説明

モバイル機器用超低電圧電力供給

【課題】バッテリパックから最大限利用可能なエネルギーを効率的に利用する技術を提供する。
【解決手段】モバイルコンピューティング機器が、中央演算処理装置(CPU)と、CPUと通信するメモリと、メモリおよびCPUと通信するインターフェースと、インターフェースと通信するディスプレイとを備えている。第1の分散負荷センターが、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第1の分散負荷を含む。第2の分散負荷センターが、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第2の分散負荷を含む。第1の分散電源が、第1の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子に直接接続され、主として電力を供給する第1のバッテリを含む。第2の分散電源が、第2の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子に直接接続され、主として電力を供給する第2のバッテリを含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2005年5月31日に出願された米国仮出願第60/685,915号および2005年8月17日に出願された米国仮出願第60/708,903号の利益を主張するものである。上記出願の開示は、その全体を参照として本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、モバイルコンピューティング機器用の電力供給システムに関し、より詳細には、モバイルコンピューティング機器用の低電圧電力供給システムに関する。
【発明の背景】
【0003】
[0003]モバイルデジタルコンピューティング機器またはラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、MP3プレイヤー、ビデオレコーダ、カメラおよび/または他のモバイルコンピューティング機器等の(「モバイルコンピューティング機器」)の人気が急速に高まっている。特にラップトップコンピュータはデスクトップコンピュータと比較して高い移動性を提供する。ラップトップコンピュータは、通常直列に接続されたバッテリを含むバッテリパックにより作動する。充電間のバッテリ寿命は一つの重要な設計上の検討事項である。ラップトップの重量およびサイズも重要な設計上の検討事項である。
【0004】
[0004]半導体技術の進歩がより長いバッテリ寿命と高度なラップトップ性能の双方をもたらしている。最近のバッテリ寿命の改善にもかかわらず、ラップトップコンピュータおよび他のモバイルコンピューティング機器で用いられている従来のバッテリシステムは、バッテリパックから最大限利用可能なエネルギーを効率的には利用していない。
【0005】
[0005]顧客の好みによって、バッテリサイズおよび/または重量を増加することによるバッテリの長寿命化は一般に受け入れられない。したがって、全体的なバッテリの長寿命化のためにはバッテリ効率を上げなくてはならない。バッテリ効率の改善は通常バッテリ供給電圧を増加させることにより達成される。高いバッテリ電圧は、通常追加のバッテリを直列に接続し、および/または各バッテリの電圧を増加させることにより達成される。一般に、高いバッテリ供給電圧は動作電流を低下させ、それにより寄生分配抵抗によるI2R損失を低下させることによって効率を上げる。通常、ラップトップコンピュータは公称10.8V(最大12.6V)および公称18V(最大21V)間のバッテリ電圧を用いて動作する。例えば、直列接続された3〜5個のリチウムイオン(LiOn)バッテリのスタックをラップトップコンピュータにおける電圧源として用いることができる。
【0006】
[0006]ラップトップコンピュータおよび他のモバイルコンピューティング機器において、寄生分配抵抗によるエネルギー損失がバッテリ非効率の唯一の原因ではない。特に、高いバッテリ電圧を特定の型の半導体素子により使用するのに十分低い電圧へと変換する際の変換損失も発生する。変換損失もバッテリ非効率の重要な原因である。例えば、12Vバッテリ電圧を1Vバッテリ電圧(すなわち12:1)に変換するDC/DCコンバータは、約12〜25%の変換損失を有することもある。4Vバッテリ電圧を1Vバッテリ電圧(すなわち4:1)に変換するDC/DCコンバータは、約5〜10%の変換損失を有することもある。
【発明の概要】
【0007】
[0007]モバイルコンピューティング機器用の分散電源が、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第1の分散負荷を含む第1の分散負荷センターを備えている。第2の分散負荷センターは、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第2の分散負荷を含んでいる。第1の分散電源が、第1の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子に直接接続され、主として電力を供給する第1のバッテリを含んでいる。第2の分散電源は、第2の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子に直接接続され、主として電力を供給する第2のバッテリを含んでいる。
【0008】
[0008]他の特徴では、第1の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子が第2の分散負荷センターの第1および第2の負荷端子とそれぞれ通信する。第1および第2のバッテリはリチウムイオンバッテリを含む。バッテリパックが第1および第2のバッテリを含む。第1のバッテリパックが第1のバッテリを含み、第2のバッテリパックが第2のバッテリを含んでいる。第1の分散負荷および第2の分散負荷の少なくとも一方が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。バッテリパックが、第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部を含む。
【0009】
[0009]他の特徴では、マザーボードが第1および第2のバッテリの第1の負荷端子間ならびに第1および第2のバッテリの第2の負荷端子間の接続部を提供する。この接続部が、第1および第2のバッテリの第1の端子をマザーボードの電力配線/平面に接続する第1の金属補剛材と、第1および第2のバッテリの第2の端子をマザーボードのアース配線/平面に接続する第2の金属補剛材とを含んでいる。
【0010】
[0010]他の特徴では、第1のバッテリが第1の容量を有し、第2のバッテリが第2の容量を有する。第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有し、第1の物理的寸法の少なくとも1つが第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なる。モバイルコンピューティング機器内で、第1のバッテリパックが第2のバッテリパックから離して配置される。
【0011】
[0011]他の特徴では、第1のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第1の分散負荷センターに第2の電圧を出力する。このDC/DCコンバータは降圧コンバータおよび昇圧コンバータのいずれか一方である。第2のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第3の電圧を受け取って第2の分散負荷センターに第4の電圧を出力する。
【0012】
[0012]他の特徴では、第1のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第2の電圧を出力する。第2のDC/DCコンバータが、第1のDC/DCコンバータから第2の電圧を受け取って第1の分散負荷センターに第3の電圧を出力する。第1のDC/DCコンバータが降圧コンバータであり、第2のDC/DCコンバータが昇圧コンバータである。第2のDC/DCコンバータが1:nコンバータである。第1のバッテリおよび第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリを含む。USBバッテリが短絡回路保護デバイスを含んでいる。第1の分散負荷センターが第1の電圧で動作し、第2の分散負荷センターが第1の電圧および第2の電圧の少なくとも一方で動作する。DC/DCコンバータが4:1以下の変換比を有する。
【0013】
[0013]他の特徴では、第1の接触器が、第1のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第2の接触器が、第2のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。短絡回路検出モジュールが第1および第2の接触器の少なくとも一方と通信し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方で短絡回路を検出し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第1のDC/DCコンバータが第1の周波数で動作し、第2のDC/DCコンバータが第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する。
