえ、又は6分の1以下と同時に接触することができるような距離だけ支持部の長手軸に沿って施与部材は延びていることができ、支持部の長手軸は房に対して実質的に接線方向に向けられている。
【0188】
メークアップされた睫又は眉毛の部分は、例えば房の長さのせいぜい4分の1、又は5分の1又は6分の1以下にさえ相当し得る。
【0189】
施与部材は、歯及び/又は剛毛を含む。
【0190】
このアプリケーターは、可能な梳く作用を実行すると同時に便利に睫をチャージすることを可能にする。
【0191】
施与部材は、一本又は複数本の睫をメークアップすることができるのに十分短い長さに渡って支持部上に延び、このことは、新しいメークアップ効果が得られることを可能にする。
【0192】
このアプリケーターは、支持された様式で、物質を、メイクアップされるべき睫の房のせいぜい3分の1以下又は4分の1以下さえにのみ堆積させることを可能にする。その部分は好ましくは睫の房の外側である。
【0193】
施与部材は、例えば0.1cm〜1.5cmの距離、例えば8mm以下、又は7mm以下又は6mm以下、例えば約2mm〜5mm、例えば2mm〜3mmの範囲の距離に渡って支持部上で延びていてもよい。
【0194】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、
柄、
該柄に接続され、長手軸に沿って延びている支持部、及び
特に歯により構成され、該支持部上に配置された少なくとも1列の施与部材を含み得、該列の施与部材それぞれは支持部の長手軸に対して実質的に横方向に延び、列の両末端の施与部材の間を動くと長手軸への距離が単調でなく変化する自由端を有する。
【0195】
施与部材の列における最大値の存在は、施与部材が睫に累進的に侵入し、すなわち本発明に従う睫の房の部分のメークアップを容易にすることを許す。
【0196】
列中の施与部材の数、特に歯の数は、例えば3〜9、好ましくは3〜8、特に3〜7であり得る。
【0197】
一つの実施態様に従うと、支持部及び施与部材は、特に成形又はマシンニングにより単一部品として製造される。変形として、施与部材は支持部に接続されていてもよい。
【0198】
支持部及び柄は、特に成形により単一部品として製造され得、又は変形として、支持部は柄にはめ込まれてもよい。この場合、支持部は柄のためのハウジング部に嵌合するようにアレンジされたチップを含んでいてもよい。又は柄は支持部のためのハウジングに嵌合するようにアレンジされたチップを含んでいてもよい。
【0199】
柄は、支持部の長手軸とは異なる長手軸に沿って延びていてもよい。この場合、柄の長手軸は支持部の長手軸と、特に施与部材を有するそれらの部分について、5°〜45°、特に15°〜25°の角度、例えば約20°の角度をなし得る。この配置は、睫への本発明に従うメイクアップ組成物の施与の間に、アプリケーターのより快適な取り扱いを許し得る。支持部の長手軸は、例えば曲線又は直線であってもよい。
【0200】
変形として、柄は支持部の長手軸と一致する長手軸に沿って延びていてもよい。
【0201】
アプリケーター及び/又は支持部は、少なくとも部分的には、柔軟な又は剛直である物質、特に少なくとも部分的には、熱可塑性、弾性、又は弾性−熱可塑性物質から、特に成形により製造されていてもよい。もしアプリケーターが少なくとも部分的に、木、金属、又は他の物質から、特にマシンニングにより製造されていたならば、それは本発明の文脈からの逸脱を構成しない。
【0202】
支持部が弾性的に変形可能な物質からできているとき、これは支持部の一方の側の優先的な掃拭を行うことを可能にし得る
【0203】
柄及び支持部は場合により異なる物質から製造されていてもよい。
【0204】
アプリケーターが側面から観察されたとき、施与部材の自由端を連結する線は、少なくとも1の極点、特に最大値を通過する、支持部の長手軸からの距離を有してもよく、それはアプリケーターが睫の中に累進的に侵入することを可能にする。
【0205】
上述した線は、特に少なくとも部分的に、尖っている形、特に三角形、又は丸みを帯びた形、特に円形又は尖塔アーチ形(ogival)を有してもよい。
【0206】
上述した線のプロフィールに関わらず、最大値又は最小値があるとき、第一に、該最大値にかかる最も長い施与部材、及び最も長い施与部材に最も近いものにかかる最も短い施与部材の自由端を連結する直線と、第二に、支持部の長手軸に対する法線、該法線は最も長い施与部材の自由端を通過する、との間に形成される角度は、例えば、約25°〜約60°、特に25°〜50°、特に25°〜45°の範囲、例えば30°〜45°の範囲、例えば約43°である。
【0207】
支持部の長手軸からの上述した線の距離は、2以上の極点を通過してもよい。
【0208】
施与部材は、1列又は少なくとも2列に配列され得る。後者の場合、1列目の施与部材、及び2列目の施与部材は、異なる方向に延びていてもよく、あるいは変形として、平行に延びていてもよい。2つの列は例えば支持部に対して互いに実質的に反対に配置され得る。
【0209】
施与部材の高さは例えば約0.5mm〜約10mm、特に、例えば、約1mm〜約3mmの範囲であり得る。
【0210】
これらの施与部材が少なくとも1列に配置されているときに、この列は、幾何学的分離面のどちらかの側で少なくとも部分的に交互に延びている一続きの施与部材を含んでいてもよい。
【0211】
施与部材は、整列された基部を有していてもいなくてもよい。
【0212】
施与部材が少なくとも1列に配置されているとき、該列は非直線的である軸に沿って延びていてもよい。施与部材は、中央のコアのいずれかの側で交互されていてもよい。
【0213】
