説明

メモリ管理ソフトウェア、印刷制御装置、及び印刷制御装置のメモリ管理方法

【課題】印刷制御装置において、着脱可能なメモリに対する機密情報の読出し、書込みを限定し、高度のセキュリティを保持する。
【解決手段】印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置において、メモリ管理ソフトウェアは、印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信するステップと、メモリの起動コードが印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと一致する場合に印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するステップとを含み、印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動することにより、前記メモリへのアクセスを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置、及び情報処理装置から命令及びデータを受信する印刷制御装置にネットワークを介して接続可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
USB(ユニバーサルシリアルバス)メモリ、SD(セキュアデジタル)カード及びCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの多種多様なメモリスティックが、世界中で販売されている。USBメモリスティックのユーザは、厖大な量のデータと共にメモリスティックを、まるでトートバッグのように自在に持ち歩き、メモリスティックをオフィスや家庭のパーソナルコンピュータに接続できる。メモリスティックのセキュリティを向上するために、最近では、指紋認証システムを有するUSBメモリスティックが販売されている。この専門市場向けに、2種類のUSBメモリスティックが存在する。メモリスティックに設けられたセンサによりユーザの指紋を獲得し、獲得された指紋に関連する情報をパーソナルコンピュータに指紋認証を目的として登録するために、第1の種類のUSBメモリスティックは、パーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションソフトウェアへ指紋情報を送信する。指紋情報がパーソナルコンピュータに登録された後、USBメモリスティックがパーソナルコンピュータに接続され、センサにより獲得された新たな指紋情報がパーソナルコンピュータへ送信されると、パーソナルコンピュータ(PC)は、新たな指紋情報が、登録されている指紋情報と一致するか否かを指紋認証を目的として判定するために、アプリケーションソフトウェアを実行する。
【0003】
第2の種類のUSBメモリスティックは、指紋認証のためのマイクロプロセッサ及びアプリケーションソフトウェアを内蔵する。第2の種類のUSBメモリスティックは、メモリスティックに設けられたセンサによりユーザの指紋を獲得し、メモリスティック自体に指紋情報を登録する。指紋情報がUSBメモリスティックに登録された後、USBメモリスティックがパーソナルコンピュータに接続されると、マイクロプロセッサは、センサにより獲得された新たな指紋情報が、登録されている指紋情報と一致するか否かを指紋認証を目的として判定するために、アプリケーションソフトウェアを実行する。第2の種類のUSBメモリスティックは、スティックの外部へ指紋情報を送信することなく、指紋認証結果のみをパーソナルコンピュータへ送信する。従って、第2の種類のUSBメモリスティックは、第1の種類のUSBメモリスティックより、セキュリティに関して高レベルのシステムである。
【0004】
最近、USBメモリスティックに格納された文書を印刷するため、又はスキャンした文書をUSBメモリスティックに格納するために、USBメモリスティックをMFP(多機能周辺装置)に接続することが必要になってきている。一般に、MFPは、オフィスにおいて共有され、数多くの機密情報を処理するために使用される。
【0005】
しかし、現在の状況の下では、部外者がオフィス内でUSBメモリスティックをMFPに接続した場合、MFPは、USBメモリスティックへの機密情報の格納及びUSBメモリスティックに格納された機密情報の印刷を阻止できない。指紋認証システムを有するUSBメモリスティックがMFPに接続されたとしても、MFPは、USBメモリスティックが認証システムを有することを認識できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたものである。本発明の1つの面によれば、印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置において実行されるメモリ管理ソフトウェアが提供される。ソフトウェアは、印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信するステップと;メモリの起動コードが印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するステップとを備え、印刷制御装置は、アプリケーションソフトウェアを起動することにより、メモリにアクセス可能となる。
【0007】
