説明

モニタリングデバイス

本発明は、被験体の表面への取り付け、及びデバイスを着用している被験体の特定の生理的信号のモニタリングに適するモニタリングデバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体(サブジェクト)の表面への取り付け、及びデバイスを着用している被験体の特定の生理的信号のモニタリングに適した新規なモニタリングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、主として生理的又は神経的な状況のモニタリングのためのマイクロ電子システムを開示する。本システムは、哺乳動物の皮膚に取り付け可能な3次元接着デバイスに埋め込まれる。マイクロ電子システムは無線通信を使用し、無線通信はECG(Electro CardioGraphy、心電図記録法)、EMG(Electro MyoGraphy、筋電図法)、EEG(Electro EncephaloGraphy、脳電図法)、血糖、脈拍、血圧、pH、及び酸素を測定するのに役に立つ。
【0003】
特許文献2は、柔軟かつ薄い集積回路を有する着用可能なバイオモニタを開示する。本開示は、皮膚への固定のための薄層の接着剤又は接着パッドを用いることにより、着用の高い快適さを達成する方法を含む。
【0004】
特許文献3は、光プレチスモグラフィック(Photoplethysmographic)センサを備える呼吸のモニタリングのための装置に関する。
【0005】
特許文献4は、両面感圧接着剤により体に取り付けられる心電電極(Electro-Cardiographic-Electrodes)を開示する。
【0006】
特許文献5は、廃棄処分可能な物へ動作可能に接続され、接着パッチによって着用者に適合するセンサを開示する。広い種類のボディ接着組成物が用いられる。
【0007】
特許文献6は、ハイドロコロイド接着剤の2つストリップを用いて哺乳動物の被験体へ取り付けられた層状のセンサデバイスを開示する。層状の構造はまた、ハイドロコロイド接着剤と接触するハイドロゲルから成る。
【0008】
特許文献7は、患者の生理的な状況のモニタリングのための装置を開示する。
【0009】
特許文献8は、生理的な状況を表す電気信号を生成する光電子センサを開示する。本センサは、ポリエステルの裏地上の両面感圧接着剤によって体へ取り付けられてもよい。
【0010】
非特許文献1は、慢性病患者における生理的信号の無線による連続的なモニタリングのための着用可能な物に関する。
【0011】
非特許文献2は、パッチの無線応用における反射率パルスオキシメトリのための光ダイオードについて説明している。
【0012】
非特許文献3は、パッチの無線応用における反射率パルスオキシメトリのための光ダイオードについて説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2006/094513号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/065926号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5273036号明細書
【特許文献4】米国特許第5458124号明細書
【特許文献5】米国特許第6372951号明細書
【特許文献6】米国特許第6385473号明細書
【特許文献7】国際公開第99/59465号パンフレット
【特許文献8】米国特許第5054488号明細書
【特許文献9】国際公開第03/039340号パンフレット
【特許文献10】米国特許第6701170号明細書
【特許文献11】米国特許第7079880号明細書
【特許文献12】米国特許第7343187号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Rasmus G. Haahr et al, "Proceedings of the 5th International Workshop on Wearable and Implantable Body Sensor Networks, in conjunction with The 5th International Summer School and Symposium on Medical Devices and Biosensors", The Chinese University of Hong Kong, HKSAR, China, June 1-3, 2008
【非特許文献2】Sune Duun et al, IEEE SENSORS 2007 Conference
【非特許文献3】Rasmus G. Haahr et al, "Proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEE EMBS", Cite Internationale, Lyon, France, August 23-26, 2007
【非特許文献4】Tearney, G. J. et al., "Determination of the refractive index of highly scattering human tissue by optical coherence tomography", Opt Lett, 1995, 20, 2258
【非特許文献5】Ding, H. et al., "Refractive indices of human skin tissues at eight wavelengths and estimated dispersion relations between 300 and 1600 nm.", Phys Med Biol, vol. 51, no. 6, pp. 1479-1489, Mar 2006
【非特許文献6】Axelgaard Manufacturing Co., Ltd, http://www.axelgaard.com/home.htm
【非特許文献7】AmGel Technologies, http://www.amgel.com/index.html
【非特許文献8】Duun et al., "Jour. Micromech. Microeng.", 20 (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の実施の態様の目的は、モニタリングを必要とする被験体の表面に取り付けられたデバイスであり、当該デバイスが取り付けられた被験体における呼吸に関する情報を表すデータの出力を提供できるデバイスであるモニタリングデバイスを提供することにある。
【0016】
本発明は、ただ1つの単一のセンサなどのように限られた数量のセンサを用いた、いくつかの生理的パラメータのモニタリングに適するセンサシステムを有するモニタリングデバイスを提供するということが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者により、本発明に係るデバイスが、胸骨の上部などの被験体の表面上への取り付けに適し、かつ呼吸の速度及び/又は体積の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のためのセンサを有するモニタリングデバイスの提供の問題を解決することが発見された。被験体上でのデバイスの位置決めに関する限定された制限により、デバイスは、他の生理的信号の測定のための他のセンサと適切に組み合わされてもよい。いくつかの好ましい実施の態様では、例えば両方の呼吸(速度など)、心機能、心拍数、脈拍、並びに動脈血酸素飽和度(SpO)及び/又は一酸化炭素の飽和度(SpCO)を測定するための光学センサの使用のように、同一のセンサがいくつかの生理的信号の測定のために使用される。
【0018】
従って、第1の態様において、本発明は、被験体の表面への取り付けに適する最小侵襲的なモニタリングデバイスに関し、本デバイスは被験体から生理的信号を受信できる少なくとも1つの第1のセンサを備え、センサは、被験体により着用可能なマイクロ電子システムにより制御され、独立した電源供給により電力供給され、そしてモニタリングデータの無線転送のための通信構造をオプションとして備え、ここでセンサは、被験体における呼吸の速度及び/又は体積の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のためのものである。
【0019】
第2の態様において、本発明は、本発明に係るモニタリングデバイスと、モニタリングデバイスからのモニタリングデータを受信し、第1のセンサからのモニタリングデータに基づいてアルゴリズムを動作させて、モニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積に基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供するデータ処理ユニットとを備えるシステムに関する。
【0020】
第3の態様において、本発明は、被験体における呼吸の速度及び/又は体積、及びオプションとして更なる生理的信号をモニタリングする方法に関し、ここで本発明に係るモニタリングデバイスが被験体の表面に配置され、本発明に係るシステムからのデータはモニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積、及びオプションとして更なる生理的パラメータに基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】光プレチスモグラフィックセンサを有する電子パッチを例示する。
【図2】PCBの底部側に装着された、中心に複数のLEDを有するリング形状の光ダイオードである。
【図3】電子パッチのパルスオキシメトリバージョンにおいて利用される電子回路コンポーネントのタイプを示すプリント回路基板(PCB)の上部側である。
【図4】電子パッチにおける部品、及びどのようにこれらの部品がアセンブリされるかを示すCAD図である。
【図5】中心に配置された2つのLEDの周囲の同心円状の光ダイオードとして作られたパルスオキシメトリセンサを有する、アセンブリされたパッチである。
【図6】胸骨で測定された2つの光プレチスモグラムを示す。
【図7】3−リード、標準的なウェット電極、及び標準的な患者モニタへの結線を用いたECG測定を示す。
【図8】送信プローブ及びパルスオキシメータを備える標準的な患者モニタを用いて指上で測定されたPPGである。
【図9】標準的な患者モニタによる空気流におけるCOの割合による呼吸の測定である。
