説明

ライン状照射体および該ライン状照射体を含む被検査基板外観検査用撮像ユニット

【課題】光線に指向性を与えることで、多くの光量が要求されるライン状撮像体に対し十分な光量を供給して微細欠陥の検出力の向上も図れるライン状照射体および該ライン状照射体を含む被検査基板外観検査用撮像ユニットの提供。
【解決手段】正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33として用いられるライン状照射体11と、正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33との間に配置されるライン状撮像体35とで構成され、正反射側照射灯32は、射出口27を搬送方向での下流側から被検査基板Pの検査位置Sに向けて、暗視野側照射灯33は、射出口27を被検査基板搬送方向での上流側から被検査基板Pの検査位置Sに向けてそれぞれ配置され、ライン状撮像体35は、搬送方向と直交する垂直軸Lから上流側に向けて15度程度後傾させた位置で受光できるようにその撮像面35aを位置させて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査基板のキズ、汚れ、異物等の欠陥の有無をライン撮像体を用いて外観検査する際に必要なライン状照射体および該ライン状照射体を含む被検査基板外観検査用撮像ユニットに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
プリント基板からなる被検査基板の外観上の適否を検査する外観検査手法には、人間が目視確認する検査手法のほか、例えば下記特許文献1に開示されている「プリント基板の穴充填部欠陥検査システム」などのような被検査基板外観検査用撮像ユニットを用いる検査手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−124306号公報
【0004】
このうち、上記特許文献1に開示されている被検査基板外観検査用撮像ユニットによる検査手法は、スルーホールに充填材料が充填されたプリント基板を被検査基板とし、該被検査基板の穴充填部に形成される凹部の深さを高精度に検出して、欠陥の有無を高精度に判定できるようにしようとするものである。
【0005】
この場合、搬送手段を介して検査位置を通過するように搬送される被検査基板は、前記検査位置にてライン状照射体からのライン状の照射光を受け、その反射光をライン状撮像体によりライン状に撮像した上で欠陥の有無が判定されることになる。
【0006】
図6は、上記特許文献1を含めてプリント基板を被検査基板として外観検査する際に通常用いられる被検査基板外観検査用撮像ユニットの一例を示す説明図である。
【0007】
同図によれば、図示しない搬送手段を介して被検査基板Pが一定速度で搬送される途上位置に設定されている検査位置Sの上方位置には、ライン状照射体2である正反射側照射灯3および暗視野側照射灯4と、被検査基板Pの搬送方向と直交する垂直軸Lから下流側に向けて20度後傾させた位置で受光できるようにその撮像面8aを位置させたラインスキャンカメラからなるライン状撮像体8とで構成された被検査基板外観検査用撮像ユニット1が固定配置されている。
【0008】
この場合に用いられる正反射側照射灯3と暗視野側照射灯4とについては、安価であることから2本の直管タイプの蛍光管を横列方向に組み込んだものが従来から用いられてきている。しかし、最近では、直管2本を使用するよりも管間距離を密にして、被検査対象物に対する照射密度を高くすることができる図7に示すようなUラインやツイン管と称されているU字形蛍光管6を横列方向に配置するパターンが多く採用されるようになってきている。
【0009】
すなわち、正反射側照射灯3と暗視野側照射灯4とのそれぞれは、図6に示されているように、深さが比較的浅い断面コ字形を呈して反射板としても機能するアルミニウム板などからなるカバー5と、該カバー5の幅方向を列方向として一側折返し管部6aと他側折返し管部6bとが横列配置されるU字形蛍光管6とで形成されているものが多く用いられるようになってきている。
【0010】
また、カラーラインスキャンカメラなどからなるライン状撮像体8は、正反射側照射灯3からの光線の反射光により被検査基板P上の欠陥を陰影として捕らえることができるほか、被検査基板Pの凹凸面に対し正反射側照射灯3から光線を照射した際に発生する陰影の影響を暗視野側照射灯4で軽減するとともに、正射光線のみによっては捕らえられない欠陥を散乱光として検出することもできるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、図6に示すライン状照射体2を用いる場合には、図8に示されているようにカバー5の内側面5aに光線Rが反射され、これが拡散光となって被検査基板P側に到達してさらに反射され、その反射光がライン状撮像体8の撮像面8aの受光領域のほか、それ以外の領域にも幅広く照射される結果、撮像面8aへの照射効率が悪くなるという不都合があった。
