説明

ラベル発行装置、及び、精算処理システム

【課題】顧客に対して医薬品等についての説明がされたこと、あるいは顧客が医薬品等の説明が不要であると意志表示したことを客観的に証明することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ラベル発行装置1は、ラベル等発行部11を備える。ラベル等発行部11は、顧客に対して医薬品等(医薬品及び医薬部外品の総称)についての説明がされたことを示す説明済みラベル、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを示す説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを発行するラベル発行装置、及び、そのラベル発行装置を備える精算処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラベルを発行する装置について様々な技術が提案されている。特許文献1には、バーコードが印刷されたラベルを発行するラベル印刷機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−246970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、2009年6月1日より改正薬事法が施行される。この改正薬事法によれば、薬局等で販売される一般医薬品は、その取扱いの危険度に応じて、第一類から第三類医薬品のいずれか一つに分類されることになる。同法によれば、取扱いの危険度が最も高い第一類医薬品を販売する際には、顧客が説明不要の意志表示を行わない限り、販売者には、顧客に対して第一類医薬品の取扱い等を説明する義務が課せられる。また、第二類医薬品及び第三類医薬品については、販売者は、顧客から書面による説明を求められた際には、それに応じる義務がある。
【0005】
この場合、販売者が顧客に対して説明を行ったにもかかわらず、顧客が説明を受けていないと主張することなどが考えられることから、顧客に対して医薬品の説明を行ったことを販売者が客観的に証明できることが望まれる。また、顧客が説明不要の意志表示をしたために販売者は説明を行わなかったにもかかわらず、説明を受けていない顧客がそのような意志表示をしていないと主張することなどが考えられることから、顧客が医薬品の説明が不要であると意志表示したことを販売者が客観的に証明できることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、顧客に対して医薬品等についての説明がされたこと、あるいは顧客が医薬品等の説明が不要であると意志表示したことを客観的に証明することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ラベル発行装置であって、顧客に対して医薬品等(医薬品及び医薬部外品の総称)についての説明がされたことを示す説明済みラベル、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを示す説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するラベル発行部を備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、前記ラベル発行部は、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルを発行する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う第1入力、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う第2入力の少なくとも一方を受け付ける入力部と、前記入力部が前記第1入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明済みラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御し、前記入力部が前記第2入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明不要ラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御する制御部とをさらに備える。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載のラベル発行装置であって、前記入力部は、顧客の入力操作を受け付ける操作部であって、前記制御部は、顧客が操作できるように前記操作部が顧客に向けられたときにだけ、前記操作部が受け付ける前記第1及び第2入力の少なくとも一方を有効にする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載のラベル発行装置であって、前記制御部によって制御されるタッチパネルをさらに備え、前記入力部は、前記タッチパネルの表示画面に表示される入力ボタンであり、前記制御部は、前記表示画面が顧客に向けられたときにだけ前記入力ボタンが前記表示画面に表示されるように前記タッチパネルを制御する。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、表示部と、医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報の入力を受け付ける使用者識別情報入力部と、外部に通知を行う通知部と、前記ラベル発行部、前記表示部及び前記通知部を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、(a)医薬品等識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、(a−1)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、(a−1−1)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師である場合には、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御し、(a−1−2)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師以外である場合には、前記通知部にエラーを外部に通知させ、(a−2)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品以外である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示せずに、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御する。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、表示部と、医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報の入力を受け付ける使用者識別情報入力部と、外部に通知を行う通知部と、前記ラベル発行部、前記表示部及び前記通知部を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、(a)医薬品等識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、(a−1)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品以外である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、(a−1−1)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師または登録販売者である場合には、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御し、(a−1−2)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師及び登録販売者以外である場合には、前記通知部にエラーを外部に通知させ、(a−2)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示せずに、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御する。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、記憶部と、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行われる第1入力、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行われる第2入力の少なくとも一方を受け付ける入力部と、前記入力部が前記第1入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明済みラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御するとともに前記第1入力の履歴をデータとして前記記憶部に記憶し、前記入力部が前記第2入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明不要ラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御するとともに前記第2入力の履歴をデータとして前記記憶部に記憶する制御部とをさらに備える。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、表示部と、前記ラベル発行装置を使用する薬剤師の勤怠状況を管理する管理部と、前記勤怠状況に応じて、前記薬剤師が不在であることを前記表示部に表示させる制御部とを備える。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、表示部と、前記ラベル発行装置を使用する薬剤師の勤怠状況を少なくとも管理する管理部と、医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、外部に通知を行う通知部と、前記表示部及び前記通知部を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記管理部が管理する前記薬剤師の勤怠状況が前記薬剤師の不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、少なくとも第一類医薬品である場合には、前記通知部にエラーを通知させる。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のラベル発行装置であって、前記管理部は、前記ラベル発行装置を使用する登録販売者の勤怠状況も管理し、前記制御部は、前記管理部が管理する前記薬剤師及び前記登録販売者の勤怠状況が、前記薬剤師のみの不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品である場合には、前記通知部にエラーを通知させ、前記管理部が管理する前記薬剤師及び前記登録販売者の勤怠状況が、前記薬剤師及び前記登録販売者の不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類から第三類医薬品のいずれかである場合には、前記通知部にエラーを通知させる。
【0018】
また、請求項12の発明は、請求項1に記載のラベル発行装置であって、前記医薬品等識別情報は、JANコードであり、前記説明済みラベルには、前記医薬品等識別情報、前記顧客が医薬品等についての説明を受けた日付、当該説明済みラベルを発行した、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報、前記顧客を識別するための顧客識別情報及び当該説明済みラベルを識別するためのラベル識別情報の少なくとも一つが印刷され、前記説明不要ラベルには、前記医薬品等識別情報、前記顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示をした日付、当該説明不要ラベルを発行した、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報、前記顧客を識別するための顧客識別情報及び当該説明不要ラベルを識別するためのラベル識別情報の少なくとも一つが印刷される。
【0019】
また、請求項13の発明は、精算処理システムであって、請求項8に記載のラベル発行装置と、キャッシュレジスタとを備え、前記キャッシュレジスタは、医薬品等を精算する際に、前記ラベル発行装置の前記記憶部に当該医薬品等に関する前記履歴が記憶されている場合には精算処理を行い、前記記憶部に当該医薬品等に関する前記履歴が記憶されていない場合には外部にエラーを通知する。
【0020】
