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ラテックスバインダー、凍結融解安定性を有する水性コーティング及び塗料並びにそれらの使用法
説明

ラテックスバインダー、凍結融解安定性を有する水性コーティング及び塗料並びにそれらの使用法

良好な凍結融解安定性、開放時間、耐染み性、低温膜形成、耐発泡性、耐ブロック性、接着性、水の感度及び低VOC含有量を有する、ラテックスポリマー及び水性コーティングが開示される。ラテックスポリマー及び水性コーティングは、アルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール又はアルコキシル化トリブチルフェノール)と共重合又は混合される少なくとも1つのモノマーに由来する少なくとも1つのラテックスポリマーを含む。また、少なくとも1つのラテックスポリマー、少なくとも1つの顔料、水及び少なくとも1つの凍結融解添加剤を含む水性塗料も提供される。典型的には、凍結融解添加剤の量は、ポリマーの約1.3質量%より大きい量、約2質量%より大きい量、約4質量%より大きい量、約7.5質量%より大きい量、約10質量%より大きい量、又は約20質量%より大きい量である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2008年1月18日に出願された米国仮出願第61/022,206号、2008年1月21日に出願された米国仮出願第61/022,443号、及び2008年11月21日に出願された米国仮出願第61/199,936号(これら全てが参照により本明細書に援用される。)の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、水性コーティング組成物(例えば、塗料及び紙コーティング組成物など)の凍結融解安定性及び開放時間(オープンタイム)を向上させるための特定の種類のアルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール及びアルコキシル化トリブチルフェノール)の使用に関する。特に、本発明は、水性ラテックス分散液、水性ラテックスバインダー及び水性ラテックス塗料の凍結融解安定性のための特定の反応性アルコキシル化化合物系モノマー、表面活性アルコキシル化化合物界面活性剤、及び表面活性アルコキシル化化合物添加剤の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ラテックス塗料は、屋内外塗装、及びつや消し塗装、半光沢塗装及び光沢塗装を含む各種の用途に使用される。しかし、塗料及び水性ラテックス分散液、特に低VOC塗料及びラテックス分散液は、凍結融解安定性の欠如を問題としている。特に、これは、輸送及び保管中の問題である。
【0004】
凍結融解プロセス、不安定化機構及びポリマー構造を含むラテックス凍結融解(本明細書では「F/T」という場合もある。)安定性が、1950年から継続的に研究されている。Blackley,D.Cの「Polymer Lattices−Science and Technology」第2版、第1巻、Chapman&Hall(1997年)には、凍結によるラテックスのコロイド不安定化の包括的レビューが示されている。凍結プロセスは、氷結晶の形成につながる温度の低下から始まる。氷結晶構造は、未凍結水中のラテックス粒子濃度を徐々に増加させる。最終的に、ラテックス粒子は、氷結晶構造を成長させる圧力で互いに接触させられて、粒子凝集又は粒子間凝集を起こす。凍結融解安定性を有する水媒体又はラテックス塗料中の安定なラテックス分散液を形成するために、様々な手法が利用されている。凍結融解安定性を達成するために、不凍剤(例えば、グリコール誘導体)の追加が、ラテックス塗料に対して行なわれる。したがって、ラテックス塗料は、それらの塗料が凍結条件に曝された後でさえもそれらが使用されることを可能にする不凍剤を含む。典型的な不凍剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0005】
Bosen,S.F.、Bowles,WA、Ford,E.A.、及びPerson,B.D.の「Antifreezes Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」、第5版、第A3巻、VCH Verlag、第23〜32頁(1985年)を参照されたい。しかし、低又は非VOC条件とは、使用されることができるグリコール濃度が、減少されるか、又は除去されることを意味する。Aslamazova,T.R.の「Colloid Journal」第61巻、No.3、1999年、第268〜273頁では、アクリレートラテックスの耐凍結性が研究されており、ラテックス粒子相互作用の位置エネルギーへの静電的寄与の役割が明らかになった。コロイド表面上の静電効果を用いることにより、帯電したラテックス粒子間のクーロン反発の相互作用が、より高い位置エネルギーにつながる。電気的効果が、凍結及び融解プロセスにおけるラテックス粒子を安定化する。
【0006】
Rajeev Farwahaらの米国特許第5,399,617号明細書には、共重合性両性界面活性剤が開示されており、そして共重合性両性界面活性剤を含むラテックスコポリマーが、ラテックス塗料に凍結融解安定性を与えることが開示されている。
【0007】
Cheng−Le Zhaoらの米国特許第6,933,415号明細書には、重合性アルコキシル化界面活性剤を含むラテックスポリマーが開示されており、そして低VOC水性コーティングが、良好な凍結融解安定性を有することが開示されている。
【0008】
Rajeev Farwahaらの米国特許第5,610,225号明細書には、安定な凍結融解ラテックスを得るために長鎖ポリエチレングリコール構造を有するモノマーを組み込むことが開示されている。
【0009】
Masayoshi Okuboらの米国特許第6,410,655号明細書には、エチレン性不飽和モノマーを含むラテックスポリマーの凍結融解安定性が開示されている。
【0010】
不凍剤として使用される添加剤は、それらの目的に有効であるが、それらが揮発性有機化合物(VOC)であるために、ますます好ましくないものになっている。ラテックス塗料の基板への塗布後、VOCは、周辺に少しずつ蒸発する。
【0011】
コーティング中の揮発性有機化合物(VOC)の量の削減を求めている厳格な環境立法のために、実質的に減少しているVOC含有量の有無を問わない塗料処方(それは、とりわけ合体剤及び凍結融解剤を含むであろう。)を有することが好ましい。したがって、ラテックスバインダー製造業者は、塗料及びコーティング業界の要求を満たすために、低VOCバインダーを開発させられる。しかし、低VOCコーティング及び塗料は、その業界で設定されているコーティング性能基準を満たすか、又は越えなければならない。
【0012】
建築用コーティングのための従来のラテックスバインダーでは、ガラス転移温度が、10℃〜約40℃である。しかし、そのような建築用コーティングは、そのようなラテックスバインダーを軟化させる(すなわち、10℃〜約40℃のTgを相対的に有するラテックスバインダーを軟化させる)凝集剤、又は不凍剤を必要として含むことが多い;それらの両方は、典型的には、高VOC溶媒である。したがって、より高いTgのラテックスバインダーを有するこれらの従来の建築用コーティングは、溶媒無しで低VOCになるように形成されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
低VOC用途(すなわち、低Tg)のバインダーについては、平均Tgが、0℃付近であるか、0℃を下回る。しかし、低Tgを有するラテックスバインダーは、凍結/融解サイクル並びに機械的せん断を受けるときに粗粒の原因となる。得られたコーティング膜は、十分に乾燥された後でさえも、より柔軟かつ粘着性であり、そして遮断及び吸塵効果の影響を受けやすい。また、そのような低Tgラテックスバインダー及び得られたラテックス塗料は、不安定であり、寒冷貯蔵又は輸送プロセスにおいてゲル化する。低Tgラテックスバインダー及び低VOC塗料の凍結融解安定性は、輸送、貯蔵、及び実用化のために非常に重要である。したがって、VOCが無いか、又は低VOCであるという要求を満たし、同時に、それらの塗料の凍結融解安定性を犠牲にすることなく、良好な機械及び膜性能を提供するエマルションポリマー技術を用いて、ラテックス塗料及びラテックス粒子分散液を開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ラテックスバインダー、塗料及びコーティングの凍結融解安定性、並びに他の性質(とりわけ、開放時間、低温膜形成、耐染み性、膜光沢、分散性、叩き及び擦りに対する耐性、耐発泡性、耐ブロック性、接着剤及び水に対する感度など)を向上させるための、かさ高い疎水性基を有する特定の種類のアルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール又はアルコキシル化トリブチルフェノール)の使用に関する。ラテックス分散液及び塗料製剤における凍結融解プロセスの融解プロセス中では、高Tgを有するラテックス粒子は、正常な状態に戻り易いが、比較的低いTgを有する粒子は、ゲル化している凝集又は合着状態から戻ることができないと分かる。
【0015】
作用機序に拘束されるものではないが、本発明は、柔軟なラテックス粒子の表面上に保護層を形成するために、より大きな疎水性基の立体効果を用いて、ラテックス粒子をある程度安定化することが理論化される。ラテックス粒子上へ吸着若しくはグラフトされるか、又は共重合されてラテックス粒子になる大きな疎水性基は、これらのラテックス粒子が他の柔軟なラテックス粒子の表面に接近することを防ぎ、柔軟なラテックス粒子間の分離間隔を増加させる。また、アルキレン(例えば、アルコキシル化化合物鎖の界面活性剤に由来するエチレンオキシド単位)は、水媒体と相互作用する層も形成する。
【0016】
本発明によれば、他の不凍剤(例えば、グリコール、合着剤及び高VOC成分など)をほとんど又は全く追加することなく、より典型的には不凍剤を全く追加することなく、良好な凍結融解安定性を有する、アルコキシル化化合物を含む水性コーティング(例えば、ラテックス塗料、ラテックス分散液)が製造されることができる。通常、凍結融解安定性又は凍結融解に対して安定であることは、3回以上のF/Tサイクル、典型的には5回以上のF/Tサイクルでは、組成物/製剤がゲル化しないことを意味すると理解されたい。
【0017】
アルコキシル化化合物は、ラテックスバインダー、塗料及びコーティングの凍結融解安定性を向上させる複数の方法で利用されることができる。本発明は、ラテックスポリマーを形成するために、乳化重合中の反応物として重合反応性アルコキシル化モノマーを利用してよい。本発明は、ラテックスポリマーを形成するために、乳化重合中の界面活性剤(乳化剤)として本明細書に記述されている1つ以上の表面活性アルコキシル化化合物を利用してよい。本発明は、ラテックスポリマー含有水性分散液又は濃縮物に対する添加剤として表面活性アルコキシル化化合物を利用してよい。
【0018】
一態様では、本発明は、少なくとも1つの第一モノマー及び構造式IA:
【化1】

