説明

ラベル印刷貼付機

【課題】装置の小型化及び構成の簡素化が可能なラベル印刷貼付機を提供する。
【解決手段】ラベル印刷貼付機1Aは、封筒10の搬送方向に対して最も下流に配置された排出ローラ54a及び貼付ローラ54bから、封筒スタッカ4の封筒ガイド41の先端までの距離Sを、封筒スタッカ4にセットされる封筒10の長さLより短く設定し、封筒10の先端が排出ローラ54a及び貼付ローラ54bに挟持された時点で、封筒10の後端は封筒スタッカ4に残り、封筒スタッカ4では、封筒ガイド41により封筒10の幅方向の位置が規制されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺のラベル用紙を搬送してラベルに印刷を行うと共に、印刷が行われたラベルを媒体に貼り付けるラベル印刷貼付機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長尺の台紙に貼り付けられたラベルに印刷を行うと共に、印刷が行われたラベルを台紙から剥離しながら郵便物等の媒体に貼り付けるラベル印刷貼付機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなラベル印刷貼付機では、搬送ベルトにより媒体の搬送路を構成すると共に、搬送ベルトにより媒体のガイドを構成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−244742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のラベル印刷貼付機は、大型の装置が多く、設置面積が多く必要である。また、異なる幅の媒体をセット可能な構成とすると、媒体をガイドする構成が複雑になる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、装置の小型化及び構成の簡素化が可能なラベル印刷貼付機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、長尺のラベル用紙が巻かれたラベルロールがセットされる装填部と、装填部にセットされたラベルロールから引き出されたラベル用紙を搬送するラベル搬送手段と、ラベル搬送手段で搬送されるラベル用紙のラベルに印刷を行う印刷手段と、ラベル搬送手段で搬送されるラベル用紙からラベルを剥離する剥離手段と、剥離手段でラベルが剥離された剥離紙を巻き取るラベル巻き取り手段と、ラベルが貼り付けられる媒体がセットされる媒体スタッカと、媒体スタッカにセットされた媒体を搬送し、剥離手段で剥離されたラベルを、ラベル搬送手段との協働で前記媒体に貼り付ける媒体搬送手段と、媒体搬送手段で媒体が搬送される媒体搬送路とを備え、媒体搬送手段は、媒体を挟持して搬送する回転体が、媒体搬送路の少なくとも1箇所に対向して設けられ、媒体の搬送方向に対して剥離手段の下流に配置された回転体から媒体スタッカまでの距離を、媒体スタッカにセットされる媒体の長さより短く設定したラベル印刷貼付機である。
【0008】
本発明のラベル印刷貼付機では、媒体の先端が回転体に挟持された時点で、媒体の後端は媒体スタッカに残り、媒体搬送路において媒体を挟持する回転体と媒体スタッカで、媒体の幅方向の位置を規制するガイドが構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のラベル印刷貼付機によれば、媒体搬送路を短くできることで、装置の小型化を図ることができる。また、媒体搬送路において媒体の幅方向の位置を規制するガイドの構成を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の内部構成の一例を示す側断面図である。
【図2】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の内部構成の一例を示す分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の内部構成の一例を示す分解斜視図である。
【図4】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の一例を示す外観斜視図である。
【図5】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の一例を示す外観斜視図である。
【図6】本実施の形態のラベル用紙を示す平面図である。
【図7】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベルガイドの一例を示す要部拡大斜視図である。
【図8】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベルガイドの一例を示す要部拡大斜視図である。
【図9】第1の実施の形態のラベルガイドの一例を示す平面図である。
【図10】ラベルセット位置と封筒セット位置の関係の一例を示す説明図である。
【図11】ラベル貼付可能範囲の一例を示す説明図である。
【図12】封筒位置ガイドの一例を示す構成図である。
【図13】印刷位置から剥離・貼付位置までの長さとラベルのサイズとの関係を示す説明図である。
【図14】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の制御機能の一例を示すブロック図である。
【図15】操作部の一例を示す構成図である。
【図16】ラベル貼り位置ガイドの一例を示す構成図である。
【図17】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のイニシャライズ動作例を示すフローチャートである。
【図18】第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベル印刷・貼付動作例を示すフローチャートである。
【図19】ラベル印刷・貼付動作の一例を示す動作説明図である。
【図20】ラベル印刷・貼付動作の一例を示す動作説明図である。
【図21】ラベル印刷・貼付動作の一例を示す動作説明図である。
【図22】ラベルの貼付位置と封筒サイズの関係を示す説明図である。
【図23】ラベルが封筒からはみ出して貼り付けられる行程を示す動作説明図である。
【図24】貼付位置エラー処理で封筒にラベルを貼り付ける動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明のラベル印刷貼付機の実施の形態について説明する。
【0012】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の構成例>
図1は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の内部構成の一例を示す側断面図、図2及び図3は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の内部構成の一例を示す分解斜視図、図4及び図5は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の一例を示す外観斜視図である。また、図6は、本実施の形態のラベル用紙を示す平面図である。
【0013】
第1の実施の形態のラベル印刷貼付機1Aは、媒体としての封筒10またはハガキ等がセットされる装置本体11と、装置本体11に対して開閉可能な構成で、封筒10等に貼り付けられるラベルがセットされるラベル処理ユニット2Aを備える。以下の説明では、媒体として封筒10を用いる場合を例に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベル処理ユニットの構成例>
ラベル処理ユニット2Aは、例えば、図6に示すようなラベル用紙3Aが巻かれて構成されるラベルロール30Aがセットされ、ラベルロール30Aから繰り出されたラベル用紙3Aを搬送し、ラベル用紙3Aに貼り付けられたラベル31Aに印刷を行うと共に、ラベル31Aをラベル用紙3Aから剥離する。
【0015】
ラベル処理ユニット2Aは、幅の異なるラベル用紙3Aがセット可能な構成で、例えば、第1の幅のラベル用紙3Aが巻かれたラベルロール30Aと、第1の幅より広い図示しない第2の幅のラベル用紙が巻かれたラベルロールがセット可能な構成である。
【0016】
ラベル用紙3Aは、第1の幅を有した長尺の剥離紙32Aに、複数枚のラベル31Aが剥離紙32Aの長手方向に沿って貼り付けられる。ラベルロール30Aは、ラベル31Aが貼り付けられたラベル用紙3Aの一の面である表面が内向きとなる内巻きと称される形態で、ラベル用紙3Aが中空の芯33Aに巻かれて構成される。
【0017】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベルロール30Aがセットされる装填部20と、装填部20にセットされたラベルロール30Aから引き出されたラベル用紙3Aの搬送経路を構成するガイドローラ21を備える。
【0018】
装填部20は、ラベルロール30Aの芯33Aに挿入された軸34Aが着脱可能に取り付けられる軸支溝20aと、軸支溝20aに取り付けられた軸34Aの脱落を防止する開閉可能なストッパ20bを備える。装填部20は、ラベル処理ユニット2Aにセット可能な最大幅のラベル用紙の幅より広い所定の間隔で対向する一対のフレーム20cのそれぞれに、軸支溝20aとストッパ20bが設けられ、装填部20は、軸34Aの両端を支持する形態で、ラベルロール30Aがセットされる。
【0019】
ガイドローラ21は、駆動力の伝達を受けずにラベル用紙3Aの搬送に追従して回転可能に構成され、装填部20にセットされたラベルロール30Aから引き出されたラベル用紙3Aの搬送経路をガイドする。
【0020】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベル用紙3Aを搬送するプラテンローラ22と、ラベル処理ユニット2Aにおいてラベル用紙3Aを搬送するプラテンローラ22等を駆動するラベルフィードモータ22Mを備える。また、ラベル処理ユニット2Aは、プラテンローラ22で搬送されるラベル用紙3Aに印刷を行うサーマルヘッド23と、サーマルヘッド23を昇降させるヘッド昇降機構23aを備える。
【0021】
プラテンローラ22はラベル搬送手段の一例で、本例ではラベル用紙3Aの搬送経路の下側に設けられ、ギア等の図示しない駆動力伝達機構によりラベルフィードモータ22Mの駆動力が伝達されて回転駆動される。
【0022】
サーマルヘッド23は印刷手段の一例で、プラテンローラ22に対向してラベル用紙3Aの搬送経路の上側に設けられる。本例では、ラベル31Aとして感熱紙が用いられるため、サーマルヘッドが用いられる。サーマルヘッド23は、ラベル処理ユニット2Aで印刷可能とする最大幅のラベルの幅に合わせた所定の長さの印刷面が、プラテンローラ22の軸方向に沿って形成される。
【0023】
これにより、サーマルヘッド23の長さ方向における印刷データの出力の制御と、プラテンローラ22によるラベル用紙3Aの搬送の制御を組み合わせることで、ラベル31Aの任意の位置に印刷が可能である。
【0024】
ヘッド昇降機構23aは、ハンドル23bの操作による駆動力で、サーマルヘッド23をプラテンローラ22に対して離接する方向に昇降させる。本例では、サーマルヘッド23を支持する部材の軸23cを支点とした回転動作により、サーマルヘッド23がプラテンローラ22から離れる退避位置と、サーマルヘッド23がプラテンローラ22に押圧される印刷位置との間で、サーマルヘッド23を昇降させる機構を備える。
