メロンの箱詰装置
【課題】果柄が真上からやや側方にずれるようメロンを傾けて箱内に収納することにより、メロン収納用の箱の高さを低くできるメロンの箱詰装置を提供すること。
【解決手段】果柄Ｄを上にして載せられたメロンＢを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部２と、メロン待機部２に隣接して設置した空箱待機部と、メロンＢを保持・解放可能であり、メロン待機部２の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能な吸盤とを備え、メロン待機部２を搬送装置の幅方向に傾斜させる傾動装置８を設けてある。
【解決手段】果柄Ｄを上にして載せられたメロンＢを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部２と、メロン待機部２に隣接して設置した空箱待機部と、メロンＢを保持・解放可能であり、メロン待機部２の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能な吸盤とを備え、メロン待機部２を搬送装置の幅方向に傾斜させる傾動装置８を設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンベア等の搬送装置に載せられて搬送されたメロンを、搬送装置から取り上げて自動的に箱詰めするメロンの箱詰装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
選果場に運ばれたメロン等の果実は、トレーに載せられてコンベア等の搬送装置により荷受部から箱詰部に向かって搬送され、搬送途中で糖度、外観、大きさ等の品質が判定され、箱詰部において品質ごとに箱詰めされる。
従来、搬送装置の末端部に設置され、トレーに載せられた果実を取り上げて自動的に箱詰する装置が知られている（特許文献１及び特許文献２参照）。
この箱詰装置は、果実を搬送する搬送装置の側方に、収納用の空箱を待機させる箱待機部が配設され、それぞれ果実を吸着する複数の吸盤が搬送装置の上方と箱待機部の上方との間を往復可能に、且つ昇降可能に設置されて成る。
【０００３】
この箱詰装置では、搬送装置の上で吸盤を下降させてトレー上の果実を吸着し、吸盤を上昇させてから箱待機部の上方に移動させ、吸盤の配置を変更させると共に、下降させて箱の内部に果実を下ろし、その後、吸盤を上昇させて搬送装置の上方へ戻すようになっている。
ところで、果実の中でも特にメロンには、表面から大きく立ち上がった果柄がついており、この果柄を上に向けてトレー上に載せてあるため、吸盤でメロンを吸着して箱詰めすると、果柄が上を向いた状態で箱に収納されることになる。すると、箱の高さが大きくなり、運搬等の際に嵩張って不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１４２６１４号公報
【特許文献２】特開平８−２６２１２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明が解決しようとする課題は、果柄が真上からやや側方にずれるようメロンを傾けて箱内に収納することにより、メロン収納用の箱の高さを低くできるメロンの箱詰装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のメロンの箱詰装置は、果柄を上にして載せられたメロンを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部と、該メロン待機部に隣接して設置した空箱待機部と、メロンを保持・解放可能であり、前記メロン待機部の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能で、且つ、昇降可能なメロン保持部とを備え、前記メロン待機部を幅方向に傾斜させる傾動装置を設けてある。
前記搬送装置は、メロンをトレーに載せて搬送するものであり、前記メロン待機部に、トレーの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するガイドレールを設けることができる。
【０００７】