【0012】
特に、ライン状撮像体8としてカラーラインスキャンカメラを用いる場合には、カラーフィルタが付加されている分だけモノクロタイプに比べて感度が落ちて光量不足となることから、スキャンレートを遅くすることでこれに対処しようとすればタクトタイムの増大を招き、感度を上げるとノイズが増加して検査に不具合を生じるなどの問題があった。
【0013】
また、このような問題に対しては、カバー5の内側反射面の反射率を大きくすることで、被検査基板Pに対する照度をある程度までは上げることができるものの、例えば金属表面の鏡面反射による場合にはU字形蛍光管6の後面からの光が管面に邪魔されて効率を上げることができないという問題があった。
【0014】
さらに、U字形蛍光管6を用いる場合には、これから生じる拡散光によりパッド部の研磨筋等の微細欠陥を消すことができるので、それだけ虚報(エラー)を減らすことができる効果があるものの、逆に微細欠陥を検出するためには指向性の強い光源が必要になるという要請には効果的に対処することができないデメリットもあった。
【0015】
本発明は、従来技術にみられた上記課題に鑑み、従来は撮像に寄与させることなく無駄に拡散させていた光線に指向性を与えて有効に活用することで、ライン状撮像体がより多くの光量を要求されるものであっても十分な光量を供給できるほか、微細欠陥に対する検出力も向上させることができるライン状照射体および該ライン状照射体を含む被検査基板外観検査用撮像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、そのうちの第1の発明は、一側管部と他側管部とからなる蛍光管と、これら一側管部と他側管部とが縦列方向に配列された前記蛍光管をその深さ方向に収容配置した際にその全体を隠蔽する深さを有し、かつ、該蛍光管が発する光線に指向性を与えて外部に照射する射出口を下端面に備えるカバーとで構成され、該カバーの内側面には、拡散反射材としての超微細発泡反射板を配設したことを最も主要な特徴とする。
【0017】
また、第2の発明は、正反射側照射灯と暗視野側照射灯として用いられる第1の発明に係るライン状照射体と、これら正反射側照射灯と暗視野側照射灯との間に配置されるライン状撮像体とで構成され、前記正反射側照射灯は、前記射出口を被検査基板搬送方向での下流側から被検査基板の検査位置に向けて、前記暗視野側照射灯は、前記射出口を被検査基板搬送方向での上流側から前記被検査基板の検査位置に向けてそれぞれが配置され、前記ライン状撮像体は、前記被検査基板の検査位置にあってその搬送方向と直交する垂直軸から上流側に向けて15度程度後傾させた位置で受光できるようにその撮像面を位置させて配置したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、蛍光管が発する光線を減衰量を極端に少なくしてあらゆる方向に拡散反射させることができるので、蛍光管の背面側や側面側が発する光線であっても超微細発泡反射板との間で拡散反射を繰り返させながらカバーの射出口へと効率よく導くことができる光源を安価に提供することができる。
【0019】
しかも、カバーは、一側管部と他側管部とを縦列の配列にした蛍光管をその深さ方向に配置することができる内部空間を備えているので、その射出口も狭幅にすることができることから、蛍光管が発する光線が射出口から照射される際に指向性を付与してやることができる。
【0020】
第2の発明によれば、第1の発明に係るライン状照射体が正反射側照射灯と暗視野側照射灯として用いられているので、正反射側照射灯側からの光線も被検査基板の搬送方向に対し射出口を狭くすることで指向性が付与されるため、被検査基板の搬送方向と直交する垂直軸と正反射側照射灯との間の角度を小さくした状態のもとで被検査基板の凸部に照射できることから、虚報の要因となる凸部の陰影をそれだけ小さくすることができる。
【0021】
このため、ライン状撮像体は、その配置位置も被検査基板の検査位置に対し被検査基板の搬送方向との直交する垂直軸から上流側に向けて15度程度後傾させた位置で、被検査基板で反射された正反射側照射灯からの光線を照射効率を高めて撮像面で受光することができることになり、虚報の要因となる凸部の陰影を小さくして撮像することができるほか、ユニット全体の配置関係もそれだけコンパクト化することができることになる。
