説明

リボン型音響変換器構造

【課題】外部の空気流及び風によるリボンへのダメージ又は歪みを解消し、機能性が優れたリボン型マイクロフォンを提供する。
【解決手段】調整可能な受音能力を有するリボン型マイクロフォンアセンブリである。これは、少なくとも2つの磁石を前記磁石間に懸架されたリボンの近くに位置決めする囲み磁束フレーム73を有する変換器70を含む。受け入れアパチャのアレイが前記磁束フレームに設けられる。少なくとも1つの曲がった戻りリング72が前記変換器における磁束のための戻り経路を生じさせるべく前記受け入れアパチャ内に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音響変換器に関し、特に、リボンと薄膜型の変換器と、薄膜技術で製造され多様な音声波長で動作する複合膜とに関し、2004年10月21日に出願された米国仮出願番号60/620,934及び対応する米国出願に基づいており、これらは全体としてここに組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
スタジオ環境における音声や楽器の録音用のマイクロフォンの設計者や製造者は、精密な音響再生を実現する方法の改良を求めてきた。低ノイズ、高低の出力歪み、高度な一貫性と長寿命を有する一般的な設計とともに、例えば肉声、グランドピアノ、又は木管楽器のような特定種類の音声の特性を引き立てるのが好ましい。
【0003】
マイクロフォンは通常、変換器及び様々なコンデンサを用いる。変換器は、電気力学式の、又は単純には「ダイナミック」型かリボン型のいずれかで構成される。マイクロフォンで用いられる主要な3つの変換器の種類のうち、本発明ではリボン型に焦点をあてているが、通常のマイクロフォンに適用する所定の改良や原理もまた組み込まれている。例えば医用描写法に用いるための変換器も、本発明の原理を用いて製造し、使用し、改良利用することができる。
【0004】
マイクロフォン技術は、よりよい材料と製造方法を用いて、また半導体や医療機器産業により発展した改良技術に適合した技術を用いて組み付け及び試験を行っていれば、より早く進歩したかもしれない。可動要素の精密な位置決め、当該要素のチューニングの閉ループフィードバック制御、部品毎の偏差を減らす統計プロセス制御技術により、デバイス特性、品質、一貫性が改善される。マイクロフォンの特性を精密に制御することにより、アーティスト及びスタジオ技術者が録音に最適なセッティングに到達しこれを維持することができる。これにより、必要なサウンドチェックやリテイクの回数が減り、時間及び制作コストが節約される。
【0005】
サウンドステージ並びに他の映画及びテレビ制作セッティングで用いるのに適したマイクロフォンは、高感度、頑丈、及び高信頼性である必要があるが、ブームアーム上の位置決め又は揺れに対しては高感度であってはならない。かかる動きは、磁気ギャップ内に懸架された繊細なリボンへの風のダメージやノイズの原因となる。このリボン構造の強度や耐久性の改良により、このタイプのマイクロフォンの多様な応用や利用が可能となった。さらに、リボンの伝導率を向上させ、リボンの全質量及び強度を、過度に剛性とならず、すなわち出力効率が向上し、かつ、靱性が増すように低減することが望ましい。出力効率は高くする必要ある。これにより、マイクロフォンの信号対ノイズ比及び全体の感度を向上することになるからである。
【0006】
録音用のマイクロフォンは精密である必要がある。直列に組み立てられたマイクロフォンの各々は、理想的には同じ性能であるべきである。このことは、現行のマイクロフォン製造にいつも当てはまるわけではない。当該アセンブリに所定のばらつきが存在し、このようなマイクロフォンのチューニングは、その音声を一貫して再現する能力に影響するからである。これらのばらつきが生じる不規則性を克服し、正確な要素毎の性能の一貫性を生む精密な組み付け方法及びチューニング方法が望まれている。
【0007】
歌手の声若しくは楽器又は増幅スピーカからの空気の流れを含む外部の空気流及び風が、現行技術で用いられている繊細な内部リボンにダメージ又は歪みを与えるほど強い場合がある。通常の空気流及び音声を自由にマイクロフォン内で循環させることが望ましく、さらに、減衰することなく精密な音響再生ができるのと同時に、所定の強度レベルを超えるダメージ性のエアブラストを制限できることが望ましい。このような改良により、リボン型マイクロフォンの幅広い利用が可能となる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの目的は、従来技術の不都合を解消することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、機能特性が優れたリボン型マイクロフォン構造を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、一貫した性能特性を可能とするマイクロフォン製造構造を提供することである。
【0011】
したがって本発明は、調整可能な受音能力を有するリボン型マイクロフォンアセンブリを含む。当該アセンブリは、少なくとも2つの磁石を前記磁石間に懸架されたリボンの近くに位置決めする囲み磁束フレームを有する変換器と、前記磁束フレームに設けられた受け入れアパチャのアレイと、前記変換器における磁束のための戻り経路を生じさせるべく前記受け入れアパチャ内に位置決めされた少なくとも1つの曲がった戻りリングとを含む。前記磁束フレームは平行な側部を有してもよい。前記磁束フレームはテーパ形の側部を有してもよい。前記磁束フレームは好適には側部アパチャを有する。前記側部アパチャは、非円形であってもよい。前記側部アパチャは、細長くかつ曲線をなしてもよい。