【0025】
サーマルヘッド23を退避位置に移動させると、プラテンローラ22とサーマルヘッド23の間に、ラベル用紙3Aを挿入可能な隙間が形成される。また、サーマルヘッド23を印刷位置に移動させると、コイルスプリング等のバネによりサーマルヘッド23がプラテンローラ22の円周面に押圧され、サーマルヘッド23とプラテンローラ22の間でラベル用紙3Aが押圧される。
【0026】
ヘッド昇降機構23aは、サーマルヘッド23が印刷位置にあること、あるいは退避位置にあることを検出するヘッド昇降センサ23Sを備える。ヘッド昇降センサ23Sは、サーマルヘッド23が印刷位置にあるときの出力を例えばONとし、サーマルヘッド23が退避位置にあるときの出力を例えばOFFとする。これにより、サーマルヘッド23を退避位置から印刷位置に移動させると、ヘッド昇降センサ23Sの出力がOFFからONに変化することで、サーマルヘッド23が印刷位置に移動したことを示すヘッド位置検出信号が出力される。
【0027】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベル用紙3Aに貼り付けられたラベル31Aを検出するラベルエッジセンサ24Sを備える。ラベルエッジセンサ24Sはラベル検出手段の一例で、ガイドローラ21とプラテンローラ22の間の搬送経路に設けられる。
【0028】
ラベルエッジセンサ24Sは、本例ではラベル用紙3Aの搬送経路を挟んで対向する一対の受発光素子を備えた透過型の光センサで構成され、ラベル用紙3Aにおいて、ラベル31Aと剥離紙32Aの光の透過率の違いから、ラベル31Aの先端及び後端を検出する。
【0029】
ラベルエッジセンサ24Sは、ラベル31Aが検出位置にあるときの出力を例えばONとし、剥離紙32Aが検出位置にあるときの出力を例えばOFFとする。これにより、ラベル用紙3Aがラベルロール30Aから引き出される方向に搬送される搬送動作では、ラベルエッジセンサ24Sの出力がOFFからONに変化することで、ラベル31Aの先端を検出したことを示すラベル先端検出信号が出力される。また、ラベルエッジセンサ24Sの出力がONからOFFに変化することで、ラベル31Aの後端を検出したことを示すラベル後端検出信号が出力される。
【0030】
これに対し、ラベル用紙3Aがラベルロール30Aに戻される方向に搬送される搬送動作では、ラベルエッジセンサ24Sの出力がONからOFFに変化することで、ラベル31Aの先端を検出したことを示すラベル先端検出信号が出力される。また、ラベルエッジセンサ24Sの出力がOFFからONに変化することで、ラベル31Aの後端を検出したことを示すラベル後端検出信号が出力される。
【0031】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベル用紙3Aからラベル31Aを剥離する剥離プレート25を備える。また、ラベル処理ユニット2Aは、プラテンローラ22とサーマルヘッド23の間を通過したラベル用紙3Aを剥離プレート25にガイドするガイド板25dを備える。
【0032】
剥離プレート25は剥離手段の一例で、ラベル用紙3Aの搬送方向を、所定の鋭角の範囲で折り返すことで、ラベル31Aの剛性を利用して、ラベル31Aをラベル用紙3Aから剥離する。
【0033】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベル31Aが剥離された剥離紙32Aを搬送するラベル搬送ローラ26と、ラベル搬送ローラ26で搬送される剥離紙32Aを巻き取る巻き取りリール27を備える。
【0034】
ラベル搬送ローラ26はラベル搬送手段の一例で、ギア等の図示しない駆動力伝達機構により、ラベルフィードモータ22Mの駆動力が伝達されて回転駆動される。巻き取りリール27はラベル巻き取り手段の一例で、ギア等の図示しない駆動力伝達機構により、ラベルフィードモータ22Mの駆動力が伝達されて回転駆動される。
【0035】
ここで、プラテンローラ22によるラベル用紙3Aの搬送速度と、ラベル搬送ローラ26による剥離紙32Aの搬送速度は、同調するように減速比等が設定されている。これに対して、巻き取りリール27による剥離紙32Aの巻き取り速度は、ラベル搬送ローラ26による剥離紙32Aの搬送速度より速くなるように減速比等が設定されると共に、ラベルフィードモータ22Mと巻き取りリール27の間に、図示しないトルクリミッタが設けられる。
【0036】
これにより、剥離紙32Aが巻き取られることで巻き取りリール27の径が変化することによる巻き取りリール27による剥離紙32Aの巻き取り速度の変動、及び、ラベル搬送ローラ26による剥離紙32Aの搬送速度と巻き取りリール27による剥離紙32Aの巻き取り速度の差をトルクリミッタで吸収し、剥離紙32Aにたるみが生じないようにしている。
【0037】
ラベル処理ユニット2Aでは、ラベルロール30Aがセットされる装填部20が一方の端部側に設けられ、剥離プレート25が他方の端部側に設けられると共に、装填部20と剥離プレート25の間に、プラテンローラ22及びサーマルヘッド23と、ラベルエッジセンサ24Sが設けられる。
【0038】
ラベル処理ユニット2Aでは、剥離プレート25でラベル用紙3Aの搬送方向が鋭角に折り返されるので、ラベルロール30Aから引き出されたラベル用紙3Aが通る元巻側搬送経路21bの下側に、巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aが通る巻取側搬送経路21cが配置され、巻き取りリール27がラベルロール30Aの近傍に並ぶ配置で装填部20に設けられる。
【0039】
これにより、ラベル用紙3Aの元巻き側と剥離紙32Aの巻き取り側が共に装填部20に配置される。そして、装填部20において、ラベルロール30Aから引き出されて元巻側搬送経路21bを通るラベル用紙3Aと、巻取側搬送経路21cを通り巻き取りリール27で巻き取られる剥離紙32Aの距離が近くなるように、元巻側搬送経路21bと巻取側搬送経路21cが構成される。
【0040】
<第1の実施の形態のラベルガイドの構成例>
図7及び図8は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベルガイド機構の一例を示す要部拡大斜視図、図9は、第1の実施の形態のラベルガイドの一例を示す平面図で、次に、第1の実施の形態のラベルガイド機構について説明する。
【0041】
ラベル処理ユニット2Aは、ラベルロール30A、ラベルロール30Aから引き出されたラベル用紙3A、及び、ガイドローラ21でガイドされてプラテンローラ22とサーマルヘッド23に送られるラベル用紙3Aと、巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aをガイドする一対のラベルガイド28Aを備える。
【0042】
また、ラベル処理ユニット2Aは、剥離プレート25でラベル31Aが剥離される前のラベル用紙3A、及び剥離プレート25でラベル31Aが剥離された剥離紙32Aをガイドする一対の剥離ガイド29Aを備える。
【0043】
ラベルガイド28Aは、図9に示すように、装填部20にセットされるラベルロール30A及びラベルロール30Aから引き出されて元巻側搬送経路21bを通るラベル用紙3Aをガイドする元巻側ガイド部28bと、巻取側搬送経路21cを通り巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aをガイドする巻取側ガイド部28cが一体に形成された平板状の部材で構成される。
【0044】
ラベル処理ユニット2Aでは、上述したように、装填部20において、ラベルロール30Aと巻き取りリール27、及び、元巻側搬送経路21bと巻取側搬送経路21cが近傍に配置される。
【0045】
そして、ラベルロール30Aがセットされる空間、元巻側搬送経路21bと巻取側搬送経路21cが通る空間、及び、巻き取りリール27が設けられる空間が一体となる形態で装填部20が構成される。
【0046】
ラベルガイド28Aは、装填部20において、一対のフレーム21aの内側に形成された空間に、ラベル処理ユニット2Aにセット可能としたラベル用紙3Aの幅に合わせた間隔で対向して取り付けられる。装填部20にセットされるラベルロール30A及びラベルロール30Aから引き出されて元巻側搬送経路21bを通るラベル用紙3Aは、ラベルガイド28Aの元巻側ガイド部28bで幅方向の位置が規制される。また、巻取側搬送経路21cを通り巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aは、ラベルガイド28Aの巻取側ガイド部28cで幅方向の位置が規制される。
【0047】
これにより、ラベル用紙3Aの幅方向に対して左右1枚ずつのラベルガイド28Aで、ラベルロール30Aから引き出されるラベル用紙3Aと巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aの幅方向の位置が規制され、元巻き側のラベル用紙3Aと巻き取り側の剥離紙32Aの間で幅方向の位置のずれが発生しない。
【0048】
また、装填部20において、ラベルロール30Aと巻き取りリール27、及び、元巻側搬送経路21bと巻取側搬送経路21cが近傍に配置されるので、ラベルガイド28Aを大型化することなく、元巻側ガイド部28bと巻取側ガイド部28cが一体に構成される。
【0049】
剥離ガイド29Aは、剥離プレート25の一の面である上面側を通るラベル31Aが剥離される前のラベル用紙3Aをガイドする剥離前ラベルガイド29bと、剥離プレート25の他の面である下面側を通るラベル31Aが剥離された後の剥離紙32Aをガイドする剥離後ラベルガイド29cが一体に形成された平板状の部材で構成される。
【0050】
剥離プレート25には、剥離ガイド29Aの剥離前ラベルガイド29bが挿入される取付穴部25aが、ラベル処理ユニット2Aにセット可能としたラベル用紙3Aの幅に合わせた間隔で形成される。
【0051】
剥離ガイド29Aは、剥離プレート25の取付穴部25aに剥離前ラベルガイド29bが挿入される形態で、剥離プレート25の下面に取り付けられることで、剥離プレート25の上面に剥離前ラベルガイド29bが突出すると共に、剥離プレート25の下面に剥離後ラベルガイド29cが突出する。そして、剥離ガイド29Aは、剥離前ラベルガイド29bと剥離後ラベルガイド29cが、それぞれラベル処理ユニット2Aにセット可能としたラベル用紙3Aの幅に合わせた間隔で対向する。
【0052】
これにより、ラベル用紙3Aが搬送されることでラベル31Aが剥離される過程のラベル用紙3Aと、ラベル31Aが剥離された後の剥離紙32Aの幅方向の位置が同一の剥離ガイド29Aで規制され、ラベル31Aの剥離の前後でラベル用紙3Aの幅方向の位置ずれが発生せず、封筒10に貼り付けられるラベル31Aの曲がりが防止される。
【0053】
上述したように、ラベル処理ユニット2Aは、幅の異なるラベル用紙3Aがセット可能な構成であり、ラベルガイド28Aと剥離ガイド29Aは、ラベル用紙3Aの幅に合わせて間隔及び位置が調整可能である。
【0054】
ラベルガイド28Aは、装填部20において一対のフレーム20cの間に設けた取付プレート20dに取り付けられる。ラベルガイド28Aは、図9に示すように、第1の取付凸部28dが元巻側ガイド部28bの近傍に一体に形成され、第2の取付凸部28eが巻取側ガイド部28cの近傍に一体に形成される。また、ラベルガイド28Aは、取付プレート20dに固定するためのガイド固定手段である永久磁石28fが、取付プレート20dと対向する位置に取り付けられている。
