説明

リライタブルラベルの記録情報更新装置

【課題】 仕分けや入出荷等を行う物流システムにおけるピッキング指示システムで使用する再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録内容をコンベア上で良好に書き換えることが可能なリライタブルラベルの記録情報更新装置を実現する。
【解決手段】 記録情報更新装置20は、リライタブルラベル22を、このリライタブルラベル22に記録された記録情報の消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成し、リライタブルラベル22に記録された記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込む消去及び書込み手段24と、消去及び書込み手段24による消去及び書込み操作時に、リライタブルラベル22の貼付された搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面を押圧するための移動可能な背面抑え部25を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流システムにおける再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込むリライタブルラベルの記録情報更新装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流システムにおける、通い箱使用の代表例として、ピッキング指示システムが挙げられる。
従来のピッキング指示システムとしては以下の装置が知られている。
図8は、その一実施例によるピッキング指示システムの全体的構成を示す斜視図であり、多数の収納部1を有する保管棚2がコンベアライン10に沿って配列され、各収納部1には個別取出表示器4が設けられ、さらに取り出し作業終了時に操作されるスイッチ7が設けられている。
保管棚2の上部には物品取出数表示器6が設けられている。
【0003】
一方、コンベアライン10により再利用可能な搬送容器であるバケット(通い箱)11が搬送され、該バケット11にはICカード12が取り付けられている。該カード12には、各顧客に対応して付された当該カード自身の番号や、作業者に与えられるべきピッキング指示に関する情報や、さらにはバケット11が搬送されるべき方向に関する情報等、システム内で該バケットを搬送しかつピッキング作業を行うに必要なすべての情報が格納されているとともに、それらの情報を表示する機能を有している。
【0004】
また、コンベアライン10の付近には、複数の保管棚でなる保管棚ブロック毎に読み書き自在機13が設けられており、該読み書き自在機13は、バケット11に取り付けられたICカード12の情報を、例えばマイクロウェーブ(極超短波)等の信号によって該カードに接触せずに読み取ると共に、該カード12に新しい情報を書込む機能とそれらの情報を該カードに表示させる機能とを有している。(このようなICカードによる非接触の情報読取りをRFID(RADIO-FREQUENCY-IDENTIFICATION)と称する。)
【0005】
以上の構成において、バケット11が読み書き自在機13の前に到着すると、読み書き自在機13はICカード12の情報を読み取って、当該バケット11へ投入すべき物品の種類すなわち収納部1の位置及びその収納部からピッキングすべき物品の数を、それぞれ個別取出表示器4及び物品取出数表示器6に表示することができる。
【0006】
作業者はその表示に従って必要な物品すなわち個別取出表示器4が点灯した収納部1の物品を、必要な数すなわち物品取出数表示器6に表示された数だけピッキングして当該バケット11へ投入することもできるが、通常、作業者はICカード12の表示に基づいてピッキング作業を行うものである。
【0007】
ピッキングが終了すると、作業者は保管棚2に取り付けられているスイッチ7を押す。読み書き自在機13からはICカード12に作業完了指令が与えられ、該カード12は次の物品に関するピッキング情報の表示に移る。
そして保管棚2における他の個別取出表示器4が点灯し、物品取出数表示器6が個数を表示すると作業者は前述と同様のピッキングを行い、これを順次繰り返すことになる。
【0008】
上述のシステムでは、バケットに取り付けられたICカードで記録された情報を読み取ることは可能であるが、作業者が当該ICカードの内容を直接見ることはできないので、ICカードに加えて、当該ラベルに作業者が読取り可能な情報(文字情報)を印刷する装置もあった。
また、図8におけるバケットに取り付けられたICカードを使用せずに、バスケットに貼付されたラベルにバーコード(2次元バーコードを含む)を印刷して、当該バーコードをバーコードリーダによって読取ることによって、バーコードを解析してハンドリングを行う装置もあった。
【0009】
また、再利用可能なラベルとしては、以下のものが知られている。(特許文献1参照)