【図10】3次元接着パッチに埋め込まれた環状の反射率プローブにより胸骨で測定されたPPG(光の赤外波長)である。
【図11】3次元接着パッチに埋め込まれた環状の反射率プローブにより胸骨で測定されたPPG(光の赤波長)である。
【図12】モニタリングシステムにおける光学システムとコンポーネントとの可能な統合を例示する。
【図13】モニタリングデバイスにおける光学システム及びコンポーネントとの可能な統合を例示する。
【図14】複数の発光ダイオード(LED)及び複数の光ダイオードの複数の電気光学コンポーネントを有するプリント回路基板の2つのレイアウトの上面図を示す。
【図15】光学的方法による呼吸の速度の測定のための光学センサシステムの封入を例示する3次元的に構造化されたパッチを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述の通り、本発明は、人間等の被験体の、皮膚等の表面への取り付けに適するモニタリングデバイスを説明し、本デバイスは、1つ又は複数のセンサと、センサを制御するマイクロ電子システムと、電力供給手段と、モニタリングデータの無線転送のためのオプションとして通信構造とを少なくとも備える。
【0023】
ここで用いられる用語「被験体」は、本発明に係るシステム又はデバイスを用いてモニタされることを要求する又はモニタされることから利益を得る、哺乳動物等の任意の人間又は動物を示す。この用語は、入院患者などの患者、軍人や消防士などの職業人、犬、猫、牛、豚、羊、及び馬などの家畜等を含むが、これらに限定されない。
【0024】
デバイスは、呼吸の速度及び/又は体積の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のための少なくとも1つの第1のセンサを備える必要がある。デバイスは1つ又は複数の更なるセンサを備えてもよい。第1のセンサと更なるセンサは、同一の物理的センサ内に含まれてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施形態では、第1のセンサと更なるセンサとは、同一のセンサ要素である。他の実施形態では、第1のセンサから受信された第1の生理的信号及び更なる生理的信号は、モニタリングデバイスの異なるセンサによって受信される。本発明に係るシステムは、生理的信号や非生理的信号のような1個,2個,3個,4個,5個,6個,7個,8個,9個,10個又はこれ以上の信号を得ることができる、1個,2個,3個,4個,5個,6個,7個,8個,9個,10個又はこれ以上のセンサを備えてもよいということが理解される。
【0025】
更なるセンサは、広い種類の異なるセンサから選択されてもよい;これらセンサの各々は、デバイスが表面上に取り付けられた被験体に関連する異なる物理的及び生理的パラメータのモニタリングのための、異なる信号の受信に特化される。
【0026】
デバイスは、呼吸を測定する光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のための、光源と光検出器を備えた1つ又は複数のセンサを含む。
【0027】
ここで用いられる「呼吸」は、呼吸に関係する任意の生理的パラメータを示し、例えば、呼吸の過程の兆候の単なる有り又は無し、呼吸の周波数、呼吸の体積、呼吸の速さ及び加速度、並びに呼吸を表す光プレチスモグラム(PPG)から等の生理的信号を示す。いくつかの実施形態では、「呼吸」は、被験体からの呼吸を表す光プレチスモグラム(PPG)の、基準の光プレチスモグラムとの比較を示す。基準の光プレチスモグラムは、特定の兆候を有する病気の個体の集団からのものであってもよく、あるいはこれに代えてに正常な個体の集団からのものでもよい。さらに別の実施形態では、基準は、正常の条件下などの、異なる又は前の条件下で取り付けられたシステムを持つ被験体からのものである。
【0028】
いくつかの実施形態では、「呼吸」は、呼吸の周波数、及び/又は呼吸の体積、及び/又は呼吸の速さ、及び/又は呼吸の加速度を示す。呼吸の体積、及び/又は呼吸の速さ、及び/又は呼吸の加速度は、吐き出し及び/又は吸い込みの呼吸の体積、速さ、及び加速度を、独立に示してもよい。
【0029】
デバイスは、体上に着用されるように構成され、例えばデバイスは、心臓上で測定された呼吸及び生理的パラメータの効果的な測定のために、胸骨に取り付けられる。デバイスは、例えばパルスオキシメトリによる動脈血酸素飽和度(SpO)、心機能、心拍数、及び脈拍等の他の生理的パラメータの測定など、更なる技術的特徴と組み合わせられてもよい。
【0030】
呼吸の測定のために、赤から赤外の範囲などの電磁スペクトルの任意の適切な範囲における発光ダイオードのような、少なくとも1つの光源が用いられる。光信号を検出するために、例えば光ダイオードである少なくとも1つの光検出器が用いられる。光信号は、体の生理機能により組織の内部で変調され、組織の内部から戻るこの光信号を分析することによって、様々な生理的パラメータを計算可能である。1つ又は複数の光源と1つ又は複数の光検出器との間の構成は、例えば隣り合わせの、又はリング形状に光検出器が配置され、その周辺の光活性領域の中央に光源が配置された環状の、特定の形状を有してもよい。光源と光検出器の間の設計と構成は、光信号の質に影響を与える重要なパラメータである。
【0031】
呼吸の周波数の測定を、動脈血酸素飽和度(SpO)心機能、心拍数、及び脈拍の測定と組み合わせるために、パルスオキシメトリは適切に使用される。パルスオキシメトリにおいて、典型的には1つが赤色そしてもう1つが近赤外の範囲の、少なくとも2つの波長が用いられる必要がある。例えば赤色オン、光検出器からの読み込み、赤色オフ、赤外線オン、光検出器からの読み込み、赤外線オフというように光源のオンとオフとを切り替えて、順番に光検出器を読み取ることにより、2つの光プレチスモグラムは測定される。胸骨上で測定されたこれら光プレチスモグラムは、指等の体の他の位置上で測定された光プレチスモグラムとは異なって見える。これは、信号に含まれる呼吸の情報による。例えばマシモ・コーポレーションによるディスクリート・サチュレーション・トランスフォーム(Discrete Saturation Transform、DTS)や独立成分分析(ICA)のような、多くの数学的方法をSpOを計算するために用いることができる。呼吸の周波数、心機能、心拍数、及び脈拍は、例えば時間及び周波数の領域の分析により、2つの光プレチスモグラムのどちらかから発見できる。
【0032】
パッチ内に含まれるなどしたデバイスは、他の場所で説明されたように、測定シーケンスの制御、信号処理、及び光プレチスモグラムなどのモニタリングデータからの生理的パラメータの計算のための、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサを含む。さらに、無線技術が、光プレチスモグラムや他の生理的パラメータなどのモニタリングデータの無線伝送が可能となるように、デバイスに含まれてもよい。
【0033】
本発明はさらに、いくつかの生理的パラメータの測定が1つの単一のセンサを用いて実行できるという、大きな利点を持つセンサシステムの技術を提供する。
【0034】
ここで用いられる「マイクロ電子システム」は、個々のコンポーネントとデバイスの全体的な機能との間の通信を容易にする電気的な接続及び/又は回路のシステムを意味する。マイクロ電子システムは、被験体のモビリティを著しく低下させることなく、人間などの被験体の表面への取り付けに適するデバイス又はシステムに取り入れることに適するように、十分に小さな寸法を持つということが理解される。
【0035】
マイクロ電子システムは、1つ又は複数のアプリケーション特定用途集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)、厚膜、薄膜、又はセラミック技術等の電気システム又はサブシステムを備えてもよいがこれらに限定されず、そのマイクロ電子システム又はそのコンポーネントは、別々に封入されてもよい。
【0036】
本発明のマイクロ電子システムは、通信コンポーネント、CPU(Central Processing Unit)、電源、記憶コンポーネント、変換器コンポーネント、相互接続、及びオプションとしてアクチュエータコンポーネントを備えてもよい。
【0037】
CPU(Central Processing Unit)は、マイクロ電子システムのコンポーネントを制御し、またそのコンポーネントと通信する。CPUは、アプリケーションソフトウェア、データ意志決定、A/D変換、DSP(デジタル信号処理)、ルーティング、時間の計測、電力管理、スリープ機能、及び割り込みの実行を取り扱う。
【0038】
CPUは、他のコンポーネントを制御し、またオプションとして適切なデータ分析を行うマイクロ電子システムのコンポーネントである。一般に、更なるスピードとデータ分析が要求されると、より多くの電力が必要となる。従って、電力を節約するためにスリープ機能がよく用いられる。ある時間において、又はもしあるイベントが発生したら(電力消費が非常に低いモニタリングサブシステムにより動作される)、CPUが起動し、必要な計算を行い、関連するコンポーネントと通信し、そしてスリープモードへ戻る。必要に応じて、非常に基本的なCPUから本格的なマイクロコントローラまでが、本発明に係り用いられることができる。
【0039】
特定のアルゴリズムを動作させるデータ処理ユニット又はCPUの一部は、マイクロ電子システムとは別に配置されてもよく、またマイクロ電子システムから通信されたデータに基づいて動作してもよいということが理解される。
【0040】
用いられる用語「センサ」は、コンポーネントの周辺又は近くの環境における任意の生理的又は物理的パラメータ又はそのようなパラメータの変化を検出可能な任意のコンポーネントを示し、生理的又は物理的パラメータ又はオプションとしてアクチュエータの動作によるそのようなパラメータの変化は、マイクロ電子システムにおいて処理されてもよい。
【0041】
センサは、化学的なセンサはもちろん、電気的、光学的、及び機械的なセンサを含んでもよく、そのようなセンサは例えば、電極(ポーラ、バイポーラ)、圧力センサ、電極付き針、加速時計、光検出器、マイクロホン、イオン特定用途電界効果トランジスタ(Ion Specific Field Effect Transistor、ISFET)、NTC(Negative temperature coefficient)抵抗器、PTC(Negative temperature coefficient)抵抗器、帯域ギャップ検出器、イオン膜、酵素反応器又はコンデンサ等である。特に、システムは、電極や光学的認識手段などの非侵襲的なセンサを備えてもよい。しかしながら、センサは、例えば液体のサンプルを採取するための針や、信号の皮下での捕捉のための電極を含む針などの形状の、生理的信号の侵襲的な捕捉のためのものであり得る。