本発明の別の面によれば、印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置が提供される。印刷制御装置は、印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信する受信器と;メモリの起動コードが印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するコントローラとを備え、印刷制御装置は、アプリケーションソフトウェアを起動することにより、メモリにアクセス可能となる。
【0008】
本発明の別の面によれば、印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置のメモリ管理方法が提供される。メモリ管理方法は、印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信するステップと;メモリの起動コードが印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するステップとを備え、印刷制御装置は、アプリケーションソフトウェアを起動することにより、メモリにアクセス可能となる。
【0009】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面と関連させて以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。図面中、同一の図中符号は、同一の又は同様の部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態によるメモリ管理ソフトウェア、印刷制御装置及び印刷制御装置のメモリ管理方法は、印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動することにより、印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリへのアクセスを可能にする。
【0011】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に従ったネットワーク上における情報処理装置(パーソナルコンピュータ)と印刷制御装置(MFP)との関係を示す。図1において、図中符号1は、クライアントパーソナルコンピュータ(情報処理装置)を示す。クライアントパーソナルコンピュータ(クライアントPC)1は、USBメモリスティック2を接続するための少なくとも1つのUSBコネクタを含む。また、図中符号3は、ライセンス管理サーバ(情報処理装置)を示す。ライセンス管理サーバ(LMS)3は、ネットワーク5を介して起動コード(activation code)4を発行する少なくとも1つのライセンス管理ソフトウェアを含む。LMS3には、図3に示されるライセンス管理ソフトウェアが格納される。起動コード4は、クライアントPC1において使用されるUSBメモリスティック2に格納されると共に、MFP6において使用されるデータファイル7にも格納される。起動コード4は、ネットワーク5を介して、EメールによりクライアントPC1及び/又はMFP6へ送信されてもよい。MFP6は、プラットフォームソフトウェア8を有し、プラットフォームソフトウェアに基づいて、インストールされたアプリケーションソフトウェア9を実行する。アプリケーションソフトウェア9を実行するためには、有効な起動コード4を有するデータファイル7をMFP6にインストールすることが必要である。また、MFP6は、図4に示されるメモリ管理ソフトウェアも格納する。クライアントPC1は、図5及び図6に示されるエントリウィンドウを格納する。
【0012】
USBメモリスティック2のユーザは、USBメモリスティック2をクライアントPC1に接続し、起動コード4をUSBメモリスティック2に格納するために、ライセンス管理サーバ(LMS)3にアクセスする。LMS3は、同一の起動コードを発行し、それをCD DISK メモリなどのデータファイル7に格納する。起動コード4は、ネットワーク5を介して、EメールによりクライアントPC1及び/又はMFP6へ送信されてもよい。MFP6に接続されたUSBメモリスティック2が、データファイル7の起動コードと同一の起動コード4を有する場合、MFP6は、USBメモリスティック2にアクセスするために、アプリケーションソフトウェア9を起動する。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に従った情報処理装置のうちの1つを含むメモリ管理システムの概略構成を示したブロック図である。この点に関して、メモリ管理システムが一実施形態として示されるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、メモリ管理ソフトウェアを実行できる環境のシステムであれば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)などのネットワークを介して接続することにより処理が実行されるようなネットワークシステムに適用される。
【0014】
図2において、図中符号1は、図1に示されるパーソナルコンピュータ(情報処理装置1及び3)のうちの1つを示す。パーソナルコンピュータ1は、ROM(読み取り専用メモリ)16又は外部メモリ24(HD、USBチップなど)のプログラム用ROMに格納された文書処理プログラムなどに基づいて、グラフィックス、画像、文字、テーブル(スプレッドシートを含む)などの組み合わせを含む文書に対して処理を実行するCPU(中央処理装置)14を含む。CPU14は、システムバス17に接続された装置の各々を一括して制御する。また、ROM16又は外部メモリ24のプログラム用ROMは、CPU14の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)及び図3に示される起動コード4を発行するアプリケーションソフトウェアを格納する。ROM16又は外部メモリ24のフォント用ROMは、上述の文書処理に使用されるフォントデータなどを格納し、ROM16又は外部メモリ24のデータ用ROMは、上述の文書処理などに使用される様々なデータを格納する。図中符号15は、RAM(ランダムアクセスメモリ)を示す。RAM15は、CPU14の主メモリ、ワークエリアなどとして機能する。
