説明

モザイク画像生成方法、装置及びプログラム

【課題】
高解像度航空写真から地上のモザイク画像を形成する際の処理負担を軽減し、ミスを低減する。
【解決手段】
高解像度航空写真データ24の解像度を落とした低解像度航空写真データ26を用意する。前処理では、低解像度航空写真データ26に対し、機能38、42、44により、オルソ画像の生成、接合線探索及びモザイク合成を実行し、低解像度モザイク画像を生成する。色調補正係数決定機能46は、低解像度モザイ画像から各モザイク片の色調補正係数を決定する。本処理では、正射変換機能38が、高解像度航空写真データ24の、接合線探索で探索された暫定接合線に従う合成候補域から高解像度オルソ画像を生成する。色調補正機能48が、色調補正係数に従い高解像度オルソ画像の色調を補正する。接合線探索機能42及びモザイク合成機能44が、高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分的に重複するオルソ画像を合成してモザイク画像を生成するモザイク画像生成方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飛行機又は衛星から地上を精密に撮影することができる。これらの空中写真又は衛星画像は、図化機により、撮影方向による歪みを解消した上で一定水平面上に投影される。図化機により得られた正射画像(オルソ画像)を合成又は接合することで、広大な地域を示す1枚のモザイク画像を得ることができる。特許文献1には、隣接する地域を部分的に重複して表示する地図や航空写真データ等のラスター画像データを、その部分的に重複する部分で接合する方法が記載されている。
【0003】
このような合成又は接合の目的のため、通常、飛行機又は衛星からの撮影では、被写体を一定以上にオーバーラップするようにして撮影する。航空写真の場合で、縦方向(飛行方向)に60%以上、横方向に30%以上重複するように撮影することが規定されている。図5は、このように部分的に重複して撮影された写真等が得られるオルソ画像の重複例を示す。一般的には、各オルソ画像は複数の他のオルソ画像と部分的に重複する。
【0004】
仮に垂直上方向から撮影された写真から生成されたオルソ画像でも、縁辺部分では建物や高架個所で多少の倒れ込みが生じる。勿論、斜めから撮影している場合には、ほとんどの建物で倒れ込みが生じる。このような倒れ込みを少なくするには、可能な限り、直上から撮影するのが好ましく、合成の際にも、建物単位、又は狭い地域でオルソ画像を合成するのが好ましい。すなわち、モザイク画像を形成する際には、オルソ画像(又は航空写真)のごく一部を合成用に採用することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−351113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
合成後において個々の建物を明瞭に識別出来るようにするには、撮影の段階で高解像度のカメラを使用する必要があり、その航空写真は、約10000×10000画素程度のかなり高解像度のものとなる。
【0007】
モザイク合成のためには、基本的に、航空写真から正射投影によりオルソ画像を形成する正射変換処理、同一領域を含む複数のオルソ画像から接合線を探索する接合線探索処理、および、決定された接合線でオルソ画像を合成する合成処理をコンピュータで行うことになるが、航空写真の段階で高解像度であると、各処理のコンピュータ演算が非常に負荷の高いものになるので、処理負担の軽減化が望まれる。
【0008】
また、2.0km×2.0km程度の広さの対象地域を走査して空撮する場合、撮影縮尺1/10000で、500枚程度の航空写真(10000×10000画素程度)を撮影する。このような500枚程度の航空写真を正射変換するのに、通常のワークステーションの計算能力で一晩かかったりする。従って、標定要素の入力ミス又は設定ミスがあると、その計算が全くの無駄になり、看過できない。
【0009】
本発明は、複数のオルソ画像から良質なモザイク画像を効率的に生成できるモザイク画像生成方法、装置及びプログラムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るモザイク画像生成方法は、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像生成方法であって、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像を用意するステップと、コンピュータの座標変換機能が、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、当該空中撮影時の標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成ステップと、当該コンピュータの接合線探索機能が、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索ステップと、当該コンピュータの当該座標変換機能が、当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成ステップと、当該コンピュータの当該接合線探索機能が、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索ステップと、当該コンピュータの当該モザイク合成機能が、当該接合線探索ステップにより探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成ステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るモザイク画像生成方法は、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像生成方法であって、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