説明

メダル計数機およびメダル計数システム

【課題】複数種類のメダルを計数することができ、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できるメダル計数機、および、このメダル計数機を備えたメダル計数システムを提供すること。
【解決手段】複数種類のメダルを計数するメダル計数機1の制御部50は、φ30メダルか判別される度に第1変換パルスを出力し、φ25メダルか判別される度に第2変換パルスを出力する。変換パルスを1つ出力するということは、メダルを1枚カウントしたという計数結果を出力することである。そのため、φ30メダルまたはφ25メダルか判別される度に第1変換パルスまたは第2変換パルスを出力する制御部50を含むメダル計数機1には、計数できるメダルの種類に応じて、計数結果の出力系統が2つある。つまり、メダル計数機1では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メダルを計数するメダル計数機、および、このメダル計数機を備えたメダル計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチスロ機が設置された遊技店には、遊技客がパチスロ機で獲得したメダルを計数するためのメダル計数機が設置されている。下記特許文献1では、投入されたメダルを計数するメダル計数ユニットが2箇所に配設されたメダル計数機が提案されている。メダルの計数結果は、メダル計数機に設けられた表示パネルに表示される。
【特許文献1】特開2008−12024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パチスロ機では、その種類に応じて使えるメダルの種類(たとえばメダルの直径や模様等)が異なる場合がある。また、複数レートを採用した遊技店では、高額レートコーナー(例えば、20円/枚)と低レートコーナー(例えば、5円/枚)とでメダルの種類を異ならせる場合もある。
この場合、遊技店では、複数種類のメダルを使い分け、また、メダル計数機を、メダルの種類に応じて複数台設置している。所定の種類のメダルは、そのメダルに対応する専用のメダル計数機で計数される。
【0004】
そのため、メダルの種類が増えるたびに、遊技店では、メダル計数機の台数を増やさねばならない。
また、各メダル計数機では、対応する1種類のメダルしか計数できないことから、各メダル計数機において、対応しない種類のメダルが誤投入されると、このメダルは、異物として大量にリジェクトされたり、計数されることなくメダル計数機内に残留したりする。この場合、誤投入に対する処理に手間が掛かる。また、誤投入がないように、遊技店側や遊技客側で、メダルの種類とメダル計数機とが対応しているかをいちいち確認しなければならない。
【0005】
また、メダルを計数したいときに、対応するメダル計数機が他の遊技客によって使用されている場合には、他のメダル計数機が空いていても、対応するメダル計数機が空くまで待たねばならない。
さらに、対応するメダル計数機が離れた位置にあれば、他のメダル計数機が近くにあっても、対応するメダル計数機がある位置までメダルを運ばねば、メダルの計数ができない。
【0006】
そこで、複数種類のメダルを1台で計数できるメダル計数機があると望ましい。
ここで、従来のように1種類のメダルしか計数できないメダル計数機では、このメダル計数機が外部機器(レシート発行機や管理用コンピュータ等)に接続される場合には、外部機器に対して1種類のメダルの計数結果のみを出力できればよい。つまり、従来のメダル計数機では、計数結果の出力系統が1つあればよい。
【0007】
しかし、複数種類のメダルを計数できるメダル計数機では、メダルの計数結果がメダルの種類に応じて複数得られることになる。そこで、外部機器側で構造変更等の対応をしなくても、メダル計数機側で、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できることが望まれる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、複数種類のメダルを計数することができ、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できるメダル計数機、および、このメダル計数機を備えたメダル計数システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、複数種類のメダルの枚数を数えるメダル計数機であって、メダルを受け入れて繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出されたメダルを1枚ずつ搬送する搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記搬送路を搬送されるメダルの種類を判別する判別手段と、前記判別手段によって第1種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第1のパルス出力手段と、前記判別手段によって第2種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第2のパルス出力手段と、を含むことを特徴とする、メダル計数機である。
【0009】
請求項2記載の発明は、複数種類のメダルの枚数を数えるメダル計数機であって、メダルを受け入れて繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出されたメダルを1枚ずつ搬送する搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記搬送路を搬送されるメダルの種類を判別する判別手段と、前記判別手段によって種類が判別されたメダルの枚数を種類毎に数える計数手段と、前記計数手段によって数えられた各種類のメダルの枚数情報を、メダルの種類情報とともに出力する情報出力手段と、を含むことを特徴とする、メダル計数機である。
【0010】
請求項3記載の発明は、メダル計数処理において、前記判別手段が最初に判別した種類と異なる種類のメダルは計数対象外とする選別手段を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のメダル計数機である。
請求項4記載の発明は、請求項1記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含み、前記記録媒体発行機は、前記第1のパルス出力手段から出力されるパルスに基づいて、前記第1種類のメダルの枚数情報が記録された第1の記録媒体を発行する第1の記録媒体発行機と、前記第2のパルス出力手段から出力されるパルスに基づいて、前記第2種類のメダルの枚数情報が記録された第2の記録媒体を発行する第2の記録媒体発行機と、を含むことを特徴とする、メダル計数システムである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項2記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含み、前記記録媒体発行機は、前記情報出力手段から出力されるメダルの枚数情報、および、メダルの種類情報にもとづいて、それら情報を印字した記録媒体を発行することを特徴とする、メダル計数システムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、このメダル計数機は、複数種類のメダルの枚数を数えることができる。そして、このメダル計数機では、繰出部によって繰り出されたメダルが搬送路を1枚ずつ搬送されるときに、各メダルの種類が判別手段によって判別される。
ここで、このメダル計数機は、判別手段によって第1種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第1のパルス出力手段と、判別手段によって第2種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第2のパルス出力手段とを含んでいる。パルスを1つ出力するということは、メダルを1枚カウントしたという計数結果を出力することである。そのため、対応する種類のメダルか判別される度にそれぞれパルスを出力する第1および第2のパルス出力手段を含むメダル計数機には、計数できるメダルの種類に応じて、計数結果の出力系統が2つある。
【0013】
つまり、複数種類のメダルを計数するメダル計数機では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
