リンス処理方法、現像処理装置、および制御プログラム
【課題】対象基板によらず現像欠陥の少なくなる条件を迅速に把握して現像処理後のリンス処理を行うことができるリンス処理方法を提供すること。
【解決手段】露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法は、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程(ステップ1)と、基板の表面状態を測定する工程(ステップ2)と、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程(ステップ3)と、選択された条件でリンス処理を行う工程(ステップ4)とを有する。
【解決手段】露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法は、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程(ステップ1)と、基板の表面状態を測定する工程(ステップ2)と、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程(ステップ3)と、選択された条件でリンス処理を行う工程(ステップ4)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光パターンを現像処理した後の半導体ウエハ等の基板をリンス処理するリンス処理方法およびそのようなリンス処理を行う現像処理装置、ならびに上記方法を実行する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の表面にレジスト液を供給してレジスト膜を形成し、レジスト塗布後のウエハに対して所定のパターンに対応して露光処理を行った後に当該ウエハのレジスト膜に形成された露光パターンを現像するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により所定のパターンを形成するためのマスクとしてレジストパターンが形成される。
【0003】
このようなフォトリソグラフィー技術の各工程の中で現像処理においては、ウエハに現像液を供給し、その全面に現像液パドルを形成し、所定時間自然対流により現像処理を進行させた後、リンス処理により現像液を除去し、その後乾燥処理を行う。このリンス処理は、溶解生成物等の現像残渣を除去する重要な工程であり、この工程が不十分であると多数の現像欠陥が生じて製品歩留まりが低下してしまう。
【0004】
従来から、この現像欠陥は、通常、リンス条件等を調整することにより少なくすることが可能なことがわかっており、現像欠陥の発生状況を見ながら現像欠陥が少なくなるようにリンス条件等を調整する方法が行われている。
【0005】
また、特許文献1には、表面検査装置等で実際に現像欠陥を測定する方法は必ずしも信頼性の高い測定を行うことができるとは限らないし、装置も高価であるとし、このような不都合が生じない技術として、現像処理後のリンス処理を行った後、基板の表面を前処理液に浸して、基板表面に付着している現像液中の成分を前処理液に溶かし、前処理液を分析して現像液中の成分を定量分析することにより現像欠陥を把握し、その結果からリンス液の供給時間等を設定する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記のように現像欠陥を把握する方法を採用したとしても、現像欠陥を少なくすることができる条件は現像液が塗布されるレジストの材料によって異なっており、材料が変わる度毎に条件出しを行わざるを得ず、装置の立ち上げに要する作業工数が増大してしまう。また、現像欠陥を把握した後の条件出し作業であるため、必ずしも最適な条件が見出せるとはかぎらない。
【特許文献1】特開2002−57093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、対象基板によらず現像欠陥の少なくなる条件を迅速に把握して現像処理後のリンス処理を行うことができるリンス処理方法、およびそのようなリンス処理を行う現像処理装置を提供することを目的とする。また、そのような製造方法を実行する制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法であって、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程と、基板の表面状態を測定する工程と、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程と、前記選択された条件でリンス処理を行う工程とを有することを特徴とするリンス処理方法を提供する。
【0009】
上記第1の観点において、前記表面状態を測定する工程は、基板の表面状態として、リンス液に対する接触角を測定するものとすることができる。また、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理の条件を設定するものとすることができる。
【0010】
本発明の第2の観点では、基板上のレジスト膜に形成された露光パターンを現像する現像処理装置であって、基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理部と、現像処理を行う基板の表面状態を測定する表面状態測定部と、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報が記憶された記憶部と、前記記憶部から前記表面状態測定部において測定した基板の表面状態に対応する条件を選択し、その条件でリンス処理が行われるように前記現像処理部を制御する制御部とを具備することを特徴とする現像処理装置を提供する。
【0011】
上記第2の観点において、前記表面状態測定部は、基板表面のリンス液に対する接触角を測定するものとすることができる。また、前記記憶部は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルを有するものとすることができる。
【0012】
本発明の第3の観点では、基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、基板の表面状態を測定する装置に基板の表面状態を測定させる機能と、記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報から、前記測定された表面状態に対応する条件を選択する機能と、選択された条件でリンス処理を実行させる機能とを有することを特徴とする制御プログラムを提供する。
【0013】
上記第3の観点において、前記表面状態は、基板表面のリンス液に対する接触角とすることができる。また、前記記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の表面状態の基板について現像欠陥の発生挙動を把握した。その結果、現像欠陥の発生挙動が現像後の基板表面の状態に大きく依存することを見出した。そこで、本発明では、予め基板の表面状態に応じてリンス処理条件を設定しておき、基板の表面状態を測定し、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理条件を選択し、選択された条件でリンス処理を行う。このため、各表面状態に対応して現像欠陥が生じ難い最適なリンス処理条件を設定しておくことにより、表面状態さえ把握すれば、それに対応する最適なリンス条件を迅速に選択することができ、その条件で基板のリンス処理を行うことができる。したがって、対象基板によらず最適条件を迅速に把握して現像欠陥の少ないリンス処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明のリンス処理方法が実施される現像処理装置が搭載されたレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0016】
このレジスト塗布現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置2との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0017】
上記カセットステーション10は、被処理体としての複数枚のウエハWを搭載したウエハカセットCRを搬入出するためのものである。このカセットステーション10においては、図1に示すように、カセットCを載置する載置台20上に図中X方向に沿って4個の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRが載置可能となっている。また、カセットステーション10は、ウエハカセット載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能およびθ方向に回転可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、この搬送アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっているとともに、処理ステーション11にもアクセスできるようになっている。
【0018】
上記処理ステーション11は、ウエハWへ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理ユニット群に分かれており、各処理ユニット群は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
【0019】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0020】
また、図1に示すように、4個の処理ユニット群G1,G2,G3,G4が搬送路22aの周囲に実際に配置されており、処理ユニット群G5は必要に応じて配置可能となっている。
【0021】
これらのうち、第1および第2の処理ユニット群G1,G2はシステム正面(図1において手前)側に並置され、第3の処理ユニット群G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G4はインターフェイス部12に隣接して配置されている。第5の処理ユニット群G5は背面部に配置可能となっている。
【0022】
第1の処理ユニット群G1では、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置してウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(COT)および同様にカップCP内でレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ユニット群G2も同様に、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。なお、現像処理ユニット(DEV)は、後述する現像処理装置80の主要部を構成する。
【0023】
第3の処理ユニット群G3は、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられて構成されており、具体的には、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0024】
