説明

メントール含有固形組成物

(a)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる固体メントール成分、及び(b)粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなる固体アンチケーキング剤であって、アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着し、固体アンチケーキング剤がリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ヒドロキシ炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、マンニトール、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、ポリジメチルシロキサン、食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、且つアンチケーキング剤の含量が8質量%を超えず、メントール成分の含量が少なくとも91質量%であり、それぞれの場合の含量は固形組成物の全質量に基づくものである、前記固体アンチケーキング剤を含むか又はこのような(a)及び(b)からなるメントール含有固形組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、メントール含有固形組成物、このような固形組成物を含む物品、このような固形組成物の使用及びその調製方法に関する。
メントール含有固形組成物は、好ましくは自由流動性である。
l-メントールは、ユニークな清涼味を有し、ミントのにおいをもち、皮膚や粘膜に対して強い冷却効果を有する。それは、例えば、口腔ケアに、化粧品や医薬品に、タバコに、また、製菓に用いられ、例えば、Perfumer&Flavorist, vol. 13, October-November 1988, p. 37に記載されている。
l-メントールは、メンタ・アルベンシス(Mentha arvensis)(含有量: 70〜80%)及びメンタ・ピペリタ(Mentha piperita)(含有量: 50〜60%)由来のハッカ油の主成分である。l-メントールは、天然ハッカ油から結晶化によって得られる。結晶は、結晶化プロセス及び出発物質によって、味覚と結晶サイズと形状が変わる(Perfumer&Flavorist; vol. 22, November-December 1997, p. 1)。液体ハッカ油の少量の残留量は、ハッカ油から得られるこれらのメントール結晶(l-メントールの含量は通常99.2質量%を超えない)に付着して、メントール結晶のケーキング又は塊の形成を阻止し、感覚プロファイルにも顕著に影響する。
合成メントールの調製には多くの方法が知られている。合成l-メントールの経済的な調製は、例えば、チモールから出発する。水素添加によって形成される8つの立体異性メントールから、いくつかのプロセス段階を経て>99%の化学純度及び>99%のエナンチオマー純度でl-メントールが得られる(例えば、Bauer, Garbe, Surburg, Common Fragrance and Flavor Materials, 4th ed., Wiley-VCH, Weinheim 2001, p. 52-55)。このプロセスから得られるl-メントールは、その純度と放射力によって感覚的に区別される。
メントール、特にl-メントールは、種々の固体の形で市販されており、通常の形の例は、粉末、結晶、固化した留出物、薄片及び押圧片である。
ドイツ特許出願第2109456号、同第2530481号及び欧州特許第0 909 205号の方法に従って調製され結晶化した合成l-メントール(融点が42-43℃)は、白色結晶の形で又は押圧片(ペレット)の形だけでなく、固化した留出物として市販されている(Symrise GmbH & Co. KG, Holzminden)。
今までに知られるメントールの固体の形、特にハッカ油から分離したメントールの固体の形は、貯蔵の間に、長い期間の後に、それらの流動性や取り扱いの容易さを失った結果として塊を形成したものである。
【0002】
米国特許明細書第3,064,311号には、薄片の形におけるl-メントールが記載されている。その調製については、蒸留されたl-メントールが融解され、融解した薄膜層が過冷却された表面に適用されている。固化したl-メントール膜は小部分に割られている。この方法の生成物は壊れやすいl-メントール薄片であり、厚みが0.125〜1.25mmであり、幅が3〜25mmである。このようにして調製される薄片のl-メントールは、米国特許明細書に記載されるように、24時間後に薄片の接着と塊の形成を示す。
国際出願公開第03/101924号には、70質量%以上のアルファ-メントールの含量を有するメントールの押圧片が開示され、それはケーキング及び塊の形成に対する傾向が比較的に非常に低い。しかしながら、3ヶ月を超える長い貯蔵時間の間に、これらの押圧片も徐々に塊やケークを形成する。
日本特許公報第08-020549号は、約90質量%の合成l-メントール(粒径50-200μm)と約10質量%のシリカゲル(粒径10μm未満、好ましくは2-5μmの範囲)を含むl-メントール含有粉末に関する。この生成物(嵩高さ: 50cm)は、1ヶ月間の貯蔵後にケーキングを示さなかった。生成物の調製については、まず、界面活性剤(メントール及びシリカゲルの合計量に基づいて、例えば、2質量%のデカグリセリルモノラウレート)がl-メントール(42℃)の融点より高い温度で水に導入された。次に、50℃の界面活性剤と水の混合物にシリカゲルと融解したメントール又はシリカゲル上のメントールが連続して導入された。簡単に撹拌した後、この混合物は氷水によって冷却され、水洗され、ろ別され、乾燥された。
しかしながら、我々の実験では、日本特許公報第08-020549号に従って調製される生成物は、乾燥後に3質量%までの水分を有することが示された。日本特許公報第08-020549号の導入ですでに述べられたように、水分は、メントールの融点の低下をもたらすとともにケーキングに対する確かな傾向につながる。それ故、水分は不利な点である。記載される粉状のメントール含有生成物における界面活性剤の残留含量も更に望ましくない。更に、開示されたメントール-シリカゲル粉末におけるシリカゲルの高含量も不利な点である。特に、シリカゲルは、口における不快な感覚の印象を与える。
【0003】
本発明の目的は、高含量のメントールを有する固形組成物であって、改善された非常に高貯蔵安定性をもち、調製が簡単で処理が容易であり、且つ好ましくは良好な(“自由流動性”)の注入性をもち、結果として加工性が容易でなければならない、前記組成物を提供することであった。
この目的は、
(a)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる固体メントール成分、及び
(b)粒径が100μm超えない粒子を含むか又は(好ましくは)このような粒子からなる固体アンチケーキング剤であって、アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着し、固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、且つアンチケーキング剤の含量が8質量%を超えず、メントール成分の含量が少なくとも91質量%(好ましくは少なくとも92質量%)であり、それぞれの場合の含量は固形組成物の全質量に基づくものである、前記アンチケーキング剤
を含むか又は(好ましくは)このような(a)及び(b)からなるメントール含有固形組成物によって本発明に従って達成された。
【0004】
これに関連して、本発明のメントール含有固形組成物は好ましくは自由流動性組成物である。
本明細書において、凝集の固態(“固形組成物”、“固体成分”、“固体の形”等)における材料の存在について述べることはすべて20℃で1,013ミリバール下での状態に関する。同じことが“自由流動性”組成物について述べることにもあてはまる。
本発明は、適切なメントールの成分と上記群からの固体アンチケーキング剤とを混合することによって、貯蔵安定性が極めて高い、即ち、塊の形成やケーキングに対する抵抗が大きい高含量のメントールを有するメントール含有固形組成物を提供することが可能であるという驚くべき知見に基づく。これに関連して、固体アンチケーキング剤は、粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなるものでなければならない。アンチケーキング剤の粒子は、メントール成分の本体の表面に付着する。
本発明に従って使われる固体アンチケーキング剤は、アンチケーキング剤として実際にすでに知られているが、このこと単独では本発明の使用についてそれらはまだ資格が得られていない。我々の研究において、本発明が基づく目的を達成するためには所望される従来のあらゆるアンチケーキング剤だけを使うことができないことが実際にわかった。例えば、本発明に従って使われるアンチケーキング剤の代わりに、それぞれ固形組成物の全質量に基づいて8質量%の他のアンチケーキング剤(例えば、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、セルロース)を含むメントール含有固形組成物は貯蔵に安定でなかった。
上記固体アンチケーキング剤の使用において本発明の成功の正確な理由は、詳細には不明である。しかしながら、メントールと本発明に従って使われるアンチケーキング剤との間に、予め予想されなかった、おそらく特定の相互作用があり、本発明に従って存在するアンチケーキング剤がメントールの昇華能力又は蒸発が長期的に減少するような程度までメントール成分の本体の表面に付着することを可能にする。我々の研究は、従来のメントールの形のケーキングや塊の形成が、昇華によって又はメントールの蒸発や再付着によって非常に促進されることをメントールの昇華能力又は蒸発が長期的に減少するような程度まで示した。粒径が100μmを超えない、好ましくは50μmを超えない、特に好ましくは20μmを超えない本発明に従って使われるアンチケーキング剤の粒子は、明らかに目立って、メントールの成分の本体の表面に付着することができるとともに昇華又は蒸発に利用できる“自由な”メントール表面を長期的に制限することができる。
【0005】
好ましくは、本発明に従って使われる固体アンチケーキング剤は、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のCa、K又はNa塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれる。
特に好ましい固体アンチケーキング剤は、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、及び
それらの混合物からなる群より選ばれる。
本発明のメントール含有固形組成物は、例外的に貯蔵に安定であり、長期間の後でさえなお流動可能である。特に好ましい固体アンチケーキング剤(上記を参照のこと)が使われた場合、我々の研究において20℃で1mの床高さで6ヶ月を超える貯蔵時間後にケーキングも塊の形成も見られなかった。この関連において、結晶又は押圧片の形の本体からなる固体メントール成分が使われた。調べた本発明のメントール含有固形組成物は、全観察期間にわたって処理するのに都合がよく確実なものであり、また、注入性、流動性及び計量性のものであった。
表1は、20℃で3ヶ月間の貯蔵後に流動性についての結果を示し、メントールの結晶(嵩高さ: 50cm)の粒子径分布は下記の実施例1aに従う。具体的なアンチケーキング剤のパーセント含量は、メントール結晶とアンチケーキング剤からなるメントール含有組成物に関する。