{式中、R、R及びRは、独立して:−H、tert‐ブチル、ブチル、イソブチル、
【化2】

から選択され;Xは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基から選択される二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数であり;そしてRは、エチレン性不飽和基を含む。}
を有する少なくとも1つの重合反応性アルコキシル化第二モノマーに由来するラテックスポリマーである。一実施形態では、Rは、アクリレート、C−Cアルキルアクリレート、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート又はフマレートでよい。また、Rは、アクリロ基、メタクリロ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジアリルアミノ基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、α−アルケニル基、マレイミド基、スチレニル基、及び/又はα−アルキルスチレニル基から選択されることができる。
【0019】
別の実施形態では、Rは、下記化学構造:RCH=C(R)COO−{式中、RがHであるならば、Rは、H、C−Cアルキル、又は−CHCOOXであるか;RがC(O)OXであるならば、RはH又は−CHC(O)OXであるか;又はRがCHであるならば、RはHであり、そしてXは、H又はC−Cアルキルである。}を有する。別の実施形態では、Rは、下記化学構造:−HC=CYZ又は−OCH=CYZ{式中、Yは、H、CH、又はClであり;Zは、CN、Cl、−COOR、−C、−COOR、又は−HC=CHであり;Rは、C−Cアルキル又はC−Cヒドロキシアルキルであり;Rは、H、Cl、Br、又はC−Cアルキルである。}を有することができる。
【0020】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの第一モノマー及び構造式IB:
【化3】

{式中、nは、約1〜約100の整数であり、そしてRは、H及びC−Cアルキルから選択される。}
を有する少なくとも1つの第二モノマーから誘導されるラテックスポリマーである。一実施形態では、nは、約3〜約80、典型的には、約10〜約60、より典型的には、約20〜約50の整数である。一実施形態では、少なくとも1つの第一モノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つのアクリルモノマーを含むことができる。別の実施形態では、ラテックスポリマーは、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ウレイドメタクリレート、酢酸ビニル、分岐鎖三級モノカルボン酸のビニルエステル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、エチレン、又はC−C共役ジエンから選択される1つ以上のモノマーから誘導されることができる。
【0021】
別の実施形態では、本発明の組成物は、凍結融解に安定であり、そして本ポリマーは、約−15℃〜約15℃、典型的には、約−15℃〜約12℃、より典型的には、約−5℃〜約5℃、より典型的には、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0022】
別の実施形態では、本発明のポリマーは、約200nm未満の平均粒径(平均粒子直径、D50という場合もある。)、より典型的には、約190nm未満の平均粒径、最も典型的には、約175nm未満の平均粒径を有する。
【0023】
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、凍結融解に安定であり、そして本ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有することができる。
【0024】
別の態様では、本発明は、(a)上記で説明されているか、又は本明細書のいずれかに説明されているラテックスポリマー;及び(b)水を含むラテックス塗料である。ラテックス塗料は、限定されるものではないが、殺生剤、界面活性剤、顔料、分散剤などを含む他の添加剤/含有物を含むことができることを理解されたい。さらに、ラテックス塗料は、構造式IC:
【化4】

{式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、又は四級アンモニウムイオンであり、そしてMは、限定されるものではないが、H、Na、NH、K又はLiを含むカチオンである。}
を有するエトキシル化トリスチリルフェノールを含む凍結融解添加剤を含むことができる。一実施形態では、nは、約1〜40の整数である。
【0025】
一実施形態では、ラテックス塗料は、組成物に凍結融解安定性を与えるのに有効な量の凍結融解添加剤を含む。一実施形態では、この有効量は、ポリマーの約1.3質量%より大きい量、典型的には、ポリマーの約1.6質量%より大きい量である。別の実施形態では、ラテックス塗料は、ポリマーの約2質量%より大きい量、典型的には、ポリマーの約4質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックス塗料組成物は、ポリマーの約7.5質量%より大きい量、典型的には、ポリマーの約8質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む。さらに別の実施形態では、ラテックス塗料組成物は、ポリマーの約10質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む。さらに別の実施形態では、ラテックス塗料は、ポリマーの約20質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックス塗料組成物は、ポリマーの約1.6%〜7.5質量%の量の凍結融解添加剤を含む。
【0026】
一実施形態では、前述のラテックス塗料は、凍結融解に安定であり、そしてラテックスポリマーは、約−20℃〜約12℃、典型的には、約−5℃〜約5℃、より典型的には、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を含む。別の実施形態では、前述のラテックスコーティング中のラテックスポリマーは、約200nm未満、より典型的には、約190nm未満、最も典型的には、約175未満の平均粒径を有する。
【0027】
さらに別の態様では、本発明は、(1)少なくとも1つの第一モノマーを(2)少なくとも1つの第二モノマーと共重合する工程を含む、ラテックスポリマーの製造方法であって、前記第二モノマーは、構造式IA:
【化5】

【0028】
(式中、R、R及びRは、独立して:−H、tert‐ブチル、ブチル、イソブチル、
【化6】

から選択され、Xは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基から選択される二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の範囲であり、そしてRは、限定されるものではないが、アクリレート、C−Cアルキルアクリレート、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート又はフマレートを含むエチレン性不飽和基である。}
を有する重合反応性トリスチリルフェノールである、製造方法である。また、Rは、アクリロ基、メタクリロ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジアリルアミノ基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、α−アルケニル基、マレイミド基、スチレニル基、及び/又はα−アルキルスチレニル基から選択されることができる。
【0029】
さらなる態様では、本発明は、(1)少なくとも1つのラテックスモノマーを(2)構造式IB:
【化7】

{式中、nは、1〜100の整数であり、そしてRは、H及びC−C10アルキル、典型的には、C−Cアルキルから選択される。}
を有する少なくとも1つの重合反応性トリスチリルフェノールと共重合する工程を含む、ラテックスポリマーの製造方法である。
【0030】
一実施形態では、前述の方法の一方又は両方において、ポリマーの水性分散液が、凍結融解に安定であり、そしてそのポリマーは、約−20℃〜約20℃、より典型的には、約−15℃〜約12℃、最も典型的には、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を含む。別の実施形態では、上述の方法の1つ以上で利用されるポリマーは、約200nm未満の平均粒径、より典型的には、約190nm未満の平均粒径、最も典型的には、約175nm未満の平均粒径を含む。
【0031】
さらに別の態様では、本発明は、(1)少なくとも1つの第一モノマーを(2)構造式IB:
【化8】

{式中、nは、1〜100の範囲であり、そしてRは、H及びC−Cアルキルからなる群から選択される。}
を有する少なくとも1つの第二モノマーと共重合する工程を含む、凍結融解に安定なラテックスポリマーの製造方法であって、前記ポリマーが、約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有する、製造方法である。
【0032】
さらなる態様では、本発明は、(a)少なくとも1つのラテックスポリマー;(b)少なくとも1つの顔料;(c)水;及び(d)ポリマーの約1.6質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む低VOCラテックス塗料であって、前記凍結融解添加剤が、構造式IIA:
【化9】

{式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−CI、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、又は四級アンモニウムイオンであり、そしてMは、限定されるものではないが、H、Na、NH、K又はLiを含むカチオンである。}
を有するエトキシル化トリスチリルフェノールを含む塗料である。一実施形態では、nは、約1〜40の整数である。
【0033】
一実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約2質量%より大きい量でラテックス塗料組成物に存在する。別の実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約4質量%より大きい量で存在する。さらに別の実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約7.5質量%より大きい量で存在する。さらなる実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約20質量%より大きい量で存在する。さらなる実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約1.6%〜7.5質量%の量で存在する。
【0034】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物中の少なくとも1つのラテックスモノマーは、約−15℃〜約12℃、典型的には、約−5℃〜約5℃、より典型的には、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を含む。
【0035】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物中の少なくとも1つのラテックスポリマーは、約200nm未満、典型的には、約190nm未満、より典型的には、約175nm未満の平均粒径を有する。
【0036】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0037】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、そしてラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0038】
別の実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤は、有効量(一実施形態では、それは、ポリマーの約2質量%より大きい。)でラテックス塗料に存在し、そしてポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0039】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約4質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、そしてポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、そしてラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0040】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約7.5質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0041】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約20質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0042】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約1.6%〜7.5質量%の量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0043】
さらに別の態様では、本発明は、(a)少なくとも1つのラテックスポリマー;(b)少なくとも1つの顔料;(c)水;及び(d)前記ポリマーの約1.6質量%より大きい量の凍結融解添加剤を含む、ラテックスコーティング組成物であって、凍結融解添加剤が、構造式IIB:
【化10】

