説明

ラピッドプロトタイピング法及びその使用のための放射線硬化型組成物

要約
本発明は3次元物体の製造方法に関し、3次元構造が、可視光及び/又は紫外線で固体高分子材料へと硬化できる組成物の層群の、個々の層の紫外及び/又は可視光線への一連の曝露による、一連の選択的硬化によって製造され、その後このようにして形成された3次元構造を用いることにより3次元物体を製造し、続いて3次元構造を3次元物体から除去することを含む方法において、3次元構造を除去することが、高分子材料を化学的に切断することに加えて、同時又は続いて材料を溶媒又は混合溶媒中で溶解すること及び/又は材料を融解することによって達成されることを特徴とする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形法に関し、より詳しくは放射線によって固体高分子材料へと硬化し得る組成物を使用するラピッドプロトタイピング法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
可視光又は紫外線で硬化できる配合物は、塗装、印刷及び電子工学といった多様な工学分野で知られている。成形技術におけるそのような組成物の使用も知られている。シェイプデポジション製造法(US−A−6,342,541)においては、例えば、複雑な成形部のための鋳型を、紫外線硬化型配合物を使って、ろうでできた基板上で紫外線を用いて液体配合物の層を硬化させ、この層を機械加工し、それからそれを新しいろうで取り囲むことによって製造する。この手順を、支持材料になる硬化組成物で満たされた望ましいろう型を得るまで繰り返す。続いて、支持材料を水性アルカリ液を使って溶出し、中空のろう型を更なる成形過程に使用する。
【0003】
US−A−6,375,880には、成形法のための同様の支持材料であって、支持材料が、溶解することによって又は融解することによって除去される、支持材料が記載されている。しかしながら、これらの材料の化学組成に関する情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
両成形技術の欠点は硬化後個々の各層の機械加工を要することであり、このことがアンダーカットでの複雑な成形部の製造を困難にするか、又は不可能にしている。更に、CNC(コンピュータ数値制御)製造のための計画過程はかなり複雑である。
【0005】
光造形法においては、これを選択的硬化によって防ぐ(J.−C. Andre, A. Le Mehaute, and O. De Witt, FR−A−2,567,668 (1986), A. J. Herbert, J. Appl. Photo. Eng. 8(4), 185−188 (1982), C. Hull., US−A−4,575,330(4.575.330) (1986))。構築用プラットフォーム上で、薄い樹脂層を樹脂浴中で(例えば紫外線レーザー光の走査又は選択的曝露によって)連続して選択的に硬化させ、機械稼動工程なしで成形部を得る。WO01/12679に記載された手順のような、これまでの手順で用いられたアクリル又はエポキシ樹脂に基づいた樹脂配合物を架橋して、つまり不溶性及び不融性の成分にして、例えば歯科工学におけるプラスチック製インサートのような最終生産物として使用する。
【0006】
これは、そのような構成要素の特性が、用いた液体配合物の組成によって決定され、光で硬化できるという必要条件のために限られた程度にしか変えられないという欠点を伴う。他の材料でできた成形部の製造には、不溶性及び不融性の構成要素が鋳型製造のための原型として役立つさらなる工程が必要である。例えば、シリコーン鋳造では、原型をシリコーンに埋め込み、次いでこのようにして得られた軟シリコーン型から機械的に除去して得る。付随的な程度の関連する作業は別として、機械的除去は、この方法を複雑な構成要素の製造に不適切にするアンダーカットを伴わないか、又はごくわずかに伴う部分でのみ可能である。
【0007】
別の可能性はインサート成形であって、無機材料の鋳型を原型の補助によって製造し、続いて原型を熱分解によって除去する。これには相当な量のエネルギーだけでなく、概ね600℃までの温度に耐える鋳型材料も必要である。
【0008】
或いは又、AT−A−412,399には、選択的に硬化でき、かつ結果的に水溶性のポリマーになる光重合可能な水溶性の組成物が記載されている。これは深いアンダーカットを伴っていても、鋳型の機械処理なしで複雑な構成要素を製造する余地がある。
【0009】
しかしながら、これらの水溶性材料は使用範囲が限られている。例えば、水系加工助剤は、それらが原型の膨潤及び可溶化につながるような成形過程には使用できない。更に、空気中の湿気ですら材料の膨潤を引き起こし得、寸法精度の減少や、それゆえ成形部の正確な幾何図形的外形の劣化につながる。
【0010】
結果、水性配合物から加工されたいくつかの重要な材料、例えば、ゾル−ゲル化学又はゲルキャスティングの分野の材料、はこの過程に適していない。特にゲルキャスティングは従来のセラミック成型の方法よりもはるかに複雑な幾何図形的外形を製造する余地がある。ここでは水溶性の成形材料は適切でないが、それはそのようなセラミック構成要素は、水ベースのゲルから製造するからである。(F. Costa et al., Journal of Non−Crystalline Solids 345−46, 787−789 (2004), V.K. Parashar et al., Microelectronic Engineering 67−8, 710−719 (2003), Y.F. Gu et al., Ceramics International 25 (8), 705−709 (1999)参照)。
