説明

ユーザインタフェース処理装置、ユーザインタフェース処理方法、およびユーザインタフェース処理プログラム

【課題】ゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、タッチパネルの接触操作であるタッチ操作によるタッチ位置(押下位置)を適確に報知する。
【解決手段】プレイヤPのタッチパネルの接触操作による表示画面13Aの押下を受け付け、表示画面13Aの押下を受け付けたときに、押下された表示画面13A上の位置である押下位置を検出し、表示画面13Aの押下が受け付けられたあと、その表示画面13Aの押下状態が終了したか否かを判定し、押下状態が終了したと判定したときに、検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点(中心点51)を所定時間表示するとともにその所定時間が経過するまでその押下中心点を中心として所定の図形(例えば円52)が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出(例えば波紋演出)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビデオゲームなどの各種アプリケーションの制御を行うデバイスに適用されるユーザインタフェース技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通じて成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームやシミュレーションゲームなどの各種のビデオゲームが提供されている。
【0003】
近年、このようなビデオゲームを、携帯電話機など、タッチインターフェイスを持つ携帯デバイスでプレイできるようにしたものが種々提案されている。
【0004】
しかしながら、このような携帯デバイスは、携帯性の面などから画面サイズが限られているため、ユーザインタフェースの制約がある。そのため、これまでは主に押しボタンなどのユーザインタフェース部品(UI部品)を表示画面の固定位置に明示していることが多い。また、タッチパネルの場合は物理的なフィードバックがないため、ユーザが操作に戸惑うケースが多かった。
【0005】
このような問題を解決し、携帯型ゲーム機におけるゲームの操作性を向上させるために、例えば、携帯デバイスの表示部にフレキシブルディスプレイを用いて、画面サイズを大型化してもゲーム機の携帯を容易にすることができる携帯型ゲーム機なども提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−148721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、最近では、既に一般に普及している携帯電話機などの機能に基づいてビデオゲームがプレイされることも多く、携帯型デバイスの画面サイズ自体を大きくすることが困難な場合がある。
【0008】
このような携帯デバイスでは、画面サイズが限られているが、指を用いたデバイスへのタッチ操作を受け付ける場合には、物理的な指のサイズによる制限のため、タッチ選択する対象オブジェクトを一定サイズ以上とする必要がある。
【0009】
仮にタッチ対象となる対象オブジェクトのサイズを小さくすると、タッチ操作の際にタッチ対象が指に隠れてしまうため、タッチ操作した位置として携帯デバイス側で認識された位置がどこであるのか認識することが困難となり、気付かないうちに誤作動を招いてしまうおそれがあるという問題があった。
【0010】
上記のような問題はビデオゲームに限られたものでなく、他の各種のアプリケーションについても同様の問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決すべく、ゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、タッチ操作によるタッチ位置を適確に報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のユーザインタフェース処理装置は、アプリケーションを制御するユーザインタフェース処理装置であって、プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付手段と、該押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出手段と、前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定手段と、該押下終了判定手段によって押下状態が終了したと判定されたときに、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
上記の構成としたことで、ゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、タッチパネルの接触操作であるタッチ操作によるタッチ位置(押下位置)を適確に報知することができるようになる。
【0014】
前記押下終了判定手段によって押下状態が終了したと判定されたときに、前記図形演出を実行するか否か判定する実行判定手段を含み、前記実行演出手段は、前記実行判定手段により前記図形演出を実行すると判定されたときに限り、前記図形演出を実行する構成とされていてもよい。
【0015】
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられ前記押下位置検出手段によって押下位置が検出されたあと、当該押下位置が変更したか否かを判定する変更判定手段を含み、前記実行判定手段は、前記変更判定手段によって押下位置が変更していないと判定されていた場合に限り、前記図形演出を実行すると判定する構成とされていてもよい。
【0016】
前記図形演出は、例えば、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに、当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の円が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することにより波紋を表した波紋演出である。
【0017】
前記図形演出は、例えば、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに、当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の星形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することによる演出である。
【0018】