前記傾動装置は、架台上に前記メロン待機部の幅方向に沿って配設され、前記メロン待機部を支持し、一端部を中心として回動可能な支持アームと、前記支持アームの他端部と前記架台とを連結し、中間部で屈曲可能なリンクアームと、伸縮に伴って前記リンクアームを屈伸させるピストンシリンダとから構成しても良い。
複数のメロン保持部を設け、前記メロン待機部は、それぞれ複数のメロンを一列に並べて待機させる２列の平行な待機コンベアより成り、これら待機コンベアをそれぞれ傾斜させる傾動装置を設け、該傾動装置の支持アームは、前記２列の整列コンベアの対向縁側の端部を中心として回動することがある。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明によれば、メロン待機部を傾けると、メロン待機部上に載せたメロンの果柄が真上からずれるので、このメロンをメロン保持部で保持して移送し、空箱待機部に設置した箱内に収納すると、メロンは果柄をやや側方にずらした状態で収納され、この結果、箱の高さを低くすることができて、包装や運搬等のコストを低減することが可能となる。
請求項２に係る発明によれば、メロン待機部を傾けても、メロンを載せたトレーがずり落ちることがない。
請求項３に係る発明によれば、簡単な構造の傾動装置でメロン待機部を傾けることが可能である。
請求項４に係る発明によれば、箱内に多くのメロンを一度に箱詰できる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の実施例に係る搬送装置及び空箱待機部の平面図である。
【図２】本発明の実施例を示すメロンの箱詰装置の側面図である。
【図３】本発明の実施例を示すメロンの箱詰装置の端面図である。
【図４】本発明の実施例に係るメロン待機部及び傾動装置の端面図である。
【図５】本発明の実施例に係るメロン待機部及び傾動装置の側面図である。
【図６】メロンを収納した箱の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のメロンの箱詰装置は、選果場等において、メロンを品質ごとに自動的に箱詰めする装置であり、図１〜図３に示すように、トレーＡに載せたメロンＢを搬送する搬送装置１の末端部に設けたメロン待機部２、メロン待機部２に隣接して設置され、メロン収納用の箱Ｃを載せて待機させる空箱待機部３、及び、メロンＢを保持・解放可能であり、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能な吸盤４より成るメロン保持部を備える。
【００１１】
搬送装置１は、チェーンコンベア等より成り、図示しないが、搬送装置１の入口部におおいて、空のトレーＡが搬送面に載せられると共に、トレーＡの上にメロンＢが果柄を上にして載置される。
そして、搬送途中で、メロンＢの重量、糖度、傷の有無、色、形状等の品質を計測すると共に、品質を表示した後、メロンＢを計測した品質ごとに仕分けして、果柄を上にした状態で、２列の平行な整列コンベア５を介してメロン待機部２へ搬送する。
【００１２】
メロン待機部２は、それぞれ整列コンベア５の下流側に連続し、間欠的に駆動する２列の平行な待機コンベア６より成る。そして、各整列コンベア５上において、メロンＢが載せられたトレーＡは互いに密着して１列に整列し、そのままの状態で複数個ずつ（図に示す例では３個ずつ）各待機コンベア６に送り込まれる。
なお、図４に示すように、待機コンベア６の両側には、トレーＡの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するチャンネル材よりなるガイドレール７を、開口部が向かい合うように配設してある。
【００１３】
図４及び図５に示すように、待機コンベア６の下方には、各待機コンベア６をそれぞれ搬送装置１の幅方向に傾斜させる傾動装置８が設置される。
傾動装置８は、架台９の上方に搬送装置１の幅方向に沿って配設された支持アーム１０と、架台９と支持アーム１０とを連結するリンクアーム１１と、リンクアーム１１を屈伸させるピストンシリンダ１２とから成る。
支持アーム１０は、待機コンベア６の搬送方向前後部に設けられ、待機コンベア６の下面に取付けられて、待機コンベア６を支持している。
また、支持アーム１０の一端部（２列の待機コンベア６の対向側端部）は上方に屈曲され、その先端が待機コンベア６の搬送方向に沿う軸１３を中心として回動するようになっている。
【００１４】
リンクアーム１１は、第１アーム１５の下端部と第２アーム１６の上端部とを軸着して成り、待機コンベア６の搬送方向前後部にそれぞれ設置される。