【0015】
図中符号18は、キーボードコントローラ(KBC)を示す。KBC18は、キーボード22及び図示されないポインティングデバイスからの入力を制御する。図中符号19は、CRTコントローラ(CRTC)を示す。CRTC19は、CRT(陰極線管)表示装置23の表示を制御する。ユーザは、CRT23に表示された印刷可能データ(文書及び/又はフォルダ)及び制御アイコンを選択して、キーボード22又はポインティングデバイスを使用して、図5に示されるライセンスアクセスナンバー40及び図6に示されるデバイスシリアルナンバー42を入力する。起動コード4は、少なくともライセンスアクセスナンバー40及びデバイスシリアルナンバー42を含む。図中符号20は、ディスクコントローラ(DKC)を示す。DKC20は、ブートプログラム、起動コード4を発行するアプリケーションソフトウェアを含む様々なアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイルなどを格納するハードディスク(HD)、USBメモリスティック2などの外部メモリ24との間のアクセスを制御する。
【0016】
図中符号21は、プリントコントローラ(PRTC)を示す。PRTC21は、所定の双方向性インタフェース(インタフェース)25を経て、ネットワーク5を介して印刷制御装置6に接続され、印刷制御装置6との間の通信制御処理を実行する。この点に関して、CPU26は、例えば、RAM27に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT23におけるWYSIWYG(what you see is what you get)を可能にする。また、CPU26は、様々な登録ウィンドウを開き、CRT23において、図示されないマウスカーソルなどにより命令されるコマンドに基づいて、様々なデータ処理を実行する。
【0017】
印刷制御装置6において、図中符号26はCPUを示す。CPU26は、ROM28のプログラム用ROMに格納された制御プログラムなど、又はHD36に格納された制御プログラムなどに基づいて、システムバス29に接続された印刷部(プリンタエンジン)31へ、出力情報としての画像信号を出力する。また、ROM28のプログラム用ROMは、CPU26の制御プログラム(HD36がプラットフォームソフトウェア8を格納しない場合には、プラットフォームソフトウェア8)などを格納する。ROM28のフォント用ROMは、上述の出力情報が作成される場合に使用されるフォントデータなどを格納する。ROM28のデータ用ROMは、印刷制御装置6がハードディスク(HD)36などを有していない場合にクライアントPC1において使用される情報などを格納する。
【0018】
CPU26は、I/Fユニット30を介して、クライアントPC1及び/又はLMS3との間で通信処理を実行可能である。図中符号27は、CPU26の主メモリ、ワークエリアなどとして機能するRAMを示す。図示されない増設ポートに接続されたオプションRAMにより、RAM27のメモリ容量を拡張できる。この点に関して、RAM27は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM(不揮発性RAM)などに使用される。
【0019】
HD36は、フォントデータ、エミュレーションプログラム、書式データ、データファイル7、プラットフォームソフトウェア8、アプリケーションソフトウェア9及び図4に示されるメモリ管理ソフトウェアなどを格納する。図中符号33は、スキャナ部34(スキャナエンジン)によりスキャンされる文書を制御するスキャナ部I/Fを示す。スキャンされた文書は、プリンタエンジン32により印刷されてもよく、印刷制御装置6のファクシミリモードで電話回線を使用することによりクライアントPC1へ送信されてもよい。スキャンされた文書は、USBメモリスティック2などの外部メモリ38に格納される。ユーザが、USBメモリスティック2に格納された文書を選択すると、その文書は、プリンタエンジン32により印刷される。更に、図中符号35は、印刷される文書又はUSBメモリスティック2に格納される文書を選択するための操作パネル(操作部)を示す。図中符号37は、ディスクコントローラ(DKC)を示す。DKC37は、ブートプログラム、データファイル7を含む様々なアプリケーション、プラットフォームソフトウェア8、アプリケーションソフトウェア9、フォントデータ、データファイル7を含むユーザファイル及び図4に示されるメモリ管理ソフトウェアなどを格納するハードディスク(HD)スティック、USBメモリスティック2などの外部メモリ38との間のアクセスを制御する。
【0020】
図3は、LMS3(情報処理装置)において実行される起動コードの発行プロセスを示したフローチャートである。クライアントPC1が現時点で実行しているウェブブラウザに対して、ユーザが所定のURL(IPアドレス)を入力すると、LMS3において、図3に示されるアプリケーションソフトウェアが実行され、クライアントPC1のCRT23に、図5及び図6に示されるウィンドウ画面が表示される。画面上で、ユーザがライセンスアクセスナンバー40を入力し、「次へ」アイコン41を選択すると、クライアントPC1のCRT23に、図6に示される画面が表示される。次に、ユーザがデバイスシリアルナンバー42を入力し、「次へ」アイコン43を選択すると、クライアントPC1のCRT23に、この実施形態には示されない別の画面が表示される。ユーザは、LMS3が発行する起動コード4を格納するための記憶場所及び/又は方法を指定する。ユーザは、起動コード4をUSBメモリスティック2及び/又はデータファイル7用の別の記憶媒体に格納でき、また、LMS3からクライアントPC1及び/又はMFP6にネットワーク5を介して直接Eメールにより起動コードを送信できる。
