説明

モバイルメッセージングシステムおよび方法

モバイル装置を用いたメッセージングのためのシステムおよび方法、より具体的には、モバイル装置を用いて複数のメディアをメッセージングするためのシステムおよび方法が提供される。一つの側面において、マルチメディアメッセージングMMS(たとえば、テキスト、画像、ビデオ、および/または音声を用いたメッセージング)を通して、モバイルユーザが進行中の方法で他の装置のユーザと共働することを可能にするシステムおよび方法が提供される。メッセージが、メタ情報に基づいてたとえば検索および/または格納されることと、マルチメディアコンテンツの将来の参照、改定、および/または再利用のためにアクセスされることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2004年9月21日に出願された米国仮特許出願第60/611,746号、および2005年5月26日に出願された米国仮特許出願第60/685,304号の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に援用されている。
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、モバイル装置(たとえば携帯電話およびPDA(personal digital assistant))を用いたメッセージングのためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、モバイル装置を用いてマルチメディアをメッセージングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、モバイル装置を用いてマルチメディア(たとえばテキスト、画像、ビデオ、および音声)をメッセージングすることは扱いにくく、多くの場合は不可能である。たとえば、ショートメッセージサービス(Short Message Service)(SMS)は、160文字以内のテキストメッセージの送信に限定される。マルチメディアメッセージングサービス(Multimedia Messaging Service)(MMS)はテキストならびに他のメディアの送信を可能にする一方で、MMSは、メッセージが受信者に配信された後における送信者および受信者からの遠隔によるメッセージの格納である持続性に欠けている。特に、メッセージがMMSを介して配信された後、配信を担うサーバは、たとえばマルチメディアコンテンツの後日の参照または再利用のためのメッセージのコピーを保持しない。結果的に、モバイルユーザがMMSの使用を通して進行中の方法で互いに共働する能力は、著しく限定される。さらに、インターネットプロトコル(IP)チャネルを介して(たとえばIPマルチメディアサブシステム(IMS)を介して、またはモバイル装置上で稼動するブラウザを通して)モバイル装置にマルチメディアを配信するための従来のアプローチは、配信時間およびネットワーキング信頼性の両方について大いに改善されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、モバイル装置を用いてメディアをメッセージングするための従来のシステムのこれらや他の欠点を対処するモバイルメッセージングシステムおよび方法を提供することが望ましくあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明の実施形態は、モバイル装置を用いて複数のメディアをメッセージングするための改善されたシステムおよび方法に関する。モバイルユーザに提供されるメッセージング経験は、マルチメディア共働を容易にすること、コンテンツ配信および/またはネットワーキング信頼性を向上させること、および/またはエンドユーザ機能を強化することによって改善される。たとえば、モバイルユーザのメッセージング経験は、従来は使いやすさおよび機能の両方の点でモバイル装置のメッセージング経験に勝っていたデスクトップおよび非モバイル装置に提供されるメッセージング経験に匹敵するかまたは勝るようにされることができる。
【0006】
一つの側面において、マルチメディアメッセージング(たとえば、テキスト、画像、ビデオ、および/または音声を用いたメッセージング)を通して、モバイルユーザが他の装置のユーザと進行中の方法で共働することを可能にするシステムおよび方法が提供される。たとえば、一実施形態において、メッセージの送信者および受信者から遠隔でメッセージおよび関連メタ情報を「ドキュメント」(あるいはドキュメントの部分)として存続する(すなわち格納する)前に、モバイルおよび非モバイル装置によって生成されたマルチメディアメッセージは、識別するメタ情報(たとえば、作者、日付、時間、および/または場所)によってタグがつけられる。ドキュメントは、メッセージが受信者に通信された後でさえも、遠隔記憶装置において保持される。このことは、メッセージが、メタ情報に基づいてたとえば検索および/または格納されることと、マルチメディアコンテンツの将来の参照、改訂、および/または再利用のためにアクセスされることを可能にする。さらに、送信者および受信者は、ドキュメント参加者として指定され得、これによって参加者間のメッセージングコミュニティを作り上げる関連性を確立する。同じコミュニティのメンバー(すなわち同じドキュメントへの参加者)は、たとえば、コミュニティの他のメンバーとリアルタイム通信を開始する能力(たとえば両方のユーザが参加するドキュメントへの参加者のリストから他のユーザのオンラインIDを選択するユーザ)、コミュニティのすべての他のメンバーにメッセージを送信する能力、およびどのコミュニティメンバーがコミュニティの基盤を形成するドキュメントに現在アクセスしているかを判断する能力など、そのコミュニティに特有の種々の機能を提供され得る。したがって、複数のドキュメントに参加するユーザは、複数のメッセージングコミュニティのメンバーであり得る。
【0007】
本明細書で使用されているように、一つのドキュメントは、送信者と受信者との間で通信される、および通信後に送信者および受信者から遠隔で格納される、一つ以上の種類のマルチメディア(およびオプションとして関連するメタ情報)を含む。ドキュメントは、単一の場所において遠隔で、分散型配置において、または任意の他の適切なアプローチにおいて、格納され得る。好ましい一実施形態において、各ドキュメントは「フラグメント」と呼ばれる一つ以上の関連するメッセージを含む(たとえば、送信者から一人以上の受信者へのマルチメディアメッセージと、送信者を識別するメタ情報とを含む第1のフラグメント、および受信者からのマルチメディア応答と、受信者を識別する情報とを含む追加のフラグメント)。同じドキュメントのフラグメントが遠隔サイトに存続させられた順番は、フラグメントについてのメタ情報内にキャプチャされ得る。このメタ情報(たとえば時間スタンプ)は、たとえば、対話が生じた順番またはユーザが定義した順番においてドキュメント参加者間のマルチメディア対話を再生するために使用され得る。オプションとして、ドキュメントへのアクセス権を有するユーザによる選択が可能な履歴ファイルもまた提供され得る。履歴ファイルは、たとえばフラグメントが遠隔サイトに対して存続させられた順番において、(たとえば関連メタ情報によって)ドキュメントのフラグメントを識別するコンテンツの表を含み得る。ユーザは、ドキュメントにおける対応するフラグメントにナビゲート(navigate)するために、コンテンツの表からエントリを選択し得る。
【0008】
別の実施形態において、格納されたドキュメントに異なる装置のユーザが同時に書込み(たとえば追加または変更)をすることを可能にする単一付加機能が提供される(たとえば装置から遠隔に格納されたドキュメントに対してフラグメントを存続させる)。これは、所定の時間において単一のユーザのみが格納されたドキュメントへのアクセス/変更ができて、コンテンツへの書込みアクセスをリクエストする次のユーザが待ち行列に追加されるという、格納されたコンテンツへの許可を与えるためのロッキングメカニズムを使用する従来のアプローチとは対照的である。
【0009】
別の実施形態において、ドキュメントへの参加者に関連するパーティ(たとえばドキュメント参加者の「友人」または「友人の友人」)がドキュメントおよびそれに関連するマルチメディアコンテンツ(およびオプションとしてメタ情報)にアクセスすることを可能にするソーシャルネットワーキングプロトコルが提供される。そのようなパーティもまた、ドキュメントに付加された応答をパーティがメッセージとして送るとき、ドキュメント参加者になり得る。
【0010】
別の実施形態において、マルチメディアメッセージのモバイル装置への配信を容易にするシステムおよび方法が提供される。たとえば、一実施形態において、XMLベースのマルチメディアメッセージは、メッセージのサイズを低減させるXML「ショートコード(short code)」を用いて符号化される。それによって、メッセージを受信者に通信するために必要とされる、送信側機器によるXML符号化の量および受信側機器によるXML復号化の量の両方を低減させる。特に、メッセージにおけるXMLツリーまたはサブツリーの構造がデフォルト構造に従う(adhere)とき(たとえば、メッセージの再生を担い、受信者の装置上で稼動するクライアントアプリケーションが、メッセージからメッセージへと静的に留まるツールバーまたはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の側面を含むとき)、ツリーまたはサブツリーの構造を定義するメッセージの符号化部分は、構造を表す短縮されたコードによって置換されることができる。ショートコードが定義される特定のツリーまたはサブツリーは、メッセージフローに先立ってまたはその最中に決定され得る。たとえば、クライアント装置上にインストールされたクライアントアプリケーションは、インストレーション時にショートコード定義をすでに含み得るかまたは獲得し得る。代替的にまたは追加的に、ショートコードは、メッセージングフロー内に現れるツリーまたはサブツリーについてオンザフライ(on−the−fly)で定義され得る(たとえば、サブツリーが1回などの閾値回数よりも多くメッセージフロー内に現れたという判断に呼応して、サブツリーについてのショートコードを定義すること)。ショートコードを定義するとすぐに、ドキュメント参加者のメッセージング機器に対して、および/またはメッセージの遠隔格納を担うサーバに対して、ショートコード定義が提供され得る。好ましい一実施形態において、XMLショートコードはネトマティックマーク付け言語(nml)ショートコードであって、nmlは、2002年11月28日に公開された、タイトルが「Sharing,Managing and Communicating Information Over a Computer Network」の、本明細書において全体が参照により援用されている米国特許出願公開第20020178164号に記載されたXML準拠言語である。
【0011】
別の実施形態において、コンテンツの部分のみが所定の時間においてモバイル装置に通信される。たとえば、通信ネットワークの帯域幅および/または待ち時間、および/またはモバイル装置の処理能力および/または記憶能力に基づいて、ドキュメントの一つ以上のフラグメントがモバイル装置に通信され得る。それに続く送信において、ドキュメントの別の一つ以上のフラグメントがモバイル装置に通信され得る。フラグメントは、ドキュメントを再組み立てするためにモバイル装置によって必要とされる情報のすべてを含むという点で、「自己認識(self aware)」し得る。
【0012】
さらに別の実施形態において、メッセージの非テキストマルチメディアは、メッセージのテキスト部分が装置に通信されるのと同時に、インラインASCII符号化バイナリーアセットとしてモバイル装置に通信される。ASCII符号化アセットは、メッセージサイズを低減するために圧縮され得る。対照的に、マルチメディアメッセージをモバイル装置に配信するための従来のアプローチは、メッセージのテキスト部分を装置に配信することを伴い、テキスト部分は非テキストメディアへの一連の参照を含む。そこで、非テキストメディアの各断片(piece)は、装置からのメディアについての別のリクエストに応答して、モバイル装置に配信される。情報についての複数のリクエストは、一つ以上のリクエストがサーバによって受信されないことに起因して、またはモバイル装置によって受信されるコンテンツ内の送信エラーに起因して、結果としてエラーになり得る。情報についての複数のリクエストは、ネットワーク遅延(すなわち待ち時間)をも増加させる。
