説明

メモリインターフェース回路

【課題】メモリチップの出力バッファにかかる負荷容量が大きい場合においても、出力バッファのサイズを大きくすることなく、読み出し波形の劣化を低減する。
【解決手段】半導体記憶素子から読み出された読み出し信号Diと基準電圧vrefが差動入力として与えられる差動回路21と、差動回路21から出力された過去の差動信号の状態から遠ざかるように、差動回路21から出力される現在の差動信号の電位を制御するイコライズ回路28と、イコライズ回路28にて制御された差動信号の状態を検出するラッチ型センスアンプ25と、ラッチ型センスアンプ25にて検出された差動信号の過去の状態を保持し、イコライズ回路28に供給する状態保持回路29とをコントローラに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリインターフェース回路に関し、特に、半導体記憶素子とコントローラとの間のデータ通信に用いられるメモリインターフェース回路に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
メモリカードやSSD(Solid State Drive)などに使用されるMCP(Multi Chip Package)では、データの記憶容量を増大させるためにNANDメモリなどのメモリチップを積層し、1つのチャネルあたりに接続されるメモリチップ数は多くなってしまう。つまり、メモリチップに記憶されているデータをメモリチップ外に出力する出力バッファが複数、それぞれのチャネルに並列に接続されることになる。このため、各メモリチップの出力バッファにかかる負荷容量が大きくなり、電源電位間で信号をグランドレベルから電源レベルへのフル振幅で遷移させるような出力回路を採用する場合、信号が十分に立ち上がる前に立ち下がるような読み出し波形の劣化(所謂、符号間干渉Inter symbol Interference:ISI)が発生し、誤読み出しが引き起こされることがある。このような問題に対処するための方法として、出力バッファのサイズを大きくし、出力バッファの駆動能力を増大させる方法がある。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、シンボル間干渉によって発生するタイミングエラーと電圧エラーが充分に補償されるようにするために、可変イコライジング制御信号に応答してオーバーサンプルされた信号の位相に応答してサンプリングクロック信号の活性化のタイミングを制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−341582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、出力バッファのサイズを大きくすると、出力バッファの寄生容量も増大するため、各メモリチップの出力バッファにかかる負荷容量がさらに大きくなり、誤読み出しに十分に対処できないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、メモリチップの出力バッファにかかる負荷容量が大きい場合においても、出力バッファのサイズを大きくすることなく、読み出し波形の劣化による悪影響を低減することが可能なメモリインターフェース回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、半導体記憶素子の読み書き制御を行うコントローラに設けられ、前記半導体記憶素子と前記コントローラとの間で信号の受け渡しを行うメモリインターフェース回路において、前記半導体記憶素子から読み出された読み出し信号と基準電圧が差動入力として与えられる差動回路と、前記差動回路から出力された過去の入力信号の状態を加味して、前記差動回路から出力される現在の差動信号の電位を制御するイコライズ回路と、前記イコライズ回路にて制御された差動信号の状態を検出するセンスアンプと、前記センスアンプにて検出された差動信号の過去の状態を保持し、前記イコライズ回路に供給する状態保持回路とを備え、さらに前記イコライズ回路の設定パラメータを個々のメモリチップに格納することを特徴とするメモリインターフェース回路を提供する。
【0008】
本発明の一態様によれば、半導体記憶素子の読み書き制御を行うコントローラに設けられ、前記半導体記憶素子と前記コントローラとの間で信号の受け渡しを行うメモリインターフェース回路において、前記半導体記憶素子から読み出された読み出し信号と第1の基準電圧が差動入力として与えられ、前記入力信号に応じて差動信号を出力する差動回路と、前記差動回路から出力された差動信号の状態を検出するセンスアンプと、前記センスアンプにて検出された差動信号の過去の状態を保持する状態保持回路と、前記状態保持回路にて保持されている前記差動信号の過去の状態に基づいて前記第1の基準電圧を制御する基準電流制御部とを備えることを特徴とするメモリインターフェース回路を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メモリチップの出力バッファにかかる負荷容量が大きい場合においても、出力バッファのサイズを大きくすることなく、読み出し波形の劣化を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るメモリインターフェース回路が適用される半導体記憶装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図2は、図1のNANDメモリ3−1の概略構成の一例を示す斜視図。
【図3】図3は、図1のメモリインターフェース回路の概略構成の一例を示す回路図。
【図4】図4は、図1のメモリインターフェース回路の動作の一例を示すフローチャート。
【図5】図5は、負荷容量を変化させた時の図1の出力バッファの信号振幅の波形を示す図。