像を用意するステップと、コンピュータの座標変換機能が、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、当該空中撮影時の標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成ステップと、当該コンピュータの接合線探索機能が、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索ステップと、当該コンピュータのモザイク合成機能が、当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成する低解像度モザイク合成ステップと、当該コンピュータの色調補正係数決定機能が、当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定するステップと、当該コンピュータの当該座標変換機能が、当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成ステップと、当該コンピュータの色調補正機能が、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正する色調補正ステップと、当該コンピュータの当該接合線探索機能が、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索ステップと、当該コンピュータの当該モザイク合成機能が、当該接合線探索ステップにより探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成ステップとを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るモザイク画像生成装置は、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像生成装置であって、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を記憶する記憶装置と、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成手段と、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索手段と、当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成手段と、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索手段と、当該接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るモザイク画像生成装置は、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像生成装置であって、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を記憶する記憶装置と、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成手段と、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索手段と、当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成する低解像度モザイク合成手段と、当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定する色調補正係数決定手段と、当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成手段と、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正する色調補正手段と、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索手段と、当該接合線探索手段により探索された当該接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るモザイク画像生成プログラムは、コンピュータに、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成させるモザイク画像生成プログラムであって、当該コンピュータに、当該コンピュータの記憶手段に、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を格納させる機能と、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成させる低解像度オルソ画像生成機能と、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索させる暫定接合線探索機能と、当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成させる高解像度オルソ画像生成機能と、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索させる接合線探索機能と、当該接合線探索機能により探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成させる高解像度モザイク合成機能とを実現させることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るモザイク画像生成プログラムは、コンピュータに、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成させるモザイク画像生成プログラムであって、当該コンピュータに、当該コンピュータの記憶手段に、