請求項2記載の発明によれば、このメダル計数機は、複数種類のメダルの枚数を数えることができる。そして、このメダル計数機では、繰出部によって繰り出されたメダルが搬送路を1枚ずつ搬送されるときに、各メダルの種類が判別手段によって判別される。
【0014】
ここで、このメダル計数機は、判別手段によって種類が判別されたメダルの枚数を種類毎に数える計数手段と、計数手段によって数えられた各種類のメダルの枚数情報を、メダルの種類情報とともに出力する情報出力手段とを含んでいる。情報出力手段は、メダルの枚数情報および種類情報という計数結果をメダルの種類に応じて複数出力する。
つまり、複数種類のメダルを計数するメダル計数機では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、選別手段が、メダル計数処理において、判別手段が最初に判別した種類と異なる種類のメダルは計数対象外とする。これにより、メダル計数機では、複数種類のメダルが混合状態で受け入れられても、判別手段が最初に判別した1種類のメダルだけを計数することができる。そのため、メダル計数機では、たとえば第1種類のメダルの計数結果に第2種類のメダルの枚数が含まれてしまうような計数ミスを防止できる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含むメダル計数システムでは、メダル計数機が複数種類のメダルを計数することができ、このメダル計数機では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
そのため、メダルの種類(第1種類および第2種類)に応じて、このメダル計数機に第1および第2の記録媒体発行機をそれぞれ接続するだけで、これらの記録媒体発行機を構造変更等しなくても、第1の記録媒体発行機では、メダル計数機の第1のパルス出力手段から出力されるパルス(計数結果)に基づいて、第1種類のメダルの枚数情報が記録された第1の記録媒体を発行できる。同様に、第2の記録媒体発行機では、メダル計数機の第2のパルス出力手段から出力されるパルス(計数結果)に基づいて、第2種類のメダルの枚数情報が記録された第2の記録媒体を発行できる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含むメダル計数システムでは、メダル計数機が複数種類のメダルを計数することができ、このメダル計数機では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
そのため、このメダル計数機に記録媒体発行機を接続するだけで、記録媒体発行機を構造変更等しなくても、記録媒体発行機では、メダル計数機の情報出力手段から出力される各種メダルの枚数情報および種類情報(メダルの種類に対応した複数の計数結果)にもとづいて、それら情報を印字した記録媒体を発行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<メダル計数機の概要>
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係るメダル計数機1を正面右側から見た斜視図である。
メダル計数機1は、パチスロ機が設置された遊技店に設置されており、遊技客がパチスロ機で獲得したメダルの枚数を数えるものである。
【0019】
パチスロ機では、その種類に応じて使えるメダルの種類(たとえばメダルの直径や模様等)が異なる場合があり、本願発明のメダル計数機1は、直径25mmのメダル(以下では、「φ25メダル」という。)および直径30mmのメダル(以下では、「φ30メダル」という。)の両方を、1台で計数することができる。
図1に示すように、メダル計数機1は、その筐体をなす本体ケーシング2を備えている。
【0020】
本体ケーシング2は、幅広のボックス形状である。本体ケーシング2の天面において、手前側には、2つの投入口3が左右に並んで形成されており、奥側には、表示パネル4が設けられている。
各投入口3の周縁には、下向きに狭くなる略筒状のホッパ5の上端が連設されている。ホッパ5の下端は開口されており、本体ケーシング2の内部に臨んでいる。
【0021】
表示パネル4は、たとえば、液晶のタッチパネルであり、表示パネル4には、メダル計数機1の動作状況が表示されたり、メダル計数機1を操作するためのボタンが表示されたりする。
メダル計数機1は、本体ケーシング2内において、各投入口3の下方(厳密には各投入口3に対応するホッパ5の下方)に、計数ユニット6を備えている。つまり、このメダル計数機1には、2つの計数ユニット6が設けられている。
【0022】
なお、この実施例で示したメダル計数機1は、処理を迅速に行うために投入口3および計数ユニット6が2つ備えられたいわゆるツインタイプとしたが、投入口3および計数ユニット6がそれぞれ1つのシングルタイプのものであってもよい。
遊技客が獲得したメダルは、メダル計数機1において、いずれかの投入口3に投入されると、ホッパ5によって計数ユニット6に導かれる。計数ユニット6は、後述するように、導かれたメダルの枚数をメダルの種類毎に数える。計数後のメダルは、本体ケーシング2の後方から機外の貯留タンク等に排出される。
【0023】
なお、ゴミや硬貨等の異物が誤って投入口3に投入された場合には、これらの異物は、計数ユニット6にてメダルから分離された後、本体ケーシング2の正面の下端で引き出し可能に設けられたリジェクトボックス7に排出される。
図2は、1つの計数ユニット6を正面右側から見た斜視図である。
図2に示すように、計数ユニット6は、上下方向に薄い平板状のベース10を備えている。ベース10の上面は、水平面である。
【0024】
そして、計数ユニット6は、ベース10上に、ホッパ5によって導かれたメダルを1枚ずつ分離して繰り出す繰出機構11(繰出部)と、1枚ずつ繰り出されたメダルを本体ケーシング2の後方へ向けて搬送する搬送機構12と、搬送機構12によって搬送されるメダルの種類を1枚毎に判別する判別機構13とを備えている。
繰出機構11は、回転円板14と、第1モータ15と、ガイド壁16と、ゲート17と、第2モータ18とを備えている。
【0025】
回転円板14は、上下方向に延びる中心軸を有しており、ベース10によって回転自在に支持されている。回転円板14の上面は、水平面である。回転円板14の上面における円中心位置には、上向きに突出するガイドキャップ19が一体的に設けられている。ガイドキャップ19およびガイドキャップ19周辺における回転円板14の上面は、ホッパ5の下端から投入口3を介して上方へ露出されている(図1参照)。
【0026】
第1モータ15は、回転円板14の後側において、ベース10の上面に取り付けられている。第1モータ15が発生する駆動力は、ベルト等を介して回転円板14に伝達され、これにより、回転円板14は、所定の方向(詳しくは平面視における時計回りの方向であり、図示した太い実線矢印参照)へ回転する。
ガイド壁16は、回転円板14と同心の略環状をなしており、回転円板14の外周縁に沿って回転円板14を径方向外側から取り囲むように、ベース10の上面から上向きに延びている。ガイド壁16の周方向における1箇所(詳しくは左後側部分)は、完全に切断されるように切り欠かれており、切欠き部分20とされる。ここで、ガイド壁16において、切欠き部分20を後側から区画する部分を第1部16Aとし、切欠き部分20を前側から区画する部分を第2部16Bとする。
【0027】
ガイド壁16は、周方向における複数の箇所において、ねじ21によってベース10の上面に固定されている。しかし、上述した第2部16Bは、ベース10に固定されておらず、ベース10の上面に対して、上下に移動することができる。
ゲート17は、切欠き部分20においてガイド壁16の周方向に対する接線方向(詳しくは前後方向)に延びる平板である。ゲート17は、上述した接線方向に長手であり、切欠き部分20をガイド壁16の径方向外側からほぼ塞ぐ閉塞部17Aと、閉塞部17Aから前方へ延びる延設部17Bとを一体的に備えている。
【0028】
閉塞部17Aでは、後端部が、ねじ22をよってガイド壁16の第1部16Aに固定され、前端部が、ねじ23によってガイド壁16の第2部16Bに固定されている。なお、延設部17Bの後端部も、ねじ23によってガイド壁16の第2部16Bに固定されている。
ここで、閉塞部17Aの下端縁は、水平方向に平坦である。そして、閉塞部17Aの下端縁は、回転円板14の上面においてガイド壁16の切欠き部分20に一致する部分に対して、僅か上方から対向している。詳しくは、閉塞部17Aの下端縁と回転円板14の上面との間には、隙間Xが確保されている。図2に示す常態では(このときのゲート17の位置を常態位置とする。)、隙間Xの上下方向における寸法は、1枚のメダルの厚さとほぼ同じであり、隙間Xの水平方向における寸法(ガイド壁16における第1部16Aと第2部16Bとの間隔)は、メダルの直径よりも大きい。上述したように、このメダル計数機1では、φ25メダルとφ30メダルとが計数可能であるので、隙間Xの水平方向における寸法は、30mmより大きい。