また、請求項14の発明は、精算処理システムであって、請求項1に記載のラベル発行装置と、キャッシュレジスタとを備え、前記説明済みラベル及び前記説明不要ラベルは、医薬品等に貼付されるラベルであり、医薬品等には当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報が予め示されており、前記ラベル発行装置は、医薬品等に関する前記説明済みラベルを発行する際には、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報とは別の、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報を前記説明済みラベルに印刷し、医薬品等に関する前記説明不要ラベルを発行する際には、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報とは別の、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報を前記説明不要ラベルに印刷し、前記キャッシュレジスタは、医薬品等を精算する際に当該医薬品等から取得した医薬品等識別情報が、当該医薬品等に貼付された前記説明済みラベルあるいは前記説明不要ラベルに印刷付されている医薬品等識別情報である場合には精算処理を行い、医薬品等を精算する際に当該医薬品等から取得した医薬品等識別情報が、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報である場合にはエラーを外部に通知する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1乃至請求項14に係る発明によれば、顧客に対して医薬品等についての説明がされた記録を説明済みラベルとして、あるいは顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示した記録を説明不要ラベルとして残すことができる。したがって、顧客に対して医薬品等についての説明がされたこと、あるいは顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを客観的に証明することができる。
【0022】
特に、請求項2に記載の発明によれば、顧客に対して医薬品等についての説明がされたこと、及び顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの両方を客観的に証明することができる。
【0023】
特に、請求項3乃至請求項5に記載の発明によれば、説明済みラベル及び説明不要ラベルの少なくとも一方は顧客の意志によって発行されるため、本発明に係るラベル発行装置の使用者が、説明済みラベル及び説明不要ラベルの少なくとも一方を誤って発行してしまうことを防止できる。
【0024】
特に、請求項6に記載の発明によれば、医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品でない場合には、使用者識別情報の入力動作を省略することができる。したがって、医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品でない場合には、医薬品等識別情報を受け付けてから、説明済みラベル及び説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するまでの一連動作を容易化することができる。
【0025】
特に、請求項7に記載の発明によれば、医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品である場合には、使用者識別情報の入力動作を省略することができる。したがって、医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬品部外品である場合には、医薬品等識別情報を受け付けてから、説明済みラベル及び説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するまでの一連動作を容易化することができる。
【0026】
特に、請求項8に記載の発明によれば、顧客が医薬品等についての説明を受けたことの履歴、あるいは顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの履歴を残すことができる。したがって、顧客に対して医薬品等についての説明が行われたこと、あるいは顧客が医薬品等についての説明が不要であると意思表示したことをさらに客観的に証明することができる。
【0027】
特に、請求項9に記載の発明によれば、薬剤師の勤怠状況に応じて、当該薬剤師が不在であることを表示する。したがって、顧客に対して薬剤師が不在であることを通知するために、本発明に係るラベル発行装置に対して特別な入力処理を行う必要がない。
【0028】
特に、請求項10に記載の発明によれば、薬剤師が不在であり、医薬品等識別情報で識別される医薬品等が少なくとも第一類医薬品である場合には、通知部がエラーを通知する。したがって、薬剤師が不在の場合に、少なくとも第一類医薬品が誤って販売されるのを防ぐことができる。
【0029】
特に、請求項11に記載の発明によれば、薬剤師のみが不在であり、医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類医薬品である場合には、通知部がエラーを通知する。また、薬剤師及び登録販売者の両方が不在であり、医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類から第三類医薬品のいずれかである場合には、通知部がエラーを通知する。したがって、薬剤師が不在の場合に、第一類医薬品が誤って販売されるのを防ぐとともに、薬剤師及び登録販売者が不在の場合に、第一類から第三類医薬品が誤って販売されるのを防ぐことができる。
【0030】
特に、請求項13に記載の発明によれば、医薬品等を精算する際に、顧客が当該医薬品等についての説明を受けたことの履歴、あるいは顧客が当該医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの履歴が残っていない場合にはエラーを通知する。したがって、医薬品等の説明を行う者と、医薬品等を販売する者とが異なる場合に、医薬品等を販売する者は、顧客に対して、購入する医薬品等についての説明を受けたか、あるいは購入する医薬品等についての説明が不要であると意志表示したかを確認することができる。これにより、医薬品等の説明義務が遂行されないことを防止できる。
【0031】
特に、請求項14に記載の発明によれば、精算対象の医薬品等から取得された医薬品等識別情報が、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルに印刷された医薬品等識別情報である場合には当該医薬品等の精算処理を行い、精算対象の医薬品等から取得された医薬品等識別情報が、当該医薬品等に予め示された医薬品等識別情報である場合にはエラーを通知する。したがって、医薬品等の説明を行う者と、医薬品等を販売する者とが異なる場合に、医薬品等を販売する者は、顧客に対して、購入する医薬品等についての説明を受けたか、あるいは購入する医薬品等についての説明が不要であると意志表示したかを確認することができる。これにより、医薬品等の説明義務が遂行されないことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態に係る精算処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係るラベル発行装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係るラベル発行装置の構成を示す正面図である。
【図4】実施の形態に係るPOSレジスタの構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係るPOSレジスタ及びストアコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示す図である。
【図11】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示す図である。
【図12】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示す図である。
【図13】実施の形態に係るラベル発行装置の動作を示す図である。
【図14】変形例1に係るラベル発行装置の構成を示すブロック図である。
【図15】変形例2に係るラベル発行装置の構成を示すブロック図である。
【図16】変形例2に係るラベル発行装置の構成を示す正面図である。
【図17】変形例2に係るラベル発行装置の構成を示す正面図である。
【図18】変形例5に係るラベル発行装置の構成を示すブロック図である。
【図19】変形例5に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】変形例6に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】変形例7に係るラベル発行装置の動作を示すフローチャートである。
【図22】変形例8に係るPOSレジスタ及びストアコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図23】変形例9に係るラベル発行装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<はじめに>
2009年6月1日より施行される改正薬事法によれば、一般用医薬品は、その取扱いの危険度に応じて、第一類から第三類医薬品に分類される。同法によれば、取扱いの危険度が最も高い第一類医薬品を販売する際には、顧客が説明不要の意思表示を行わない限り、販売者には、顧客に対して第一類医薬品の取扱い等を説明する義務が課せられる。一方、取扱いの危険度が比較的低い第二類及び第三類医薬品を販売する際には、原則として、販売者には、それら医薬品の説明をする義務は課せられない。しかし、販売者は、顧客から、それら医薬品についての書面による説明を求められた際には、それに応じる義務がある。
【0034】
この場合、販売者は、顧客に対して医薬品等の説明がされたこと、または、顧客が説明不要の意思表示を行ったことを、客観的に証明できることが望まれる。上述のように、例えば、販売者が顧客に対して説明を行ったにもかかわらず、顧客が説明を受けていないと主張する場合や、顧客が説明不要の意志表示をしたために販売者は説明を行わなかったにもかかわらず、説明を受けていない顧客がそのような意志表示をしていないと主張することなどが考えられるからである。
【0035】
そこで、本発明に係るラベル発行装置及びそれを備える精算処理システムは、顧客に対して医薬品等についての説明がされたことを示す説明済みラベル、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを示す説明不要ラベルの少なくとも一方を発行する。そのため、顧客に対して医薬品等についての説明を行ったこと、あるいは顧客が医薬品等の説明が不要であると意志表示したことを客観的に証明することができる。以下、このような本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明では、「医薬品等」とは、医薬品及び医薬部外品の総称である。つまり、「医薬品等」は、医薬品と医薬部外品との両方を含む概念である。
【0036】
<実施の形態>
図1は、本実施の形態に係る精算処理システム100の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る精算処理システム100は、スーパーマーケットやドラッグストアーなど、医薬品等を販売している店舗に導入される。
【0037】
図に示すように、本実施の形態に係る精算処理システム100は、ラベル発行装置1と、キャッシュレジスタの1種であるPOS(Point Of Sale)レジスタ2と、ラベル発行装置1及びPOSレジスタ2のそれぞれと通信するストアコントローラ3とを備える。POSレジスタ2は複数設けられるが、図1では簡単のため、1つのPOSレジスタ2のみが示されている。ラベル発行装置1、POSレジスタ2及びストアコントローラ3は、インターネット等のネットワーク4を介して互いに接続されている。
【0038】
図2は、ラベル発行装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るラベル発行装置1は、ラベルのみならず、非接着性シートも発行することができる。また、ラベル発行装置1は、それが設置されている店舗で販売されている医薬品等の説明を表示することができる。本実施の形態では、薬剤師、登録販売者、その他販売者(以下、「一般販売者」と呼ぶ)のいずれもが、医薬品等を販売する店員として、ラベル発行装置1を使用するものとする。なお、以下、ラベル発行装置1の使用者(操作者)を、略して「使用者」と呼ぶこともある。図3は、使用者がラベル発行装置1を操作する側から見たときのラベル発行装置1の正面図である。図2に示すように、ラベル発行装置1は、ラベル等発行部11と、バーコードリーダ12と、発行ボタン13と、テンキー14と、タッチパネル15と、通信部19と、記憶部20と、ラベル発行装置1全体での動作を統括的に制御する制御部21と、ラベル発行装置1を起動/立ち下げを行う電源ボタン29とを備える。
【0039】
バーコードリーダ12は、入荷時から医薬品等に付されている商品バーコードを読み取る。医薬品等に付されている商品バーコードは、JANコードなどの、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報を示している。バーコードリーダ12が、商品バーコードを読み取ることによって、それが示す医薬品等識別情報がバーコードリーダ12に入力される。そして、医薬品等を識別するための医薬品等識別情報から、当該医薬品等が第一類から第三類医薬品及び医薬部外品のいずれに該当するかを判定することができる。
【0040】
また、バーコードリーダ12は、使用者が有している社員証等に付されている使用者バーコードを読み取る。使用者が有する社員証等に付されている使用者バーコードは、当該使用者を識別するための使用者識別情報を示している。バーコードリーダ12が、使用者バーコードを読み取ることによって、それが示す使用者識別情報がバーコードリーダ12に入力される。そして、使用者を識別するための使用者識別情報から、当該使用者が、薬剤師、登録販売者、一般販売者のいずれに該当するかを判定することができる。
