説明

ライセンスプレートの取付構造

【課題】 取付位置の変更が可能で、取付作業性に優れたライセンスプレートの取付構造を提供する。
【解決手段】 バンパー1に、クリップ部材を備えた取付手段11を装着する取付部3を設ける。この取付部3の周囲に複数の取付手段用挿入開口部6,7を設ける。複数の挿入開口部6,7のいずれかから取付部3に取付手段11を装着し、この取付部3に装着した取付手段11に固定ねじを螺着してライセンスプレートを取り付ける。複数の挿入開口部6,7のいずれかから取付部3にクリップ部材12を装着することにより、取付部3に設けるねじ部13の高さ位置が調整可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンスプレートを車両のバンパーに取り付けるライセンスプレートの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、フロントバンパにおいて、前面に固定ねじを挿入できるエンボス部を形成し、同エンボス部の内部に複数のねじ部を有するJナットを配置し、エンボス部と同じ大きさの目隠しプレートを配置し、エンボス部と同じ大きさの目隠しプレートの裏面に前記Jナットに係止できるクリップを一体成形したフロントバンパの取付構造(例えば特許文献1)があり、前記Jナットに2つのねじ部を設けることにより、固定ねじの間隔の異なるライセンスプレートを取付可能としている。
【0003】
また、図15及び図16に示すように、ライセンスプレート101をライセンスフレーム102に収納してバンバー103に取り付ける場合、そのバンパー103の取付箇所がライセンスプレート101に対応して形成されているため、ライセンスフレーム102を用いると、該ライセンスプレート101がバンパー103に干渉して取付られないことがある。この場合は、ライセンスフレーム102とバンパー103間にスペーサ104,104を設け、固定ねじ105などにより取付を行う。
【特許文献1】特公平3−59856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、前者のフロントバンパの取付構造では、固定ねじの間隔の異なるライセンスプレートを取り付けることができるが、ライセンスプレートの取付位置を調整することはできない。一方、後者の取付構造では、スペーサ104を用いることにより、バンパー103に対して、ライセンスプレート101の前後位置を調整可能とし、バンバー103との干渉の問題を解決できるが、ライセンスフレーム102とバンパー103との間に隙間が発生し、外観を損なう虞があり、また、別部品としてスペーサ104を必要とするから、部品点数が増加し、コストが嵩む面がある。
【0005】
そこで、本発明は、取付位置の変更が可能で、取付作業性に優れたライセンスプレートの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、ライセンスプレートをバンパーに取り付けるライセンスプレートの取付構造において、前記バンパーに、取付手段を装着する取付部を設けると共に、この取付部の周囲に複数の取付手段用挿入開口部を設け、前記複数の挿入開口部のいずれかから前記取付部に前記取付手段を装着し、この取付部に装着した取付手段に固定ねじを螺着して前記ライセンスプレートを取り付けてなるものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記挿入開口部を上下方向で異なる位置に複数設けたものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記取付手段は、クリップ部材にねじ部を一体に設けてなるものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記取付部には、前記取付手段を位置決めする位置決め手段を設けたものである。
【0010】
さらに、請求項の発明5は、1つの前記挿入開口部に対応して、位置決め位置の異なる複数の前記位置決め手段を設けたものである。
【0011】
請求項の発明6は、ライセンスプレートをバンパーに取り付けるライセンスプレートの取付構造において、前記バンパーに、取付手段を装着する取付部を設けると共に、この取付部の周囲に取付手段用挿入開口部を設け、前記挿入開口部から前記取付部に前記取付手段を装着し、この取付部に装着した取付手段に固定ねじを螺着して前記ライセンスプレートを取り付け、前記取付部には、前記取付手段を異なる位置に位置決めする複数の位置決め手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0012】