【0014】
[0014]他の特徴では、モバイルコンピューティング機器が、中央演算処理装置(CPU)と、CPUと通信するメモリと、メモリおよびCPUと通信するインターフェースと、インターフェースと通信するディスプレイとを備える。
【0015】
[0015]モバイルコンピューティング機器用の分散電源が、少なくとも第1の分散負荷を提供するための第1および第2の負荷端子を有する第1の分散負荷手段を備える。第2の分散負荷手段は、少なくとも第2の分散負荷を提供するための第1および第2の負荷端子を有する。電力を与える第1の分散電源手段が、第1の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子に直接接続され、電力を供給する第1のバッテリを含んでいる。電力を与える第2の分散電源手段は、第2の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子に直接接続され、主として電力を供給する第2のバッテリを含んでいる。
【0016】
[0016]他の特徴では、第1の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子が第2の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子とそれぞれ通信する。第1および第2のバッテリにはリチウムイオンバッテリが含まれる。バッテリパックが第1および第2のバッテリを含む。第1のバッテリパックが第1のバッテリを含み、第2のバッテリパックが第2のバッテリを含んでいる。第1の分散負荷および第2の分散負荷の少なくとも一方が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。バッテリパックが、第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部を含む。
【0017】
[0017]他の特徴では、マザーボード手段が第1および第2のバッテリの第1の負荷端子間ならびに第1および第2のバッテリの第2の負荷端子間の接続部を提供する。この接続部が、第1および第2のバッテリの第1の端子をマザーボード手段の電力配線/平面に接続する第1の金属接続手段を含んでいる。第2の金属接続手段が、第1および第2のバッテリの第2の端子をマザーボード手段のアース配線/平面に接続する。
【0018】
[0018]また他の特徴では、第1のバッテリが第1の容量を有し、第2のバッテリが第2の容量を有する。第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有する。第1の物理的寸法の少なくとも1つが第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なる。モバイルコンピューティング機器内で、第1のバッテリパックが第2のバッテリパックから離して配置される。第1のDC/DC変換手段が、第1のバッテリからの第1の電圧を第1の分散負荷センター用の第2の電圧に変換する。このDC/DC変換手段は、降圧コンバータおよび昇圧コンバータのいずれか一方である。第2のDC/DC変換手段が、第2のバッテリからの第3の電圧を第2の分散負荷センター用の第4の電圧に変換する。
【0019】
[0019]他の特徴では、第1のDC/DC変換手段が、第1のバッテリからの第1の電圧を第2の電圧に変換する。第2のDC/DC変換手段が、第1のDC/DC変換手段からの第2の電圧を第1の分散負荷センター用の第3の電圧に変換する。第1のDC/DC変換手段が降圧コンバータであり、第2のDC/DC変換手段が昇圧コンバータである。第2のDC/DC変換手段が1:nコンバータである。第1のバッテリおよび第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリを含む。USBバッテリが短絡回路を防ぐための短絡回路保護手段を含んでいる。第1の分散負荷センターが第1の電圧で動作し、第2の分散負荷センターが第1の電圧および第2の電圧の少なくとも一方で動作する。DC/DC変換手段が4:1以下の変換比を有する。
【0020】
[0020]他の特徴では、第1のスイッチ手段が、第1のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第2のスイッチ手段が、第2のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。短絡回路検出手段が第1および第2のスイッチ手段の少なくとも一方と通信し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方で短絡回路を検出し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第1のDC/DC変換手段が第1の周波数で動作し、第2のDC/DC変換手段が第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する。
【0021】
[0021]他の特徴では、モバイルコンピューティング機器が、処理のための処理手段と、前記処理手段と通信する記憶用メモリ手段と、前記メモリおよび前記処理手段と通信するインターフェース接続用インターフェース手段と、前記インターフェース手段と通信する表示用ディスプレイ手段とを備える。
【0022】
[0022]モバイルコンピューティング機器用の分散電源が、少なくとも第1の分散負荷を提供するための第1および第2の負荷端子を有する第1の分散負荷手段を備えており、第1の分散負荷手段が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。第2の分散負荷手段は少なくとも第2の分散負荷を提供するための第1および第2の負荷端子を有し、第2の分散負荷手段が中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。電力を与える第1の分散電源手段が、第1の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子に直接接続され、電力を供給する第1のバッテリを含んでいる。電力を与える第2の分散電源手段は、第2の分散負荷手段の第1および第2の負荷端子に直接接続され、電力を供給する第2のバッテリを含んでいる。第1および第2の分散負荷の第1の負荷端子同士が通信し、第1および第2の分散負荷センターの第2の負荷端子同士が通信する。第1の分散電源手段が第2の分散負荷手段に電力を供給する。第2の分散電源手段が第1の分散負荷手段に電力を供給する。
【0023】
[0023]他の特徴では、モバイルコンピューティング機器が分散電源システムを備える。ラップトップが分散電源システムを備える。バッテリパックが第1および第2のバッテリを含む。第1のバッテリパックが第1のバッテリを含み、第2のバッテリパックが第2のバッテリを含んでいる。第1および第2のバッテリにはリチウムイオンバッテリが含まれる。バッテリパックが、第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部を含む。マザーボード手段が、第1および第2のバッテリの第1の負荷端子間ならびに第1および第2のバッテリの第2の負荷端子間の接続部を提供する。この接続部が、第1および第2のバッテリの第1の端子をマザーボード手段の電力配線/平面に接続する第1の金属接続手段を含んでいる。第2の金属接続手段が、第1および第2のバッテリの第2の端子をマザーボード手段のアース配線/平面に接続する。
【0024】
[0024]他の特徴では、第1のバッテリが第1の容量を有し、第2のバッテリが第2の容量を有する。第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有する。第1の物理的寸法の少なくとも1つが第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なる。モバイルコンピューティング機器内で、第1のバッテリパックが第2のバッテリパックから離して配置される。第1のDC/DC変換手段が、第1のバッテリからの第1の電圧を第1の分散負荷センター用の第2の電圧に変換する。このDC/DC変換手段は、降圧コンバータおよび昇圧コンバータのいずれか一方である。第2のDC/DC変換手段が、第2のバッテリからの第3の電圧を第2の分散負荷センター用の第4の電圧に変換する。
【0025】
[0025]他の特徴では、第1のDC/DC変換手段が、第1のバッテリからの第1の電圧を第2の電圧に変換する。第2のDC/DC変換手段が、第1のDC/DC変換手段からの第2の電圧を第1の分散負荷センター用の第3の電圧に変換する。第1のDC/DC変換手段が降圧コンバータであり、第2のDC/DC変換手段が昇圧コンバータである。第2のDC/DC変換手段が1:nコンバータである。第1のバッテリおよび第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリを含む。USBバッテリが短絡回路を防ぐための短絡回路保護手段を含んでいる。第1の分散負荷センターが第1の電圧で動作し、第2の分散負荷センターが第1の電圧および第2の電圧の少なくとも一方で動作する。DC/DC変換手段が4:1以下の変換比を有する。