【図6】図6は、動作周波数を変化させた時の図1の出力バッファの信号振幅の波形を示す図。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係るメモリインターフェース回路が適用される半導体記憶装置の概略構成を示すブロック図。
【図8】図8は、図7のメモリインターフェース回路の動作の一例を示すフローチャート。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係るメモリインターフェース回路の概略構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るメモリインターフェース回路について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るメモリインターフェース回路が適用される半導体記憶装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、半導体記憶装置には、n(nは2以上の整数)個のNANDメモリ3−1〜3−nが設けられるとともに、NANDメモリ3−1〜3−nのドライブ制御を行うコントローラ1が設けられている。なお、NANDメモリ3−1〜3−nのドライブ制御としては、例えば、NANDメモリ3−1〜3−nの読み書き制御、ブロック選択、誤り訂正、ウェアレベリングなどを挙げることができる。
【0013】
そして、コントローラ1には、NANDメモリ3−1〜3−nとの間で信号の受け渡しを行うメモリインターフェース回路1aが設けられている。メモリインターフェース回路1aは、NANDメモリ3−1〜3−nから読み出された過去の信号の状態を参照しつつ、NANDメモリ3−1〜3−nから読み出された現在の信号の状態を検出することができる。具体的には、メモリインターフェース回路1aは、NANDメモリ3−1〜3−nから読み出された過去の信号の状態から遠ざかるように、NANDメモリ3−1〜3−nから読み出された現在の信号の電位を制御することができる。
【0014】
例えば、1サイクル前に読み出された信号の状態が‘0’の場合、今回読み出された信号の状態が‘1’に近づくように今回読み出された信号の電位を引き上げ、1サイクル前に読み出された信号の状態が‘1’の場合、今回読み出された信号の状態が‘0’に近づくように今回読み出された信号の電位を引き下げることができる。
【0015】
また、NANDメモリ3−1〜3−nはチャネル2を介して互いに並列にコントローラ1に接続されている。ここで、例えば、NANDメモリ3aには、m(mは2以上の整数)個の半導体チップCP1〜CPmが設けられ、例えば、半導体チップCP1には、NANDフラッシュメモリ13が搭載されるとともに、NANDフラッシュメモリ13にそれぞれ接続されたパッド電極PD1〜PDmがそれぞれ形成されている。なお、NANDフラッシュメモリ13には、例えば、ユニットセルアレイ、デコーダ、センスアンプ、チャージポンプ回路およびページバッファなどを設けることができる。
【0016】
半導体チップCP1には、入力バッファ11、出力バッファ12およびプログラマブルROM14が設けられている。入力バッファ11は、コントローラ1から送られた書き込みデータやアドレスなどの制御信号をNANDフラッシュメモリ13などに受け渡すことができる。出力バッファ12は、NANDフラッシュメモリ13などから読み出された読み出しデータをコントローラ1に受け渡すことができる。なお、出力バッファ12は、シングルエンドタイプのインターフェースとして用いることができ、電源-グランドレベル間で信号がフル振幅で遷移される信号を用いることができる。また、入力バッファ11および出力バッファ12としては、例えば、直列接続されたPMOSとNMOSから構成された回路を用いることができる。
【0017】
プログラマブルROM14は、メモリインターフェース回路1aにて半導体チップCP1から読み出された現在の信号の状態が検出される際に、半導体チップCP1から読み出された過去の信号の状態の寄与分を設定するための設定値を記憶することができる。なお、この設定値は、自己の半導体チップCP1に設けられたNANDフラッシュメモリ13のトランジスタ特性などに応じて最適化することができる。なお、半導体チップCP1以外の半導体チップCP2〜CPmについても同様である。
【0018】
そして、m個の半導体チップCP1〜CPmは、1個の半導体パッケージPK1上に実装され、この半導体パッケージPK1の外部端子TMは、m個の半導体チップCP1〜CPmのパッド電極PD1〜PDmにて共有されている。なお、半導体チップCP1〜CPmを半導体パッケージPK1上に実装する方法としては、半導体チップCP1〜CPmを積層させる方法でもよいし、半導体チップCP1〜CPmを同一平面上に配列する方法でもよい。また、半導体チップCP1〜CPmは、フェースダウン実装でもよいし、フェースアップ実装でもよい。また、m個のパッド電極PD1〜PDmにて1個の外部端子TMを共有させる方法としては、m個のパッド電極PD1〜PDmと1個の外部端子TMとをボンディングワイヤBWにて接続することができる。あるいは、半導体チップCP1〜CPmをフリップ実装し、パッド電極PD1〜PDmに形成されたバンプ電極を介してパッド電極PD1〜PDmと外部端子TMとを互いに接続するようにしてもよい。あるいは、半導体チップCP1〜CPmに貫通電極を形成し、この貫通電極を介してパッド電極PD1〜PDmと外部端子TMとを互いに接続するようにしてもよい。なお、NANDメモリ3−1以外のNANDメモリ3−2〜3−nについても同様である。また、この半導体記憶装置は、メモリカードやSSDなどのストレージデバイスとして用いることができる。
【0019】
図2は、図1のNANDメモリ3−1の概略構成の一例を示す斜視図である。なお、図2の例では、m=4の場合を例にとった。
