説明

ライセンスを受けた視聴者へストリーミング映像の配信を許可する方法および装置

【課題】選択される映像へのライセンスを受けたアクセスが、LSO(ライセンス付与サービス組織)によって提供される。
【解決手段】LSOは、映像のコンテンツプロバイダからライセンスを取得し、これらのライセンスをライセンシー組織の選択する映像の新しいライセンスと組み合わせる。その後、ライセンシー組織の管理者は、LSOから各映像の認証キーを取得する。そして、イントラネットを介してアクセス可能なウェブページへこれらのキーを埋め込む。イントラネットに接続するコンピュータからの選択のためウェブページをナビゲートすることにより、視聴要求が生じる。視聴要求は、埋め込まれた認証キー、および、LSOのサーバへ送信されるコンピュータのIPアドレスを含む。サーバは、受信する情報を使用して、要求が既定のイントラネットのコンピュータからであるかどうかを判断する。そして、そうだとしたら、要求が新しいライセンスの状態に基づいて生成されるかどうかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーミング映像の配信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットは、ストリーミング映像を配信元からユーザへ送信するための媒体として普及しているが、多くの場合、注目度が収益性に先行している。例えば、Google(登録商標)のYou Tube(登録商標)映像共有サービスは、エンドユーザが映像のアップロードおよびダウンロードを自由に出来るようにしたことによって、ウェブ上で最も人気のあるサイトの1つとなっている。しかし、グーグルは、このサービスを利益が出るように運営できているとは、まだ明言できていない一方で、ユーザによってアップロードされる映像素材に著作権を行使しようと、未だに腐心している。
【0003】
フールー(Hulu)は、付随する広告に支えられ、テレビ放送網のゴールデンタイムの番組のストリーミング映像をエンドユーザへ提供する、最も急成長しているサイトの1つとなっている。しかしながら、広告収入単独で、要求される放送網のアクセス料金を相殺できるのか不明である。
【0004】
最後に、これら無料サービスはいずれも、コンテンツへのアクセス料金として請求することで成立するビジネスモデルを有する、有料視聴者にとって価値の高いマルチメディアコンテンツのプロバイダに対しては、解決策を提供しない。コンテンツへのアクセスを認証するログインの仕組みは存在するが、消費者は、可能性のあるプロバイダと各々関連するログインアカウントの契約を結ぶのは困難なため、いまだに映像の消費者には受け入れられていない。
【0005】
ゆえに、著作権を保護し、多くのマルチメディアコンテンツプロバイダによって個別に指定される合意のライセンスを与えつつ、エンドユーザには最小の認証負担となるような方法で、多くのプロバイダから映像へのアクセスの認証を得る方法や装置が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の原理により、ライセンシー組織の会員は、その組織に属するイントラネットに接続するコンピュータ上で実行する通常のブラウザで、映像を視聴することが許される。映像へのライセンスを受けたアクセスは、ライセンス付与サービス組織によって提供される。ライセンス付与サービス組織は、映像コンテンツプロバイダからライセンスを取得し、これらのライセンスをライセンシー組織の選択映像の新しいライセンスと組み合わせる。ライセンシー組織の管理者は、ライセンス付与サービス組織から各映像の認証キーを取得して、イントラネットを介してアクセス可能なウェブページに、これらのキーを埋め込む。映像の表示を希望する視聴者は、ウェブページをナビゲートする。イントラネットに接続するコンピュータからの選択により、埋め込まれる認証キーを含む視聴要求がライセンス付与サービス組織のサーバへ送信される。サーバは、その要求が映像のライセンス許可の状態であるかどうかを判断するために、受信する情報を使用する。その要求が許可されている場合、ライセンス付与サービス組織は、視聴者のブラウザへアクセストークンを返す。トークンは、コンテンツプロバイダネットワークからの映像をダウンロード、および、表示するために使用することができる。
【0007】
実施形態において、サーバは、ライセンシー組織および映像に適用するライセンスを特定するために、認証キーを使用する。
【0008】
実施形態において、視聴者のコンピュータのインターネットIPアドレスは、認証キーとともに、ライセンス付与サービス組織のサーバへ送信される。そして、IPアドレスは、ライセンシー組織が要求は有効かどうかを判断するため、新しいライセンスで有効なアドレス範囲と比較される。
【0009】