【0012】
本発明はまた、リボン型マイクロフォン用のリボンの製造方法を含む。これは、不規則な所定リボン係合面を有する第1フォームを提供するステップと、前記リボン係合面にリボン形成材料を堆積するステップと、前記第1フォーム上に前記マイクロフォンのリボンを形成するステップとの1以上を含む。この方法は、前記第1フォームの不規則な所定リボン係合面にかみ合うように対応する不規則な所定リボン係合面を有する第2フォームを提供するステップと、前記第1及び第2フォームのリボン係合面の間に前記リボン形成材料を挟むステップとを備えてもよい。前記フォームは、その温度が制御されてもよい。前記リボンは、1より多い材料からなってもよい。前記フォームは、アルミニウム、蝋材料、及び溶ける材料からなる群から選択される蒸着支援可能材料を含んでもよい。本発明はまた、リボンを、リボン型マイクロフォンにおける前記リボンのその後の使用のためにチューニングする方法を含む。これは、マイクロフォンのリボンを調整可能に支持及び較正する較正部材を設けるステップであって、前記リボンには所定パターンが形成されているステップと、ラウドスピーカに接続された可変周波数発振器を動作させるステップであって、前記発振器は前記リボンの所望の共鳴周波数に設定されるステップと、前記較正部材を調整して前記リボンにテンションを与えるステップと、共鳴ピークを示す前記リボンの最大変位を観察するステップとの1以上を含む。このリボンは、リボン型マイクロフォンの変換器アセンブリの中に設置される。
【0013】
本発明はまた、マイクロフォンの支持体からの音声伝搬を低減する方法を含む。これは、リボン型マイクロフォンの支持体として複数のリング状スペーサ部材を設けるステップと、隣接するスペーサ部材同士の間に音響減衰材料を挿入するステップと、前記複数のスペーサ部材の第1端部をリボン型マイクロフォンのハウジングに取り付けるステップと、前記スペーサ部材の第2端部をマイクロフォンのスタンドに取り付けるステップとの1以上を含む。前記スペーサ部材は好適には円環形である。
【0014】
本発明はまた、リボン型マイクロフォンを安全に封入し、無加圧状態で輸送し、出し入れするケースを含む。このケースは、エンクロージャハウジングと、前記ケース上の開放可能なドアと、前記ドアに接続されたバネ付勢バルブであって前記ドアの開閉時に前記ケースを外部雰囲気に開放するバルブとを含む。リボンを中に封入するリボン型マイクロフォンのケーシングは、前記リボンを中に封入する前記ケーシングを貫通する複数の音声伝搬アパチャを含む。前記アパチャは、曲がった非円筒形の開口からなる。前記アパチャは好適には、前記ケーシング内に封入された前記リボンから離れるように曲がって構成される。
【0015】
本発明はまた、モジュール式のリボン型マイクロフォンアセンブリを含む。これは、上部のリボン型変換器と、中間部の整合変圧器セクションと、下部の増幅及び電子制御セクションとからなり、サブアセンブリの様々な組み合せが当該アセンブリにおいて容易に互換可能としている。各サブアセンブリは、当該サブアセンブリの相互接続を可能とする相互接続ピンを備えるバスバーを有する。
【0016】
本発明はまた、エネルギー波を検出するリボン型変換器を含む。このリボン型変換器は、導電性のカーボンナノチューブフィラメントからなる細長いリボン構造を含み、このリボン構造は磁場に近接配置され、かつ、制御回路と電気的に連通される。前記カーボンナノチューブフィラメントのリボン構造は、リボン型マイクロフォンのリボン要素を含む。中に可動のカーボン繊維材料のリボン要素を有するリボン型マイクロフォンは、そのリボン要素が、カーボンフィラメントの細長い層と、前記カーボンフィラメントに取り付けられた導電金属の細長い層とを含む。
【0017】
本発明はまた、音波を検出するリボン型変換器を備える。このリボン型変換器は、磁場に近接配置された導電性カーボンナノチューブフィラメントからなる細長いリボン構造であって、前記リボン構造はさらなる回路に接続されるリボン構造と、カーボンナノチューブ材料が一体化された可動リボン要素と、カーボン繊維材料が一体化された可動リボン要素を有するリボン型マイクロフォンとを含む。前記リボン要素は、カーボンフィラメントの層と、当該カーボンフィラメント材料の層に取り付けられた導電金属の層とを含む。
【0018】
本発明はまた、磁石アセンブリに近接配置された複合膜音響変換器構造を含む。この変換器構造及び磁石アセンブリは、磁束場を生成するべく配置される。前記変換器構造は、テンションが維持された薄く細長い複合膜材料の第1層と、複合材料の前記第1層に取り付けられた膜材料の第2導電層とを含む。膜材料の前記第1及び第2層は、前記磁石アセンブリに対して近接配置され、かつ、ほぼ平行及びオフセットして配置される。これにより、複合材料の前記第1層及び第2層の少なくとも一部を通る磁束場が生成される。前記第1層はカーボン繊維からなってもよい。前記第1層はポリマー材料であってもよい。前記カーボン繊維は、カーボンナノチューブからなってもよい。前記第1層は好適には導電性である。前記第2導電層は好適には堆積された金属である。前記第2導電層は電気めっき層でもよい。前記第2導電層は電着層でもよい。