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたあと、当該表示画面の押下状態が終了することなく特定時間が経過したか否かを判定する時間経過判定手段と、前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられ前記押下位置検出手段によって押下位置が検出されたあと、当該押下位置の移動量を検出する移動量判定手段とを含み、前記演出実行手段は、前記時間経過判定手段によって前記特定時間が経過したと判定されたときに、前記移動量判定手段によって検出された移動量が特定量以下であった場合には、押下されている前記表示画面上の押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する構成とされていてもよい。
【0019】
前記ユーザインタフェース処理装置は、前記アプリケーションとしてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置である構成とされていてもよい。
【0020】
また、本発明のユーザインタフェース処理方法は、アプリケーションを制御するユーザインタフェース処理方法であって、プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付処理と、該押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出処理と、前記押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定処理と、該押下終了判定処理にて押下状態が終了したと判定したときに、前記押下位置検出処理にて検出した押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行処理とを含むことを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明のユーザインタフェース処理プログラムは、アプリケーションを制御させるユーザインタフェース処理プログラムであって、コンピュータに、プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付処理と、該押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出処理と、前記押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定処理と、該押下終了判定処理にて押下状態が終了したと判定したときに、前記押下位置検出処理にて検出した押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、タッチ操作によるタッチ位置を適確に報知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】タッチ操作情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図3】ユーザインタフェース処理の例を示すフローチャートである。
【図4】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図5】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図6】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図7】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図8】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、プログラム読取部10と、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、音声出力部14と、操作受付部15とを含む。
【0026】
プログラム読取部10は、各種ビデオゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵する記憶媒体から必要なビデオゲームプログラムを読み出す機能を有する。なお、本例においては、プログラム読取部10は、ビデオゲームプログラムが格納された着脱可能なゲームカートリッジ20を装着する装着部を有し、プレイヤ(ビデオゲーム処理装置100の操作者、ユーザ)により装着部に装着されたゲームカートリッジ20の記憶媒体からゲームプログラムを読み出し、記憶部12に格納する。なお、本例で用いられるビデオゲームプログラムに従って実行されるビデオゲームは、RPG、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、バトルゲームなど、プレイヤに対するオブジェクトの選択要求が発生するビデオゲームであればどのようなものであってもよい。
【0027】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0028】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なビデオゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0029】
なお、ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームプログラムを図示しないゲームプログラム提供サーバからインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードして記憶部12に格納する構成としてもよい。
【0030】
本例では、記憶部12は、後述するタッチ操作情報が記憶されるタッチ操作情報管理テーブル12aを含む。図2は、タッチ操作情報管理テーブル12aに記憶されるタッチ操作情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、タッチ操作情報は、表示部13に設けられたタッチパネルにおいてプレイヤ(ユーザ)の指またはスタイラスペンが接触している位置(例えば表示部13の表示画面に表示されているフィールド上の座標)を示す接触位置と、後述する波紋演出の実行の要否を示す波紋フラグとを含む情報である。
【0031】
表示部13は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0032】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作やキャラクタの動作に応じた音声を出力する機能を有する。
【0033】
操作受付部15は、プレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、操作受付部15は、表示部13に設けられたタッチパネルを介してプレイヤの操作を受け付ける。
【0034】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0035】
図3は、ビデオゲーム処理装置100が実行するユーザインタフェース処理の例を示すフローチャートである。ユーザインタフェース処理は、本例のアプリケーションであるゲームの進行制御が実行されている際に例えば常時実行される。ここでは、ビデオゲームの進行制御としてバトルを進行させるための処理が実行されている場合を例に説明する。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0036】