「可逆性感熱記録材料を用いた可逆感熱紙として、例えば、電子供与性染料前駆体を用いたロイコ系リライタブル感熱紙が開発されている。電子供与性染料前駆体は、酸性雰囲気下で分子内のラクトン環が開環することにより発色し、酸性雰囲気を取り除くとラクトン環が閉環し無色の状態に戻るものである。ロイコ系リライタブル感熱紙はこの電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせたものであり、可逆顕色剤とは電子供与性染料前駆体と反応して発色・消色の可逆性を発現するものである。可逆顕色剤には、例えば長鎖アルキル基をもつフェノール系化合物等が用いられる。
【0010】
図9は、上述した可逆感熱紙の特性説明図である。この図において、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。この図に矢印で示すように、消色状態(A)の可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持される。逆に溶融状態(B)から徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻る。また、固体発色状態(C)において、溶融状態よりもやや低い温度領域で一定時間保持すると、元の消色状態(A)に遷移する性質がある。この温度領域(溶融温度よりもやや低い温度領域)を「消色温度領域」と呼ぶ。
【特許文献1】特開2002−215038号公報 (0015),(0018)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来の再利用可能な搬送容器には搬送容器にラベルを貼付するシステムには以下の問題点がある。
・搬送容器毎に1ラベルが必要であり、ランニングコストが高くなる。
・再利用時には廃棄されるラベルを発行するので、環境に悪影響を及ぼすことになる。
・返却された搬送容器には古いラベルが貼付されているので、古いラベルを剥がすための作業コストが掛かる。
・ラベルを剥がす作業を人手等で実行すると、剥がし忘れが発生して、新しいラベルが貼付されるので、この搬送容器がコンベア上を流れると、2枚のラベルが貼付されているので、ラベルの読取りに伴う作業で混乱が生じることがある。
また、再利用可能なラベルも記録情報の消去及び書込みは、専用の消去装置及び書込装置を必要とするので、ラベルを一旦剥がして、ラベルの記録内容を書き換えを実行せざるをえなかった。
【0012】
この対策として、上述のリライタブル感熱紙を使用したラベル(リライタブルラベル)を使用して、消去手段及び書込み手段を、搬送容器が搬送される物流システムのコンベアの近傍に沿って配置し、これらの消去手段及び書込み手段を、搬送容器の側面に貼付されたリライタブルラベルに向かって移動させ、これらの消去手段及び書込み手段で、リライタブルラベルの古い記録情報の消去と、新たな記録情報の書込みとをコンベア上で連続して実行する方法が考えられる。
【0013】
ここで、リライタブルラベルは、通常、搬送容器の側壁に貼付されている。そこで、リライタブルラベルの古い記録情報の消去と、新たな記録情報の書込みとをコンベア上で連続して実行するためには、消去手段及び書込み手段を搬送容器の側壁に押し付ける必要がある。
しかし、消去手段及び書込み手段を搬送容器の側壁に押し付けた際に、側壁が変形して、消去手段及び書込み手段で、リライタブルラベルの古い記録情報の消去と、新たな記録情報の書込みとを良好に実行することができない虞がある。
特に、搬送容器として折り畳み可能なケース(折り畳みコンテナ)を用いた場合には、その傾向が顕著に現れる。
【0014】
本発明の課題(目的)は、仕分けや入出荷等を行う物流システムにおけるピッキング指示システムで使用する再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録内容をコンベア上で良好に書き換えることが可能なリライタブルラベルの記録情報更新装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置において、前記リライタブルラベルを当該リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成し、前記リライタブルラベルに記録された記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込む消去手段及び書込み手段と、前記消去手段及び書込み手段による消去及び書込み操作時に、前記リライタブルラベルの貼付された容器の内側から当該リライタブルラベルの背面を押圧するための移動可能な背面抑え部を備えることを特徴とする。(請求項1)
【0016】
リライタブルラベルの貼付された容器の内側からリライタブルラベルの背面を押圧するための移動可能な背面抑え部を備えた。
よって、消去手段及び書込み手段による消去及び書込み操作時に、背面抑え部でリライタブルラベルの背面を押圧することで、消去手段及び書込み手段をリライタブルラベルに押し付けたとき、リライタブルラベルが消去手段及び書込み手段から離れる方向に逃げることを防ぐ。
これにより、消去手段及び書込み手段をリライタブルラベルに好適に押し付けることができる。
【0017】
また、前記搬送容器が搬送される物流システムのコンベアの近傍に沿って、前記消去手段及び書込み手段を配置し、
