説明

リターダーシステム

【課題】波長依存性の少ないリターダーシステムを提供する。
【解決手段】入射電磁ビームが2つの平行四辺形状の菱面体のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射するように互いに向きを定めて置かれ、それらの第1の面RS1と第3の面RS3、及び第2面のRS2と第4面のRS4がそれぞれ実質的に平行となるように向きを定めて置かれている。それらの一方の菱面体の第1の面に、その面に対して実質的に垂直に入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが、一方の菱面体の第4の面RS4及び第2の面RS2で内部反射され、続いて、一方の菱面体の第3の面から出射するように進み、このビームの出射方向は、このビームがもう一方の菱面体の第1の面に、この面に対して実質的に垂直に入射し、続いて、このビームが平行四辺形状の菱面体の第2の面及び第4の面で内部反射されて、もう一方の菱面体の第3の面から出射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光電磁放射線ビームの直交成分間にリターダンスを生じさせるリターダーシステムすなわち移相子に関し、詳細には、非偏りすなわち逸れていない単一の透過ビームの多数回の内部全反射を使用してリターダンスを生成する、多数のシーケンシャルな素子(element:エレメント)を備えた、実質的にアクロマティックなリターダーシステムに関する。上述の反射は、広スペクトル域(例えば、190〜1700nm)にわたる正味のリターダンス対入射ビーム角の、システムの平行移動及び回転に応じた変化を最小にする方向に向けられる。リターダーシステムは、回転補償子型のエリプソメーター(ellipsometer)又はポラリメーター(polarimeter)への使用に好適である。
【背景技術】
【0002】
広スペクトル域にわたって許容できる、エリプソメーター及び/又はポラリメーターの性能を得るために、補償子をベースとしたエリプソメーター及び/又はポラリメーターは、設計上、全スペクトル域にわたって所定の許容範囲内のリターダンスをもたらす補償子用素子(compensator element)を必要とする。従来、回転型素子(rotating element)設計のものにおける補償子用素子として石英又はMgF2の複屈折波長板を使用してきた。単一の波長板は、リターダンス対波長において(1/波長)依存性を示す一方で、二枚/多数枚の波長板設計のものは((特許文献1)に開示されているように)、(1/波長)依存性の効果を最小限にできる。
【0003】
本発明を考慮に入れて、公知の関連特許は以下のものである。
Thompsonらへの(特許文献2)、
Johsらへの(特許文献1)、
Johsらへの(特許文献3)、
Johsらへの(特許文献4)
Herzingerらへの(特許文献5)、
Johsらへの(特許文献6)、
Johsらへの(特許文献7)、
Johsらへの(特許文献8)、
Herzingerらへの(特許文献5)
最近のものでは、2007年6月28日公開の(特許文献9)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,353,477号明細書
【特許文献2】米国特許第5,706,212号明細書
【特許文献3】米国特許第5,963,325号明細書
【特許文献4】米国特許第6,141,102号明細書
【特許文献5】米国特許第6,084,675号明細書
【特許文献6】米国特許第6,118,537号明細書
【特許文献7】米国特許第6,100,981号明細書
【特許文献8】米国特許第6,084,674号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2007/0146706A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特性を改善する別のリターダーシステムへの要望がいまだにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず、本発明を、
a)電磁放射線源;
b)偏光子;
c)サンプル支持台;
d)検光子;及び
e)検出器;
を含む、エリプソメーター又はポラリメーターシステムに適用できる点につき述べる。
【0007】
このエリプソメーター又はポラリメーターシステムは、
前記電磁放射線源と前記サンプル支持台との間;及び
前記サンプル支持台と前記検出器との間;
からなる群から選択される少なくとも1箇所に存在する少なくとも1つの回転可能補償子型システムをさらに含み、
前記少なくとも1つの回転可能補償子が、互いに向きを定めて置かれた少なくとも2つのシーケンシャルなすなわち順次の素子(elements)を含んでいて、前記入射した電磁ビームが各素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射するようにし、これらの素子の順序、向き、ジオメトリ、及び対称性は、システムが平行移動することによって、出射ビームの経路(locus:ローカス)(以下、ビーム線または軌跡ともいう)が入射ビームの経路から実質的にずれずすなわち逸れず(undeviated)、かつシステムが回転することによって、出射ビームの出射する角度の経路が入射ビームの経路から実質的にずれないすなわち逸れていない状態にされている。
【0008】
本発明は、偏光電磁ビームの直交成分間に相対的位相リターデーションすなわち相対的位相差を導入するシステムである。このシステムは少なくとも2つのシーケンシャルな素子で構成されていて、前記ビームは前記素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射される。重要なことは、システムにおけるこれら素子の順序、向き、ジオメトリ、及び対称性は、システムが平行移動することによって、出射する出力ビームの経路が入射ビームの経路から実質的にずれず、かつシステムが回転することによって、出射出力ビームの出射する角度が入射ビームの入射する角度から実質的にずれないようになっていることである。
【0009】
一実施形態によれば、2つの三角形状のプリズムが上述の素子を構成している。好ましい、非限定的な設計によれば、上述の三角プリズムの角度を26、128、及び26度とし、及びこれらプリズムを溶融石英製とし得るが、必ずしもそのようにする必要はない。
【0010】
別の実施形態によれば、これら素子に2つの平行四辺形状の菱面体を使用する。好ましい、非限定的な設計によれば、平行四辺形状の菱面体の角度を36、144、36及び144度、又は45、235、45及び235度とし、及びこれら菱面体を、ここでも、溶融石英製とし得るが、必ずしもそのようにする必要はない。
【0011】
別の実施形態によれば、これら素子に4つの直角プリズムを使用する。好ましい、非限定的な設計によれば、角度を45、90及び45度とし、及びここでも、これらプリズムを溶融石英製とし得るが、必ずしもそのようにする必要はない。
【0012】
さらに、これら素子の少なくとも1つは、素子の少なくとも1つを別の素子に対して平行移動及び/又は傾斜させる機構を含むことができ、この機構により、システムのこれら素子を、このシステムに入射するビームの経路と比較した出射ビームの経路との間のずれを低減させるように、整列させる。
【0013】