{式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、又は四級アンモニウムイオンであり、そしてMは、限定されるものではないが、H、Na、NH、K又はLiを含むカチオンである。}
を有するエトキシル化トリブチルフェノールを含む組成物である。一実施形態では、nは、約1〜40の整数である。
【0044】
一実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約2質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在する。別の実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約4質量%より大きい量で存在する。さらに別の実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約7.5質量%より大きい量で存在する。さらなる実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約20質量%より大きい量で存在する。さらなる実施形態では、凍結融解添加剤は、ポリマーの約1.6%〜7.5質量%の量で存在する。
【0045】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物中の少なくとも1つのラテックスモノマーは、約−15℃〜約12℃、典型的には、約−5℃〜約5℃、より典型的には、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を含む。
【0046】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物中の少なくとも1つのラテックスモノマーは、約200nm未満、典型的には、約190nm未満、より典型的には、約175nm未満の平均粒径を有する。
【0047】
一実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0048】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0049】
別の実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤は、ポリマーの約2質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0050】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約4質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、そしてラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0051】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ポリマーの約7.5質量%より大きい量でラテックスコーティング組成物に存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、そしてラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0052】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ラテックスコーティング組成物に、ポリマーの約20質量%より大きい量で存在し、ポリマーは、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0053】
さらなる実施形態では、本発明のラテックスコーティング組成物は、凍結融解に安定であり、凍結融解添加剤が、ラテックスコーティング組成物に、ポリマーの約1.3%〜7.5質量%の量で存在し、ポリマーが、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有し、ラテックスコーティング組成物は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間により特徴付けられる。
【0054】
本発明の好ましい実施形態及び代替的な実施形態の両方が説明されている次の詳細な説明を検討することで、当業者にとって本発明のこれらの及び他の性質及び利点が、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】乳化重合中に異なる乳化界面活性剤を用いる(‘512号明細書から調製された)ラテックスバインダーのガラス転移温度(Tg)を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明は、ラテックスバインダー及び塗料の凍結融解安定性を向上させるためのエチレンオキシド鎖を有している特定の種類のアルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール及びアルコキシル化トリブチルフェノール)の使用に関する。この種類のアルコキシル化化合物は、さらに他の性質(例えば、とりわけ、開放時間、耐染み性、膜光沢、分散性、叩き及び擦りに対する耐性、低温膜形成、耐発泡性、耐ブロック性、接着剤及び水に対する感度など)を向上させることができる。
【0057】
本明細書では、用語「アルキル」は、直鎖、分岐鎖又は環状でよい飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなど)を意味する。
【0058】
本明細書では、用語「シクロアルキル」は、1つ以上の環状アルキル環を含む飽和炭化水素基(例えば、シクロペンチル、シクロオクチル、及びアダマンタニルなど)を意味する。
【0059】
本明細書では、用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基、より典型的には、ヒドロキシル基によって置換されているアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、及びヒドロキシデシルなど)を意味する。
【0060】
本明細書では、用語「アルキレン」は、限定されるものではないが、メチレン、ポリメチレン、及びアルキル置換ポリメチレン基を含む二価の非環式飽和炭化水素基(例えば、ジメチレン、テトラメチレン、及び2−メチルトリメチレンなど)を意味する。
【0061】
本明細書では、用語「アルケニル」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合(例えば、エテニル基、1−プロペニル、2−プロペニルなど)を含む、不飽和直鎖、分岐鎖、又は環状炭化水素基を意味する。
【0062】
本明細書では、用語「アリール」は、環の炭素の1つ以上が、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、又はアミノ、例えば、フェノキシ、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、クロロフェニル、トリクロロメチルフェニル、アミノフェニルなどによって置換されていてよい、1つ以上の6員炭素環(その中では、不飽和部分は、3個の共役二重結合により表されることができる。)を含む一価の不飽和炭化水素基を意味する。
【0063】
本明細書では、用語「アラルキル」は、1つ以上のアリール基で置換されているアルキル基(例えば、フェニルメチル、フェニルエチル、トリフェニルメチルなど)を意味する。
【0064】
本明細書では、有機基に関する用語「(C−C)」{式中、n及びmは、それぞれ整数である。}は、その基が、1個の基当たりn個〜m個の炭素原子を含んでよいことを意味する。
【0065】
本明細書では、用語「エチレン性不飽和」とは、末端(すなわち、例えば、α、β)炭素−炭素二重結合を意味する。
【0066】
本発明としては、従来の水性コーティングと比べて、低いVOC含有量並びに良好な凍結融解安定性及び開放時間特性を有するラテックスポリマー及びラテックス分散液、並びに使用法が挙げられる。そのようなラテックスポリマーは、特定の種類のアルコキシル化化合物と共重合されるか、又は混合される少なくとも1つのラテックスポリマーを含むことができる。典型的には、ラテックスは、20℃未満、より典型的には、15℃未満、さらに典型的には、5℃未満のTgを有する。より典型的には、ラテックスは、約−15℃〜約12℃、より典型的には、約−5℃〜約5℃、より典型的には、−5℃〜約0℃の範囲のTgを有する。一実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、約1,000〜5,000,000、典型的には、5,000〜2,000,000の重量平均分子量を有する。別の実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、約10,000〜250,000の重量平均分子量を有する。
【0067】
本発明は、従来の水性コーティングよりも低いVOC含有量及び良好な凍結融解安定性及び開放時間性を有する水性組成物(例えば、水性コーティング)を提供する。本発明の水性組成物は、特定の種類のアルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール)と共重合又は混合された少なくとも1つのラテックスポリマーを含む水性ポリマー分散液である。一般に、ラテックスポリマーは、そのような水性組成物又は塗料中に、半光沢のためには組成物の約15%〜約40質量%で、艶消し塗料のためには組成物の約5%〜約75%、典型的には約5%〜約50質量%で存在する。典型的には、本発明の塗料又は他の水性コーティングは、少なくとも1つの顔料をさらに含む。
【0068】
特定の種類のアルコキシル化化合物(例えば、アルコキシル化トリスチリルフェノール及び/又はトリブチルフェノール)の一部は、ラテックスバインダー及び塗料の凍結融解安定性を向上させるための複数の方法で利用されることができる。本発明は、ラテックスコモノマーを形成するために、重合反応性アルコキシル化モノマー、ラテックスポリマー形成中に存在すべき界面活性剤(乳化剤)としての表面活性アルコキシル化化合物、及び/又はラテックスポリマー若しくはコポリマーの水性分散液に対する添加剤としての表面活性アルコキシル化化合物を利用してよい。
【0069】
重合反応性トリスチリルフェノールエトキシレート
一実施形態では、次式IA:
【化11】

{式中、Bは、5又は6員シクロアルキル環(例えば、シクロヘキシル環)、又は6員環を有する単環芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン環)であり;R、R及びRは、独立して:−H、ブチル、tert‐ブチル、イソブチル、
【化12】

【化13】

から選択され(ただし、R、R及びRの1つが−Hであるか、R、R及びRのいずれも−Hではない。);Xは、C、CHe、若しくはCであるか、又はXは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基から選択される二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数(例えば、約4〜80又は8〜25)であり;そしてRは、エチレン性不飽和基である。}
の重合反応性アルコキシル化(第二)モノマーは(第一モノマーと)共重合されて、ラテックスポリマーの骨格になることができる。一実施形態では、nは、4〜80の整数である。一実施形態では、nは、4〜60の整数である。一実施形態では、nは、10〜50の整数である。一実施形態では、nは、10〜25の整数である。
【0070】
典型的には、Rとしては、アクリレート、又はC−Cアルキルアクリレート、例えば、メタクリレート、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート又はフマレートが挙げられ、典型的には、Rは、アクリレート又はメタクリレートである。
【0071】
適切な重合性官能基Rとしては、例えば、アクリロ基、メタクリロ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジアリルアミノ基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、α−アルケニル基、マレイミド基、スチレニル基、及びα−アルキルスチレニル基が挙げられる。
【0072】
例えば、適切な重合性官能基Rは、化学構造:RCH=C(R)COO−{式中、RがHであるならば、RはH、C−Cアルキル、又は−CHCOOXであるか;Rが−C(O)OXであるならば、RはH又は−CHC(O)OXであるか;又はRがCHであるならば、RはHであり、そしてXは、H又はC−Cアルキルである。}を有する。
【0073】
例えば、他の適切な重合性官能基Rは、下記化学構造:−HC=CYZ又はOCH=CYZ{式中、Yは、H、CH、又はClであり;Zは、CN、Cl、−COOR、−C、−COOR、又は−HC=CHであり;Rは、C−Cアルキル又はC−Cヒドロキシアルキルであり;Rは、H、Cl、Br、又はC−Cアルキルである。}を有する。
【0074】
典型的には、モノマーは、式IB:
【化14】

【0075】
{式中、R、R、R、R、X及びnは、式IAの構造について規定された通りである。}
を有する。必要に応じて、構造式IBに示される芳香族環は、飽和していてよい。例えば、そのような飽和モノマーは、モノマーの形態(ただし、HがR部分内にある。)を飽和させて、次にR部分内のHを他の上記で列挙したR基の1つで置換することにより、形成されることができる。
【0076】
一実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、下記構造IB−1:
【化15】

{式中、Rは、
【化16】

であり;R、R及びRは、それぞれ独立して、H、分岐鎖(C−Cアルキル)、分岐鎖(C−C)アルケン又はR−R−であり;Rは、アリール又は(C−C)シクロアルキルであり;Rは、(C−C)アルキレンであり;Rは、二価の連結基、O、(C−C)アルキレン、
【化17】

であるか、又は存在しないものであり;Rは、H又はメチルであり;Rは、O又はNR10であり;R10は、H又は(C−C)アルキルであり;nは、2〜4の整数であり、そしてmは、1〜100の整数である。}
を有する第二モノマーと共重合されることができる。
【0077】
一実施形態では、R、R及びRは、独立して:−H、ブチル、tert‐ブチル、イソブチル、
【化18】

から選択される。
【0078】
一実施形態では、Rは、アクリレート、C−Cアルキルアクリレート、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート又はフマレートであることができる。一実施形態では、Rは、アクリロ基、メタクリロ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジアリルアミノ基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、α−アルケニル基、マレイミド基、スチレニル基、及び/又はα−アルキルスチレニル基の少なくとも1つである。
【0079】
別の実施形態では、第二モノマーは、エトキシル化トリブチルフェノールである。別の実施形態では、そのモノマーは、エトキシル化トリスチリルフェノールである。下記:
【化19】