第4の処理ユニット群G4も、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられて構成されており、具体的には、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および3つのホットプレートユニット(HP)が下から順に7段に重ねられており、さらにその上に、レジストを形成した後のウエハWの表面状態を測定する測定部85が設けられている。この測定部85は、後述する現像処理装置80の一部を構成する。
【0025】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理ユニット群G5を設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっており、第5の処理ユニット群G5を設けた場合でも、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
上記インターフェイス部12には、図1、図2に示すように、正面部に可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部に周辺露光装置23が配設され、中央部にウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24は、X方向、Z方向に移動可能でありさらにθ方向に回転可能なウエハ搬送用アーム24aを有しており、両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23、第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置2のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0027】
レジスト塗布現像処理システム1の各ユニットおよび各搬送機構等の各構成部は、CPUを備えたプロセスコントローラ101に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ101は上位コントローラとして機能し、各搬送機構や各ユニットに個別的に設けられた下位のコントローラを制御するようになっている。プロセスコントローラ101には、工程管理者がレジスト塗布現像処理システム1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、レジスト塗布現像処理システム1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス102と、レジスト塗布現像処理システム1で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部103とが接続されている。
【0028】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェイス102からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させることで、プロセスコントローラ101の制御下で、レジスト塗布現像処理システム1において所望の各種処理が行われる。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどの読み出し可能な記憶媒体に格納された状態のものであってもよく、さらに、適宜の装置から例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。なお、各構成部には下位のコントローラが設けられており、これらコントローラがプロセスコントローラ101の指令に基づいて各構成部の動作制御を行うようになっている。
【0029】
このように構成されるレジスト塗布現像処理システムにおいては、まず、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aがウエハカセットCRにアクセスして、そのカセットCRから一枚のウエハWを取り出し、処理ステーション11の第3の処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0030】
このウエハWは、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、第3の処理ユニット群G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。その後、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0031】
所定の温度に冷却されたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは処理ユニット群G3,G4のいずれかのホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて所定の温度に冷却される。
【0032】
このようにしてレジスト膜が形成されたウエハWは、第3の処理ユニット群G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理ユニット群G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0033】
インターフェイス部12では、余分なレジストを除去するために周辺露光装置23によりウエハの周縁例えば1mmを露光し、次いで、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置2により所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
【0034】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定の温度に冷却される。
【0035】
その後、ウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送され、そこで後述するように本実施形態の現像処理が行われる。現像処理終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定温度に冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0036】
次に、本発明の一実施形態に係るリンス処理方法が実施される現像処理装置80について詳細に説明する。図4は現像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【0037】
この現像処理装置80は、図4に示すように、主要部をなす現像処理ユニット(DEV)と、現像処理ユニット(DEV)をプロセスコントローラ101の管理のもとに制御するコントローラ90と、ウエハWの表面状態を測定する測定部85と、ウエハの表面状態を複数にグループ分けし、それぞれのグループに対して最適なリンス処理および乾燥処理の条件を対応づけてなる制御テーブルが格納された記憶部86とを有している。そして、測定部85で測定されたウエハWの表面状態、例えばリンス液に対する接触角がコントローラ90に出力され、コントローラ90が記憶部86に格納された制御テーブルからその表面状態に対応するリンス処理および乾燥処理条件を選択し、選択した条件により現像処理ユニット(DEV)のリンス処理を制御する。
【0038】
次に、上記現像処理装置80の主要部をなす現像処理ユニット(DEV)について説明する。図5は現像処理ユニット(DEV)を示す断面図、図6はその平面図、図7はその液供給系を示す概略図である。なお、図5,6においても、図1〜3と同様、水平面の直行する2方向をX方向およびY方向とし、垂直方向をZ方向としている。
【0039】
この現像処理ユニット(DEV)は筐体51を有し、筐体1の天井には筐体内に清浄空気のダウンフローを形成するためのファン・フィルタユニットFが設けられている。また、筐体51内の中央部には環状のカップCPが配置され、カップCPの内側にはスピンチャック52が配置されている。スピンチャック52は真空吸着によってウエハWを固定保持する。スピンチャック52の下方には駆動モータ53が配置されており、スピンチャック52は駆動モータ53によって回転駆動される。駆動モータ53は床板54に取り付けられている。
【0040】
カップCPの中には、ウエハWを受け渡しする際の昇降ピン55がエアシリンダ等の駆動機構56により昇降可能に設けられている。また、カップCP内には、廃液用のドレイン口57が設けられている。このドレイン口57に廃液管58(図6参照)が接続され、この廃液管58は、図6に示すように、底板54と筐体51との間の空間Nを通って、下方の図示しない廃液口へ接続されている。
【0041】
筐体51の側壁には、主搬送機構22におけるウエハ搬送装置46の保持部材48が侵入するための開口51aが形成されており、この開口51aはシャッタ59により開閉可能となっている。そしてウエハWの搬入出に際してはシャッタ59が開けられ、保持部材48が筐体51内に侵入する。保持部材48とスピンチャック52との間のウエハWの受け渡しは、上記昇降ピン55が上昇した状態で行われる。
【0042】
カップCPの上方には、ウエハWの表面に現像液を供給するための現像液供給ノズル61と、現像後のウエハWに例えば純水からなるリンス液を供給するリンス液供給ノズル62とが、ウエハW上の供給位置とウエハWの外方の待機位置との間で移動可能に設けられている。
【0043】
現像液供給ノズル61は、長尺状をなしその長手方向を水平にして配置され、下面に複数の吐出口を有しており、吐出された現像液が全体として帯状になるようになっている。そして、この現像液供給ノズル61は、第1のノズルスキャンアーム64の先端部に保持部材65によって着脱可能に取り付けられており、第1のノズルスキャンアーム64は、底板54の上にY方向に沿って敷設された第1のガイドレール71上から垂直方向に延びた第1の垂直支持部材72の上端部に取り付けられている。現像液供給ノズル61は、第1の垂直支持部材72とともにY軸駆動機構73によってY方向に沿って水平移動するようになっている。また、第1の垂直支持部材72はZ軸駆動機構74によって昇降可能となっており、現像液供給ノズル61は、第1の垂直支持部材72の昇降によってウエハWに近接した吐出可能位置とその上方の非吐出位置との間で移動されるようになっている。そして、現像液の塗布の際には、現像液供給ノズル61はウエハWの上方に位置され、その現像液供給ノズル61から現像液を帯状に吐出させながら、ウエハWを1/2回転以上、例えば1回転させることにより、現像液がウエハW全面に塗布され、現像液パドルが形成される。なお、現像液吐出の際には、ウエハWを回転させずに現像液供給ノズル61を第1のガイドレール71に沿ってスキャンさせてもよい。
【0044】