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を格納させる機能と、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成させる低解像度オルソ画像生成機能と、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索させる暫定接合線探索機能と、当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成させる低解像度モザイク合成機能と、当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定させる色調補正係数決定機能と、当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成させる高解像度オルソ画像生成機能と、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正させる色調補正機能と、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索させる接合線探索機能と、当該接合線探索機能により探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成させる高解像度モザイク合成機能とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、低解像度画像で暫定接合線を決定し、空撮画像の、暫定接合線を含む範囲を正射変換の対象とすることにより、高解像度の空撮画像からモザイク画像を得るまでの処理負担を大幅に軽減できる。
【0017】
低解像度画像から低解像度モザイク画像を生成して、色調を確認し、色調補正係数を決定するので、空撮画像から色調の合ったモザイク画像を得るまでの処理負担を大幅に軽減できる。
【0018】
また、低解像度画像から低解像度モザイク画像の生成までを試行することで、標定要素自体、又は標定要素と空撮画像との対応が正しいかどうかを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の概略機能ブロック図である。
【図2】本実施例の前処理のフローチャートである。
【図3】本実施例の本処理のフローチャートである。
【図4】オルソ画像とモザイク画像、モザイク片ならびに合成候補域との関係を示す模式図である。
【図5】航空写真によるオルソ画像の重なり例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。モザイク画像生成装置20の一部の機能は、コンピュータ又はワークステーション上にコンピュータプログラムとして実装されている。勿論、個々の機能は、専用デバイスで実装することも可能である。
【0022】
ヘリコプタ10(又は軽飛行機)に高解像度のデジタルカメラ12と、ヘリコプタ10の飛行位置及び姿勢(従ってカメラ12の撮影方向)を検出するGPS−IMU装置14が装備されている。
【0023】
デジタルカメラ12は、一般的にはスチルカメラであるが、希望の解像度を実現出来る場合にムービーカメラであってもよい。本実施例では、デジタルカメラ12は、高精細度の静止画像に加えて、その画素数を1/256(水平に1/16、垂直に1/16)に削減した低解像度の静止画像も出力する。低解像度の静止画像を出力しないカメラを使用する場合には、地上装置で予め、高解像度静止画像から低解像度静止画像を生成すればよい。
【0024】
GPS−IMU装置14は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)の受信機と、慣性姿勢計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)からなり、GPS受信機によりヘリコプタ10の飛行位置を1秒(1Hz)程度の時間間隔で三次元計測でき、慣性姿勢計測装置により、ヘリコプタ10の位置と姿勢の相対的な変化を0.005秒(200Hz)程度の時間間隔で計測出来る。GPS受信機の計測結果と慣性姿勢計測装置の計測結果を統合することで、連続的で高精度な測位を実現出来る。このような技術は周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0025】
ヘリコプタ10を対象地域の上空を指定の方向に飛行させながら、地上をデジタルカメラ12で連続撮影する。次に、横方向に一定距離だけ離れた逆方向にヘリコプタ10を飛行させながら、地上をカメラ12で撮影する。これを繰り返して、対象地域を面的に走査して全体を撮影する。先に説明したように、縦方向(飛行方向)に60%以上、横方向(水平方向)に30%以上重複するように撮影することが規定されているが、本実施例では、例えば、縦方向に80%以上、横方向に60%以上というように、より高い重複率で撮影を実行する。このように撮影の際の重複率を高めることで、モザイク画像上でビルの倒れ込みを少なくすることが可能になる。
【0026】
地上に用意したモザイク画像生成装置20は、コンピュータ又はワークステーションからなり、その機能の一部はコンピュータプログラムとして実装されている。勿論、個々の機能は、専用デバイスで実装することも可能である。
【0027】
モザイク画像生成装置20のハードディスク22に、カメラ12からの高解像度航空写真データ24及び低解像度航空写真データ26が格納される。モザイク画像生成装置20のオペレータは、GPS−IMU装置14により計測される飛行位置及び姿勢のデータから得られるカメラ12の撮影方向と位置のデータを外部標定要素28として、ハードディスク22に格納し、カメラ12の撮像素子のサイズ及び撮影レンズの焦点距離を内部標定要素30としてハードディスク22に格納する。外部標定要素28及び内部標定要素30をまとめて、標定要素としてハードディスク22に格納しても良い。高解像度航空写真データ24、低解像度航空写真データ26及び外部標定要素28は、カメラ12およびGPS−IMU装置14から通信回線を介して、ハードディスク22に自動処理で格納するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0028】