【化20】

{式中、nは、1〜100、例えば、4〜60又は8〜25の整数であり;Rは、H基、C−Cヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル(例えば、CH又はC)基の1つである。}
のように、重合反応性エトキシル化トリスチリルフェノールは、構造式ICを有し、そして重合反応性エトキシル化トリブチルフェノールは、構造式IC−1を有する。
【0080】
したがって、重合反応性エトキシル化トリスチリルフェノールモノマーは、トリスチリルフェノール部分、アルキレンオキシド部分及び重合のための反応性置換又は非置換アクリル末端基を有する。同様に、重合反応性エトキシル化トリブチルフェノールモノマーは、トリブチルフェノール部分、アルキレンオキシド部分及び重合のための反応性置換又は非置換アクリル末端基を有する。必要に応じて、構造式IC又はIC−1で表されるエチレンオキシド基は、それぞれ、アルコキシル化トリスチリルフェノール又はトリブチルフェノールを形成するために、上記−(OX)−基で置換されていてよく、そして−C(O)−CHRCH末端基は、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート又はフマレートで置換されていてよい。
【0081】
トリスチリルフェノールエトキシレートは、他の使用のために、参照により本明細書に援用される米国特許第6,146,570号明細書、国際公開第98/012921号パンフレット及び国際公開第98/045212号パンフレットに記述されている。
【0082】
必要に応じて、式IC中のスチリル基の芳香族環は、飽和していてよい。
【0083】
IA、IB、IC及び/又はIC−1の重合反応性アルコキシル化モノマーが、共重合されてラテックスポリマーの骨格になるとき、反応性トリスチリルフェノール又はトリブチルフェノールモノマーがコポリマーを形成するのに使用されるモノマー100質量部当たり1〜20部、より典型的には、コポリマーを形成するのに使用されるモノマー100質量部当たり2〜15、2〜8、又は2〜6部である混合物から、ラテックスポリマーは形成されることができる。一実施形態では、式IC及びIC−1の重合反応性アルコキシル化モノマーの両方が、利用され、そして共重合されてラテックスポリマーの骨格になる。
【0084】
他のモノマー
重合性トリスチリルフェノールモノマー及び/又は重合性トリブチルフェノールモノマーに加えて、典型的には水性塗料(例えば、塗料)に使用される少なくとも1つのラテックスポリマーが誘導される他のモノマーがある。この説明のために、ラテックスポリマーが誘導されることができるこれらの他のモノマーは、ラテックスモノマーと呼ばれる。典型的には、これらの他のラテックスモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つのアクリルモノマーを含む。さらに、所望により、ラテックスポリマーを形成するための他のモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ウレイドメタクリレート、酢酸ビニル、分岐鎖三級モノカルボン酸のビニルエステル(例えば、シェル・ケミカル(Shell Chemical)社から商品名VEOVAとして入手できるか、又はエクソンモービル(ExxonMobil Chemical)社によりEXXAR Neo Vinyl Esterとして販売されている。)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びエチレンからなる群から選択される1つ以上のモノマーから選択されることができる。また、C−C共役ジエン(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンなど)を含むことも可能である。
【0085】
典型的には、モノマーとしては、n‐ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン及び2−エチルヘキシルアクリレートからなる群から選択される1つ以上のモノマーが挙げられる。典型的には、ラテックスポリマーは、純アクリル(主モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、及び/又はメタクリレートエステルを含む。);スチレンアクリル(主モノマーとして、スチレン及びアクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、及び/又はメタクリレートエステルを含む。);ビニルアクリル(主モノマーとして、酢酸ビニル及びアクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、及び/又はメタクリレートエステルを含む。);及びアクリル化エチレン酢酸ビニルコポリマー(主モノマーとして、エチレン、酢酸ビニル及びアクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、及び/又はメタクリレートエステルを含む。)からなる群から選択される。また、当業者に更に容易に理解されるように、モノマーは、他の主モノマー(例えば、アクリルアミド及びアクリロニトリルなど)、及び1つ以上の官能性モノマー(例えば、イタコン酸及びウレイドメタクリレートなど)を含むことができる。特に好ましい実施形態では、ラテックスポリマーは、純アクリル(例えば、ブチルアクリレート及びメチルメタクリレートを含むモノマーから誘導されるブチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマーなど)である。
【0086】
一実施形態では、式IA、IB、IC及び/又はIC−1の重合反応性アルコキシル化モノマーが、反応条件下で利用され、そして「他のモノマー」として列挙されたモノマーの1つと共重合されて、ラテックスポリマーの骨格になる。別の実施形態では、式IA、IB、IC及び/又はIC−1の重合反応性アルコキシル化モノマーが、反応条件下で利用され、そして「他のモノマー」として列挙されたモノマーの2つ以上と共重合されてラテックスポリマーの骨格になる。別の実施形態では、式IA、IB、IC及び/又はIC−1の重合反応性アルコキシル化モノマーの1つ以上が、反応条件下で利用され、そして「他のモノマー」として列挙されたモノマーの1つ以上と共重合されてラテックスポリマーの骨格になる。
【0087】
典型的には、ラテックスポリマー分散液は、約30〜約75%の固形分及び約70〜約650nmの平均ラテックス粒径を含む。別の実施形態では、本発明のポリマーは、約400nm未満の平均粒径、典型的には、約200nm未満の平均粒径、より典型的には、約190nm未満の平均粒径、最も典型的には、約175nm未満の平均粒径を有する。別の実施形態では、ポリマーは、約75nm〜約400nmの平均粒径を有する。
【0088】
典型的には、ラテックスポリマーは、約5〜約60質量%、より典型的には約8〜約40質量%(すなわち、塗料の全質量を基準とした乾燥ラテックスポリマーの質量%)の量で水性塗料に存在する。
【0089】
上述の通り、本発明のポリマーを含む得られた水性塗料は、不凍剤を加える必要がないか、又は少量の不凍剤も加えることなく、凍結融解に安定である。したがって、水性コーティングは、本発明によって製造されることができて、従来の水性コーティングより低いVOC濃度を有し、したがって、より環境的に好ましい。
【0090】
別の実施形態では、得られたラテックスポリマーは、後述されるような本発明のエマルション界面活性剤及び/又は後述されるような本発明の凍結融解添加剤とともに、水性塗料中に組み込まれることができる。凍結融解添加剤の追加は、水性コーティング組成物のVOC濃度にほとんど又は全く影響しないので、水性コーティングは、従来の水性コーティングより低いVOC濃度を有するものとして製造されることができる。そのような実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約1.3質量%より大きな量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約1.6質量%より大きい量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約2質量%より大きい量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約4質量%より大きい量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約7.5質量%より大きい量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約8質量%より大きい量で、本明細書に記述されているような凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約1.6%〜7.5質量%の量で、凍結融解添加剤を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ポリマーの約1.6%〜45質量%、典型的にはポリマーの約1.6%〜35質量%の量で凍結融解添加剤を含む。
【0091】
さらなる実施形態では、本発明のポリマーは、凍結融解に安定であり、そして約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約O℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有することができる。
【0092】
式IA、IB又はICの重合反応性アルコキシル化モノマーを含むラテックスポリマーは、水性塗料中で、重合性又は非重合性のいずれかである他のイオン性又は非イオン性型の界面活性剤との併用で使用されることができる。特に、ポリマーラテックスバインダーは、少なくとも1つの開始剤及び式IA、IB、IC又はIC−1の少なくとも1つの重合反応性アルコキシル化モノマーの存在下で反応器にラテックスバインダーを形成するために使用されるモノマーを供給して、ラテックスバインダーを製造するためにモノマーを重合することにより、乳化重合を用いて調製されることができる。典型的には、ポリマーラテックスバインダーを調製するために反応器に供給されるモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つのアクリルモノマーが挙げられる。さらに、モノマーは、スチレン、酢酸ビニル、又はエチレンを含むことができる。また、モノマーは、スチレン、[アルファ]−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ウレイドメタクリレート、酢酸ビニル、分岐鎖三級モノカルボン酸のビニルエステル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びエチレンからなる群から選択される1つ以上のモノマーを含むことができる。また、C−C共役ジエン(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン又はクロロプレンなど)を含むことも可能である。典型的には、モノマーとしては、n‐ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン及び2−エチルヘキシルアクリレートからなる群から選択される1つ以上のモノマーが挙げられる。開始剤は、乳化重合(例えば、過硫酸アンモニウム若しくはカリウムなど)、又は典型的には酸化剤及び還元剤を含むレドックス系で用いるために、当技術分野で知られているような任意の開始剤でよい。一般に使用されるレドックス開始製剤は、例えば、A.S.Saracの「Progress in Polymer Science」、第24巻(1999年)、第1149〜1204頁に記述されている。
【0093】
最初に開始剤及び水を含む開始剤溶液を調製することにより、ポリマーラテックスバインダーは、製造されることができる。また、ラテックスポリマーを形成するために使用されるべきモノマーの少なくとも一部分、1つ以上の界面活性剤(乳化剤)、水、及び追加の添加剤(例えば、NaOHなど)を含む、モノマーの事前エマルションも調製される。モノマーの事前エマルション中の1つ以上の界面活性剤としては、本発明の重合反応性アルコキシル化モノマーのいずれかが挙げられる。次に、モノマーの重合を起こすことによってラテックスポリマーを製造するために、所定の期間(例えば、1.5〜5時間)に亘って、開始剤溶液及びモノマーの事前エマルションが、反応器に連続的に加えられる。典型的には、モノマーの事前エマルションを加える前に、開始剤溶液の少なくとも1部が、反応器に加えられる。開始剤溶液及びモノマーの事前エマルションの追加前に、種ラテックス(例えば、ポリスチレン種ラテックス)が反応器に追加されることができる。さらに、開始剤の追加及びモノマーの事前エマルションの追加の前に、水、1つ以上の界面活性剤、及び前記モノマーの事前エマルションに与えられていない任意のモノマーが、反応器に追加されることができる。少なくとも全モノマーがポリマーラテックスバインダーを製造するために供給されるまで、反応器は高温で稼動される。ポリマーラテックスバインダーが調製されると直ぐに、典型的には、それは化学的に剥離され、それによって、その残留モノマー含有量を減少させる。典型的には、過酸化物(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド)などの酸化剤、及び還元剤(例えば、ナトリウムアセトン重亜硫酸水素塩)、又は別のレドックス対(例えば、A.S.Saracの「Progress in Polymer Science」第24巻(1999年)、第1149〜1204頁に記述されているものなど)をラテックスバインダーに高温で所定の期間(例えば、0.5時間)に亘って、連続的に加えることにより、それは化学的に剥離される。次に、ラテックスバインダーのpHが調整されることができて、殺生剤又は他の添加剤が化学的剥離工程後に加えられる。
【0094】
水性塗料は、例えば、紙、木材、コンクリート、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、石膏、及び屋根基材(例えば、アスファルトコーティング、屋根フェルト、発泡ポリウレタン断熱材など)などの様々な材料;又は予め、塗装された、準備された、下塗りされた、摩耗した、若しくは外気に曝された基材に、塗布されることができる安定な液体である。本発明の水性塗料は、当技術分野でよく知られているような各種の技術(例えば、ブラシ、ローラー、モップ、空気補助又は無気スプレー、静電スプレーなど)により、材料に塗布されることができる。
【0095】
表面活性(乳化剤)化合物を含むラテックスポリマー組成物
別の実施形態では、構造式IIA:
【化21】

