説明

リフレッシュ制御装置、無線受信機および半導体集積回路

【課題】メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを低減する。
【解決手段】リフレッシュ制御装置400は、DRAM200へのメモリアクセス要求と、リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガとを調停する調停機能部700と、リフレッシュレート規定を満たすように、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生するトリガ発生部600とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを保持するためにリフレッシュ動作が必要な揮発性メモリに対し、リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを発生するリフレッシュ制御装置、無線受信機および半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ラジオチューナを搭載する無線受信機の多機能化が進んでいる。中でも民生用オーディオやカーオーディオの製品分野では、ラジオチューナ以外にCDやDVDの再生機能やUSBメモリやSDメモリカードなどのメディアとの接続機能、車載ではナビゲーション機能などが従来に対して大きく拡張されており、製品の幅も広がっている。これらの拡張機能は、高集積化された半導体のデジタル回路によって実現されているものが多い。
【0003】
このような背景の中で、各種デジタル信号の高調波成分がEMIノイズとなり、無線周波数帯に影響を及ぼすという課題が発生している。EMIノイズは電源、GNDライン等を経由して伝播するケースや、アンテナ入力ラインへの静電結合および電磁結合により空間より伝播するケースが存在する。
【0004】
これら無線受信の妨害となるEMIノイズに対し、コンデンサやフェライトビーズなどのノイズ対策部品や、ノイズ発生源の回路対策により回避する方法が従来より検討されている。
【0005】
代表的な例として、特許文献1には、デジタル回路のクロック信号をスペクトル拡散し、ノイズスペクトルのピーク値を下げるための技術が開示されている。また、特許文献2には、受信周波数に応じてクロック周波数をシフトするための技術が開示されている。これらの技術は、ノイズ対策に効果的な技術である。
【0006】
一方で、ラジオチューナのデジタル処理化も進み、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を用いて、チューナ部のシステムLSI(Large Scale Integration)への集積化も実現されている。
【0007】
従来は、アナログ回路の小規模なパックモジュールを構成し、当該パックモジュールを鉄板で囲い込むことで外部のノイズを遮断できる構造が主流であった。
【0008】
しかしながら、チューナ部のシステムLSIへの集積化の実現により、デジタルの高性能LSIと無線受信部が同一基板上に高密度に搭載することも可能となっている。そのため、無線受信におけるノイズの課題がさらに切り離せなくなっている。
【0009】
高機能を実現するLSIのデジタル処理回路においては、高速化、高集積化が進行するなかで、使用するメモリも、大容量を必要とするものが多い。そこで、多くのシステムでは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が使用されている。そして、DRAMを、LSIの近傍へ配置する構成、あるいはLSIに内蔵する構成により、システムにDRAMが搭載されている。
【0010】
DRAMは、メモリセル内の容量素子に電荷を蓄えることにより情報を記憶する。DRAMでは、メモリセルに記憶された情報を保持する為に一定時間ごとに、記憶された情報を読出して、再書込みするリフレッシュ動作が必要である。
【0011】
一般的なDRAMでは、一定期間内に所定回数のリフレッシュアクセスを行うことにより、データ保持を行うしくみになっている。具体的には、DRAM内部にて、ワードラインを巡回しながら選択し、リフレッシュ動作を行っている。
【0012】
特許文献3には、リフレッシュを要するメモリを有効に利用するためのリフレッシュ動作に関する技術が開示されている。具体的には、所定の時間間隔にてリフレッシュ要求を行なうと共に、当該メモリを使用する装置からのアクセス要求とリフレッシュ要求とが重なったときに原則的にアクセス要求に対する処理を優先させるようにする。その過程でリフレッシュ要求に対する未処理回数が所定値に達したときにはリフレッシュ処理を優先させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第2756739号公報
【特許文献2】特許第3122102号公報
【特許文献3】特公平7−40432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来構成のリフレッシュ制御方式には下記に示す問題があった。
【0015】
DRAMのリフレッシュ動作時には、内部データ線をプリチャージし、センスアンプのスレッショルド電圧(電圧を1か0に区別するためのしきい値電圧)に設定する必要がある。このとき、内部データ線のプリチャージの際に大きな電流が流れ、電源ラインおよびGNDラインの電源変動からEMIノイズが生じる。
【0016】
図19は、一般的な無線受信機5000の構成を示すブロック図である。
【0017】
図19を参照して、無線受信機5000は、メモリコントローラ10と、DRAM20と、アンテナ30と、チューナ部31と、CPU(Central Processing Unit)32とを備える。
【0018】
チューナ部31は、アンテナ30を介して、無線信号を受信する。CPU32は、チューナ部31およびメモリコントローラ10の制御を行う。
【0019】
メモリコントローラ10は、DRAM20に対し、リフレッシュ動作の要求およびメモリアクセスの要求のいずれかを行う。ここで、DRAM20に対するメモリアクセスが停止しており、DRAM20がリフレッシュ動作を行っているとする。
【0020】
この場合、DRAM20に対し、メモリアクセスを要求するために、メモリコントローラ10内で発生するリフレッシュ要求の周期は、図20に示されるようになる。
【0021】
図20において、1つのリフレッシュ要求は、1つのトリガ(パルス)に対応する。すなわち、リフレッシュ要求の周期は、一定周期である。ここで、トリガ(パルス)としてのリフレッシュ要求の周期を、Trefとする。また、Tref=1/Frefで示されるとする。この場合、周期Trefの信号の周波数スペクトルは、図21に示すようになる。
【0022】
この場合、周期Trefの信号は、周波数Frefの基本波と、Frefの整数倍の高調波とを示す信号である。
【0023】
トリガ(パルス)としてのリフレッシュ要求の発生周期が一定周期である場合、当該リフレッシュ要求に起因するノイズのレベルは大きい。これにより、前述のEMIノイズのレベルも大きくなる。
【0024】
この場合、無線受信機5000内の各構成要素が、共通基板上、あるいは1つの半導体集積回路内に配置された場合に、DRAM20で発生する大きなレベルのEMIノイズが、共通のGNDラインや空中経路でチューナ部31に伝播する。そのため、チューナ部31の受信品質が劣化する。
【0025】
すなわち、メモリのリフレッシュ動作を要求するためトリガの周期が一定周期であると、当該トリガを起因とする大きなレベルのノイズによる不具合が発生するという問題がある。当該不具合の一例は、チューナ部31の受信品質の劣化である。
【0026】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを低減することができるリフレッシュ制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリフレッシュ制御装置は、データを保持するためにリフレッシュ動作が必要な揮発性メモリへのメモリアクセス要求と、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガとを調停する調停機能部と、前記揮発性メモリがデータを保持するための規定であって、所定時間あたりの前記リフレッシュ動作の実行必要回数を規定したリフレッシュレート規定を満たすように、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生するトリガ発生部とを備える。
【0028】
すなわち、リフレッシュ制御装置は、揮発性メモリへのメモリアクセス要求と、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガとを調停する調停機能部と、リフレッシュレート規定を満たすように、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生するトリガ発生部とを備える。
【0029】
つまり、トリガ発生部は、リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを一定でない周期で発生する。
【0030】
ここで、一定でない周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルは、一定周期で発生する前記トリガに起因するノイズのレベルより低い。
【0031】
そのため、本発明の一態様に係るリフレッシュ制御装置は、リフレッシュレート規定を満たしつつ、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルよりも低減することができる。
【0032】
また、好ましくは、前記調停機能部は、前記トリガ発生部が発生した前記リフレッシュトリガに基づいて、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュ要求を出力するリフレッシュ要求部と、前記リフレッシュ要求部が出力した前記リフレッシュ要求と、前記アクセス要求とを調停する調停部とを含む。
【0033】
また、好ましくは、前記トリガ発生部は、前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期において、第1の値から該第1の値より大きい第2の値までを順次示すベース周期カウンタであって、かつ、前記ベース周期毎に同じ値を示すベース周期カウンタと、前記第1の値から前記第2の値までのいずれかの値であって、かつ、前記ベース周期毎に異なる値を、前記ベース周期毎に比較値として出力する比較値発生部と、前記ベース周期カウンタが示す値と、前記比較値発生部から出力される最新の比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングに前記リフレッシュトリガを発生する一致検出部とを含む。
【0034】
また、好ましくは、前記比較値発生部は、前記比較値を保持するとともに、保持している前記比較値を出力する比較値保持部と、前記ベース周期毎に、前記比較値保持部に保持されている前記比較値に加算値を加算する加算処理を行う加算部と、前記加算部が前記加算処理を行う毎に、該加算処理により算出される第1の算出値が前記第2の値より大きいか否かを判定するリミット処理部とを有し、前記リミット処理部は、さらに、前記第1の算出値が前記第2の値より大きい場合、前記第1の値から前記第2の値までの数を、前記第1の算出値から減算するリミット処理を行い、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、前記第1の算出値が前記第2の値以下の場合、前記第1の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、前記比較値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、前記リミット処理部から送信される最新の前記比較値を保持する。
【0035】
また、好ましくは、前記比較値発生部は、前記比較値を保持するとともに、保持している前記比較値を出力する比較値保持部と、加算値を保持するとともに、前記ベース周期毎に、保持している最新の加算値を出力する加算値保持部と、前記ベース周期毎に、前記比較値保持部に保持されている前記比較値に前記加算値保持部が保持している最新の前記加算値を加算する加算処理を行う加算部と、前記加算部が前記加算処理を行う毎に、該加算処理により算出される第1の算出値が前記第2の値より大きいか否かを判定する第1判定部と、前記加算値保持部が出力する最新の前記加算値が、前記第1の値または前記第2の値であるか否かを判定する第2判定部と、前記加算値保持部から最新の前記加算値が出力される毎に、該加算値を用いて演算する演算部とを有し、前記第2判定部は、さらに、前記加算値保持部に保持される前記加算値が前記第1の値である場合、該加算値が前記第2の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする処理と、該加算値が1インクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、前記加算値保持部に保持される前記加算値が前記第2の値である場合、該加算値が前記第1の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする処理と、該加算値が1デクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、前記加算値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している加算値の代わりに、前記演算部から送信される最新の前記加算値を保持する。
【0036】
また、好ましくは、前記第1判定部は、さらに、前記第1の算出値が前記第2の値より大きい場合、前記第1の値から前記第2の値までの数を、前記第1の算出値から減算するリミット処理を行い、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、前記第1の算出値が前記第2の値以下の場合、前記第1の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、前記比較値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、前記第1判定部から送信される最新の前記比較値を保持する。