実施形態において、視聴者が映像のためのウェブページをナビゲートするとき、表示プログラムがライセンス付与サービス組織からダウンロードされる。そして、表示プログラムは視聴要求を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】映像コンテンツのライセンス付与および表示システムのセットアップの例示的プロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図2】映像コンテンツのライセンス付与および表示システムのセットアップに関連する機器を示すブロック略図である。
【図3】顧客情報を格納するテーブルおよびテーブル間の関連を示すテーブルリレーション図である。
【図4】ライセンス情報を格納するテーブルおよびテーブル間の関連を示すテーブルリレーション図である。
【図5】イントラネットのウェブページで選択された映像のアクセスキーを埋め込む例示的プロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図6A】併せると、視聴者に、選択された映像に関連するイントラネットのウェブページにアクセスすること、および、映像を通常のインターネットブラウザで表示することを許可する、例示的なプロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図6B】併せると、視聴者に、選択された映像に関連するイントラネットのウェブページにアクセスすること、および、映像を通常のインターネットブラウザで表示することを許可する、例示的なプロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図6C】併せると、視聴者に、選択された映像に関連するイントラネットのウェブページにアクセスすること、および、映像を通常のインターネットブラウザで表示することを許可する、例示的なプロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図6D】併せると、視聴者に、選択された映像に関連するイントラネットのウェブページにアクセスすること、および、映像を通常のインターネットブラウザで表示することを許可する、例示的なプロセスにおけるステップを示すフローチャートである。
【図7】図6Aないし6Dに示されるプロセスを実行するために使用される装置を示すブロック略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1ないし7は、本発明の原理に従って、映像コンテンツのライセンス付与および表示システムを作成する、例示的なプロセスでのステップを示す。全体のプロセスは、図1ないし5で示されるセットアップのプロセス、および図6ないし7で示される視聴プロセスを備える。セットアップのプロセス中、ライセンシー組織は、映像コンテンツプロバイダによって製作される映像コンテンツを会員が視聴するためのライセンスを取得し、組織のイントラネット上のウェブページを構成して映像コンテンツを表示する。セットアップのプロセスが完了した後、組織の会員は、専用のインターネット接続を有する映像プレイヤで、映像コンテンツを視聴することができる。ここで、映像プレイヤは、ブラウザをベースにしたもの(例えば、アドビシステムズ社によって販売されるフラッシュプレイヤーなどのブラウザプラグインを使用するもの)、スタンドアロン型の映像表示アプリケーション(マイクロソフト社によって販売されるメディアプレイヤーアプリケーションなど)、またはケーブルテレビ/衛星放送のセットトップボックスのいずれとすることもできる。
【0012】
セットアップのプロセスはステップ100で開始しステップ102へ進む。ステップ102では、(映像コンテンツプロバイダ200および202は図2として例示的に示される)映像コンテンツプロバイダは、LSO(ライセンス付与サービス組織)204とコンテンツのライセンス付与の契約を結ぶ。これは、矢印206および208で図示される。これらのライセンスはさまざまな形態をとるが、以下に記載されるような、一般的に類似する条件を用いる。
【0013】
条件例
(映像コンテンツプロバイダ1の条件)
(T1)組織は、視聴料を支払うことにより、いずれか1つの映像を50回まで視聴できるように、映像コンテンツにライセンスを与えることができる。
(T2)追加料金Xドルで、組織は、1つの映像を500回まで視聴できるライセンスを購入することができる。
(映像コンテンツプロバイダ2の条件)
(T3)組織は、視聴料を支払うことにより、すべての映像を1年間何度でも視聴できるように、映像コンテンツをライセンスすることができる。
【0014】