【0006】
表1:

【0007】
括弧内のデータは、BET法で測定されたm2/gでの比表面積、又はnm(ナノメートル)又はμm(マイクロメートル)での平均粒度に関する。
D = 高度の塊形成、流動性でない
C = 中程度の塊形成、不十分な流動性
B = 自由流動性、いかなる塊形成もない
A = 非常に良好な流動性、塊形成がない
酸化マグネシウムは、最良の結果がこれにより達成されたので、特に非常に好ましい固体アンチケーキング剤である。特に平均粒度が300nm以下(ナノ粉末)の非常に微細に粉砕された酸化マグネシウムにより非常に良好な結果が達成される。平均粒度は好ましくは100nm以下であり、平均粒度は、特に好ましくは5〜50nmの範囲にある。比表面積が10〜200m2/gの範囲、好ましくは30〜150m2/gの範囲にある酸化マグネシウムの使用が好ましい(BET表面積、DIN 66131に従って測定した)。種々の品質のこのような酸化マグネシウム粉末が市販されている。
固体アンチケーキング剤として酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物によるメントール含有組成物は、9ヶ月を超える貯蔵時間後でさえ塊の形成又はケーキングを示さなかった。
固体アンチケーキング剤として酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物が使われる場合には、二酸化ケイ素と酸化マグネシウムの質量比は、好ましくは10:1〜1:10の範囲、好ましくは5:1〜1:5の範囲、特に好ましくは3:1〜1:3の範囲にある。
好ましくは、本発明のメントール含有固形組成物は、25℃で1,013ミリバール下でメントール成分の本体からのメントールの昇華能力又は蒸発が、メントールの成分(a)と比較して少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%減少するような方法で、固体アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着するとともにこれを覆う手順によって形成される。昇華速度又は蒸発速度のこの低下は、例えば、DIN 51006に従って熱重量測定によって求めることができる。熱重量測定において、この場合の混合されていないメントール成分(a)の質量と本発明のメントール含有固形組成物の質量は、融点より低い同じ一定温で(即ち、等温で)、好ましくは25℃で(1,013ミリバール下で)、時間の関数として測定される。
【0008】
我々の顕微鏡写真によって、本発明の好ましいメントール含有固形組成物において、固体メントール成分(a)の表面の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%が固体アンチケーキング剤で覆われることが示された。
本発明のメントール含有固形組成物の調製のための本発明の方法は、実施が非常に容易である。以下の工程:
(a)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる固体メントール成分、及び
(b)粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなる固体アンチケーキング剤、
を固体アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着するまで混合する工程であって、固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、固体アンチケーキング剤の含量が4質量%を超えず、メントール成分の含量が少なくとも95質量%であり、それぞれの場合の含量は調製される固形組成物の全質量に基づくものである、前記工程を含む。
上の記載は、使われることが好ましい固体アンチケーキング剤に関してもあてはまる。
使われる本発明の固体メントール成分は、本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる。しかしながら、好ましくは、メントールの含量は98質量%以上であり、99質量%以上のメントールの含量が特に非常に好ましく、99.5質量%以上のメントールの含量が特に好ましく、それぞれの場合の含量は固体メントール成分の本体の全質量に基づくものである。
【0009】
上で述べたことから、メントール成分の本体は、通例は、無機成分、即ち、特に、水もアンチケーキング剤も含まないことがわかる。
しかしながら、個々の場合において、本発明に従って存在するメントール成分本体における少量の無機成分の存在は許容しうるものであり、所望さえされてもよい。好ましくは、そのときの無機成分の含量は、本体の全質量に基づいて0〜1%の範囲にある。特に好ましい実施態様では、本発明のメントール含有固形組成物は、固形組成物の全質量に基づいて0.2質量%の水を含む。
本発明のメントール含有固形組成物におけるメントール成分(a)の本体の形は広範囲に変動し得る。特に、メントールの成分の本体は結晶、小球、薄片、押圧片、パステル、顆粒、粉末及び/又はダストの形であり得る。本発明に従って存在する固体アンチケーキング剤(b)の存在しないときに特にひどくケーキングの傾向があるそれらの形が、即ち、結晶、小球又は薄片の形のメントールの本体が特に強調される。
本発明の特に好ましいメントール含有固形組成物は、(i)メントール成分の本体の表面上にハッカ油を含まず(天然に存在する混合物から分離される従来のメントール生成物とは対照的に)及び/又は(ii)界面活性剤、即ち、表面活性物質を含まず及び/又は(iii)固形組成物の全質量に基づいて0.2質量%を超える水を含まない(日本特許公報第08-020549号による生成物とは対照的に)。
本発明のメントール含有固形組成物において、使われるメントールは、d-メントール、l-メントール又はそれらの所望のあらゆる混合物であり得る。l-メントール、d-メントール、ラセミメントールが好ましく、l-メントールが特に好ましい。
使われるメントールは、合成又は天然由来であり得るが、合成メントールの使用が好ましい。特に、天然由来のメントールが使われる場合には、メントールにしばしば所望される高純度を確実にすることが難しい(上の記載を参照のこと)。
合成及び天然メントール並びにラセミ体メントール及びエナンチオマー的に純粋なメントールの所望のあらゆる混合物を使うことができる。
メントール成分としてメントール結晶、好ましくは針状結晶が使われる場合には、好ましくは2mmまでの結晶サイズを有し、50〜1,500μmの範囲の結晶サイズが好ましい。特に好ましくは、75質量%を超える結晶は50〜1,000μm(1mm)の範囲の結晶サイズを有し、これに関連して、好ましくは60質量%を超える結晶は、200〜800μm(0.2〜0.8mm)の範囲の結晶サイズを有し、それぞれの場合の含量はメントール結晶の全質量に基づくものである。
【0010】
本発明のメントール含有固形組成物の調製に使われるのが特に好ましいメントール結晶の典型的な結晶粒度分布(篩分析による)は以下のものである。
2-25質量%は0.20mm未満の結晶サイズを有する;
40-80質量%は0.20mm〜0.50mmの範囲の結晶サイズを有する;
5-35質量%は0.51mm〜0.80mmの範囲の結晶サイズを有する;
1-15質量%は0.81mm〜1.0mmの範囲の結晶サイズを有する;
0.2-8質量%は1.1mm〜1.25mmまでの範囲の結晶サイズを有する; 及び
0.2-10質量%は1.26mm〜2mmの範囲の結晶サイズを有する。
本発明のメントール含有固形組成物の調製において、主にメントール結晶、特に針状のメントール結晶が使われる場合には、結晶サイズ及び結晶粒度分布における変化が生じることがある。使用するミキサーの種類や型及び混合強度や混合時間によっては、メントール結晶全体が混合操作の前にもともと使われたものより小さいメントール含有固形組成物が得られる。
すでに述べたように、メントール成分の本体は、多くの形で、例えば、結晶形に加えて、小球、薄片、押圧片、パステル、顆粒、粉末及び/又はダストの形であり得る。
小球は、直径が0.2〜1.5mmの範囲、好ましくは0.3〜1mmの範囲にある小ビーズである。小球は、例えば、液体メントール滴を形成し、その後、冷却媒体(例えば、冷気)中でメントール滴を冷却することによって得られる。
薄片は、例えば、冷却ロール上で融解したメントールを固化することによって得られる。これらの薄片は、通常は0.5〜2mmの薄片厚みを有し、これに関連して、薄片面積は、形状で変化しうる。薄片面積は、一様に長さ: 5〜15mm、幅: 2〜10mmの範囲にある。
押圧片は、例えば、ビーズ、立方体、平行六面体、ピロー、円筒、錠剤、ペレット又はブリケットの形であり得る。これに関連して、メントールの押圧(圧縮)は、最も多様な方法や仕方で行われ得る。証明された押圧プロセスは、例えば、Chemie - Anlagen + Verfahren 1985, volume 4, pages 51, 54 and 59に記載されている。押圧片の寸法は、非常に異なり得る。ビーズの場合には、直径は、1mm〜40mmの範囲、好ましくは5〜20mmの範囲にある。ペレットの場合には、長さと幅は、3〜30mmの範囲、好ましくは5〜15mmの範囲にある。高さは、0.5〜20mmの範囲、好ましくは2〜8mmの範囲にある。