本発明を、入射電磁ビームの直交偏光成分に相対的位相リターデーションを導入するシステムとしてより良く説明できる。このシステムは、前記入射電磁ビームが少なくとも2つの素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射されるように互いに向きを定めて置かれた(oriented)少なくとも2つのシーケンシャルな素子で構成されており、
これら素子の順序、向き、ジオメトリ、及び対称性は、システムが平行移動することによって、出射ビームの位置がずれず、かつシステムが回転することによって、出射ビームの出射する角度がずれないようにされている。
【0014】
これら素子を、同様の三角形状のプリズムとし得、これらプリズムはそれぞれ:
両者間のなす角度が90度より大きな角度で互いに張り出している、同じ長さの第1の辺(side)(又は面とも言う。以下同様)及び第2の辺、及び
この90度より大きな角度の角に対向した第3の辺、
を有しており、
前記少なくとも2つの同様の三角形形状のプリズムは、それぞれの第3の辺が実質的に共通の直線上にあるように、互いに向きを定めて置かれており;
これらプリズムのうちの第1のプリズムの第1の面(side)に、この面に対し垂直とは異なる角度で入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが第1のプリズムの第3の面で内部反射され、続いて、第1のプリズムの第2の面から出射するように、屈折される。このビームの出射の方向は、このビームが、第2のプリズムの第1の面に、それに対して垂直とは異なる角度で入射して、このビームがこの第2のプリズムの第3の面で内部反射され、続いて、第2のプリズムの第2の面から出射するように、屈折される方向である。三角プリズムの角度を26、128、及び26度とし、プリズムを溶融石英製とし得る。
【0015】
これら素子を平行四辺形状の菱面体とし得、各前記菱面体は第1の面、第2の面、第3の面及び第4の面を有しており、上述の第1の面及び第3の面は互いに平行であり、前記第2の面及び第4の面は互いに平行であり、第1の平行四辺形状の菱面体の(meeting)前記第1の面及び第2の面、ならびに前記第3の面及び第4の面は、互いに90度より大きな角度で交わり、この菱面体の前記第2の面及び第3の面、ならびに前記第1の面及び第4の面は、互いに90度より小さな角度で交わり、第2の平行四辺形状の菱面体は、第1の菱面体の鏡像として位置決めされており、
前記少なくとも2つの平行四辺形状の菱面体は、それらの第2の辺(side)が実質的に共通の直線上にあり、かつそれらの第4の辺(side)が実質的に共通の直線上にあるように、向きを定めて置かれており;
それらの第1の菱面体の第1の面に垂直とは異なる角度で入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが、第1の菱面体の前記第4の面及び第2の面で内部反射され、続いて、第1の菱面体の前記第3の面から出射するように屈折される。このビームの出射の方向は、このビームが、第2の菱面体の第1の面に、この面に対して垂直とは異なる角度で入射して、このビームが第2の菱面体の前記第2の面及び第4の面で内部反射され、続いて、第2の菱面体の前記第3の面から出射するように、屈折される方向である。平行四辺形状の菱面体の角度を36、144、36及び144度、又は45、135、45及び135度とし、溶融石英製とし得る。
【0016】
これらの素子を菱面体とし得、各前記菱面体は第1の面、第2の面、第3の面及び第4の面を有しており、上述の第1の面及び第3の面は互いに平行であり、前記第2の面及び第4の面は互いに平行であり、第1の菱面体の前記第1の面及び第2の面、ならびに前記第3の面及び第4の面は、互いに90度より大きな角度で交わり、第1の菱面体の前記第2の面及び第3の面、ならびに前記第1の面及び第4の面は、互いに90度より小さな角度で交わり、第2の菱面体は鏡像としてあり;
前記少なくとも2つの平行四辺形状の菱面体は、第1の面及び第3の面が実質的に互いに平行となるように向きを定めて置かれており;
第1の菱面体の第1の面に実質的に垂直に入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが、第1の菱面体の前記第4の面及び第2の面で内部反射され、続いて、第1の菱面体の前記第3の面から出射するように、進む。このビームの出射の方向は、このビームが、もう一方の菱面体の第1の面に、この面に対して実質的に垂直に入射し、続いてこのもう一方の菱面体の前記第2の面及び第4の面で内部反射され、続いて、このもう一方の菱面体の前記第3の面から出射するように、進む方向であり;
前記システムは、少なくとも1つの平行四辺形状の菱面体の面の少なくとも1つがその面上に、対応する前記平行四辺形状の菱面体を構成する材料とは異なる(例えば、低い)屈折率を有するコーティングを有することを特徴とする。平行四辺形状の菱面体の角度を、36、144、36及び144度、又は45、135、45及び135度とし、かつ菱面体を溶融石英製とし、コーティングをMgF2とし得る。
【0017】
これらの素子を少なくとも4つのシーケンシャルな素子とし得、前記ビームは、これら素子のそれぞれにおいて1回は内部全反射され、前記システムは、前記少なくとも4つの素子のそれぞれが、直角の角に隣接する直角面及びその直角の角に対向する面を有する直角プリズムであり;これら直角プリズムは、側面側から見ると、第1の直角プリズムを、その直角の角に対向する面が右下を向き、かつ第1の直角プリズムの真上には第2の直角プリズムがあるように位置決めし、この第2の直角プリズムを、直角の角に対向する面が左上を向くように向け、かつ、第2の直角プリズムの直ぐ右横には第3の直角プリズムがあるように位置を定めて置き、この第3の直角プリズムを、その直角の角に対向する面が右上を向き、かつ第3の直角プリズムの真下には第4の直角プリズムを位置決めし、この第4の直角プリズムを、その直角の角に対向する面が左下を向くように、互いに向きを定めて置かれていることを特徴とする。直角プリズムの角度を45、90及び45度とし、直角プリズムを溶融石英製とし得る。
【0018】
上述のように、上述の実施形態のいずれも、以下の選択事項のいずれか一つによって特徴付けられる。すなわち、選択事項として、
シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、出射ビームを前記入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整する目的のために、その素子を平行移動及び/又は傾斜させる機構を有していること;
シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、その素子の、電磁放射線のビームの内部反射が起こる面上にコーティングを有し、前記コーティングは対応する前記素子を構成する材料とは異なる屈折率を有すること;
シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、その素子の、電磁放射線のビームが入出射する面上にコーティングを有し、前記コーティングは対応する前記素子を構成する材料とは異なる屈折率を有すること;
電磁ビームの直交偏光成分に相対的位相リターデーションを導入するための、前記システムには、追加的なシーケンシャルの複数の楔で構成された楔システムが設けられていて、出射ビームを前記入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整する目的のために、前記楔の1つをそのもう一方の楔に対して回転させることができて及び/又は両楔を同時に回転できること;
