説明

リードフレーム用複合材の製造方法

【課題】より低コストで加工でき、板厚変動の少ない複合材提供が可能となるリードフレーム用複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】銅または銅合金2、チタンまたはチタン合金3、銅または銅合金2の3層を順次積層し構成される複合材1を製造する際、貼り合せクラッド圧延の圧下率を60%以上とすると共に、最終板厚への仕上圧延の圧下率を5%以下とし、大気中にて冷間で貼り合せクラッド圧延と仕上圧延とを行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに使用されるリードフレーム用複合材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化、多ピン化、小型化、また、電子機器の小型・軽量化に伴い、高密度の実装基板が要求されるようになっている。
【0003】
半導体チップとリードフレームとの接続方法も、従来のワイヤーボンディングよりも組立工程、パッケージサイズ、コスト等を小とすることが可能なバンプ付き金属リードに関する研究・開発が行われている。この手法では、リードの先端に突起するバンプを形成し、このバンプを介して半導体チップと接合することにより、パッケージの薄型化が可能となる。
【0004】
バンプ形成の方式の一つとして、化学エッチングで加工するクラッド板内部にエッチングストップ層を形成した3層クラッド板を、リードフレーム製造用の金属材料として使用することが試みられている。
【0005】
エッチングストップ層として、アルミニウムや鉄系合金、チタン等を用いた3層クラッド板によるリードフレームの製造方法がある。複合材は、冷間圧延により作製する方法があるが、それ以外には、例えば特許文献1に開示される方法では、真空雰囲気下で低圧下率で冷間圧延する方法により製造されている。
【0006】
さらに、リードフレームを製造する他の方法として金属薄膜を蒸着法によって被着する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第00/019533号
【特許文献2】特開2010−103305号公報
【特許文献3】特開2001−251090号公報
【特許文献4】特開平11−126928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、これらを冷間圧延で製造すると、通常、クラッド圧延後に材料を軟質化するための焼鈍工程を必要とするが、焼鈍熱処理により銅層とチタン層の接合界面に、硬くて脆い金属間化合物層が形成され、剥離などの不具合が生じるおそれがある。
【0009】
また、真空圧延によってエッチングストップ層(チタンまたはチタン合金)を含む3層クラッド板を製造する場合(特許文献1の方法)、チタンの酸化を防ぐために、圧延時における雰囲気の酸素濃度を下げなければならない。特にチタンは酸化しやすい金属であるため、より真空度を高くした環境で圧延を行わなければならない。そのため、クラッド圧延加工にかかる設備およびランニングコスト、また真空引きに必要な時間など、工程コストが大幅に増大するという問題がある。
【0010】
また、金属被膜を蒸着する方法による積層化も、蒸着速度を速くすると膜質が緻密でなくなり薄膜中に孔が発生し、蒸着速度を遅くすると製造にかかる時間が増えて作業性が悪化する。また、この手法においても設備コストおよび消耗品などのランニングコストが高額となってしまう問題がある。
【0011】
本発明は上記課題を解決し、より低コストで加工でき、板厚変動の少ない複合材提供が可能となるリードフレーム用複合材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、銅または銅合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅合金の3層を順次積層し構成される複合材を製造する際、貼り合せクラッド圧延の圧下率を60%以上とすると共に、最終板厚への仕上圧延の圧下率を5%以下とし、大気中にて冷間で前記貼り合せクラッド圧延と前記仕上圧延とを行うリードフレーム用複合材の製造方法である。
【0013】
前記貼り合せクラッド圧延前のチタンまたはチタン合金の断面硬度を、120Hv以下とし、前記貼り合せクラッド圧延前の銅または銅合金の断面硬度を、100Hv以上としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より低コストで加工でき、板厚変動の少ない複合材の提供が可能となるリードフレーム用複合材の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】リードフレーム用複合材の構成を示す横断面図である。
【図2】チタン層の板厚変動の評価方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明のリードフレーム用複合材の製造方法により製造される、リードフレーム用複合材の横断面図である。
【0018】
図1に示すように、本発明に係るリードフレーム用複合材1は、銅または銅合金2と、チタンまたはチタン合金3と、銅または銅合金2を順に積層した3層構造からなる。
【0019】
素材として使用する銅または銅合金2は、無酸素銅(C1020)以外に、リードフレーム用銅合金(C194など)も使用可能である。また、チタンまたはチタン合金3は、加工性を考慮して純チタン系(1種、2種)が望ましい。
【0020】
本発明のリードフレーム用複合材の製造方法では、まずコイル状に巻き取られている純銅条および純チタン条および純銅条の3つのコイルをそれぞれ送り出し装置にセットする。
【0021】
コイルから送り出された材料(銅およびチタン)は、接合表面を洗浄するための洗浄槽を通過することで、接合面表面の油分や異物を除去され、さらにブラッシング槽を通過することで、接合面表面の酸化膜を削り取って活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させる。
【0022】
その直後、3層の金属条は、クラッド圧延ミルにて冷間で貼り合せ圧延され、各金属層同士の接合が完了する。
【0023】