【0041】
このように、バーコードリーダ12は、医薬品等識別情報の入力を受け付ける入力部として機能するとともに、使用者識別情報の入力を受け付ける入力部として機能する。
【0042】
図3に示すように、ラベル発行装置1には、ラベル等発行部11が有するカセット11a、発行ボタン13、テンキー14、タッチパネル15及び電源ボタン29が、当該ラベル発行装置1を使用者が操作する側から見た際にそれらを視認できるように設けられている。
【0043】
カセット11aは、ラベル発行装置1と脱着可能となっている。カセット11aの種類としては、例えば、無地のラベルが複数貼られたラベルシートがセットされたラベルカセットと、接着性が無い無地の非接着性シートがセットされたシートカセットが用意されている。ラベル発行装置1には、ラベルカセット及びシートカセットのいずれか1つが装着される。ラベル等発行部11は、ラベル発行装置1にラベルカセットが装着されたときには、ラベルを発行する発行部として機能し、ラベル発行装置1にシートカセットが装着されたときには、非接着性シートを発行する発行部として機能する。
【0044】
ラベル等発行部11は、ラベルカセットのラベルシート、または、シートカセットの非接着性シートに文字、図形、記号等を印刷し、印刷したラベルシート等をラベル発行装置1の外部に排出する。ラベルカセット及びシートカセットには、複数の穴が、ラベル等発行部11の印刷の邪魔にならない位置に設けられている。ラベルカセットの複数の穴の配置パターンと、シートカセットの複数の穴の配置パターンとは互いに異なっている。ラベル等発行部11は、カセット11aに設けられた複数の穴の配置パターンを検出して、その検出結果を制御部21に通知する。制御部21は、通知された検出結果から、ラベルカセット及びシートカセットのいずれがラベル発行装置1に装着されたかを判定し、その判定結果に応じて、ラベル等発行部11が印刷する内容を切り替える。
【0045】
本実施の形態では、ラベル発行装置1に装着されるカセット11aが、ラベルカセットである場合には、ラベル等発行部11は、ラベルカセットにセットされている無地のラベルに対して、顧客に対して医薬品等についての説明がされた旨、あるいは顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示した旨を印刷する。一方、ラベル発行装置1に装着されるカセット11aが、シートカセットである場合には、ラベル等発行部11は、シートカセットにセットされている無地の非接着性シートに対して医薬品等についての説明文を印刷する。
【0046】
発行ボタン13は、使用者の入力操作を受け付ける。発行ボタン13が使用者により押下げられると、制御部21は、ラベル等発行部11が上述の印刷を行うように、ラベル等発行部11を制御する。テンキー14は、「0」〜「9」及び「00」をそれぞれ入力するための複数のボタンで構成されている。本実施の形態では、図3に示すように、発行ボタン13及びテンキー14には、タッチパネル15とは別に、その下側に設けられている。
【0047】
タッチパネル15は、使用者に対して各種情報を表示する表示部16と、使用者の入力操作を受け付ける操作部17として機能する。タッチパネル15(操作部17)が受け付けた、使用者からの入力操作は、制御部21に通知される。制御部21は、通知された入力操作に応じた動作を行う。したがって、使用者は、タッチパネル15(操作部17)において入力操作を行うことにより、ラベル発行装置1に所望の動作を実行させることができる。
【0048】
さらに、タッチパネル15は、ラベル発行装置1が所定の状態になったときに、使用者にエラーを通知する通知部18として機能する。タッチパネル15は、例えば文字表示を行うことにより、使用者にエラーを通知する。
【0049】
なお、本実施の形態では、タッチパネル15が表示部16及び操作部17として機能しているが、表示部16と操作部17とを別々のハードウェアで構成しても良い。
【0050】
また、本実施の形態では、タッチパネル15が通知部18として機能しているが、通知部18は、外部にエラーを通知するものであれば良く、音を出力する、スピーカー等の発音部を通知部18として使用しても良いし、光を出力する、LED等の発光部を通知部18として使用しても良い。
【0051】
通信部19は、ネットワーク4を介してストアコントローラ3及び医薬品等の説明文を提供する契約先のサーバ(図示しない)と通信を行う。制御部21は、通信部19及びネットワーク4を介してストアコントローラ3及び契約先のサーバと通信を行う。また、制御部21は、電源ボタン29がOFFからONにされるたびに、上述のシートカセットの非接着性シートに印刷される、医薬品等の説明文のデータを契約先のサーバからダウンロードし、記憶部20に記憶する。
【0052】
記憶部20は、医薬品等の説明文のデータなどの多種の情報を記憶する。記憶部20には、例えば、ハードディスクが用いられる。
【0053】
図4は、POSレジスタ2の構成を示すブロック図である。図4に示すように、POSレジスタ2は、通信部31と、通知部32と、バーコードリーダ33と、記憶部34と、当該POSレジスタ2全体での動作を統括的に制御する制御部35とを備える。
【0054】
通信部31は、ネットワーク4を介してストアコントローラ3と通信を行う。制御部35は、通信部31及びネットワーク4を介してストアコントローラ3と通信を行う。
【0055】
通知部32は、例えば、音を出力する発音部、光を出力する発光部、あるいは文字等の表示を行う表示部であって、POSレジスタ2の使用者にエラーを通知する。
【0056】
バーコードリーダ33は、医薬品等に付されている商品バーコードを読み取る。バーコードリーダ33が、医薬品等に付されている商品バーコードを読み取ることによって、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報がバーコードリーダ33に入力される。
【0057】
記憶部34は、テーブルなどの多種の情報を記憶する。制御部35は、バーコードリーダ33に入力された医薬品等識別情報、及び、記憶部34に記憶されているテーブルに基づいて、当該医薬品等識別情報に対応する医薬品等を特定する。
【0058】
図1に示したストアコントローラ3は、一般的なコンピュータで構成され、POSレジスタ2及びラベル発行装置1を管理する。ストアコントローラ3は、ネットワーク4を介して、店舗を統括管理する本部センターに配置されたサーバ装置等のコンピュータと通信可能とされている。
【0059】
図5〜図8は、ラベル発行装置1の動作を示すフローチャートであり、図9は、POSレジスタ2及びストアコントローラ3の動作を示すフローチャートである。以下、図5〜図9を用いて、精算処理システム100の動作について説明する。
【0060】
まず、図5において、ラベル発行装置1の電源ボタン29がONされると(ステップs1)、制御部21は、タッチパネル15にメイン画面を表示するようにタッチパネル15を制御する(ステップs2)。それとともに、制御部21は、ネットワーク4及び通信部19を介して、医薬品等の説明文のデータを蓄積している、契約先のサーバにアクセスする。契約先のサーバは、制御部21からのアクセスがあると、新たに説明文が登録された医薬品等がある場合、あるいは、説明文はすでに登録されているがその内容が変更されている医薬品等がある場合などに、当該医薬品等の説明文のデータを、制御部21に送信する。制御部21は、契約先のサーバから医薬品等の説明文のデータを受け取ると、記憶部20に記憶する。
【0061】
タッチパネル15がメイン画面を表示している際に、タッチパネル15が使用者による所定の入力操作を受け付けた場合には(ステップs3)、制御部21は、医薬品等識別情報の入力を促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs4)。例えば、制御部21は、医薬品等に印刷等によって予め付された、医薬品等識別情報を示す商品バーコードを読み取ることを促す内容をタッチパネル15に表示させる。この場合に、タッチパネル15に表示される内容の一例を図10に示す。
【0062】
ステップs4の後、制御部21は、医薬品等識別情報の入力待ち状態となる(ステップs5)。タッチパネル15が、商品バーコードの読み取りを促す内容を表示している際に、使用者のバーコードリーダ12に対する操作によって、バーコードリーダ12が、店舗で販売されている医薬品等に付されている商品バーコードを読み取ると、当該商品バーコードが示す医薬品等識別情報がバーコードリーダ12を通じて制御部21に入力される。制御部21は、医薬品等識別情報が入力されると、記憶部20に記憶されている医薬品等特定テーブルを確認する。医薬品等特定テーブルでは、医薬品等識別情報と、当該医薬品等識別情報で識別される医薬品等に関する、医薬品等識別情報及び医薬品等の説明文以外の情報(以後、「医薬品等情報」と呼ぶ)とが一対一で対応付けられている。この医薬品等情報には、医薬品等の名称や、医薬品等が第一類から第三類医薬品及び医薬部外品のいずれに該当するかを示す種別情報が含まれている。制御部21は、医薬品等特定テーブルから、入力された医薬品等識別情報に対応する医薬品等情報を取得する(ステップs6)。
【0063】
次に、制御部21は、取得した医薬品等情報から、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類から第三類医薬品及び医薬部外品のいずれかに該当するかを判定する(ステップs7)。制御部21は、当該医薬品等が、第一類医薬品であると判定した場合には「処理A」を行い、第二類医薬品または第三類医薬品であると判定した場合には「処理B」を行い、医薬部外品に該当すると判定した場合には「処理C」を行う。
【0064】
図6は、ラベル発行装置1が処理Aを行うときの動作を示すフローチャートである。まず、制御部21は、タッチパネル15に、使用者識別情報の入力を促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs11)。例えば、制御部21は、使用者識別情報を示す使用者バーコードを読み取ることを促す内容をタッチパネル15に表示させる。この場合に、タッチパネル15に表示される内容の一例を図11に示す。この図11では、制御部21が、ステップs6で取得した医薬品等情報に含まれる医薬品等の名称及びその種別もタッチパネル15に表示させる例が示されている。なお、図に示される「○○○○」は医薬品等の名称を示している。以下の図において同様である。
【0065】
ステップs11の後、制御部21は、使用者識別情報の入力待ち状態となる(ステップs12)。制御部21は、タッチパネル15が、使用者バーコードの読み取りを促す内容を表示している際に、バーコードリーダ12が、使用者バーコードを読み取り、バーコードリーダ12を通じて制御部21に使用者識別情報が入力されると、記憶部20に記憶されている使用者特定テーブルを確認する。使用者特定テーブルでは、使用者識別情報と、当該使用者識別情報で識別される使用者に関する、使用者識別情報以外の情報(以後、「使用者情報」と呼ぶ)とが一対一で対応付けられている。この使用者情報には、使用者の名称や、使用者が薬剤師、登録販売者及び一般販売者のいずれに該当するかを示す種別情報が含まれている。制御部21は、使用者特定テーブルから、入力された使用者識別情報に対応する使用者情報を取得する(ステップs13)。
【0066】
次に、制御部21は、取得した使用者情報から、入力された使用者等識別情報で識別される使用者が、薬剤師、登録販売者及び一般販売者のいずれに該当するかを判定する(ステップs14)。制御部21は、当該使用者が、薬剤師以外に該当、つまり、登録販売者あるいは一般販売者に該当すると判定した場合には、使用者に対して、バーコードリーダ12で読み取られた商品バーコードで特定される医薬品等を販売する権限がない旨のエラーをタッチパネル15に表示させる(ステップs15)。第一類医薬品については、薬剤師しか販売できないことから、このようなエラーを外部に通知することによって、販売権限の無い登録販売者及び一般販売者が第一類医薬品を販売することを防止できる。
【0067】
その後、制御部21は、ステップs12に戻って、バーコードリーダ12を、使用者識別情報の入力待ち状態にする。制御部21は、入力された使用者識別情報で識別される使用者が、薬剤師に該当すると判定した場合には、処理Cを行う。
【0068】
図7は、ラベル発行装置1が処理Bを行うときの動作を示すフローチャートである。まず、制御部21は、タッチパネル15に、使用者識別情報の入力を促す内容を表示するように、タッチパネル15を制御する(ステップs21)。この場合に、制御部21は、図11と同じ形式で、使用者バーコードの読み取りを促す内容を表示する。
【0069】
ステップs21の後、制御部21は、使用者識別情報の入力待ち状態となる(ステップs22)。制御部21は、タッチパネル15が、使用者バーコードの読み取りを促す内容を表示している際に、バーコードリーダ12が、使用者バーコードの読み取り、バーコードリーダ12を通じて制御部21に使用者識別情報が入力されると、記憶部20に記憶されている、上述の使用者特定テーブルを確認する。制御部21は、使用者特定テーブルから、入力された使用者識別情報に対応する使用者情報を取得する(ステップs23)。
【0070】
