説明

ラミネート装置及びシートの切断装置

【課題】
切断位置を検知するセンサー及び複雑な構成のカッター装置を不要とした、安価で構造が簡単なラミネート装置を提供する。
【解決手段】
ラミネート装置1は、シート片Aを送る送り部35と、ラミネートフィルムPに小孔P1を形成する穿孔手段16と、シート片Aの表面にラミネートフィルムPを熱圧着する熱圧着部40と、シート片Aを切断部50側へ引き出す引出部45と、シート片A間のラミネートフィルムPを切断する切断部50と、切断されたシート片Aを装置本体2外に排出する排出部75とを有する。切断部50の切断手段51は、駆動モータ81の動力が摩擦力を介して伝達される切断軸60を有する。切断軸60は、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムP上では切断することがなく、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムP上では摩擦力が切断力を上回ってラミネートフィルムPを切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷されたシート片の表面又は/及び裏面にラミネートフィルムを加熱圧着後、ラミネートフィルムを切断するラミネート装置及びミシン目が形成された長尺シートをミシン目に沿って切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のラミネート装置は、ラミネートフィルムが巻き付けられたラミネートフィルムロールと、シート片を1枚ずつ装置本体内に送る送り部と、送り部によって連続的に送られた各シート片の表面に、前記ラミネートフィルムロールのラミネートフィルムを引き出して熱圧着する熱圧着部と、熱圧着部によってラミネートフィルムが熱圧着されたシート片を引き出す引出部と、この引出部によって引き出されたシート片の間のラミネートフィルムを切断する切断部と、切断部によってラミネートフィルムが切断されたシート片を装置本体外に排出する排出部とを有する。この従来のラミネート装置の切断部には、前記シート片の前後端縁を検知するセンサーと、そのセンサーに基づいてラミネートフィルムを切断するカッター装置を備えている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3754919号公報
【特許文献2】特開2002−166476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のラミネート装置は、これに採用されているセンサー及びカッター装置が高価であり、安価に製造することができないという問題点があった。また、センサーからの検知信号に基づいてカッター装置を作動させる制御部が必要であり、構造が複雑となるという問題点もあった。さらに、シート片の前後端縁をセンサーで検知するのであるが、外部からの光の反射、埃等により誤検知して本来切断すべき位置ではない部分を切断し、シート片を傷付けてしまうという問題点もあった。さらにまた、センサー、カッター装置、制御部の保守点検、カッターの交換及び修理等のメンテナンスが必要であり、面倒であるという問題点があった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、切断位置を検知する高価なセンサー、複雑な構成のカッター装置、センサーからの検知信号に基づいてカッター装置を制御する制御部を不要とし、安価で製造することができ、構造が簡単で、誤作動なく必要な部分を切断することができ、メンテナンスが極めて簡単なラミネート装置及びシートの切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、装置本体内に、ラミネートフィルムが巻き付けられたラミネートフィルムロールと、シート片を1枚ずつ装置本体内に送る送り部と、送り部によって連続的に送られた各シート片の表面に、前記ラミネートフィルムロールのラミネートフィルムを引き出して熱圧着する熱圧着部と、熱圧着部によってラミネートフィルムが熱圧着されたシート片を引き出す引出部と、この引出部によって引き出されたシート片の間のラミネートフィルムを切断する切断部と、切断部によってラミネートフィルムが切断されたシート片を装置本体外に排出する排出部とを有し、前記ラミネートフィルムロールから引き出されるラミネートフィルムに、引き出す方向に向かって連続的に小孔を形成する穿孔手段が設けられ、前記切断部には、ラミネートフィルムを切断する切断手段が設けられ、切断手段は、回転軸と、回転軸を中心として旋回し、装置本体の駆動モータの動力が摩擦力を介して伝達される切断軸とで構成され、前記切断軸は、摩擦力によりラミネートフィルムに接触し、シート片が熱圧着されたラミネートフィルムに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムを切断する切断力を下回ってラミネートフィルムを切断することがなく、シート片が熱圧着されていないラミネートフィルムに接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムを押圧して緊張させ、小孔を介してラミネートフィルムを切断することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記切断手段は、回転軸と、回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする。
【0008】
本願請求項3記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記回転軸には、前記弾性部材の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項4記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記切断手段は、回転軸と、回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする。
【0010】
本願請求項5記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記回転体には、前記弾性部材の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項6記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記切断軸は、一方端と他方端の位置が変位しており、一方端から他方端へ順にラミネートフィルムに接触してラミネートフィルムを切断することを特徴とする。
【0012】
本願請求項7記載のラミネート装置は、上記目的を達成するため、前記切断軸には、ラミネートフィルムの接触時、ラミネートフィルム上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本願請求項8記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、細長帯状であって、長手方向と略直角の方向に小孔が連設され、小孔に沿って切断することにより矩形形状のシート片が形成されるものであって、シートの小孔に沿って切断する切断部と、シートを切断部側に引き出す引出部と、切断部によって切断されたシート片を排出する排出部とを有し、前記切断部には、シートを小孔に沿って切断する切断手段が設けられ、切断手段は、回転軸と、回転軸を中心として旋回し、装置本体の駆動モータの動力が摩擦力を介して伝達される切断軸とで構成され、前記切断軸は、摩擦力によりシートに接触し、前記摩擦力がシートを切断する切断力を下回ってシートを切断することがなく、シートの小孔位置に接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、シートを押圧して緊張させ、小孔を介してシートを切断することを特徴とする。
【0014】
本願請求項9記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記切断手段は、回転軸と、回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする。
【0015】
本願請求項10記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記回転軸には、前記弾性部材の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本願請求項11記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記切断手段は、回転軸と、回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする。
【0017】
本願請求項12記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記回転体には、前記弾性部材の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】
