説明

メディア攪拌ミル

【課題】運転停止の際に、粉砕メディアが、羽根車駆動軸の中空内部内への入り込みを極力おさえることのできるメディア攪拌ミルを提供する。
【解決手段】本発明のメディア攪拌ミルにおいは、攪拌部材の中空内部にメディア分離用羽根車が配置され、前記メディア分離用羽根車は、周方向に間隔をもって配置された複数の羽根部材を備え、中空駆動軸によって回転駆動され、該中空駆動軸の一端は前記メディア分離用羽根車の内部に開口して原料出口を形成し、この原料出口に、弾性材料で形成され、該原料出口を開閉する開閉弁が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌部材を有する筒状の粉砕タンク内に粉砕メディアが入れられ、該粉砕タンクに被粉砕原料を導入して攪拌部材を回転駆動することにより粉砕メディアに運動を生じさせ、被粉砕原料を微細粒子に粉砕するように構成されたメディア攪拌ミルに関する。本発明の装置は、限定する意味ではないが、インク、塗料、顔料、セラミック、金属、無機物、フェライト、トナー、ガラス等の原料を微細粒子に粉砕または分散するための使用に特に適している。
【背景技術】
【0002】
メディア攪拌ミルは、粒子原料を微細粒子に粉砕または分散する用途において多用されている。この種の装置においては、原料出口において被粉砕原料を粉砕用メディアから分離するために分離装置が設けられる。従来の粉砕装置において採用されている分離装置は、スクリーン或いは固定部と回転部との間に形成した微細スリットの形態によるものが一般的である。
【0003】
スクリーン又はスリットの形態の分離装置は、近年要求が高まっているナノテクノロジーに対処するには多くの問題をはらむことが認識されている。すなわち、ナノテクノロジーにおいて要求される超微細粒子を効率的に得るには、粉砕メディアの寸法を従来に比し大幅に小さくすることが必要になる。しかし、従来の分離装置では、粉砕用メディアを小さくすると、短期間で目詰まりを生じ、かつ分離装置の部品磨耗も大きく、頻繁に整備や修理を行うことが必要になる。現在の技術では、粉砕メディアの大きさは、0.2mmが限界であるといわれている。
【0004】
従来のメディア攪拌ミルにおける上述の問題に対処するための提案が、幾つかなされている。これらの提案は、下記のものである。
【特許文献1】特開2002−306940号公報
【特許文献2】国際公開WO96/39251号
【非特許文献1】粉体工学会誌第41巻第8号(通巻423号)第16ページないし第23ページ、平成16年8月10日発行
【非特許文献2】粉体工学会第40回夏季シンポジウム講演論文集、2004年7月29日〜30日、第13ページないし第14ページ、技術講演5「微小ビーズ対応ビーズミルの凝集ナノ粒子の分散」
【0005】
非特許文献1及び2は、遠心力を利用して粉砕メディアと被粉砕粒子を含むスラリーとの分離を行うことにより、0.03mmサイズのビーズ状粉砕メディアを使用できるようにしたメディア攪拌ミルを開示している。そして、これらの文献においては、このように微小サイズの粉砕メディアを使用して、攪拌部材の回転速度を特定の範囲にすることにより、粉砕又は分散された粒子の再凝集を防止して、微細な粉砕効果が達成できたことが報告されている。これらの文献では、この装置で0.03mmサイズのビーズ状粉砕メディアを使用して粉砕を行う場合、ロータすなわち攪拌部材の周速10m/sにおいて最良の粉砕効果を達成できると述べている。
【0006】
特許文献2は、非特許文献1及び2に示された粉砕装置についての国際特許出願である。この文献に開示される粉砕装置では、分離装置は、スラリー出口側において攪拌部材を有する攪拌軸に取り付けられた一対のディスクを備える。これら一対のディスクの間にはブレードが配置され、これらディスクの間の空間が攪拌軸の中空内部に連通する。攪拌軸の中空内部がスラリー出口を構成する。
【0007】
非特許文献1及び2並びに特許文献2に記載された粉砕装置においては、一対のディスクとブレードからなる分離装置が攪拌軸により回転駆動されるため、被粉砕粒子より比重の大きい粉砕メディアが遠心力により半径方向外向きに付勢され、被粉砕粒子を含むスラリーのみが出口から排出される。この遠心作用により、0.03mmといった極めて小さいサイズの粉砕メディアでも分離装置の目詰まりを生じさせることなく分離を行うことができるものと理解される。
【0008】
しかし、これの文献に記載された粉砕装置では、分離装置が、粉砕装置のスラリー出口側端部において攪拌部材に対し軸方向に並んで配置されているので、粉砕メディアが粉砕タンクのスラリー出口付近に密集することは避けられず、実験段階ではある程度の効果が得られるとしても、長時間にわたる連続運転が必要になる実用機では、分離装置に目詰まりを生じることは避けられない。
【0009】