【0013】
別の実施形態において、モバイル装置は、「レイジーな(lazy)」プッシュ(push)またはプル(pull)通知プロトコルを通してマルチメディアサーバと通信し得、そこではモバイル装置およびマルチメディアサーバは装置またはサーバが状態の変化を経験するときにのみ通信する。たとえば、モバイル装置の起動状態が変化する(たとえば装置が「オンライン」または「オフライン」になる)とき、この起動状態(および「使用中」、「不在」、「タイプ中」、「アイドル」などの他の「存在」情報)を示す1バイト通知を、装置はサーバに送信(プッシュ)し得る。通知は、他のモバイルユーザ(たとえばモバイルユーザの友人リストに列挙されたユーザ)の存在についてのリクエストなどの、サーバからのメッセージおよび/または他のアップデートについてのリクエスト(プル)としての役割も果たし得る。別の例において、サーバは、アップデートに関する警告を、そのようなアップデートが利用可能になったときに、モバイル装置に送信(プッシュ)し得る。このレイジーなプッシュおよび/またはプルプロトコルは、モバイル装置を用いたメッセージングのために必要とされるネットワークトラフィックの量を最小限にし、したがってたとえばネットワーク待ち時間を低減させる。
【0014】
さらに別の実施形態において、モバイル装置は、単一の呼び出しにおいて情報についての複数のリクエストをサーバに対して行ない得る。たとえば、単一の呼び出しは、存在インタフェースからの存在情報についての第1のリクエスト、および定期購読(subscription)インタフェースからのシンジケートされた(syndicated)コンテンツについての第2のリクエストを含み得る。対照的に、従来の方法は、リクエストごとに一つの別々の呼び出しを発行する。レイジーなプッシュおよび/またはプルプロトコルと同様に、これもまたモバイル装置を用いたメッセージングのために必要とされるネットワークトラフィックの量を最小限にする。
【0015】
別の実施形態において、シンジケートされたコンテンツ(たとえばニュース供給)は、媒介サーバを経由して、シンジケートされたコンテンツサーバからモバイル装置へと通信される。モバイル装置がシンジケートされたコンテンツをリクエストするとき、媒介サーバは、シンジケートされたコンテンツが格納されているメモリ(媒介サーバの、またはサードパーティコンテンツプロバイダによってホストされる(hosted)サーバなどの他のメモリ)における場所への参照(リンク)を、装置に送信する。たとえば、その結果、装置は、コンテンツ自身をダウンロードおよび格納することなく、参照を追うことによって、コンテンツにアクセスすることができる。このようにして、シンジケートされたコンテンツサーバからの重複したコンテンツの格納およびコンテンツの検索は回避され、ネットワークトラフィックは低減される。これは、各ユーザの装置がコンテンツサーバからコンテンツを直接にアクセスおよびダウンロードすることを必要とする従来のアプローチと対照的である。
【0016】
別の側面において、モバイル装置のユーザに提供される機能を強化する種々の機能が提供される。この機能は、エンドユーザによって装置が購入される時においてインターネットからダウンロードされてモバイル装置にインストールされ得るかまたはモバイル装置上のメモリに常駐し得るクライアントアプリケーションによって少なくとも部分的に提供され得る。別の例において、メッセージング機能は、専用クライアントアプリケーション以外のモバイル装置の資源(たとえばブラウザおよび/またはメディアプレイヤー)によるクライアントレスアプローチにおいて提供され得る。
【0017】
一実施形態において、たとえば、ドキュメントがレビュー用に利用可能かどうか、ドキュメントが変化したかどうか、誰がドキュメントに対してアクセスまたは作業をしているか、および/またはドキュメントが最後にアップデートされたのはいつか、を示すドキュメントレベルの存在情報が(ユーザ存在情報への代替または追加として)提供され得る。たとえば、モバイルユーザがクライアントアプリケーションを起動するとき、ユーザは、ちょうど記述したドキュメント中心の特徴の一つ以上とともに、ユーザが参加者であるかまたはユーザが参加するように送信勧誘された一つ以上のドキュメントを要約する表示を提示され得る。
【0018】
別の実施形態において、ユーザがメッセージおよびメッセージスレッドを記録、再生、および編集することを可能にする機能が提供され得る。たとえば、遠隔サイトにおいて格納されたマルチメディアコンテンツについてのメタ情報に基づいて、ユーザはメッセージコンテンツを検索するオプションを提示され得る。加えて、メタ情報は、メッセージの再生、たとえばユーザが時間、日付、および/または場所に基づいてメッセージをフィルタリングすることができる選択的再生を可能にする。
【0019】
別の実施形態において、現在オフラインであるユーザにメッセージを送信するため、特定の日時、時間、および/または地理的場所についてのメッセージの配信をスケジュールするため、および/またはユーザがメッセージを検索するときにそのユーザ(およびゼロ以上の他のユーザ)と接続するための、「プッシュトゥメッセージ(push−to−message)」機能が提供され得る。
【0020】
本発明の実施形態の上述の特徴はモバイル装置のコンテキストにおいて主に記述される一方で、これらの特徴は非モバイル装置(たとえばデスクトップコンピュータ)を用いたメッセージングにも適用され得る。
【0021】
本発明のより良き理解のために、添付の図面とともに以下の記述に参照がなされ、全体にわたって同様の参照文字は同様の部分を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態は、ユーザがモバイル装置、デスクトップ装置、セットトップ装置または他の装置からメッセージを送るかにかかわらず、エンドユーザにシームレスな経験を提供する、装置およびネットワークにとらわれないマルチメディアメッセージング環境に関する。この環境の範囲内において、たとえばウェブ(HTTP)、SMTP/POP/IMAP、SIP、CDMAおよびGSM(GPRS、EDGE)などの異なるネットワークおよび/またはプロトコルにわたって、装置は互いにメッセージを送ることができる。
【0023】
図1は、サーバ102(それぞれが一つ以上のサーバインタフェース104およびメモリ106を備えている)、たとえば携帯電話およびPDA(personal digital assistant)などの一つ以上のモバイル装置、および/またはデスクトップコンピュータなどの一つ以上の非モバイル装置などのユーザ機器108を含むシステム100の実施形態を示す。システム100はさらに、ゲートウェイ110と、レンダリングエンジン112と、HTTP/eメールサービス114と、ロードバランサー116と、サードパーティゲートウェイ118とを備える。たとえば、本発明の実施形態は、モバイル装置または非モバイル装置のユーザが、モバイルユーザの起動状況(たとえばオンライン、オフライン、使用中、不在、タイプ中、アイドルなど)を決定するためにモバイルユーザについての存在情報を見ることと、モバイルユーザをテキスト、画像、音声、ビデオなどの複数メディアに関連するコミュニケーションに携わらせることとを可能にし得る。ユーザ機器108(および随意にメッセージに関連したメタ情報)の間で通信されるメッセージは、たとえば将来のメッセージにおけるマルチメディアコンテンツの後日の参照および/または再利用のために、メモリ106におけるドキュメント(またはドキュメントの部分)としてサーバ104によって持続される(格納される)。システム100におけるドキュメントがnmlベースのドキュメントである場合、システム100は、そのさまざまな構成要素において、「ネトマット(netomat)」変更子を用いてラベルされ得る(たとえばネトマットサーバ102)。
【0024】
モバイル装置および非モバイル装置は、クライアントアプローチまたはクライアントレス(clientless)アプローチを用いることによって、システム100にネットワーク接続され得る。前者の場合、たとえば装置のユーザがインターネットからクライアントをダウンロードするのに続き、クライアントアプリケーションが装置にインストールされ得る。たとえば、モバイル装置に対するクライアントは、Java(登録商標)で書かれた小さなフットプリントアプリケーションであり得る(すなわちモバイル装置がjava(登録商標)使用可能な装置である場合)。一実施形態において、そのようなアプリケーションは、MMAPI(マルチメディアAPI)およびWMA(ワイヤレスメッセージングAPI)サポートを用いたMIDP 1.0プラットフォームをも含み得るJ2ME MIDP 2.0プラットフォームを使用して作成され得る。たとえば、クライアントがインストールされる特定のモバイル装置に依存して、クライアントは50k〜150kの範囲のサイズであり得る。もう一つの実施形態において、モバイルクライアントはXHTMLユーザコンテンツ管理インタフェースであり得る。非モバイル装置に対するクライアントアプリケーションの例は、Java(登録商標)1.4アプリケーション、Java(登録商標)1.1アプレット、マクロメディアフラッシュ(Macromedia Flash)6.0アプレット、またはXHTMLユーザコンテンツ管理インタフェースを含む。クライアントレス装置は、装置に常駐する専用クライアントアプリケーション以外のリソース(たとえばブラウザ、テキストメッセージングおよび/またはメディアプレイヤー)の使用によって、システム100にネットワーク接続され得る。一般的に、マルチメディアメッセージングのためのクライアントアプリケーションをインストールされた装置は、クライアントレス装置と比較して、増加したメッセージング能力を有し得る。たとえば、クライアントレス装置は、XML「ショートコード」およびインライン圧縮ASCII符号化バイナリーアセットを考え得る例外として、本明細書に記載される機能のすべてをサポートし得る。
【0025】
サーバ102は、すべての入ってくるリクエストおよび出ていくリクエスト(たとえば更新のリクエストあるいはモバイルユーザ108へのまたはモバイルユーザ108からのメッセージを通信するリクエスト)を担い、メモリ106とインタフェースをとり、サーバインタフェース104を提供する。一実施形態において、サーバ102はJ2EEアプリケーションサーバである。
【0026】
サーバインタフェース104は、変化する情報をモバイルまたは非モバイル装置に対して提供し得、統一された方法で装置108がサーバ102に接続することを可能にし得る。たとえば、インタフェース104は、以下のインタフェースのうち一つ以上を含み得る。アップロードアセットインタフェース(UAI)、管理アセットインタフェース(MAI)、バージョニングインタフェース(VI)(versioning interface)、通知インタフェース(NI)、存在インタフェース(PI)、定期購読インタフェース(SUI)、許可およびチケッティングインタフェース(PTI)、送信勧誘インタフェース(invite interface)(II)、ユーザデータ管理インタフェース(UDMI)、アクセス管理インタフェース(AMI)、検索インタフェース(SI)、およびウェブサービスインタフェース(WSI)。
【0027】
UAIは、すべてのテキストおよびバイナリーアセットをサーバにアップロードすることを担い得る。MAIインタフェースは、たとえば、遠隔サイトにおいて存続するフラグメントにアクセスし、新しいドキュメントにおけるフラグメントを参照することによって、マルチメディアコンテンツを再利用することなどの、ユーザのアセットの遠隔管理することを担い得る。VIは、すべての更新のバージョニングをして、ドキュメントのフラグメントについて履歴ファイルを生成することを担い得る。NIは、ユーザのスペース(ドキュメントにおいてユーザが単なる参加者であるユーザに由来するドキュメント(たとえばメッセージスレッド)をも含む)への更新をユーザに通知することを担い得る。PIは、たとえば、追加の存在情報のみならず、ユーザの友人リストに列挙されたパーティのそれぞれの起動状態を示す情報などの存在情報を担い得る。SUIは、コンテンツのシンジケーション(syndication)を担い得る。PTIは、ユーザのコンテンツに対する読取りおよび書込みのアクセスについての許可を設定および取得することを担い得る。IIは、ユーザのスペースに対するワンタイム送信勧誘を担い得、PTIと異なる許可設定を設定し得る。UDMIは、プロファイルおよびアドレス帳などのユーザデータを管理することを担い得る。AMIは、ユーザのコンテンツのパスワード保護およびパスワード管理を担い得る。SIは、ユーザデータおよびユーザコンテンツを照会すること(たとえばシステム100のすべてのユーザにとって公に利用可能な情報およびコンテンツの検索、またはドキュメント参加者のみに利用可能な情報などの個人情報の検索)を担い得る。WSIは、ユーザ機器108上で可動するクライアントアプリケーションにウェブサービスを統合することを担い得る。たとえば、WSIは通信のためにシンプルオブジェクトアクセスプロトコル(Simple Object Access Protocol)(SOAP)を使用し得、ウェブサービス記述言語(Web Service Description Language)(WSDL)についての組込みサポートを有し得る。
