説明

レオロジー特性を調節するためのアミド含有ポリマー

【課題】本発明は、より明確に定義された構造を有するポリマーからなる液状ポリマー系のレオロジー特性の調節のために適している生成物であり、より良い作用を示すと共に、レオロジー特性の調節の再現性が良く、かつ、公知技術の添加剤の欠点を解消する生成物、該生成物の製造方法及びレオロジー特性の調節剤としての使用方法を提供する。
【解決手段】
一般式(I)で表されるアミド含有ポリマー、並びにこれらのカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である。
A−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−B (I)
更に、該アミド含有ポリマーの製造方法及びレオロジー特性の調節剤としての使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、溶媒系、無溶媒及び水系のコーティング材料、PVCプラスチゾル、エポキシド系コーティング材及び不飽和ポリエステル樹脂のような液状ポリマー系におけるレオロジー特性を調節するためのアミド含有ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
液状系のレオロジー特性を調節するためには、例えば、特許文献1−3に開示されているようなシリカ、水素化ひまし油又は有機的に修飾されたベントナイトの使用が一般的である。また、ポリアミドワックスも広く用いられている。ポリアミド及びポリアミドエステルの分野において、例えば、特許文献4−8のように多くの特許が存在する。また、特許文献9−10に開示されているように、修飾したベントナイトとポリアミドとを組み合わせ、使用する例もある。
【0003】
これらの材料には欠点があり、通常乾燥した固体物かペーストであるので、半製品とするために溶媒と剪断力が必要であるし、場合により、液状コーティング系に使用するために、例えば特別に温度をコントロールする手段を必要とする。必要な温度とならない場合には、製品のコーティング系がコーティングの不具合となる結晶を含むことになる。これらの材料の一般的な欠点として、澄んで透明なコーティング材料の濁りやヘイズの原因となる。更に、加工中に粉塵が発生するなど、乾燥物の取扱は好ましくない。
【0004】
上述のポリアミドエステルは、しばしば液状であるにも関わらず、本質的に固体の材料よりも著しく効率が低い。レオロジー特性を調節する他の手段が特許文献11に記載されている。すなわち、バインダーの存在下で、イソシアネートとアミンとを反応させて、非常に微細に分散した針状結晶の尿素化合物とするものである。これらの修飾バインダーはレオロジー特性の調節及び垂れ防止バインダーとして提供され、垂れ調節剤と称されている。
【0005】
これらの生成物は、常にその製造に使用したバインダーに付着しているので、結果的に既存の系を普遍的に修正することにはならないという欠点がある。
【0006】
特許文献12には、上述の欠点を除くためのチキソトロピック剤の製造方法が開示されている。このものは、非プロトン性溶媒中、塩化リチウムの存在下、イソシアネート付加物とポリアミドとを反応させて得られる尿素ウレタンである。この生成物の製造プロセスに起因した不明瞭な構造という欠点が尿素ウレタンにある。該プロセスにおいては、当モル量のジイソシアネートとモノアルコールが使用される。この生成物はNCO−官能性のモノ付加物でもなく、非NCO−官能性のジ付加物でもない。更に、単量体のジイソシアネートの幾ばくかが未反応で残存する。NCO基への接近性や温度と時間のような使用する反応条件により、種々の生成物の比率が変動する。
しかしながら、このようにして製造した付加物の全てが、比較的多くの未反応ジイソシアネートを含有し、更にポリアミンが反応するので、分子鎖が延長するのを制御することができない。これらの生成物は沈殿生成や早期ゲル化の傾向を有していて、これにより、バインダー中にいわゆる種(seeds)が生成する。米国特許第6,420,466号明細書は過剰のイソシアネートを除去してこれらの欠点を防止している。しかし、該特許に記述された生成物は、例えば、アルカリ金属塩の助けを借りて、N−メチルピロリドン(NMP)のような極性の高い溶媒中でのみ安定であるという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,208,218号明細書
【特許文献2】米国特許第4,410,364号明細書
【特許文献3】米国特許第4,412,018号明細書
【特許文献4】ドイツ特許第69523221号明細書
【特許文献5】欧州特許第0528363号明細書
【特許文献6】欧州特許第0239419号明細書
【特許文献7】米国特許第5,510,452号明細書
【特許文献8】米国特許第5,349,01号明細書
【特許文献9】欧州特許第0509202号明細書
【特許文献10】ドイツ特許第69704691号明細書
【特許文献11】欧州特許第0198519号明細書
【特許文献12】欧州特許第0006252号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、より明確に定義された構造を有するポリマーからなる液状ポリマー系のレオロジー特性の調節のために適している生成物であり、該生成物はより良い作用を示すと共に、レオロジー特性の調節の再現性が良く、かつ、特に上述した公知技術の添加剤の欠点を解消するものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、下記の一般式(I)で表されるアミド含有ポリマー、並びにこれらのカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩により、これらの目的を達成することができることを見出した。
A−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−B (I)
ここで、
Aは、R5又はR6−Y−[R4−Y−R3−Y]b−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7及びBは、Y−R6又はNR1−(CH22−CO−X−R5、R1はH、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−RH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、(C1−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、又はポリエステル基、
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラルキル基、
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル−又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
Xは、同一又は異なるO、NH又はNR9基、
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基、
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びa及びbはそれぞれ独立して1〜19の数字である。
【0010】
A、B、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R’、X及びY基の定義並びに指数a及びbの定義は、特徴とする化合物に拘わりなく、本発明に関する上記定義に対応するものである。これらの基の好ましいものは、それぞれ小区分に見出すことができる。
【0011】
以上のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び/又はR8基が、ポリオキシアルキレン部分を含む場合には、これらの基は、特徴とする該化合物に拘わりなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド単位から得られるランダム又はブロック配列のものが好ましい。適切な場合には、これらの1以上の単位はスチレン単位により置換されている。特に、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基が好ましい。
【0012】
1以上のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び/又はR8基が、ポリエステル基からなる場合には、これらの基は、特徴とする該化合物と拘わりなく、1以上の(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸又は1以上のβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及び(C1−C6)アルキル置換のε−カプロラクトンのようなラクトンからなるものが好ましい。
【0013】
基R1は、H、(CH22−CO−X−R5及び/又は例えば、CONH−(C18−H37)及び/又はCONH−C63(CH3)−NHCOOC49のようなCONH−R’(R’はR8又は−C63(CH3)−NHCOO−R8)である。
【0014】
2及びR4基は、それぞれ独立して、(C2−C18)アルキレン、(C7−C15)アラルキレン基が好ましく、更に、(C2−C12)アルキレン、(C7−C12)アラルキレン基がより好ましく、ヘキサメチレン、オクタメチレン又はm−キシレン基のような(C2−C8)アルキレン、(C7−C9)アラルキレン基が特に好ましい。R2とR4基は同じものが好ましい。
【0015】
3は、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン又は(C7−C40)アルアルキレン基であり、(C30−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C30−C40)シクロアルキレン、アリーレン又は、例えば、ダイマー酸の2個のカルボン酸の間の基のような(C30−C40)アラルキレン基が好ましい。R3ではC34基が特に好ましい。
【0016】
5は、(C1−C22)アルキル、ヒドロキシル又はアルコキシポリオキシアルキレン基が好ましい。
【0017】
6は、(C1−C30)アルキル又は(C3−C22)アルケニル基が好ましく、特に、(C12−C30)アルキル又は(C12−C22)アルケニル基が好ましく、例えば、C17アルキル又はC17アルケニル基のような(C12−C20)アルキル又は(C12−C20)アルケニル基が格別に好ましい。
【0018】
7は、(C1−C18)アルキレン又はポリオキシアルキレン基が好ましく、かつ、R8は(C1−C22)アルキル基である。