また、第１アーム１５の上端部は連結材１４に軸着され、第２アーム１６の下端部は架台９に軸着されている。
即ち、リンクアーム１１は、中間部で屈曲可能であり、支持アーム１０の他端部と架台９とを連結している。
さらに、前後に配置された第２アーム１６の上端部近傍には連結材１４が架設され、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａの先端が連結材１４に軸着されると共に、シリンダ１２ｂが架台９に回動自在に取付けられる。
【００１５】
従って、ピストンロッド１２ａが進退してピストンシリンダ１２が伸縮するのに伴い、リンクアーム１１が屈伸し、リンクアーム１１の上端に連結された支持アーム１０の他端部が昇降する。
この結果、支持アーム１０が軸１３を中心として回動し、支持アーム１０で支持された待機コンベア６が幅方向に回転する。
なお、支持アーム１０の回転範囲は、箱詰めするメロンＢの大きさによって異なるが、待機コンベア６のトレー支持面が、外側縁（軸１３と逆側の縁）を高くして３０度〜４５度程度傾いた状態と水平状態の間を往復する範囲とする。
そして、待機コンベア６のトレー支持面が水平にある時、果柄Ｄを真上に向けて載せられたメロンＢは、待機コンベア６が傾斜すると、果柄Ｄが内側（軸１３の側）にずれるよう傾く。
【００１６】
図１及び図３に示すように、空箱待機部３はメロン待機部２の側方に隣接して設けられ、空箱待機部３の上には、空の箱Ｃが上面を開いた状態で供給される。
空箱待機部３へ供給される箱Ｃの内部には、予め、メロンの大きさによる１箱への収納個数に応じて、メロン支持用の受け部或いは仕切りが収納されている（図６）。
また、空箱待機部３からは、メロンＢが収納された箱Ｃを次の工程に向けて搬出する搬出路が延びている。
【００１７】
図１〜図３に示すように、吸盤４は、一つの箱詰装置に複数（図に示す例では６個）設置されており、メロン待機部２においてそれぞれ１個のメロンＢを真空吸着すると共に、空箱待機部３において吸着したメロンＢを解放する。
各吸盤４はそれぞれ可動部材１８から吊り下げられ、可動部材１８は、メロン待機部２の平面形状より一回り大きい吸盤支持枠１９に平面内で移動可能に取付けられている。また、図示しないが、吸盤支持枠１９には、可動部材１８の平面上における位置を、搬送方向に沿って一列に並んだ状態から、待機コンベア６上のメロン待機位置を通って、箱Ｃ内のメロン収納位置へ案内する案内部材が設置されている。
【００１８】
メロン待機部２及び空箱待機部３の上方において、待機コンベア６の搬送方向前後部には、それぞれ搬送方向と交差する方向に延びるガイド梁２１が架設される。
また、前後のガイド梁２１にはスライド枠２０が摺動可能に取付けられ、スライド枠２０に吸盤支持枠１９が昇降可能に取付けられている。
従って、吸盤４は、吸盤支持枠１９が昇降するのに伴って昇降すると共に、スライド枠２０がガイド梁２１に沿って移動するのに伴って、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復し、可動部材１８が案内部材により案内されて移動することにより、平面内で移動する。
なお、吸盤４の駆動装置の構造は従来公知であり、吸盤４を、その配置を変えながら、昇降させると共に、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復させることができれば、別の装置と置き換えても良い。
【００１９】
このメロンの箱詰装置は、次のように箱詰めを行なう。
搬送装置１上のトレーＡに果柄を上にして載せられたメロンＢは、搬送中に品質を判定され、品質ごとに仕分けされて２列の整列コンベア５からメロン待機部２の２列の待機コンベア６上に、３個ずつトレーＡを密着させた状態で間欠的に送り込まれる。待機コンベア６に送り込まれたトレーＡの下縁はガイドレール７に係合する。
この時、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａは退縮してリンクアーム１１が屈曲し、待機コンベア６のトレー支持面は水平となっている。
また、スライド枠２０がメロン待機部２の上方にあり、吸盤支持枠１９は上昇しており、可動部材１８及び吸盤４は直列に配置されている。
さらに、空箱待機部３には空の箱Ｃが上面を開口した状態で載置されている。