【0028】
ゲートウェイ110は、本発明の実施形態のマルチメディアメッセージングシステムと他の通信システムとの間にブリッジを生成するサーバ側アプリケーションである。たとえば、ゲートウェイ110は以下のゲートウェイのうちの一つ以上を含み得る。SMS/MMSゲートウェイ(SMSG)、電子メール(eメール)ゲートウェイ(eMailG)、存在ゲートウェイ(PresenceG)、インスタントメッセージングゲートウェイ(IMG)、コンテンツストリーミングゲートウェイ(CSG)、および検索ゲートウェイ(SG)。SMSGは、装置108からのSMSメッセージおよびMMSメッセージをサーバ102によってメモリ106に対するフラグメントとして存続されることを可能にする。eMailGは、テキストベースのeメールメッセージと、メモリ106に対して存続されるドキュメントへの添付のあるeメールメッセージとの統合を可能にする。PresenceGは、プリム(prim)および/またはシンプル(simple)なJabberまたはWireless Villageなどの他の存在ベースのシステム(およびしたがってこれらのシステムからの存在情報の使用)との統合を可能にする。IMGは、Jabber、AIM、Wireless VillageおよびICQなどのインスタントメッセージベースのシステムとの統合を可能にする。CSGは、ストリーミング技術(たとえばストリーミング音声およびビデオについて)との統合を可能にする。SGは、GoogleおよびMSM検索などの既存の検索技術との統合を可能にする。たとえば、ユーザ機器108上に表示されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)(たとえば機器108上で稼動するクライアントアプリケーションによって関連させられるGUI)に入力される検索語は、SGによって検索技術に認識可能なフォーマットに変換され得、次に検索技術に提供され得る。検索技術によって返された検索結果は、ユーザ機器108に結果を表示させる前に、適切なフォーマット(たとえばXML準拠言語nml)に変換され得、メタ情報(たとえば検索技術による検索結果を備えたメタ情報および/または検索のために使用された検索技術を示すソース情報)によってタグをつけられ得る。
【0029】
サーバ102は、たとえばネトマットメッセージまたはアップデートが利用可能であること(たとえば存在情報および/またはシンジケートされたコンテンツに対するアップデート)を機器に警告するために、SMS(テキスト)またはインターネットプロトコル(IP)パケット通知をユーザ機器108に典型的に送信する。SMSメッセージに関して、メッセージの特定の形式およびコンテンツは、通知がアドレス指定される装置がクライアント装置であるかクライアントレス装置であるかに依存して変化し得る。その目的のために、ネトマットサーバ102は、クライアントがインストールされた装置(モバイル装置など)のリストをメモリ106に格納し得るか、またはさもなければリストへのアクセスを有し得る。
【0030】
たとえば、モバイル装置108がクライアントレス装置であることを決定するサーバ102に応答して、サーバ102はSMSを介して装置に通知を送信し得る。ここでSMS通知は、新しいメッセージおよび/またはアップデート情報がサーバ102から利用可能であることを示す。SMS通知は、たとえば、ドキュメント(またはドキュメントの部分)への外部リンク、またはメモリ106においてサーバ102によって存続させられるシンジケートされたコンテンツなどの他のコンテンツへの外部リンクを含み得る。ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)プッシュメッセージ(たとえば)の形式における通知を受信するとすぐに自動的に、またはユーザがリンクを選択することに応答して、クライアントレスモバイル装置のブラウザは、ユーザのためにドキュメントまたはシンジケートされたコンテンツのアクセスおよび再生を行い得る(たとえばモバイル装置のディスプレイ領域におけるビデオ、テキストまたは画像の表示、モバイル装置のスピーカを介する音声の送信、またはこれらの組み合わせ)。応答をメッセージングするためにユーザがテキストを入力および提出できる一つ以上のフィールドも表示され得る。もう一つの例において、システム100は、メモリ106においてテキストフラグメントとしてサーバ102によって存続され得るSMSメッセージを用いた通知に対して、クライアントレスモバイル装置のユーザが応答することを可能にし得る。
【0031】
代替的に、モバイル装置109にマルチメディアメッセージングのためのアプリケーションがインストールされていることを決定するサーバ102に応答して、サーバ102は通知ヘッダにおけるクライアントアプリケーションについてのポート番号を含むSMS通知を装置に対して送信し得る。これは、モバイル装置によってメッセージが受信されるとすぐにクライアントアプリケーションの自動的起動を引き起こし得る。ひとたび起動されると、クライアントアプリケーションは、サーバ102によってメモリ106に対して存続させられるドキュメント(SMS通知において提供され得るリンク)にアクセスし得、ユーザがマルチメディアメッセージ応答を発行することを可能にし得る。さらに、クライアントアプリケーションが起動状態にある場合、メッセージまたはアップデートの通知は、SMS経由ではなく、IPチャネルを通してサーバ102によって送信され得る。その目的のために、サーバ102は、クライアントがインストールされたどのモバイル装置が起動状態にあるかを示すデータを格納し得るか、またはさもなければデータへのアクセスを有し得る。モバイル装置108上で稼動するクライアントアプリケーションが起動状態にあるかどうかをサーバ102によって決定することに関する追加の詳細は、1バイトの「レイジーな」プッシュまたはプル通知の記述と関連して以下に提供される。
【0032】
システム100におけるレンダリングエンジン112は、ユーザ機器108によってシステムにおいてメッセージを送られるマルチメディアコンテンツおよび/または他のコンテンツ(たとえばシンジケートされたコンテンツ)の表示および/または操作をするソフトウェアモジュールであり得る。たとえば、レンダリングエンジン112は、コンサートアリーナにおける電子ビルボードまたは映写などの、物理的スペースにおける公共ディスプレイを生成し得る。代替的にまたは追加的に、レンダリングエンジン112は、インターネットページ(たとえばワールドワイドウェブページ)上にコンテンツを公開し得る。コンテンツの公開および処理は、モバイル装置およびデスクトップ装置からの投票またはポーリングなどのように、リアルタイムで生じ得る。レンダリングエンジンはフラグメントが遠隔サイトに対して存続させられる順番において自動的にドキュメントのフラグメントを再生し得るという意味において、レンダリングエンジンはユーザの静的なインプットから動画の映画のような経験をも生成し得る。
【0033】
図2Aは、本発明に従ったたとえばデスクトップ装置に表示されたマルチメディアクライアントアプリケーションによって提供される説明的なディスプレイのスクリーンショットである。図2Aにおいて、サーバ102によってメモリ106に対して存続させられるドキュメントがユーザのために表示される。より具体的には、図2Aはユーザのスペースの概要を提供する。ユーザのスペースは、ユーザがドキュメントの参加者であるドキュメントのセットとして概念化され得る(すなわち、ユーザがオーサリング権を有するドキュメントのセット)。示されるように、タイトルが「MIKE’S 25TH」の202がディスプレイの範囲内で現在選択されている。したがって、ドキュメント202のフラグメント204、206および208はユーザのために表示され、各フラグメントは、テキスト、画像および対応するメタ情報(たとえば作者および日時)を含む複数メディアを含む。ディスプレイは、さまざまな選択可能なオプションをも含み得る。オプション210、212および214もまた、ユーザがドキュメント「IT’S A GIRL」、「HAPPY BI...」および「DECEMBE...」をそれぞれ表示のために選択することを可能にするために提供される。オプション216は、ユーザが新しいドキュメントを作成することを可能にするために提供され得る。返信フィールド218は、ユーザが現在のドキュメント202における参加者への通信のためにマルチメディア応答を提出することを可能にし得る。示されるように、マルチメディア(たとえば画像)は、装置(「My Computer」オプション220)の局部記憶装置からの応答、またはユーザ指定のコンテンツ(「My Gallery」オプション222)の記憶装置に専用のメモリ106におけるような遠隔記憶装置における割当てからの応答に含まれるように選択され得る。「Fun Stuff」オプション226は、ユーザが遠隔記憶装置からサードパーティマルチメディアコンテンツ(たとえばシンジケートされたコンテンツ)にアクセスすることを可能にし得る。プレビューウィンドウ224は、マルチメディアメッセージを送信する前にユーザが画像をプレビューすることを可能にし得る。オプション228は、ドキュメントに参加する2つの新しい送信勧誘がユーザにとって利用可能であることを示し得る。オプション218の選択は、ユーザが送信勧誘の送信者に関する送信勧誘および/またはプロファイル情報をレビューすることを可能にし得る。送信勧誘を受け入れることを選択することは、対応するドキュメントおよびそれに関連した情報をディスプレイに出現させ得る。
【0034】
図2Bは、本発明の実施形態に従ったモバイル装置上で稼動するマルチメディアコンテンツアプリケーションによって表示されるような、図2Aに示されるものと同じドキュメント202のスクリーンショットである。モバイルユーザにとって利用可能なオプションは、図2Aの例においてユーザに提示されるオプションと同様かまたは同一であり得る。しかし、モバイル装置のより小さなディスプレイに起因して、ユーザは、オプションにアクセスするために表示をたとえばスクロールさせることが要求され得る。
【0035】
図3は、本発明に従ったメッセージングメディアに関係する説明的なステージのフローチャート300である。ステージ302において、サーバ102は、ユーザ機器108(たとえばモバイルユーザ機器)から、一つ以上の受信者(たとえばモバイルユーザ機器のもう一つのインストレーション)に対する通信を対象としたメディアメッセージを受信し得る。ステージ304において、サーバ102はメディアメッセージをメモリ106内のドキュメントとして格納し得る(たとえば一つ以上の受信者およびメディアメッセージの送信者から遠隔に)。ステージ306において、サーバ102は、一つ以上のメッセージ受信者に対して通信し得る。たとえば、サーバ102は、ドキュメント送信勧誘または他の通知を受信者に送信することによって受信者にメッセージを通知し得、受信者が送信勧誘を受け入れたことに応じて受信者にメッセージを通信し得る。受信者にメッセージを通信することは、遠隔に格納されたメッセージへのリンクを送信すること、および/またはメッセージのすべてまたは部分を受信者装置に送信することを含む。好ましい一実施形態において、メッセージからのマルチメディアコンテンツは、図5および6に関連して以下に記述する圧縮されたASCIIバイナリー符号化アセットとして受信者に好ましくは通信される。ステージ308において、サーバ306は、一つ以上の受信者に対してドキュメントを通信することに続き、遠隔記憶装置においてドキュメントを保持し得る。このことは、将来のメッセージにおいてドキュメント(およびそのマルチメディアコンテンツ)が参照および/または再利用されることを可能にし得る。一実施形態において、サーバ102は、ドキュメントに参加する送信勧誘を受け入れたユーザ、またはメッセージをフラグメントとしてドキュメントに付加したユーザを、ドキュメントへの参加者として指定し得、これによってユーザ間の関連性を作成する。この関連性はユーザのコミュニティを確立し得、ユーザはそのコミュニティに特定の機能を提供され得る。