ハードディスク22には更に、対象地域について国土地理院発行の低解像度(50mメッシュ)の数値地形モデルデータ(DEMデータ)32が、格納される。国土地理院は、数値地形モデルとして、数値地図50mメッシュ以外にも、数値地図250mメッシュ、及び火山標高10mメッシュを発行しており、これらも利用可能である。また、起伏が小さい場合には、USGS(U. S. Geographical Survey)30秒メッシュ(約1kmメッシュ相当)も使用可能である。同様の数値地形モデルデータが民間会社から提供されている。これらの数値地形モデルデータも、DEMデータ32として利用可能である。
【0029】
モザイク画像生成装置20を構成するコンピュータのCPU36は、バス34を介してハードディスク22にアクセス可能である。CPU36は、インストールされたコンピュータプログラムにより、複数の機能38〜52を具備する。
【0030】
正射変換機能38は、航空写真から地上座標系又はこれに準じた座標系のオルソ画像を生成し、逆正射変換機能40は、オルソ画像上の任意の点に対応する航空写真上の点を演算する。逆正射変換機能40は、本実施例におけるオルソ画像(地上座標系)から航空写真の座標系への座標変換を理解しやすいように明記したものであり、座標変換機能として正射変換機能38で代替し得る。接合線探索機能42は、複数のオルソ画像の重複部分から接合線を探索する。モザイク合成機能44は、接合線探索機能42で探索された接合線に従いオルソ画像を合成する。
【0031】
色調補正係数決定機能46は、オルソ画像間の色調を合わせるための色調補正係数又は色調補正パラメータを決定し、色調補正機能48は、色調補正係数決定機能46で決定された色調補正係数に従い各オルソ画像の色調を補正する。修正機能50は、オペレータの修正操作に従い、指定された位置のモザイク画像を、オリジナルのオルソ画像を使って修正する。
【0032】
解像度変換機能52は、高解像度航空写真データ24から低解像度航空写真データ26を生成し、ハードディスク22に格納する。先に説明したように、カメラ12自体が低解像度航空写真データ26を生成出力する場合には、解像度変換機能52は不要である。
【0033】
RAM54はCPU36による演算のワークエリアとして使用され、中間データ及び結果データを一時記憶する。表示装置56は、中間結果の画像やモザイク合成後の画像を表示し、色調補正のための色調補正係数の微調整や調整結果の確認にも使用される。表示装置56はまた、修正機能50による修正の際に、モザイク合成画像と、モザイク合成前のオルソ画像を同時に表示する。オペレータは、キーボード58及びマウス60を使って、種々の数値を入力でき、表示装置56の表示画面上の位置を指定出来る。RAM54、表示装置56、キーボード58及びマウス60は、バス34に接続する。
【0034】
図2及び図3は、モザイク画像生成装置20による合成処理の動作フローチャートを示す。図2は、低解像度航空写真データ26を使った前処理部分の動作フローを示し、図3は、高解像度航空写真データ24を使った本処理の動作フローを示す。
【0035】
本実施例では、低解像度航空写真データ26を使って、色調の確認と補正、正射変換等の設定値の事前確認、および、高解像度航空写真データ24の正射変換対象の絞り込みを行う。設定値の事前確認により、内部標定要素30の設定ミス、航空写真データ24,26と外部標定要素28又は内部標定要素30との対応付けのミス、又は航空写真データ24、26とは対応しない数値地形モデルデータ32の入力ミス等を伴うモザイク合成を防止出来る。色調の確認と補正により、モザイク画像上で色調の異なる不自然な領域の出現を防止する色補正係数を、事前に且つ簡易な処理で、決定できる。また、高解像度航空写真の正射変換対象の絞り込みにより、演算時間を大幅に短縮出来る。
【0036】
先ず、モザイク画像生成装置20を初期設定する(S1)。この初期設定には、合成対象となる地域の航空写真データ24,26、外部標定要素28、内部標定要素30及び数値地形モデルデータ32のファイル指定を含む。なお、同じ地域に対する高解像度航空写真データ24と低解像度航空写真データ26とは、ファイル名の一部を一定の規則で異ならせておくことで、高解像度航空写真に対する処理のために高解像度航空写真データ24のファイル名を改めて指定しなくて済む。
【0037】
各低解像度航空写真データ26からオルソ画像データ(以下、低解像度オルソ画像データという)を生成する。CPU36は、最初の低解像度航空写真データ26とその外部標定要素28を取り込み(S2)、正射変換機能38が、正射投影により、その低解像度航空写真データ26から低解像度オルソ画像データを生成する(S3)。具体的には、正射変換機能38は、数値地形モデルデータ32から地上座標を計算し、内部標定要素30とステップS2で取り込んだ外部標定要素28とを用いて、ステップS2で取り込んだ低解像度航空写真データ26を地上座標に相当する正射投影スクリーンに投影する。低解像度航空写真データ26の色成分毎のオルソ画像データを生成した上で合成することにより、カラーの低解像度オルソ画像データを得ることができる。
【0038】
次の低解像度航空写真データ26とその外部標定要素28を取り込み(S5)、同様に、正射変換機能38が、正射変換により低解像度オルソ画像データを生成する(S3)。生成された低解像度オルソ画像データは、ハードディスク22内に一時保存される。
【0039】
全部の低解像度航空写真データ26から低解像度オルソ画像データを生成したら(S6)、接合線探索機能42が、低解像度オルソ画像データを使って、重複部分において最も近似する画素部分を線状に探索し、オルソ画像間の接合線とする(S6)。ここで探索される接合線は、高解像度航空写真データ24の正射変換範囲を限定するための暫定的なもの、すなわち、暫定接合線である。