【0026】
[0026]他の特徴では、第1のスイッチ手段が、第1のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第2のスイッチ手段が、第2のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。短絡回路検出モジュールが第1および第2のスイッチ手段の少なくとも一方と通信し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方で短絡回路を検出し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第1のDC/DC変換手段が第1の周波数で動作し、第2のDC/DC変換手段が第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する。
【0027】
[0027]他の特徴では、モバイルコンピューティング機器が、処理のための処理手段と、処理手段と通信する記憶用メモリ手段と、メモリおよび処理手段と通信するインターフェース接続用インターフェース手段と、インターフェース手段と通信する表示用ディスプレイ手段とを備える。
【0028】
[0028]モバイルコンピューティング機器用の分散電源システムが、第1のバッテリを含む第1の分散電力システムと第2バッテリを含む第2の分散電力システムとに独立して接続されるように適合されたマザーボードを備えている。第1の分散負荷センターが、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第1の分散負荷を含み、使用中に主として第1の分散電力システムから電力を受け取る。第2の分散負荷センターが、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第2の分散負荷を含み、使用中に主として第2の分散電力システムから電力を受け取る。マザーボードが、第1および第2の分散負荷センターの第1の負荷端子間ならびに第1および第2の分散負荷センターの第2の負荷端子間の接続を提供する。
【0029】
[0029]他の特徴では、第1の分散負荷が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。第2の分散負荷が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。ラップトップが分散電源システムを備える。バッテリパックが第1および第2のバッテリを含む。第1のバッテリパックが第1のバッテリを含み、第2のバッテリパックが第2のバッテリを含んでいる。第1および第2のバッテリにはリチウムイオンバッテリが含まれる。バッテリパックが、第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに第1および第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部を含む。
【0030】
[0030]他の特徴では、モバイルコンピューティング機器が分散電源システムを備える。この接続部が、第1および第2の分散負荷センターの第1の端子をマザーボードの電力配線/平面に接続する第1の金属補剛材を含んでいる。第2の金属補剛材が、第1および第2の分散負荷センターの第2の端子をマザーボードのアース配線/平面に接続する。第1のバッテリが第1の容量を有し、第2のバッテリが第1の容量とは異なる第2の容量を有する。
【0031】
[0031]他の特徴では、第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有する。第1の物理的寸法の少なくとも1つが第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なる。モバイルコンピューティング機器内で、第1のバッテリパックが第2のバッテリパックから離して配置される。第1のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第1の分散負荷センターに第2の電圧を出力する。このDC/DCコンバータは降圧コンバータおよび昇圧コンバータのいずれか一方である。第2のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第3の電圧を受け取って第2の分散負荷センターに第4の電圧を出力する。第1のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第2の電圧を出力する。第2のDC/DCコンバータが、第1のDC/DCコンバータから第2の電圧を受け取って第2の分散負荷センターに第3の電圧を出力する。第1のDC/DCコンバータが降圧コンバータであり、第2のDC/DCコンバータが昇圧コンバータである。第2のDC/DCコンバータが1:nコンバータである。第1のバッテリおよび第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリを含む。USBバッテリが短絡回路保護デバイスを含んでいる。
【0032】
[0032]他の特徴では、第1の分散負荷センターが第1の電圧で動作し、第2の分散負荷センターが第1の電圧および第2の電圧の少なくとも一方で動作する。DC/DCコンバータが4:1以下の変換比を有する。第1の接触器が、第1の分散電源システムの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第2の接触器が、第2の分散電源システムの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する。短絡回路検出モジュールが第1および第2の接触器の少なくとも一方と通信し、第1および第2の分散電源システムの少なくとも一方で短絡回路を検出し、第1および第2の分散電源システムの少なくとも一方の接続を選択的に切断する。第1のDC/DCコンバータが第1の周波数で動作し、第2のDC/DCコンバータが第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する。
【0033】
[0033]モバイルコンピューティング機器用の分散電源を提供する方法が、第1のバッテリを含む第1の分散電力システムと第2バッテリを含む第2の分散電力システムとに独立して接続されるように適合されたマザーボードを提供するステップと、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第1の分散負荷を含む第1の分散負荷センターを提供するステップと、使用中に第1の分散負荷センターで主として第1の分散電力システムから電力を受け取るステップと、第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第2の分散負荷を含む第2の分散負荷センターを提供するステップと、使用中に第2の分散負荷センターで主として第2の分散電力システムから電力を受け取るステップと、マザーボードを用いて、第1および第2の分散負荷センターの第1の負荷端子同士ならびに第1および第2の分散負荷センターの第2の負荷端子同士を接続するステップとを備える。
【0034】
[0034]他の特徴では、第1の分散負荷が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択され、第2の分散負荷が、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択される。この方法は、ラップトップコンピュータで分散電源システムを実施することを含む。この方法は、バッテリパックに第1および第2のバッテリを実装することを含む。この方法は、第1のバッテリパックに第1のバッテリを、第2のバッテリパックに第2のバッテリを実装することを含む。第1および第2のバッテリにはリチウムイオンバッテリが含まれる。
【0035】
[0035]他の特徴では、この方法は、第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部を含むバッテリパックを実装することを含む。この方法は、モバイルコンピューティング機器で分散電源システムを実施することを含む。この方法は、第1および第2の分散負荷センターの第1の端子をマザーボードの電力配線/平面に接続する第1の金属補剛材と、第1および第2の分散負荷センターの第2の端子をマザーボードのアース配線/平面に接続する第2の金属補剛材とを用いることを含む。
【0036】
[0036]さらに他の特徴では、第1のバッテリが第1の容量を有し、第2のバッテリが第1の容量とは等しくない第2の容量を有する。第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有する。第1の物理的寸法の少なくとも1つが第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なる。この方法は、モバイルコンピューティング機器内で、第1のバッテリパックを第2のバッテリパックから離して配置することを含む。この方法は、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第1の負荷に第2の電圧を出力する第1のDC/DCコンバータを提供することを含む。このDC/DCコンバータは降圧コンバータおよび昇圧コンバータのいずれか一方である。第2のDC/DCコンバータが、第1のバッテリから第3の電圧を受け取って第2の負荷に第4の電圧を出力する。