{式中、Bは、5又は6員シクロアルキル環(例えば、シクロヘキシル環)、若しくは6員環を有する単環芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン環)であり;R、R及びRは、独立して:−H、tert−ブチル、ブチル、
【化22】

から選択され(ただし、R、R及びRの1つが−Hであるか、R、R及びRのいずれも−Hではない。);Xは、C、C、及びCからなる群から選択される少なくとも1つであるか、又はXは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基から選択される二価の炭化水素基であり;nは、1〜100、例えば、3〜80、4〜50、4〜40若しくは8〜25であり;Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、若しくは四級アンモニウムイオンであり、そしてMは、限定されるものではないが、H、Na、NH、K若しくはLiを含むカチオンである。}
の表面活性化合物は、ラテックスポリマーを形成するために使用される乳化重合反応中に乳化剤として使用されることができる。
【0096】
一実施形態では、Rは、四級アンモニウムイオン:
【化23】

から選択される。
【0097】
一実施形態では、nは、4〜80の整数である。一実施形態では、nは、4〜60の整数である。一実施形態では、nは、10〜50の整数である。一実施形態では、nは、10〜25の整数である。
【0098】
典型的には、アルコキシル化表面活性化合物は、式IIB:
【化24】

{式中、R、R、R、R、X及びnは、式IIAの構造について規定された通りである。}
を有する。必要に応じて、構造式IIBで表される芳香族環は、飽和していてよい。
【0099】
より典型的には、表面活性アルコキシル化トリスチリルフェノール(例えば、エトキシル化トリスチリルフェノール)、又は表面活性アルコキシル化トリブチルフェノール(例えば、エトキシル化トリブチルフェノール)は、ラテックスポリマーを形成するために使用される乳化重合反応中に、乳化剤として使用されることができる。下記:
【化25】

【化26】

{式中、nは、1〜100、例えば4〜60又は8〜25の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、四級アンモニウムイオンであり、そしてMは、限定されるものではないが、H、Na、NH、K又はLiを含むカチオンである。}
のように、それぞれ、表面活性エトキシル化トリスチリルフェノールは、構造式IICを有し、そして表面活性エトキシル化トリブチルフェノールは、構造式IIC−1を有する。
【0100】
一実施形態では、Rは、四級アンモニウムイオン:
【化27】