図2において、半導体チップCP1〜CP4には、パッド電極PD1〜PD4がそれぞれ形成されている。なお、パッド電極PD1〜PD4は、例えば、アドレス端子、リード/ライト端子、チップセレクト端子またはデータ端子として用いることができる。また、半導体パッケージPK1には、外部端子TM1〜TM17が形成されている。そして、4個分の半導体チップCP1〜CP4を積層させて半導体パッケージPK1上に実装する場合、パッド電極PD1〜PD4が露出するように半導体チップCP1〜CP4をずらして積層させることができる。そして、ボンディングワイヤBWを介して、例えば、パッド電極PD1〜PD4を外部端子TM1に共通に接続することで、4個分の半導体チップCP1〜CP4のパッド電極PD1〜PD4にて1個の外部端子TM1を共有させることができる。
【0020】
図3は、図1のメモリインターフェース回路の概略構成の一例を示す回路図である。
図3において、メモリインターフェース回路1aには、差動回路21、イコライズ回路28、イコライズ回路にて制御された差動信号の状態を検出するラッチ型センスアンプ25および状態保持回路29が設けられている。
【0021】
差動回路21は、NANDメモリ3−1〜3−nから読み出された読み出し信号Diと基準電圧vrefを差動入力とし、差動出力として差動信号rout、routbを生成することができる。イコライズ回路28は、差動回路21から出力された過去の差動信号rout、routbの状態から遠ざかるように、差動回路21から出力される現在の差動信号rout、routbの電位を制御することができる。ラッチ型センスアンプ25は、イコライズ回路28にて制御された差動信号rout、routbの状態をクロック信号clkに同期して検出し、検出信号saout、saoutbとして出力することができる。状態保持回路29は、ラッチ型センスアンプ25にて検出された差動信号rout、routbの過去の状態を保持し、イコライズ回路28に供給することができる。
【0022】
具体的には、差動回路21には、NチャンネルトランジスタT1、T2、抵抗R1、R2および電流源A1が設けられている。そして、NチャンネルトランジスタT1のドレインは抵抗R1を介して電源電位VDDに接続され、NチャンネルトランジスタT2のドレインは抵抗R2を介して電源電位VDDに接続されている。また、NチャンネルトランジスタT1、T2のソースは電流源A1に接続されている。また、NチャンネルトランジスタT1のゲートには読み出し信号Diが入力され、NチャンネルトランジスタT2のゲートには基準電圧vrefが入力される。なお、基準電圧vrefの値は、例えば、図1の出力バッファ12の電源電位VCCQの1/2に設定することができる。
【0023】
イコライズ回路28には、イコライズ回路22、23および電流設定回路26が設けられている。ここで、イコライズ回路23は、差動回路21から出力された1サイクル前の差動信号rout、routbの状態を打ち消すように、差動回路21から出力される現在の差動信号rout、routbの電位を制御することができる。イコライズ回路22は、差動回路21から出力された2サイクル前の差動信号rout、routbの状態を打ち消すように、差動回路21から出力される現在の差動信号rout、routbの電位を制御することができる。
【0024】
ここで、イコライズ回路22には、NチャンネルトランジスタT3、T4および可変電流源A2が設けられている。そして、NチャンネルトランジスタT3のドレインはNチャンネルトランジスタT1のドレインに接続され、NチャンネルトランジスタT4のドレインはNチャンネルトランジスタT2のドレインに接続されている。また、NチャンネルトランジスタT3、T4のソースは可変電流源A2に接続されている。また、NチャンネルトランジスタT3のゲートには基準電圧vrefが入力され、NチャンネルトランジスタT4のゲートにはフリップフロップF1の出力Qpreが入力される。
【0025】
また、イコライズ回路23には、NチャンネルトランジスタT5、T6および可変電流源A3が設けられている。そして、NチャンネルトランジスタT5のドレインはNチャンネルトランジスタT2のドレインに接続され、NチャンネルトランジスタT6のドレインはNチャンネルトランジスタT1のドレインに接続されている。また、NチャンネルトランジスタT5、T6のソースは可変電流源A3に接続されている。また、NチャンネルトランジスタT5のゲートにはラッチ回路24の出力Doutが入力され、NチャンネルトランジスタT6のゲートには基準電圧vrefが入力される。
【0026】
また、電流設定回路26は、半導体チップCP1〜CPmごとに可変電流源A2、A3に流れる電流値を設定することができる。ここで、電流設定回路26には、半導体チップCP1〜CPmごとに設定される電流値を記憶するレジスタ27が設けられている。なお、可変電流源A2に流れる電流値は可変電流源A3に流れる電流値よりも小さくなるように設定することが好ましい。
【0027】
ラッチ型センスアンプ25には、PチャンネルトランジスタT7〜T10およびNチャンネルトランジスタT11〜T16が設けられている。そして、PチャンネルトランジスタT8のゲートとNチャンネルトランジスタT11のゲートは互いに接続され、PチャンネルトランジスタT8のドレインとNチャンネルトランジスタT11のドレインは互いに接続されている。また、PチャンネルトランジスタT9のゲートとNチャンネルトランジスタT12のゲートは互いに接続され、PチャンネルトランジスタT9のドレインとNチャンネルトランジスタT12のドレインは互いに接続されている。そして、PチャンネルトランジスタT8のゲートとNチャンネルトランジスタT11のゲートとPチャンネルトランジスタT9のドレインとNチャンネルトランジスタT12のドレインには検出信号saoutが入力される。また、PチャンネルトランジスタT9のゲートとNチャンネルトランジスタT12のゲートとPチャンネルトランジスタT8のドレインとNチャンネルトランジスタT11には検出信号saoutbが入力される。
【0028】