次に、制御部21は、取得した使用者情報から、入力された使用者識別情報で識別される使用者が、薬剤師、登録販売者及び一般販売者のいずれに該当するかを判定する(ステップs24)。制御部21は、当該使用者が、薬剤師及び登録販売者以外、つまり、一般販売者に該当すると判定した場合には、使用者に対して、バーコードリーダ12で読み取られた商品バーコードで特定される医薬品等を販売する権限がない旨のエラーをタッチパネル15に表示させる(ステップs25)。第二類及び第三類医薬品については、薬剤師及び登録販売者しか販売できないことから、このようなエラーを外部に通知することによって、販売権限の無い一般販売者が第二類及び第三類医薬品を販売することを防止できる。
【0071】
その後、制御部21は、ステップs22に戻って、バーコードリーダ12を、使用者識別情報の入力待ち状態にする。制御部21は、入力された使用者識別情報で識別される使用者が、薬剤師または登録販売者に該当すると判定した場合には、処理Cを行う。
【0072】
図8は、ラベル発行装置1が処理Cを行うときの動作を示すフローチャートである。まず、制御部21は、ステップs6で入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等に関する説明文のデータを記憶部20から読み出し、タッチパネル15に当該説明文を表示させる(ステップs31)。図12は、ステップs31において、タッチパネル15が表示する内容を示す図である。図12に示すように、制御部21は、タッチパネル15に、説明文とともに、説明完了ボタン15aと、説明不要ボタン15bとをGUI(Graphical User Interface)表示させる(同ステップs31)。
【0073】
使用者は、医薬品等を購入しようとしている顧客から、当該医薬品等についての説明を希望する旨を聞いた場合には、タッチパネル15に表示されている説明文を参照して、当該顧客に対して当該医薬品等について説明する。その後、使用者は、自ら、タッチパネル15に表示されている、一種の入力部である説明完了ボタン15aに対して入力操作を行う。一方、使用者は、医薬品等を購入しようとしている顧客が、当該医薬品等についての説明が不要である旨を聞いた場合には、使用者自ら、タッチパネル15に表示されている、一種の入力部である説明不要ボタン15bに対して入力操作を行う。
【0074】
制御部21は、ステップs31の後、タッチパネル15に表示している説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bのいずれが、使用者の入力操作を受け付けたかを判定する(ステップs32)。
【0075】
制御部21は、説明不要ボタン15bが、使用者の入力操作を受け付けたと判定した場合には、ラベルカセットの装着待ち状態となる。(ステップs33)。使用者が、ラベル発行装置1にラベルカセットを装着すると、ラベル等発行部11は、当該ラベルカセットに設けられた複数の穴の配置パターンを検出し、その検出結果を制御部21に通知する。制御部21は、通知された検出結果から、ラベルカセットが装着されたと判定する。その後、制御部21は、発行ボタン13からの入力待ち状態になるとともに、図13に示すように、発行ボタン13の押下げを促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs34)。その後、発行ボタン13は、図13の表示を確認した使用者に押下される(ステップs35)。
【0076】
制御部21は、発行ボタン13が押下げられたと判定した場合には、ラベル等発行部11が、ラベルカセットにセットされているラベルシートに貼付されている一のラベルに所定の情報を印刷して、印刷後の当該一のラベルを発行するように、ラベル等発行部11を制御する(ステップs36)。ここで発行されたラベルは、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意思表示したことを示す説明不要ラベルであって、当該ラベルには、「説明不要」の文字と、ステップs6でバーコードリーダ12が読み取った商品バーコードと同じ商品バーコードとが印刷されている。
【0077】
さらに、制御部21は、入力された医薬品等識別情報、発行ボタン13が押された日付、発行されたラベルを識別するためのラベル番号、処理Aあるいは処理Bを行った場合にはその処理において取得された使用者情報に含まれる使用者の名前、及び、ラベル等発行部11が発行したラベルが「説明不要ラベル」である旨を示すデータを説明不要履歴データとして記憶部20に記憶する(同ステップs36)。この説明不要履歴データを確認することによって、説明不要ボタン15aが押下されたことを知ることができる。つまり、説明不要履歴データは、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に説明不要ボタン15bに対して行われる入力の履歴を示していることになる。制御部21は、こうして記憶部20に記憶した説明不要履歴データを、定期的にストアコントローラ3に送信する。
【0078】
その後、使用者は、ラベル等発行部11が発行した説明不要ラベルを、ステップs6で商品バーコードが読み取られた医薬品等に貼り付ける。
【0079】
一方で、制御部21は、ステップs32において、説明完了ボタン15aが、使用者の入力操作を受け付けたと判定した場合には、カセット11aの装着待ち情報となる。そして、制御部21は、ラベル発行装置1にカセット11aが装着されると、ラベルカセット及びレシートカセットのいずれが装着されたかを判定する(ステップs38)。
【0080】
ここで、使用者は、説明完了ボタン15aを操作した後、顧客に対して、説明した医薬品等についての説明文が必要か否かを尋ねる。使用者は、顧客が説明文不要と意思表示した場合には、ラベル発行装置1にラベルカセットを装着する。一方で、使用者は、顧客が説明文が必要であると意思表示した場合には、ラベル発行装置1にシートカセットを装着する。
【0081】
制御部21は、ラベル発行装置1に装着されたカセット11aが、ラベルカセットであると判定すると、発行ボタン13からの入力待ち状態となるとともに、図13に示したように、発行ボタン13の押下げを促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs39)。その後、発行ボタン13は、図13の表示を確認した使用者に押下される(ステップs40)。
【0082】
制御部21は、発行ボタン13が押下げられたと判定した場合には、ラベル等発行部11が、ラベルカセットにセットされているラベルシートに貼付されている一のラベルに所定の情報を印刷して、印刷後の当該一のラベルを発行するように、ラベル等発行部11を制御する(ステップs41)。ここで発行されたラベルは、顧客に対して医薬品等についての説明がされたことを示す説明済みラベルであって、当該ラベルには、「説明済み」の文字と、ステップs6でバーコードリーダ12が読み取った商品バーコードと同じ商品バーコードとが印刷されている。
【0083】
さらに、制御部21は、入力された医薬品等識別情報、発行ボタン13が押された日付、上述のラベル番号、処理Aあるいは処理Bを行った場合にはその処理において取得された使用者情報に含まれる使用者の名前、及び、ラベル等発行部11が発行したラベルが「説明済みラベル」である旨を示すデータを説明済み履歴データとして記憶部20に記憶する(同ステップs41)。この説明済み履歴データを確認することによって、説明完了ボタン15aが押下されたことを知ることができる。つまり、説明済み履歴データは、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に説明完了ボタン15aに対して行われる入力の履歴を示していることになる。制御部21は、こうして記憶部20に記憶した説明済み履歴データを、定期的にストアコントローラ3に送信する。
【0084】
その後、使用者は、ラベル等発行部11が発行した説明済みラベルを、ステップs6で商品バーコードが読み取られた医薬品等に貼り付ける。
【0085】
一方、制御部21は、ラベル発行装置1に装着されたカセット11aが、シートカセットであると判定すると、発行ボタン13からの入力待ち状態となるとともに、図13に示したように、発行ボタン13の押下げを促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs43)。その後、発行ボタン13は、図13の表示を確認した使用者によって押下される(ステップs44)。
【0086】
制御部21は、発行ボタン13が押下げられたと判定した場合には、ラベル等発行部11が、医薬品等の説明文のうち、(1)医薬品等の名称、(2)有効成分の名称・成分、(3)用法・容量、(4)効能・効果、(5)使用上の注意、(6)その他薬剤師が必要と判断する事項の主要6項目の内容について、シートカセットにセットされている無地の非接着性シートに印刷し、印刷後の非接着性シートを発行するように、ラベル等発行部11を制御する(ステップs45)。これにより、医薬品等の販売者は、改正薬事法により定められた、顧客が説明文書を求めた際の、顧客に対する説明文書の引渡しの義務を容易に遂行することができる。
【0087】
ステップs45の後、制御部21は、ラベルカセットの装着待ち状態になる(ステップs46)。その後、使用者がラベル発行装置1にラベルカセットを装着し、制御部21が、ラベル発行装置1に装着されたカセット11aが、ラベルカセットであると判定すると、制御部21は、発行ボタン13からの入力待ち状態になるとともに、図13に示したように、発行ボタン13の押下げを促す内容をタッチパネル15に表示させる(ステップs47)。
【0088】
その後、発行ボタン13が、図13の表示を確認した使用者に押下されると(ステップs48)、制御部21は、ステップs41と同様に、ラベル等発行部11に説明済みラベルを発行させるとともに、説明済み履歴データを生成して記憶部20に記憶する(ステップs49)。ただし、ステップs49で生成される説明済み履歴データには、発行したシートを識別するためのシート番号の情報も含められる。
【0089】
以上のような本実施の形態に係るラベル発行装置1によれば、説明済みラベルが発行されるため、顧客に対して医薬品等についての説明がされた記録を説明済みラベルとして残すことができる。よって、顧客に対して医薬品等についての説明がされたことを客観的に証明することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、説明不要ラベルが発行されるため、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示した記録を説明不要ラベルとして残すことができる。よって、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを客観的に証明することができる。
【0091】
なお、本実施の形態のように、説明済みラベル及び説明不要ラベルの両方を発行する方が望ましいが、説明済みラベル及び説明不要ラベルのどちらか一方を発行するだけでも良い。つまり、説明済みラベル及び説明不要ラベルの少なくとも一方を発行すれば良い。
【0092】
また、本実施の形態に係るラベル発行装置1によれば、医薬品等に付された商品バーコードを読み取ることによって、バーコードリーダ12が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品である場合には、処理Aや処理Bを行うことなく、処理Cを行っている。つまり、入力された医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品である場合には、使用者識別情報の入力を促す内容の表示を行わずに、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルを発行している。したがって、受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬品部外品である場合には、使用者識別情報の入力動作を省略することができ、医薬品等識別情報を受け付けてから、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルを発行するまでの一連動作を容易化することができる。
【0093】
なお、医薬部外品については、薬剤師、登録販売者及び一般販売者のいずれもが販売することができることから、処理Aや処理Bのように販売の権限を判定しなくても良い。
【0094】
また、本実施の形態に係るラベル発行装置1によれば、説明完了ボタン15aに対する入力の履歴(説明済み履歴データ)が記憶されるため、顧客が医薬品等についての説明を受けたことの履歴を残すことができる。よって、顧客に対して医薬品等についての説明が行われたことをさらに客観的に証明することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、説明不要ボタン15bに対する入力の履歴(説明不要履歴データ)が記憶されるため、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの履歴を残すことができる。よって、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことをさらに客観的に証明することができる。
【0096】
なお、本実施の形態1のように、説明済み履歴データ及び説明不要履歴データの両方を記憶することが望ましいが、説明済み履歴データ及び説明不要履歴データのどちらか一方を記憶しても良い。つまり、説明済み履歴データ及び説明不要履歴データの少なくとも一方を記憶すれば良い。
【0097】