特許文献1は、円筒状粉砕タンク内に環状隙間を介して円筒状のロータを回転自在に配置し、該環状隙間からロータ内部を通り排出口に至る流路を形成したメディア攪拌ミルを開示する。この装置においては、ロータ内の流路の途中に、粉砕メディアをスラリーから分離するための遠心分離装置が設けられ、遠心分離した粉砕メディアを環状隙間に送り出すための循環用開口部がロータに形成される。遠心分離装置は、ロータの回転駆動軸内を貫通する別の回転駆動軸により回転駆動される。この特許文献1の粉砕装置では、遠心分離装置は、その回転駆動軸の端部に取り付けられた複数の羽根部材からなる羽根車により構成され、ロータ内の流路を通るスラリー及び粉砕メディアは、この羽根車の軸心に向けて送られて、羽根車の回転に伴い比重の大きい粉砕メディアが半径方向外向きに押しやられることにより、スラリーから分離される。この文献には、直径が0.1mmの粉砕メディアを使用した例が示されている。
【0010】
この特許文献1に記載された装置では、スラリーと粉砕メディアの混合物が、ロータ内の流路から羽根車の軸心部分に直接送り込まれるので、粉砕メディアが分離装置の羽根に直接当り、該羽根によって半径方向外向きに弾き飛ばされることになり、羽根車の早期の磨耗を生じる。また、この粉砕装置では、遠心分離装置部分においてスラリーに乱流が生じるため、粒子の粒度による分級作用を期待することができず、粒子は幅広い範囲に分布する粒度範囲をもつものとなる。
【0011】
そこで、本願出願人は、先に、特開2006−212488号公報において、微小直径の粉砕メディアを使用する場合に、被粉砕粒子と粉砕メディアとの確実な分離だけでなく、粒子の粒度による分級作用も達成できて、微細で、かつ、狭い粒度分布幅に粉砕された製品を得ることができ、しかも、分離装置の磨耗が少ないメディア攪拌ミルを提案した。
【特許文献3】特開2006−212488号公報
【0012】
上記公報で提案されたメディア攪拌ミルは、原料入口を有する筒状の粉砕タンク内に攪拌部材が回転自在に配置され、該粉砕タンク内に形成される粉砕室に粉砕メディアが入れられており、原料入口から被粉砕物を含む原料を導入しながら攪拌部材を回転駆動することにより粉砕メディアを攪拌し、被粉砕物を微細粒子に粉砕するようになったメディア攪拌ミルであって、攪拌部材は、外周部に筒状壁を有し一端が端部開口により開口した中空の筒型とし、筒状壁には粉砕メディア循環のための複数の循環用開口を該筒状壁の周方向に間隔をもって形成されており、攪拌部材の中空内部には、該攪拌部材と同軸に回転自在にメディア分離用羽根車が配置されており、このメディア分離用羽根車は、周方向に間隔をもって配置された複数の羽根部材を備え、回転するメディア分離用羽根車の羽根部材の作用により比重の大きい粉砕メディアに遠心力により半径方向外向き運動を与えるとともに、該メディア分離用羽根車の内部を介して、粉砕された被粉砕物を含む原料を外部に排出するようになっており、上記メディア分離用羽根車の上記複数の羽根部材は、天板と、該天板に対して軸方向に間隔をもって配置された底板との間に周方向に間隔をもって固定されていることが好ましく、上記天板には中空の羽根車駆動軸が固定され、該羽根車駆動軸の中空内部が羽根車の天板と底板との間の空間に開口して原料出口を形成することが好ましい。
【0013】
上記メディア攪拌ミルにあっては、メディア分離用羽根車により微細な粉砕メディアの原料からの分離を確実に行えるという大きな効果があるが、メディア攪拌ミルの運転が停止した際、遠心力が無くなるため、上記の原料出口の近傍に存在していた粉砕メディアが該原料出口から上記羽根車駆動軸の中空内部に入り込んでしまうという欠点があった。この羽根車駆動軸の中空内部に入り込んでしまった粉砕メディアは、次の運転の際に、粉砕メディアが分離された原料と共に外部に導かれてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、上記したタイプのメディア分離用羽根車を備えたメディア攪拌ミルにおいて、上記したような運転停止の際の上記粉砕メディアの羽根車駆動軸の中空内部内への入り込みを極力おさえることのできるメディア攪拌ミルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、以下の(1)〜(7)の構成のメディア攪拌ミルにより達成される。
(1)原料入口を有する筒状の粉砕タンク内に攪拌部材が回転自在に配置され、前記粉砕タンク内に形成される粉砕室に粉砕メディアが入れられており、前記原料入口から被粉砕物を含む原料を導入して前記攪拌部材を回転駆動することにより前記粉砕メディアを攪拌し、被粉砕物を微細粒子に粉砕するようになったメディア攪拌ミルであって、
前記攪拌部材は、外周部に筒状壁を有し一端が端部開口により開口した中空の筒型であり、前記筒状壁には粉砕メディア循環のための複数の循環用開口が該筒状壁の周方向に間隔をもって形成され、
前記攪拌部材の中空内部には、前記攪拌部材と同軸に回転するメディア分離用羽根車が配置され、
前記メディア分離用羽根車は、周方向に間隔をもって配置された複数の羽根部材を備え、中空駆動軸によって回転駆動され、該中空駆動軸の一端は前記メディア分離用羽根車の内部に開口して原料出口を形成し、