本願請求項13記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記切断軸は、一方端と他方端の位置が変位しており、一方端から他方端へ順にシートに接触してシートを切断することを特徴とする。
【0019】
本願請求項14記載のシートの切断装置は、上記目的を達成するため、前記切断軸には、シートの接触時、シート上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願発明に係るラミネート装置は、駆動すると、送り部によって、シート片が1枚ずつ装置本体内に送られる。ラミネートフィルムロールに巻き付けられたラミネートフィルムは、引き出され、穿孔手段により引き出す方向に向かって連続的に小孔が形成された後、熱圧着部により、送り部によって連続的に送られた各シート片の表面に熱圧着される。ラミネートフィルムが熱圧着されたシート片は、引出部により切断部側に引き出され、切断部によりシート片の間のラミネートフィルムが切断された後、排出部により装置本体外に排出される。
【0021】
切断部の切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、その動力が摩擦力により切断軸に伝達され、切断軸が回転軸を中心として旋回する。ラミネートフィルムは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片が熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムに接触するが、シート片が熱圧着されたラミネートフィルムに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムを切断する切断力を下回っており、ラミネートフィルムを切断することがなく摺接する。切断軸は、シート片が熱圧着されていないラミネートフィルムに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムを切断する切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムを押圧して緊張させ、小孔を介してラミネートフィルムを切断する。
【0022】
このように、本願発明に係るラミネート装置は、シート片とシート片の間のラミネートフィルムの切断位置を検知する高価なセンサー、及びセンサーからの検知信号に基づいてカッター装置を制御する制御部が不要である。また、本願発明に係るラミネート装置は、切断前にラミネートフィルムに小孔を形成しているので、ラミネートフィルムを緊張させるだけで小孔から簡単に切断することができ、鋭利な刃が不要で、鋭利な刃を回転させたり、スライドさせたりする複雑な構成のカッター装置が不要である。本願発明に係るラミネート装置は、上記したように、高価なセンサー、制御部、複雑な構成のカッター装置が不要で、誤作動なく切断することができ、簡単な構造で安価に製造することができ、メンテナンスを簡易化することができるという効果がある。
【0023】
本願発明に係るラミネート装置は、切断手段を、回転軸と、回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなる構成にすることができる。
【0024】
上記切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、圧接板が回転し、圧接板が弾性部材により被接触板に圧接しているので、駆動モータの動力が圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達され、回転軸が回転し、切断軸が回転軸を中心として旋回する。ラミネートフィルムは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片が熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムに接触するが、シート片が熱圧着されたラミネートフィルムに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムを切断する切断力を下回っており、駆動モータの動力を圧接板が空転して被接触板に伝達することができず、ラミネートフィルムを切断することがなく摺接する。切断軸は、シート片が熱圧着されていないラミネートフィルムに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムを切断する切断力を上回り、駆動モータの動力を圧接板が摩擦力により被接触板に伝達して回転し、ラミネートフィルムを押圧して緊張させ、小孔を介してラミネートフィルムを切断する。なお、本願発明に係るラミネート装置は、調節手段により弾性部材の弾力を調整し、切断するラミネートフィルムに適した摩擦力を調節することができるという効果がある。
【0025】
本願発明に係るラミネート装置は、切断手段を、回転軸と、回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなる構成にすることができる。
【0026】
上記切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、被駆動部材が回転し、同様に回転軸が回転する。回転体に設けられた転動体が弾性部材により回転軸に圧接しているので、駆動モータの動力が回転軸と転動体との摩擦力により回転体に伝達され、回転体が回転し、切断軸が回転軸を中心として旋回する。ラミネートフィルムは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片が熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムに接触するが、シート片が熱圧着されたラミネートフィルムに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムを切断する切断力を下回っており、駆動モータの動力を回転軸が空転して回転体に伝達することができず、ラミネートフィルムを切断することがなく摺接する。切断軸は、シート片が熱圧着されていないラミネートフィルムに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムを切断する切断力を上回り、駆動モータの動力を回転軸が摩擦力により回転体に伝達して回転し、ラミネートフィルムを押圧して緊張させ、小孔を介してラミネートフィルムを切断する。なお、本願発明に係るラミネート装置は、調節手段により弾性部材の弾力を調整し、切断するラミネートフィルムに適した摩擦力を調節することができるという効果がある。
【0027】
本願発明に係るラミネート装置は、切断軸が、一方端と他方端の位置が変位しているので、一方端から他方端へ順にラミネートフィルムに接触してラミネートフィルムを切断することができるという効果がある。本願発明に係るラミネート装置は、切断軸に、ラミネートフィルムの接触時、ラミネートフィルム上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられているので、切断軸が接触するラミネートフィルムの表面を傷付けることが少ないという効果がある。
【0028】
本願発明に係るシートの切断装置は、駆動すると、引出部により細長帯状のシートが切断部側に引き出され、切断部によりシートの小孔に沿って切断してシート片が形成された後、排出部により切断されたシート片を装置本体外に排出される。
【0029】
切断部の切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、その動力が摩擦力により切断軸に伝達され、切断軸が回転軸を中心として旋回する。シートは、幅方向に小孔が形成された位置では容易に切断されるが、幅方向に小孔が形成されていない位置では簡単に切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してシートに接触するが、小孔位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートを切断する切断力を下回っており、シートを切断することがなく摺接する。切断軸は、シートの小孔位置に接触すると前記摩擦力が前記小孔位置を切断する切断力を上回って回転し、シートを押圧して緊張させ、小孔を介してシートを切断する。
【0030】
このように、本願発明に係るシートの切断装置は、シートの切断位置を検知する高価なセンサー、及びセンサーからの検知信号に基づいてカッター装置を制御する制御部が不要である。また、本願発明に係るシートの切断装置は、シートの幅方向に小孔が形成されているので、シートを緊張させるだけで小孔から簡単に切断することができ、鋭利な刃が不要で、鋭利な刃を回転させたり、スライドさせたりする複雑な構成のカッター装置が不要である。本願発明に係るシートの切断装置は、上記したように、高価なセンサー、制御部、複雑な構成のカッター装置が不要で、誤作動なく切断することができ、簡単な構造で安価に製造することができ、メンテナンスを簡易化することができるという効果がある。
【0031】