ステップ104において、各ライセンスの条件は、LSOの位置にあるサーバ212の条件データベース210に格納される。これは、矢印214で図示する。条件データベース210では、条件は、U.S.Patent N0.5,991,876に示されるようなデータ構造で格納することができる。ある時点で、映像コンテンツプロバイダ200および202は、実映像コンテンツをCDN(コンテンツ流通ネットワーク)サーバ236へも、インターネット226を介してアップロードする。これは、矢印238および240で図示する。
【0015】
本発明の原理に従って、顧客であるライセンシー組織は、その組織の会員であるユーザのために、LSO(ライセンス付与サービス組織)からコンテンツ視聴ライセンスを購入することができる。例えば、ステップ106において、顧客であるライセンシー組織216は、1年間の予約ライセンスのLSO204からの購入を依頼する。LSO204は、会員ユーザが、映像コンテンツプロバイダ1および映像コンテンツプロバイダ2の両方からマルチメディアコンテンツを視聴することができるようにする。これは、矢印218で図示する。
【0016】
購入の依頼の一部として、ライセンシー組織216は、LSO204に、ある範囲のIPアドレスを提供する。その範囲内の各アドレスは、ネットワークに接続するコンピュータのネットワークアドレスに対応しており、その各アドレスを有するコンピュータ上で、ライセンシー組織の会員は、ライセンスを受けたコンテンツを視聴できる。これらのアドレス範囲は、図3に示すようなデータ構造で格納される。図3は、3つの相互に関連のあるテーブルを示す。これらのテーブルは、顧客テーブル300、IP範囲テーブル302、ユーザテーブル304を含む。各テーブルは、テーブルでの各レコードを一意に識別する主キーを有する。例えば、顧客テーブル300は、顧客IDの主キーを有する。主キーは、テーブルの本体部における第1の入力として分離して示す。また、追加フィールドは、そのフィールドのコンテンツがフィールド名から明白なように示す。テーブルは、当業者にとって周知な方法で、テーブルに関連する外部キーも有する。例えば、IP範囲テーブルは、テーブル302において外部キーである顧客IDキーによって、顧客テーブル300に関連する。ユーザ情報は、テーブル304に格納され、顧客の値へのリンクを有する。
【0017】
IPアドレス範囲テーブル302は、範囲に対応付けられる最小値および最大値IPアドレスをドット表記法(12.345.678.900)および値で(12345678900)の両方で格納するフィールドを有する。
【0018】
要求に応じて、LSOサーバ214は、矢印214で示すように、条件データベース210へアクセスする。そして、関連のある条件、例えば上述の映像コンテンツプロバイダ1および2の条件を抽出する。その後、ステップ108に記載のように、LSOサーバ212は、新しいライセンスを発行する。この新しいライセンスは、LSO204と映像コンテンツプロバイダ1および2(200、202)との間のライセンス契約と関連する条件の集まりを含む。また、この新しいライセンスは、ライセンシー組織によって提供されるIPアドレス範囲を含む。例えば、新しいライセンスは以下のような条件を含む。
【0019】
新しいライセンス
(L1)ライセンシー組織の会員は、50会員まで自らの裁量で映像コンテンツプロバイダ1のコンテンツのいずれか1つの映像を視聴できる。(T1)
(L2)ライセンシー組織の会員は、自らの裁量で映像コンテンツプロバイダ2のコンテンツを1年間視聴できる。(T1)
(L3)ライセンシー組織の会員は、12.345.678.001から12.345.678.254までの範囲にある公表されているIPアドレスを使用して、ネットワーク接続するコンピュータから上記のライセンスを受けたコンテンツを視聴できる。
【0020】
ステップ110において、矢印222で図示するように、LSOサーバ212は、新しいライセンス条件をライセンスデータベース220に、図4に示すようなデータ構造で記録する。図4は、7つの相互に関連のあるテーブルおよび2つのサブテーブルを示す。これらのテーブルは、権利者テーブル400、コンテンツ項目テーブル402、顧客テーブル404(図3に示される顧客テーブル300と同じテーブルである)、権利テーブル406、ライセンステーブル408、認証キーテーブル410、および限定タイプテーブル412を含む。記号418で示す2つのサブテーブルは、ライセンステーブル408、および限定タイプテーブル412から導出される。各サブテーブルは、親テーブルからのすべてのフィールドに加えて、サブテーブルのフィールドを有する。サブテーブルのフィールドは、その限定タイプの値で判断される。例えば、サブテーブル414の回数制限ライセンスは、ライセンステーブル408のすべてのフィールドに加えて、最大の視聴回数フィールドおよび現在の視聴回数フィールドを含む。
【0021】