【0037】
[0037]また他の特徴では、この方法が、第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第2の電圧を出力する第1のDC/DCコンバータを提供し、第1のDC/DCコンバータから第2の電圧を受け取って第1の負荷に第3の電圧を出力する第2のDC/DCコンバータを提供することを含む。第1のDC/DCコンバータが降圧コンバータであり、第2のDC/DCコンバータが昇圧コンバータである。第2のDC/DCコンバータが1:nコンバータである。第1のバッテリおよび第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリを含む。USBバッテリが短絡回路保護デバイスを含んでいる。
【0038】
[0038]さらに他の特徴では、この方法が、第1の分散負荷センターを第1の電圧で動作し、第2の分散負荷センターを第1の電圧および第2の電圧の少なくとも一方で動作することを含む。DC/DCコンバータが4:1以下の変換比を有する。この方法が、第1のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断し、第2のバッテリの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断し、第1および第2のバッテリの少なくとも一方で短絡回路を検出して第1および第2のバッテリの少なくとも一方の接続を選択的に切断することを含む。第1のDC/DCコンバータが第1の周波数で動作し、第2のDC/DCコンバータが第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する。
【0039】
[0039]本発明の利用可能性のさらなる領域が以下の詳細な説明から明らかとなる。詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、単なる例示目的であり、本発明の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】[0041]従来技術による直列に接続されたバッテリを備えるバッテリパックを含むラップトップコンピュータの機能ブロック図である。
【図1B】[0042]従来技術による直列に接続された複数のバッテリの機能ブロック図である。
【図1C】[0043]従来技術によるDC/DCコンバータおよびバッテリパックを含むラップトップコンピュータの機能ブロック図である。
【図2A】[0044]本発明によるバッテリパックおよびラップトップコンピュータ負荷のための並列バッテリ配列の概略図である。
【図2B】[0045]本発明の一実施による中央演算処理装置(CPU)、メモリおよびグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)負荷のための並列バッテリ配列の概略図である。
【図3A】[0046]本発明による並列に接続されたバッテリ端子を含む並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図3B】[0047]本発明による並列に接続されたバッテリ端子を含む並列バッテリ配列とDC/DCコンバータの機能ブロック図である。
【図3C】[0048]図3Aのバッテリを短絡回路検出モジュールとともに示す図である。
【図3D】[0049]モバイルコンピューティング機器内の異なる寸法を有するバッテリパックの配列を示す図である。
【図4A】[0050]本発明によるマザーボード上に端子接続導体を組み込んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図4B】[0051]本発明によるマザーボード上に端子接続導体を組み込んだ並列バッテリ配列とDC/DCコンバータの機能ブロック図である。
【図5A】[0052]本発明によるマザーボード上にアースおよび電源平面への短絡金属補剛材を組み込んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図5B】[0053]本発明によるマザーボード上にアースおよび電源平面への短絡金属補剛材を組み込んだ並列バッテリ配列とDC/DCコンバータの機能ブロック図である。
【図6】[0054]本発明によるDC/DCコンバータと昇圧コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図7】[0055]本発明によるDC/DCコンバータと昇圧コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図8】[0056]本発明によるDC/DCコンバータと昇圧コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図9】[0057]本発明による周辺装置と昇圧コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図10】[0058]本発明による単一および2段階コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図11】[0059]本発明による単一および2段階コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図12】[0060]本発明による単一および2段階コンバータを含んだ並列バッテリ配列の機能ブロック図である。
【図13】[0061]負荷を備えた例示的なモバイルコンピューティング機器の機能ブロック図である。
【図14】[0062]従来技術の不整合バッテリにおける過電流を示す図である。
【図15】[0063]本発明による分散電源および電流検出保護モジュールを含んだモバイルコンピューティング機器の機能ブロック図である。
【図16A】[0064]電流保護モジュールの例示的な電気回路図である。
【図16B】[0065]別の電流保護モジュールの例示的な電気回路図である。
【図16C】[0066]アクティブな電流保護モジュールの例示的な電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[0040]本発明は、詳細な説明および添付の図面からより十分に理解される。
【0042】
[0067]以下の好ましい実施形態の説明は本質的に単なる例示であり、本発明、その出願、利用を限定する意図は全く無い。明確化のために、図面中で類似の要素を識別するために同一の参照番号が用いられる。本明細書で、モジュールおよび/またはデバイスの用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するプロセッサ(共有、専用、またはグループ)およびメモリ、組み合わせ論理回路、および/または他の記載された機能性を提供する適当なコンポーネントを指す。本発明をラップトップコンピュータおよび/またはラップトップ負荷に関連して説明するが、本発明は任意のモバイルデジタルコンピューティング機器および/またはモバイルコンピューティング機器負荷に適用する。本明細書で、モバイルコンピューティング機器の用語は、少なくとも1個の集積回路を含み、且つバッテリまたは他の携帯電力貯蔵デバイス等のモバイル電源により電流を供給されるデジタル機器を指す。モバイルコンピューティング機器の例には、ラップトップコンピュータ、MP3プレイヤー、携帯情報端末(PDA)等が含まれるがこれに限定されない。
【0043】
[0068]図1A、1Bおよび1Cを参照すると、従来技術によるラップトップコンピュータ10等のモバイルコンピューティング機器が、ラップトップ負荷等の1個以上の負荷12と、負荷12に電力を供給するバッテリパック14とを含む。バッテリパック14は直列に接続されたバッテリを含む。バッテリパック14は、ラップトップ負荷12用の集中エネルギー源として機能する。言い換えれば、バッテリパック14は導体16および/または18を通じてラップトップ負荷12に電流および電圧を与える。導体16および/または18の一方をアース等の基準電位に接続することができる。図1Bで、バッテリパック14は直列に接続されたバッテリ20−1、20−2、…および20−X(総称してバッテリ20)を含み、Xは1よりも大である。従来のバッテリパック設計において、バッテリ20は電圧を増加し電流を減少させるように直列に接続される。
【0044】
[0069]ラップトップ10は図1Cに示すようにDC/DCコンバータ22を含んでもよい。DC/DCコンバータ22は導体24および/または26を介してバッテリパック14と通信する。ラップトップ負荷12は導体28および/または30を介してDC/DCコンバータ22と通信する。導体のいずれかをアース等の基準電位に接続することができる。このように、DC/DCコンバータ22は第1の電圧レベルをバッテリパック14から受信し、第2の電圧レベルをラップトップ負荷12に出力する。例えば、バッテリパック14は12V等のバッテリパック電圧を出力することができる。DC/DCコンバータ22はバッテリパック電圧をラップトップ負荷12で使用するための1V供給電圧等の低い電圧レベルに変換する。言い換えれば、本例のDC/DCコンバータ22は12:1の変換比をもった降圧コンバータである。上述のように、高い変換比は比較的高い変換損失を有する傾向がある。バッテリパック電圧を増加させることにより、同時に変換非効率による損失を増加させつつ、寄生分配抵抗に関連するエネルギー損失を減少させる。
