説明

モノ−ヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物を含む液体洗濯処理組成物

以下の構造を含む約1重量%〜約90重量%のモノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物を含む洗濯処理組成物であり、


式中、RはC12〜C22ヒドロカルビルアミド鎖、好ましくはアルケニル鎖を含み、R、R及びRは各々C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロキシヒドロカルビル、ベンジル、−(CO)H(式中、xは約1〜約10の値を有する)及びこれらの混合物からなる群から選択され、Xはアニオンであり、約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤であり、洗濯処理組成物は、非水溶性凝集塊の最小限の形成もなしに、十分な柔軟化、静電気防止効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
衣類柔軟化の従来方法は、リンス添加布地柔軟化液及びドライヤー付与シートに焦点が当てられている。従来の布地柔軟化化合物には、12〜18個の平均炭素鎖長を持つ2つの対称アルキル又はアルケニル鎖を有するカチオン性第四級アンモニウム化合物(カチオン性「quat」)、例えば、アミドイミダゾリニウム化合物が挙げられる。すすぎプロセス中に柔軟化効果を提供する試みの例は、米国特許第5,919,751号(Birdら)、同第5,490,944号(Suazonら)及び同第4,569,800号(Stanleyら)に記載されている。
【0002】
洗浄を通して柔軟化する組成物(以降、「STW」組成物)は、すすぎプロセス又はドライヤープロセスを待つことなく洗浄中に布地を柔軟化する能力を消費者に提供するものとして一般的になっている。従来のカチオン性quatをSTW組成物中に組み込む試みは、沈殿とも呼ばれる非水溶性凝集塊の望ましくない形成などの問題に遭遇してきている。これらの非水溶性凝集塊は、従来のカチオン性quatと洗剤のアニオン性界面活性剤から形成されるイオン対の結果であり、組成物に混濁と貯蔵中の望ましくない外観(相分離)とを生じさせることが知られている。更に、これらの凝集塊は、洗濯された布地上に残留物を残し、シミを生じる恐れがある。
【0003】
多区画一回用量パウチは、アニオン性界面活性剤から従来のカチオン性quatを分離するために使用されてきている。パッケージ化製品内での不溶性凝集塊の形成は最小化されるが、この試みは、quatとアニオン性界面活性剤との不相溶性の問題を解決せず、例えば、凝集塊は洗浄槽中で依然として生じることがある。STW目的のために多区画一回用量パウチを使用する試みの例は、米国特許第6,291,421号(Alainら)及び同第6,110,886号(Scepanskiら)及び米国特許出願公開第2007/0105739(A1)号及び同第2005/0020476(A1)号(共にWahlら)に言及されている。
【0004】
これらの成分についての不相溶性問題に対処する最近の試みは、モノアルキルquatの使用を伴う。モノアルキルquatはアニオン性界面活性剤の存在下で不溶性凝集塊を形成する傾向が低いが、モノアルキルquatは比較的高価であり、柔軟化及び静電気防止効果に関して2本のアルキル鎖を有する従来のカチオン性quatよりも劣ると考えられる。米国特許第5,466,394号(de Buzzaccariniら)、米国特許出願公開第2005/0164905号(Chawlaら)及び国際公開第2006/072083号(Linら)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、柔軟化、静電気防止及び抗微生物効果が挙げられるがこれらに限定されない望ましい布地コンディショニング効果を提供する、処理される布地上への布地コンディショニング活性物質の効果的付着を提供する改善されたSTW製剤についての進行中の調査が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、以下の構造を含む約1重量%〜約90重量%のモノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物を含む洗濯処理組成物に関する。
【化1】

式中、RはC12〜C22ヒドロカルビルアミド鎖を含み、R、R及びRは各々C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロキシヒドロカルビル、ベンジル、−(CO)H(式中、xは約1〜約10の値を有する)及びこれらの混合物からなる群から選択され、X−はアニオンであり、約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤である。一実施形態では、Rは、アルケニル鎖である。
【0007】
本発明の別の態様は、水溶性フィルムと、約0.05グラム〜約100グラムの本発明の少なくとも一実施形態に従う洗濯処理組成物と、を含む洗濯処理物品に関し、この洗濯処理組成物はこの水溶性フィルムにより封入される。
【0008】
本発明の更に別の態様は、処理された槽溶液を形成するために洗浄槽溶液中に約0.05グラム〜約100グラムの洗濯処理組成物を分配することであり、この洗濯処理組成物は本発明の少なくとも1つの実施形態に従い、所望により約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤組成物を含む、分配することと、処理された槽溶液に布地を接触させることと、を含む洗浄プロセスを通して布地を柔軟化する方法に関する。
【0009】
本発明の更に別の態様は、すすぎ槽溶液中に約0.05グラム〜約100グラムの洗濯処理組成物を分配して、処理された槽溶液を形成することであり、この洗濯処理組成物は本発明の少なくとも1つの実施形態に従い、この洗濯処理組成物は対称ジアルキルquat化合物を含まない又は本質的に含まない、分配することと、処理された槽溶液に布地を接触させることと、を含むすすぎプロセスを通して布地を柔軟化する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、従来のカチオン性quatについて遭遇される非水溶性凝集塊形成問題なしに、十分な柔軟化、静電気防止、抗微生物効果を提供する洗濯処理組成物を提供する。重要なことに、本発明のモノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物は種々の濃度におけるアニオン性界面活性剤の存在下で可溶性であることが見出された。
【0011】
重要なことに、本洗濯処理組成物は、様々な洗濯処理用途での使用(すなわち、STW又は従来のすすぎサイクル柔軟化)に好適であり、アニオン性界面活性剤の存在下で単又は多区画一回用量で使用することができる。本発明に従う洗濯処理組成物は、対称ジアルキル及びモノアルキルquatなどの従来のカチオン性quatに伴う非水溶性凝集塊を形成する傾向を有さないことが判明した。対照的に、本モノヒドロカルビルアルケニルquatは、モノアルキルquatと比較して、向上した又は同等の柔軟化及び静電気防止効果を提供することが判明した。
【0012】
理論に束縛されるものではないが、イオン対は、カチオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤の存在下にあるときに形成されると考えられる。洗濯用途に使用される従来のカチオン性quatは、典型的には、約12〜18個の炭素原子の対称アルキル鎖を有し、非常に不溶性のイオン対錯体を特に形成しやすいと考えられる。従来のジアルキルquatと異なり、本発明のモノヒドロカルビルアミドquatは、アニオン性界面活性剤の存在下にあるときに非常に不溶性の錯体を形成するのを回避する。理論に束縛されるものでないが、この現象は、部分的には、ヒドロカルビルアミド鎖が、及び/又はヒドロカルビル鎖中の二重結合の存在が、イオン対の結晶化を阻害し、イオン対をより可溶にし、凝集塊又は相分離をより形成しにくくすることに起因すると考えられる。quatの所望の溶解度は、本明細書に記載されるように、ClogPにより示すことができる。