【0019】
本発明はまた、膜型変換器要素の製造方法を含む。これは、所定パターンを有するフォームを作成するステップと、前記フォームの前記パターン上に金属層を堆積して連続かつ別個の金属変換要素を作成するステップと、前記堆積された金属変換要素を前記パターンから取り外すステップと、前記膜型変換要素を磁場の近くに設置するステップとの1以上を含む。前記所定パターンは周期的なパターンでもよい。前記所定パターンは非周期的なパターンでもよい。前記金属はアルミニウムでもよい。
【0020】
本発明はまた、特定周波数用のリボン型音響要素の製造方法を含む。これは、音響要素をホルダーに軸方向に搭載するステップであって、前記ホルダーは前記音響要素を支持する可動搭載ポイントを有するステップと、前記搭載ポイントを動かして前記音響要素のテンションを変えるステップと、前記音響要素を所定周波数に共鳴させるステップとの1以上を含む。前記音響要素は金属要素であってもよい。前記音響要素は、好適には変換器アセンブリを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の目的と利点が、以下の図面を参照することにより一層明確となる。
【0022】
【図1】電磁石から延びる鉄のポール同士の間に懸架された波形リボンを示す従来のリボン型マイクロフォン変換器である。
【図2】永久磁石から延びるテーパ形の鉄のポール片同士の間に懸架された波形リボンを示す従来のリボン型マイクロフォン変換器である。
【図3】本発明に係る懸架システムを有するマイクロフォンのケーシングの側面図である。
【図4】図3に示すマイクロフォンのケーシングの破断図である。
【図5】本発明のケーシングのアパチャ構造を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の原理により構成されたモジュール式リボン型マイクロフォンアセンブリを側方から見た分解断面図である。
【図7】図6の分解図に示す変換器、変圧器、電子モジュールを組み付けたスタックを示す側面図である。
【図8】2以上の近接する磁石をその間に搭載された懸架リボンの近くに位置決めする囲み磁束フレームを特徴とするテーパ形変換器の側面図である。
【図9】戻りリングが設置された本発明の非テーパ形(側壁が平行な)変換器の斜視図である。
【図9A】図9の9A−9A線に沿って取られた図である。
【図10】テーパ形及び非テーパ形の実施例双方の特徴を示す本発明の磁束フレームの側面図である。
【図11a】所定の「リボン形成」パターンを当該フォーム上に有する本発明のリボンフォームの断面図である。
【図11b】例えばアルミニウム等の堆積金属層を有する、図11aに示すリボンフォームの断面図である。
【図11c】図11aに示すフォームから当該金属リボンを取り去った後の完成リボンを示す側面図である。
【図11d】堆積プロセスにより作成された完成リボンの断面図であり、このリボンは所定パターンを有する。
【図11e】スケールと、可動スライドと、間にマイクロフォンのリボンを保持する複数のクリップとを有する目盛り付き固定具の側面図である。
【図11f】図11eに示す目盛り付きリボン保持固定具とともに用いるチューニングシステムの概略図である。
【図12a】マイクロフォンリボンの製造に有用な、一対のフィラメントホルダー間に懸架された一連のフィラメントを示す平面図である。
【図12b】図12aに示す一連のリボンフィラメントの側面図である。
【図12c】圧力、熱、又はその双方を適用するべく用いられる一対のフォーム間に離間して近接された一連のフィラメントの側面図である。
【図12d】図12cに示すフォームの形状により型押しされた後の一連のフィラメントの側面図である。
【図13a】一方の側部(この場合はリボンの後側)から離間して配置された音声吸収ウェッジを備えるリボンアセンブリの平面図である。
【図13b】図13aに示す音声吸収ウェッジの詳細な側面図である。
【図14】バックローブサプレッションを有するマイクロフォンアセンブリの断面による側面図である。
【図15a】本発明に係る一対の同じリボンが並列回路構成で構成された電気的概略図である。
【図15b】互いに近くにある一対の同じリボンにおいてそれぞれのリボンが隣接磁石のギャップ内にある平面図である。
【図15c】一対の隣接磁石の実用的なホルダーの斜視図である。
【図16a】リボン型マイクロフォン等の感圧デバイスのための保管及びトラベルケースの斜視図である。
【図16b】図16aに示すトラベルケースに有用な空気逃がしバルブの断面図である。
【図17】マイクロフォン本体に一体化された音声吸収構造の断面による側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面、特に図1を詳細に参照すると、参照としてここに組み込まれるOlsonによる米国特許1,885,001の典型的従来技術のリボン型マイクロフォン変換器20がある。これは、電磁石26から延びる鉄のポール24同士の間に懸架された波形リボン22を示す。電磁石26は、ポール片24を介して音声反応リボン22の近くに伝えられる磁場を確立する。リボン22が入射音波により振動すると、リボン22に電流が生成され、これが増幅、記録、又は送信される。図2に示す典型的従来技術のリボン型マイクロフォン変換器30は、ここに参照として組み込まれるFisherへの米国特許3,435,143により完全に示されるように、永久磁石36から延びるテーパ形の鉄のポール片34同士の間に懸架された波形リボン32を示す。このテーパ形のポール片34によりリボンの前部と後部との間の経路長が低減するので、高周波応答が向上する。リボンは調整可能なフレーム38に懸架され、ネジとナットの調整がリボン32の位置を精密にチューニングするべく使用される。
