説明

リン−含有ヘプタジン誘導体、その製造方法及びその使用

本発明は、式(1)の非対称及び対称リン含有ヘプタジン誘導体(ここで、R、R及びRは独立して、アジド基−Nまたは−N=PR基を表す(但し、R、R及びRの少なくとも一つの基は−N=PR基である))に関する。本発明はまた、その製造方法、及び、特にプラスチック、織物、木材製品、紙、ボール紙製物品、プラスター、絶縁材料および建築資材複合物のための難燃剤としての、または、ポリマーフォームの製造におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(1):
【0002】
【化1】

【0003】
(ここで、R、R及びRは互いに独立して、アジド基−Nまたは−N=PR基である(但し、R、R及びRの少なくとも一つの基は−N=PR基である))で表される非対称及び対称リン−含有ヘプタジン誘導体、その製造方法及びその使用に関する。
【背景技術】
【0004】
多数のC/N/H化合物、特にs−トリアジン誘導体(特にメラミンおよびその誘導体)が難燃特性を有することが知られている。したがって、これらは難燃剤として様々な分野で使用されている。一般的な用途は、エレクトロニクス、プラスチック、木材及び繊維工業においてであり、難燃剤としての上記化合物によって可燃性材料が安定化される。
【0005】
さらに、メレム(melem)(C10)及びメロン(melon)(C)のような、適当なヘプタジンまたはトリ−s−トリアジン誘導体はまた、例えば防火用途においてプラスチック添加剤としても好適である。
【0006】
しかしながら、今日、多くの場合、ハロゲンを含む物質が依然として難燃剤として使用されている。これらは健康に害を与え、そして環境を汚染する。したがって、かなり長期に亘って、それらをハロゲンフリーの難燃剤に置き換えるための試みが既になされている。リン化合物は特に有望で、また時折使用される。
【0007】
最近、この点に関して、リン及び窒素が、これらがポリマー形成において共に存在する場合、難燃性に関して互いに相乗作用的に補い合うということが報告されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、窒素及びリンがリッチな、好ましくはハロゲンフリーな、ならびに、とりわけ難燃剤としても好適である、有効な新規化合物を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項において特徴付けられる実施形態を通して達成される。
【0010】
特に、式(1):
【0011】
【化2】

【0012】
(ここで、R、R及びRは互いに独立して、アジド基−Nまたは−N=PR基であり(但し、R、R及びRの少なくとも一つの基は−N=PR基である)、ここでR、R及びRは互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルコキシ基、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾチエニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチル、ナフトキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルシリル及びピリジルからなるα基より選択される基であり、これらは、それぞれ、互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジル、フェニル及び4−メトキシフェニルからなるβ基より選択される1〜5の置換基により置換され得る)
で表される、非対称及び対称リン−含有ヘプタジン誘導体、ならびにそれらから誘導されたオリゴマー及びポリマーが提供される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、式(2):
【0014】
【化3】

【0015】
(ここでR、R及びRは互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルコキシ基、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾチエニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチル、ナフトキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルシリル及びピリジルからなるα基より選択される基であり、これらは、それぞれ、互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジル、フェニル及び4−メトキシフェニルからなるβ基より選択される1〜5の置換基により置換され得る)
で表される、対称リン−含有ヘプタジン誘導体、ならびにそれらから誘導されたオリゴマー及びポリマーが提供される。
【0016】
好ましくは、該β基は、ハロゲンを除く上記の置換基、すなわち非ハロゲン置換基を含む。
【0017】
本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体は、通常、空気に安定であり無色である。
【0018】
本発明の特に好ましい実施形態において、上記式(1)または式(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体のR、R及びRは、それぞれ、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基であり、メチルまたはn−ブチルがR、R及びRにおいて特に好ましい。
【0019】
本発明のもう1つの特に好ましい実施形態において、上記式(1)または式(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体のR、R及びRは、それぞれフェニルまたはそれぞれm−クレシルである。
【0020】
先行技術に記載の従来の難燃剤と比較すると、本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体(これはまた、メレムホスホルアニリド(melemphosphoranylides)と称され得る)は、基の好適な選択により、結果として生じるこのファミリーの化合物の物理的及び化学的特性について、有利に変更し得、そして、このように簡単な手法で、特定の用途における「テーラーメード」様式で標的化し得る。
【0021】
難燃剤としての本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の使用に関して、例えば保護されるプラスチックにおける該誘導体の安定性の向上、及び適用要件へのより良好な適合は、このように、有利に標的化し得る。本発明のリン−含有ヘプタジン誘導体のファミリーは、その化学構造のみをベースにすると、(特にサイズを減少しなければならない)難燃剤としての用途において、メロン及びメレム(これは固体として使用しなければならず、)プラスチックにおいてより一層安定であることがすでに示されている。
【0022】
さらに、本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体は、難燃剤としての使用において、それらをR、R及びR基に関してハロゲンフリーで形成することができ、従って先行技術に記載のハロゲン−含有難燃剤と比較して環境に優しくあり得るという利点を示す。
【0023】
本発明のさらなる実施形態に従うと、リン−含有ヘプタジン誘導体はまた、オリゴマーまたはポリマーとして存在でき、構造ユニットは後者に存在し、例えば、これは、以下の式(3):
【0024】
【化4】