【0011】
圧縮の間、5〜200kN(キロニュートン)の範囲の押圧力は、通常は、圧縮機装置において適用される。10〜100kNの押圧力、特に好ましくは20〜80kNが好ましい。メントールの圧縮の間、直径に基づいて1-5ニュートン/mm・mmの直線的押圧力が好ましい。
本明細書の関連において、パステルは融解したメントールを冷却された曲がっていない冷却面(例えば、冷却ベルト、冷却プレート)に滴下することによって得られるメントールの形を意味すると理解される。
顆粒は、例えば、破壊又は他のタイプの断片化によって得られるメントールの形であり、結果として形状とサイズが完全に異なることがあり得る(例えば、破壊顆粒又は粉砕顆粒)。
メントールの粉末及びダストは、例えば、天然l-メントールの結晶化の間に副生成物として得られるか又はより大きなメントール本体を摩砕ことによって得られる生成物における成分であり得る。
本発明によれば、固体アンチケーキング剤の含量は、固形組成物の全質量に基づいて8質量%を超えない。好ましくは、固体アンチケーキング剤の含量は、固形組成物の全質量に基づいて4質量%を超えず、好ましくは2.5質量%を超えず、特に好ましくは0.2〜2質量%の範囲にある。
本発明のメントール含有固形組成物において、メントール成分の含量は、固形組成物の全質量に基づいて少なくとも95質量%である。しかしながら、メントール成分の含量は、特に好ましくは96〜99.8質量%の範囲、特に非常に好ましくは98〜99.8質量%の範囲にある。
本発明に使われる固体アンチケーキング剤が、メントールの本体の昇華能力又は蒸気圧が低下するようにメントール本体の表面を覆うために他の物質よりはるかに適切であることはすでに上で述べた。それ故、本体の形状によっては本体の表面と本体の質量との比に異なる値が生じるので、本発明のメントール含有固形組成物における固体アンチケーキング剤の好ましい含量がメントール成分の本体が存在する形に左右されることは言うまでもない。
メントール結晶からなるメントール成分を有する本発明のメントール含有固形組成物は、0.5〜2.5質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%の固体アンチケーキング剤を含むことが好ましい。
メントール成分(a)が押圧片又はメントール薄片からなる本発明のメントール含有固形組成物は、好ましくは0.2〜1質量%の固体アンチケーキング剤を含む。
【0012】
メントール小球からなるメントール成分を有する本発明のメントール含有固形組成物は、好ましくは0.3〜1.5質量%の固体アンチケーキング剤を含む。
本発明に従って使われるのが好ましい固体アンチケーキング剤(b)として酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物において、二酸化ケイ素の粒子は、好ましくは沈降シリカ及び/又は発熱性二酸化ケイ素をからなる。発熱性二酸化ケイ素の使用は、沈降シリカより幾分好ましい。
比表面積が50〜500m2/gの範囲、好ましくは100〜400m2/g(BET表面積、DIN 66131に従って測定)の範囲の(好ましくは発熱性)二酸化ケイ素の使用が好ましい。
沈降シリカ(実験式: SiO2)は、例えば、沈殿プロセス又は水熱プロセスによって調製することができ、特に、商品名Sipernat(登録商標)又はCarplex(登録商標)としてDegussa-Huels AGから種々の品質で入手できる。沈降シリカは、有利には、BET方法で測定された比表面積が50〜500m2/gであり、粒径が3〜100μmの範囲である。好ましい沈殿シリカはアモルファスであり、3〜50μmの範囲の粒径を有する。
アモルファスの高度に分散した発熱性二酸化ケイ素は、例えば、酸水素ガス炎によって又は電気アーク中で調製し得る。高度に分散した疎水性又は親水性二酸化ケイ素は、例えば、商品名Aerosil(登録商標)としてDegussa-Huels AGから種々の品質で入手できる。ここでの球状主要粒子のサイズは、一様に7〜40nmの範囲にある。これらの主要粒子は、集塊や凝集体(DIN 53206を参照のこと)を形成し、沈殿シリカとは対照的に、特定の集塊サイズを有しない。好ましくは、高度に分散した二酸化ケイ素は、BET法で測定した比表面積が50〜400m2/gの範囲、好ましくは100〜300m2/gの範囲にある。主要粒子の平均サイズは、7〜20nmの範囲、好ましくは7〜16nmの範囲にあることが好ましい。
105℃で2時間後に(DIN ISO 787/IIに従って)、発熱性二酸化ケイ素は、2質量%を超えない乾燥減量を示す。1,000℃で2時間強熱した後、発熱性二酸化ケイ素は、少なくとも99.8質量%のSiO2の含量を有する。篩残渣(Mockerによる、45μm; DIN ISO 787/XVIIIに従って)は0.1質量%未満である。
粒子表面上のシラノール基は、遊離し得る(親水性二酸化ケイ素)か又はシラン又はシラザン(疎水性二酸化ケイ素)によって誘導体化され得る。
【0013】
本発明に関連して使うことができる二酸化ケイ素に関する情報は、更に、例えば、欧州特許第0 331 425号、Degussa-Huels AG製の“Aerosil(登録商標)-Pyrogene Kieselsaeuren[Aerosil(登録商標)-熱分解法シリカ]”に関するSivento製品パンフレットにおいて見つけることができる。
本発明のメントール含有固形組成物は、長い蓄積時間の後でさえ顕著な流動性を有する。
バルク商品の流動性は、息角を特徴とし得る。30o未満の息角で“非常に容易に流れる”を意味し、30o〜45oの範囲の息角で“自由流動性”を意味し、45oを超える息角で“流れが悪い”を意味する。これに関連して、塊の厳しい形成又はケーキングによる形で、このような場合には流動性がないので、息角を全く求めることができないことは留意すべきである。息角は、DIN ISO 4324に従って求めることができる。
固体アンチケーキング剤及びメントール成分が選ばれ且つ固形組成物が“非常に容易に流れる”か又は少なくとも“自由流動性”であるような量で互いに適合する本発明のメントール含有固形組成物が好ましい。
驚くべきことに、本発明のメントール含有固形組成物は、実際には非常に重要な問題を更に解決することに関与する。実際に、メントールがこれらの生成物から又はこれらの生成物において結晶する高濃度でメントールを含むことはこれまで生成物の欠点であった。特に口腔ケアの分野に用いられる、高メントール含量を有するそのまま使える液体香味組成物は、例えば、50質量%までの固体メントールを液体ハッカ油と混合することによって調製される。この手順において、固体メントールは、新鮮なメントールの味覚印象を強化するために香味組成物に配合され、それによって溶解する(例えば、液体ハッカ油に)。比較的低温で貯蔵の間及び/又は比較的長時間にわたる貯蔵の間、高メントール含量を有するこのような香味組成物からメントールが結晶するので不均一な生成物が生ずることがこれまで問題であった。結果として、特に、このような生成物の感覚の印象が逆に変化する。驚くべきことに、本発明のメントール含有固形組成物が配合された製品において、メントールの結晶化に対する傾向が非常に低いか又はないことさえある。従って、本発明のメントール含有固形組成物が使われる場合、このような製品のメントール成分に関して貯蔵安定性の増大が達成され得る。好ましくは、これに関連して、本発明のメントール含有固体組成物のメントール成分の本体は結晶の形である。
【0014】
特にメントール成分の本体が結晶の形である、本発明のメントール含有固形組成物は、更に加熱しなくても、水、エタノール及びそれらの混合物に急速に溶解する(これに関連して、実施例2を参照のこと)。従って、本発明の固形組成物は、予め希釈されなければならないか又は溶解しなければならないことなく直接製品に配合することができる。特に、メントールの急速な分配及び/又は溶解が、例えば、香味、チューインガム、菓子又は練歯磨きの調製に所望されるか又は必要である場合には、急速な溶解性は有利である。従って、製品の調製において、本発明のメントール含有固形組成物を残りの香味剤から別々に製品に配合することが可能であり、結果として混合又は混練の時間を減少させることが可能である。例えば、1質量%の練り歯磨き香味剤を含み、40質量%の固体メントールも含むそのまま使うことができる練り歯磨きの調製において、固体メントールを含まない練り歯磨き香味剤の用量は、0.6質量%まで減少させることができ、本発明のメントール含有固形組成物の形で直接練り歯磨き混合物に0.4質量%の含量を添加することができる。
本発明のメントール含有固形組成物は、更に予想外の感覚効果を示す。