【0024】
しかしながら、このような従来のマイクロフォン技術の改良が図3に示される。ここで、図示のマイクロフォンケーシング40は、ジグザグ構造のエラストマーコード又はケーブル42からなる懸架システム41と、テーパ形の本体シェル構造44と、音声を伝搬するが異物、埃、及びその他の侵入を防ぐ複数のアパチャ48を有する音声スクリーン46とを有する。図4の破断図はマイクロフォンケーシング46を示す。マイクロフォンケーシング46は、複数の離間されたアパチャ48が貫通しており、各アパチャ48は軸方向に曲げられた、非円筒、非線形の形状である。図5は、アパチャ48の拡大図であり、高速の風の状況下においてどのようにしてエアブラスト「W」がリボン「R」の近くから遠ざけられるかが示されている。このような流体の強い流れのリダイレクトはコアンダ効果に起因する。これは、曲面を通る層流の流体が当該面に沿うように流れの方向を変える効果である。図5に示すように非線形の輪郭で形成されるアパチャ48は、通常の振動音波を比較的スムーズに通す一方で、潜在的に破壊的なエアブラストが、リボン「R」又は他の変換器のような繊細な音声ピックアップデバイスから遠ざけられる。
【0025】
図6は、モジュール式のリボン型マイクロフォンアセンブリ50の分解図である。リボン型マイクロフォンアセンブリ50は、上部のリボン型変換器52と、中間部の整合変圧器セクション54と、下部の増幅器及び電子制御セクション56とからなり、異なる多様なリボン型マイクロフォンシステムがユーザ設定できる。バスバー57から延びる直接相互接続ピン58が、各セクション52,54,56を相互接続するべく用いられる。マイクロフォンのユーザは、利得、周波数応答、音色、歪み、及びその他の音的及び電子的属性を調整するべく音響チェーンの構成要素を交換したいと望むことが多い。整合したモジュールセットアップの使用が、従来技術のコンデンサマイクロフォンにおいて用いられているが、リボン型マイクロフォンには用いられていない。これは、本発明以前のリボン型マイクロフォン構造では、利得、周波数応答、音色、又は歪みについて一貫性がなかったからである。図7は、変換器52、変圧器54、電子モジュール56を組み付けたスタックを示す。まっすぐなバスバー57を用いてモータが変圧器ユニットに、変換器ユニットが増幅器/コネクタユニットに接続される。回り道の配線接続と対照的に、まっすぐな、好適には直列型の固定位置の相互接続は、外部磁場からのハムピックアップを制御する度合いを高める。配線接続は、可撓性配線の可変的特性ゆえに最も低いハムピックアップを目的として引き回されることが多い。剛性の相互接続部材58を用いるとこの可変性が事実上回避されるのと同時に、低抵抗かつ低ノイズの接続が保証される。銀のバー又は銀がめっきされた銅が、低抵抗かつ低ノイズを与える。厚い導電体及び銀金属を用いることにより、導体内で生じる熱ノイズもまた最小となる。一般に、従来技術のリボン型マイクロフォンには、完成したマイクロフォンアセンブリにより生じる全体的な熱ノイズ及び他のノイズフロアーに寄与する3つのセクションが存在する。これらは、リボンセクション、相互接続セクション、及び変圧器セクションを含む。変圧器セクション及び相互接続セクションの双方に重い導体を用いることが望ましい。リボンは必要に迫られて軽い導体としなければならいが、当該部分の改良も可能である。
【0026】
変換器60のある好適な実施例を図8に示す。これは囲み磁束フレーム61を特徴とするテーパ形変換器60である。囲み磁束フレーム61は、2以上の隣接磁石を、その間に搭載された細長く形成され好適には多層の懸架リボン66の近くに位置決めする。このテーパ形磁束フレーム61は、リボン66の前部から後部までの音響的距離を短縮して当該短縮された領域における高周波数応答を向上させ、「平行な」側部の磁束フレームの特性である任意の高周波数カットオフ効果の突発を低減させる。この磁束フレーム61には、磁束フレーム61を通って延びる磁石62の位置の近くにリング受け入れアパチャ68が設けられる。このアパチャ68は、磁束の戻り経路を生成するべく用いられる(例えば図9及び図9Aに部材72として示す)曲がった戻りリングを受け入れるよう配置される。これにより、リボン66が配置されたギャップにおける磁場の強度が増し、音エネルギーから電気エネルギーへのさらに効率的な変換が得られる。この効率の向上により、高品質マイクロフォンの望ましい属性である全体的な出力及び感度が向上する。戻りリング72は、任意の角度での入射音波に対して小さい断面を有する形状とされる。この形状により、反響音及び望ましくない内部共鳴が低減される。戻りリング72の全体的に小さな断面が、音エネルギーの妨害や減衰を低減するが音エネルギーを妨害されないままリボン66に到達させる一方、磁束の伝搬という義務が果たされる。
【0027】
図9及び図9aは、戻りリング72の設置構造を有する非テーパ形でほぼ平行な壁の変換器70を示す。戻りリング72は、変換器の長さ、及び所望の磁気的補強/再循環の量に応じて、わずかに1つ又は複数でもよい。この戻りリング72は、圧入を介して磁束フレーム73の厚さ内に挿入されてこれに対する磁場の結合を向上させてよい。または、溶接により磁束フレーム73に取り付けられてもよい。