権利テーブル406は、権利者が許可のために選択する、各“限定タイプ”に1つのレコードを含む。例示する実施形態において、2つの限定タイプ、“回数制限”および“時間制限”が示される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲および精神を変更せずに他の限定タイプが包含されることを理解するであろう。
【0022】
図3に示されるテーブルと同様に、図4に示される各テーブルは、テーブルでの各レコードを一意的に特定する主キーを有する。例えば、ライセンステーブル408は、顧客IDの主キーを有する。主キーは、テーブルの本体部における第1の入力として分離して示す。追加フィールドは、フィールド名から明白である情報を有するように示す。
【0023】
具体的に言うと、ライセンシー組織は、ライセンスを望む各コンテンツの項目ごとに、コンテンツ項目テーブル402へアクセスする。コンテンツ項目テーブル402は、コンテンツ項目IDとともにライセンスデータベース220に格納される。そして、ライセンシー組織は、そこに格納される権利者IDを使用して権利者テーブル400へアクセスする。ライセンシー組織は、権利の一覧からライセンスする権利を選択する。権利の一覧は、権利テーブル406に格納され、選択する権利者IDに属する。その後、ライセンシー組織は、選択した権利のライセンスを購入する。
【0024】
各ライセンスが購入されるごとに、LSOサーバは、ライセンステーブル408に新しいライセンスのレコードを作り、ライセンスサブタイプテーブルの1つに対応するレコードを作成する。ライセンスサブタイプテーブルは、新しいライセンスのレコードで、限定タイプIDフィールドの値で判断する。例示する実施例において、限定タイプIDフィールドの値は、適切に追加されるテーブル属性とともに、回数制限ライセンステーブル414、または時間制限ライセンステーブル416のうち1つを選択する。
【0025】
LSOサーバは、対応するレコードをキーデータベース230にある認証キーテーブル410へ加える。ライセンスIDフィールドは、新しいライセンスのレコードの主キー、およびハッシュフィールドを有する。ハッシュフィールドは、大きな乱数か、またはライセンス属性および現時点の日時の強力な暗号ハッシュのいずれかの値を格納する。このハッシュ値は、すべてのライセンス許可に一意的である。
【0026】
LSO204からコンテンツ視聴ライセンスを購入後、ライセンシー組織216の職員は、ステップ112に記載の組織に関連するイントラネットのウェブページの中に映像の認証キーを埋め込むことができる。以下に更に詳細に記載するように、各映像の認証キーによって、組織の会員は、イントラネットのウェブページにアクセスし、そのページに関連付けられた映像を視聴することができる。その後、セットアップのプロセスは、ステップ114にて終了する。
【0027】
図5は、さらに詳細に、映像の認証キーをライセンシー組織のイントラネットページへ埋め込むプロセスのステップを示す。プロセスは、ステップ500で始まり、ステップ502へ進む。ステップ502では、ライセンシー組織の管理者は、インターネット226を介して通常のウェブブラウザ224を使用して、LSOサーバ212によって提供されるウェブサイトへナビゲートする。トランザクションに含まれるライセンシー組織の顧客ID、および希望するコンテンツのコンテンツ項目IDを使用して、管理者は、LSOサーバ212へ認証キーの要求を送る。これは、矢印228で示す。
【0028】
要求に応じて、ステップ504に示すように、LSOサーバ212は、顧客IDおよびコンテンツ項目IDを使用し、ライセンスデータベース220のライセンステーブル408へアクセスし、要求するコンテンツ項目のライセンシー組織によって購入されるライセンスを選択する。その後、LSOサーバ212は、矢印232で示すライセンスIDを使用して、キーデータベース230の認証キーテーブル410からハッシュフィールド値を検索する。
【0029】
次に、ステップ506において、LSOサーバ212は、矢印234で示すように、インターネット226を介してブラウザ224へ情報を送信する。この情報によって、文字列がブラウザ224上に表示される。文字列は、ブラウザベースの映像プレイヤの表示が要求されるHTML<EMBED>タグの形式による認証キーを含む。タグは、サーバ212によってLSOのウェブサイトにて提供され、要求した映像を表示する映像表示プログラムのURLを参照しており、前述のハッシュ値を含む。
【0030】
ステップ508において、管理者は、<EMBED>タグのテキストをコピーし、サーバ244によって提供され、データベース246に格納されるイントラネットのウェブページのソースコードにそのテキストをペーストする。この後者の動作は、矢印242で図示する。その後、認証キーの埋め込みプロセスは、ステップ510で終了する。このプロセスは、ライセンシー組織216の会員によって視聴される映像ごとに繰り返される。そのようにして、映像のキーは、少なくとも1つのイントラネットウェブページへ埋め込まれる。