【0011】
例えば複雑な導管やネットワークを伴うハイドロゲル材料といった、医療応用のための生体材料を成形すること、又は生体適合性合成物及び生分解性合成物(例えば、グリコール酸やラクトンに基づく脂肪族ポリエステル;S. Limpanuphap et al., Journal of Materials Science−Materials in Medicine 13(12), 1163−1166(2002)参照)に基づく骨格構造を製造することは、そのような水溶性組成物では不可能である。
【0012】
水溶性組成物の更なる欠点は、ポリマーの水中での溶解率が一般的に低いことであり、これが結果として成形部分の製造過程を遅らせる場合がある。
【0013】
従って、本発明の目的の1つは、成形手順、及び/又はそこで使用される硬化型組成物であって、選択的に硬化し得、かつ機械処理することなく複雑な構成要素用の機械的に安定な鋳型へと加工し得る、放射線硬化型配合物等の硬化型組成物を改善することによって、上記欠点を克服することである。これらの鋳型は現存する空気中の湿気のために膨潤してはならず、従って水系より加工された材料を使用することと同様に成形精度を改善する余地を与える。本発明のさらなる目的は、製造の間に利点となる改善した成形材料の機械的特性と同様に、適切な溶媒中における型の高い溶解率及び型の高速な融解を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
研究の過程において、我々は上記目標が、一方ではラピッドプロトタイピング法において形成された固体高分子材料を、溶媒中におけるその溶解及び/又はその融解以前に、又はそれと同時に化学的に切断することによって、そして他方ではその過程の間、水の存在をほぼ避けることによって達成し得ることを発見した。
【0015】
従って、第一の側面においては、本発明は3次元物体の製造方法であって、3次元構造が、可視光及び/又は紫外線で固体高分子材料へと硬化できる組成物の層群の、個々の層の紫外及び/又は可視光線への連続した曝露による、連続した選択的硬化によって形成され、その後このようにして形成された3次元構造を用いることにより3次元物体を製造し、続いて3次元構造を3次元物体から除去する方法を提供する。本発明の方法は、3次元構造を除去することが、高分子材料を化学的に切断すること、及び同時又は続いて材料を溶媒又は混合溶媒中で溶解すること及び/又は材料を融解することによって達成されることを特徴とする。
【0016】
この方法の変法では、3次元構造は、一方では鋳型を製造するための原型として使用し得、その中で本発明の3次元構造を成形材料に導入し、かつ/又は成形材料をその中に導入し、次いで鋳型を提供するために硬化させ、かつ材料を化学的に切断すること及び溶解すること及び/又は融解することによって原型を除去し、その後当該3次元物体を鋳型中で鋳造し、かつ硬化させる。他方では、3次元構造を鋳型として直接用いることができ、その中で3次元物体を鋳造し、かつ硬化させ、次いで材料を化学的に切断すること及び溶解すること及び/又は融解することによって鋳型を除去する。
【0017】
ラピッドプロトタイピング法においては、前又は同時にした高分子材料の切断によって溶解又は融解の進行を援助して、それが溶解の進行の場合は溶媒の侵食を助長し、それゆえはるかに効率的で、残存物なく、かつ、上記で触れたように迅速に、溶解及び溶媒和させるので、これにより、溶解率又は融解率を極端に高くさせられる。他方、−融解の場合は−未切断の状態では不融の、又は(はるかに)より高温でのみ可融な高分子材料は、化学的切断に成功した後で、迅速に、かつわずかなエネルギーの投入のみで融解し得る。本発明の好ましい実施形態は両方の手順、即ち溶解と融解、の組み合わせを伴っていてもよく、それが結果的に、本方法の特に高い生産性に帰着する。従って、本発明の方法は、架橋された、特にこれまで当該分野において不可能と考えられてきた高度に架橋された高分子材料の使用をも含む。ただし、それらは切断可能の架橋部位を含む。そのような架橋された材料を使用することによって−型として使用される3次元構造とそれで製造される望ましい3次元物体の両方の−寸法精度を有意に改善し得る。
【0018】
融解に加えて、又はそれに代えて、溶解工程を実行すれば、溶媒はなお水でよいが、本発明においては、当該溶媒は少なくとも1つが有機溶媒であることが好ましく、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、及びこれら溶媒のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択されることがより好ましい。その溶媒が実質上無水であることがよりいっそう好ましい。
【0019】
水をほぼ防ぐことによって水系において見られる型の膨潤及び可溶化といった上記欠点を防ぐことができるので、その型は例えばゾル−ゲル法又はゲルキャスティングによって、例えば水性配合物の物体を製造するためにも使用し得る。