である。
【0019】
補償素子型のシステムを提供する方法は、少なくとも2つの素子を含む補償子型システムを用意することを含み、これら素子は、入射電磁ビームがこれら素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射されるように、互いに向きを定めて置かれており、これら素子の順序、向き、ジオメトリ、及び対称性は、システムが平行移動することによって、前記システムからの出射ビームの経路が入射ビームの経路から実質的にずれず、かつシステムが回転することによって、出射ビームの出射する角度の経路が入射ビームの経路から実質的にずれないようになっており;
前記方法は、:
a)電磁ビームの直交偏光成分に相対的位相リターデーションを導入するためのシステムを用意するステップであり、前記システムは、少なくとも2つのシーケンシャルな素子を含み、前記ビームを、これら素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射させるステップ;
b)電磁放射線のビームを、前記少なくとも2つのシーケンシャルな素子の第1の素子を介して前記システムに入射させて、前記少なくとも2つのシーケンシャルな素子を、それぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射させながら、通過させるステップ;
を含み、
出射ビームに、前記内部反射によってリターデーションを生じさせて、この出射ビームの経路が入射ビームの経路から実質的にずれないようにする。
【0020】
少なくとも1つの素子の少なくとも1つの面上にコーティングを設けることができ、前記コーティングの屈折率は、前記素子を構成する材料の屈折率よりも小さい又はそれよりも大きい。
【0021】
前記方法は、前記システム内に追加的なシーケンシャルの複数の楔のシステムを設けることをさらに含むことができ、前記楔の1つをそのもう一方の楔に対して回転でき、及び/又は両楔を同時に回転でき、前記第4の直角プリズムからの出射ビームは、前記第1の直角プリズムへの入射ビームの経路上から実質的にずれないようにシステムを位置合わせする。
【0022】
本発明を、図面を参照すると共に本明細書の詳細な説明を参照することにより良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】分光範囲にわたる、2つの複屈折波長板を含むリターダーシステムからのリターダンスの結果を示す図である。
【図2】エリプソメトリックパラメータN、C及びSにおける二乗平均平方根(RMS)雑音を示す図である。
【図3−1】FIG.3a及びFIG.3bは、溶融石英/空気界面の(所定の角度における)リターダンス対内部反射角及び波長の関係を示す図である。
【図3−2】FIG.3cは、図4−2のFIG.4cに示すシステムの溶融石英/空気界面の(所定の角度における)リターダンス対波長の関係を示す図である。
【図3−3】FIG.3dは、FIG.3cにおけるような結果を示す図であるが、図4−2のFIG.4cに示すようなシステムの反射面上に異なる屈折率のコーティングを有するシステムに対する結果である。
【図4−1】FIG.4aは、典型的な1/4波長の90度リターダンスのフレネル菱面体を示すと共に、平行移動効果を説明するための図、FIG.4bは、ビームにずれを生じさせない結果を与える2つのフレネル菱面体の組み合わせ方法を示す図である。
【図4−2】FIG.4cは、図12のFIG.12bにも示すような、4つの直角プリズム及び任意の楔素子を含む、図4−1のFIG.4bのシステムの変形例を示す図である。
【図4−3】FIG.4dは、ビームにずれを生じさせない結果を与える、それぞれが図4−2のFIG.4cに示す2つの直角プリズムと同等の2つのフレネル菱面体及び2つの楔素子の組み合わせ方法を示す図である。
【図5】26、128及び26度の角度を有する2つの二等辺三角プリズムを示す図である。
【図6】36、144、36及び144度の角度を有する2つの平行四辺形菱面体を示す図である。
【図7】FIG.7a、FIG.7bは、素子を上下に平行移動しても、出射ビームが変わらないことを示す図である。
【図8】FIG.8a、FIG.8bは、素子を上下に平行移動しても、出射ビームが変わらないことを示す図である。
【図9】FIG.9a、FIG.9bは、新しい設計のリターダーシステムの最も有用な特性が、入射ビームの角度が変化しても、得られる透過ビームの角度は変わらないままであることであることを示す図である。
【図10】FIG.10a、FIG.10bは、新しい設計のリターダーシステムの最も有用な特性が、入射ビームの角度が変化しても、得られる透過ビームの角度は変わらないままであることであることを示す図である。
【図11】FIG.11a−11fは、ビーム角の所定の変化に対して、Ψ及びΔの項目でのビーム偏光の変化が著しく小さいことを示す図である。
【図12】FIG.12aは、光学素子順次配列型リターダーシステム素子に対する平行移動及び回転の能力を説明するための図、FIG.12bは、互いに相対的に回転できる2つの楔で構成された楔システムを示す図である。
【図13】少なくとも1つの回転可能補償子型システムを含む基本的なエリプソメーター又はポラリメーターを示す図である。
【図14】分光回転補償子型材料調査システムを示す図である。
【図15】エリプソメーターシステム又はポラリメーターシステムを示す図である。
【図16】図13、14及び15に例示したようなシステムを設置し得る環境型チャンバを説明する図である。
【図17】環境型チャンバ(CHA)内のエリプソメーター又はポラリメーターの全体を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
はじめに、図1に、2つの複屈折波長板を備えるリターダーからの結果を示す。リターダンスは、190〜1700nmの典型的なUV(紫外)−VIS(可視)−NIR(近赤外)スペクトル域にわたって35〜130度変化することに留意されたい。図2は、回転補償子型エリプソメーター(RCE)構造及びデュアル回転補償子型エリプソメーター(デュアルRCE)構造に対する、補償子のリターダンスに応じた、偏光解析(エリプソメトリック)パラメータ
N=cos(2Ψ);
C=sin(2Ψ)cos(Δ);及び
S=sin(2Ψ)sin(Δ)
における二乗平均平方根(RMS)雑音を示す。図13は、図示の補償子(C)、(C’)、(C”)の1つ又は2つを備える回転補償子型エリプソメーター(RCE)の提示しようとしている構成を示す。さらに、この回転補償子型エリプソメーター(RCE)構造の場合には、リターダンスを80〜160度の間に維持することが、相対的なRMS N、C、S雑音を2.0未満に維持するので、有益であることにつき説明する。その点について、デュアルRCE構造のリターダンス範囲は、60〜160度とわずかに広い。図1及び2は、電磁放射線のビームを通過させる複屈折波長板を、広スペクトル域の回転補償子型エリプソメーターシステムに使用することは、システムの雑音性能に関しては妥協して解決することを示していると理解されたい。
【0025】