リンス液ノズル62は、ストレートノズルとして構成されており、現像工程終了後、ウエハW上に移動されて、ウエハW上の現像パターンが形成されたレジスト膜に例えば純水からなるリンス液を供給するようになっている。このリンス液供給ノズル62は、第2のノズルスキャンアーム66の先端部に着脱可能に取り付けられている。底板54の上の第1のガイドレール71の外側には第2のガイドレール75が敷設されており、第2のノズルスキャンアーム66は、この第2のガイドレール75上から垂直方向に延びた第2の垂直支持部材76の上端部にX軸駆動機構79を介して取り付けられている。リンス液供給ノズル62は、第2の垂直支持部材76とともにY軸駆動機構77によってY方向に沿って水平移動するようになっている。また、第2の垂直支持部材76はZ軸駆動機構78によって昇降可能となっており、リンス液供給ノズル62は、第2の垂直支持部材76の昇降によってウエハWに近接した吐出可能位置とその上方の非吐出位置との間で移動されるようになっている。また、第2のノズルスキャンアーム66は、上記X軸駆動機構79によりX方向に沿って移動可能に設けられている。なお、リンス液供給ノズル62の形状は特に限定されず、現像液供給ノズル61と同様、長尺で多数の吐出口が設けられているものであってもよく、吐出口がスリット状のスリットノズルであってもよい。また、図8に示すように、第2のノズルスキャンアーム66にリンス液供給ノズル62とともにN2ガス等の不活性ガスを吐出する不活性ガス供給ノズル63を設け、この不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心に不活性ガスを供給してウエハW中心部のリンス液の乾燥促進を図るようにしてもよい。
【0045】
Y軸駆動機構73,77、Z軸駆動機構74,78、X軸駆動機構79および駆動モータ53は、前記コントローラ90により制御されるようになっている。
【0046】
図6に示すように、カップCPの右側には、現像液供給ノズル61が待機する現像液供給ノズル待機部61aが設けられており、この現像液供給ノズル待機部61aには現像液供給ノズル61を洗浄する洗浄機構(図示せず)が設けられている。また、カップCPの左側にはリンス液供給ノズル62が待機するリンス液供給ノズル待機部62aが設けられており、このリンス液供給ノズル待機部62aにはリンス液供給ノズルを洗浄する洗浄機構(図示せず)が設けられている。
【0047】
図7に示すように、現像液供給ノズル61には、現像液を貯留した現像液タンク91から現像液を供給する現像液供給配管92が接続されている。現像液供給配管92には、現像液を供給するためのポンプ93およびオン・オフバルブ94が介装されている。また、リンス液供給ノズル62には、リンス液として純水を貯留した純水タンク95から純水を供給するリンス液供給配管96が接続されている。リンス液供給配管96には、純水を供給するためのポンプ97およびオン・オフバルブ98が介装されている。
【0048】
これらポンプ93,97、オン・オフバルブ94,98も、前記Y軸駆動機構73,77、Z軸駆動機構74,78、X軸駆動機構79および駆動モータ53と同様、コントローラ90に電気的に接続されて制御される。
【0049】
次に、測定部85の構成について説明する。図9は測定部85の概略構成を示す断面図である。この測定部85は、筐体111と、筐体111内でウエハWを保持するスピンチャック112と、スピンチャック112を回転させるモータと、リンス液(典型的には純水)を滴下するためのノズル114と、ウエハWに滴下したリンス液の状態を検出するCCDカメラ等の検出器115とを有している。
【0050】
このような測定部85を用いて接触角を測定するためには、例えば図10に示すように、まず、リンス液(純水)をウエハW上の所定の位置に定量滴下して塗布部(水滴)116を形成し(図10の(a))、次いでウエハWを回転させ(図10の(b))、塗布部(水滴)116の移動状態を検出器115で検出する(図10の(c))。リンス液(純水)の動的接触角は、塗布部(水滴)116の移動量および移動に要する時間、ウエハの回転数を用いて算出することができる。また、図11に示すように、滴下したリンス液(純水)を拘束するようにすることによっても動的接触角を推定することができる。すなわち、まず、拘束部を兼用するノズル114からリンス液(純水)をウエハW上の所定位置に定量滴下して塗布部(水滴)116を形成するとともに、塗布部(水滴)116をノズル114の下端により拘束(保持)する(図11の(a))。次いで、その状態を保ったままウエハを回転させ(図11の(b))、検出器115により、拘束部から移動したリンス液の量を測定する(図11の(c))。このリンス液の量の測定結果から動的接触角を算出することができる。
【0051】
次に、記憶部86に記憶された制御テーブルについて説明する。
現像後のリンス処理を行う場合には、通常、現像液が保持されているウエハにリンス液(純水)を供給しつつウエハを回転させて、現像液をリンス液に置換した後、リンス液を振り切る。この場合に、ウエハW表面でのリンス液の広がり方が現像後のウエハWの表面状態(例えば接触角)に大きく依存することが判明した。そして、現像後の欠陥の生じ方はリンス処理(リンス・乾燥時)におけるリンス液の広がり方に大きく左右される。このため、各種表面状態毎にリンス処理でのリンス液の状態(広がり方)を把握しておき、それぞれについて現像欠陥が最小となる最適なリンス液の広がり方が達成可能なレシピを準備しておけば、ウエハの表面状態を検出することにより、それに対応した最適なレシピを選択することができる。このため、図12に示すように、リンス液の広がり方の分類に対応してウエハの表面状態を複数にグループ分けし、それぞれのグループに対して最適なリンス処理および乾燥処理の条件(レシピ)を対応づけてなる制御テーブル120を記憶部86に格納し、ウエハの表面状態に応じた適切な処理を可能とする。
【0052】
以下具体的に説明する。
図13は、ウエハ表面(膜が形成されている場合にはその膜の表面)の純水に対する接触角と、リンス処理におけるリンス・乾燥時のリンス液の広がり方との関係を具体的に示すものであり、横軸に膜を形成しない場合および種々の膜を形成した場合の純水に対する接触角をとり、縦軸にリンス処理時のウエハ表面でのリンス液の状態(例えば中心から乾く、あるいは外側から乾くといった状態)を調査し、それを分類した1〜5の5つのグループをとる。
【0053】
この図を見ると接触角が10度以下のA、B(例えば、ベアシリコンウエハや所定の種類のBARC)の場合、リンス液の状態はグループ1に分類され、接触角が10〜20度のC、D(例えば、KrFレジストやMUVレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ2に分類され、接触角が20〜25度のE(例えば、特定の種類のArFレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ3に分類され、接触角が25〜30度のF(例えば、特定の種類のArFレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ4に分類され、接触角が30度以上のG、H、I、J、K(例えば、特定の種類のArFレジスト、BARC)の場合、リンス液の状態はグループ5に分類される。すなわち、この図からリンス・乾燥処理の際のリンス液の状態と現像後のウエハ表面状態には明確な相関があることがわかる。
【0054】
そして、上述したように、現像後の欠陥の生じ方は、リンス処理の際のリンス液の状態(リンス液の広がり方等)により大きく左右されるから、リンス処理時のリンス液の状態(広がり方)を最適にすることにより、現像欠陥を最小にすることができる。したがって、各種接触角(表面状態)についてウエハに対して最適なリンス液の状態が可能なレシピを準備しておけば、処理対象のウエハの接触角(表面状態)を測定することにより、それに対応する最適なレシピを選択して現像処理後のリンス処理(リンス・乾燥)を行うことができる。これにより、現像欠陥を少なくすることができ、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0055】
そのため、図12に示す制御テーブル120では、リンス液(純水)に対する接触角をグループ1〜5に分け、それぞれ最適なレシピとしてレシピa〜eを割り当て、測定された接触角に対して割り当てられたレシピによりリンス処理が行われるようにする。
【0056】
実際には、以下のようなレシピが例示される。
図12のグループ1は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が10度以下であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピaは、例えば図14に示すように、まず、現像後、ウエハWを回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、ウエハ全域にリンス液(純水)の膜202を形成する(図14の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら必要に応じて最初に不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガス等の不活性ガスを短時間供給し、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図14の(b))。ウエハを回転させながら中心から外周へ乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図14の(c))。このときウエハWの中心側から外側に向けてリンス液供給ノズル62をスキャンさせながらリンス液を供給するスキャンリンスを行ってもよい。
【0057】
図12のグループ2は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が10〜20度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピbは、例えば図15に示すように、まず、現像後、ウエハWを回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、ウエハ全域にリンス液(純水)の膜202を形成する(図15の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら、必要に応じて不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガス等の不活性ガスを短時間供給し、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図15の(b))。ウエハを回転させた状態で、ウエハWの中心側から外側に向けてリンス液供給ノズル62をスキャンさせながらリンス液を供給するスキャンリンスを行いながら中心から外周へ乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図15の(c))。このようなスキャンリンスにより、途中で液膜が切れてその部分で現像欠陥が残存することが防止される。
【0058】