【0020】
プラスチック材料の化学的切断は、固形プラスチックの化学結合を切断できる任意の試薬によって、例えば酸素又は他の、好ましくは強力な、酸化物の使用により酸化的にも、達成され得る。しかしながら、本発明によれば、切断は少なくとも1つの酸又は塩基の使用によって達成されるのが好ましく、そのことにより切断過程において反応率が高められる。使用された酸又は塩基は、有機溶媒における良好な可溶性を保証し水の使用をほぼ防ぐことを可能にするために、有機物の酸及び塩基が好ましい。当該塩基は、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、及びこれら塩基のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択することがより好ましい。当該酸は、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸及びこれら酸のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択することがより好ましい。
【0021】
第二の側面においては、本発明は、可視光及び/又は紫外線で、切断可能の結合を含む固体高分子材料へと硬化できる組成物を提供する。その組成物は、
a)20〜90重量%の少なくとも1つの一般式
【0022】
【化1】

【0023】
式中、
R’は、水素又はCH基を表し、
Xは、−CO−OR、−CONR、−O−COR、−OR、−C、又は−Z−R−Y
(式中、R及びRは、独立して炭素原子数3〜20個の分枝型アルキルラジカル;1つ以上の直鎖型又は分枝型アルキル基と置換されてもよく、かつ1つ以上のヘテロ原子を、好ましくは1つ、2つ、又は3つのヘテロ原子を環員として含んでもよい、6〜10員の脂環式ラジカル;少なくとも1つの直鎖又は分枝鎖アルキレン基で架橋される炭素原子数6〜20個の脂環式ラジカル;又は炭素原子数6〜30個の芳香族ラジカルを表し、
Zは、−CO−O−又は−CO−NH−を表し、
Rは、炭素原子数1〜20個の直鎖又は分枝鎖アルキレンラジカル;炭素原子数6〜10個の脂環式ラジカル;又は炭素原子数6〜30個の芳香族ラジカル、及び
Yは、−NR、−O−CO−NR、−NH−CO−OR、−NH−CO−R、−O−CO−R、−CO−OR、−CO−NHR又は−ORを表す、)を表す
の化合物;
b)5〜50重量%の少なくとも1つの切断可能な架橋剤;
c)0.01(0,01)〜5重量%の少なくとも1つの開始剤;
d)0〜5重量%の少なくとも1つの共開始剤;及び
e)0〜70重量%の、充填剤、安定化剤、粘性調節剤、及び溶媒から成る群から選択される1つ以上の添加物
を含む。
【0024】
そのような放射線硬化型組成物及び配合物は必須成分として少なくとも1つの切断可能な架橋剤を含むが、酸又は塩基で加水分解できる架橋剤が好ましい。硬化後これらの本発明の配合物は、水性媒体に不溶性であって膨潤できない機械的に安定な成形部になり、鋳型を製造するための原型として、又は直接鋳型として使用し得る。続いて、上記のように、それを好ましくは有機、酸、又は塩基の成分を含む有機溶媒中で溶解すること及び/又はそれを融解することによって、その型から、又はその中に製造された3次元物体から除去する。その架橋構造にもかかわらず、特別な溶媒混合物を使用すると、同時の融解過程をしない場合でさえも、非架橋性又は水溶性鋳型の場合よりも相当に高い溶解率が得られる。
【0025】
好ましい実施形態においては、成分a)において、Xが、−CO−OR又は−CONRを表し、式中、R及びRが独立して、炭素原子数3〜10個の分枝鎖アルキルラジカル、1つ以上のヘテロ原子を、好ましくは1つ又は2つのヘテロ原子を、環員として含んでもよい、6〜10員の脂環式ラジカル、少なくとも1つの直鎖又は分枝鎖アルキレン基で架橋される炭素原子数6〜16個の脂環式ラジカル、又は−Cを表す。成分a)は、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、ジイソブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、イソボルニルアクリルアミド、N−アクリルピペリジン、及びN−メチル−N−シクロヘキシルアクリルアミドから成る群から選択されることが特に好ましい。成分a)のような化合物を使用すると特に良好な結果につながる。例えば、分枝モノマーの使用により特により良好な硬化型高分子材料の機械的特性が得られ、それは成形過程における利点となる。例えば、ジブチルアクリルアミドホモポリマーは概ね23のショア硬度を有するが、ジイソブチルアクリルアミドホモポリマーは73のショア硬度を提供する。
【0026】
従って少なくとも1つの切断可能又は加水分解可能な架橋剤は、メタクリル酸無水物、ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン、ビス(メタクリロイルオキシ)テトラメチルジシロキサン及びジメチルシリレン−ビス(メタクリル酸オキシエチレン)から選択されるのが好ましい。
【0027】