【0042】
生理的信号等の信号の捕捉のためのコンポーネントに加えて、又は信号の捕捉のためのコンポーネントに代えて、インタフェースは、アクチュエータ、すなわち個体の体上で動作可能な、エネルギーを典型的には電気的エネルギーである1つの形式から個体の体に作用する別のボディセンシブル形式へ変換するコンポーネントを備えてもよい。そのようなアクチュエータコンポーネントの例は電極であり、例えば、ニューロ刺激又はニューラル刺激、ポンプ、注射針、発光ダイオード(LED)又は他の電磁放射の放出源、拡声器などの圧力波発生器、電流発生器、又はケミカルシンセサイザである。
【0043】
「信号」は、センサによる、任意の生理的若しくは物理的パラメータ、又はそのようなパラメータの変化の測定又は検出を示す。「生理的信号」は、従ってセンサによる生理的パラメータ又はそのようなパラメータの変化の測定又は検出を示す。
【0044】
ここで用いられる「モニタリングデータ」は、データ信号に変換された生理的又は物理的信号を示し、生理的又は物理的信号は、マイクロ電子システムにより処理されてもよい。
【0045】
例えば外部のコンピュータシステムを用いて、アラーム中央、又は類似の監視、又はモニタリングシステムを用いて処理されたデータ信号を通信するために、デバイスは、公知の種類の無線通信能力を備えてもよい。これは、さまざまなサイズ、範囲、及び機能性のある市販の無線周波識別(RFID)タグを含んでもよい。RFIDリーダが適切な場(例えば誘導場)を印加するとき、基本的なRFIDタグは、ビットシーケンスを返す。このシーケンスは、使用に先立ってプログラムされる。RFIDの範囲は、パッシブタグ(電源が含まれない)に対する1cm〜約2メートルから、アクティブタグ(電源が含まれる)に対する100メートルを超えるものまで、さまざまである。より高性能のRFIDタグは、データが読み込まれ又は記憶されることができる記憶コンポーネントを持つことができる。
【0046】
無線通信は、マイクロ電子システムの一部を形成してもよく、又はオプションとしてインタフェースの一部を形成してもよい。一例として、マイクロ電子システム又はインタフェースは、RFチップ及びコイルを含んでもよい。RFIDタグの好ましい形式は、ガラスハウジングに封入されたRFIDタグ、プラスチック/エポキシ(典型的にピル形状を有する)に封入されたRFIDタグ、2つのポリイミド層の間に積層されたコイル及びRFチップを有するフラットRFIDタグ、又は接着ボディの上又は中に印刷された、曲がりをほとんど有さない大型のコイルアンテナを有し、かつ更なる保護/封入がないアンテナへ相互に接続されたRFチップを有するフラットRFIDタグである。
【0047】
無線通信は、特にRFIDタグの形式において、インタフェースの一部を形成するとき、個体又はプロセッサに対するインタフェースのタイプのいずれかを識別するために用いられてもよい。一例として、上記識別は、インタフェースに関係する信号のタイプに関してもよく、インタフェースの使用期間又はそのインタフェースが個体の皮膚に取り付けられた期間、個体の識別情報、又はその他の特性に関してもよい。いくつかの実施形態では、識別タグは、接着ホイルに埋め込まれる。
【0048】
デバイスと他のデバイスとの間の通信は、例えばマイクロ電子システムの一部を形成している縮小機能デバイス(RFD、Reduced Functionality Device)において協働されてもよい。FFDデバイスは、任意のトポロジーで機能してもよく、またネットワークのコーディネータであってもよい。あるいは、FFDデバイスは、任意の他のデバイスと通信できるコーディネータであってもよい。RFDデバイスは星形トポロジーに限られ、ネットワークのコーディネータになることはできず、ネットワークのコーディネータとのみ通信し、非常に単純な実施例を有する。RFDは、ボディエリアネットワーク(Body Area Network、BAN)内で通信ハブ、ゲートウェイ、又はルータとして動作し、1つ又は複数の外部ユニットとの通信を取り扱うネットワークのコーディネータ専用とされてもよい。通信ハブ又はゲートウェイは、外部ユニットに近接するとき、さもなければこれらのデータが適切に無線で送信されるとき、大きな記憶容量を有してもよく、またセンサネットワークからの大きなデータを保持してもよい。
【0049】
特に個体の行動のモニタリングのために、又は物理的な活動と他の信号とを組み合わせるために、デバイスは、例えば電子回路に埋め込まれた、GPSコンポーネントを備えてもよい。システムは、個体又はデバイスが取り付けられた足の位置、速度又は加速度に関するデータをログに記録してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムは、特許文献1に説明された3次元接着ボディを有するパッチの一部を形成し、その内容は、全体として参照することによりここに組み入れられる。
【0051】
ここで用いられる用語「3次元」は、断面図を見たときにかなり変化する輪郭を持つ、例えば接着ボディ若しくはデバイス、又はシステムなどの構成要素を示す。従って、例えば、3次元接着ボディは、最大の厚さと最小の厚さを持つ。本発明に係るいくつかの実施形態では、最大の厚さは、最小の厚さの少なくとも2倍の厚さとなる。好ましい実施形態では、接着デバイスの外縁又は周辺のエッジは、通常は中心部分であるセンサの最も厚い部分の半分未満の厚さを持つ。
【0052】
接着ボディの外縁は、フラップやローブを有しようが有しまいが、適切に円形又は卵形の形をしてもよく、あるいは、できるだけデバイスが便利かつ安全となるように長方形又は三角形の形をしてもよい。
【0053】
3次元接着ボディを作り上げる感圧接着剤は、たとえ運動中であっても接着性を保持しながら接着デバイスが体の一部の湾曲に順応するような柔軟性を有する、適切に成形可能な熱可塑性の又は化学的に硬化する感圧接着剤である。
【0054】
接着ボディを作り上げる適切な感圧接着剤は、スチレンブロック重合体や水素化スチレンブロック重合体などのブロック共重合体、アモルファスポリαオレフィン(APAO)、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリエチレンビニルアセテート、シリコン、又はハイドロゲル感圧接着剤の群から選択された重合体に基づいた接着剤である。
【0055】
これらの重合体に基づいた感圧接着剤は知られており、当業者はこれらの重合体に基づいた接着剤をどのように準備するかを知っている。
【0056】
筋電図法(EMG)は、筋肉の活動の検出を示す。筋電図法により、センサ(又は筋電図法)により検出された信号は、筋細胞が力学的に活動及び休止するときに筋細胞により発生された電位を表す。筋肉の活動からのこの信号は、医学的な異常を検出するために、あるいは人間又は動物の運動の生物力学を分析するために、検出及び分析されてもよい。
【0057】
皮膚電気反応(EDR)、精神電流反射(PGR)、又は皮膚コンダクタンス反応(SCR)としても知られている電気皮膚反応(GSR)は、皮膚の電気抵抗を測定する方法である。GSR信号は被験体における感情を感知し、例えば恐れ、怒り、驚愕反応、定位反応、及び性感などの、感情の検出及び測定にために用いられてもよい。また、GSR信号は、嘘検出器として用いられてもよい。
【0058】
ここで用いられるイオン特定用途電界効果トランジスタ(ISFET、Ion Specific Field Effect Transistor)は、被験体の間質液中や表面上などの、溶液中の特別なイオンの濃度を測定するために用いられるセンサを示す。ISFETセンサのゲート電極は電解質におけるあるイオンを感知し、トランジスタの利得はこれらのイオンの濃度に依存する。
【0059】
ここで用いられるサーミスタは、抵抗値が温度によって変化する抵抗器を示す。サーミスタは、本発明に係るシステムを着用している被験体の皮膚又は環境の温度を測定するために用いられてもよい。負の温度係数(NTC)抵抗器は、センサの材料の熱伝導率が温度の上昇に伴い上昇するセンサを示す。
【0060】
光プレチスモグラフィ(PPG)は、器官の光学的な体積の測定を示す。測定において、脈圧に起因する変化などの体積の変化は、例えば発光ダイオード(LED)などからの光源の光で皮膚などの器官を照明し、そして光ダイオードへ透過した光又は反射した光のいずれか一方の量を測定することにより検出される。いくつかの好ましい実施形態では、光プレチスモグラフィ測定は、光の反射に基づく。
【0061】
パルスオキシメトリによる動脈血酸素飽和度(SpO)は、光プレチスモグラフィの応用による被験体の血液の酸素飽和度の非侵襲的な測定を示す。
【0062】
一酸化炭素の飽和度(SpCO)は、光プレチスモグラフィの応用による被験体の血液中の一酸化炭素の非侵襲的な測定を示す。
【0063】
心電図記録法(ECG)は、経時的な心臓の電気的活動の非侵襲的な記録を示す。ECGを測定するためのセンサは、当業者に知られている心電図のデバイスのセンサを示す。
【0064】
脳電図法(EEG)は、脳内のニューロンの電気的活動の頭皮に沿った非侵襲的な記録を示す。EEGを測定するためのセンサは、当業者に知られている脳電図のデバイスのセンサを示す。
【0065】
心音図(PCG)は、心臓によって生じる音又は雑音の録音を示す。PCGを測定するためのセンサは、心音図のマイクロホンのセンサを示す。
【0066】
本発明に係るモニタリングシステムにおける光プレチスモグラフィックセンサが胸骨で用いられるとき、呼吸の速度は非常に明確にわかるということが理解される必要がある。これにより、少なくとも3つの生命維持に必要なバイタルパラメータすなわち心拍数、酸素飽和度、及び呼吸の周波数のモニタリングが、着用可能なデバイスにおける同一のセンサによって可能となる。
【0067】
胸骨PPGは、血液の流れ及び圧力を反映している光信号である。この流れは、2つの独立したポンプにより影響を受けた流れとして解釈できる。1つのポンプは肺のシステムに関連し、別のポンプは心臓のシステムに関連する。分離の問題は、肺のポンプに起因する流れを、心臓のポンプに起因する流れから分離することに関連する。呼吸の速度(RR)は、ほとんどの生理的条件に基づき、心拍数よりも著しく低い。心拍数は、ほとんどの場合1分あたり40拍を超える。臨床での設定においては、RRに対する限界として1分あたり5から40拍を設定することが現実的であろう。1分あたり5〜40拍の範囲を外れたRRの測定はアラームを発する必要があり、速さをさらに評価することを試みてはならない。