から選択される。
【0101】
一実施形態では、nは、4〜80の整数である。一実施形態では、nは、4〜60の整数である。一実施形態では、nは、10〜50の整数である。一実施形態では、nは、10〜25の整数である。
【0102】
表面活性エトキシル化トリスチリルフェノール又はエトキシル化トリブチルフェノールが、ラテックスポリマーを形成するために乳化重合において乳化剤として利用されるとき、ラテックスポリマーは、表面活性乳化剤が利用される混合物から形成される。一実施形態では、乳化剤は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの1.3質量%より大きな量で、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの1.6質量%より大きな量で、典型的にはラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約2質量%より大きい量で、より典型的には、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約4質量%より大きい量で、最も典型的にはラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約7.5質量%より大きい量で加えられる。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー若しくはモノマーの約8質量%より大きな量で、又はそのポリマー若しくはモノマーの約10質量%より大きい量で、乳化剤を含む。別の実施形態では、加えられる乳化剤は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6%〜7.5質量%である。別の実施形態では、加えられる乳化剤は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6%〜45質量%、典型的には、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6%〜35質量%である。
【0103】
必要に応じて、式IIC又はIIC−1のエチレンオキシド鎖のエチレンオキシド繰り返し単位は、アルコキシル化トリスチリルフェノール又はアルコキシル化トリブチルフェノールを形成するために、上述の−(OX)−基によって置換されることができる。
【0104】
少なくとも1つのラテックスポリマー(本明細書では第一モノマー又は第三モノマーと呼ばれる場合がある。)が形成される典型的なモノマーは、「他のモノマー」と名付けられた項目で上述されている。
【0105】
上述の通り、最初に開始剤及び水を含む開始剤溶液を調製することにより、ポリマーラテックスバインダーが調製されることができる。また、ラテックスポリマーを形成するために使用されるモノマーの少なくとも一部分、1つ以上の界面活性剤(乳化剤)、水、及び追加の添加剤(NaOHなど)を含む、モノマーの事前エマルションが調製される。モノマーの事前エマルション中の1つ以上の界面活性剤としては、本発明の表面活性アルコキシル化化合物が挙げられる。したがって、アルコキシル化化合物は、ポリマーラテックスバインダーを形成する他のモノマーと重合する反応物以外に、混合物を形成するために乳化剤として利用される。次に、モノマーの重合を起こすことによってラテックスポリマーを製造するために、所定の期間(例えば、1.5〜5時間)に亘って、開始剤溶液及びモノマーの事前エマルションは、反応器に連続的に加えられる。典型的には、モノマーの事前エマルションを加える前に、開始剤溶液の少なくとも一部が、反応器に加えられる。開始剤溶液及びモノマーの事前エマルションの追加前に、種ラテックス(例えば、ポリスチレン種ラテックスなど)が、反応器に追加されることができる。さらに、開始剤の追加及びモノマーの事前エマルションの追加の前に、水、1つ以上の界面活性剤、及びモノマーの事前エマルションに与えられていないモノマーが追加されることができる。少なくともポリマーラテックスバインダーを製造するために全モノマーが供給されるまで、反応器は高温で稼動される。ポリマーラテックスバインダーが調製されると直ぐに、典型的には、それは化学的に剥離されることによって、その残留モノマー含有量を減少させる。典型的には、高温で所定の期間(例えば、0.5時間)に亘って、過酸化物(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド)などの酸化剤及び還元剤(例えば、ナトリウムアセトン重亜硫酸水素塩)、又は別のレドックス対(例えば、A.S.Saracの「Progress in Polymer Science」第24巻(1999年)、第1149〜1204頁に記述されているものなど)をラテックスバインダーに連続的に加えることにより、それは化学的に剥離される。次に、ラテックスバインダーのpHは調整され、化学的剥離工程後に、殺生剤又は他の添加剤が加えられる。
【0106】
乳化重合反応混合物中への表面活性アルコキシル化化合物界面活性剤(乳化剤)の組み込みは、好ましい濃度で水性塗料の凍結融解安定性を維持しながら、塗料がより低いVOC含有量を有することを可能にする。
【0107】
水性ラテックス分散液への添加剤
別の実施形態では、構造式IIA、IIB、IIC又はIIC−1の上述の表面活性アルコキシル化化合物(凍結融解添加剤という場合がある。)は、ラテックスポリマーの既に形成された水性分散液に対する添加剤として使用されることができる。凍結融解添加剤は、限定されるものではないが、乳化工程中、配合中などを含む水性塗料の製造の任意の時点で、追加されることができると理解されたい。また、凍結融解添加剤は、水性塗料又はその濃縮物に後添加されることができると理解されたい。
【0108】
これは、表面活性アルコキシル化化合物及びラテックスポリマーを含む水性組成物を生成する。表面活性アルコキシル化化合物が、既に形成されている水性ラテックス分散液に対する添加剤として利用されるとき、得られた組成物は、ラテックスポリマーを形成するのに使用されるモノマー100質量部当たり、約1〜10、典型的には2〜8又は2〜6部の量のアルコキシル化化合物添加剤を有する。
【0109】
ラテックスポリマーが形成される典型的なモノマーは、「他のモノマー」と名付けられた項目で上述されており、そして上述のような本発明の反応性モノマーと共重合されることができる。
【0110】
さらに、本発明としては、ラテックスバインダーを製造するためのラテックスポリマーの水性分散液に、上述のような構造式IIA、IIB、IIC及び/又はIIC−1の少なくとも1つの表面活性アルコキシル化化合物界面活性剤(乳化剤)を追加する工程を含む、ラテックスバインダー組成物の製造方法が挙げられる。次に、任意の適切な順序で水性塗料を製造するために、少なくとも1つの顔料及び他の添加剤は、得られたラテックスバインダーと混合されることができる。構造式IIA、IIB、IIC又はIIC−1の表面活性アルコキシル化化合物のラテックスポリマーに対する追加は、好ましい濃度で混合物の凍結融解安定性を維持しながら、より低いVOC含有量を有する混合物を形成する。
【0111】
別の実施形態では、構造式IIA、IIB、IIC又はIIC−1の上述の表面活性化合物(凍結融解添加剤という場合がある。)は、塗料又は水性塗料の配合中に、添加剤として使用されることができる。配合は、ベースとなる水性ラテックスポリマー分散液を最終製品(塗料又はコーティングなど)にするために、添加剤が、ベースとなる水性ラテックスポリマー分散液に加えられる段階である。表面活性アルコキシル化化合物が、既に形成された塗料又は水性塗料(例えば、水性ラテックスコーティング分散液)に対する添加剤として利用されるとき、得られた組成物は、典型的には、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.3質量%より大きな量、より典型的にはラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6質量%より大きい量、さらに典型的にはラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約2質量%より大きい量、さらに典型的には、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約4質量%より大きい量、最も典型的にはラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約7.5質量%より大きい量のアルコキシル化化合物添加剤を有する。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6%〜7.5質量%の表面活性アルコキシル化化合物を含む。別の実施形態では、ラテックスコーティング組成物は、ラテックスポリマーを形成するために使用されるポリマー又はモノマーの約1.6%〜45質量%、典型的には約1.6%〜35%の量の表面活性アルコキシル化化合物を含む。顔料は、典型的な添加剤であり、例えば、粗水性ラテックスポリマー分散液からの塗料の配合中に加えられる。
【0112】
凍結融解添加剤が、上述のようなポリマーの質量に応じた量で水性塗料に存在し、そしてポリマーが、約−15℃〜約12℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約200nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約190nm未満の平均粒径、又は約−15℃〜約12℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約5℃のTg及び約175nm未満の平均粒径、又は約−5℃〜約0℃のTg及び約175nm未満の平均粒径を有する場合には、本発明の水性コーティングは、凍結融解に安定である。上述の通り、平均粒径は、典型的には約75nm〜約400nmである。水性塗料は、約2分を超える開放時間、約4分を超える開放時間、約6分を超える開放時間又は約12分を超える開放時間によって特徴付けられる。
【0113】
さらに、本発明としては、少なくとも1つの顔料及び他の添加剤を含む塗料又は水性塗料の配合中に、上記のような構造式IIA、IIB、IIC及び/又はIIC−1の少なくとも1つの表面活性アルコキシル化化合物を追加して、最終塗料又は水性塗料を製造する工程を含む、塗料又は水性塗料の製造方法が挙げられる。塗料又は水性塗料の配合中の表面活性アルコキシル化化合物界面活性剤(乳化剤)の追加は、好ましい濃度で水性塗料の凍結融解安定性を維持しながら、より低いVOC含有量を有する塗料を形成する。
【0114】
他の添加剤
本発明の水性コーティングは、少なくとも1つのモノマー(例えばアクリルモノマー及び/又は他の上述のラテックスモノマー)に由来する少なくとも1つのラテックスポリマーを含む。本発明の水性コーティングは、水性塗料の全質量を基準として、2質量%未満、典型的には1.0質量%未満の不凍剤を含む。より典型的には、水性コーティングは、実質的に不凍剤を含まない。
【0115】
典型的には、水性塗料は少なくとも1つの顔料を含む。本明細書で使用されるような用語「顔料」は、顔料、増量剤、及び充填剤などの非膜形成固体を含む。典型的には、少なくとも1つの顔料は、TiO(アナスターゼ及びルチル形態の両方)、粘土(ケイ酸アルミニウム)、CaCO(地面及び沈殿形態の両方)、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、バライト(硫酸バリウム)、酸化亜鉛、亜硫酸亜鉛、酸化ナトリウム、酸化カリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。適切な混合物としては、MINEX(ユニミン・スペシャリティ・マテリアルズ(Unimin Specialty Minerals)社から入手できるケイ素、アルミニウム、ナトリウム及びカリウムの酸化物)、CELITWES(セリット(CELITE)社から入手できる酸化アルミニウム及び二酸化ケイ素)、ATOMITES(イングリッシュ・チャイナ・クレー・インターナショナル(English China Clay International)社から入手できる)、及びATTAGELS(エンゲルハード(Engelhard)社入手できる)の商品名で市販されているものなどの、金属酸化物の混合物が挙げられる。より典型的には、少なくとも1つの顔料がTiO、CaCO又は粘土を含む。一般に、顔料の平均粒径は、約0.01〜約50μmの範囲である。典型的には、例えば、水性塗料に使用されるTiO粒子は、約0.15〜約0.40μmの平均粒径を有する。顔料は、粉末として又はスラリー形態で、水性塗料に追加されることができる。顔料は、典型的には約5〜約50質量%、より典型的には約10〜約40質量%の量で、水性塗料中に存在する。
【0116】
所望により、塗料は、1つ以上の膜形成助剤又は合体剤などの添加剤を含むことができる。適切な膜形成助剤又は合体剤としては、可塑剤、及び高沸点極性溶媒などの乾燥遅延剤が挙げられる。また、他の従来のコーティング添加剤(例えば、分散剤、追加の界面活性剤(すなわち、湿潤剤)、レオロジー改質剤、消泡剤、増粘剤、殺生剤、防かび剤、着色顔料及び染料などの色材、ワックス、香料、補助溶剤など)が、本発明によって使用されることができる。例えば、非イオン性及び/又はイオン性(例えば、アニオン性又はカチオン性)界面活性剤が、ポリマーラテックスを製造するために使用されることができる。典型的には、これらの添加剤は、塗料の全質量を基準として、0〜約15質量%、より典型的には約1〜約10質量%の量で水性塗料中に存在する。
【0117】
上述の通り、幾つかの実施形態における水性塗料は、水性塗料の全質量を基準として2.0%未満の不凍剤を含むことができる。典型的な不凍剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール(1,2,3−トリヒドロキシプロパン)、エタノール、メタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及びFTS−365(イノバケム・スペシャリティ・ケミカルズ(Inovachem Specialty Chemicals)社製の凍結融解安定剤)が挙げられる。より典型的には、水性塗料は、1.0%未満の不凍剤を含むか、又は実質的に不凍剤を含まない(例えば、0.1%未満含む。)。それ故に、典型的には、本発明の水性塗料は、約100g/L未満、より典型的には約50g/L以下のVOC濃度を有する。本発明の水性コーティングが、ほとんど又は全く不凍剤を含まないという事実にもかかわらず、本組成物は、本技術分野において好ましい濃度で凍結融解安定性を有する。
【0118】
例えば、本発明の水性コーティングは、凝固することなく、ASTM法D2243−82又はASTM法D2243−95を用いて、凍結融解サイクルに供されることができる。
【0119】
本発明の水性塗料の残余は水である。多くの水がポリマーラテックス分散液及び水性塗料の他の成分に存在するが、一般に、水も別々に水性塗料に加えられる。水性塗料は、典型的には約10%〜約85質量%、より典型的には約35%〜約80質量%の水を含む。言い換えれば、水性塗料の全固形物含有量は、典型的には約15%〜約90%、より典型的には約20%〜約65%である。
【0120】
典型的には、乾燥コーティングが、乾燥ポリマー固形物の少なくとも10体積%、さらに5〜90体積%の顔料の形態の非ポリマー固形物を含むように、塗料が配合される。また、乾燥コーティングは、塗料の乾燥時に蒸発しない添加剤(例えば、可塑剤、分散剤、界面活性剤、レオロジー改質剤、消泡剤、増粘剤、殺生剤、防かび剤、色材、ワックスなど)を含むことができる。
【0121】
本発明の好ましい実施形態では、水性塗料は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステル及び少なくとも1つの重合性アルコキシル化界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つのアクリルモノマーに由来する少なくとも1つのラテックスポリマー;少なくとも1つの顔料及び水を含むラテックス塗料組成物である。上述の通り、少なくとも1つのラテックスポリマーは、純アクリル、スチレンアクリル、ビニルアクリル又はアクリル化エチレン酢酸ビニルコポリマーでよい。
【0122】
さらに、本発明としては、少なくとも1つのモノマーに由来し、かつ上述のような少なくとも1つのトリスチリルフェノールと共重合及び/又は混合される少なくとも1つのラテックスポリマー、並びに少なくとも1つの顔料をまとめて混合することによる水性コーティング組成物の製造方法が挙げられる。典型的には、ラテックスポリマーは、ラテックスポリマー分散液の形態である。上記で議論された添加剤は、水性コーティング組成物中にこれらの添加剤を提供するために、任意の適切な順序で、ラテックスポリマー、顔料、又はそれらの組み合わせに追加されることができる。塗料製剤の場合には、典型的には、水性コーティング組成物は、7〜10のpHを有する。
【実施例】
【0123】
本発明は、今では下記の非限定的な実施例によってさらに説明されるであろう。上述の通り、本発明では、(I)ラテックスポリマー配合中に存在するべき界面活性剤(乳化剤)としての表面活性アルコキシル化化合物、(II)ラテックスコモノマーを形成する重合反応性アルコキシル化モノマー、及び/又は(III)ラテックスポリマー又はコポリマーの水性分散液に対する添加剤としての表面活性アルコキシル化化合物を利用してよい。
【0124】
次の実施例1及びそのサブセットによって、ラテックスポリマー配合中に存在するための界面活性剤(乳化剤)として利用される表面活性アルコキシル化化合物として本発明を説明する。
【0125】
実施例1
凍結融解安定性試験
実施例1では、対照物を、様々な濃度のTSP−EO及び1%MAA(メタクリル酸)を組み込んでいる本発明の組成物と比較する。TSP−EOは、上記で列挙された構造式IIC(ただし、R基はHである。)で表される表面活性エトキシル化トリスチリルフェノールである。
【0126】
2%TSP−EO、1%MAA(メタクリル酸)を有する本発明のサンプル1;4%TSP−EO、1%MAAを有する本発明のサンプル2;及び6%TSP−EO、1%MAAを有する本発明のサンプル3を形成した。表1に、4%TSP−EO、1%MAAを有する本発明の実施形態であるサンプル2の含有物を示す。
【0127】
【表1】

【0128】
「BOTM」は、「全モノマーを基準とする(Based On Total Monomer)」の略語である。モノマーエマルションは、ラテックスを形成するために典型的なモノマーを含む。上述の通り、TSP−EOは、上記で列挙された構造式IIC(ただし、R基はHである。)で表される、そのアルコキシル化鎖中に約10〜約50個のエチレンオキシド基を有する表面活性トリスチリルフェノールを含む。RHODACAL A−246/L及びABEXは、ローディア(Rhodia)社(ニュージャージー州クランバリー)から入手できる乳化剤である。
【0129】
表2には、この実施例で試験される対照物中で利用される含有物を示す。
【0130】
【表2】

【0131】
手順:対照物並びにサンプル1、2及び3の含有物を下記の乳化重合反応手順でそれぞれ利用した:
【0132】
1.Nでパージしながら、ケトル充填物を約80℃に加熱する。試験の初めから終わりまでN雰囲気を維持する。
【0133】
2.上記処方に基づいてモノマーエマルション及び開始剤溶液を調製する。
【0134】
3.約80℃で開始剤溶液及びモノマーエマルションを前記ケトルに加える。
【0135】
4.約80℃で約10〜20分間保持する。
【0136】
5.反応温度を約80±1℃に保ちながら、モノマーエマルション及び開始剤溶液の残分を3時間に亘って静かに加える。
【0137】
6.モノマーエマルション及び開始剤溶液の追加が完了した後、反応混合物の温度を約85℃に上げて、30分間保持する。
【0138】
7.反応器含有物を約30℃を下回るまで冷却する。最終反応物のpHを8〜9に調整する。
【0139】
8.100メッシュフィルターを通して回分をろ過し、特性化のために密閉された容器に保管する。
【0140】
サンプル1には、4%TSP−EOが含まれていた。TSP−EOの量以外は4%TSP−EOサンプルと同様に、2%TSP−EO及び6%TSP−EOサンプルについて上記手順を繰り返した。
【0141】
表3には、対象物、2%TSP−EOサンプル(サンプル1)、上述の4%TSP−EOサンプル(サンプル2)、及び6%TSP−EOサンプル(サンプル3)の結果を示す。ポリマー分散液及び配合された塗料の凍結融解安定性をASTM標準試験法D2243−95に基づいて測定した。ラテックス又は配合された塗料を、半パイントのサンプルを用いて試験する。サンプルを冷凍室内にOF(−18℃)で17時間に亘って保持し、次に冷凍室から出して、室温で7時間融解させた。ラテックス又は塗料が凝固するか、又は最大5周まで、凍結融解サイクルを続けた。
【0142】
【表3】