当該組成物は、前もった化学的切断をしない場合でさえも、有機溶媒中で可溶な固体高分子材料へと硬化できることが好ましく、特に高い溶解率を達成する。そして以下により詳細に記載するように、項目a)に列挙されるモノマーのポリマーを、即ち切断可能な架橋剤なしで、充填剤として、架橋されたポリマーへ添加しても、差し支えない。特に、それは酸又は塩基で切断可能な高分子材料へと硬化し得、3次元構造及び3次元物体を製造するために、本発明の第一の側面による方法の好ましい実施形態においても用いられる。
【0028】
更に、当該組成物は、少なくとも1つの切断可能な架橋剤の少なくとも1つの結合を任意に化学的に切断した後、可融性の高分子材料へと硬化できることが好ましく、−有機溶媒中でそれを溶解することに代えて、又はそれに加えて−融解の進行を利用することで、そのことが、上述のように本発明の第一の側面による方法において、材料を特に迅速に除去する余地を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
発明の詳細な説明
項目a)下に列挙される化合物は、紫外又は可視光線へ曝露することにより硬化することができる。本発明によれば、純粋モノマーか混合物のどちらかを使用し得る。更に、高分子モノマーが適しており、それらは一般的に既知の方法によって前記化合物から製造し得る。本発明の好ましい特徴はこれらモノマーから製造される高分子材料の、特に無水溶媒中での可溶性である。AT−A−412,399の開示によれば、いくつかの同様のモノマー、例えば、同様の手段で置換される(メタ)アクリルアミドを含むが、その中の教示によれば、これらは間違いなく不可避的に水溶性ポリマーを生じさせるが、これは本発明によれば、好ましくないだけでなく、膨潤に関する問題を避けるために、避けることが望ましい場合もある。
【0030】
AT−A−412,399と本発明の間ではR及びRの定義において一貫性があるが、しかしながらそれは、まったく形式上だけのものである。AT−A−412,399によれば、R及びRはそれぞれ水素か、又は「炭素原子数1〜6個のアルキレン基」のいずれかであるが、ここにおいてはそれらは「炭素原子数1〜6個の分枝型アルキルラジカル」又は「6〜10員の脂環式ラジカル」を意味する。AT−A−412,399を読んだことがあって、かつその中に開示された組成物から水溶性ポリマーを合成する課題に直面する当業者は、選択肢「炭素原子数1〜6個のアルキル基」の分枝型で、長鎖の典型的な化合物、又はシクロヘキシルラジカルはまず、選択しないであろう。しかし水溶性を最適化するために、むしろ直鎖で短鎖のアルキルラジカルを選択するであろう。彼らはこの選択肢を「炭素原子数1〜6個の直鎖型アルキル基」と無意識に解釈さえするかもしれない。
【0031】
対照的に、本明細書中、R及びRのアルキル基は、有機溶媒中で可溶なポリマーを与えるよう選択するべきであり、加えて改良された機械的特性を有するべきだが、本発明によれば、それが、炭素原子数3〜20個の分枝型ラジカル又は6〜10員環の脂環式ラジカルが使用される理由である。上述のように、例えば、分枝型アルキル鎖では、同じ鎖長の非分枝型ラジカルよりも、ポリマーのショア硬度が有意に高くなる。類推すると、同様の原理(法則)が環状ラジカルに当てはまり、それは閉環分枝型ラジカルとみなされ得る。従って、「炭素原子数3〜6個の分枝型アルキルラジカル」及び「6員の脂環式ラジカル」の整合性とは、先行技術から既知の範囲の特定の選択のことを表し、これにより、AT−A−412,399の発明者らに認識されたことがないか、又は望ましくないものですらある新しい効果を伴う、本発明の組成物が提供される。
【0032】
本発明によれば、項目b)に列挙される架橋剤は2官能性の又は多官能性の重合可能な化合物であって、重合可能なラジカルが無水、エステル、又はシリル基といった容易に切断可能又は加水分解可能な官能基を介して結合する。加水分解可能な架橋剤は本発明の組成物の本質的な特徴である。なぜならAT−A−412,399とは対照的に、重合中の架橋過程が機械的に安定な高寸法精度の型をもたらし、望ましい3次元物体の鋳造のために水性の配合物が用いられる場合に、その型が水中で膨潤しないからである。
【0033】
AT−A−412,399ではまた、本発明の切断可能な架橋剤として本明細書中に開示されるモノマー、即ち無水メタクリル酸にも言及されている。しかしながら、それが唯一の2官能性のモノマーである。更に、本発明のメカニズムは、切断可能な架橋剤を化学的に切断すること及び高分子材料を同時又は継続的に溶解すること及び/又は融解することに基づいているが、これはAT−A−412,399の発明者らには知られていなかった。これに反して、架橋されたポリマーはその一般的に低い可溶率のため望ましくなく、そこで(共)モノマーとして記載されている無水メタクリル酸はアクシデンタル・アンティシペーションとみなされるべきで、本発明の組成物におけるその使用は今一度選択発明とみなされるべきである。
【0034】
項目c)に列挙される開始剤は、ベンゾフェノン、チオキサントン、ベンゾイン類、ベンジルケタール類、ヒドロキシアルキルフェノン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィノキシド類、チタノセン類、フェロセン類、色素/共開始剤系、カンファーキノン又はベンジルといった1,2−ジケトン類、ケトクマリン、又はフェニルグリオキシル酸塩といった、放射線硬化技術から既知の光開始剤である。