【0068】
本発明の1つの態様は、光学センサを用いて胸部で測定された光プレチスモグラム(PPG)から呼吸の速さの評価である。センサは、発光ダイオード(LED)などの光源と、光ダイオードなどの光検出器と、例えばマイクロ電子アプリケーション特定用途集積回路(ASIC)において組み合わされた、増幅器や変換器などの電子制御回路とを備える。
【0069】
胸骨上にパッチを配置することによる利点は、この位置が、胴体上の中心位置であるため、かん流の衰えに対して非常に強いことである。これは特に、敗血症や血液量減少などの状況の間に見られる低体温及び血管の末梢の収縮の間において価値がある。
【0070】
本発明に係るモニタリングシステムは、以下の1つ又は複数の実施形態を備える場合がある:
光ダイオード:
i)390nm〜1100nmの範囲における高い量子効率。
ii)面積あたりの低い静電容量。すなわち、最大1nF/cm
iii)表面に装着可能なデバイス。
iv)光ダイオードのサイズは、中心から光ダイオードの第1のエッジまでの半径4mm〜6mmを有する円に適合する必要がある。
v)光ダイオードは好ましくは、ゲルの屈折率にマッチした反射防止コーティングを有する必要がある。
【0071】
発光ダイオード:
i)390nm〜110nmの範囲における2つ又はそれ以上の波長。好ましくは660nm及び940nm。
ii)低い光学ノイズ。
iii)表面に装着可能なデバイス。
iv)およそ1mm×2mmの小さな形状因子。
【0072】
ゲル:
i)透過性。例えばゲル1mm当たり390nm〜1100nmの範囲における波長を有する光の50%又はそれ以上が透過される。
ii)1.01から1.7の範囲内の屈折率(生体組織の屈折率が1.34〜1.42の範囲内にあることは、非特許文献4及び非特許文献5に開示されている通りである)。
iii)非導電ゲル;もしゲルがプリント回路基板の導電部分に接触するならば。
iv)もし皮膚への電気的な接触に用いられるならば、導電ゲル。
【0073】
増幅器:
もし一般的なトランスインピーダンス増幅器が用いられるならば、増幅器は以下の特性を有してよい:
i)帯域幅は好ましくは、120Hzで正弦波振動する背景光、赤PPG、及び赤外PPGの同時測定に適合する必要がある。例えば、もし信号が最大値に関して正規化された背景光の1%変化の最大値の範囲内でサンプリングされる必要があれば、信号は、26μs以内でサンプリングされる必要がある。サンプリング周波数が240Hzよりも高いならば、より短い帯域幅を持つことが可能である(ナイキスト基準)。この場合において、背景光信号を、補間することができる。帯域幅はさらに、光ダイオードと増幅回路に対する所望の立ち上がり時間に適合する必要がある。立ち上がり時間は、複数のLEDによる過剰な消費電力を表し、例えば、MSP430のサンプリング時間は4μsである。もし立ち上がり時間による複数のLEDの過剰な消費電力が1%であるとき、立ち上がり時間は、40nsである必要があり、これは8.75MHzの増幅器の帯域幅に等価である。CC2430は、160μsのサンプリング周波数を有し、同一の必要条件を適用することは218kHzの帯域幅を与える。
ii)演算増幅器は、低いノイズを有する必要がある。特に、フリッカーノイズはPPG信号と同一の帯域にある可能性があるため、フリッカーノイズは低くある必要がある。
iii)利得/雑音比は、可能な限り高く、おそらく10より高くなるようにする必要がある。
【0074】
これに代えて、時間ウィンドウ上で信号を積分することによってノイズを低減するために、スイッチト積分トランスインピーダンス増幅器(Switched integrated transimpedance amplifier)が用られてもよい。
【0075】
本発明に係るシステムは、被験体の表面への取り付けに適したベース(基体)を備えてもよい。ベースは、被験体の方へ向き、従って被験体へデバイスが接着されることが意図されている下面に少なくとも接着剤を有する柔軟なテープ又はパッチから作られてもよい。
【0076】
ベースは、接着特性を有する例えばハイドロゲルなどのゲルを備えてもよい。ハイドロゲルは、導電性を有してもよいし有しなくともよい。例えば、ベース上のある位置の導電性を有する形成と、ベース上の別の位置の非伝導性を有する形成のように、異なる特性を有するハイドロゲルの異なる形状又は形成が、同一のシステム又はデバイス内で用いられてもよい。接着剤は、個体から検出コンポートまでの生理的信号の伝送路を形成してもよい。特に、本伝送路は、皮膚の表面などの個体に接触する位置から検出コンポーネントへの、中断されない伝送路であってもよい。適切なハイドロゲルの例は、非特許文献6及びそのサブバージョンである非特許文献7から得られる。
【0077】
例えば光学又は音響の生理的信号の検出の場合、1つかつ同一の材料におけるそのような妨げられない路、すなわち(ゲルなどの)接着剤は、屈折率など異なる特性を有する材料間のインタフェースにおける反射、分散及び屈折を防止することなどによって、信号の強度と品質の最小の損失を提供する。
【0078】
ベースは、例えば光学的信号を変更し、電気的信号をフィルタし、又は音響信号を減衰させるゲルなどの、生理的信号を補正する接着剤又はゲルを備えてもよい。
【0079】
特に、例えば、接着性の、人間の皮膚に適応し、導電性又は非導電性の、透過性又は非透過性の、そして適切な範囲において粘性又は柔軟性を有する非散乱性の光学センサのための、ハイドロゲル又は類似の柔らかい固体材料の形式などの接着剤を用いることには利点がある場合があり、1.34〜1.42などの例えば1.30〜1.45の、1.01〜1.7の範囲における屈折率を有する材料を用いることには利点がさらにあり得る。このように、屈折率が平均的な皮膚の屈折率に近づくことによって、音響的又は光学的な信号である生理的信号の反射を防止でき、又は少なくとも低減できる。
【0080】
ディスクリート・サチュレーション・トランスフォーム(DST(登録商標))アルゴリズムは、パルスオキシメトリにおけるSpOを計算するために用いられる数学的方法を示す。この方法は、マシモ・コーポレーションによって開発された。DSTアルゴリズムは、動脈血酸素飽和度(r)及び静脈血酸素飽和度(r)の評価の両方に対応する光学的な密度比を分離し、従って計算することを可能にする。
【0081】
独立成分分析(ICA)アルゴリズムは、多変量の信号を、非ガウス的なソース信号の相互の統計的独立性をサポートする加法的なサブコンポーネントへ分離するための計算の方法を示す。センサとICAは、全体として参照することにより内容がここに組み入れられる特許文献9、特許文献10、特許文献11、及び特許文献12に説明されている通りである場合がある。
【0082】
いくつかの重要な態様では、本発明に係るモニタリングシステムは、1つ又は複数の生命維持に必要なバイタルパラメータを測定する。ここで用いられる用語「生命維持に必要なバイタルパラメータ」は、全体的な故障が生物の死につながる生理的パラメータを示す。生命維持に必要な生理的な機能の中には呼吸の機能があり、従って、呼吸の速度は、生命維持に必要なバイタルパラメータであり、患者の臨床観察のかなめである。呼吸の速度は、例えば高炭酸ガス血、低酸素、ストレス、熱、痛み、睡眠時無呼吸、慢性閉塞性肺疾患、幼児突然死症候群、術後及び中枢神経系の抑制などの多くの条件に影響される。最後に、呼吸の速度の重要性は、呼吸の速さが多くの病院において医療緊急チームの活性化を引き起こす生理的パラメータの1つであるということに反映される。
【0083】
従って、いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムは、携帯電話や病院の集中モニタリングシステムなどの他のデバイスと通信するように構成される。本発明に係るシステムは、第1及び/又は第2のセンサから受信した値が特定の生理的な範囲内にあるときに、患者、臨床医、配偶者、家族の一員、介護者、又は医療提供者と通信するように構成されてもよい。これは、第1及び/又は第2のセンサから受信した値が許容可能な生理的な範囲内にないときに、死亡などの危機的な状況を防ぐための、治療上の介入を可能とする。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明に係るモニタリングシステムは、パッチ内に統合されて埋め込まれたセンサによって呼吸の速度、心拍数、及び酸素飽和度を測定できる無線モニタリングパッチである。この状況において本モニタリングシステムは、患者の快適さを改善することができ、加えて患者が、動きやすく、かつベッドなどの特定の位置に拘束されないようにすることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明によるモニタリングシステムは、病院の設定において経験される環境の下で呼吸及びその他の生理的パラメータをモニタする便利かつ改善された方法を提供する。
【0086】
いくつかの実施形態では、本発明に係るモニタリングシステムは、空気流のチューブ、付加的な配線、又は付加的な電極を用いることなく、体上の1カ所で呼吸をモニタできる。例えば、本発明は、手術中の患者が、接続されたデバイス及び接続されていないかもしれない装置によってモニタされ、手術中の患者への簡単なアクセスを妨害するという問題を解決する。従って、本発明は、接続されたシステムを取り扱うことが患者とモニタリング機器との間の有線の接続により難しい病院設備における患者の麻酔及び搬送の間の、患者のモニタリングを改善する。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明に係るモニタリングシステムは、環状の光検出器の使用により胸骨での光学的なPPG信号を測定し、ここで光源は、当該光源から4〜7mmの距離だけ離れた周辺の光活性領域の中央に配置される。そのような1つの適切な光検出器は、非特許文献8に開示されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、本発明に係るモニタリングシステムは、3次元接着デバイスを有する着用可能な無線システムであり、ここで光学センサは、電源、無線通信、及び電子回路とともに無線システムに埋め込まれる。センサ及びマイクロ電子回路が埋め込まれることができる適切な3次元接着デバイスは、特許文献1に開示されている。
【0089】
発明の特定の実施形態.