【0019】
Xは、同一又は異なるO又はNH、かつYは、1以上のNHCO及びCONH基が好ましい。指数a及びbは、それぞれ独立して、1〜19の数字であり、2〜7がより好ましく、かつ同一であることが好ましい。
【0020】
本発明の特に好ましい形態は、一般式(I)の化合物であって、AがR5、BがNR1−(CH22−CO−X−R5である、一般式(II)の化合物、
5−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−NR1− (CH22−CO−X−R5 (II)
一般式(I)の化合物であって、AがR5、BがY−R6である、一般式(III)の化合物、
5−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (III)及び一般式(I)の化合物であって、AがR6−Y−[R4−Y−R3−Y]a−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7、BがY−R6である、一般式(IV)の化合物に関するものである。
6−Y−[R4−Y−R3−Y]a−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7 −X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 ( IV)
【0021】
このアミド含有ポリマーに加えて、本発明は一般式(I)のアミド含有ポリマー、並びにこれらのカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩を製造する方法も提供する。
A−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−B (I)
ここで、
Aは、R5又はR6−Y−[R4−Y−R3−Y]b−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7及びBはY−R6又はNR1−(CH22−COーX−R5
1は、H、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、(C1−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン−又はポリオキシアルキレン基、又はポリエステル基、
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラルキル基、
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C6−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
Xは、同一又は異なるO、NH又はNR9基、
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基、
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びa及びbはそれぞれ独立して1〜19の数字である。
ここで、
(A)一般式(V)及び(VIII)の1以上の化合物は、
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−NH2 (V)
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−YR6 (VIII)
1以上の一般式(VI)及び(IX)と、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
2C=HC−CO−X−R7−X−CO−CH=CH2 (IX)
一般式(V)及び(VIII)の化合物のNH2基のモル当たり、化学式(V)及び(IX)の化合物のCH=CH2基0.8〜1.2モルを使用することにより、反応させ、R1が水素の化合物を形成する。かつ、
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONM−R’である場合には、工程(A)からの化合物は、1以上の一般式(VI)及び(VII)と、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
R’−NCO (VII)
工程(A)からの化合物のNR1基のモル当たり、一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大で1.2モル使用することにより反応させる。
(C)一般式(I)の化合物がカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合には、工程(A)又は(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩との反応が起こる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
一つの好ましい態様は、
(A)一般式(V)の1以上の化合物は、一般式(VI)の1以上の化合物と、
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−NH2 (V)
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
一般式(V)の化合物のNH2基のモルに対して、化学式(VI)の化合物のCH=CH2基の0.8〜1.2モルを使用することにより、反応させて、R1が水素である化合物を形成する。かつ、
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONM−R’である場合には、工程(A)からの化合物は、1以上の一般式(VI)及び(VII)と
5−X−CO−CH=CH2 (VI)、
R’−NCO (VII)
工程(A)からの化合物のNR1基のモルに対して一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大で1.2モル使用することにより、反応させる。かつ
(C)一般式(I)の化合物がカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合には、工程(A)又は(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩との反応が起こる。
【0023】
他の好ましい態様として、
(A)1以上の一般式(VIII)の化合物は、1以上の一般式(VI)の化合物と、
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−YR6 (VIII)
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
一般式(VIII)の化合物のNH2基のモルに対して、化学式(VI)の化合物のCH=CH2基の0.8〜1.2モルを使用することにより、反応させて、R1が水素である化合物を形成させる。かつ、
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONM−R’である場合には、工程(A)からの化合物は、1以上の一般式(VI)及び(VII)と、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)、
R’−NCO (VII)
工程(A)からの化合物のNR1基のモルに対して一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大で1.2モル使用することにより、反応させる。かつ、
(C)一般式(I)の化合物がカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合には、工程(A)又は(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩との反応が起こる。
【0024】
更に好ましい態様として、
(A)1以上の一般式(VIII)の化合物は、1以上の一般式(IX)の化合物と、
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−YR6 (VIII)
2C=HC−CO−X−R7−X−CO−CH=CH2 (IX)
一般式(VIII)の化合物のNH2基のモルに対して、化学式(IX)の化合物のCH=CH2基の0.8〜1.2モルを使用することにより、反応させて、R1が水素である化合物を形成させる。かつ、
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONM−R’である場合には、工程(A)からの化合物は、1以上の一般式(VI)及び(VII)と、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)、
R’−NCO (VII)
工程(A)からの化合物のNR1基のモルに対して一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大で1.2モル使用することにより、反応させる、かつ、
(C)一般式(I)の化合物がカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合には、工程(A)又は(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩との反応が起こる。
【0025】
本発明の製造方法の上述した好ましい態様において、工程(A)で規定した一般式(VI)の化合物の量に加えて、工程(B)で規定した一般式(VII)の化合物の量を工程(B)に代えて、工程(A)で使用することができる。
工程(A)の反応は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で行われる。
【0026】
一般式(VII)の化合物と反応させる場合には、工程(B)の反応は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜100℃の温度で行われ、一般式(VI)の化合物と反応させる場合には、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で行われる。
【0027】
以下に、本発明の内容について具体例を用いて説明する。
例えば、一般式(V)の1以上の化合物と一般式(VI)の1以上の化合物とを反応させて、R1がH、(CH22−CO−X−R5、CONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)である化学式(II)の化合物を製造する。