上記請求項1の構成によれば、複数の挿入開口部のいづれかから取付部に取付手段を装着することにより、取付部に設ける取付手段の位置が調整可能となる。これにより、ライセンスフレームを用いてライセンスプレートをバンパーに装着する際には、取り付けの自由度が向上し、バンパーと干渉しない位置にライセンスプレートを取り付けることができる。そして、従来のように別途スペーサなどの部品を必要とせずに、容易に取り付けることができるため、部品点数を削減できると共に、外観意匠性を向上できる。また、ライセンスプレートの後方にある通風路との位置調整も可能となる。
【0013】
また、上記請求項2の構成によれば、挿入開口部を選択することにより、取付部における取付手段の高さ位置を調整でき、これによりバンパーにおける取付手段の高さ位置を任意に設定できる。
【0014】
また、上記請求項3の構成によれば、クリップ部材により取付部を挟むようにして簡便に装着することができる。
【0015】
また、上記請求項4の構成によれば、位置決め手段に取付手段を係合あるいは位置決め手段を基準とすることにより、取付手段の位置を正確に合わせることができる。
【0016】
さらに、上記請求項5の構成によれば、1つの共通した挿入開口部から取付部に取付部材を装着する場合も、いずれかの位置決め手段により、異なる位置に位置決めして取付部材を装着することができる。
【0017】
上記請求項6の構成によれば、挿入開口部から取付部に取付部材を装着する場合も、いずれかの位置決め手段に係合することにより、異なる位置に位置決め状態で取付部材を装着することができ、これにより取付手段を異なる位置に選択的に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規なライセンスプレートの取付構造を採用することにより、従来にないライセンスプレートの取付構造が得られ、そのライセンスプレートの取付構造について記述する。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明のライセンスプレートの取付構造の実施例について説明すると、図1〜図8は本発明の実施例1を示し、同図に示すように、車両のバンパー1の前面板2には、左右対称位置に取付部3,3を設け、これら取付部3,3は、ライセンスプレート111の左右の取付孔112,112に対応して設けられている。前記バンパー1は合成樹脂などから成形されている。尚、図中113は、ライセンスプレート111の枠となるライセンスフレームである。また、前記前面板2には、取付部3の上方および左右に、凸部2Aが形成されている。
【0020】
前記取付部3には、固定ねじ4を挿通する透孔5が穿設され、該取付部3は平板状に形成され、この取付部3の周囲に複数の取付手段用挿入開口部6,7を形成し、これら挿入開口部6,7は前記前面板2に開口して設けられている。この例では、前記透孔5は上下方向に長い長孔である。
【0021】
次に、取付手段11について説明すると、この取付手段11は前記挿入開口部6,7のいずれかから前記取付部3に装着するものである。図1〜図3などに示すように、取付手段11は、クリップ部材12にねじ部13を一体に設けてなり、前記クリップ部材12は、ばね鋼などのばね性を有する板材を屈曲形成して一対の挟着片部14,15を有し、これら挟着片部14,15の間隔は先端側に向って僅かに幅狭になるように形成され、一方の挟着片部15の先端を外側に向けて案内部15Aを形成し、その一方の挟着片部15の外面に筒体16を一体に設け、この筒体16内に前記ねじ部13が形成され、このねじ部13に対応して、両挟着片部14,15に貫通孔14K,15Kを形成し、貫通孔14Kは前記ねじ部13より径大に形成している。また、前記挟着片部14の幅方向両側が部分的に外側に広がって幅広部17が形成されている。
【0022】
前記挿入開口部6は前記取付部3の横に設けられたものであり、一方、前記挿入開口部7は前記取付部3の下に設けられたものであり、両挿入開口部6,7を前記取付手段11の平面形状より大きくすることが好ましい。
【0023】
前記取付部3の外面は、前記挟着片部14の厚さだけ、段差状の縁部により内面側に凹み、また、取付部3の内面は、ほぼ挟着片部14の厚さだけ、内面側に凹み、この取付部3は正面から見て略T字状をなす。そして、この取付部3を前記クリップ部材12が挟み付けて装着する。
【0024】