上述の通り、本発明は、被験体の表面への取り付けに適するモニタリングデバイスに関し、本デバイスは、被験体から第1の生理的信号を受信できる少なくとも1つの第1のセンサを備え、センサは、被験体により着用可能なマイクロ電子システムにより制御され、独立した電源供給により電力供給され、そしてモニタリングデータの無線転送のための通信構造をオプションとして備え、ここで第1のセンサは、被験体における呼吸の速度及び又は体積の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のためのものである。
【0090】
ここで用いられる最小侵襲的は、例えば被験体の表面に決して突き刺さることなく非侵襲的に、本質的に被験体の表面上で機能するデバイス又はシステムを示す。ほとんどの応用において、システムのセンサは、心電図記録法(ECG)のセンサの電極を用いるなどして、被験体の皮膚を介して信号を受信する。しかしながらいくつかの応用では、センサは、ISFETセンサのゲート電極などの、被験体の皮膚に突き刺さる小さな電極を有してもよい。他の応用では、センサは、例えばマイクロ波や超音波による、エッチング、加熱、放熱などの、他の方法で皮膚の特性を修正してもよい。ここで用いられる最小侵襲的は従って、非侵襲的に限らず、例えば言及された種類の侵襲的なシステムも示す。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、単一のデバイス内に含まれる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、被験体からの生理的信号を捕捉するに少なくとも十分な時間の期間、マイクロ電子システムに電力供給できる独立手段をさらに備える。
【0093】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、非侵襲的である。
【0094】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、更なる信号の測定のための1つ又は複数の更なるセンサを備える。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスにおいて、更なる信号は、1つ又は複数の生理的信号、又は心拍数(HR)、皮膚の温度及び/又は体温、いびきの音、サブメンタルEMGなどの筋電図法(EMG)、電気皮膚反応(GSR)、心電図記録法(ECG)、脳電図法(EEG)、心音図(PCG)、動脈血酸素飽和度(SpO)、筋肉の活動、運動、感情、動脈の一酸化炭素の飽和度(SpCO)、及び排出された酸化窒素などの肺から排出されたガスなどの生理的なガスのセンサから選択された更なる生理的信号に基づいたモニタリングデータである。
【0096】
ここに用いられる「運動」は、体又は体の一部の位置における任意の変化を示す。従って、「運動」は、ある場所から別の場所への被験体の移動、体の末端の移動などのさまざまな体の外部の一部の移動、震え、痙攣、発作などに関連する無意識の体の移動などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、更なる信号は非生理的信号である。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、非生理的信号は、全地球測位システム(GPS)、圧力センサ、加速度計、空気の湿度、環境の温度、所定かつ特定の無線信号又はその欠如、無線周波識別(RFID)タグ、有毒又は危険なガスなどのための化学的又は生化学的なセンサ、及び被験体又は被験体からの生理的信号のモニタリングに責任がある別の人からのオンデマンド信号から1つ又は複数選択されて得られる。
【0099】
ここで用いられる無線信号は、可視光の周波数より低い周波数などの、空気又は真空の空間を介した伝送に適した周波数を有する電磁波の任意の伝送を示す。無線信号は、その場所で限定されるものであってもよい。本発明に係るシステムは、例えばシステムが特定の位置に配置されたときなどの特定の条件下でオフにされる、一定の無線信号の影響下にあっても良い。従って、信号は、無線信号がオフされるときでもよい。これに代えて、信号は、無線信号がアクティブでありシステムにより受信される位置にシステムが配置されたときなど、無線信号がオンされたときに受信されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、3次元接着ボディを有するパッチの一部である。
【0101】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、接着材料を含む廃棄処分部をさらに備える。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、廃棄処分部は、交換可能なバッテリや燃料電池などであり、エネルギーを供給する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、低電力電子回路は、通信コンポーネント、中央処理装置(CPU)、記憶コンポーネント、変換器コンポーネント、アクチュエータコンポーネント、及びコンポーネント間の電気的な相互接続から選択されたコンポーネントを備える。
【0104】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、変換器は、電極(ポーラ、バイポーラ)、圧力センサ、加速時計、光検出器、マイクロホン、イオン特定用途電界効果トランジスタ(ISFET)、負の温度係数(NTC)抵抗器などのサーミスタ、帯域ギャップ検出器、イオン膜、酵素反応器又はコンデンサから選択された検出要素を有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、マイクロ電子システムは、ネットワークハブ、ゲートウェイ、又はネットワークコーディネータを備える。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、マイクロ電子システムは、全地球測位システム(GPS)を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、マイクロ電子システムは、無線周波識別(RFID)タグを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、少なくとも1つのセンサと1つ又は複数の更なるセンサは、2つ又はそれ以上の生理的信号の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のための同一のセンサである。
【0109】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、1つ又は複数の更なるセンサは、心拍数(HR)、パルスオキシメトリによる動脈血酸素飽和度(SpO)、一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、メトヘモグロビン(metHb)、血圧、かん流指数、例えば心拍数の変動性、組織のかん流、及びヘモグロビン濃度などの心拍数などに対応したパラメータ、又は任意の他の呼吸のパラメータから選択された1つ又は複数の生理的信号の光学的な測定のためのものである。
【0110】
本発明に係るデバイスは、例えば呼吸の体積及び呼吸の周波数の両方のように、呼吸に関連する2つ又はそれ以上の生理的信号の測定に適し得るということが理解される。
【0111】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、1つ又は複数の更なるセンサは、電位を測定するためのものである。
【0112】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、1つ又は複数の更なるセンサは、心電図記録法(ECG)、筋電図法(EMG)、脳電図法(EEG)、電気皮膚反応(GSR)、心音図(PCG)、動脈血酸素飽和度(SpCO)、筋肉の活動、感情、動脈の一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、血液pH、血圧(BP)、心拍数(HR)、いびきの音、皮膚の温度(ST)、及び/又は中核体温から選択された1つ又は複数の更なる生理的信号の測定のためのものである。
【0113】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、1つ又は複数の更なるセンサは、血圧、汗の生成、組織のかん流、心臓の弁及び血管を含む心臓の機能、及び運動から選択された1つ又は複数の生理的パラメータの機械的な測定のためのものである。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、機械的な測定は、超音波に基づいた測定及び/又は心音図(PCG)から選択される。
【0115】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、約100mmより小さい平均直径を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、例えば5mmより小さい、例えば6mmより小さい、例えば7mmより小さい、例えば8mmより小さい、例えば9mmより小さいような、約10mmより小さい厚さを有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、人間の胸骨上への取り付け及び応用に適する。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、第1及び/又は第2のセンサは、運動の検出のためのセンサである。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、睡眠中の引きつけ、心臓疾患と心臓の不整脈とを含む心臓血管の疾患、頻脈、高血圧、低血圧、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、睡眠時無呼吸、生命維持に必要なバイタルライフサイン、モルヒネを用いるなどした鎮痛治療、てんかん発作などの発作、筋肉の痙攣、熱症、低酸素、酸血症、高血糖及び低血糖、低体温、及び高体温を示すことに適する。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスでは、被験体からの少なくとも2つの生理的信号がモニタされる。
【0121】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、少なくとも1つのセンサからの信号に基づいてデータ処理ユニットへデータを連続的に流す。
【0122】
いくつかの実施形態では、本発明に係るデバイスは、データパッケージとしてデータ処理ユニットへデータを送るために、データを集中させる。
【0123】
いくつかの実施形態では、デバイスは、少なくとも1つの光源を、及び少なくとも光検出器上に備える。
【0124】
いくつかの実施形態では、デバイスでは、光源は1つのLED、又は複数のLEDである。
【0125】
いくつかの実施形態では、デバイスでは、光検出器は、中央において1つ又は複数の光源を有する、単一のリング形状の光ダイオードである。
【0126】
いくつかの実施形態では、デバイスでは、光検出器は、中央における1つ又は複数の光源の周囲に配置された、複数の光ダイオードである。
【0127】
本発明のいくつかの態様はシステムに関し、本システムは、モニタリングデバイスと、モニタリングデバイスからのモニタリングデータを受信し、第1及び第2のセンサからのモニタリングデータに基づいてアルゴリズムを動作させて、モニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積に基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供するデータ処理ユニットとを備える。
【0128】
本発明に係るいくつかの実施形態では、このシステムでは、アルゴリズムは、ディスクリート・サチュレーション・トランスフォーム(DST)又は独立成分分析(ICA)から、独立して選択される。