【0045】
[0070]図2Aを参照すると、本発明によるモバイルコンピューティング機器用の電力供給システム40が1個以上の負荷センター42−1、42−2、…、42−M(総称して負荷センターまたは負荷42と呼ぶ)を含む。分散負荷センター42のそれぞれが1個以上の負荷を含む。バッテリ44−1、44−2、…、44−M(総称してバッテリ44と呼ぶ)等の1個以上の分散電源が負荷42に並列に接続される。言い換えれば、バッテリ44−1が負荷センター42−1に直接接続されて電力を与える。バッテリ44−2は負荷センター42−2に直接接続されて電力を与える。バッテリ44−Mは負荷センター42−Mに直接接続されて電力を与える。負荷センター42は複数の負荷を含んでもよい。言い換えれば、バッテリ44および負荷42の数は等しくなくてもよい。
【0046】
[0071]バッテリ44の並列分散配列により、最適な方法で電力が負荷に供給される。例えば、典型的なラップトップコンピュータサブシステムは、半導体負荷等の負荷と、ラップトップコンピュータ全域にわたって物理的に分散された他のタイプの負荷を含む。本発明において、各負荷42は最適配置されたバッテリ44から電力を受け取ることが可能である。対照的に、負荷12は(図1Aおよび1Cに示したように)単一の集中配置されたバッテリパック14から電力を受け取る。
【0047】
[0072]一実施で、負荷42の電力要件が不均衡となる可能性がある。例えば、負荷42−1は負荷42−2よりも多くの電流を必要とすることもある。不均一な電力消費を防止するために、電力供給システム40は1個以上の端子接続部46および48を含む。端子接続46および48は、それぞれ負荷センター42および/またはバッテリ44の第1の端子および第2の端子を短絡する任意の適当な導電性材料としてよい。言い換えれば、第1のバッテリの第1の端子がバッテリパックの他のバッテリの第1の端子に接続される。同様のアプローチが第2の端子についても用いられる。例えば、端子接続部46および48は、プリント配線板(PCB)電力配線/平面(PT/P)および/またはアース配線/平面(GT/P)に接続された導線および/または金属補剛材を含むこともできるがこれに限定されない。
【0048】
[0073]図2Bを参照すると、例示的な電力供給システム50が、中央演算処理装置(CPU)負荷52、メモリ負荷54、およびグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)負荷56を含む。CPU負荷52、メモリ負荷54、およびGPU負荷56は異なる電流要件を有する可能性がある。端子接続部46および48により、異なる負荷が1又は複数のバッテリ44から電力を受け取ることができる。
【0049】
[0074]図3Aを参照すると、本発明の第1の例示的な実施によるラップトップコンピュータ60が示されている。ラップトップコンピュータ60は、並列分散配列で接続された負荷62およびバッテリ64を含む。各バッテリ64はバッテリパック66に組み込まれている。各バッテリ64は、バッテリパック66および負荷62間の複数の対応する接続部を介して負荷62に電力を与える。各バッテリ64はバッテリパック66内で(図2Aおよび2Bで説明したように)接続されている。
【0050】
[0075]図3Cを参照すると、バッテリパック66は、短絡回路条件があるときにバッテリ64を絶縁する短絡回路検出モジュール67を組み込むことができる。言い換えれば、短絡回路検出モジュール67はバッテリパックを監視して、あるバッテリの端子が短絡する時および/またはあるバッテリの第1の端子が他のバッテリの第2の端子に短絡する時を決定する。短絡回路検出モジュール67は、あるバッテリを絶縁するためにスイッチまたは接触器69の位置を選択的に変更することができる。
【0051】
[0076]図3Aに戻って参照すると、バッテリパック66はラップトップコンピュータ60内に配置して示してあるが、バッテリパック66をラップトップコンピュータ60外部に配置できることを当業者は理解できる。さらに、ラップトップコンピュータ60は、上述のように並列に接続された複数のバッテリをそれぞれ含む複数のバッテリパック66を含んでもよい。例えば、ラップトップコンピュータ60は、ラップトップコンピュータ60の両側面上に物理的に配置されたバッテリパック66を含んでもよい。
【0052】
[0077]負荷62およびバッテリ64の並列分散配列は、バッテリパック66の製造に有利である。負荷と直列に接続されたバッテリパックは、通常直列に接続された複数のバッテリを含む。バッテリパックは負荷に接続されている。1個以上のバッテリがバッテリパック中の他のバッテリよりも小さい容量を有してもよい。このような配列では、大容量(すなわち強い)バッテリが放電中に、小容量(すなわち弱い)バッテリが自己逆充電することがある。結果として、小容量バッテリが損傷を受け、それによってバッテリパックの全容量が低下する。各バッテリは、実際の蓄積容量を決定し、バッテリパック内に不等価容量をもったバッテリを含まないように、充電および放電しなくてはならない。
【0053】
[0078]本発明の並列分散配列は、平衡バッテリ容量に関連する製造時間およびコストをなくすものである。並列バッテリパック配列において、電流は必然的にバッテリパック66から負荷62へと供給される。強いバッテリは、同じバッテリパック内で弱いバッテリよりもより多くの電流を与え、弱いバッテリの逆充電の可能性をなくす。結果として、バッテリパック全体の寿命が延び、バッテリパック66の最大容量がより効果的に使用される。例えば、1個以上のバッテリ64が最低電圧仕様まで放電してバッテリパックのエネルギーを完全に利用すると、逆充電は起きない。同様に、並列分散配列はより高い信頼性を提供する。バッテリ64のいずれかが時間とともに衰弱すると、強いバッテリが弱いバッテリのエネルギー出力の一部または全てを補充することが可能である。したがって、バッテリパック66の全容量が著しく低下することはない。
【0054】
[0079]図3Dを参照すると、ラップトップコンピュータ60は、さらにこの特徴を生かすために、並列配列した異なるサイズのバッテリを含んでもよい。例えば、小型のフォームファクターラップトップコンピュータは、バッテリおよび/またはバッテリパック66のそれぞれを1個以上のバッテリに適合させるために利用可能な領域を最大化することができる。一実施では、ラップトップコンピュータ60が、第1の寸法および/または形状の組を有する第1のバッテリパック66−1と、第2の寸法および/または形状の組を有する第2のバッテリパック66−2と、第nの寸法および/または形状の組を有する第nのバッテリパック66−nとを含むこともできる。バッテリパックはそれらの一次負荷62に隣接して配列される。バッテリパック66の各々が1個以上のバッテリを含む。バッテリバック66は互いにおよび/またはアースに接続され、上述のように負荷を共有できる。別の実施では、ラップトップコンピュータ60が不揃いのサイズおよび/または形状を有するバッテリおよび/またはバッテリパックを含むこともできる。また別の実施では、ラップトップコンピュータ60が、柔軟なバッテリパック配置を可能とするために、バッテリおよび/またはバッテリパックのための複数の取り付け位置を含むことができる。例えば、第1のバッテリパックをラップトップコンピュータ60の上面に、第2のバッテリパックをラップトップコンピュータ60の底面に取り付けてもよい。あるいは、複数のバッテリパックをラップトップコンピュータ60のエッジに沿って、またはラップトップコンピュータ60のコーナーに取り付けてもよい。
【0055】
[0080]ラップトップコンピュータ60は、図3Bに示すように1個以上のDC/DCコンバータ70を含んでもよい。図1Cについて上述したように、DC/DCコンバータ70はバッテリ64の高い電圧を負荷62に適した低い電圧に変換する。しかしながら、ラップトップコンピュータ60の並列分散配列により、DC/DCコンバータ70の変換比が低下する。例えば、DC/DCコンバータ70は、4:1未満の変換比を有することもある。他の実施では、変換比が3:1、2:1および/または1:1以下である。さらに、DC/DCコンバータのそれぞれが異なる変換比を有してもよい。そのように、ラップトップコンピュータ60の全体的な効率が改善される。
【0056】
[0081]ラップトップコンピュータ60の特定の半導体負荷が高い動作周波数を要することもある。例えば、約1MHzの動作周波数では、外部の受動コンポーネントを低周波数DC/DCコンバータに匹敵するコンポーネントよりも小型で且つ安価にできる。並列分散配列では、DC/DCコンバータ70が異なる周波数で動作することができる。結果として、DC/DCコンバータ70のいずれかを高い周波数(すなわち1MHz〜4MHzの間)で動作することができる。
【0057】
