説明

メーキャップ化粧料

【課題】下地料及び仕上料を二度塗りする手間がなく、種々の形態で提供することができ、なおかつシワ等の形態トラブルを効果的に隠すことができる化粧料の提供。
【解決手段】板状複合粉末と球状中空無機粒子と高粘度油分とを含有してなり、前記板状複合粉末が干渉色を呈する板状粉末であることを特徴とする化粧料。前記板状複合粉末と前記球状中空無機粒子との配合比率は5:1〜1:2の範囲とするのが好ましく、化粧料は1回の適用で効果を発揮することができ、シワ等の形態トラブル、特に口唇のシワを目立たなくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シワ隠し効果に優れた化粧料に関する。より詳細には、本発明は、板状複合粉末と球状中空無機粒子と高粘度油分とを組み合わせて配合することにより、皮膚、特に唇のシワを目立たなくすることができる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シワ、毛穴、肌理の荒さ、あるいは色斑等の形態トラブルを隠蔽することは、ファンデーションや口紅などのメークアップ化粧料が意図する主要な効果の一つである。
特許文献1には、粘着性物質を含有するメークアップ下地料(第一層)を塗布した上に光を拡散反射する粉末を含有する仕上料(第二層)を重層することにより優れた形態トラブル隠蔽効果が得られると記載されている。当該仕上料(第二層)に含まれる拡散反射をする粉末には、具体的には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン被覆雲母、モンモリロナイト等の無機粒子及びナイロン粉末、メタクリル酸メチル粉末、ポリエチレン粉末等の有機粒子が含まれる。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、所望の隠蔽効果を持続的に得るためには下地料と仕上料を重層させるという手間が必要であった。
【0003】
また、特許文献1において光を拡散反射する粉末として使用されるのは板状粉末でも球状粉末でもよいとされているが、例えば、肌理や毛穴などを目立たなくする補正効果を発揮する球状樹脂粉末(ナイロン粉末など)を化粧料中で板状のパール光沢剤(例えば、二酸化チタン被覆雲母など)と併用すると、両者の効果が相殺され、球状樹脂粉末による補正効果もパール光沢剤によるツヤ感も不十分になってしまうという問題があった(特許文献2の背景技術参照)。
【0004】
特許文献2では、球状樹脂粉末を親水化して水相(内相)に配合し、疎水性の板状粉末(パール光沢剤)を有機相(外相)に配合した油中水型乳化化粧料とすることにより上記の課題を解決している。しかしながら、当該化粧料は所定範囲の粘度を有する乳液状からクリーム状で提供されなければならず、粘度が所定範囲から逸脱すると良好な操作感が得られない場合があった。
【0005】
【特許文献1】特開平6−128122号公報
【特許文献2】特開2007−302583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、下地料及び仕上料を二度塗りするような手間がなく、種々の形態で提供することができ、なおかつシワ等の形態トラブルを効果的に隠すことができる化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
係る課題を解決するため、本発明は、板状複合粉末と、球状中空無機粒子と、高粘度油分とを含有してなり、前記板状複合粉末が干渉色を呈する板状粉末であることを特徴とする化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料は、1回の適用で所望の効果を発揮することができ、シワ等の形態トラブル、特に唇のシワを目立たなくすることができる。また、本発明の化粧料は固形から液状までの種々の形態で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で使用される板状複合粉末は干渉色を呈する板状粉末であり、化粧料に用いられる一般的なものを用いることができるが、特にパール剤と呼ばれる干渉色を呈する板状の積層体が好ましい。これらは干渉層と呼ばれる金属酸化物の層から強い光を発する効果を持つ。特に、0.3〜2、好ましくは0.5〜1の屈折率差を有する複数の材料の積層体からなる板状複合粉末が好適に用いられる。
【0010】