本願発明に係るシートの切断装置は、切断手段を、回転軸と、回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなる構成にすることができる。
【0032】
上記切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、圧接板が回転し、圧接板が弾性部材により被接触板に圧接しているので、駆動モータの動力が圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達され、回転軸が回転し、切断軸が回転軸を中心として旋回する。シートは、小孔位置で容易に切断されるが、小孔位置以外は簡単には切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してシートに接触するが、シートの小孔位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートを切断する切断力を下回っており、駆動モータの動力を圧接板が空転して被接触板に伝達することができず、シートを切断することがなく摺接する。切断軸は、シートの小孔位置に接触すると前記摩擦力がシートを切断する切断力を上回り、駆動モータの動力を圧接板が摩擦力により被接触板に伝達して回転し、シートを押圧して緊張させ、小孔を介してシートを切断する。なお、本願発明に係るシートの切断装置は、調節手段により弾性部材の弾力を調整し、切断するシートに適した摩擦力を調節することができるという効果がある。
【0033】
本願発明に係るシートの切断装置は、切断手段を、回転軸と、回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなる構成にすることができる。
【0034】
上記切断手段は、装置本体の駆動モータを駆動すると、被駆動部材が回転し、同様に回転軸が回転する。回転体に設けられた転動体が弾性部材により回転軸に圧接しているので、駆動モータの動力が回転軸と転動体との摩擦力により回転体に伝達され、回転体が回転し、切断軸が回転軸を中心として旋回する。シートは、小孔位置で容易に切断されるが、小孔位置以外では簡単に切断されない。前記切断軸は、摩擦力により旋回してシートに接触するが、シートの小孔位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートを切断する切断力を下回っており、駆動モータの動力を回転軸が空転して回転体に伝達することができず、シートを切断することがなく摺接する。切断軸は、シートの小孔位置に接触すると前記摩擦力が前記シートを切断する切断力を上回り、駆動モータの動力を回転軸が摩擦力により回転体に伝達して回転し、シートを押圧して緊張させ、小孔を介してシートを切断する。なお、本願発明に係るシートの切断装置は、調節手段により弾性部材の弾力を調整し、切断するシートに適した摩擦力を調節することができるという効果がある。
【0035】
本願発明に係るシートの切断装置は、切断軸が、一方端と他方端の位置が変位しているので、一方端から他方端へ順にシートに接触してシートを切断することができるという効果がある。本願発明に係るシートの切断装置は、切断軸に、シートの接触時、シート上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられているので、切断軸が接触するシートの表面を傷付けることが少ないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本願発明に係るラミネート装置の一つの実施の形態を示す側面図である。
【図2】図1のラミネート装置の駆動部を示す側面図である。
【図3】図1のラミネート装置の切断手段を示す要部斜視図である。
【図4】図3の切断手段の要部側面断面図である。
【図5】図3の切断手段の正面説明図である。
【図6】図1のラミネート装置の穿孔手段を示す要部斜視図である。
【図7】図6の穿孔手段の取り付け状態を説明する斜視図である。
【図8】図6の穿孔手段の使用形態を示す正面説明図である。
【図9】図6の穿孔手段の取り付け状態を説明する要部断面側面図である。
【図10】本願発明に係るラミネート装置の非切断状態を説明する説明図である。
【図11】本願発明に係るラミネート装置の切断状態を説明する説明図である。
【図12】本願発明に係るラミネート装置の切断状態を説明する説明図である。
【図13】本願発明に係るラミネート装置の切断状態を説明する説明図である。
【図14】切断手段の他の実施の形態を説明する要部側面断面図である。
【図15】本願発明に係るシートの切断装置の切断手段を示す要部斜視図である。
【図16】本願発明に係るシートの切断装置の非切断状態を説明する説明図である。
【図17】本願発明に係るシートの切断装置の切断状態を説明する説明図である。
【図18】ラミネート装置の切断手段の他の形態を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1に示すように、ラミネート装置1は、装置本体2内に、ラミネートフィルムPが巻き付けられたラミネートフィルムロール10と、シート片Aを1枚ずつ装置本体2内に送る送り部35と、送り部35によって連続的に送られた各シート片Aの表面に、前記ラミネートフィルムロール10のラミネートフィルムPを引き出して熱圧着する熱圧着部40と、熱圧着部40によってラミネートフィルムPが熱圧着されたシート片Aを引き出す引出部45と、この引出部45によって引き出されたシート片Aの間のラミネートフィルムPを切断する切断部50と、切断部50によってラミネートフィルムPが切断されたシート片Aを装置本体2外に排出する排出部75とを有する。ラミネート装置1は、前記ラミネートフィルムロール10から引き出されるラミネートフィルムPに、引き出す方向に向かって連続的に小孔(ミシン目)P1を形成する穿孔手段16が設けられている。前記切断部50には、ラミネートフィルムPを切断する切断手段51が設けられている。図3に示すように、切断手段51は、回転軸52と、回転軸52を中心として旋回し、装置本体2の駆動モータ81の動力が摩擦力を介して伝達される切断軸60とで構成されている。前記切断軸60は、摩擦力によりラミネートフィルムPに接触し、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムPに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を下回ってラミネートフィルムPを切断することがなく、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムPに接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムPを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P1を介してラミネートフィルムPを切断する。
【0038】
ラミネート装置1は、駆動すると、送り部35によって、シート片Aが1枚ずつ装置本体2内に送られる。ラミネートフィルムロール10に巻き付けられたラミネートフィルムPは、引き出され、穿孔手段16により引き出す方向に向かって連続的に小孔(ミシン目)P1が形成された後、熱圧着部40により、送り部35によって連続的に送られた各シート片Aの表面に熱圧着される。ラミネートフィルムPが熱圧着されたシート片Aは、引出部45により切断部50側に引き出され、切断部50によりシート片Aの間のラミネートフィルムPが切断された後、排出部75により装置本体2外に排出される。
【0039】
切断部50の切断手段51は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、その動力が摩擦力により切断軸60に伝達され、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。ラミネートフィルムPは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片Aが熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムPに接触するが、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムPに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を下回っており、ラミネートフィルムPを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムPに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムPを切断する切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムPを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P1を介してラミネートフィルムPを切断する。
【0040】