回転するメディア分離用羽根車の羽根部材の作用により比重の大きい粉砕メディアに遠心力により半径方向外向き運動を与えるとともに、該メディア分離用羽根車の内部に開口した前記原料出口を介して、粉砕された被粉砕物を含む原料を外部に排出するようになっており、
前記原料出口には、該原料出口を開閉する開閉弁が設けられており、この開閉弁は、前記メディア分離用羽根車が停止しているときには前記原料出口を閉じる閉位置に位置しており、前記メディア分離用羽根車が回転しているときには、その回転による遠心力により前記原料出口を開く開位置に位置するようになっている
ことを特徴とするメディア攪拌ミル。
(2)前記開閉弁は、エラストマー系の弾性材料で形成されている上記(1)のメディア攪拌ミル。
(3)前記開閉弁は、金属系の弾性材料で形成されている上記(1)のメディア攪拌ミル。
(4)前記メディア分離用羽根車の前記複数の羽根部材は、前記中空駆動軸の原料出口となる端部に対向して設けられた端板に固定されており、該中空駆動軸の原料出口側の端部には円錐形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、他端が円錐斜面の途中に開口し原料出口となった出口通路が設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、メディア分離用羽根車の端板に取り付けられたスカート状の開閉弁であり、このスカート状の開閉弁の先端は、この開閉弁が閉位置にあるとき、前記出口部材の出口通路より外周側の円錐斜面の部分に接触しており、開位置にあるとき開いて、前記先端が前記円錐斜面から離れるようになっている上記(1)〜(3)のいずれかのメディア攪拌ミル。
(5)前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円錐形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、他端が円錐斜面の途中に開口し原料出口となった出口通路が設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口部材の円錐斜面に沿って、前記原料出口の上側から該原料出口を跨いで該原料出口の下側まで延びる板状の開閉弁であり、この板状の開閉弁は、上側端が固定され、下側端が自由端となっており、該開閉弁は、閉位置にあるとき前記原料出口を閉じ、開位置にあるとき下側端が前記出口部材の円錐斜面から離れて前記原料出口を開くようになっている上記(1)〜(3)のいずれかのメディア攪拌ミル。
(6)前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円筒形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、該出口部材内を軸方向に所定長延びる中空部延長部が設けられていると共に、一端が該中空部延長部に開口し、該中空部延長部と連通し、他端が円筒面に開口し原料出口となった出口通路が少なくとも1つ設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路、前記中空部延長部および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口通路に設けられた弁座、この弁座に対して接する閉位置と、この弁座から離れる開位置とを取ることができるようになっている弁体、およびこの弁体を前記メディア分離用羽根車が停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体を備え、前記メディア分離用羽根車が回転しているときには、その回転による遠心力が前記弾性体の弾性力に打ち勝って、前記弁体を前記開位置に位置させるようになっている上記(1)〜(3)のいずれかのメディア攪拌ミル。
(7)前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円筒形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、該出口部材内を軸方向に延び、他端が該出口部材の頂部に開口した出口通路が設けられており、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口通路に設けられた弁座、この弁座に対して接する閉位置と、この弁座から離れる開位置とを取ることができるようになっている弁体、およびこの弁体をメディア攪拌ミルが停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体を備え、前記メディア攪拌ミルが運転しているときには、原料の上昇した圧力が前記弾性体の弾性力に打ち勝って、前記弁体を前記開位置に位置させるようになっている上記(1)〜(3)のいずれかのメディア攪拌ミル。
【発明の効果】
【0016】