上述の開示を考慮して、内部全反射によってリターダンスを与える代替的な手法を開示する。図3−1のFIG.3a及び3bに、溶融石英/空気界面の(所定の角度における)リターダンス対内部反射角及び波長の関係を示す。内部全反射の場合のリターダンス対波長における変化は、複屈折の(1/波長)依存性によるリターダンスと比較して非常に小さいことに留意されたい。この効果に基づいているフレネル菱面体(フレネルロムとも称す)リターダーは、容易に利用できる。しかしながら、典型的な設計の1/4波長フレネル菱面体はビームをかなり移動させ、リターダンスもビーム角度に応じてかなり変化し、このことにより、回転補償子型のエリプソメーター又はポラリメーター設計のものにフレネル菱面体を使用することは実用的でない。図4−1のFIG.4aは、典型的な90度リターダンスを与える1/4波長フレネル菱面体を示しており、平行移動効果を説明するための図である。図4−1のFIG.4bは、実質的に平行移動されていないビームを最終的得るために2つのフレネル菱面体を組み合わせる公知の手法を示す図である。菱面体はそれぞれ第1の面(RS1)、第2の面(RS2)、第3の面(RS4)及び第4の面(RS4)を有し、前記第1の面(RS1)及び第3の面(RS3)は互いに平行であり、かつ前記第2の面(RS2)及び第4の面(RS4)は互いに平行である。さらに、前記第1のフレネル菱面体の前記第1の面(RS1)と第2の面(RS2)との間、及び前記第3の面(RS3)と第4の面(RS4)との間は、互いに90度よりも大きい角度で交わる。さらに、その前記第2の面(RS2)と第3の面(RS3)との間、及び前記第1の面(RS1)と第4の面(RS4)との間は、互いに90度よりも小さい角度で交わる。少なくとも2つの上述の平行四辺形状の菱面体は、それらの第1の面(RS1)と第3の面(RS3)とを実質的に互いに平行になるように向きを合わせて置かれていることに留意されたい。使用時、第1のフレネル菱面体の第1の面(RS1)へその面に対して実質的に垂直に入射させられた電磁放射線のビームは、次のように進む。すなわち、このビームは、その前記第4の面(RS4)及び第2の面(RS2)において内部反射して、第1のフレネル菱面体の前記第3の面(RS3)から出射する。このビームの出射方向は、このビームが、第2のフレネル菱面体の第1の面(RS1)へその面に対して実質的に垂直に入射し、次にその前記第2の面(RS2)及び第4の面(RS4)において内部反射して、その前記第3の面(RS3)から出射するように、進む方向である。前記システムは、少なくとも一方の平行四辺形状の菱面体の面(RS1)(RS2)(RS3)(RS4)の少なくとも1つの面上に、対応する前記平行四辺形状の菱面体の構成材料とは異なる屈折率のコーティングを有しているという特徴によって公知の構造とは区別される。実用化のための好適な例では、各菱面体の面(RS2)及び(RS4)をコーティングで被覆する。平行四辺形状の菱面体の角度をそれぞれ、36、144、36及び144度とし得るか、又は45、135、45及び135度とし得、菱面体を溶融石英製とし得、コーティング材料を、それよりも低い屈折率を有する材料(例えば、MgF2)とし得る。
【0026】
図4−2のFIG.4cは、表面コーティングがなくても、新規で斬新であると考えられている図4−1のFIG.4bの変形例を示す図である。4つの同様の直角プリズム(すなわち第1(ra)、第2(rb)、第3(rc)及び第4(rd))が示されている。それらプリズムは、それぞれ直角の角に対向して、面(ha)(hb)(hc)及び(hd)をそれぞれ有する。図4−2のFIG.4cに示すように、第1の直角プリズム(ra)を、その直角の角に対向する面(ha)が右下を向くように位置決めする。第1の直角プリズム(ra)の真上には第2の直角プリズム(rb)があり、このプリズムを、その直角の角に対向する面(hb)が左上を向くように向ける。第2の直角プリズム(rb)の直ぐ右横には、第3の直角プリズム(rc)があり、このプリズムを、その直角の角に対向する面(hb)が右上を向くように向ける。最後に、第3の直角プリズム(rc)の真下に位置決めされているのは、第4の直角プリズム(rd)であり、このプリズムを、その直角の角に対向する面(hd)が左下を向くように向きを定めて置く。各素子(ra)(rb)(rc)及び(rd)の、それぞれその直角の角で隣接する面を、「直角面」として識別できることに留意されたい。それぞれの素子(ra)(rb)(rc)及び(rd)の直角の角に対向する面を、異なる屈折率の材料で被覆できることにも留意されたい(例えば、これらの素子が溶融石英製である場合、コーティングを、例えば、より低い屈折率のMgF2で35nmの厚みとし得る)。そのようなコーティングは、その直角の角に対向する面からの内部全反射により生じるリターダンスをリターデーションの範囲で実質的にアクロマティックの状態でもたらす。図4−2のFIG.4cには、随意の2つの楔形素子(W1)及び(W2)も示し、その目的については図12のFIG.12bにつき説明する。図4−1のFIG.4bの構成も、コーティングが楔素子の反射性の外面に塗布される場合には、新規で斬新であると信じていることに留意されたい。図4−3のFIG.4dは、図4−2のFIG.4cの4つの直角プリズム(ra)+(rb)及び(rc)+(rd)と同等である2つのフレネル菱面体(R1)(R2)と、2つの楔素子(W1)(W2)とを組み合わせて、これらを通過させられるビーム(B)がずれないようにすることができる方法を示す。菱面体の角度は、45、135、45及び135度である。菱面体の構成材料とは異なる屈折率を有するコーティングが、図4−1のFIG.4bのシステムと同じようにその表面にも存在できる。
【0027】
図4−1のFIG.4b及び図4−3のFIG.4dの実施形態を適用する場合、ビーム(B)は、一般に被入射面(例えば、FIG.4dの(RS1))に垂直に沿って正確に入射するわけではないことに留意されたい。正確な垂直入射でないと、偏光解消(デポラライジング)する不所望な二次的な反射ビームを一次ビームからそらす。そのようなビーム入射のビーム線は、入射角度が垂直からずれることで、前記反二次的な反射をずらすのに十分である面に対しては、「実質的に垂直」であるといえる。典型的な垂直からの角度のずれは約3度であり、それは、二次透過ビームを約6度そらす。これは、一次(primary)透過ビームから分離するのに十分である。また、図12のFIG.12bに示すように、楔(W1)(W2)を、互いに対して及び/又は同時に回転させて、そらされていないビーム、(B)をもたらすことができる。
【0028】
図3−2のFIG.3cは、図4−2のFIG.4cに示すようなシステムの溶融石英/空気界面に関する、(所定の角度における)リターダンス対内部反射角及び波長の関係を示し、図3−3のFIG.3dは、図3−2のFIG.3cのような結果を示すが、図4−2のFIG.4cに示すようなシステムの、反射面に異なる屈折率のコーティングを有するシステムに関するものである。図3−1のFIG.3a及び図3−2のFIG.3cは、45度の入射角付近で、波長及び入射角の双方に応じてリターダンスがかなり変化することを示す。4回の反射の結果から生じる総計のリターダンスは、波長190nmにおける180度から波長1700nmにおける90度未満までの間で変動する。図3−3のFIG.3dは、素子(ra)(rb)(rc)及び(rd)の、直角の角に対向する面にコーティングを備えることによって、上述の結果をよりアクロマティックにできることを示している。例えば、素子(ra)(rb)(rc)及び(rd)が溶融石英製であり、コーティングが30〜45nm厚のMgF2である場合、上述のシステムにおける4回の内部全反射の総計リターデーションは、190nm〜1700nmの波長範囲にわたって116〜136度の間である。