繰り返しになるが、施与部材が少なくとも1列に配置されているとき、この列は、少なくとも一部が、幾何学的分離面のいずれかの側に交互に配置されている一連の施与部材を含んでいてもよく、2つの隣り合う施与部材は、側面から観察されたとき、接続されている又は重なる隣接する部分を有し、それらの間に睫を受け入れるのに適する溝を形成する。
【0214】
アプリケーターは櫛まブラシを含み得る。
【0215】
アプリケーターがブラシを含むとき、支持部は、小さな直径、特に0.7mm未満、例えば0.2〜0.6mm、よりよくは0.35〜0.50mmの撚回された2つのワイヤを含み得る。
【0216】
アプリケーターがブラシを含む場合もまた、施与部材は、小さな直径、例えば8/100mm以下、よりよくは6/100mm以下の歯であってもよい。
【0217】
ブラシが撚回されたコアを含むとき、ブラシの螺旋の数は、例えば3〜6であり得る。撚回されたコアを有するブラシの場合、剛毛はコアから2つの螺旋状のコースで延びていてもよい。ブラシの螺旋の数は、2つのコースのコアの周りの回転の合計に相当する。撚回されたコアの部分は、特に支持部及び柄の間の結合部の近辺において剛毛を有しなくてもよい。
【0218】
ブラシの外皮表面(envelope surface)の断面は、円形、四角形、又は他の形状であり得る。
【0219】
ブラシは2つの円錐を合わせた形の外皮表面を有し得る。外皮表面は、円錐の底部がブラシの遠末端又は近末端の側に位置されている円錐形、又は円錐形台であり得る。
【0220】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、撚回されたコア及び該コアから延びている歯を含み、螺旋の数は6以下である、睫への製品の施与のためのブラシの形態をとり得る。
【0221】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、該ブラシはコア及び該コアから延びている剛毛を含み、剛毛を有するブラシの部分の長さが8mm以下、よりよくは7mm以下、又は6mm以下でさえある、睫への製品の施与のためのブラシの形態をとり得る。
【0222】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは本発明に従う組成物の形態をもまたとり得、コア及び該コアから延びる剛毛を含み、実質的に円錐台形、円錐形、又は2つの円錐を合わせた形状の外皮表面に含まれ、該形状においてブラシの最大断面積を含む面及びこの面との交点におけるブラシの外皮表面に対する接線の間に形成される最小の角度が、20°〜60°、特に25°〜50°、例えば30°〜35°の範囲である。
【0223】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、本発明に従う睫への組成物の形態をとり得、コア及び該コアから延びる剛毛を含み、該形状においてブラシの外皮表面は実質的に円錐形を2つ合わせた形状を有し、120°以下、又はさらに90°以下である円錐台間の接続部における頂角を有する。
【0224】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、支持部及び支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、長手軸に沿う最も端の歯の間の距離は、8mm以下、よりよくは7mm以下、また6mm以下でさえある櫛の形態をとり得る。
【0225】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、該櫛は、支持部及び該支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、第一の長さを有する最長の歯、及び第二の長さを有する最短の歯を有し、該櫛において第一の長さ:第二の長さは1.3以上である櫛の形態をもまたとり得る。
【0226】
本発明に従うキットに含まれるアプリケーターは、睫への製品の施与のための櫛であって、該櫛は、支持部及び支持部の長手軸に対して横向きに延びる歯を含み、最短の長さの歯の自由端及び最長の長さの歯の自由端を連結する直線と、最長の長さの歯の自由端を通過する支持部の長手軸に対する垂線との間に形成される角度が20°〜60°である櫛の形態をもまたとり得る。
【0227】
キットが掃拭部材を含むとき、アプリケーター支持部は、掃拭部材への通過を容易にするような外形にされ、この目的のために、例えば丸くされた鼻を正面に、及び背面にバンプを含んでいてもよい。
【0228】
アプリケーターの柄は、ハンドル部材としてもまた機能し得る容器を閉鎖するためのキャップに接続されていてもよく、アプリケーターは、閉じられた位置にあるときは、容器の中に収容され得る。
【0229】
本発明は、キット及びキット自体に含まれる施与部材の実施の非制限的な実施例の以下の詳細な説明を読み、及び添付の図面を調べると、よりよく理解され得る。
【実施例】
【0230】
図1に示された装置1は、このキットが2つの独立したパッケージング中に用意されるときにはキットの一部に相当し、装置1は化粧料製品P、この場合組成物(i)又は(ii)の一方、の貯留部を含む容器2、及び長手軸Xの柄4を含むアプリケーター3を含む。本発明に従う施与手段を含む装置のみ及び本発明に従う組成物の一つがその中に示されている。
【0231】
柄4は、複数の施与部材6を含む支持部5と1つの末端において嵌合されており、柄4は、反対の末端において容器2を閉め、またハンドル部を構成する閉じ蓋7に連結されている。
【0232】
閉鎖キャップ7は、容器2の外側に螺刻された首11に螺挿するための内側の螺刻(示されていない)を含んでいる。
【0233】
容器2は、記載された実施例において、首11に嵌合され、柄4及び施与部材6を備えられた支持部5を掃拭するように配置された掃拭するためのリップ9を含む掃拭部材8を含む。