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−NH2 (V)
ここで、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びaは1〜19の数字である。
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。
又は、R5は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
Xは、O、NH又はNR9基〔R9は(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基)であり、続いて、適切な場合には、この生成物と一般式(VII)で表される化合物と反応させる。
R’−NCO (VII)
ここで、R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8であり、かつ
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物のようなオキシアルキレン基、及び、適切な場合には、その一部がスチレンオキサイドで置換されても良いオキシアルキレン基、また、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C6−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
【0028】
本発明の中間体(V)は、例えば、ポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸及び/又は無水ジカルボン酸と、ジアミンとを、ジアミンとポリカルボン酸の比率が好ましくは2:1〜20:19、より好ましくは3:2〜8:7で反応させて得ることができる。
【0029】
このジアミンとしては、エチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2−及び1,3−プロパンジアミン。1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン(更に、水溶液としても)、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,11−ジオキサテトラデカン−1,14−ジアミン、4,7,10−トリオキサデカン−1,13−ジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン(エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド基を有し、数平均分子量が148〜4,000g/モルのランダム状又はブロック状のものであり、例えば、フントマン(Huntsmann)社からジェファミン(Jeffamine)RD及びジェファミン(Jeffamine)REDとして入手できる。そして、ポリテトラヒドロフランジアミン、及びp−及びm−キシレンジアミンのような脂肪族及びアラルキル第1級ジアミンが好ましい。特に、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン及びm−キシレンジアミンが好ましい。
【0030】
同様に、H2N−R−NR−R−NH2のタイプのアミンも使用することができる。
ここで、Rは、(C1−C18)アルキル又は(C1−C4)アルコキシである。
その例としては、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミンがある。
その代わりとして、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジドのようなジヒドラジドを使用することができる。ジヒドラジドとの混合物を含むジアミンの混合物も使用することができる。これらのジアミンは、これらとポリカルボン酸と縮合反応させ水と炭酸ガスを遊離し、本発明において好ましいアミド残基を生成する、炭酸塩化合物として使用することもできる。
【0031】
ポリカルボン酸としては、好ましくは少なくとも2個の炭素原子、より好ましくは3〜40炭素原子を有する脂肪族、脂環族又は芳香族の、線状又は分岐の、飽和又は不飽和ジカルボン酸が好ましい。
かかるポリカルボン酸の例としては、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸があり、これらを単独又は混合物として使用する。無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸及び無水コハク酸のような酸無水物は、適切な場合には、例えば無水ドデセニル無水コハク酸のようにアルキル基又はアルキレン基で修飾することもでき、本発明に含まれる。例えば、ポリブタジエンのジカルボン酸のような重合ポリカルボン酸も、酒石酸、クエン酸及びヒドロキシフタル酸のような水酸基官能性ポリカルボン酸が使用できるように、使用することができる。
3,6,9−トリオキシウンデカンジカルボン酸及びポリグリコールジカルボン酸のようなオキシジカルボン酸も同様に含まれる。当業者にダイマー酸として知られている、炭素数36の炭素長を有する2量化脂肪酸が特に好ましい。
これらのダイマー酸は、モノマー含有量が少なく(通常、8質量%未満)、かつ25質量%未満の3量体留分を含む。
【0032】
このポリカルボン酸は、部分的にジイソシアネートで置換することができ、ジアミンは部分的にジオールで置換することができる。この場合には、一般式(V)の化合物中の好ましいアミド残基に加えて、エステル、ウレタン及び/又は尿素基が存在することになる。
【0033】
単独又は混合物のジオールとしては、ポリオキシアルキレンジオール、適切な場合には、(C1−C4)アルキル及び/又はアルコキシ基で修飾したポリオキシアルキレンジオール、ポリエステルジオール、混合ポリエステルポリオキシアルキレンジオール、ポリラクトンジオール、混合ポリオキシアルキレンポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオール、ポリアクリレートジオール、アルコキシ化ビスフェノールAジオール、α,ω−ジヒドロキシアルキレンシロキサン型及び数平均分子量Mnが250〜5,000g/モルであるアルコキシ化した化合物が好ましい。
【0034】
ジイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式及び芳香族ジイソシアネート又はこれらの混合物の使用が好ましい。かかるジイソシアネートの例としては、テトラメチレン1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、デカメチレン1,10−ジイソシアネート、シクロへキシレン1,4−ジイソシアネート、フェニレンp−ジイソシアネート、フェニレンm−ジイソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート及びこれらの混合物、キシレンp−及びm−ジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビスフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジイソシアネートジフェニルメタン、2,4’−及び4,4'−ジイソシアネートジフェニルメタンの異性体混合物、及びC36二量化ジイソシアネートがある。
【0035】
一般式(V)の化合物は、当業者に知られている条件で製造することができる。ジカルボン酸とジアミン又はジオールとの縮合反応の温度は、100〜250℃が好ましく、140〜200℃がより好ましい。ジアミンとポリカルボン酸との比率は、ポリカルボン酸のn等量に対してジアミンが(n+1)当量が用いられるので、縮合生成物のアミン価は100%活性物質を基本にして、5〜180以上が好ましく、15〜100がより好ましい。
【0036】
一般式(VI)の好ましい化合物は、XがOであれば、アクリル酸及びアクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム又はアクリル酸アンモニウムのようなアクリル酸の塩、並びに炭素数1−22の線状、分岐状又は脂環式アルコールのアクリル酸アルキルエステルであり、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、C16/C18アルキルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ノルボニルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート及びベンジルアクリレートがある。同様に、例えば、フェニルアクリレート又は2−フェノキシエチルアクリレートのようなアクリル酸アリルエステルも含めることができる。2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート又は4−ヒドロキシブチルアクリレートのような炭素数2−36の線状、分岐状又は脂環式ジオールのアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルも使用でき、数平均分子量Mnが220〜1,200のカプロラクトン及び/又はバレロラクトン修飾のヒドロキシアルキルアクリレートや炭素数2−8の線状、分岐状又は脂環式ジオールから好ましく誘導されるヒドロキシアクリレートが使用できる。ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシプロピレンアクリレート又はポリオキシブチレンアクリレートのようなポリオキシアルキレンアクリレート、混合ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアクリレート、又はポリオキシエチレンアクリレート及びポリオキシプロピレンアクリレートと高級同属オキシアルキレンアクリレート又は酸化スチレンとの混合物で、炭素数5−100のポリオキシアルキレンアクリレートは、OH官能性化合物としてのみならず、例えば、メトキシ−、エトキシ−、ラウロキシ−又はステアロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート、オクトキシ−、ステアロキシ−又はアリル−オキシポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアクリレート、又はノニルフェノキシポリオキシアルキレンアクリレートのように炭素数1−22のアルキル、アリル又はアラルキルでキャップした化合物としても使用できる。
【0037】