【0031】
図6Aないし6Dおよび図7は、ライセンシー組織216の会員が、埋め込まれた認証キーを含むイントラネットウェブページをナビゲートし、ライセンスがライセンシー組織216によって取得された映像の選択を視聴することを試みると起動される、プロセスで実行されるステップを示す。このプロセスは、ステップ600で始まり、ステップ602へ進む。ステップ602では、ライセンシー組織216(図7)の会員は、通常のブラウザ224を使用して、サーバ244によって提供されるイントラネットウェブページにアクセスする。サーバ244の中には、図2ないし5で説明したように、認証キーがすでに埋め込まれていてデータベース246に格納されている。ブラウザ224がブラウザベースの映像プレイヤを使用している場合、ブラウザ224は、映像プレイヤを実行して、イントラネットページのHTMLコードのHTML<EMBED>タグから、映像表示プログラムのURLを抽出させる。その後、矢印704で示すように、ブラウザベースの映像プレイヤは、そのURLを使用してLSOサーバ212にアクセスする。そして、矢印706で図示するように、LSOサーバ212から映像表示プレイヤー702をダウンロードする。そして、ステップ604に記載のように映像表示プログラム702を実行する。
【0032】
次に、ステップ606において、および矢印708で図示するように、映像表示プレイヤープログラム702は、LSOサーバ212からのライセンシー組織の顧客ID、HTML<EMBED>タグから抽出するハッシュ値、および要求を発するコンピュータのIPアドレスをあらわすアクセストークンを要求する。
【0033】
ステップ608において、LSOサーバは、要求で受信するIPアドレスを使用して、矢印214で示すように、条件データベース210のIP範囲テーブル302にアクセスする。ステップ610においてIPアドレスが無効であると判断されると、プロセスは、オフページコネクタ614、618、632、636、652、および656を介して、ステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することができないとのメッセージが視聴者に対して表示される。その後、プロセスはステップ670で終了する。あるいは、IPアドレスが、テーブル302のレコードの1つに格納されるIPアドレス範囲内にあるとステップ610で判断される場合、LSOサーバはそのレコードを検索する。そして、プロセスは、オフページコネクタ612および616を介して、ステップ620へ進む。ステップ620で、LSOサーバは、検索されたレコードにおける顧客IDフィールド値を使用して、顧客テーブル300にアクセスし、およびその顧客名を検索する。
【0034】
次に、ステップ622において、LSOサーバ212は、アクセストークン要求において受信するハッシュ値を使用して、キーデータベース230の認証キーテーブル410にアクセスしようと試みる。これは、矢印232で示す。その後、ステップ624において、アクセスの試みが成功するかどうかを判断することによって、ハッシュ値が有効かどうかを判断する。ステップ620でハッシュ値が無効であると判断される場合、オフページコネクタ632、636、652および656を介して、プロセスはステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することはできないとのメッセージが視聴者に対して表示され、その後、プロセスはステップ670で終了する。
【0035】
ステップ624で、ハッシュ値が有効であると判断される場合、ステップ626において、LSOサーバ212は、認証キーテーブル410からライセンスIDフィールド値を検索し、その値を使用してライセンスデータベース220のライセンステーブル408にアクセスし、ライセンシー組織のための、対応するライセンスを検索する。検索したライセンスレコードの顧客IDフィールド値は、その後、顧客テーブル404にアクセスして、顧客名を検索するために使用される。
【0036】
ステップ628において、ステップ620で取得する顧客名は、ステップ626で取得する顧客名と比較される。ステップ628で顧客名が一致しないと判断される場合、オフページコネクタ632、636、652および656を介して、プロセスはステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することはできないとのメッセージが視聴者に対して表示され、その後、プロセスはステップ670で終了する。
【0037】
