説明

ラミネーター

【課題】鋼板における断熱材を貼り込まない範囲へのホットメルト接着剤の付着を、単純な制御により確実に防止する。
【解決手段】噴射装置8の噴射口8aと鋼板Pの一面との間を遮る遮蔽部132aを備えたシャッター体132を、この遮蔽部132aにより両者の間を遮った遮蔽位置とこの間を遮らない非遮蔽位置との間に亘る移動可能に支持したシャッター装置13を備えている。シャッター装置13のシャッター体132を、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の始端が前記噴射口8aの直下に至ったときには非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させ、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の終端が前記噴射口8aの直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させるように制御してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋根板鋼板や、建物の外壁材となる鋼板などの建材となる鋼板の一面に、必要な範囲について、ホットメルト接着剤によってシート状の断熱材を貼り込み、断熱材つきの建材となる鋼板を生成させるラミネーターの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
建材となる断熱材つきの鋼板を製造する装置としてラミネーターがある。このラミネーターは、鋼板を搬送しながらこれの一面に搬送途中で接着剤を噴きかけ塗布しこの塗布位置より先でこの一面にシート状の断熱材を添装した後これらを圧締してかかる一面に断熱材を連続的に貼り込むものである。ここで、こうした鋼板にあっては、例えば屋根板鋼板としてこれを用いる場合にはその軒先部分には断熱材を貼り込まないなど、断熱材を貼り込まない範囲と貼り込む範囲とがあり、したがってかかるラミネーターにおいては鋼板への前記接着剤の噴きかけ塗布の停止と再開とが繰り返えされることとなる。かかる接着剤は従前は溶剤系であったが、溶剤系の接着剤は建材の廃棄やリサイクルをなす場合の環境負荷が大きいことから、近年は無溶剤系のホットメルト接着剤が用いられるようになっている。しかるに、かかるホットメルト接着剤を噴射装置を用いて鋼板に噴きかけ塗布させるようにした場合、ホットメルト接着剤の物性により噴射停止指示をしても噴射口からの接着剤の流出は直ちには止まらないため、鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の始端が噴射口の直下に至ったタイミングで前記噴射停止指示をするように単純に制御しただけではこの貼り込まない範囲に不必要な接着剤を付着させてしまうこととなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のラミネーターにおいて、鋼板における断熱材を貼り込まない範囲へのホットメルト接着剤の付着を、この接着剤を噴射装置によって鋼板に噴きかけ塗布するようにしながら、単純な制御により確実に防止できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、ラミネーターを、以下の(1)〜(4)の構成を備えたものとした。
(1)建材として用いられる鋼板の一面に鋼板を搬送しながらホットメルト接着剤によってシート状の断熱材を貼り込むラミネーターであって、
(2)鋼板と断熱材の重ね合わせ位置の手前においてこの鋼板の一面に前記接着剤を上方から噴きかける噴射装置が備えられていると共に、
(3)噴射装置の噴射口と鋼板の一面との間を遮る遮蔽部を備えたシャッター体を、この遮蔽部により両者の間を遮った遮蔽位置とこの間を遮らない非遮蔽位置との間に亘る移動可能に支持したシャッター装置とを備えており、
(4)このシャッター装置のシャッター体を、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の始端が前記噴射口の直下に至ったときには非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させ、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の終端が前記噴射口の直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させるように制御してなる。
【0005】