【0129】
本発明に係るいくつかの実施形態では、システムは、更なる生理的信号に基づいた少なくとも1つの更なる生理的パラメータの状態を示す出力を提供する。
【0130】
本発明に係るいくつかの実施形態では、更なる生理的パラメータ又は被験体の生理的パラメータの表現は、体温、呼吸の第2のパラメータ、血液pH、血圧、心拍数(HR)、動脈血酸素飽和度(SpO)、一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、心電図(ECG)、筋電図(EMG)、脳電図(EEG)、皮膚の温度、感情、汗の生成、組織のかん流、心臓の弁と血管を含む心臓の機能、及び運動から選択される。
【0131】
本発明に係るいくつかの実施形態では、更なる生理的パラメータ又は被験体の生理的パラメータの表現は、体温、血液pH、血圧、心拍数(HR)、動脈血酸素飽和度(SpO)、一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、心電図(ECG)、筋電図(EMG)、脳電図(EEG)、皮膚の温度、感情、汗の生成、組織のかん流、心臓の弁と血管を含む心臓の機能、運動、メトヘモグロビン(metHb)、任意のもう1つの呼吸のパラメータ、心拍数の変動性、組織のかん流、及びヘモグロビンの濃度から選択される。
【0132】
いくつかの態様では、本発明は、被験体における呼吸の速度及び/又は体積、及びオプションとして更なる生理的信号をモニタリングする方法に関し、本発明に係るモニタリングデバイスは被験体の表面上に配置され、本発明に係るシステムからのデータは、モニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積、及びオプションとして更なる生理的パラメータに基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供する。
【0133】
本発明に係るいくつかの実施形態では、モニタリングデバイスを携える被験体の少なくとも1つの生理的パラメータの状態は、睡眠中の引きつけ、心臓疾患と心臓の不整脈とを含む心臓血管の疾患、頻脈、高血圧、低血圧、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、睡眠時無呼吸、生命維持に必要なバイタルライフサイン、モルヒネを用いるなどした鎮痛治療、発作、低酸素、酸血症、高血糖及び低血糖、低体温、及び高体温から独立して選択される。
【0134】
本発明に係るいくつかの実施形態では、生理的パラメータは、消防士又は軍人の仕事中などの、仕事中に測定される。
【0135】
本発明に係るいくつかの実施形態では、生理的パラメータは、入院している被験体、又はこれに代えて在宅の病気を持つ被験体上で測定される。
【0136】
上述の複数の構成要素の全ての可能な変型における上述の構成要素の任意の組み合わせは、本明細書において他に指定されない限り、又は内容により明確に否定されない限り、本発明に包含される。
【0137】
本発明を説明する内容において用いられる「1つの」、「その」、及びこれらの類似は、本明細書において指定され、又は内容により明確に否定されない限り、単数及び複数の両方をカバーするよう解釈される必要がある。
【0138】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に特に指定されない限り、範囲内にある個々の値をそれぞれ区別するために、主として参照の簡単な方法として提供することが意図されており、区別された値のそれぞれは、本明細書に個別に列挙されたかのように明細書に組み入れられる。特に明記されない限り、ここに提供された全ての正確な値は、対応する近似値の代表である(例えば、特定の要因又は測定に対応して提供される全ての正確な代表的な値は、適切な「約」により修正された、対応する近似の測定を提供するとも考えられる)。
【0139】
ここに説明された全ての方法は、特にここに指定されない限り又は内容により明確に否定されない限り、任意の適切な順番で実行可能である。
【0140】
ここに提供される任意の及び全ての例又は代表的な言葉(例えば「などの」)の利用は、主として発明をより良く明らかにすることが意図されたものであり、特に指定されない限り本発明の範囲の限定を提示するものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、明示的に述べられていない限り、いかなる構成要素も発明の実施に本質的であることを指定していると解釈されてはない。
【0141】
特許文書の本明細書への引用及び組み入れは、便宜のみのためにされ、そのような特許文書の有効性、特許要件、及び/又は実施可能性のいかなる観点も反映しない。
【0142】
1つの構成要素又は複数の構成要素を参照して「備える」、「有する」、「含む」、又は「収容する」などの用語を用いる、本発明の任意の態様又は実施形態の本明細書における記載は、特に明記されない限り、又は内容により明確に否定されない限り、特定の1つの構成要素又は複数の構成要素について「からなる」、「から本質的になる」、又は「実質的に備える」などの本発明の類似の態様又は実施形態のサポートを提供することが意図される(例えば、特定の構成要素を備えたここに説明された形成は、特に明記されない限り、又は内容により明確に否定されない限り、そのような構成要素からなる形式も説明しているとも理解される必要がある)。
【0143】
本発明は、適用法により許される範囲で最大限に拡大された、ここに表された態様又は請求項において記載された主題の、全ての修正及び均等を含む。
【0144】
上記の明細書に述べられた全ての刊行物は、参照によってここに組み入れられる。本発明の記載された方法及びシステムのさまざまな修正例及び変形例は、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、当業者に明らかとなる。本発明について特定の好ましい実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲記載の発明は、そのような特定の実施形態へ過度に限定されてはならないことが理解される必要がある。実際、マイクロ電子システム、医療デバイス、又は関連する分野における当業者に明白である、本発明を実施するための説明されたモードのさまざまな修正は、以下の請求項の範囲内となるように意図される。
【0145】
実施例1.
パルスオキシメトリによるEMG及びSpOのモニタリングのためのモニタリングパッチ.
以下の考察に基づいて、無線健康システムが電子パッチとして開発された。電子パッチは、多くのタイプのセンサと互換性を有する真性のプラットフォームである。この例に係るパッチは、パルスオキシメトリによるEMG及びSpOのモニタリングの、2つの応用を説明する。EMGセンサは、睡眠中の引きつけの検出が意図されており、パルスオキシメトリセンサは、心臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、及び睡眠時無呼吸を患っている人々、及び消防士などの勤務中の職業人のためのものであることが意図されている。
【0146】
電子パッチは、プリント回路基板(PCB)からなり、センサはその底部に装着され、その上部は全ての電子回路及び無線通信を含む。PCBは、硬いプラスチックボックスの中に封入され、ハイドロコロイド重合体の接着材料によって体に取り付けられる。
【0147】
センサ.
EMGセンサは、10mmの間隔を有してPCB上で均等に配置された3つの銀の電極により製作された、標準的な設計を有する。パルスオキシメトリセンサは、中央に赤(660nm)及び赤外(940nm)の2つのLEDを有する同心円状の光ダイオードを備える。センサは、図2に示される。
【0148】
電子回路.
PCBの上部側は、図3に示されるような電子回路を含む。PCBの上部側は、アナログフロントエンド電子回路、組み込み無線回路を有する低電力マイクロプロセッサ、及びメモリを含む。マイクロプロセッサは、無線回路がオフのときの32kHzでの190μAから、無線回路がオンのときの32MHzでの27mAまでを用いる。マイクロプロセッサの電力消費は、アプリケーション依存である。パルスオキシメトリセンサにおいて、複数のLEDを制御するI2C電流コントローラもまたある。パッチは、コインサイズの170mAhの3Vリチウムイオンバッテリにより電力供給される。
【0149】
無線通信及びネットワーク.
電子パッチにおける無線ネットワークは、2.4GHzの無線及びプロプライエタリなプロトコルに基づいており、この無線ネットワークは、パッチを無線のパーソナルエリアネットワークにおいて動作可能とするが、サービスプロバイダ又は病院とは直接に交信する独立したシステムとしては動作させない。しかしながら、この交信は、例えばスマートフォンなどの、インターネットに接続された外部のアクセスポイントにより行うことができる。アクセスポイントは、民家又はその他の日々の環境に設置されることができる。このアセンブリを用いる利点は、長距離通信に消費される電力は、パッチの外部に設けられるということである。この構成はまた、多くのパッチのサービスをサポートする。例えば、団地全体をカバーするアクセスポイントの同一のネットワークへ個々のパッチのそれぞれが接続されることによりモニタされることができる多くの高齢者がいる介護付き住居の場合がある。プロプライエタリなプロトコルは、低電力消費のために、ZigBee(登録商標)及びBluetooth(登録商標)のプロトコルの代わりに使用される。欠点は、数メートルの限られた範囲である。これは、Bluetooth(登録商標)プロトコルを用いることにより増加されるであろう。
【0150】
機械的なアセンブリ.
図5は、中心に配置された2つのLEDの周囲の同心円状の光ダイオードとして作られたパルスオキシメトリセンサを有する、アセンブリされたパッチである。複数のLEDの周囲の小さな方形フレームは、複数のLEDから光ダイオードに直接光が進行することを避けるためにある。
【0151】
機械的なアセンブリは、図4に示され、パルスオキシメトリを有する最終パッチは、図5に示される。センサ及び電子回路は、汗や湿気から電子回路を保護するバイオ互換性を有するプラスチックのハウジングに封入される。パルスオキシメトリセンサはさらに、光の透過率を最大に最適化された屈折率に調整されたエポキシのシールにより保護され、EMGセンサは、エポキシのシールを有する。この解決法では、システムはシャワーの間にも警告されることが可能である。パッチには、2つの部分がある:(1)底部(f)、中間のプラスチックハウジング(d)、及びセンサ及び電子回路(e)から成る再利用可能センサ部、(2)接着パッチ(a)、上部ハウジング(b)、及びバッテリ(c)からなる廃棄処分部。接着パッチは、死んだ皮膚細胞により毎週一度交換される必要がある。これはしたがって、バッテリが最後まで使えるよう設計された期間である。接着パッチは、皮膚上にプラスチックハウジングを接着するように設計され、ハイドロコロイド重合体は、皮膚からの湿気の拡散を可能にする。
【0152】
EMGの応用.
筋電図法は、筋肉の活動を検出する方法である。本方法は、筋肉の活動がある筋肉細胞の膜の電位の変化に依存する。休止筋肉細胞は、約90mVの細胞膜をまたがった電位を有する。筋肉の活動の間に、膜の電位は、約15mVに変化する。これは、筋肉が刺激されたとき又は持続的に筋肉が収縮して硬直するときの両方に急激に変化する。EMGは、筋肉上の皮膚面上での非侵襲的に、及び針による侵襲的に、両方で測定されることが可能である。標準的な構成は、表面のEMGのために用いられ、ここで、電位は、2つの電極の間で、これらの間に配置された第3の電極に対して相対的に、測定される。測定された信号は増幅され、電力の節約のために電位の急激な変化の検出のためのアナログ回路が用いられる。この場合において、マイクロプロセッサは、電位の急激な変化が検出され、かつ筋肉が活動するときにのみオンされる。そして、マイクロプロセッサはそして、EMG信号を分析し、引きつけが起きているかを評価する。
【0153】
パルスオキシメトリの応用.