【0234】
掃拭部材8は、適切な場合には、施与部材6の通過のときに、変形されることができるようにアレンジされていることができる。
【0235】
掃拭部材8は、例えばポリオレフィンの射出成形により作られ得る。
【0236】
容器2は、使用されないときは、閉鎖キャップ7を首11に螺挿することにより密閉される。
【0237】
示された実施例において、アプリケーター3は、櫛、歯からなる施与部材6を含む。支持部5は特に図3に例示されるように、長手軸Yに沿って延び、柄4の長手軸Xとゼロではない角αを形成する。この角αは、例えば5°〜45°であり得る。
【0238】
例えば、6つある施与部材6は、考慮下の実施例においては、列10に配置されている。
【0239】
施与部材6は、種々の配置で支持部5上に配置され得る。
【0240】
例示された実施例において、列10は、歯6aの第一シリーズ及び歯6bの第二シリーズを含み、それらはそれぞれ幾何学的な分離面Sの両側にそれぞれ位置されている。該面Sは、この場合、櫛の対称の中央平面であり、図3の平面に対して平行であり、櫛の成形のための接合面(joint plane)をもまた構成する。
【0241】
例示された実施例において、歯6a及び6bは、底において歯が接続されているところの骨格として基本的に機能する支持部5の共通のコア15の両側に交互に作られる。
【0242】
支持部5は、容器2への戻りを容易にするために、丸みを付けられた鼻17を正面において付与されている。
【0243】
支持部5は、容器2からの移動の間の掃拭部材8の横断を容易するために、バンプ18を後部に含む。
【0244】
各施与部材6は、自由端30で終わるトップ部分20及び支持部5のコア15に接続された底部22を含む。
【0245】
考慮下の実施例において、施与部材6は、支持部5の軸Yに実質的に直角に延びる。
【0246】
施与部材の自由端30は、列10の両末端の施与部材間で、すなわち図3において左から右に移動するときに単調ではなく変化する長手軸Yからのある距離にある。
【0247】
本発明の目的のために、用語「単調でなく変化する」は、施与部材の自由端を連結する線が、少なくとも1の極点、例えば最大値を通過する、支持部の長手軸からの距離を有することを意味すると理解されるべきである。
【0248】
例示された実施例において、自由端30を結ぶ線Lは、アプリケーターが横から観察されるとき、柄4の長手軸及び上記の幾何学的分離面に垂直な方向において、図3に示されるように実質的に三角形を有し、2つの直線部分はそれらの間で図面において実質的に90°に等しい角を形成する。
【0249】
考慮下の実施例において、施与部材6の連続は、同じ長さの2つのより大きい歯6a及び6bを含む。
【0250】
アプリケーターの遠末端から出発する最も短い部材の自由端を通過し、最も長い部材に最も近い最も長い部材の自由端を通過する直線D1は、考慮下の実施例における線Lの第一の直線部分と同一である。
【0251】
直線D1と上述の最も長い施与部材の自由端を通過する軸Yに垂直なN1との間に形成される角γ1は、例えば25°〜60°、例えば約43°である。
【0252】
支持部5の近末端から最も短い施与部材を通過し、そしてこの部材に最も近い最も長い施与部材を通過する直線D2は、線Lの第二の直線部分と同一である。
【0253】
直線D2及びこの最も長い施与部材の自由端を通過する軸Yに垂直なN2との間に形成される角γ2は、角γ1と同じ範囲の値内であり得、例えば実質的にγ1と等しくてもよい。直線Lの部分間の頂角は、例えば120°以下、又は90°以下でさえある。
【0254】
施与部材6は、相対的に短い距離d、特におよそ0.1〜1cmの距離dに渡って支持部5上で延びている。すなわち、図2に例示されるように、アプリケーター3を使用して、瞼の睫の全部に一度に接触することなく睫の一部のみをメイクアップすることが可能である。例えば、示されるように、施与部材は上瞼の睫の4分の1未満に同時に接触することができる。
【0255】
支持部5及び施与部材6は、例示された実施例においては単独の物として、プラスチックを成形することにより製造される。支持部5は、図10及び11について、後で詳細に説明される様式で柄4に接続される。
【0256】
記載された実施例において、2つの連続した施与部材6のトップ部分20は、図3におけるように、櫛が横から観察されたときに、コア15に対して実質的に下向きに延びる溝21をそれらの間に形成する。溝21は、例えば睫を分離し、睫を梳かし又はその表面に堆積される製品を広げるために睫がより容易に捕捉されることを許す。
【0257】
施与部材の長さ及び間隔を変更することにより、アプリケーターが取り上げる製品の量を容易に変更することが可能であることが理解される。
【0258】
幾何学的な分離面の同じ側に位置する、2つの連続する施与部材6a及び6bのピークの間の隙間は、考慮下の実施例においては、支持部5の軸Yに平行である、アプリケーター3のおよそ中間の高さにおいて測定されて、施与部材の幅より著しく大きい。
【0259】
アプリケーター3が横から観察されるときに、各施与部材6aは2つの隣接する施与部材6bから実質的に中間の距離において延び、またその逆である。
【0260】
考慮下の実施例において、施与部材6のトップ部分20はすべて、実質的に同じ方向を指す。
【0261】
コア15の同じ側に位置する2つの連続する施与部材の底部22は、それらの間で、及びコア15と共に、製品貯留部を構成することのできる空洞23を形成する。
【0262】
施与部材の互い違いの配置のおかげで、及び施与部材のトップ部分20により形成される溝21が十分に真っ直ぐである事実により、施与部材6a及び6bの間の空間は相対的に大きく、アプリケーターが睫を掴む容量を失なうことなくアプリケーターが取り上げる製品の量を改善する。