また、PチャンネルトランジスタT8にはPチャンネルトランジスタT7が並列に接続され、PチャンネルトランジスタT9にはPチャンネルトランジスタT10が並列に接続されている。そして、PチャンネルトランジスタT7、T10のゲートにはクロック信号clkが入力される。
【0029】
また、NチャンネルトランジスタT13のドレインにはNチャンネルトランジスタT11のソースが接続され、NチャンネルトランジスタT14のドレインにはNチャンネルトランジスタT12のソースが接続されている。また、NチャンネルトランジスタT13、T14のソースはNチャンネルトランジスタT16のドレインに接続されている。また、NチャンネルトランジスタT13、T14のドレインはNチャンネルトランジスタT15を介して互いに接続されている。
【0030】
状態保持回路29には、ラッチ回路24およびフリップフロップF1が設けられている。ラッチ回路24は、ラッチ型センスアンプ25にて検出された1サイクル前の差動信号rout、routbの状態を保持し、イコライズ回路23に供給することができる。フリップフロップF1は、ラッチ型センスアンプ25にて検出された2サイクル前の差動信号rout、routbの状態を保持し、イコライズ回路22に供給することができる。
【0031】
ここで、ラッチ回路24には、NAND回路N1、N2が設けられている。そして、NAND回路N1の一方の入力には検出信号saoutbが入力され、NAND回路N2の一方の入力には検出信号saoutが入力される。また、NAND回路N1の出力はNAND回路N2の他方の入力に接続され、NAND回路N2の出力はNAND回路N1の他方の入力に接続されている。また、NAND回路N1の出力は、NチャンネルトランジスタT5のゲートおよびフリップフロップF1の入力に接続されている。フリップフロップF1の出力はNチャンネルトランジスタT4のゲートに接続されている。
【0032】
図4は、図1のメモリインターフェース回路の動作の一例を示すフローチャートである。
図4において、図1の半導体記憶装置がシステムパワーオンされ(ステップS1)、NANDメモリ3−1〜3−nがパワーオンされることで(ステップS2)、図3のメモリインターフェース回路1aおよび図1のNANDメモリ3−1〜3−nに電源が供給される。
【0033】
次に、例えば、半導体チップCP1からのデータの読み出しを行う場合、半導体チップCP1のプログラマブルROM14からROMデータが読み出し信号Diとしてメモリインターフェース回路1aにて読み出され(ステップS3、S4)、可変電流源A2、A3に流れる電流値を設定する設定値がレジスタ27に記憶される。なお、メモリインターフェース回路1aにてプログラマブルROM14からROMデータを読み出す場合、誤読み出しが引き起こされないように読み出し速度を低下させるようにしてもよい。
【0034】
そして、電流設定回路26において、レジスタ27に記憶されたる設定値に対応した電流が流れるように可変電流源A2、A3の電流値が調整される(ステップS5)。そして、可変電流源A2、A3の電流値が調整されると、半導体チップCP1のNANDフラッシュメモリ13からの読み出し動作に移行する(ステップS6)。
【0035】
すなわち、半導体チップCP1のNANDフラッシュメモリ13から読み出された読み出しデータは、出力バッファ12を介してチャネル2に送られ、メモリインターフェース回路1aを介して読み出し信号Diとしてコントローラ1側に受信される。
【0036】
そして、メモリインターフェース回路1aにて読み出し信号Diが受信されると、NチャンネルトランジスタT1のゲートに入力される。そして、差動回路21において、読み出し信号Diが基準電圧vrefと比較されることで差動信号rout、routbが生成され、イコライズ回路22、23およびラッチ型センスアンプ25に出力される。
【0037】
ここで、イコライズ回路23において、ラッチ回路24の出力DoutがNチャンネルトランジスタT5のゲートに入力されることで、ラッチ回路24に保持されている1サイクル前の差動信号rout、routbの状態に基づいて、NチャンネルトランジスタT5に流れる電流量が制御される。
【0038】
すなわち、1サイクル前の差動信号routの状態が‘1’の場合、ラッチ回路24の出力Doutはハイレベルになり、NチャンネルトランジスタT5に流れる電流が増大する。このため、NチャンネルトランジスタT2のドレインから電流がNチャンネルトランジスタT5を介して引き抜かれ、今回の差動信号routの状態が‘0’に近づくように今回の差動信号routの電位が引き下げられる。
【0039】
一方、1サイクル前の差動信号routの状態が‘0’の場合、ラッチ回路24の出力Doutはロウレベルになり、NチャンネルトランジスタT5に流れる電流が減少する。このため、NチャンネルトランジスタT2のドレインから電流がNチャンネルトランジスタT5を介して引き抜かれるのが抑制され、今回の差動信号routの状態が‘1’に近づくように今回の差動信号routの電位が引き上げられる。
【0040】
また、イコライズ回路22において、フリップフロップF1の出力Qpre1がNチャンネルトランジスタT4のゲートに入力されることで、フリップフロップF1に保持されている2サイクル前の差動信号rout、routbの状態に基づいて、NチャンネルトランジスタT4に流れる電流量が制御される。
【0041】
すなわち、2サイクル前の差動信号routの状態が‘1’の場合、フリップフロップF1の出力Qpre1はハイレベルになり、NチャンネルトランジスタT4に流れる電流が増大する。このため、NチャンネルトランジスタT2のドレインから電流がNチャンネルトランジスタT4を介して引き抜かれ、今回の差動信号routの状態が‘0’に近づくように今回の差動信号routの電位が引き下げられる。
【0042】