このように、ラミネート装置1は、シート片Aとシート片Aの間のラミネートフィルムPの切断位置を検知する高価なセンサー、及びセンサーからの検知信号に基づいてカッター装置を制御する制御部が不要である。また、ラミネート装置1は、切断前にラミネートフィルムPに小孔(ミシン目)P1を形成しているので、ラミネートフィルムPを緊張させるだけで小孔(ミシン目)P1から簡単に切断することができ、鋭利な刃が不要で、鋭利な刃を回転させたり、スライドさせたりする複雑な構成のカッター装置が不要である。ラミネート装置1は、上記したように、高価なセンサー、制御部、複雑な構成のカッター装置が不要で、誤作動なく切断することができ、簡単な構造で安価に製造することができ、メンテナンスを簡易化することができる。
【0041】
図4に示すように、ラミネート装置1は、切断手段51が、回転軸52と、回転軸52に取り付けられ、回転軸52を中心として旋回する切断軸60と、回転軸52に固定して取り付けられた被接触板63と、回転軸52に回動可能に設けられ、駆動モータ81の動力により強制的に回転させられる圧接板65と、回転軸52に設けられ、前記圧接板65を被接触板63に圧接させて圧接板65の回転を、前記圧接板65と被接触板63との摩擦力により被接触板63に伝達させる弾性部材73とからなる構成にすることができる。
【0042】
上記切断手段51は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、圧接板65が回転し、圧接板65が弾性部材73により被接触板63に圧接しているので、駆動モータ81の動力が圧接板65と被接触板63との摩擦力により被接触板63に伝達され、回転軸52が回転し、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。ラミネートフィルムPは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片Aが熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムPに接触するが、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムPに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を下回っており、駆動モータ81の動力を圧接板65が空転して被接触板63に伝達することができず、ラミネートフィルムPを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムPに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムPを切断する切断力を上回り、駆動モータ81の動力を圧接板65が摩擦力により被接触板63に伝達して回転し、ラミネートフィルムPを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P1を介してラミネートフィルムPを切断する。なお、ラミネート装置1は、回転軸52に、前記弾性部材73の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段70が設けられているので、調節手段70により弾性部材73の弾力を調整し、切断するラミネートフィルムPに適した摩擦力を調節することができる。
【0043】
図14に示すように、ラミネート装置1は、切断手段91を、回転軸52と、回転軸52に回動可能に取り付けられ回転体92と、回転体92に固定され、回転軸52を中心として旋回可能な切断軸60と、回転体92に設けられ、回転軸52の周面に接触する転動体93と、回転軸52に固定して設けられ、駆動モータ81の動力により強制的に回転させられる被駆動部材95と、前記回転体92に設けられ、前記転動体93を回転軸52に圧接させて回転軸52の回転を、前記転動体93と回転軸52との摩擦力により回転体92に伝達させる弾性部材96とからなる構成にすることができる。
【0044】
上記切断手段91は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、被駆動部材95が回転し、同様に回転軸52が回転する。回転体92に設けられた転動体93が弾性部材96により回転軸52に圧接しているので、駆動モータ81の動力が回転軸52と転動体93との摩擦力により回転体92に伝達され、回転体92が回転し、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。ラミネートフィルムPは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片Aが熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してラミネートフィルムPに接触するが、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムPに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を下回っており、駆動モータ81の動力を回転軸52が空転して回転体92に伝達することができず、ラミネートフィルムPを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムPに接触すると前記摩擦力が前記ラミネートフィルムPを切断する切断力を上回り、駆動モータ81の動力を回転軸52が摩擦力により回転体92に伝達して回転し、ラミネートフィルムPを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P1を介してラミネートフィルムPを切断する。なお、ラミネート装置1は、前記回転体92に、前記弾性部材96の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段98が設けられているので、調節手段98により弾性部材96の弾力を調整し、切断するラミネートフィルムPに適した摩擦力を調節することができる。
【0045】
図3に示すように、ラミネート装置1の切断軸60は、一方端60aと他方端60bの位置が変位しているので、一方端60aから他方端60bへ順にラミネートフィルムPに接触してラミネートフィルムPを切断することができる。ラミネート装置1は、切断軸60に、ラミネートフィルムPの接触時、ラミネートフィルムP上を転動する円筒ローラー61が回動可能に設けられているので、切断軸60が接触するラミネートフィルムPの表面を傷付けることが少ない。
【0046】
図15に示すように、シートの切断装置101は、細長帯状であって、長手方向と略直角の方向に小孔(ミシン目)P2が連設され、小孔(ミシン目)P2に沿って切断することにより矩形形状のシート片Aが形成されるシートBの切断装置である。シートの切断装置101は、シートBの小孔(ミシン目)P2に沿って切断する切断部50と、シートBを切断部50側に引き出す引出部45と、切断部50によって切断されたシート片Aを排出する排出部75とを有する。前記切断部50には、シートBを小孔(ミシン目)P2に沿って切断する切断手段51が設けられている。図3に示すように、切断手段51は、回転軸52と、回転軸52を中心として旋回し、装置本体2の駆動モータ81の動力が摩擦力を介して伝達される切断軸60とで構成されている。前記切断軸60は、摩擦力によりシートBに接触し、前記摩擦力がシートBを切断する切断力を下回ってシートBを切断することがなく、シートBの小孔(ミシン目)P2位置に接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、シートBを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P2を介してシートBを切断する。
【0047】
図15に示すように、シートの切断装置101は、駆動すると、引出部45により細長帯状のシートBが切断部50側に引き出され、切断部50によりシートBの小孔(ミシン目)P2に沿って切断してシート片Aが形成された後、排出部75により切断されたシート片Aを装置本体2外に排出される。切断部50の切断手段51は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、その動力が摩擦力により切断軸60に伝達され、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。シートBは、幅方向に小孔(ミシン目)P2が形成された位置では容易に切断されるが、幅方向に小孔(ミシン目)P2が形成されていない位置では簡単に切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してシートBに接触するが、小孔(ミシン目)P2位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートBを切断する切断力を下回っており、シートBを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シートBの小孔(ミシン目)P2位置に接触すると前記摩擦力が前記小孔(ミシン目)P2位置を切断する切断力を上回って回転し、シートBを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P2を介してシートBを切断する。