上記した構成のメディア攪拌ミルにおいては、運転中から運転を停止すると、弾性材料で形成されている開閉弁は、遠心力が無くなったことにより、自身が持つ弾性力により、閉位置に戻り、原料出口を塞ぐので、運転停止時における上記したような粉砕メディアの中空駆動軸の中空部への入り込みを極力抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態によるメディア撹拌ミルについて説明する。
図1は、本発明の実施形態によるメディア撹拌ミル10を示すものであり、このメディア撹拌ミル10は、円筒形のバレル12と、このバレル12の一端に固定された端板14と、他端に原料入口フランジ16を介して固定されたフレーム18とから構成された粉砕タンク20を備えている。
【0018】
上記粉砕タンク20の内部には、攪拌部材22が回転自在に配置されている。攪拌部材22は、外周部に円筒壁22aを有し、一端がハブ部22bにより閉鎖され、他端に開口22cが形成された中空の筒状であり、上記ハブ部22bの中心には回転駆動軸24が固定されている。この回転駆動軸24は、フレーム18を軸方向に貫通して延び、その端部は、図示しない周知の駆動機構を介して駆動源に接続されており、回転駆動される。なお、上記回転駆動軸24には、軸封25(メカニカルシール等)が設けられていて、攪拌部材22の円筒壁22aと粉砕タンク20の内周壁の間には、粉砕室C1が形成されている。原料入口フランジ16には、粉砕室C1にスラリー状の原料を導入するための原料入口路28が形成されている。この原料入口路28の粉砕室へ実際に原料を導入する原料供給口28aは、撹拌部材22の背面、すなわちそのハブ部22bの背面に位置していることが好ましい。メディア撹拌ミルにおいて周知のように、粉砕室C1内部には、ビーズ状の粉砕用メディア30が収納されている。
【0019】
攪拌部材22の内部には、この攪拌部材の円筒壁22aと同軸に配置され、スラリー状の原料内に分散した粉砕用メディア30を該原料から分離するための遠心分離方式のメディア分離用羽根車40が設けられている。このメディア分離用羽根車40と攪拌部材22の円筒壁22aの間の空間をメディア分離室C2と称する。上記回転駆動軸24は、その中空内部がメディア分離用羽根車40の内部空間に開口(原料出口26a)して、粉砕された原料スラリーを粉砕タンク20外部に排出する原料出口路26を構成している。
【0020】
上記メディア分離用羽根車40は、攪拌部材22のハブ部22bに対向して配置された端板41を有し、このハブ部22bと端板41の間の外周縁部には、複数の羽根部材40aが周方向に等間隔で配置されている。上記羽根部材40aは、図2に示したように完全に放射状に配置してもよいし、図3に示したように傾斜して配置してもよい。
【0021】
原料出口路26は端板14側に配置することもできる。具体的には、端板14の中央に円形の開口を設けるとともに、原料出口路を構成する導管を端板14に取り付け、固定式とする。この導管は、上記回転駆動軸24と同軸に設けられることが好ましく、その一端(内端)が端板14に設けた開口を通って、メディア分離用羽根車40内の空間内に位置して、粉砕され、メディアが分離された原料スラリーを受け入れるようになっている。
【0022】
上記攪拌部材22の円筒壁22aには、図4に示されているように周方向に等間隔でメディア循環用の開口22dが複数形成されている。この開口22dは、攪拌部材22の回転方向(矢印で示した)に対して、図4に示した方向に斜めに傾斜させることが好ましい。攪拌部材22のハブ部22bの周縁にも、図4に示されているように周方向に等間隔でメディア循環用の開口22eが複数形成されている。これらのメディア循環用の開口により、メディア分離室C2と粉砕室C1が連通され、粉砕用メディア30は攪拌部材の内部空間から外部に向かって自由に移動でき、粉砕用メディア30の自由度が上がり効果的な動きができ粉砕効率が向上する。
【0023】
本発明の実施の形態のメディア攪拌ミル10においては、上記回転駆動軸24の原料出口26a側の端部には円錐形の出口部材42がその底部を回転駆動軸24側に向けた状態で、固定・設置されている。この出口部材42には、一端が前記底部に開口し、前記回転駆動軸24の中空部と連通し、他端が円錐斜面42aの途中に開口し原料出口42bとなった出口通路42cが設けられている。前記粉砕用メディア30から分離された原料は、前記出口通路42cおよび前記回転駆動軸24の原料出口路26を介して外部に排出されるようになっている。なお、本明細書においては、上記出口部材42も回転駆動軸24の一部と考え、出口通路42cも原料出口路26の一部と考え、全体としての原料出口路26の原料出口を原料出口42bと考える。以下、他の実施の形態あるいは変形例においても同様に考える。
【0024】