【0025】
の例にみられるように、2以上のヘプタジンユニットが互いに連結するように、2以上の架橋ホスフィン基またはホスファゼン架橋を有する。
【0026】
本発明のさらなる主題は、上記定義の式(1)に従う非対称または対称リン−含有ヘプタジン誘導体の製造方法であり、これは、シュタウディンガー反応において、トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)と少なくとも1当量のホスフィンPR(ここで、R、R及びRは、上記定義の通りである)との反応段階を含む。式(2)に従う対称リン−含有ヘプタジン誘導体は、シュタウディンガー反応において、トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)と少なくとも3当量のホスフィンPRとの反応により同様に調製できる。当然、本発明の文脈において、該反応はまた、ホスフィンの好適な混合物を用いて行うこともできる。
【0027】
本発明に従う式(1)または(2)のリン−含有ヘプタジン誘導体が、シュタウディンガー反応を経て、トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)から簡単な手法で合成できることが立証された。該生成物は高収率で得ることができ、また十分に純粋であり得る。
【0028】
本発明に従う方法で使用する溶媒は何ら特定の制限を受けない。極性非プロトン性溶媒または溶媒混合液が通常このために使用される。
【0029】
該溶媒は好ましくは、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトニトリル及びピリジンから成る群から選択される。本発明に従う方法において、溶媒としてDMSOが特に好ましく使用される。
【0030】
本発明に従う方法において、トリアジドトリ−s−トリアジンと2以上のホスフィン基を有する化合物との反応による縮重合において放出される窒素ガスは、同時に、発泡剤として作用し、このため、この手法において、ポリマーフォームもまた生じ得る。
【0031】
あるいは、本発明に従う化合物はまた、メレムとオキシ塩化リン中の五塩化リンとの反応(C(N=PClが多数の様々な目的のために使用され得る中間体として得られる)と、それに続くこの中間体とX−OH型の化合物(ここでXは、上記定義のアルキル、アリールまたは複素環基である)との1以上の塩素原子の求核置換を伴う反応、または−N=PCl基と例えばX−MgHalのようなグリニャール試薬やLi−Xなどの好適な有機金属化合物との反応、との2段階プロセスでも得られ得る。
【0032】
本発明のさらなる主題は、特にプラスチック、織物、木材製品、紙、ボール紙製物品、プラスター、絶縁材料および建築資材複合物のための難燃剤として上記定義の式(1)または(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の使用である。
【0033】
しかしながら、さらに、本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体はまた、本発明に従う該誘導体の光学、アコースティック、マグネティックまたは(オプト)エレクトロニクス特性を使用する物質の調製においても使用される。このような場合、さらに、本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体がハロゲン原子を含むこともまた可能である。
【0034】
さらに、本発明に従うリン−含有ヘプタジン誘導体はまた、既に言及したポリマーフォームの調製のために使用され得る。
【0035】
本発明は以下の制限されない実施例によりさらに説明される。
【実施例】
【0036】
実施例
全ての反応は、シュレンク及びグローブボックス技術を使用して保護ガス下で実施した。市販の(アルドリッチ(Aldrich))出発物質を使用した。トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)を文献の方法に従い合成した。
【0037】
以下の実施例1〜4の一般的な反応は、以下:
【0038】
【化5】