【0037】
また、好ましくは、前記トリガ発生部は、前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期のM(2以上の整数)倍以上の分周周期において、第1の値から該第1の値より大きい第3の値までを順次示す基準カウンタであって、前記分周周期毎に同じ値を示す基準カウンタと、前記第1の値から前記第3の値までのいずれかの値を比較値として保持するM個の一致検出部とを含み、前記M個の一致検出部がそれぞれ保持するM個の比較値は互いに異なり、各前記一致検出部は、前記基準カウンタが示す値と、該一致検出部が保持する前記比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングにトリガを発生し、前記トリガ発生部は、さらに、前記M個の一致検出部の各々が異なるタイミングで発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとして発生する発生部を含む。
【0038】
また、好ましくは、前記トリガ発生部は、前記リフレッシュトリガの発生タイミングを決定するための可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガを発生する可変周期カウンタと、前記可変周期カウンタが前記トリガを発生する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する周期設定値生成部とを含み、前記可変周期カウンタは、前記カウント処理が終了する毎に発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとしても発生する。
【0039】
また、好ましくは、前記周期設定値生成部が出力する前記周期設定値は、第4の値から該第4の値より大きい第5の値までのいずれかの値であり、前記第4の値は、前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期に対応する規定値から該規定値の1/u(2以上の整数)の値を減算した値であり、前記第5の値は、前記規定値に該規定値の1/uの値を加算した値であり、前記周期設定値生成部は、前記周期設定値を保持するとともに、前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、保持している最新の周期設定値を少なくとも前記可変周期カウンタへ出力する周期設定値保持部と、前記周期設定値保持部が出力する最新の前記周期設定値が、前記第4の値または前記第5の値であるか否かを判定する判定部と、前記周期設定値保持部から最新の前記周期設定値が出力される毎に、該周期設定値を用いて演算する演算部とを有し、前記判定部は、さらに、前記周期設定値保持部に保持される前記周期設定値が前記第4の値である場合、該周期設定値が前記第5の値になるまで該周期設定値を1ずつインクリメントする処理と、該周期設定値が1インクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、前記周期設定値保持部に保持される前記周期設定値が前記第5の値である場合、該周期設定値が前記第4の値になるまで該周期設定値を1ずつデクリメントする処理と、該周期設定値が1デクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、前記周期設定値保持部は、前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、保持している周期設定値の代わりに、前記演算部から送信される最新の前記周期設定値を保持する。
【0040】
また、好ましくは、前記周期設定値生成部は、前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、異なる値のM系列巡回符号を、前記可変周期カウンタがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する符号生成部を有する。
【0041】
また、好ましくは、前記リフレッシュ制御装置は、前記リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生する機能とを有する。
【0042】
本発明の一態様に係る無線受信機は、前記リフレッシュ制御装置と、無線信号を受信するチューナ部と、データを保持するための揮発性メモリとを備え、前記リフレッシュ制御装置は、前記揮発性メモリにリフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを一定でない周期で発生する。
【0043】
また、好ましくは、前記チューナ部が前記無線信号を受信するための周波数と、一定でない周期の複数の前記リフレッシュトリガから構成される信号が示す各周波数とは異なる。
【0044】
また、好ましくは、前記チューナ部、前記揮発性メモリおよび前記リフレッシュ制御装置は同一の基板上に配置される。
【0045】
本発明の一態様に係る半導体集積回路は、前記リフレッシュ制御装置と、無線信号を受信するチューナ部とを備える。
【発明の効果】
【0046】
本発明により、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るトリガ発生部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る比較値発生部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るトリガ発生部の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。
【図5】本発明の実施の形態1に係るリフレッシュトリガを説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るトリガ発生部の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るトリガ発生部の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るリフレッシュトリガを説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るトリガ発生部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るトリガ発生部の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。
【図11】本発明の実施の形態4に係るトリガ発生部の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る周期設定値生成部の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るトリガ発生部の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。
【図14】本発明の実施の形態5に係るトリガ発生部の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係るM系列巡回符号生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態5に係るトリガ発生部の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。
【図17】本発明の実施の形態6に係る無線受信機の構成を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態7に係る半導体集積回路の構成を示す図である。
【図19】一般的な無線受信機の構成を示すブロック図である。
【図20】リフレッシュ要求の波形図である。
【図21】信号の周波数スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
【0049】
以下、リフレッシュ動作を必要とする揮発性メモリに対してリフレッシュ動作を実行させるためのリフレッシュトリガを生成する装置において、無線受信機の受信状態の劣化を抑制または防止するためのリフレッシュトリガを生成する構成等について説明する。
【0050】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線受信機1000の構成を示すブロック図である。無線受信機1000は、一例として、ラジオ受信機である。なお、無線受信機1000は、ラジオ受信機に限定されず、無線信号を受信する他の装置(例えば、通信装置)であってもよい。
【0051】
図1を参照して、無線受信機1000は、メモリコントローラ100と、DRAM200と、アンテナ310と、チューナ部311と、CPU320とを備える。
【0052】
チューナ部311は、アンテナ310を介して、無線信号を受信する。無線信号は、例えば、AM(Amplitude Modulation)波の信号またはFM(Frequency Modulation)波の信号である。
【0053】
CPU320は、チューナ部311およびメモリコントローラ100の制御を行う。
【0054】
DRAM200は、データを保持するためにリフレッシュ動作が必要な揮発性メモリである。
【0055】
メモリコントローラ100は、DRAM200を制御するためのコントロール信号を、DRAM200へ送信する。当該コントロール信号は、DRAM200に対するアクセスを制御するための信号、または、DRAM200にリフレッシュ動作を実行させるための信号である。
【0056】
メモリコントローラ100は、リフレッシュ制御装置400と、ドライバ部500とを含む。
【0057】
リフレッシュ制御装置400は、該リフレッシュ制御装置400内の構成要素からの各種指示に基づいたアクセス信号を、ドライバ部500へ送信する。
【0058】
ドライバ部500は、アクセス信号に従って、アドレスの出力処理、データの入出力処理等を行う。なお、ドライバ部500が行う処理は、一般的なDRAMのドライバと同様なので詳細な説明は行わない。
【0059】
リフレッシュ制御装置400は、トリガ発生部600と、調停機能部700とを含む。
【0060】
トリガ発生部600は、詳細は後述するが、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを発生する。
【0061】
調停機能部700は、概念的には、DRAM200へのメモリアクセス要求と、リフレッシュトリガとを調停する。具体的には、調停機能部700は、メモリアクセス要求と、リフレッシュトリガに基づくリフレッシュ要求とを調停する。
【0062】
調停機能部700は、リフレッシュ要求部710と、調停部720とを含む。
【0063】
リフレッシュ要求部710は、リフレッシュトリガを受信する毎に、リフレッシュ要求カウンタの値を1インクリメント(カウントアップ)する。リフレッシュ要求カウンタは、リフレッシュトリガの受付け状況を示すカウンタである。
【0064】
リフレッシュ要求部710は、リフレッシュトリガを受信する毎に、必要に応じて、リフレッシュ要求を、調停部720へ送信(出力)する。リフレッシュ要求は、前記リフレッシュ動作の実行を要求するための要求である。
【0065】
すなわち、リフレッシュ要求部710は、前記トリガ発生部が発生した前記リフレッシュトリガに基づいて、リフレッシュ要求を出力する。
【0066】
調停部720は、メモリアクセス要求とリフレッシュ要求とが競合する場合、メモリアクセス要求とリフレッシュ要求とを調停する。そして、調停部720は、調停の結果、メモリアクセス要求およびリフレッシュ要求いずれかを許可し、ドライバ部500へ、当該許可に従ったアクセス信号を送信する。
【0067】
調停部720は、リフレッシュ要求を受付けると、リフレッシュ要求を受付けた旨を示すリフレッシュ要求受付信号を、リフレッシュ要求部710へ送信する。リフレッシュ要求部710は、リフレッシュ要求受付信号を受信する毎に、リフレッシュ要求カウンタの値を1デクリメント(カウントダウン)する。
【0068】
調停部720は、メモリアクセス要求とリフレッシュシュ要求とを同時に受信した場合、原則的に、メモリアクセス要求に対する処理を優先する。この優先処理は、リフレッシュ要求部710からの優先順位を切替るための指示に基づいて行われる。
【0069】
そして、その過程において、調停部720は、リフレッシュ要求に対するリフレッシュ動作の未処理回数が所定値に達したときには、リフレッシュ処理を優先する。
【0070】
メモリアクセス要求が無いときは、最速で、リフレッシュ要求が受付けられる。一方、DRAM200に対するメモリアクセスが実行されている期間は、リフレッシュ要求の受付が待たされる。
【0071】
メモリアクセス要求によるバースト動作によりDRAM200へのアクセスが占有されている期間、リフレッシュ要求カウンタの値がカウントアップされる。そして、メモリアクセス終了時に、リフレッシュ要求カウンタが示す値の分だけ、リフレッシュ動作が連続して行われる。
【0072】
図2は、本発明の実施の形態1に係るトリガ発生部600の構成を示すブロック図である。
【0073】
図2を参照して、トリガ発生部600は、ベース周期カウンタ610と、比較値発生部620と、一致検出部630とを含む。
【0074】
ベース周期カウンタ610は、リフレッシュレート規定を満たすベース周期において、一例として、カウンタ値として0から15までを順次示す(カウントする)カウンタである。すなわち、ベース周期カウンタ610は、ベース周期にわたって、0から15までを順次示す(カウントする)。
【0075】
ここで、リフレッシュレート規定とは、DRAM200のリフレッシュに関する規定である。リフレッシュレート規定は、DRAM200がデータを保持するための規定であって、所定時間t1あたりの前記リフレッシュ動作の実行必要回数Nを規定した規定である。すなわち、所定時間t1あたりのリフレッシュ動作の実行必要回数Nとは、DRAM200がデータを保持するために必要な、所定時間あたりのリフレッシュ動作の実行必要回数である。
【0076】