【0029】
第2モータ18は、ゲート17の延設部17Bの左側において、ベース10の上面に取り付けられている。第2モータ18の出力軸(ギヤ機構を経た出力軸)18Aには、カム24が取り付けられており、カム24は、第2モータ18が駆動されると、偏心回転する。
ここで、延設部17Bの前端縁には、後側へ略U字状に窪む窪み25が形成されており、窪み25に、上述したカム24が嵌め込まれている。ゲート17が常態位置にある状況でカム24が所定量(たとえば180°)だけ偏心回転すると、カム24が、延設部17Bにおいて窪み25を上から縁取る部分を押し上げる。これにより、ゲート17全体が、延設部17B側が閉塞部17A側より高くなるように、ガイド壁16の第1部16Aを支点として傾く(このときのゲート17の位置を解除位置とする。)。これに伴い、ガイド壁16の第2部16Bが持ち上がり、また、上述した隙間Xが、ゲート17が常態位置にあるときよりも上方ヘ僅かに広がる。なお、カム24が、前記所定量だけ逆回転すると、ゲート17は解除位置から常態位置に戻る。
【0030】
このように、ゲート17を常態位置から解除位置へ移動させることによって、隙間Xを上方へ広げることができるので、メダルが詰まった場合の解除が可能となる。また、図示されないが、検知ラインが回転円板14の上面近傍を通過するように光学センサが配置され、有無検知手段として作用する。
図3は、搬送機構12および判別機構13が見える位置における計数ユニット6の要部平面図である。
【0031】
図3に示すように、搬送機構12は、搬送路30と、1対の側壁31と、搬送路30を前方から後方へとメダルを搬送するために搬送路30の上に配置されている2つのプーリ32および搬送ベルト33とを備えている。なお、説明の便宜上、プーリ32および搬送ベルト33は、点線で示している(プーリ32および搬送ベルト33については、図2も参照)。
【0032】
搬送路30は、ベース10の上面に設けられた水平面である。搬送路30は、回転円板14におけるガイド壁16の切欠き部分20(換言すれば上述した隙間X)の近傍を始点として本体ケーシング2の後方(図3では上方)へ向かって延びている。搬送路30は、回転円板14の上面と面一となっている。搬送路30では、前後方向における途中部分が、右側へ湾曲しており、湾曲部分30Aとされる。湾曲部分30Aには、前後方向に長いリジェクト穴34が形成されている。リジェクト穴34は、紙面下方へ開口していて、上述したリジェクトボックス7(図1参照)につながっている。リジェクト穴34の左右方向寸法は、25mmよりも小さい。
【0033】
1対の側壁31は、ベース10の上面から立設されており、搬送路30の左右方向を区画している。詳しくは、右側の側壁31Aは、搬送路30の右端に沿いつつ、本体ケーシング2の後方へ向かって延びている。左側の側壁31Bは、搬送路30の左端に沿いつつ、本体ケーシング2の後方へ向かって延びている。1対の側壁31は、ともに、搬送路30の湾曲部分30Aでは、湾曲部分30Aに沿って右側へ湾曲している。
【0034】
1対の側壁31は、上述したように搬送路30の左右方向を区画していることから、搬送路30の幅を規定している。搬送路30の幅(1対の側壁31の間隔)は、前端部を除く前後方向における全域に亘って、約30mmで一定となっている。つまり、搬送路30は、その幅を約30mmに保ちつつ後方へ延び、湾曲部分30Aにおいても、その幅を約30mmに保ったまま右側へ湾曲している。
【0035】
2つのプーリ32は、回転軸が水平に左右を向いており、搬送路30の上方において、前後方向に互いに間隔を隔てた状態で回転自在に配置されている。詳しくは、前側のプーリ32Aは、搬送路30の前端部の上方に配置されている。後側のプーリ32Bは、搬送路30の後端部の上方に配置されている。プーリ32Bは、上述した第1モータ15(図2参照)の出力軸に連結されている。
【0036】
搬送ベルト33は、所定の張力で2つのプーリ32間に掛け回されている。搬送ベルト33において、プーリ32Aの下端とプーリ32Bの下端とを繋ぐ部分は、下側部分33Aとされる(図2も参照)。下側部分33Aは、後方へ向かって直線的に延びつつ、水平方向に平坦となっており、搬送路30に対して上方から対向している。詳しくは、下側部分33Aは、後方へ向かって搬送路30に対して右側へ寄った(偏向した)状態で配置されている。つまり、下側部分33Aは、搬送路30の前端部(上流側)では搬送路30の幅方向略中央または左寄りにあり、搬送路30の後端部(下流側)では右寄りにあるので、下側部分33Aの長さ方向は、搬送路30の長さ方向に対して、右側へ向かってやや傾いている。
【0037】
ここで、第1モータ15(図2参照)が駆動されると、その駆動力がプーリ32Bを介して搬送ベルト33に伝達され、搬送ベルト33は、下側部分33Aが常に後方へ移動するように、2つのプーリ32間を周回移動する。
判別機構13は、搬送路30の後端部(詳しくは、湾曲部分30Aよりも後方)に設けられており、1対のセンサ35を含んでいる。1対のセンサ35のうち、一方のセンサは、右側の側壁31Aに支持されて搬送路30内に臨む磁気センサ35Aであり、他方のセンサは、左側の側壁31Bに支持されて搬送路30内に臨む光電センサ35Bである。ここで、上述したように後方へ向かって搬送路30に対して右側へ寄っている搬送ベルト33の下側部分33Aは、搬送路30の後端部では、磁気センサ35A側に寄っている。
【0038】
磁気センサ35Aは、物体が通過するとき物体の右端部分を検出し、パルス信号を出力する。同様に、光電センサ35Bも、物体が通過するとき物体の左端部分を検出して、パルス信号を出力する。ここで、磁気センサ35Aが出力するパルスを第1パルスとし、光電センサ35Bが出力するパルスを第2パルスという。
磁気センサ35Aおよび光電センサ35Bは、それぞれ、本体ケーシング2に内蔵されたマイクロコンピュータを含む制御部(図示せず)に対して電気的に接続されており、第1パルスおよび第2パルスは、出力される度に制御部(図示せず)に送られる。ここで、制御部(図示せず)は、判別機構13に含まれ、1対のセンサ35(磁気センサ35Aおよび光電センサ35B)および制御部(図示せず)は、判別手段を構成する。
【0039】
次に、このメダル計数機1によるメダル計数処理について説明する。
まず、図1を参照して、遊技客が獲得したメダルが、上述したようにいずれかの投入口3に投入される。投入されたメダルは、ホッパ5で導かれることによって、対応する計数ユニット6に上から降り注がれて繰出機構11(図2参照)に受け入れられ、回転円板14の上面における円中心部分周辺に落下する。ここで、上述したように回転円板14の上面における円中心位置にはガイドキャップ19が設けられていることから、メダルは、回転円板14の上面において、円中心位置以外の領域に落下する。
【0040】
その後、表示パネル4に表示されたボタン(図示せず)が押されることによって、メダル計数機1によるメダル計数処理が開始され、図2を参照して、回転円板14が、所定の方向(平面視における時計回りの方向であり、図示した太い実線矢印参照)へ回転する。尚、メダルの投入を有無検知センサ(上述した有無検知手段)によって検知することに基づいて、回転円板14の回転が自動的にスタートするように設定することも可能である。
【0041】
回転円板14が所定の方向へ回転することによって、回転円板14上のメダルには遠心力が作用し、回転円板14上のメダルは、回転円板14の外周縁(換言すればガイド壁16の内周面)へ向かって移動する。なお、上述したように回転円板14の上面における円中心位置にガイドキャップ19が設けられていることから、遠心力が作用せずに回転円板14の円中心位置に留まり続けるメダルはない。
【0042】
ガイド壁16の内周面まで到達したメダルは、ガイド壁16の内周面に接触することによって、回転円板14の径方向外側へそれ以上移動できないが、引き続き回転円板14が回転していることから、ガイド壁16の内周面に沿って1枚ずつ並びつつ、ガイド壁16の内周面に接触しながら回転円板14とともに回転する。