例えば、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート又はN,N’−ジメチルアミノプロピルアクリレートのようなアミノアルキルアクリレートも使用することができる。一般式(VI)の化合物のXがNHである場合に、tert−ブチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノアクリルアミド、フェニルアクリルアミド及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)のような置換アクリルアミド並びにそれらの塩もアクリルアミドと同様に使用できる。XがNRの場合には、例えば、N,N’−ジメチルアクリルアミドが使用できる。本発明により、個々のアクリル酸エステルと他のアクリル酸エステルとの混合物及びアクリルアミドと一緒の混合物も同様である。
【0038】
一般式(VII)の適切な化合物は、下記のモノイソシアネートが好ましい。すなわち、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、イソブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ネオペンチルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、2−ナフチルイソシアネート及びステアリルイソシアネートがある。
また、米国特許第6,420,466号明細書で知られている一般式OCN−C63(CH3)−NHCOO−R8で表されるイソシアネート含有モノ付加物がある。
ここで、R8は、(C1−C22)アルキル、アリール−、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドのようなオキシアルキレンオキシド及びこれらの混合物を含むオキシアルキレン基、また、該オキシアルキレン基の一部がスチレンオキシドで置換されていても良く、又は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物に基づくポリエステルである。個々のモノイソシアネートを混合して使用することもできる。
【0039】
一般式(V)と(VI)の化合物の付加反応は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で行う。(V)と(VI)の比率は、化合物(V)のモル当たり、化合物(II)のR1がHの場合は、該(VI)の1.8〜2.2モルが好ましく、1.9〜2.1モルがより好ましく、2モルが特に好ましい。また、化合物(II)のR1が−(CH22−CO−X−R5の場合は、該(VI)の3.8〜4.2モルが好ましく、3.9〜4.2モルがより好ましく、4モルが特に好ましい。化合物(II)のR1が−(CH22−CO−X−R5の場合には、該アクリル酸エステル及びアクリルアミドは、それぞれ単独で、又は、混合して化合物(V)に同時又は連続して加えることができる。
この反応は、溶媒の存在下又は溶媒の不存在下に行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒がり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドン、及びエタノール、プロパノール及びイソブタノールのようなアルコール、又はブチルグリコールのようなグリコールがその例である。これらの混合溶媒も使用できる。
【0040】
一般式(II)の化合物のR1がCONH−R’(R’がR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)の場合には、一般式(VII)の化合物の1.8〜2.2モルが好ましく、1.9〜2.1モルがより好ましく、2モルが特に好ましく、これらの量を、化合物(V)と(VI)の付加物1モルに対して、反応温度50〜100℃、好ましくは60〜80℃で加える。モノイソシアネートは同じでも異なっていても良い。触媒を使用しても、使用しなくてもこの反応を行うことができる。適した触媒としては、ジブチル錫ジラウレート(DBTL)のような有機錫化合物の他、ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン(DABCO)のような4級アミンを挙げることができる。溶媒の存在下又は不存在下でこの反応を行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒があり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドンがその例である。これらの混合溶媒も使用できる。
【0041】
一般式(III)の化合物
5−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (III)
ここで、R1はH、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)であるが、該化合物は、一般式(VIII)の1以上の化合物と一般式(VI)の1以上の化合物とを反応させて得られる。
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
ここで、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。又は、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステル基である。
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びaは1〜19の数字である。
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラアルキル基
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル−、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。
又は、R5は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アラルカノール−開始のポリエステル、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
Xは、O、NH、又はNR9であり、更に、R9は(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基である。続いて、適切な場合には、この生成物と一般式(VII)で表される化合物と反応させる。
R’−NCO (VII)
ここで、R’は、R8又はC63(CH3)−NHCOO−R8であり、
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物のオキシアルキレン基であり、適切な場合には、その一部がスチレンオキサイドで置換されても良く、また、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C6−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
【0042】
一般式(VIII)の本発明の中間体は、当業者に知られている条件で製造することができ、例えば、モノカルボン酸及びポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸及び/又は無水ジカルボン酸)の混合物とジアミンとを、好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で、水を除去しながら反応させて製造する。一般式(VIII)の化合物の好ましい製造方法としては、好ましくは最初に、ジカルボン酸及び/又は無水ジカルボン酸とジアミンとを、好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で、水を除去しながら反応させて、100%活性物質を基本に好ましいアミン価5〜180及びより好ましいアミン価15〜100の一般式(V)の縮合生成物を製造し、次いで、化合物(V)とモノカルボン酸とを好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で、水を除去しながら反応させて、化合物(VIII)を製造する。この縮合生成物は、100%活性物質を基本に好ましいアミン価3〜80及びより好ましいアミン価8〜50を有している。ジアミン、ポリカルボン酸及びモノカルボン酸の比率は、3:2:1〜20:19:1、好ましくは3:2:1〜8:7:1である。
【0043】
該モノカルボン酸及び/又はポリカルボン酸の一部をモノイソシアネート及びジイソシアネートで置換することができ、該ジアミンの一部をジオールで置換することができる。この場合には、一般式(VIII)の化合物中の好ましいアミド残基と共に、エステル、ウレタン及び/又は尿素基が存在することになる。
【0044】
該モノカルボン酸としては、飽和、モノ−ポリ不飽和の、線状及び分岐状の脂肪族カルボン酸であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸塩、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イワシ酸、リシネニック酸、α−エレオステアリン酸、α−パリナリック酸、ココナッツオイル脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ココナッツ/パーム核油脂肪酸、パーム油脂肪酸、綿花油脂肪酸、落花生油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、菜種油脂肪酸及びタロウ脂肪酸を挙げることができる。
【0045】
また、例えば、リカニック酸のようなケトカルボン酸、及び安息香酸のような芳香族モノカルボン酸も使用することができる。
【0046】
代表的なヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、リシノレイン脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸又は4−ヒドロキシデカン酸がある。モノカルボン酸の混合物も使用することができる。
【0047】