【0048】
このように、シートの切断装置101は、シートBの切断位置を検知する高価なセンサー、及びセンサーからの検知信号に基づいてカッター装置を制御する制御部が不要である。また、シートの切断装置101は、シートBの幅方向に小孔(ミシン目)P2が形成されているので、シートBを緊張させるだけで小孔(ミシン目)P2から簡単に切断することができ、鋭利な刃が不要で、鋭利な刃を回転させたり、スライドさせたりする複雑な構成のカッター装置が不要である。シートの切断装置101は、上記したように、高価なセンサー、制御部、複雑な構成のカッター装置が不要で、誤作動なく切断することができ、簡単な構造で安価に製造することができ、メンテナンスを簡易化することができる。
【0049】
図4に示すように、シートの切断装置101は、切断手段51を、回転軸52と、回転軸52に取り付けられ、回転軸52を中心として旋回する切断軸60と、回転軸52に固定して取り付けられた被接触板63と、回転軸52に回動可能に設けられ、駆動モータ81の動力により強制的に回転させられる圧接板65と、回転軸52に設けられ、前記圧接板65を被接触板63に圧接させて圧接板65の回転を、前記圧接板65と被接触板63との摩擦力により被接触板63に伝達させる弾性部材73とからなる構成にすることができる。
【0050】
上記切断手段51は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、圧接板65が回転し、圧接板65が弾性部材73により被接触板63に圧接しているので、駆動モータ81の動力が圧接板65と被接触板63との摩擦力により被接触板63に伝達され、回転軸52が回転し、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。シートBは、小孔(ミシン目)P2位置で容易に切断されるが、小孔(ミシン目)P2位置以外は簡単には切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してシートBに接触するが、シートBの小孔(ミシン目)P2位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートBを切断する切断力を下回っており、駆動モータ81の動力を圧接板65が空転して被接触板63に伝達することができず、シートBを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シートBの小孔(ミシン目)P2位置に接触すると前記摩擦力がシートBを切断する切断力を上回り、駆動モータ81の動力を圧接板65が摩擦力により被接触板63に伝達して回転し、シートBを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P2を介してシートBを切断する。なお、シートBの切断装置101は、前記回転軸52に、前記弾性部材73の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段70が設けられているので、調節手段70により弾性部材73の弾力を調整し、切断するシートBに適した摩擦力を調節することができる。
【0051】
図14に示すように、シートの切断装置101は、切断手段91を、回転軸52と、回転軸52に回動可能に取り付けられ回転体92と、回転体92に固定され、回転軸52を中心として旋回可能な切断軸60と、回転体92に設けられ、回転軸52の周面に接触する転動体93と、回転軸52に固定して設けられ、駆動モータ81の動力により強制的に回転させられる被駆動部材95と、前記回転体92に設けられ、前記転動体93を回転軸52に圧接させて回転軸52の回転を、前記転動体93と回転軸52との摩擦力により回転体92に伝達させる弾性部材96とからなる構成にすることができる。
【0052】
上記切断手段91は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、被駆動部材95が回転し、同様に回転軸52が回転する。回転体92に設けられた転動体93が弾性部材96により回転軸52に圧接しているので、駆動モータ81の動力が回転軸52と転動体93との摩擦力により回転体92に伝達され、回転体92が回転し、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。シートBは、小孔(ミシン目)P2位置で容易に切断されるが、小孔(ミシン目)P2位置以外では簡単に切断されない。前記切断軸60は、摩擦力により旋回してシートBに接触するが、シートBの小孔(ミシン目)P2位置以外に接触している時には前記摩擦力がシートBを切断する切断力を下回っており、駆動モータ81の動力を回転軸52が空転して回転体92に伝達することができず、シートBを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シートBの小孔(ミシン目)P2位置に接触すると前記摩擦力が前記シートBを切断する切断力を上回り、駆動モータ81の動力を回転軸52が摩擦力により回転体92に伝達して回転し、シートBを押圧して緊張させ、小孔(ミシン目)P2を介してシートBを切断する。なお、シートの切断装置101は、前記回転体92に、前記弾性部材96の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段98が設けられているので、調節手段98により弾性部材96の弾力を調整し、切断するシートBに適した摩擦力を調節することができる。
【0053】
図15に示すように、シートの切断装置101の切断軸60が、一方端60aと他方端60bの位置が変位しているので、一方端60aから他方端60bへ順にシートBに接触してシートBを切断することができる。シートの切断装置101は、切断軸60に、シートBの接触時、シートB上を転動する円筒ローラー61が回動可能に設けられているので、切断軸60が接触するシートBの表面を傷付けることが少ない。
【0054】
さらに、ラミネート装置について詳細に説明する。ラミネート装置1は、束ねられた矩形状のシート片Aを上から順番に引き出して一枚ずつ送り、送る途中にラミネートフィルムPをシート片Aの表面及び/又は裏面に熱圧着し、シート片Aに熱圧着されたラミネートフィルムPを切断して排出するものである。なお、シート片Aは、所定規格の紙葉体(用紙)、写真、印刷物、プラスチックシート等、特に材質及びサイズが限定されるものではない。
【0055】
図1に示すように、ラミネート装置1の装置本体2は、両側壁3,5を有する。両側壁3、5間に形成された空間6には、ラミネートフィルムPが巻き付けられたラミネートフィルムロール10と、ラミネートフィルムロール10から引き出されるラミネートフィルムPに、引き出す方向に向かって連続的に小孔(ミシン目)P1を形成する穿孔手段16と、シート片Aを1枚ずつ装置本体2内に送る送り部35と、送り部35によって連続的に送られた各シート片Aの表面及び/又は裏面に、前記ラミネートフィルムロール10のラミネートフィルムPを引き出して熱圧着する熱圧着部40と、熱圧着部40によってラミネートフィルムPが熱圧着されたシート片Aを引き出す引出部45と、この引出部45によって引き出されたシート片Aの間のラミネートフィルムPを切断する切断部50と、切断部50によってラミネートフィルムPが切断されたシート片Aを装置本体2外に排出する排出部75とが設けられている。
【0056】
また、装置本体2は、前部に送りトレー78が着脱可能に装着され、後部に排出トレー79が着脱可能に装着される。装置本体2の一方の側壁、例えば右側壁3の外面には、図2に示すように、前記送り部35と、前記熱圧着部40と、前記引出部45と、前記切断部50と、前記排出部75を駆動する駆動部80が設けられている。
【0057】
図7に示すように、ラミネートフィルムロール10は、ラミネートフィルムPを巻き付ける巻付軸11を有し、巻付軸11の両端部12,13が右側壁3及び左側壁5の内面に形成された略コ字状の軸受け部15に回動可能に軸受けされている。ラミネートフィルムPは、一方の面(シートAに接触する面)に感熱接着剤が設けられており、加熱されることによりシート片Aに接着が可能となる。
【0058】
穿孔手段16は、図7,9に示すように、右側壁3にネジ7によって固定される円軸状の固定軸17に回動可能に取り付けられる。図6に示すように、穿孔手段16は、折曲されて形成されたアーム18と、アーム18の先部18aに回動可能に設けられた回転刃20を有する。回転刃20は、厚みが薄く、周囲に穿孔突起が形成され、アーム18に取り付けられた支軸19に回動可能に取り付けられている。支軸19は、アーム18と略直角の方向(固定軸17と略平行の方向)に設けられ、前記した回転刃20,圧接リング21が順に配設され、バネ(弾性部材)22が巻装されている。さらに支軸19は、先部に雌ネジ23が形成され、当該雌ネジ23にナット24が螺着されている。ナット24を締めると、バネ(弾性部材)22の弾発力が強くなり、圧接リング21が回転刃20に圧接する。回転刃20は、圧接リング21によって規制され、ナット24を締め付けると回転し難くなり、緩めると回転し易くなる。