【００２０】
メロンＢがメロン待機部２に送り込まれると、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａが前進してリンクアーム１１を伸ばし、これにより、支持アーム１０をその他端部が上昇するよう回動させる。
すると、支持アーム１０で支持された待機コンベア６が幅方向に傾斜し、待機コンベア６上のメロンＢも果柄Ｄが真上からやや内側にずれるように傾く。
なお、トレーＡの下縁はガイドレール７に係合しているので、待機コンベア６が傾いてもトレーＡがずり落ちる心配はない。
【００２１】
その後、吸盤支持枠１９が下降し、吸盤支持枠１９に取付けられた６個の可動部材１８及び可動部材１８から吊り下げられた吸盤４は、下降しながら水平方向に配置を変えて、待機コンベア６上のメロンＢの上に移動する。下降した吸盤４はそれぞれメロンＢに接触するとこれを吸着する。
吸盤４がメロンＢを吸着すると、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａが退縮して、リンクアーム１１が屈曲し、待機コンベア６は水平に戻る。
次いで、吸盤支持枠１９は上昇し、スライド枠２０はガイド梁２１に沿って空箱待機部３の上方に移動する。
【００２２】
次に、吸盤支持枠１９が下降し、吸盤支持枠１９から吊り下げられた吸盤４は、下降しながら水平方向に配置を変えて、空箱待機部３に載置された箱Ｃ内のメロン収納位置の上方に移動する。
吸盤４で吸着されたメロンＢが箱Ｃの所定位置に納まったら、吸盤４はメロンＢを解放する。箱Ｃ内のメロンＢは、図６に示すように、３個ずつ２列に並べられ、２列のメロンＢは、その果柄Ｄが真上からやや内側にずれるよう傾斜して収納される。
その後、吸盤支持枠１９が上昇すると共に、スライド枠２０がメロン待機部２の上方に戻り、可動部材１８及び吸盤４は直列配置に復帰する。
メロンＢが収納された箱Ｃは、空箱待機部３から搬出される。
以上の工程を繰り返して箱詰めを行なう。
【００２３】
なお、仕分けされたメロンＢの大きさにより、一箱に５個以下のメロンＢを収納する箱詰装置では、６個の吸盤４の内、収納されるメロンＢの数に相当する数の吸盤４のみを使用する。
また、傾動装置８の構造は、上記実施例に限定されない。例えば、リンクアーム１１を介して支持アーム１０を回動させるものに比べて、ピストンシリンダの進退距離が長くなるが、ピストンロッドの先端を支持アーム１０の他端部に直接連結することも可能である。
【符号の説明】
【００２４】
Ａ トレー
Ｂ メロン
Ｃ 箱
１ 搬送装置
２ メロン待機部
３ 空箱待機部
４ 吸盤（メロン保持部）
５ 整列コンベア
６ 待機コンベア
７ ガイドレール
８ 傾動装置
９ 架台
１０ 支持アーム
１１ リンクアーム
１２ ピストンシリンダ
１２ａ ピストンロッド
１２ｂ シリンダ
１３ 軸
１４ 連結材
１５ 第１アーム
１６ 第２アーム
１８ 可動部材
１９ 吸盤支持枠
２０ スライド枠
２１ ガイド梁
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンベア等の搬送装置に載せられて搬送されたメロンを、搬送装置から取り上げて自動的に箱詰めするメロンの箱詰装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
選果場に運ばれたメロン等の果実は、トレーに載せられてコンベア等の搬送装置により荷受部から箱詰部に向かって搬送され、搬送途中で糖度、外観、大きさ等の品質が判定され、箱詰部において品質ごとに箱詰めされる。
従来、搬送装置の末端部に設置され、トレーに載せられた果実を取り上げて自動的に箱詰する装置が知られている（特許文献１及び特許文献２参照）。
この箱詰装置は、果実を搬送する搬送装置の側方に、収納用の空箱を待機させる箱待機部が配設され、それぞれ果実を吸着する複数の吸盤が搬送装置の上方と箱待機部の上方との間を往復可能に、且つ昇降可能に設置されて成る。
【０００３】
この箱詰装置では、搬送装置の上で吸盤を下降させてトレー上の果実を吸着し、吸盤を上昇させてから箱待機部の上方に移動させ、吸盤の配置を変更させると共に、下降させて箱の内部に果実を下ろし、その後、吸盤を上昇させて搬送装置の上方へ戻すようになっている。