【0263】
施与部材6は、本発明の文脈から離脱することなく、多くの構成、特に異なる方向を向いたトップ部分を有し得る。
【0264】
もし施与部材6が支持部5の上で異なって配置されているとしても、それは本発明の文脈からの逸脱を構成しない。
【0265】
図5及び6は、複数の歯6、例えば列10において延びている7本の歯、を含むアプリケーターの別の例を示す。歯6は、図6においてみられるように、整列された底部22を有するが、2つの連続する歯6a及び6bの上部20は発散している。
【0266】
図7は、支持部5のあの軸Yと一致する長手軸Xを有する柄4を製造することが可能であることを示す。
【0267】
図8において、柄4の長手軸Xとゼロでない角度αをなす長手軸Yを有する支持部5が示され、図8における支持部の傾きの方向は、図1〜4の支持部の傾きと反対である。
【0268】
支持部5は、図9において示されるように例えばプラスチックを成形することにより柄4と一体品として製造され得る。しかし支持部5は、柄4に嵌め込まれることもできる。
【0269】
図10に示された実施例において、支持部5は、環状のチャンネル36を含む実質的に円筒状のチップ35を含む。柄4は、チャンネル36にカチッとはまるようにアレンジされた環状の縁38と嵌合された対応するハウジング37を含む。
【0270】
チップ35は柄4に強制的に嵌合されるように構成されることもできる。
【0271】
図11の実施例において、柄4は、支持部5の対応するハウジング41に格納されるようにアレンジされた、実質的に円筒形のチップ40を含む。
【0272】
アプリケーター3は、6又は7未満の数の歯を含み、図12に示されたように、特に2本だけの歯6を含み得る。歯は同じ幅を有していてもいなくてもよい。
【0273】
施与部材6の自由端30を連結する線Lは、図13〜17に示されるように、図1〜11もの以外の種々の形状を有しうる。
【0274】
特に、線Lは、丸みを帯びた形状を有し得、図13に示されるように特に実質的に円形の形状又は図14に示されるように尖塔アーチの形状であってもよい。極点は、前に示されたように支持部5の実質的に中央に据えられていてもよいし、又は図15に示されるように柄4のより近くであってもよく、又は図16に示されるようにアプリケーターの遠末端により近くてもよい。線Lから支持部5の長手軸Yへの距離は、図17において示されるように、2つの極点を通過してもよい。
【0275】
図13において、支持部は丸みを帯びた鼻17及び/又はバンプ18なしであってもよいことが見られる。
【0276】
この図は、直線D1及びD2,並びに考慮下の実施例においては唯一つである最長の施与部材の自由端を通る支持部5の長手軸Yに対する垂線Nをもまた示す。
【0277】
直線D1及びこの法線Nの間に形成される角度γ1、及び直線D2及びこの法線Nの間に形成される角度γ2は、同じであっても異なっていてもよく、例えば前に与えられた値の範囲である。
【0278】
図17の例において、第一の相対的な極点にかかる施与部材の自由端を通る法線Nに対する角度γ1及びγ2、及び第二の相対的な極点に対応する施与部材の自由端を通る法線N’に対する角度γ’1及びγ’2が定義され得、これらの角度も例えば前に与えられた値の範囲である。
【0279】
図18は、2列、例えば支持部5のコア15について互いに反対に据えられた2列、の施与部材を支持部5の上に作る可能性を示す。施与部材は、列ごとに異なって延びていてもよく、特に図18において示されるように、アプリケーター3が側面から観察されるとき、異なるプロフィールを有してもよい。
【0280】
断面図において、コア15は、図19、20、及び22において示されるように、円形の形状、又は何か他の形状、例えば平らにされた形状、図21に示されるように特に実質的に長方形を有してもよい。
【0281】
支持部5は、図19に示されるように整列された1列の歯を含み得、又は異なる方向、例えば図20に示されるように発散する方向、又は図21に示されるように平行な方向に延びる複数の列の歯を含み得る。
【0282】
支持部5のコア15の周囲全体にアレンジされた複数の列10を含むアプリケーターが、図22に示される。
【0283】
アプリケーターが側面から観察されたとき、施与部材6は、図1〜22において示されるように、その長さの少なくとも一部に渡って、実質的に一定である幅のプロフィールを有し得る。施与部材6は異なるプロフィールをもまた有し得、図23において示されるように、特に実質的に三角形であるプロフィール、又はさらに他のプロフィールをもまた有し得る。
【0284】
図24に示されるように、施与部材はジグザグ型に配置され得る。
【0285】
掃拭部材8は、本発明の範囲を離れることなしに、図1に示されたものと異なり得る。掃拭部材8が胞状物質、特に開放型セル又は閉鎖されたセルのフォームからなる装置が図25に例として示されている。
【0286】
変形として、掃拭部材8は弾性体から作られていてもよく、図26において示されるように少なくとも1のスリット50を含み得る。掃拭部材8は、図27に示されるように、その底の下方末端において以外に環状のリップ51を含み得る。
【0287】
施与部材は、歯以外であってもよく、図28に示されるように、支持部に例えば接続された剛毛を含み得る。そうすると、アプリケーター3は例えば、その剛毛60が支持部の長手軸Yに対して実質的に横向きに延びているブラシをふくみ、該軸は示されているように、柄4の長手軸Xと同一であってもよい。
【0288】
考慮下の実施例において、剛毛は支持部の長手軸Yに沿って距離dに渡って延び、該支持部は、剛毛が、メークアップされることが所望されている睫又は眉毛の房の睫又は眉毛の4分の1超と同時に接触することができないようなものである。距離dは例えば約2mm〜約3mmであり得、螺旋の数は例えば3〜6の範囲であり得る。