前記消去手段及び書込み手段へのコンベア上の前記搬送容器の接近に伴い、前記搬送容器の側面に貼付されたリライタブルラベルの貼付された容器の内側に前記背面抑え部を移動させる背面抑え部の可動手段を備えることを特徴とする。(請求項2)
【0018】
背面抑え部を移動させる可動手段を備えた。この可動手段で、消去手段及び書込み手段への搬送容器の接近に伴い、容器の内側に背面抑え部を移動させる。
よって、背面抑え部を自動的に移動させることが可能になり、リライタブルラベルの記録情報更新装置の利便性をさらに高めることができる。
【0019】
また、前記背面抑え部の可動手段は、リライタブルラベルへの記録情報の消去及び書込み操作時以外は、前記背面抑え部が前記搬送容器の上部に保持され、
前記消去及び書込み手段による消去及び書込み操作時には、前記背面抑え部が弧を描いて、若しくは垂直に降下して容器の内側から前記リライタブルラベルの背面を押圧することを特徴とする。(請求項3)
【0020】
背面抑え部を搬送容器の上部に保持可能とすることで、搬送容器をコンベアで搬送する際の妨げになることを防ぐ。
これにより、搬送容器をコンベアで良好に搬送することが可能になり、リライタブルラベルの記録情報更新装置の利便性をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置は、背面抑え部でリライタブルラベルの背面を押圧することで、消去及び書込み手段をリライタブルラベルに好適に押し付けることが可能になり、仕分けや入出荷等を行う物流システムにおけるピッキング指示システムで使用する再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録内容をコンベア上で良好に書き換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図3を用いて本発明に係るリライタブルラベルの記録情報更新装置の実施の形態の説明をする。なお、以下、リライタブルラベルの記録情報更新装置を記録情報更新装置と略記して説明する。
記録情報更新装置20は、再利用可能な搬送容器21に貼付されたリライタブルラベル22の記録情報を更新するものである。
この記録情報更新装置20は、リライタブルラベル22を、リライタブルラベル22に記録された記録情報の消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成し、支持フレーム23に消去手段及び書込み手段24と、背面抑え部25と、可動手段26とを備える。
【0023】
搬送容器21は、コンベア28上を移動する再利用可能な容器(例えば、通い箱等)である。この搬送容器21は、一例として、樹脂製ケースや折り畳み可能なケース(折り畳みコンテナ)がある。
樹脂製ケースや折り畳みコンテナは、側面に押圧力をかけた際に、側面が変形することが考えられる。
特に、折り畳みコンテナは、側面が内側に折り畳まれるように構成されているので、その傾向が顕著に現れる。
【0024】
リライタブルラベル22は、コンベア27上を移動する再利用可能な搬送容器21の外側面(側面)21aに貼付されており、記録情報を消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成されている。
支持フレーム23は、コンベア28の両側に跨って形成され、消去手段及び書込み手段24が設けられ、さらに、消去手段及び書込み手段24の上方に背面抑え部25及び可動手段26が設けられている。
【0025】
消去手段及び書込み手段24は、リライタブルラベル22に記録された記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込むものである。
すなわち、消去手段及び書込み手段24は、搬送容器21が搬送される物流システムのコンベア28の近傍に沿って配置され、加熱ローラで情報を消去する情報消去部31、及びサーマルヘッドで情報を書込む情報書込み部32を備えている。
前記情報消去部31及び情報書込み部32は、後述のリライタブルラベル22に押し付け可能に矢印方向(図3参照)に水平移動可能に構成されている。
【0026】
なお、図3では、移動方向である矢印は、水平方向にのみ示されているが、リライタブルラベル22の位置に応じて垂直方向に移動するように構成することも可能である。
また、図3では、情報消去部31及び情報書込み部32は、それぞれ別体に形成されているが、情報消去部31と情報書込み部32を一体に形成しても良い。
【0027】
背面抑え部25は、消去及び書込み手段24による消去及び書込み操作時に、リライタブルラベル22が貼付された搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面(具体的には、背面に相当する搬送容器21の内側面21c(図2参照))を押圧するように移動可能なものである。
【0028】
この背面抑え部25は、支持フレーム23に、可動手段26の支持軸35を介してアーム36が上下方向にスイング移動自在に設けられ、先端部に抑え部材37が設けられている。
アーム36を支持軸35を軸にして上下方向にスイング移動することで抑え部材37を弧(図5、図7参照)を描いて昇降させる。