ここで、本例におけるバトルの方法について説明する。
図4は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aに設けられた表示部13の表示画面13Aに表示されたゲーム画面(バトル画面)の例を示す説明図である。図4に示すように、本例におけるバトルでは、複数のマスにより構成されるバトルフィールド110上に配置されたプレイヤユニット(プレイヤPにより操作可能なキャラクタ群であり、本例においてはプレイヤキャラクタP1,P2)と、敵ユニット(制御部11により操作されるキャラクタ群であり、本例においては敵キャラクタNP1〜NP5)とがターン制でバトルを進行させる。なお、プレイヤユニットと敵ユニットとを構成するキャラクタは単数であってもよい。また、本例においては、各キャラクタはバトルフィールド110を構成するマス上を移動することとなるが、各キャラクタの移動処理を実行する場合など、プレイヤPに対してバトルフィールド上にマスを表示する必要がある場合以外には、ゲーム画面上にはマスが表示されない構成であることとする。
【0037】
また、本例におけるゲーム画面には、ゲームの進行に応じて、プレイヤPにより選択されたキャラクタを示す選択アイコン101と、選択アイコン101が示すキャラクタに対応するパネルを表示パネルとして表示するパネル表示領域102と、パネル表示領域102に表示されるパネルの切り替え操作を受け付ける表示パネル切替ボタン103,104とが設けられる。なお、本例においては、図4に示すように、選択アイコン101を、キャラクタの位置するマスを強調する部分と、キャラクタの上方に配置される部分とにより構成することで視認性の向上を図っている。
【0038】
また、バトルフィールド110上の各キャラクタの近傍には、各キャラクタのHPを示すHPゲージ105が表示される。なお、必要に応じて、例えば各キャラクタのステータス異常などを示すアイコンを対応するキャラクタの近傍に表示するようにしてもよい。
【0039】
ユーザインタフェース処理において、制御部11は、先ず、プレイヤPによる表示画面の押下操作(指やペンによるタッチパネルの接触操作)を受け付けたか否か確認する(ステップS101)。
【0040】
表示画面の押下操作を受け付けた場合には(ステップS101のY)、制御部11は、プレイヤPによる押下操作により押下された表示画面上の位置(指やペンによるタッチパネルの接触操作により接触された位置の座標)を検出し(ステップS102)、検出した押下位置をタッチ操作情報管理テーブル12aに記憶されているタッチ操作情報の接触位置に設定(例えば上書保存により設定する)し(ステップS103)、さらにタッチ操作情報の波紋フラグをオン(本例では波紋演出を実行することを示す「1」)に設定する(ステップS104)。
【0041】
次いで、制御部11は、プレイヤPによる押下操作により押下されている表示画面上の位置が変更したか否か、及びプレイヤPによる表示画面の押下操作が終了したか否かを監視する(ステップS105,S107)。
【0042】
監視しているときに押下操作による押下位置が変更したと判定した場合には(ステップS105のY)、制御部11は、変更した押下位置をタッチ操作情報管理テーブル12aに記憶されているタッチ操作情報の接触位置に設定(例えば上書保存により設定する)し、タッチ操作情報管理テーブル12aに記憶されているタッチ操作情報の波紋フラグがオンであればオフ(本例では波紋演出を実行しないことを示す「0」)に設定する(ステップS106)。
【0043】
また、監視しているときに押下操作が終了したと判定した場合には(ステップS107のY)、制御部11は、タッチ操作情報管理テーブル12aを参照して波紋フラグの状態を確認し(ステップS108)、波紋フラグがオンであれば(ステップS108のY)、波紋演出を実行し(ステップS109)、ステップS110に移行する。なお、波紋フラグがオフであれば(ステップS108のN)、制御部11は、波紋演出を行うことなく、ステップS110に移行する。
【0044】
ここで、波紋演出について説明する。
例えば図5に示すように、プレイヤPの指50による表示画面の押下操作を受け付けたあと(ステップS101のY参照)、その押下操作による押下位置(接触位置)が変更されることなく押下状態(接触状態)が終了したことを検出すると(ステップS105のN,ステップS107のY参照)、制御部11は、例えば図6に示すように押下位置の中心点51とその中心点を円心とする半径Rの円52とを含む波紋表示を行い、その後に例えば図7に示すように中心点51を所定時間(例えば1秒、2秒など)固定表示した状態でその所定時間が経過するまで円52の半径Rを徐々に大きくしていき、最終的には例えば図8に示すように円52の半径Rが所定の大きさとなったときに波紋表示を終了することによって、波紋演出を行う。このような波紋演出を行うことによって、徐々に拡大される円52によってその中心点51が強調されるため、中心点51が示す押下操作による押下位置の中心(デバイス側であるビデオゲーム処理装置100が受け付けた押下位置の中心)がプレイヤPに適確に認識されるようになる。
【0045】
図5〜図8に示した例では円52の半径Rを徐々に拡大していく場合について説明したが、押下状態(接触状態)が終了したことを検出したときに、先ず、例えば図8に示す状態の大きさの円52を含む波紋表示を行い、この円52の半径Rを徐々に縮小していくようにしてもよい。このような波紋演出を行った場合であっても、徐々に縮小される円52によってその中心点51が強調されるため、中心点51が示す押下操作による押下位置の中心(デバイス側であるビデオゲーム処理装置100が受け付けた押下位置の中心)がプレイヤPに適確に認識されるようになる。
【0046】
ステップS110では、制御部11は、タッチ操作情報管理テーブル12aに記憶されているタッチ操作情報の接触位置を確認し、その接触位置が操作ボタンの表示位置であるか否かを判定する。そして、確認した接触位置が操作ボタンの表示位置であった場合には(ステップS110のY)、制御部11は、その操作ボタンに応じた処理(例えば、アイテムやキャラクタなどのオブジェクトの選択処理)を実行する(ステップS111)。
【0047】
上記のようにしてユーザインタフェース処理が実行され、表示画面を指やスタイラスペンで叩く操作(タップ操作)など、表示画面が押下(接触)されたあと押下位置(接触位置)が変更されることなく押下状態(接触状態)が終了されるような操作がなされた場合に、その押下位置をプレイヤPに明確に認識させるための波紋演出が実行される。
【0048】
上記の例では、波紋を模した波紋演出により押下位置の中心点を強調することとしていたが、押下位置の中心点を中心に拡大または縮小していくアニメーション表示を行うものであれば円形の図形でなくてもよく、例えば星形、指形、多角形、特定オブジェクトのマスク形状などの他の形状の図形であってもよい。