【0028】
磁束フレーム76を有するさらなる変換器の実施例が図10に示される。磁束フレーム76は、テーパ形及び非テーパ形のスタイルの双方の特徴を有し、さらに側部アパチャ80を有してリボンの前部から後部への距離を短くしている。この側部アパチャ80は、リボン型マイクロフォンの高周波数応答を向上させることが知られている。大きく細長い曲線/円形の側部アパチャ80の使用とテーパ形アセンブリの使用との共同により、磁場の強度を維持することができる。
【0029】
図11aは、所定リボン形状面パターン92を有するリボンフォーム90の断面図である。このフォーム90は、アルミニウム等の金属の蒸着や当該金属のめっきを支援する蝋材料又は溶ける材料から作られる。図11bは、アルミニウム94の堆積層を有するリボンフォーム90の断面図である。このアルミニウムの厚さは一般に約1/4ミクロンから約4ミクロンである。1より多くの層(図示せず)をフォーム90の表面92に堆積させてもよい。これらの層は同じ材料でもよいし、異なる機械特性及び電気特性を有する異なる材料でもよい。例えば、金の第1層を堆積してから、これより厚いアルミニウムの第2層、その後に第3の金の層又はこれらを混合した組み合わせを堆積してもよい。金の層は、数百ナノメートルのオーダーで非常に薄くてもよい。アルミニウムの層は500nmから約3000nmであり、必要なサイズ、所望の伝導率、及び設計上許容される総質量に応じてこれ以上又はこれ以下でもよい。
【0030】
一般に、高質量のリボンは磁石ギャップ内で振動するのに大きな量の音エネルギーを必要とするのに対し低質量のリボンは小さくて済む。したがって、質量を最小とすることが望ましい。しかしながら、例えばアルミニウム等の薄すぎる材料は断面積が減少すると抵抗が高くなる。抵抗と質量とのトレードオフが長い間、リボン型マイクロフォンの設計における制限要因であった。強度と質量とのトレードオフも同様である。ここに教示する複合材料、多層材料、高導電材料を用いると、設計許容度が大きくなり性能が向上する。
【0031】
図11cは、例として、フォーム90から取り外した後の完成リボン100の側面図を示す。当該予備形成金属リボン100は強く、割れ又はストレスがなく、緩みやすいということもない。従来技術のリボンは、平坦なシートを曲げ及び/又は歪めることにより形成される。このため、引っ張り強度に妥協があり、リボンに経時的に緩みを生じさせる残留力が残る。図11dは、所定パターンを有するフォーム上への堆積プロセスにより作成された完成リボン102の側面図である。このパターンは周期的、非周期的、又は段階的であってよく、リボン102の端部近くに短い波の部分又は起伏104が配置され、リボン102の中央近くにはより平坦な部分106が配置される。堆積プロセスの精密かつコンフォーマルな性質により、例えば文字(図示せず)のような細かいディーテール、又は長いリブ(図示せず)のような特徴が、リボン102所定の平坦又は表面の部分をマーク付け又は硬化するべく作成されてよい。
【0032】
図11eは、スケール112と、可動スライド114と、調整されるリボン118を保持するクリップ116とを有する目盛り付き固定具110の例を示す。図11fは、図11eの目盛り付き固定具110とともに用いるチューニングシステム120を示す概略図である。可変周波数発振器122が、ラウドスピーカ126を駆動し、かつ、当該発振器122と同期するストロボ光128をトリガする増幅器124に接続される。この発振器122はリボン118の所望共鳴周波数に設定される。図11eに示すリボン118の共鳴ピークを指示するリボン118の最大変位が観察されるまでクリップ116が動かされる。ストロボ光128は、当該ピークの観察の補助となる。また、歪みを生じさせる位相外れモードを含む、その他の任意共鳴モードを観察する補助ともなる。リボン118は、図11eに示す装置110と図11fに示す装置120及びこれにともなう手順との組合せを用いて精密にテンションが与えられ、その後、正しくチューニングされて変換器アセンブリ内に設置される。リボン118はその後、必要に応じてチューニングプロセスの間に、変圧器等の負荷及びそれに続く増幅器に接続される。リボン118の当該細かくかつ精密な調整により、アセンブリのユニット毎の一貫性が向上し、非常に望ましくなる。
【0033】
図12aは、1セットの繊維ホルダー132間に懸架された一連のフィラメント又は繊維130の平面図である。この繊維130は、伸縮しないKevlar(登録商標)等の高引っ張り強度のポリマー材料から作られてよい。この繊維130はまた、カーボンナノチューブ繊維、リボン、又は高引っ張り強度かつ低質量の複合材からなっていてもよい。例えば、かかるカーボンナノチューブリボンは、導電性又は超導電性であってもよい。図12bは、図12aに示す一連のフィラメント130の側面図である。図12cは、圧力、熱、又はその双方を適用する一対のパターンフォーム134に近接する一連のフィラメントの側面図である。図12dは、フォーム134の形状で型押しされた後の一連のフィラメント130の側面図である。一連のフィラメント130はさらに、明確のため図示しない蒸着プロセスのような堆積プロセスを用いてコーティング、めっき、又はカバーされてもよい。蒸着される材料は、アルミニウム又は金のような他の導電性材料である。超導電特性を有する合金を含む複数の材料を用いることができる。