【0055】
取付プレート20dには、ラベルガイド28Aの第1の取付凸部28dが挿入される第1の取付穴部20eと、ラベルガイド28Aの第2の取付凸部28eが挿入される第2の取付穴部20fが形成される。第1の取付穴部20eと第2の取付穴部20fは、ラベル処理ユニット2Aにセット可能としたラベル用紙3Aの幅に合わせた間隔で複数個所に形成される。また、ラベル用紙3Aの幅方向の取付位置に合わせて複数個所に形成される。
【0056】
剥離ガイド29Aも同様に、剥離前ラベルガイド29bが挿入される剥離プレート25の取付穴部25aが、ラベル処理ユニット2Aにセット可能としたラベル用紙3Aの幅に合わせた間隔で複数個所に形成される。また、ラベル用紙3Aの幅方向の取り付け位置に合わせて複数個所に形成される。
【0057】
ラベルガイド28Aは、ラベル用紙3Aの幅及び取付位置に合わせて選択された取付プレート20dの第1の取付穴部20eに第1の取付凸部28dが挿入され、第2の取付穴部20fに第2の取付凸部28eが挿入される。ラベルガイド28Aは、第1の取付凸部28dが第1の取付穴部20eに挿入され、第2の取付凸部28eが第2の取付穴部20fに挿入されると、永久磁石28fが取付プレート20dに吸着する。
【0058】
これにより、1対のラベルガイド28Aは、選択したラベル用紙3Aの幅及び取付位置に合わせて取付プレート20dに取り付けられる。ラベルガイド28Aは、元巻き側でラベル用紙3Aの幅方向の位置を規制する元巻側ガイド部28bが、第1の取付凸部28dで取付位置が規制される。また、巻取り側で剥離紙32Aの幅方向の位置を規制する巻取側ガイド部28cが、第2の取付凸部28eで取付位置が規制される。
【0059】
よって、ラベル用紙3Aの元巻き側と巻取り側で、ラベルガイド28Aの位置のずれが発生することが防止され、元巻き側のラベル用紙3Aと巻き取り側の剥離紙32Aの間で幅方向の位置のずれが発生しない。
【0060】
剥離ガイド29Aは、ラベル用紙3Aの幅及び取付位置に合わせて選択された剥離プレート25の取付穴部25aに剥離前ラベルガイド29bが挿入される。剥離ガイド29Aは、剥離前ラベルガイド29bが取付穴部25aに挿入されると、永久磁石29dが剥離プレート25に吸着する。
【0061】
これにより、1対の剥離ガイド29Aは、選択したラベル用紙3Aの幅及び取付位置に合わせて剥離プレート25に取り付けられる。そして、ラベルガイド28Aが取り付けられる取付プレート20dの第1の取付穴部20e及び第2の取付穴部20fと、剥離ガイド29Aが取り付けられる剥離プレート25の取付穴部25aは、位置を合わせて設けられる。
【0062】
従って、ラベルガイド28Aと剥離ガイド29Aの位置のずれが発生することが防止され、元巻き側のラベル用紙3Aと剥離・貼付位置でのラベル用紙3A、及び巻き取り側の剥離紙32Aの間で幅方向の位置のずれが発生せず、ラベル31Aを封筒10に貼り付ける動作で、ラベル31が曲がって貼り付けられることが防止される。
【0063】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の装置本体の構成例>
次に、装置本体11の構成について説明する。装置本体11は、ラベル31Aが貼り付けられる封筒10がセットされる封筒スタッカ4と、封筒スタッカ4にセットされた封筒10が搬送され、ラベル処理ユニット2Aとの協働で封筒10にラベル31Aが貼り付けられる封筒搬送路5を備える。
【0064】
封筒スタッカ4は媒体スタッカの一例で、封筒ガイド面40に複数枚の封筒10を重ねた形態で載置可能な構成であり、封筒ガイド面40に載置された封筒10の幅方向の位置を規制する一対の封筒ガイド41と、封筒ガイド面40に載置された封筒10の搬送方向の先端位置を規制する封筒先端突き当てガイド42を備える。
【0065】
封筒ガイド41は媒体ガイド手段の一例で、封筒スタッカ4に載置される封筒10の搬送方向に対して左右両側に立設し、封筒10の幅方向に沿って移動可能な構成で封筒ガイド面40に設けられる。封筒ガイド41は、封筒スタッカ4に載置される封筒10の幅に合わせて間隔が調整可能であると共に、封筒10の幅方向の位置が調整可能である。
【0066】
封筒先端突き当てガイド42は、封筒10の積載方向に沿って設けられ、封筒先端突き当てガイド42の下端と封筒ガイド面40の間に、封筒10が進入する封筒進入口40aが形成される。
【0067】
封筒搬送路5は媒体搬送路の一例で、封筒スタッカ4の封筒ガイド面40と繋がる封筒搬送ガイド50を備える。封筒スタッカ4と封筒搬送路5は、封筒ガイド面40と封筒搬送ガイド50が、封筒進入口40aより封筒排出口50aが低くなる方向に傾斜させた構成で、封筒スタッカ4に封筒10がセットされると、封筒ガイド面40の傾斜により、積載された封筒10の先端が封筒先端突き当てガイド42に突き当てられる。
【0068】
封筒搬送路5を水平方向に対して傾斜させた構成とすると、封筒搬送路を水平方向に設ける構成と比較して、設置面積を小さくすることができる。また、封筒搬送路5の傾斜を封筒排出口50aに向けて下降する方向とすることで、封筒スタッカ4にセットされた封筒10の先端を自重で封筒先端突き当てガイド42に突き当てることができ、封筒10の先端位置を確実に封筒先端突き当てガイド42に揃えることができる。
【0069】
なお、封筒排出口50aは、封筒スタッカ4にセットされた全ての封筒10が封筒排出口50aから排出されたときに、この全ての封筒10が積載可能となるように、封筒スタッカ4にセット可能とする封筒10の枚数に合わせて、封筒10の積載高さ以上の位置に設けられる。
【0070】
装置本体11は、封筒スタッカ4にセットされた封筒10の最下位の1枚を繰り出すピックアップローラ51a,51bを備える。
【0071】
また、装置本体11は、ピックアップローラ51a,51bで繰り出された封筒10を搬送する搬送ローラ52aと、搬送ローラ52aと対向して配置され、搬送ローラ52aで搬送される封筒10を1枚に分離する捌きローラ52bと、ピックアップローラ51a,51b及び搬送ローラ52aを駆動するピックアップモータ52Mを備える。
【0072】
ピックアップローラ51a,51bは媒体搬送手段の一例で、封筒スタッカ4において、ピックアップローラ51aは、封筒10の搬送方向に沿った先端側の封筒ガイド面40に、円周面の一部が露出する形態で設けられ、封筒ガイド面40にセットされた封筒10と接する。
【0073】
ピックアップローラ51bは、封筒スタッカ4において、封筒10の搬送方向に沿った後端側の封筒ガイド面40に、円周面の一部が露出する形態で設けられ、封筒ガイド面40にセットされた封筒10と接する。ピックアップローラ51a,51bは、ギアやベルト等の図示しない駆動力伝達機構により、ピックアップモータ52Mの駆動力が伝達されて回転駆動される。また、ピックアップローラ51a,51bは、図示しないワンウエイベアリングを介して駆動力が伝達される構成で、ピックアップモータ52Mが停止している状態で、外力により繰り出し方向に回転が可能である。
【0074】
搬送ローラ52aは媒体搬送手段の一例で、封筒進入口40aより搬送方向下流側の封筒搬送路5において、封筒搬送ガイド50に円周面の一部が露出する形態で設けられる。搬送ローラ52aは、ベルト等の駆動力伝達機構52cにより、ピックアップモータ52Mの駆動力が伝達され、ピックアップローラ51aと同期して回転駆動される。捌きローラ52bは、コイルスプリング等のバネ52dにより搬送ローラ52aに押圧される。
【0075】
搬送ローラ52aは、図示しないワンウエイベアリングを介して駆動力が伝達される構成で、ピックアップモータ52Mが停止している状態で、外力により繰り出し方向に回転が可能である。捌きローラ52bは、図示しないトルクリミッタを介して軸支され、封筒10の繰り出し方向への回転に負荷が掛けられている。
【0076】
上述したように、封筒搬送路5の傾斜を封筒排出口50aに向けて下降する方向とすることで、ピックアップローラ51a,51bによる封筒10の繰り出し、及び搬送ローラ52aによる封筒10の搬送に、封筒10の自重を利用することができ、封筒10の繰り出し及び搬送動作をより確実に行うことができる。
【0077】
装置本体11は、搬送ローラ52aで1枚に分離された封筒10を搬送する搬送ローラ53aと、搬送ローラ53aと対向して配置される従動ローラ53bを備える。また、装置本体11は、ラベル31Aが貼り付けられる封筒10を搬送する排出ローラ54aと、排出ローラ54aと対向して配置され、ラベル31Aを封筒10に貼り付ける貼付ローラ54bを備える。更に、装置本体11は、搬送ローラ53a及び排出ローラ54aを駆動するフィードモータ53Mを備える。
【0078】
搬送ローラ53aは媒体搬送手段の一例で、搬送ローラ52aに対し封筒搬送方向下流側の封筒搬送路5において、封筒搬送ガイド50に円周面の一部が露出する形態で設けられる。搬送ローラ53aは、ギアやベルト等の駆動力伝達機構53cにより、フィードモータ53Mの駆動力が伝達されて回転駆動される。従動ローラ53bは、コイルスプリング等のバネ53dにより搬送ローラ53aに押圧される。
【0079】
排出ローラ54aは媒体搬送手段の一例で、ラベル処理ユニット2Aの剥離プレート25と封筒排出口50aの間の封筒搬送路5において、封筒搬送ガイド50に円周面の一部が露出する形態で設けられる。排出ローラ54aは、図示しないギアやベルト等の駆動力伝達機構により、フィードモータ53Mの駆動力が伝達され、搬送ローラ53aと同期して回転駆動される。貼付ローラ54bは、コイルスプリング等のバネ54cにより排出ローラ54aに押圧される。
【0080】
上述したように、封筒搬送路5の傾斜を封筒排出口50aに向けて下降する方向とすることで、搬送ローラ53a及び排出ローラ54aによる封筒10の搬送、及び排出ローラ54aと貼付ローラ54bによるラベル31Aの貼り付けに、封筒10の自重を利用することができ、封筒10の搬送及びラベルの貼付動作をより確実に行うことができる。
【0081】
また、剥離プレート25の下流に配置される排出ローラ54a及び貼付ローラ54bから封筒スタッカ4までの距離Sを、封筒10の長さLより短くなるように、S<Lに設定する。詳細には、封筒ガイド41の先端は封筒先端突き当てガイド42まで延びており、排出ローラ54a及び貼付ローラ54bから封筒スタッカ4の封筒ガイド41の先端までの距離Sを、封筒10の長さLより短く設定する。
【0082】
封筒スタッカ4では、封筒ガイド41により封筒10の幅方向の位置が規制されると共に、封筒ガイド41は、封筒10の幅方向に位置が調整可能である。封筒搬送路5では、封筒搬送ガイド50により封筒10の面方向にガイドを行っている。これに対し、封筒10の幅方向の位置を規制するガイドは設けられていない。封筒搬送路5において、封筒10の幅方向の位置を規制するガイドを設けるためには、封筒ガイド41と連動して位置を調整できる機構等が必要となり、構成が複雑になる。
【0083】
そこで、搬送ローラ52aと捌きローラ52b、搬送ローラ53aと従動ローラ53b、及び排出ローラ54aと貼付ローラ54bで、封筒10を挟持することにより封筒10の幅方向の位置を規制するガイドとしての機能を持たせる。そして、封筒10の搬送方向の最も下流に配置される排出ローラ54a及び貼付ローラ54bから封筒スタッカ4の封筒ガイド41の先端までの距離Sを、封筒10の長さLより短く設定する。