噴射装置は噴射口をその直下を通る鋼板にホットメルト接着剤を噴きつけるように配することから、ホットメルト接着剤の鋼板への塗布は効率的になされる。また、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の始端が前記噴射口の直下に至ったときに非遮蔽位置から遮蔽位置に移動されるシャッター体によって鋼板における断熱材を貼り込まない範囲への接着剤の付着を容易かつ確実に防ぐことができる。この場合には、少なくともシャッター体の遮蔽位置への移動指示と同時に噴射装置の噴射停止指示を行えば足りる。また、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の終端が前記噴射口の直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置にシャッター体を移動させて鋼板における断熱材を貼り込む範囲への接着剤の塗布をなさしめることができる。
【0006】
前記シャッター体を、鋼板の搬送先側に位置される箇所を遮蔽部とし、かつ、この遮蔽部の手前側を開放部とし、前記非遮蔽位置においてこの開放部が噴射口の直下に位置されるようにしておけば、非遮蔽位置においてはかかる開放部を通じて鋼板の一面に接着剤を塗布させることができ、また、シャッター体を鋼板の搬送手前側に移動させることで噴射口の直下に遮蔽部を位置させて鋼板に接着剤が付着しないようにすることができる。
【0007】
また、シャッター体の遮蔽部における鋼板の搬送先側に位置される縁部に、鋼板の搬送方向に交叉する向きに続く立ち上がり部が備えさせておけば、シャッター体のこの側からの接着剤の流れだしを阻止することができると共に、この立ち上がり部を利用して余剰接着剤を付着させるシートなどをシャッター体の遮蔽部上に安定的にセットさせることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明にかかるラミネーターによれば、鋼板における断熱材を貼り込まない範囲へのホットメルト接着剤の付着を、この接着剤を噴射装置によって鋼板に噴きかけ塗布するようにしながら、シャッター体の移動制御によって確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図1〜図7に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0010】
なお、ここで図1は、実施の形態にかかるラミネーターによる鋼板Pへの断熱材Mの貼り込み工程を理解しやすいように、その要部を模式的に表して示しており、図2は、かかるラミネーターを鋼板Pの搬送方向xに沿った一側部側から見て示している。図3〜図7は、それぞれかかるラミネーターを構成するシャッター装置13を示しており、図3および図5は要部破断側面図、図4および図6は平面図、図7は図3の右側からかかるシャッター装置13を見て示しており、図3および図4はシャッター体132が非遮蔽位置にある状態を、図5および図6はシャッター体132が遮蔽位置にある状態を、それぞれ示している。
【0011】
この実施の形態にかかるラミネーターは、屋根板鋼板Pや、建物の外壁材となる鋼板Pなどの建材となる鋼板Pの一面に、必要な範囲について、ホットメルト接着剤Hによってシート状の断熱材Mを貼り込み、断熱材Mつきの建材となる鋼板Pを生成させるものである。
【0012】
典型的には、かかる鋼板Pとしては厚さ0.27mm〜1mmの薄板が用いられ、断熱材Mは厚さ4mm〜6mmのものが用いられる。典型的には、断熱材Mとしては、ポリエチレンフォーム材やガラスウールなどが用いられる。
【0013】
かかるラミネーターは、長さを備えて用意された鋼板Pを、この鋼板Pの面を横向きに配させた状態で、その長さ方向に沿って搬送させながら、所定の位置においてこの鋼板Pの一面に前記接着剤Hを塗布すると共に、接着剤Hの塗布位置の先においてこの接着剤Hの塗布された鋼板Pの一面に断熱材Mの一面を重ね合わせ、さらに、このように重ね合わされて一緒に搬送される鋼板Pと断熱材Mとに圧締を施し、かかる鋼板Pの必要な範囲に断熱材Mを自動的に貼り込むものである。(図1)
【0014】
断熱材Mを貼り込む必要な範囲は、鋼板Pの利用目的によって異なる。例えば、かかる鋼板Pを屋根板鋼板Pとして用いる場合には、かかる鋼板Pにおける軒先となる範囲が断熱材Mを貼り込まない範囲(いわゆる軒先外し)となり、それ以外の範囲が断熱材Mを貼り込む範囲となる。また、かかる鋼板Pを外壁材となる鋼板Pとして用いる場合には、隣り合う鋼板Pとの重なり代となる範囲が断熱材Mを貼り込まない範囲となり、それ以外の範囲が断熱材Mを貼り込む範囲となる。
【0015】