【0040】
モザイク合成機能44が、全体の色調を確認及び補正するために、探索された接合線を使って低解像度オルソ画像を接合し、低解像度モザイク画像データを生成する(S7)。生成された低解像度モザイク画像データは、一時的にハードディスク22に保存される。
【0041】
図4は、オルソ画像とモザイク画像との対応関係の一例を示す。図4(A),はオルソ画像70を示し、同(B)はオルソ画像72を示す。図4(C)はオルソ画像70、72を使ったモザイク画像74を示す。オルソ画像70の一部70aが、モザイク片(又はモザイク片画像)としてモザイク画像74に組み込まれる。同様に、オルソ画像72の一部72aが、モザイク片としてモザイク画像74に組み込まれる。
【0042】
CPU36は、生成された低解像度モザイク画像を表示装置56に表示する。色調補正係数決定機能46が、低解像度モザイク画像の色調を調整する色調補正係数(又は色補正パラメータ)を決定し、色調補正機能48が色調補正する(S8)。この色調補正に際しては、地上の状況、例えば、山林、田畑及び市街地等の区別を考慮し、そのような地域単位で自動又は手動により色調補正係数を決定する。この場合、地域毎の色調を示すファイル又はオペレータの指定で、地域の標準色調を指定し、そのような標準色調に調整する色調補正係数を決定することになる。
【0043】
具体的には、色調補正係数決定機能46が、低解像度モザイク画像データの色成分を空間的にサンプリングし、平均的に見て標準色調(又はその範囲)になるような色調補正係数を自動決定してもよいし、オペレータの操作に応じて決定してもよい。色調補正係数を使った色調補正は、モザイク画像上で不自然さが明確でない程度の大局的なもので良いので、オペレータが、表示装置56に表示される低解像度モザイク画像を視認し、オペレータの指定する各地域に対してマニュアルで色調を調整する方法でも、精度的に十分である。この場合、オペレータがキーボード58又はマウス60により入力する色調調整操作に応じて、色調補正機能48が低解像度オルソ画像データの色調を補正し、色調補正係数決定機能46が、オペレータによる色調補正操作に応じた色調補正係数の数値を取り込むようにしてもよい。
【0044】
CPU36は、低解像度航空写真データ26を使って生成した低解像度モザイク画像を表示装置56に表示する(S9)。オペレータは、表示される低解像度モザイク画像を観察し、画像合成の設定が正しいかどうかを確認する(S10)。正しくなければ(S10)、設定を修正して、ステップS2以降を繰り返す。
【0045】
このように、低解像度航空写真データ26で試行することにより、モザイク合成のための設定の正しさを事前に確認できる。また、高解像度航空写真データ24から生成した高解像度モザイク画像において色調を調整しようとすると、画素数の多さからコンピュータに多大な負荷がかかるが、このように、低解像度航空写真データ26で試行した結果の低解像度モザイク画像データにおいて色調補正係数を取得するので、簡易な処理で済み、比較的低い能力のコンピュータでも対応出来るようになる。
【0046】
接合線探索機能42(ステップS6)による接合線探索は、図4に示すように、各オルソ画像データ70,72からモザイク合成に採用される領域(モザイク片70a,72a)を切り出す処理でもある。接合線探索機能42は、ステップS6において、その合成対象域に外接する矩形領域より水平面内で所定マージンだけ広い領域(合成候補域70b,72b)の、オルソ画像上の座標値を逆正射変換機能40に供給する。逆正射変換機能40は、逆正射変換により、接合線探索機能42からのオルソ画像上の合成候補域座標値を、航空写真上の合成候補域座標値に変換する(S12)。接合線探索機能42が、合成対象域の座標値を逆正射変換機能40に供給し、逆正射変換機能40が、合成対象域の座標値から合成候補域の座標値を計算してもよいことはいうまでもない。
【0047】
このように、本実施例では、低解像度オルソ画像データに対する接合線探索処理(S6)により、各航空写真のどの部分をモザイク画像に採用するかを事前に粗く確認した上で、これを利用して、高解像度航空写真データ24の、正射投影の対象とする部分(合成候補域70b,72bに相当する部分)を決定するので、高解像度航空写真データ24に対する正射変換の演算負担を大幅に軽減出来る。
【0048】
このような前処理の後、高解像度航空写真データ24から高解像度オルソ画像を作成する(S13〜S19)。具体的には、CPU36は、最初の高解像度航空写真データ24とその外部標定要素28を取り込む(S13)。逆正射変換機能40(ステップS12)の結果から、取り込んだ高解像度航空写真データ24に合成候補域が含まれるかどうかを調べる(S14)。
【0049】
合成候補域が含まれる場合(S14)、正射変換機能38が、数値地形モデルデータ32、内部標定要素30及び外部標定要素28を参照し、その高解像度航空写真データ24の合成候補域内の画像データを正射変換して、高解像度オルソ画像データを生成する(S15)。高解像度航空写真データ24の合成候補域内の画像データのみからなるとはいえ、もともと高解像度であることから、それでも、データ量が多く、多くのコンピュータリソースを必要とすることがある。そのような場合には、本実施例では、高解像度航空写真データの合成候補域内の画像データを色成分毎に分離し、色成分毎に正射変換し、得られた色成分毎のオルソ画像データを1つに合成する。このように成分毎に分離して正射変換を実行することで、少ないコンピュータリソースでも、高解像度航空写真データからオルソ画像を得ることができる。赤外線画像を含む場合には、赤外線成分の画像も別途、正射変換し、得られたオルソ画像を必要により各色成分のオルソ画像と一緒に1ファイルに纏めるか、又は、関連の分かるファイル群に纏める。
【0050】