パルスオキシメトリセンサは、動脈血酸素飽和度を検出する。パルスオキシメトリセンサは、1972年にティー・アオヤギにより発明された光学的技術であり、血流の光の吸収の変化に基づく。パルスオキシメトリは、酸素化したヘモグロビン(HbO)と脱酸素化したヘモグロビン(Hb)との間の吸収スペクトルの違いによる。HbOとHbの吸収係数の間の比は、660nm及び940nmの波長を適切にすることが示されている。パルスオキシメトリの応用に対して、注文設計のシリコンの光ダイオードが選択されてもよい。これは、パルスオキシメトリの応用のための複数の光ダイオードの最適化を可能にする。複数のLEDの必要な駆動電流を最小化するために、その複数のLEDの周囲に同心円状であり、従って組織からの後方散乱光の収集に最適化された、製造された大面積光ダイオードが用いられる。複数の光ダイオードは、22mmから121mmまでに及ぶさまざまな有効面積を有する14mm×14mmのチップサイズを有する。この面積は、Nellcorの接続された反射率センサにおいて用いられている面積よりも最大20倍まで大きい。最大の光ダイオードは、図2に示される。光ダイオードの面積を増大させることはまた、容量を増大させ、これは光ダイオードの速度を低下させることとなる。つまり、光ダイオードの面積とスピードの間にはトレードオフが存在する。本システムにおいて、1kHzのサンプリングレートfsが用いられる。最大の光ダイオードの容量は、24nF±2nFである。10の増幅率を有する光ダイオードトランスインピーダンス増幅回路のときは、帯域幅BWは、近似的に次式で与えられる:
BW≒(CPD・RAmp−1=(24nF・10kΩ)−1=4kHz。
【0154】
3.5mmから6.5mmの半径を有するいくつかの1mm幅のリングが製作される。これは、特定の体の位置上でどの半径で信号が最良の信号対雑音比を有するかについての知識を得るために行われる。1つのそのようなリングセンサは、図5に見られる。アセンブリを容易にするために、裏面の光ダイオードであって、接合点を有し、かつ両方がPCBに面する側で接触する裏面の光ダイオードを製作することが選ばれた。従って、ワイヤボンディングは必要ではない。周辺光から遮蔽し、かつ関心の2つの波長すなわち660nm及び940nmの透過を最適化するために、50nmの熱乾燥酸化シリコン上の550nmPECVD窒化シリコンからなる2層の反射防止フィルタが用いられる。このフィルタは、660nm及び940nmで光の透過率が98%を超え、600nm〜1100nmの範囲においては、他の波長で約50%に抑制している。600nm以下の波長では、組織の吸収率が非常に高く、従ってこれらの波長での周辺光は問題を引き起こさない。複数の光ダイオードは、光の入射口の側でアルミニウムでパターンされ、集光のよく画定されたエリアが与えられる。複数のPPGから、脈拍と酸素飽和度が計算される。パルスオキシメータセンサの電力消費をさらに最適化するために、複数のLED、DLEDのデューティーサイクルは考慮されることができる。可能な最小のデューティーサイクルは、LEDの電力の少なくとも95%が持続される必要があるとき、サンプリング周波数及び光ダイオード増幅回路の帯域幅により与えられる。現在の場合では、
LED≒2・fs/BW=2・1kHz/4kHz=50%
である。
【0155】
点灯時、複数のLEDは典型的には1.5Vで20mAを使用する。I2C電流コントローラは、1.5Vで20mAを伝送するために、3Vで10mAを必要とする。複数のLED上で50%のデューティーサイクルを有することにより、I2C電流コントローラは平均として、3Vで5mAを使用する。もし連続的に測定されれば、複数のLEDのみでバッテリを34時間以内で使うだろう。従って、我々は、少なくとも10のファクターによって、LEDの電力消費を削減する。なぜなら、1週間続けて測定が可能であり、85mAh又は複数のLEDを使用できるバッテリ電力の半分を使用するのみであるからである。これを行う1つの方法は、光ダイオードの容量を低減することにより、光ダイオード増幅回路の速度を改善させることである。
【0156】
図12は、モニタリングシステムにおける光学システムとコンポーネントとの可能な統合を例示する。光学コンポーネントは、プロセッサの一部として統合されている。光信号は、データコレクタへ、そしてさらにハイドロゲルを介して組織の中へ、伝送構造を用いて導かれる。ここで、符号19はPCB上の光シールドを示し、符号20はゲルにおける光シールドを示し、符号21は複数のLEDを示し、符号22は光ダイオードを示し、そして符号23は増幅回路を示す。
【0157】
実施例2.
図6は、実施例1において述べられたパッチが胸骨上に装着されたときに測定されたPPG信号を示す。測定された信号は、両方の呼吸の速度、心機能、心拍数、脈拍、及び酸素飽和度の情報を含む。呼吸の速度は非常に明確にわかり、この場合、呼吸の速度は呼吸12回/分に対応する5sの周期を有するということが発見される。このように、胸骨の位置では、デバイスは、従来のPPG信号及び呼吸の速度を測定可能である。
【0158】
図7〜図10は、胸骨のPPG信号、心拍数及び呼吸の速度の間の関係を示す。図10における胸骨PPGは、2つの周波数成分を有する:長い方の周期と相対的に大きな振幅を有する成分は、空気流におけるCOの割合を示す図9と比較することにより見られるように、呼吸に関連する。短い方の周期を有する成分は、心拍数に関連する。これは、ECGを示す図7と比較することにより見られる。
【0159】
従って、本発明に係るモニタリングシステムは、酸素飽和の評価のための脈拍と2つのPPGに加えて、3次元接着パッチに埋め込まれた光学センサを用いた便利かつ非侵襲的なスポット測定による呼吸の速度の測定の問題を解決するということが説明される。
【0160】
図13は、モニタリングデバイスにおける光学システムとコンポーネントとの可能な統合を例示する。光学コンポーネントは、データコレクタの一部として統合されている。データコレクタ及びプロセッサは、導電シリコンワイヤによって伝送構造を介した電気接続を有する。ここで、符号24は光シールドを示し、符号25は複数のLEDを示し、光26は光ダイオードを示し、符号27はコインセルバッテリを示し、そして符号28は増幅回路を示す。
【0161】
図14は、複数の発光ダイオード(LED)及び複数の光ダイオードの電気光学コンポーネントを有するプリント回路基板の2つのレイアウトの上面図を示す。4〜8個の光ダイオードが、中心における複数の発光ダイオード(LED)とともに環状の形状で装着されている。複数のLEDの波長はそれぞれ、660nm及び940nmである。光ダイオードは、例えばBPW34又はこれに類似するものである。ここで、符号29及び30は、シールドを示す。
【0162】
複数の発光ダイオード(LED)及び複数の光ダイオードの電気光学コンポーネントを備える光学センサの1つの適切なレイアウト及び形状は、図13に説明される。複数のLED及び複数の光ダイオードの間の形状及び分離は、これが測定された複数の光プレチスモグラム(PPG)の質に影響を与えるため、重要である。好ましくは、複数のLED及び複数の光ダイオードの間の分離は、4mmから7mmの範囲にある必要がある。
【0163】
実施例3.
本発明に係るデバイスの利用に適する複数の光プレチスモグラム(PPG)の測定のためのデバイス。
【0164】
図1は、光プレチスモグラフィックセンサを有する電子パッチを例示する。センサは商用の複数のLEDから成り、特別に設計されたリング形状の光ダイオードである。光プレチスモグラフィックセンサに加えて、電子パッチはまた、信号処理、無線通信、及び1週間の期間にパッチに電力供給できるコインセルバッテリのための電子回路を含む。これらのコンポーネントは、ハイドロコロイド接着材料の中に埋め込まれる。パッチは、88mm×60mmのサイズを有し、かつ5mmの厚さである。
【0165】
本デバイスは、再利用可能部と廃棄処分部の2つの部分を有する:再利用可能部「センサハウジング」は、図1の下部に見られるように、プラスチックハウジングに封入されたセンサと電子回路を含む。廃棄処分部「接着キャップ」は、図1の上部に見られるように、接着パッチに埋め込まれたバッテリフレームとバッテリを備える。2つの部分は、スナップラッチによって取り外し及び取り付け可能である。センサハウスは、寸法56mm×28mmと、中心での厚さ4mmを有する。接着キャップは、88mm×60mmの寸法と、中心での厚さ5mmを有する。これはまた、アセンブリされたパッチの寸法でもある。アセンブリされたパッチの重量は16gである。プラスチック部分(底部ハウジング、上部ハウジング、及びバッテリフレーム)は、3D印刷の選択的レーザ焼結(SLS)を用いてポリラウリンラクタム(Polylaurinlactam、PA12又はナイロン)で製作される。接着剤(Loctite 4031)は、ハウジングにおけるPCBとバッテリフレームにおけるバッテリのアセンブリのために用いられる。用いられる接着剤は、水膨潤性ハイドロコロイドと及び水不溶性、粘性及び弾性の結合剤を含む混合物である。デバイスは、中心が辺に対して厚くなるよう3次元的に構成される。
【0166】
センサは、裏面の環状のシリコン光ダイオードの中心に配置された、660nm(Lumex Inc.)及び940nm(Stanley Electric Co., Ltd.)の波長の2つの商用のLEDを備える。環状の光ダイオードは、LEDにおける電流消費を低減するために用いられる。光ダイオードは、中心から4〜7mm離れた位置に定義された開口を有する。本開口は、アルミニウム層の蒸着により作られる。
【0167】
電子回路コンポーネントは、光ダイオードとは別に、標準的な表面実装技術を用いてプリント回路基板へ接合される。光ダイオードは、良い機械的な接着のために、CW2400導電エポキシ(Circuitworks)及びチップコート8426アンダーフィル(Namics)を用いて取り付けられる。複数の発光ダイオード(LED)及び底部ハウジングにおける光ダイオードの穴は、光学的に透明なエポキシEpo−Tek302−3M(Epoxy Technology Inc.)を用いてシールされている。エポキシは、約300μmの厚さを有する。エポキシは、人間の皮膚の屈折率に近い1.56の屈折率を有する。人間の皮膚において、外皮層、表皮の屈折率は、660nmの波長では1.34〜1.43の範囲にあり、940nmの波長では1.42である。光ダイオードは、エポキシのシールにマッチした反射防止の光学フィルタを有する。従って、光学フィルタの屈折率は、エポキシの屈折率1.56にマッチする。エポキシは、望まれない干渉を回避するために、複数のLEDの典型的なコヒーレンス長より大きな光学的な厚さを有することが重要である。典型的なLEDのコヒーレンス長は50〜100μmであり、エポキシ層の光学的な厚さは、約470μmである。透過率は、0度から60度までの範囲の入射角で波長660nm及び940nmでは、90%よりも良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の表面への取り付けに適する最小侵襲的なモニタリングデバイスであって、
前記デバイスは、前記被験体から第1の生理的信号を受信できる少なくとも1つの第1のセンサを備え、
前記センサは、前記被験体により着用可能なマイクロ電子システムにより制御され、独立した電源供給により電力供給され、モニタリングデータの無線転送のための通信構造をオプションとして備え、
前記第1のセンサは、前記被験体における呼吸の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のためのものであるモニタリングデバイス。
【請求項2】
前記システムは、単一のデバイス内に含まれる請求項1に記載のモニタリングデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、前記被験体からの前記生理的信号を捕捉するに少なくとも十分な時間の期間、前記マイクロ電子システムに電力供給できる独立手段を備える請求項1又は2に記載のモニタリングデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、非侵襲的である請求項1から3までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、更なる信号の測定のための1つ又は複数の更なるセンサを備える請求項1から4までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項6】
前記更なる信号は、生理的信号、又は心拍数(HR)、血液pH、血圧(BP)、皮膚の温度及び/又は体温、いびきの音、筋電図法(EMG)、電気皮膚反応(GSR)、心電図記録法(ECG)、脳電図法(EEG)、心音図(PCG)、動脈血酸素飽和度(SpO)、筋肉の活動、任意のもう1つの呼吸のパラメータ、運動、感情、動脈の一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、及び排出された酸化窒素など肺から排出されたガスなどの生理的なガスのセンサから選択された1つ又は複数の前記更なる生理的信号に基づいたモニタリングデータである請求項5に記載のモニタリングデバイス。