ところで、果実の中でも特にメロンには、表面から大きく立ち上がった果柄がついており、この果柄を上に向けてトレー上に載せてあるため、吸盤でメロンを吸着して箱詰めすると、果柄が上を向いた状態で箱に収納されることになる。すると、箱の高さが大きくなり、運搬等の際に嵩張って不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１４２６１４号公報
【特許文献２】特開平８−２６２１２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明が解決しようとする課題は、果柄が真上からやや側方にずれるようメロンを傾けて箱内に収納することにより、メロン収納用の箱の高さを低くできるメロンの箱詰装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のメロンの箱詰装置は、果柄を上にして載せられたメロンを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部と、該メロン待機部に隣接して設置した空箱待機部と、メロンを保持・解放可能であり、前記メロン待機部の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能で、且つ、昇降可能なメロン保持部とを備え、前記メロン待機部を幅方向に傾斜させる傾動装置を設けてある。
前記搬送装置は、メロンをトレーに載せて搬送するものであり、前記メロン待機部に、トレーの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するガイドレールを設けることができる。
【０００７】
前記傾動装置は、架台上に前記メロン待機部の幅方向に沿って配設され、前記メロン待機部を支持し、一端部を中心として回動可能な支持アームと、前記支持アームの他端部と前記架台とを連結し、中間部で屈曲可能なリンクアームと、伸縮に伴って前記リンクアームを屈伸させるピストンシリンダとから構成しても良い。
複数のメロン保持部を設け、前記メロン待機部は、それぞれ複数のメロンを一列に並べて待機させる２列の平行な待機コンベアより成り、これら待機コンベアをそれぞれ傾斜させる傾動装置を設け、該傾動装置の支持アームは、前記２列の整列コンベアの対向縁側の端部を中心として回動することがある。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明によれば、メロン待機部を傾けると、メロン待機部上に載せたメロンの果柄が真上からずれるので、このメロンをメロン保持部で保持して移送し、空箱待機部に設置した箱内に収納すると、メロンは果柄をやや側方にずらした状態で収納され、この結果、箱の高さを低くすることができて、包装や運搬等のコストを低減することが可能となる。
請求項２に係る発明によれば、メロン待機部を傾けても、メロンを載せたトレーがずり落ちることがない。
請求項３に係る発明によれば、簡単な構造の傾動装置でメロン待機部を傾けることが可能である。
請求項４に係る発明によれば、箱内に多くのメロンを一度に箱詰できる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の実施例に係る搬送装置及び空箱待機部の平面図である。
【図２】本発明の実施例を示すメロンの箱詰装置の側面図である。
【図３】本発明の実施例を示すメロンの箱詰装置の端面図である。
【図４】本発明の実施例に係るメロン待機部及び傾動装置の端面図である。
【図５】本発明の実施例に係るメロン待機部及び傾動装置の側面図である。
【図６】メロンを収納した箱の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のメロンの箱詰装置は、選果場等において、メロンを品質ごとに自動的に箱詰めする装置であり、図１〜図３に示すように、トレーＡに載せたメロンＢを搬送する搬送装置１の末端部に設けたメロン待機部２、メロン待機部２に隣接して設置され、メロン収納用の箱Ｃを載せて待機させる空箱待機部３、及び、メロンＢを保持・解放可能であり、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能な吸盤４より成るメロン保持部を備える。
【００１１】
搬送装置１は、チェーンコンベア等より成り、図示しないが、搬送装置１の入口部におおいて、空のトレーＡが搬送面に載せられると共に、トレーＡの上にメロンＢが果柄を上にして載置される。