ステップ628で、検索した顧客名が一致すると判断される場合、その後、オフページコネクタ630および634を介して、プロセスはステップ638へ進む。ステップ638では、LSOサーバ212は、ステップ626で検索されたライセンスレコードの対応するフィールドから、コンテンツ項目ID値を検索する。
【0038】
次に、ステップ640において、ステップ626で検索されたライセンスレコードが回数制限ライセンスを定義しているか否かが判断される。この判断は、ライセンスレコードの制限IDフィールドの値を分析することによってなされる。ステップ640でライセンスが回数制限ライセンスであると判断される場合、プロセスはステップ642へ進む。ステップ642では、ライセンスレコードの現在の回数制限フィールドの値が、ライセンスレコードの最大の回数制限フィールドの値より少ないかどうかの判断がなされる。この比較が視聴制限の最大回数に達していることを示す場合、選択されたコンテンツ項目のさらなる表示は許可されない。この場合、オフページコネクタ652および656を介して、プロセスはステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することはできないとのメッセージが視聴者に対して表示され、その後、プロセスはステップ670で終了する。
【0039】
ステップ642で、視聴制限の最大回数に達していないと判断される場合、プロセスはステップ644へ進む。ステップ644では、現在の視聴回数フィールドの値を1増加する。その後、プロセスはステップ648へ進む。ステップ648については、以下で述べる。
【0040】
ステップ640で、検索されたライセンスレコードは回数制限ライセンスではないと判断される場合、例示する実施形態では、ライセンスは時間制限ライセンスであると確信される。追加ライセンスタイプの代替が使用可能な場合は、例示のプロセスは、本技術分野で知られた方法で変更することが可能であろう。時間制限ライセンスの場合、ステップ646において、現在の日付と時刻が、許可された範囲内であるか否か判断される。その範囲は、検索されたライセンスの開始の日付・時刻、および満了の日付・時刻フィールドの値によって定義される。現在の日付および時刻が許可された範囲外である場合、有効期限はすでに切れている。オフページコネクタ652および656を介して、プロセスはステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することはできないとのメッセージが視聴者に対して表示され、その後、プロセスはステップ670で終了する。
【0041】
ステップ646で、ライセンスの有効期限が切れていないと判断される場合、プロセスはステップ648へ進む。ステップ648では、LSOサーバ212は、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)のアクセストークンを生成する。アクセストークンは、選択するメディアファイルへのアクセスを許可するものである。そして、LSOサーバ212は、そのアクセストークンを閲覧ブラウザ224で実行する映像表示プログラム702へ戻す。これは、矢印710で図示する。LSOサーバ212は、CDNサーバ236によって提供されるアルゴリズムを使用して、このトークンを生成することができる。または、CDNサーバ236が、選択するメディアファイルに対応するトークンを生成し、およびそのトークンをLSOサーバ212へ戻すことを要求することによって、このトークンを生成することができる。トークンは自動的に期限切れとなるので、発行後の既定の期間後に無効となる。
【0042】
その後、オフページコネクタ650および654を介して、プロセスはステップ658へ進む。ステップ658では、映像表示プログラム702は、ステップ646で受信するアクセストークンを提供することによって、CDNサーバから要求されるメディアファイルの映像のストリーミングデータを要求する。これは、矢印712で図示する。
【0043】
ステップ660において、自らのデータ構造を使用して、CDNサーバ236は、アクセストークンをチェックする。そして、以前使用されていない、および期限切れでないトークンを有効とする。ステップ662で、アクセストークンは無効であると判断される場合、プロセスはステップ668へ進む。ステップ668では、選択された映像を表示することはできないとのメッセージが視聴者に対して表示され、その後、プロセスはステップ670で終了する。ステップ662で、アクセストークンは有効であると判断される場合、プロセスはステップ664へ進む。ステップ664では、CDNサーバ236は、映像表示プログラム702へ選択したメディアファイルの映像のストリーミングデータを戻す。これは、矢印714で図示する。ステップ666において、映像表示プログラム702は映像のストリーミングデータを表示し、プロセスはステップ670で終了する。
【0044】