前記挿入開口部6から取付部3に取付手段11を装着する場合、図3に示すように、前記取付部3の上部側において、上下方向の上縁部21Uと下縁部21Dとの間隔Kが前記幅広部17に対応している。したがって、図3中、左側の挿入開口部6から、取付手段11を取付部3に装着すると、取付部3に形成された上,下縁部21U,21Dに、幅広部17が案内され、取付部3の透孔5に、ねじ部13が上下方向において位置決めれる。このように前記上,下縁部21U,21Dは、取付手段11の上下方向位置を位置決めする位置決め手段である。尚、前記下縁部21Dは、左右に分かれている。
【0025】
また、図1及び図5に示すように、取付部3の挿入開口部6側の縁は、前面側が傾斜する案内縁部22に形成され、装着状態で、クリップ部材12の基端側内面が前記案内縁部22に当接することにより、取付部3の透孔5に、ねじ部13が左右方向において位置決めれる。このように前記案内縁部22は取付手段11の左右方向位置を位置決めする位置決め手段である。そして、これら上,下縁部21U,21D及び案内縁部22により、ねじ部13が透孔5の上部側に位置決めされる。
【0026】
前記挿入開口部7から取付部3に取付手段11を装着する場合、図6に示すように、前記取付部3の上部側において、上下方向の右縁部31Rと左縁部31Lとの間隔Kが前記幅広部17に対応している。したがって、図6中、下側の挿入開口部7から、取付手段11を取付部3に装着すると、取付部3に形成された右,左縁部31R,31Lに、幅広部17が案内され、取付部3の透孔5に、ねじ部13が左右方向において位置決めれる。このように右,左縁部31R,31Lは取付手段11の左右方向位置を位置決めする位置決め手段である。
【0027】
また、図7に示すように、取付部3の挿入開口部7側の縁は、前面側が傾斜する案内縁部32に形成され、装着状態で、クリップ部材12の基端側内面が前記案内縁部32に当接することにより、取付部3の透孔5に、ねじ部13が上下方向において位置決めれる。このように前記案内縁部32は取付手段11の上下方向位置を位置決めする位置決め手段である。そして、これら右,左縁部31R,31L及び案内縁部32により、ねじ部13が透孔5の下部側に位置決めされる。
【0028】
そして、ライセンスプレート111のみを取り付ける場合は、挿入開口部6から取付手段11を取付部3に装着し、図7に示すように、ライセンスプレート111の取付孔112,透孔5の上部を挿通した固定ねじ4を、ねじ部13に螺着して締め付け固定する。このように挿入開口部6から装着した場合は、ねじ部13が取付部3の上側となるから、バンパー1の凸部2Aに沿ってライセンスプレート111を固定できる。
【0029】
一方、ライセンスフレーム113を用いてライセンスプレート111を固定する場合は、ライセンスフレーム113はライセンスプレート111より大きいから、挿入開口部6から取付手段11を取付部3に装着し、この場合、図6に示すように、ねじ部13が取付部3の下側になるから、ライセンスフレーム113が凸部2Aと干渉することなく、ライセンスプレート111を固定することができる。
【0030】
尚、図4,図5,図7及び図8では、固定ねじ4を想像線で図示し、クリップ部材12は固定ねじ4が螺合する前の状態を図示している。
【0031】
このように本実施例では、請求項1に対応して、ライセンスプレート111をバンパー1に取り付けるライセンスプレートの取付構造において、バンパー1に、取付手段11を装着する取付部3を設けると共に、この取付部3の周囲に複数の取付手段用挿入開口部6,7を設け、複数の挿入開口部6,7のいずれかから取付部3に取付手段11を装着し、この取付部3に装着した取付手段11に固定ねじ4を螺着してライセンスプレート111を取り付けてなるから、複数の挿入開口部6,7のいづれかから取付部3に取付手段11を装着することにより、取付部3に設けるねじ部13の位置が調整可能となる。これにより、ライセンスフレーム113を用いてライセンスプレート111をバンパー1に装着する際には、取り付けの自由度が向上し、バンパー1と干渉しない位置にライセンスプレート111を取り付けることができる。そして、従来のように別途スペーサなどの部品を必要とせずに、容易に取り付けることができるため、部品点数を削減できると共に、外観意匠性を向上できる。また、ライセンスプレート111の後方にある通風路との位置調整も可能となる。
【0032】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、挿入開口部6,7を上下方向で異なる位置に複数設けたから、挿入開口部6,7を選択することにより、取付部3における取付手段11の高さ位置を調整でき、これによりバンパー1における取付手段11の高さ位置を任意に設定できる。