【0049】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、アプリケーションとしてのビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤPのタッチパネルの接触操作による表示画面13Aの押下を受け付け、表示画面13Aの押下を受け付けたときに、押下された表示画面13A上の位置である押下位置を検出し、表示画面13Aの押下が受け付けられたあと、その表示画面13Aの押下状態が終了したか否かを判定し、押下状態が終了したと判定したときに、検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点(中心点51)を所定時間表示するとともにその所定時間が経過するまでその押下中心点を中心として所定の図形(例えば円52)が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出(例えば波紋演出)を実行する構成としたので、ゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、タッチパネルの接触操作であるタッチ操作によるタッチ位置(押下位置)を適確に報知することができるようになる。
【0050】
すなわち、プレイヤの指やスタイラスペンによるタップ操作などのタッチ操作がなされたとき(表示画面が押下されたあと押下状態が解除されたとき。タッチオンしたあとタッチオフしたとき。)に、押下位置の中心位置を示す押下中心点(中心点51)を所定時間表示するとともにその所定時間が経過するまでその押下中心点を中心として所定の図形(例えば円52)が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出(例えば波紋演出)を実行する構成としているので、その図形演出により押下中心点を強調することができ、プレイヤに対してタッチ位置を明示することが可能となる。特に指によるタッチ操作がなされる場合には、自分自身の指で対象オブジェクトが隠れてしまう場合があり、思い通りの対象オブジェクトを押下できているか否かの判断が難しい場合があるが、タッチ操作のあとに押下中心点が強調された図形演出を行う構成としているので、タッチ位置(押下位置)を適確に認識させることができるようになり、実際のタッチパネル上での押下位置とプレイヤが想定した押下位置との誤差をプレイヤに認識させることが可能となる。従って、狭い表示画面内の小さい対象オブジェクトを押下しようとする場合であっても、適切な位置を押下することが容易にできるようになり、誤操作によるストレスを低減することが可能となる。なお、ローディング中などにタッチ操作に応じた図形演出を行うようにすれば、ローディング間などの暇つぶしを行うことも可能となる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、押下状態が終了したと判定されたときに、図形演出を実行するか否か判定し、図形演出を実行すると判定されたときに限り、図形演出を実行する構成としているので、必要な場合にだけ図形演出を行うことが可能となる。なお、上述した実施の形態では言及していないが、アプリケーションプログラム上、操作入力を受け付けない領域や、注意を喚起したい場面では、図形演出を実行しないよう構成としてもよい。このように構成すれば、プレイヤに操作入力を行うことが可能であるか否かを認識させることが可能となり、例えば操作入力不能であることをプレイヤが適確に認識できるようになるため、操作上のストレスを低減することが可能となる。
【0052】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、表示画面の押下が受け付けられ押下位置が検出されたあと、その押下位置が変更したか否かを判定し、押下位置が変更していないと判定されていた場合に限り、図形演出を実行する構成としているので、押下位置が変更しない短時間の押下操作(例えばタップ操作)に応じて図形演出による押下位置の報知を行うことができるようになる。よって、プレイヤの押下位置とデバイス側の押下受付位置との間に誤差がある場合であっても、タップ操作を繰り返すことによって容易にプレイヤが意図する押下位置を押下することができるようになる。
【0053】
また、上述した実施の形態では、図形演出として、検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点(中心点51)を所定時間表示するとともに、その所定時間が経過するまでその押下中心点を中心として所定の円52が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することにより波紋を表した波紋演出を行う構成としているので、波紋を模したアニメーション表示の中心点である押下位置を容易に認識させることが可能となる。なお、波紋を構成する円は、多重の円であるものとしてもよい。
【0054】
また、上述した実施の形態において、図形演出として、検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに、その所定時間が経過するまでその押下中心点を中心として所定の星形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することによる演出を行う構成とした場合であっても、星形が拡大または縮小していくアニメーション表示の中心点である押下位置を容易に認識させることが可能となる。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、指がタッチパネルに接触したあと位置が変更されることなく接触状態が終了した場合に波紋演出を実行する構成としていたが、そのような場合だけでなく、制御部11が、指がタッチパネルに特定時間以上触れており、接触位置の移動距離が所定距離以下であることが検出されたときに、波紋演出を繰り返し実行することによって、指の接触位置を認識可能とするための強調表示演出を行うようにしてもよい。この場合、指のサイズより大きいサイズの波紋表示による波紋演出を行うことで、タッチパネルに接触した表示画面上の指の中心位置を、指を表示画面から離すことなくプレイヤに認識させることが可能となり、誤操作を低減させることができるようになる。
【0056】
上記のように、制御部11が、表示画面の押下が受け付けられたあと、その表示画面の押下状態が終了することなく特定時間が経過したか否かを判定し、表示画面の押下が受け付けられ押下位置が検出されたあと、その押下位置の移動量(例えば移動距離)を検出し、特定時間が経過したと判定されたときに、検出された移動量が特定量以下であった場合には、押下されている表示画面上の押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともにその所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する構成とした場合には、接触した表示画面上の指の中心位置を、指を表示画面から離すことなくプレイヤに認識させることが可能となり、誤操作を低減させることができるようになる。