次に、図9に示されるフローチャートを用いて、POSレジスタ2及びストアコントローラ3の動作を説明する。まず、POSレジスタ2の制御部35は、医薬品等識別情報の入力待ち状態となっている。(ステップs61)。POSレジスタ2の使用者によってバーコードリーダ33が操作されることによって、顧客が購入しようとする医薬品等に付されている商品バーコードをバーコードリーダ33が読み取ると、当該商品バーコードが示す医薬品等識別情報がバーコードリーダ33を通じて制御部35に入力される(ステップs62)。ここで読み込まれる商品バーコードは、入荷時から医薬品等に付されている商品バーコード、医薬品等に貼付されている説明済みラベルの商品バーコード、及び医薬品等に貼付されている説明不要ラベルの商品バーコードのいずれかである。本実施の形態では、説明済みラベル及び説明不要ラベルに付されている商品バーコードは、医薬品等に予め付されている商品バーコードと同じであるため、バーコードリーダ33が、どの商品バーコードを読み込んだとしても、得られる医薬品等識別情報は全く同一である。
【0098】
ステップs62の後、制御部35は、ストアコントローラ3と通信を行い、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等についての説明済み履歴データあるいは説明不要履歴データがストアコントローラ3にあるか否かをストアコントローラ3に問い合わせる(ステップs63)。つまり、制御部35は、顧客が当該医薬品等についての説明を受けたことの履歴、あるいは顧客が当該医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの履歴がストアコントローラ3にあるか否かをストアコントローラ3に問い合わせる。
【0099】
ストアコントローラ3は、POSレジスタ2から問い合わせのあった医薬品等について、説明済み履歴データあるいは説明不要履歴データがあれば、POSレジスタ2の制御部35に履歴がある旨を通知する。一方、ストアコントローラ3は、説明済み履歴データ及び説明不要履歴データがなければ、POSレジスタ2の制御部35に、履歴がない旨を通知する。
【0100】
POSレジスタ2の制御部35は、ストアコントローラ3から、履歴がある旨が通知されると、ステップs64〜ステップs66の精算処理を行う。具体的には、制御部35は、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等の売値を図示しない表示部に表示させる(ステップs64)。そして、制御部35は、POSレジスタ2の使用者によって、当該医薬品等の決済を指示する操作が図示しない操作部にされると(ステップs65)、当該医薬品等が販売された旨、当該医薬品が販売された日付等を記憶部20に記憶する(ステップs66)。
【0101】
一方、POSレジスタ2の制御部35は、ストアコントローラ3から、履歴がない旨が通知されると、制御部35は、POSレジスタ2の使用者に履歴がない旨のエラーを通知部32に通知させる(ステップs67)。
【0102】
なお、POSレジスタ2は、医薬品等以外の商品についても精算処理を行うことができる。
【0103】
以上のような精算処理システム100によれば、医薬品等を精算する際に、顧客が当該医薬品等についての説明を受けたことの履歴(説明済み履歴データ)、あるいは顧客が当該医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことの履歴(説明不要履歴データ)が残っていない場合には外部にエラーを通知する。したがって、医薬品等の説明を行う者(ラベル発行装置1の使用者)と、医薬品等を販売する者(POSレジスタ2の使用者)とが異なる場合に、医薬品等を販売する者は、顧客に対して、購入する医薬品等についての説明を受けたか、あるいは購入する医薬品等についての説明が不要であると意志表示したかを確認することができる。これにより、医薬品等の説明義務が遂行されないことを防止できる。
【0104】
<変形例1(説明完了ボタン及び説明不要ボタンを顧客に押させる)>
図14は、本変形例に係るラベル発行装置1の構成を示すブロック図である。本変形例に係るラベル発行装置1は、顧客によって操作される顧客用操作部22を備える。
【0105】
この顧客用操作部22は、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う入力操作を受け付ける説明完了ボタン22aと、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う入力操作を受け付ける説明不要ボタン22bとを備える。説明完了ボタン22a及び説明不要ボタン22bのそれぞれは、タッチパネルに表示される表示ボタンのような、表示画面の一部で構成されたボタンではなく、表示画面とは別に設けられた、例えばパーソナルコンピュータのマウスのような形状を有する押しボタンである。説明完了ボタン22a及び説明不要ボタン22bのそれぞれは、ラベル発行装置1に対して、使用者とは反対側に位置する顧客が操作できるように配置されている。
【0106】
上述のラベル発行装置1では、使用者が顧客に対して医薬品等についての説明を行った場合に、使用者自ら説明完了ボタン15aに対して入力操作を行った。あるいは、顧客が医薬品等についての説明が不要である意思表示をした場合に、使用者は説明不要ボタン15bに対して入力操作を行った。それに対して、本変形例に係るラベル発行装置1では、顧客が、医薬品等についての説明を受けた場合に、説明完了ボタン22aに対して入力操作を行う。あるいは、顧客が、医薬品等についての説明を不要とする場合に、説明不要ボタン22bに対して入力操作を行う。
【0107】
制御部21は、ステップs32において、タッチパネル15に表示している説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bのいずれが、使用者の入力操作を受け付けたかを判定する代わりに、顧客用操作部22を構成する説明完了ボタン22a及び説明不要ボタン22bのいずれが、顧客の入力操作を受け付けたかを判定する。制御部21は、ステップs32において、説明完了ボタン22aでの入力操作を受け付けたと判定した場合に、所定のステップを経た後、ステップs41またはステップs49において、ラベル等発行部11に、説明済みラベルを発行させる。一方、制御部21は、ステップs32において、説明不要ボタン22bでの入力操作を受け付けたと判定した場合に、所定のステップを経た後、ステップs36において、ラベル等発行部11に説明不要ラベルを発行させる。
【0108】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、説明完了ボタン22aが、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う入力を受け付けると、説明済みベルが発行されるため、説明済みラベルは顧客の意思によって発行される。したがって、ラベル発行装置1の使用者が、説明済みラベルを誤って発行してしまうことを防止できる。
【0109】
また、本変形例では、説明不要ボタン22bが、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う入力を受け付けると、説明不要ラベルが発行されるため、説明不要ラベルは顧客の意思によって発行される。したがって、ラベル発行装置1の使用者が、説明不要ラベルを誤って発行してしまうことを防止できる。
【0110】
なお、本変形例のように、説明済みラベル及び説明不要ラベルの両方が、顧客の意思によって発行される方が望ましいが、説明済みラベルの発行及び説明不要ラベルのどちらか一方が、顧客の意思によって発行されるものであっても良い。
【0111】
また、説明完了ボタン22a及び説明不要ボタン22bのそれぞれは、タッチパネル15とは別の、顧客に対して多種の情報を表示するタッチパネル(図示しない)に表示される表示ボタンであっても良い。この場合には、当該タッチパネルの表示画面が、タッチパネル15の表示画面とは180°反対側を向くように当該タッチパネルが配置されることによって、説明完了ボタン22a及び説明不要ボタン22bは、顧客が操作できるように顧客に向けられることになる。
【0112】
<変形例2(顧客に向けたときだけ入力操作有効)>
図15は、本変形例に係るラベル発行装置1の構成を示すブロック図であり、図16は、本変形例に係るラベル発行装置1を使用者が操作する側から見たときの当該ラベル発行装置1の正面図である。本変形例に係るラベル発行装置1は、タッチパネル15の表示画面の向きが、使用者(店員)が視認できる向きから、180度回転できるようになっている。また、本変形例に係るラベル発行装置1は、180度回転したタッチパネル15の表示画面の向きを、使用者が視認できる向きに戻すことができるように構成されている。つまり、本変形例に係るラベル発行装置1は、タッチパネル15の表示画面を使用者から顧客に向けることができるとともに、顧客に向けられたタッチパネル15の表示画面を使用者に向け直すことができるように構成されている。顧客は、自身に向けられた表示画面に表示される説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bに対して入力操作を行う。
【0113】
本変形例に係るラベル発行装置1には、図15に示すように、回転検知部23が設けられている。回転検知部23は、タッチパネル15の表示画面が回転したことを検出することによって、タッチパネル15の表示画面が使用者から顧客に向けられたこと、及びタッチパネル15の表示画面が顧客から使用者に向けられたことを検出する。
【0114】
また、本変形例に係るラベル発行装置1には、図16に示すように、タッチパネル15を支持する、タッチパネル15と一体化された支軸24と、回転テーブル25とが設けられている。回転テーブル25は、支軸24と一体化された上テーブル25aと、当該上テーブルを支持する下テーブル25bとから構成される。下テーブル25bは固定されており、上テーブル25aは下テーブル25bに対して回転可能となっている。この回転テーブル25により、使用者は、タッチパネル15の表示画面を、自身から顧客に向くように回転することができるとともに、顧客に向けられたタッチパネル15の表示画面を回転させて自身に向け直すことができる。
【0115】
回転検知部23は、上テーブル25aに設けられた突起部23aと、下テーブル25bに設けられたスイッチ23bとを備える(図15参照)。回転検出部23においては、タッチパネル15の表示画面が使用者に向けられている状態では、突起部23aはスイッチ23bを押下せず、スイッチ23bはオフ状態となる。一方で、上テーブル25aが180度回転し、タッチパネル15の表示画面が顧客に向けられている状態では、突起部23aはスイッチ23bを押下し、スイッチ23bはオン状態となる。スイッチ23bは、オフ状態のときにはオフ信号を制御部21に出力し、オン状態のときにはオン信号を制御部21に出力する。これにより、回転検知部23は、タッチパネル15の表示画面が使用者に向けられているか、顧客に向けられているかを通知することができる。
【0116】
制御部21は、回転検知部23から、タッチパネル15の表示画面が使用者に向けられていると通知された場合には、当該表示画面にGUI表示される説明完了ボタン15aが受け付ける入力操作、及び、当該表示画面にGUI表示される説明不要ボタン15bが受け付ける入力操作を無効にする。つまり、この場合には、制御部21は、説明完了ボタン15aが入力を受け付けた場合であっても、その入力を無視し、説明不要ボタン15bが入力を受け付けた場合であっても、その入力を無視する。これにより、説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bに対する使用者の操作は、制御部21で無視される。
【0117】
一方、制御部21は、回転検知部23から、タッチパネル15の表示画面が顧客に向けられていると通知された場合には、当該表示画面にGUI表示される説明完了ボタン15aが受け付ける入力操作、及び、当該表示画面にGUI表示される説明不要ボタン15bが受け付ける入力操作を有効にする。つまり、この場合には、制御部21は、説明完了ボタン15aが入力を受け付けると、説明済みラベルを発行できるようにし、また、説明不要ボタン15bが入力を受け付けると、説明不要ラベルを発行できるようにする。これにより、説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bに対する顧客の操作は、制御部21で有効とされる。その結果、顧客の意志によって、説明済みラベル及び説明不要ラベルを発行することができる。
【0118】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、操作部17として機能するタッチパネル15が顧客に向けられているときだけ、入力部である説明完了ボタン15aに対する入力が有効とされるため、ラベル発行装置1の使用者が、説明済みラベルを誤って発行してしまうことを確実に防止できる。
【0119】
また、タッチパネル15が顧客に向けられているときだけ、入力部である説明不要ボタン15bに対する入力が有効とされるため、ラベル発行装置1の使用者が、説明不要ラベルを誤って発行してしまうことを確実に防止できる。
【0120】
なお、本変形例のように、説明済みラベル及び説明不要ラベルの両方が、顧客の意思によって発行される方が望ましいが、説明済みラベルの発行及び説明不要ラベルのどちらか一方が、顧客の意思によって発行されるものであっても良い。
【0121】
また、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う入力、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う入力を受け付ける操作部が顧客に向けられているときだけ、当該操作部で受け付けた入力を有効にするものであれば、他の構成を採用しても良い。
【0122】