【0022】
しかも、暗視野側照射灯側からの光線は、被検査基板の凸部に対し正反射側照射灯から光線を照射した際に発生する陰影の影響を軽減するとともに、正反射側照射灯側からの光線Rのみによっては捕らえられない欠陥をライン状撮像体が散乱光として検出することもできることになる。
【0023】
また、ライン状撮像体については、光量不足を来すことなくスキャンレートを高めながらタクトタイムの減少を図ることができるほか、ノイズを少なくして撮像することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の発明による場合の光線の拡散反射状況の一例を模式的に示す説明図。
【図2】第2の発明の構成例を搬送途上にある検査位置に到達した被検査基板との関係で示す説明図。
【図3】本発明のライン状照射体と図6に示すライン状照射体とを用いた場合の照射状況例を各別に示す説明図であり、そのうちの(a)は本発明による照射状況を、(b)は図6に示すライン状照射体の照射状況をそれぞれ示す。
【図4】超微細発泡光反射板(古河電工製品「MCPET」)と金属鏡面系反射板とを拡散反射材として用いた場合の全反射率を比較して示すグラフ図。
【図5】超微細発泡光反射板(古河電工製品「MCPET」)と金属鏡面系反射板とを拡散反射材として用いた場合の拡散反射率を比較して示すグラフ図。
【図6】従来からある被検査基板外観検査用撮像ユニットの構成例を示す説明図。
【図7】通常に使用されているU字形蛍光管の形状例を示す説明図。
【図8】図6に示されているライン状照射体における光線の拡散反射状況を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明のうち、第1の発明であるライン状照射体の一例についての断面構造を示す説明図であり、ライン状照射体11は、図7に示されているように一側管部12aと他側管部12bとで略U字形を呈してなる蛍光管12と、これら一側管部12aと他側管部12bとが縦列方向に配列された蛍光管12をその深さ方向に収容配置した際にその全体を隠蔽する深さを有し、かつ、該U字形蛍光管12が発する光線Rに指向性を与えて外部に照射する射出口27を下端面に備えるカバー22とで構成されている。なお、本発明における蛍光管12としては、図7に示されているような略U字形を呈して一体に形成された蛍光管12のほか、独立した2本の直線状の蛍光管を所望に応じて用いることもできる。
【0026】
この場合、適宜の金属材や合成樹脂材からなるカバー22は、収容される蛍光管12の管長さ方向を長辺側とし、該蛍光管12にあって縦列配置される一側管部12aまたは他側管部12bの管径方向を短辺側とする略長方形を呈する天板部23と、該天板部23の各長辺側から垂設された左側板部24および右側板部25と、天板部23の各短辺側から垂設された前側板部および後側板部(図示省略)とで、その下端面に射出口27を備える内部空間26を有して形成されている。
【0027】
この場合、カバー22の内部空間26の深さの程度は、左側板部24および右側板部25と前側板部および後側板部との縦方向での寸法により規定される。
【0028】
これを具体的に説明すれば、左側板部24、右側板部25、前側板部および後側板部の縦寸は、一側折返し管部12aと他側折返し管部12bとを縦列方向に配列させた状態で蛍光管12を収容した際に、該蛍光管12の全体を内部空間26内に確実に、かつ、余裕をもって隠蔽することができる程度の適宜長さ、例えば図7に示すように折り返された一側管部12aと他側管部12bとが縦列となっている蛍光管12の縦寸aの例えば略1.8倍程度の長さとなっている。
【0029】
また、カバー22の内部空間26の横幅、つまり図1における射出口27の左右方向での横幅は、一側管部12aまたは他側管部12bの外径の例えば略1.9倍程度の長さとなっている。
【0030】
つまり、カバー22は、内部空間26の深さ(縦寸)が深く、かつ、射出口27が一側管部12aまたは他側管部12bの外径の1.5〜2倍程度の狭幅となって形成することができることから、蛍光管12が発する光線Rが射出口27から照射される際に指向性を付与することができることになる。
【0031】
しかも、カバー22の内側面28には、例えば古河電工製品「MCPET」などのような超微細発泡反射板29を拡散反射材として貼着するなどして固着配置されているので、蛍光管12が発する光線Rをあらゆる方向に減衰量を極端に少なくして拡散反射させることができる。
【0032】
このため、カバー22の射出口27には、蛍光管12の背面側や側面側が発する光線Rであっても超微細発泡反射板29との間で拡散反射を繰り返させながら効率よく導いてやることができることになる。