【0289】
図28に示されるようにアプリケーター3が側面から観察されたとき、剛毛の自由端を連結する線Lは、少なくとも1の極点を通る軸Yからの距離を有し得る。
【0290】
アプリケーター3がブラシを含むとき、使用される剛毛60は好ましくは相対的に細く、例えば約6/100mmの直径を有する。
【0291】
剛毛60は、中実であって、実質的に円形である断面を有し得る。
【0292】
コア61は、U字型に折り曲げられ、その腕が一緒に撚回されて、剛毛をそれらの間に掴むことができるようにされた金属ワイヤにより形成され得る。
【0293】
使用される金属ワイヤは、好ましくは相対的に細く、例えば0.7mm未満、特に0.35〜0.5mmの範囲の直径を有する。
【0294】
図29〜35は、変形のアプリケーターを示す。
【0295】
図29において、アプリケーター3は、最長の剛毛が柄4の側にあり、実質的に円錐形、又は円錐台形である外皮表面を有するブラシを含む。
【0296】
最大断面積を通過するブラシの長手軸Yに対する垂線と、外皮表面に対する接線との間に形成される角度δは、例えば20°〜60°である。
【0297】
図30のアプリケーター3は、実質的にバイコニカル形である外皮表面を有するブラシを含むのに対し、図31のアプリケーターは、実質的に円錐形又は円錐台形である外皮表面を含み、最短の剛毛は柄4の側にある。
【0298】
ブラシの長手軸Yは、柄の軸Xと一直線になっていてもいなくてもよい。
【0299】
軸Yは、図32〜35に示されるように、柄の軸Xと角度αをなし得る。例えば、角度αは、約5°〜約45°の範囲であり得、例えば約20°であり得る。
【0300】
ブラシの外皮表面Eは、図36に示されるように円形の断面、又は他の断面、特に多角形又は長方形であり得、又は刻み目又は切れ目がついていてもよい。
【0301】
撚回されたコアが曲げられているとき、該曲げは、図32〜35に示されるように、多かれ少なかれ柄4の近くであり得る。
【0302】
示されていない他の変形において、コアは曲げられている。
【0303】
図37は、本発明の他の実施変形を示す。
【0304】
図37は、本発明に従う組成物の一つが、可撓性のあるチューブの形態における容器2に含まれている本発明に従うキットの一部を示す。
【0305】
アプリケーター3の上に該組成物を堆積させるために他の分配方法、例えばポンプ分配器が使用され得、それは、本発明の範囲を離れない。
【0306】
図38は、同一のパッケージングングの形態における本発明に従うキットであって、本発明に従う組成物を含む容器2及びアプリケーター3を含む容器2、及び本発明に従う第二組成物を含む第二容器70及びアプリケーター3と異なっていてもよい第二アプリケーター71を含むキットを示す。
【0307】
図38に例示された実施例において、容器2は、螺挿で嵌合され、容器70のための閉鎖キャップを構成する下方のスカート部72を含む。
【0308】
アプリケーター71は、例えば睫に第一組成物を施与することを可能にすることができ、ユーザーは次に睫の房の一部のみ、有利に該房のせいぜい3分の1以下に、より好ましくは睫の房の外側部分を、睫の房のせいぜい3分の1以下をメイクアップするためにアプリケーター3を使用することができる。
【0309】
2つの容器及び2つのアプリケーターを含む装置の他の例は、図39〜42に示された。
【0310】
これらの例におけるアプリケーターは、各容器が他方の容器に関するアプリケーターの握り部材として機能することができるように反対方向を向いている。
【0311】
図39において、装置はマスカラブラシ及び、櫛を含む、本発明に従うアプリケーター3を含むのに対して、図40の装置のアプリケーター3はブラシを含む。マスカラブラシは、例えば米国特許第5937870号、又はフランス国特許出願公開第2605505号において記載されたものから選択され得、それらの内要は参照することにより本出願に取り込まれる。
【0312】
図41の装置は、櫛及びやはり櫛からなる本発明に従うアプリケーター3を含む。図42のアプリケーターは、櫛及びブラシにより構成された本発明に従うアプリケーターを含む。図41及び42のアプリケーター71の櫛は、例えば米国特許第6581610号、国際公開第01/05271号、又は米国特許第6539950号に記載されたものから選択され、それらの内要は、参照することにより本出願に取り込まれる。
【0313】
図39〜42の装置は、それぞれ容器70及び2と結合される閉鎖キャップ82及び7を連結するチューブ状のスリーブ80を含む。例えば、閉鎖キャップ82及び7は、スリーブ80の中で例えば摩擦、接着、又はクリック締め(click−fastening)により保持され得る。
【0314】
図43は、本発明の方法に従って、本発明に従うキットを使用してメイクアップされた目を示す。睫の房の外側部分はより堆積された物質を含むことが観察される。嘆かわしい塊の形成はなく、特別なメイクアップ効果が得られる。
【0315】
言うまでもなく、本発明は丁度記載された実施の例に制限されない。種々の実施態様の特徴は特に組み合わせられ得る。
【0316】
本発明の実施の例において、施与部材は柄又は掃拭部材に対して横方向に延びていてもよい。
【0317】
方法
本発明の課題は、睫をメイクアップする及び/又はケアするための非治療的方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程は、上述の施与手段を使用して行われる、
を含むことを特徴とする方法である。
【0318】