例えば、表示画面には表示ボタンを表示しない表示装置(タッチパネルではない表示装置)であって、その表示画面の周辺に複数の操作ボタンが操作部として設けられている表示装置を、タッチパネル15の代わりに用いても良い。この場合には、複数の操作ボタンのうちの、ある操作ボタンを、顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う入力操作を受け付ける説明完了ボタンとして用い、それとは別の操作ボタンを、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う入力操作を受け付ける説明不要ボタンとして用いる。制御部21は、表示装置の表示画面と複数の操作ボタンが顧客に向けられたときにだけ、説明完了ボタンに対する入力操作、及び、説明不要ボタンに対する入力操作を有効にする。このような場合であっても、上述と同様の効果を得ることができる。
【0123】
また、図17に示すように、上述の回転テーブル25をラベル発行装置1下部に設けて、ラベル発行装置1全体を回転できるようにすることによって、顧客が説明完了ボタン及び説明不要ボタンが操作できるように当該説明完了ボタン及び説明不要ボタンを顧客に向けるようにしても良い。
【0124】
また、ラベル発行装置1全体を回転させる場合には、テンキー14を構成する複数ボタンのうちの、あるボタンを説明完了ボタンとして用い、それとは別のボタン説明不要ボタンとして用いても良い。
【0125】
<変形例3(顧客に向けたときだけボタン表示)>
本変形例に係るラベル発行装置1は、図15で示した、変形例2に係るラベル発行装置1のブロック構成と同じ構成をとる。本変形例では、制御部21は、タッチパネル15の表示画面が顧客に向けられたときにだけ、説明完了ボタン15a、及び、説明不要ボタン15bがその表示画面に表示されるように、タッチパネル15を制御する。具体的には、上述のステップs31において、まず、制御部21は、医薬品等に関する説明をタッチパネル15に表示させる。その後、使用者によってタッチパネル15が回転させられて、回転検知部23がタッチパネル15の表示画面が顧客に向けられたことを検出すると、制御部21は、説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bをタッチパネル15に表示させる。これにより、タッチパネル15には、その表示画面が顧客に向けられたときにだけ、説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bが表示される。
【0126】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、タッチパネル15の表示画面が顧客に向けられたときにだけ、タッチパネル15に説明完了ボタン15aが表示されるため、ラベル発行装置1の使用者が、説明済みラベルを誤って発行してしまうことを確実に防止できる。
【0127】
また、タッチパネル15の表示画面が顧客に向けられたときにだけ、タッチパネル15に説明不要ボタン15bが表示されるため、ラベル発行装置1の使用者が、説明不要ラベルを誤って発行してしまうことを確実に防止できる。
【0128】
<変形例4(精算処理後に入力許可)>
これまで説明した精算処理システム100は、(1)説明完了ボタン15aあるいは説明不要ボタン15bの入力操作の受け付け、(2)説明済みラベルあるいは説明不要ラベルの発行、(3)医薬品等の精算処理の順で処理を行っていたが、ラベル発行装置1とPOSレジスタ2とが並んで設置されている場合には、(1)医薬品等の精算処理、(2)説明完了ボタン15aあるいは説明不要ボタン15bの入力操作の受け付け、(3)説明済みラベルあるいは説明不要ラベルの発行の順で処理を行ってもよい。以下にこの場合の精算処理システム100の動作について説明する。
【0129】
上述のステップs31において、タッチパネル15が医薬品等の説明文を表示し、使用者が当該医薬品等の説明を行うと、あるいは当該医薬品等の説明を省略すると、POSレジスタ2において上述のステップs61,s62が実行されて、POSレジスタ2の制御部35に医薬品等識別情報が入力される。その後、制御部35は、ストアコントローラ3に対して、説明済み履歴データあるいは説明不要履歴データがあるかどうかを問い合わせることなく、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等の売値を図示しない表示部に表示させる。そして、制御部35は、POSレジスタ2の使用者によって、当該医薬品等の決済を指示する操作が図示しない操作部にされると、当該医薬品等が販売された旨、当該医薬品が販売された日付等を記憶部34に記憶する。
【0130】
POSレジスタ2は、医薬品等の精算処理が終了すると、その旨をストアコントローラ3に通知する。ストアコントローラ3は、POSレジスタ2から、医薬品等について精算処理が終了した旨が通知されると、精算処理が終了したことをラベル発行装置1に通知する。ラベル発行装置1では、ストアコントローラ3から、精算処理が終了した旨が通知されると、制御部21は、タッチパネル15に、説明完了ボタン15a及び説明不要ボタン15bを表示させる。その後、ラベル発行装置1では、上述ステップs32以下の処理が行われる。
【0131】
<変形例5(薬剤師の勤怠状況に応じて薬剤師の不在を表示)>
図18は、本変形例に係るラベル発行装置1の構成を示すブロック図である。本変形例に係るラベル発行装置1は、勤怠管理部26と、顧客用表示部27とをさらに備える。
【0132】
勤怠管理部26は、ラベル発行装置1を使用する使用者のタイムカードを読み取るタイムカード読取部26aを備える。勤怠管理部26は、タイムカード読取部26aが使用者のタイムカードを読み取った時間に基づいて、当該使用者の勤怠状況を管理する。タイムカード読取部26aは、薬剤師、登録販売者及び一般販売者が有するタイムカードを読み取る。
【0133】
顧客用表示部27は、顧客に対して多種の情報を知らせるための表示装置である。顧客用表示部27は、その表示画面が、タッチパネル15の表示画面とは180度反対を向くように、つまり顧客を向くように配置されている。
【0134】
図19は、本変形例に係るラベル発行装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図19を用いて、本変形例に係るラベル発行装置1の動作を説明する。
【0135】
まず、ラベル発行装置1の電源ボタン29がONされた(ステップs71)後、制御部21は、勤怠管理部26を起動する。勤怠管理部26は、起動すると、タイムカード読み取り待ち状態となる(ステップs72)。使用者のタイムカードには、当該使用者を識別するための使用者識別情報が記載されている。
【0136】
ステップs72の後、ラベル発行装置1の使用者は、出勤時、退勤時、休憩開始時及び休憩終了時のそれぞれにおいて、自己のタイムカードをタイムカード読取部26aに読み取らせる。ここで、タイムカード読取部26aは、出勤記録モード、退勤記録モード、休憩開始記録モード及び休憩終了記録モードのいずれかを設定できるようになっている。使用者は、出勤時にはタイムカード読取部26aを出勤記録モードに設定し、退勤時にはタイムカード読取部26aを退勤記録モードに設定し、休憩開始時にはタイムカード読取部26aを休憩開始記録モードに設定し、休憩終了時にはタイムカード読取部26aを休憩終了記録モードに設定し、その後、自己のタイムカードをタイムカード読取部26aに読み取らせる。
【0137】
タイムカード読取部26は、使用者のタイムカードを読み取ると、当該タイムカードに記載されている使用者識別情報を取得する。勤怠管理部26は、タイムカード読取部26aの現在のモード(出勤記録モード等)に応じて、タイムカード読取部26aがタイムカードを読み取ったときの時刻を、「出勤時刻」、「退勤時刻」、「休憩開始時刻」及び「休憩終了時刻」のいずれに該当するかを判定する。具体的には、勤怠管理部26は、タイムカード読取部26aの現在のモードが出勤記録モードである場合には、タイムカード読取部26aがタイムカードを読み取ったときの時刻が「出勤時刻」であると判定し、退勤記録モードである場合には「退勤時刻」であると判定し、休憩開始記録モードである場合には「休憩開始時刻」であると判定し、休憩終了記録モードである場合には「休憩終了時刻」であると判定する。そして、勤怠管理部26は、タイムカード読取部26aがタイムカードを読み取ったときの時刻と、当該時刻の種類(出勤時刻等)と、タイムカード読取部26aが取得した使用者識別情報とを互いに対応付けて記憶する。これにより、勤怠管理部26では、使用者ごとに勤怠状況が管理される(ステップs73)。また、勤怠管理部26は、タイムカード読取部26がタイムカードを読み取ると、制御部21にその旨を通知する。
【0138】
制御部21は、勤怠管理部26から、タイムカードの読み取りがあった旨を通知された場合に、勤怠管理部26が管理している使用者の勤怠状況の中から、薬剤師の勤怠状況を抽出し、当該勤怠状況に基づいて、薬剤師が不在であるか判定する(ステップs74)。制御部21は、抽出した勤怠状況が薬剤師の不在を示し、薬剤師が不在であると判定した場合には、顧客用表示部27に、薬剤師が不在であることを示す内容を表示させる(ステップs75)。一方、制御部21は、薬剤師が不在でない、つまり、薬剤師が勤務中であると判定した場合には、顧客用表示部27に、薬剤師が勤務中であることを示す内容を表示させる(ステップs76)。その後、ステップs72に戻って、勤怠管理部26は、タイムカード読み取り待ち状態となる。
【0139】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、薬剤師の勤怠状況に応じて、当該薬剤師が不在であることを表示する。したがって、本発明に係るラベル発行装置1に対して特別な入力処理を行わなくても、顧客に対して薬剤師が不在であることを通知することができる。
【0140】
なお、勤怠管理部26で管理される、使用者の勤怠状況は、当該使用者の給料算出にも用いられる。
【0141】
<変形例6(使用者の勤怠状況及び医薬品等の種類に応じてエラー通知)>
本変形例に係るラベル発行装置1は、図18で示した、変形例5に係るラベル発行装置1のブロック構成と同じ構成をとる。図20は、本変形例に係るラベル発行装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図20を用いて、本変形例に係るラベル発行装置1の動作について説明する。
【0142】
まず、ラベル発行装置1は、ステップs81〜ステップs86では、図5を用いて説明したステップs1〜ステップs6と同様の動作を行う。制御部21は、ステップs86で取得した医薬品等情報から、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類から第三類医薬品及び医薬部外品のいずれかに該当するかを判定する(ステップs87)。制御部21は、当該医薬品等が、第一類医薬品に該当すると判定した場合にはステップs88の処理を行い、第二類医薬品または第三類医薬品に該当すると判定した場合にはステップs90の処理を行い、医薬部外品に該当すると判定した場合には上述の「処理C」を行う。
【0143】
制御部21は、ステップs87において、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、第一類医薬品であると判定した場合には、勤怠管理部26が管理している使用者の勤怠状況の中から、薬剤師の勤怠状況を抽出し、当該勤怠状況に基づいて薬剤師が不在であるかを判定する(ステップs88)。制御部21は、薬剤師の勤怠状況が薬剤師の不在を示し、薬剤師が不在であると判定した場合には、ラベル発行装置1の使用者に対して、ラベル発行装置1において以後の処理を行うことができない旨のエラーを、通知部18として機能するタッチパネル15に表示させる(ステップs89)。一方、制御部21は、薬剤師が不在でない、つまり、薬剤師が勤務中であると判定した場合には、上述の「処理A」を行う。
【0144】
制御部21は、ステップs87において、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、第二類医薬品または第三類医薬品であると判定した場合には、勤怠管理部26が管理している使用者の勤怠状況の中から、薬剤師及び登録販売者の勤怠状況を抽出し、当該勤怠状況に基づいて薬剤師及び登録販売者がいずれも不在であるかを判定する(ステップs90)。制御部21は、薬剤師及び登録販売者の勤怠状況が薬剤師及び登録販売者の不在をそれぞれ示し、薬剤師及び登録販売者がいずれも不在であると判定した場合、つまり、一般販売者しか勤務していないと判定した場合には、ラベル発行装置1の使用者に対して、ラベル発行装置1が以後の処理を行うことができない旨のエラーを、通知部18として機能するタッチパネル15に表示させる(ステップs91)。一方、制御部21は、薬剤師及び登録販売者が不在でない、つまり、薬剤師または登録販売者が勤務中であると判定した場合には、上述の「処理B」を行う。
【0145】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、薬剤師のみが不在であり、かつ、医薬品等に付された商品バーコードを読み取ることによって、バーコードリーダ12が受け付けた医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類医薬品である場合には、外部にエラーが通知される。また、薬剤師及び登録販売者の両方が不在であり、かつ、医薬品等に付された商品バーコードを読み取ることによって、バーコードリーダ12が受け付けた医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類から第三類医薬品のいずれかである場合には、外部にエラーが通知される。したがって、薬剤師が不在の場合に、第一類医薬品が誤って販売されるのを防ぐとともに、薬剤師及び登録販売者が不在の場合に、第一類から第三類医薬品が誤って販売されるのを防ぐことができる。なお、医薬部外品については、薬剤師、登録販売者及び一般販売者のいずれも販売することができることから、このようなエラー通知を行わなくても良い。