具体的には、例えば、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、カーミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、ベンガラ・酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆アルミナフレーク(メルク社製シローナシルバーなど)、酸化チタン被覆シリカフレーク(メルク社製シローナマジックモーヴなど)、酸化鉄・シリカ被覆アルミニウム、酸化鉄・シリカ被覆酸化鉄、酸化チタン及び酸化ケイ素被覆雲母(メルク社製チミロンスプレンディッドゴールド、同シローナカリビアンブルーなど)、酸化チタン被覆ガラスフレーク(日本板硝子社製メタシャインMC1080RR、エンゲルハード社製リフレックスシリーズなど)を用いることができる。
【0011】
本発明で使用される球状中空無機粒子は、外周部がシリカ等の無機物質からなる殻であり中心部が中空であるコア・シェル構造の球状粒子を意味する。球状中空無機粒子は、好ましくは粒径のそろったミクロンオーダーの粒径を有する中空シリカ粒子である。
本発明で使用する球状中空シリカ粒子は、ゾルーゲル法などの周知の方法で調製することもできるが(例えば、特開平11-29318号公報参照)、市販品をそのまま使用してもよい。市販品としては、ABC Nanotech社のSILNOS(登録商標)シリーズの中空シリカ粒子、SILNOS(登録商標)130(平均粒径3.0μm)、160(平均粒径6.0μm)、190(平均粒径9.0μm)、あるいは、電気化学工業社のDBSシリーズ等が挙げられる。
【0012】
なお、本発明における球状中空無機粒子の殻を構成するのはシリカに限られるものではなく、例えば、硼珪酸ガラスやアルミナ珪酸塩などの無機物質からなる球状中空粒子を使用してもよい。硼珪酸ガラスやアルミナ珪酸塩などの無機物質からなる球状中空粒子の例として、住友スリーエム社のグラスバブルズKシリーズ、Sシリーズ、フローテッドシリーズ、あるいは東海工業社のCEL−STAR(セルスター)等を挙げることができる。
その他の好ましい無機物質は、限定されないが、例えば、中心部の空気の屈折率が1.0であることに鑑み、0.3〜1.7程度の屈折率を有する無機物質を選択して中空粒子に光拡散性を付与するのが好ましい。但し、本発明の球状中空無機粒子は中空樹脂粒子を含まない。球状中空無機粒子に換えて中空樹脂粒子を配合した場合には意図するシワ隠蔽効果が得られない場合があるからである。
【0013】
本発明の化粧料で使用する球状中空無機粒子の粒径は、好ましくは2〜20μm、より好ましくは4〜15μmである。粒子径が0.5μm未満であると化粧料の使用時にきしみ感が生じる場合があり、粒子径が20μmを越えると化粧料の塗布面がざらつく傾向がある。
【0014】
本発明の化粧料における上記複合粉末の配合量は、板状複合粉末が20質量%以下、球状中空無機粒子が15質量%以下であり、好ましくは、板状複合粉末が1〜15質量%、球状中空無機粒子が1〜12質量%であり、より好ましくは、板状複合粉末が2〜10質量%、球状中空無機粒子が1〜10質量%の範囲である。以下、本明細書中の配合量(%)は、特に断らない限り質量%を意味する。
【0015】
本発明の化粧料における板状複合粉末と前記球状中空無機粒子との配合比率は、好ましくは5:1〜1:2、より好ましくは3:1〜1:1の範囲とする。配合比率が前記範囲から逸脱すると、本発明の目的とするシワ等の隠蔽効果が不十分となる。また、特に板状複合粉末が多すぎると、化粧料ののびの滑らかさ及びツヤが劣る傾向がある。
【0016】
本発明の化粧料で使用される高粘度油分は、30℃における粘度が1000cps以上、好ましくは8000〜500000cpsである(非シリコーン)炭化水素油分を意味する。なお、本明細書でいう粘度は、BL粘度計を用いてロータ3号、12rpmという条件で測定した値を指す。
【0017】
高粘度油分の具体例として、リンゴ酸ジイソステアリル、ジペンタエリトリットモノステアリン酸エステル、ショ糖テトライソステアレート、ジグリセリンジイソステアレート、トリグリセリンジイソステアレート、デカグリセリンデカイソステアレート等のポリグリセリンのイソステアリン酸エステルを含むイソステアリン酸エステル類、イソブテンとn−ブテンとの共重合体の水素添加物やポリブテンを含む重質流動イソパラフィン類などを例示することができる。これらは、一種のみでも二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの中でも、重質流動イソパラフィン及びリンゴ酸ジイソステアリルが特に好ましく使用される。
重質流動イソパラフィンとしては、平均分子量が500〜4500、好ましくは1000〜3500のポリブテンが特に好ましく、その粘度は30℃において15000〜500000cpsである。リンゴ酸ジイソステアリルは、平均分子量600〜800、粘度が30度において1200〜2500cpsであるものが特に好ましい。
本発明の化粧料における高粘度油分の配合量は特に限られないが、5質量%〜15質量%とするのが好ましい。
【0018】