好ましい実施態様に従うと、組成物(i)は、組成物(ii)の前に施与される。有利に、組成物(ii)は、さらに睫の房の一部にのみさらに施与される。このようにして、異なるチャージングに関して対照を作ることが最適である。
【0319】
すなわち、メイクアップ方法は、
本発明に従う第一組成物(i)を睫の房の実質的全部に施与して、第一堆積物を形成すること、及び
睫の房の外側せいぜい3分の1以下により構成される部分の第一堆積物上に、本発明に従う一つの第二組成物(ii)により第二堆積物を形成すること
からなる工程を含み得る。
【0320】
例えば、第一組成物が完全に乾燥してしまう前に第二堆積物を形成することが可能である。
【0321】
第二部分は、睫の房の全長の少なくとも6分の1に渡って延びていてもよい。
【0322】
メイクアップされた房は、上瞼の睫の房であり得る。
【0323】
別の特定の実施態様に従うと、組成物(i)は、睫の房の全体に施与され、組成物(ii)は睫の房のせいぜい3分の1以下、好ましくは睫の房の外側のせいぜい3分の1以下に、又は該房のせいぜい4分の1以下さえにのみ施与される。組成物(i)が堆積され得る睫の房の部分は、睫の房の全長の8分の1から3分の1、好ましくは4分の1から3分の1であり得る。
【0324】
本発明は、以下の実施例により説明される。別に述べられない限り、示される量は組成物の合計重量に対する質量百分率として表される。
【0325】
親水性ポリマーは以下の実施例においてそのまま示される。
【0326】
実施例1〜4:組成物(i)
【0327】
【表1】
【0328】
実施例5〜7:組成物(ii)
【0329】
【表2】
【0330】
上述の組成物(i)及び(ii)のすべての組み合わせが想定され得る。
【0331】
一つの特定の実施態様に従うと、実施例2に記載された組成物は、組成物(i)として施与され、実施例7に記載された組成物が組成物(ii)として施与される。組成物(ii)が睫の房の外側のせいぜい3分の1に施与されたとき特に、図43に示された本発明に従う特定のメイクアップ効果、すなわち目線を開き、目を拡大し、場合によって目の形状の知覚を変化させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0332】
【図1】キットが2つの独立したパッケージングの形態、すなわちパッケージングが本発明に従う施与手段、及び本発明に従う2つの組成物の1つをもまた含むパッケージングの形態にあるときのキットの一部の部分切断を伴う正面における概略図である。
【図2】本発明に従うアプリケーターの使用を説明する。
【図3】図1のアプリケーターの概略的及び部分的側面図である。
【図4】図1のアプリケーターの図式的かつ部分俯瞰図である。
【図5】変形のアプリケーターの図3の図に類似するものある。
【図6】図5のアプリケーターを示す図4の図に類似するものである。
【図7】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図8】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図9】図1のアプリケーターの他の変形を図式的かつ部分的側面図において示す。
【図10】アプリケーターの柄への支持部の付属品の実施例を、部分的に切断して図式的に示す。
【図11】アプリケーターの柄への支持部の付属品の実施例を、部分的に切断して図式的に示す。
【図12】アプリケーターの実施態様の変形を、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図13】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図14】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図15】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図16】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図17】本発明に従うアプリケーターの種々のプロファイルを、図式的かつ部分的な側面図において示す。
【図18】2列の施与部材を含むアプリケーターの変形を、図式的かつ部分的側面図において示す。
【図19】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図20】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図21】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図22】1以上の列の施与部材を含む種々のアプリケーターを図式的軸断面図において示す。
【図23】施与部材の種々の構成を側面図において示す。
【図24】施与部材の種々の構成を側面図において示す。
【図25】別の掃拭部材を含む図1のキットの部分の変形を示す。
【図26】本発明に従うキットにおいて使用され得る掃拭部材の他の実施例を図式的かつ部分的軸断面図において示す。
【図27】本発明に従うキットにおいて使用され得る掃拭部材の他の実施例を図式的かつ部分的軸断面図において示す。
【図28】ブラシを含む変形の図1の図に類似する図である。
【図29】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図30】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図31】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図32】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図33】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図34】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図35】ブラシの変形の図式的かつ部分図である。