【0084】
このような構成では、封筒10の先端が排出ローラ54a及び貼付ローラ54bに挟持された時点で、封筒10の後端は封筒スタッカ4に残り、封筒スタッカ4では、封筒ガイド41により封筒10の幅方向の位置が規制される。
【0085】
これにより、封筒搬送路5に封筒10の幅方向の位置を規制するガイドを設けなくても、封筒10が搬送される途中で、幅方向の位置がずれることを防止できる。よって、後述するラベル31Aの貼付動作で、封筒10が曲がっていることに起因して、ラベル31Aが曲がって貼り付けられることを防止できる。また、封筒搬送路5に封筒10の幅方向の位置を規制するガイドを設ける必要がないので、ガイドの構成を簡素化できる。
【0086】
更に、封筒搬送路5の長さを短くできるので、封筒搬送路5を傾斜させる構成と合わせて、装置本体11の小型化を図ることができ、設置面積を小さくすることができる。
【0087】
なお、本例では、封筒10を挟持して搬送する回転体としてローラを適用した例で説明したが、プーリ間に掛けられたベルトでも良い。
【0088】
装置本体11は、封筒スタッカ4から繰り出された封筒10を検出する捌き検出センサ55Sと、封筒10が所定のラベル貼付位置に搬送されたことを検出する封筒先端検出センサ56Sを備える。
【0089】
捌き検出センサ55Sは媒体検出手段の一例で、搬送ローラ52aに対し封筒搬送方向下流側の封筒搬送路5に設けられる。捌き検出センサ55Sは、本例では封筒搬送路5の封筒搬送ガイド50に一対の受発光素子を備えた反射型の光センサで構成され、封筒10の有無により封筒10の先端及び後端を検出する。
【0090】
捌き検出センサ55Sは、封筒10が検出位置にあるときの出力を例えばONとし、封筒10が検出位置に無いときの出力を例えばOFFとする。これにより、捌き検出センサ55Sの出力がOFFからONに変化することで、封筒10の先端を検出したことを示す封筒先端検出信号が出力される。また、捌き検出センサ55Sの出力がONからOFFに変化することで、封筒10の後端を検出したことを示す封筒後端検出信号が出力される。
【0091】
封筒先端検出センサ56Sは媒体検出手段の一例で、ラベル処理ユニット2Aの剥離プレート25に対し封筒搬送方向下流側の封筒搬送路5に設けられる。封筒先端検出センサ56Sは、本例では封筒搬送路5の封筒搬送ガイド50に一対の受発光素子を備えた反射型の光センサで構成され、封筒10の有無により封筒10の先端を検出する。
【0092】
封筒先端検出センサ56Sは、封筒10が検出位置にあるときの出力を例えばONとし、封筒10が検出位置に無いときの出力を例えばOFFとする。これにより、封筒先端検出センサ56Sの出力がOFFからONに変化することで、封筒10の先端を検出したことを示す封筒先端検出信号が出力される。
【0093】
なお、本例では、ラベル処理ユニット2Aでラベル31Aの逆剥離が発生したことを、封筒先端検出センサ56Sの出力で検出している。すなわち、イニシャライズ動作でラベル用紙3Aをラベルロール30Aに戻す方向に搬送する際、剥離プレート25より先の巻取側搬送経路21cにあるラベル用紙3Aにラベル31Aが貼り付けられていると、ラベル31Aが剥離する場合がある。このような、ラベル用紙3Aを戻す方向に搬送する動作でラベル31Aが剥離する事象を逆剥離と称する。封筒先端検出センサ56Sは、封筒10の先端に加えて、逆剥離が発生したラベル31Aを検出可能な位置に設けられる。
【0094】
装置本体11は、ラベル処理ユニット2Aのラベル搬送ローラ26と対向する従動ローラ57と、巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aをガイドするガイドローラ58を備える。
【0095】
ラベル印刷貼付機1Aは、装置本体11の封筒搬送路5の上側にラベル処理ユニット2Aが配置され、軸59を支点として、装置本体11に対してラベル処理ユニット2Aが開閉可能に構成される。ラベル処理ユニット2Aを開くと、巻取側搬送経路21cが露出し、装填部20へのラベルロール30Aのセット、ラベル用紙3Aの元巻側搬送経路21b及び巻取側搬送経路21cへのセット、及び剥離紙32Aの巻き取りリール27への巻き付けが可能となる。
【0096】
ラベル印刷貼付機1Aは、ラベルロール30Aがセットされたラベル処理ユニット2Aを閉じると、ラベル処理ユニット2Aのラベル搬送ローラ26と装置本体11の従動ローラ57と間に剥離紙32Aが挟持され、ラベル搬送ローラ26が回転駆動されることで、剥離紙32Aが搬送される。また、巻き取りリール27に巻き取られる剥離紙32Aがガイドローラ58で巻取側搬送経路21cにガイドされる。
【0097】
ラベル処理ユニット2Aを上側に開く構成とすると、ラベル処理ユニットの側方に、ラベルをセットするための空間を確保する必要がなく、装置の小型化が可能で、設置面積を小さくすることができる。また、ラベルロール30Aから引き出したラベル用紙3Aの搬送経路へのセットを容易に行うことができる。
【0098】
<ラベルセット位置と封筒セット位置によるラベル貼付位置の設定例>
図10は、ラベルセット位置と封筒セット位置の関係の一例を示す説明図、図11は、ラベル貼付可能範囲の一例を示す説明図、図12は、封筒位置ガイドの一例を示す構成図である。
【0099】
ラベル印刷貼付機1Aでは、上述したように、幅の異なるラベル用紙3Aがセット可能な構成であり、ラベルガイド28Aと剥離ガイド29Aは、ラベル用紙3Aの幅に合わせて間隔及び位置が調整可能である。
【0100】
本例では、第1の幅のラベル用紙3Aについて、ラベルガイド28A及び剥離ガイド29Aの取付位置を選択することで、ラベル用紙3Aの幅方向の所定の位置にラベルセット位置が選択可能である。例えば、図10(a)に示すように、ラベル用紙3Aの幅方向に沿った一方の側である左側に偏らせてラベルロール30Aをセットするラベル左セットと称すラベルセット位置が選択可能である。また、図10(b)に示すように、ラベル用紙3Aの幅方向に沿った他方の側である右側に偏らせてラベルロール30Aをセットするラベル右セットと称すラベルセット位置が選択可能である。
【0101】
一方、封筒10のセット位置は、封筒ガイド41を封筒10の幅方向に沿って移動させることで調整可能であり、ある規格の封筒10では、図10(a),図10(b)に示すように、封筒10の幅方向の位置が調整可能となる封筒調整可能範囲43が設定される。
【0102】
図10(a)に示すように、ラベルセット位置がラベル左セットであると、封筒10の幅方向の位置を封筒調整可能範囲43の中で調整すれば、図11(a)に示すように、封筒10の幅方向の所定の範囲にラベル貼付可能範囲44aが設定される。また、図10(b)に示すように、ラベルセット位置がラベル右セットであると、封筒10の幅方向の位置を封筒調整可能範囲43の中で調整すれば、図11(b)に示すように、封筒10の幅方向の所定の範囲にラベル貼付可能範囲44bが設定される。
【0103】
これにより、ラベルセット位置と封筒セット位置の組み合わせにより、図11(c)に示すように、例えば、封筒10の幅方向の全体にラベル貼付可能範囲44cが設定される。
【0104】
従って、ラベルセット位置と封筒セット位置の両方を調整可能とすることで、封筒10の幅方向の位置調整範囲を大きくすること無く、ラベル貼付可能範囲を広げることができ、装置本体を大型化することなく、ラベル貼付可能範囲を広くすることができる。
【0105】
ラベル印刷貼付機1Aは、図12に示す封筒位置ガイド45が、装置本体11において封筒ガイド41と合わせて目視可能な位置に設けられる。封筒位置ガイド45には、ラベル処理ユニット2Aにセット可能なラベル用紙3Aの幅及び幅方向の取り付け位置を示すラベル位置情報として、ラベル左セット位置情報46aとラベル右セット位置情報46bが目視可能な情報として示されている。
【0106】
なお、第1の幅より広い図示しない第2の幅のラベル用紙は、幅方向の中心を装填部20中心に合わせてセットされる形態としたので、第2の幅のラベル用紙に合わせて、ラベルセット位置情報46cが目視可能な情報として示されている。
【0107】
これによりラベル位置情報が含まれるように封筒ガイド41の位置を調整すれば、ラベル31Aの貼付位置を、封筒10の幅方向に入るようにすることができると共に、実際の貼付動作を行うことなく、ラベル31Aの貼付位置を事前に確認できる。
【0108】
<印刷位置及び剥離・貼付位置とラベルサイズの設定例>
図13は、印刷位置から剥離・貼付位置までの長さとラベルのサイズとの関係を示す説明図である。ラベル印刷貼付機1Aでは、サーマルヘッド23の印刷面印刷位置を印刷位置P1とし、剥離プレート25の先端位置を剥離・貼付位置P2とすると、以下の(1)式に示すように、印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1を、ラベル31Aの搬送方向のピッチL2に対して整数倍の関係となるように、各部の寸法が設定されている。
【0109】
L1=n×L2・・・(1)
ここで、nは整数
【0110】
印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1を、ラベル31AのピッチL2に対して整数倍の関係とすれば、ラベル31Aの印刷開始及び印刷終了のタイミングと、ラベル31Aの剥離・貼付開始及び剥離・貼付終了のタイミングを合わせることができる。
【0111】
上述した(1)式でn=1、すなわち、印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2と同じであれば、先行するラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、同ラベル31Aの後端が印刷位置P1を通過して、印刷が終了すると共に、同ラベル31Aの剥離・貼付が可能となる。また、次のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達し、印刷が可能となる。
【0112】
上述した(1)式でn≧2、すなわち、印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2の2倍以上の整数倍であれば、先行するラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、同ラベル31Aの剥離・貼付が可能となる。また、2枚目以降の所定のラベル31Aの後端が印刷位置P1を通過して、印刷が終了すると共に、その次のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達し、印刷が可能となる。
【0113】
ここで、剥離・貼付位置P2から図1に示す捌き検出センサ55Sまでの距離は、ラベル31Aの長さより長くしてある。すなわち、封筒10の後端が捌き検出センサ55Sによる検出位置まで搬送された時点で、先端が剥離・貼付位置P2に到達しているラベル31Aの剥離・貼付を開始したときに、ラベル31Aの後端が封筒10の後端からはみ出すことを防止している。
【0114】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の制御機能例>
図14は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の制御機能の一例を示すブロック図である。ラベル印刷貼付機1Aは、マイクロコンピュータ等で構成される制御装置100と、操作部101を備える。