図12のグループ3は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が20〜25度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピcは、例えば図16に示すように、まず、現像後、ウエハWを停止した状態またはウエハWを低速で回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、その際に形成されるリンス液と現像液との境界面がウエハWの外縁に達する前にリンス液の供給を停止して、ウエハWの中央部(例えば中心から半径50mm程度)にリンス液の膜202を形成する(図16の(a))。引き続き、ウエハWを回転させながら不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガスを短時間供給して、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図16の(b))。ウエハを回転させ、リンス液で現像液パドル201を押し出すようにして乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図16の(c))。このように現像液をリンス液に完全に置換せず、現像液をリンス液で押し出すようにして乾燥を進行させるので、ウエハWの表面の接触角が比較的高くてもリンス液が途中でとぎれてその部分に現像欠陥が残存することが防止される。なお、不活性ガスの供給はリンス液の停止直前にリンス液の供給と同時に行ってもよい。
【0059】
図12のグループ4は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が25〜30度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピdは、例えば上記図16と基本的に同じで細部が異なるレシピが採用される。
【0060】
図12のグループ5は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が30度以上であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピeは、例えば図17に示すように、まず、図16の(a)と同様にしてウエハWの中央部(例えば中心から半径50mm程度)にリンス液の膜202を形成し(図17の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら、図16の(b)とは異なり、N2ガス等の不活性ガスを供給せずに、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図17の(b))。ウエハを回転させ、リンス液で現像液パドル201を押し出すようにして乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図17の(c))。この場合、レシピcと同様に、現像液をリンス液で押し出すようにして乾燥を進行させるので、ウエハWの表面の接触角が高くてもリンス液が途中でとぎれてその部分に現像欠陥が残存することが防止される。
【0061】
次に、以上のような現像処理装置80を用いて行われる、本発明の一実施形態に係るリンス処理方法について図18のフローチャートを示す図を参照しながら説明する。
【0062】
まず、予め記憶部86に図12に示すリンス液(純水)に対する接触角をグループ1〜5に分け、それぞれ最適なレシピとしてレシピa〜eを割り当てた制御テーブル120を格納しておき、コントローラ90の指令によりレシピa〜eを実行可能にしておく(ステップ1)。
【0063】
次いで、1枚目のウエハに対して、上述したようにしてレジスト塗布処理、露光処理および現像処理を行った後、そのウエハを測定部85に搬送し、現像後のリンス液(純水)に対する接触角を計測する(ステップ2)。このとき、現像後のリンス処理条件は、初期の設定となっている。
【0064】
次いで、測定されたウエハWの接触角を測定部85からコントローラ90に出力し、コントローラ90は記憶部86に格納された制御テーブル120からその接触角に対応するリンス処理のレシピを選択する(ステップ3)。
【0065】
そして、次のウエハについてレジスト塗布処理および露光処理が終了後、現像処理ユニット(DEV)に搬入し、現像液供給ノズル61をウエハWの上方に移動させ、現像液供給ノズル61から現像液を帯状に吐出させ、ウエハWを1/2回転以上、例えば1回転させることにより現像液パドルを形成した後に、上記選択したレシピを用いてリンス処理を行う(ステップ4)。
【0066】
このとき、制御テーブル120には、各接触角のグループに応じて、現像欠陥の少ない最適なレシピが設定されているため、測定された接触角に対応したレシピを選択しさえすれば、それ用いて現像欠陥の極めて少ない現像後のリンス処理を行うことができる。
【0067】
このように、各接触角のグループに対応して現像欠陥が生じ難い最適なレシピを設定しておくことにより、ウエハの接触角さえ測定すれば、それに対応する最適なレシピを迅速に選択することができ、その条件でウエハWのリンス処理を行うことができる。したがって、対象ウエハによらず最適条件を迅速に把握して現像欠陥の少ないリンス処理を行うことができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、記憶部86に制御テーブル120を設定したが、必ずしもこのような制御テーブルを用いる必要はない。また、上記実施形態では、測定部85の測定結果に基づいて自動的にレシピを選択してリンス処理を実行するようにしたが、測定結果からオペレータが予め設定されている最適なレシピをボタン操作やモニター画面上での操作により選択し、そのレシピでリンス処理を行うようにしてもよい。さらに、測定部の位置は上記実施形態の位置に限らず、現像処理ユニット内であってもよく、レジスト塗布現像処理システムの他のユニットであってもよい。また、レジスト塗布現像処理システム外であってもよい。さらにまた、表面状態の指標として動的接触角を用いた例を示したが、静的接触角でもよく、また接触角以外の他の指標を用いてもよい。さらにまた、リンス液として純水を例示したが、純水に界面活性剤等の他の物質を添加したものであってもよい。さらにまた、本発明は、通常のレジスト露光プロセスの後の現像処理に限らず、液浸露光プロセス後の現像処理にも適用可能である。さらにまた、上記実施形態では本発明を半導体ウエハのリンス処理に適用したが、これに限らず、微細なレジストパターンが形成される基板であれば、液晶表示装置(LCD)用基板等、他の基板のリンス処理にも適用することができる。さらに、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記実施形態の要素を適宜組み合わせたもの、あるいは上記実施形態の要素を一部取り除いたものも本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のリンス処理方法が実施される現像処理装置が搭載されたレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図。
【図2】図1のレジスト塗布現像処理システムを示す正面図。
【図3】図1のレジスト塗布現像処理システムを示す背面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るリンス処理方法が実施される現像処理装置の全体構成を示すブロック図。
【図5】図4の現像処理装置の主要部をなす現像処理ユニットを示す断面図。
【図6】図4の現像処理装置の主要部をなす現像処理ユニットを示す平面図。
【図7】現像処理ユニットの液供給系を示す概略図。
【図8】リンス液供給ノズル62に隣接して不活性ガス供給ノズル63をノズルスキャンアーム66に搭載した状態を示す図。
【図9】測定部85の概略構成を示す断面図。
【図10】測定部85を用いてウエハ表面の動的接触角を測定する手順の一例を示す図。
【図11】測定部85を用いてウエハ表面の動的接触角を測定する手順の他の例を示す図。
【図12】記憶部に格納された制御テーブルを示す図。
【図13】ウエハ表面の純水に対する接触角と、リンス処理におけるリンス・乾燥時のリンス液の広がり方との関係を具体的に示す図。
【図14】ウエハ表面の接触角が10度以下の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図15】ウエハ表面の接触角が10〜20度の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図16】ウエハ表面の接触角が20〜25度の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図17】ウエハ表面の接触角が30度以上の場合における最適なリンス条件を説明するための図。
【図18】本発明のリンス処理方法の一例を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
51……筐体
52……スピンチャック
61……現像液供給ノズル
62……リンス液供給ノズル
63……不活性ガス供給ノズル
80……現像処理装置
85……測定部
86……記憶部
90……コントローラ
101……プロセスコントローラ
102……ユーザーインターフェイス
103……記憶部
120……制御テーブル
DEV……現像処理装置
W……半導体ウエハ
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光パターンを現像処理した後の半導体ウエハ等の基板をリンス処理するリンス処理方法およびそのようなリンス処理を行う現像処理装置、ならびに上記方法を実行する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の表面にレジスト液を供給してレジスト膜を形成し、レジスト塗布後のウエハに対して所定のパターンに対応して露光処理を行った後に当該ウエハのレジスト膜に形成された露光パターンを現像するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により所定のパターンを形成するためのマスクとしてレジストパターンが形成される。
【0003】
このようなフォトリソグラフィー技術の各工程の中で現像処理においては、ウエハに現像液を供給し、その全面に現像液パドルを形成し、所定時間自然対流により現像処理を進行させた後、リンス処理により現像液を除去し、その後乾燥処理を行う。このリンス処理は、溶解生成物等の現像残渣を除去する重要な工程であり、この工程が不十分であると多数の現像欠陥が生じて製品歩留まりが低下してしまう。
【0004】
従来から、この現像欠陥は、通常、リンス条件等を調整することにより少なくすることが可能なことがわかっており、現像欠陥の発生状況を見ながら現像欠陥が少なくなるようにリンス条件等を調整する方法が行われている。
【0005】
また、特許文献1には、表面検査装置等で実際に現像欠陥を測定する方法は必ずしも信頼性の高い測定を行うことができるとは限らないし、装置も高価であるとし、このような不都合が生じない技術として、現像処理後のリンス処理を行った後、基板の表面を前処理液に浸して、基板表面に付着している現像液中の成分を前処理液に溶かし、前処理液を分析して現像液中の成分を定量分析することにより現像欠陥を把握し、その結果からリンス液の供給時間等を設定する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記のように現像欠陥を把握する方法を採用したとしても、現像欠陥を少なくすることができる条件は現像液が塗布されるレジストの材料によって異なっており、材料が変わる度毎に条件出しを行わざるを得ず、装置の立ち上げに要する作業工数が増大してしまう。また、現像欠陥を把握した後の条件出し作業であるため、必ずしも最適な条件が見出せるとはかぎらない。