色調補正機能48が、ステップS8で決定した色調補正係数を参照して、ステップS15で生成された高解像度オルソ画像データの色調を補正する(S16)。高解像度オルソ画像の合成候補域内の画像データの色調を補正することで、演算時間を削減出来る。もちろん、色調補正が不要の場合には、色調補正機能48は、ステップS15で生成された高解像度オルソ画像データをそのまま出力する。CPU36は、色調補正機能48により出力される高解像度オルソ画像データ62をハードディスク22に保存する(S17)。
【0051】
取り込んだ高解像度航空写真データ24に合成候補域が含まれない場合(S14)、ステップS15,S16,S17はパスされる。
【0052】
次の高解像度航空写真データ24とその外部標定要素28を取り込み(S19)、その高解像度航空写真データ24が合成候補域を含む場合に(S14)、正射変換及び色調補正し(S15,S16)、高解像度オルソ画像データ62を保存する(S17)。
【0053】
このように、全部の高解像度航空写真データ24に対して以上の処理S14〜S17を実行し(S18)、これにより、必要な高解像度オルソ画像データ62が得られる。
【0054】
次に、接合線探索機能42が、高解像度オルソ画像データ62を使って、重複部分において最も近似する画素部分を線状に探索し、高解像度オルソ画像間の接合線とする(S20)。ここで探索される接合線は、一般的には、ステップS6で探索される接合線とは一致しない。合成候補域を決定する際のマージンを適切に設定することで、適切な接合線を決定出来る。接合線探索(S20)の後に色調補正(S16)を行っても良いが、接合線で分離されるモザイク片を識別出来る必要があり、演算上は、図3に示すタイミングの方が容易となる。
【0055】
モザイク合成機能44が、ステップS20で探索された接合線を使って、図4に示す例と同様に、高解像度オルソ画像データを接合し、高解像度モザイク画像データを生成する(S21)。生成された高解像度モザイク画像データ64は、ハードディスク22に格納される。
【0056】
モザイク合成対象となるオルソ画像データは、合成候補域内の画像データのみからなるので、面積は小さくなっている。しかし、もともと高解像度であることから、それでも、データ量が多く、多くのコンピュータリソースを必要とすることがある。そのような場合には、本実施例では、接合線探索(S20)で決定された各高解像度オルソ画像データの合成域の画像データを色成分毎に分離し、色成分毎にモザイク合成する。そして、色成分毎のモザイク画像データを最終的に1つに合成する。このように成分毎に分離してモザイク合成を実行することで、少ないコンピュータリソースでも、高解像度オルソ画像データをモザイク合成することが可能になる。得られた高解像度モザイク画像データ64は、ハードディスク22に格納される。
【0057】
接合線を自動決定しているので、建物等を切断するような誤った接合線を採用している可能性がある。このようなミスを修正するために、高解像度モザイク画像を表示装置56に表示する(S22)。そして、オペレータが目視で、特に接合線の部分を確認し、高解像度オルソ画像データを使って修正する(S23)。
【0058】
例えば、建物の一部を切除する形でオルソ画像が接合されたとする。その一部が欠けた建物を含む高解像度オルソ画像データ62を、高解像度モザイク画像データ64と同時に、表示装置56の画面上に表示する。そして、高解像度オルソ画像データ62の、一部が欠けた建物に対し、高解像度オルソ画像データの完全な建物の周囲を指定して、当該建物の画像データをカットし、しかる後、高解像度オルソ画像データ62の、一部が欠けた当該建物の画像上にペーストする。このようにして、自動生成された接合線によるモザイク合成のミスを修正出来る。
【0059】
修正した高解像度モザイク画像データでハードディスク22の高解像度モザイク画像データを上書き保存し(S24)、終了する。
【0060】
航空写真から地上のモザイク画像を形成する実施例を説明したが、航空写真は空中撮影による空撮画像の一例である。ヘリコプタ以外に、軽飛行機、衛星、又はラジコン飛行機等からの撮影により得られる空撮画像にも、本発明は、適用可能であり、モザイク画像生成装置20は、上記した航空写真と同様の処理によりこれらの空撮画像からモザイク画像を形成できる。正射変換機能38及び逆正射変換機能40はいずれも、3次元空間上の一方の座標系から他方の座標系に座標を変換するものであり、単一の座標変換機能が、航空写真を地上座標系又はこれに準じた座標系のオルソ画像に変換する場合には、正射変換機能38として機能し、逆に、オルソ画像を航空写真等に座標系に戻す場合には、逆正射変換機能40として機能する。
【0061】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10:ヘリコプタ
12:デジタルカメラ
14:GPS−IMU装置
20:モザイク画像生成装置
22:ハードディスク
24:高解像度航空写真データ
26:低解像度航空写真データ
28:外部標定要素
30:内部標定要素
32:低解像度の数値地形モデルデータ(DEMデータ)
34:バス
36:CPU
38:正射変換機能
40:逆正射変換機能
42:接合線探索機能
44:モザイク合成機能
46:色調補正係数決定機能
48:色調補正機能
60:修正機能
52:解像度変換機能
54:RAM
56:表示装置
58:キーボード
60:マウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像合成方法であって、
当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像を用意するステップと、
コンピュータの座標変換機能が、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、当該空中撮影時の標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成ステップと、