【0039】
のように進めた。
【0040】
実施例1
=R=R=Ph
65mg(0.22mol)の純粋なトリアジドを、磁気スターラーバーを備えたシュレンクフラスコ(50ml)中の乾燥DMSOに溶解した。P10で予め乾燥させた全量190mg(0.72mmol)の微粉砕P(Ph)を攪拌しながら少量ずつ溶液に添加した。この工程においてP(Ph)を完全に溶液中に移すと、僅かなガス発生及び反応混合物のさらに非常に濃い黄色への着色を観察できた。該反応混合物は約30分後に濁った。周囲温度でさらに1時間攪拌した後、白色沈殿を得た。該懸濁液を遠心し、上澄み溶液をデカントした。残った固体を減圧下、80℃で乾燥させ、次いで溶媒が無いことをIRスペクトルにより確認した。白色固体、収量:145mg(使用したC16ベースで66%)FT−IR (KBr、cm−1):1620(vs),1393(vs),1273(s),1182(m),1109(s),1037(m),926(m),720(m),533(m).MS(MALDI,m/z)999.7(M+H),739.5(M−PPh+3H).加熱中の観察:210−215℃黄色、230℃から茶色生成物、このIRスペクトルは合成されたヘプタジン誘導体に等しい。
【0041】
実施例2
=R=R=Me
0.5mlのP(Me)を、磁気スターラーバーを備えたシングルネックシュレンクフラスコ(50ml)に入れた。これに、10mlの乾燥DMSO(dry DMSO)中の440mg(1.5mmol)のC16溶液をここに周囲温度でゆっくり滴下した。この工程において、激しいガスの放出及び反応混合物の昇温が生じた。この後、該反応混合物を水浴中でDMSOの凝固点のすぐ上まで冷却した。C16溶液の約半分量を滴下後、該物質の更なる脱色は生じなかった。C16を全量添加した後、該溶液を減圧下で濃縮し、次いで80−90℃で揮発成分を除去した。
【0042】
実施例3
=R=R=n−ブチル
0.85ml(3.4mmol)のトリ(n−ブチル)ホスフィンを、磁気スターラーバーを備えたシュレンクフラスコ(50ml)に入れた。これに、約10mlの乾燥DMSO中の300mg(1mmol)のC16溶液を周囲温度でゆっくり滴下した。この工程において、溶液は、僅かなガス放出を伴いながらオレンジ−黄に変色し、そして更なる攪拌後、明るい黄色になった。混合物を一晩攪拌した。ちなみに、黄色がかった溶液上部でオフ−ホワイト懸濁液への相分離が生じた。保護ガス下で焼結ガラス漏斗を通して濾過することにより白色固体を得た。該固体を少量のDMSOで洗浄し、次いで減圧下で乾燥させた。残った物質(533mg、C16ベースで65%。)をTHFから再結晶させた。クリアーな無色の結晶が生成し、これは、周囲の溶媒を伴うことなく、急速に曇った。MS(MALDI、m/z)619.6(M−P(n−Bu)+3H);419.2(M−2P(n−Bu)+5H)。
【0043】
実施例4
=R=R=m−クレシル
1.25mlのトリ(m−クレシル)ホスフィンを、磁気スターラーバーを備えたシュレンクフラスコ(50ml)に入れた。これに、約10mlの乾燥DMSO中の300mg(1mmol)のC16溶液を周囲温度でゆっくり滴下した。この工程において、僅かな昇温及び弱いガス放出が観察された。反応混合物を一晩攪拌し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。残った黄−褐色オイルをTHFに溶解し、そして加熱して還流させた。この工程において、ベージュ色の沈殿を得て、これは濾過して、次いで空気中で乾燥させ、収量142mgであった。
【0044】
加熱中の観察(「融点の決定」):178℃からダークブラウンに変色し、さらに340℃まで変化せず。IR分光法により、トリアジド出発化合物のトレースは変色の原因であることが証明された。380℃までさらなる変化がないということは、得られたリン−含有ヘプタジン誘導体が高い熱安定性を有することの証である。
【0045】
実施例5
中間体C(N=PClの調製
熱した蒸留水で洗浄し、かつ、減圧下で乾燥させたメレム(1.00g、4.58mmol)を保護ガス下、POCl中でPClと懸濁する。この黄褐色懸濁液を20時間攪拌しながら加熱還流させ、かさばった(bulky)白色固体を形成させた。遠心除去し、そして乾燥ペンタン(dry pentan)で繰り返し洗浄することにより、該生成物を過剰のPCl及びPOClをから分離した。元素分析及び質量分析はC(N=PClの形成を確かなものとした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(ここで、R、R及びRは互いに独立して、アジド基−Nまたは−N=PR基であり(但し、R、R及びRの少なくとも一つの基は−N=PR基である)、ここでR、R及びRは互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルコキシ基、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾチエニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチル、ナフトキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルシリル及びピリジルからなるα基より選択される基であり、これらは、それぞれ、互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジル、フェニル及び4−メトキシフェニルからなるβ基より選択される1〜5の置換基により置換され得る)
で表される、非対称及び対称リン−含有ヘプタジン誘導体、ならびにそれらから誘導されたオリゴマー及びポリマー。
【請求項2】
式(2):
【化2】