本発明の化粧料は、上記板状複合粉末と球状中空無機粒子と高粘度油分を組み合わせて使用することにより、形態トラブル、特にシワ等を効果的に隠蔽することができる。よって、本発明の化粧料は、口紅、アイシャドー、マスカラ、ファンデーションなどのメークアップ化粧料、好ましくは油性メークアップ化粧料とするのに適している。
【0019】
本発明の化粧料に必須成分として配合される板状複合粉末、球状シリカ粒子、及び高粘度油分は、いずれも従来から化粧料に使用されているものである。しかしながら、これらを組み合わせることによってシワの隠蔽効果が得られることは知られていなかった。
例えば、特開2004-182667号公報には、多孔質中空シリカ、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンオイルを所定量含有する唇化粧料(口紅)が、口紅のツヤを上げ、にじみを抑制し、食器等への付着を押さえることができる旨が記載されている。当該公報の実施例2には、多孔質中空シリカ(10重量部)、合成雲母チタン(1重量部)、及び高粘度(10000CS)のシリコーンオイル(5重量部)を含有する口紅が、多孔質中空シリカを粉末状シリカに置換したものに比較して前記効果において優れているとの実験結果も記載されている。しかしながら、当該公報にはシワを目立たなくする隠蔽効果に関する記載は無く、逆に、本願発明における高粘度(炭化水素)油分ではなくシリコーン油のみを配合した場合には、却ってシワが目立ってしまう(後述の比較例12参照)。
【0020】
また、特開2003−313105号公報の実施例には、雲母チタン(10質量%)、中空樹脂粉体(7質量%)、流動パラフィン及びポリブテンを含有するケーキ状アイシャドウが記載されているが、本願発明において球状中空無機粒子に換えて中空樹脂粉体を用いた場合、中空樹脂粉体は中空無機粒子に比べて油分中での透過率が低いため(例えば、リンゴ酸ジイソステアリル中5%濃度で分散させた場合の透過率は、中空シリカが77であるのに対し中空樹脂粉末は63である)、それを配合することによって隠蔽性が付与され却ってシワを目立たせてしまうという知見を得ている。
即ち、シワを目立たなくする効果は、板状複合粉末と、球状中空無機粒子と、高粘度油分という特定の組み合わせによって初めて達成された有利な効果であり、従来技術から予測することは困難であった。
【0021】
また、本発明の化粧料にあっては、前記特許文献2とは異なり、板状複合粉末と球状中空無機粒子との組み合わせを用いるため、両者を同一相中に配合することも可能であり、そのようにしても所望の効果が劣化することはない。従って、本発明の化粧料は、液状、固形、粉末状等の様々な形態で提供することが可能である。
【0022】
本発明の化粧料には各種の色材を配合することができる。好ましく用いられる色材の例としては、酸化チタン、酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄、青色1号アルミニウムレーキ、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機色色顔料、チタン酸化鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色305号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号、さらに赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号等のジルコニウム、バリウム等の有機顔料が挙げられ、これらは表面をシリコーン等で処理されていてもよい。
【0023】
本発明の化粧料は、上記成分の他に、当該化粧料の用途、意図する効果を損なわない範囲において、通常化粧料に配合され得る成分を任意に配合し得る。このような成分としては、例えば前記高粘度油分以外の液状油分及び固形油分、粉体等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0024】
液状油分としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ラノリン誘導体、高級アルコール、各種エステル油、シリコーン油、ポリアルキレングリコールポリエーテルおよびその他カルボン酸、オリゴエステル化合物、テルペン系炭化水素油等が挙げられる。
固形油分としては、例えば、セレシンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、ベヘニン酸、ベへニルアルコール、モクロウ、ビーズワックス、セタノール等が挙げられる。
【0025】