【請求項7】
前記更なる信号は非生理的信号である請求項5又は6に記載のモニタリングデバイス。
【請求項8】
前記非生理的信号は、全地球測位システム(GPS)、圧力センサ、加速度計、空気の湿度、環境の温度、所定かつ特定の無線信号又はその欠如、無線周波識別(RFID)タグ、有毒又は危険なガスなどのための化学的又は生化学的なセンサ、及び前記被験体又は前記被験体からの前記生理的信号のモニタリングに責任がある別の人からのオンデマンド信号から1つ又は複数選択されて得られる請求項7に記載のモニタリングデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、3次元接着ボディを有するパッチの一部である請求項1から8までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、接着材料を含む廃棄処分部をさらに備える請求項1から9までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項11】
前記廃棄処分部は、交換可能なバッテリなどであり、エネルギーを供給する請求項1から10までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項12】
前記低電力電子回路は、通信コンポーネント、中央処理装置(CPU)、記憶コンポーネント、変換器コンポーネント、アクチュエータコンポーネント、及びコンポーネント間の電気的な相互接続から選択されたコンポーネントを備える請求項1から11までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項13】
前記変換器は、電極(ポーラ、バイポーラ)、圧力センサ、加速時計、光検出器、マイクロホン、イオン特定用途電界効果トランジスタ(ISFET)、負の温度係数(NTC)抵抗器などのサーミスタ、帯域ギャップ検出器、イオン膜、酵素反応器又はコンデンサから選択された検出要素を有する請求項1から12までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項14】
前記マイクロ電子システムは、ネットワークハブ、ゲートウェイ、又はネットワークコーディネータを備える請求項1から13までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項15】
前記マイクロ電子システムは、全地球測位システム(GPS)を含む請求項1から14までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項16】
前記マイクロ電子システムは、無線周波識別(RFID)タグを含む請求項1から15までのうちのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項17】
少なくとも1つの第1のセンサと前記1つ又は複数の更なるセンサは、2つ又はそれ以上の生理的信号の光プレチスモグラフィ(PPG)に基づいた光学的な測定のための同一のセンサである請求項5から16までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項18】
前記1つ又は複数の更なるセンサは、心拍数(HR)、パルスオキシメトリによる動脈血酸素飽和度(SpO)、一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、任意のもう1つの呼吸のパラメータ、メトヘモグロビン(metHb)、心拍数の変動性、血圧、組織のかん流、及びヘモグロビン濃度から選択された1つ又は複数の生理的信号の光学的な測定のためのものである請求項5から17までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項19】
前記1つ又は複数の更なるセンサは、電位を測定するためのものである請求項5から18までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項20】
前記1つ又は複数の更なるセンサは、心電図記録法(ECG)、筋電図法(EMG)、脳電図法(EEG)、電気皮膚反応(GSR)、心音図(PCG)、動脈血酸素飽和度(SpO)、筋肉の活動、感情、動脈の一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、血液pH、血圧、心拍数(HR)、いびきの音、皮膚の温度及び/又は体温から選択された1つ又は複数の更なる生理的信号の測定のためのものである請求項5から19までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項21】
前記1つ又は複数の更なるセンサは、血圧、汗の生成、組織のかん流、心臓の弁及び血管を含む心臓の機能、及び運動から選択された1つ又は複数の生理的パラメータを測定する機械的な測定のためのものである請求項5から20までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項22】
前記機械的な測定は、超音波に基づいた測定及び/又は心音図(PCG)から選択される請求項21に記載のモニタリングデバイス。
【請求項23】
前記モニタリングデバイスは、約100mmより小さい平均直径を有する請求項1から22までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項24】
前記モニタリングデバイスは、例えば5mmより小さい、例えば6mmより小さい、例えば7mmより小さい、例えば8mmより小さい、例えば9mmより小さいような、約10mmより小さい厚さを有する請求項1から23までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項25】
前記モニタリングデバイスは、人間の胸骨の前の皮膚上への取り付け及び応用に適する請求項1から24までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項26】
前記1つ又は複数の更なるセンサは、運動の検出のためのセンサである請求項5から25までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項27】
前記モニタリングデバイスは、睡眠中の引きつけ、心臓疾患と心臓の不整脈とを含む心臓血管の疾患、頻脈、高血圧、低血圧、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、睡眠時無呼吸、生命維持に必要なバイタルライフサイン、モルヒネを用いるなどした鎮痛治療、てんかん発作などの発作、筋肉の痙攣、熱症、低酸素、酸血症、高血糖及び低血糖、低体温、及び高体温を示すことに適する請求項1から26までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項28】
前記被験体からの少なくとも2つの生理的信号がモニタされる請求項1から27までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項29】
前記デバイスは、少なくとも1つのセンサからの信号に基づいてデータ処理ユニットへデータを連続的に流す請求項1から28までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項30】
前記デバイスは、データパッケージとしてデータ処理ユニットへデータを送るために、データを集中させる請求項1から29までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項31】
少なくとも1つの光源を、及び少なくとも光検出器上に備える請求項1から30までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項32】
前記光源は1つのLED又は複数のLEDである請求項31に記載のモニタリングデバイス。
【請求項33】
前記光検出器は、中央に前記1つ又は複数の光源を有する、単一のリング形状の光ダイオードである請求項31又は32に記載のモニタリングデバイス。
【請求項34】
前記光検出器は、前記中央における前記1つ又は複数の光源の周囲に配置された複数の光ダイオードである請求項31から33までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項35】
請求項1から34までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイスと、
前記モニタリングデバイスからのモニタリングデータを受信し、前記少なくとも1つの第1のセンサからの前記モニタリングデータに基づいてアルゴリズムを動作させて、前記モニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積に基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供するデータ処理ユニットとを備えるシステム。
【請求項36】
前記アルゴリズムは、ディスクリート・サチュレーション・トランスフォーム(DST)又は独立成分分析(ICA)から、独立して選択される請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記システムは、更なる生理的信号に基づいた少なくとも1つの更なる生理的パラメータの状態を示す出力を提供する請求項35又は36に記載のシステム。
【請求項38】
前記更なる生理的パラメータ又は被験体の生理的パラメータの表現は、体温、血液pH、血圧、心拍数(HR)、動脈血酸素飽和度(SpO)、一酸化炭素の飽和度(SpCO)、血中二酸化炭素(CO)及びそれらの異なる形式、心電図(ECG)、筋電図(EMG)、脳電図(EEG)、任意のもう1つの呼吸のパラメータ、皮膚の温度、感情、汗の生成、組織のかん流、心臓の弁と血管を含む心臓の機能、及び運動から選択される請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
被験体における呼吸の速度及び/又は体積と、オプションとして更なる生理的信号とをモニタリングする方法であって、
請求項1から34までのいずれか一項に記載のモニタリングデバイスは、被験体の表面上に配置され、
請求項35から38までのいずれか一項に記載のシステムからのデータは、前記モニタリングデバイスを携える被験体における呼吸の速度及び/又は体積とオプションとして更なる生理的パラメータとに基づいた少なくとも1つの生理的パラメータの状態を示す出力を提供する方法。
【請求項40】
前記前記モニタリングデバイスを携える被験体の少なくとも1つの生理的パラメータの前記状態は、睡眠中の引きつけ、心臓疾患と心臓の不整脈とを含む心臓血管の疾患、頻脈、高血圧、低血圧、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、睡眠時無呼吸、生命維持に必要なバイタルライフサイン、モルヒネを用いるなどした鎮痛治療、てんかん性の発作などの発作、筋肉の痙攣、熱症、低酸素、酸血症、高血糖及び低血糖、低体温、及び高体温から独立して選択される請求項38又は39に記載の方法。
【請求項41】
前記生理的パラメータは、消防士又は軍人の仕事中などの、仕事中に測定される請求項38から40までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記生理的パラメータは、入院している被験体、又はこれに代えて在宅の病気を持つ被験体上で測定される請求項38から41までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
被験体の前記表面は、前記胸骨の上部の皮膚表面である請求項37から42までのいずれか一項に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2013−515528(P2013−515528A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545335(P2012−545335)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070571
【国際公開番号】WO2011/076886
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512165112)
【氏名又は名称原語表記】DELTA,DANSK ELEKTRONIK,LYS OG AKUSTIK
【Fターム(参考)】