一般式(VIII)の化合物と一般式(VI)の化合物との付加反応は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で行う。一般式(VIII)の化合物と一般式(VI)との化合物の比率は、一般式(VIII)の化合物のモル当たり、該化合物のR1がHの場合は、該(VI)の化合物の0.8〜1.2モルが好ましく、0.9〜1.1モルがより好ましく、1モルが特に好ましい。また、一般式(III)の化合物のR1が−(CH22−CO−X−R5の場合は、該(VI)の化合物の1.8〜2.2モルが好ましく、0.9〜2.1モルがより好ましく、2モルが特に好ましい。化合物(III)のR1が−(CH22−CO−X−R5の場合には、該アクリル酸エステル及びアクリルアミドは、それぞれ単独又は混合して一般式(VIII)の化合物に同時又は連続して加えることができる。この反応は、溶媒の存在下又は溶媒の不存在下に行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒があり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドン、及びエタノール、プロパノール及びイソブタノールのようなアルコール、又はブチルグリコールのようなグリコールがその例である。これらの混合溶媒も使用できる。
【0048】
一般式(III)の化合物のR1がCONH−R’(R’がR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)の場合には、一般式(VII)の化合物の0.8〜1.2モルが好ましく、0.9〜1.1モルがより好ましく、1モルが特に好ましく、その量を、一般式(VII)の化合物と一般式(VI)の化合物との付加物1モルに対して、反応温度50〜100℃、好ましくは60〜80℃で加える。モノイソシアネートは同じか異なっていても良い。触媒を使用しても、使用しなくてもこの反応を行うことができる。適した触媒としては、ジブチル錫ジラウレート(DBTL)のような有機錫化合物の他、DABCOのような4級アミンを挙げることができる。溶媒の存在下又は不存在下でこの反応を行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒があり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドンがその例である。溶媒を混合して使用することもできる。
【0049】
一般式(IV)の化合物
6−Y−[R4−Y−R3−Y]a−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (IV)
1は、H、(CH22−CO−X−R5、CONH−RH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)であり、該化合物は、一般式(VIII)の化合物の1以上と一般式(IX)の化合物の1以上とを反応させて得ることができる。
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
ここで、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。又は、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステル基である。
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びaは1〜19の数字であり、かつ、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラルキル基
2C=HC−CO−X−R7−X−CO−CH=CH2 (IX)
ここで、R7は、(C1−C18)アルキレン、(C3−C18)アルケニレン、(C5−C12)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C15)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。又は、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステル基である。
Xは、O、NH、又はNR9、及び
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキルの基)であり、続いて、適切な場合には、
(a)この生成物と一般式(VI)で表される化合物の1以上と反応させる。
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基であり、また、オキシアルキレン基の一部がスチレンオキサイドで置換されても良い。
又は、R5は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオンラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
Xは、O、NH、又はNR9、及び
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキルの基)であり、及び/又は、
(b)この生成物と一般式(VII)で表される化合物の1以上と反応させる。
R‘−NCO (VII)
ここで、R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8であり、かつ、R8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物であり、適切な場合には、その一部がスチレンオキサイドで置換されても良いオキシアルキレン基、また、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C6−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステルであって、例えば、(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸に基づく、又はβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン又は(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトン又はこれらの混合物のようなラクトンに基づくポリエステルである。
【0050】
XがOの場合には、一般式(IX)の化合物は、炭素数2〜36の線状、分岐状又は脂環式ジオールのジアクリレートが好ましく、例えば、エタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート又は2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートがある。炭素数10〜100のオリゴ及びポリオキシアルキレンジアクリレート、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシブチレンジアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンジアクリレート、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレンジアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンジアクリレートが含まれ、ウレタンジアクリレート、ビスフェノールAエポキシドジアクリレート、1〜15個のアルコキシ基を有するエトキシ化及び/又はプロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、及びエトキシ化又はプロポキシ化2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートも挙げられる。例えば、カプロラクトン及び/又はバレロラクトンに基づくポリラクトンジアクリレート及び混合ポリエーテル−ポリエステルジアクリレートのようなポリエステルジアクリレートも同様に、一般式(IX)の化合物として有用である。
【0051】
Xが、NHに場合には、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド又はN,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミドのようなビスアクリルアミドの使用も好ましい。該ジアクリレートは、それらを混合して使用することもできるし、ビスアクリルアミドと一緒にして使用することができる。また、同様に、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート又はアルコキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートのようなトリアクリレートを少量使用することができる。
【0052】
一般式(VIII)と(IX)の化合物同士の付加反応は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で行う。一般式(VIII)と(IX)の比率は、化合物(IX)のモル当たり、該化合物のR1がHの場合は、該(VIII)の1.8〜2.2モルが好ましく、1.9〜2.1モルがより好ましく、2モルが特に好ましい。
一般式(IV)の化合物のR1が、−(CH22−CO−X−R5の場合は、該(VI)の化合物の好ましくは1.8〜2.2モル、より好ましくは1.9〜2.1モル、特に好ましくは2モルを、一般式(VIII)及び(IX)の化合物同士の付加物1モルに対し、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃で使用する。
この反応は、溶媒の存在下又は溶媒の不存在下に行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒があり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドン、及びエタノール、プロパノール及びイソブタノールのようなアルコール、又はブチルグリコールのようなグリコールがその例である。これらの混合溶媒も使用できる。
【0053】
一般式(IV)の化合物のR1がCONH−R’(R’がR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)の場合には、一般式(VII)の化合物の1.8〜2.2モルが好ましく、1.9〜2.1モルがより好ましく、2モルが特に好ましく、これらの量を、一般式(VIII)と(IX)の化合物の付加物1モルに対して、反応温度50〜100℃、好ましくは60〜80℃で加える。モノイソシアネートは同じか異なっていても良い。触媒を使用しても、使用しなくてもこの反応を行うことができる。適した触媒としては、ジブチル錫ジラウレート(DBTL)のような有機錫化合物の他、DABCOのような4級アミンを挙げることができる。溶媒の存在下又は不存在下でこの反応を行うことができる。適切な溶媒としては、あらゆる脂肪族、芳香族、プロトン性及び非プロトン性溶媒があり、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼン又はイソパラフィン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドンがその例である。これらの混合溶媒も使用できる。