【0115】
ラベル印刷貼付機1Aは、本例ではパーソナルコンピュータ等の外部入力装置110に接続されて使用され、制御装置100は、印刷データ、印刷の指示、及び印刷枚数等の印刷に関する各種情報を外部入力装置110から受信して、ラベル31Aの印刷及びラベル31Aの封筒10への貼り付ける制御を行う。
【0116】
制御装置100は、ラベルフィードモータ22Mを制御して、ラベル用紙3Aの搬送動作を行う。また、制御装置100は、ラベルエッジセンサ24Sからラベル先端検出信号とラベル後端検出信号が入力され、ラベル用紙3Aの搬送動作でラベル31Aが所定の位置に搬送されたことを判断する。
【0117】
ラベルフィードモータ22Mにはステッピングモータが使用され、制御装置100では、ラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数でラベル用紙3A及びラベル31Aの搬送量が求められる。
【0118】
制御装置100は、イニシャライズ動作でラベル31Aをサーマルヘッド23より上流側の所定の初期位置まで搬送するためのラベル先端検出動作では、ラベル用紙3Aの搬送動作で、ラベル用紙3Aをラベルロール30Aに戻す方向に搬送する。
【0119】
そして、ラベル用紙3Aを戻す搬送動作で、ラベル先端検出信号が入力されてから、所定量ラベル用紙3Aを戻し、ラベル後端検出信号が入力されなければ、先頭のラベル31Aが所定の初期位置に搬送されたことと判断する。
【0120】
また、制御装置100は、ラベル先端検出信号の入力と、ラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数から、ラベル31Aを所定の位置、例えば貼付待機位置に搬送する制御を行う。
【0121】
また、ラベル31Aがラベルロール30Aから引き出される方向に搬送される搬送動作では、ラベル先端検出信号が入力されてからラベル後端検出信号が入力されるまでにラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数から、ラベルサイズ情報であるラベル31Aの長さを求める。
【0122】
あるいは、ラベル31Aがラベルロール30Aに戻される方向に搬送される搬送動作では、ラベル後端検出信号が入力されてからラベル先端検出信号が入力されるまでにラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数から、ラベル31Aの長さを求める。
【0123】
このように、ラベルエッジセンサ24Sから入力されるラベル先端検出信号及びラベル後端検出信号と、ラベル用紙3Aの搬送動作から、制御装置100ではラベル31Aの長さ情報が取得され、ラベルエッジセンサ24Sによりラベルサイズ情報取得手段が構成される。
【0124】
制御装置100は、ピックアップモータ52Mを制御して、封筒10の繰り出し動作を行う。また、制御装置100は、フィードモータ53Mを制御して、封筒10の搬送動作を行う。
【0125】
ピックアップモータ52Mにはステッピングモータが使用され、制御装置100では、ピックアップモータ52Mを駆動するステップ数で封筒10の搬送量が求められる。また、フィードモータ53Mにはステッピングモータが使用され、制御装置100では、フィードモータ53Mを駆動するステップ数で封筒10の搬送量が求められる。
【0126】
制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒先端検出信号と封筒後端検出信号が入力され、封筒先端検出信号が入力されることで、封筒10の繰り出し動作で封筒10が繰り出されたことを判断する。また、封筒後端検出信号が入力されることで、封筒10の搬送動作で封筒10の後端が所定の位置に搬送されたことを判断する。
【0127】
これにより、制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒先端検出信号が入力されてから封筒後端検出信号が入力されるまでにピックアップモータ52Mを駆動するステップ数から、媒体サイズ情報である封筒10の長さを求める。また、制御装置100は、剥離・貼付位置P2から封筒10の後端までの残り長さを求め、ラベル31Aが封筒10に貼り付けられるか判断する。
【0128】
このように、捌き検出センサ55Sから入力される封筒先端検出信号及び封筒後端検出信号と、封筒10の搬送動作から、制御装置100では封筒10の長さ情報が取得され、捌き検出センサ55Sにより媒体サイズ情報取得手段が構成される。
【0129】
制御装置100は、封筒先端検出センサ56Sから封筒先端検出信号が入力され、封筒先端検出信号が入力されることで、封筒10の搬送動作で封筒10が所定の位置に搬送されたことを判断する。
【0130】
更に、制御装置100は、ラベル先端検出動作では封筒先端検出センサ56Sからの入力がラベル検出信号となり、ラベル検出信号が入力されると、ラベル31Aの逆剥離が発生したことを判断する。
【0131】
これにより、制御装置100は、封筒先端検出センサ56Sからの封筒先端検出信号の入力と、フィードモータ53Mを駆動するステップ数から、ラベルフィードモータ22Mの制御によるラベル用紙3Aの搬送動作と同期して封筒10を搬送し、封筒10の所定の貼付位置にラベル31Aを貼り付ける制御を行う。
【0132】
制御装置100は、ヘッド昇降センサ23Sからヘッド位置検出信号が入力され、サーマルヘッド23が印刷位置にあるか否かを判断する。また、制御装置100は、印刷ユニット開閉センサ102Sから印刷ユニット開閉検出信号が入力され、ラベル処理ユニット2Aの開閉の有無を判断する。
【0133】
図15は、操作部の一例を示す構成図、図16は、ラベル貼り位置ガイドの一例を示す構成図である。操作部101は、ラベル31Aの貼付位置を指定する貼り位置調整ダイヤル101aを備える。貼り位置調整ダイヤル101aはラベル貼付位置情報取得手段の一例で、封筒10の端部からラベル31Aを貼り付ける位置までの長さに関するラベル貼付位置情報が入力される。
【0134】
本例では、図16に示すラベル貼り位置ガイド120が装置本体11の目視可能な位置に設けられ、ラベル貼り位置ガイド120には、封筒10の先端からラベル貼り付け位置までの長さを特定する位置情報121が示されている。ラベル貼り位置ガイド120では、封筒スタッカ4にセット可能な封筒10の大きさと、ラベル31Aの貼り付け可能位置の関係を示す貼り付け可能範囲情報122が、位置情報121に対応させて示されている。
【0135】
貼り位置調整ダイヤル101aは、ラベル貼り位置ガイド120の位置情報121に対応した位置情報目盛り101bが示され、貼り位置調整ダイヤル101aが所望の位置情報目盛り101bに合わせられることで、ラベル貼付位置情報である貼付指示位置情報が制御装置100に入力される。そして、ラベル貼り位置ガイド120を設けて貼り付け可能範囲情報122を示すことで、封筒10の大きさに合わせて可能範囲情報122の範囲内で貼付位置を指定すれば、封筒10の内側に収まるようにラベル31Aを貼り付けることが可能になる。
【0136】
<本実施の形態のラベルの構成例>
次に、ラベル印刷貼付機1Aで用いられるラベル用紙3Aの構成について、図6を参照して説明する。ラベル用紙3Aは、始端側の所定の領域に、ラベル31Aが貼り付けられていない始端側ラベル非貼付領域35Aが設けられる。始端側ラベル非貼付領域35Aは、ラベル31Aが貼り付けられていると、イニシャライズ動作でラベル31Aの逆剥離が発生するような領域である。
【0137】
このため、剥離プレート25から巻き取りリール27までの距離と、巻き取りリール27にラベル用紙3Aをセットする際の巻き込み量と、イニシャライズ動作での戻し方向へのラベル用紙3Aの搬送量等を考慮して、始端側ラベル非貼付領域35Aが設定される。
【0138】
すなわち、ラベル用紙3Aがセットされたときに、剥離プレート25と巻き取りリール27の間にラベル31Aが貼り付けられていなければ、ラベル用紙3Aを戻す方向に搬送しても、剥離プレート25を通過するラベル31Aが無いので、ラベル31Aの逆剥離が発生しない。
【0139】
また、ラベル用紙3Aは、終端側の所定の領域に、ラベル31Aが貼り付けられていない終端側ラベル非貼付領域36Aが設けられる。終端側ラベル非貼付領域36Aは、ラベルロール30Aから全てのラベル用紙3Aが引き出されたときに、封筒10に貼り付けることができないラベル31Aが残るような領域である。
【0140】
このため、装填部20にセットされるラベルロール30Aから剥離プレート25までの距離と、ラベル31Aの剥離・貼付に必要なラベル用紙3Aの搬送量等を考慮して、終端側ラベル非貼付領域36Aが設定される。
【0141】
すなわち、ラベルロール30Aから全てのラベル用紙3Aが引き出されたときに、剥離プレート25とラベルロール30Aの間にラベル31Aが貼り付けられていなければ、印刷済の全てのラベル31Aを封筒10に貼り付けることができる。
【0142】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の動作例>
図17は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のイニシャライズ動作例を示すフローチャート、図18は、第1の実施の形態のラベル印刷貼付機のラベル印刷・貼付動作例を示すフローチャートである。また、図19、図20及び図21は、ラベル印刷・貼付動作の一例を示す動作説明図である。次に、各図を参照して、ラベル印刷貼付機1Aの動作について説明する。
【0143】
まず、イニシャライズ動作について説明する。制御装置100は、ラベルセット後の電源投入時等にイニシャライズ動作を実行する。イニシャライズ動作では、制御装置100は、図17のステップSA1で、印刷ユニット開閉センサ102Sから入力される印刷ユニット開閉検出信号に基づいて、ラベル処理ユニット2Aの開閉の有無を判断する。
【0144】
制御装置100は、ラベル処理ユニット2Aが閉じていると判断すると、図17のステップSA2で、ヘッド昇降センサ23Sから入力されるヘッド位置検出信号に基づいて、サーマルヘッド23が印刷位置にあるか否かを判断する。
【0145】
制御装置100は、サーマルヘッド23が印刷位置に無いと判断すると、図17のステップSA3で、サーマルヘッド23のセットエラーであることを通知する。制御装置100は、サーマルヘッド23が印刷位置にあると判断すると、図17のステップSA4で、捌き検出センサ55Sから入力される封筒先端検出信号の有無と、封筒先端検出センサ56Sから入力される封筒先端検出信号の有無に基づいて、封筒10等の残留物が封筒搬送路5にあるか否かを判断する。
【0146】
制御装置100は、残留物が封筒搬送路5にあると判断すると、図17のステップSA5でフィードモータ53Mを駆動し、残留物を排出する動作を行う。そして、図17のステップSA6で、残留物を排出する動作を開始してから所定の待機時間が経過しても、残留物が封筒搬送路5に残留していると判断すると、図17のステップSA7で、フィードモータ53Mの駆動を停止し、搬送ジャムエラーであることを通知する。なお、封筒搬送路5にある残留物としては、封筒10の他にも、剥離したラベル31Aが封筒搬送路5内に貼り付いて残るような場合も考えられる。
【0147】
制御装置100は、残留物が封筒搬送路5に無いと判断すると、図17のステップSA8で、ラベル先端検出動作を行う。ラベル先端検出動作では、制御装置100は、ラベルフィードモータ22Mを駆動して、ラベル用紙3Aをラベルロール30Aに戻す方向に搬送する。