本実施の形態によるメディア攪拌ミル10は、弾性材料で形成され、前記原料出口を開閉する開閉弁45が設けられている。この開閉弁45は、前記メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が停止しているときには前記原料出口42bを閉じる閉位置に位置しており、前記メディア分離用羽根車40が回転しているときには、その回転による遠心力により弾性力に打ち勝って前記原料出口42bを開く開位置に位置するようになっている。この開閉弁45は、前記メディア分離用羽根車が停止したときには遠心力が無くなるので、その弾性力により自動的に前記閉位置に復帰する。この開閉弁45は、メディア分離用羽根車40の端板41に取り付けられたスカート状の開閉弁であり、このスカート状の開閉弁45の先端45aは、この開閉弁45が閉位置(図1に実線で示した)にあるとき、前記出口部材42の原料出口42bより外周側の円錐斜面42aの部分に接触しており、開位置(図1に破線で示した)にあるとき開いて、前記先端45aが前記円錐斜面42aから離れるようになっている。本明細書においては、この例のように、閉位置において、開閉弁が原料出口42bに直接接触せずに、原料出口42bを密封的に取り囲み、開位置において、この密封的な取り囲みを解除する場合も、原料出口の開閉に含むものとする。
【0025】
ここで、上記開閉弁45に用いられる弾性材料としては、エラストマー系(ゴム系を含む)の弾性材料と金属系の弾性材料が用いられる。エラストマー系の弾性材料としては、EPDM、ニトリルゴム、フッ素ゴム、パーフロロエラストマー等が挙げられる。金属系の弾性材料としては、SUS系合金、チタン系合金、ニッケル系合金等が挙げられる。
【0026】
次に、図5を参照して、出口部材および開閉弁の変形例について説明する。ここでは、符号50で開閉弁を示し、符号52で出口部材を示す。他の符号については、図1のものと同一な部品・部分を表す場合には、同一の符号を付して示した。出口部材52は、図1に示した出口部材42とほぼ近似した円錐形の形状を有している。
【0027】
この出口部材52には、一端が前記底部に開口し、前記回転駆動軸24の中空部と連通し、他端が円錐斜面52aの途中に開口し原料出口52bとなった出口通路52cが設けられている。前記粉砕用メディア30から分離された原料は、前記出口通路52cおよび前記回転駆動軸24の原料出口路26を介して外部に排出されるようになっている。なお、本明細書においては、上記出口部材52も回転駆動軸24の一部と考え、出口通路52cも原料出口路26の一部と考え、全体としての原料出口路26の原料出口を原料出口52bと考える。
【0028】
上記出口部材52の表面は、図5に示したように傘形のざぐり52dが設けられており、そして、このざぐり52dに、該ざぐりの形状に丁度当てはまる形状(即ち傘形)の弾性材料で形成された開閉弁50が配置されている。この開閉弁50は、その頂部において、上記出口部材52にネジ51により固定され、その周縁は自由縁となっている。この開閉弁50の弾性材料は、上記図1に示したスカート状の開閉弁45の材料と同じであってよい。
【0029】
この開閉弁50は、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が停止しているとき、図5に実線で示した原料出口52bを閉じる閉位置にあり、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が運転(回転)しているとき、その遠心力により図5に鎖線で示した原料出口52bを開く開位置に移動する。この開閉弁50は、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)の運転(回転)が停止すると、その弾性力により再び上記の閉位置に移動する。
【0030】
以上説明したように、開閉弁45、50は、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が運転(回転)しているときには、上記したように開位置に移動して原料出口42b、52bを開き、原料を原料出口路26に導入して、粉砕タンク20外部に排出する。このときは、メディア分離用羽根車40が回転しているので、その遠心力により、粉砕用メディア30は、外方に向かう力が作用し、少なくともメディア分離用羽根車40より外側に位置し、原料出口42b、52bに近づくことがないので、排出されてしまうようなことはない。一方、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)の運転(回転)が停止したときには、開閉弁45、50は、上記したような開位置に移動して原料出口42b、52bを閉じるので、このときも粉砕用メディア30は、原料出口路26に導入されて排出されてしまうことがない。
【0031】
次に、図6を参照して、出口部材および開閉弁の他の変形例について説明する。ここでは、符号70で開閉弁を示し、符号72で出口部材を示す。他の符号については、図1のものと同一な部品・部分を表す場合には、同一の符号を付して示した。
【0032】