【0013】
一実施形態では、洗濯処理組成物は、液体又はゲル形態である。別の実施形態では、洗濯処理組成物は、ペースト、半固体、懸濁液、粉末又はこれらの任意の混合物の形態である。
【0014】
用語の定義:
本明細書で定義するとき、「ヒドロカルビル鎖」は、炭化水素から誘導される任意の一価ラジカルである飽和及び不飽和ヒドロカルビル鎖を含む。当業者であれば、ヒドロカルビル鎖は、例えば、1個の炭素〜22個の炭素といった、種々の炭素長のアルキル及びアルケニル鎖を含むことを理解するであろう。
【0015】
本明細書で定義するとき、「モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物」又は「モノヒドロカルビルアミドquat」は、一方のヒドロカルビル鎖が他方のヒドロカルビル鎖よりも少なくとも2個の炭素分長いジヒドロカルビルquatである。逆に、「従来のジアルキルquat」は、両方のアルキル鎖が同一数の炭素原子を有するか又は2個未満の炭素原子の差であるジアルキルquatである。
【0016】
本明細書で定義するとき、用語「ClogP」は、オクタノール/水分配係数(P)についての底10の対数を意味する。組成物のオクタノール/水分配係数は、オクタノール及び水の平衡濃度間の比率である。この尺度が非極性溶媒(オクタノール)中の組成物の平衡濃度と極性溶媒(水)中の組成物の濃度との比率であるとすれば、ClogPはまた、材料の疎水性の尺度でもあり、ClogPが高いほど、材料はより疎水性である。ClogP値は、Daylight Chemical Information Systems Inc.(Irvine Calif.,USA)から入手可能である「CLOGP」という名称のプログラムから容易に計算することができる。オクタノール/水分配係数は、米国特許第5,578,563号に記載されている。
【0017】
本明細書で定義するとき、「ある成分を本質的に含まない」は、その成分が組成物中にいかなる量も意図的に組み込まれていないことを意味する。
【0018】
本明細書で定義するとき、「均質」は、視認可能な相分離が本明細書で定義されるような貯蔵保存試験下で全く観察されないこと、及び/又は、凝集塊が本明細書で定義されるような凝集塊形成試験下で実質的に全く観察されないことを意味する。
【0019】
本明細書で定義するとき、「一回用量」は、1回の装填量の洗濯物を処理するのに好適な洗濯処理組成物の量、例えば、約0.05グラム〜約100グラム、好ましくは10グラム〜約60グラム、好ましくは約20グラム〜約40グラム、を意味する。
【0020】
本明細書で定義するとき、「可溶性」は、モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物が、約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤を含有する液体組成物中に存在するときに、非凝集組成物を形成することを意味する。
【0021】
全ての測定は、特に指定しない限り、25℃で行われる。
【0022】
1.モノヒドロカルビルアミドquat
本発明の洗濯処理組成物は、少なくとも1つのモノヒドロカルビルアミドquatを約1重量%〜約90重量%を含む。一実施形態では、洗濯処理組成物は、上記少なくとも1つのモノヒドロカルビルアミドquatを約5重量%〜約75重量%、又は少なくとも約8重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約50重量%含む。
【0023】
一実施形態では、モノヒドロカルビルアミドquatは、式(1)の構造を有する。
【化2】

式中、RはC12〜C22ヒドロカルビルアミド鎖を含み、R、R及びRは各々C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロキシヒドロカルビル、ベンジル、−(CO)H(式中、xは約1〜約10の値、あるいは約2〜約5の値を有する)及びこれらの混合物からなる群から選択され、Xはアニオンであり、好適なアニオンの例にはBr−、Cl−、I−、OSOCH−が挙げられる。一実施形態では、RはC12〜C22アルケニルアミド鎖である。
【0024】
この式を有するモノヒドロカルビルアミドquatの一例は、エルシルアミドプロピルトリメチルアンモニウム化合物であり、商品名Arquad(登録商標)APA EEでAkzo Nobel Coにより市販されている。一例は以下のものである。
【化3】

【0025】
一実施形態では、モノヒドロカルビルアミドquatは、約4〜約9、あるいは約6〜約8のClogPを有する。エルシルアミドプロピルトリメチルアンモニウム化合物は、約6.1のClogPを有することが知られている。
【0026】
理論に束縛されるものではないが、本範囲のClogPは、9を超えるClogPよりも比較的水溶性が高く、4未満のClogPよりも水溶性が低いと考えられる。4未満のClogPは、下記のようにコアセルベートを形成するには水溶性が高過ぎる。本発明のClogP範囲は、好適な布地コンディショニング効果に所望される水溶性機能及びコアセルベート形成機能の両方を提供することが判明している。
【0027】
カチオン性quatは、すすぎサイクルで添加されるときに、柔軟及び静電気特性に関して最も有効に働くと考えられている。この種の化合物の中でも、約4〜約9のClogPを有するカチオン性quatは、洗浄及び/又はすすぎサイクルに添加されるときに、柔軟及び抗静電気効果を提供するのに、より有効であると考えられる。一実施形態では、本発明のモノヒドロカルビルアミドquatは、約10%低減又は約30%低減又は最大50%低減といった実質的に低減された濃度でも、対称ジアルキルquatと同じ柔軟及び/又は抗静電気効果を提供する。モノヒドロカルビルアミドquatの非対称性は、アミド基及び/又はRアルケニル基の結果であると考えられており、モノヒドロカルビルアミドquatがアニオン性界面活性剤と相互作用してコアセルベート錯体を形成する能力に寄与すると考えられている。一実施形態では、コアセルベートは水溶性である。コアセルベート錯体の形成は、布地上へのモノヒドロカルビルアミドquatの付着を促進すると考えられる。
【0028】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤とモノヒドロカルビルアミドquatの重量比は、約3:1〜約20:1、あるいは約2:1〜約10:1である。
【0029】
一実施形態では、本発明は、あらゆるジアルキルquatも含まない又は本質的に含まない。別の実施形態では、洗濯処理組成物は、本明細書に開示されている式(1)の構造を有さないあらゆるカチオン性界面活性剤を含まない又は本質的に含まない。更に別の実施形態では、本発明は、アミドイミダゾリニウム化合物を含まない又は本質的に含まない。
【0030】
2.アニオン性界面活性剤
一実施形態では、本明細書の界面活性剤構成成分は、洗剤組成物の約1重量%〜約90重量%、あるいは約5重量%〜約50重量%、あるいは約10重量%〜約40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0031】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート界面活性剤、1〜30の平均アルコキシル化度を有するC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤(ここで、アルコキシはC〜C鎖及びこれらの混合物を含む)、中鎖分枝状アルキルサルフェート界面活性剤、1〜30の平均アルコキシル化度を有する中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤(ここで、アルコキシはC〜C鎖及びこれらの混合物を含む)、1〜5の平均アルコキシル化度を有するC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート、C12〜C20メチルエステルスルホネート界面活性剤、C10〜C18α−オレフィンスルホネート界面活性剤、C〜C20スルホスクシネート界面活性剤、並びに、これらの混合物を含む。