【0059】
アーム18は、基部18bが固定軸17に回動可能且つスライド可能に取り付けられている。また、基部18bには、略L字状の補強部材25が一体で形成されている。補強部材25は、スライド板26と、軸受け板27とからなる。軸受け板27は、基部18bと略平行となり、基部18bと同様に固定軸17に回動可能且つスライド可能に取り付けられている。スライド板26には、雌ネジ部28が形成されている。
【0060】
また、固定軸17には、押圧部材30が設けられている。押圧部材30は、固定軸17に回動可能に取り付けられる基板31と、基板31と略直角方向(固定軸17と略平行の方向)に折曲されたガイド板32と、基板31の上端に略直角に折曲されて形成された折曲板33とからなる。ガイド板32には、長手方向(固定軸17と略平行の方向)にガイド溝32aが形成されている。前記アーム18は、固定軸17の軸方向にスライドさせ、所定位置で、ボルト29を前記ガイド溝32aに挿通して雌ネジ部28に螺着することにより、押圧部材30に固定される。折曲板33は、右側壁3に形成された開口8から突出するようになっている(図7参照)。この折曲板33の係止溝33aには、バネ(弾性部材)34の一方が係止され、図2に示すように、バネ(弾性部材)34の他方が右側壁3に設けられた係止ピン9に係止されている。このバネ(弾性部材)34の弾性復元力により、折曲板33,基板31,ガイド板32,補強部材25,アーム18を介して回転刃20をラミネートフィルムロール10に圧接させている(図8参照)。従って、回転刃20は、ラミネートフィルムロール10から引き出されるラミネートフィルムPに、引き出す方向に向かって連続的に小孔(ミシン目)P1を形成する。
【0061】
送り部35は、送りトレー78に積層された矩形状のシート片Aの束の最上部のシート片Aを装置本体2側に引き込む前部ローラー36と、前部ローラー36によって引き込まれたシート片Aを1枚ずつ上下から挟み込み装置本体2の空間6内に送り込む一対の送りローラー37,38とからなる。
【0062】
熱圧着部40は、加熱ローラー41と、加熱ローラー41に圧接して加熱ローラー41を回転させる駆動ローラー42とからなる。熱圧着部40は、前記した一対の送りローラー37,38によって連続的に送られてくる各シート片Aの表面に、前記ラミネートフィルムロール10のラミネートフィルムPを引き出して感熱接着剤側を重ね、通電により加熱された加熱ローラー41と駆動ローラー42により、ラミネートフィルムPをシート片Aに熱圧着する。このようにして、シート片Aの表面にラミネートフィルムPを緊張させた状態で貼着させることができる。なお、ラミネートフィルムロール10と加熱ローラー41の間にラミネートフィルムPをガイドするガイドローラー43が設けられている。引出部45は、熱圧着部40によってラミネートフィルムPが熱圧着されたシート片Aを引き出す一対の引き出しローラー46,47とからなる。
【0063】
図3乃至5に示すように、切断手段51は、回転軸52と、回転軸52の両側に固定して取り付けられたフランジ53,54と、右側のフランジ53にネジ55等の固着手段によって固定された右連結板56と、左側のフランジ54にネジ55等の固着手段によって固定された左連結板57と、右連結板56と左連結板57に取り付けられた切断軸60を有する。右連結板56と左連結板57は略90度位置を傾けて取り付けられており、回転軸52がX方向(時計方向)に回転すると、左連結板57が右連結板56から略1/4回転遅れることになる。
【0064】
右連結板56には、長手方向に向かって等間隔で3つの透孔56a,56b,56cが形成され、左連結板57には、長手方向に向かって等間隔で3つの透孔57a,57b,57cが形成されている。前記切断軸60は、右端(一方端)60a側を右連結板56の透孔56a,56b,56cのいずれか一つ(例えば56b)に差し込み、左端(他方端)60b側を左連結板57の透孔57a,57b,57cのいずれか一つ(例えば57b)に差し込んで取り付けられる。本実施の形態では、前記切断軸60は、両端が回転軸52の軸心から略同一の距離で配置されている。また、切断軸60は、両端が右連結板56及び左連結板57に固定されても、回転可能に取り付けられても構わないが、回転可能に取り付けられた場合には、透孔56a〜56c、57a〜57cから抜け出ないように、ネジ、スナップリング等の固定手段により止着することが望ましい。さらに、前記切断軸60には、ラミネートフィルムPの接触時、ラミネートフィルムP上を転動する円筒ローラー61を回動可能に設けておくことが望ましい。
【0065】
前記回転軸52は、両端が右側壁3と左側壁5に回動可能に取り付けられている。右側壁3から突出する回転軸52の突出部62には、円板状の被接触板63が固定して取り付けられ、この被接触板63に摺接するスプロケット(圧接板)65が回動可能に取り付けられ、さらに、スプロケット(圧接板)65に摺接するリング板66が回動可能に設けられ、このリング板66に摺接するクラッチ板67が装着されている。クラッチ板67は、半径方向に設けられた係止ピン68が回転軸52に形成された凹部69に係合し、回転軸52の軸方向にはスライド可能であるが、回転軸52の周面方向には回動せず、回転軸52と共に回転する構成となっている。
【0066】
回転軸52の右端部には、ネジ部71が形成され、当該ネジ部71に座金72が配設され、さらにネジ部71にバネ(弾性部材)73が巻装され、調節ナット70(調節手段)が螺着されている。当該調節ナット70(調節手段)を締め付けると、バネ(弾性部材)73の弾発力が強くなり、座金72を介してクラッチ板67がリング板66に圧接する。さらに、バネ(弾性部材)73により押圧されたリング板66がスプロケット(圧接板)65を被接触板63に圧接させる。従って、スプロケット(圧接板)65の回転は、スプロケット(圧接板)65と被接触板63の圧接摩擦力とリング板66とクラッチ板67の圧接摩擦力により回転軸52に伝達されるようになっている。この上記圧接摩擦力は、調節ナット70(調節手段)を締め付けると強くなり、緩めると弱くなり、調節ナット70(調節手段)により調節できるようになっている。前記スプロケット(圧接板)65とリング板66は、本実施の形態では、別体で構成しているが、同一体で形成しても構わない。
【0067】
排出部75には、切断部50によってラミネートフィルムPが切断されたシート片Aを排出する一対の排出ローラー76,77が設けられている。この一対の排出ローラー76,77によって排出されるシート片Aは排出トレー79に排出される。図1に示すように、引出部45と排出部75の間には、ラミネートフィルムPが切断されたシート片Aの先端を排出部75側へ案内する案内板48が設けられている。
【0068】
図2に示すように、駆動部80は、駆動モータ81と、駆動モータ81の回転を各ローラーに伝達するチェーン伝導手段と、加熱ローラー41に通電して加熱ローラー41を加熱させる通電部82とからなる。即ち、駆動モータ81の駆動軸81aと、駆動ローラー42の回転軸42aと、下側の引き出しローラー47の回転軸47aは、スプロケット及びチェーン83によって同時に回転する。また、駆動ローラー42の回転軸42aと、下側の送りローラー38の回転軸38aは、スプロケット及びチェーン84によって同時に回転する。下側の引き出しローラー47の回転軸47aと、下側の排出ローラー77の回転軸77aと、切断部50の回転軸52と、ガイド軸86は、スプロケット及びチェーン85によって同時に回転する。なお、排出ローラー77は、引き出しローラー47より回転速度が高めに設定されており、引出部45と排出部75の間に位置するラミネートフィルムP及びシート片Aは緊張させられている。
【0069】
ラミネート装置1は、図示しないスタートボタンを押すと、加熱ローラ−41が加熱され、駆動モータ81が稼動し、各ローラーが回転を始める。前部ローラー36が送りトレー78に積層された矩形状のシート片Aの束の最上部のシート片Aを装置本体2側に引き込み、前部ローラー36によって引き込まれたシート片Aを一対の送りローラー37,38が1枚ずつ上下から挟み込んで、装置本体2の空間6内に送り込む。
【0070】
熱圧着部40において、前記した一対の送りローラー37,38によって連続的に送られてくる各シート片Aの表面に、前記ラミネートフィルムロール10のラミネートフィルムPを引き出して感熱接着剤側を重ね、通電により加熱された加熱ローラー41と駆動ローラー42により、ラミネートフィルムPをシート片Aに熱圧着する。なお、ラミネートフィルムPは、図7,8に示すように、回転刃20によって引き出し方向に小孔(ミシン目)P1が連続して形成されている。連続して形成される小孔(ミシン目)P1の位置は、切断軸60が最初に接触する側(本実施の形態では右側)に設けておくことが望ましい。小孔(ミシン目)P1は、特に支障を来すような大きさではないので、そのままでも構わないが、場合によってはラミネート後にカットしても構わない。熱圧着部40によってラミネートフィルムPが熱圧着されたシート片Aは、一対の引き出しローラー46,47によって切断部50側に引き出される。
【0071】