【0021】
ステップS101において、LMS3のCPU14は、ライセンスアクセスナンバー40がクライアントPC1からLMS3へ送信されたか否かを判定する。送信された場合、ステップS102において、LMS3のCPU14は、デバイスシリアルナンバー41がクライアントPC1からLMS3へ送信されたか否かを判定する。送信された場合、ステップS103において、LMS3のCPU14は、起動コード4を発行し、USBメモリスティック2が起動コード4の格納先に指定されたか否かを判定する。指定されない場合、LMS3のCPU14は、起動コード4をクライアントPC1へ送信し、発行された起動コード4をデータファイル7として記憶媒体に格納させる。また、ステップS103において指定される場合には、LMS3のCPU14は、起動コードをクライアントPC1へ送信し、発行された起動コードをUSBメモリスティック2に格納すると共に、データファイル7として記憶媒体に格納させる。記憶媒体は、USBメモリスティック2ではない媒体であり、MFP6のDKC37に接続されるものである。ユーザによりEメールアドレスが指定された場合、CPU14は、発行された起動コード4をそのEメールアドレスへ送信する。次に、ユーザは、起動コードをUSBメモリスティック2に格納すると共に、データファイル7として記憶媒体に格納する。LMS3のCPU14は、ネットワーク5を介して、起動コード4をMFPに直接にダウンロードしてもよい。
【0022】
図4は、MFP6において実行されるメモリ管理プロセスを示したフローチャートである。ステップS201において、MFP6のCPU26は、起動コード4が、MFP6のDKC37に接続されたUSBメモリスティック2に格納されたか否かを判定する。ステップS201の判断がNOであれば、ステップS204において、MFP6のCPU26は、アプリケーションソフトウェア9に対してUSBメモリスティック2のアクセスを禁止し(アプリケーションソフトウェア9を起動せず)、このフローチャートの処理を終了する。この状況においては、MFP6にUSBメモリスティック2を接続したユーザは、USBメモリスティック2にスキャンデータを格納できず、USBメモリスティック2に格納されているデータを印刷することもできない。ステップS201の判断がYESである場合には、ステップS202において、MFP6のCPU26は、USBメモリスティック2からRAM27へ起動コード4を受信し、RAM27の起動コード4と、RAM27、HD36又は外部メモリ38に格納されたデータファイル7に格納されている起動コード4とを比較することにより、RAM27の起動コード4が有効であるか否かを判定する。詳細に説明すると、CPU26は、USBメモリスティック2に格納された起動コード4のライセンスアクセス番号40及び/又はデバイスシリアルナンバー42が、データファイル7に格納された起動コード4のライセンスアクセス番号40及び/又はデバイスシリアルナンバー42と一致するか否かを検査する。CPUが起動コード4の2つの番号を共に検査すれば、データのセキュリティは向上する。ステップS202の判断がYESである場合、ステップS203において、MFP6のCPU26は、アプリケーションソフトウェア9に対してUSBメモリスティック2のアクセスを許可し(アプリケーションソフトウェア9を起動し)、このフローチャートを終了する。この状況においては、USBメモリスティック2をMFP6に接続したユーザは、スキャンデータをUSBメモリスティック2に格納でき、USBメモリスティック2に格納されたデータを印刷することもできる。ステップS202の判断がNOである場合には、ステップS204において、MFP6のCPU26は、アプリケーションソフトウェア9に対してUSBメモリスティック2のアクセスを禁止し(アプリケーションソフトウェア9を起動せず)、このフローチャートを終了する。
【0023】
プラットフォームソフトウェア8上でアプリケーションソフトウェア9を起動するためには、有効な起動コード4を有するデータファイルをMFP6にインストールすることが必要である。また、MFP6に接続されたUSBメモリスティック2にアクセスするために、アプリケーションソフトウェア9を起動するためには、有効な起動コード4を有するUSBメモリスティック2をMFP6に接続することが必要である。更に、起動コード4のライセンスアクセスナンバー40及びデバイスシリアルナンバー42は、シリアルナンバーである。ライセンスアクセスナンバー40は、MFP6にインストールされたアプリケーションソフトウェア9に割り当てられる。アプリケーションソフトウェア9の購入者は、そのアプリケーション9のパッケージで、ライセンスアクセスナンバー40を知ることができる。また、デバイスシリアルナンバー42は、MFP6自体に割り当てられる。MFP6の購入者は、MFP6の操作パネル35で、デバイスシリアルナンバー42を知ることができる。従って、このシステムの下では、MFP6におけるデータのセキュリティは向上され、オフィスに入った部外者(権限を与えられていない人物)は、USBメモリスティック2をMFP6に接続して使用することができない。LMS3は、ステップ104又は105において、起動コード4を変調又は暗号化し、それをUSBメモリ又はMFP6に提供してもよい。MFP6のCPU26はその暗号を解読し、ステップS202を実行する。MFP6がコード交換表を有する場合、MFP6のCPU26はその表を使用し、ステップS202を実行する。この状況においては、USBメモリスティック2に格納された起動コード4が、MFP6に提供されるデータファイル7に格納された起動コード4と一致する必要はない。ステップS202においては、MFP6のCPU26は、USBメモリスティック2に格納された起動コード4が、MFP6に提供されるデータファイル7に格納された起動コード4と関連するか否かを判定するだけで十分である。