【0032】
本明細書での使用に好適なアニオン性界面活性剤にはアルキルポリエトキシレートサルフェートが挙げられ、他の非石鹸アニオン性界面活性剤又はその混合物を含有してもよい。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、約6重量%未満のアルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0033】
有用なアニオン性界面活性剤には、水溶性塩、特に約10個〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基及びスルホン酸又はスルホン酸エステル基を分子構造の中に有する有機イオウ反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルキロールアンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム又はトリエタノールアンモニウム)塩が挙げられる(用語「アルキル」には、アリール基のアルキル部分が含まれる)。合成界面活性剤のこの群の例は、アルキルサルフェート、特に例えばタロー又はココヤシ油のグリセリドの還元により製造される高級アルコール(C8〜18の炭素原子)の硫酸化により得られるものである。
【0034】
本明細書の他のアニオン性界面活性剤は、約8個〜約24個(あるいは約12個〜18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8〜18アルコールのエーテル(例えば、タロー及びココヤシ油から誘導されるもの);1分子当たり約1単位〜約4単位のエチレンオキシドを含有し、アルキル基に約8個〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート、並びに、1分子当たり約1単位〜約4単位のエチレンオキシドを含有し、アルキル基に約10個〜約20個の炭素原子を含有するアルキルエチレンオキシドエーテルサルフェート、の水溶性塩である。
【0035】
本明細書の他の有用なアニオン性界面活性剤には、脂肪酸基の中に約6個〜20個の炭素原子を含有し、エステル基の中に約1個〜10個の炭素原子を含有する、α−スルホン化脂肪酸のエステルの水溶性塩、アシル基の中に約2個〜9個の炭素原子を含有し、アルカン部分に約9個〜約23個の炭素原子を含有する、2−アシルオキシ−アルカン−1−スルホン酸の水溶性塩;約12個〜24個の炭素原子を含有するオレフィンスルホネートの水溶性塩、並びに、アルキル基の中に約1個〜3個の炭素原子を含有し、アルカン部分に約8個〜20個の炭素原子を含有する、β−アルキルオキシアルカンスルホネートが挙げられる。
【0036】
アニオン性界面活性剤は、以下の式のアナルキルポリエトキシレートサルフェートを含むことができる。
【0037】
RO(CO)SO
式中、Rは、約10個〜約22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のアルキル鎖であり、アルキル鎖の最も長い線状部分は、炭素原子数が平均して15個以下であり、Mは、化合物を水溶性にするカチオンであり、特にアルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムカチオンであり、xは1〜約15である。一実施形態では、本発明の界面活性剤構成成分は、アルキルポリエトキシレートサルフェートを界面活性剤構成成分の約60重量%〜約100重量%、あるいは少なくとも約70%、あるいは少なくとも約80%含む。
【0038】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートを低濃度、例えば、約6%未満、あるいは約3%未満、あるいは約2%未満含む。一実施形態では、洗濯処理組成物は、線状アルキルベンゼンスルホネート及び米国特許第5,466,394号第3段第55〜67行に記載のアルキルベンゼンスルホネートなどのあらゆるアルキルベンゼンスルホネートを含まない又は本質的に含まない。
【0039】
本明細書で有用な好適である更なるアニオン性界面活性剤の非限定的例は、米国特許第4,285,841号(Barratら)及び同第3,919,678号(Laughlinら)に開示されている。
【0040】
一実施形態では、洗濯処理組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含む。本発明の組成物は、組成物の最大約30重量%、あるいは約0.01重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%の非イオン性界面活性剤を含有することができる。一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤の例は、米国特許第4,285,841号(Barratら)及び同第4,284,532号(Leikhimら)に提供されている。更に、本発明の洗濯処理組成物への非イオン性界面活性剤の添加は、洗剤製品に物理的安定性を提供する、すなわち、相分離及び沈殿を防止するのに役立つと考えられる。これは、モノヒドロカルビルアミドquatを約30重量%超又は約50重量%超又は約70重量%超の濃度で、及び/あるいは、アニオン性界面活性剤を約30重量%未満又は約15重量%未満又は約5重量%未満の濃度で、含有する組成物について特に当て嵌まる。一実施形態では、洗濯処理組成物は、非イオン性界面活性剤を含まない又は本質的に含まない。
【0041】
3.アニオン性界面活性剤の存在下での可溶性
重要なことに、モノヒドロカルビルアミドquatはアニオン性界面活性剤の存在下で可溶であることが判明している。溶解度は、経時的に生じる相分離及び凝集塊形成の相対%により測定できると考えられる。一実施形態では、洗濯処理組成物は、本明細書で定義されるような貯蔵保存試験下で10%未満の相分離、又は5%未満又は1%未満又は0%の層分離を有する。本発明の一実施形態は、槽溶液が凝集塊を含まない又は実質的に含まないように、本洗濯処理組成物の使用が洗浄及び/又はすすぎ槽溶液中で布地を柔軟化すること提供する。
【0042】
貯蔵保存試験:4週間にわたって、4.4℃(40°F)、21.1℃(70°F)及び37.8℃(100°F)で、製品を蓋つきプラスチック容器内に保存する。6ozのサイズの容器を使用して、この試験を実行する。1、5及び24時間の間隔で、あらゆる相分離について目視観測により相安定性を査定する。試験期間(合計4週間)中のいずれかの時間にサンプルが可視層の中に分離されたならば、これらは高さを測定し、合計サンプル高さのパーセントとして算出する。試験の開始時及び試験間隔時に合計サンプル高さの目視測定値からの体積%として、相分離の%を計算する。「相分離がない」は、上相が全く観察されないことを意味する。
【0043】
凝集塊形成試験:ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩(工業銘柄、カタログナンバー28,995〜7でAldrichにより供給される)の約0.02%溶液(20℃〜25℃で硬度12米国g/gの水を使用)750グラムを1リットル円筒型広口瓶(直径:高さの比がおよそ5:8)に加える。広口瓶を密閉し、15秒間にわたって強く振盪して、溶液の上に約3cmの泡を生じさせる。
【0044】