【特許文献1】特開2002−57093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、対象基板によらず現像欠陥の少なくなる条件を迅速に把握して現像処理後のリンス処理を行うことができるリンス処理方法、およびそのようなリンス処理を行う現像処理装置を提供することを目的とする。また、そのような製造方法を実行する制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法であって、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程と、基板の表面状態を測定する工程と、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程と、前記選択された条件でリンス処理を行う工程とを有することを特徴とするリンス処理方法を提供する。
【0009】
上記第1の観点において、前記表面状態を測定する工程は、基板の表面状態として、リンス液に対する接触角を測定するものとすることができる。また、予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理の条件を設定するものとすることができる。
【0010】
本発明の第2の観点では、基板上のレジスト膜に形成された露光パターンを現像する現像処理装置であって、基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理部と、現像処理を行う基板の表面状態を測定する表面状態測定部と、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報が記憶された記憶部と、前記記憶部から前記表面状態測定部において測定した基板の表面状態に対応する条件を選択し、その条件でリンス処理が行われるように前記現像処理部を制御する制御部とを具備することを特徴とする現像処理装置を提供する。
【0011】
上記第2の観点において、前記表面状態測定部は、基板表面のリンス液に対する接触角を測定するものとすることができる。また、前記記憶部は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルを有するものとすることができる。
【0012】
本発明の第3の観点では、基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、基板の表面状態を測定する装置に基板の表面状態を測定させる機能と、記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報から、前記測定された表面状態に対応する条件を選択する機能と、選択された条件でリンス処理を実行させる機能とを有することを特徴とする制御プログラムを提供する。
【0013】
上記第3の観点において、前記表面状態は、基板表面のリンス液に対する接触角とすることができる。また、前記記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の表面状態の基板について現像欠陥の発生挙動を把握した。その結果、現像欠陥の発生挙動が現像後の基板表面の状態に大きく依存することを見出した。そこで、本発明では、予め基板の表面状態に応じてリンス処理条件を設定しておき、基板の表面状態を測定し、測定された基板の表面状態から対応するリンス処理条件を選択し、選択された条件でリンス処理を行う。このため、各表面状態に対応して現像欠陥が生じ難い最適なリンス処理条件を設定しておくことにより、表面状態さえ把握すれば、それに対応する最適なリンス条件を迅速に選択することができ、その条件で基板のリンス処理を行うことができる。したがって、対象基板によらず最適条件を迅速に把握して現像欠陥の少ないリンス処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明のリンス処理方法が実施される現像処理装置が搭載されたレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0016】
このレジスト塗布現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置2との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0017】
上記カセットステーション10は、被処理体としての複数枚のウエハWを搭載したウエハカセットCRを搬入出するためのものである。このカセットステーション10においては、図1に示すように、カセットCを載置する載置台20上に図中X方向に沿って4個の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRが載置可能となっている。また、カセットステーション10は、ウエハカセット載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能およびθ方向に回転可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、この搬送アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっているとともに、処理ステーション11にもアクセスできるようになっている。
【0018】
上記処理ステーション11は、ウエハWへ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理ユニット群に分かれており、各処理ユニット群は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
【0019】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0020】
また、図1に示すように、4個の処理ユニット群G1,G2,G3,G4が搬送路22aの周囲に実際に配置されており、処理ユニット群G5は必要に応じて配置可能となっている。
【0021】
これらのうち、第1および第2の処理ユニット群G1,G2はシステム正面(図1において手前)側に並置され、第3の処理ユニット群G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G4はインターフェイス部12に隣接して配置されている。第5の処理ユニット群G5は背面部に配置可能となっている。
【0022】
第1の処理ユニット群G1では、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置してウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(COT)および同様にカップCP内でレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ユニット群G2も同様に、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。なお、現像処理ユニット(DEV)は、後述する現像処理装置80の主要部を構成する。
【0023】
第3の処理ユニット群G3は、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられて構成されており、具体的には、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0024】
第4の処理ユニット群G4も、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられて構成されており、具体的には、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および3つのホットプレートユニット(HP)が下から順に7段に重ねられており、さらにその上に、レジストを形成した後のウエハWの表面状態を測定する測定部85が設けられている。この測定部85は、後述する現像処理装置80の一部を構成する。
【0025】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理ユニット群G5を設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっており、第5の処理ユニット群G5を設けた場合でも、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
上記インターフェイス部12には、図1、図2に示すように、正面部に可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部に周辺露光装置23が配設され、中央部にウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24は、X方向、Z方向に移動可能でありさらにθ方向に回転可能なウエハ搬送用アーム24aを有しており、両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23、第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置2のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0027】
レジスト塗布現像処理システム1の各ユニットおよび各搬送機構等の各構成部は、CPUを備えたプロセスコントローラ101に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ101は上位コントローラとして機能し、各搬送機構や各ユニットに個別的に設けられた下位のコントローラを制御するようになっている。プロセスコントローラ101には、工程管理者がレジスト塗布現像処理システム1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、レジスト塗布現像処理システム1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス102と、レジスト塗布現像処理システム1で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部103とが接続されている。
【0028】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェイス102からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させることで、プロセスコントローラ101の制御下で、レジスト塗布現像処理システム1において所望の各種処理が行われる。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどの読み出し可能な記憶媒体に格納された状態のものであってもよく、さらに、適宜の装置から例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。なお、各構成部には下位のコントローラが設けられており、これらコントローラがプロセスコントローラ101の指令に基づいて各構成部の動作制御を行うようになっている。