【0035】
2型光開始剤の場合は、その組成物は項目d)に列挙される共開始剤、例えば3級脂肪族及び/又は芳香族アミン類、アリールスルフィン酸塩、エノラート類、チオ尿素類、又はバルビツール酸誘導体を、更に、わずか(>0重量%)に含む。
【0036】
項目e)に列挙される添加剤は、例えば、液体の出発混合物の粘度を調整するため、又は硬化高分子材料の機械的安定性及び/又は可融性を改善するための充填剤である。本明細書中、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(酢酸ビニル)又は項目a)に列挙されるモノマーのポリマーといった、オリゴマー及びポリマーを使用してもよい。酢酸セルロース又は酢酸酪酸セルロースといったセルロースに基づく誘導体も適している。
【0037】
放射線硬化型組成物は、二酸化ケイ素、溶融石英、アルミナ、セラミックス、又は石英といった、分散性無機充填剤も含み得る。粒径は0.01μm〜100μmの間で変化してもよい。
【0038】
最後に、本組成物は、溶媒、重合阻害剤、感光剤、分散剤などといった添加剤も含み得る。
【0039】
一般的に、a)〜e)までのすべての構成成分は、本発明の効果、有機溶媒中でそれから製造される固体高分子材料の高い溶解率又はその良好な可融性が、任意の化学的分解の後に、影響されないように調和させなければならない。しかしながら、その溶解がさほど速く起きない特別な場合においては、比較的弱く架橋されたポリマーの溶解率及び/又は可融性を、適切な添加剤を選択することにより計画的に低下させ得る。当業者は個々の事情に応じて、容易に本系を調整し、及び適応させることができる。
【0040】
本発明によれば、一般的に、以下の成分が好ましい。
メタクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、ジイソブチルアクリルアミド、ジイソプロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−(1,1,3,5−テトラメチル)オクチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、イソボルニルアクリルアミド、N−アクリルピペリジン、といったモノマー;
無水メタクリル酸、無水2−メタクリロイルオキシドデカン酸、無水16−メタクリロイルオキシヘキサデカン酸、例えば、ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン、ビス(メタクリロイルオキシ)テトラメチルジシロキサン(EP 624,827 A1参照)、ジメチルシリレン−ビス(アクリル酸オキシエチレン)、ジメチルシリレン−ビス(メタクリル酸オキシエチレン)、又はテトラ(メタクリロイルオキシ)シランといった、(メタ)アクリル酸シリル類、ホウ酸アリル、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)ボレート、トリス(2−メタクリロイル)ボレート、トリス(N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド)ボレートといったホウ酸エステル類(US−A−3,743,686参照)と同様にN,N’−ビス(アクリロイル)シスタミン、2−ブテン−1,4−ジ(メタ)アクリレート、といった酸化的に切断可能の化合物;と同様にソルバイトジ(メタ)アクリレート、といった切断可能な架橋剤。
カンファーキノン、アシルホスフィノキシド類及びチタノセン類、といった光開始剤;
ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、といった3級アミン類に基づく共開始剤;
酢酸酪酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)又はポリスチレンといった充填剤;
ハイドロキノン(hydrochinon)モノメチルエーテル及びアントラキノンに基づく感光剤といった添加剤。
【0041】
本発明によれば、特に好ましいのは、
40〜90%の、ジイソブチルアクリルアミド、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、N−メチル−N−シクロヘキシルアクリルアミド、イソボルニルアクリルアミドといったモノマーの混合物;
5〜25%の、架橋剤としての無水メタクリル酸又はジメチルシリレン−ビス(アクリル酸オキシエチレン);
1〜5%の、光開始剤イルガキュア819(チバ);及び
0〜40%の、充填剤としての、酢酸酪酸セルロースから成る組成物である。
【0042】
特定の量のモノマー、開始剤、共開始剤及び他の添加剤を混合し、そして、例えばWO01/12679に記載された装置のように、その液体混合物を3次元物体を製造するためのラピッドプロトタイピングのセットアップにおける浴として使用する。ここで、望ましい構成要素の2D断面を構築用プラットフォーム上で選択的曝露によって製造する。当該光硬化型混合物の組成及び曝露時間に依存して、1μm〜100μmの硬化深度を達成する。構築用プラットフォームを下げることにより、硬化した第一の2D断面上に、再開された選択的曝露で次の層を形成する。このようにして、プラットフォームを段階的に下げることによって、及び光硬化段階を繰り返すことによって、完成された物体を得る。