これに続き、試験される組成物5グラムを、泡立った溶液の表面に注ぐ。次に、ビーカー中の溶液を30秒間にわたって100rpmの速度で手動で攪拌する(20cm長、0.5cmのプラスチック製スパチュラを使用)。攪拌から1分後に、溶液を、回収皿に配置された米国標準試験ふるい(ASTM E11規格第40号、Tyler 35メッシュ相当品、開口部425ミクロン、ふるい直径20.3cm(8インチ))の表面上に、均一に注ぐ。この皿の寸法は、いったん750グラムの試験溶液全部を加えた後、ふるいのワイヤーが皿の中の液体表面より少なくとも1cm下にあるような寸法である。続いてふるいを手動で皿から持ち上げ(水平に保ちつつ)、泡の存在について検査する。試験溶液は、ふるいに残っている可視の泡の総数が50未満である場合、泡を「実質的に含まない」と定義される。試験溶液は、残っている可視の泡の総数が10未満である場合、泡を「全く含まない」と定義される。濾液を同じ形の1リットル広口瓶に回収する。
【0045】
4.所望によるシリコーンポリマー
一実施形態では、洗濯処理組成物は、ポリアルキルシリコーン、アミノシリコーン、シロキサン、ポリジメチルシロキサン、エトキシル化シリコーンポリマー、プロポキシル化シリコーンポリマー、エトキシル化/プロポキシル化シリコーンポリマー及びこれらの混合物などのシリコーンポリマーを更に含む。一実施形態では、シリコーンポリマーはカチオン性であり、例えば、シリコーンポリマーはアミノ官能シリコーンポリマーである。
【0046】
シリコーンポリマーは、布地に柔軟性及び滑らかさを提供するだけでなく、特に複数回の洗濯洗浄サイクル後に、布地に実質的な色外観効果を提供する。理論に束縛されるものではないが、シリコーンポリマーは、布地の摩擦を減少させることにより、自動洗濯機の洗浄サイクル又はすすぎサイクル中に、布地に耐磨耗効果を与える。本明細書での使用に好適なポリマーは、米国特許出願公開第2006/0217288(A1)号(Wahlら)11〜27段に記載されている。
【0047】
一実施形態では、洗濯処理組成物は、洗濯処理組成物の約5重量%〜約90重量%、あるいは約8重量%〜約70重量%、あるいは約9重量%〜約30重量%、あるいは約10重量%〜25重量%、あるいは約15重量%〜約24重量%のポリマーを含む濃縮組成物である。別の実施形態では、洗濯処理組成物は、約2%〜約30%、あるいは約3%〜約20%、あるいは約4%〜約10%のポリマーを含む非濃縮組成物である。
【0048】
好適なシリコーンポリマーには、洗濯処理組成物中での使用に好適な任意の既知のシリコーン含有化合物が挙げられる。一実施形態では、シリコーンポリマーは、ポリジアルキルシリコーン、ポリジメチルシリコーン(すなわち、ポリジメチルシロキサン)又はこれらの誘導体の混合物である。別の実施形態では、シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アルキルオキシル化シリコーン、エトキシル化シリコーン、プロポキシル化シリコーン、エトキシル化/プロポキシル化シリコーン、四級シリコーン、又はこれらの組み合わせから選択される。他の有用なシリコーン物質としては次式の物質を挙げてよい。
【0049】
HO[Si(CH−O]{Si(OH)[(CH−NH−(CH−NH]O}
式中、x及びyは、シリコーンのモル重量に依存する整数である。一実施形態では、シリコーンは、25℃で約0.5m/秒(500cSt)〜約0.5m/秒(500,000cSt)の粘度を有する(「アモジメチコン」としても知られている)。一実施形態では、シリコーンポリマーは、多数のアミン基を有し、例えば、約0.5ミリモル当量を超えるアミン基が使用される。一実施形態では、洗濯処理組成物は、シリコーンを含まない又は本質的に含まない。
【0050】
5.所望による付着助剤
本発明の一実施形態では、洗濯処理組成物は、付着助剤を更に含む。一実施形態では、付着助剤はカチオン性ポリマーであり、これはアニオン性界面活性剤と相互作用してコアセルベートの一部を形成することができる。本明細書で定義するとき、所望による付着助剤は、組成物中に提供されるシリコーンポリマーを全く含まない。理論に束縛されるものではないが、コアセルベートは洗浄中にモノヒドロカルビルアミドquatとシリコーンなどの他の布地有益剤との小さな液滴を掃過し、布地表面にこれらを付着させるのを助けると考えられる。例えば、コアセルベートとしてのカチオン性グアーガム及びアニオン性界面活性剤の使用は、本発明のSTW組成物から布地上に付着するモノヒドロカルビルアミドquat及び/又はシリコーンポリマーの付着効率を有効に高めることができる。コアセルベートはまた、すすぎサイクル中にモノヒドロカルビルアミドquat又はシリコーンポリマーが布地からすすぎ落とされてしまうのを防止するのを助けることができる。
【0051】
本明細書の洗濯処理組成物は、約0.001%〜約10%、あるいは約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約2%の付着助剤を含有する。一実施形態では、付着助剤は、約500〜約5,000,000、あるいは約1,000〜約2,000,000、あるいは約1,000〜約1,000,000、あるいは約2,000〜約500,000の分子量を有する。別の実施形態では、付着助剤は、少なくとも約0.01meq/gm.、あるいは最大約23meq/gm.、あるいは約0.05〜約8meq/gm.、あるいは約0.08〜約7meq/gm.、あるいは更には約0.1〜約1meq/gm.の電荷密度を有する。
【0052】
好適な付着助剤には、アミン塩、第四級アンモニウム塩、天然ポリマー(いくつかの多糖、ガム、デンプンなど)の誘導体及び特定のカチオン性合成ポリマー(カチオン性ビニルピリジン又はビニルピリジニウムハロゲン化物の、ポリマー又はコポリマー)が挙げられる。一実施形態では、ポリマーは水溶性であり、例えば、20℃で少なくとも0.5重量%程度まで水に可溶性である。別の実施形態では、ポリマーは、約500〜約5,000,000、又は約1,000〜約2,000,000、又は約1,000〜約1,000,000、又は約2,000〜約500,000、又は約2000〜約100,000の分子量(ダルトン)を有する。一実施形態では、カチオン性ポリマーは、少なくとも約0.01meq/gm.、あるいは約0.05〜約8meq/gm.、あるいは約0.08〜約7meq/gm.、又は約0.1〜約1meq/gm.の電荷密度を有する。
【0053】
一実施形態では、付着助剤は、キサンタンガム、ガティガム、タマリンドガム、アラビアガム及び寒天、カチオン性グアーガム、並びにグアー及びイナゴマメガムなどのガラクトマンナンガムなどの多糖ガムを含む。別の実施形態では、付着助剤は、カチオン性多糖又はデンプン及びこれらの誘導体を含む。好適なカチオン性デンプンには、トウモロコシ、小麦、大麦などから、及びジャガイモ、タピオカなどのような根菜、並びにデキストリン、特にブリティッシュガム及び白色デキストリンのような焙焼デキストリン(pyrodextrins)から得られるもののような天然デンプンが挙げられる。カチオン性デンプンは、米国特許出願公開第2004/0204337(A1)号に記載されている。
【0054】
付着助剤として使用に好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第6,492,322号第6段第65行〜第24段第24行、米国特許出願公開第2003/0139312(A1)号317〜47及び同第2006/0217288(A1)号(Wahlら)第61段〜第84段、部分表題「Cationic Polymers」、並びに、CTFA「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」Tenth Edition,Tara E.Gottschalck and Gerald N.McEwen,Jr.,editors,published by The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,2004に詳細に開示されている。一実施形態では、洗濯処理組成物は、付着助剤を含まない又は本質的に含まない。
【0055】
6.コアセルベート