【0036】
本発明の側面において、マルチメディアメッセージング(たとえばテキスト、画像、ビデオ、および/または音声を用いたメッセージング)を通した進行中の方法で、モバイルユーザ108が他の装置のユーザと共働することを可能にするシステムおよび方法が提供される。たとえば、サーバ102がメッセージおよび関連するメタ情報をドキュメント(たとえばまたはドキュメントのフラグメント)として存続させるのに先立って、モバイル装置および非モバイル装置108によって生成されるマルチメディアメッセージは、メッセージの送信者および受信者から遠隔にメモリ106において識別用メタ情報(たとえば作者、日時、時間、および/または場所)によって自動的にタグをつけられ得る。別の例として、格納されたドキュメントに対して、異なる装置108のユーザが同時に書込む(たとえば追加または変更する)ことを可能にする単一付加機能が提供され得る(たとえば装置から遠隔に格納されたドキュメントに対してフラグメントを存続させる)。さらに別の例として、格納されたドキュメントおよびそれに関連したマルチメディアコンテンツ(および随意にメタ情報)を元来のメッセージ受信者以外のパーティによってアクセスされることを可能にするソーシャルネットワーキングプロトコル(social networking protocol)が提供され得る(たとえば「友人の友人」プロトコル)。以下にこれらの特徴をより詳細に記述する。
【0037】
(メッセージされたコンテンツの自動メタ情報タグつけ)
ウェブ資源は、作者、リンク、キーワード、および記述に関する情報を提供するメタタグを含む。この情報は、ドキュメントの検索および機械処理のために有用である。これの一つの現在の方法は、RDF、すなわちXMLの拡張であり、他の機械によって効率的に処理されることができる機械生成のメタデータのオーサリング、操作、および検索のためのツールをフレームワークに提供する。
【0038】
現在、RDFタグなどの方法を通してメタデータを供給することは、いくらかの人間のインプットを必要とする(たとえば、情報を明確にサポートすること、またはタグを入力すること)。しかし、通信システムにおいて作成されるドキュメントの量を記述するためには、自動的にタグを挿入することが必要であり、特に、マルチメディアメッセージングシステムがフラグメント付加操作を通して同時アップデートを可能にする本発明の実施形態においては必要である(以下により詳細に記述する)。
【0039】
一実施形態において、本発明は、各ドキュメントまたはその部分を記述するために自動メタ情報タグつけを使用する。たとえば、すべてのドキュメントが一つ以上のフラグメントを含む好ましい一実施形態において、ドキュメントの範囲内の各フラグメントは、フラグメントの作成場所、日付、および作者を示すメタ情報によってタグをつけられ得る。モバイル装置に関して、場所情報は、グローバルポジショニングシステム(GPS)によって測定されるようなモバイル装置の地球規模の場所についての識別、モバイル装置についての識別(たとえば携帯ID)に基づいて、および/またはユーザからのインプット(たとえばユーザがニューヨーク州の範囲内にいるというユーザからの指摘)に基づいて生成され得る。非モバイル装置についての場所情報は、GPSに基づき得るか、またはユーザインプット(たとえばユーザの装置が存在するところの郵便番号をユーザが述べたユーザのユーザプロファイル)に応じ得る。メタ情報に基づいて、フラグメントおよびドキュメントは検索、編集、および編成されることができ、これらの変更は他者によって見られることができる。
【0040】
自動メタ情報タグつけは、アップデートされた情報がさらなる使用のために適切にタグつけされることを確実にするのに役立つ。一実施形態において、ユーザ機器108上で稼動するクライアントアプリケーションは、メッセージがサーバ102に送信される前に、作者、日付、時間、および場所(これらのすべては送信装置の機能である)によって,新しいメッセージにタグをつけ得る。別の実施形態において(たとえばメッセージがクライアント装置から送信される場合)、サーバ102は、メモリ106においてメッセージを存続させる前に、またはコンテンツを分散型配置におけるもう一つのサーバに送信する前に、メタ情報によってメッセージにタグをつけ得る。図4は、本発明の実施形態に従うドキュメント作成時間におけるメタ情報の挿入を示す。特に、ドキュメントのフラグメントは、以下のようにタグをつけられる。フラグメント名=「fragment」、作者名=「Maciej」、日時「27−Jul−04 16:21PM MST」、および場所情報=「Paris」ならびに「:::Latitude:19degress−45minutes−32.4seconds− north:::Longitude:155degrees−27mintues−22.8seconds−west:::Altitude:2300feet」。次にフラグメントがドキュメントに付加され、ドキュメントは他のフラグメントの形式において一つ以上の以前の関連するメッセージを含む。
【0041】
(単一付加操作を用いたグローバルユーザ管理ファイルシステム)
システム100は、任意の装置108から地球規模でアクセス可能なコンテンツ管理システムを提供し得、マルチメディアアセットの検索、分類、送信、削除、共有、および再利用の能力を提供し得る。対照的に、従来のファイルシステムは、読込み中またはアップデート中のファイルに対するアクセスを「ロック」し、これらのファイルについての追加リクエストがキューに追加される。アクセスをロックすることは、追加の処理時間およびサーバメモリを必要とし、アップデートが損失されることと、実際に保存されていなかったデータへの変更がアップロードされることと、アップデートされたファイルを再読取りする問題とを生じ得る。
【0042】
システム100によって提供されるグローバルファイルシステムは、ファイルをアップデートする単純かつ効率的な方法を提供し、上述の問題を回避する。好ましい一実施形態において、既存のフラグメントに上書きすることによってではなく、新しいフラグメントを付加することによってすべてのドキュメントが変更されることができるので、ドキュメントの範囲内のランダム書込みは実質的に存在しない。したがって、ひとたび書込まれれば、ドキュメントの範囲内のフラグメントは読取り専用であり、ほとんどの部分にわたって順次読取られる。グローバルファイルシステムは、ディレクトリにおいて階層的にファイルを編成し、ドメインにおいて以下のようなパスのパス名によってファイルを識別する、ドメインベースのシステムであり得る。
/m/a/c/iej/travel/index.v45.nml
これは次のドメインに位置付けられ得る。
http://www.netomat.net
グローバルファイルシステムは、標準的な開く(open)、閉じる(close)、作成する(create)、削除する(delete)、読取る(read)、および書込む(write)の操作、ならびに各装置の付加の統合性を保証しながら複数の装置108が一つのドキュメントに同時にフラグメントを付加することを可能にするフラグメント付加(fragment append)をサポートする。
【0043】
フラグメントアプローチは、従来の分散ファイルシステムよりも著しくより単純であり、したがって縮小することがより簡単であり、エラーに対してよりトレラントである。フラグメントアプローチは、異なるエンドユーザ装置間のデータ同期の必要性を排除することにも役立つ。これらの問題のそれぞれは、ロッキングメカニズム(locking mechanism)の使用を通してユーザがウェブ資源を共働で編集、公開、および管理することを可能にするWebDAVなどの現在のウェブベースのプロトコルにおける問題であるが、スケーラビリティの問題をも生じやすかったものであり、フラグメント付加機能を提供しない。
【0044】
(メッセージングフローおよびプロトコルレイヤに組み込まれたソーシャルネットワーキングプロトコル)
現在のソーシャルネットワーキングアプリケーションは、ユーザがソーシャルネットワークを形成することを奨励する特徴を提供するとともに、ユーザ間のやり取りまたは関係を認識するための多くの方法を提供する。一実施形態において、本発明は、インタラクションパターンのより細分な(granular)研究を通して、ソーシャルネットワーキングを容易にする。
【0045】
本発明は、モバイル装置の所定のセットについて、装置間の実際のインタラクションに基づいて、ときどき社会契約と呼ばれる適切な社会規則を定義する自動的な方法を提供する。たとえば、ユーザが作成したドキュメントは、互いに知っている人々のみまたは互いに紹介された人々のみがメッセージの送信および受信をすることを可能にする「友人の友人」プロトコルを使用してリンクされることができる。そのメッセージはそこでフラグメントとしてドキュメントに付加され得る。
【0046】
たとえば、友人のドキュメントは、メッセージが受信パーティによって受け入れられた場合に作成され得(すなわち、無視されるかまたは削除されるのではなく、受信パーティによってアクセスされ得)、それによって送信パーティおよび受信パーティの間の「信頼のリンク」を作成する。一般的に、信頼のリンクはインスタントドキュメントの目的のみに有効であることになる。すなわち、送信者が参加する他の個人的なドキュメントに対するアクセスを受信パーティに与えることにはならないという意味であり、逆もまた同じである。このようにして、友人の友人のネットワークは、ユーザ間の進行中の通信/共働の範囲内から有機的に成長されることができる。
【0047】
別の例として、ときどきバディーリスト(buddy list)と呼ばれる友人のリストは、ユーザによって作成されるか、またはサーバインタフェース104の送信勧誘、定期購読、および通知の処理の結果として自動的に生成されることができる。
【0048】
ユーザ自身を表現および記述するためにユーザによって作成されるユーザデータの収集であるプロファイルもまた提供され得る。しかし、ユーザはユーザのプロファイルを隠すかまたはプロファイルに対するアクセスを制限することが許可され得る。プロファイルはネットワークの範囲内のユーザを識別するために使用される。システム100は、マルチメディアプロファイルならびに一定の通信の間のプロファイルの「反対のルックアップ(reverse lookup)」をサポートし得る。すなわち、(たとえば)メッセージの受信者は、送信者からのメッセージを受け入れる前に、メッセージの送信者のプロファイルをレビューすることができるという意味である。プロファイルはユーザの公開プロファイルである。
【0049】
変化する信頼度は、異なる社会的なつながりに起因し得る。たとえば、最大の信頼度は、友人のリストのメンバー間で示され得る。この変化する信頼、および/または他のユーザのプリファランスは、システム100がユーザに配信されることを可能にするソーシャルネットワークに参加するための送信勧誘の種類をフィルターにかけるために使用され得る。たとえば、システム100は、たとえば配布リストまたはサブジェクトタグ(eメール用のSPAMブロッキングと同様)の属性に基づいてメッセージが好ましくないと決定されない場合は、パーティ送信勧誘がユーザに配信されることを許可する。
【0050】
システム100は、ソーシャルプロトコルを作成するプロセスを自動化する。システム上の各メッセージは、メタタグがつけられ、格納され(ユーザがそれを削除しない場合)、後日の使用のために検索可能であるので、システム100はネットワーク内に生ずる任意のソーシャルタイ(social tie)を追跡することができる。この能力は、メッセージフラグメント間のリンク、およびメッセージがどのようにアクセスされるかのみに適用され得るものであり、メッセージの内容には適用され得ないことに留意することは重要である。
【0051】