当該コンピュータの接合線探索機能が、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索ステップと、
当該コンピュータの当該座標変換機能が、当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成ステップと、
当該コンピュータの当該接合線探索機能が、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索ステップと、
当該コンピュータの当該モザイク合成機能が、当該接合線探索ステップにより探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成ステップ
とを具備することを特徴とするモザイク画像合成方法。
【請求項2】
更に、
当該コンピュータのモザイク合成機能が、当該暫定接合線探索ステップにより探索された当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成する低解像度モザイク合成ステップと、
当該コンピュータの色調補正係数決定機能が、当該コンピュータのオペレータの指示に従い、当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定するステップと、
当該コンピュータの色調補正機能が、当該接合線探索ステップの前に、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像を色調補正する色調補正ステップ
とを具備することを特徴とする請求項1に記載のモザイク画像合成方法。
【請求項3】
対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像合成方法であって、
当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像を用意するステップと、
コンピュータの座標変換機能が、当該複数の低解像度画像のそれぞれから、当該空中撮影時の標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成ステップと、
当該コンピュータの接合線探索機能が、当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索ステップと、
当該コンピュータのモザイク合成機能が、当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成する低解像度モザイク合成ステップと、
当該コンピュータの色調補正係数決定機能が、当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定するステップと、
当該コンピュータの当該座標変換機能が、当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成ステップと、
当該コンピュータの色調補正機能が、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正する色調補正ステップと、
当該コンピュータの当該接合線探索機能が、当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索ステップと、
当該コンピュータの当該モザイク合成機能が、当該接合線探索ステップにより探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成ステップ
とを具備することを特徴とするモザイク画像合成方法。
【請求項4】
更に、当該コンピュータの修正機能が、当該高解像度モザイク画像の、当該コンピュータのオペレータにより指定された画像部分を、当該高解像度オルソ画像の、当該オペレータにより指定された画像部分で上書きする修正ステップを具備することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモザイク画像合成方法。
【請求項5】
対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像合成装置であって、
当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を記憶する記憶装置と、
当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成手段と、
当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索手段と、
当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成手段と、
当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索手段と、
当該接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成手段
とを具備することを特徴とするモザイク画像合成装置。
【請求項6】
更に、
当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定する色調補正係数決定手段と、
当該接合線探索手段による接合線探索の前又は後に、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像を色調補正する色調補正手段
とを具備することを特徴とする請求項5に記載のモザイク画像合成装置。
【請求項7】
対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成するモザイク画像合成装置であって、
当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を記憶する記憶装置と、
当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成する低解像度オルソ画像生成手段と、