一実施形態では、コアセルベートは、モノヒドロカルビルアミドquatとアニオン性界面活性剤から形成される。別の実施形態では、コアセルベートの一部が、上記所望による付着助剤から形成される。より複合的なコアセルベートがまた、洗濯処理組成物中の他の帯電物質、すなわち、アニオン性、カチオン性、双極性及び/若しくは両性の界面活性剤又はポリマー、又はこれらの混合物と共に形成することができる。モノヒドロカルビルアミドquatが洗浄プロセスからのアニオン性界面活性剤残留物と接触するようになる洗浄及び/又はすすぎの間に組成物中で又はその場でコアセルベートが形成され、布地上にモノヒドロカルビルアミドquatが送達及び付着されるのを助けると考えられる。
【0056】
一実施形態では、洗濯処理組成物は、約0.01重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.5重量%〜約2重量%のコアセルベートを含む。これらの百分率は、モノヒドロカルビルアミドquat、付着助剤又はこれらの組み合わせとアニオン性界面活性剤とから形成されるコアセルベートの部分のみを計上する。この百分率は、コアセルベートに関連し得る又は関連し得ないどの水も計上しない。本発明の組成物中のこのような比較的少量のコアセルベートが、洗濯処理活性物質への効果的な付着にこのような比較的大きな増加を提供できるのは驚くべきことである。
【0057】
本発明の洗濯処理組成物は、一実施形態では、コアセルベート相の形成を伴う。語句「コアセルベート相」は、L.Piculell & B.Lindman,Adv.Colloid Interface Sci.,41(1992)及びB.Jonsson,B.Lindman,K.Holmberg,& B.Kronberb「Surfactants and Polymers In Aqueous Solution」,John Wiley & Sons,1998に開示されるような洗濯処理技術において当業者に既知のあらゆる種類の分離されたポリマー相を含む最も広い意味で本明細書で使用される。コアセルベーションのメカニズム及びその全ての具体的な形態は、C.J.van Oss,Marcel Dekker「Interfacial Forces in Aqueous Media」,1994,p.245〜271に、記載されている。「コアセルベート相」とういう語句はまたしばしば「複合コアセルベート相」又は「結合相分離」として文献に参照されることを、当業者は容易に理解するであろう。
【0058】
コアセルベート層が形成される場合、モノヒドロカルビルアミドquat及び/又は所望による付着助剤の濃度は、コアセルベート相の約20重量%〜約80重量%、あるいは約30重量%〜約80重量%の範囲であり得るが、コアセルベート相に関連し得る任意の水は含まれておらず、残部はアニオン性界面活性剤である。モノヒドロカルビルアミドquat及び/又は所望による付着助剤は、アニオン性界面活性剤からの負電荷を中和すると考えられる。一実施形態では、組成物中に過剰な濃度のアニオン性界面活性剤が提供され、洗浄中に洗濯処理組成物を分散するのを助けることができる。一実施形態では、コアセルベートは、ジヒドロカルビルquat及び/又は付着助剤単独のClogP値未満のClogP値を有する。これは、コアセルベートを形成する個々の構成成分よりもコアセルベートが可溶性が低いとき、洗浄中のコアセルベート形成により、示される。
【0059】
コアセルベートが形成されたか否かは当業者には容易に確認でき、コアセルベートの形成を分析するための技術は当該技術分野において既知である。例えば、希釈のいずれかの選択された段階における組成物の顕微鏡分析を、コアセルベート相が形成されたか否かを確認するために使用できる。このようなコアセルベート相は、組成物中の更なる分散相として確認可能である。コアセルベート相の確認に役立つように位相差及びノマルスキー(Nomarski)光学のような組織強化顕微鏡法を使用することができる。染料を使用することで、コアセルベート相をシャンプー組成物中に分散するその他の不溶性の相と区別するのを補助することができる。例えば、本明細書で記載するように「アニオン性赤色染料試験(Anionic Red Dye Test)」を使用してもよい。
【0060】
アニオン性赤色染料コアセルベート同定試験:この手順は、洗濯処理組成物中のコアセルベートの存在について定性的同定を行うのに使用することができる。アニオン性ダイレクトレッドNo.80染料は、コアセルベートのカチオン性構成成分と一緒であることを好む。コアセルベートは、マトリックスの残りの部分とは異なる非晶質形状及び質感を有する。
【0061】
手順:25%活性ダイレクトレッドNo.80染料粉末(Sigma−Aldrichから)0.5g及びDI水19.5gを組み合わせて0.625%の染料溶液とする。5滴の染料溶液を25gの試験製品に加えて攪拌する。
【0062】
評価:遠心分離:10mLの染色した製品を15mL遠心管の中に定置し、10,000rpmで30分間にわたって遠心分離にかけた(例えば、SW40TiローターでのBeckman Ultima L−70K超遠心分離を使用)。コアセルベートが全く存在しない場合は、通常2つの層のみが存在することになる。上部のシリコーン層及び下部の水/溶媒層で、両方とも染料を含有する。コアセルベートが存在するなら、3つの分離した層が存在することになる。最上部の白っぽいシリコーン層、赤色に染色されたコアセルベートを含有する中間層、及び底部の水/溶媒層である。
【0063】
顕微鏡下での評価:染色された製品のスライドガラスを調製し、顕微鏡下で評価する(例えばオリンパス(Olympus)BH2顕微鏡、20X対物、標準光源)。コアセルベートが全く存在しないならば、ダイレクトレッドNo.80染料により均一に分散されたピンクの色相を有する球状のシリコーン液滴の外観を見ることができる。コアセルベートは、周りの媒質と比較して濃い赤色である非晶質又は糸状の小滴として見える。
【0064】
希釈における評価:0.5gの染色された製品を容器の中に定置し、49.5gのDI水で1:100の希釈比で希釈する。コアセルベートが全く存在しない場合、溶液は、全体に渡って均質な赤色を有し粒子がほとんど/全く見えない状態で均質に見える。コアセルベートは澄んだ水溶液中に漂う濃い赤色を有する小さな粒子として見える。
【0065】
一実施形態では、コアセルベート相は、洗浄及び/又はすすぎプロセスへの導入に先立って形成され、例えば、仕上がった洗濯処理組成物として既にできている。コアセルベート相が構造化されたマトリックス中に懸濁されていることもまた好適である。一実施形態では、コアセルベート相はまた、洗濯処理適用中に、例えば、洗浄及び/又はすすぎサイクル中に、組成物を希釈液で希釈すると形成され得る。
【0066】
別の実施形態では、洗濯処理組成物は、完全なコアセルベートを形成するには不十分な量のアニオン性界面活性剤を含有する。この場合、いくらかの又は全てのコアセルベートは、洗濯処理組成物と、使用される洗濯洗剤によって洗浄サイクルに送達される任意のアニオン性界面活性剤との、相互作用によって、洗浄サイクル中に形成される。この場合には、一部又は全てのコアセルベートは洗濯プロセスの洗浄サイクル中にその場で形成される。
【0067】
7.香料
一実施形態では、洗濯処理組成物は、少なくとも約0.001重量%、又は少なくとも約0.01重量%、又は少なくとも約0.1重量%、約10重量%まで、又は約5重量%まで、又は約3重量%までの濃度で香料を含む。一実施形態では、本発明の布地コンディショニング組成物の香料は、約250℃以上の沸点と約3.0以上のClogPとを有する持続性香料成分を、又は、香料の少なくとも約25重量%の濃度で、含む。好適な香料、香料成分及び香料キャリアは、米国特許第5,500,138号、及び米国特許出願公開第2002/0035053(A1)号に記載されている。別の実施形態では、香料は、香料マイクロカプセル及び/又は香料ナノカプセルを含む。好適な香料マイクロカプセル及びナノカプセルには、以下の文献に記載されているものが挙げられる:米国特許出願公開第2003215417(A1)号、同第2003216488(A1)号、同第2003158344(A1)号、同第2003165692(A1)号、同第2004071742(A1)号、同第2004071746(A1)号、同第2004072719(A1)号、同第2004072720(A1)号、欧州特許第1393706(A1)号、米国特許出願公開第2003203829(A1)号、同第2003195133(A1)号、同第2004087477(A1)号、同第20040106536(A1)号、米国特許第6645479号、同第6200949号、同第4882220号、同第4917920号、同第4514461号、米国再発行特許第32713号、米国特許第4234627号。