このような合金は通常剛性であり、ワイヤに形成するのが難しいが、開示の方法により実用的な態様で適切に形成することができる。このような超導電体又は非常に高導電率の合金を用いる利点は、マイクロフォンの出力が受容しがたい程度まで落ちるポイントまで伝導率を下げることなく、強く低質量のリボンを作成できることである。超導電性の合金は、この応用例に単独で用いられるほど十分な引っ張り強度を有する。カーボンナノチューブ若しくはカーボン繊維又はリボンは、この応用例に用いるのに十分な伝導率、強度、及び低質量を有し、靱性、又は長期的な歪み、たるみ、若しくはダメージへの耐性が向上する利点がある。現在では、非常に強く、低質量、かつ高伝導率のリボンがかかる新たな技術を用いて構成されている(このような多層化は、例えば接合、接着、堆積、又は様々な相互作用若しくは接着プロセスによる)。
【0034】
図13aには、一方の側(この場合はリボン143の後側)から離間した距離に配置された音声吸収ウェッジ142を備えるリボンアセンブリ140の平面図が示される。この音声吸収ウェッジ142は、マイクロフォンの後部から到達する音エネルギーを吸収かつ減衰するのに有効である。音声吸収材のないリボン型マイクロフォンは、二極性の、「図8」の受け入れパターンを示す。単極性又は単一指向性のリボン動作が求められるときもある。リボンの後部は封止されているので、音エネルギーは当該後部からリボンに到達しない。ウェッジ142は、リボンの動きにより生じる再放射音を吸収する。このウェッジ142の形状により、当該リボンまで戻る望ましくない鏡面反射が低減される。複数のウェッジを用いてもよい。このウェッジは、リボン143に面する1の開口を有するチャンバ145を画定するべく封入される。図13bには、不均一構造を示す音声吸収ウェッジ142の詳細図が示される。この不均一構造は、フィラメント、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体144からなる。それぞれが、指向性を有して形成された斬増密度、及び、空気の音響インピーダンスと同じ又はこれに近い音声に対する音響インピーダンスを有する。これらは、当該全面からの反射を生じることなく熱の形態の損失を増加させる。この構成により低周波数が、通常の泡のような均一材料で可能となる場合よりも高い率で吸収される。
【0035】
図14は、「バックローブ」サプレッションを備えるマイクロフォンアセンブリ150の一例の部分断面図である。ロール状又はコイル状のチューブ153を用いて音響迷路152が形成される。チューブ153は例えば、プラスチックチューブ、Tygon(登録商標)、又は他のコイル型に形成可能な通常は管状材料である。この形成可能な管状材料は、マイクロフォン150のハウジング内に適合するように任意形状に構成することができる。後部チャンバ(図13aに部分的に示す)を音響迷路に接続してもよい。これは、変換器アセンブリ154に若しくはこの下に、又は変圧器のような内部構造物若しくは構成部材のまわりに配置されてよい。このチューブ153は、注入されたウレタン連続気泡発泡体のような損失性音声吸収材料が充填され、又はナイロン若しくはエアロゲルのような損失性の音声吸収繊維材料が充填される。チューブの長さは、機械加工されたポート又はチャンバを使用した音響迷路構造に対する従来技術の記載のように通常約76.2センチメートル(30インチ)である。従来技術の当該ポート又はチャンバは作ることが困難であり、可撓性チューブの位置決めオプションがない。チューブの一端は図13aのチャンバに取り付けられ、リボン143の後部からチューブ153の長さ全体にわたる空気の連続的シールが維持される。このような構造により、圧力変換器として動作する単一指向性のリボン型マイクロフォンシステムの便利で反復的な構成が得られる。
【0036】
図15aは、本教示を用いて作成された一対の同じリボン160及び162が並列回路構成で構成された電気的概略図である。図15bは、互いに近くにある当該一対の同じリボン160及び162においてそれぞれが隣接磁石164のギャップ内にある平面図である。図15cは、図15bに示す一対の隣接磁石164のための実用的なホルダー166の斜視図である。このホルダー166は、摺動アパチャ止め167又は他の調整可能なドア手段を用いて、リボン(160及び162)の間の空間に入る空気又は音波の量を制御する。2本の同じリボン(すなわち160及び162)を用いることにより、1のマイクロフォンの空間内におけるリボン要素を用いて可変パターンを作成することができる。ここで、堆積、同期チューニング、及びフィラメント又はカーボンナノチューブのリボン構成のような改良されたリボン及びマイクロフォンの構成方法を用いて作成した場合の当該リボン要素の同一性及び反復可能性に起因する過剰な歪みが存在しない。
【0037】
図16aに、リボン型マイクロフォン172のような感圧デバイスのための保管及びトラベルケース170が示される。従来技術のボックスは通常、突然閉じたり開いたりする蓋を有している。当該ケースの開閉のような突然の無防備な動作は、内容物にダメージを与えうる望まない圧力を生じる場合がある。空気バルブ174がラッチ(又はヒンジ)に接続されることにより、開閉手順における空気圧力を逃がす経路が存在する。図16bは、空気逃がしバルブ174の断面図である。バネ付勢プランジャ176がラッチに組み込まれ、開く前に放出開口177から空気を解放する。バルブ174の面積はケース170に対して大きく、望ましくない圧力は瞬間的にも形成されない。