当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索する暫定接合線探索手段と、
当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成する低解像度モザイク合成手段と、
当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定する色調補正係数決定手段と、
当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成する高解像度オルソ画像生成手段と、
当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正する色調補正手段と、
当該高解像度オルソ画像から接合線を探索する接合線探索手段と、
当該接合線探索手段により探索された当該接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成する高解像度モザイク合成手段
とを具備することを特徴とするモザイク画像合成装置。
【請求項8】
オペレータの操作に従い、当該高解像度モザイク画像の、当該オペレータにより指定された画像部分を、当該高解像度オルソ画像の、当該オペレータにより指定された画像部分で上書きする修正手段を具備することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載のモザイク画像合成装置。
【請求項9】
コンピュータに、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成させるモザイク画像合成プログラムであって、当該コンピュータに、
当該コンピュータの記憶手段に、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を格納させる機能と、
当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成させる低解像度オルソ画像生成機能と、
当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索させる暫定接合線探索機能と、
当該複数の空撮画像のそれぞれに対し、当該暫定接合線に従う合成候補域から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成させる高解像度オルソ画像生成機能と、
当該高解像度オルソ画像から接合線を探索させる接合線探索機能と、
当該接合線探索機能により探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成させる高解像度モザイク合成機能
とを実現させることを特徴とするモザイク画像合成プログラム。
【請求項10】
当該コンピュータに更に、
当該暫定接合線探索機能により探索された当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成させる低解像度モザイク合成機能と、
当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定させる色調補正係数決定ステップと、
当該接合線探索機能による接合線探索の前又は後に、当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像を色調補正させる色調補正機能
とを実行させることを特徴とする請求項9に記載のモザイク画像合成プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、対象地域を走査する空中撮影で得られる複数の空撮画像から当該対象地域を示すモザイク画像を生成させるモザイク画像合成プログラムであって、当該コンピュータに、
当該コンピュータの記憶手段に、当該複数の空撮画像、当該空撮画像より低解像度であって、当該複数の空撮画像のそれぞれと同じ地域を示す複数の低解像度画像、及び、当該各空撮画像の標定要素を格納させる機能と、
当該複数の低解像度画像のそれぞれから、対応する当該標定要素に従う正射変換により、低解像度オルソ画像を生成させる低解像度オルソ画像生成機能と、
当該低解像度オルソ画像から暫定接合線を探索させる暫定接合線探索機能と、
当該暫定接合線に従い当該低解像度オルソ画像から低解像度モザイク画像を生成させる低解像度モザイク合成機能と、
当該低解像度モザイク画像を構成するモザイク片単位で色調補正係数を決定させる色調補正係数決定機能と、
当該複数の空撮画像から、当該標定要素に従う正射変換により、高解像度オルソ画像を生成させる高解像度オルソ画像生成機能と、
当該色調補正係数に従い、当該高解像度オルソ画像の色調を補正させる色調補正機能と、
当該高解像度オルソ画像から接合線を探索させる接合線探索機能と、
当該接合線探索機能により探索された接合線に従い当該高解像度オルソ画像から高解像度モザイク画像を生成させる高解像度モザイク合成機能
とを実行させることを特徴とするモザイク画像合成プログラム。
【請求項12】
当該コンピュータに更に、当該高解像度モザイク画像の、当該コンピュータのオペレータにより指定された画像部分を、当該高解像度オルソ画像の、当該オペレータにより指定された画像部分で上書きする修正機能を実行させることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のモザイク画像合成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−2892(P2011−2892A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143340(P2009−143340)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000213909)朝日航洋株式会社 (30)
【Fターム(参考)】