【0068】
更に別の実施形態では、本発明の布地コンディショニング組成物は臭気抑制剤を含む。このような剤には、米国特許第5942217号:「臭気抑制のための非錯体型シクロデキストリン組成物(Uncomplexed cyclodextrin compositions for odor control)」(1999年8月24日付与)に記載のものが挙げられる。臭気抑制剤に適した他の剤には、以下に記載されているものが挙げられる。米国特許第5968404号、同第5955093号、同第6106738号、同第5942217号及び同第6033679号。
【0069】
8.補助剤成分
a.増粘剤及び構造剤
本発明の組成物は構造剤又は構造化剤を含有してもよい。構造剤はまた、有用な液体ゲル製品形態を生ずるための粘度を構築することができる。この構成成分の好適な濃度は、洗濯処理組成物の約0重量%〜20重量%、あるいは0.1重量%〜10重量%、あるいは0.1重量%〜3重量%の範囲である。構造剤は本発明の組成物中でシリコーンポリマーを安定化し、それが凝固及び/又はクリーム状になるのを防ぐ働きをする。液体又はゲル形態洗濯処理組成物の場合のように、本発明の組成物が流体形態を有するとき、このことは特に重要である。
【0070】
本明細書での使用に好適な構造剤には、増粘安定剤が挙げられる。これらには、ガム及び他の同様な多糖類、例えば、ジェランガム、カラギーナンガム、キサンタンガム、ジウタンガム(CP Kelcoから)及び他の既知のタイプの増粘剤及びレオロジー添加剤、例えば、Rheovis CDP(Ciba Specialty Chemicalsから)、Alcogum L−520(Alco Chemicalから)及びSepigel 305(SEPPICから)が挙げられる。好適な構造剤は、米国特許出願公開第2006/0217288号(Wahlら)に記載されている。
【0071】
b.追加的構成成分
本発明の洗濯処理組成物は、洗濯洗剤及び/又は柔軟剤組成物に典型的に含まれる1つ以上の任意成分を含んでもよい。更に別の一実施形態では、組成物は1つ以上の任意成分を含まないか又は実質的に含まない。典型的な任意成分には、脂肪酸、粘土、着色剤、色相染料、光沢剤、流動助剤、抗菌剤、漂白剤、キレート剤、重金属イオン封鎖剤、ビルダー、電解質、臭気抑制剤、形状保持ポリマー、抗摩擦剤、染料固着剤、移染防止剤、抗しわ剤などが挙げられるが、これらに限定されない。好適な任意成分の非限定例は、米国特許第6,958,313号(Caswellら)及び米国特許出願公開第2006/0217288号に提供されている。
【0072】
9.単位投与
本発明の一態様は、水溶性フィルムと本発明に従う一回用量の洗濯処理組成物とを含む物品を提供し、ここで、洗濯処理組成物は、約1重量%〜約90重量%のモノヒドロカルビルアミドquatを含み、上記洗濯処理組成物は上記水溶性フィルムにより封入される。
【0073】
本発明の単位容量の洗濯処理組成物は、約64L〜約75Lの用量の水を有する典型的な自動洗濯機槽内の水槽に添加され、単位容量は、活性物質(すなわち、モノヒドロカルビルアミドquat及び/又はシリコーンポリマー)のミリグラムを水槽内の水のグラムで割り算することにより計算されるppm濃度を形成する。例えば、洗濯処理組成物は50グラム単位容量であり、上記洗濯処理組成物は50%のモノヒドロカルビルアミドquatを含み、モノヒドロカルビルアミドquatの濃度は約330ppm〜約400ppmである。一実施形態では、モノヒドロカルビルアミドquatの濃度は、約10ppm〜約1400ppp、あるいは約50ppm〜約300ppm、あるいは約100ppm〜約200ppmである。
【0074】
本発明の洗濯処理組成物は、洗濯プロセスの洗浄溶液中に添加される場合、コアセルベートと結合してもよいし、結合しなくてもよいいずれの水も含まずに少なくとも1ppm、又は少なくとも約3ppm、又は約4ppm〜約50ppmのコアセルベートの濃度を洗浄溶液中に提供する。コアセルベートのこれらの濃度は顕著な柔軟効果を与えるのに有効な濃度を提供するために好適である。より高いコアセルベート濃度は更なる柔軟性を提供し得るが、洗濯洗浄プロセスにおいて洗浄及び/又は白色維持への負の影響を生じ、並びに不必要なコストを生ずる可能性もある。洗濯プロセスの典型的な洗浄溶液は約64リットルの体積を有する。
【0075】
一実施形態では、水溶性フィルムは、単区画パウチを形成する。物品が単区画パウチの形態である場合、洗濯処理組成物は、所望により、約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤を更に含むことができる。
【0076】
別の実施形態では、水溶性フィルムは、多区画パウチを形成する。多区画パウチを含む一実施形態では、多区画パウチは、上記モノヒドロカルビルアミドquatを含む上記洗濯処理組成物を含有する第一区画と、アニオン性界面活性剤を含有する第二区画と、を含む。別の実施形態では、第一区画はモノヒドロカルビルアミドquatとアニオン性界面活性剤とを含有し、一方、第二区画は従来のジアルキル第四級アンモニウム化合物又は当該技術分野において既知の任意の他の従来の柔軟剤活性物質を含有する。
【0077】
a.水溶性フィルム
一実施形態では、洗濯処理組成物は、フィルム物品に含有される。フィルムは、好適に水溶性であり、すなわち、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、不織ポリビニルアルコール、PVP及びゼラチン又は混合物から作製され、洗濯処理組成物を封入するために使用される。ポリビニルアルコールフィルムは、多くの供給元、すなわち、MonoSol LLC(Gary,IN)、日本合成化学工業(株)(Nippon Synthetic Chemical Industry Co. Ltd.)(日本、大阪)、及びRanier Specialty Chemicals(Yakima,WA)から市販されている。これらのフィルムは、約20マイクロメートル〜約80マイクロメートル、又は約25マイクロメートル〜約76マイクロメートル(冷水洗浄での急速な溶解に特に好適である)の範囲の様々な厚さで使用され得る。より大きな体積、すなわち、約25mLを超える体積、の組成物が使用される場合、より厚いフィルムが使用され得る。更に、フィルムが印刷可能で着色されることが好適である。
【0078】
パウチ、ピロウ、サッシェ、ビーズ、又はエンベロープのような物品は、複数のシートを、洗濯処理組成物を挿入するための開口部を残してその縁部で共にヒートシールすることにより製造される。一回用量物品を形成するのに好適なプロセスの例は、米国特許第6,281,183(B1)号、欧州特許第1126070号、国際公開第0183668号、同第0183669号、同第0185898号、同第0183661号、同第0183657号、同第0183667号、同第0185892号、同第00208380号、同第0212432号、同第0220361号、同第0240351号、同第00183658号、同第0240370号、同第0160966号、同第02060758号、同第02060980号、同第02074893号、同第02057402号、同第03008513号、同第03008486号、同第03031266号、同第03045812号、同第03045813号、同第02060757号、欧州特許第1354939号、欧州特許第1375351号、欧州特許第1396440号、欧州特許第1431383号、欧州特許第1431384号、欧州特許第1340692号、国際公開第04085586号及び同第97/35537号に見出すことができる。
【0079】