本発明の別の側面において、マルチメディアメッセージのモバイル装置への配信を容易にするシステムおよび方法が提供される。たとえば、XMLベースのマルチメディアメッセージは、送信者によるXML符号化の量および受信者によるXML符号化の量の両方を削減するXML「ショートコード」を用いて符号化され得るものであり、これはメッセージを受信者に通信するために必要とされる。別の実施形態において、たとえば通信ネットワークの帯域幅および/または待ち時間、および/またはモバイル装置の処理能力および/または格納能力に依存して、ドキュメントの一部のみが所定の(give)時間においてモバイル(または非モバイル)装置に通信され得る。さらに別の実施形態において、メッセージのテキスト部分が装置に通信されるのと同時に、メッセージの非テキストマルチメディアは、インラインASCII符号化バイナリーアセットとしてモバイル装置に通信され得る。別の実施形態において、モバイル装置108およびサーバ102が装置またはサーバが状態の変化を経験するときのみに通信をする「レイジーな」プッシュおよび/またはプル通知プロトコルを通して、モバイルユーザ108はサーバ102と通信し得る。さらに別の実施形態において、モバイル装置108は、単一のリクエストにおいて複数のサーバインタフェース104に対する情報のために複数の呼び出しを行ない得る。別の実施形態において、サーバ102は、(たとえばニュース供給を提供する)シンジケートされたコンテンツサーバと一つ以上のモバイル装置108との間の媒介として機能し得る。これは、コンテンツ格納の重複を回避し得、ネットワークトラフィックを低減し得る。以下にこれらの特徴をより詳細に記述する。
【0052】
(短縮された符号化−XMLショートコード)
本発明の実施形態は、特にワイヤレスネットワークにわたって、XMLベースのドキュメントをより効率的に送信する方法を提供する。送信のサイズを低減することは、すべての通信方法にとっての目標である一方で、低い帯域幅および高いオーバヘッドによって効率性が影響を受ける携帯電話などの資源の限定された装置に関する主要な懸念である。本発明は、追加の符号化ソフトウェアを必要とすることなく、ドキュメントサイズを低減させることにより、送信サイズを低減させ、ドキュメントの符号化および復号化の計算負担を排除する。
【0053】
既存のメッセージングシステムは、ネットワークにわたるより効率的な送信のためにデータを符号化するための2つの方法に頼る。これらの方法は、バイナリー符号化および圧縮である。両方のアプローチは、符号化された送信を解釈するために必要とされるオーバヘッドに関して効率性の影響を有する。
【0054】
バイナリー形式でファイルを符号化するWBXML(ワイヤレスバイナリーXML)などのバイナリー符号化方法。バイナリー符号化の欠点は、符号化および復号化、および符号化/復号化ソフトウェアのための追加のメモリに関連する、ユーザ機器およびマルチメディアサーバの両方におけるオーバヘッドを処理することを含む。
【0055】
データ圧縮は、ドキュメントを格納および送信するために必要とされるオーバヘッドおよびネットワーク帯域幅を低減するための他の従来のアプローチである。バイナリー符号化と同様に、データ圧縮は解釈を必要とすることによって、各装置上に圧縮/解凍ソフトウェアを必要とし、ならびに圧縮/解凍に起因する送信/レンダリングのプロセスに待ち時間を導入する。
【0056】
一実施形態において、本発明は、再利用可能なマーク付け言語を特定し、その言語のためのショートコードで代替することによって、XML符号化についての必要性を排除する第3の解決法を提供する。たいていの場合、これはバイナリー符号化およびデータ圧縮よりも効率的である。本発明は、ドキュメントサイズを削減し、ネットワーク帯域幅を節約し、追加のソフトウェアを必要としないことによって、装置上のメモリを節約し、オーバヘッド処理を排除する。システム100がnml(ネトマティックマーク付け言語)(netomatic markup language)ベースのドキュメントを送信する好ましい一実施形態において、ショートコードは(nml)ショートコードである。nmlは、上記の援用されている米国特許出願公開第20020178164号に記載されたXML準拠言語である。
【0057】
一つのnmlショートコードは、一つまたは多くのnmlコード要素を表す。ショートコードは、nml要素の基礎をなす構造を、単一のコード要素へと崩壊させる(collapse)。ショートコードは、任意のnmlツリー/サブツリーについて代替されることができる。アプリケーションがnml要素のデフォルト値を認識する場合、およびこれらの値がnmlアプリケーションのライフサイクルの間に一定に留まる場合、ショートコードは挿入される。ショートコードは、追加の前前処理なしに複雑なドキュメントがより効率的に処理されることを可能にする既存の構文解析系およびインタプリタによって処理される。
【0058】
たとえば、nml<toolbar>要素は、nmlアプリケーションのユーザインタフェースを定義する要素および属性を含む。すなわち、レイアウト、ルックアンドフィール、および機能などの属性である。子供の要素および属性を有する<toolbar>定義の例を以下に示す。
<toolbar type=“all”>
<formContainer name=“AddImage” id=“003”>
<submit action“http://mobile.netomat.net/account/addImage.jsp
“target=“ImageForm”method=“GET” id=“01” name=“Add Image”>
</submit>
</formContainer>
</toolbar>
たとえば、上記のコーディングについてのツリー構造は、以下のように表現され得る。
【0059】
【化1】

したがって、毎回ユーザインタフェースが必要とされるたびに(上記のツリーによって図示されるような)この構造の全体の<toolbar>定義を送信するのではなく、ショートコードが送信される。
【0060】
この場合に使用されるショートコードは以下のようであり得る。
<toolbar type=“all”/>
<toolbar>ショートコードは、レイアウト、ルックアンドフィール、および機能を定義する属性を隠す。ツールバー要素の最初の送信において「type=all」の属性値を提供することによって、その要素に属するサブツリーはショートコードに適格であるとしてマークされる。この次にアプリケーションが上記におけるような「type=all」の属性を有する<toolbar>要素を受信するとき、アプリケーションは<toolbar>をショートコードとして認識する。
【0061】
別の例において、画像のシーケンスを生成するために、以下のサンプルコードに示すようにショートコード「<slideshow>」が使用され得る。画面に対して画像のシーケンスをどのようにレンダーするかは、クライアントアプリケーションに委ねられ得ることに留意すべきである。たとえば、一つの画像を次の画像で置き換えることによって画像はプレロードおよび循環させられ得るか、またはアイテムが一旦選択されると画像はスクロール可能な領域において連続して表示され得る。
【0062】
【化2】

したがって、繰り返される符合は識別用属性によってマークされ、冗長符号は次の通信において再送信されない。このアプローチを使用すると、メッセージ交換の大きなチャンクはショートコードであることができ、ネットワークにわたって送信されるファイルのサイズを効率的に低減させる。場合によっては、所定のショートコードを通したメッセージ交換の前に、ショートコードは示されることができる。クライアントアプリケーションがショートコードを認識しない場合、クライアントアプリケーションはメッセージをサーバ102に送信することができるので、繰り返される符合は全体として送信されることになる。
【0063】
(マルチメディアメッセージおよび任意の長さのメッセージスレッドの配信)
別の実施形態において、本発明は、帯域幅および高い待ち時間を限定された記憶装置を有する装置に限定してきたネットワークにわたって大きなファイルおよび任意の長さのメッセージを配信することに関連する問題を排除する。たとえば、XMLフラグメントをドキュメントに組み立てるためのXMLフラグメント仕様などのより複雑なアプローチの代わりになるものとして、XMLおよびより具体的にXML準拠言語であるnmlは、「チャンク可能な」ドキュメントを作成するための単純な解決法を提供する。
【0064】
nmlを用いれば、ドキュメントに関するサイズの制限はない。nmlフラグメントは、チャンクにおけるドキュメントを配信するための柔軟性を提供する。すなわち、完全なドキュメントとは対照的に、データチャンクはより大きなドキュメントに属する。
【0065】
フラグメントはドキュメントの一部であり、たとえば限定された記憶装置および処理能力を有し得るモバイル装置108に配信されることができるほど十分に小さい。一度に配信されるフラグメントの数は、ネットワークスループットおよび装置能力に基づき得る。システム100は、ネットワークにわたって次のフラグメントをロードし得るので、ドキュメントが局所的にスクロールされているという外観を与える。
【0066】
一実施形態において、本発明は、ネットワーク帯域幅および装置108に基づいて、必要に応じて1〜n個のフラグメントを配信する能力を提供する。送信されることができるフラグメントの数には上限がない。送信されるフラグメントのデフォルト数は、ユーザプリファランスとして動的に無効にされることができる。
【0067】
nmlフラグメントは、ゼロまたは多くのnmlオブジェクト(要素)を含むことができる。nmlオブジェクトは、時間および空間におけるオブジェクトとして定義される。すなわち、nmlオブジェクトは、作者、最後に変更された日付/時間のスタンプ、および利用可能な場合はその地理的場所として定義される属性(前述のメタ情報)を含むという意味である。nmlフラグメントは、図4に示される。
【0068】
このメタ情報は、nmlオブジェクトを「自己認識」させる。すなわち、ドキュメントを再組み立てするために必要とされる情報は、フラグメント自身の範囲内に含まれるという意味である。フラグメントは、フラグメントの外部の規則または知識を必要としない。この自己認識に基づいて、任意の2つのnmlフラグメントが分類されることができる。
【0069】
(インライン圧縮ASCII符号化バイナリーアセット)
モバイルネットワークが拡大するにつれて、小さな画面によって特徴づけられ、信頼性のないネットワーク接続性および低い帯域幅になりやすい装置に対して、フォーマットされたマルチメディアプレゼンテーションを配信する、より速く、より効率的で、ユーザフレンドリな方法に対するニーズも拡大する。モバイルおよび固定ネットワークにわたるメッセージにおいてマルチメディアを交換する既存の方法は、本発明と比較すると、指数関数的に高い数のクライアント/サーバの呼び出し/応答を必要とする。したがって、ネットワークにより高い要求を課し、送信セッションをネットワーク障害にさらし、ユーザをより長い待ち時間にさらす。
【0070】
電話ブラウザ(phone browser)などの従来のモバイルアプリケーションは、画像を含むHTMLまたはXHTMLなどのマルチメディアファイルをロードするために以下のステップを必要とする。最初に、HTMLファイルについてのユーザからのリクエストに応じて、HTMLファイルがロードされなければならない。次に、HTMLファイルにおける各埋め込み画像がロードされなければならない。ここで、各埋め込み画像は別々のユーザリクエストを必要とする。MMSおよび他のメッセージングシステムによって同様の戦略が採用される。一つ以上の呼び出しがサーバによって受信されないことに起因して、またはモバイル装置によって受信されたコンテンツにおける送信エラーに起因して、情報についての複数の呼び出しが結果としてエラーになり得る。
【0071】
一実施形態において、従来のシステムとは異なり、システム100は、複数の呼び出しを排除し、メッセージサイズを低減することによって、マルチメディアコンテンツをモバイル装置108に効率的に配信する。特に、モバイル装置108からの単一の呼び出しは、サーバ102に、ASCII符号化されたおよび圧縮された(たとえばサーバ102によって圧縮され符号化された)マルチメディアアセットを含むnmlファイルを送信させる。圧縮されると、ASCII符号化されて圧縮されたファイルは12パーセント〜30パーセント小さい。すべてのTCP/IP接続のために必要とされるオーバヘッドを低減することにより(すなわち呼び出し/応答の数を低減させることにより)、追加の10パーセントの利点が達成される。一つのメッセージに複数のアセットを含むメッセージを配信する能力は、結果としてより速い配信になり、著しく改善されたユーザ経験を実現させる。システム100はモバイル環境に比類なく適切である。システム100は、サーバが応答しなければならない呼び出しの回数を限定することによって、サーバ102の資源をも保護する。たとえば、図5はモバイル装置の表示画面のスクリーンショットであり、ここでは、サーバ102(図1)への単一の呼び出しに応答して、7つの画像502〜514(および関連テキスト)がモバイル装置に送信される。
【0072】