一方、2サイクル前の差動信号routの状態が‘0’の場合、フリップフロップF1の出力Qpre1はロウレベルになり、NチャンネルトランジスタT4に流れる電流が減少する。このため、NチャンネルトランジスタT2のドレインから電流がNチャンネルトランジスタT4を介して引き抜かれるのが抑制され、今回の差動信号routの状態が‘1’に近づくように今回の差動信号routの電位が引き上げられる。
【0043】
そして、イコライズ回路22、23にて電位が制御された今回の差動信号rout、routbがラッチ型センスアンプ25に入力されると、その差動信号rout、routbがNチャンネルトランジスタT13、T14のゲートにそれぞれ入力される。
【0044】
ここで、クロック信号clkがロウレベルの場合、PチャンネルトランジスタT7、T10がオンし、NチャンネルトランジスタT16がオフする。そして、PチャンネルトランジスタT7、T10がオンすると、NチャンネルトランジスタT11、T12のゲート電位がハイレベルになり、NチャンネルトランジスタT11、T12がオンする。このため、NチャンネルトランジスタT13、T14のゲートにそれぞれ入力される差動信号rout、routbの電位にかかわらず、検出信号saout、saoutbは同電位に維持される。
【0045】
そして、クロック信号clkがハイレベルに移行すると、PチャンネルトランジスタT7、T10がオフし、NチャンネルトランジスタT16がオンする。このため、今回の差動信号rout、routbの電位に応じてNチャンネルトランジスタT11、T12のソース電位が変動し、NチャンネルトランジスタT11、T12のソース電位に応じてNチャンネルトランジスタT11、T12のドレイン電位が変動する。そして、PチャンネルトランジスタT8、T9およびNチャンネルトランジスタT11、T12のラッチ動作により、NチャンネルトランジスタT11、T12のドレイン電位に応じて検出信号saout、saoutbの一方が状態‘1’になると、検出信号saout、saoutbの他方が状態‘0’になり、その検出信号saout、saoutbがラッチ回路24に出力される。
【0046】
そして、ラッチ回路24において、今回の検出信号saout、saoutbが1サイクル前の差動信号rout、routbの状態として保持され、フリップフロップF1およびイコライズ回路23に出力される。
【0047】
そして、フリップフロップF1において、クロック信号clkに同期してラッチ回路24からの出力Doutが取り込まれる。そして、1サイクル前の差動信号rout、routbの状態が2サイクル前の差動信号rout、routbの状態として保持され、イコライズ回路22に出力される。
【0048】
ここで、差動回路21から出力された過去の差動信号rout、routbの状態から遠ざかるように、差動回路21から出力される現在の差動信号rout、routbの電位を制御することにより、例えば、1サイクル前の差動信号routとして‘0’、今回のサイクルの差動信号routとして‘1’が入力されると、今回のサイクルの差動信号routの電位を持ち上げることが可能となる。このため、1サイクル前の差動信号routの状態‘0’に引きずられて今回のサイクルの差動信号routの状態が‘1’に立ち上がり難くなるのを抑制することができ、読み出し速度が高速化された場合においても、誤読み出しを低減することができる。
【0049】
また、図1の半導体チップCP1〜CPmごとに個別に可変電流源A2、A3に流れる電流値を設定することにより、半導体チップCP1〜CPmごとにトランジスタ特性が異なる場合においても、イコライズ回路28によるイコライズ条件を最適化することができる。このため、各半導体チップCP1〜CPmの出力バッファ12にかかる負荷容量が大きい場合においても、出力バッファ12のサイズを大きくすることなく、読み出し波形の劣化を低減することが可能となる。
【0050】
なお、上述した第1実施形態では、今回の差動信号rout、routbの電位を制御するために、1サイクル前の差動信号rout、routbの状態と2サイクル前の差動信号rout、routbの状態を参照させる方法について説明したが、1サイクル前の差動信号rout、routbの状態のみを参照させるようにしてもよいし、3サイクル以上前の差動信号rout、routbの状態を参照させるようにしてもよい。
【0051】
図5は、負荷容量を変化させた時の図1の出力バッファの信号振幅の波形を示す図である。なお、図5(a)は出力バッファ12にかかる負荷容量が5pF、図5(b)は出力バッファ12にかかる負荷容量が30pF、図5(c)は出力バッファ12にかかる負荷容量が60pF、図5(d)は出力バッファ12にかかる負荷容量が90pFの例を示す。また、読み出し速度は150Mbpsとし、読み出しデータとして‘1000010111110010101011100110010100010’というシンボル系列が入力された場合を例にとった。
【0052】
図5において、図1の出力バッファ12にかかる負荷容量が小さい場合は、読み出しデータのシンボル系列に対応して電源電位間で信号をフル振幅で遷移させることができる。これに対して、出力バッファ12にかかる負荷容量が大きくなると、今回の状態が過去の状態に引きずられるようになり、読み出しデータのシンボル系列に対応して電源電位間で信号をフル振幅で遷移させることができなくなることから、誤読み出しが発生する。
【0053】
ここで、過去の信号の状態が‘0’の時は今回の信号の電位を‘1’の方向に引き上げ、過去の信号の状態が‘1’の時は今回の信号の電位を‘0’の方向に引き下げることにより、誤読み出しを低減することができる。
【0054】
図6は、動作周波数を変化させた時の図1の出力バッファの信号振幅の波形を示す図である。なお、図6(a)は動作周波数が20MHz、図6(b)は動作周波数が100MHz、図6(c)は動作周波数が200MHzの例を示す。図1の出力バッファ12にかかる負荷容量は一定とした。
図6において、動作周波数が低い場合は、読み出しデータのシンボル系列に対応して電源電位間で信号をフル振幅で遷移させることができる。これに対して、動作周波数が高くなると、今回の信号が電源電位間でフル振幅で遷移される前に次回の信号が入力され、誤読み出しが発生する。