接合完了後は必要に応じて、銅/チタン接合界面に金属化合物層を形成しない程度に熱処理を実施し、各金属層同士の相互拡散を促進して接合強度を高めることができる。
【0024】
本発明のリードフレーム用複合材の製造方法では、クラッド圧延(貼り合せ圧延)の圧下率(圧延前後の板厚減少率)は60%以上であることが望ましい。圧下率が60%より小さくなると、各金属層間の接合が悪化し、剥離が生じる。また、リードフレーム用複合材の最終板厚を一定とするためにチタンまたはチタン合金条の投入板厚が薄くされると、前処理であるブラッシングにより破断しやすくなる。さらにチタンまたはチタン合金はエッチングストップ層であるため、必要以上に厚くする必要がなく、投入板厚の増加は材料コストの増大につながる。
【0025】
また、クラッド貼り合せ圧延後に所定の板厚まで圧下(仕上圧延)する際、その圧下率は5%以下であることが望ましい。5%より大きくなると、クラッド貼り合せ圧延時に発生したリップル(板厚比の変動による金属層のくびれ)の度合いがより顕著となり、組立時にエッチング後の表面平坦度および粗さが悪化して、実用的でなくなる。
【0026】
上述のリップルは、金属層間の機械的性質(硬さなど)の差を原因として発生する場合もある。
【0027】
そこで本発明のリードフレーム用複合材の製造方法においては、クラッド圧延前の銅または銅合金の断面硬度は100Hv以上とし、クラッド圧延前のチタンまたはチタン合金の断面硬度は120Hv以下とすることが望ましい。銅とチタンとの硬度差が大きくなると、両者の変形抵抗差が広がり、リップルが発生しやすい。
【0028】
以上要するに、本発明のリードフレーム用複合材の製造方法によれば、貼り合わせ圧延時の圧下率を60%以上とし、仕上げ圧延時の圧下率を5%以下とすることで、チタン層(エッチングストップ層)に発生するリップルなどの板厚変動を抑制できる。また本発明によれば、冷間圧延にて複合材を作製するため、より低コストでリードフレーム用複合材を製造できる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【0030】
[実施例1]
板厚0.23mmのコイル状純銅板(断面硬度140Hv)、板厚0.046mmのコイル状純チタン板(断面硬度110Hv)、板厚0.37mmの純銅板(断面硬度130Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.129mmであった。
【0031】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0032】
[実施例2]
板厚0.46mmのコイル状純銅板(断面硬度135Hv)、板厚0.09mmのコイル状純チタン板(断面硬度105Hv)、板厚0.73mmの純銅板(断面硬度125Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.128mmであった。
【0033】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0034】
[実施例3]
板厚0.31mmのコイル状純銅板(断面硬度110Hv)、板厚0.06mmのコイル状純チタン板(断面硬度90Hv)、板厚0.5mmの純銅板(断面硬度120Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.13mmであった。
【0035】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0036】
[実施例4]
板厚0.2mmのコイル状純銅板(断面硬度120Hv)、板厚0.04mmのコイル状純チタン板(断面硬度94Hv)、板厚0.32mmの純銅板(断面硬度120Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.13mmであった。
【0037】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0038】
[実施例5]
板厚0.27mmのコイル状純銅板(断面硬度112Hv)、板厚0.05mmのコイル状純チタン板(断面硬度108Hv)、板厚0.42mmの純銅板(断面硬度113Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.126mmであった。
【0039】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0040】
[実施例6]
板厚0.21mmのコイル状純銅板(断面硬度106Hv)、板厚0.04mmのコイル状純チタン板(断面硬度98Hv)、板厚0.34mmの純銅板(断面硬度118Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.125mmであった(つまり、仕上圧延を行う必要がなかった)。
【0041】
[比較例1]
板厚0.13mmのコイル状純銅板(断面硬度120Hv)、板厚0.03mmのコイル状純チタン板(断面硬度110Hv)、板厚0.2mmの純銅板(断面硬度105Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.18mmであった。
【0042】
得られた複合材について板厚0.125mm狙いで仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0043】
[比較例2]
板厚0.13mmのコイル状純銅板(断面硬度118Hv)、板厚0.03mmのコイル状純チタン板(断面硬度112Hv)、板厚0.21mmの純銅板(断面硬度110Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.17mmであった。
【0044】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0045】
[比較例3]
板厚0.26mmのコイル状純銅板(断面硬度112Hv)、板厚0.05mmのコイル状純チタン板(断面硬度103Hv)、板厚0.42mmの純銅板(断面硬度118Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.147mmであった。