【0043】
次いで、前記物体は、例えばろう又はシリコーン成形材料中に埋め込むことによって、型を製造するための原型として使用し得る。本発明によれば、ろうを硬化した後、例えばTHF、ジオキサン、酢酸エチル、又はトルエンといった有機溶媒をn−ブチルアミン、ヘキシルアミン又はオクチルアミンといった有機塩基と組み合わせて使用することによって内部の材料を、溶出するが、ろうは侵食しない。それに代えて又は加えて、当該材料は、それがシリコーン材料よりも低い融点を有していれば融解して無くしてもよい。
【0044】
次いで、このようにして得られた中空の型は、例えば熱可塑性の又は熱硬化性の、即ち架橋された、ポリマー、ゲルキャスティング用セラミックスによるセラミック成分(J.Stampfl et al., Materials Science and Engineering A 334(1−2),187−192(2002), A.C. Young et al., J. Am. Ceram. Soc. 74(3), 612−618 (1991)参照)など、いくつかの有機又は無機材料或いは複合材料の、物体を製造するために使用し得る。
【0045】
或いは又、本発明の組成物は鋳型を製造するために直接使用し得る。本明細書中、その個々の層の選択的曝露は、硬化型材料の中空の物体を得るために制御し、その物体はそれから鋳型として使用する。型を−例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル酸樹脂−といった液体樹脂混合物で充填し、その混合物をそれから型中で硬化させる。続いて、周囲の型を溶解、及び/又は融解するが、溶解の場合においては、通常の有機溶媒を、鋳型中に存在する成分を侵食しない有機塩基と組み合わせて使用してもよい。鋳型を製造するための本発明の組成物の使用は、それで製造される構成要素が化学的切断なしでは不溶及び/又は不融であるとき、例えば架橋されたポリマーから成る構成要素を製造するとき、特に好都合である。
【0046】
特定の実施形態においては、本発明の組成物は可溶性の原型を製造するため、及びそれで製造される型を製造するための両方に用いられ得、本発明の切断及び溶解及び/又は融解過程が、3次元物体を製造するための1回の方法中において2度用いられ得る。これは、例えば、原型用に、酸で切断される高分子材料を使用すること、及びそれから製造される実際の型用に、塩基で切断される材料を使用することによって、又はその逆によって、及び/又はともに異なる溶媒中で可溶な2つの高分子材料を使用することによって、及び/又はその材料のうちの1つが有意に他の材料より低い融解温度を有するようにすることによって達成し得る。
【0047】
本発明の組成物の1つの主要な利点は、たいていのポリマーが有機溶媒中では水中よりもはるかに速く溶けることである。驚くべきことに、切断可能又は加水分解可能な架橋剤を使用すると寸法精度を改善するだけでなく、溶解過程を加速したりもすることがわかった。この目的のために、例えば、ブチルアミン、ヘキシルアミン又はオクチルアミンといった塩基、又は蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸といった有機酸を通常の有機溶媒に添加することがしばしば必要である。このことはAT−A−412,399において開示された水溶性の組成物に比して、成形部の製造において相当な利点を導く。
【0048】
以下の実施例においては鋳型製造のための原型又は成形材料として、ラピッドプロトタイピング法において使用し得る発明の組成物を説明する。比較例は、うちいくつかがAT−A−412,(.)399から既知であるが、水溶性配合物を示し、その可溶性及び吸水量を本発明の配合物のそれらと比較している(表1)。可溶性を決定するために、(10mm×5mm×4mm)の試料を対応する溶媒中で撹拌する。全量溶解に必要な時間を示して定量を行う(5分ごとの近似値で表示)。
【実施例】
【0049】
実施例
実施例1 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 87
架橋剤 無水メタクリル酸 10
光開始剤 イルガキュア819 3
【0050】
実施例2 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 87
架橋剤 ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン 10
光開始剤 イルガキュア819 3
【0051】
実施例3 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 86
架橋剤 無水メタクリル酸 10
光開始剤 カンファーキノン 2
共開始剤 ジメチルアミノ安息香酸エチル 2
【0052】
実施例4 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 86
架橋剤 ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン 10
光開始剤 カンファーキノン 2