【0033】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、取付手段11は、クリップ部材12にねじ部13を一体に設けてなるから、クリップ部材12により取付部3を挟むようにして簡便に装着することができる。
【0034】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、取付部3には、取付手段11が係合して取付手段11を位置決めする位置決め手段たる上,下縁部21U,21D及び案内縁部22、左,右縁部31L,31R及び案内縁部32を設けたから、位置決め手段に取付手段11を係合あるいは取付手段11を基準とすることにより、ねじ部13の位置を正確に合わせることができる。
【0035】
また、実施例上の効果として、位置決め手段を構成する上,下縁部21U,21D及び左,右縁部31L,31Rは、取付手段11の挟着片部14の厚さに対応する段部状に形成されたものであるから、取付状態で、取付手段11の外面とバンパー1の外面とがほぼ面一となる。また、基準部たる幅広部17を両側から挟むように位置決めする一対の上,下縁部21U,21D及び左,右縁部31L,31Rから位置決め手段を構成したから、位置あわせを容易に行うことができる。尚、上,下縁部21U,21Dの一方、左,右縁部31L,31Rの一方だけで位置決め手段を構成するよういしても良い。
【実施例2】
【0036】
図9〜図11は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記挿入開口部6を図中、取付部3の左側に配置し、また、実施例1に比べて挿入開口部7を大きく形成している。
【0037】
このように挿入開口部7を大きくすることにより、取付手段11の装着作業が容易になり、また、バンパー1の後にラジエターなどがある場合、通風路を大きく確保することができる。
【実施例3】
【0038】
図12は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記挿入開口部6,7による取付位置のほぼ中間にねじ部13を取り付けるために、挿入開口部8を取付部3の周囲に設け、この例では、取付部3の右側で前記挿入開口部6より低い位置に前記挿入開口部8を設けている。
【0039】
前記挿入開口部8から取付部3に取付手段11を装着する場合、図12に示すように、前記取付部3の上部側において、上下方向の上縁部23Uと下縁部23Dとの間隔Kが前記幅広部17に対応している。この上縁部23Uは前記上縁部21Uより下方に位置し、前記下縁部23Dは前記下縁部21Dより下方に位置する。したがって、図12中、右側の挿入開口部8から、取付手段11を取付部3に装着すると、取付部3に形成された上,下縁部23U,23Dに、幅広部17が案内され、取付部3の透孔5の中央に、ねじ部13が上下方向において位置決めれる。このように前記上,下縁部23U,23Dは取付手段11の上下方向位置を位置決めする位置決め手段である。そして、上,下縁部23U,23Dによりねじ部13は、挿入開口部6から装着した場合よりは下方で、挿入開口部7から挿入した場合よりは上方に位置決めされる。尚、図中、S31,S32,S33は、挿入開口部6,8,7から装着した場合のねじ部13の中心位置である。
【0040】
また、取付部3の挿入開口部8側の縁は、前面側が傾斜する前記案内縁部22に形成され、装着状態で、クリップ部材12の基端側内面が前記案内縁部22に当接することにより、取付部3の透孔5に、ねじ部13が左右方向において位置決めれる。このように前記案内縁部22は取付手段11の左右方向位置を位置決めする位置決め手段である。そして、これら上,下縁部23U,23D及び案内縁部22により、ねじ部13が透孔5の上部側の位置S32に位置決めされる。
【0041】
このように本実施例では、上下方向で異なる位置に複数の挿入開口部6,8,7を設けており、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0042】
図13〜図14は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記各実施例に比べて取付部3及び透孔5を上下方向に長く形成し、また、取付部3の横に位置する挿入開口部6,8を上下方向に広く形成している。そして、この例では、透孔5において、上から中心位置S41,S42,S43,S44,S45に位置決めする。