上記のリフレッシュレート規定を満たすベース周期とは、所定時間t1を、実行必要回数Nで除算した値に、ベース周期内でカウントされる数を乗算した値である。
【0077】
ここで、一例として、所定時間t1が64msであり、実行必要回数Nが4096回であるとする。この場合、リフレッシュレート規定を満たすベース周期は、64m/4096×16で算出される周期である。また、この場合、リフレッシュレート規定は、一例として、64msあたりに4096回のリフレッシュ動作の実行が必要であることを示す規定である。
【0078】
すなわち、ベース周期カウンタ610は、リフレッシュレート規定を満たすベース周期において、第1の値(0)から該第1の値より大きい第2の値(15)までを順次示すカウンタであって、かつ、ベース周期毎に同じ値を示すカウンタである。
【0079】
なお、所定時間あたりのリフレッシュ動作の実行必要回数は、DRAM200内の電荷を保持する素子の容量や温度などの条件によって変わってくる。仮に、リフレッシュ動作が一定周期で行われる場合、およそ数十kHz〜数MHzオーダーでのリフレッシュ動作が必要である。
【0080】
ここで、無線受信機1000がラジオ受信機であり、かつ、チューナ部311が受信する無線信号がAM波の信号であるとする。この場合、当該無線信号の周波数帯域は、530kHz〜1710kHzである。
【0081】
また、無線受信機1000がラジオ受信機であり、かつ、チューナ部311が受信する無線信号がFM波の信号であるとする。この場合、当該無線信号の周波数帯域は、76MHz〜109MHzである。
【0082】
また、ベース周期カウンタ610は、当該ベース周期カウンタ610が示すカウンタ値が変化する毎に、最新のカウンタ値を、一致検出部630へ送信する。これにより、一致検出部630は、ベース周期において、0から15までのカウンタ値を順次受信する。
【0083】
また、ベース周期カウンタ610は、一例として、該ベース周期カウンタ610が“0”を示すタイミングで、トリガ(パルス)としての周期信号を、比較値発生部620へ送信する。すなわち、ベース周期カウンタ610は、ベース周期毎に、周期信号を、比較値発生部620へ送信する。
【0084】
比較値発生部620は、詳細は後述するが、周期信号を受信する毎に、異なる任意の比較値を、一致検出部630へ送信する。ここで、比較値とは、一致検出部630が、カウンタ値との比較に使用する値である。比較値は、ベース周期カウンタ610が示す複数のカウンタ値のいずれか値である。
【0085】
すなわち、比較値発生部620は、第1の値から第2の値までのいずれかの値であって、かつ、ベース周期毎に異なる値を、ベース周期毎に比較値として出力する。ここで、例えば、第1の値および第2の値は、それぞれ、“0”および“15”である。
【0086】
一致検出部630は、ベース周期カウンタ610から送信されるカウンタ値と、比較値発生部620から出力される最新の比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出する。そして、比較値発生部620は、検出した該一致タイミングにリフレッシュトリガとしてのトリガを発生する。
【0087】
すなわち、一致検出部630は、ベース周期カウンタ610が示す値と、比較値発生部620から出力される最新の比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングにリフレッシュトリガを発生する。
【0088】
つまり、トリガ発生部600は、ベース周期毎に、ベース周期カウンタ610が示す値と、比較値発生部620から出力される比較値とが一致するタイミングで、リフレッシュトリガとしてのトリガを、リフレッシュ要求部710へ送信する。
【0089】
これにより、リフレッシュ要求の発生周期がリフレッシュレート規定を満たしつつ、一定周期とならないようにすることができる。すなわち、トリガ発生部600は、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを一定でない周期で発生する。ここで、一定でない周期とは、時間経過に伴い周期が変化する周期である。以下においては、一定でない周期を、可変周期ともいう。
【0090】
図3は、本発明の実施の形態1に係る比較値発生部620の構成を示すブロック図である。
【0091】
図3を参照して、比較値発生部620は、比較値保持部621と、加算部622と、加算値保持部623と、リミット処理部624とを有する。
【0092】
前述のベース周期カウンタ610は、ベース周期毎に、前述の周期信号を、比較値保持部621へ送信する。
【0093】
比較値保持部621は、1つの比較値を保持する。また、比較値保持部621は、保持している比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信しつづける。すなわち、比較値保持部621は、比較値を保持するとともに、保持している比較値を出力する。
【0094】
なお、比較値保持部621は、初期の比較値として“0”を保持しているとする。
【0095】
加算値保持部623は、外部から任意の値に設定された加算値を保持している。加算値保持部623が保持する加算値は、例えば、CPU320が設定する。加算値は、ベース周期カウンタ610が示すカウンタ値の最大値より小さい値である。加算値は、例えば、“7”である。
【0096】
加算値保持部623は、保持している加算値を、加算部622へ送信しつづける。
【0097】
加算部622は、比較値保持部621から送信される比較値に、加算値保持部623から送信される加算値を加算する加算処理を行う。詳細は後述するが、比較値保持部621は、ベース周期毎に、比較値を更新するとともに、更新後の比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信する。
【0098】
すなわち、加算部622は、ベース周期毎に、比較値保持部621に保持されている比較値に加算値を加算する加算処理を行う。
【0099】
以下においては、加算処理により算出された値を、第1の算出値という。加算部622は、さらに、加算処理を行う毎に、該加算処理により算出された第1の算出値を、リミット処理部624へ送信する。
【0100】
リミット処理部624は、第1の算出値を受信する毎に、該第1の算出値がカウンタ値の最大値より大きいか否かを判定する。すなわち、リミット処理部624は、加算部622が加算処理を行う毎に、該加算処理により算出される第1の算出値が第2の値(カウンタ値の最大値“15”)より大きいか否かを判定する。
【0101】
リミット処理部624は、さらに、第1の算出値が第2の値より大きい場合、第1の値から第2の値までの数(個数)を、第1の算出値から減算するリミット処理を行う。ここで、第1の値から第2の値までの数とは、“(カウンタ値の最大値)+1”の値である。第1の値および第2の値が、それぞれ、“0”および“15”である場合、第1の値から第2の値までの数(個数)は、16である。
【0102】
そして、リミット処理部624は、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部621へ送信しつづける。
【0103】
また、リミット処理部624は、第1の算出値が前記第2の値以下の場合、第1の算出値を、最新の比較値として、比較値保持部621へ送信しつづける。
【0104】
比較値保持部621は、周期信号を受信する毎に、リミット処理部624から送信される最新の比較値を受信し、保持している比較値の代わりに最新の比較値を保持する。すなわち、比較値保持部621は、ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、リミット処理部624から送信される最新の前記比較値を保持する。
【0105】
そして、比較値保持部621は、保持している最新の比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信しつづける。すなわち、比較値保持部621は、ベース周期毎に、比較値を更新するとともに、更新後の比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信する。
【0106】
前述したように、一致検出部630は、一致タイミングを検出し、該一致タイミングにリフレッシュトリガを発生する。
【0107】
以上の処理により、トリガ発生部600は、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0108】
図4は、本発明の実施の形態1に係るトリガ発生部600の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。図4の横軸は、時間を示す。
【0109】
図4(a)は、図4(b)に示されるタイミングチャートの一部の拡大図である。
【0110】
図4(b)は、比較値およびリフレッシュトリガのタイミングチャートである。
【0111】
図4(a)および図4(b)を参照して、「カウンタ値」とは、各タイミングにおいてベース周期カウンタ610が示すカウンタ値である。前述したように、ベース周期カウンタ610は、一例として、該ベース周期カウンタ610が“0”を示すタイミングで、トリガ(パルス)としての周期信号を、比較値発生部620へ送信する。図4(a)において、1つの周期信号は、1つのトリガ(パルス)に対応する。
【0112】
図4(a)および図4(b)に示される比較値は、加算値保持部623に保持される加算値が“7”である場合における各タイミングの比較値である。図4(a)および図4(b)において、1つのリフレッシュトリガは、1つのトリガ(パルス)に対応する。
【0113】
図4(a)および図4(b)に示されるように、ベース周期カウンタ610が周期信号を出力する毎に、加算部622は、比較値保持部621に保持されている比較値に加算値“7”を加算する。図4(a)および図4(b)において、比較値保持部621に保持されている比較値が14から5に更新されるタイミングではリミット処理が行われている。
【0114】
これは、以下の処理による。まず、前述の加算処理により、14+7=21で算出される第1の算出値“21”が、ベース周期カウンタのカウンタ値の最大値15より大きい。そのため、リミット処理において、第1の算出値“21”から、“(カウンタ値の最大値)+1”の値(16)が減算される。
【0115】
これにより、リミット処理により算出される第2の算出値“5”が、比較値保持部621に保持される最新の比較値となる。
【0116】
このように、ベース周期毎にリミット処理が発生しながら、比較値保持部621に保持される比較値が更新される。これにより、ベース周期カウンタ610のカウンタ値と比較値保持部621に保持されている値が一致するタイミングの周期は、一定周期でない。
【0117】
そのため、この場合、リフレッシュトリガの周波数成分は、間隔“23”と、間隔“7”との2種類の周波数成分を含む。間隔“23”とは、リミット処理が行われない場合に、16+7=23の式により算出される、一方の周波数成分の間隔である。間隔“7”とは、リミット処理が発生する(行われる)場合の、他方の周波数成分の間隔である。
【0118】
図5は、本発明の実施の形態1に係るリフレッシュトリガを説明するための図である。
【0119】
図5(a)は、リフレッシュトリガの発生周期が仮に一定周期である場合における、複数のリフレッシュトリガから構成される信号(以下、一定周期信号Nという)の周波数スペクトルを示す図である。すなわち、一定周期信号Nは、DRAM200のリフレッシュ動作時におけるノイズとしての信号である。
【0120】
図5(a)の縦軸は、信号レベルとしてのノイズレベル(dB)を示す。横軸は、周波数(Hz)を示す。
【0121】
図5(a)に示されるように、一定周期信号Nは、T/16のn(nは自然数)倍の周波数においてピークを有する、基本波または高調波を示す信号である。
【0122】
図5(b)は、実施の形態1に係るトリガ発生部600により生成される、可変周期の複数のリフレッシュトリガから構成される信号(以下、可変周期信号SAという)の周波数スペクトルを示す図である。すなわち、可変周期信号SAは、DRAM200のリフレッシュ動作時におけるノイズとしての信号である。
【0123】
図5(b)の縦軸および横軸は、それぞれ、図5(a)の縦軸および横軸と同じである。なお、図5(b)では、比較のために、図5(a)の一定周期信号Nを点線で示している。
【0124】
図5(b)に示されるように、トリガ発生部600が発生する複数のリフレッシュトリガから構成される可変周期信号SAは、2種類の周波数成分をそれぞれ有する2つの信号(以下、信号S1,S2という。)から構成される。この場合、信号S1は、T/23のn倍の周波数においてピークを有する、基本波または高調波を示す信号である。信号S2は、T/7のn倍の周波数においてピークを有する、基本波または高調波を示す信号である。
【0125】
また、図5(b)に示されるように、可変周期信号SAの最大のノイズレベルは、一定周期信号Nの最大のノイズレベルより低い。ここで、可変周期信号SAは、DRAM200のリフレッシュ動作を要求するための信号である。
【0126】
すなわち、実施の形態1に係るトリガ発生部600を含むリフレッシュ制御装置400によれば、可変周期信号SAを構成する複数のリフレッシュトリガの周期に起因するノイズのレベル(例えば、最大レベル)を、一定周期で発生するリフレッシュトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。つまり、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。
【0127】
また、可変周期信号SAが有する各ピークの周波数は、一定周期信号Nが有する各ピークの周波数をシフトさせた周波数である。
【0128】
これを利用し、例えば、加算値保持部623に保持される加算値を、CPU320により任意の値に設定することにより、任意の位置へ、可変周期信号SAの周波数ピークをシフトする事が可能となる。これにより、可変周期信号SAが有する、低い次数(2次、3次等)の高調波の領域に、無線信号の周波数帯が存在したとしても、チューナ部311において、無線信号の受信の妨害とならない位置に、ピークをずらすことができる。すなわち、無線信号の受信状態の劣化(受信妨害)を抑制することができる。当該無線信号は、例えば、ラジオで使用される信号である。