【0029】
次に、本発明の設計のリターダーシステムでは、偶数回の内部全反射を使用して所望量のリターダンスをもたらす。さらに、反射のジオメトリは、入射ビームの入射角度における所定の変化は内部反射角に反対の変化をもたらし、従って、(狭い角度範囲では、上述のリターダンス対角度曲線の傾斜が比較的線形であるため)システムの正味リターデーションは、ビーム入射角の小さな変化に対して一位(1st order:ファーストオーダー)まで変化しない。図5に、新しいリターダーシステムの一実施形態を示す。26、128、及び26度の角度をそれぞれ有する、2つの二等辺三角形プリズムを示す。各三角形状のプリズムはそれぞれ:
両者間のなす角度が90度より大きな角度で互いに張り出している、同じ長さの第1の面(side)(TS1)及び第2の面(side)(TS2)、及び
上述の90度より大きな角度の角に対向した第3の面(side)(TS3)
を有する。上述の少なくとも2つの同様の三角形状のプリズムは、それぞれの第3の辺(TS3)が実質的に共通の直線上にあるように互いに向きを定めて置かれており;
これらのプリズムのうち第1のプリズムの第1の面(side)に、この面に対して垂直とは異なる角度で入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが第1のプリズムの前記第3の面で内部反射され、続いて、第1のプリズムの第2の面(side)から出射するように、屈折される。このビームの出射方向は、このビームが第2のプリズムの第1の面(side)に垂直とは異なる角度で入射し、この第2のプリズムの第3の面(side)で内部反射され、続いて、第2のプリズムの第2の面(side)から出射するように、屈折される方向である。プリズムを溶融石英製とし得る。
【0030】
図6に、新しいリターダーシステムの別の実施形態を示す。36、144、36及び144度の角度を有する、2つの平行四辺形菱面体を示す。これら平行四辺形状の菱面体はそれぞれ、第1の面(side)(RS1)、第2の面(side)(RS2)、第3の面(side)(RS3)及び第4の面(side)(RS4)を有し、その第1の面(RS1)及び第3の面(RS3)は互いに平行であり、かつその第2の面(RS2)及び第4の面(RS4)は互いに平行であり、第1の平行四辺形状の菱面体の上述の第1の面(RS1)及び第2の面(RS2)、ならびに上述の第3の面(RS3)及び第4の面(RS4)は、両者間の角度が90度より大きな角度で交わり、かつその上述の第2の面(RS2)及び第3の面(RS3)、ならびに前記第1の面(RS1)及び第4の面(RS4)は、両者間の角度が90度より小さい角度で交わっている。上述の少なくとも2つの平行四辺形状の菱面体は、それらの第2の辺(side)(RS2)が実質的に共通の直線上にあるように、かつそれらの第4の辺(side)(RS4)が実質的に共通の直線上にあるように向きを定めて置かれている。第1の平行四辺形状の菱面体の第1の面(RS1)に、垂直とは異なる角度で入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが、第1の菱面体の第4の面(RS4)及び第2の面(RS2)で内部反射され、続いて、第1の菱面体の第3の面(RS3)から出射するように、屈折される。このビームの出射方向は、このビームが、第2の平行四辺形状の菱面体の第1の面(RS1)に、この面に対して垂直とは異なる角度で入射し、このビームが第2の菱面体の第2の面(RS2)及び第4の面(RS4)で内部反射され、続いて、第2の菱面体の第3の面(RS3)から出射するように、屈折される方向である。平行四辺形状の菱面体を溶融石英製とし得る。
【0031】
図5及び図6双方の実施形態は、ビームが入射する入射表面及びビームが出射する出射表面をそれぞれ有し、前記入射表面及び出射表面は、使用時にビームを屈折させる働きをすることに留意されたい。内部全反射が起こる他の面を使用してリターダンスを生じさせる。屈折界面におけるフレネル(Fresnel)損失が、直交する方向に偏光されたビームに相対的な減衰をもたらすことに留意されたい。直交するビームを、一般に、入射面に平行に偏光された光に対してp及び入射面に垂直に偏光された光に対してsでそれぞれ示す。光学素子の相対的な減衰及びリターデーションを、標準的な楕円解析法の定義に類似した下式によって定量化できる。この場合、Tp及びTsは、プリズムを透過する、直交するビームの複素振幅であり、(Ψ)は相対的な減衰であり、及び(Δ)はリターダンスである:
Tp/Ts=tan(Ψ)ei(Δ)
【0032】
理想的なリターダーシステムは、ビームの相対的なp対s位相のみを変更し(すなわちリターデーション)、及び前述の場合は(Ψ)=45度である。本発明の場合、(Δ)値は、設計における屈折面の数と角度に依存する。三角形型では、(Ψ)は約57度であり、菱面体型では(Ψ)は約53度である。(Ψ)は屈折率に依存するので、190〜1700nmスペクトル域において数度変動する。リターダーシステムの(Ψ)値をエリプソメーター/ポラリメーターシステムの較正において決定する必要があるが、機器の感度及び精度は、(Ψ)が45度から離れすぎていない限り、著しく低下しないことが分かっている。ビームが素子に、ブルースター角付近で入射して出射するので、p偏光された光の実質的に100%がシステムを透過することに留意されたい。
【0033】
これら素子のジオメトリ及び対称性は、多くの非常に有用な特性をもたらす。例えば、図7のFIG.7a、7b、図8のFIG.8a及び8bには、シーケンシャルなすなわち順次の素子を1つのユニットとして上下に平行移動させた場合でも、出射ビームが入射ビームと共通の直線上に依然として存在したままであることを示す。図9のFIG.9a、9b、図10のFIG.10a及び10bには、シーケンシャルな素子を回転させた場合、出射ビームの出射する角度は、(わずかに平行移動されるが)不変のままであることを示す。
【0034】
図11のFIG.11a、11b、11c、11d、11e、11fは、新しい設計のリターダーシステムの最も有用な特性を示しており、これら特性は、入射ビームの入射する角度が変更されても、得られる偏光特性(Ψ)及び(Δ)はほとんど変化しないという特性である。これは、ジオメトリ及び対称性は、図7のFIG.7a、7b、図8のFIG.8a及び8bのシステムに示された2つの素子に関しては、屈折及び内部全反射のそれぞれの角度の変化の符号が反対であるので、(Ψ)及び(Δ)対入射ビームの入射角における変化を一次近似まで相殺するように設計されているからである。本発明のシステムによって達成された結果を調べるために、一般に、ビーム入射角の1度の変化に対する(Ψ)及び(Δ)における変化は約0.01度である。図11のFIG.11a〜11fは:
ビーム入射角=+1度、(Ψ)=56.953、(Δ)=70.425;
ビーム入射角=0度、 (Ψ)=56.940、(Δ)=70.419;
ビーム入射角=−1度、(Ψ)=56.953、(Δ)=70.425;
ビーム入射角=+1度、(Ψ)=52.357、(Δ)=114.232;
ビーム入射角=0度、 (Ψ)=52.349、(Δ)=114.221;