【0057】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100を例に説明していたが、タッチパネルなどの入力装置を用いたユーザインタフェース処理を行うデバイスであればどのようなデバイスであっても適用することができる。よって、ビデオゲーム以外の他のアプリケーションにおけるオブジェクト(ユーザインタフェース構成要素)の操作に関するユーザインタフェース処理においても、上述した各実施の形態と同様の処理を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、操作ボタンを配設可能な領域が狭い小型の携帯デバイスなどにおけるゲーム操作等のアプリケーション上の操作において、画面サイズの制限を回避し、ユーザの操作負担を軽減させるのに有用である。また、一般的なコンソールゲーム機にも応用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 プログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 操作受付部
20 ゲームカートリッジ
100 ビデオゲーム処理装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを制御するユーザインタフェース処理装置であって、
プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付手段と、
該押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出手段と、
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定手段と、
該押下終了判定手段によって押下状態が終了したと判定されたときに、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行手段とを含む
ことを特徴とするユーザインタフェース処理装置。
【請求項2】
前記押下終了判定手段によって押下状態が終了したと判定されたときに、前記図形演出を実行するか否か判定する実行判定手段を含み、
前記実行演出手段は、前記実行判定手段により前記図形演出を実行すると判定されたときに限り、前記図形演出を実行する
請求項1記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項3】
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられ前記押下位置検出手段によって押下位置が検出されたあと、当該押下位置が変更したか否かを判定する変更判定手段を含み、
前記実行判定手段は、前記変更判定手段によって押下位置が変更していないと判定されていた場合に限り、前記図形演出を実行すると判定する
請求項2記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項4】
前記図形演出は、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに、当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の円が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することにより波紋を表した波紋演出である
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項5】
前記図形演出は、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに、当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の星形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示することによる演出である
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項6】
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられたあと、当該表示画面の押下状態が終了することなく特定時間が経過したか否かを判定する時間経過判定手段と、
前記押下受付手段によって前記表示画面の押下が受け付けられ前記押下位置検出手段によって押下位置が検出されたあと、当該押下位置の移動量を検出する移動量判定手段とを含み、
前記演出実行手段は、前記時間経過判定手段によって前記特定時間が経過したと判定されたときに、前記移動量判定手段によって検出された移動量が特定量以下であった場合には、押下されている前記表示画面上の押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項7】
前記ユーザインタフェース処理装置は、前記アプリケーションとしてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置である
請求項1から請求項6のうちいずれかに記載のユーザインタフェース処理装置。
【請求項8】
アプリケーションを制御するユーザインタフェース処理方法であって、
プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付処理と、
該押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出処理と、
前記押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定処理と、
該押下終了判定処理にて押下状態が終了したと判定したときに、前記押下位置検出処理にて検出した押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行処理とを含む
ことを特徴とするユーザインタフェース処理方法。
【請求項9】
アプリケーションを制御させるユーザインタフェース処理プログラムであって、
コンピュータに、
プレイヤのタッチパネルの接触操作による表示画面の押下を受け付ける押下受付処理と、
該押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたときに、押下された前記表示画面上の位置である押下位置を検出する押下位置検出処理と、
前記押下受付処理にて前記表示画面の押下を受け付けたあと、当該表示画面の押下状態が終了したか否かを判定する押下終了判定処理と、
該押下終了判定処理にて押下状態が終了したと判定したときに、前記押下位置検出処理にて検出した押下位置の中心位置を示す押下中心点を所定時間表示するとともに当該所定時間が経過するまで当該押下中心点を中心として所定の図形が徐々に拡大または縮小していく変動図形を表示する図形演出を実行する演出実行処理とを
実行させるためのユーザインタフェース処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−118595(P2011−118595A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274562(P2009−274562)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】