共開始剤 ジメチルアミノ安息香酸エチル 2
【0053】
実施例5 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 71
架橋剤 無水メタクリル酸 20
光開始剤 イルガキュア819 3
充填剤 酢酸酪酸セルロース 6
【0054】
実施例6 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 71
架橋剤 ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン 20
光開始剤 イルガキュア819 3
充填剤 酢酸酪酸セルロース 6
【0055】
実施例7 重量%
モノマー アクリル酸イソボルニル 80
架橋剤 無水メタクリル酸 17
光開始剤 イルガキュア819 3
【0056】
実施例8 重量%
モノマー アクリル酸イソボルニル 80
架橋剤 ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン 17
光開始剤 イルガキュア819 3
【0057】
実施例9 重量%
モノマー アクリル酸シクロヘキシル 60
ジイソブチルアクリルアミド 12
架橋剤 無水メタクリル酸 10
光開始剤 イルガキュア819 3
充填剤 酢酸酪酸セルロース 15
【0058】
実施例10 重量%
モノマー アクリル酸シクロヘキシル 60
ジイソブチルアクリルアミド 12
架橋剤 ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン 10
光開始剤 イルガキュア819 3
充填剤 酢酸酪酸セルロース 15
【0059】
比較例1(CE1) 重量%
モノマー アクリル酸 97
光開始剤 イルガキュア819 3
【0060】
比較例2(CE2) 重量%
モノマー アクリル酸 80
アクリル酸2−ジメチルアミノエチル 17
光開始剤 イルガキュア819 3
【0061】
比較例3(CE3) 重量%
モノマー アクリル酸 60
アクリル酸2−ジメチルアミノエチル 17
光開始剤 イルガキュア819 3
充填剤 ポリ(ビニルアルコール) 20
【0062】
比較例4(CE4) 重量%
モノマー ジイソブチルアクリルアミド 80
アクリル酸イソボルニル 17
光開始剤 イルガキュア819 3
【0063】
【表1】

1)1N NaOH内
2)THF内
3)THF/ブチルアミン(1:1)内
【0064】
表1においてはっきりと示すように、本発明の組成物から製造する試料は、現時点の技術水準による組成物から製造したものよりもはるかに(平均40倍)わずかの空気中の湿気による膨潤しか示さず、有機溶媒に10倍速く溶ける。有機塩基を加えることにより、溶解率を概ね25〜30%上げることができる。
【0065】
比較例4と、本発明の実施形態である実施例、特にCE4と同一のモノマーを使用するが、本発明の架橋剤の添加を伴う実施例1,2,7及び8との比較により、CE4において達成する水分吸収容量は同水準であるが、しかし溶解はなお、本発明の実施形態より3倍の時間がかかることがわかる。
【0066】
更に、使用される架橋剤のみが異なる実施例の対1/2、3/4、5/6、及び9/10の比較により架橋剤としてより疎水的なビス(メチルオキシルオキシ)ジメチルシラン−無水メタクリル酸と比較して−の使用によりいっそう低い水分吸収が導かれることがわかる。その上、シラノールエステル結合の容易な切断可能性が更に20〜25%だけ溶解を進める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元物体の製造方法であって、3次元構造が、可視光及び/又は紫外線で固体高分子材料へと硬化できる組成物の層群の、個々の層の紫外及び/又は可視光線への連続した曝露による、連続した選択的硬化によって製造され、その後このようにして形成された3次元構造を用いることにより3次元物体を製造し、続いて3次元構造を3次元物体から除去することを含み、3次元構造を除去することが高分子材料を化学的に切断すること、そして同時又は続いて材料を溶媒又は混合溶媒中で溶解すること及び/又は材料を融解することによって達成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
3次元構造を成形材料に導入し、かつ/又は成形材料をその中に導入し、次いで鋳型を提供するために硬化させ、かつ材料を化学的に切断するだけでなく溶解すること及び/又は融解することによって原型を除去し、その後当該3次元物体を鋳型中で鋳造し、かつ硬化させることによって、3次元構造を、鋳型を製造するために使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3次元構造を、3次元物体を鋳造し、かつ硬化させる鋳型として使用し、次いで材料を化学的に切断すること及び溶解すること及び/又は融解することによって鋳型を除去することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
材料が溶解され、かつ溶媒がテトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、及びこれら溶媒のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