そして、搬送途中で、メロンＢの重量、糖度、傷の有無、色、形状等の品質を計測すると共に、品質を表示した後、メロンＢを計測した品質ごとに仕分けして、果柄を上にした状態で、２列の平行な整列コンベア５を介してメロン待機部２へ搬送する。
【００１２】
メロン待機部２は、それぞれ整列コンベア５の下流側に連続し、間欠的に駆動する２列の平行な待機コンベア６より成る。そして、各整列コンベア５上において、メロンＢが載せられたトレーＡは互いに密着して１列に整列し、そのままの状態で複数個ずつ（図に示す例では３個ずつ）各待機コンベア６に送り込まれる。
なお、図４に示すように、待機コンベア６の両側には、トレーＡの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するチャンネル材よりなるガイドレール７を、開口部が向かい合うように配設してある。
【００１３】
図４及び図５に示すように、待機コンベア６の下方には、各待機コンベア６をそれぞれ搬送装置１の幅方向に傾斜させる傾動装置８が設置される。
傾動装置８は、架台９の上方に搬送装置１の幅方向に沿って配設された支持アーム１０と、架台９と支持アーム１０とを連結するリンクアーム１１と、リンクアーム１１を屈伸させるピストンシリンダ１２とから成る。
支持アーム１０は、待機コンベア６の搬送方向前後部に設けられ、待機コンベア６の下面に取付けられて、待機コンベア６を支持している。
また、支持アーム１０の一端部（２列の待機コンベア６の対向側端部）は上方に屈曲され、その先端が待機コンベア６の搬送方向に沿う軸１３を中心として回動するようになっている。
【００１４】
リンクアーム１１は、第１アーム１５の下端部と第２アーム１６の上端部とを軸着して成り、待機コンベア６の搬送方向前後部にそれぞれ設置される。
また、第１アーム１５の上端部は連結材１４に軸着され、第２アーム１６の下端部は架台９に軸着されている。
即ち、リンクアーム１１は、中間部で屈曲可能であり、支持アーム１０の他端部と架台９とを連結している。
さらに、前後に配置された第２アーム１６の上端部近傍には連結材１４が架設され、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａの先端が連結材１４に軸着されると共に、シリンダ１２ｂが架台９に回動自在に取付けられる。
【００１５】
従って、ピストンロッド１２ａが進退してピストンシリンダ１２が伸縮するのに伴い、リンクアーム１１が屈伸し、リンクアーム１１の上端に連結された支持アーム１０の他端部が昇降する。
この結果、支持アーム１０が軸１３を中心として回動し、支持アーム１０で支持された待機コンベア６が幅方向に回転する。
なお、支持アーム１０の回転範囲は、箱詰めするメロンＢの大きさによって異なるが、待機コンベア６のトレー支持面が、外側縁（軸１３と逆側の縁）を高くして３０度〜４５度程度傾いた状態と水平状態の間を往復する範囲とする。
そして、待機コンベア６のトレー支持面が水平にある時、果柄Ｄを真上に向けて載せられたメロンＢは、待機コンベア６が傾斜すると、果柄Ｄが内側（軸１３の側）にずれるよう傾く。
【００１６】
図１及び図３に示すように、空箱待機部３はメロン待機部２の側方に隣接して設けられ、空箱待機部３の上には、空の箱Ｃが上面を開いた状態で供給される。
空箱待機部３へ供給される箱Ｃの内部には、予め、メロンの大きさによる１箱への収納個数に応じて、メロン支持用の受け部或いは仕切りが収納されている（図６）。
また、空箱待機部３からは、メロンＢが収納された箱Ｃを次の工程に向けて搬出する搬出路が延びている。
【００１７】
図１〜図３に示すように、吸盤４は、一つの箱詰装置に複数（図に示す例では６個）設置されており、メロン待機部２においてそれぞれ１個のメロンＢを真空吸着すると共に、空箱待機部３において吸着したメロンＢを解放する。
各吸盤４はそれぞれ可動部材１８から吊り下げられ、可動部材１８は、メロン待機部２の平面形状より一回り大きい吸盤支持枠１９に平面内で移動可能に取付けられている。また、図示しないが、吸盤支持枠１９には、可動部材１８の平面上における位置を、搬送方向に沿って一列に並んだ状態から、待機コンベア６上のメロン待機位置を通って、箱Ｃ内のメロン収納位置へ案内する案内部材が設置されている。
【００１８】