【0055】
このような場合においても、過去の信号の状態が‘0’の時は今回の信号の電位を‘1’の方向に引き上げ、過去の信号の状態が‘1’の時は今回の信号の電位を‘0’の方向に引き下げることにより、誤読み出しを低減することができる。
【0056】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るメモリインターフェース回路が適用される半導体記憶装置の概略構成を示すブロック図である。
図7において、この半導体記憶装置には、図1のコントローラ1およびNANDメモリ3−1〜3−nの代わりにコントローラ1´およびNANDメモリ3−1´〜3−n´が設けられている。ここで、例えば、NANDメモリ3−1´には、半導体チップCP1´〜CPm´が設けられ、例えば、半導体チップCP1´には図1の半導体チップCPの構成に加えテストパターン15が保持されている。なお、半導体チップCP1´以外の半導体チップCP2´〜CPm´も同様に構成することができる。
【0057】
一方、コントローラ1´には、図1のメモリインターフェース回路1aの代わりにメモリインターフェース回路1a´が設けられている。そして、メモリインターフェース回路1a´には、テストパターン15に対応した正解パターン31が保持されるとともに、パターン比較部32および電流値変更部33が設けられている。ここで、パターン比較部32は、半導体チップCP1´から読み出されたテストパターン15と正解パターン31とを比較することができる。電流値変更部33は、テストパターン15と正解パターン31とが一致するように、図3の電流源A2、A3に流れる電流値を変更することができる。
【0058】
図8は、図7のメモリインターフェース回路の動作の一例を示すフローチャートである。
図8において、図7の半導体記憶装置がシステムパワーオンされ(ステップS11)、NANDメモリ3−1´〜3−n´がパワーオンされることで(ステップS12)、図7のメモリインターフェース回路1a´および図1のNANDメモリ3−1´〜3−n´に電源が供給される。
【0059】
次に、例えば、半導体チップCP1´からのデータの読み出しを行う場合、半導体チップCP1´からテストパターン15がメモリインターフェース回路1a´にて読み出され(ステップS13、S14)、パターン比較部32においてテストパターン15と正解パターン31とが比較される(ステップS15)。そして、テストパターン15と正解パターン31とが一致しない場合(ステップS16)、電流値変更部33において可変電流源A2、A3に流れる電流値が変更され(ステップS17)、テストパターン15と正解パターン31とが一致するまでステップS13〜S17の動作が繰り返される。そして、テストパターン15と正解パターン31とが一致すると、その時に可変電流源A2、A3に流れる電流値が半導体チップCP1´のプログラマブルROM14に書き込まれる(ステップS18)。そして、図4のステップS3に進むことにより、電流設定回路26にて可変電流源A2、A3の電流値が調整される。
【0060】
ここで、テストパターン15と正解パターン31とが一致するように可変電流源A2、A3に流れる電流値を設定することにより、半導体チップCP1´〜CPm´ごとにトランジスタ特性が経時変化する場合においても、イコライズ回路28によるイコライズ条件を最適化することができる。
【0061】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係るメモリインターフェース回路の概略構成を示す回路図である。
図9において、このメモリインターフェース回路には、図3のメモリインターフェース回路の差動回路21およびイコライズ回路28の代わりに差動回路21´、イコライズ回路28´および基準電流制御部41が設けられている。
【0062】
差動回路21´は、図1のNANDメモリ3−1´〜3−n´から読み出された読み出し信号Diと、基準電流制御部41にて制御された基準電圧vrefを差動入力とし、差動出力として差動信号rout、routbを生成することができる。イコライズ回路28´は、差動回路21´から出力された過去の差動信号rout、routbの状態を基準電圧vref´と比較し、過去の差動信号rout、routbの状態から遠ざかるように、差動回路21´から出力される現在の差動信号rout、routbの電位を制御することができる。基準電流制御部41は、状態保持回路29にて保持されている差動信号rout、routbの過去の状態に基づいて基準電圧vrefを制御することができる。ここで、基準電流制御部41は、差動回路21´から出力された過去の差動信号rout、routbの状態に近づくように基準電圧vrefを制御することができる。例えば、1サイクル前に読み出された信号の状態が‘0’の場合、差動回路21´に今回入力される基準電圧vrefを引き下げ、1サイクル前に読み出された信号の状態が‘1’の場合、差動回路21´に今回入力される基準電圧vrefを引き上げることができる。
【0063】
具体的には、図9の差動回路21´には図3の差動回路21のNチャンネルトランジスタT2の代わりにNチャンネルトランジスタT2´が設けられている。そして、NチャンネルトランジスタT2のゲートに入力される基準電圧vrefは固定値であるのに対し、NチャンネルトランジスタT2´のゲートには、基準電流制御部41にて制御される基準電圧vrefが入力される。
【0064】