【0146】
<変形例7(一般販売者がラベル発行装置を使用しない場合の動作>
これまでは、薬剤師、登録販売者及び一般販売者のすべてがラベル発行装置1を使用する場合を想定してラベル発行装置1の動作を説明した。しかしながら、ラベル発行装置1を、一般販売者は使用せずに薬剤師及び登録販売者だけが使用することもある。本変形例では、ラベル発行装置1が薬剤師及び登録販売者にしか使用されない場合のラベル発行装置1の動作について説明する。本変形例に係るラベル発行装置1は、図18で示した、変形例5に係るラベル発行装置1のブロック構成と同じ構成をとる。図21は、本変形例に係るラベル発行装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図21を用いて、本変形例に係るラベル発行装置1の動作について説明する。
【0147】
まず、ラベル発行装置1は、ステップs101〜ステップs106では、図5を用いて説明したステップs1〜ステップs6と同様の動作を行う。制御部21は、ステップs106で取得した医薬品等情報から、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類医薬品等に該当するかを判定する(ステップs107)。制御部21は、当該医薬品等が、第一類医薬品に該当すると判定した場合にはステップs108の処理を行い、第二類医薬品、第三類医薬品、及び、医薬部外品のいずれかに該当すると判定した場合には上述の「処理C」を行う。
【0148】
制御部21は、ステップs107において、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、第一類医薬品等であると判定した場合には、勤怠管理部26が管理している使用者の勤怠状況の中から、薬剤師の勤怠状況を抽出し、当該勤怠状況に基づいて薬剤師が不在であるかを判定する(ステップs108)。制御部21は、薬剤師が不在であると判定した場合には、ラベル発行装置1の使用者に対して、ラベル発行装置1が以後の処理を実行できない旨のエラーを、通知部18として機能するタッチパネル15に表示させる(ステップs109)。
【0149】
一方、制御部21は、ステップs107において、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、第一類医薬品でない、つまり、二類医薬品、第三類医薬品、及び、医薬部外品のいずれかに該当すると判定した場合には、処理Cを行う。
【0150】
以上のような本変形例に係るラベル発行装置1によれば、医薬品等に付された商品バーコードを読み取ることによって、バーコードリーダ12が受け付けた医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、第一類医薬品でない場合には、処理Aを行うことなく、処理Cを行っている。つまり、入力された医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品でない場合には、使用者識別情報の入力を促す内容の表示を行わずに、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルを発行している。したがって、受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品でない場合には、使用者識別情報の入力動作を省略することができ、医薬品等識別情報を受け付けてから、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルを発行するまでの一連動作を容易化することができる。なお、本変形例では、ラベル発行装置1の使用者は、薬剤師及び登録販売者のいずれかであり、薬剤師及び登録販売者のいずれもが第二類及び第三類医薬品を販売することができることから、処理Bのように、販売対象の医薬品等が第二類及び第三類医薬品の場合に、販売の権限を判定しなくても良い。
【0151】
また、本変形例に係るラベル発行装置1によれば、薬剤師が不在であり、かつ、医薬品等に付された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が第一類医薬品である場合には、外部にエラーが通知される。したがって、薬剤師が不在の場合に、第一類医薬品が誤って販売されるのを防ぐことができる。
【0152】
<変形例8(精算処理時のエラー通知方法の変形例)>
ラベル発行装置1は、ステップs36において、医薬品等に関する説明不要ラベルを発行する際に、入荷時から医薬品等に付されている、医薬品等識別情報を示す商品バーコードと同じ商品バーコードを当該説明不要ラベルに印刷した。また、ラベル発行装置1は、ステップs41及びステップs49において、医薬品等に関する説明済みラベルを発行する際に、入荷時から医薬品等に付されている、医薬品等識別情報を示す商品バーコードと同じ商品バーコードを当該説明済みラベルに印刷した。
【0153】
本変形例では、ラベル発行装置1は、ステップs36において、医薬品等に関する説明不要ラベルを発行する際には、入荷時から医薬品等に付されている商品バーコードとは別の商品バーコードを当該説明不要ラベルに印刷する。この別の商品バーコードが示す医薬品等識別情報は、医薬品等に予め付されている商品バーコードが示す医薬品等識別情報とは別の、「店舗専用の」医薬品等識別情報である。ラベル発行装置1によって発行された説明不要ラベルは、使用者によって、医薬品等に予め付されている商品バーコードの上に貼付される。
【0154】
また、ラベル発行装置1は、ステップs41及びステップs49のいずれかにおいて、医薬品等に関する説明済みラベルを発行する際には、入荷時から医薬品等に付されている商品バーコードとは別の商品バーコードを当該説明済みラベルに印刷する。この別の商品バーコードが示す医薬品等識別情報は、医薬品等に予め付されている商品バーコードが示す医薬品等識別情報とは別の、「店舗専用の」医薬品等識別情報である。説明済みラベルは、使用者によって、医薬品等に予め付されている商品バーコードの上に貼付される。
【0155】
説明不要ラベルや説明済みラベルに付される、店舗専用の医薬品等識別情報には、例えば、医薬品等のJANコード、バーコードリーダ33に入力された使用者識別情報及び上述のステップs6で取得された医薬品等情報に含まれる種別情報などが含まれる。説明不要ラベル及び説明済みラベルのそれぞれは、医薬品等に予め付与されている商品バーコードが完全に隠れる大きさであることが望ましい。
【0156】
なお、バーコードリーダ33に入力された医薬品等識別情報が医薬部外品を示す場合であっても、バーコードリーダ33に使用者識別情報を入力するようにすることによって、医薬部外品に貼付される説明不要ラベルや説明済みラベルに対して、使用者識別情報を含む店舗専用の医薬品等識別情報を印刷することができる。
【0157】
図22は、本変形例に係るPOSレジスタ2及びストアコントローラ3の動作を示すフローチャートである。以下、図22を用いて、本変形例に係るPOSレジスタ2及びストアコントローラ3の動作について説明する。
【0158】
まず、POSレジスタ2の制御部35は、医薬品等識別情報の入力待ち状態となっている(ステップs111)。POSレジスタ2の使用者によってバーコードリーダ33が操作されることによって、顧客が購入しようとする医薬品等に付されている商品バーコードをバーコードリーダ33が読み取ると、当該商品バーコードが示す医薬品等識別情報がバーコードリーダ33を通じて制御部35に入力される(ステップs112)。ここで、説明済みラベル及び説明不要ラベルが発行されていない場合には、POSレジスタ2の使用者は、入荷時から医薬品等に付されている商品バーコードをバーコードリーダ33で読み取ることになることから、制御部35には、医薬品等に入荷時から付されている医薬品等識別情報がバーコードリーダ33を通じて入力されることになる。一方、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルが発行されて、医薬品等に貼付されている場合には、POSレジスタ2の使用者は、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルに付されている商品バーコードをバーコードリーダ33で読み取ることになることから、制御部35には、店舗専用の医薬品等識別情報がバーコードリーダ33を通じて制御部35に入力されることになる。
【0159】
ステップs112において、POSレジスタ2の制御部35は、入力された医薬品等識別情報が、店舗専用の医薬品等識別情報であるか否かを判定する(ステップs113)。店舗専用の医薬品等識別情報は、入荷時から医薬品等に付されている医薬品等識別情報(JANコード)と異なるため、POSレジスタ2の制御部35は、入力された医薬品等識別情報が、店舗用の医薬品等識別情報であるか否かを判定することができる。
【0160】
POSレジスタ2の制御部35は、入力された医薬品等識別情報が、店舗専用の医薬品等識別情報であると判定した場合には、ステップs114〜ステップs116において、ステップs64〜ステップs66と同様の精算処理を行う。一方、POSレジスタ2の制御部35は、入力された医薬品等識別情報が、店舗専用の医薬品等識別情報でない、つまり、入荷時から医薬品等に付されている医薬品等識別情報であると判定した場合には、制御部35は、入力された医薬品等識別情報で識別される医薬品等が、説明完了ラベルあるいは説明不要ラベルが貼付されていない旨のエラーを通知部32に通知させる(ステップs117)。例えば、通知部32は、精算処理対象の医薬品等に対して説明完了ラベルあるいは説明不要ラベルが貼付されていない旨を文字や図形等で表示する。
【0161】
以上のような精算処理システム100によれば、精算対象の医薬品等から取得された医薬品等識別情報が、説明済みラベルあるいは説明不要ラベルに印刷された医薬品等識別情報である場合には当該医薬品等の精算処理を行い、精算対象の医薬品等から取得された医薬品等識別情報が、当該医薬品等に予め示された医薬品等識別情報である場合には外部にエラーを通知する。したがって、医薬品等の説明を行う者(ラベル発行装置1の使用者)と、医薬品等を販売する者(POSレジスタ2の使用者)とが異なる場合に、医薬品等を販売する者は、顧客に対して、購入する医薬品等についての説明を受けたか、あるいは購入する医薬品等についての説明が不要であると意志表示したかを確認することができる。これにより、医薬品等の説明義務が遂行されないことを防止できる。
【0162】
<変形例9(説明済みラベル及び説明不要ラベルに印字する情報の変形例)>
図23は、本変形例に係るラベル発行装置1の構成を示すブロック図である。本変形例に係るラベル発行装置1は、顧客を識別するための、顧客識別情報の入力を受け付ける顧客識別情報入力部28をさらに備える。
【0163】
使用者は、すでに一度来店した顧客に渡した顧客カードに付されている、顧客を識別するための顧客コード(顧客識別情報)を、顧客識別情報入力部28に入力する。使用者が顧客識別情報入力部28に顧客コードを入力タイミングは、ステップs31の前であれば良い。また、顧客識別情報入力部28は、バーコードリーダであっても良いし、磁気リーダであっても良いし、ICリーダであっても良い。
【0164】
これまでは、ステップs36で発行される説明不要ラベルには、「説明不要」の文字が印刷されるとともに、JANコードが商品バーコードで印刷されていた。本変形例に係る制御部21は、ラベル等発行部11が、これらに加え、説明不要ボタン15bが入力操作を受け付けた日付と、バーコードリーダ12に入力された使用者識別情報、顧客識別情報入力部28に入力された顧客識別情報、及び、説明不要ラベルを識別するためのラベル番号(ラベル識別情報)を、説明不要ラベルに印刷するように、ラベル等発行部11を制御する。また、制御部21は、同ステップs36において、上述の説明不要履歴データに、顧客識別情報を含めて記憶部20に記憶する。
【0165】
また、ステップs41及びステップs49で発行される説明済みラベルには、「説明済み」の文字が印刷されるとともに、JANコードが商品バーコードで印刷されていた。本変形例に係る制御部21は、ラベル等発行部11が、これらに加え、説明完了ボタン15aが入力操作を受け付けた日付、バーコードリーダ12に入力された使用者識別情報、顧客識別情報入力部28に入力された顧客識別情報、及び、説明済みラベルを識別するためのラベル番号を、説明済みラベルに印刷するように、ラベル等発行部11を制御する。また、制御部21は、ステップs41及びステップs49において、上述の説明済み履歴データに、顧客識別情報を含めて記憶部20に記憶する。
【0166】
なお、バーコードリーダ33に入力された医薬品等識別情報が医薬部外品を示す場合であっても、バーコードリーダ33に使用者識別情報を入力するようにすることによって、医薬部外品に貼付される説明不要ラベルや説明済みラベルに対して、使用者識別情報を印刷することができる。
【0167】
また、説明不要ラベルには、JANコード、説明不要ボタン15bが入力を受け付けた日付、使用者識別情報、顧客識別情報、及びラベル番号のすべてを印刷したが、これらの情報の少なくとも一つを印刷しても良い。
【0168】
また、説明済みラベルには、JANコード、説明完了ボタン15aが入力を受け付けた日付、使用者識別情報、顧客識別情報、及びラベル番号のすべてを印刷したが、これらの情報の少なくとも一つを印刷しても良い。
【0169】
<変形例10(非接着性シートに印刷する情報の変形例>