チューインガム板/糖衣において、本発明のメントール含有固形組成物の配合は、香味の放出遅延の効果を有し、それ故、噛んでいる間の“持続性”効果の増大を有した。即ち、同じ用量(1質量%、最終チューインガムに基づき)の通常のl-メントール結晶の配合と比較してより長い間、香味が認められる。更に、本発明のメントール含有固形組成物の含量が配合されたチューインガムの香味プロファイルは、比較してよりはっきりしたより放射されるメントール味を示した。
従って、(i)バランスのよい新鮮で急速な影響を確実にする、噴霧乾燥メントール(例えば、0.7質量%、最終チューインガムに基づいて)と、(ii)香味の放出遅延作用を有し、それ故、効力のある“持続性”効果を有する、本発明のメントール含有固形組成物(例えば、0.7質量%、最終チューインガムに基づいて)の配合の組合わせは、味全体のスペクトル、特にチューインガム板/糖衣に及ぶ理想的な相補的組合わせである。
(a)ペパーミント香味剤、例えば、市販で入手できるOptamint(登録商標)香味剤(Symrise GmbH & Co. KG)と(b)本発明のメントール含有固形組成物がチューインガム板/糖衣に組合わせて配合される場合には、ここではよりはっきりした“持続性”効果も認められる。
【0015】
糖衣の場合には、特にチューインガム糖衣において、コーティング(即ち、糖衣コーティングによって適用された、場合によっては多層である被覆)が本発明のメントール含有固形組成物を用いて調製される。本発明の対応する糖衣錠は、口の中で噛んでいる間、非常にはっきりした放射される新しい新鮮なメントール味を生じる。この感覚の効果は、また、他の製菓、例えば、噛み菓子又は堅いキャラメルを糖衣コーティングすることによって達成される。
コーティングは、好ましくは、少なくとも1つの糖(好ましくは、キシロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、マンノース、ラクトース、マルトース、スクロース及びそれらの混合物から選ばれる; グルコース及びスクロースが特に好ましい)及び/又は少なくとも1つの糖代用品(好ましくはイソマルトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール及び/又はマンニトールから選ばれる)を含む。
それ故、態様において、本発明は、更に、摂取に適する糖衣製品であって、コーティングが(a)固体メントール本体及び(b)粒径が100μmを超えない粒子を含むか又は(好ましくは)このような粒子からなる固体アンチケーキング剤であって、固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、コーティングの少なくとも1層において固体アンチケーキング剤(b)の含量が成分(a)と(b)の全質量に基づいて8質量%を超えない、前記固体アンチケーキング剤を含むことを特徴とする、前記糖衣製品に関する。
【0016】
上述のことは、従って好ましい固体流動助剤に関して適用する。
糖衣及び圧縮錠において本発明のメントール含有固形組成物の使用は、わずか0.2質量%の用量で味覚プロファイルがすでにこれまで用いられたメントールの固体の形の場合より非常にはっきりし新鮮であるので、非常に有利である。放射されるメントール味が生じ、用量が0.5質量%まで増大する場合に著しく増大して“パワーミント”生成物を得る。これに関連して、パーセントデータは、そのまま使える糖衣又は圧縮錠の全質量に関する。糖衣及び圧縮錠剤において、本発明のメントール含有固形組成物は、他の表示形と比較して同じ用量でより新鮮な効果又は新鮮な味覚の強化を有する。
本発明のメントール含有固形組成物は、これまで可能でなかったメントールの充填による一つ又は複数の糖及び/又は一つ又は複数の糖代用品の芳香化マトリックスの押出しによってガラス型香味粒子の調製が可能になる。ガラス型香味粒子の調製及び使用は、例えば、国際出願第03/092412号とそこに引用された文献に記載されている。これまで、固体メントールは、溶媒に溶解され、溶液として押出しプロセスに組込まれた。これに関連して、2つの限度: 一方は使用する一つ又は複数の溶媒におけるメントールの溶解限度によって、もう一方は使用する一つ又は複数の溶媒自体の量によって、それらの軟化特性があることから、溶媒は糖及び/又は糖代用品の芳香化マトリックスの押出成形性を低下させるか又はあまりに高用量で押出しを妨げるので、最終のガラス型香味粒子に達成され得る最大メントール濃度が決定される。
本発明によれば、最終のガラス型香味粒子に基づいて20質量%までのメントール充填が達成され得る結果として、直接押出され得る一つ又は複数の糖及び/又は一つ又は複数の糖代用品及び本発明のメントール含有固形組成物の固体(均一な)プレミックスの調製がここで可能である。これによりガラス型香味粒子の場合にこれまで可能であったものより5〜6倍のメントール充填に対応する。
それ故、態様において、本発明は、最終のガラス型香味粒子に基づいて少なくとも3.5質量%、好ましくは少なくとも5質量%のメントール、及び固体アンチケーキング剤を含むガラス型香味粒子であって、固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩及び
それらの混合物からなる群より選ばれる、前記ガラス型香味粒子に関する。
【0017】
これに関連して、上述のことは、従って好ましい固体流動助剤に関して適用する。
好ましい実施態様において、本発明のガラス型香味粒子における固体アンチケーキング剤の含量は、少なくとも0.05質量%、好ましくは少なくとも0.1質量%である。
本発明のメントール含有固形組成物は、もちろん、一例としての上記のためだけに使用し得るものではない。従って、本発明は、またかなり一般的には、本発明のメントール含有固形組成物を含む物品に関する。しかしながら、これに関連して、物品は、好ましくは、摂取に適する製品、喫煙品、タバコ製品、香料(芳香剤)、香味剤、口腔衛生品、化粧品、医薬品及び皮膚科用品及び封入されたメントール含有固形組成物からなる群より選ばれる。
本発明の関連する態様は、従って、メントール含有物品、特に摂取に適する製品、喫煙品、タバコ製品、香料(芳香剤)、香味剤、口腔衛生用品、化粧品、医薬品及び皮膚科用品及び封入されたメントール含有固形組成物からなる群より選ばれる物品の調製のための本発明のメントール含有固形組成物の使用に関する。
これに関連して、本発明のメントール含有固形組成物は、もちろん、特に上記物品を芳香化するのに使われる。
製品において本発明のメントール含有固形組成物の含量は、製品の種類に従ってかなり変動する。
そのまま使える製品、例えば、口腔衛生用品、摂取に適する製品(例えば、食料品)又は化粧品では、本発明のメントール含有固形組成物の含量は、そのまま使える製品の全質量に基づいて好ましくは0.01〜10質量%の範囲、特に好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
もう一方では、香味剤又は芳香剤混合物では、本発明のメントール含有固形組成物の含量は極めて多量にすることができ、一様に、香味剤又は芳香剤混合物の全質量に基づいて0.01〜70質量%の範囲、好ましくは1〜50質量%の範囲にある。
摂取に適する製品は、ヒト口腔に導入されることが意図される製品、一定期間そこに残り、その後、いずれも飲み込まれる、即ち、食べられることが意図される製品(例えば、食料品)又は更にまた口腔から取り出されることが意図される製品(例えば、チューインガム)である。これには、加工された、部分的に加工された又は加工されない状態でヒトが取り入れることが意図される全ての物質又は製品が含まれる。これには、更に、調製、加工又は使用の間、摂取に適する製品に添加される全ての物質が含まれる。
摂取に適する好ましい製品は、例えば、焼き商品(ビスケット、ケーキ、マフィン、ワッフル、焼き混合物)、製菓(堅いキャラメル、軟らかいキャラメル、噛む菓子、圧縮錠、糖衣、糖ビーズ、糖フィリング)、乳製品(ヨーグルト、プディング、アイスクリーム)、チョコレート商品(白、ミルク又はダークチョコレート、チョコレートバー)、クリーム状組成物(焼き商品のフィリング、例えば、ビスケットフィリング、チョコレートのためのクリーム状フィリング、バーのためのクリーム状フィリング)、チューインガム(糖を含まない、糖を含む、板、圧縮錠、糖衣錠)、スナックやスナック混合物、水溶性粉末製品、振りかけるための混合物(トッピング)である。
【0018】
本発明の関連において、口腔衛生用品(以下では口腔ケア製品又は口腔衛生製剤とも呼ばれる)は、口腔及び咽頭腔の洗浄及びケアするために、また、息をリフレッシュするために当業者によく知られている製剤の1つを意味すると理解される。これに、歯とガムのケアが含まれることは明白である。通例の口腔衛生製剤の表示形は、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、エマルジョン、懸濁液、エアゾールやスプレー、また、カプセル、顆粒、パステル、錠剤、菓子又はチューインガムであるが、このリストは、本発明のために限定すると理解されるものではない。
好ましい口腔衛生は、特に、歯科ケア組成物、例えば、練り歯磨き、デンタルクリーム、デンタルゲル、歯磨き粉、うがい薬、糸ようじ、シームレスのカプセル、なめるための菓子及び糖を含まないチューインガムである。