図6は、インライン圧縮ASCII符号化バイナリーアセットとしての5つの画像(サイズは合計50k)を含むコンテンツを、マルチメディアクライアントアプリケーションがインストールされた(さらにメッセージがnmlメッセージである)モバイル装置に配信するために必要とされる配信時間に対して、同じコンテンツを(ASCII符号化バイナリーアセットのインライン圧縮を用いない)モバイル装置のHTMLブラウザに送信するために必要とされる配信時間を示すグラフである。より詳しくは、28.8kbpsラインにわたる配信について、圧縮ASCII符号化バイナリーアセットは48.4秒で配信されたのに対して、HTMLブラウザへの同じコンテンツの送信は66.5秒を必要とした。
【0073】
以下は、3つの画像を含むnmlファイルについての説明的なコードを示す。この例において、インラインメッセージは、LZ77アルゴリズムおよびHuffman符号化の組み合わせを含む標準的なデータ圧縮アルゴリズムを用いて圧縮され、Base64として符号化される。インライン画像(たとえば1272バイト)は、JPG形式におけるもともとの画像(たとえば1564バイト)よりも小さい。
【0074】
【化3】

【0075】
【化4】

【0076】
【化5】

【0077】
【化6】

以下は、3つの画像への参照を含むHTMLファイルについての説明的なコードを示す。各画像のサイズは1564バイトであり、サーバへの別々の呼び出しを必要とする。したがって、このドキュメントを表示するためには、サーバへの4つの呼び出しが必要とされる(すなわち、テキストをリクエストするための一つと、各画像についてひとつずつで3つの追加リクエストである)。
【0078】
【化7】

(1バイト「レイジーな」プッシュまたはプル通知)
モバイル装置の使用の拡大は、モバイルおよび固定ネットワークにわたってインプリメントされるメッセージングシステムに対する需要をますます増加させ続ける。現在のネットワークは、帯域幅および接続信頼性の点で著しい限界を有しており、そのことはしばしば結果として失われたまたは損なわれたメッセージとなる。現在のメッセージングシステムは、帯域幅およびネットワーク信頼性に起因する問題に直面している。
【0079】
一実施形態において、本発明は、メッセージの交換において必要とされるネットワークトラフィックの量を最小限にすることによって、モバイルおよび固定ネットワークのためにより速くより柔軟なメッセージングシステムを提供する。本発明は、ユーザが自分の装置にダウンロードする情報をユーザが選択することを可能にする一方で、帯域幅および記憶装置などのネットワーク資源および装置資源を最大限にする。
【0080】
具体的には、本発明はメッセージおよびデータの交換を制御する通知方法に関する。本発明は、ユーザ状態、アップデート、メッセージ、および/または他の情報を集約する(consolidate)配信メカニズム(たとえば1バイト配信メカニズム)を提供する。1バイト通知は、装置状態情報を、装置とサーバ102との間のコンテンツおよびメッセージの配信を制御する情報とひとまとめにすることによって、ネットワークトラフィックを最小限にする。対照的に、従来のメッセージングシステムは、装置における変化の信号を送るためと、データにおける変化の信号を送るために、別々の通知を必要とする。従来のメッセージングシステムにおいては、1バイト通知方法とは対照的に、トラフィックは1キロバイトにおいて測定される。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態に従った1バイト通知のフローダイヤグラムを示す。ステージAにおいて、ユーザ機器は、サーバに命令(たとえばエンドユーザによって定義された命令)を送信し、たとえばドキュメントがいつ変更またはアップデートされるかをユーザ機器に通知されるべきこと(たとえばシンジケートされたコンテンツに対するアップデートがいつ利用可能であるか、またはユーザが参加するドキュメントに対してユーザがいつ応答を持続したかなど)を指定する。ユーザ機器は、アップデートが利用可能である場合、アップデートの1バイト通知、アップデートの要約、または実際のアップデート自身
を受信することになるかどうかをも指定する。ステージBにおいて、サーバは命令を受信する。ステージCにおいて、グローバルファイルシステム(および存在インタフェースなどの他の機器)は、ユーザのプリファランスに関係するアップデートを含むアップデートをサーバに提供する。ステージDにおいて、ユーザのプリファランスに基づいて、サーバはユーザ機器に対して、ユーザに対するアップデートの1バイト通知(警告)、アップデートの要約、または実際のアップデート自身のいずれかを「プッシュ」し、ステージEにおいてユーザはそれを受信する。警告または要約について、エンドユーザはステージFにおいてアップデートを無視またはダウンロードすることを選択することができる。アップデートをダウンロードするリクエストに応答して、サーバはステージGにおいてユーザ機器に対してプッシュし、ユーザ機器はステージHにおいてコンテンツを受信する。別の実施形態において、ユーザ機器は「プル」通知の手順を実行し得る。その手順において、ユーザ機器は、たとえばサーバからアップデートをリクエストするために「n」秒ごとにサーバに照会する(たとえばユーザ機器の状態についてサーバに警告することに加えて)。
【0082】
本発明に従った1バイト通知は、種々の形態を取り得る。たとえば、一実施形態において、Y、N、S、またはPなどの一つのASCII文字を格納するために、8ビット(1バイト)通知が使用され得る。ここで、各文字は、特定のコンテンツ(たとえばシンジケートされたコンテンツのみに関する通知など)の通知(またはリクエスト)または任意の/すべてのアップデートコンテンツ(たとえばアップデートの種類を指定することなくアップデートが利用可能であるという通知を表す「Y」文字)を表し得る。別の実施形態において、存在についての状態情報(たとえば利用可能または使用中)を表す0〜99、ドキュメントについての状態情報を表す100〜199、およびエラーコードを表す200〜255などの特定の情報を表す状態コードを表すために、8ビットが使用され得る。別の実施形態において、ドキュメントの満了日における変化などの変化の種類(たとえば4ビット)、ならびに変更が緊急であるかまたは変更の確認あるいは他のアクションが必要とされるという指示などの変化(4ビット)に関連する属性を定義するために8ビットが使用されることができる。
【0083】
(サーバインタフェースの動的連結)
サーバへのリクエストは、サーバがリクエストを読むことと応答をフォーマットすることができるように、適切にフォーマットされなければならない。クライアントアプリケーションがインストールされたモバイル装置108は、単一の呼び出しを使用して種々のサーバインタフェース104から情報をリクエストすることができる。別の実施形態において、サーバは、そのような連結された呼び出しを送信するオプションを有するクライアントレス装置を提供することができる。CGI(Common Gateway Interface)およびHTTPなどの従来の方法を用いると、そのようなリクエストは、各インタフェースについて一つの、複数の呼び出しに分離させられる。対照的に、本発明に従ったクライアントアプリケーションは、たとえば存在インタフェースおよびユーザ検索用インタフェースの両方から情報をリクエストする呼び出しを生成し得る。単一の呼び出しは一連の従来のHTTP呼び出しを含み、そのそれぞれはサーバにHTTP呼び出しを同時に処理させるように変更された引き数を有する。本発明は、より効率的な方法において標準およびプロトコル(HTTP)を使用する。サーバは、リクエストされたコンテンツのすべてを、リクエストする装置に送信する単一の応答に集約することができる。
【0084】
HTTPは、データをサーバに書き込む(post)HTTPPOST、および応答をリクエストするHTTPGETなどの、いくつかの有用なクライアント/サーバ呼び出しを提供する。複雑なシステムは、より複雑なリクエストを送信するために効率的な方法を必要とする。ウェブアプリケーションは、通常いくつかのHTTPPOSTリクエストおよびHTTPGETリクエストから成る。たとえば、一つのHTTPPOSTリクエストはユーザデータをサーバに提出するために使用されることができ、もう一つのHTTPPOSTリクエストは任意のユーザを登録するユーザであることができる。
【0085】
そのようなリクエストを送信するために、クライアントアプリケーションは、各インタフェース104に別々のリクエストを送信するのではなく、異なるリクエストおよび応答を自動的に連結する。インタフェースは、クライアントおよびサーバが情報を交換できるようにクライアントとサーバとの間に接続が作られる点である。各インタフェースは階層の一部であり、階層においてインタフェースはより上位のインタフェースの特性を引き継ぐ。これらのインタフェースは単一のリクエストの間により多くの情報をサーバに渡すことができるので、この継承は、複数のインタフェースの機能を組み合わせることによって、サーバインタフェース104の能力を拡張する。たとえば、サーバ102に対する単一のリクエストにおいて、ユーザ状態および新しいユーザデータを受け取る。
【0086】
たとえば、図8は、本発明の実施形態に従ったサーバインタフェースの動的連結を示す。示されるように、第1のモバイル装置は、サーバ102に対する単一の統合された呼び出しにおいて、存在、バージョニング、および通知のインタフェースにアクセスし得る。第2のモバイル装置は、サーバ102のインタフェースに対して、別々の連続した呼び出しを実行し得る。非モバイル装置は、定期購読および検索のインタフェースに対する単一の統合された呼び出しと、アセット管理インタフェースに対する別の呼び出しとを実行し得る。
【0087】
別の例として、システム100における存在は、ドキュメントと密接に結合される。一人の人間は、特定のドキュメントまたはドキュメントの収集の範囲内において、グローバルな存在を有すること、および存在することの両方ができる。存在を有するネトマットドキュメントは、ライブの(live)共働環境になる。図1と関連して記述されたように、存在インタフェース(PI)は、ユーザの存在および利用可能性を担う。通知インタフェース(NI)は、ユーザのスペースおよびユーザが参加するスペースへのアップデートをユーザに通知することを担う。ユーザ通知は、PULLまたはPUSHメカニズムにいずれかを使用することができる。コンタクトリストは、送信勧誘、定期購読、および通知のインタフェースを通して自動的に作成および管理される。PIインタフェースは、以下の構造を有し得る。
【0088】
【化8】

NIインタフェースは、以下の構造を有し得る。
【0089】
【化9】

以下は、連結された存在および通知のインタフェースとともに、コモンゲートウェイインタフェース(Common Gateway Interface)を使用した、サンプルのHTTPGETリクエストおよびサーバ応答である。通知インタフェースは、存在インタフェースから受け継ぎ、ドキュメントリスナー(DocumentListner)インタフェースをインプリメントする。
【0090】
【化10】

【0091】
【化11】

サーバ応答は、最後の変更されたストリングならびにドキュメントに束縛された存在情報の両方を返す。「br」は、ユーザがブラウザを使用していることを示す。
【0092】
(配信されたコンテンツシンジケーション対媒介サーバ)
コンテンツシンジケーションは、コンテンツ消費者がコンテンツ生産者の供給を定期購読することを可能にする技術を参照する。クライアント/サーバ環境においてシンジケートされたコンテンツを配信するための多くのフォーマットがあり、RSS(Really Simple Syndication)およびICE(Information and Content Exchange)を含む。これらのフォーマットは、同様の方法で定期購読者にコンテンツを配信し、それによってコンテンツはすべてのユーザのためにコンテンツサーバからダウンロードされなければならない。コンテンツ定期購読者の膨大な数を考慮すると、この配信方法は、通信ネットワークに多大な負荷をかけ、ボトルネックを生じ、記憶装置のための要求を増加させる。
【0093】
一実施形態において、本発明は、ネットワークトラフィックを最小限にし、コンテンツの重複を排除し、スケーラブルなコンテンツ共有メカニズムを提供する方法で、シンジケートされたコンテンツを無数のユーザに容易に配信する方法を提供する。
【0094】