【0029】
このように構成されるレジスト塗布現像処理システムにおいては、まず、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aがウエハカセットCRにアクセスして、そのカセットCRから一枚のウエハWを取り出し、処理ステーション11の第3の処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0030】
このウエハWは、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、第3の処理ユニット群G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。その後、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0031】
所定の温度に冷却されたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは処理ユニット群G3,G4のいずれかのホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて所定の温度に冷却される。
【0032】
このようにしてレジスト膜が形成されたウエハWは、第3の処理ユニット群G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理ユニット群G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0033】
インターフェイス部12では、余分なレジストを除去するために周辺露光装置23によりウエハの周縁例えば1mmを露光し、次いで、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置2により所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
【0034】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定の温度に冷却される。
【0035】
その後、ウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送され、そこで後述するように本実施形態の現像処理が行われる。現像処理終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定温度に冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0036】
次に、本発明の一実施形態に係るリンス処理方法が実施される現像処理装置80について詳細に説明する。図4は現像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【0037】
この現像処理装置80は、図4に示すように、主要部をなす現像処理ユニット(DEV)と、現像処理ユニット(DEV)をプロセスコントローラ101の管理のもとに制御するコントローラ90と、ウエハWの表面状態を測定する測定部85と、ウエハの表面状態を複数にグループ分けし、それぞれのグループに対して最適なリンス処理および乾燥処理の条件を対応づけてなる制御テーブルが格納された記憶部86とを有している。そして、測定部85で測定されたウエハWの表面状態、例えばリンス液に対する接触角がコントローラ90に出力され、コントローラ90が記憶部86に格納された制御テーブルからその表面状態に対応するリンス処理および乾燥処理条件を選択し、選択した条件により現像処理ユニット(DEV)のリンス処理を制御する。
【0038】
次に、上記現像処理装置80の主要部をなす現像処理ユニット(DEV)について説明する。図5は現像処理ユニット(DEV)を示す断面図、図6はその平面図、図7はその液供給系を示す概略図である。なお、図5,6においても、図1〜3と同様、水平面の直行する2方向をX方向およびY方向とし、垂直方向をZ方向としている。
【0039】
この現像処理ユニット(DEV)は筐体51を有し、筐体1の天井には筐体内に清浄空気のダウンフローを形成するためのファン・フィルタユニットFが設けられている。また、筐体51内の中央部には環状のカップCPが配置され、カップCPの内側にはスピンチャック52が配置されている。スピンチャック52は真空吸着によってウエハWを固定保持する。スピンチャック52の下方には駆動モータ53が配置されており、スピンチャック52は駆動モータ53によって回転駆動される。駆動モータ53は床板54に取り付けられている。
【0040】
カップCPの中には、ウエハWを受け渡しする際の昇降ピン55がエアシリンダ等の駆動機構56により昇降可能に設けられている。また、カップCP内には、廃液用のドレイン口57が設けられている。このドレイン口57に廃液管58(図6参照)が接続され、この廃液管58は、図6に示すように、底板54と筐体51との間の空間Nを通って、下方の図示しない廃液口へ接続されている。
【0041】
筐体51の側壁には、主搬送機構22におけるウエハ搬送装置46の保持部材48が侵入するための開口51aが形成されており、この開口51aはシャッタ59により開閉可能となっている。そしてウエハWの搬入出に際してはシャッタ59が開けられ、保持部材48が筐体51内に侵入する。保持部材48とスピンチャック52との間のウエハWの受け渡しは、上記昇降ピン55が上昇した状態で行われる。
【0042】
カップCPの上方には、ウエハWの表面に現像液を供給するための現像液供給ノズル61と、現像後のウエハWに例えば純水からなるリンス液を供給するリンス液供給ノズル62とが、ウエハW上の供給位置とウエハWの外方の待機位置との間で移動可能に設けられている。
【0043】
現像液供給ノズル61は、長尺状をなしその長手方向を水平にして配置され、下面に複数の吐出口を有しており、吐出された現像液が全体として帯状になるようになっている。そして、この現像液供給ノズル61は、第1のノズルスキャンアーム64の先端部に保持部材65によって着脱可能に取り付けられており、第1のノズルスキャンアーム64は、底板54の上にY方向に沿って敷設された第1のガイドレール71上から垂直方向に延びた第1の垂直支持部材72の上端部に取り付けられている。現像液供給ノズル61は、第1の垂直支持部材72とともにY軸駆動機構73によってY方向に沿って水平移動するようになっている。また、第1の垂直支持部材72はZ軸駆動機構74によって昇降可能となっており、現像液供給ノズル61は、第1の垂直支持部材72の昇降によってウエハWに近接した吐出可能位置とその上方の非吐出位置との間で移動されるようになっている。そして、現像液の塗布の際には、現像液供給ノズル61はウエハWの上方に位置され、その現像液供給ノズル61から現像液を帯状に吐出させながら、ウエハWを1/2回転以上、例えば1回転させることにより、現像液がウエハW全面に塗布され、現像液パドルが形成される。なお、現像液吐出の際には、ウエハWを回転させずに現像液供給ノズル61を第1のガイドレール71に沿ってスキャンさせてもよい。
【0044】
リンス液ノズル62は、ストレートノズルとして構成されており、現像工程終了後、ウエハW上に移動されて、ウエハW上の現像パターンが形成されたレジスト膜に例えば純水からなるリンス液を供給するようになっている。このリンス液供給ノズル62は、第2のノズルスキャンアーム66の先端部に着脱可能に取り付けられている。底板54の上の第1のガイドレール71の外側には第2のガイドレール75が敷設されており、第2のノズルスキャンアーム66は、この第2のガイドレール75上から垂直方向に延びた第2の垂直支持部材76の上端部にX軸駆動機構79を介して取り付けられている。リンス液供給ノズル62は、第2の垂直支持部材76とともにY軸駆動機構77によってY方向に沿って水平移動するようになっている。また、第2の垂直支持部材76はZ軸駆動機構78によって昇降可能となっており、リンス液供給ノズル62は、第2の垂直支持部材76の昇降によってウエハWに近接した吐出可能位置とその上方の非吐出位置との間で移動されるようになっている。また、第2のノズルスキャンアーム66は、上記X軸駆動機構79によりX方向に沿って移動可能に設けられている。なお、リンス液供給ノズル62の形状は特に限定されず、現像液供給ノズル61と同様、長尺で多数の吐出口が設けられているものであってもよく、吐出口がスリット状のスリットノズルであってもよい。また、図8に示すように、第2のノズルスキャンアーム66にリンス液供給ノズル62とともにN2ガス等の不活性ガスを吐出する不活性ガス供給ノズル63を設け、この不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心に不活性ガスを供給してウエハW中心部のリンス液の乾燥促進を図るようにしてもよい。
【0045】
Y軸駆動機構73,77、Z軸駆動機構74,78、X軸駆動機構79および駆動モータ53は、前記コントローラ90により制御されるようになっている。
【0046】
図6に示すように、カップCPの右側には、現像液供給ノズル61が待機する現像液供給ノズル待機部61aが設けられており、この現像液供給ノズル待機部61aには現像液供給ノズル61を洗浄する洗浄機構(図示せず)が設けられている。また、カップCPの左側にはリンス液供給ノズル62が待機するリンス液供給ノズル待機部62aが設けられており、このリンス液供給ノズル待機部62aにはリンス液供給ノズルを洗浄する洗浄機構(図示せず)が設けられている。
【0047】
図7に示すように、現像液供給ノズル61には、現像液を貯留した現像液タンク91から現像液を供給する現像液供給配管92が接続されている。現像液供給配管92には、現像液を供給するためのポンプ93およびオン・オフバルブ94が介装されている。また、リンス液供給ノズル62には、リンス液として純水を貯留した純水タンク95から純水を供給するリンス液供給配管96が接続されている。リンス液供給配管96には、純水を供給するためのポンプ97およびオン・オフバルブ98が介装されている。
【0048】
これらポンプ93,97、オン・オフバルブ94,98も、前記Y軸駆動機構73,77、Z軸駆動機構74,78、X軸駆動機構79および駆動モータ53と同様、コントローラ90に電気的に接続されて制御される。
【0049】
次に、測定部85の構成について説明する。図9は測定部85の概略構成を示す断面図である。この測定部85は、筐体111と、筐体111内でウエハWを保持するスピンチャック112と、スピンチャック112を回転させるモータと、リンス液(典型的には純水)を滴下するためのノズル114と、ウエハWに滴下したリンス液の状態を検出するCCDカメラ等の検出器115とを有している。
【0050】