【0143】
表3には、対照物をゲル化させた条件でゲル化を防いだ本発明の添加剤を示す。ラテックスの製造の副生成物として凝集粒子を形成する。一般に当技術分野で知られているようなDSC法を用いて測定されたときのラテックスのTgは、3.63℃であった。
【0144】
実施例1−1
約6個〜約60個のエチレンオキシド基を有する各種のアニオン性又は非イオン性エトキシル化トリスチリルフェノール(TSP)化合物を用いて上記手順を繰り返した。表4には、これらの実施例の結果を示す。
【0145】
【表4】

【0146】
実施例2
実施例2には、国際公開第2007/117512号パンフレット(以下では、「‘512出願」又は「ステファン(Stepan)」という場合がある。)の開示内容に対する本発明の比較例が示される。
‘512出願(p.20)による種ラテックスを調整した:
【0147】
ナトリウムラウリルスルフェート(SLS)を用いる種ラテックス調製
【0148】
【表5】

【0149】
手順:1. 150gの水及び7.32gの界面活性剤(SLS)をケトルに入れて、約83℃に加熱する。2. 42.78gの開始剤溶液を加える。3. 108gのモノマー混合物をケトルに入れて、2〜3時間に亘って約83℃で保持する。4. 乳化重合プロセス中に粒径を測定する。5. 室温に冷却して、今後の使用のために種ラテックスを保持する。種ラテックスの活性質量%は36質量%であった。
【0150】
表5及び6には、それぞれ、SLS(対照)を用いるときと、界面活性乳化剤として約10〜40個のエチレンオキシド基を有するTSPを併用してSLSを用いるときのスチレン−アクリルラテックスポリマーの乳化重合を示す。
【0151】
【表6】

【0152】
【表7】

【0153】
手順(表5及び6について):
1)水及び25gのNaHCO溶液及び30gの種ラテックスをケトルに充填して、Nでパージしながら、150rpmの攪拌速度でケトルを約83℃に加熱する。作業の初めから終わりまでN雰囲気を維持する。2)上記処方に基づいてモノマーエマルション及び開始剤溶液を調製する。3)約83℃で20.2%の開始剤溶液(20.0g)を加え、8分間保持する。4)約180分間に亘ってモノマーエマルションの残分を供給して、反応温度を約83±1℃に維持する。5)モノマーの追加から10分後、125.0gのNaHCO溶液を有する79gの過硫酸アンモニウム溶液を180分間供給する。6)追加後、反応温度を83℃にして、83±1℃で60分間に亘って保持する。7)回分を30℃を下回るまで冷却し、濃縮(28%)水酸化アンモニウム溶液によってpHを8.5±0.1に調整する。8)100メッシュフィルターを通して回分をろ過して、特性化のために密閉した容器に保管する。
【0154】
【表8】

【0155】
【表9】

【0156】
表7及び8については、表5(乳化界面活性剤として使用したラウリル硫酸ナトリウム)及び表6(乳化界面活性剤として使用したラウリル硫酸ナトリウム及びTSP)で調製したラテックスポリマー分散液の性質は、両方ともに凍結融解(F/T)安定性を示す。一般に当技術分野で知られているようなDSC法を用いると、表5及び6のラテックス分散液の測定Tgは、約24℃〜27℃の範囲であった。
【0157】
図1について、‘512出願に基づいて調製された様々なラテックスポリマーのTgを示す:(1)約26.5℃の測定Tgを有する、SLSを用いるラテックスポリマーの乳化重合;(2)約25.3℃の測定Tgを有する、界面活性乳化剤としてTSP−EOを併用してSLSを用いるラテックスポリマーの乳化重合;(3)約24.5℃の測定Tgを有する、TDA硫酸ナトリウムを用いるラテックスポリマーの乳化重合;及び(4)約26.5℃の測定Tgを有する、界面活性乳化剤としてTSP−EOを併用してTDA硫酸ナトリウムを用いるラテックスポリマーの乳化重合。
【0158】
実施例3
次の実施例3及びそのサブセットでは、ラテックスコモノマー又はポリマーを形成するために使用される重合反応性アルコキシル化モノマー(反応性モノマー)として本発明を説明する。
【0159】
次の実施例は、ラテックスの調製において反応性モノマーとして利用されるトリスチリルフェノール(TSP)エトキシレート及びトリブチルフェノール(TBP)エトキシレートの使用に関する。
【0160】
実施例3−1−ラテックスポリマーの調製
表9を参照して、TSP/TBPエトキシル化モノマーを使用することなく、乳化重合から対照ラテックスポリマーを調製した。表10を参照して、本発明のTSPエトキシル化モノマー及びTBPエトキシル化モノマーを用いて、乳化重合からラテックスポリマーを調製した。ラテックスポリマーを調製するための手順を下記に示す:
【0161】
をパージしながら、ケトル充填物を加熱する。作業の初めから終わりまでN雰囲気を維持する。モノマーエマルション及び開始剤溶液を調製する。開始剤溶液及びモノマーエマルションを加える。定温を保ち、モノマーエマルション及び開始剤溶液の残りを供給する。30℃を下回るまで反応器を冷却し、次にチーズクロスを通して回分をろ過する。
【0162】
【表10】

【0163】
【表11】

【0164】
実施例3−2−塗料処方
表11、12及び13には、それぞれ、市販の低VOC塗料(そのポリマーラテックスは、約2.4℃のTg及び130〜160のD50を有することが分かっている。)を用いる塗料処方、ラテックスポリマーとして純アクリルを利用する類似処方、並びにラテックスポリマーとして合成ラテックスを用いる類似処方を示す。
【0165】
【表12】

【0166】
【表13】

【0167】
【表14】

【0168】
表14には、低Tg市販ラテックス、純アクリルラテックス、及び約3〜80個のエトキシレート基を有する様々なTSP/TBPエトキシル化モノマーを用いる上記塗料処方から得られた塗料の性質を示す。
【0169】
【表15】

【0170】
幾つかのTSP/TBPエトキシル化モノマーを組み込んでいるラテックスを用いる製剤(それは、F/T安定性を示す。)とは対照的に、市販ラテックス及び純アクリルラテックスを利用している塗料製剤は、1回のF/Tサイクル後にだけゲル化した。
【0171】
実施例3−3
対照ラテックス(純アクリル)、市販の低Tgラテックス、及び本発明のTSP反応性モノマーを用いる塗料製剤の性質を試験した。得られた塗料製剤(上述のラテックスが変更されている。)が、F/T安定性を除いて、同程度の性質を提供することが観察された。それ故に、反応性TSP及びTBPモノマーエトキシレートを用いてF/T安定性を本発明のラテックスポリマーに与えることは、塗料処方の他の好ましい性質を損なうものではない(10が最高で有り、1が最低である。)。
【0172】
【表16】

【0173】
【表17】

【0174】
【表18】

【0175】
【表19】

【0176】
【表20】

【0177】
次の実施例4及びそのサブセットでは、ラテックスポリマー又はコポリマーの水性分散液に対する1つ以上の添加剤として利用される表面活性アルコキシル化化合物として本発明を説明する。
【0178】
実施例4
添加剤としての表面活性アルコキシル化化合物
約3個〜約80個より多いエチレンオキシド基を有する非イオン性TSP界面活性剤を純アクリル白色製剤中に10ポンド/100ガロンで加えると、その塗料は凍結融解安定性を示した。
【0179】
表20には(純アクリル白色製剤中の)F/T添加剤として本発明(10ポンド/100ガロン)のアニオン性TSP界面活性剤を示す。
【表21】

【0180】
実施例4−1
表21には、バインダー粒径における本発明のTSPエトキシレートの影響を示す。動的光散乱(DLS)法を利用するゼータサイザーナノ(Zetasizer Nano)ZS装置を用いて平均粒径を測定した。DLS法は、基本的に、粒子からのレーザー光の散乱を観察する工程、ストークス−アインシュタインの法則(Stokes−Einstein relationship)を用いて、散乱速度を決定して、レーザー光の散乱から粒径を導き出す工程から成る。
【0181】
【表22】

【0182】
実施例4−2
表22には、低VOC塗料のF/T安定性に対する本発明のTSPエトキシレートの負荷レベルを示す。
【0183】
【表23】

【0184】
表23を参照すると、本発明のTSP−EOを用いるときに、F/T安定性は、全ポリマー質量を基準として約1.3%以上で観察される。
【0185】
【表24】

【0186】
実施例4−3
様々な量のTSPエトキシレートを低/ゼロVOCの市販塗料に加えて、凍結融解安定性について試験した。表24には、様々な低/ゼロVOCの市販塗料のF/T安定性に対する本発明のTSP−EOの影響を示す。対照物は、TSPエトキシル化界面活性剤(TSP−EO)を含まなかった。
【0187】
【表25】

【0188】
実施例4−5
開放時間
表25及び26には、それぞれ、低VOC塗料の「開放時間」に対するTSPエトキシレート非イオン性界面活性剤の影響と、低VOC塗料の「開放時間」に対するTSPエトキシレートアニオン性界面活性剤の影響を示す。一般に、開放時間は、塗料が塗布された後に、それが(「ウェットエッジ」で)追加の塗装領域と混合されることができる時間の間隔であると理解されたい。開放時間とは、ブラシ遣い及び操作の他の兆候が乾燥膜において視認可能になる前に、塗料の新たに塗布された層が使用可能なままである期間をいう。一般に、開放時間の測定方法は、下記の通りである:一片の黒色擦り試験紙上に10ミルの膜を引く。次に、消しゴムと鉛筆を用いて2インチ間隔で塗料膜に平行線を引く。次に、第一の平行線に一方向に15回ブラシをかける;次に、これを各一連の平行線についても2分間隔で繰り返す。48時間後、平行線の痕跡が識別できる最早時間について乾燥膜を評価する。これを恒湿及び室温下で行なう。塗料製剤が、4分より長い開放時間、典型的には6分より長い開放時間を有することが好ましい。試薬(非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の両方)の量を、256gの塗料当たり約2.5g〜約4.25gの界面活性剤に変える。
【0189】
【表26】