ビーム入射角=−1度、(Ψ)=52.357、(Δ)=114.232
を示すことに留意されたい。
【0035】
システムの正味の相対的な減衰及びリターダンス(Ψ)及び(Δ)を、内部全反射の回数(素子の数及び長さによって決定される)、屈折角及び反射角(プリズム及び/又は菱面体の角度によって決定される)、及び素子を製造するのに使用される材料を調整することによって制御できる。
【0036】
ひずみ誘発複屈折を最小限にするようにそれぞれの素子を取り付けるように注意する必要はあるが、いずれの透明で光学的等方性の材料も、これら素子として使用できる。UV−VIS−NIRスペクトル域では溶融石英が理想的であるが、DUV(遠紫外)ではCaF2が好ましく、かつIR(赤外)での使用にはSi、Ge、ZnSe、KRS5等が好適である。現在、好ましい設計での実施形態では、溶融石英を使用し、広範な190〜1700nmスペクトル域にわたって以下の特性を有する:
三角プリズム:
(Ψ)=56.382〜59.286;
(Δ)=67.801〜81.290;
平行四辺形菱面体:
(Ψ)=51.976〜54.271
(Δ)=109.795〜135.7010
【0037】
しかしながら、上述の例は限定を意図しているのではなく、異なる材料、角度及び/又はジオメトリを使用する他の設計が可能である。例えば、入出射を実質的に垂直の角度で行って、それにより(Ψ)に影響を及ぼさないようにすることが有益であろうが、いずれの設計においても主要な点は、対称性を採用して以下の特性を可能にすることである:
1.システムが平行移動することでビームの経路がそらされないすなわちずれないこと;
2.システムが回転することでビーム軌跡の角度がずれないこと;
3.偏光特性の変化が、入射ビームの入射角の変化に対しては最小であること。
【0038】
開示された設計の別の有益な面は、少なくとも2つの素子が存在するので、これら素子が完璧に作製されていなくても及び/又は位置合わせされていなくても、これら素子の少なくとも1つの素子の高さ及び/又は傾斜を他方の素子に対して調整することによって、入射ビームの位置及び角度をシステムによって実質的にずれないようにできることである。図12のFIG.12aは、素子の平行移動及び/又は回転を可能とすることによってこれを達成するためのシステムを例示しており、かつ図12のFIG.12bは、一方の楔の他方の楔に対する相対的回転によって同様の利点をもたらす、シーケンシャルな2つの楔(W1)(W2)で構成された追加のシステムを示す。ここでシステムは、下記の群から選ばれた少なくとも一方を含むことができる。
【0039】
シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、その素子を平行移動させ及び/又は傾斜させて、出射ビームが上述の入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整する機構を有していること;
一方の楔を他方の楔に対して相対的に回転させ、及び/又は楔を組み合わせて回転させて、出射ビームが上述の入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整することができる、シーケンシャルな2つの楔で構成された追加のシステムがあること。
【0040】
楔(W1)(W2)の回転を介してビーム(B)のずれすなわち逸れ補償を行う場合、一方の楔の他方の楔に対する相対的回転及び楔(W1)及び(W2)双方の組み合わせ回転を行うことができることにも留意されたい。
【0041】
図示していないし又好ましくもないが、システムは、例えば三角形状の素子を1つ及び台形形状の素子を1つ含む場合もあることに留意されたい。そのような構成を、おそらくは、図9のFIG.9aのプリズムの一方を取り除くとともに図10のFIG.10aの菱面体の一方を除いた状態での図9のFIG.9a及び図10のFIG.10aで一連の実施形態として示すことができる。しかしながら、そのような実施形態のいずれにおいても、有効な対称性を保持するための細心の注意が必要となる。
【0042】
屈折界面からの二次的な反射は、一次ビームの経路に再び入ることはないため、上述したそれぞれのシステムを透過するのは単一の一次ビームのみであることにも留意されたい。これは、透過ビームには単一の偏光状態のみが存在することを意味する。それとは対照的に、複屈折板型のリターダーの平行なそれぞれの面からの多重反射は、これが適切に考慮されない場合には、エリプソメーター/ポラリメーターの精度を低下し得るビームの偏光解消(depolarization:デポラリゼーション)をもたらす。
【0043】
シーケンシャルな素子は、エリプソメーターシステム、及びポラリメーターシステムに主に使用されるので、図13には、エリプソメーター又はポラリメーターシステムを含ませて示してあり、このシステムは、反射及び透過モードのそれぞれにおいて、
a)電磁放射線源(LS);
b)偏光子(P);
c)サンプル(MS)を支持するための支持台(STG);
d)検光子(アナライザ)(A);及び
e)検出器(DET);
を含む。上述のエリプソメーター又はポラリメーターシステムは、さらに
上述の電磁放射線源(LS)と上述のサンプル(MS)を支持するための支持台(STG)との間;及び
上述のサンプル(MS)を支持するための支持台(STG)と上述の検出器(DET)との間;
からなる群から選択される少なくとも1箇所に存在する少なくとも1つの回転可能補償子(C)(C’)(C”)を含み、
上述の少なくとも1つの回転可能補償子(C)(C’)(C”)は、上述の入射した電磁ビームが素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射するように、向きを定められて置かれた少なくとも2つのシーケンシャルな素子を含み、これら素子の向き、ジオメトリ、及び対称性は、システムが平行移動することによって、出射ビームの位置がずれず、かつシステムが回転することによって、出射ビームの出射する角度がずれないような状態になっている。さらに、ある実施形態では、これらの素子に2つの三角形状のプリズムを使用する。好ましい設計によれば、三角プリズムの角度を26、128、及び26度とし、かつプリズムを溶融石英製とし得る。別の実施形態では、これら素子に2つの平行四辺形状の菱面体を使用する。好ましい設計によれば、平行四辺形状の菱面体の角度を36、144、36及び144度とし、ここでも、平行四辺形の構造体を溶融石英とし得る。また、上述したように、他の実施形態では、1つ以上の三角形状のプリズム及び1つ以上の平行四辺形状の菱面体などを含み得る。さらに、これら素子の少なくとも1つは、出射ビームの経路が入射ビームの経路から位置及び角度において実質的にずれないようにシステムを調整するために、これら素子の少なくとも1つを平行移動及び/又は傾斜させる機構を有することができる。
【0044】