このような測定部85を用いて接触角を測定するためには、例えば図10に示すように、まず、リンス液(純水)をウエハW上の所定の位置に定量滴下して塗布部(水滴)116を形成し(図10の(a))、次いでウエハWを回転させ(図10の(b))、塗布部(水滴)116の移動状態を検出器115で検出する(図10の(c))。リンス液(純水)の動的接触角は、塗布部(水滴)116の移動量および移動に要する時間、ウエハの回転数を用いて算出することができる。また、図11に示すように、滴下したリンス液(純水)を拘束するようにすることによっても動的接触角を推定することができる。すなわち、まず、拘束部を兼用するノズル114からリンス液(純水)をウエハW上の所定位置に定量滴下して塗布部(水滴)116を形成するとともに、塗布部(水滴)116をノズル114の下端により拘束(保持)する(図11の(a))。次いで、その状態を保ったままウエハを回転させ(図11の(b))、検出器115により、拘束部から移動したリンス液の量を測定する(図11の(c))。このリンス液の量の測定結果から動的接触角を算出することができる。
【0051】
次に、記憶部86に記憶された制御テーブルについて説明する。
現像後のリンス処理を行う場合には、通常、現像液が保持されているウエハにリンス液(純水)を供給しつつウエハを回転させて、現像液をリンス液に置換した後、リンス液を振り切る。この場合に、ウエハW表面でのリンス液の広がり方が現像後のウエハWの表面状態(例えば接触角)に大きく依存することが判明した。そして、現像後の欠陥の生じ方はリンス処理(リンス・乾燥時)におけるリンス液の広がり方に大きく左右される。このため、各種表面状態毎にリンス処理でのリンス液の状態(広がり方)を把握しておき、それぞれについて現像欠陥が最小となる最適なリンス液の広がり方が達成可能なレシピを準備しておけば、ウエハの表面状態を検出することにより、それに対応した最適なレシピを選択することができる。このため、図12に示すように、リンス液の広がり方の分類に対応してウエハの表面状態を複数にグループ分けし、それぞれのグループに対して最適なリンス処理および乾燥処理の条件(レシピ)を対応づけてなる制御テーブル120を記憶部86に格納し、ウエハの表面状態に応じた適切な処理を可能とする。
【0052】
以下具体的に説明する。
図13は、ウエハ表面(膜が形成されている場合にはその膜の表面)の純水に対する接触角と、リンス処理におけるリンス・乾燥時のリンス液の広がり方との関係を具体的に示すものであり、横軸に膜を形成しない場合および種々の膜を形成した場合の純水に対する接触角をとり、縦軸にリンス処理時のウエハ表面でのリンス液の状態(例えば中心から乾く、あるいは外側から乾くといった状態)を調査し、それを分類した1〜5の5つのグループをとる。
【0053】
この図を見ると接触角が10度以下のA、B(例えば、ベアシリコンウエハや所定の種類のBARC)の場合、リンス液の状態はグループ1に分類され、接触角が10〜20度のC、D(例えば、KrFレジストやMUVレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ2に分類され、接触角が20〜25度のE(例えば、特定の種類のArFレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ3に分類され、接触角が25〜30度のF(例えば、特定の種類のArFレジスト)の場合、リンス液の状態はグループ4に分類され、接触角が30度以上のG、H、I、J、K(例えば、特定の種類のArFレジスト、BARC)の場合、リンス液の状態はグループ5に分類される。すなわち、この図からリンス・乾燥処理の際のリンス液の状態と現像後のウエハ表面状態には明確な相関があることがわかる。
【0054】
そして、上述したように、現像後の欠陥の生じ方は、リンス処理の際のリンス液の状態(リンス液の広がり方等)により大きく左右されるから、リンス処理時のリンス液の状態(広がり方)を最適にすることにより、現像欠陥を最小にすることができる。したがって、各種接触角(表面状態)についてウエハに対して最適なリンス液の状態が可能なレシピを準備しておけば、処理対象のウエハの接触角(表面状態)を測定することにより、それに対応する最適なレシピを選択して現像処理後のリンス処理(リンス・乾燥)を行うことができる。これにより、現像欠陥を少なくすることができ、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0055】
そのため、図12に示す制御テーブル120では、リンス液(純水)に対する接触角をグループ1〜5に分け、それぞれ最適なレシピとしてレシピa〜eを割り当て、測定された接触角に対して割り当てられたレシピによりリンス処理が行われるようにする。
【0056】
実際には、以下のようなレシピが例示される。
図12のグループ1は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が10度以下であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピaは、例えば図14に示すように、まず、現像後、ウエハWを回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、ウエハ全域にリンス液(純水)の膜202を形成する(図14の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら必要に応じて最初に不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガス等の不活性ガスを短時間供給し、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図14の(b))。ウエハを回転させながら中心から外周へ乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図14の(c))。このときウエハWの中心側から外側に向けてリンス液供給ノズル62をスキャンさせながらリンス液を供給するスキャンリンスを行ってもよい。
【0057】
図12のグループ2は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が10〜20度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピbは、例えば図15に示すように、まず、現像後、ウエハWを回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、ウエハ全域にリンス液(純水)の膜202を形成する(図15の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら、必要に応じて不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガス等の不活性ガスを短時間供給し、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図15の(b))。ウエハを回転させた状態で、ウエハWの中心側から外側に向けてリンス液供給ノズル62をスキャンさせながらリンス液を供給するスキャンリンスを行いながら中心から外周へ乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図15の(c))。このようなスキャンリンスにより、途中で液膜が切れてその部分で現像欠陥が残存することが防止される。
【0058】
図12のグループ3は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が20〜25度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピcは、例えば図16に示すように、まず、現像後、ウエハWを停止した状態またはウエハWを低速で回転させながらウエハ中心直上に配置されたリンス液供給ノズル62から現像液パドル201上にリンス液(純水)を供給し、その際に形成されるリンス液と現像液との境界面がウエハWの外縁に達する前にリンス液の供給を停止して、ウエハWの中央部(例えば中心から半径50mm程度)にリンス液の膜202を形成する(図16の(a))。引き続き、ウエハWを回転させながら不活性ガス供給ノズル63からウエハWの中心にN2ガスを短時間供給して、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図16の(b))。ウエハを回転させ、リンス液で現像液パドル201を押し出すようにして乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図16の(c))。このように現像液をリンス液に完全に置換せず、現像液をリンス液で押し出すようにして乾燥を進行させるので、ウエハWの表面の接触角が比較的高くてもリンス液が途中でとぎれてその部分に現像欠陥が残存することが防止される。なお、不活性ガスの供給はリンス液の停止直前にリンス液の供給と同時に行ってもよい。
【0059】
図12のグループ4は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が25〜30度であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピdは、例えば上記図16と基本的に同じで細部が異なるレシピが採用される。
【0060】
図12のグループ5は現像後のリンス液(純水)に対する接触角が30度以上であるが、この場合に対応する最適なレシピであるレシピeは、例えば図17に示すように、まず、図16の(a)と同様にしてウエハWの中央部(例えば中心から半径50mm程度)にリンス液の膜202を形成し(図17の(a))。引き続き、ウエハを回転させながら、図16の(b)とは異なり、N2ガス等の不活性ガスを供給せずに、ウエハ中心に乾燥域203のコアを形成する(図17の(b))。ウエハを回転させ、リンス液で現像液パドル201を押し出すようにして乾燥域203を広げ、乾燥を進行させる(図17の(c))。この場合、レシピcと同様に、現像液をリンス液で押し出すようにして乾燥を進行させるので、ウエハWの表面の接触角が高くてもリンス液が途中でとぎれてその部分に現像欠陥が残存することが防止される。
【0061】
次に、以上のような現像処理装置80を用いて行われる、本発明の一実施形態に係るリンス処理方法について図18のフローチャートを示す図を参照しながら説明する。
【0062】
まず、予め記憶部86に図12に示すリンス液(純水)に対する接触角をグループ1〜5に分け、それぞれ最適なレシピとしてレシピa〜eを割り当てた制御テーブル120を格納しておき、コントローラ90の指令によりレシピa〜eを実行可能にしておく(ステップ1)。
【0063】
次いで、1枚目のウエハに対して、上述したようにしてレジスト塗布処理、露光処理および現像処理を行った後、そのウエハを測定部85に搬送し、現像後のリンス液(純水)に対する接触角を計測する(ステップ2)。このとき、現像後のリンス処理条件は、初期の設定となっている。
【0064】
次いで、測定されたウエハWの接触角を測定部85からコントローラ90に出力し、コントローラ90は記憶部86に格納された制御テーブル120からその接触角に対応するリンス処理のレシピを選択する(ステップ3)。
【0065】
そして、次のウエハについてレジスト塗布処理および露光処理が終了後、現像処理ユニット(DEV)に搬入し、現像液供給ノズル61をウエハWの上方に移動させ、現像液供給ノズル61から現像液を帯状に吐出させ、ウエハWを1/2回転以上、例えば1回転させることにより現像液パドルを形成した後に、上記選択したレシピを用いてリンス処理を行う(ステップ4)。