このようにガイド壁16の内周面に接触しながら回転円板14とともに回転するメダルのうち、上述した隙間Xに到達したメダルは、上述した遠心力によって、隙間Xから回転円板14の外側へ弾き出され、図3に示す搬送路30の前端部に受け渡される。ここで、隙間Xを区画するゲート17が上述した常態位置にあるので(図2参照)、隙間Xの上下方向における寸法は、1枚のメダルの厚さとほぼ同じであり、隙間Xに到達したメダルは、1枚ずつ隙間Xを通過して搬送路30に受け渡される。なお、隙間Xでメダルが詰まった場合には、ゲート17が常態位置から解除位置へ移動して隙間Xが広げられた後、回転円板14が逆転することによって、隙間Xのメダルが回転円板14側へ回収される。
【0043】
繰出機構11の回転円板14によって繰り出されて搬送路30の前端部に受け渡されたメダルは、搬送路30と搬送ベルト33の下側部分33Aとによって上下から挟まれ、周回移動する搬送ベルト33の下側部分33Aによって、搬送路30を後方へ1枚ずつ搬送される。
ここで、上述したように、搬送路30では、前後方向における途中の湾曲部分30Aが、右側へ湾曲している。そのため、搬送路30を後方へ搬送されるメダルは、湾曲部分30Aの手前までは、後方へ向かってまっすぐ搬送されるものの、湾曲部分30Aでは右側へ迂回しながら後方へ向かい、湾曲部分30Aより後では、後方へ向かって再度まっすぐ搬送される。
【0044】
そして、上述したように搬送ベルト33の下側部分33Aが、後方へ向かって搬送路30に対して右側へ寄っているので、下側部分33Aによって搬送路30を後方へ搬送されるメダルは、搬送路30において、下側部分33Aの長さ方向、つまり、搬送路30の右方向に偏向する方向へ搬送される。このため、メダルは、そのサイズにかかわらず、搬送路30の右壁(右側の側壁31A)に沿って、側壁31Aにガイドされるように、搬送路30を進む。なお、メダルは、湾曲部分30Aで右側へ迂回することによって右側の側壁31Aへ積極的に接近することから、側壁31Aによるメダルのガイドが促進される。
【0045】
また、湾曲部分30Aに形成されたリジェクト穴34の左右方向寸法は、上述したように25mmよりも小さいので、φ25メダルおよびφ30メダルは、リジェクト穴34から落下することなく、湾曲部分30Aを通過して搬送路30の後端部へ向かう。
上述したように、搬送路30の幅(1対の側壁31の間隔)は、前後方向における全域に亘って約30mmで一定であるので、φ30メダルが搬送路30を搬送される場合、φ30メダルは、1対の側壁31で左右からガイドされるように、左右の側壁31に触れながら、搬送路30を後方へ進む。厳密には、上述したように搬送路30を通過するメダルは、右側の側壁31Aに沿って搬送されるので、φ30メダルと左側の側壁31Bとの間には、僅かな隙間があり得る。そして、搬送路30の後端部に到達したφ30メダル(図3において実線で示している。)では、右側の側壁31Aに支持された磁気センサ35A、および、左側の側壁31Bに支持された光電センサ35Bにより、左端部および右端部がそれぞれ検出される。そのため、搬送路30の後端部にφ30メダルが1枚到達する度に、磁気センサ35Aが第1パルスを1つ出力し、かつ、光電センサ35Bが第2パルスを1つ出力する。上述した制御部(図示せず)は、第1パルスおよび第2パルスの両方がほぼ同時に送られてくる度に、φ30メダルを1枚カウントする。
【0046】
これに対し、φ25メダルが搬送路30を搬送される場合、φ25メダルは、左右に5mm程度移動できる状態で、後方へ搬送されるが、上述したように、右側の側壁31Aに沿って搬送される。また、φ25メダルを搬送する搬送ベルト33の下側部分33Aは、上述したように、搬送路30の後端部では、磁気センサ35A側に寄っている。そのため、φ25メダルは、搬送ベルト33の下側部分33Aによって、磁気センサ35A側に向かうように、搬送路30の後端部へ搬送される。搬送路30の後端部に到達したφ25メダル(図3において破線で示している。)は、その径が搬送路30の幅より小さいので、右側の側壁31Aに接触している一方で左側の側壁31Bから離れている(約5mm間隔があいている)ので、左側の側壁31Bに支持された光電センサ35Bは、φ25メダルの左端部を検出することができない。そのため、搬送路30の後端部にφ25メダルが1枚到達する度に、磁気センサ35Aだけが第1パルスを1つ出力する。上述した制御部(図示せず)は、第1パルスだけが送られてくる度に、φ25メダルを1枚カウントする。
【0047】
このようにして、φ30メダルが搬送路30の後端部に到達して第1パルスおよび第2パルスの両方がほぼ同時に制御部(図示せず)に送られ、それをカウントした回数の合計が、投入口3に投入されたφ30メダルの枚数となる。また、φ25メダルが搬送路30の後端部に到達して第1パルスだけが制御部(図示せず)に送られ、それをカウントした回数の合計が、投入口3に投入されたφ25メダルの枚数となる。φ25メダルおよびφ30メダルのそれぞれの枚数情報は、表示パネル4(図1参照)に表示されたり、外部機器へ出力されたりするが、詳細については、以降で詳説する。
【0048】
以上のように、搬送路30を搬送されるメダルの種類が、センサ35および制御部(図示せず)によって判別され、種類が判別されたメダルの枚数が制御部(図示せず)によって種類毎に数えられる。
なお、搬送路30の後端部に到達したメダルは、その後、上述したように、本体ケーシング2の後方から機外の貯留タンク等に排出される。また、φ25メダルより小さいゴミや硬貨等の異物が搬送路30を搬送された場合、この異物は、リジェクト穴34から落下して、上述したリジェクトボックス7(図1参照)に排出される。
【0049】
ここで、メダル計数処理において、その処理が開始されてから最初に搬送路30の後端部に到達したメダルの種類が判別されたときに、制御部(図示せず)が、この最初のメダルの種類と異なる種類のメダルは計数対象外としてもよい。つまり、メダル計数処理で最初に種類が判別されたメダルが、たとえばφ30メダルであれば、制御部(図示せず)は、計数すべきメダルをφ30メダルに特定する一方で、φ25メダルを計数対象外とする。そのため、制御部(図示せず)は、φ25メダルが搬送路30の後端部に到達することで第1パルスだけが送られてきても、φ25メダルをカウントしない。
【0050】
これにより、メダル計数機1では、複数種類のメダルが混合状態で受け入れられても、最初に種類が判別された1種類のメダルだけを計数することができる。そのため、メダル計数機1では、たとえばφ30メダルの計数結果にφ25メダルの枚数が含まれてしまうような計数ミスを防止できる。
その後、上述した有無検知手段が何も検知しない状態が所定時間以上継続すると、制御部(図示せず)は、全てのメダルを繰り出したものと判断して、回転円板14を停止する。
【0051】
なお、以上では、1つの計数ユニット6でのメダル計数処理について説明したが、このメダル計数機1は、計数ユニット6を2つ備えていることから(図1参照)、両計数ユニット6で同時にメダル計数処理が実行される場合があり、その場合、制御部(図示せず)には、各計数ユニット6のセンサ35(図3参照)から第1パルスおよび第2パルスが一度に送られ得る。制御部(図示せず)は、両計数ユニット6から送られてくる第1パルスおよび第2パルスをまとめて整理して、最終的には、両計数ユニット6(つまりメダル計数機1全体)に受け入れられたφ30メダルおよびφ25メダルの枚数情報を作成して、表示パネル4(図1参照)に表示したり、外部機器へ出力したりする。ただし、説明の便宜上、以降においても、1つの計数ユニット6でのメダル計数処理について説明する。
<メダル計数機と外部機器との接続>
図4において、(a)は、メダル計数機1と外部機器との第1の例に係る接続関係を示し、(b)は、メダル計数機1と外部機器との第2の例に係る接続関係を示している。
【0052】
図4に示すように、メダル計数機1には、遊技客が獲得したメダルの枚数が記載された記録媒体としてのレシートR(後述する図5参照)を発行するレシート発行機40(記録媒体発行機)と、遊技店の管理ルーム等に設置されてメダル計数機1等の店内設備の稼動状況を管理するためのホールコンピュータ41とが電気的に接続されている。ここで、上述した制御部は、図4では示されており、制御部には、符号50が付されている。制御部50は、上述した判別手段だけでなく、第1および第2のパルス出力手段、計数手段、情報出力手段、ならびに選別手段としても機能する。
【0053】
具体的には、メダル計数機1とレシート発行機40とは、ケーブル42によってつながれており、メダル計数機1とホールコンピュータ41とは、ケーブル43によってつながれている。そのため、メダル計数機1は、メダル計数処理に係る情報を、レシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに対して有線出力することができる。もちろん、ケーブル42、43を廃して、メダル計数機1がメダル計数処理に係る情報をレシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに対して無線出力するように構成してもよい。