[0082]図4Aおよび5Aを参照すると、ラップトップコンピュータ80がマザーボード82を含んでいる。この実施では、(上述したような)バッテリ間の並列接続はマザーボード82上に組み込まれている。例えば、図4Aに示すように、端子短絡接続部が接続導体84および86を含んでもよい。あるいは、端子短絡接続部が、マザーボード82のPT/Pおよび/またはGT/Pに接続された金属補剛材88を含んでもよい。図4Bおよび5Bを参照すると、先の実施で説明したように、ラップトップコンピュータ80は1個又は複数のDC/DCコンバータ70を含むことができる。
【0058】
[0083]図6、7および8を参照すると、ラップトップコンピュータ90も降圧DC/DCコンバータ92と昇圧DC/DCコンバータ94を含むことができる。ラップトップコンピュータ中の半導体素子は、比較的低い電圧要件を有することがある。しかしながら、特定の半導体素子は高い電圧を必要とすることもある。例えば、ラップトップコンピュータ90は第1の負荷96と第2の負荷98を含んでもよい。第1の負荷96は、例えば1Vの第1の電圧を要する。第2の負荷98は、第1の電圧よりも高い、例えば5Vの第2の電圧を要する。バッテリが5Vより低く1Vより高いバッテリ電圧出力を与える場合には、昇圧および降圧コンバータを用いてもよい。本実施では、昇圧DC/DCコンバータ94がバッテリパック66の電圧を負荷98に適した電圧まで上げる。
【0059】
[0084]別の実施では、ラップトップコンピュータ100が、図9に示すように、複数の電圧要件を有する1個以上の周辺装置102(すなわち、ハードディスクドライブ(HDD)またはデジタルビデオディスク(DVD)システム)を含むことができる。例えば、周辺装置102は、モータ104等の機械的要素用に5Vの第1の電圧を要することがある。周辺装置102は、別の電子的要素106用に第2の低い電圧を要することもある。本発明では、この電子的要素106を供給電圧の範囲で動作可能とすることができる。例えば、電子的要素106は単一LiOnバッテリ電源または5Vの供給電圧からの電力で動作することができる。直列配列の5Vで動作する従来のシステムでは、電子的要素106は機械的要素104と同様に5Vで動作する。
【0060】
[0085]しかしながら、周辺装置102はラップトップコンピュータ100の並列分散配列でも動作することができる。このように、ラップトップコンピュータ100は、機械的要素104に5Vを与える昇圧DC/DCコンバータ108を含む。電子的要素106用の第2の昇圧DC/DCコンバータは必要ない。言い換えれば、電子的要素106は、5Vで動作するだけでなくより低い供給電圧で動作するように構成されており、これによって追加の昇圧DC/DCコンバータの必要性をなくしている。
【0061】
[0086]図10〜12を参照すると、ラップトップコンピュータ110が、2段階DC/DC変換プロセスに従ってバッテリ電圧を5Vの供給電圧に変換する。他のタイプのバッテリも使用できるが、バッテリがリチウムイオンバッテリの実施もある。ラップトップコンピュータ110は、DC/DCコンバータ112、降圧DC/DCコンバータ114、および1:n昇圧DC/DCコンバータ116を含む。DC/DCコンバータ112は、負荷118の電圧要件に応じて降圧または昇圧コンバータとしてよい。DC/DCコンバータ112は、先の実施で説明したように、バッテリ120の電圧を変換する。
【0062】
[0087]昇圧ブーストコンバータの使用は、特定の高い電流印加には望ましくないこともある。例えば、バッテリ124の電圧は2.7V〜4.2Vの間としてよい。まず、降圧DC/DCコンバータ114がバッテリ124の電圧をより低い電圧に変換する。例えば、降圧DC/DCコンバータ114はバッテリ124の電圧を2.5Vに変換する。続いて、昇圧DC/DCコンバータ116は、この低い電圧を負荷122に適したより高い電圧に変換する。例えば、昇圧DC/DCコンバータ116が1:2の変換比を有し、降圧DC/DCコンバータ114の出力を5Vに変換する。より高い電圧要件に対しては、昇圧DC/DCコンバータ116が必要に応じて1:nの変換比を有することができる。
【0063】
[0088]当業者には、以上の説明から本発明の広範な教示が様々な形で実施されうることが理解される。本発明は、並列バッテリ配置に他の既知のバッテリパックおよび/または電力供給構成を組み込むことができる。例えば、電源またはバッテリパックが、本明細書に説明された実施のいずれかによって、ユニバーサルシリアルバス(USB)技術を用いて並列バッテリ配置を実施することもできる。
【0064】
[0089]図13を参照すると、負荷を備えた例示的なモバイルコンピューティング機器200が示されている。モバイルコンピューティング機器200は、中央演算処理装置(CPU)204と、メモリ206(ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、および/または他の適当な電子記憶装置)と、入出力(I/O)インターフェース210とを含む。機器200は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)212をさらに含んでもよい。モバイルコンピューティング機器200は、デジタル汎用ディスク(DVD)214等の1個以上の周辺装置を含んでもよく、これには1個以上のモータ218および制御部220が含まれる。追加の周辺装置には、ハードディスクドライブ(HDD)224が含まれるが、それには1個以上のモータ228および制御モジュール230が含まれる。機器200は、音声出力ジャックまたはスピーカー等の音声出力部232を含んでもよい。機器は、ディスプレイ234、入力部236、ディスクドライブ240および/または無線ローカルエリアネットワークインターフェース242を含んでもよい。入力部236には、音声入力部、マイクロフォン、キーパッド、ボタン、タッチパッドおよび/または他の入力部が含まれる。機器200のコンポーネントは1個以上の分散負荷センターにグループ化され、前述の方法で供給を受けることができる。
【0065】
[0090]図14を参照すると、従来の技術による不適合バッテリ内の過電流が示されている。回路240は第1のバッテリ244および第2のバッテリ248を含む。バッテリ244および248は並列に接続され、1個又は複数の負荷250に供給している。分かるように、第1のバッテリ244が新しい、および/または完全に充電されたバッテリで、第2のバッテリ248が古い、不良の、および/または完全に放電されたバッテリである場合には、第2のバッテリ248に流れる電流が大きすぎて損傷および/または他の障害を引き起こす可能性がある。
【0066】
[0091]図15を参照すると、モバイルコンピューティング機器300が、本発明による分散電源302と電流検出保護モジュールとを含んでいる。機器300は、それぞれ負荷306−1、306−2、306−3、および306−4(総称して負荷306)に主に供給するバッテリ304−1、304−2、304−3、および304−4(総称してバッテリ304)を含む。検出保護モジュール310−1、310−2、310−3、および310−4(総称して検出保護モジュール310)がそれぞれバッテリ304−1、304−2、304−3、および304−4に接続されている。検出保護モジュール310−1、310−2、310−3、および310−4は、任意の適切な方法でバッテリ304−1、304−2、304−3、および304−4を流れる電流を検出し、以下に説明するように電流を制限する。制御モジュール320は、検出保護モジュール310と通信し、検出された電流信号を受信し、1又は複数の制御信号を発生してバッテリ304を流れる電流を制御する。4個のバッテリ/負荷/検出保護モジュール対が示されているが、特定の実施においては追加の、および/またはより少ない数の対を用いることができる。
【0067】
[0092]図16Aを参照すると、電流保護モジュール330が示されている。電流保護モジュール330は、複数のトランジスタ330−1、330−2、330−3、…、および330−Nを含んでいる。それぞれのバッテリを流れる電流が十分に低いときは、トランジスタ330がONされる。電流がしきい値を超えると、トランジスタ330が変調および/またはOFFされて各トランジスタ330により提供される抵抗RDSを調整する。他がOFFの間に選択的にON可能なトランジスタもある。並列配列が示されているが、直列配列も用いることが可能である。
【0068】
[0093]図16Bを参照すると、別の電流保護回路340が、抵抗342と、並列接続されたスイッチ344とを含んでいる。このスイッチ344は通常閉じられている。それぞれのバッテリを流れる電流がしきい値を上回ると、スイッチ344が開かれ、抵抗342を追加することにより直列抵抗を大きくする。結果として、バッテリを流れる電流は減少する。
【0069】
[0094]図16Cを参照すると、別の電流保護回路350が、可変抵抗352と、並列接続されたスイッチ354とを含んで示されている。このスイッチ354は通常閉じられている。それぞれのバッテリを流れる電流がしきい値を上回ると、スイッチが開かれ、可変抵抗352を追加することにより直列抵抗を大きくする。この与えられる抵抗は、制御モジュール320により調整することができる。結果として、バッテリを流れる電流は減少する。
【0070】
[0095]バッテリを単一セルバッテリとする実施もある。抵抗は抵抗器、トランジスタまたは他の適当なコンポーネントを用いて実施可能である。スイッチは、トランジスタまたは他の適当なコンポーネントを用いて実施可能である。