出口部材72は、ほぼ円筒形の形状を有しており、前記回転駆動軸24の原料出口26a側の端部にその底部を回転駆動軸24側に向けた状態で固定・設置されている。この出口部材72には、一端が前記底部に開口し、前記回転駆動軸24の中空部で構成された原料出口路26と連通し、該出口部材72内を軸方向に所定長延びる中空部延長部72aが設けられていると共に、一端が該中空部延長部72aに開口し、該中空部延長部72aと連通し、出口部材72の半径方向に延び、他端が円筒面に開口し原料出口72bとなった出口通路72cが少なくとも1つ設けられている。前記粉砕用メディア30から分離された原料は、前記出口通路72c、前記中空部延長部72aおよび前記中空駆動軸24の原料出口路26を介して外部に排出されるようになっている。
【0033】
前記出口通路72cには、開閉弁70が設けられている。この開閉弁70は、前記出口通路72cに設けられたほぼ円錐台形の弁座70a、この弁座70aに対して接する閉位置(図6に実線で示した)と、この弁座70aから離れる開位置(図6に鎖線で示した)とを取ることができるようになっている弁体70b、およびこの弁体70bを前記メディア分離用羽根車40が停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体70cを備えている。なお、前記出口通路72cの前記原料出口72bの直径は、前記弾性体70cの幅より大きくなっており、原料が通過することのできる間隙が形成されていることが好ましい。前記弾性体70cは、ゴム等で形成され、ゴムバンド(輪ゴム)のような形状をしており、出口部材72の円筒面を周回した状態で配置されている。前記メディア分離用羽根車40が回転しているときには、前記弁体70bは、その回転による遠心力が前記弾性体70cの弾性力に打ち勝って、前記開位置に移動しそのまま維持される。
【0034】
この開閉弁70の弁体70bは、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が停止しているとき、図6に実線で示した出口通路72cを閉じる閉位置にあり、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)が運転(回転)しているとき、その遠心力により図6に破線で示した出口通路72cを開く開位置に移動する。この開閉弁70の弁体70bは、メディア分離用羽根車40(メディア攪拌ミル10)の運転(回転)が停止すると、遠心力が無くなるため、弾性体70cの弾性力により再び上記の閉位置に移動する。
【0035】
次に、図7を参照して、出口部材および開閉弁の更に他の変形例について説明する。ここでは、符号80で開閉弁を示し、符号82で出口部材を示す。他の符号については、図1のものと同一な部品・部分を表す場合には、同一の符号を付して示した。
【0036】
出口部材82は、ほぼ円筒形の形状を有しており、前記回転駆動軸24の原料出口26a側の端部にその底部を回転駆動軸24側に向けた状態で固定・設置されている。この出口部材82には、一端が前記底部に開口し、前記回転駆動軸24の中空部で構成された原料出口路26と連通し、該出口部材82内を軸方向に延び、他端が該出口部材82の頂部に開口し原料出口82aとなった出口通路82bが設けられている。前記粉砕用メディア30から分離された原料は前記出口通路82bおよび前記回転駆動軸24の原料出口路26を介して外部に排出されるようになっている。
【0037】
前記出口通路82bには、前記開閉弁80が設けられている。この前記出口通路に段差状に設けられた弁座80a、この弁座80aに対して接する閉位置(図7に実線で示した)と、この弁座80aから離れる開位置(図7に鎖線で示した)とを取ることができるようになっている弁体80b、およびこの弁体80bをメディア攪拌ミル10が停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体であるコイルバネ80cを備えている。前記メディア攪拌ミルが運転しているときには、原料(ズラリー)の圧力が上昇するが、この上昇した圧力が前記コイルバネ80cの弾性力に打ち勝って、前記弁体80bを前記開位置に位置させるようになっている。この開閉弁80の弁体80bは、メディア攪拌ミル10の運転が停止すると、原料(ズラリー)の圧力が下降するため、コイルバネ80cの弾性力により再び上記の閉位置に移動する。
【0038】
なお、以上の説明においては、メディア分離用羽根車を攪拌部材と一体的に回転する形式のものを説明したが、メディア分離用羽根車は、攪拌部材と完全に分離したものとしてもよい。この場合、メディア分離用羽根車と攪拌部材は個別に駆動するのがよい。メディア分離用羽根車の回転を攪拌部材の回転とは独立に制御できるようにすると、該羽根車を分級のために最適な回転速度で駆動できるようになり、優れた分級効果を達成することができる。典型的には、攪拌部材の回転速度は4〜15m/sとすればよいが、最も普通の回転速度は10〜12m/sである。メディア分離用羽根車の回転速度は、典型的には4〜20m/sとすればよいが、通常は10m/sで十分に満足できる効果が得られる。
【0039】