【0054】
このように接続されたメダル計数機1、レシート発行機40およびホールコンピュータ41は、メダル計数システム44を構成する。なお、遊技店によっては、ホールコンピュータ41がない場合があり、その場合には、メダル計数機1およびレシート発行機40が、メダル計数システム44を構成する。
メダル計数機1による情報出力については、図4(a)および(b)の2つの例が挙げられる。
(1)第1の例
図4(a)に示す第1の例では、1台のメダル計数機1に対して2台のレシート発行機40が接続されている。この場合、2台のレシート発行機40のうち、一方のレシート発行機40Aは、φ30メダルの枚数情報が記載されたレシートR30のみを発行することができ、他方のレシート発行機40Bは、φ25メダルの枚数情報が記載されたレシートR25のみを発行することができる。ここで、レシートR30を第1の記録媒体とすると、レシートR25は第2の記録媒体となり、レシート発行機40Aは第1の記録媒体発行機となり、レシート発行機40Bは第2の記録媒体発行機となる。逆に、レシートR25を第1の記録媒体とすると、レシートR30は第2の記録媒体となり、レシート発行機40Bは第1の記録媒体発行機となり、レシート発行機40Aは第2の記録媒体発行機となる。
【0055】
この場合、メダル計数機1とφ30メダル専用のレシート発行機40Aとは、ケーブル42Aによってつながれており、メダル計数機1とφ25メダル専用のレシート発行機40Bとは、ケーブル42Bによってつながれている。
また、メダル計数機1とホールコンピュータ41とは、2本のケーブル43によってつながれている。以下では、2本のケーブル43のうち、一方をケーブル43Aとし、他方をケーブル43Bとする。
【0056】
第1の例では、メダル計数機1でメダル計数処理を行う場合、φ30メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に到達することで1つずつ出力された第1パルスおよび第2パルスの両方は、制御部50によって、まとめられ、形の整った(ノイズのない)1つのパルスに変換される(変換後のパルスを「第1変換パルス」という。)。第1変換パルスは、制御部50によって、ケーブル42Aを介して、φ30メダル専用のレシート発行機40Aに出力される。また、第1変換パルスは、ケーブル43Aを介して、ホールコンピュータ41にも出力される。
【0057】
φ25メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に到達することで唯一出力された第1パルスは、制御部50によって、形の整った1つのパルスに変換される(変換後のパルスを「第2変換パルス」という。)。第2変換パルスは、制御部50によって、ケーブル42Bを介して、φ25メダル専用のレシート発行機40Bに出力される。また、第2変換パルスは、ケーブル43Bを介して、ホールコンピュータ41にも出力される。
【0058】
このように、制御部50は、上述したように搬送路30を搬送されるメダルがφ30メダルか判別してφ30メダルを1枚カウントする度に、第1変換パルスを、φ30メダル専用のレシート発行機40Aおよびホールコンピュータ41のそれぞれに出力する。また、制御部50は、上述したように搬送路30を搬送されるメダルがφ25メダルか判別してφ25メダルを1枚カウントする度に、第2変換パルスを、φ25メダル専用のレシート発行機40Bおよびホールコンピュータ41のそれぞれに出力する。
【0059】
変換パルスを1つ出力するということは、メダルを1枚カウントしたという計数結果を出力することである。そのため、φ30メダルおよびφ25メダルにおいて対応する種類のメダルか判別される度に第1変換パルスまたは第2変換パルスを出力する制御部50を含むメダル計数機1には、計数できるメダルの種類に応じて、計数結果の出力系統が2つある。つまり、複数種類のメダルを計数するメダル計数機1では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
【0060】
φ30メダル専用のレシート発行機40A(厳密には、レシート発行機40Aに設けられた図示しない制御部)は、第1変換パルスが出力されてくる度に1回カウントする。メダル計数機1のメダル計数処理中に、このようにレシート発行機40Aがカウントした回数の合計が、メダル計数機1の投入口3に投入されたφ30メダルの枚数となる。レシート発行機40Aは、出力された第1変換パルスのカウント回数の合計に基づいて、φ30メダルの枚数情報が記録されたレシートR30を発行する。
【0061】
φ25メダル専用のレシート発行機40B(厳密には、レシート発行機40Bに設けられた図示しない制御部)は、第2変換パルスが出力されてくる度に1回カウントする。メダル計数機1のメダル計数処理中に、このようにレシート発行機40Bがカウントした回数の合計が、メダル計数機1の投入口3に投入されたφ25メダルの枚数となる。レシート発行機40Bは、出力された第2変換パルスのカウント回数の合計に基づいて、φ25メダルの枚数情報が記録されたレシートR25を発行する。
【0062】
ホールコンピュータ41(厳密には、ホールコンピュータ41に設けられた図示しない制御部)は、第1変換パルスが出力されてくる度に1回カウントする。メダル計数機1のメダル計数処理中に、このようにホールコンピュータ41がカウントした回数の合計が、メダル計数機1の投入口3に投入されたφ30メダルの枚数となる。
同様に、ホールコンピュータ41は、第2変換パルスが出力されてくる度に1回カウントする。メダル計数機1のメダル計数処理中に、このようにホールコンピュータ41がカウントした回数の合計が、メダル計数機1の投入口3に投入されたφ25メダルの枚数となる。
【0063】
ホールコンピュータ41は、φ30メダルおよびφ25メダルのそれぞれの枚数情報を、φ30メダルおよびφ25メダルのそれぞれの種類情報と関連付けて、メモリ(図示せず)で記憶する。すなわち、メモリ(図示せず)には、φ30メダルが何枚あるという情報と、φ25メダルが何枚あるという情報とが記憶される。
以上のように、第1の例に係るメダル計数システム44において、メダル計数機1では、上述したように、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。そのため、メダルの種類(ここではφ30メダルおよびφ25メダルという2種類)に応じて、メダル計数機1にレシート発行機40A、40Bをそれぞれ接続するだけで、φ30メダル専用のレシート発行機40Aでは、メダル計数機1から出力される第1変換パルス(計数結果)に基づいて、レシートR30を発行できる。同様に、φ25メダル専用のレシート発行機40Bでは、メダル計数機1から出力される第2変換パルス(計数結果)に基づいて、レシートR25を発行できる。つまり、メダル計数機1が複数種類のメダルを計数できることに伴って、周辺の外部機器(レシート発行機40やホールコンピュータ41)を、メダル計数機1の計数結果を取り出せるように構造変更等しなくてもよい。
【0064】
なお、上記の例では、メダル計数機1の制御部50が、第1パルスおよび第2パルスを第1変換パルスや第2変換パルスに整え、これらの変換パルスをレシート発行機40やホールコンピュータ41に出力している。これに対し、レシート発行機40側およびホールコンピュータ41側でパルスを整えることができるのであれば、第1パルスおよび第2パルスが、整えられずにそのままレシート発行機40およびホールコンピュータ41に出力されても構わない。
(2)第2の例
図4(b)に示す第2の例では、1台のメダル計数機1に対して1台のレシート発行機40が1本のケーブル42によって接続されており、メダル計数機1は、レシート発行機40との間でシリアル通信することができる。この場合、このレシート発行機40は、φ30メダルの枚数情報が記載されたレシートR30、および、φ25メダルの枚数情報が記載されたレシートR25の両方を発行することができる。
【0065】
また、メダル計数機1とホールコンピュータ41とは、1本のケーブル43によって接続されており、メダル計数機1は、ホールコンピュータ41との間でシリアル通信することができる。
第2の例では、メダル計数機1でメダル計数処理を行う場合、まず、φ30メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に到達して第1パルスおよび第2パルスの両方がほぼ同時に制御部50に送られる度に、制御部50は、上述したように、φ30メダルを1枚カウントする。そして、制御部50がカウントした回数の合計が、メダル計数機1の投入口3(図1参照)に投入されたφ30メダルの枚数となる。同様に、制御部50がφ25メダルをカウントした回数の合計が、投入口3に投入されたφ25メダルの枚数となる。