【0129】
したがって、前記チューナ部311が前記無線信号を受信するための周波数と、一定でない周期(可変周期)の複数の前記リフレッシュトリガから構成される信号が示す各周波数とは異なる。
【0130】
これにより、実施の形態1に係るトリガ発生部600およびトリガ発生部600を含むリフレッシュ制御装置400は、揮発性メモリ(DRAM200)のリフレッシュレート規定を満たしつつ、リフレッシュ動作のための信号の周波数によるラジオ受信への影響を防ぐことができる。
【0131】
また、実施の形態1に係る無線受信機1000は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)などのアナログ構成は使用せず、システムの動作クロックを基準として、デジタル的に簡単な回路構成で周波数シフト、あるいは周波数変調を実現できる。
【0132】
また、従来の調停回路等の構成を変更せずに、リフレッシュによる影響は従来の無線受信機とほぼ同等で、DRAMへのメモリアクセスが可能となる。
【0133】
なお、トリガ発生部600は、可変周期のリフレッシュトリガを発生する構成に限定されない。例えば、トリガ発生部600が、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを可変周期(一定でない周期)で発生する機能とを有する構成としてもよい。
【0134】
この場合、リフレッシュ制御装置400は、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、リフレッシュトリガを可変周期(一定でない周期)で発生する機能とを有する。
【0135】
ここで、トリガ発生部600に、リフレッシュトリガを一定周期で発生させるためには、たとえば、CPU320が加算値保持部623が保持する加算値の値を“0”に設定する。これにより、無線信号の受信状態に影響を与えないような条件下においては、従来のタイミングにて、DRAM200にリフレッシュ動作をさせることも可能となる。
【0136】
なお、実施の形態1では、一致検出部630が検出した一致検出タイミングに、1つのリフレッシュトリガを発生する構成としたが、これに限定されない。検出された一致検出タイミングに、一致検出部630が、連続する複数のリフレッシュトリガを発生する構成としてもよい。
【0137】
但し、DRAM200において、メモリアクセスが行われる場合を考慮すると、1つのベース周期あたり1個のリフレッシュトリガを発生する構成とする。これにより、リフレッシュタイミングが均等化され、メモリアクセスへの弊害は少ない。
【0138】
なお、ベース周期カウンタ610がカウントする基準クロックに関しては特に限定しないが、例えば、当該基準クロックは、DRAMとのアクセスタイミングの基準となるメモリコントローラ内のシステムクロックを使用してもよい。場合によっては無線信号の受信状態の効果を鑑みて、基準クロックとして、分周クロックを使用してもよい。
【0139】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2に係るトリガ発生部600Aについて説明する。
【0140】
以下においては、実施の形態2に係るリフレッシュ制御装置を、リフレッシュ制御装置A2という。リフレッシュ制御装置A2は、図1のリフレッシュ制御装置400と比較して、トリガ発生部600の代わりにトリガ発生部600Aを備える点のみが異なる。それ以外のリフレッシュ制御装置A2の構成は、リフレッシュ制御装置400と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0141】
図6は、本発明の実施の形態2に係るトリガ発生部600Aの構成を示すブロック図である。トリガ発生部600Aは、図3のトリガ発生部600と比較して、主に、加算値を可変とした点が異なる。
【0142】
図6を参照して、トリガ発生部600Aは、図3のトリガ発生部600と比較して、比較値発生部620の代わりに比較値発生部620Aを含む点が異なる。トリガ発生部600Aのそれ以外の構成は、トリガ発生部600と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0143】
比較値発生部620Aは、図3の比較値発生部620と比較して、加算値保持部623の代わりに加算値保持部623Aを有する点と、さらに、演算制御部625と、演算部626とを有する点とが異なる。比較値発生部620Aのそれ以外の構成は、比較値発生部620と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0144】
トリガ発生部600Aのベース周期カウンタ610は、ベース周期毎に、前述の周期信号を、比較値保持部621、加算値保持部623Aおよび演算制御部625へ送信する。
【0145】
加算値保持部623Aは、1つの加算値を保持する。当該加算値は、前述の加算処理により使用される値である。また、加算値保持部623Aは、周期信号を受信する毎に、保持している最新の加算値を、加算部622、演算制御部625および演算部626へ送信しつづける。
【0146】
すなわち、加算値保持部623Aは、加算値を保持するとともに、前記ベース周期毎に、保持している最新の加算値を出力する。
【0147】
演算制御部625は、周期信号を受信する毎に、前記加算値保持部623Aが出力する最新の前記加算値が、前記第1の値または前記第2の値であるか否かを判定する判定部である。ここで、第1の値および第2の値は、それぞれ、ベース周期カウンタの最小値および最大値である。ここで、一例として、第1の値および第2の値は、それぞれ、“0”および“15”であるとする。
【0148】
詳細は後述するが、加算値は、該加算値がカウンタ値の最大値に達するまではベース周期毎に+1の加算により更新される。また、加算値は、該加算値がカウンタ値の最大値に達すると、該加算値が最小値に達するまでベース周期毎に−1の加算により更新される。
【0149】
演算部626は、詳細は後述するが、前記加算値保持部623Aから最新の前記加算値が出力される毎に、該加算値を用いて演算する。
【0150】
そして、演算制御部625は、加算値保持部623Aが出力する最新の前記加算値が、前記第1の値である場合、該加算値が前記第2の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする処理と、該加算値が1インクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部623Aへ送信する処理と実行させる指示を、演算部626に出す。
【0151】
すなわち、第2判定部としての演算制御部625は、さらに、前記加算値保持部623Aに保持される前記加算値が前記第1の値である場合、該加算値が前記第2の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする処理と、該加算値が1インクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部623Aへ送信する処理とを、前記演算部626に実行させる。
【0152】
この場合、演算部626は、該加算値が前記第2の値になるまでベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする演算処理を行うとともに、該加算値が1インクリメントされる毎に、最新の加算値を加算値保持部623Aへ送信する。
【0153】
また、演算制御部625は、加算値保持部623Aが出力する最新の前記加算値が、前記第2の値である場合、該加算値が前記第1の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする処理と、該加算値が1デクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部623Aへ送信する処理と実行させる指示を、演算部626に出す。
【0154】
すなわち、第2判定部としての演算制御部625は、前記加算値保持部623Aに保持される前記加算値が前記第2の値である場合、該加算値が前記第1の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする処理と、該加算値が1デクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部623Aへ送信する処理とを、前記演算部626に実行させる。
【0155】
この場合、演算部626は、該加算値が前記第1の値になるまでベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする演算処理を行うとともに、該加算値が1デクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部623Aへ送信する。
【0156】
加算値保持部623Aは、周期信号を受信する毎に、演算部626から送信される最新の加算値を受信し、保持している加算値の代わりに最新の加算値を保持する。すなわち、前記加算値保持部623Aは、前記ベース周期毎に、保持している加算値の代わりに、前記演算部626から送信される最新の前記加算値を保持する。
【0157】
そして、前述したように、加算値保持部623Aは、前記ベース周期毎に、保持している最新の加算値を、加算部622、演算制御部625および演算部626へ送信しつづける。
【0158】
加算部622は、加算値を受信する毎に、比較値保持部621から送信される比較値に、加算値保持部623Aから送信される加算値を加算する加算処理Aを行う。すなわち、加算部622は、前記ベース周期毎に、比較値保持部621に保持されている前記比較値に加算値保持部623Aが保持している最新の前記加算値を加算する加算処理Aを行う。
【0159】
以下においては、加算処理Aにより算出された値を、第1の算出値という。加算部622は、さらに、加算処理Aを行う毎に、該加算処理Aにより算出された第1の算出値を、リミット処理部624へ送信する。
【0160】
リミット処理部624および比較値保持部621が行う処理は、実施の形態1の処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。以下、簡単に説明する。
【0161】
すなわち、第1判定部としてのリミット処理部624は、前記加算部622が前記加算処理Aを行う毎に、該加算処理Aにより算出される第1の算出値が第2の値(カウンタ値の最大値(15))より大きいか否かを判定する。
【0162】
また、第1判定部としてのリミット処理部624は、さらに、第1の算出値が前記第2の値より大きい場合、前記第1の値から前記第2の値までの数(個数)を、前記第1の算出値から減算するリミット処理を行う。
【0163】
そして、リミット処理部624は、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信しつづける。
【0164】
また、第1判定部としてのリミット処理部624は、前記第1の算出値が前記第2の値以下の場合、前記第1の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信しつづける。
【0165】
比較値保持部621は、周期信号を受信する毎に、リミット処理部624から送信される最新の比較値を受信し、保持している比較値の代わりに最新の比較値を保持する。すなわち、比較値保持部621は、ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、第1判定部としてのリミット処理部624から送信される最新の前記比較値を保持する。
【0166】
そして、比較値保持部621は、保持している最新の比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信しつづける。すなわち、比較値保持部621は、ベース周期毎に、比較値を更新するとともに、更新後の比較値を、一致検出部630および加算部622へ送信する。
【0167】
前述したように、一致検出部630は、一致タイミングを検出し、該一致タイミングにリフレッシュトリガを発生する。
【0168】
以上の処理により、トリガ発生部600Aは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0169】
図7は、本発明の実施の形態2に係るトリガ発生部600Aの動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。図7の横軸は、時間を示す。
【0170】
図7を参照して、文字列「演算部」に対応づけられたタイミングチャートは、演算部626が行っている処理を示す。「+1」が示される期間は、演算部626が、加算値を1ずつインクリメントする演算処理を行っている期間である。「−1」が示される期間は、演算部626が、加算値を1ずつデクリメントする演算処理を行っている期間である。
【0171】
「加算値」とは、各タイミングにおける加算値である。「比較値」とは、各タイミングにおける比較値である。図7において、1つのリフレッシュトリガは、1つのトリガ(パルス)に対応する。
【0172】
なお、図7では、図示されていないが、ベース周期カウンタ610は、図4(a)に示されるカウンタ値および周期信号を出力する。カウンタ値は、一例として、0から15までの値である。
【0173】
ベース周期カウンタ610は、一例として、該ベース周期カウンタ610が“0”を示すタイミングで、トリガ(パルス)としての周期信号を出力する。
【0174】
演算部626は、「+1」が示される期間では、該加算値が最大値(15)になるまで、ベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする演算処理を行う。一方、演算部626は、「−1」が示される期間では、該加算値が最小値(0)になるまで、ベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする演算処理を行う。すなわち、加算値は、スイープ状に更新される。
【0175】
なお、図示はされないが、加算値が最小値(0)になると、すなわち、「+1」が示される期間が終了すると、再度、「−1」が示される期間となる。