図9のイコライズ回路28´には図3のイコライズ回路22、23の代わりにイコライズ回路22´、23´が設けられている。そして、イコライズ回路22´、23´にはNチャンネルトランジスタT3、T6の代わりにNチャンネルトランジスタT3´、T6´がそれぞれ設けられている。ここで、図3のNチャンネルトランジスタT3、T6のゲートには、NチャンネルトランジスタT2のゲートに入力される基準電圧vrefと同一の入力されるのに対し、図9のNチャンネルトランジスタT3´、T6´のゲートには、NチャンネルトランジスタT2´のゲートに入力される基準電圧vrefとは独立の基準電圧vref´が入力される。また、イコライズ回路22´、23´には、図3の可変電流源A2、A3の代わりに電流源A2´、A3´が設けられている。なお、図3の可変電流源A2、A3の電流値は、半導体チップCP1〜CPmごとに電流設定回路26にて設定されるのに対し、電流源A2´、A3´の電流値は半導体チップCP1´〜CPm´に共通に設定することができる。
【0065】
基準電流制御部41には、PチャンネルトランジスタT17、T19およびNチャンネルトランジスタT18、T20が設けられている。そして、PチャンネルトランジスタT17のドレインおよびNチャンネルトランジスタT18のドレインには、基準電圧vrefhが入力され、PチャンネルトランジスタT19のドレインおよびNチャンネルトランジスタT20のドレインには、基準電圧vreflが入力される。なお、基準電圧vrefhの値は、基準電圧vreflの値よりも大きくすることができる。また、NチャンネルトランジスタT18のゲートおよびPチャンネルトランジスタT19のゲートには、NAND回路N1の出力Doutが入力され、NチャンネルトランジスタT20のゲートおよびPチャンネルトランジスタT17のゲートには、NAND回路N1の出力Doutの反転信号Doutbが入力される。また、PチャンネルトランジスタT17、T19のソースおよびNチャンネルトランジスタT18、T20のソースは、NチャンネルトランジスタT2´のゲートに接続されている。
【0066】
そして、基準電流制御部41にて生成された基準電圧vrefは、NチャンネルトランジスタT2´のゲートに入力される。また、メモリインターフェース回路にて読み出し信号Diが受信されると、NチャンネルトランジスタT1のゲートに入力される。そして、差動回路21´において、読み出し信号Diが基準電圧vrefと比較されることで差動信号rout、routbが生成され、イコライズ回路22´、23´およびラッチ型センスアンプ25に出力される。
【0067】
ここで、イコライズ回路23´において、ラッチ回路24の出力DoutがNチャンネルトランジスタT5のゲートに入力され、基準電圧vref´と比較されることで、NチャンネルトランジスタT5に流れる電流量が制御され、今回の差動信号routの電位が制御される。
【0068】
また、イコライズ回路22´において、フリップフロップF1の出力Qpre1がNチャンネルトランジスタT4のゲートに入力され、基準電圧vref´と比較されることで、NチャンネルトランジスタT4に流れる電流量が制御され、今回の差動信号routの電位が制御される。
【0069】
そして、イコライズ回路22´、23´にて電位が制御された今回の差動信号rout、routbがラッチ型センスアンプ25に入力されると、今回の差動信号rout、routbの状態が検出され、その時の検出信号saout、saoutbがラッチ回路24に出力される。
【0070】
そして、ラッチ回路24において、今回の検出信号saout、saoutbが1サイクル前の差動信号rout、routbの状態として保持され、イコライズ回路23´および基準電流制御部41に出力される。また、フリップフロップF1において、ラッチ回路24にて保持されていた1サイクル前の差動信号rout、routbの状態が2サイクル前の差動信号rout、routbの状態として保持され、イコライズ回路22´に出力される。
【0071】
そして、基準電流制御部41において、NAND回路N1の出力Doutがハイレベルになると、PチャンネルトランジスタT17およびNチャンネルトランジスタT18がオンするとともに、PチャンネルトランジスタT19およびNチャンネルトランジスタT20がオフし、基準電圧vrefhが基準電圧vrefとしてNチャンネルトランジスタT2´のゲートに出力される。一方、NAND回路N1の出力Doutがロウレベルになると、PチャンネルトランジスタT17およびNチャンネルトランジスタT18がオフするとともに、PチャンネルトランジスタT19およびNチャンネルトランジスタT20がオンし、基準電圧vreflが基準電圧vrefとしてNチャンネルトランジスタT2´のゲートに出力される。
【0072】
ここで、差動回路21´から出力された過去の差動信号rout、routbの状態に近づくように基準電圧vrefを制御することにより、例えば、1サイクル前の差動信号routとして‘0’が入力されると、基準電圧vrefを引き下げることができる。このため、今回のサイクルの差動信号routとして‘1’が入力された時に、1サイクル前の差動信号routの状態‘0’に引きずられて今回のサイクルの差動信号routの状態が‘1’に立ち上がり難くなった場合においても、今回のサイクルの差動信号routの状態が‘1’になったかどうかを判別し易くすることができる。
【0073】
なお、図9の例では、イコライズ回路28´を設けた場合について説明したが、イコライズ回路28´を省略するようにしてもよい。