図8は、本発明のメディア撹拌ミル10を使用する一態様を示す概略図であり、本メディア撹拌ミル10は、循環系53を介して、原料出口路26と原料入口路28を連通し、原料を循環させ、メディア撹拌ミル10により徐々に粉砕・分散を行う循環型のものである。この循環系53はパイプ55を備え、メディア撹拌ミル10の原料出口路26は、このパイプ55の一端に接続され、該パイプ55の他端はスラリータンク57の上部に開放されている。タンク57の底部はパイプ54によりポンプ56を介して粉砕装置の原料入口路28に接続される。スラリータンク57内には、電動モータ58により回転駆動される撹拌羽根60が配置される。この配置により、スラリーは被粉砕粒子が所望の微細粒に粉砕されるまで、繰り返し本メディア撹拌ミル10に通される。
【0040】
作動においては、原料入口路28から被粉砕粒子を含むスラリーである原料を導入しながら撹拌部材22を回転駆動する。この時、開閉弁45、50、70、80は開いている。粉砕室C1内に導入されたスラリーは、粉砕用メディア30とともに撹拌され、粉砕室C1内で回転運動を生じる。この粉砕メディアの回転運動のため、粉砕室C1内においてはメディア撹拌ミルに周知の作用により、スラリー内の被粉砕粒子が粉砕ないしは分散される。スラリーは、粉砕用メディア30とともに主に撹拌部材22の端部開口22cから撹拌部材の中空内部すなわちメディア分離室C2に入る。ここで、スラリー及びメディアにはメディア分離用羽根車40により回転運動が与えられる。この回転運動により、比重の大きいメディアは半径方向外向きに付勢され、撹拌部材の円筒壁やハブ部に形成した循環用開口22d、22eから粉砕室C1に戻される。この場合、被粉砕粒子のうち、粉砕が不十分で粒子サイズが大きいものも同様に挙動する。一方、十分に粉砕されて比重が小さくなった粒子を含むスラリーは、メディア分離用羽根車内の空間に入り駆動軸の内部の原料出口路から排出される。この構成により、粒度分布幅の狭い粉砕を達成することが可能になる。メディア攪拌ミルの運転が停止されると、開閉弁45、50、70、80は原料出口42b、52b、あるいは出口通路72c、82bを閉じる閉位置に自動的に移動し、粉砕メディアが外部に排出されてしまうのを阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施態様によるメディア撹拌ミルを示す断面図である。
【図2】図1に示したメディア分離用羽根車の1例を示す断面図である。
【図3】図1に示したメディア分離用羽根車の他の例を示す断面図である。
【図4】図1に示したメディア撹拌ミルに使用されている攪拌部材の断面図である。
【図5】図1に示したメディア撹拌ミルの出口部材および開閉弁を変更した例を示す断面図である。
【図6】図1に示したメディア撹拌ミルの出口部材および開閉弁を変更した他の例を示す断面図である。
【図7】図1に示したメディア撹拌ミルの出口部材および開閉弁を変更した更に他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態による循環型メディア撹拌ミルの一使用形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0042】
10 メディア撹拌ミル
12 バレル
14 端板
16 原料入口フランジ
18 フレーム
20 粉砕タンク
22 攪拌部材
22a 円筒壁
22b ハブ部
24 回転駆動軸
26 原料出口路
30 粉砕用メディア
40 メディア分離用羽根車
41 端板
40a 羽根部材
42 出口部材
45 開閉弁
50 開閉弁
52 出口部材
70 開閉弁
72 出口部材
80 開閉弁
82 出口部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料入口を有する筒状の粉砕タンク内に攪拌部材が回転自在に配置され、前記粉砕タンク内に形成される粉砕室に粉砕メディアが入れられており、前記原料入口から被粉砕物を含む原料を導入して前記攪拌部材を回転駆動することにより前記粉砕メディアを攪拌し、被粉砕物を微細粒子に粉砕するようになったメディア攪拌ミルであって、
前記攪拌部材は、外周部に筒状壁を有し一端が端部開口により開口した中空の筒型であり、前記筒状壁には粉砕メディア循環のための複数の循環用開口が該筒状壁の周方向に間隔をもって形成され、
前記攪拌部材の中空内部には、前記攪拌部材と同軸に回転するメディア分離用羽根車が配置され、
前記メディア分離用羽根車は、周方向に間隔をもって配置された複数の羽根部材を備え、中空駆動軸によって回転駆動され、該中空駆動軸の一端は前記メディア分離用羽根車の内部に開口して原料出口を形成し、
回転するメディア分離用羽根車の羽根部材の作用により質量の大きい粉砕メディアに遠心力により半径方向外向き運動を与えるとともに、該メディア分離用羽根車の内部に開口した前記原料出口を介して、粉砕された被粉砕物を含む原料を外部に排出するようになっており、