【0066】
そして、制御部50によるφ30メダルおよびφ25メダルのカウントが終了した後(つまりメダル計数処理が終了した後)、制御部50は、数えたφ30メダルおよびφ25メダルの枚数情報を、メダルの種類情報とともに、ケーブル42、43のそれぞれを介して、レシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに出力する。つまり、制御部50は、φ30メダルが何枚あるという情報と、φ25メダルが何枚あるという情報とを、レシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに出力する。
【0067】
このように、制御部50は、種類が判別されたメダルの枚数を種類毎に数え、各種類のメダルの枚数情報を、メダルの種類情報とともに出力する。換言すれば、制御部50は、メダルの枚数情報および種類情報という計数結果をメダルの種類に応じて複数出力する。つまり、複数種類のメダルを計数するメダル計数機1では、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。
【0068】
レシート発行機40は、メダル計数機1の制御部50から出力されたφ30メダルおよびφ25メダルの枚数情報、ならびに、メダルの種類情報にもとづいて、それら情報を印字したレシートを、φ25メダルおよびφ30メダルに応じて別々に発行する。つまり、レシート発行機40は、φ30メダルの枚数情報が記載されたレシートR30と、φ25メダルの枚数情報が記載されたレシートR25とを発行する。
【0069】
ホールコンピュータ41は、φ30メダルおよびφ25メダルのそれぞれの枚数情報を、φ30メダルおよびφ25メダルのそれぞれの種類情報と関連付けて、メモリ(図示せず)で記憶する。
以上のように、第2の例に係るメダル計数システム44において、メダル計数機1では、上述したように、メダルの種類に対応した複数の計数結果を出力できる。そのため、メダル計数機1にレシート発行機40を接続するだけで、レシート発行機40を構造変更等しなくても、レシート発行機40では、メダル計数機1の制御部50から出力される各種メダルの枚数情報および種類情報(メダルの種類に対応した複数の計数結果)にもとづいて、それら情報を印字したレシートR(レシートR30およびレシートR25)を発行できる。
【0070】
なお、制御部50は、メダル計数処理の途中において、その時点におけるφ30メダルおよびφ25メダルの枚数情報および種類情報を、レシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに出力してもよい。その場合、枚数情報および種類情報は逐次出力されて更新され、メダル計数処理において最終的に更新された枚数情報が、投入口3に投入されたφ25メダルおよびφ30メダルのそれぞれの枚数となる。
【0071】
図5において、(a)は、φ30メダルの枚数情報が記載されたレシートR30を示し、(b)は、φ25メダルの枚数情報が記載されたレシートR25を示している。
レシート発行機40が発行するレシートRには、図5(a)および(b)に示すように、たとえば、上から順に、遊技店の店名(ここでは「パーラー○○」)、レシート発行日、レシートの識別ナンバー、メダルの種類情報(φ25メダルまたはφ30メダル)および枚数情報(ここでは「1000枚」)、メダルの種類情報および枚数情報を示すバーコードが記載される。
【0072】
遊技客は、発行されたレシートRを遊技店の店員に渡す。店員は、受け取ったレシートRをPOS端末等(図示せず)で読み取って、遊技客が獲得したメダルの枚数に相当する景品を遊技客に渡す。
<メダル計数機の表示パネル>
次に、メダル計数機1の表示パネル4(図1参照)について説明する。
【0073】
図6は、表示パネル4に表示された割数設定画面を示している。
表示パネル4には、メダル計数機1での各種処理に応じて、いろいろな画面が切替表示される。図6では、表示パネル4に割数設定画面が表示された状態を示している。ここで、割数とは、各種類のメダルの価値のことであり、具体的には、各種類のメダルについて、所定の景品1つと交換するために必要なメダルの枚数のことである。
【0074】
割数設定画面では、たとえば、上から順に、「係員呼出設定」と書かれたボタン51、「ベルト交換実施確認」と書かれたボタン52、「割数設定(小さいメダル)」と書かれたボタン53、「割数設定(大きいメダル)」と書かれたボタン54、「戻る」や「前頁」や「次頁」と書かれたボタン55が表示されている。ここでは、ボタン53、54について説明する。なお、小さいメダルとは、φ25メダルのことであり、大きいメダルとは、φ30メダルのことである(以下同様)。
【0075】
メダル計数処理を行う前(たとえば遊技店の開店前)に、店員が、ボタン53、54を押してφ25メダルおよびφ30メダルのそれぞれの割数を設定する。詳しくは、φ25メダルの割数を設定する場合には、ボタン53を押して割数を設定し、φ30メダルの割数を設定する場合には、ボタン54を押して割数を設定する。
次に、メダル計数処理における表示パネル4(図1参照)の表示について説明する。
【0076】
図7は、メダル計数処理における表示パネル4の表示の一例を示している。図8は、メダル計数処理における表示パネル4の表示の別の例を示している。
まず、図7に示す一例について説明する。ここでは、1203枚のφ25メダルが投入口3(図1参照)に投入されてメダル計数機1で計数されるものとする。
メダルが投入口3に投入されておらず、メダル計数処理が始まる前の状態では、表示パネル4には、図7(a)に示す待機画面が表示されている。待機画面では、たとえば、上から順に、「メダルを入れてください」というガイダンス、計数開始ボタン60が表示されている。
【0077】
メダルが投入口3(図1参照)に投入された後に計数開始ボタン60が押されると、メダル計数機1では、メダル計数処理が開始される。メダル計数処理が開始されると、図7(a)の待機画面が、図7(b)に示す計数中画面に切替わる。計数中画面では、たとえば、上から順に、メダル計数処理の進行状況(ここでは「混合メダル計数中」)、計数を終えた(センサ35に検出されてカウントされた)メダルの総数(ここでは「0(ゼロ)」)が表示されている。なお、図7(b)の状態では、メダル計数処理が開始された直後であって、どのメダルも搬送路30(図3参照)の後端部に到達してセンサ35(図3参照)に検出されていないので、計数を終えたメダルはない。そのため、計数中画面において、メダルの総数の表示が0(ゼロ)となっている。
【0078】
そして、1枚のメダルが搬送路30の後端部に初めて到達して計数されると、このメダルは、φ25メダルであることから、計数中画面において、図7(b)における「混合メダル計数中」という表示が、図7(c)に示す「小さいメダル計数中」という表示に切替わる。同時に、計数中画面において、「総数」という表示の上に、「小さいメダル」という表示が新たに示され、メダルの総数の表示が「0(ゼロ)」から「1」に切替わる。
【0079】
その後、投入口3(図1参照)に投入されたφ25メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に次々到着して計数されるのに従って、計数中画面では、メダルの総数が増えていく(図示せず)。
ここで、たとえば、φ25メダルの割数が6である場合(6枚のφ25メダルが所定の景品1つと等価であるとする場合)、計数を終えたφ25メダルの総数が6に到達すると、図示されていないが、図7(c)に示す計数中画面において、メダルの総数の表示の下に、景品数および余り数が表示される(図7(d)参照)。メダルの総数と景品数と余り数との関係につき、メダルの割数に景品数を乗じた値に余り数を足したものが、メダルの総数となる。そのため、メダルの割数に景品数を乗じた値がメダルの総数と等しければ、余り数は0(ゼロ)となる。計数を終えたφ25メダルの総数が増加して割数(ここでは6)の倍数に到達する度に、景品数が1つずつ増える。
【0080】
投入口3(図1参照)に投入されたすべてのφ25メダルの計数が完了すると、図7(c)に示す計数中画面が、図7(d)に示す計数完了画面に切替わる。計数完了画面では、たとえば、上から順に、メダル計数処理の進行状況(ここでは「小さいメダル計数完了」)、計数を終えた小さいメダル(φ25メダル)の最終的な総数(投入口3に投入されたφ25メダルの枚数であり、ここでは「1203」)、φ25メダルの総数に対応する景品数および余り数、上述した計数開始ボタン60が表示される。