フィルム、例えばPVOHを有する一回用量品の製造では、液体組成物のパウチ中に気泡を残すことが有用である。気泡は、例えば真空によって、パウチが形成されているときに、液体組成物をパウチ中にわずかに少なめに充填することによって形成される。このことは、例えば液体組成物を保持している第一のフィルム上に第二のフィルムを載せるときに、液体組成物がフィルムのシール領域に接触するのを防ぐのに役立つ。気泡は、約0.1mL〜約10mL、あるいは約0.5mL〜約5mLの体積である。気泡はまた、充填されたパウチが液体組成物を実際に含有しているということの消費者に対する良好な審美的視覚信号である。視覚信号として、気泡は、直径約1mm〜約20mm、あるいは約3mm〜約10mmであるべきである。
【0080】
フィルム物品は単区画又は多区画パウチであることができる。二区画物品、例えばPVOHフィルムで作製された二区画一回用量品は、同じ又は2つの異なる形態、例えば液体/粉末パウチ、液体/液体パウチ、及びゲル/粉末パウチからなることができる。一実施形態では、物品は、モノヒドロカルビルアミドquat及びアニオン性界面活性剤が両方ともその中に含有されている単区画パウチである。別の実施形態では、物品が多区画パウチである場合、モノヒドロカルビルアミドquat及びアニオン性界面活性剤は別個の区画の中にあることができる。更に別の実施形態では、物品は、アニオン性界面活性剤を含有しない区画内に収容された従来のジアルキルquatを更に含む。
【0081】
b.可塑剤
フィルム、特にポリビニルアルコールのような高水溶性フィルムによって包み込まれる又は封入されるように意図された組成物に関しては、洗濯処理組成物中にフィルム中に見出されるのと同じ又は類似の可塑剤を組み込むことが望ましい。このことは、フィルムの可塑剤の柔軟剤組成物中への移行を減少又は防止するのに役立つ。フィルムからの可塑剤の損失は、物品が経時的に脆くなり及び/又は機械的強度を失う原因となる可能性がある。高度に濃縮された柔軟仕上げ剤組成物中に包含されるための典型的な可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、1,2プロパンジオール、ポリエチレングリコール(PEG)、並びに他のジオール及びグリコール及び混合物である。組成物は少なくとも約0.1%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約5%〜約70%の可塑剤、又は可塑剤の混合物を含有すべきである。
【0082】
c.水分含有量
一実施形態では、水溶性フィルムが洗濯処理組成物を封入する場合、高度に濃縮された洗濯処理組成物の水の濃度は、組成物の約0重量%〜約15重量%、あるいは約13重量%未満、あるいは約10重量%未満、あるいは約5重量%未満、あるいは更には約ゼロ、あるいは約1重量%〜約15重量%の水である。概して、例えば、水溶性フィルムの剛性を防止するために約8%〜約12%といった、いくらかの水が有用である。しかしながら、より高い水濃度は、本発明の上記組成物を封入するために使用される水溶性フィルムが製造プロセス中、輸送/取扱い中、又は貯蔵時のいずれかに漏出し、又は時期尚早に溶解若しくは崩壊を始める原因となる可能性がある。低濃度の水が、水溶性染料を組成物に添加して色を魅力的にし、異なる香料及び/又は布地ケア有益剤を添加された組成物間を識別し、ポリマー及び/又は構造剤を効果的に水和するための媒体として望ましいものであり得ることが判明している。
【0083】
別の実施形態では、洗濯処理組成物中の水の濃度は、比較的高く、例えば、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%の水である。これらは一般に、単区画プラスチックボトル若しくは容器中、又は別の布地ケア組成物、例えば液体洗剤若しくは漂白剤と組み合わされた二区画で二つの注ぎ口を有するプラスチックボトル若しくは容器中に包装される場合である。
【0084】
d.溶媒
溶媒は、本発明の洗濯処理組成物を流動化するために有用であり、良好な分散性を提供する場合があり、一部の実施形態では、澄んだ又は半透明の組成物を提供する。本発明の好適な溶媒は、水溶性又は非水溶性であることができる。一実施形態では、洗濯処理組成物は、約30重量%〜約70重量%、あるいは約45重量%〜約60重量%の溶媒を更に含む。一実施形態では、溶媒は、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール及びこれらの混合物を含む。洗濯処理組成物は水溶性フィルムに封入され、より高濃度の溶媒がより低い水濃度で好適であると考えられている。
【0085】
溶媒の追加的な非限定例には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、プロピレンカーボネート、フェニルエチルアルコール、2−メチル1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ピナコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(及びエトキシレート)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、フェノキシエタノール(及びエトキシレート)、グリコールエーテル、例えばブチルカルビトール及びジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エステル溶媒、例えばアジピン酸、グルタル酸、及びコハク酸のジメチルエステル、炭化水素、例えば、デカン及びドデカン、グリセリンカーボネート、並びにこれらの混合物又は組み合わせが挙げられる。一実施形態では、組成物は1つ以上の上述の溶媒を含まないか又は実質的に含まない。追加的な好適溶媒は、米国特許第6,958,313号(Caswellら)及び米国特許出願公開第2006/0217288号(Wahlら)に開示されている。
【0086】
10.使用方法:
本洗濯処理組成物は、洗浄又はすすぎ中の柔軟化に好適であることが、重要なことに判明している。理論に束縛されるものではないが、典型的には洗浄サイクルが完了した後に洗濯プロセスの中に導入される従来の布地柔軟化組成物と異なり、本洗濯処理組成物は、洗濯プロセスのどのサイクルに本発明が導入されるかに関わらず、十分な柔軟化、静電気防止、抗菌及び他の布地処理効果を提供すると考えられる。
【0087】
一実施形態では、本発明は、(a)洗浄槽溶液中に約1重量%〜約90重量%のモノヒドロカルビルアミノquatと所望により約1重量%〜約90重量%のアニオン性界面活性剤組成物とを含む洗濯処理組成物を分配して、処理された槽溶液を形成することと、(b)上記処理された洗浄槽溶液に布地を接触させることと、を含む洗浄プロセスを通して布地を柔軟化する方法を提供する。一実施形態では、上記非対称ジヒドロカルビルquatの少なくとも一部は、アニオン性界面活性剤が1)上記一回用量の洗濯処理組成物それ自体から又は2)洗浄槽溶液からのいずれかで提供されるときに、コアセルベートを形成する。加えて、アニオン性界面活性剤は、布地それ自体から提供することができる。一実施形態では、STWの方法は、分配工程(a)又は接触工程(b)の後に槽溶液中でその場でコアセルベートを形成することを更に含む。更に別の実施形態では、洗浄を通して布地を柔軟化する方法で使用される洗濯処理組成物は、本明細書に開示されている実施形態のいずれかに従う。一実施形態では、洗濯処理組成物は、洗浄水が槽に添加される前に、洗浄槽に添加される。洗浄水及び洗剤などの任意の他の所望の洗濯組成物が添加されるとき、処理された洗浄槽溶液が形成される。洗剤は、水及び/若しくは本発明の洗濯処理組成物の前又は後に添加することができる。更に、布地は、洗浄槽の構成成分のいずれか若しくは処理された洗浄槽溶液の前、後又は同時に添加することができる。
【0088】