【0054】
更に、本発明は、本発明のアミド含有ポリマー又は本発明の製造方法により製造されるアミド含有ポリマー、特に、例えば、ポリウレタン(1K及び2K)、ポリアクリレート、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂及びエポキシ樹脂、PVCプラスチック及びPVC有機ゾル、エポキシド系コーティング材料及び不飽和ポリエステル樹脂のようなバインダーに基づく、溶媒系及び無溶媒系コーティング材料におけるレオロジー特性の調節添加剤としての使用も提供する。コーティング材料には、米国特許第6,156,325号明細書の実施例に記載されている種類の爪エナメルも含まれる。
【0055】
本発明のアミド含有ポリマーの量は、全処方量に基づいて、通常、活性物質を0.05〜5.0質量%、好ましくは活性物質を0.1〜3.0質量%、より好ましくは活性物質を0.2〜2.0質量%で使用する。
更に、本発明は、本発明のアミド含有ポリマー又は本発明の製造方法により製造されるアミド含有ポリマーの1以上からなる硬化又は未硬化樹脂組成物も提供する。
【実施例】
【0056】
実施例1
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、226.4g(0.4モル)のプリポール(Pripol)R1006ダイマー酸〔水添した二量化脂肪酸、ユニケマ(Uniqema)製〕、69.6g(0.6モル)のヘキサメチレンジアミン及び127gのシェルゾール(Shellsol)A〔高沸点芳香族炭化水素、シェルケミカル(Shell chemicals)製〕を連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約54である。ついで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0057】
実施例2
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、226.4g(0.4モル)のプリポール(Pripol)R1006ダイマー酸〔ユニケマ(Uniqema)製〕、55.7g(0.48モル)のヘキサメチレンジアミン及び121gのシェルゾール(Shellsol)D40〔脱芳香族化炭化水素、シェルケミカル(Shell chemicals)製〕を連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約23である。ついで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0058】
実施例3
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、226.4g(0.4モル)のプリポール(Pripol)R1006ダイマー酸〔ユニケマ(Uniqema)製〕、69.6g(0.6モル)のヘキサメチレンジアミン及び152gのシェルゾール(Shellsol)D40〔脱芳香族化炭化水素、シェルケミカル(Shell chemicals)製〕を連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約51である。
次いで、57.6g(0.2モル)のトール油脂肪酸〔高オレイン及びリノレン酸含有のモノカルボン酸と約2%の樹脂酸(アビエチン酸)、アリゾナケミカル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクターハフトゥング(Arisona Chemical GmbH)製〕を加えて、反応中に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約23である。次いで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0059】
実施例4
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、232g(0.4モル)のプリポール(Pripol)R1017ダイマー酸〔不飽和の二量化脂肪酸、ユニケマ(Uniqema)製〕、55.7g(0.48モル)のヘキサメチレンジアミン及び133gのコバーゾール(Cobersol)B60〔イソパラフィン系炭化水素混合物、C9〜C12イソアルカン、ケルナー ベンジン−ラフィネリィ(Coelner Benzin-Raffinerie)製〕を連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約22である。
次いで、22.8g(0.08モル)のステアリン酸を加えて、反応中に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約10.5である。次いで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0060】
実施例5
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、214.5g(0.375モル)のエンポール(Empol)R1062ダイマー酸〔蒸留した二量化脂肪酸、部分的に水添、コクニス(Cognis)製〕、68.1g(0.5モル)のm−キシリレンジアミン及び121gのコバーゾール(Cobersol)B60を連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約35である。ついで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0061】
実施例6
攪拌機、水分離器及び温度計を備えた1リッターの三口フラスコに、146g(1モル)のアジピン酸、180g(1.25モル)のオクタメチレンジアミン及び140gのシェルゾール(Shellsol)Aを連続して入れた後、ゆっくりと170℃に加熱する。反応中に徐々に遊離する水を水分離器により共沸分離する。縮合生成物のアミン価は約63である。次いで、反応混合物を50℃に冷却する。
【0062】
実施例7
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、150.9g(0.075モル)の実施例1の縮合生成物、及び17g(0.15モル)のN−イソプロピルアクリルアミドを連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0063】
実施例8
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、143.4g(0.03モル)の実施例2の縮合生成物、及び13g(0.06モル)のイソデシルアクリレートを連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。ついで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0064】
実施例9
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、143.4g(0.03モル)の実施例2の縮合生成物、及び16g(0.06モル)のポリオキシエチレン200アクリレート〔ブレルマー(Blerrmer)RAE200、日本油脂(NOF)製〕を連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0065】
実施例10
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、143.8g(0.06モル)の実施例3の縮合生成物、及び15g(0.03モル)のポリオキシエチレン400ジアクリレート〔サルトマー(Sartomer)R344、クレイバレイ(Cray Valley)製〕を連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0066】
実施例11
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、134.8g(0.06モル)の実施例3の縮合生成物、及び4.6g(0.03モル)のN,N’−メチレンビスアクリルアミドを連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0067】
実施例12
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、154.97g(0.03モル)の実施例4の縮合生成物、及び18g(0.03モル)のポリオキシエチレン400アクリレート〔ブレルマー(Blerrmer)RAE400、日本油脂(NOF)製〕を連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0068】
実施例13
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、154.97g(0.03モル)の実施例4の縮合生成物、及び9.7g(0.03モル)ステアリルアクリレートを連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物40%なるように希釈する。
【0069】
実施例14
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、154.97g(0.03モル)の実施例4の縮合生成物、及び12.5g(0.03モル)のラウロキシポリオキシエチレン200アクリレート〔ブレルマー(Blerrmer)RAE200、日本油脂(NOF)製〕を連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、9g(0.03モル)のステアリルイソシアネートを加えて、混合物を80℃で2時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物30%なるように希釈する。
【0070】
実施例15
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、153.77g(0.05モル)の実施例5の縮合生成物、及び34.4g(0.1モル)トーン(Tone)RM100〔ヒドキシエチルアクリレートと2モルのε−カプロラクトンとの付加生成物、ダウ(Dow)製〕を連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物30%なるように希釈する。
【0071】
実施例16