【図36】図28のブラシの図式的断面図である。
【図37】本発明に従う組成物が苛撓性のあるチューブを使用して施与部材上に堆積されるところの実施例の部分的俯瞰図である。
【図38】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図39】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図40】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図41】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図42】同一のパッケージングの形態における本発明に従うキットの図式的軸断面図である。
【図43】本発明のメイクアップ方法に従って得られ得るメイクアップのタイプを例示する。
【符号の説明】
【0333】
E 外皮表面
L 直線
N 法線
P 化粧料製品
S 分離面
X 長手軸
Y 長手軸
d 距離
α 角度
γ 角度
γ1 角度
γ2 角度
δ 角度
1 装置
2 容器
3 アプリケーター
4 柄
5 支持部
6 施与部材
6a 歯
6b 歯
7 閉鎖キャップ
8 掃拭部材
9 リップ
10 列
11 首
15 コア
17 鼻
18 バンプ
20 トップ部分
21 溝
22 底部
23 空洞
30 自由端
35 チップ
36 チャンネル
37 ハウジング
38 縁
40 チップ
41 ハウジング
50 スリット
51 リップ
60 剛毛
61 コア
70 第二容器
70 容器
71 第二アプリケーター
72 スカート部
80 スリーブ
82 閉鎖キャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、キットが、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(i)、
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(ii)
を含み、
上記組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含み、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房の4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキット。
【請求項2】
施与手段が、
柄(4)、
該柄(4)に接続され、長手軸(Y)にそって延びる支持部(5;61)、
該支持部(5)上に配置され、長手軸(Y)に対して実質的に横方向に延びている複数の施与部材(6;60)
を含み、
施与部材(6;60)がせいぜい睫の房の4分の1以下に同時に接触することができるような距離だけ支持部の長手軸(Y)に沿って施与部材(6;60)が延びており、長手軸(Y)は房に対して実質的に接線方向に向けらていることを特徴とする、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
自由端(30)が列(10)の両末端の施与部材間を移動するとき、長手軸(Y)への自由端(30)の距離が単調でなく変化するところの自由端(30)を施与部材が有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項4】
施与部材(6)が、約0.1〜1cmの距離(d)に渡って支持部(5)上で延びていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
施与部材(6)が少なくとも2列(10)に配置され、少なくとも第一列及び第二列の施与部材(6)が互いに平行方向に伸びていることを特徴とする、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
施与部材(6)の高さが約0.5〜10mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
櫛を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項8】
組成物(i)及び(ii)が水性連続相を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項9】
組成物(i)が組成物の合計重量に対して24重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
組成物(ii)が組成物の合計重量に対して27重量%以上のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
組成物(ii)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量と組成物(i)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量の差が、絶対値として2%以上であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のキット。
【請求項12】