【0148】
制御装置100は、図17のステップSA9で、ラベル先端検出動作では、封筒先端検出センサ56Sから入力される信号をラベル検出信号とし、ラベル検出信号の有無に基づいて、ラベル31Aの逆剥離が発生したか否かを判断する。
【0149】
制御装置100は、ラベル31Aの逆剥離が発生したと判断すると、図17のステップSA10で、ラベルフィードモータ22Mの駆動を停止し、ラベルジャムエラーであることを通知する。なお、図6に示すような始端側ラベル非貼付領域35Aが設けられたラベル用紙3Aを用いることで、ラベル用紙3Aが正常にセットされれば、ラベル31Aの逆剥離は発生しない。但し、ラベル用紙3Aの誤ったセットや、使用途中のラベル用紙をセットした場合等には、イニシャライズ動作でラベル31Aの逆剥離が発生する可能性があるので、ラベル31Aの逆剥離の有無を検出する処理を設けてある。
【0150】
制御装置100は、図17のステップSA11で、ラベル用紙3Aを戻す搬送動作では、ラベルエッジセンサ24Sから入力されるラベル先端検出信号の有無に基づいて、ラベル31Aの先端をラベルエッジセンサ24Sで検出したか判断する。
【0151】
制御装置100は、図17のステップSA12で、所定の待機時間内にラベル31Aの先願をラベルエッジセンサ24Sで検出できないと、ラベル31Aが無いと判断し、ラベルフィードモータ22Mの駆動を停止して、ラベル無しエラーであることを通知する。
【0152】
制御装置100は、ラベル用紙3Aを戻す搬送動作でラベル31Aの先端をラベルエッジセンサ24Sで検出すると、図17のステップSA13で、ラベルフィードモータ22Mを所定のステップ数駆動して、所定量ラベル用紙3Aを戻す動作を続行する。制御装置100は、ラベル後端検出信号が入力されなければ、先頭のラベル31Aであると判断して、ラベルフィードモータ22Mをラベル用紙3Aが巻き取りリール27に巻き取られる方向に所定のステップ数駆動して、先頭のラベル31Aの先端を図13に示す印刷位置P1まで搬送し、動作待機状態となる。
【0153】
なお、ラベルセット時に、ラベルエッジセンサ24Sと剥離・貼付位置P2との間に1枚以上のラベル31Aがあれば、ラベル31Aがラベルロール30Aに戻される方向に搬送される搬送動作で、ラベル後端検出信号とラベル先端検出信号が入力される。これにより、イニシャライズ動作でラベル後端検出信号が入力されてからラベル先端検出信号が入力されるまでにラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数から、ラベル31Aの長さ情報を取得することができる。
【0154】
次に、ラベル印刷・貼付動作について説明する。なお、図19、図20及び図21では、図13で説明した印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2の2倍である場合の例で説明する。
【0155】
制御装置100は、図18のステップSB1で、上述したイニシャライズ動作を行い、図19(a)に示すように、先頭のラベル31Aの先端を印刷位置P1まで搬送し、ラベル印刷貼付機1Aを動作待機状態とする。
【0156】
制御装置100は、図18のステップSB2で、外部入力装置110から印刷データ、印刷の指示、及び印刷枚数等の印刷に関する各種情報が入力されたか否かを監視する。
【0157】
制御装置100は、外部入力装置110から印刷情報が入力されると、印刷枚数を管理するための印刷枚数カウント値Xの値を1にセットする。本例では、印刷データ数はNとする。また、外部入力装置110からは、ラベルのサイズデータが入力されるので、制御装置100は、ラベルの長さ情報を取得することができる。そして、制御装置100は、図18のステップSB3で、X番目の印刷データを展開し、印刷動作を行う。
【0158】
なお、イニシャライズ動作でラベル31Aの長さ情報を取得する制御では、外部入力装置110から入力されたラベルの長さ情報と、イニシャライズ動作で取得したラベル31Aの長さ情報を比較し、長さ情報が異なっていれば、セットされたラベルロール30Aが異なっていると判断し、通知する制御を行うことができる。
【0159】
制御装置100は、ラベルフィードモータ22Mを駆動して、プラテンローラ22、ラベル搬送ローラ26、及び巻き取りリール27を回転させ、ラベル用紙3Aを巻き取りリール27に巻き取られる方向に搬送する。また、展開した印刷データに基づきサーマルヘッド23を駆動し、ラベル31Aに印刷を行う。
【0160】
ラベル印刷貼付機1Aでは、ラベル用紙3Aに貼り付けられたラベル31Aの搬送量が、ラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数で制御される。このため、イニシャライズ動作でラベルエッジセンサ24Sがラベル31Aの先端を検出してから、同ラベル31Aを印刷位置P1に搬送するために、ラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数が決められている。
【0161】
そして、ラベル31Aを印刷位置P1に搬送するためにラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数と、印刷位置P1にあるラベル用紙3Aの印刷動作による搬送で、ラベルエッジセンサ24Sがラベル31Aの後端を検出するまでのラベルフィードモータ24Mを駆動するステップ数から、ラベル31Aの長さ情報を取得することができる。
【0162】
これにより、イニシャライズ動作でラベル31Aの長さ情報を取得しない制御では、印刷動作でラベル31Aの長さ情報を取得することができる。そして、外部入力装置110から入力されたラベルの長さ情報と、印刷動作で取得したラベル31Aの長さ情報を比較し、長さ情報が異なっていれば、セットされたラベルロール30Aが異なっていると判断し、通知する制御を行うことができる。
【0163】
制御装置100は、図18のステップSB4で、ラベルフィードモータ22Mを駆動するステップ数からラベル用紙3Aの搬送量を判断し、図19(b)に示すように、ラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達したか判断する。
【0164】
制御装置100は、ラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達していないと判断すると、図18のステップSB5で、印刷枚数カウント値Xが印刷データ数Nとなっているか判断する。
【0165】
印刷枚数カウント値Xが印刷データ数Nになっていない場合は、次に印刷すべき印刷データがあるので、制御装置100は、図18のステップSB6で、印刷枚数カウント値Xの値に1を加算し、図18のステップSB3に戻り、X+1番目の印刷データを展開し、印刷動作を行う。
【0166】
印刷枚数カウント値Xが印刷データ数Nになっている場合は、次に印刷すべき印刷データが無いので、制御装置100は、図18のステップSB7で、ラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達するまで、ラベル用紙3Aを搬送する。
【0167】
印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2に対して整数倍の関係であると、先行するラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、同ラベルまたは2枚目以降のラベル31Aの後端が印刷位置P1を通過して、印刷が終了すると共に、次のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達し、印刷が可能となる。
【0168】
図19(b)に示す例では、1枚目のラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、2枚目のラベル31Aの後端が印刷位置P1を通過して、印刷データ数Nが2以上であって、2枚目のラベル31Aに印刷を行うのであれば印刷が終了する。また、3枚目のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達し、印刷データ数Nが3以上であって、3枚目のラベル31Aに印刷を行うのであれば、印刷が可能となる。
【0169】
ラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、制御装置100は、ラベルフィードモータ22Mの駆動を停止してラベル用紙3Aの搬送を停止すると共に、図18のステップSB8で封筒10の繰り出し動作を行う。すなわち、制御装置100は、ピックアップモータ52Mを駆動してピックアップローラ51a,51bと搬送ローラ52aが回転させると共に、フィードモータ53Mを駆動して搬送ローラ53aと排出ローラ54aを回転させ、封筒スタッカ4にセットされた封筒10の最下位の1枚をピックアップローラ51aにより繰り出す。
【0170】
ピックアップローラ51aで繰り出された封筒10は、搬送ローラ52aと捌きローラ52bとの間に挟持され、搬送ローラ52aにより搬送される。2枚以上の封筒10が繰り出されると、搬送ローラ52aに押圧される最下位の1枚は搬送され、2枚目以降の封筒10は捌きローラ52bにより分離される。
【0171】
制御装置100は、図18のステップSB9で、捌き検出センサ55Sから入力される封筒先端検出信号の有無に基づいて、捌き検出センサ55Sで封筒10を検出したか判断する。制御装置100は、所定の待機時間内に封筒10を捌き検出センサ55Sで検出できないと、封筒10が無いと判断し、図18のステップSB10で、ピックアップモータ52M及びフィードモータ53Mの駆動を停止して、封筒無しエラーであることを通知する。
【0172】
制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒先端検出信号が入力されると、図18のステップSB11で、図20(a)に示すように、貼付指示位置まで封筒10を搬送すると共に、封筒10を搬送する行程で、封筒10の長さ情報を取得し、ラベル31Aを封筒10に貼り付けることができるか判断する。
【0173】
すなわち、制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒先端検出信号が入力されると、ピックアップモータ52Mの駆動を停止し、搬送ローラ52aと捌きローラ52bで1枚に分離された封筒10を搬送ローラ53aと従動ローラ53bとの間に挟持して搬送する。最下位の1枚の封筒10の後端がピックアップローラ51bを抜けると、ピックアップローラ51b及びピックアップローラ51aは回転駆動が停止していることで、2枚目以降の封筒10が、1枚目の封筒10に引かれて繰り出されることが防止される。
【0174】
制御装置100は、封筒先端検出センサ56Sから入力される封筒先端検出信号の有無に基づいて、封筒先端検出センサ56Sで封筒10を検出したか判断する。制御装置100は、封筒先端検出センサ56Sから封筒先端検出信号が入力されると、フィードモータ53Mを駆動するステップ数から封筒10の搬送量を判断し、図15に示す貼り位置調整ダイヤル101aで指定された貼付指示位置情報に基づいて、貼付指示位置まで封筒10を搬送する。
【0175】