切断部50では、スプロケット(圧接板)65の回転がスプロケット(圧接板)65と被接触板63の圧接摩擦力とリング板66とクラッチ板67の圧接摩擦力により回転軸52に伝達され、回転軸52が回転しようとする。図10に示すように、切断軸60は、シート片Aが熱圧着されているラミネートフィルムPの位置では、シート片AとラミネートフィルムPの2層構成となっているため、強度がアップしており切断することができない。そのため、切断軸60は、回転せずラミネートフィルムP上を摺接している。なお、切断軸60には、円筒ローラー61が設けられていると、円筒ローラー61がラミネートフィルムP上を転動するので、ラミネートフィルムPを傷付けることが少ない。この状態は、前記圧接摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力よりも小さいので、スプロケット(圧接板)65が空転している状態である。
【0072】
図11,12に示すように、切断軸60が、シート片Aとシート片Aの間のラミネートフィルムP上に位置すると、ラミネートフィルムPの単層構成となっているため、強度が弱く直ちに切断することができる。なお、送り部35によって先行するシート片Aの後端部と次のシート片Aの前端部を重ねて送る場合もある。先行するシート片Aと次のシート片Aの隙間を無くすことにより、ラミネートフィルムPの加熱により軟化した接着剤がローラーに付着することを防止するためである。係る場合、切断軸60は、ラミネートフィルムPにシート片Aが熱圧着されている位置から熱圧着されていない位置に瞬間的に接触するので、圧接摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムPを直ちに切断することができる。この場合、ラミネートフィルムPは、小孔(ミシン目)P1が存在するので、小孔(ミシン目)P1の位置からラミネートフィルムPの長手方向と略直角の方向に簡単に切断する。また、切断軸60は、右端(一方端)60aからラミネートフィルムPに接触するので、ラミネートフィルムPの右側に設けられた小孔(ミシン目)P1位置から確実に切断することができる。この状態は、前記圧接摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力よりも大きいので、スプロケット(圧接板)65の回転が被接触板63及びクラッチ板67を介して回転軸52に伝達されている状態である。
【0073】
切断されたシート片Aは、排出部75から排出トレー79に排出される。図13に示すように、切断されたラミネートフィルムPは、先端が案内板48によって排出部75に案内され、排出ローラー77が引き出しローラー47より回転速度が高めに設定されているので、引出部45と排出部75の間で直ちに緊張し、図10に示すように、緊張させられたラミネートフィルムPに切断軸60が摺接する。このようにして、ラミネート装置1は、ラミネートフィルムPを切断していくことができる。なお、ラミネートされたシートAは、ラミネートフィルムPに小孔(ミシン目)P1が形成されている。 小孔(ミシン目)P1は、目立つ大きさではなく、外観上何等支障を来すことはないが、場合によっては切断しても構わない。
【0074】
なお、上記ラミネート装置1は、図14に示すように、切断手段91を、回転軸52と、回転軸52に回動可能に取り付けられ回転体92と、回転体92に連結板94を介して固定され、回転軸52を中心として旋回可能な切断軸60と、回転体92に設けられ、回転軸52の周面に形成された複数の凹部97に間欠的に係合する転動体93と、回転軸52に固定して設けられ、駆動モータ81の動力により強制的に回転させられるスプロケット(被駆動部材)95と、前記回転体92に設けられ、前記転動体93を回転軸52に圧接させて回転軸52の回転を、前記転動体93と回転軸52の凹部97との係合摩擦力により回転体92に伝達させる弾性部材96とからなる構成にしても良い。
【0075】
上記切断手段91は、装置本体2の駆動モータ81を駆動すると、スプロケット(被駆動部材)95が回転し、同様に回転軸52が回転する。回転体92に設けられた転動体93が弾性部材96により回転軸52の凹部97に圧接係合しているので、駆動モータ81の動力が回転軸52の凹部97と転動体93との係合摩擦力により回転体92に伝達され、回転体92が回転し、切断軸60が回転軸52を中心として旋回する。ラミネートフィルムPは、それ自体では単層なので容易に切断されるが、シート片Aが熱圧着されている場合には二層なので簡単には切断されない。前記切断軸60は、係合摩擦力により旋回してラミネートフィルムPに接触するが、シート片Aが熱圧着されたラミネートフィルムPに接触している時には前記係合摩擦力がラミネートフィルムPを切断する切断力を下回っており、駆動モータ81の動力を回転軸52が空転して回転体92に伝達することができず、図10に示すように、ラミネートフィルムPを切断することがなく摺接する。切断軸60は、シート片Aが熱圧着されていないラミネートフィルムPに接触すると前記係合摩擦力が前記ラミネートフィルムPを切断する切断力を上回り、駆動モータ81の動力を回転軸52が係合摩擦力により回転体92に伝達して回転し、ラミネートフィルムPを押圧して緊張させ、図12に示すように、小孔(ミシン目)を介してラミネートフィルムPを切断する。なお、ラミネート装置1は、前記回転体92に、前記弾性部材96の弾力を調節し、係合摩擦力を調節する調節ネジ(調節手段)98が設けられているので、調節ネジ(調節手段)98により弾性部材96の弾力を調整し、切断するラミネートフィルムPに適した係合摩擦力を調節することができる。
【0076】
次にシートの切断装置について説明する。シートの切断装置101は、細長帯状であって、長手方向と略直角の方向に小孔(ミシン目)P2が連設され、小孔(ミシン目)P2に沿って切断することにより矩形形状のシート片Aが形成されるシートBの切断装置である。シートBは、小孔(ミシン目)P2を介してシート片(用紙)Aが連設された細長帯状紙体である。当該シートの切断装置101は、ラミネート装置1と同じ切断手段51,91を有するので、構成については説明を省略する。
【0077】
図15に示すように、シートの切断装置101は、図示しないスタートボタンを押すと、駆動モータ81が稼動し、各ローラーが回転を始める。シートBは、一対の引き出しローラー46,47によって切断部50側に引き出される。
【0078】
切断部50では、スプロケット(圧接板)65の回転がスプロケット(圧接板)65と被接触板63の圧接摩擦力とリング板66とクラッチ板67の圧接摩擦力により回転軸52に伝達され、回転軸52が回転しようとする。図16に示すように、切断軸60は、小孔(ミシン目)P2が形成されていないシートBの位置では、切断することができない。そのため、切断軸60は、回転せずシートB上を摺接している。なお、切断軸60には、円筒ローラー61が設けられていると、円筒ローラー61がシートB上を転動するので、シートBを傷付けることが少ない。この状態は、前記圧接摩擦力がシートBを切断する切断力よりも小さいので、スプロケット(圧接板)65が空転している状態である。
【0079】
図17に示すように、切断軸60が、シートBの孔(ミシン目)P2位置に移動すると、強度が弱く孔(ミシン目)P2に沿って直ちに切断することができる。この状態は、前記圧接摩擦力がシートBを切断する切断力よりも大きいので、スプロケット(圧接板)65の回転が被接触板63及びクラッチ板67を介して回転軸52に伝達されている状態である。切断されたシート片Aは、排出部75から排出トレー79に排出される。
【0080】
上記実施の形態で説明したラミネート装置1は、送り部35によりシート片Aを1枚ずつ装置本体2内に送るが、シートAの前端と後端を検知するセンサーを必要としていないので、先行するシートAの後端部と次のシートAの前端部を重ねて送っても良い。先行するシートAと次のシートAの隙間を無くすことにより、ラミネートフィルムPの加熱により軟化した接着剤がローラーに付着することを防止することができる。また、上記実施の形態で説明したラミネート装置1は、シートAの片面側をラミネートする構造であるが、装置本体2の上下にラミネートフィルムロール10を配置して、シートAの両面をラミネートする構造であっても構わないのは勿論である。また、上記実施の形態では、前記切断軸60は、右端(一方端)60a側を右連結板56の透孔56bに差し込み、左端(他方端)60b側を左連結板57の透孔57bに差し込んで取り付けたが、図18に示すように、右端(一方端)60a側を右連結板56の透孔56cに差し込み、左端(他方端)60b側を左連結板57の透孔57bに差し込んで、両端60a,60bが回転軸52の軸心から異なる距離で配置されるようにしても構わないのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、印刷されたシート片の表面又は/及び裏面にラミネートフィルムを加熱圧着後、ラミネートフィルムを切断するラミネート装置として広く利用可能である。
【符号の説明】
【0082】
A シート片
B シート
P ラミネートフィルム
P1 小孔(ミシン目)
P2 小孔(ミシン目)
X 回転方向
1 ラミネート装置
2 装置本体
3 右側壁
5 左側壁
6 空間
7 ネジ
8 開口
9 係止ピン
10 ラミネートフィルムロール