図示の例では、鋼板Pは、基台1の上部を、図2の右側から左側に向けて搬送されるようになっている。鋼板Pは、最も右側の載置案内部2に水平に載せ置かれて上下一対の送りローラー3、3によってその先のローラーコンベヤ4上に送り出される。ローラコンベヤ4の終端4aの先には、上下一対の圧締ローラー5、5が備えられている。基台1の左側の上方には支柱6上に巻き取られてロール状をなす断熱材Maが繰り出し可能に支持されており、繰り出された断熱材Mは上側の圧締ローラー5における鋼板Pの搬送手前側xbに向けられた周面との間にこの断熱材Mの通し隙間sを開けるようにして配された案内板7に案内されて一対の圧締ローラー5、5間に引き込まれるようになっている。この案内板7の下端の下方が、鋼板Pと断熱材Mとの重ね合わせ位置とされる。この重ね合わせ位置の手間、図示の例では、ローラーコンベヤ4の終端4bと一対の圧締ローラー5、5との間に、鋼板Pの一面、つまり上面に、この鋼板Pの全幅に亘って接着剤Hを上方から噴きかける噴射装置8の噴射口8aが位置されている。かかる噴射装置8は、鋼板Pの搬送方向xに直交する向きのスリット状をなす噴射口8aを有し、噴射指示により噴射を開始し、噴射停止指示により噴射を止めるように動作するものである。図示の例では、一対の圧締ローラー5、5の先には下部固定刃9bと上部可動刃9aとから構成されるシャーリング装置9が備えられており、断熱材Mを必要な範囲に貼り込んだ鋼板Pを所望の長さにカットできるようになっている。シャーリング装置9の先には送り出し側のローラーコンベヤ10が備えられている。図示の例では、基台1の下部に据え付けられたモーター11により無端状の動力伝達体12を介して下側の圧締ローラー5が駆動されこれに上側の圧締ローラー5が図示しないギアを介して連れ回りし、さらに、図示しない無端状の動力伝達体を介して一対の送りローラー3、3が駆動されるようになっている。鋼板Pの送り量はかかる送りローラー3の回転量をエンコーダーなどで検知することで計測することができる。このように計測された鋼板Pの送り量が一定値に達したときに、後述するシャッター体132を遮蔽位置に移動させて接着剤Hが鋼板Pに噴きかからないにし、または、非遮蔽位置に移動させて接着剤Hが鋼板Pに噴きかかるようにする。具体的には、送り量が一定値に達したことを契機としてシャッター体132の移動を自動的に行わせる。
【0016】
この実施の形態にかかるラミネーターは、シャッター装置13を備えている。かかるシャッター装置13は、前記噴射装置8の噴射口8aと鋼板Pの一面との間を遮る遮蔽部132aを備えたシャッター体132を、この遮蔽部132aにより両者の間を遮った遮蔽位置とこの間を遮らない非遮蔽位置との間に亘る移動可能に支持してなるものである。
【0017】
図示の例では、かかるシャッター装置13は、フレーム131と、シャッター体132と、シャッター体132の動作手段としてのエアシリンダー133とを備えてなる。
【0018】
フレーム131は、鋼板Pの搬送方向xに長さ方向を沿わせて搬送される鋼板Pの左右に略水平に配される左右枠構成体131a、131aと、この左右枠構成体131a、131aにおける鋼板Pの搬送手前側xbの端部間に亘るようにしてこの左右枠構成体131a、131aに組み合わされた手前側枠構成体131cとから構成され、平面視の状態において略コ字状をなす。
【0019】
シャッター体132は、鋼板Pの搬送方向xに直交する向きの寸法を左右枠構成体131a、131aの枠内間の寸法よりもやや広くし、かつ、この向きの寸法よりも鋼板Pの搬送方向xに沿った向きの寸法を小さくさせたベースプレート132bと、このベースプレート132bの上面に止着された遮蔽部132aを構成するカバープレート132dとから構成されている。左右枠構成体131a、131aの枠内側には、鋼板Pの搬送先側にある溝端を開放させてこの左右枠構成体131a、131aの長さ方向略中程の位置まで続くガイド溝131bが形成されており、シャッター体132はベースプレート132bの両端部をそれぞれこのガイド溝131bに入れ込ませて鋼板Pの搬送方向xに沿った向きに所定寸法分移動可能な状態でフレーム131内に支持されている。
【0020】
ベースプレート132bにおける短寸側の略中間位置を基準とした鋼板Pの搬送手前側xbには、ベースプレート132bの長さ方向(鋼板Pの搬送方向xに直交する方向)に沿って長く続く略長方形状の窓穴132cが形成されている。そして、シャッター体132が最も鋼板Pの搬送先側xfに移動されたときにこの窓穴132cが噴射口8aの直下に位置し、この窓穴132cを通じて噴射口8aから噴き出された接着剤Hが鋼板Pの上面に噴きかかるようになっている。すなわち、窓穴132cの長さ寸法内に噴射口8aが納まるようになっている。また、カバープレート132dは、左右枠構成体131a、131aの内面間にほぼ亘る長さを備えると共に、ベースプレート132bにおける短寸側の略中間位置を基準とした鋼板Pの搬送先側xfの上面に下面を接しさせるようにしてベースプレート132bにネジ止めされている。このカバープレート132dにおける鋼板Pの搬送先側xfに位置される縁部からはこの縁部に亘って立ち上がり部132eが形成されている。