【0176】
これらの処理が繰り返し行われることにより、比較値保持部621に保持される比較値には、ベース周期毎に更新される加算値が加算され、時折、前述のリミット処理が行われることにより、該比較値は更新されていく。
【0177】
以上の処理により、トリガ発生部600Aは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0178】
図8は、本発明の実施の形態2に係るリフレッシュトリガを説明するための図である。図8は、実施の形態2に係るトリガ発生部600Aにより生成される、可変周期の複数のリフレッシュトリガから構成される信号(以下、可変周期信号SA2という)の周波数スペクトルを示す図である。すなわち、可変周期信号SA2は、DRAM200のリフレッシュ動作時におけるノイズとしての信号である。
【0179】
図8の縦軸および横軸は、それぞれ、図5(a)の縦軸および横軸と同じである。
【0180】
なお、図8には、比較のために、図5(a)の一定周期信号Nを点線で示している。
【0181】
図8に示されるように、トリガ発生部600Aが発生する複数のリフレッシュトリガから構成される可変周期信号SA2は、T/16のn倍の周波数においてピークを有する、基本波または高調波を示す信号である。
【0182】
前述したように、実施の形態2では、加算値をスイープ状に更新する。これにより、リフレッシュトリガの発生周期が不規則な周期となる。
【0183】
また、図8に示されるように、可変周期信号SA2の最大のノイズレベルは、一定周期信号Nの最大のノイズレベルより大幅に低い。すなわち、実施の形態2に係る構成により、可変周期信号SA2は、一定周期信号Nのピークレベルを平均的に分散した信号であって、かつ、一定周期信号Nの基本波および高調波のノイズレベルを大幅に低減(減衰)した信号である。
【0184】
すなわち、実施の形態2に係るトリガ発生部600Aを含むリフレッシュ制御装置A2によれば、可変周期信号SA2を構成する複数のリフレッシュトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するリフレッシュトリガに起因するノイズのレベルより大幅に低減することができる。つまり、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルより大幅に低減することができる。
【0185】
したがって、トリガ発生部600Aを有する無線受信機は、比較的高い次数の高調波の領域に、無線信号の周波数帯域が存在したとしても、チューナ部311が受信する無線信号の受信状態の劣化(受信妨害)を大幅に抑制することができる。すなわち、実施の形態2に係るトリガ発生部600Aを有する無線受信機は、無線信号の受信状態の劣化(受信妨害)を大幅に抑制することができる。
【0186】
なお、トリガ発生部600Aは、可変周期のリフレッシュトリガを発生する構成に限定されない。例えば、トリガ発生部600Aが、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する構成としてもよい。
【0187】
この場合、リフレッシュ制御装置A2は、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する。
【0188】
ここで、トリガ発生部600に、リフレッシュトリガを一定周期で発生させるためには、たとえば、CPU320が加算値保持部623Aが出力する加算値を固定値にするように、加算値保持部623Aを制御する。これにより、無線信号の受信状態に影響を与えないような条件下においては、従来のタイミングにて、DRAM200にリフレッシュ動作をさせることも可能となる。
【0189】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3に係るトリガ発生部600Bについて説明する。以下においては、実施の形態3に係るリフレッシュ制御装置を、リフレッシュ制御装置A3という。リフレッシュ制御装置A3は、図1のリフレッシュ制御装置400と比較して、トリガ発生部600の代わりにトリガ発生部600Bを備える点のみが異なる。それ以外のリフレッシュ制御装置A3の構成は、リフレッシュ制御装置400と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0190】
図9は、本発明の実施の形態3に係るトリガ発生部600Bの構成を示すブロック図である。
【0191】
トリガ発生部600Bは、図3のトリガ発生部600と比較して、主として、カウンタの周期が異なる。
【0192】
図9を参照して、トリガ発生部600Bは、基準カウンタ610Bと、検出部620Bと、論理和演算部640とを含む。
【0193】
前述のベース周期カウンタ610は、該ベース周期カウンタ610の周回周期において1回のリフレッシュトリガを出力するためのカウンタである。それに対し、基準カウンタ610Bは、該基準カウンタ610Bの周回周期においてM(2以上の整数)回のリフレッシュトリガを出力するためのカウンタである。
【0194】
基準カウンタ610Bは、前述のリフレッシュレート規定を満たすベース周期のM(2以上の整数)倍以上の分周周期において、一例として、カウンタ値として第1の値から第3の値までを順次示す(カウントする)カウンタである。すなわち、ベース周期カウンタ610Bは、分周周期にわたって、第1の値から第3の値までを順次示す(カウントする)。第1の値および第3の値は、それぞれ、基準カウンタ610Bが示す値の最小値および最大値である。ここで、一例として、第1の値および第3の値は、それぞれ、“0”および“47”であるとする。
【0195】
すなわち、基準カウンタ610Bは、リフレッシュレート規定を満たすベース周期のM(2以上の整数)倍以上の分周周期において、第1の値から該第1の値より大きい第3の値までを順次示すカウンタであって、前記分周周期毎に同じ値を示すカウンタである。
【0196】
検出部620Bは、M(2以上の整数)個の一致検出部631を有する。すなわち、トリガ発生部600Bは、M個の一致検出部631を有する。
【0197】
基準カウンタ610Bは、当該基準カウンタ610Bが示すカウンタ値が変化する毎に、最新のカウンタ値を、M個の一致検出部631の各々へ送信する。
【0198】
M個の一致検出部631の各々は、互いに異なる比較値を保持する。M個の一致検出部631の各々が保持する比較値は、例えば、外部のCPU等が設定した値である。
【0199】
すなわち、M個の一致検出部631の各々は、前記第1の値から前記第3の値までのいずれかの値を比較値として保持する。M個の一致検出部631がそれぞれ保持するM個の比較値は互いに異なる。
【0200】
各前記一致検出部631は、基準カウンタ610Bから受信する最新のカウンタ値と、該一致検出部631が保持する比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出する。そして、一致検出部631は、検出した該一致タイミングにリフレッシュトリガとしてのトリガを発生する。
【0201】
すなわち、各前記一致検出部631は、前記基準カウンタ610Bが示す値と、該一致検出部が保持する比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングにトリガを発生する。各前記一致検出部631は、検出した一致タイミングに、トリガ(パルス)を、論理和演算部640へ送信する。
【0202】
M個の一致検出部631の各々は、互いに異なるタイミングで、トリガ(パルス)を、論理和演算部640へ送信する。
【0203】
論理和演算部640は、M個の一致検出部631の各々から受信するトリガ(パルス)に対し、論理和演算を行う。すなわち、論理和演算部640は、前記M個の一致検出部の各々が異なるタイミングで発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとして発生する発生部である。
【0204】
M個の一致検出部631がそれぞれ保持するM個の比較値を、小さい値から順に並べた場合、各連続する2つの比較値の差の絶対値は、互いに異なる値とする。これにより、トリガ発生部600Bは、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0205】
これにより、リフレッシュ要求の発生周期がリフレッシュレート規定を満たしつつ、一定周期とならないようにすることができる。
【0206】
以上の処理により、トリガ発生部600Bは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0207】
ここで、基準カウンタ610Bにおけるリフレッシュレート規定を満たすベース周期を、Nクロック以内の周期とする。また、基準カウンタ610Bの分周周期を、N×Mとしたとする。この場合、検出部620Bは、少なくとも一つの分周周期あたり、M個のリフレッシュトリガを出力する。
【0208】
図10は、本発明の実施の形態3に係るトリガ発生部600Bの動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。図10の横軸は、時間を示す。
【0209】
ここで、基準カウンタ610Bのベース周期N=16でり、M=3であるとする。この場合、検出部620Bは、3個の一致検出部631を有する。また、当該3個の一致検出部631がそれぞれ保持する3個の比較値は、それぞれ、“0”,“19”,“24”であるとする。
【0210】
また、この場合、基準カウンタ610Bは、“0”から“47”までの値を順次示す。すなわち、“0”から“47”までをカウントする周期が、基準カウンタ610Bの1周期である。
【0211】
図10(a)は、図10(b)に示されるタイミングチャートの一部の拡大図である。
【0212】
図10(a)において、カウンタ値とは、各タイミングにおける基準カウンタ610Bが示すカウンタ値である。
【0213】
図10(b)は、リフレッシュトリガのタイミングチャートである。
【0214】
図10(a)および図10(b)に示されるように、トリガ発生部600Bは、基準カウンタ610Bのカウンタ値が、“0”,“19”,“24”であるタイミングに、リフレッシュトリガを発生する。
【0215】
なお、当該3個の一致検出部631がそれぞれ保持する3個の比較値は、“0”,“19”,“24”に限定されない。M個の比較値を、小さい値から順に並べた場合、各連続する2つの比較値の差の絶対値は、互いに異なる値であればよい。例えば、3個の一致検出部631がそれぞれ保持する3個の比較値は、それぞれ、“0”,“17”,“35”であってもよい。
【0216】
以上の動作により、M個の一致検出部631が保持する比較値を任意の値に設定することにより、任意の位置へリフレッシュノイズの周波数ピークをシフトする事が可能となる。
【0217】
以下においては、実施の形態3に係るトリガ発生部600Bにより生成される、可変周期の複数のリフレッシュトリガから構成される信号を、可変周期信号SA3という。
【0218】
トリガ発生部600Bはリフレッシュトリガを可変周期で発生する。そのため、実施の形態3に係るトリガ発生部600Bを含むリフレッシュ制御装置A3によれば、可変周期信号SA3を構成する複数のリフレッシュトリガの周期に起因するノイズのレベル(例えば、最大レベル)を、一定周期で発生するリフレッシュトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。つまり、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。
【0219】
以上、実施の形態3に係るトリガ発生部600Bにおいては、基準カウンタ610Bの周期を、リフレッシュレート規定を満たす周期の少なくとも2倍以上の分周周期とする。この構成により、実施の形態1,2よりも、リフレッシュトリガの周期の周波数シフト方向を拡大することが可能となる。例えば、Mが3である場合、可変周期信号SA3の周波数ピークのシフト量を、実施の形態1のシフト量の3倍にすることができる。
【0220】
したがって、メモリアクセスへの弊害が許容できる範囲において、DRAM200に対する集中的なリフレッシュも可能である。また、無線信号を受信するための周波数帯域と重ならないような周波数シフトを実現することができる。
【0221】
なお、M個の一致検出部631が保持する比較値は、固定値あるいはCPU320から設定可能な可変値としてもよい。
【0222】
なお、トリガ発生部600Bは、可変周期のリフレッシュトリガを発生する構成に限定されない。例えば、トリガ発生部600Bが、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する構成としてもよい。
【0223】
この場合、実施の形態3に係るリフレッシュ制御装置A3は、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する。
【0224】
ここで、トリガ発生部600Bに、リフレッシュトリガを一定周期で発生させるためには、たとえば、M個の比較値を、小さい値から並べた場合、各連続する2つの比較値の差の絶対値が同じになるようにすればよい。例えば、3個の一致検出部631がそれぞれ保持する3個の比較値は、それぞれ、“0”,“16”,“32”とすればよい。
【0225】
この場合、リガ発生部600Bは、一定周期で、リフレッシュトリガを発生する。これにより、無線信号の受信状態に影響を与えないような条件下においては、従来のタイミングにて、DRAM200にリフレッシュ動作をさせることも可能となる。
【0226】
なお、基準カウンタ610Bがカウントする基準クロックに関しては特に限定しないが、例えば、当該基準クロックは、DRAMとのアクセスタイミングの基準となるメモリコントローラ内のシステムクロックを使用してもよい。場合によっては無線信号の受信状態の効果を鑑みて、基準クロックとして、分周クロックを使用してもよい。
【0227】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4に係るトリガ発生部600Cについて説明する。以下においては、実施の形態4に係るリフレッシュ制御装置を、リフレッシュ制御装置A4という。リフレッシュ制御装置A4は、図1のリフレッシュ制御装置400と比較して、トリガ発生部600の代わりにトリガ発生部600Cを備える点のみが異なる。それ以外のリフレッシュ制御装置A4の構成は、リフレッシュ制御装置400と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0228】