また、図9の例では、電流源A2´、A3´の電流値は半導体チップCP1〜CPmに共通に設定する方法について説明したが、図3の電流設定回路26を設け、半導体チップCP1´〜CPm´ごとに個別に電流源A2´、A3´の電流値を設定できるようにしてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、半導体記憶素子としてNANDメモリを例にとって説明したが、半導体記憶素子はReRAMまたはPCRAMなどであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1、1´ コントローラ、1a、1a´ メモリインターフェース回路、2 チャネル、3−1〜3−n、3−1´〜3−n´ NANDメモリ、PK1、PK1´ 半導体パッケージ、CP1〜CPm、CP1´〜CPm´ 半導体チップ、TM、TM1〜TM17 外部端子、PD1〜PDm パッド電極、BW ボンディングワイヤ、11 入力バッファ、12 出力バッファ、13 NANDフラッシュメモリ、14 プログラマブルROM、15 テストパターン、21、21´ 差動回路、22、23、22´、23´、28、28´ イコライズ回路、24 ラッチ回路、25 ラッチ型センスアンプ、26 電流設定回路、27 レジスタ、R1、R2 抵抗、A1、A2´、A3´ 電流源、A2、A3 可変電流源、T1〜T6、T11〜T16、T18、T20、T3´、T6´ Nチャンネルトランジスタ、T7〜T10、T17、T19 Pチャンネルトランジスタ、F1 フリップフロップ、N1、N2 NAND回路、29 状態保持回路、31 正解パターン、32 パターン比較部、33 電流値変更部、41 基準電流制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体記憶素子の読み書き制御を行うコントローラに設けられ、前記半導体記憶素子と前記コントローラとの間で信号の受け渡しを行うメモリインターフェース回路において、
前記半導体記憶素子から読み出された読み出し信号と基準電圧が差動入力として与えられる差動回路と、
前記差動回路から出力された過去の入力信号の状態を加味して、前記差動回路から出力される現在の差動信号の電位を制御するイコライズ回路と、
前記イコライズ回路にて制御された差動信号の状態を検出するセンスアンプと、
前記センスアンプにて検出された差動信号の過去の状態を保持し、前記イコライズ回路に供給する状態保持回路とを備え、さらに前記イコライズ回路の設定パラメータを個々のメモリチップに格納することを特徴とするメモリインターフェース回路。
【請求項2】
前記イコライズ回路は、
前記基準電圧に基づいて、前記差動回路の一方の出力端子から電流を引き抜く第1のトランジスタと、
前記状態保持回路に保持された過去の差動信号の状態に基づいて、前記差動回路の他方の出力端子から電流を引き抜く第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタにて引き抜かれる電流を流す電流源と、
前記半導体記憶素子が形成された半導体チップごとに前記電流源に流れる電流値を設定する電流設定回路とを備えることを特徴とする請求項1に記載のメモリインターフェース回路。
【請求項3】
前記半導体記憶素子から読み出されたテストパターンと正解パターンとを比較するパターン比較部と、
前記テストパターンと前記正解パターンとが一致するように前記電流源に流れる電流値を変更する電流値変更部とをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のメモリインターフェース回路。
【請求項4】
前記イコライズ回路は、
前記差動回路から出力された1サイクル前の差動信号の状態を打ち消すように、前記差動回路から出力される現在の差動信号の電位を制御する第1のイコライズ回路と、
前記差動回路から出力された2サイクル前の差動信号の状態を打ち消すように、前記差動回路から出力される現在の差動信号の電位を制御する第2のイコライズ回路とを備え、
前記状態保持回路は、
前記センスアンプにて検出された1サイクル前の差動信号の状態を保持し、前記第1のイコライズ回路に供給するラッチ回路と、
前記センスアンプにて検出された2サイクル前の差動信号の状態を保持し、前記第2のイコライズ回路に供給するフリップフロップとを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のメモリインターフェース回路。
【請求項5】
半導体記憶素子の読み書き制御を行うコントローラに設けられ、前記半導体記憶素子と前記コントローラとの間で信号の受け渡しを行うメモリインターフェース回路において、
前記半導体記憶素子から読み出された読み出し信号と第1の基準電圧が差動入力として与えられ、前記入力信号に応じて差動信号を出力する差動回路と、
前記差動回路から出力された差動信号の状態を検出するセンスアンプと、
前記センスアンプにて検出された差動信号の過去の状態を保持する状態保持回路と、
前記状態保持回路にて保持されている前記差動信号の過去の状態に基づいて前記第1の基準電圧を制御する基準電流制御部とを備えることを特徴とするメモリインターフェース回路。
【請求項6】
前記基準電流制御部は、前記差動回路から出力された過去の差動信号の状態に前記第1の基準電圧が近づくように制御することを特徴とする請求項5に記載のメモリインターフェース回路。
【請求項7】
前記差動回路から出力された過去の差動信号の状態を打ち消すように、前記差動回路から出力される現在の差動信号の電位を制御するイコライズ回路をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載のメモリインターフェース回路。
【請求項8】
前記イコライズ回路は、
第2の基準電圧に基づいて、前記差動回路の一方の出力端子から電流を引き抜く第1のトランジスタと、
前記状態保持回路に保持された過去の差動信号の状態に基づいて、前記差動回路の他方の出力端子から電流を引き抜く第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタにて引き抜かれる電流を流す電流源と、
前記半導体記憶素子が形成された半導体チップごとに前記電流源に流れる電流値を設定する電流設定回路とを備えることを特徴とする請求項7に記載のメモリインターフェース回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−113450(P2011−113450A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271334(P2009−271334)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】