攪拌機、還流冷却機及び温度計を備えた500ミリリッターの三口フラスコに、82.86g(0.05モル)の実施例6の縮合生成物、及び24g(0.1モル)のラウリルアクリレートを連続して入れた後、80℃に加熱する。反応混合物を3時間攪拌する。
次いで、24.8g(0.1モル)の米国特許第6,420,466号明細書からの式OCN−C64(CH3)−NHCOOCH49のイソシアネートプレポリマーを加えて、混合物を80℃で2時間攪拌する。次いで、反応生成物をイソブタノールで固体物30%なるように希釈する。
【0072】
(使用例)
白色塗料処方:デガラン(Degalan)白色塗料、28%バインダー、20% TiO2
デガラン(Degalan)RLP64/12、シェルゾール(Shellsol)A中35% 34.4
〔熱可塑性プラスチックアクリレート、シェルゾール(Shellsol)A中、35%に希釈、レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクターハフトゥング(Roehm GmbH)〕
ジスパービク(Disperbyk)R110 0.6
クロノス(Kronos)2160(TiO220

分散:30分間、機器ジスパーマット(Dispermat)、温度40℃、周速18m/秒(8,000rpm 4.5cmテフロンディスク用) ガラスビーズ(1mm) 1:1/ミルベース

デガラン(Degalan)RLP64/12、シェルゾール(Shellsol)A中35% 45
計100

添加剤量:組成物の全重量に基づき、活性物質を1%

添加方法:機器ジスパーマット(Dispermat)を用い、2.5cmののこぎり歯状ディスク により、1,000rpmで2分間攪拌しながら、添加剤を加える。
【0073】
試験方法:垂れ限界の形でのレオロジー的活性試験
この目的のために、ビーワイケイ ガードナー(BYK Gardner)製2801対比チャートに対し、段階的コーター(Coater)50〜500μm及び550〜1、000μmで、ビーワイケイ ガードナー(BYK Gardner)製の自動塗布機(速度:3cm/秒)により、添加塗料系を塗布した。
該対比チャートは、垂直吊りで乾燥する。安定性を湿潤状態、μm単位で読み取る。これがレオロジー的活性の測定である。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、本発明のアミド含有ポリマー又は本発明の製造方法により製造されるアミド含有ポリマーのレオロジー特性の調節添加剤、特に、例えば、ポリウレタン(1K及び2K)、ポリアクリレート、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂及びエポキシ樹脂、PVCプラスチック及びPVC有機ゾル、エポキシド系コーティング材料及び不飽和ポリエステル樹脂のようなバインダーに基づく、溶媒系及び無溶媒系コーティング材料におけるレオロジー特性の調節添加剤としての使用も提供する。コーティング材料には、米国特許第6,156,325号明細書の実施例に記載されている種類の爪エナメルも含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表されるアミド含有ポリマー、並びにこれらのカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩。
A−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−B (I)
ここで、
Aは、R5又はR6−Y−[R4−Y−R3−Y]b−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7及びBは、Y−R6又はNR1−(CH22−CO−X−R5
1は、H、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、(C1−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、又はポリエステル基、
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラルキル基、
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C122)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アルアルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
Xは、同一又は異なるO、NH又はNR9基、
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基、
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びa及びbは、それぞれ独立して1〜19の数字である。
【請求項2】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び/又はR8基の1以上が、ポリオキシアルキレン部分を含む場合、この又はこれらの基がランダム又はブロック状に配列したエチレンオキシド、ポロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド単位から構成され、かつ、適切な場合には、1以上のエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド単位がスチレン単位により置換されている、請求項1に記載のアミド含有ポリマー。
【請求項3】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び/又はR8基の1以上が、ポリエステル基からなる場合、この又これらの基が1以上の(C1−C18)ヒドロキシカルボン酸又は1以上のラクトンに基づいて構成されている、請求項1又は2に記載のアミド含有ポリマー。
【請求項4】
ラクトンが、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及び(C1−C6)アルキル置換ε−カプロラクトンを含む群から選ばれる、請求項3に記載のアミド含有ポリマー。
【請求項5】
1が、H、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2及びR4が、それぞれ独立して(C2−C18)アルキレン、(C7−C15)アルアルキレン基、
3が、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アルアルキレン基、
5が、H、(C1−C22)アルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6が、(C1−C30)アルキル又は(C3−C22)アルケニル基、
7が(C1−C18)アルキレン又はポリオキシアルキレン基、
8が(C1−C22)アルキル基
Xは、同一又は異なるO又はNH、
Yが、1以上のNHCO及びCONHの基、及びa及びbが、それぞれ独立して1〜19の数字である、請求項1〜4のいずれかに記載のアミド含有ポリマー。
【請求項6】
1がH、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2及びR4が、それぞれ独立して(C2−C12)アルキレン、(C7−C12)アラルキレン基、
3が、(C2−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン基、
5が、H、(C1−C22)アルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6が、(C12−C30)アルキル又は(C12−C22)アルケニル基、
7が、(C1−C18)アルキレン又はポリオキシアルキレン基
8が、(C1−C22)アルキル基
Xは、同一又は異なるO又はNH、
Yが、1以上のNHCO及びCONHの基、及びa及びbが、それぞれ独立して1〜7の数字である、請求項1〜5のいずれかに記載のアミド含有ポリマー。
【請求項7】
1が、H、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2及びR4が、それぞれ独立して(C2−C8)アルキレン、(C7−C9)アラルキレン基、
3が、(C30−C40)アルキレン、(C30−C40)アルケニレン、(C30−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C30−C40)アラルキレン基、
5が、H、(C1−C22)アルキル、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−、(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6が、(C12−C20)アルキル又は(C12−C20)アルケニル基、
7が、(C1−C18)アルキレン−又はポリオキシアルキレン基
8が、(C1−C22)アルキル基
Xは、同一又は異なるO又はNH、
Yが、1以上のNHCO及びCONHの基、及びa及びbが、それぞれ独立して1〜7の数字である、請求項1〜5のいずれかに記載のアミド含有ポリマー。
【請求項8】
1が、水素、CONH−CH1837及び/又はCONH−C63(CH3)−NHCOOC49、及び/又はR2及びR4が、ヘキサメチレン、オクタメチレン又はm−キシレン基、及び/又はR3が、C34基、及び/又はR6が、C17−アルキル又はC17−アルケニル基、及び/又はXが、O又はNH、及び/又はYが、CONH及び/又はNHCO、及び/又はa及びbが、それぞれ2〜5の数字であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のアミド含有ポリマー。
【請求項9】
(A)下記の一般式(V)及び(VIII)の1以上の化合物と、
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−NH2 (V)
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
下記の一般式(VI)及び(IX)の1以上の化合物とを、上記の一般式(V)及び(VIII)の化合物のNH2基のモル当たり下記の一般式(VI)及び(IX)の化合物のCH=CH2基を0.8〜1.2モル使用して、反応させてR1が水素の化合物を製造し、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
2C=HC−CO−X−R7−X−CO−CH=CH2 (IX)