キットが、組成物(i)を含む少なくとも1のコンパートメント及び組成物(ii)を含む少なくとも1のコンパートメントの境界を画する容器の形態の同一のパッケージングに入っており、上記コンパートメントは場合によって閉鎖部材により閉鎖されていてもよいことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のキット。
【請求項13】
睫をメイクアップする及び/又はケアするための非治療的方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の施与手段を使用して行われることを特徴とする方法。
【請求項1】
睫をメイクアップする及び/又はケアするためのキットにおいて、キットが、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(i)、
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する少なくとも1の組成物(ii)
を含み、
上記組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含むこと、及び、キットが、睫の房に施与するための手段であって、少なくとも1の列の形態で支持部(5)の上に配置された複数の施与部材(6;60)を含み、該列の長さは、施与部材(6;60)が睫の房の4分の1以下と同時に接触できるようなものであるところの手段を含むことを特徴とするキット。
【請求項2】
施与手段が、
柄(4)、
該柄(4)に接続され、長手軸(Y)にそって延びる支持部(5;61)、
該支持部(5)上に配置され、長手軸(Y)に対して実質的に横方向に延びている複数の施与部材(6;60)
を含み、
施与部材(6;60)がせいぜい睫の房の4分の1以下に同時に接触することができるような距離だけ支持部の長手軸(Y)に沿って施与部材(6;60)が延びており、長手軸(Y)は房に対して実質的に接線方向に向けらていることを特徴とする、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
自由端(30)が列(10)の両末端の施与部材間を移動するとき、長手軸(Y)への自由端(30)の距離が単調でなく変化するところの自由端(30)を施与部材が有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項4】
施与部材(6)が、約0.1〜1cmの距離(d)に渡って支持部(5)上で延びていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
施与部材(6)が少なくとも2列(10)に配置され、少なくとも第一列及び第二列の施与部材(6)が互いに平行方向に伸びていることを特徴とする、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
施与部材(6)の高さが約0.5〜10mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
櫛を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項8】
組成物(i)及び(ii)が水性連続相を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項9】
組成物(i)が組成物の合計重量に対して24重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
組成物(ii)が組成物の合計重量に対して27重量%以上のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
組成物(ii)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量と組成物(i)のワックス及び親水性ポリマーの合計含有量の差が、絶対値として2%以上であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のキット。
【請求項12】
キットが、組成物(i)を含む少なくとも1のコンパートメント及び組成物(ii)を含む少なくとも1のコンパートメントの境界を画する容器の形態の同一のパッケージングに入っており、上記コンパートメントは場合によって閉鎖部材により閉鎖されていてもよいことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のキット。
【請求項13】
睫をメイクアップする及び/又はケアするための非治療的方法において、
組成物の合計重量に対して26重量%以下のワックス及び親水性ポリマーの含有量を有する組成物(i)の少なくとも1の被覆を睫に施与する少なくとも1の工程、及び
組成物の合計重量に対して26重量%超のワックス及び親水性フィルム形成性ポリマーの合計含有量を有する組成物(ii)の少なくとも1の被覆を施与する少なくとも1の工程
を含む方法であって、
該組成物(i)及び(ii)の少なくとも1つが連続的水性相を含み、組成物(ii)を施与する工程が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の施与手段を使用して行われることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2007−296331(P2007−296331A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−111924(P2007−111924)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111924(P2007−111924)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]