【0190】
【表27】

【0191】
表25及び26を見直すと、それぞれ、非イオン性TSP添加剤又はアニオン性TSP添加剤のいずれかを利用するときに、開放時間が著しく増加したことが観察される。
【0192】
上記の詳細な説明において、好ましい実施形態は、本発明の実施を可能にするために詳細に記載されている。本発明は、これらの具体的な好ましい実施形態について記述されているが、本発明はこれらの好ましい実施形態に限定されないことを理解されたい。それどころか、本発明は、詳細な説明の検討から明らかになる通り、多数の代替、改良及び均等を含む。本発明の上記説明に基づいて、当業者であればそれに変更及び変化を加えることができた点を理解されたい。これらの変更及び変化は、次の添付の特許請求の範囲の理念及び範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第一モノマー及び下記構造式IA:
【化1】

{式中、R、R及びRは、独立して:ブチル、tert‐ブチル、イソブチル、
【化2】

からなる群から選択され;Xは、約2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を含む二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数であり;そしてRは、エチレン性不飽和基である。}
で表される少なくとも1つの第二モノマーに由来するラテックスポリマー。
【請求項2】
Rが、アクリレート、C−Cアルキルアクリレート、アリル、ビニル、マレエート、イタコネート及びフマレートからなる群から選択される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
Rが、アクリロ基、メタクリロ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジアリルアミノ基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、α−アルケニル基、マレイミド基、スチレニル基及びα−アルキルスチレニル基からなる群の少なくとも1つから選択される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
Rが、化学構造:RCH=C(R)COO−{式中、RがHであるならば、RはH、C−Cアルキル、若しくは−CHCOOXであるか;Rが−C(O)OXであるならば、RはH若しくは−CHC(O)OXであるか;又はRがCHであるならば、RはHであり、そしてXはH若しくはC−Cアルキルである}を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
Rが、化学構造:−HC=CYZ又は−OCH=CYZ{式中、Yは、H、CH、若しくはClであり;Zは、CN、Cl、−COOR、−C、−COOR、若しくは−HC=CHであり;Rは、C−Cアルキル若しくはC−Cヒドロキシアルキルであり;そしてRは、H、Cl、Br、若しくはC−Cアルキルである。}を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
第二モノマーが、下記構造式IB:
【化3】

{式中、nは、1〜100の範囲であり、そしてRは、H、C−Cアルキル及びC−Cヒドロキシアルキルからなる群から選択される。}
で表される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
nが、約3〜約80の整数である、請求項6に記載のポリマー。
【請求項8】
nが、約10〜約50の整数である、請求項7に記載のポリマー。
【請求項9】
nが、約20〜約50の整数である、請求項8に記載のポリマー。
【請求項10】
第二モノマーが、下記構造式IB−1:
【化4】

{式中、nは、1〜100の範囲であり、そしてRは、H、C−Cアルキル及びC−Cヒドロキシアルキルからなる群から選択される。}
で表される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項11】
nが、約3〜約80の整数である、請求項10に記載のポリマー。
【請求項12】
nは、約10〜約50の整数である、請求項11に記載のポリマー。
【請求項13】
nが、約20〜約50の整数である、請求項12に記載のポリマー。
【請求項14】
第一モノマーが、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのアクリルモノマーを含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項15】
さらに、ポリマーが、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ウレイドメタクリレート、酢酸ビニル、分岐鎖三級モノカルボン酸のビニルエステル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、エチレン、及びC−C共役ジエンからなる群から選択される少なくとも1つの第三モノマーに由来する、請求項14に記載のポリマー。
【請求項16】
約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項17】
約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項18】
約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項19】
約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項20】
約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項21】
約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項22】
約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項23】
約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項24】
約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項25】
約200nm未満の平均粒径を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項26】
約200nm未満の平均粒径を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項27】
約200nm未満の平均粒径を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項28】
約190nm未満の平均粒径を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項29】
約190nm未満の平均粒径を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項30】
約190nm未満の平均粒径を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項31】
約175nm未満の平均粒径を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項32】
約175nm未満の平均粒径を有する、請求項6に記載のポリマー。
【請求項33】
約175nm未満の平均粒径を有する、請求項10に記載のポリマー。
【請求項34】
(a)請求項1に記載の少なくとも1つのラテックスポリマー;及び
(b)水、
を含み、そして凍結融解に安定である、ラテックスコーティング組成物。
【請求項35】
(a)請求項6に記載の少なくとも1つのラテックスポリマー;及び
(b)水
を含み、そして凍結融解に安定である、ラテックスコーティング組成物。
【請求項36】
(a)請求項10に記載の少なくとも1つのラテックスポリマー;及び
(b)水
を含み、そして凍結融解に安定である、ラテックスコーティング組成物。
【請求項37】
下記構造式:
【化5】

{式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、及び四級アンモニウムイオンからなる群から選択され、そしてMは、カチオンである。}
で表される凍結融解添加剤をさらに含む、請求項34に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項38】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約1.3質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項39】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約1.6質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項40】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約2質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項41】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約4質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項42】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約7.5質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項43】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約8質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項44】
凍結融解添加剤が、ポリマーの約10質量%より大きい量で存在する、請求項37に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項45】
(1)少なくとも1つの第一モノマーを(2)下記構造式IA:
【化6】

{式中、R、R及びRは、独立して:ブチル、tert‐ブチル、イソブチル、
【化7】

からなる群から選択され;Xは、約2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を含む二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数であり;そしてRは、エチレン性不飽和基である。}
で表される少なくとも1つの第二モノマーと共重合する工程を含むラテックスポリマーの製造方法。
【請求項46】
ポリマーが、約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
ポリマーが、約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
ポリマーが、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
ポリマーが、約200nm未満の平均粒径を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
ポリマーが、約190nm未満の平均粒径を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
ポリマーが、約175nm未満の平均粒径を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つの第一モノマーを(i)構造式IB:
【化8】

{式中、nは、1〜100の整数であり、そしてRは、H、C−Cアルキル及びC−Cヒドロキシアルキルからなる群から選択される。}
で表される少なくとも1つの第二モノマー又は(ii)構造式IB−1:
【化9】

{式中、nは、1〜100の整数であり、そしてRは、H、C−Cアルキル及びC−Cヒドロキシアルキルからなる群から選択される。}
で表される少なくとも1つの第二モノマーと共重合する工程を含むラテックスポリマーの製造方法。
【請求項53】
ポリマーが、約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
ポリマーが、約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
ポリマーが、約−5℃〜約0℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
ポリマーが、約200nm未満の平均粒径を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
ポリマーが、約190nm未満の平均粒径を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
ポリマーが、約175nm未満の平均粒径を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
(a)少なくとも1つのラテックスポリマー;
(b)少なくとも1つの顔料;
(c)水;及び
(d)低揮発性有機化合物(VOC)ラテックスコーティング組成物に凍結融解安定性を与えるのに有効な量で存在し、かつ下記構造式IIA:
【化10】

{式中、R、R及びRは、独立して:ブチル、tert‐ブチル、イソブチル、
【化11】

からなる群から選択され;Xは、約2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を含む二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数であり;Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、及び四級アンモニウムイオンからなる群から選択され;そしてMは、カチオンである。}
で表される添加剤
を含む低VOCラテックスコーティング組成物。
【請求項60】
nは、約3〜約80の整数である、請求項59に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項61】
添加剤が、ポリマーの約1.6質量%より大きい量で存在し、かつポリマーが、約−15℃〜約12℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項59に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項62】
開放時間が約6分を超えることを特徴とする、請求項59に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項63】
(a)少なくとも1つのラテックスポリマー;
(b)少なくとも1つの顔料;
(c)水;及び
(d)低VOCラテックスコーティング組成物に凍結融解安定性を与えるのに有効な量で存在し、かつ下記構造式:
【化12】

(式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−OC、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、及び四級アンモニウムイオンからなる群から選択され、
そしてMは、カチオンである。}
で表される添加剤
を含む低VOCラテックスコーティング組成物。
【請求項64】
nが、約3〜約80の整数である、請求項63に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項65】
添加剤が、ポリマーの約1.6質量%より大きい量で存在する、請求項63に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項66】
ポリマーが、約−15℃〜約12℃、好ましくは約−5℃〜約5℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項63に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項67】
ポリマーが、約190nm未満の平均粒径を有する、請求項63に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項68】
開放時間が約6分を超えることを特徴とする、請求項63に記載のラテックスコーティング組成物。
【請求項69】
低VOCコーティング組成物に下記構造式IIA:
【化13】

{式中、R、R及びRは、独立して:ブチル、tert‐ブチル、イソブチル,
【化14】

からなる群から選択され;Xは、約2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を含む二価の炭化水素基であり;nは、1〜100の整数であり;Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、及び四級アンモニウムイオンからなる群から選択され;そしてMは、カチオンである。}
で表される有効量の添加剤を加える工程を含む、低VOCコーティング組成物に凍結融解安定性を与える方法。
【請求項70】
低VOCコーティング組成物に下記構造式:
【化15】

{式中、nは、1〜100の整数であり、Rは、−OH、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−Cl、−Br、−CN、ホスホネート(−PO)、ホスフェート(PO)、スルフェート(SO)、スルホネート(SO)、カルボキシレート(COO)、非イオン性基、及び四級アンモニウムイオンからなる群から選択され、そしてMは、カチオンである。}
で表される有効量の添加剤を与える工程を含む、低VOCコーティング組成物に凍結融解安定性を与える方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−510135(P2011−510135A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543144(P2010−543144)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/000309
【国際公開番号】WO2009/091592
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(508339035)
【Fターム(参考)】