【0021】
すなわち、図示の例では、シャッター体132は、鋼板Pの搬送先側xfに位置される箇所をカバープレート132dによって構成された遮蔽部132aとし、かつ、この遮蔽部132aの手前側に前記窓穴132cによって構成された開放部132fとしており、前記非遮蔽位置においてこの開放部132fが噴射口8aの直下に位置されるようになっている。
【0022】
また、シャッター体132の遮蔽部132aにおける鋼板Pの搬送先側xfに位置される縁部に、鋼板Pの搬送方向xに交叉する向きに続く立ち上がり部132eを備えている。
【0023】
エアシリンダー133のシリンダー体133aは、手前側枠構成体131cの長さ方向略中程の位置の外面にピストンロッド133bの突き出し側を固定させて備えられており、ピストンロッド133bは鋼板Pの搬送先側xfに向けて突き出している。このピストンロッド133bの突き出し端に一端を固定させると共に他端をシャッター体132のベースプレート132bの鋼板Pの搬送手前側xbの縁部の長さ方向略中程の位置に固定させた連結ロッド134を介して、エアシリンダー133の駆動によりピストンロッド133bが突き出し移動するとシャッター体132が鋼板Pの搬送方向xに沿って前記遮蔽位置から非遮蔽位置に、また、引き込み移動すると非遮蔽位置から遮蔽位置に移動されるようになっている。
【0024】
図示の例では、噴射装置8は、フレーム131の上面上に支持されている。フレーム131の左右枠構成体131a、131aは噴射装置8における鋼板Pの搬送手前側xbに向けられた部分に固定された下方に延びる縦向きの連結板体14の下端に接続されて、この噴射装置8の底面の下方で、かつ、鋼板Pの搬送面xmのレベルよりも上方に位置づけられるようになっている。噴射装置8は基台1に別途支持される。
【0025】
かかるシャッター装置13のシャッター体132は、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の始端が前記噴射口8aの直下に至ったときには非遮蔽位置から遮蔽位置に移動され、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の終端が前記噴射口8aの直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置に移動される。具体的には、前記のように計測された鋼板Pの送り量が一定値に達したときに、シャッター体132を遮蔽位置に移動させて接着剤Hが鋼板Pに噴きかからないにし、または、非遮蔽位置に移動させて接着剤Hが鋼板Pに噴きかかるように前記エアシリンダー133を利用してシャッター体132の動作を制御する。
【0026】
ホットメルト接着剤Hの物性により噴射装置8の噴射停止指示をしても噴射口8aからの接着剤Hの流出は直ちには止められない。(すなわち、噴射停止指示と流出停止との間にタイムラグが生じる。)このため、鋼板Pの搬送により、鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の始端が噴射口8aの直下に至ったタイミングで前記噴射停止指示をしてもこの貼り込まない範囲に接着剤Hを付着させてしまう。この実施の形態にかかるラミネーターによれば、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の始端が前記噴射口8aの直下に至ったときに非遮蔽位置から遮蔽位置に移動されるシャッター体132によって鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲への接着剤Hの付着を容易かつ確実に防ぐことができる。この場合には、シャッター体132の遮蔽位置への移動指示と同時に噴射装置8の噴射停止指示を行う。また、搬送される鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込まない範囲の終端が前記噴射口8aの直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置にシャッター体132を移動させて鋼板Pにおける断熱材Mを貼り込む範囲への接着剤Hの塗布をなさしめることができる。噴射停止状態にある噴射装置8に噴射指示をしても接着剤Hの物性により噴射は直ちに始まらずこの場合にもタイムラグが生じるので、この場合には、シャッター体132の非遮蔽位置への移動指示にこのタイムラグ分早く噴射装置8の噴射指示を行う。