ステップs45では、制御部21は、発行ボタン13が押し下げられたと判定した場合に、ラベル等発行部11に、医薬品等の説明文のうち、主要な6項目について、シートカセットにセットされている非接着性シートに印刷させた。しかし、顧客が、医薬品等の説明文の全文を求める場合もあるので、制御部21は、タッチパネル15に所定の入力操作が行われた後に、発行ボタン13が押し下げられたと判定した場合に、ラベル等発行部11に、主要な6項目の代わりに、医薬品等の説明文の全文を、シートカセットにセットされている非接着性シートに印刷させるものであってもよい。
【0170】
また、医薬品等の説明文のうち、顧客が印刷を必要とする項目だけを非接着性シートに印刷できるようにしても良い。具体的には、医薬品等の説明文のうち、顧客が印刷を要望する項目をタッチパネル15に入力できるようにし、タッチパネル15に入力された項目だけを非接着性シートに印刷しても良い。
【符号の説明】
【0171】
1 ラベル発行装置
2 POSレジスタ
11 ラベル等発行部
12 バーコードリーダ
15 タッチパネル
15a 説明完了ボタン
15b 説明不要ボタン
16 表示部
17 操作部
18 通知部
20 記憶部
21 制御部
22 顧客用操作部
26 勤怠管理部
27 顧客用表示部
100 精算処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に対して医薬品等(医薬品及び医薬部外品の総称)についての説明がされたことを示す説明済みラベル、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示したことを示す説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するラベル発行部を備える、ラベル発行装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
前記ラベル発行部は、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルを発行する、ラベル発行装置。
【請求項3】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行う第1入力、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行う第2入力の少なくとも一方を受け付ける入力部と、
前記入力部が前記第1入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明済みラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御し、前記入力部が前記第2入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明不要ラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御する制御部と
をさらに備える、ラベル発行装置。
【請求項4】
請求項3に記載のラベル発行装置であって、
前記入力部は、顧客の入力操作を受け付ける操作部であって、
前記制御部は、顧客が操作できるように前記操作部が顧客に向けられたときにだけ、前記操作部が受け付ける前記第1及び第2入力の少なくとも一方を有効にする、ラベル発行装置。
【請求項5】
請求項3に記載のラベル発行装置であって、
前記制御部によって制御されるタッチパネルをさらに備え、
前記入力部は、前記タッチパネルの表示画面に表示される入力ボタンであり、
前記制御部は、前記表示画面が顧客に向けられたときにだけ前記入力ボタンが前記表示画面に表示されるように前記タッチパネルを制御する、ラベル発行装置。
【請求項6】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
表示部と、
医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、
前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報の入力を受け付ける使用者識別情報入力部と、
外部に通知を行う通知部と、
前記ラベル発行部、前記表示部及び前記通知部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記制御部は、
(a)医薬品等識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、
(a−1)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、
(a−1−1)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師である場合には、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御し、
(a−1−2)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師以外である場合には、前記通知部にエラーを外部に通知させ、
(a−2)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品以外である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示せずに、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御する、ラベル発行装置。
【請求項7】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
表示部と、
医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、
前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報の入力を受け付ける使用者識別情報入力部と、
外部に通知を行う通知部と、
前記ラベル発行部、前記表示部及び前記通知部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記制御部は、
(a)医薬品等識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、
(a−1)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品以外である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示させ、
(a−1−1)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師または登録販売者である場合には、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御し、
(a−1−2)前記表示部が、使用者識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記使用者識別情報入力部が受け付けた使用者識別情報により識別される使用者が薬剤師及び登録販売者以外である場合には、前記通知部にエラーを外部に通知させ、
(a−2)前記表示部が、医薬品等識別情報を入力するように促す内容を表示している際に、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、医薬部外品である場合には、使用者識別情報を入力するように促す内容を前記表示部に表示せずに、前記ラベル発行部が、前記説明済みラベル、及び、前記説明不要ラベルの少なくともいずれか一方を発行するように、前記ラベル発行部を制御する、ラベル発行装置。
【請求項8】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
記憶部と、
顧客が医薬品等についての説明を受けた際に行われる第1入力、及び、顧客が医薬品等についての説明が不要である際に行われる第2入力の少なくとも一方を受け付ける入力部と、
前記入力部が前記第1入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明済みラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御するとともに前記第1入力の履歴をデータとして前記記憶部に記憶し、前記入力部が前記第2入力を受け付けた場合に、前記ラベル発行部が前記説明不要ラベルを発行するように前記ラベル発行部を制御するとともに前記第2入力の履歴をデータとして前記記憶部に記憶する制御部と
をさらに備える、ラベル発行装置。
【請求項9】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
表示部と、
前記ラベル発行装置を使用する薬剤師の勤怠状況を管理する管理部と、
前記勤怠状況に応じて、前記薬剤師が不在であることを前記表示部に表示させる制御部と
を備える、ラベル発行装置。
【請求項10】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
表示部と、
前記ラベル発行装置を使用する薬剤師の勤怠状況を少なくとも管理する管理部と、
医薬品等を識別するための医薬品等識別情報の入力を受け付ける医薬品等識別情報入力部と、
外部に通知を行う通知部と、
前記表示部及び前記通知部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記制御部は、
前記管理部が管理する前記薬剤師の勤怠状況が前記薬剤師の不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、少なくとも第一類医薬品である場合には、前記通知部にエラーを通知させる、ラベル発行装置。
【請求項11】
請求項10に記載のラベル発行装置であって、
前記管理部は、前記ラベル発行装置を使用する登録販売者の勤怠状況も管理し、
前記制御部は、
前記管理部が管理する前記薬剤師及び前記登録販売者の勤怠状況が、前記薬剤師のみの不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類医薬品である場合には、前記通知部にエラーを通知させ、
前記管理部が管理する前記薬剤師及び前記登録販売者の勤怠状況が、前記薬剤師及び前記登録販売者の不在を示す場合であって、前記医薬品等識別情報入力部が受け付けた医薬品等識別情報により識別される医薬品等が、第一類から第三類医薬品のいずれかである場合には、前記通知部にエラーを通知させる、ラベル発行装置。
【請求項12】
請求項1に記載のラベル発行装置であって、
前記医薬品等識別情報は、JANコードであり、
前記説明済みラベルには、前記医薬品等識別情報、前記顧客が医薬品等についての説明を受けた日付、当該説明済みラベルを発行した、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報、前記顧客を識別するための顧客識別情報及び当該説明済みラベルを識別するためのラベル識別情報の少なくとも一つが印刷され、
前記説明不要ラベルには、前記医薬品等識別情報、前記顧客が医薬品等についての説明が不要であると意志表示をした日付、当該説明不要ラベルを発行した、前記ラベル発行装置の使用者を識別するための使用者識別情報、前記顧客を識別するための顧客識別情報及び当該説明不要ラベルを識別するためのラベル識別情報の少なくとも一つが印刷される、ラベル発行装置。
【請求項13】
請求項8に記載のラベル発行装置と、
キャッシュレジスタと
を備え、
前記キャッシュレジスタは、医薬品等を精算する際に、前記ラベル発行装置の前記記憶部に当該医薬品等に関する前記履歴が記憶されている場合には精算処理を行い、前記記憶部に当該医薬品等に関する前記履歴が記憶されていない場合には外部にエラーを通知する、精算処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載のラベル発行装置と、
キャッシュレジスタと
を備え、
前記説明済みラベル及び前記説明不要ラベルは、医薬品等に貼付されるラベルであり、
医薬品等には当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報が予め示されており、
前記ラベル発行装置は、
医薬品等に関する前記説明済みラベルを発行する際には、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報とは別の、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報を前記説明済みラベルに印刷し、
医薬品等に関する前記説明不要ラベルを発行する際には、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報とは別の、当該医薬品等を識別するための医薬品等識別情報を前記説明不要ラベルに印刷し、
前記キャッシュレジスタは、
医薬品等を精算する際に当該医薬品等から取得した医薬品等識別情報が、当該医薬品等に貼付された前記説明済みラベルあるいは前記説明不要ラベルに印刷付されている医薬品等識別情報である場合には精算処理を行い、
医薬品等を精算する際に当該医薬品等から取得した医薬品等識別情報が、当該医薬品等に予め示されている医薬品等識別情報である場合にはエラーを外部に通知する、
精算処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−262410(P2010−262410A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111525(P2009−111525)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】