図11は、本発明の実施の形態4に係るトリガ発生部600Cの構成を示すブロック図である。
【0229】
図11を参照して、トリガ発生部600Cは、可変周期カウンタ610Cと、周期設定値生成部620Cとを含む。
【0230】
周期設定値生成部620Cは、可変の周期設定値を生成する。周期設定値は、前記リフレッシュトリガの発生タイミングを決定するための値である。
【0231】
可変周期カウンタ610Cは、前記可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガ(パルス)としての周期信号を、周期設定値生成部620Cへ送信する。
【0232】
すなわち、可変周期カウンタ610Cは、可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガとしての周期信号を発生する。
【0233】
周期設定値生成部620Cは、後述する周期上限値および周期下限値を用いて、周期信号を受信する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタ610Cがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0234】
すなわち、周期設定値生成部620Cは、前記可変周期カウンタ610Cが前記トリガを発生する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタ610Cがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する。
【0235】
周期設定値生成部620Cは、周期信号を受信する毎に、異なる2つの周期上限値と周期下限値との範囲内の値となるよう周期設定値を更新する。
【0236】
また、前記可変周期カウンタ610Cは、前記カウント処理が終了する毎に発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとしても発生する。つまり、可変周期カウンタ610Cは、前記カウント処理が終了する毎に、リフレッシュトリガを、リフレッシュ要求部710へ送信する。
【0237】
これにより、リフレッシュ要求の発生周期がリフレッシュレート規定を満たしつつ、一定周期とならないようにすることができる。
【0238】
図12は、本発明の実施の形態4に係る周期設定値生成部620Cの構成を示すブロック図である。
【0239】
図12を参照して、周期設定値生成部620Cは、周期設定値保持部623Cと、演算制御部625Cと、演算部626Cとを有する。
【0240】
可変周期カウンタ610Cは、カウント処理が終了する毎に、前述の周期信号を、周期設定値保持部623Cおよび演算制御部625Cへ送信する。
【0241】
周期設定値保持部623Cは、1つの周期設定値を保持する。周期設定値保持部623Cは、トリガとしての周期信号を受信する毎に、保持している最新の周期設定値を、可変周期カウンタ610C、演算制御部625Cおよび演算部626Cへ送信しつづける。
【0242】
すなわち、周期設定値保持部623Cは、前記周期設定値を保持するとともに、前記可変周期カウンタ610Cがトリガを発生する毎に、保持している最新の周期設定値を少なくとも前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0243】
周期設定値は、周期下限値から周期上限値までのいずれかに設定される。すなわち、前記周期設定値生成部620Cが出力する前記周期設定値は、第4の値(周期下限値)から該第4の値より大きい第5の値(周期上限値)までのいずれかの値である。
【0244】
周期下限値は、前述のリフレッシュレート規定を満たすベース周期に対応する規定値から該規定値の1/u(2以上の整数)の値を減算した値である。ここで、ベース周期に対応する規定値とは、カウンタが前述のベース周期においてカウントする数である。
【0245】
周期上限値は、前記規定値に該規定値の1/uの値を加算した値である。すなわち、周期下限値および周期上限値は、ベース周期に対応する規定値を中心として演算された値である。
【0246】
すなわち、周期下限値および周期上限値は、該周期下限値および周期上限値の中間値がリフレッシュレート規定を満たす周期に対応する規定値と等しくなるように設定するとよい。その結果、上述の動作に沿って、周期設定値の更新が一巡された時の、可変周期カウンタ610Cから出力される周期信号の平均周期はリフレッシュレート規定を満たすことができる。
【0247】
なお、周期下限値および周期上限値は、上記規則により設定された値に限定されず、任意に設定された値であってもよい。
【0248】
ここで、リフレッシュレート規定を満たすベース周期に対応する規定値は、一例として、“16”であるとする。なお、リフレッシュレート規定を満たすベース周期に対応する規定値は、リフレッシュレート規定を満たす周期設定値である。また、u=4であるとする。この場合、周期下限値および周期上限値は、それぞれ、“12”および“20”である。
【0249】
演算制御部625Cは、周期下限値および周期上限値を保持する。
【0250】
また、演算制御部625Cは、前記周期設定値保持部623Cが出力する最新の前記周期設定値が、前記第4の値(周期下限値)または前記第5の値(周期上限値)であるか否かを判定する判定部である。
【0251】
詳細は後述するが、周期設定値は、周期信号の出力タイミングごとに、該周期設定値が、周期上限値に達するまでは+1の加算により更新される。また、周期設定値は、該周期設定値が周期上限値に達すると、周期信号の出力タイミングごとに、該周期設定値が周期下限値に達するまで−1の加算により更新される。
【0252】
演算部626Cは、詳細は後述するが、前記周期設定値保持部623Cから最新の前記周期設定値が出力される毎に、該周期設定値を用いて演算する。
【0253】
そして、演算制御部625Cは、前記周期設定値保持部623Cが出力する最新の前記周期設定値が周期下限値(第4の値)である場合、該周期設定値が前記周期上限値(第5の値)になるまで該周期設定値を1ずつインクリメントする処理と、該周期設定値が1インクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部623Cへ送信する処理とを実行させる指示を、演算部626Cに出す。
【0254】
すなわち、判定部としての演算制御部625は、さらに、前記周期設定値保持部623Cに保持される前記周期設定値が前記第4の値である場合、該周期設定値が前記第5の値になるまで該周期設定値を1ずつインクリメントする処理と、該周期設定値が1インクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部623Cへ送信する処理とを、前記演算部626Cに実行させる。
【0255】
この場合、演算部626Cは、該周期設定値が前記周期上限値(第5の値)になるまで周期信号の出力タイミング毎に該周期設定値を1ずつインクリメントする演算処理を行うとともに、該周期設定値が1インクリメントされる毎に、最新の周期設定値を周期設定値保持部623Cへ送信する。
【0256】
また、演算制御部625Cは、前記周期設定値保持部623Cが出力する最新の前記周期設定値が前記周期上限値(第5の値)である場合、該周期設定値が周期下限値(第4の値)になるまで該周期設定値を1ずつデクリメントする処理と、該周期設定値が1デクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部623Cへ送信する処理とを実行させる指示を、演算部626Cに出す。
【0257】
すなわち、判定部としての演算制御部625は、前記周期設定値保持部623Cに保持される前記周期設定値が前記第5の値である場合、該周期設定値が前記第4の値になるまで該周期設定値を1ずつデクリメントする処理と、該周期設定値が1デクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部623Cへ送信する処理とを、前記演算部626Cに実行させる。
【0258】
この場合、演算部626Cは、該周期設定値が前記周期下限値(第4の値)になるまで周期信号の出力タイミング毎に該周期設定値を1ずつデクリメントする演算処理を行うとともに、該周期設定値が1デクリメントされる毎に、最新の周期設定値を、周期設定値保持部623Cへ送信する。
【0259】
周期設定値保持部623Cは、前記可変周期カウンタ610Cからトリガとしての周期信号を受信する毎に、演算部626Cから送信される最新の周期設定値を受信し、保持している周期設定値の代わりに最新の周期設定値を保持する。すなわち、前記周期設定値保持部623Cは、前記可変周期カウンタ610Cがトリガを発生する毎に、保持している周期設定値の代わりに、前記演算部から送信される最新の前記周期設定値を保持する。
【0260】
そして、前述したように、周期設定値保持部623Cは、前記可変周期カウンタ610Cがトリガを発生する毎に、保持している最新の周期設定値を、可変周期カウンタ610C、演算制御部625Cおよび演算部626Cへ送信しつづける。
【0261】
そして、可変周期カウンタ610Cは、最新の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガとしての周期信号を発生する。
また、前述したように、前記可変周期カウンタ610Cは、前記カウント処理が終了する毎に発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとしても発生する。
【0262】
なお、可変周期カウンタ610Cへ送信される周期設定値は、前述したように、可変の値である。したがって、トリガ発生部600Cは、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。すなわち、トリガ発生部600Cは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0263】
以下においては、実施の形態4に係るトリガ発生部600Cにより生成される、可変周期の複数のリフレッシュトリガから構成される信号を、可変周期信号SA4という。
【0264】
トリガ発生部600Cはリフレッシュトリガを可変周期で発生する。そのため、実施の形態4に係るトリガ発生部600Cを含むリフレッシュ制御装置A4によれば、可変周期信号SA4を構成する複数のリフレッシュトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するリフレッシュトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。つまり、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。
【0265】
図13は、本発明の実施の形態4に係るトリガ発生部600Cの動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。図13の横軸は、時間を示す。なお、図13は、周期上限値=12であり、周期下限値=20である場合のタイミングチャートである。
【0266】
図13を参照して、文字列「演算部」に対応づけられたタイミングチャートは、演算部626Cが行っている処理を示す。「+1」が示される期間は、演算部626Cが、周期設定値を1ずつインクリメントする演算処理を行っている期間である。「−1」が示される期間は、演算部626Cが、周期設定値を1ずつデクリメントする演算処理を行っている期間である。
【0267】
「周期設定値」とは、各タイミングにおける周期設定値である。
【0268】
図13において、1つのリフレッシュトリガは、1つのトリガ(パルス)に対応する。
【0269】
図13に示されるように、周期設定値の値が大きい程、リフレッシュトリガの周期は大きくなっている。すなわち、トリガ発生部600Cは、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0270】
なお、周期上限値および周期下限値の設定幅を大きくすることにより、リフレッシュノイズのピークを分散させる効果が高まる。ここで、設定幅は、前述のベース周期に対応する規定値に加算または減算する値である。
【0271】
しかしながら、アップダウン動作にて、周期設定値を更新した場合は、局所的にリフレッシュ動作が集中して実行される箇所が発生する。
【0272】
例えば、設定幅を±50%(上記の例であれば周期上限値が24、周期下限値が8)とすることで、局所的にリフレッシュ周期は平均レートの2倍となる。すなわち、DRAMへのメモリアクセスへの影響を考えて、システムに最適な周期上限値と周期下限値を決定するとよい。
【0273】
なお、周期上限値および周期下限値は、固定値あるいはCPU320から設定可能な可変値としてもよい。
【0274】
なお、トリガ発生部600Cは、可変周期のリフレッシュトリガを発生する構成に限定されない。例えば、トリガ発生部600Cが、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する構成としてもよい。
【0275】
この場合、実施の形態4に係るリフレッシュ制御装置A4は、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する。
【0276】
ここで、トリガ発生部600Cに、リフレッシュトリガを一定周期で発生させるためには、たとえば、CPU320が、周期設定値保持部623Cが出力する周期設定値を固定値にするよう、周期設定値保持部623Cを制御すればよい。
【0277】
この場合、リガ発生部600Bは、一定周期で、リフレッシュトリガを発生する。これにより、無線信号の受信状態に影響を与えないような条件下においては、従来のタイミングにて、DRAM200にリフレッシュ動作をさせることも可能となる。