【0024】
また、上述の実施形態においては、クライアントPC1、LMS3又はMFP6で機能を実現するためのプログラムをメモリ(RAM)に読み込み、CPUがそれらの機能を実行することにより、様々な機能が実現される。しかし、本発明はこれに限定されず、全ての処理又は機能の一部は、専用ハードウェアにより実現されてもよい。更に、上述のメモリは、光磁気ディスクユニット、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、CD‐ROMなどの読み取り専用記録媒体、RAM以外の揮発性メモリ、又はコンピュータ読み取り及び書き込み可能な記録媒体、あるいはそれらの組み合わせにより構成されてもよい。
【0025】
更に、クライアントPC1、LMS3、MFP6において様々な処理機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ可読記録媒体に記録されてもよく、記録媒体に記録されたプログラムコードは、コンピュータシステムに読み込まれてもよく、各々の処理は、そのプログラムコードを実行することにより実行されてもよい。この点に関して、ここで使用される「コンピュータシステム」は、OS、周辺装置としてのハードウェアなどを含む。
【0026】
また、「コンピュータ可読記録媒体」は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD‐ROMなどの可搬型媒体、及びコンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を意味する。更に、「コンピュータ可読記録媒体」は、プログラムがインターネットのようなネットワーク、電話回線のような通信回線などを介して送信されるときにサーバ又はクライアントになるコンピュータシステムの内部揮発性メモリ(RAM)などの、ある期間にわたりプログラムを保持するための装置を含む。
【0027】
更に、上述のプログラムは、記憶装置などにおいてプログラムを格納するコンピュータシステムから、送信媒体を介して送信されてもよく、あるいは送信媒体の送信波により別のコンピュータシステムへ送信されてもよい。この場合、プログラムを送信するための「送信媒体」は、例えば、インターネットのようなネットワーク(通信ネットワーク)、及び電話回線のような通信回線などの情報送信機能を有する媒体を意味する。また、上述のプログラムは、先に説明された機能の一部を実現してもよい。更に、プログラムは、コンピュータシステムに既に記録されていたプログラムと組み合わせることにより、先に説明された機能を実現してもよい。すなわち、プログラムは差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0028】
また、上述のプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体などのプログラム製品が、本発明の一実施形態に適用されてもよい。先に説明されたプログラム、記録媒体、送信媒体及びプログラム製品は、本発明の範囲内に含まれる。前述のように、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明した。しかし、特定の構造は、それらの実施形態に限定されず、設計などは、本発明の趣旨の範囲内に含まれる。
【0029】
現時点で好ましい実施形態であると考えられるものを参照して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されないことを理解すべきである。本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨の範囲内に含まれる様々な変形及び等価の構成を含むことが意図される。特許請求の範囲は、そのような変形並びに等価の構造及び機能の全てを包含するように、最も広い解釈を与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に従ったネットワーク上における情報処理装置(クライアントPC及びライセンス管理サーバ)と印刷制御装置(MFP)との関係を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に従った情報処理装置のうちの1つを含むメモリ管理システムの概略構成を示したブロック図である。
【図3】情報処理装置(LMS3)において実行される起動コードの発行プロセスを示したフローチャートである。
【図4】印刷制御装置(MFP6)において実行されるメモリ管理プロセスを示したフローチャートである。
【図5】情報処理装置(クライアントPC1)の表示装置に表示されるライセンスアクセス番号のエントリウィンドウを示した図である。
【図6】情報処理装置(クライアントPC1)の表示装置に表示されるデバイスシリアルナンバーのエントリウィンドウを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置において使用されるメモリ管理ソフトウェアであって、