抑え部材37を弧を描いて上昇させることで、搬送容器21の上部の退避位置に退避させる。一方、抑え部材37を弧を描いて押圧位置まで降下させる。降下させた抑え部材37で、搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面に相当する搬送容器21の内側面21cを押圧する。
【0029】
可動手段26は、消去及び書込み手段24へのコンベア28上の搬送容器21の接近に伴い、搬送容器21の側面21aに貼付されたリライタブルラベル22の貼付された搬送容器21の内側21bに背面抑え部25の抑え部材37を移動させるものである。
すなわち、可動手段25は、支持フレーム23に取付ブラケット33(図2参照)を介してアクチュエータ34が支持され、アクチュエータ34に回転可能な支持軸35を備える。この支持軸35にアーム36が設けられている。
【0030】
この可動手段26は、アクチュエータ34を駆動することで支持軸35を回転するものである。アクチュエータ34を非駆動状態とすることで、支持軸35を静止状態に保持するものである。
可動手段26によれば、リライタブルラベル22への記録情報の消去及び書込み操作時以外は、背面抑え部25を搬送容器21の上部に保持する。
さらに、可動手段26によれば、消去及び書込み手段24による消去及び書込み操作時には、背面抑え部25の抑え部材37を、弧を描いて降下させる。これにより、抑え部材37で、搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面に相当する搬送容器21の内側面21c(図2参照)を押圧させることが可能である。
【0031】
次に、記録情報更新装置20の動作を図4〜図7に基づいて以下に説明する。
図4において、消去及び書込み手段24が待機位置に保持されるとともに、背面抑え部25が退避位置に保たれている。
【0032】
図5に示すように、コンベア28上の再利用可能な搬送容器21が移動して図示しない検出装置によって、記録情報更新装置20に接近すると、先ず、可動手段26のアクチュエータ34が駆動して、支持軸35を軸にしてアーム36を下方向にスイング移動する。
可動手段26で、消去及び書込み手段24への搬送容器21の接近に伴い、搬送容器21の内側21bに背面抑え部25を移動させる。よって、背面抑え部25を自動的に移動させることができる。
【0033】
図6に示すように、抑え部材37が退避位置から弧を描いて押圧位置まで降下して、搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面に相当する搬送容器21の内側面21cを押圧する。
次に、消去及び書込み手段24を待機位置から矢印の如く水平移動することで、消去及び書込み手段24の情報消去部31及び情報書込み部32をリライタブルラベル22に押し付ける。
【0034】
ここで、リライタブルラベル22の貼付された搬送容器21の内側21bから、リライタブルラベル22の背面に相当する搬送容器21の内側面21c)が抑え部材37で押圧されている。
よって、情報消去部31及び情報書込み部32をリライタブルラベル22に押し付けた際に、リライタブルラベル22が情報消去部31及び情報書込み部32から離れる方向に逃げることを防ぐ。
これにより、情報消去部31及び情報書込み部32をリライタブルラベル22に好適に押し付けることが可能になり、情報消去部31及び情報書込み部32をリライタブルラベル22に密着させることができる。
【0035】
情報消去部31を密着させた状態で、リライタブルラベル22の可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)が加熱ローラで良好に加熱される。よって、図9の発色状態Cから溶融状態図9の(B)にして、これを徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻るので、リライタブルラベル22に記録された古い記録情報を良好に消去できる。
【0036】
加熱ローラによって、古い記録情報が消去されたリライタブルラベル22に対して、情報書込み部32を密着させた状態で、図9の消色状態(A)のラベルの可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となる。
これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持されて、新しい情報を記録することができる。
【0037】
本実施の形態では、情報消去部31として加熱ローラを使用しているが、特定温度に加熱される金属プレートを使用することもできる。
情報書込み部32のサーマルヘッドによって、リライタブルラベル22に記録される情報としては、文字や記号のみでなく、バーコードや二次元バーコード等の種々のものが可能である。
【0038】
図7に示すように、新しい情報を記録した後、消去及び書込み手段24矢印の方向に水平移動して、情報消去部31及び情報書込み部32をリライタブルラベル22から離す。同時に、可動手段26のアクチュエータ34が駆動して、支持軸35でアーム36を上方向にスイング移動する。