【0278】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5に係るトリガ発生部600Dについて説明する。以下においては、実施の形態5に係るリフレッシュ制御装置を、リフレッシュ制御装置A5という。リフレッシュ制御装置A5は、図1のリフレッシュ制御装置400と比較して、トリガ発生部600の代わりにトリガ発生部600Dを備える点のみが異なる。それ以外のリフレッシュ制御装置A5の構成は、リフレッシュ制御装置400と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0279】
トリガ発生部600Dは、図3のトリガ発生部600Cと比較して、主として、M系列巡回符号生成部を用いた点が異なる。詳細は後述するが、周期設定値は、M系列巡回符号生成部により生成されたM系列巡回符号を用いて更新される。
【0280】
図14は、本発明の実施の形態5に係るトリガ発生部600Dの構成を示すブロック図である。
【0281】
図14を参照して、トリガ発生部600Dは、図11のトリガ発生部600Cと比較して、周期設定値生成部620Cの代わりに周期設定値生成部620Dを含む点が異なる。トリガ発生部600Dのそれ以外の構成は、トリガ発生部600Cと同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0282】
可変周期カウンタ610Cは、実施の形態4と同様に、可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガ(パルス)としての周期信号を、周期設定値生成部620Dへ送信する。
【0283】
すなわち、可変周期カウンタ610Cは、可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガとしての周期信号を発生する。
【0284】
周期設定値生成部620Dは、周期信号を受信する毎に、ランダムな値を、周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0285】
すなわち、周期設定値生成部620Dは、図11の周期設定値生成部620Cと同様に、周期信号を受信する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0286】
すなわち、周期設定値生成部620Dは、前記可変周期カウンタ610Cが前記トリガを発生する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタ610Cがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する。
【0287】
また、前記可変周期カウンタ610Cは、前記カウント処理が終了する毎に発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとしても発生する。
【0288】
周期設定値生成部620Dは、M系列巡回符号生成部627と、減算部628とを有する。可変周期カウンタ610Cは、前記カウント処理が終了する毎にトリガ(パルス)としての周期信号を、M系列巡回符号生成部627へ送信する。
【0289】
図15は、本発明の実施の形態5に係るM系列巡回符号生成部627の構成の一例を示すブロック図である。
【0290】
図15を参照して、M系列巡回符号生成部627は、シフトレジスタ50と、EXOR(Exclusive OR)回路52とを含む。
【0291】
シフトレジスタ50は、5個のフリップフロップ51から構成される。すなわち、シフトレジスタ50は、5段のフリップフロップ51から構成される。M系列巡回符号生成部627は、5個のフリップフロップ51の各出力値を5ビットのM系列巡回符号として出力する。
【0292】
なお、M系列巡回符号生成部627の動作は、一般的なM系列巡回符号生成回路と同じであるので詳細な説明は行わない。
【0293】
M系列巡回符号生成部627は、周期信号を受信する毎に、ランダムな値であるM系列巡回符号を、減算部628へ出力する。具体的には、M系列巡回符号生成部627は、周期信号を受信する毎に、“1”〜“31”までの値から1つずつランダムに選択し、選択した値(M系列巡回符号)を出力する。
【0294】
以下においては、M系列巡回符号生成部627が、“1”〜“31”までの値の全てを出力する周期を、ランダム値出力周期という。
【0295】
減算部628は、M系列巡回符号を受信する毎に、受信した該M系列巡回符号から1減算した値を、前記可変周期カウンタ610Cがカウントの対象とする周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0296】
ここで、可変周期カウンタ610Cが1回のカウント処理を終了する周期は、0から周期設定値までの値をカウントする周期である。ここで、前述のリフレッシュレート規定を満たす周期は、一例として、可変周期カウンタ610Cが、16回のカウントを行う周期であるとする。周期設定値が15である場合、可変周期カウンタ610Cは、16回のカウントを行う。
【0297】
前述したように、M系列巡回符号生成部627は、“1”〜“31”までの値から1つずつランダムに選択し、選択した値(M系列巡回符号)を出力する。そのため、M系列巡回符号生成部627から出力される31個のM系列巡回符号の平均値は“16”である。
【0298】
そのため、M系列巡回符号生成部627が出力するM系列巡回符号から“1”を減算した値を、周期設定値とすることにより、平均周期はリフレッシュレート規定を満たす事ができる。すなわち、トリガ発生部600Dは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0299】
なお、M系列巡回符号生成部627の構成は、図15に示される構成に限定されず、ランダムな値を出力する回路であれば、他の構成であってもよい。
【0300】
図16は、実施の形態5に係るトリガ発生部600Dの動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示すである。図16の横軸は、時間を示す。
【0301】
図16を参照して、「M系列巡回符号」とは、各タイミングにおけるM系列巡回符号が示す値である。
【0302】
「周期設定値」とは、各タイミングにおける周期設定値である。
【0303】
図16において、1つのリフレッシュトリガは、1つのトリガ(パルス)に対応する。
【0304】
平均周期16(周期設定値=15)に対して、M系列巡回符号は“1”〜“31”までの範囲で値が更新される。また、M系列巡回符号から“1”を減算することにより得られる周期設定値に応じて、可変周期カウンタ610Cがカウント処理を行う。
【0305】
図16に示されるように、周期設定値の値が大きい程、リフレッシュトリガの周期は大きくなっている。すなわち、トリガ発生部600Dは、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。可変周期のリフレッシュトリガは、前述のリフレッシュ要求部710へ送信される。
【0306】
これにより、リフレッシュ要求の発生周期がリフレッシュレート規定を満たしつつ、一定周期とならないようにすることができる。すなわち、トリガ発生部600Aは、リフレッシュレート規定を満たすように、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0307】
以下においては、実施の形態5に係るトリガ発生部600Dにより生成される、可変周期の複数のリフレッシュトリガから構成される信号を、可変周期信号SA5という。
【0308】
トリガ発生部600Dはリフレッシュトリガを可変周期で発生する。そのため、実施の形態5に係るトリガ発生部600Dを含むリフレッシュ制御装置A5によれば、可変周期信号SA5を構成する複数のリフレッシュトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するリフレッシュトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。つまり、メモリのリフレッシュ動作を要求するためのトリガの周期に起因するノイズのレベルを、一定周期で発生するトリガに起因するノイズのレベルより低減することができる。
【0309】
なお、M系列巡回符号生成部627の構成、または、M系列巡回符号が示す値の範囲によっては、トリガ発生部600Dの構成は、減算部628がない構成としてもよい。この場合、M系列巡回符号生成部627は、周期信号を受信する毎に、M系列巡回符号を、周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0310】
すなわち、M系列巡回符号生成部627は、前記可変周期カウンタ610Cがトリガを発生する毎に、異なる値のM系列巡回符号を、前記可変周期カウンタ610Cがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタ610Cへ出力する。
【0311】
なお、トリガ発生部600Dは、可変周期のリフレッシュトリガを発生する構成に限定されない。例えば、トリガ発生部600Dが、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する構成としてもよい。
【0312】
この場合、実施の形態5に係るリフレッシュ制御装置A5は、リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、リフレッシュトリガを可変周期で発生する機能とを有する。
【0313】
ここで、トリガ発生部600Dに、リフレッシュトリガを一定周期で発生させるためには、たとえば、周期設定値生成部620Dが、外部のCPU320からの指示により、該周期設定値生成部620Dが出力する周期設定値を固定値にすればよい。
【0314】
<実施の形態6>
次に、本発明の実施の形態6について、図を用いて説明する。
【0315】
図17は、本発明の実施の形態6に係る無線受信機1000の構成を示す図である。
【0316】
図17を参照して、無線受信機1000の構成は、図1の無線受信機1000と同じであるので詳細な説明は繰り返さない。
【0317】
無線受信機1000に含まれる各構成要素は、基板60上に配置される。すなわち、前記チューナ部311、揮発性メモリ(DRAM200)およびリフレッシュ制御装置400は同一の基板60上に配置される。
【0318】
ここで、リフレッシュトリガを一定周期で発生する構成を有するリフレッシュ制御装置は、リフレッシュ制御装置Jという。
【0319】
トリガ発生部600は、リフレッシュトリガを可変周期で発生する。そのため、DRAM200のリフレッシュ動作時に発生するリフレッシュノイズのレベルを、リフレッシュトリガを一定周期で発生するリフレッシュ制御装置Jよりも、低減することができる。そのため、リフレッシュノイズがチューナ部311へ直接影響を与えないようにすることができる。
【0320】
ここで、リフレッシュ制御装置Jを含む無線受信機は、一例として、図19の無線受信機5000であるとする。リフレッシュ制御装置Jは、メモリコントローラ10に含まれるとする。無線受信機5000では、リフレッシュトリガを一定周期で発生するリフレッシュ制御装置Jを含む。
【0321】
そのため、リフレッシュノイズの対策として、無線受信機5000において、チューナ部31とGNDラインとの間にデカップリング回路を設ける構成、および、チューナ部31を電磁シールドで覆う構成が考えられる。
【0322】
すなわち、無線受信機5000が、リフレッシュノイズの対策として必要としていた電磁シールド、デカップリング回路等の高価なノイズ対策部品を、無線受信機1000は、設ける必要がない。
【0323】
したがって、チューナ部311を、DRAMおよびその他のデジタル回路と共通のプリント基板上に配置することも可能となる。その結果、無線受信機の低価格化、軽量化、小型化などを実現することができる。
【0324】
なお、基板60には、リフレッシュ制御装置400の代わりに、前述したリフレッシュ制御装置A2,A3,A4,A5のいずれかが配置されてもよい。すなわち、無線受信機1000は、リフレッシュ制御装置400の代わりに、前述したリフレッシュ制御装置A2,A3,A4,A5のいずれかを備えてもよい。
【0325】
すなわち、本発明の実施の形態6に係る無線受信機1000は、リフレッシュ制御装置と、無線信号を受信するチューナ部311と、データを保持するための揮発性メモリ(DRAM200)とを備える。そして、前記リフレッシュ制御装置は、前記揮発性メモリ(DRAM200)に前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを可変周期で発生する。
【0326】
<実施の形態7>
次に、本発明の実施の形態7について、図を用いて説明する。
【0327】
図18は、本発明の実施の形態7に係る半導体集積回路2000の構成を示す図である。なお、図18には、図1の無線受信機1000も示される。
【0328】
図18の無線受信機1000の構成は、図1の無線受信機1000と同じであるので詳細な説明は繰り返さない。
【0329】
半導体集積回路2000は、無線受信機1000に含まれる複数の構成要素のうち、チューナ部311と、CPU320と、メモリコントローラ100とを備える。
【0330】
メモリコントローラ100は、リフレッシュ制御装置400を含む。
【0331】
すなわち、半導体集積回路2000は、リフレッシュ制御装置400と、無線信号を受信するチューナ部311とを備える。
【0332】
近年のCMOS化技術により、チューナ部とデジタル回路とのモノリシック構成を利用して、同一の半導体集積回路内にチューナ部を搭載することが可能となっている。このとき、シリコン内部および半導体パッケージ内部でのノイズ伝播による無線信号の受信状態への影響が考えられる。
【0333】
しかしながら、半導体集積回路2000は、リフレッシュトリガを一定周期で発生するトリガ発生部の代わりに、リフレッシュトリガを可変周期で発生するトリガ発生部600を備えることにより、無線信号の受信状態の影響を抑えることができる。これにより、半導体集積回路のさらなる小型化、低価格化を実現することができる。
【0334】
なお、半導体集積回路2000において、リフレッシュ制御装置400の代わりに、前述したリフレッシュ制御装置A2,A3,A4,A5のいずれかが配置されてもよい。