【0081】
計数完了画面が表示された状態で新たなφ25メダルが投入口3(図1参照)に投入されて計数開始ボタン60が押されると、計数完了画面に表示されていたφ25メダルの総数、景品数および余り数を初期値として、メダル計数処理が新たに実行される。この場合、新たなメダル計数処理によってφ25メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に到着して計数されると、図7(d)の計数完了画面に表示されていたφ25メダルの総数および景品数が逐次増加し、これに伴って余り数が変化していく。
【0082】
なお、上記の一例では、φ25メダルが計数される場合を例示したが、φ30メダルが計数される場合も、φ25メダルが計数される場合と同様の手順で、表示パネル4に各画面が表示される。ただし、φ30メダルが計数される場合、表示パネル4の各画面において、「小さいメダル」という表示が、「大きいメダル」という表示になり、また、景品数および余り数は、φ30メダルの割数に対応した値となる。
【0083】
次に、図8に示す別の例について説明する。ここでは、974枚のφ25メダル(小さいメダル)が投入口3(図1参照)に投入されてから、120枚のφ30メダル(大きいメダル)が投入され、その後、229枚のφ25メダルが投入されるものとする。つまり、投入口3には、φ25メダルが合計で1203枚投入される。そして、投入口3には、φ25メダルとφ30メダルとを合わせて、全部で1323枚のメダルが投入される。
【0084】
メダルが投入口3(図1参照)に投入されておらず、メダル計数処理が始まる前の状態では、表示パネル4には、図8(a)に示す待機画面が表示されている。この待機画面は、図7(a)で示した待機画面と同じである。
メダルが投入口3(図1参照)に投入された後に計数開始ボタン60が押されると、メダル計数処理が開始される。メダル計数処理が開始されると、図8(a)の待機画面が、図8(b)に示す計数中画面に切替わる。この計数中画面は、図7(b)で示した計数中画面と同じであるが、以下では、この計数中画面を、混合メダル計数中画面という。
【0085】
そして、1枚のメダルが搬送路30(図3参照)の後端部に初めて到達して計数されると、このメダルは、φ25メダルであることから、混合メダル計数中画面において、図8(b)における「混合メダル計数中」という表示が、図8(c)に示す「小さいメダル計数中」という表示に切替わる。同時に、混合メダル計数中画面において、「総数」という表示の上に、「小さいメダル」という表示が新たに示され、小さいメダルの総数の表示が「0(ゼロ)」から「1」に切替わる。図8(c)における計数中画面を、以下では、小さいメダル計数中画面という。
【0086】
その後、投入口3(図1参照)に投入されたφ25メダルが搬送路30の後端部に次々到着して計数されるのに従って、小さいメダル計数中画面では、φ25メダルの総数が増えていく(図示せず)。ここで、上述した図7での一例と同様に、小さいメダル計数中画面において、φ25メダルの総数の表示の下に、φ25メダルの総数に対応する景品数および余り数が適宜表示される(図8(e)参照)。
【0087】
投入口3(図1参照)に投入された974枚のφ25メダルの計数が完了すると、図8(c)に示す小さいメダル計数中画面では、φ25メダルの総数が、974となり、景品数および余り数が、974枚のφ25メダルに対応した値となる(図8(e)参照)。ここで、φ25メダルの割数は、6である。
引き続いてφ30メダルが投入口3(図1参照)に投入され、1枚のφ30メダルが搬送路30(図3参照)の後端部に初めて到達して計数されると、表示パネル4の表示が、図8(c)に示す小さいメダル計数中画面から、図8(d)に示す混合メダル計数中画面に切替わる。この混合メダル計数中画面では、計数を終えたφ25メダルの枚数(974枚)と計数を終えたφ30メダルの枚数(1枚)との合計値である「975」という数字が、総数として表示される。また、混合メダル計数中画面の左側下端には、画面切替ボタン61が表示される。画面切替ボタン61が表示されることで、ユーザは、φ25メダルだけでなく、φ30メダルも計数されていることを把握する。
【0088】
混合メダル計数中画面が表示された状態で画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、混合メダル計数中画面(図8(d)参照)から小さいメダル計数中画面(図8(e)参照)に切替わる。図8(e)に示す小さいメダル計数中画面では、混合メダル計数中画面(図8(d)参照)での総数が975枚である時点における、小さいメダル(φ25メダル)の総数(ここでは974枚)、φ25メダルの総数に対応する景品数および余り数が表示される。また、小さいメダル計数中画面の左側下端には、画面切替ボタン61が表示される。
【0089】
小さいメダル計数中画面が表示された状態で画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、小さいメダル計数中画面(図8(e)参照)から大きいメダル計数中画面(図8(f)参照)に切替わる。図8(f)に示す大きいメダル計数中画面では、混合メダル計数中画面(図8(d)参照)での総数が975枚である時点における、大きいメダル(φ30メダル)の総数(ここでは1枚)、φ30メダルの総数に対応する景品数および余り数が表示される。また、大きいメダル計数中画面の左側下端には、画面切替ボタン61が表示されており、画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、混合メダル計数中画面(図8(d)参照)に切替わる。大きいメダル計数中画面から混合メダル計数中画面に直接切替わってもよいし、小さいメダル計数中画面(図8(e)参照)を経由して大きいメダル計数中画面から混合メダル計数中画面に切替わってもよい。
【0090】
そして、図8(d)を参照して、投入口3(図1参照)に投入された120枚のφ30メダルの計数が完了し、さらに、229枚のφ25メダルが投入され、229枚のφ25メダルの計数が完了すると、表示パネル4の表示が、図8(d)に示す混合メダル計数中画面から、図8(g)に示す混合メダル計数完了画面に切替わる。
混合メダル計数完了画面では、その上端に、メダル計数処理の進行状況(ここでは「混合メダル計数完了」)が表示される。また、混合メダル計数完了画面では、メダル計数処理の進行状況の下方に、計数を終えたφ25メダルの枚数(1203枚)と計数を終えたφ30メダルの枚数(120枚)との合計値である「1323」という数字が、総数として表示される。また、混合メダル計数完了画面の左側下端には、画面切替ボタン61が表示され、画面切替ボタン61の右隣りには、計数開始ボタン60が表示される。上述した第2の例(図4(b)参照)では、表示パネル4に混合メダル計数完了画面が表示されたときに、メダル計数機1の制御部50が、φ25メダルおよびφ30メダルの枚数情報および種類情報を、レシート発行機40およびホールコンピュータ41のそれぞれに出力する。これにより、レシート発行機40では、レシートR30およびR25(図5参照)の発行が可能となる。
【0091】
混合メダル計数完了画面が表示された状態で画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)から小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)に切替わる。図8(h)に示す小さいメダル計数完了画面では、混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)での総数が1323枚である時点における、小さいメダル(φ25メダル)の総数(ここでは1203枚)、φ25メダルの総数に対応する景品数および余り数が表示される。また、小さいメダル計数完了画面にも、画面切替ボタン61および計数開始ボタン60が表示される。
【0092】
小さいメダル計数完了画面が表示された状態で画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)から大きいメダル計数完了画面(図8(i)参照)に切替わる。図8(i)に示す大きいメダル計数完了画面では、混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)での総数が1323枚である時点における、大きいメダル(φ30メダル)の総数(ここでは120枚)、φ30メダルの総数に対応する景品数および余り数が表示される。ここで、φ30メダルの割数は、6.5である。また、大きいメダル計数完了画面にも、画面切替ボタン61および計数開始ボタン60が表示されており、画面切替ボタン61を押すと、表示パネル4の表示が、混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)や小さいメダル計数完了画面(図8(i)参照)に切替わる。