【0038】
マイクロフォン支持部180の一例が図17に示される。マイクロフォン182の本体内に一体化された音声吸収構造の断面図である。複数の環状リング184が、充填された低ジュロメーター硬度のウレタンのような音響減衰材料186の間に好適に挿入される。この交互に連なる減衰材料により、マイクロフォンスタンド188からマイクロフォンヘッド内までのノイズの伝搬がほとんどないことが保証される。平坦な環状リング構造により、合理的に剛性かつコンパクトなマイクロフォン本体が安全に維持される一方で音声吸収の広い面積が保証される。クランプ190がマイクロフォン本体ベース191にしっかりと取り付けられてもよいが、クランプ190はヘッドから隔離されて、当該スタンドからマイクロフォン182までの音声伝搬を低減または排除する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能受音能力を有するリボン型マイクロフォンアセンブリであって、
少なくとも2つの磁石を前記磁石同士の間の懸架リボンの近くに位置決めする囲み磁束フレームを有する変換器と、
前記磁束フレームに設けられた受け入れアパチャのアレイと、
前記変換器に磁束のための戻り経路を生成するべく前記受け入れアパチャ内に配置された少なくとも1の曲がった戻りリングと
を含むマイクロフォンアセンブリ。
【請求項2】
前記磁束フレームは平行な側部を有する、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項3】
前記磁束フレームはテーパ型側部を有する、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項4】
前記磁束フレームは側部アパチャを有する、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項5】
前記側部アパチャは非円形である、請求項4に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項6】
前記側部アパチャは細長くかつ曲線をなす、請求項4に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項7】
リボン型マイクロフォンのためのリボンを製造する方法であって、
不規則な所定リボン係合面を有する第1フォームを与えることと、
前記リボン係合面にリボン形成材料を堆積することと、
前記第1フォーム上に前記マイクロフォンのリボンを形成することと
を含む方法。
【請求項8】
前記第1フォームの前記不規則な所定リボン係合面にかみ合うように対応する不規則な所定リボン係合面を有する第2フォームを与えることと、
前記第1フォームの前記リボン係合面と前記第2フォームの前記リボン係合面との間に前記リボン形成材料を挟むことと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フォームはその温度が制御される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記リボンは1より多い材料からなる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記フォームは、アルミニウム、蝋、及び溶ける材料からなる群から選択される蒸着支援材料からなる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
リボンを、リボン型マイクロフォンにおける前記リボンのその後の使用のためにチューニングする方法であって、
マイクロフォンのリボンを調整可能に支持及び較正する較正部材を設けることと、
前記較正部材にマイクロフォンのリボンを取り付けることであって、前記リボンには所定パターンが形成されていることと、
ラウドスピーカに接続された可変周波数発振器を動作させることであって、前記発振器は前記リボンの所望の共鳴周波数に設定されることと、
前記較正部材を調整して前記リボンにテンションを与えることと、
共鳴ピークを示す前記リボンの最大変位を観察することと
を含む方法。
【請求項13】
前記リボンはリボン型マイクロフォンにおける変換器アセンブリ内に設置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
マイクロフォンの支持体からの音声伝搬を低減する方法であって、
リボン型マイクロフォンの支持体として複数のリング状スペーサ部材を設けることと、
隣接するスペーサ部材同士の間に音響減衰材料を挿入することと、
前記複数のスペーサ部材の第1端部をリボン型マイクロフォンのハウジングに取り付けることと、
前記スペーサ部材の第2端部をマイクロフォンのスタンドに取り付けることと
を含む方法。
【請求項15】
前記スペーサ部材は円環形である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
リボン型マイクロフォンを安全に封入し、無加圧状態で輸送し、出し入れするケースであって、
エンクロージャハウジングと、
前記ケース上の開放可能なドアと、
前記ドアに接続されたバネ付勢バルブであって前記ドアの開閉時に前記ケースを外部雰囲気に開放するバルブと
を含むケース。
【請求項17】
リボンを中に封入するリボン型マイクロフォンのケーシングであって、