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONHR’の場合には、下記の一般式(VI)及び(VII)の1以上の化合物と、工程(A)からの化合物のNR1基のモル当たり、一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大1.2モル使用して、工程(A)からの化合物とを反応させ、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
R’−NCO (VII)
(C)下記の一般式(I)の化合物が、カルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合に、工程(A)及び(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸との反応が起こることを特徴とする、一般式(I)のアミド含有ポリマー並びにこれらのカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩の製造方法。
A−X−CO−(CH22−NR1−R2−[Y−R3−Y−R4a−B (I)
ここで、
Aは、R5又はR6−Y−[R4−Y−R3−Y]b−R2−NR1−(CH22−CO−X−R7及びBは、Y−R6又はNR1−(CH22−CO−X−R5
1は、H、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONH−RH−R’(R’はR8又はC63(CH3)−NHCOO−R8)、
2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、(C1−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アルアルキレン又はポリオキシアルキレン基、又はポリエステル基、
5は、H、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル−、(C5−C12)シクロアルキル、ヒドロキシアルキル基又はN、N’−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アラルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール又は(C7−C12)アラルキル基、
8は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル又は(C5−C12)シクロアルキル基、(C1−C22)アルコキシ、(C5−C12)シクロアルコキシ又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン基、又は、(C1−C22)アルカノール−、(C5−C12)シクロアルカノール−又は(C7−C12)アルアルカノール−開始の、又は(C1−C22)アルコキシ−、(C5−C12)シクロアルコキシ−又は(C7−C12)アラルコキシポリオキシアルキレン−開始のポリエステル、
Xは、同一又は異なるO、NH又はNR9基、
9は、(C1−C22)アルキル、アリール、(C7−C12)アラルキル、ヒドロキシアルキル、(C5−C12)シクロアルキル基、
Yは、COO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNH及びNHCONHからなる基の1以上、及びa及びbは、それぞれ独立して1〜19の数字である。
【請求項10】
(A)下記の一般式(V)の1以上の化合物と
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−NH2 (V)
一般式(VI)の1以上の化合物とを、一般式(V)の化合物のNH2基のモル当たり一般式(VI)の化合物のCH=CH2基を0.8〜1.2モル使用して、反応させて、R1が水素の化合物を製造し、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONHR’の場合に、一般式(V)及び(VII)の1以上の化合物を、工程(A)からの化合物のNR1基のモル当たり、一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大1.2モル使用して、工程(A)からの化合物と反応させ、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
R’−NCO (VII)
(C)一般式(I)の化合物が、カルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合に、工程(A)及び(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸との反応が起こる、請求項9に記載のアミド含有ポリマーの製造方法。
【請求項11】
(A)下記の一般式(VIII)の1以上の化合物と
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
下記の一般式(VI)の1以上の化合物とを、一般式(VIII)の化合物のNH2基のモル当たり一般式(VI)の化合物のCH=CH2基を0.8〜1.2モル使用して、反応させて、R1が水素の化合物を製造し、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONHR’の場合に、一般式(VI)及び(VII)の1以上の化合物を、工程(A)からの化合物のNR1基のモル当たり、一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大1.2モル使用して、工程(A)からの化合物と反応させ、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
R’−NCO (VII)
(C)一般式(I)の化合物が、カルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合に、工程(A)及び(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸との反応が起こる、請求項9に記載のアミド含有ポリマーの製造方法。
【請求項12】
(A)下記の一般式(VIII)の1以上の化合物と
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
一般式(IX)の1以上の化合物とを、一般式(IX)及び(VIII)の化合物のNH2基のモル当たり一般式(IX)の化合物のCH=CH2基を0.8〜1.2モル使用して、反応させて、R1が水素の化合物を製造し、かつ、
2C=HC−CO−X−R7−X−CO−CH=CH2 (IX)
(B)R1の全部又は一部が、(CH22−CO−X−R5及び/又はCONHR’の場合に、一般式(VI)及び(VII)の1以上の化合物を、工程(A)からの化合物のNR1基のモル当たり一般式(VI)及び/又は(VII)の化合物を最大1.2モル使用して、工程(A)からの化合物と反応させ、かつ、
5−X−CO−CH=CH2 (VI)
R’−NCO (VII)
(C)一般式(I)の化合物が、カルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸の塩である場合に、工程(A)及び(B)からの化合物とカルボン酸、リン酸エステル及びスルホン酸との反応が起こる、請求項9に記載のアミド含有ポリマーの製造方法。
【請求項13】
工程(A)で規定した一般式(VI)の化合物の量に加えて、工程(B)に規定した一般式(VI)の化合物の量を工程(B)で使用せずに、その代わりに、工程(A)で使用する、請求項9〜11のいずれかに記載のアミド含有ポリマーの製造方法。
【請求項14】
工程(A)の反応を60〜100℃、好ましくは70〜90℃で行う、請求項9〜13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
工程(B)における反応を、一般式(VII)の化合物と反応させる場合には50〜100℃、好ましくは60〜80℃で行い、一般式(VI)の化合物と反応させる場合には60〜100℃、好ましくは70〜90℃で行う、請求項9〜14のいずれかに記載の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜8に規定した、又は請求項9〜15のいずれかに記載の製造方法により得られるアミド含有ポリマーのレオロジー特性の調節添加剤としての使用。
【請求項17】
レオロジー特性の調節添加剤を、ポリウレタン(1K及び2K)、ポリアクリレート、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂及びエポキシ樹脂、PVCプラスチック及びPVC有機ゾル、エポキシド系コーティング材料及び不飽和ポリエステル樹脂のようなバインダーに基づく、溶媒系及び無溶媒系コーティング材料に用いる、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
レオロジー特性の調節添加剤を、該添加剤が用いられる組成物の全量を基準にして、活性物質を0.05〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%使用する請求項16及び17のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
請求項1〜8に規定した、又は請求項9〜15のいずれかに記載した製造方法により得られるアミド含有ポリマーからなる硬化又は未硬化ポリマー組成物。
【請求項20】
下記一般式(V)又は(VIII)の化合物。
2N−R2−[Y−R3−Y−R4]a−NH2 (V)
2N−R2−[Y−R3−Y−R4a−Y−R6 (VIII)
ここで、
2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、(C1−C40)アルキレン、(C3−C40)アルケニレン、(C5−C40)シクロアルキレン、アリーレン、(C7−C40)アラルキレン又はポリオキシアルキレン基、又はポリエステル基、
6は、(C1−C30)アルキル、(C3−C22)アルケニル、ヒドロキシアルキル、(C4−C13)シクロアルキル、アリール、又は(C7−C12)アラルキル基、及びaが1〜19の数字である。

【公開番号】特開2007−107002(P2007−107002A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−278688(P2006−278688)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(598067245)ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング (30)
【Fターム(参考)】