粉体としては、例えば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、ベントナイト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素、二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉末や、ポリアミド樹脂粉末、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリエステル粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末のほか、各種顔料等が挙げられる。
【0026】
その他、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、防腐剤、保湿剤、染料等を配合することができる。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(試験例)
下記の表1に掲げた各成分を90〜100℃で加熱溶融し、攪拌混合、脱泡、冷却してスティック状化粧料(口紅)を調製した。表中、板状複合粉末としては酸化チタン被覆雲母(BASF社製フラメンコレッド)を使用し、球状中空無機粒子としては中空シリカ(ABC Nanotech社製SILNOS190)を使用した。また、配合した色材(合計10質量%)の内訳は次の通りである。
・シリコーン処理酸化チタン 7.0質量%
・シリコーン処理酸化鉄(ベンガラ) 1.8質量%
・シリコーン処理黄酸化鉄 1.0質量%
・青色1号アルミニウムレーキ 0.2質量%
【0028】
試験例1〜5(実施例)及び試験例6〜12(比較例)の化粧料(口紅)について、専門パネル6名が外観観察をし、次いで各口紅を実際に使用(塗布)し、以下の評価項目について下記の評価基準に従って評価した。なお、塗布色のパール感については適度な彩度・明度を良好とし、彩度・明度が高すぎたり低すぎたりした場合を良好でないとした。
<評価項目>
・のびのなめらかさ
・つや
・塗布色のパール感
・唇のシワの目立たなさ(シワの隠蔽効果)
<評価基準(5段階評価)>
5 : 非常に良好
4 : 良好
3 : 普通
2 : 悪い
1 : 非常に悪い
【0029】
得られた評価結果を項目毎に集計して平均した値を指標として以下のように等級付けし、その符号を表1に記載した。
<評価結果の指標>
◎ : 平均値 4.5 以上 5.0 以下
○ : 平均値 3.5 以上 4.5 未満
● : 平均値 2.5 以上 3.5 未満
△ : 平均値 1.5 以上 2.5 未満
× : 平均値 1.0 以上 1.5 未満
【0030】
【表1】

【0031】
(実施例)
上記実施例(試験例1)及び比較例(試験例10)の口紅を塗布した唇を、何も化粧を施していない素の唇と比較した結果を示す写真を図1として示す。板状複合粉末のみを含有し球状中空無機粒子を配合しなかった比較例の口紅を塗布した唇(B)では、素の唇(A)にあったシワ(特に縦ジワ)が強調されてしまうが、本発明の口紅を塗布した唇(C)では、唇のシワが目立たなくなっている。即ち、板状複合粉末と球状中空無機粒子とを組み合わせて配合した本発明の化粧料では、球状中空無機粒子が光拡散性を高め、角度による明度差を小さくするために、シワが目立たなくなったと考えられる。
【0032】
(処方例)
以下の処方例における板状複合粉末としては酸化チタン被覆ガラスフレーク(日本板硝子社製メタシャインMC1040RYを使用し、球状中空無機粒子としては中空シリカ(ABC Nanotech社製SILNOS190)を使用した。
【0033】
1.口紅グロス
<製法>
下記の処方に基づく各組成物を、90℃付近にて均一に分散、混合して樹脂容器中に流し込み冷却することにより調製した。
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 20
メチルフェニルポリシロキサン 10
リンゴ酸ジイソステアリル 15
パルミチン酸デキストリン 5
トリメチルシロキシケイ酸 3
マイカ 30
黒酸化鉄被覆雲母チタン(パール剤) 5
酸化鉄 1.5
酸化チタン 1.5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 適量
パラベン 適量
香料 適量
【0034】
2.油性アイシャドー
<製法>
各組成物を80℃で混合し、金型へ流し込んでプレスすることにより調製した。
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 10
セレシン 1
デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2
マカデミアナッツ油 1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2
合成金雲母 0.1
マイカ 30
黒酸化鉄被覆雲母チタン(パール剤) 適量
D−δ−トコフェロール 適量