図14は、エリプソメーター又はポラリメーターシステムを示す。このシステムは、電磁放射線の多色性ビーム源(LS)、第1のアパーチャ(A1)、第2のアパーチャ(A2)、固定偏光子(P)、回転補償子(C)、第3のアパーチャ(A3)、第4のアパーチャ(A4)、第1の実質的にアクロマティックなレンズ(AL1)、第5のアパーチャ(A5)、材料系支持台(STG)、第6のアパーチャ(A6)、第2の実質的にアクロマティックなレンズ(AL2)、第7のアパーチャ(A7)、第8のアパーチャ(A8)、固定検光子(A)、第9のアパーチャ(A9)、第3の実質的にアクロマティックなレンズ(AL3)、光ファイバ(OF)、及び分散素子と多数の検知素子を含む検出器システム(検出器)(DET)を含み、さらに、前記電磁放射線の多色性ビーム源(LS)と材料系の前記支持台(STG)との間にはUVフィルタ(F1)がある。上述の分光学的な回転補償子型材料系調査システムを使用して上述の材料系支持台(STG)に存在する材料系(MS)を調査する場合、上述の固定検光子(A)及び固定偏光子(P)を適所に本質的に固定して維持し、上述の回転補償子(C)を連続的に回転させる一方で、上述の電磁放射線の多色性ビーム源(LS)によって生成された電磁放射線の多色性ビームを、上述の第1のアパーチャ(A1)、第2のアパーチャ(A2)、固定偏光子(P)、回転補償子(C)、第3のアパーチャ(A3)、第4のアパーチャ(A4)、第1の実質的にアクロマティックなレンズ(AL1)、第5のアパーチャ(A5)を順次に通過させ、上述のUVフィルタを通過している上述の電磁放射線の多色性ビームは、材料系(MS)の上述の支持台(STG)に置かれた材料系(MS)と相互作用し、その後上述の第6のアパーチャ(A6)、第2の実質的にアクロマティックなレンズ(AL2)、第7のアパーチャ(A7)、第8のアパーチャ(A8)、固定検光子(A)、第9のアパーチャ(A9)、第3の実質的にアクロマティックなレンズ(AL3)を順次に通過し、任意に設けられているならばビーム整形アパーチャ(A10)を通過して、上述の光ファイバ(OF)に入り、それを経て上述の検出器システム(DET)に入る。
【0045】
図15は、反射及び透過モードそれぞれのためのエリプソメーター又はポラリメーターシステムを示し、これは、
a)電磁放射線源(LS);
b)偏光子(P);
c)サンプル(MS)を支持するための支持台(STG);
d)検光子(A);及び
e)検出器(DET);
を含むことができ、上述のエリプソメーター又はポラリメーターシステムは、
上述の電磁放射線源(LS)と上述のサンプル(MS)を支持するための支持台(STG)との間;及び
上述のサンプル(MS)を支持するための支持台(STG)と上述の検出器(DET)との間;
からなる群から選択される少なくとも1箇所に存在する少なくとも1つの回転可能補償子(C)(C’)(C”)をさらに含み、
上述の少なくとも1つの回転可能補償子(C)(C’)(C”)は、上述の入射した電磁ビームが素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射するように、互いに向きが定められて置かれた少なくとも2つのシーケンシャルな素子を含み、これら素子の向き、ジオメトリ、及び対称性が、システムが平行移動することによって、出射ビームの位置がずれず、かつシステムが回転することによって、出射ビームの出射する角度がずれないような状態になっている。ここでも、一実施形態では、これら素子に2つの三角形状のプリズムを使用する。好ましい設計では、三角プリズムの角度を26、128及び26度とし、プリズムを溶融石英とし得る。別の実施形態では、これら素子に2つの平行四辺形状の菱面体を使用する。好ましい設計では、平行四辺形状の菱面体の角度を36、144、36及び144度とし、ここでも、平行四辺形を溶融石英とし得る。また、上述したように、他の実施形態では、1つ以上の三角形状のプリズム及び1つ以上の平行四辺形状菱面体などを含むことができる。さらに、これら素子の少なくとも1つは、出射ビームの経路を、入射ビームの経路から位置及び角度において、実質的にずれないようにシステムを調整するために、これら素子の少なくとも1つを平行移動及び/又は傾斜させる機構を有することができる。
【0046】
以下の説明において、一般的に分光学的な回転補償子型材料系調査システムによって調査対象とされる材料系(MS)は、材料系支持台(STG)上に位置決めされることを前提とするという点についても述べる。これは必然ではなく、米国特許第5,706,087号明細書に説明されるように、上述の材料系支持台(STG)によって支持するには物理的に大きすぎる材料系(サンプル)、(MS)を、光磁気システム(磁気光学系)内に又は環境制御チャンバ内に位置決めできる。さらに、特に紫外線領域の波長を用いる場合には、図13、14又は15のシステムを、(例えば、窒素又はアルゴンによって)排気又はパージ(浄化)されたチャンバに置いて、紫外線吸収酸素及び水蒸気を存在させないようにすることができる。図13、14又は15システムの全体を、又はそのサンプル(MS)台部分を上述のチャンバ内に含めることもできる。チャンバを、多数の領域からなる構造とし得る。図16は、1つ又は複数の内部領域を含むと解釈されるチャンバ(CHA)を示し、図17は、1つの領域の環境制御チャンバ(CHA)を示す。例えば図1aの前置(MS)偏光状態発生器(PSG)及び後置(MS)偏光状態検出器(PSD)は材料系(MS)を含む領域に開口状態にするか、あるいは(AC1)及び(AC2)によって隔離してそれぞれが利用できる内部環境を同じように又は異なるように制御できるようにすることも考えられる。具体的には、環境チャンバは、下記の群から選ばれた特徴を有する構成を有することができる。すなわち、この群は、
環境チャンバが、上述の材料系の前段の構成部品を含む偏光状態発生器(PSG)、上述の材料系(MS)、及び上述の材料系の後段の構成部品を含む偏光状態検出器(PSD)が存在する少なくとも1つのチャンバ領域を含むこと;
環境チャンバが、少なくとも3つのチャンバ領域を含み、その1つに、上述の材料系(MS)の前段の構成部品を含む偏光状態発生器(PSG)が存在し、その2つ目に材料系(MS)が存在し、及びその3つ目に、上述の材料系(MS)の後段の構成部品を含む偏光状態検出器(PSD)が存在すること;
環境チャンバが、少なくとも2つのチャンバ領域を含み、その1つに、上述の材料系(MS)の前段の構成部品を含む偏光状態発生器(PSG)及び上述の材料系(MS)が存在し、その2つ目に材料系(MS)の後段の構成部品を含む偏光状態検出器(PSD)が存在すること;
環境チャンバが、少なくとも2つのチャンバ領域を含み、その1つに、上述の材料系の前段の構成部品を含む偏光状態発生器が存在し、その2つ目に上述の材料系の後段の構成部品を含む偏光状態検出器及び上述の材料系が存在すること;
からなる。
【0047】
どのチャンバ領域の環境も個別に制御でき、又は全てのチャンバ領域の環境を同様に制御できる。このことは、偏光状態発生器(PSG)及び偏光状態検出器(PSD)を含むチャンバ領域を、調査中の材料系(MS)のみを制御環境(SES)にある環境状態にすることができることを含む。機能的な目的は、酸素又は水蒸気などが存在することによって波長(例えば、UV)の減衰を回避することにある。
【0048】
図4−1のFIG.4b及び図4−2のFIG.4cにつき説明した内部全反射面に塗布された、例えば、屈折率が異なる材料のコーティング(例えば、上述した素子が溶融石英製の場合には、このコーティングは、例えば、屈折率がそれよりも低い35nmの厚みのMgF2とし得る)を、図5、6、図7のFIG.7a、7b、図8のFIG.8a、8b、図9のFIG.9a、9b、図10のFIG.10a、10b、図11のFIG.11a〜11f及び図12のFIG.12a及び12bに示す実施形態のいずれにも適用することができることに留意されたい。さらに、そのようなコーティングを素子の内側非全反射面に塗布することが有益であり、そこからの反射を低減させることができる。
【0049】