本発明は、多数の実施例を参照して表現および記載されたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の精神および範囲から逸脱しないで、基本構造および詳細におけるさまざま変更は本明細書でなされうることを理解するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたIPアドレスを有し、管理コンピュータおよびライセンシー組織が保持するサーバに接続するイントラネットに接続する、コンピュータにストリーミング映像の配信を許可するソフトウェアで実行する方法であって、前記ライセンシー組織は、複数の既定のIPアドレスから映像コンテンツを視聴するためのライセンスを、LSOサーバを有するライセンス付与サービス組織から取得しており、
(a)前記管理コンピュータが、ライセンシー組織に特有の認証キーを、イントラネットのウェブページを定義する前記サーバに格納されているコードに埋め込むステップと、
(b)前記イントラネットのページのコードに格納された前記コードを実行して、前記コンピュータが、LSOサーバに対して、前記認証キーおよびコンピュータのIPアドレスを送信するステップと、
(c)LSOサーバが、受信するIPアドレスが既定のIPアドレスに含まれるかどうかを判断し、前記認証キーによって特定されるライセンシー組織がすでにライセンスを取得している場合、前記映像コンテンツに特有のアクセストークンを生成して、前記コンピュータに戻すステップと、
(d)前記コンピュータが、前記アクセストークンを使用して前記映像コンテンツをダウンロードするステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ステップ(a)は、
前記管理コンピュータが前記LSOサーバに対して認証キーの要求を送信し、前記LSOサーバが前記ライセンシー組織によって取得されるライセンスに特有の認証キーを生成することにより要求に応答し、および、前記管理コンピュータに対して認証キーを戻すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)は、
前記コンピュータは、前記イントラネットのウェブページをナビゲートすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記認証キーは、前記LSOサーバへアクセスするための情報を含み、前記LSOサーバは、前記映像コンテンツを視聴するために満たさなければならない既定の制限を含むライセンス情報を検索することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(d)は、
前記映像コンテンツが格納されているコンテンツ配信サービスのサーバに対して、前記アクセストークンを送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(d)は、
前記コンテンツ配信サービスのサーバは、前記アクセストークンが有効であるか否かを判断し、有効な場合、前記コンピュータに対して映像コンテンツをダウンロードすることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(b)は、
イントラネットのページに格納されるコードを実行して、前記LSOサーバから前記コンピュータに対して映像表示プログラムをダウンロードするステップと、
前記コンピュータで前記映像表示プログラムを実行して、前記LSOサーバに対して前記認証キーおよび前記コンピュータの前記IPアドレスを送信するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記既定のIPアドレスは、前記ライセンシー組織を特定する情報と共に、前記LSOサーバのライセンスデータベースに格納されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記認証キーは、ライセンスデータベースにアクセスして、前記ライセンシー組織および前記映像コンテンツに特有のライセンスを検索することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(c)は、
前記LSOサーバが、前記認証キーにより前記ライセンスデータベースにアクセスしてライセンシー組織を特定する情報を検索し、および前記IPアドレスにより前記ライセンスデータベースにアクセスして、前記ライセンシー組織を特定する情報を取得し、および前記特定する情報を比較するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