前記印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信するステップと;
前記メモリにおける起動コードが前記印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、前記印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するステップとを備え、
前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動することにより、前記メモリにアクセス可能となることを特徴とするメモリ管理ソフトウェア。
【請求項2】
前記起動コードは、ライセンスアクセスナンバー及び/又はデバイスナンバーであることを特徴とする請求項1に記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項3】
前記ライセンスアクセスナンバーは、シリアルナンバーであって、前記印刷制御装置にインストールされた前記アプリケーションソフトウェアに割り当てられることを特徴とする請求項2記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項4】
前記デバイスナンバーはシリアルナンバーであって、前記印刷制御装置に割り当てられることを特徴とする請求項2記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項5】
前記起動コードは、ユーザがライセンスアクセスナンバー及びデバイスナンバーをサーバに入力した場合に、前記サーバから提供されることを特徴とする請求項2記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項6】
前記サーバは、前記起動コードを前記メモリ及び前記データファイルに格納することを特徴とする請求項5記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項7】
前記アプリケーションソフトウェア及び前記データファイルの双方が前記印刷制御装置にインストールされている場合に、前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを実行可能となることを特徴とする請求項1記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項8】
前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動した後に、スキャンデータを前記メモリに格納することを特徴とする請求項1記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項9】
前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動した後に、前記メモリのデータを印刷することを特徴とする請求項1記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項10】
前記ソフトウェアは、記憶媒体に格納され、前記印刷制御装置において実行されることを特徴とする請求項1記載のメモリ管理ソフトウェア。
【請求項11】
印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置であって、
前記印刷制御装置に接続された着脱可能なメモリから起動コードを受信する受信器と;
前記メモリの起動コードが前記印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、前記印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するコントローラとを備え、
前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動することにより、前記メモリにアクセス可能となることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項12】
印刷制御装置へ命令及びデータを送信する情報処理装置にネットワークを介して接続可能な印刷制御装置におけるメモリ管理方法であって、
前記印刷制御装置に接続された着脱可能のメモリから起動コードを受信するステップと;
前記メモリの起動コードが前記印刷制御装置にインストールされたデータファイルに格納されている起動コードと関連付けられる場合、前記印刷制御装置にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動するステップとを備え、
前記印刷制御装置は、前記アプリケーションソフトウェアを起動することにより、前記メモリにアクセス可能となることを特徴とするメモリ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−302257(P2006−302257A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−51083(P2006−51083)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(599041075)
【住所又は居所原語表記】Bovenkerkenweg 59−61,1180 EG, Amstelveen,the Netherlands
【Fターム(参考)】