【0093】
なお、混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)、小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)および大きいメダル計数完了画面(図8(i)参照)のうち、どの画面を優先的に表示するかは、任意である。たとえば、計数されたメダルのうち、総数が最も多かったφ25メダルについての計数結果を優先的に表示すべく、小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)が最初に表示されるようにして、画面切替ボタン61を押すことで小さいメダル計数完了画面が他の計数完了画面に切替わってもよい。また、画面切替ボタン61を押さなくても、たとえば3秒経過する度に、各計数完了画面が自動的に切替わってもよい。
【0094】
そして、図8(g)〜(i)に示すいずれかの計数完了画面が表示された状態で新たなメダルが投入口3(図1参照)に投入されて計数開始ボタン60が押されると、各計数完了画面に表示されていたメダルの総数、景品数および余り数を初期値として、メダル計数処理が新たに実行される。この場合、新たなメダル計数処理によってメダルが搬送路30(図3参照)の後端部に到着して計数されると、図8(g)〜(i)の各計数完了画面に表示されていたメダルの総数や景品数が適宜増加し、これに伴って余り数が変化していく。
【0095】
ここで、図8に示す例では、投入口3(図1参照)に投入されるメダルの順番の都合上、メダル計数処理において、最初に搬送路30(図3参照)の後端部に到達して計数されたメダルがφ25メダルであったので、図8(b)に示す混合メダル計数中画面は、図8(c)に示す小さいメダル計数中画面に切替わった。逆に、最初に搬送路30の後端部に到達して計数されたメダルがφ30メダルであれば、図8(b)に示す混合メダル計数中画面は、上述した大きいメダル計数中画面(図8(f)参照)に切替わる。
【0096】
また、最初にφ25メダルの計数が行われた後に続いてφ30メダルの計数が行われた場合に、表示パネル4の表示が、小さいメダル計数中画面(図8(c)参照)から、混合メダル計数中画面(図8(d)参照)に切替わった。しかし、φ30メダルの計数中においても、小さいメダル計数中画面(最初に計数されたメダルの計数中画面)は、混合メダル計数中画面に切替わることなく、引き続き、優先的に表示されていてもよい。小さいメダル計数中画面がそのまま表示される代わりに、画面切替ボタン61(図8(e)参照)が表示されることで、ユーザは、φ25メダルだけでなく、φ30メダルも計数されていることを把握する。そして、すべてのメダルの計数が完了して小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)が表示された後に、ユーザは、画面切替ボタン61を押して大きいメダル計数完了画面(図8(i)参照)を表示させて、φ30メダルが何枚あるかを把握する。
【0097】
また、最初に計数されるメダルの種類にかかわらず、メダルの計数中には、混合メダル計数中画面(図8(b)および(d)参照)が優先的に表示されてもよい。そして、すべてのメダルの計数が完了して混合メダル計数完了画面(図8(g)参照)が表示された後に、ユーザは、画面切替ボタン61を押して小さいメダル計数完了画面(図8(h)参照)や大きいメダル計数完了画面(図8(i)参照)を表示させて、φ25メダルおよびφ30メダルがそれぞれ何枚あるかを把握する。
【0098】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施形態では、メダル計数機1は、直径の異なる2種類のメダルを計数しているが、模様の異なる2種類のメダルを計数してもよい。この場合、メダル計数機1では、上述したセンサ35(図3参照)に、メダルの模様を識別できるイメージセンサを使用し、イメージセンサの識別結果に基づいてメダル種類を判別する。さらに、メダル計数機1は、直径および模様の違いを組み合わせて、2種類以上のメダルを計数してもよい。また、複数の光学センサがライン状に配置された識別手段を用いて、メダルの径を判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本願発明の一実施形態に係るメダル計数機1を正面右側から見た斜視図である。
【図2】1つの計数ユニット6を正面右側から見た斜視図である。
【図3】搬送機構12および判別機構13が見える位置における計数ユニット6の要部平面図である。
【図4】(a)は、メダル計数機1と外部機器との第1の例に係る接続関係を示し、(b)は、メダル計数機1と外部機器との第2の例に係る接続関係を示している。
【図5】(a)は、φ30メダルの枚数情報が記載されたレシートR30を示し、(b)は、φ25メダルの枚数情報が記載されたレシートR25を示している。
【図6】表示パネル4に表示された割数設定画面を示している。
【図7】メダル計数処理における表示パネル4の表示の一例を示している。
【図8】メダル計数処理における表示パネル4の表示の別の例を示している。
【符号の説明】
【0100】
1 メダル計数機
11 繰出機構
30 搬送路
35 センサ
40 レシート発行機
40A レシート発行機
40B レシート発行機
44 メダル計数システム
50 制御部
R レシート
R25 レシート
R30 レシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のメダルの枚数を数えるメダル計数機であって、
メダルを受け入れて繰り出す繰出部と、
前記繰出部によって繰り出されたメダルを1枚ずつ搬送する搬送路と、
前記搬送路に設けられ、前記搬送路を搬送されるメダルの種類を判別する判別手段と、
前記判別手段によって第1種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第1のパルス出力手段と、
前記判別手段によって第2種類のメダルか判別される度にパルスを出力する第2のパルス出力手段と、
を含むことを特徴とする、メダル計数機。
【請求項2】
複数種類のメダルの枚数を数えるメダル計数機であって、
メダルを受け入れて繰り出す繰出部と、
前記繰出部によって繰り出されたメダルを1枚ずつ搬送する搬送路と、
前記搬送路に設けられ、前記搬送路を搬送されるメダルの種類を判別する判別手段と、
前記判別手段によって種類が判別されたメダルの枚数を種類毎に数える計数手段と、
前記計数手段によって数えられた各種類のメダルの枚数情報を、メダルの種類情報とともに出力する情報出力手段と、
を含むことを特徴とする、メダル計数機。
【請求項3】
メダル計数処理において、前記判別手段が最初に判別した種類と異なる種類のメダルは計数対象外とする選別手段を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のメダル計数機。
【請求項4】
請求項1記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含み、
前記記録媒体発行機は、
前記第1のパルス出力手段から出力されるパルスに基づいて、前記第1種類のメダルの枚数情報が記録された第1の記録媒体を発行する第1の記録媒体発行機と、
前記第2のパルス出力手段から出力されるパルスに基づいて、前記第2種類のメダルの枚数情報が記録された第2の記録媒体を発行する第2の記録媒体発行機と、
を含むことを特徴とする、メダル計数システム。
【請求項5】
請求項2記載のメダル計数機と、当該メダル計数機と接続された記録媒体発行機とを含み、
前記記録媒体発行機は、前記情報出力手段から出力されるメダルの枚数情報、および、メダルの種類情報にもとづいて、それら情報を印字した記録媒体を発行することを特徴とする、メダル計数システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−69084(P2010−69084A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241121(P2008−241121)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】