【0046】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0047】
[比較例4]
板厚0.34mmのコイル状純銅板(断面硬度110Hv)、板厚0.07mmのコイル状純チタン板(断面硬度111Hv)、板厚0.54mmの純銅板(断面硬度126Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.14mmであった。
【0048】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0049】
[比較例5]
板厚0.38mmのコイル状純銅板(断面硬度62Hv)、板厚0.075mmのコイル状純チタン板(断面硬度110Hv)、板厚0.6mmの純銅板(断面硬度80Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.126mmであった。
【0050】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0051】
[比較例6]
板厚0.26mmのコイル状純銅板(断面硬度75Hv)、板厚0.05mmのコイル状純チタン板(断面硬度112Hv)、板厚0.41mmの純銅板(断面硬度105Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.13mmであった。
【0052】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0053】
[比較例7]
板厚0.19mmのコイル状純銅板(断面硬度121Hv)、板厚0.04mmのコイル状純チタン板(断面硬度162Hv)、板厚0.31mmの純銅板(断面硬度116Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.13mmであった。
【0054】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0055】
[比較例8]
板厚0.2mmのコイル状純銅板(断面硬度125Hv)、板厚0.04mmのコイル状純チタン板(断面硬度188Hv)、板厚0.33mmの純銅板(断面硬度121Hv)を用いた合計3層について、それぞれの接合面に対して洗浄およびブラッシングを行い、清浄な活性面を露出させると共に接合面表面を硬質化させて3層を重ね合わせ、大気中で圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.126mmであった。
【0056】
得られた複合材について仕上圧延を行い、板厚0.125mmの複合材を得た。
【0057】
[従来例]
板厚0.045mmのコイル状純銅板(断面硬度102Hv)、板厚0.01mmのコイル状純チタン板(断面硬度96Hv)、板厚0.072mmの純銅板(断面硬度108Hv)を用いた合計3層について、チャンバー内1×10-4Paの真空度にて、それぞれの接合面に対して洗浄およびプラズマエッチングを行い、清浄な活性面を露出させて3層を重ね合わせ、圧延ロールで貼り合せ圧延(冷間圧延)を行った。貼り合せ後に得られた複合材の厚さは、0.125mmであった。
【0058】
以上の実施例、比較例、従来例により作製した複合材を20mm×20mmで切り出し、圧延方向および板幅方向について、各20mm長ずつ断面調査を行った。図2に示すように、純チタン層の板厚の最大値および最小値を測定し、最大値および最小値の差を板厚変動として、複合材の仕上がりを検討し、仕上がり品のチタン層板厚変動が±3μm以内のものを○(合格)とし、それよりも大きい変動となったものを×(不合格)とした。また、仕上がり品の加工コストについても評価した。
【0059】
作製した複合材の、クラッド圧下率、仕上圧延圧下率、圧延前の各素材の断面硬度に対する、仕上がり品の総合評価を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1に示すように、本発明の実施例1〜6は低コスト加工である大気中の冷間圧延により、板厚変動の少ない材料を得ることができた。
【0062】
一方、比較例1〜8および従来例については、次の理由により総合評価が×となった。
【0063】
比較例1および2は、クラッド圧延加工の圧下率が低いため、各金属層の十分な接合がなされずに、剥離した。比較例3および4については、仕上圧延の圧下率が高いため、板厚変動が大きくなった。比較例5および6については、銅層の断面硬度が軟らかい(100Hvより小さい)ため、板厚変動が顕著であった。比較例7および8については、チタン層の断面硬度が硬い(120Hvより大きい)ため、板厚変動が顕著であった。また、従来例については、真空下の加工であるため、加工コストが高くなった。
【符号の説明】
【0064】
1 複合材
2 銅または銅合金
3 チタンまたはチタン合金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅または銅合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅合金の3層を順次積層し構成される複合材を製造する際、貼り合せクラッド圧延の圧下率を60%以上とすると共に、最終板厚への仕上圧延の圧下率を5%以下とし、大気中にて冷間で前記貼り合せクラッド圧延と前記仕上圧延とを行うことを特徴とするリードフレーム用複合材の製造方法。
【請求項2】
前記貼り合せクラッド圧延前のチタンまたはチタン合金の断面硬度を、120Hv以下とし、前記貼り合せクラッド圧延前の銅または銅合金の断面硬度を、100Hv以上とする請求項1記載のリードフレーム用複合材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−124220(P2012−124220A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271636(P2010−271636)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】