群青ピンク 1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 3
トリメチルシロキシケイ酸 3
香料 適量
【0035】
3.粉末固形アイシャドー
<製法>
油分、ワックスを95℃に加熱して均一に攪拌し、一方油分以外の組成物を室温にて均一に攪拌した。そこへ加熱した油分類を添加して、金型に流し込みプレスすることにより製造した。
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 10
ワセリン 2
メチルフェニルポリシロキサン 2
グリセリン 0.1
トリオクタノイン 1
植物性スクワラン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 0.1
窒化ホウ素 2
雲母チタン 4
金雲母 4
合成金雲母 0.1
セリサイト 20
タルク 残余
マイカ 7
ミリスチン酸亜鉛 1
ステアリン酸アルミニウム 0.01
無水ケイ酸 4
フィトステロール 0.01
DL−α−トコフェロール 0.02
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
ベンガラ 7
黒酸化鉄 2
合成ケイ酸ナトリウム/マグネシウム 0.1
香料 適量
リンゴ酸ジイソステアリル 5
トリイソステアリン 2
【0036】
4.マスカラ
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 15
ジメチルポリシロキサン 2
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
トリメチルシロキシケイ酸 10
メチルポリシロキサンエマルション 適量
1,3−ブチレングリコール 4
ジオレイン酸ポリエチレングリコール 2
ジイソステアリン酸ジグリセリル 2
炭酸水素ナトリウム 0.2
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
デヒドロ酢酸ナトリウム 適量
黒酸化鉄 7
ベントナイト 1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 6
ポリ酢酸ビニルエマルション 30
精製水 残量
【0037】
5.油性ファンデーション
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 10
メチルハイドロジェンポリシロキサン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
リン酸水素カルシウム 3
黄酸化鉄 2
ベンガラ 1
黒酸化鉄 適量
酸化チタン 8
タルク 5
硫酸バリウム 2
焼成セリサイト 10
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3
無水ケイ酸 1
【0038】
6.W/O乳化ファンデーション
配合成分 配合量(質量%)
球状中空無機粒子 5
板状複合粉末 2
重質流動パラフィン 10
マイクロクリスタリンワックス 5
ジメチルポリシロキサン 10
デカメチルシクロペンタシロキサン 20
ジプロピレングリコール 3
パルミチン酸 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
黄酸化鉄 3
ベンガラ 1
黒酸化鉄 適量
酸化チタン 10
タルク 5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3
精製水 残余
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(A)化粧を施していない素の唇、(B)板状複合粉末のみを含む比較例の化粧料を塗布した唇、及び(C)本発明の化粧料を塗布した唇を比較して示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状複合粉末と、球状中空無機粒子と、高粘度油分とを含有してなり、前記板状複合粉末が干渉色を呈する板状粉末であることを特徴とする化粧料。
【請求項2】
前記板状複合粉末が、0.3〜2の屈折率差を有する複数の材料の積層体であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記板状複合粉末と前記球状中空無機粒子との配合比率が5:1〜1:2の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2009−280507(P2009−280507A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131579(P2008−131579)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】