【0033】
図2は、第1の発明である図1に示すライン状照射体11を組み込んで構成される第2の発明の一例を示す説明図であり、被検査基板外観検査用撮像ユニット31の全体は、正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33として用いられるライン状照射体11と、これら正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33との間の上方位置に配置されるカラーラインスキャンカメラやモノクロラインスキャンカメラからなるライン状撮像体35とで構成されている。
【0034】
この場合、正反射側照射灯32は、その射出口27を被検査基板搬送方向での下流側から被検査基板Pの検査位置Sに向けて、暗視野側照射灯33は、その射出口27を被検査基板搬送方向での上流側から前記被検査基板Pの検査位置Sに向けて、それぞれが被検査基板Pの上方に配置されている。
【0035】
図3は、図1に示すライン状照射体11を正反射側照射灯32として用いた場合と、従来からある図6に示すライン状照射体2を正反射側照射灯3として用いた場合とにおける光線Rの照射状況を示す説明図であり、そのうちの(a)は図1の正反射側照射灯32の照射状況を、(b)は図6の正反射側照射灯3の照射状況をそれぞれ示す。同図によれば、図1に示す正反射側照射灯32を用いる場合には、照射される光線Rに指向性を与えることができることにより、被検査基板Pの搬送方向と直交する垂直軸Lと正反射側照射灯32との間の角度を小さくすることができるので、被検査基板Pに凸部Tがあっても、該凸部Tの陰影tが小さくなるようにして検査位置を照射することができる。これに対し、図6に示す正反射側照射灯3を用いる場合には、カバー5が大きく、照射される光線Rが拡散光となることにより、被検査基板Pの搬送方向と直交する垂直軸Lと正反射側照射灯3との間の角度を小さく配置できないために照射される光線Rが拡散光となることから、被検査基板Pに凸部Tがあった場合に該凸部Tの陰影tが大きくなった状態のもとで検査位置を照射することになる。
【0036】
したっがって、ライン状撮像体35は、図3(a)からも明らかなように、被検査基板Pの検査位置Sに対し被検査基板Pの搬送方向と直交する垂直軸Lから上流側に向けて例えば15度程度後傾させた位置で、被検査基板Pで反射された正反射側照射灯32や暗視野側照射灯33からの光線Rを受光できるようにその撮像面35aを対向させて配置することができることになる。
【0037】
次に、図1ないし図5を参酌しながら本発明の作用効果を説明すれば、正反射側照射灯32や暗視野側照射灯33として用いられるライン状照射体11は、蛍光管12が発する光線Rを減衰量を極端に少なくしてあらゆる方向に拡散反射させることができるので、蛍光管12の背面側や側面側が発する光線Rであっても超微細発泡反射板29との間で拡散反射を繰り返させながらカバー22の射出口27へと効率よく導いてやることができる。
【0038】
すなわち、超微細発泡光反射板(古河電工製品「MCPET」)29を拡散反射材として用いる場合には、図4および図5からも明らかなように可視光領域における全反射率が99%で、拡散反射率が95%であることから、従来から用いられている金属鏡面系反射板に比較して蛍光管12が発する光線Rを減衰量を極端に少なくしてあらゆる方向に拡散反射させることができることが判明する。
【0039】
しかも、カバー22は、一側管部12aと他側管部12bとを縦列に配列にした蛍光管12をその深さ方向に配置することができる内部空間26を備えているので、その射出口27も極端に狭幅にすることができることから、蛍光管12が発する光線Rが射出口27から照射される際に指向性を付与してやることもできる。
【0040】
つまり、ライン状照射体11を用いる場合には、図6に示すライン状照射体2に比較して約2.5倍の光量を射出口27から照射することができることになる。
【0041】
また、上記したライン状照射体11を含んで構成される被検査基板外観検査用撮像ユニット31によれば、図1に示すライン状照射体11が図2に示されているように正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33として用いられているので、搬送途上にある被検査基板Pの検査位置Sに対する指向性を高め、かつ、従来例に比較して約2.5倍の光量のもとで光線Rをそれぞれの射出口27から照射することができる。
【0042】