(ここでR、R及びRは互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C12−アルコキシ基、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾチエニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチル、ナフトキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルシリル及びピリジルからなるα基より選択される基であり、これらは、それぞれ、互いに独立して、直鎖または分岐鎖C−C−アルキル基、C−C−シクロアルキル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルケニル基、直鎖または分岐鎖C−C−アルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジル、フェニル及び4−メトキシフェニルからなるβ基より選択される1〜5の置換基により置換され得る)
で表される、請求項1に記載のリン−含有ヘプタジン誘導体、ならびにそれらから誘導されたオリゴマー及びポリマー。
【請求項3】
、R及びRが、それぞれ、直鎖または分岐鎖C−C12−アルキル基である、請求項1または2に記載のリン−含有ヘプタジン誘導体。
【請求項4】
、R及びRが、それぞれメチルまたはそれぞれn−ブチルである、請求項1または2に記載のリン−含有ヘプタジン誘導体。
【請求項5】
、R及びRが、それぞれフェニルまたはそれぞれm−クレシルである、請求項1または2に記載のリン−含有ヘプタジン誘導体。
【請求項6】
シュタウディンガー反応において、トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)と少なくとも1当量のホスフィンPR(ここで、R、R及びRは、上記定義の通りである)との反応の段階を含む、前記請求項1〜5の1つに記載の式(1)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の製造方法。
【請求項7】
シュタウディンガー反応において、トリアジドトリ−s−トリアジン(C16)と少なくとも3当量のホスフィンPR(ここで、R、R及びRは、上記定義の通りである)との反応の段階を含む、前記請求項2〜5の1つに記載の式(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の製造方法。
【請求項8】
メレム(melem)とオキシ塩化リン中の五塩化リンとの反応(C(N=PClが中間体として得られる)、その後この中間体とX−OH型の化合物(ここでXは、上記定義のアルキル、アリールまたは複素環基である)との1以上の塩素原子の求核置換を伴う反応、または好適な有機金属化合物との反応を含む、前記請求項1〜5の1つに記載の式(1)または(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の製造方法。
【請求項9】
特にプラスチック、織物、木材製品、紙、ボール紙製物品(cardboard articles)、プラスター、絶縁材料および建築資材複合物のための難燃剤としての、またはポリマーフォームの製造のための、前記請求項1〜5の1つに記載の式(1)または(2)に従うリン−含有ヘプタジン誘導体の使用。

【公表番号】特表2008−514560(P2008−514560A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532806(P2007−532806)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009903
【国際公開番号】WO2006/034784
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(500585823)ユニヴェルシテート コンスタンツ (1)
【Fターム(参考)】