抑え部材37が押圧位置から弧を描いて退避位置まで上昇して、背面抑え部25を搬送容器21の上部に保持する。
背面抑え部25を搬送容器21の上部に保持可能とすることで、搬送容器21をコンベア28で搬送する際の妨げになることを防ぐ。これにより、搬送容器21をコンベア28で良好に搬送することができる。
【0039】
なお、前記実施の形態では、背面抑え部25を弧を描いて降下させて搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面側を押圧する構成について例示したが、これに限らないで、背面抑え部25を垂直に降下させて搬送容器21の内側21bからリライタブルラベル22の背面側を押圧するように構成することも可能である。
また、本発明は、ピッキングシステムで使用する通い箱に限定するものでなく、パレットやカゴ車等にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
請求項1〜3に記載の発明は、物流システムにおける再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込むリライタブルラベルの記録情報更新装置への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る記録情報更新装置を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る記録情報更新装置の背面抑え部及び可動手段を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る記録情報更新装置の消去手段及び書込み手段を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る記録情報更新装置の背面抑え部を搬送容器の上部に保持した状態を説明する図である。
【図5】本発明に係る記録情報更新装置の背面抑え部でリライタブルラベルの背面側を押圧するように移動する例を説明する図である。
【図6】本発明に係る記録情報更新装置の消去手段及び書込み手段をリライタブルラベルに密着する例を説明する図である。
【図7】本発明に係る記録情報更新装置の消去手段及び書込み手段及び背面抑え部を退避させる例を説明する図である。
【図8】従来のピッキング指示システムの全体的構成を示す斜視図である。
【図9】本発明でラベルとして使用する可逆感熱紙の特性説明図である。
【符号の説明】
【0042】
20 リライタブルラベルの記録情報更新装置
21 搬送容器
21a 搬送容器の外側面(側面)
21b 搬送容器の内側
22 リライタブルラベル
24 消去手段及び書込み手段
25 背面抑え部
26 可動手段
28 コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置において、
前記リライタブルラベルを当該リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成し、
前記リライタブルラベルに記録された記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込む消去手段及び書込み手段と、
前記消去手段及び書込み手段による消去及び書込み操作時に、前記リライタブルラベルの貼付された容器の内側から当該リライタブルラベルの背面を押圧するための移動可能な背面抑え部を備えることを特徴とするリライタブルラベルの記録情報更新装置。
【請求項2】
前記搬送容器が搬送される物流システムのコンベアの近傍に沿って、前記消去手段及び書込み手段を配置し、
前記消去手段及び書込み手段へのコンベア上の前記搬送容器の接近に伴い、前記搬送容器の側面に貼付されたリライタブルラベルの貼付された容器の内側に前記背面抑え部を移動させる背面抑え部の可動手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のリライタブルラベルの記録情報更新装置。
【請求項3】
前記背面抑え部の可動手段は、リライタブルラベルへの記録情報の消去及び書込み操作時以外には、前記背面抑え部を前記搬送容器の上部に保持し、
前記消去及び書込み手段による消去及び書込み操作時には、前記背面抑え部を弧を描いて、若しくは垂直に降下して容器の内側から前記リライタブルラベルの背面を押圧させることを特徴とする請求項2に記載のリライタブルラベルの記録情報更新装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−76121(P2007−76121A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265956(P2005−265956)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(502380361)トーヨーカネツソリューションズ株式会社 (50)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(393007019)株式会社アイ・イーエス (6)
【Fターム(参考)】