実質上無水の溶媒を使用することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
プラスチック材料の切断が少なくとも1つの酸又は塩基の使用により達成されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
塩基が、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、及びこれら塩基のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸が、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、及びこれら酸のうちの2つ以上の混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
可視光及び/又は紫外線で固体高分子材料へと硬化できる組成物であって、組成物が、
a)20〜90重量%の少なくとも1つの一般式
【化1】

式中、
R’は、水素又はCH基を表し、
Xは、−CO−OR、−CONR、−O−COR、−OR、−C、又は−Z−R−Yを表し、
式中、R及びRは、独立して炭素原子数3〜20個の分枝型アルキルラジカル;1つ以上の直鎖又は分枝鎖アルキル基と置換されてもよく、かつ1つ以上のヘテロ原子を、好ましくは1つ、2つ、又は3つのヘテロ原子を環員として含んでもよい、6〜10員の脂環式ラジカル;少なくとも1つの直鎖又は分枝鎖アルキレン基で架橋される炭素原子数6〜20個の脂環式ラジカル;又は炭素原子数6〜30個の芳香族ラジカルを表し、
Zは、−CO−O−又は−CO−NH−を表し、
Rは、炭素原子数1〜20個の直鎖又は分枝鎖アルキレンラジカル;炭素原子数6〜10個の脂環式ラジカル;又は炭素原子数6〜30個の芳香族ラジカル、及び
Yは、−NR、−O−CO−NR、−NH−CO−OR、−NH−CO−R、−O−CO−R、−CO−OR、−CO−NHR又は−ORを表す、
の化合物;
b)5〜50重量%の少なくとも1つの切断可能な架橋剤;
c)0.01(0,01)〜5重量%の少なくとも1つの開始剤;
d)0〜5重量%の少なくとも1つの共開始剤;及び
e)0〜70重量%の、充填剤、安定化剤、粘性調節剤、及び溶媒から成る群から選択される1つ以上の添加物
を含む、組成物。
【請求項10】
成分a)において、Xが、−CO−OR又は−CONRを表し、式中、R及びRが独立して、炭素原子数3〜10個の分枝鎖アルキルラジカル;1つ以上のヘテロ原子を、好ましくは1つ又は2つのヘテロ原子を、環員として含んでもよい、6〜10員の脂環式ラジカル;少なくとも1つの直鎖又は分枝鎖アルキレン基で架橋される炭素原子数6〜16個の脂環式ラジカル;又は−Cを表すことを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
成分a)が、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、ジイソブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、イソボルニルアクリルアミド、N−アクリルピペリジン、及びN−メチル−N−シクロヘキシルアクリルアミドから成る群から選択されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの切断可能な架橋剤が、無水メタクリル酸、ビス(メタクリロイルオキシ)ジメチルシラン、ビス(メタクリロイルオキシ)テトラメチルジシロキサン、及びジメチルシリレン−ビス(メタクリル酸オキシエチレン)から選択されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、有機溶媒中で可溶な固体高分子材料へと硬化できることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、酸又は塩基で切断可能な高分子材料へと硬化できることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
組成物が、少なくとも1つの切断可能な架橋剤の少なくとも1つの結合を任意に化学的に切断した後、可融な高分子材料へと硬化できることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法における、3次元構造の製造のための請求項9〜14のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2008−544879(P2008−544879A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518556(P2008−518556)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000271
【国際公開番号】WO2007/002965
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(507000729)テヒニーシェ ウニヴェルジテート ウィーン (6)
【Fターム(参考)】