また、正反射側照射灯32と暗視野側照射灯33とは、それぞれの射出口27を被検査基板Pの搬送方向に対し狭くした状態のもとで向けることができるので、正反射側照射灯32側からの光線Rも、図3(a)に示すように被検査基板Pの凸部Tに対しその斜め上方から照射された際に、指向性が高いために垂直軸L側により接近した状態で入射されることになり、虚報の要因となる凸部Tの陰影tも図3(b)の従来例に比較して減少させてやることができる。
【0043】
このように正反射側照射灯32および暗視野側照射灯33にライン状照射体11を用いたことにより、ライン状撮像体35は、その配置位置に余裕ができ、図2に示されているように被検査基板Pの検査位置Sに対し被検査基板Pの搬送方向と直交する垂直軸Lから上流側に向けて例えば15度後傾させた位置で、被検査基板Pで反射された正反射側照射灯32からの光線Rを撮像面35aで受光することができるので、図3(a)に示されているように虚報の要因となる凸部Tの陰影tを小さくして撮像することができることになる。
【0044】
しかも、暗視野側照射灯33側からの光線Rは、被検査基板Pの凸部Tに対し正反射側照射灯3から光線Rを照射した際に発生する陰影tの影響を軽減するとともに、正反射側照射灯32側からの光線Rのみによっては捕らえられない欠陥をライン状撮像体35が散乱光として検出することもできることになる。
【0045】
また、正反射側照射灯32側からの光線Rは、カバー22の内側面28に固着配置されている超微細発泡反射板26と、内部空間26の深さおよび射出口27の具体的形状とにより、指向性が付与された高い光量のもとでその射出口27から照射される結果、被検査基板Pで反射した反射光がライン状撮像体35の撮像面35aに照射効率を高めて到達させることができる。
【0046】
したがって、ライン状撮像体35については、モノクロラインスキャンカメラを用いる場合のみならず、カラーラインスキャンカメラを用いる場合であっても、光量不足を来すことなくスキャンレートを高めながらタクトタイムの減少を図ることができるほか、ノイズを少なくして撮像することもできることになる。
【0047】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その具体的な構成例はこれに限定されるものではない。例えば、カバー22は、図示例では断面が略コ字径を呈するものが用いられているが、一側管部12aと他側管部12bとを縦列に配列させた蛍光管12が隠蔽される深さを有し、かつ、該蛍光管12が発する光線Rに指向性を与えて外部に照射する射出口27を下端面に備えているものでさえあれば、その具体的な形状は所望に応じて適宜設計変更することができる。
【符号の説明】
【0048】
11 ライン状照射体
12 蛍光管
12a 一側管部
12b 他側管部
22 カバー
23 天板部
24 左側板部
25 右側板部
26 内部空間
27 射出口
28 内側面
29 超微細発泡反射板
31 被検査基板外観検査用撮像ユニット
32 正反射側照射灯
33 暗視野側照射灯
35 ライン状撮像体
35a 撮像面
L 垂直軸
P 被検査基板
R 光線
S 検査位置
T 凸部
t 陰影

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側管部と他側管部とからなる蛍光管と、これら一側管部と他側管部とが縦列方向に配列された前記蛍光管をその深さ方向に収容配置した際にその全体を隠蔽する深さを有し、かつ、該蛍光管が発する光線に指向性を与えて外部に照射する射出口を下端面に備えるカバーとで構成され、
該カバーの内側面には、拡散反射材としての超微細発泡反射板を配設したことを特徴とするライン状照射体。
【請求項2】
正反射側照射灯と暗視野側照射灯として用いられる請求項1に記載のライン状照射体と、これら正反射側照射灯と暗視野側照射灯との間に配置されるライン状撮像体とで構成され、
前記正反射側照射灯は、前記射出口を被検査基板搬送方向での下流側から被検査基板の検査位置に向けて、前記暗視野側照射灯は、前記射出口を被検査基板搬送方向での上流側から前記被検査基板の検査位置に向けてそれぞれが配置され、
前記ライン状撮像体は、前記被検査基板の検査位置にあってその搬送方向と直交する垂直軸から上流側に向けて15度程度後傾させた位置で受光できるようにその撮像面を位置させて配置したことを特徴とする被検査基板外観検査用撮像ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−112423(P2011−112423A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267154(P2009−267154)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】