【0043】
図中右側の挿入開口部8は2つの位置決め手段を備え、この挿入開口部8から取付部3に取付手段11を装着する場合、図13に示すように、前記取付部3の上部側において、左右方向の上縁部24Uと中上縁部24Mとの間隔Kが前記幅広部17に対応し、上縁部24Uと中上縁部24Mの中央位置が前記位置S41に対応する。また、取付部3の下部側において、左右方向の下縁部24Dと中下縁部24Nとの間隔Kが前記幅広部17に対応し、左右方向の下縁部24Dと中下縁部24Nの中央位置が前記位置S43に対応する。このように上縁部24Uと中上縁部24M,下縁部24Dと中下縁部24Nは、取付手段11の上下方向位置を位置決めする位置決め手段である。
【0044】
図中左側の挿入開口部6も2つの位置決め手段を備え、この挿入開口部6から取付部3に取付手段11を装着する場合、図13に示すように、前記取付部3の上部側において、左右方向の上縁部25Uと中上縁部25Mとの間隔Kが前記幅広部17に対応し、上縁部25Uと中上縁部25Mの中央位置が前記位置S42に対応する。また、取付部3の下部側において、左右方向の下縁部25Dと中下縁部25Nとの間隔Kが前記幅広部17に対応し、左右方向の下縁部25Dと中下縁部25Nの中央位置が前記位置S44に対応する。このように上縁部25Uと中上縁部25M,下縁部25Dと中下縁部25Nは、取付手段11の上下方向位置を位置決めする位置決め手段である。
【0045】
図中下側の挿入開口部7から取付部3に取付手段11を装着すると、案内縁部22にクリップ部材12が係合してねじ部13が位置S45に位置決めされる。
【0046】
このように複数箇所にねじ部13を位置決めできるから、例えば、大きさの異なるライセンスフレーム113への対応や、あるいは大きさの異なるナンバープレート111への対応が可能となる。例えば、日本のライセンスプレート111に比べて他の国のライセンスプレートが小さい場合であれば、位置S41のねじ部13で他の国のライセンスプレートを取り付け、位置S42のねじ部13でライセンスフレームを設けた他の国のライセンスプレートを取り付け、位置S43のねじ部13で日本のライセンスプレート111を取り付け、位置S44でライセンスフレーム113を設けた日本のライセンスプレート111を取り付け、位置S45で大型のライセンスフレーム113を設けた日本のライセンスプレート111を取り付けるなど、ライセンスプレート111の大きさとライセンスフレーム113の組み合わせ及び大きさに対応した取付が可能となる。
【0047】
このように本実施例では、上記各実施例の効果に加えて、請求項5に対応して、1つの挿入開口部8に対応して、位置決め位置の異なる複数の位置決め手段たる上縁部24U及び中上縁部24M、中下縁部24N及び下縁部24Dを取付部3に形成して設け、1つの挿入開口部6に対応して、位置決め位置の異なる複数の位置決め手段たる上縁部25U及び中上縁部25M、中下縁部25N及び下縁部25Dを設けたから、1つの共通した挿入開口部8,6から取付部3に取付手段11を装着する場合も、いずれかの位置決め手段に係合あるいは位置決め手段を基準にすることにより、異なる位置に位置決めして取付手段11を装着することができる。
【0048】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、ライセンスプレート111をバンパー1に取り付けるライセンスプレートの取付構造において、バンパー1に、取付手段11を装着する取付部3を設けると共に、この取付部3の周囲に取付手段用挿入開口部6,8を設け、取付手段11はねじ部13を有し、挿入開口部6,8から取付部3に取付手段11を装着し、この取付部3に装着した取付手段11に、ライセンスプレート111を固定ねじ4により取り付け、取付部3には、取付手段11が係合してねじ部13を異なる位置に位置決めする複数の位置決め手段たる上縁部25U及び中上縁部25M、中下縁部25N及び下縁部25Dを設けたから、挿入開口部6,8から取付部3に取付手段11を装着する場合も、いずれかの位置決め手段に係合することにより、異なる位置に位置決め状態で取付手段11を装着することができ、これによりねじ部13を設けた取付手段11を異なる位置に選択的に位置決めすることができる。
【0049】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、車両の前側のバンパーを例に説明したが、車両の後側のパンバーにも適用可能なことは言うまでもない。さらに、実施例では、取付位置の高さ調整を行う場合について説明したが、左右位置の調整にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1を示す取付部回りの斜視図である。