本発明のメントール含有固形組成物は、その上封入によって更に加工され得る。好ましくは、これを含むメントール含有固形組成物及び/又は液体又は固体製剤は、固体封入材料によって封入され、好ましくは、デンプン、分解したデンプン又は化学的に又は物理的に変性されたデンプン(特にデキストリンやマルトデキストリン)、ゼラチン、アラビアゴム、寒天、ガッチゴム、ゲランゴム、変性及び未変性セルロース、プルラン、カードラン、カラゲナン、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、イヌリン、キサンタンガム及び挙げた物質の二つ以上の混合物より選ばれる。
好ましくは、固体シェル材料は、ゼラチン(好ましくは200以上のブルーム値を有する、好ましくは240以上のブルーム値を有する、少なくとも一つのゼラチンを含むブタ、ウシ、鶏及び/又は魚ゼラチン及びそれらの混合物が有利である)、マルトデキストリン(好ましくは、トウモロコシ、小麦、タピオカ又はジャガイモから得られる; 好ましいマルトデキストリンは、10-20の範囲のDE値を有する)、変性セルロース(例えば、セルロースエーテル)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸Na)、カラゲナン(ベータ-、イオタ-、ラムダ-及び/又はカッパ-カラゲナン)、アラビアゴム、カードラン及び/又は寒天より選ばれる。特に種々のブルーム値において良好な利用可能性があることから、好ましくはゼラチンが用いられる。
シェルが噛まれたときに口の中で非常に急速に溶解するか又は破壊するとともにこのようにして口腔において活性化合物を放出する、シームレスのゼラチン又はアルギン酸塩カプセルが、特に口腔衛生のために特に好ましい。調製は、例えば、欧州特許第0 389 700号、日本特許公報第7 196 478号、米国特許第4,251,195号、米国特許第6,214,376号、国際出願公開第03/055587号又は国際出願公開第2004/050069号に記載されるように行われ得る。
【0019】
本発明の化粧品及び/又は皮膚科用品は、慣用の組成物を有することができ、化粧用及び/又は皮膚科用日焼け防止に、更に、皮膚及び/又は毛髪の治療、ケア及び洗浄に及び構成装飾的な化粧品におけるメーキャップ製品として役に立つことができる。本発明の製品は、例えば、それらの構成によっては、皮膚保護クリーム、洗浄ミルク、日焼け止めローション、栄養クリーム、日中又は夜用クリーム等として対応して使用し得る。適切な場合には、医薬品のベースとして、本発明の生成物を用いることが可能であり、有利である。皮膚ケア又はメーキャップ製品の形であるそれらの化粧用製品や皮膚科用製品が特に好ましい。クリーム、ゲル、ローション、アルコール性溶液や水性/アルコール性溶液、エマルジョン又はスティック製剤が典型的な実施態様である。これらの組成物は、その上、補助物質や添加剤として、温和な界面活性剤、共乳化剤、過脂肪剤、真珠箔ワックス、一貫性を与える物質、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生体活性化合物、脱臭活性化合物、フケ予防剤、膜形成剤、膨潤剤、ヒドロトープ、防腐剤、防虫剤、なめし剤、人工自動なめし剤(例えば、ジヒドロキシアセトン)、可溶化剤、香油、染料、細菌阻止剤等を更に含むことができる。
使用のために、本発明の化粧品及び皮膚科用品は、皮膚及び/又は毛髪に化粧品の通常の方法において充分な量で適用する。
皮膚及び毛髪の保護のための化粧用組成物の形である本発明の化粧品及び/又は皮膚科用品が特に好ましい。これらは、有利には、本発明に従って用いられるUV-A、UV-B及び/又はブロードバンドフィルタに加えて、少なくとも1つの無機顔料、好ましくは無機マイクロ顔料を含むことができる。
本発明の化粧品及び/又は皮膚科用品は、このような製品に従来使われるような化粧用補助物質、例えば、防腐剤、殺菌剤、香料、発泡を防止する物質、染料、着色作用を有する顔料、増粘剤、保湿物質及び/又は水分保持物質、脂肪、油、ワックス又は化粧品又は皮膚科用品の他の従来の成分、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解液、有機溶媒又はシリコーン誘導体を含むことができる。
本発明の好ましい実施態様は、更に、添付の特許請求の範囲及び以下の実施例から明らかになる。これに関連して、上述のことは、常に好ましい固体流動助剤に関して適用する。特にことわらない限り、実施例におけるデータは質量に関係する。
【0020】
実施例1:
以下の結晶粒度分布(篩分析)を有する新たに調製された針状結晶の形の合成l-メントール(チモールから)(42-43℃の融点を有するメントールの含量は、>99質量%であった)を以下の実施例1a及び1bに使った。
13質量%が0.20mm未満の結晶サイズを有する;
58質量%が0.20mm〜0.50mmの範囲の結晶サイズを有する;
19質量%が0.51mm〜0.80mmの範囲の結晶サイズを有する;
5質量%が0.81mm〜1.0mmの範囲の結晶サイズを有する;
2質量%が1.1mm〜1.25mmの範囲の結晶サイズを有する; 及び
3質量%が1.25mmを超える範囲の結晶サイズを有する。
実施例1a:
新たに調製された針状結晶の形のl-メントール(25kg)(粒子分配、実施例1を参照のこと)をまず最初にミキサーに導入し、380gの酸化マグネシウムと簡単に且つ強力に混合した(算出平均粒度: 12.8nm、BET比表面積: 130m2/g)。全固形分混合物における酸化マグネシウムの含量は、約1.5%であった。最初のメントール結晶は、混合操作によって粉砕された。
このようにして得られた本発明のメントール含有固体組成物を篩分析にかけ、以下の粒子分配を有した。
49.6質量%が0.20mm未満の結晶サイズを有する;
45質量%が0.20mm〜0.50mmの範囲の結晶サイズを有する;
3.2質量%が0.51mm〜0.80mmの範囲の結晶サイズを有する;
2質量%が0.81mm〜1.0mmの範囲の結晶サイズを有する;
0.1質量%が1.1mm〜1.25mmの範囲の結晶サイズを有する; 及び
0.1質量%が1.25mmを超える範囲の結晶サイズを有する。
このメントール含有固形組成物を、立方形の箱の中のプラスチックバッグに装填し、20℃で保存した(嵩高さ: 50cm)。14日毎に、本発明の組成物をその流動性について光学的に且つ機械的に調べた。9ヶ月後にさえケーキング又は塊の形成は見られなかった。
実施例1b:
新たに調製された針状結晶の形の150-200kgのl-メントール(粒子分配、実施例1を参照のこと)を側面(円周60cm、幅10cm、面積600cm2)を有する2つの圧縮機ロールを含む圧縮機装置(Hosokawa Bepex GmbH製)に震動チャネル上で1時間供給した。室温で50kNの押圧により、圧縮機は、長さ=幅=10.2mm、高さ=5mmの寸法を有するペレット(ピロー形)の形で押圧片を製造した。
50kgのこれらのピロー形ペレットを350gの酸化マグネシウムと混合した(算出平均粒度: 36nm、BET比表面積: 46m2/g)。
このようにして調製されたメントール含有製剤は、室温において100cmの嵩高さで12ヶ月の貯蔵時間の後でさえ塊の形成又はケーキングを示さなかった。
【0021】
実施例1c:
新たに調製された針状結晶の形のl-Menthol(25kg)(粒子分配、実施例1を参照のこと)をまず最初にミキサーに導入し、種々の量の酸化マグネシウムと簡単に且つ強力に混合した(算出平均粒度: 12.8nm、BET比表面積: 130m2/g、実施例1aに匹敵する)。全固形分混合物における酸化マグネシウム(固体アンチケーキング剤)の含量は、0.5質量%、1質量%、2質量%又は4質量%であった。最初のメントール結晶は、混合操作によって粉砕された(実施例1aに匹敵する)。種々の含量の酸化マグネシウムを有するメントール含有固形組成物を、それぞれ立方形の箱の中のプラスチックバッグに装填し、20℃で保存した(嵩高さ: 50cm)。2ヶ月後、ケーキング又は塊の形成は全4つの組成物のいずれにも見られなかった。具体的なの固形組成物は、2ヶ月後でさえなお非常に良好な流動性を示した。
実施例1d:
表1は、実施例1aの粒子径分布を有するメントール結晶(バルク高さ: 50cm)と20℃で3ヶ月間の貯蔵した後の流動性検査の結果を示すものである。酸化マグネシウムと二酸化ケイ素をからなる具体的な固体アンチケーキング剤のパーセント含量は、メントール結晶と固体アンチケーキング剤からなるメントール含有組成物に関する。以下の品質(種類)の酸化マグネシウムをここでナノ粉末として使った。
MgO(a):
平均粒度: 12.8nm、BET比表面積: 130m2/g)、供給元: Sigma-Aldrich
MgO(b):
平均粒度: 20nm、BET比表面積:>50m2/g、供給元: Accumet Materials Inc.
MgO(c):
平均粒度: 36nm、BET比表面積: 46m2/g、供給元: Accumet Materials Inc.
【0022】
表1:

【0023】
括弧内のデータはBET法(DIN 66131に従って)で測定した比表面積m2/gと主要粒子の平均サイズに関する。
D = 高度の塊形成、流動性でない
C = 中程度の塊形成、不十分な流動性
B = 自由流動性、いかなる塊形成もない
A = 非常に良好な流動性、塊形成がない
実施例2:
上記実施例1aによる本発明の固形組成物の溶液の種々の速度及び本発明でないl-メントールの形を比較した。
このために、各々の場合において、5gのl-メントール又は実施例1aによる本発明の5gのl-メントール含有固形組成物をエタノールと水の同質量含量の一定の20℃で温度制御された95gの混合物に添加し、メントール及びメントール含有固形組成物の完全に溶解する(光学分析)のかかる時間を求めた。
具体的な溶液試験は、直径が5cmで充填の高さが7cmのガラスビーカーにおいて行った。ガラスビーカーの含量をいずれの場合においても溶液試験の間に毎秒4回転の磁気スターラ速度で長さ4cmの磁気撹拌フィッシュで撹拌した。温度をPt-100温度計でモニタし、温度計は液体へ5cmの深さに浸漬し、ガラスビーカー壁から1cm離れたところに配置し、同時にバッフルとして使用した。
溶液試験において使った天然メントールの結晶は、99.2%のl-メントールの含量と0.8%のメントールを含まないハッカ油含量(GCパーセント面積におけるデータ)を有した。ここでの結晶のサイズは、天然l-メントールの典型的な(市販の)結晶形状に対応した。
以下の表2は、実施例1aからのメントール含有固形組成物と比較した本発明でないl-メントールの種々の形に対する溶解時間を示すものである。
【0024】
表2:

【0025】
製剤実施例F1−F14:
F1. ゲル状デンタルクリーム

【0026】
F2. 歯垢に対するデンタルクリーム

【0027】
F3. 歯垢に対するデンタルクリーム













【0028】
F4. 傷んだ歯のケアのためのデンタルクリーム

【0029】
F5. 傷んだ歯のケアのためのデンタルクリーム












【0030】
F6. フッ素を含むそのまま使える含嗽液

【0031】
F7. 口臭に対して活性を有する含嗽濃縮液

【0032】
F8. チューインガム、糖を含む














【0033】
F9. 糖を含まないチューインガム

【0034】
F10. チューインガム糖衣、糖を含まない
Q1: チューインガムベース組成物成分

【0035】
チューインガムベース組成物(Q1)の全成分を混合し、チューインガムストランドに型打ちし、その後、個々のチューインガムピローに成形する。その後、チューインガムピローを、回転する糖衣コーティングドラム内で40質量%強度のアラビアゴム溶液によって湿潤した(固めた)。その後、固まったチューインガムピローを、実質的に本発明のメントール含有固形組成物及び少なくとも一つの糖代用品(通常イソマルトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール及び/又はマンニトールから選ばれ、必要により粉状のアラビアゴムが更に使われてもよい)を含む粉状の混合物Aを有する回転する糖衣コーティングドラム内でコーティングした。冷たい空気で充分に乾燥した後、このようにしてコーティングされるチューインガムピローを一晩乾燥した。乾燥したコーティングチューインガムピローにコーティング溶液Bを用いてコーティングを更に適用するために、最初に15枚の層を糖衣コーティングによって適用し、第16番目の層において、成分Cと混合物Bの混合物を適用した。その後、コーティング(Q2)の全質量が最初のチューインガムピロー(Q1)の質量の約35質量%になるまで、混合物Bを用いて層を更に適用した。チューインガム糖衣に光沢を与えるために、カルナウバ蝋及び黄蝋の同質量の含量の混合物を含む研磨剤によって最終処理を行った。そのまま使えるチューインガム糖衣は、口中で噛んでいる間、非常にはっきりした放射される新鮮で新規なメントール味を生じる。
【0036】
Q2: コーティング成分(被覆)
(述べられる含量は、チューインガムピロー(Q1)に適用されるコーティング(Q2)の全質量に関する; Q2の全質量は、Q1の質量に基づいて約35%であった)