図22は、ラベルの貼付位置と封筒サイズの関係を示す説明図である。制御装置100は、封筒10を貼付指示位置まで搬送する動作で、捌き検出センサ55Sから封筒後端検出信号が入力されると、封筒先端検出信号が入力されてから封筒後端検出信号が入力されるまでにフィードモータ53Mを駆動するステップ数から、封筒10の長さ情報を取得する。
【0176】
制御装置100は、貼り位置調整ダイヤル101aで貼付指示位置情報が指定されることで、封筒10の先端P10から、貼付指示位置情報で特定される貼付指示位置P11までの長さL10を取得する。
【0177】
そして、制御装置100は、ラベル31Aの長さ情報と封筒10の長さ情報を取得することで、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12を比較し、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができるか判断する。
【0178】
制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、以下の(2)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができると判断し、貼付指示位置P11まで封筒10を搬送する動作を継続する。
【0179】
これに対し、制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、以下の(3)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができないと判断し、以下に示す貼付位置エラー処理を実行する。
【0180】
L11≧L12・・・(2)
L11<L12・・・(3)
【0181】
図23は、ラベルが封筒からはみ出して貼り付けられる行程を示す動作説明図である。貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11より、ラベル31Aの長さL12が長い場合、図23(a)に示すように、封筒10の貼付指示位置P11が剥離・貼付位置P2に到達するまで封筒10を搬送し、図23(b)に示すようにラベル31Aの貼付動作を行うと、図23(c)に示すように、ラベル31Aの後端が封筒10の後端P12よりはみ出すことになる。
【0182】
そこで、制御装置100は、(3)式を満たす場合は、ラベルの印刷及び貼付動作を停止する。例えば、ラベル31Aが剥離・貼付位置P2に到達しているラベル用紙3Aの搬送を停止した状態で、封筒10の搬送を停止して、貼付位置エラーを通知する。または、ラベル31Aが剥離・貼付位置P2に到達しているラベル用紙3Aの搬送を停止した状態で、封筒10の搬送を継続し、ラベル31Aの貼付動作は行わずに封筒10を排出して、貼付位置エラーを通知する。
【0183】
これにより、封筒10の後端からはみ出す位置にラベル31Aが貼り付けられることがなく、封筒10の無駄を減らすことができる。また、ラベル31Aがはみ出す位置に貼りつけられた封筒10が搬送されることで、ラベル31Aが搬送経路に貼りつく等の搬送ジャムが発生することを防止できる。
【0184】
ここで、ラベルの印刷・貼付動作を開始した後、ラベル31Aが剥離・貼付位置P2に到達している状態では、少なくとも先頭のラベル31Aには印刷データが印刷されている。そこで、印刷済のラベル31Aを排出することと、貼付位置エラーを通知するため、貼付位置エラー処理として、後述するラベルの貼付動作で、ラベル31Aの後端が封筒10の後端P12よりはみ出さない位置にラベル31Aを貼り付ける動作を行い、封筒10を排出することとしても良い。
【0185】
制御装置100は、上述した(2)式を満たす場合、封筒10の貼付指示位置P11が剥離・貼付位置P2に到達するまで封筒10を搬送し、貼付指示位置まで封筒10を搬送すると、図18のステップSB12で、印刷枚数カウント値Xが印刷データ数N以上となっているか判断する。
【0186】
制御装置100は、印刷枚数カウント値Xが印刷データ数Nより小さければ、次に印刷すべき印刷データがあるので、図18のステップSB13で、図20(b)に示すように、ラベルフィードモータ22Mの駆動を再開してラベル用紙3Aを搬送し、後続するラベル31AにX番目の印刷データを印刷する。また、先頭のラベル31Aを剥離プレート25で剥離し、図18のステップSB14で封筒10を搬送してラベル31Aを封筒10に貼り付ける。
【0187】
制御装置100は、印刷枚数カウント値Xが印刷データ数N以上であれば、次に印刷すべき印刷データが無いので、図18のステップSB15で、図21(a)に示すように、ラベルフィードモータ22Mの駆動を再開して後続するラベル31Aへの印刷は行わずラベル用紙3Aを搬送する。ラベル用紙3Aを搬送することで、先頭のラベル31Aを剥離プレート25で剥離し、図18のステップSB14で封筒10を搬送してラベル31Aを封筒10に貼り付ける。
【0188】
印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2に対して整数倍の関係であると、先行するラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達していると、2枚目以降のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達しており、先行するラベル31Aの剥離・貼付動作と同じタイミングで、2枚目以降のラベル31Aの所定の先頭位置から印刷を行うことができる。
【0189】
図20(a),図20(b)に示す例では、1枚目のラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達すると、3枚目のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達し、印刷データ数Nが3以上であって、3枚目のラベル31Aに印刷を行うのであれば、1枚目のラベル31Aの剥離・貼付動作と同じタイミングで、3枚目のラベル31Aの所定の先頭位置から印刷を行うことができる。
【0190】
制御装置100は、図18のステップSB16で、図示しない封筒排出検出センサから入力される封筒排出検出信号の有無に基づいて、封筒10を排出したか判断する。制御装置100は、所定の待機時間内に封筒10の排出を検出できないと、図18のステップSB17で、フィードモータ53Mの駆動を停止して、封筒排出エラーであることを通知する。
【0191】
制御装置100は、封筒10を排出したと判断すると、図18のステップSB18で、印刷済みのラベル31Aがあるか判断する。印刷済みのラベル31Aがある場合は、図18のステップSB19で印刷枚数カウント値Xの値に1を加算し、図18のステップSB8に戻り、封筒10の繰り出し動作及びラベル31Aの剥離・貼り付け動作を行う。
【0192】
制御装置100は、印刷済みのラベル31Aが無い場合は、図18のステップSB20で、ラベルフィードモータ22Mを所定のステップ数駆動して、所定量ラベル用紙3Aを戻す動作を行い、図21(b)に示すように、未印刷のラベル31Aの先端を印刷位置P1まで搬送し、動作待機状態となる。
【0193】
図24は、貼付位置エラー処理で封筒にラベルを貼り付ける動作説明図である。制御装置100は、貼付位置エラー処理として、(3)式を満たす場合でラベル31Aを貼り付けて封筒10を排出する動作では、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求め、新たに求めた封筒10の貼付指示位置P13が剥離・貼付位置P2に到達するまで封筒10を搬送する。そして、貼付指示位置まで封筒10を搬送すると、ラベルフィードモータ22Mの駆動を再開して、先頭のラベル31Aを剥離プレート25で剥離し、封筒10を搬送してラベル31Aを封筒10に貼り付ける。
【0194】
貼付位置エラー処理として、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求めてラベル31Aの貼付動作を行うことで、ラベル31Aの後端が封筒10の後端P12よりはみ出さない位置にラベル31Aを貼り付けて封筒10を排出することができる。また、操作者等により指定された貼付指示位置と異なる位置にラベル31Aを貼り付けて封筒10を排出することで、操作者等により指定された貼付指示位置では、ラベルを貼り付けることができないことを、封筒の目視により通知することができる。
【0195】
ここで、複数枚のラベルを作成する指示が入力された場合、ラベル31Aの長さによっては、ラベルの印刷・貼付動作を開始した後、先頭のラベル31Aが剥離・貼付位置P2に到達している状態で、複数枚のラベル31Aに印刷データが印刷されている場合がある。
【0196】
このような場合、貼付位置エラー処理として、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求めて印刷済みの全てのラベル31Aの貼付動作を行うこととしても良い。印刷済みの全てのラベル31Aの貼付動作を行うことで、印刷済みの全てのラベル31Aを封筒10に貼り付けて排出できる。
【0197】
これに対し、複数枚のラベルを作成する指示が入力された場合の貼付位置エラー処理として、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求め、1枚のラベル31Aの貼付動作を行った後、動作を停止しても良い。動作を停止した後、位置調整ダイヤル101aで正しい貼付指示位置が指定されれば、印刷済みのラベル31Aを封筒10の正しい位置に貼り付けることができ、ラベル31Aの無駄を減らすことができる。
【0198】
ラベル印刷貼付機1Aでは、捌き検出センサ55Sを利用して封筒10の長さ情報を取得しており、封筒10の長さ情報を取得するための別のセンサが不要である。よって、装置の小型化を図ることができる。なお、封筒先端検出センサ56Sを利用して封筒10の長さ情報を取得してもよい。
【0199】
上述したように、ラベル印刷貼付機1Aでは、ラベルの印刷・貼付動作の開始時には、ラベル31Aへの印刷動作のみを行う。印刷位置P1から剥離・貼付位置P2までの距離L1が、ラベル31AのピッチL2に対して整数倍の関係であれば、先行するラベル31Aを剥離・貼付位置P2まで搬送すると、2枚目以降のラベル31Aの先端が印刷位置P1に到達する。
【0200】
指定されたデータ数のラベル31Aへの印刷が完了した後の印刷終了時には、ラベル31Aの剥離・貼付動作の位を行い、剥離・貼付動作の終了後は、印刷位置P1を通過している未印刷のラベル31Aを印刷位置P1まで戻す。
【0201】
先行するラベルの先端が剥離・貼付位置に到達したときに、2枚目以降のラベルが印刷位置の途中にあるような位置関係では、先行するラベルを剥離・貼付位置まで搬送する間に、2枚目以降のラベルの印刷を継続すると、先行するラベルの先端が剥離・貼付位置に到達してラベルの搬送を停止することで、2枚目以降のラベルでは印刷が途中で停止する。
【0202】
印刷途中のラベルに対して印刷を再開する際には、印刷の再開前後で印刷濃淡を無くす制御や印刷の白抜けに対応した制御が必要であり、処理に負担が掛かると共に、印刷のムラや白抜けを解消することができない。
【0203】
また、ラベルの印刷を途中で停止しないようにするため、先行するラベルを剥離・貼付位置まで搬送する間に、2枚目以降のラベルの印刷を停止すると、先行するラベルの剥離・貼付動作と、2枚目以降のラベルの印刷動作を同時に行うことができない。そして、先行するラベルの剥離・貼付動作の後に、未印刷のラベルを印刷位置まで戻し、印刷を再開する動作が必要であり、処理時間が長くなる。