メロン待機部２及び空箱待機部３の上方において、待機コンベア６の搬送方向前後部には、それぞれ搬送方向と交差する方向に延びるガイド梁２１が架設される。
また、前後のガイド梁２１にはスライド枠２０が摺動可能に取付けられ、スライド枠２０に吸盤支持枠１９が昇降可能に取付けられている。
従って、吸盤４は、吸盤支持枠１９が昇降するのに伴って昇降すると共に、スライド枠２０がガイド梁２１に沿って移動するのに伴って、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復し、可動部材１８が案内部材により案内されて移動することにより、平面内で移動する。
なお、吸盤４の駆動装置の構造は従来公知であり、吸盤４を、その配置を変えながら、昇降させると共に、メロン待機部２の上方と空箱待機部３の上方との間を往復させることができれば、別の装置と置き換えても良い。
【００１９】
このメロンの箱詰装置は、次のように箱詰めを行なう。
搬送装置１上のトレーＡに果柄を上にして載せられたメロンＢは、搬送中に品質を判定され、品質ごとに仕分けされて２列の整列コンベア５からメロン待機部２の２列の待機コンベア６上に、３個ずつトレーＡを密着させた状態で間欠的に送り込まれる。待機コンベア６に送り込まれたトレーＡの下縁はガイドレール７に係合する。
この時、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａは退縮してリンクアーム１１が屈曲し、待機コンベア６のトレー支持面は水平となっている。
また、スライド枠２０がメロン待機部２の上方にあり、吸盤支持枠１９は上昇しており、可動部材１８及び吸盤４は直列に配置されている。
さらに、空箱待機部３には空の箱Ｃが上面を開口した状態で載置されている。
【００２０】
メロンＢがメロン待機部２に送り込まれると、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａが前進してリンクアーム１１を伸ばし、これにより、支持アーム１０をその他端部が上昇するよう回動させる。
すると、支持アーム１０で支持された待機コンベア６が幅方向に傾斜し、待機コンベア６上のメロンＢも果柄Ｄが真上からやや内側にずれるように傾く。
なお、トレーＡの下縁はガイドレール７に係合しているので、待機コンベア６が傾いてもトレーＡがずり落ちる心配はない。
【００２１】
その後、吸盤支持枠１９が下降し、吸盤支持枠１９に取付けられた６個の可動部材１８及び可動部材１８から吊り下げられた吸盤４は、下降しながら水平方向に配置を変えて、待機コンベア６上のメロンＢの上に移動する。下降した吸盤４はそれぞれメロンＢに接触するとこれを吸着する。
吸盤４がメロンＢを吸着すると、ピストンシリンダ１２のピストンロッド１２ａが退縮して、リンクアーム１１が屈曲し、待機コンベア６は水平に戻る。
次いで、吸盤支持枠１９は上昇し、スライド枠２０はガイド梁２１に沿って空箱待機部３の上方に移動する。
【００２２】
次に、吸盤支持枠１９が下降し、吸盤支持枠１９から吊り下げられた吸盤４は、下降しながら水平方向に配置を変えて、空箱待機部３に載置された箱Ｃ内のメロン収納位置の上方に移動する。
吸盤４で吸着されたメロンＢが箱Ｃの所定位置に納まったら、吸盤４はメロンＢを解放する。箱Ｃ内のメロンＢは、図６に示すように、３個ずつ２列に並べられ、２列のメロンＢは、その果柄Ｄが真上からやや内側にずれるよう傾斜して収納される。
その後、吸盤支持枠１９が上昇すると共に、スライド枠２０がメロン待機部２の上方に戻り、可動部材１８及び吸盤４は直列配置に復帰する。
メロンＢが収納された箱Ｃは、空箱待機部３から搬出される。
以上の工程を繰り返して箱詰めを行なう。
【００２３】
なお、仕分けされたメロンＢの大きさにより、一箱に５個以下のメロンＢを収納する箱詰装置では、６個の吸盤４の内、収納されるメロンＢの数に相当する数の吸盤４のみを使用する。
また、傾動装置８の構造は、上記実施例に限定されない。例えば、リンクアーム１１を介して支持アーム１０を回動させるものに比べて、ピストンシリンダの進退距離が長くなるが、ピストンロッドの先端を支持アーム１０の他端部に直接連結することも可能である。
【符号の説明】
【００２４】
Ａ トレー
Ｂ メロン
Ｃ 箱
１ 搬送装置
２ メロン待機部
３ 空箱待機部
４ 吸盤（メロン保持部）
５ 整列コンベア
６ 待機コンベア
７ ガイドレール
８ 傾動装置
９ 架台