本発明は、従来のアプローチと区別される方法で、シンジケートされたコンテンツの配信をインプリメントする。第一に、シンジケートされたコンテンツサーバからのすべての新しいニュース供給は、装置108に対するアップデートのスケジューリングおよび配信のための媒介として作用するサーバ102に集約される。図9は、定期購読シナリオを図示する。すべての供給をサーバ102に集約することによって、定期購読者はもともとの供給からデカップルされ(decoupled)、それによって同時のダウンロードリクエストによって生じ得るボトルネックを排除する。サーバ102はトラフィックを制御し、装置108を過剰なネットワークトラフィックおよびボトルネックから絶縁する。
【0095】
第二に、シンジケートされたコンテンツは、サーバ102に留まり、そこで要求側装置によって共有され、ネットワークトラフィック、潜在的なボトルネック、および記憶装置要求をさらに低減させる。サーバ102は、一つ以上のシンジケーションサーバからコンテンツを定期的にダウンロードし、シンジケートされたコンテンツを定期購読するクライアントアプリケーションによって装置108に警告する。クライアントはアップデートを選択的にリクエストでき、サーバはクライアントへの配信のためにアップデートを最適化する。クライアントがコンテンツをリクエストする場合、サーバ102は、コンテンツへの参照(リンク)をクライアントのネトマットスペース(たとえばシンジケートされたコンテンツに関連するドキュメントに対するフラグメントとして)にコピーするが、実際のコンテンツをサーバ上に残す。
【0096】
さらに、一人のユーザは、シンジケートされたコンテンツを他のユーザと容易に共有できる。たとえば、ユーザがシンジケートされたコンテンツを選択すると、コンテンツはメッセージフローの中に挿入されて他のユーザと共有される。したがって、(たとえば)ニュース供給は、追加の転送メカニズムを用いることなく、進行中の会話の中に動的に挿入されることができ、ただちに他のユーザと共有されることができる。ユーザは、任意の他のユーザがシンジケートされたコンテンツ供給を共有するように送信勧誘することができる。図10は、コンテンツがどのように共有されるかを図示する。送信勧誘された人は、ニュース供給への次のアップデートが通知され、アップデートは無視またはダウンロードされ得る。
【0097】
ユーザはグループの範囲内でコメントを書き込む(post)ことができる。それによって、会話の開始、および/または共働ドキュメントの形成をする。定期購読される供給をグループのメンバーが受信すると、グループのすべてのメンバーも供給の通知を受信する。個々のグループメンバーは供給を受信または無視することを選択し得、グループの社会的性質をさらに強化する。コンテンツ配信およびコンテンツのメッセージへの自動的挿入に関連する低いオーバヘッドに起因して、グループはたとえばほぼ数百万程度の人々を容易に収容することができる。
【0098】
本発明の別の側面において、モバイルメッセージングに関してモバイルユーザの能力を増強する種々の機能が提供される。この機能は、モバイル装置上で稼動するクライアントアプリケーションによって少なくとも部分的に提供され得る。たとえば、そのようなクライアントは、エンドユーザによる購入時に、インターネットからダウンロードされてモバイル装置にインストールされ得るか、またはモバイル装置上のメモリに常駐し得る。別の例において、メッセージング機能は、専用クライアントアプリケーション以外の資源(たとえばブラウザおよび/またはメディアプレイヤー)によるクライアントレスアプローチにおいて提供され得る。一実施形態において、たとえば、ドキュメントがレビュー用に利用可能であるか、ドキュメントは変化したか、誰がドキュメントに対するアクセスまたは作業をしているか、および/またはドキュメントが最後にアップデートされたのはいつかを示す、ドキュメントレベルの存在情報が提供され得る。別の実施形態において、ユーザがメッセージおよびメッセージスレッドを記録、再生、および編集することを可能にする機能が提供され得る。たとえば、ユーザは、遠隔サイトに格納されたメッセージをそのコンテンツについて格納されたメタ情報に基づいて検索するオプションを提示され得る。別の実施形態において、指定された日付、時間、および/または地理的場所についてのメッセージの配信をスケジューリングするために、および/またはユーザがメッセージを受信するときにユーザ(およびゼロ以上の他のユーザ)と接続するために、現在オフラインであるユーザに対してメッセージを送信するための「プッシュトゥメッセージ」機能が提供され得る。以下にこれらの特徴をさらに詳細に記述する。
【0099】
(ネットワーク、存在、および場所を認識するドキュメント)
存在は、通信ネットワークにおけるユーザのオンラインまたはオフライン状態として典型的に理解される。従来の存在の例は、AOLのインスタントメッセージングシステムおよび「バディーリスト」などのインスタントメッセージングであって、サーバは、ユーザがオンラインまたはオフラインであるかを認識しており、使用中、不在、タイプ中、およびアイドルなどのより細分な存在の状態を追跡することもできる。このシステムにおいて、焦点はユーザに当てられる。
【0100】
一実施形態において、本発明は、ドキュメントレベルの存在と呼ばれる新しい種類の存在を導入する。ユーザに関する存在情報に対する代替または追加として、本発明は、システム100のユーザがドキュメントを位置付けることおよびドキュメントについて共働することを可能にする。ドキュメント存在は、ドキュメントの状態、場所、およびネットワークアウェアネス(network awareness)に関して、有意義な情報をユーザに提供する。適切な許可を有するユーザは、ドキュメントがレビュー用に利用可能か、ドキュメントが変化したか、誰が所定のドキュメントに対してアクセスまたは作業をしているか、誰がオンライン会話(メッセージスレッド)内に存在しているか、およびドキュメントが最後にアップデートされたのはいつか、を理解することができる。
【0101】
上述のように、サーバ102に知られ、ユーザによって照会されることのできる、作者、場所、および日時スタンプなどのメタ情報を、nmlドキュメントは含み得る。ドキュメント存在は、たとえばドキュメントの信号を送ること、および異なる参加者によってなされる増分変化を管理することなどの共働環境において重要である。グローバルポジショニングシステム(GPS)データによって提示されるような場所アウェアネスは、ドキュメントがどこで作成されたかに関する情報を提供する。ネットワークアウェアネスは、ドキュメントオブジェクトに、それらがどこに発送され(shipped)つつあるか、およびドキュメント存在の状態に基づいて、調整する能力を与える。すなわち、ドキュメントは、ネットワーク状態によって決定されるような一つ以上のフラグメントを配信または添付することができる。たとえば、モバイル装置上にインストールされたクライアントアプリケーションが、(たとえばネットワーク帯域幅に基づいて)クライアントがデータパケットを落とすかまたは落としそうであると判断する場合、クライアントはサーバに対して、所定の時間においてより少ないフラグメントを送信するようにリクエストし得る。クライアントレスアプリケーションについては、サーバは、所定の時間においてデフォルト数のフラグメント(たとえば1フラグメント)を送信し得る。
【0102】
ドキュメントの任意の部分が作業中である場合、システムはドキュメントの存在および場所を知っている。その情報は、許可を有するユーザによって照会されることができる。たとえば、ユーザは、特定の時間においてコンテンツを誰が見て誰が変更したかを照会することができる。ドキュメントは、時間および空間における自己管理オブジェクトである。ドキュメントレベルの存在は、何がドキュメントを構成するか、およびドキュメントがどのように処理されるかについて、細分性のもう一つのレベルを追加する。
【0103】
(メッセージおよびメッセージスレッドの記録機能および再生機能)
ウェブサイト、写真、およびストリーミングメディアファイルなどの従来のマルチメディアは、ユーザが送信されたドキュメントを編集することを可能にせず、所望の情報のフィルタリングまたは識別のため、および再生のための、限定されたオプションを可能にするのみである。
【0104】
再生、すなわちドキュメントにおける情報が現れる動画化されたシーケンスは、メッセージングスレッドおよび掲示板などの時間ベースでないメディアとは対照的に、秒あたりのフレームにおいて表示するビデオまたはスピーチなどの時間ベースのメディアにとって、より重要な問題として通常理解される。しかし、アクセス情報および注文情報は、時間ベースのメディアおよび時間ベースでないメディアの両方にとって重要である。
【0105】
一実施形態において、本発明は、任意のメッセージ交換または共働が選択的に記録されて選択的に再生されることを可能にする。本発明は、検索機能および選択機能を提供するので、ユーザは所望の再生情報を位置付けることおよび選択することができる。たとえば、本明細書に記述されているようにメディアのフラグメントがサーバ102によってメモリ106に対して存続させられた順番を定義するメタ情報に基づいて、ユーザはドキュメント全体を始めから終わりまで再生し得る。別の例として、ドキュメントの任意の点において発生し得るユーザ編集に基づいて、再生の順番は、変更、停止、および開始されることができる。
【0106】
選択的な記録/再生機能は、ドキュメントの根底にある構造、すなわちフラグメントの収集に起因して可能である。記録された会話は、小さなサイズのフラグメントの収集から成り、フラグメントのそれぞれはメタ情報として自動的にタグつけされている。フラグメントに組み込まれているメタ情報ならびに所定の設定にフィルターを適用することによって、メッセージ交換は選択的に記録されることができる(たとえば、所定の作者によって、特定の日付において、特定の場所において、および/または特定の時間の間に生成されたフラグメントのみを再生すること)。
【0107】
再生機能は、定義された順番でフラグメントをロードおよび表示することによって可能にされる。再生の順番およびコンテンツは、異なるフィルターおよび分類アルゴリズムをメッセージに適用することによって、リアルタイムで定義および再定義されることができる。それによって、ドキュメントの範囲内のどこからでも再生が始まることを可能にする。
【0108】
(プッシュトゥメッセージ機能)
プッシュトゥメッセージ機能は、以下のように提供され得る。
【0109】
警告およびメッセージ(Alert−and−message)は、ユーザがオフラインであるときに、ネトマットユーザが他のネトマットユーザにインスタントメッセージを送信することを可能にする。ユーザがオフラインである場合、ユーザのモバイル装置上のネトマットアプリケーションが自動的に起動し、メッセージのユーザに警告する。現在のモバイルメッセージングシステムは、プッシュレジストリ(push registry)機能を使用することによって、装置上のアプリケーションを「目覚めさせる」することができる。同様に、技術革新は、ネトマットアプリケーションを「目覚めさせる」こと、または後日の配信のためにメッセージをシステム上にロードすることができる。アプリケーションを目覚めさせることは、任意の時間についてスケジュールされることができる。たとえば、ただちに、2時間以内に、または2ヶ月以内に。警告およびメッセージのメタ情報は、ネットワーク機能であるのではなく、ドキュメント自身の中に組み込まれる。このことは、この情報を検索可能にし、配信問題に対してより脆弱ではなくする。
【0110】
配信するスケジュール(Schedule−to−deliver)は、ネトマットユーザがメッセージ配信についての時間および地理的場所を指定することを可能にする。たとえば、ネトマットユーザは、「2010年10月1日」などの特定の日付において、および「シカゴのオヘア空港」などの特定の場所において他のネトマットユーザに配信されるメッセージを作成することができる。ユーザは、設定された時間においてメッセージが削除されるようにスケジュールすることもできる。配信するスケジュールのメタ情報は、ネットワーク機能であるのではなく、ドキュメント自身に組み込まれる。これは、この情報を検索可能にし、配信問題に対してより脆弱ではなくする。
【0111】
配信時接続(Connect−on−delivery)は、ユーザおよび他の選択されたユーザが受信側ユーザに接続することを可能にし、このときメッセージは首尾よく配信される。たとえば、ネトマットユーザは、誕生日において祝辞を述べる別のユーザにメッセージを送信し得る。誕生日ユーザがメッセージを受け入れると、誕生日ユーザに祝辞を述べるために数人の他のユーザが同時に接続される。配信時接続のメタ情報は、ネットワーク機能であるのではなく、ドキュメント自身に組み込まれる。これは、この情報を検索可能にし、配信問題に対してより脆弱ではなくする。