【0204】
これに対し、ラベル印刷貼付機1Aでは、先行するラベル31Aの剥離及び封筒10への貼付動作を行うと同時に、2枚目以降のラベル31Aの印刷を行うことができ、全体の処理時間を短縮できる。また、ラベル31Aの印刷、及び剥離・貼付動作の途中では、ラベル用紙3Aを戻す動作が不要であるので、全体の処理時間を短縮できる。更に、ラベル31Aへの印刷が途中で停止しないので、印刷のムラや白抜けが発生することは無い。
【0205】
また、所定枚数のラベル31Aの剥離・貼付動作の終了後に、印刷位置P1を通過している未印刷のラベル31Aを印刷位置P1まで戻すことで、ラベル31Aの無駄が発生しない。
【0206】
<第1の実施の形態のラベル印刷貼付機の他の動作例>
上述した実施の形態では、ラベルの印刷・貼付動作を開始した後、ラベル31Aに対する印刷動作を行ってから、封筒10を搬送する行程で封筒10の長さ情報を取得することとした。これに対し、ラベルの印刷・貼付動作を開始した後、ラベル31Aに対する印刷動作を行う前に、1枚の封筒10を搬送して封筒10の長さ情報を取得することとしても良い。
【0207】
すなわち、制御装置100は、ラベルの印刷・貼付動作を開始した後、ラベル31Aに対する印刷動作を行う前に、ピックアップモータ52Mを駆動してピックアップローラ51aと搬送ローラ52aが回転させると共に、フィードモータ53Mを駆動して搬送ローラ53aと排出ローラ54aを回転させ、封筒スタッカ4にセットされた封筒10の最下位の1枚をピックアップローラ51aにより繰り出す。
【0208】
制御装置100は、所定の待機時間内に封筒10を捌き検出センサ55Sで検出できないと、封筒10が無いと判断し、ピックアップモータ52M及びフィードモータ53Mの駆動を停止して、封筒無しエラーであることを通知する。
【0209】
制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒先端検出信号が入力されると、ピックアップモータ52Mの駆動を停止し、搬送ローラ52aと捌きローラ52bで1枚に分離された封筒10を搬送ローラ53aと従動ローラ53bとの間に挟持して搬送する。最下位の1枚の封筒10の後端がピックアップローラ51bを抜けると、ピックアップローラ51b及びピックアップローラ51aは回転駆動が停止していることで、2枚目以降の封筒10が、1枚目の封筒10に引かれて繰り出されることが防止される。
【0210】
制御装置100は、捌き検出センサ55Sから封筒後端検出信号が入力されると、封筒先端検出信号が入力されてから封筒後端検出信号が入力されるまでにフィードモータ53Mを駆動するステップ数から、封筒10の長さ情報を取得する。
【0211】
制御装置100は、ラベル31Aに対する印刷動作を行う前に封筒10の長さ情報を取得すると、イニシャライズ動作でラベル31Aの長さ情報を取得している場合、予め指定されている貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12を比較する。そして、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができるか判断する。
【0212】
制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、上述した(2)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができると判断し、上述したラベル31Aの印刷動作を開始し、印刷したラベル31Aを貼り付ける動作を行う。
【0213】
これに対し、制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、上述した(3)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができないと判断し、貼付位置エラー処理として、ラベルの印刷及び貼付動作を停止する。
【0214】
以上の動作では、予め指定されている貼付指示位置ではラベル31Aの貼り付けができない場合、ラベル31Aの印刷が行われないので、ラベル31Aの無駄を省くことができる。
【0215】
一方、制御装置100は、ラベル31Aに対する印刷動作を行う前に封筒10の長さ情報を取得すると、イニシャライズ動作でラベル31Aの長さ情報を取得していない場合、上述したラベルの印刷動作を開始し、ラベル31Aの長さ情報を取得する。
【0216】
そして、予め指定されている貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12を比較し、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができるか判断する。
【0217】
制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、上述した(2)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができると判断し、上述した封筒10の搬送動作を開始し、印刷したラベル31Aを貼り付ける動作を行う。
【0218】
これに対し、制御装置100は、貼付指示位置P11から封筒10の後端P12までの長さL11と、ラベル31Aの長さL12が、上述した(3)式を満たす場合は、封筒10において貼付指示位置P11から後端P12の間にラベル31Aが貼り付けることができないと判断し、貼付位置エラー処理として、ラベルの印刷及び貼付動作を停止する。
【0219】
または、制御装置100は、貼付位置エラー処理として、ラベル31Aを貼り付けて封筒10を排出する動作を行っても良い。すなわち、制御装置100は、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求め、新たに求めた封筒10の貼付指示位置P13が剥離・貼付位置P2に到達するまで封筒10を搬送する。そして、貼付指示位置まで封筒10を搬送すると、ラベルフィードモータ22Mを駆動して、先頭のラベル31Aを剥離プレート25で剥離し、封筒10を搬送してラベル31Aを封筒10に貼り付ける。
【0220】
貼付位置エラー処理として、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求めてラベル31Aの貼付動作を行うことで、ラベル31Aの後端が封筒10の後端P12よりはみ出さない位置にラベル31Aを貼り付けて封筒10を排出することができる。
【0221】
また、複数枚のラベルを作成する指示が入力された場合の貼付位置エラー処理として、1枚目のラベル31Aに印刷を行う行程でラベル31Aの長さ情報を取得する。ラベル31Aを封筒10に貼り付けることができないと判断すると、2枚目以降の印刷は行わず、1枚目のラベル31Aの先端が剥離・貼付位置P2に到達するまでラベル用紙3Aを搬送する。
【0222】
そして、(2)式を満たすような貼付指示位置P13を求めて印刷済みの1枚のラベル31Aの貼付動作を行って封筒10を排出した後、未印刷のラベルを待機位置に戻す動作を行うこととして良い。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明は、ラベルを印刷して封筒やハガキ等の媒体に貼り付けるラベルプリンタに適用できる。
【符号の説明】
【0224】
1A・・・ラベル印刷貼付機、10・・・封筒、2・・・ラベル処理ユニット、20・・・装填部、20d・・・取付プレート、20e・・・第1の取付穴部、20f・・・第2の取付穴部、21b・・・元巻側搬送経路、21c・・・巻取側搬送経路、22・・・プラテンローラ、23・・・サーマルヘッド、24S・・・ラベルエッジセンサ、25・・・剥離プレート、25a・・・取付穴部、28A・・・ラベルガイド、28b・・・元巻側ガイド部、28c・・・巻取側ガイド部、28d・・・第1の取付凸部、28e・・・第2の取付凸部、29A・・・剥離ガイド、29b・・・剥離前ラベルガイド、29c・・・剥離後ラベルガイド、3A・・・ラベル用紙、30A・・・ラベルロール、31A・・・ラベル、32A・・・剥離紙、4・・・封筒スタッカ、41・・・封筒ガイド、5・・・封筒搬送路、51a・・・ピックアップローラ、52a・・・捌きローラ、53a・・・搬送ローラ、54a・・・排出ローラ、54b・・・貼付ローラ、55S・・・捌き検出センサ、56S・・・封筒先端検出センサ、100・・・制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のラベル用紙が巻かれたラベルロールがセットされる装填部と、
前記装填部にセットされたラベルロールから引き出されたラベル用紙を搬送するラベル搬送手段と、
前記ラベル搬送手段で搬送されるラベル用紙のラベルに印刷を行う印刷手段と、
前記ラベル搬送手段で搬送されるラベル用紙からラベルを剥離する剥離手段と、
前記剥離手段でラベルが剥離された剥離紙を巻き取るラベル巻き取り手段と、
ラベルが貼り付けられる媒体がセットされる媒体スタッカと、
前記媒体スタッカにセットされた媒体を搬送し、前記剥離手段で剥離されたラベルを、前記ラベル搬送手段との協働で前記媒体に貼り付ける媒体搬送手段と、
前記媒体搬送手段で媒体が搬送される媒体搬送路とを備え、
前記媒体搬送手段は、媒体を挟持して搬送する回転体が、前記媒体搬送路の少なくとも1箇所に対向して設けられ、媒体の搬送方向に対して前記剥離手段の下流に配置された前記回転体から前記媒体スタッカまでの距離を、前記媒体スタッカにセットされる媒体の長さより短く設定した
ことを特徴とするラベル印刷貼付機。
【請求項2】
前記媒体スタッカは、媒体の幅方向の位置を規制すると共に、媒体の幅方向に沿った位置が調整可能な媒体ガイド手段を備え、
前記媒体搬送手段は、前記回転体から媒体の搬送方向に沿った前記媒体ガイド手段の先端までの距離を、前記媒体スタッカにセットされる媒体の長さより短く設定した
ことを特徴とする請求項1記載のラベル印刷貼付機。
【請求項3】
前記媒体スタッカと前記媒体搬送路は、ラベルが貼り付けられた媒体が排出される媒体排出口が前記封筒スタッカより低くなる方向に傾斜させた
ことを特徴とする請求項1または2記載のラベル印刷貼付機。
【請求項4】
前記装填部と前記ラベル搬送手段と前記印刷手段と前記剥離手段と前記ラベル巻き取り手段が設けられたラベル処理ユニットと、
前記媒体スタッカと前記媒体搬送手段と前記媒体搬送路が設けられた装置本体を備え、
前記ラベル処理ユニットを、前記媒体搬送路の上側に配置すると共に、軸を支点とした回転動作で前記装置本体に対して上側に開閉可能とし、前記ラベル処理ユニットを前記装置本体に対して開くことで、前記ラベル搬送手段でラベル用紙が搬送される経路に、ラベルロールから引き出したラベル用紙をセット可能とした
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のラベル印刷貼付機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−46236(P2012−46236A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191566(P2010−191566)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】