【0335】
なお、半導体集積回路においては、チューナ部の半導体とデジタル回路の半導体の2つがマルチチップ構成にて同一の半導体パッケージ内に搭載されてもよい。
【0336】
また、半導体集積回路2000にDRAM200を混載する構成としてもよい。この構成においても、半導体集積回路のさらなる小型化、低価格化を実現することができる。
【0337】
以上、本発明におけるリフレッシュ制御装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0338】
また、本発明におけるリフレッシュ制御装置を構成する複数の構成要素の全てまたは一部は、ハードウエアで構成されてもよい。
【0339】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0340】
本発明は、リフレッシュ動作を必要とする揮発性メモリに対して処理を行うリフレッシュ制御装置に関する。特に、無線受信機において、リフレッシュノイズの無線受信への妨害を防ぐ効果があることから、本発明は、ラジオチューナを搭載した民生用オーディオやカーオーディオの製品分野において好適である。
【0341】
また、無線受信に限らず、アナログ回路におけるデジタルノイズの影響を受ける課題を抱える製品分野においても、本発明のリフレッシュ制御装置を用いることで、改善効果が期待でき、その応用範囲は広い。
【符号の説明】
【0342】
10,100 メモリコントローラ
20,200 DRAM
30,310 アンテナ
31,311 チューナ部
32,320 CPU
50 シフトレジスタ
51 フリップフロップ
52 EXOR回路
60 基板
400 リフレッシュ制御装置
500 ドライバ部
600,600A,600B,600C,600D トリガ発生部
610 ベース周期カウンタ
610B 基準カウンタ
610C 可変周期カウンタ
620,620A 比較値発生部
620B 検出部
620C,620D 周期設定値生成部
621 比較値保持部
622 加算部
623,623A 加算値保持部
623C 周期設定値保持部
624 リミット処理部
625,625C 演算制御部
626,626C 演算部
627 M系列巡回符号生成部
628 減算部
630,631 一致検出部
640 論理和演算部
700 調停機能部
710 リフレッシュ要求部
720 調停部
1000,5000 無線受信機
2000 半導体集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを保持するためにリフレッシュ動作が必要な揮発性メモリへのメモリアクセス要求と、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガとを調停する調停機能部と、
前記揮発性メモリがデータを保持するための規定であって、所定時間あたりの前記リフレッシュ動作の実行必要回数を規定したリフレッシュレート規定を満たすように、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生するトリガ発生部とを備える
リフレッシュ制御装置。
【請求項2】
前記調停機能部は、
前記トリガ発生部が発生した前記リフレッシュトリガに基づいて、前記リフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュ要求を出力するリフレッシュ要求部と、
前記リフレッシュ要求部が出力した前記リフレッシュ要求と、前記アクセス要求とを調停する調停部とを含む
請求項1に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項3】
前記トリガ発生部は、
前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期において、第1の値から該第1の値より大きい第2の値までを順次示すベース周期カウンタであって、かつ、前記ベース周期毎に同じ値を示すベース周期カウンタと、
前記第1の値から前記第2の値までのいずれかの値であって、かつ、前記ベース周期毎に異なる値を、前記ベース周期毎に比較値として出力する比較値発生部と、
前記ベース周期カウンタが示す値と、前記比較値発生部から出力される最新の比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングに前記リフレッシュトリガを発生する一致検出部とを含む
請求項1または2に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項4】
前記比較値発生部は、
前記比較値を保持するとともに、保持している前記比較値を出力する比較値保持部と、
前記ベース周期毎に、前記比較値保持部に保持されている前記比較値に加算値を加算する加算処理を行う加算部と、
前記加算部が前記加算処理を行う毎に、該加算処理により算出される第1の算出値が前記第2の値より大きいか否かを判定するリミット処理部とを有し、
前記リミット処理部は、さらに、
前記第1の算出値が前記第2の値より大きい場合、前記第1の値から前記第2の値までの数を、前記第1の算出値から減算するリミット処理を行い、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、
前記第1の算出値が前記第2の値以下の場合、前記第1の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、
前記比較値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、前記リミット処理部から送信される最新の前記比較値を保持する
請求項3に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項5】
前記比較値発生部は、
前記比較値を保持するとともに、保持している前記比較値を出力する比較値保持部と、
加算値を保持するとともに、前記ベース周期毎に、保持している最新の加算値を出力する加算値保持部と、
前記ベース周期毎に、前記比較値保持部に保持されている前記比較値に前記加算値保持部が保持している最新の前記加算値を加算する加算処理を行う加算部と、
前記加算部が前記加算処理を行う毎に、該加算処理により算出される第1の算出値が前記第2の値より大きいか否かを判定する第1判定部と、
前記加算値保持部が出力する最新の前記加算値が、前記第1の値または前記第2の値であるか否かを判定する第2判定部と、
前記加算値保持部から最新の前記加算値が出力される毎に、該加算値を用いて演算する演算部とを有し、
前記第2判定部は、さらに、
前記加算値保持部に保持される前記加算値が前記第1の値である場合、該加算値が前記第2の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつインクリメントする処理と、該加算値が1インクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、
前記加算値保持部に保持される前記加算値が前記第2の値である場合、該加算値が前記第1の値になるまで前記ベース周期毎に該加算値を1ずつデクリメントする処理と、該加算値が1デクリメントされる毎に、最新の加算値を前記加算値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、
前記加算値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している加算値の代わりに、前記演算部から送信される最新の前記加算値を保持する
請求項3に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項6】
前記第1判定部は、さらに、
前記第1の算出値が前記第2の値より大きい場合、前記第1の値から前記第2の値までの数を、前記第1の算出値から減算するリミット処理を行い、該リミット処理により算出される第2の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、
前記第1の算出値が前記第2の値以下の場合、前記第1の算出値を、最新の比較値として、前記比較値保持部へ送信し、
前記比較値保持部は、前記ベース周期毎に、保持している比較値の代わりに、前記第1判定部から送信される最新の前記比較値を保持する
請求項5に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項7】
前記トリガ発生部は、
前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期のM(2以上の整数)倍以上の分周周期において、第1の値から該第1の値より大きい第3の値までを順次示す基準カウンタであって、前記分周周期毎に同じ値を示す基準カウンタと、
前記第1の値から前記第3の値までのいずれかの値を比較値として保持するM個の一致検出部とを含み、
前記M個の一致検出部がそれぞれ保持するM個の比較値は互いに異なり、
各前記一致検出部は、前記基準カウンタが示す値と、該一致検出部が保持する前記比較値とが一致するタイミングである一致タイミングを検出し、該一致タイミングにトリガを発生し、
前記トリガ発生部は、さらに、
前記M個の一致検出部の各々が異なるタイミングで発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとして発生する発生部を含む
請求項1または2に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項8】
前記トリガ発生部は、
前記リフレッシュトリガの発生タイミングを決定するための可変の周期設定値だけカウントするカウント処理を行い、かつ、前記カウント処理が終了する毎にトリガを発生する可変周期カウンタと、
前記可変周期カウンタが前記トリガを発生する毎に、異なる値を、前記可変周期カウンタがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する周期設定値生成部とを含み、
前記可変周期カウンタは、前記カウント処理が終了する毎に発生する前記トリガを、前記リフレッシュトリガとしても発生する
請求項1または2に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項9】
前記周期設定値生成部が出力する前記周期設定値は、第4の値から該第4の値より大きい第5の値までのいずれかの値であり、
前記第4の値は、前記リフレッシュレート規定を満たすベース周期に対応する規定値から該規定値の1/u(2以上の整数)の値を減算した値であり、
前記第5の値は、前記規定値に該規定値の1/uの値を加算した値であり、
前記周期設定値生成部は、
前記周期設定値を保持するとともに、前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、保持している最新の周期設定値を少なくとも前記可変周期カウンタへ出力する周期設定値保持部と、
前記周期設定値保持部が出力する最新の前記周期設定値が、前記第4の値または前記第5の値であるか否かを判定する判定部と、
前記周期設定値保持部から最新の前記周期設定値が出力される毎に、該周期設定値を用いて演算する演算部とを有し、
前記判定部は、さらに、
前記周期設定値保持部に保持される前記周期設定値が前記第4の値である場合、該周期設定値が前記第5の値になるまで該周期設定値を1ずつインクリメントする処理と、該周期設定値が1インクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、
前記周期設定値保持部に保持される前記周期設定値が前記第5の値である場合、該周期設定値が前記第4の値になるまで該周期設定値を1ずつデクリメントする処理と、該周期設定値が1デクリメントされる毎に、最新の周期設定値を前記周期設定値保持部へ送信する処理とを、前記演算部に実行させ、
前記周期設定値保持部は、前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、保持している周期設定値の代わりに、前記演算部から送信される最新の前記周期設定値を保持する
請求項8に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項10】
前記周期設定値生成部は、
前記可変周期カウンタがトリガを発生する毎に、異なる値のM系列巡回符号を、前記可変周期カウンタがカウントの対象とする前記周期設定値として前記可変周期カウンタへ出力する符号生成部を有する
請求項8に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項11】
前記リフレッシュ制御装置は、
前記リフレッシュトリガを一定周期で発生する機能と、前記リフレッシュトリガを一定でない周期で発生する機能とを有する
請求項1〜10のいずれか1項に記載のリフレッシュ制御装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のリフレッシュ制御装置と、
無線信号を受信するチューナ部と、
データを保持するための揮発性メモリとを備え、
前記リフレッシュ制御装置は、前記揮発性メモリにリフレッシュ動作の実行を要求するためのリフレッシュトリガを一定でない周期で発生する
無線受信機。
【請求項13】
前記チューナ部が前記無線信号を受信するための周波数と、一定でない周期の複数の前記リフレッシュトリガから構成される信号が示す各周波数とは異なる
請求項12に記載の無線受信機。
【請求項14】
前記チューナ部、前記揮発性メモリおよび前記リフレッシュ制御装置は同一の基板上に配置される
請求項12または13に記載の無線受信機。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のリフレッシュ制御装置と、
無線信号を受信するチューナ部とを備える
半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−98777(P2012−98777A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243492(P2010−243492)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】