【0112】
このようにして、モバイル装置を用いたマルチメディアメッセージングのために方法およびシステムが提供されることが理解される。本明細書において特定の実施形態が詳細に開示されたが、説明の目的のみのための例示を目的としてなされたものであり、以下の添付の特許請求の範囲について限定するように意図されるものではない。特に、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の置換え、変更、および修正がなされ得ることは、本発明者によって予期される。他の側面、利点、および修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあると考えられる。提示される特許請求の範囲は、本明細書に開示される本発明を代表するものである。他の、特許請求の範囲でない発明もまた予期される。本発明者は、後の特許請求の範囲において、そのような発明を追求する権利を保留する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従ったマルチメディアメッセージングシステムの図である。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態に従った非モバイル装置上で稼動するマルチメディアクライアントアプリケーションによって提供される説明的な表示のスクリーンショットであり、サーバによってメモリに存続させられるドキュメントが表示される。
【図2B】図2Bは、本発明の一実施形態に従ったモバイル装置上で稼動するマルチメディアコンテンツアプリケーションによって表示されるような、図2Aに示されるものと同じドキュメントのスクリーンショットである。
【図3】図3は、本発明に従ったメッセージングメディアに関わる説明的な段階のフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従ったドキュメント作成時におけるメタ情報の挿入を示す。
【図5】図5は、モバイル装置の表示画面のスクリーンショットであり、マルチメディアサーバに対する単一の呼び出しに応答して、7つの画像がモバイル装置に送信される。
【図6】図6は、マルチメディアクライアントアプリケーションがインストールされたモバイル装置へのインライン圧縮ASCII符号化バイナリーアセットとしてのマルチメディアコンテンツの配信時間に対して、同じメッセージをHTMLブラウザに通信するために必要とされる配信時間との比較を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従った1バイト通知のフロー図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従ったクライアントサーバインタフェースの動的連結を示す。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に従った媒介サーバを介したコンテンツシンジケーションの配信を示す。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従った媒介サーバを介したコンテンツシンジケーションの配信を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信者と一つ以上の受信者との間でメディアをメッセージングするための方法であって、該方法は、
該一つ以上の受信者への通信のために意図されたメディアメッセージを受信することと、
該送信者および該一つ以上の受信者のユーザ機器から遠隔に該メディアメッセージをドキュメントとして格納することと、
該メディアメッセージを該一つ以上の受信者に通信することと、
該通信することの後に該遠隔格納において該ドキュメントを保持することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記送信者および前記一つ以上の受信者を前記ドキュメントにおける参加者として指定し、それによって該送信者と該一つ以上の受信者との間に関係を作り出すことをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メディアメッセージを前記受信することは、テキスト、画像、音声、およびビデオから成るメディアタイプのグループから選択される二つ以上のメディアタイプを包含するメディアメッセージを受信することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記送信者および前記一つ以上の受信者のうちの少なくとも一つの前記ユーザ機器はモバイル装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ドキュメント参加者に前記ドキュメントへのアクセスを提供することと、
該ドキュメント参加者からのリクエストに応答して、該アクセスされるドキュメントを変更すること、または該アクセスされるドキュメントからのマルチメディアコンテンツを包含する新しいドキュメントを遠隔に格納することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
能力を提供することによって第1のドキュメント参加者が応答を提出することによって前記ドキュメントに書き込むことができることと、
能力を提供することによって第2のドキュメント参加者が応答を提出することによって該ドキュメントに同時に書き込むことができることと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
所定の基準に基づいてユーザの部分集合に前記ドキュメントへのアクセス権を与えることをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記受信されたメッセージおよび前記通信されたメッセージのうちの少なくとも一つが、符号化されたツリーまたはサブツリーの符号化構造を短縮するショートコードを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ショートコードを定義することをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ドキュメント参加者からの前記ドキュメントについてのリクエストを受信することであって、該ドキュメントは複数のフラグメントを包含する、ことと、
該リクエストに応答して該ドキュメント参加者に該フラグメントの一部分のみを送信することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記メッセージを前記一つ以上の受信者に通信することは該メッセージをインライン圧縮ASCII符号化バイナリーアセットとして配信することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記メッセージを前記一つ以上の受信者に通信することは、
該メッセージを受信する前に該受信者とのアイドル通信状態を保持することと、
該メッセージを受信することに応答して該メッセージの使用可能度を示す通知を該受信者に送信することと、
該受信者からの該メッセージについてのリクエストを受信することに応答して該メッセージを該受信者に通信することと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ドキュメント参加者から前記ドキュメントに関連する情報に対するアップデートについてのリクエストを受信することをさらに包含し、該リクエストは同一の呼び出しにおいて一つ以上の追加リクエストと同時に受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
シンジケートされたコンテンツサーバからシンジケートされたコンテンツを受信することと、
前記ドキュメント参加者から遠隔に該シンジケートされたコンテンツを格納することと、
該ドキュメント参加者のうちの少なくとも一つに該シンジケートされたコンテンツを提供することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ドキュメントが変化したかどうかを示す情報および該ドキュメントに現在アクセスしているドキュメント参加者を識別する情報から成るドキュメントレベルの存在情報のグループから選択されるドキュメントレベルの存在情報をドキュメント参加者に提供することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記メッセージを(メタ情報とともに)格納する前に該メッセージに該メタ情報によってタグをつけることと、
該メタ情報に基づいてドキュメント参加者が遠隔に格納されたドキュメントを検索することを可能にすることと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
現在オフラインである別のドキュメント参加者にメッセージを送信することと、特定の日付、時間、および/または地理的場所についてのメッセージの配信をスケジュールすることと、該別のドキュメント参加者がメッセージを検索するときにリアルタイム環境において該別のドキュメント参加者に接続することと、から成る機能のグループから選択される、プッシュトゥメッセージ機能を、ドキュメント参加者に提供することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
送信者と受信者との間でメディアをメッセージングするための方法であって、該方法は、
該受信者への通信のために意図されたメディアメッセージを受信することであって、該受信者のユーザ機器はモバイル装置であり、該メディアメッセージは非テキストメディアを包含する、ことと、
該メディアメッセージを該一つ以上の受信者に通信することであって、該非テキストメディアは一つ以上のインラインASCII符号化バイナリーアセットとして該受信者に通信される、ことと
を包含する、方法。
【請求項19】
送信者と一つ以上の受信者との間のメディアのメッセージングを容易にするためのサーバであって、該サーバは、
該一つ以上の受信者への通信のために意図されたメディアメッセージを受信し、
該送信者および該一つ以上の受信者のユーザ機器から遠隔に該メディアメッセージをドキュメントとして格納し、
該メディアメッセージを該一つ以上の受信者に通信し、
該通信することの後に該遠隔格納において該ドキュメントを保持する
ように構成されている、サーバ。
【請求項20】
ローカルメモリに常駐するクライアントアプリケーションを有するユーザ機器であって、該クライアントアプリケーションは、
一つ以上の受信者への通信のために意図されたメディアメッセージを生成する能力をユーザに提供し、
該メディアメッセージをサーバに送信する
ように構成され、該メディアメッセージが該一つ以上の受信者に通信された後で該メディアメッセージは該ユーザ機器および該一つ以上の受信者のユーザ機器から遠隔に格納され該遠隔格納において保持される、ユーザ機器。
【請求項21】
コンピュータ実行可能なプログラムコードが記録されたコンピュータ読取り可能なメディアであって、該コンピュータ読取り可能なメディアは、
一つ以上の受信者への通信のために意図されたメディアメッセージを受信することと、
該メディアメッセージの送信者および該一つ以上の受信者から遠隔で該メディアメッセージをドキュメントとして格納することと、
該メディアメッセージを該一つ以上の受信者に通信することと、
該通信することの後に該ドキュメントを該遠隔格納内に保持することと
を包含する方法を実行する、コンピュータ読取り可能なメディア。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−513897(P2008−513897A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532660(P2007−532660)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/033936
【国際公開番号】WO2006/034384
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(503337704)ネトマット, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】