【図2】同上、取付手段の図面であり、図2(A)は背面図、図2(B)は側面図である。
【図3】同上、取付部回りの正面図であり、横の挿入開口部から取付部に取付部材を装着した状態を示す。
【図4】同上、取付部回りの縦断面図である。
【図5】同上、取付部回りの平断面図である。
【図6】同上、取付部回りの正面図であり、下の挿入開口部から取付部に取付部材を装着した状態を示す。
【図7】同上、取付部回りの縦断面図である。
【図8】同上、取付部回りの平断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す取付部回りの正面図である。
【図10】同上、取付部に取付部材を装着する工程を説明する要部の斜視図である。
【図11】同上、バンパーにライセンスプレートを取り付ける工程を説明する要部の斜視図である。
【図12】本発明の実施例4を示す取付部回りの斜視図である。
【図13】本発明の実施例5を示す取付部回りの正面図である。
【図14】同上、図13のA−A線断面図である。
【図15】従来例のライセンスプレートの取付工程を説明する斜視図である。
【図16】同上、要部の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 バンパー
2 前面
3 取付部
4 固定ねじ
5 透孔
6 挿入開口部
7 挿入開口部
11 取付手段
12 クリップ部材
13 ねじ部
21U 上縁部(上下の位置決め手段)
21D 下縁部(上下の位置決め手段)
22 案内縁部(左右の位置決め手段)
23U 上縁部(上下の位置決め手段)
23D 下縁部(上下の位置決め手段)
24U,25U 上縁部(上下の位置決め手段)
24D,25D 下縁部(上下の位置決め手段)
24M,25M 中上縁部(上下の位置決め手段)
24N,25N 中下縁部(上下の位置決め手段)
31L 左縁部(左右の位置決め手段)
31R 右縁部(左右の位置決め手段)
32 案内縁部(上下の位置決め手段)
111 ライセンスプレート
112 取付孔
113 ライセンスフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスプレートをバンパーに取り付けるライセンスプレートの取付構造において、前記バンパーに、取付手段を装着する取付部を設けると共に、この取付部の周囲に複数の取付手段用挿入開口部を設け、前記複数の挿入開口部のいずれかから前記取付部に前記取付手段を装着し、この取付部に装着した取付手段に固定ねじを螺着して前記ライセンスプレートを取り付けてなることを特徴とするライセンスプレートの取付構造。
【請求項2】
前記挿入開口部を上下方向で異なる位置に複数設けたことを特徴とする請求項1記載のライセンスプレートの取付構造。
【請求項3】
前記取付手段は、クリップ部材にねじ部を一体に設けてなることを特徴とする請求項1又は2記載のライセンスプレートの取付構造。
【請求項4】
前記取付部には、前記取付手段を位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のライセンスプレートの取付構造。
【請求項5】
1つの前記挿入開口部に対応して、位置決め位置の異なる複数の前記位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項4記載のライセンスプレートの取付構造。
【請求項6】
ライセンスプレートをバンパーに取り付けるライセンスプレートの取付構造において、前記バンパーに、取付手段を装着する取付部を設けると共に、この取付部の周囲に取付手段用挿入開口部を設け、前記挿入開口部から前記取付部に前記取付手段を装着し、この取付部に装着した取付手段に固定ねじを螺着して前記ライセンスプレートを取り付け、前記取付部には、前記取付手段を異なる位置に位置決めする複数の位置決め手段を設けたことを特徴とするライセンスプレートの取付構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−15927(P2006−15927A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197256(P2004−197256)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】