【0071】
[0096]本発明はその特定の例に関連して説明されてきたが、本発明の真の範囲はそのように限定されるべきではない。図面、明細書、および特許請求の範囲の検討により、当業者には他の変形が明らかとなるからである。
【符号の説明】
【0072】
10、60、80、90、100、110…ラップトップコンピュータ、12、62、96、98、118、122、306…負荷、14、64、66…バッテリパック、20、44、66、124、244、248、304…バッテリ、22、70、112…DC/DCコンバータ、40、50、…電力供給システム、42…負荷センター、46、48…端子接続、52…中央演算処理装置(CPU)負荷、54…メモリ負荷、56…グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)負荷、67、310…短絡回路検出モジュール、82…マザーボード、88…金属補剛材、92、114…降圧DC/DCコンバータ、94、108、116…昇圧DC/DCコンバータ、102…周辺装置、104…機械的要素、モータ、106…電子的要素、200、300…モバイルコンピューティング機器、204…中央演算処理装置(CPU)、206…メモリ、210…入出力(I/O)インターフェース、212…グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、224…ハードディスクドライブ(HDD)、234…ディスプレイ、240…回路、330、340、350…電流保護モジュール、342、354…抵抗、344、354…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルコンピューティング機器であって、
第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第1の分散負荷を含む第1の分散負荷センターであって、前記第1の分散負荷には、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、およびDVDドライブからなるグループから選択された少なくとも1個の負荷が含まれる、第1の分散負荷センターと、
第1および第2の負荷端子を有し、少なくとも第2の分散負荷を含む第2の分散負荷センターであって、前記第2の分散負荷には、インターフェースと通信する前記CPU、前記メモリ、前記グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、前記ハードディスクドライブ(HDD)、および前記DVDドライブからなるグループから選択された少なくとも1個の負荷が含まれる、第2の分散負荷センターと、
前記第1の分散負荷センターの前記第1および第2の負荷端子に直接接続され、第1の直流電圧を供給する第1のバッテリを含む第1の分散電力システムと、
前記第2の分散負荷センターの前記第1および第2の負荷端子に直接接続され、第2の直流電圧を供給する第2バッテリを含む第2の分散電力システムと、
を備え、
前記第1の分散負荷センターの前記第1の負荷端子が前記第2の分散負荷センターの前記第1の負荷端子に接続され、
前記第1の分散負荷センターの前記第2の負荷端子が前記第2の分散負荷センターの前記第2の負荷端子に接続され、
前記第1の分散電力システムが前記第2の分散負荷センターに電力を供給し、前記第2の分散電力システムが前記第1の分散負荷センターに電力を供給し、
前記第1の分散電力システムが前記第1の分散負荷センターに電力を供給するとともに、前記第2の分散負荷センターに電力を供給し、
前記第2の分散電力システムが前記第2の分散負荷センターに電力を供給するとともに、前記第1の分散負荷センターに電力を供給し、
前記第1の分散電力システムが前記第1の分散負荷センターと前記第2の分散負荷センターに電力を供給するとともに、前記第2の分散電力システムが前記第1の分散負荷センターと前記第2の分散負荷センターに電力を供給し、
前記第1の分散負荷および前記第2の分散負荷が、前記第1の直流電圧および前記第2の直流電圧に基づく直流電圧を受け、
前記第1の分散電力システム、前記第2の分散電力システム、前記第1の分散負荷センター、および前記第2の分散負荷センターが内部に実装されており、
当該モバイルコンピューティング機器が短絡回路検出モジュールを備え、
前記短絡回路検出モジュールが、
前記第1のバッテリの端子が短絡されるかまたは前記第2のバッテリの端子が短絡されたときに第1の短絡を検出し、
前記第1のバッテリの第1の端子が前記第2のバッテリの第1の端子と短絡されたときに第2の短絡を検出し、
前記第1の短絡および前記第2の短絡の少なくとも一方の検出に基づいて前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの少なくとも一方を絶縁させるためにスイッチまたは接触器の位置を変更する、モバイルコンピューティング機器。
【請求項2】
前記中央演算処理装置(CPU)と、
前記CPUと通信する前記メモリと、
前記メモリおよび前記CPUと通信するインターフェースと、
前記インターフェースと通信するディスプレイと、
前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを備えるバッテリパックと、をさらに備え、
前記第1のバッテリは前記第2のバッテリと並列に接続され、
前記第1の分散負荷センターは前記第1のバッテリと並列に接続され、
前記第2の分散負荷センターは前記第2のバッテリと並列に接続される、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項3】
前記第1の分散電力システムに流れる電流を検出して前記電流を選択的に減少させるとともに制限する検出保護モジュールをさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項4】
前記第1および第2のバッテリを含むバッテリパックをさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項5】
前記第1のバッテリを含む第1のバッテリパックと、前記第2のバッテリを含む第2のバッテリパックとをさらに備え、
前記第1のバッテリパックが前記第2のバッテリパックと並列に接続され、
前記第1のバッテリパックが第1の物理的寸法を有し、前記第2のバッテリパックが第2の物理的寸法を有し、
前記第1の物理的寸法の少なくとも1つが前記第2の物理的寸法の少なくとも1つとは異なり、
前記モバイルコンピューティング機器内で、前記第1のバッテリパックが前記第2のバッテリパックから離して配置され、
前記第1のバッテリが、(i)前記第2のバッテリよりも強く、多くの電流を与え、(ii)前記第2のバッテリの電力を補充し、(iii)前記第2のバッテリの逆充電を防止し、(iv)前記バッテリパックの全容量を維持することを支援する
、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項6】
前記第1のバッテリと、前記第2のバッテリと、前記第1および第2のバッテリの第1の端子間の第1の接続部ならびに前記第1および第2のバッテリの第2の端子間の第2の接続部とを含むバッテリパックと、
前記第1および第2の分散負荷センターの前記第1の負荷端子間の接続部ならびに前記第1および第2の分散負荷センターの前記第2の負荷端子間の接続部を提供するマザーボードと、をさらに備え、
前記各接続部は、
前記第1および第2の分散負荷センターの前記各第1の端子を前記マザーボードの電力配線/平面に接続する第1の導線と、
前記第1および第2の分散負荷センターの前記各第2の端子を前記マザーボードのアース配線/平面に接続する第2の導線と、を含む、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項7】
前記第1のバッテリが第1の容量を有し、前記第2のバッテリが前記第1の容量とは異なる第2の容量を有する、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項8】
前記第1のバッテリから第1の電圧を受け取って前記第1の分散負荷センターに第2の電圧を出力する第1のDC/DCコンバータと、
前記第1のバッテリから第3の電圧を受け取って前記第2の分散負荷センターに第4の電圧を出力する第2のDC/DCコンバータと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項9】
前記第1のバッテリから第1の電圧を受け取って第2の電圧を出力する第1のDC/DCコンバータと、
前記第1のDC/DCコンバータから前記第2の電圧を受け取って前記第2の分散負荷センターに第3の電圧を出力する第2のDC/DCコンバータと、をさらに備え、
前記第1のDC/DCコンバータが降圧コンバータであり、前記第2のDC/DCコンバータが昇圧コンバータであり、
前記第1のDC/DCコンバータが第1の周波数で動作し、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で動作する、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項10】