前記リボンを中に封入する前記ケーシングを貫通する複数の音声伝搬アパチャであって、曲がった非円筒形からなる複数の音声伝搬アパチャを含むケーシング。
【請求項18】
前記アパチャは、前記ケーシングの中に封入された前記リボンから離れるように曲がって設けられる、請求項16に記載のケーシング。
【請求項19】
モジュール式のリボン型マイクロフォンアセンブリであって、
上部のリボン型変換器と、
中間部の整合変圧器セクションと、
下部の増幅器及び電子制御セクションと
からなり、
複数のサブアセンブリの様々な組み合わせが前記アセンブリにおいて容易に互換可能となるモジュール式のリボン型マイクロフォンアセンブリ。
【請求項20】
各サブアセンブリは、前記サブアセンブリの相互接続を可能とする相互接続ピンを備えるバスバーを有する、請求項19に記載のモジュール式のリボン型マイクロフォンアセンブリ。
【請求項21】
音波を検出するリボン型変換器であって、
磁場に近接配置された導電性カーボンナノチューブフィラメントからなる細長いリボン構造を含み、
前記リボン構造はさらなる回路に接続されるリボン型変換器。
【請求項22】
カーボンナノチューブ材料が一体化された可動リボン要素を有するリボン型マイクロフォン。
【請求項23】
カーボン繊維材料が一体化された可動リボン要素を有するリボン型マイクロフォンであって、
前記リボン要素は、
カーボンフィラメントの層と、
カーボンフィラメント材料の前記層に取り付けられた導電金属の層と
を含むリボン型マイクロフォン。
【請求項24】
磁石アセンブリに近接配置された複合膜音響変換器構造であって、
前記変換器構造及び前記磁石アセンブリは磁束場を生成するべく配置され、
前記変換器構造は、
テンションが維持された薄く細長い複合材料の第1層と、
複合材料の前記第1層に取り付けられた膜材料の第2導電層と
を含み、
膜材料の前記第1及び第2層は、前記磁石アセンブリに対して近接配置され、かつ、ほぼ平行及びオフセットして配置され、複合材料の前記第1層及び第2層の少なくとも一部を通る前記磁束場が生成される複合膜音響変換器構造。
【請求項25】
前記第1層はカーボン繊維からなる、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項26】
前記第1層はポリマー材料である、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項27】
前記カーボン繊維はカーボンナノチューブからなる、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項28】
前記第1層は導電性である、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項29】
前記第2導電層は堆積された金属である、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項30】
前記第2導電層は電気めっき層である、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項31】
前記第2導電層は電着層である、請求項24に記載の複合膜音響変換器構造。
【請求項32】
膜型変換器要素の製造方法であって、
所定パターンを有するフォームを作成することと、
前記フォームの前記パターン上に金属層を堆積して連続かつ別個の金属変換要素を作成することと、
前記堆積された金属変換要素を前記パターンから取り外すことと、
前記膜型変換要素を磁場の近くに設置することと
を含む膜型変換要素の製造方法。
【請求項33】
前記所定パターンは周期的パターンである、請求項32に記載の膜型変換器要素の製造方法。
【請求項34】
前記所定パターンは非周期的パターンである、請求項32に記載の膜型変換器要素の製造方法。
【請求項35】
前記金属はアルミニウムである、請求項32に記載の膜型変換器要素の製造方法。
【請求項36】
特定周波数用のリボン型音響要素の製造方法であって、
音響要素をホルダーに軸方向に搭載することであって、前記ホルダーは前記音響要素を支持する可動搭載ポイントを有することと、
前記搭載ポイントを動かして前記音響要素のテンションを変えることと、
前記音響要素を所定周波数に共鳴させることと
を含む特定周波数用のリボン型音響要素の製造方法。
【請求項37】
前記音響要素は金属要素である、請求項16に記載の特定周波数用のリボン型音響要素の製造方法。
【請求項38】
前記音響要素は変換器アセンブリを含む、請求項36に記載の特定周波数用のリボン型音響要素の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−23753(P2012−23753A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−194874(P2011−194874)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【分割の表示】特願2007−537907(P2007−537907)の分割
【原出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(500211678)シュアー インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SHURE INCORPORATED
【Fターム(参考)】