最後に、例えば、図4−1のFIG.4b、図4−3のFIG.4d及び図6に関しては、菱面体(例えば、図4−3のFIG.4dの(R1)及び(R2))が、互いに機能上鏡像関係として向きを定めて置かれている一方で、入射ビームが入射する面(side)は、双方の場合とも、(RS1)で示していることに留意されたい。これは、本発明を開示する最良の方法であったと考えられるが、(RS1)面と(RS2)面との間の角度に関して幾分混乱をもたらすかもしれない。先の説明においては、その角度を90度より大きいと規定している。これは、(RS1)が示された第1の菱面体では妥当である。しかしながら、先の説明を理解するためには、鏡像では、第2の菱面体(RS2)にある面(RS1)と面(RS3)の間の角度が第1の菱面体(RS1)で説明した角度であると説明される場合には、これら面(RS1)及び(RS3)が反転されていると考えることができる。
【0050】
本発明の主題を説明したが、技術上本発明の多くの修正例、代替例及び変形例が可能であることは明白である。それゆえ、具体的な記載した形態以外で本発明を実行することも可能であること、及び本発明の範囲を特許請求の範囲によってのみ制限すべきことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射電磁ビームの直交偏光成分に相対的位相リターデーションを導入するためのシステムであって、前記システムが、前記入射電磁ビームが少なくとも2つの素子のそれぞれにおいて少なくとも1回は内部全反射するように、互いに向きを定めて置かれた少なくとも2つのシーケンシャルな素子で構成されており、
これら素子の順序、向き、ジオメトリ、及び対称性は、前記システムが平行移動することによって、出射ビームの位置が実質的にずれず、かつ前記システムが回転することによって、出射ビームの出射する角度が実質的にずれないようになっており、
2つの平行四辺形状の菱面体が前記シーケンシャルな素子として存在し、各前記菱面体が、第1の面RS1、第2の面RS2、第3の面RS3及び第4の面RS4を有しており、前記第1の面RS1及び第3の面RS3は互いに平行であり、前記第2の面RS2及び第4の面RS4は互いに平行であり、前記第1の平行四辺形状の菱面体の前記第1の面RS1及び第2の面RS2、ならびに前記第2の平行四辺形状の菱面体の前記第2の面RS2及び第3の面RS3は、それら面間のなす角度が90度より大きな角度で交わり、前記第1の平行四辺形状の菱面体の前記第2の面RS2及び第3の面RS3、ならびに前記第2の平行四辺形状の菱面体の前記第1の面RS1及び第2の面RS2は、それら面間のなす角度が90度より小さな角度で交わり、
前記少なくとも2つの前記平行四辺形状の菱面体は、それらの第1の面及び第3の面が実質的に互いに平行であるように向きを定めて置かれており、
それらの一方の菱面体の前記第1の面RS1に、その面に対して実質的に垂直に入射するようにされた電磁放射線のビームは、このビームが、前記一方の菱面体の前記第4の面RS4及び第2の面RS2で内部反射され、続いて、該一方の菱面体の前記第3の面RS3から出射するように進み、このビームの出射方向は、このビームがもう一方の菱面体の前記第1の面RS1に、この面に対して実質的に垂直に入射し、続いて、このビームが前記平行四辺形状の菱面体の前記第2の面RS2及び第4の面RS4で内部反射されて、該もう一方の菱面体の前記第3の面RS3から出射するように進む方向である、
ことを特徴とするリターダーシステム。
【請求項2】
前記リターダーシステムは、190〜1700nmの波長範囲にわたって使用され、前記平行四辺形状の菱面体は溶融石英製であり、少なくとも1つの前記平行四辺形状の菱面体の前記第2の面RS2及び第4の面RS4の少なくとも1つが、その面上に、対応する前記平行四辺形状の菱面体を構成する前記溶融石英より低い屈折率のMgFが30〜45nmの範囲の厚みに形成されたコーティングを有していることを特徴とする請求項1に記載のリターダーシステム。
【請求項3】
前記平行四辺形状の菱面体の角度が、36、144、36及び144度、又は45、135、45及び135度である、請求項1に記載のリターダーシステム。
【請求項4】
前記MgFの厚みが35nmである、請求項2に記載のリターダーシステム。
【請求項5】
前記シーケンシャルな素子である2つの平行四辺形状の菱面体の内の1つがシーケンシャルな素子raとrbとを組み合わせて構成され、他の1つがシーケンシャルな素子rcとrdとを組み合わせて構成されており、前記4つの素子ra、rb、rc、rdのそれぞれが、その直角の角に隣接した直角面及びその直角の角に対向する面ha、hb、hc、hdを有する直角プリズムであり、
これら直角プリズムは、側面側から見たとき、第1の直角プリズムraを、その直角の角に対向する面haが右下を向き、かつ、該第1の直角プリズムraの真上に第2の直角プリズムrbがあるように、位置決めし、該第2の直角プリズムを、その直角の角に対向する面hbが左上を向くように向け、かつ該第2の直角プリズムrbの直ぐ右横に第3の直角プリズムrcがあるように、向きを定めて置き、該第3の直角プリズムを、その直角の角に対向する面hcが右上を向くように向け、かつ該第3の直角プリズムrcの真下に第4の直角プリズムrdを位置決めし、該第4の直角プリズムを、その直角の角に対向する面hdが左下を向くように向きを定めて置くように、互いに向きを定めて置かれていることを特徴とする、請求項1に記載のリターダーシステム。
【請求項6】
前記シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、出射ビームを入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整する目的のために、前記素子を平行移動及び/又は傾斜させる機構を有し
前記シーケンシャルな素子の少なくとも1つが、その素子へ電磁放射線のビームが入力する面上あるいは出力する面上に、前記溶融石英よりも低い屈折率を有するMgFによるコーティングを有し、
電磁ビームの直交偏光成分に相対的位相リターデーションを導入するための、前記システムには、追加的なシーケンシャルな複数の楔のシステムが設けられていて、出射ビームを入射ビームから実質的にずれないようにシステムを調整する目的のために、前記楔の1つW1をもう一方の楔W2に対して回転させることができて及び/又は両楔W1、W2を同時に回転できること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリターダーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−141623(P2012−141623A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32511(P2012−32511)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【分割の表示】特願2009−534564(P2009−534564)の分割
【原出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(508293737)ジェイ・エイ・ウーラム・カンパニー・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】J.A.WOOLLAM CO.,INC.
【Fターム(参考)】