予め定められたIPアドレスを有し、管理コンピュータおよびライセンシー組織が保持するサーバに接続するイントラネットに接続する、コンピュータにストリーミング映像の配信を許可するソフトウェアを実行する装置であって、前記ライセンシー組織は、複数の既定のIPアドレスから映像コンテンツを視聴するためのライセンスを、LSOサーバを有するライセンス付与サービス組織から取得しており、前記コンピュータ、前記管理コンピュータ、および前記LSOサーバはプロセッサを含み、
(a)前記管理コンピュータが、ライセンシー組織に特有の認証キーを、イントラネットのウェブページを定義する前記サーバに格納されているコードに埋め込むステップと、
(b)前記イントラネットのページのコードに格納された前記コードを実行して、前記コンピュータが、LSOサーバに対して、前記認証キーおよびコンピュータのIPアドレスを送信するステップと、
(c)LSOサーバが、受信するIPアドレスが既定のIPアドレスに含まれるかどうかを判断し、前記認証キーによって特定されるライセンシー組織がすでにライセンスを取得している場合、前記映像コンテンツに特有のアクセストークンを生成して、前記コンピュータに戻すステップと、
(d)前記コンピュータが、前記アクセストークンを使用して前記映像コンテンツをダウンロードするステップと
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記ステップ(a)は、
前記管理コンピュータが前記LSOサーバに対して認証キーの要求を送信し、前記LSOサーバが前記ライセンシー組織によって取得されるライセンスに特有の認証キーを生成することにより要求に応答し、および前記管理コンピュータに対して認証キーを戻すことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ステップ(b)は、
前記コンピュータは、前記イントラネットのウェブページをナビゲートすることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記認証キーは、前記LSOサーバへアクセスするための情報を含み、前記LSOサーバは、前記映像コンテンツを視聴するために満たさなければならない既定の制限を含むライセンス情報を検索することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ステップ(d)は、
前記映像コンテンツが格納されているコンテンツ配信サービスのサーバに対して、前記アクセストークンを送信することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記ステップ(d)は、
前記コンテンツ配信サービスのサーバは、前記アクセストークンが有効であるか否かを判断し、有効な場合、前記コンピュータに対して映像コンテンツをダウンロードすることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ステップ(b)は、
イントラネットのページに格納されるコードを実行して、前記LSOサーバから前記コンピュータに対して映像表示プログラムコードをダウンロードするステップと、
前記映像表示プログラムコードを実行して、前記LSOサーバに対して前記認証キーおよび前記コンピュータの前記IPアドレスを送信するステップと
を含むコンピュータプロセッサを備えたことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記既定のIPアドレスは、前記ライセンシー組織を特定する情報と共に、前記LSOサーバのライセンスデータベースに格納されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記認証キーは、ライセンスデータベースにアクセスして、前記ライセンシー組織および前記映像コンテンツに特有のライセンスを検索することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ステップ(c)は、
前記LSOサーバが、前記認証キーにより前記ライセンスデータベースにアクセスしてライセンシー組織を特定する情報を検索し、および前記IPアドレスにより前記ライセンスデータベースにアクセスして、前記ライセンシー組織を特定する情報を取得し、および前記特定する情報を比較するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−223578(P2011−223578A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−84459(P2011−84459)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(511053089)コピーライト クリアランス センター インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】