別の実施形態は、(a)すすぎ槽溶液中に約1重量%〜約90重量%のモノヒドロカルビルアミドquatを含む一回用量の洗濯処理組成物を分配して、処理されたすすぎ槽溶液を形成することであり、上記洗濯処理組成物がアミドイミダゾリニウム化合物を本質的に含まず、あるいは従来のジアルキル第四級アンモニウム化合物を含まない若しくは本質的に含まない、分配することと、(b)処理されたすすぎ槽溶液に布地を接触させることと、を含むすすぎを通して布地を柔軟化する方法を提供する。一実施形態では、上記非対称ジヒドロカルビルquatの少なくとも一部は、アニオン性界面活性剤が1)上記一回用量の洗濯処理組成物それ自体からか又は2)すすぎ槽溶液が形成されるときに洗浄層中に留まることができる布地若しくは残っている洗浄槽溶液からのアニオン性残留物としてか、のいずれかで提供されるときに、コアセルベートを形成する。一実施形態では、洗濯処理組成物は、すすぎ水が槽に添加される前に、すすぎ槽に添加される。すすぎ水、及び、香料又は他の所望の従来のすすぎ添加剤などの任意の他の所望の洗濯組成物が添加されるとき、処理されたすすぎ槽溶液は形成される。
【0089】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体に渡って記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体に渡って記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように含む。
【0090】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての割合、比率、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0091】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0092】
特に指定のない限り、前置詞の「a」、「an」、及び「the」は「1つ以上」を意味する。
【0093】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0094】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1重量%〜90重量%の、以下の構造を含むモノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物であって、
【化1】

式中、RはC12〜C22ヒドロカルビルアミド鎖を含み、
、R及びRは各々C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロキシヒドロカルビル、ベンジル、−(CO)H(式中、xは1〜10の値を有する)及びこれらの混合物からなる群から選択され、
はアニオンである、モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物と、
a.1重量%〜90重量%のアニオン性界面活性剤と、を含む洗濯処理組成物であり、前記モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物及び前記アニオン性界面活性剤の少なくとも一部がコアセルベートを形成する、洗濯処理組成物。
【請求項2】
前記洗濯処理組成物がジアルキル第四級アンモニウム化合物を本質的に含まない、請求項1に記載の洗濯処理組成物。
【請求項3】
前記モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物がエルシルアミドプロピルトリメチルアンモニウム化合物から本質的になる、請求項1又は2に記載の洗濯処理組成物。
【請求項4】
前記モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物が4〜9のClogPを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項5】
2重量%〜30重量%のシリコーンポリマーを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項6】
0.1重量%〜20重量%の付着助剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項7】
20:1〜1:5の重量比で前記モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物と前記アニオン性界面活性剤とを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート界面活性剤、1〜30の平均アルコキシル化度を有するC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤(ここで、前記アルコキシはC〜C鎖及びこれらの混合物を含む)、中鎖分枝状アルキルサルフェート界面活性剤、1〜30の平均アルコキシル化度を有する中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤(ここで、前記アルコキシはC〜C鎖及びこれらの混合物を含む)、1〜5の平均アルコキシル化度を有するC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート、C12〜C20メチルエステルスルホネート界面活性剤、C10〜C18α−オレフィンスルホネート界面活性剤、C〜C20スルホスクシネート界面活性剤、並びに、これらの混合物を含む、請求項1に記載の洗濯処理組成物。
【請求項9】
0.5重量%〜95重量%の香料を更に含み、前記香料が香油、少なくとも1つの香料マイクロカプセル及びこれらの混合物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項10】
前記組成物が0.05グラム〜100グラムの濃度であり、前記組成物が0重量%〜15重量%の水を含み、水溶性フィルムにより封入される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項11】
前記洗濯処理組成物が、30重量%〜70重量%の溶媒であって、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール及びこれらの混合物を含む溶媒と、2重量%〜30重量%のシリコーンポリマーと、0.1重量%〜20重量%の付着助剤と、香料マイクロカプセルと、を更に含み、前記モノヒドロカルビルアミド第四級アンモニウム化合物がエルシルアミドプロピルトリメチルアンモニウム化合物から本質的になる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項12】
1.洗浄若しくはすすぎ槽溶液中に0.05グラム〜100グラムの請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物を分配して、処理された洗浄若しくはすすぎ槽溶液を形成することと、
2.前記処理された洗浄若しくはすすぎ槽溶液に布地を接触させることと、
3.所望により、前記形成工程及び/又は前記接触工程でその場でコアセルベートを形成することであって、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも一部は、1)前記洗濯処理組成物が前記所望によるアニオン性界面活性剤を含むときには前記洗濯処理組成物から、2)前記洗浄槽溶液若しくは前記布地からのいずれかのアニオン性界面活性剤から、又は3)所望によるすすぎ添加剤生成物により提供されるいずれかのアニオン性界面活性剤から、の少なくとも1つから提供される、その場でコアセルベートを形成することと、を含む、洗浄若しくはすすぎプロセスを通して布地を柔軟化する方法。

【公表番号】特表2011−526319(P2011−526319A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516573(P2011−516573)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048423
【国際公開番号】WO2009/158392
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】