【0037】
F11. 直接摂取するゼラチンカプセル

【0038】
ここでの香味Bは、以下の組成(各々の場合に質量%のデータ): 0.1%のネオターム粉末、0.05%のアスパルテーム、29.3%のレモン油、29.3%のオレンジ油、2.97%のスクラロース、2.28%のトリアセチン、5.4%のジエチルタートレート、12.1%のペパーミントオイルヤキマ、0.7%のエタノール、3.36%の2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、3.0%の2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、0.27%のバニリン、5.5%のd-リモネン、5.67%のl-メンチルアセテートを有した。
直接摂取に適するゼラチンカプセルは、5mmの直径を有し、コア材料とシェル材料との質量比は90:10であった。カプセルは10秒未満で口中で開放し、50秒未満で完全に溶解した。




【0039】
F12. 噛む菓子

【0040】
調製の説明:
a)ゼラチンを水(ゼラチンの量の1.8倍)で70℃で2時間膨潤する;
b)糖、シロップ、水、脂肪及びレシチンを123℃で沸騰させる;
c)ゼラチン溶液と沸騰している混合物とを徐々に混合する;
d)メントール含有組成物中で撹拌し、必要により着色してもよい;
e)得られた塊を冷却テーブル上で約70℃の温度に制御し、その後、フォンダンを添加し、延伸機に約3分間通気する;
f)続いて、噛む菓子の塊を切断し、包装する。
噛む菓子を食べる場合、噛んでいる間、強いメントール味が認められ、噛む菓子の生地が心地よい。
【0041】
F13. 圧縮錠、糖を含有する又は糖を含有しない

全ての成分を混合し、適切な機械で圧縮錠剤に押圧する。
【0042】
F14. 押出し物

【0043】
調製の説明(国際出願公開第03/092412号も参照のこと):
全ての成分を混合し、その混合物を一点計測よる二軸スクリュー押出機に運搬した。押出し温度は100〜120℃であり、比入力エネルギーは0.2kWh/kgであった。1mmの孔を備えた押出機ダイプレートから出てくるストランドをダイの出口の直後にブレードを回転させることによって約1mm径の粒子に切断した。このようにして調製された顆粒は10質量%のメントールの含量を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる固体メントール成分、及び
(b)粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなる固体アンチケーキング剤、
を含むか又は上記からなるメントール含有固形組成物であって、
前記アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着し、
前記固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、及び
前記アンチケーキング剤の含量が8質量%を超えず、メントール成分の含量は少なくとも91質量%であり、それぞれの場合の含量は固形組成物の全質量に基づくものである、
ことを特徴とする上記メントール含有固形組成物。
【請求項2】
固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のCa、K又はNa塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、好ましくは
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、及び
それらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1記載のメントール含有固形組成物。
【請求項3】
メントール成分の本体が、無機成分を含まないか又は本体の全質量に基づいて0〜1%の無機成分を含む、請求項1又は2記載のメントール含有固形組成物。
【請求項4】
メントール成分の本体が、結晶、小球、薄片、押圧片、パステル、顆粒、粉末及び/又はダストの形であり得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物。
【請求項5】
メントール成分の本体が、
(i) それらの表面にハッカ油を含まず及び/又は
(ii) 界面活性剤を含まず及び/又は
(iii) 固形組成物の全質量に基づいて0.2質量%を超える水を含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物。
【請求項6】
固体アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着し、25℃で1,013ミリバール下でメントール成分の本体からメントールの昇華能力又は蒸気圧が純粋なメントール成分(a)と比較して少なくとも25%低下するような方法でこれを覆う、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物。
【請求項7】
固形組成物における固体アンチケーキング剤の含量が、固形組成物の全質量に基づいて4質量%を超えず、好ましくは2.5質量%を超えない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物を含む物品。
【請求項9】
物品が、摂取に適する製品、喫煙品、タバコ製品、香料(芳香剤)、香味剤、口腔衛生用品、化粧品、医薬品及び皮膚科用品及び封入されたメントール含有固形組成物からなる群より選ばれる、請求項8記載の物品。
【請求項10】
(a) 固体メントール本体及び
(b) 粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなる固体アンチケーキング剤、
を含む、摂取に適する糖衣コーティング製品であって、
前記固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、
コーティングの少なくとも1層において固体アンチケーキング剤(b)の含量が成分(a)と(b)の全質量に基づいて8質量%を超えない、
ことを特徴とする、上記糖衣コーティング製品。
【請求項11】
最終ガラス型香味粒子に基づいて少なくとも3.5質量%、好ましくは少なくとも5質量%のメントール及び固体アンチケーキング剤を含むガラス型香味粒子であって、固体アンチケーキング剤が、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれる、前記ガラス型香味粒子。
【請求項12】
メントール含有物品、特に、摂取に適する製品、喫煙品、タバコ製品、香料(芳香剤)、香味剤、口腔衛生用品、化粧品、医薬品及び皮膚科用品及び封入されたメントール含有固形組成物からなる群より選ばれる物品の調製のための請求項1〜7のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物の使用。
【請求項13】
下記工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のメントール含有固形組成物の調製方法:
(a)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体からなる固体メントール成分、及び
(b)粒径が100μmを超えない粒子を含むか又はこのような粒子からなる固体アンチケーキング剤とを、固体アンチケーキング剤の粒子がメントール成分の本体の表面に付着するまで混合する工程、
ここで、固体アンチケーキング剤は、
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれ、及び
固体アンチケーキング剤の含量は4質量%を超えず、メントール成分の含量が少なくとも95質量%であり、それぞれの場合の含量は調製される固形組成物の全質量に基づくものである。
【請求項14】
(a)メタノールの昇華又は蒸発及び/又は(b)本体の全質量に基づいて95質量%以上のメントールの含量を有する本体のケーキングを低下又は防止するための物質として
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
ヒドロキシ炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、
酸化マグネシウムと二酸化ケイ素の混合物、
マンニトール、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、
ポリジメチルシロキサン、
食用脂肪酸のAl、Ca、K、Na、Mg又はNH4+塩、及び
それらの混合物からなる群より選ばれる固体アンチケーキング剤の使用。

【公表番号】特表2008−534655(P2008−534655A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504771(P2008−504771)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061392
【国際公開番号】WO2006/106130
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】