【0027】
断熱材Mの繰り出しは図示しない断熱材Mの送り出し装置によりなされる。一回の断熱材Mの繰り出しは鋼板Pへの貼り込み寸法分の繰り出しがなされた段階で停止され、圧締ローラーにそれ以上の断熱材Mが巻き込まれないように図示しないシャーリング装置により繰り出された貼り込み寸法分の断熱材Mはその余の断熱材Mと分断される。一対の圧締ローラー5、5間に鋼板Pの断熱材Mを貼り込まない範囲の終端が至るタイミングに合わせて停止された断熱材Mの繰り出しが再開され前記のように分断された断熱材Mの縁部から鋼板Pへの圧締接着がなされる。
【0028】
前記シャッター体132は、鋼板Pの搬送先側xfに位置される箇所を遮蔽部132aとし、かつ、この遮蔽部132aの手前側を開放部132fとしており、前記非遮蔽位置においてこの開放部132fが噴射口8aの直下に位置されるようになっていることから、非遮蔽位置においてはかかる開放部132fを通じて鋼板Pの一面に接着剤Hを塗布させることができ、また、シャッター体132を鋼板Pの搬送手前側xbに移動させることで噴射口8aの直下に遮蔽部132aを位置させて鋼板Pに接着剤Hが付着しないようにすることができる。
【0029】
また、シャッター体132の遮蔽部132aにおける鋼板Pの搬送先側xfに位置される縁部には、鋼板Pの搬送方向xに交叉する向きに続く立ち上がり部132eが備えられていることから、シャッター体132のこの側からの接着剤Hの流れだしを阻止することができると共に、この立ち上がり部132eを利用して余剰接着剤Hを付着させるシートなどをシャッター体132の遮蔽部132a上に安定的にセットさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ラミネーターの要部斜視構成図
【図2】同側面構成図
【図3】シャッター装置13の要部破断側面構成図
【図4】同平面構成図
【図5】同要部破断側面構成図
【図6】同平面構成図
【図7】同側面構成図
【符号の説明】
【0031】
P 鋼板
H 接着剤
M 断熱材
8 噴射装置
8a 噴射口
13 シャッター装置
132 シャッター体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材として用いられる鋼板の一面に鋼板を搬送しながらホットメルト接着剤によってシート状の断熱材を貼り込むラミネーターであって、
鋼板と断熱材の重ね合わせ位置の手前においてこの鋼板の一面に前記接着剤を上方から噴きかける噴射装置が備えられていると共に、
噴射装置の噴射口と鋼板の一面との間を遮る遮蔽部を備えたシャッター体を、この遮蔽部により両者の間を遮った遮蔽位置とこの間を遮らない非遮蔽位置との間に亘る移動可能に支持したシャッター装置とを備えており、
このシャッター装置のシャッター体を、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の始端が前記噴射口の直下に至ったときには非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させ、搬送される鋼板における断熱材を貼り込まない範囲の終端が前記噴射口の直下に至ったときには遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させるように制御してなることを特徴とするラミネーター。
【請求項2】
シャッター体は、鋼板の搬送方向に沿った向きのスライド移動可能に支持された板状をなすと共に、
鋼板の搬送先側に位置される箇所を遮蔽部とし、かつ、この遮蔽部の手前側に開放部を有しており、
非遮蔽位置においてこの開放部が噴射口の直下に位置されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のラミネーター。
【請求項3】
シャッター体の遮蔽部における鋼板の搬送先側に位置される縁部に、鋼板の搬送方向に交叉する向きに続く立ち上がり部が形成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラミネーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−307732(P2008−307732A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156083(P2007−156083)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000152217)株式会社内田機械製作所 (2)
【Fターム(参考)】