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの少なくとも一方がユニバーサルシリアルバス(USB)バッテリであり、前記USBバッテリが短絡回路保護デバイスを含む、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項11】
前記第1の分散負荷センターが第1の電圧で動作し、前記第2の分散負荷センターが第2の電圧で動作する、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項12】
前記第1の分散電力システムの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する第1の接触器と、
前記第2の分散電力システムの第1および第2の端子の少なくとも一方の接続を選択的に切断する第2の接触器と、
前記第1および第2の接触器の少なくとも一方と通信し、前記第1および第2の分散電力システムの少なくとも一方で短絡回路を検出し、前記第1および第2の分散電力システムの少なくとも一方の接続を選択的に切断する短絡回路検出モジュールと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項13】
前記第1の分散電力システムに向かって流れる電流を検出する第1の検出保護モジュールであって、前記第1のバッテリを流れる電流が所定のしきい値を上回った場合に前記第1のバッテリを流れる前記電流を制御する第1の検出保護モジュールと、
前記第2の分散電力システムに向かって流れる電流を検出する第2の検出保護モジュールであって、前記第2のバッテリを流れる電流が所定のしきい値を上回った場合に前記第2のバッテリを流れる前記電流を制御する第2の検出保護モジュールと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項14】
前記第1の分散電力システムの第1の端子および第2の端子の少なくとも一方の接続を切断する第1の接触器と、
前記第2の分散電力システムの第1の端子および第2の端子の少なくとも一方の接続を切断する第2の接触器と、
前記第1の接触器および前記第2の接触器の少なくとも一方と通信し、前記第1の分散電力システムおよび前記第2の分散電力システムの少なくとも一方で短絡回路を検出し、前記第1の分散電力システムおよび前記第2の分散電力システムの少なくとも一方の接続を切断する短絡回路検出モジュールと、
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリならびに前記短絡回路検出モジュールを備えるバッテリパックと、をさらに備え、
前記短絡回路検出モジュールは短絡を検出して前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの一方を絶縁する、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項15】
バッテリパックをさらに備え、
前記バッテリパックが前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを有する、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項16】
前記第1のバッテリが、(i)前記第2のバッテリよりも強く、多くの電流を与え、(ii)前記第2のバッテリの電力を補充し、(iii)前記第2のバッテリの逆充電を防止し、(iv)前記バッテリパックの全容量を維持することを支援する、請求項15に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項17】
前記第1のバッテリと前記第1の分散負荷センターとの間に接続され、前記第1のバッテリを流れる電流の第1のレベルを検出して第1の検出された電流信号を発生する第1の検出保護モジュールと、
前記第2のバッテリと前記第2の分散負荷センターとの間に接続され、前記第2のバッテリを流れる電流の第2のレベルを検出して第2の検出された電流信号を発生する第2の検出保護モジュールと、
前記第1の検出された電流信号および前記第2の検出された電流信号を受信するとともに制御信号を発生して前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリに流れる電流を制御する制御モジュールと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項18】
前記制御信号が第1の制御信号および第2の制御信号を含み、
前記第1の検出保護モジュールが前記第1の制御信号に基づいて前記第1のバッテリの負荷を調整し、
前記第2の検出保護モジュールが前記第2の制御信号に基づいて前記第2のバッテリの負荷を調整する、請求項17に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項19】
前記第1の検出保護モジュールが、並列接続された複数のスイッチを有し、
前記制御モジュールが、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルがしきい値を上回ったときに前記複数のスイッチを調整することを含んで、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルを減少させるとともに制限する、請求項18に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項20】
前記第1の検出保護モジュールが、並列接続された複数のスイッチを有し、
前記制御モジュールが、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルがしきい値を上回ったときに、前記複数のスイッチのうち選択されたものをOFFにし、前記複数のスイッチのうち他のものをOFFにしないことを含んで、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルを減少させるとともに制限する、請求項18に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項21】
前記第1の検出保護モジュールが、スイッチに並列に接続された抵抗を有し、
前記制御モジュールが、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルがしきい値を上回ったときに前記スイッチを開いて前記第1のバッテリの負荷を増加させることを含んで、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルを減少させるとともに制限する、請求項18に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項22】
前記制御モジュールが、前記第1のバッテリを流れる電流の前記第1のレベルに基づいて前記抵抗を調整する、請求項21に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項23】
前記第1の分散負荷および前記第2の分散負荷を含む複数の負荷と、
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリを含む複数のバッテリであって、前記複数のバッテリのそれぞれが前記複数の負荷の対応する負荷に直列に接続されている、複数のバッテリと、
複数の検出保護モジュールであって、前記複数の検出保護モジュールのそれぞれが、前記複数のバッテリの対応するバッテリを流れる電流のレベルを検出して検出された電流信号を発生するとともに、前記複数の検出保護モジュールのそれぞれが、前記複数のバッテリの対応するバッテリと前記複数の負荷の対応する負荷との間に接続されている、複数の検出保護モジュールと、
第1の複数の抵抗であって、前記第1の複数の抵抗のそれぞれが前記複数のバッテリの2つの間に接続されている、第1の複数の抵抗と、
第2の複数の抵抗であって、前記第2の複数の抵抗のそれぞれが、(i)前記複数の検出保護モジュールの2つの間、および(ii)前記複数の負荷の2つの間、に接続されている、第2の複数の抵抗と、
前記検出された電流信号を前記複数の検出保護モジュールから受信し、制御信号を発生して前記複数のバッテリを流れる電流を制御する制御モジュールと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルコンピューティング機器。
【請求項24】
前記第1のDC/DCコンバータおよび前記第2のDC/DCコンバータのそれぞれが、2:1未満の変換比を有する、請求項8に記載のモバイルコンピューティング機器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公開番号】特開2012−256343(P2012−256343A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−172879(P2012−172879)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2006−144510(P2006−144510)の分割
【原出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】