前記原料出口には、該原料出口を開閉する開閉弁が設けられており、この開閉弁は、前記メディア分離用羽根車が停止しているときには前記原料出口を閉じる閉位置に位置しており、前記メディア分離用羽根車が回転しているときには、その回転による遠心力により前記原料出口を開く開位置に位置するようになっている
ことを特徴とするメディア攪拌ミル。
【請求項2】
前記開閉弁は、エラストマー系の弾性材料で形成されている請求項1のメディア攪拌ミル。
【請求項3】
前記開閉弁は、金属系の弾性材料で形成されている請求項1のメディア攪拌ミル。
【請求項4】
前記メディア分離用羽根車の前記複数の羽根部材は、前記中空駆動軸の原料出口となる端部に対向して設けられた端板に固定されており、該中空駆動軸の原料出口となる端部には円錐形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、他端が円錐斜面の途中に開口し原料出口となった出口通路が設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、メディア分離用羽根車の端板に取り付けられたスカート状の開閉弁であり、このスカート状の開閉弁の先端は、この開閉弁が閉位置にあるとき、前記出口部材の出口通路より外周側の円錐斜面の部分に接触しており、開位置にあるとき開いて、前記先端が前記円錐斜面から離れるようになっている請求項1〜3のいずれかのメディア攪拌ミル。
【請求項5】
前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円錐形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、他端が円錐斜面の途中に開口し原料出口となった出口通路が設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口部材の円錐斜面に沿って、前記原料出口の上側から該原料出口を跨いで該原料出口の下側まで延びる板状の開閉弁であり、この板状の開閉弁は、上側端が固定され、下側端が自由端となっており、該開閉弁は、閉位置にあるとき前記原料出口を閉じ、開位置にあるとき下側端が前記出口部材の円錐斜面から離れて前記原料出口を開くようになっている請求項1〜3のいずれかのメディア攪拌ミル。
【請求項6】
前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円筒形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、該出口部材内を軸方向に所定長延びる中空部延長部が設けられていると共に、一端が該中空部延長部に開口し、該中空部延長部と連通し、他端が円筒面に開口し原料出口となった出口通路が少なくとも1つ設けられて、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路、前記中空部延長部および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口通路に設けられた弁座、この弁座に対して接する閉位置と、この弁座から離れる開位置とを取ることができるようになっている弁体、およびこの弁体を前記メディア分離用羽根車が停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体を備え、前記メディア分離用羽根車が回転しているときには、その回転による遠心力が前記弾性体の弾性力に打ち勝って、前記弁体を前記開位置に位置させるようになっている請求項1〜3のいずれかのメディア攪拌ミル。
【請求項7】
前記中空駆動軸の原料出口側の端部には円筒形の出口部材がその底部を中空駆動軸側に向けた状態で設けられており、この出口部材には、一端が前記底部に開口し、前記中空駆動軸の中空部と連通し、該出口部材内を軸方向に延び、他端が該出口部材の頂部に開口した出口通路が設けられており、前記粉砕メディアから分離された原料は前記出口通路および前記中空駆動軸の中空部を介して外部に排出されるようになっており、前記開閉弁が、前記出口通路に設けられた弁座、この弁座に対して接する閉位置と、この弁座から離れる開位置とを取ることができるようになっている弁体、およびこの弁体をメディア攪拌ミルが停止しているときには弾性力により前記閉位置に位置させる弾性体を備え、前記メディア攪拌ミルが運転しているときには、原料の上昇した圧力が前記弾性体の弾性力に打ち勝って、前記弁体を前記開位置に位置させるようになっている請求項1〜3のいずれかのメディア攪拌ミル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−253928(P2008−253928A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99964(P2007−99964)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(504124783)アシザワ・ファインテック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】