【0066】
このとき、制御テーブル120には、各接触角のグループに応じて、現像欠陥の少ない最適なレシピが設定されているため、測定された接触角に対応したレシピを選択しさえすれば、それ用いて現像欠陥の極めて少ない現像後のリンス処理を行うことができる。
【0067】
このように、各接触角のグループに対応して現像欠陥が生じ難い最適なレシピを設定しておくことにより、ウエハの接触角さえ測定すれば、それに対応する最適なレシピを迅速に選択することができ、その条件でウエハWのリンス処理を行うことができる。したがって、対象ウエハによらず最適条件を迅速に把握して現像欠陥の少ないリンス処理を行うことができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、記憶部86に制御テーブル120を設定したが、必ずしもこのような制御テーブルを用いる必要はない。また、上記実施形態では、測定部85の測定結果に基づいて自動的にレシピを選択してリンス処理を実行するようにしたが、測定結果からオペレータが予め設定されている最適なレシピをボタン操作やモニター画面上での操作により選択し、そのレシピでリンス処理を行うようにしてもよい。さらに、測定部の位置は上記実施形態の位置に限らず、現像処理ユニット内であってもよく、レジスト塗布現像処理システムの他のユニットであってもよい。また、レジスト塗布現像処理システム外であってもよい。さらにまた、表面状態の指標として動的接触角を用いた例を示したが、静的接触角でもよく、また接触角以外の他の指標を用いてもよい。さらにまた、リンス液として純水を例示したが、純水に界面活性剤等の他の物質を添加したものであってもよい。さらにまた、本発明は、通常のレジスト露光プロセスの後の現像処理に限らず、液浸露光プロセス後の現像処理にも適用可能である。さらにまた、上記実施形態では本発明を半導体ウエハのリンス処理に適用したが、これに限らず、微細なレジストパターンが形成される基板であれば、液晶表示装置(LCD)用基板等、他の基板のリンス処理にも適用することができる。さらに、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記実施形態の要素を適宜組み合わせたもの、あるいは上記実施形態の要素を一部取り除いたものも本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のリンス処理方法が実施される現像処理装置が搭載されたレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図。
【図2】図1のレジスト塗布現像処理システムを示す正面図。
【図3】図1のレジスト塗布現像処理システムを示す背面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るリンス処理方法が実施される現像処理装置の全体構成を示すブロック図。
【図5】図4の現像処理装置の主要部をなす現像処理ユニットを示す断面図。
【図6】図4の現像処理装置の主要部をなす現像処理ユニットを示す平面図。
【図7】現像処理ユニットの液供給系を示す概略図。
【図8】リンス液供給ノズル62に隣接して不活性ガス供給ノズル63をノズルスキャンアーム66に搭載した状態を示す図。
【図9】測定部85の概略構成を示す断面図。
【図10】測定部85を用いてウエハ表面の動的接触角を測定する手順の一例を示す図。
【図11】測定部85を用いてウエハ表面の動的接触角を測定する手順の他の例を示す図。
【図12】記憶部に格納された制御テーブルを示す図。
【図13】ウエハ表面の純水に対する接触角と、リンス処理におけるリンス・乾燥時のリンス液の広がり方との関係を具体的に示す図。
【図14】ウエハ表面の接触角が10度以下の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図15】ウエハ表面の接触角が10〜20度の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図16】ウエハ表面の接触角が20〜25度の場合における最適なリンス処理条件を説明するための図。
【図17】ウエハ表面の接触角が30度以上の場合における最適なリンス条件を説明するための図。
【図18】本発明のリンス処理方法の一例を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
51……筐体
52……スピンチャック
61……現像液供給ノズル
62……リンス液供給ノズル
63……不活性ガス供給ノズル
80……現像処理装置
85……測定部
86……記憶部
90……コントローラ
101……プロセスコントローラ
102……ユーザーインターフェイス
103……記憶部
120……制御テーブル
DEV……現像処理装置
W……半導体ウエハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法であって、
予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程と、
基板の表面状態を測定する工程と、
測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程と、
前記選択された条件でリンス処理を行う工程と
を有することを特徴とするリンス処理方法。
【請求項2】
前記表面状態を測定する工程は、基板の表面状態として、リンス液に対する接触角を測定することを特徴とする請求項1に記載のリンス処理方法。
【請求項3】
予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理の条件を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリンス処理方法。
【請求項4】
基板上のレジスト膜に形成された露光パターンを現像する現像処理装置であって、
基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理部と、
現像処理を行う基板の表面状態を測定する表面状態測定部と、
基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部から前記表面状態測定部において測定した基板の表面状態に対応する条件を選択し、その条件でリンス処理が行われるように前記現像処理部を制御する制御部と
を具備することを特徴とする現像処理装置。
【請求項5】
前記表面状態測定部は、基板表面のリンス液に対する接触角を測定することを特徴とする請求項4に記載の現像処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルを有することを特徴とする請求項4に記載の現像処理装置。
【請求項7】
基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、
基板の表面状態を測定する装置に基板の表面状態を測定させる機能と、
記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報から、前記測定された表面状態に対応する条件を選択する機能と、
選択された条件でリンス処理を実行させる機能と
を有することを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
前記表面状態は、基板表面のリンス液に対する接触角であることを特徴とする請求項7に記載の制御プログラム。
【請求項9】
前記記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルであることを特徴とする請求項7に記載の制御プログラム。
【請求項1】
露光パターンを現像処理した後の基板をリンス処理するリンス処理方法であって、
予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程と、
基板の表面状態を測定する工程と、
測定された基板の表面状態から対応するリンス処理の条件を選択する工程と、
前記選択された条件でリンス処理を行う工程と
を有することを特徴とするリンス処理方法。
【請求項2】
前記表面状態を測定する工程は、基板の表面状態として、リンス液に対する接触角を測定することを特徴とする請求項1に記載のリンス処理方法。
【請求項3】
予め基板の表面状態に応じてリンス処理の条件を設定する工程は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理の条件を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリンス処理方法。
【請求項4】
基板上のレジスト膜に形成された露光パターンを現像する現像処理装置であって、
基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理部と、
現像処理を行う基板の表面状態を測定する表面状態測定部と、
基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部から前記表面状態測定部において測定した基板の表面状態に対応する条件を選択し、その条件でリンス処理が行われるように前記現像処理部を制御する制御部と
を具備することを特徴とする現像処理装置。
【請求項5】
前記表面状態測定部は、基板表面のリンス液に対する接触角を測定することを特徴とする請求項4に記載の現像処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルを有することを特徴とする請求項4に記載の現像処理装置。
【請求項7】
基板に対して現像処理、リンス処理を順次行う現像処理装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、
基板の表面状態を測定する装置に基板の表面状態を測定させる機能と、
記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報から、前記測定された表面状態に対応する条件を選択する機能と、
選択された条件でリンス処理を実行させる機能と
を有することを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
前記表面状態は、基板表面のリンス液に対する接触角であることを特徴とする請求項7に記載の制御プログラム。
【請求項9】
前記記憶部に記憶された、基板の表面状態に応じてリンス処理条件が設定された情報は、複数の表面状態のそれぞれに対して現像欠陥を許容範囲にすることが可能なリンス処理条件を対応づけた制御テーブルであることを特徴とする請求項7に記載の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−150064(P2007−150064A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343914(P2005−343914)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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