１０ 支持アーム
１１ リンクアーム
１２ ピストンシリンダ
１２ａ ピストンロッド
１２ｂ シリンダ
１３ 軸
１４ 連結材
１５ 第１アーム
１６ 第２アーム
１８ 可動部材
１９ 吸盤支持枠
２０ スライド枠
２１ ガイド梁
【特許請求の範囲】
【請求項１】
果柄を上にして載せられたメロンを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部と、該メロン待機部に隣接して設置した空箱待機部と、メロンを保持・解放可能であり、前記メロン待機部の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能なメロン保持部とを備えたメロンの箱詰装置において、前記メロン待機部を幅方向に傾斜させる傾動装置を設けたことを特徴とするメロンの箱詰装置。
【請求項２】
前記搬送装置は、メロンをトレーに載せて搬送するものであり、前記メロン待機部に、トレーの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するガイドレールを設けてある請求項１に記載されたメロンの箱詰装置。
【請求項３】
前記傾動装置は、架台上に前記搬送装置の幅方向に沿って配設され、前記メロン待機部を支持し、一端部を中心として回動可能な支持アームと、前記支持アームの他端部と前記架台とを連結し、中間部で屈曲可能なリンクアームと、伸縮に伴って前記リンクアームを屈伸させるピストンシリンダとから成る請求項１又は２に記載されたメロンの箱詰装置。
【請求項４】
それぞれメロンを保持する複数のメロン保持部を設け、前記メロン待機部は、それぞれ複数のメロンを一列に整列して待機させる２列の平行な待機コンベアより成り、これら待機コンベアをそれぞれ傾斜させる傾動装置を設け、該傾動装置の支持アームは、前記２列の待機コンベアの対向縁側の端部を中心として回動する請求項３に記載されたメロンの箱詰装置。
【請求項１】
果柄を上にして載せられたメロンを搬送する搬送装置の末端部に設けたメロン待機部と、該メロン待機部に隣接して設置した空箱待機部と、メロンを保持・解放可能であり、前記メロン待機部の上方と空箱待機部の上方との間を往復可能、且つ、昇降可能なメロン保持部とを備えたメロンの箱詰装置において、前記メロン待機部を幅方向に傾斜させる傾動装置を設けたことを特徴とするメロンの箱詰装置。
【請求項２】
前記搬送装置は、メロンをトレーに載せて搬送するものであり、前記メロン待機部に、トレーの下縁と搬送方向に摺動自在に係合するガイドレールを設けてある請求項１に記載されたメロンの箱詰装置。
【請求項３】
前記傾動装置は、架台上に前記搬送装置の幅方向に沿って配設され、前記メロン待機部を支持し、一端部を中心として回動可能な支持アームと、前記支持アームの他端部と前記架台とを連結し、中間部で屈曲可能なリンクアームと、伸縮に伴って前記リンクアームを屈伸させるピストンシリンダとから成る請求項１又は２に記載されたメロンの箱詰装置。
【請求項４】
それぞれメロンを保持する複数のメロン保持部を設け、前記メロン待機部は、それぞれ複数のメロンを一列に整列して待機させる２列の平行な待機コンベアより成り、これら待機コンベアをそれぞれ傾斜させる傾動装置を設け、該傾動装置の支持アームは、前記２列の待機コンベアの対向縁側の端部を中心として回動する請求項３に記載されたメロンの箱詰装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１１１２（Ｐ２０１１−１１１２Ａ）
【公開日】平成２３年１月６日（２０１１．１．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１４７３４６（Ｐ２００９−１４７３４６）
【出願日】平成２１年６月２２日（２００９．６．２２）
【出願人】（０００１６３５０１）近江度量衡株式会社 (7)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１月６日（２０１１．１．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月２２日（２００９．６．２２）
【出願人】（０００１６３５０１）近江度量衡株式会社 (7)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]