11 巻付軸
12 端部
13 端部
15 軸受け部
16 穿孔手段
17 固定軸
18 アーム
18a 先部
18b 基部
19 支軸
20 回転刃
21 圧接リング
22 バネ(弾性部材)
23 雌ネジ
24 ナット
25 補強部材
26 スライド板
27 軸受け板
28 雌ネジ部
29 ボルト
30 押圧部材
31 基板
32 ガイド板
32a ガイド溝
33 折曲板
34 バネ(弾性部材)
35 送り部
36 前部ローラー
37 送りローラー
38 送りローラー
38a 回転軸
40 熱圧着部
41 加熱ローラー
42 駆動ローラー
43 ガイドローラー
45 引出部
46 引き出しローラー
47 引き出しローラー
47a 回転軸
48 案内板
50 切断部
51 切断手段
52 回転軸
53 フランジ
54 フランジ
55 ネジ
56 右連結板
56a 透孔
56b 透孔
56c 透孔
57 左連結板
57a 透孔
57b 透孔
57c 透孔
60 切断軸
60a 右端(一方端)
60b 左端(他方端)
61 円筒ローラー
62 突出部
63 被接触板
65 スプロケット(圧接板)
66 リング板
67 クラッチ板
68 係止ピン
69 凹部
70 調節ナット(調整手段)
71 ネジ部
72 座金
73 バネ(弾性部材)
75 排出部
76 排出ローラー
77 排出ローラー
77a 回転軸
78 送りトレー
79 排出トレー
80 駆動部
81 駆動モータ
81a 駆動軸
82 通電部
83 チェーン
84 チェーン
85 チェーン
86 ガイド軸
91 切断手段
92 回転体
93 転動体
94 連結板
95 スプロケット(被駆動部材)
96 弾性部材
97 凹部
98 調節ネジ(調節手段)
101 シートの切断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に、
ラミネートフィルムが巻き付けられたラミネートフィルムロールと、
シート片を1枚ずつ装置本体内に送る送り部と、
送り部によって連続的に送られた各シート片の表面に、前記ラミネートフィルムロールのラミネートフィルムを引き出して熱圧着する熱圧着部と、
熱圧着部によってラミネートフィルムが熱圧着されたシート片を引き出す引出部と、
この引出部によって引き出されたシート片の間のラミネートフィルムを切断する切断部と、
切断部によってラミネートフィルムが切断されたシート片を装置本体外に排出する排出部とを有するラミネート装置であって、
前記ラミネートフィルムロールから引き出されるラミネートフィルムに、引き出す方向に向かって連続的に小孔を形成する穿孔手段が設けられ、
前記切断部には、ラミネートフィルムを切断する切断手段が設けられ、
切断手段は、
回転軸と、
回転軸を中心として旋回し、装置本体の駆動モータの動力が摩擦力を介して伝達される切断軸とで構成され、
前記切断軸は、摩擦力によりラミネートフィルムに接触し、シート片が熱圧着されたラミネートフィルムに接触している時には前記摩擦力がラミネートフィルムを切断する切断力を下回ってラミネートフィルムを切断することがなく、シート片が熱圧着されていないラミネートフィルムに接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、ラミネートフィルムを押圧して緊張させ、小孔を介してラミネートフィルムを切断することを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記切断手段は、
回転軸と、
回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、
回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、
回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、
回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
【請求項3】
前記回転軸には、前記弾性部材の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載のラミネート装置。
【請求項4】
前記切断手段は、
回転軸と、
回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、
回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、
回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、
回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、
前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
【請求項5】
前記回転体には、前記弾性部材の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載のラミネート装置。
【請求項6】
前記切断軸は、一方端と他方端の位置が変位しており、一方端から他方端へ順にラミネートフィルムに接触してラミネートフィルムを切断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のラミネート装置。
【請求項7】
前記切断軸には、ラミネートフィルムの接触時、ラミネートフィルム上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のラミネート装置。
【請求項8】
細長帯状であって、長手方向と略直角の方向に小孔が連設され、小孔に沿って切断することにより矩形形状のシート片が形成されるシートの切断装置であって、
シートの小孔に沿って切断する切断部と、
シートを切断部側に引き出す引出部と、
切断部によって切断されたシート片を排出する排出部とを有し、
前記切断部には、シートを小孔に沿って切断する切断手段が設けられ、
切断手段は、
回転軸と、
回転軸を中心として旋回し、装置本体の駆動モータの動力が摩擦力を介して伝達される切断軸とで構成され、
前記切断軸は、摩擦力によりシートに接触し、前記摩擦力がシートを切断する切断力を下回ってシートを切断することがなく、シートの小孔位置に接触すると前記摩擦力が前記切断力を上回って回転し、シートを押圧して緊張させ、小孔を介してシートを切断することを特徴とするシートの切断装置。
【請求項9】
前記切断手段は、
回転軸と、
回転軸に取り付けられ、回転軸を中心として旋回する切断軸と、
回転軸に固定して取り付けられた被接触板と、
回転軸に回動可能に設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる圧接板と、
回転軸に設けられ、前記圧接板を被接触板に圧接させて圧接板の回転を、前記圧接板と被接触板との摩擦力により被接触板に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする請求項8記載のシートの切断装置。
【請求項10】
前記回転軸には、前記弾性部材の弾力を調整し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項9記載のシートの切断装置。
【請求項11】
前記切断手段は、
回転軸と、
回転軸に回動可能に取り付けられ回転体と、
回転体に固定され、回転軸を中心として旋回可能な切断軸と、
回転体に設けられ、回転軸の周面に接触する転動体と、
回転軸に固定して設けられ、駆動モータの動力により強制的に回転させられる被駆動部材と、
前記回転体に設けられ、前記転動体を回転軸に圧接させて回転軸の回転を、前記転動体と回転軸との摩擦力により回転体に伝達させる弾性部材とからなることを特徴とする請求項8記載のシートの切断装置。
【請求項12】
前記回転体には、前記弾性部材の弾力を調節し、摩擦力を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項11記載のシートの切断装置。
【請求項13】
前記切断軸は、一方端と他方端の位置が変位しており、一方端から他方端へ順にシートに接触してシートを切断することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のシートの切断装置。
【請求項14】
前記切断軸には、シートの接触時、シート上を転動する円筒ローラーが回動可能に設けられていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のシートの切断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−76381(P2012−76381A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224360(P2010−224360)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(591248201)フジプラ株式会社 (6)
【出願人】(000155322)株式会社木下製作所 (5)
【Fターム(参考)】